「Lea Lea」と一致するもの

interview with Unknown Mortal Orchestra - ele-king


Unknown Mortal Orchestra
Sex & Food

Jagjaguwar / ホステス

Indie RockPsychedelic

Amazon Tower HMV iTunes

  60年代に産声を上げたサイケデリック・ロックは、ある時期までのロック史観においては、その時代にのみ瞬間的な爆発をみた徒花的存在として扱われてきたきらいもあった。しかし、商業ベースに乗らない自主制作盤の世界では、サイケデリック暗黒時代と言われる70年代にも少なくないアーティストが蠢いていたことが近年振り返られつつ有るし、オルタナティヴ・ロックの興隆以降、ペイズリー・アンダーグラウンド・ムーヴメントなど80年代におけるリバイバルを始めとして、折に触れてサイケデリックという奴は歴史に顔を出し続けてきた。そしてそれに伴っていつからか、一個の音楽スタイルという括りを越えて、特有のテクスチャーやムードを持ったもの/ことに対して使う形容詞としても定着し、時には安易に使われ過ぎる言葉ともなっていった。
 アンノウン・モータル・オーケストラこそは、そういった捉えがたい霧のようになってしまった「サイケデリック」というものを、今一度リスナーの耳元に引き据えてみせる。しかも、この「サイケデリック」は、往時に描かれたムードとはかなり質感を異にする。それは、これまでサイケデリックを表象してきた攻撃的酩酊感とでもいうべきものと、一般的にはそれと相反すると思われてきた所謂「メロウネス」との巧みかつ大胆な融合によるものだと言えるだろう。90年代後期から米国中心に再び勃興してきたローファイでガレージーなインディ・バンド/アーティスト群や、チルウェイヴやシューゲイザー・リバイバルとの共振も感じさせた初期作品を経て、彼らは徐々に仄暖かでメロウな海へと漕ぎ出してきたのだった。それは一見、かねてよりギャラクシー500やヨ・ラ・テンゴといったアクトが住処としていた海であるようにも見えるが、アンノウン・モータル・オーケストラの眼前に広がるそれは、各種のブラック・ミュージックやビート・ミュージックからの影響も垣間見える、コンテンポラリーなメロウネスと躍動に満ちたものだ。その沖合では既にアリエル・ピンクが帆船を浮かべていたかもしれないが、彼らはそれを横目に見ながら密航者のように鮮やかな手つきで彼らだけの海域を見つけ、そこで巧みに遊んでいる。

 ……そして時に言われるように、サイケデリックへ沈潜し時にノスタルジーの蠱惑にも誘われながらそこに遊ぶことにより、ライブリーな生活圏や政治的世界と隔絶するという現象は、どうやら確かに起こることなのかもしれない。もしかするとここに聴かれる世界は、現在の政治空間からのスキゾ的逃避ととらえられても仕方のないことかもしれないが、しかしながらそもそも逃避とは、その表現者自身に社会に対する鋭敏な問題意識が蟠っているからこそとも言える。この逃避の欲求というのは、かねてよりこの世界に生きる我々皆が少なからず背負い込んでいる問題でもあろうし、その重荷を肩に感じながら、音楽そのものに耽溺するとき、ひょっとしたらメロウネスこそが鬱屈を和らげるオピウムのような役割を担いつつあるのかもしれない。
 サイケデリックは今新たなフェーズを迎えつつある。「官能と飽食」という、いかにも示唆深いタイトルを与えられた今作は、その象徴として捉えられる傑作であるとともに、メランコリーに揺られるからこそメロウネスがひとりでに立ち昇るという仮設を提供してくれていることで、サイケデリック・ロックに限らない昨今の音楽シーンを読み解く優れたテクストにもなるだろう。

 今作での音楽性の深化や、メロウな音楽への関心、シーンを取り巻く状況、ドラッグ・カルチャーについてなど、バンドのリーダーであるルーバン・ニーソンに話を訊いた。

音楽を作る時も、すごく馴染みのある気持ちになることもあれば、暗闇を歩いている気持ちになったりもする。様々な気持ちになるんだけど、時にはその暗闇を歩いている時こそがいい時だったりするんだよね。

今作『セックス&フード』、とても素晴らしい内容で非常にワクワクしながら聴かせていただきました。第一印象として、これまでに増してメロウな感覚が強まったと感じます。バンドにとって、70年代のソウルなどのファンキーでメロウな音楽はどんな存在でしょうか? また、それらはインスピレーション源として大きなものでしょうか?

ルーバン・ニールソン(以下RN):ありがとう! そう言ってもらえて嬉しいよ。そうだね、70年代の音楽にはすごく影響を受けたって言えると思う。ソウルやファンクは、小さい頃に聴いていたような音楽だった。家の中で流れていたものだから自然と聴いて育った音楽なんだ。今でもその頃の音楽は聴いたりするよ。

一方、リード・トラック“アメリカン・ギルト”などのように、鮮烈なギターリフが先導するガレージーな楽曲も収録されています。ガレージロック的なものとメロウなものというのは、一般的には一見背反する要素のように捉えられているかと思うのですが、アルバム全体ではその融合を目指しているようにも感じました。制作にあたってそういった意識はありましたか?

RN:曲作りをアコースティック・ギターで作り始めるから、最初はメロウな感じでいつも始まるんだ。だけど書いていくうちにもっとロックになってきたり、他に試してみたいことが出てきたりして、プロダクションを重ねていくうちにそういう感じに変化して行ったんだ。

ミックスなどの音響面でも、これまで皆さんに対して言われてきたようなローファイな感覚から、曲によってはかなりハイファイな音作りに変化したような気がするのですが、これはなぜなのでしょうか?

RN:僕はレコーディングする時に用いる手法があるんだけど、ヴィンテージのテープレコーダーやカセットテープを使って作業しつつ、コンピューター処理も行う。昔ながらのアナログな手法とモダンな手法が混ざっているんだよね。ディストーションとかはわざと残したりしているよ。でもアルバムを重ねるごとに、自分の技術も上がってきて、よりいい機材を使ったりしているんだ。アルバムごとに少しずつ手法やスキルも上がってきてるからサウンドも変わってきたんだと思う。

近年脚光を浴びている、いわゆる「ヨットロック」のリバイバルについては、どんな認識をもっていますか? ここ日本でも自国の「ヨットロック」である70~80年代の音楽が「シティ・ポップ」として海外からも注目されるなど、今までダサイとされていたものの問い直しが起こっています。

RN:僕が幼い時は、父親がジャズ・ミュージシャンっていうこともあって、家ではジャズ・ミュージックが主に流れていて、ヴォーカル・ミュージックを聴くことが少なかった。でも唯一父親も好きで聴いていた「ポップ」と呼べる音楽は、スティーリー・ダンだった。だからスティーリー・ダンは自分にとってすごく心の中に残ってる音楽なんだよね。今またなんでヨットロックが注目されているかというと、多分今の時代に生まれる音楽とすごく違うからだと思う。あの頃はプロダクションレベルとかミュージシャンシップとか、今よりもすごく高いものが多かったと思う。だからそういう音楽に触れるとすごく珍しい気持ちになる。それに、昔聴いていた音楽はノスタルジーに浸れるっていうのも大きい気がする。ノルタルジーってやっぱり人の心や記憶の中でとても強いものだと思うから。

メキシコシティやアイスランドのレイキャビク、韓国のソウルやベトナムのハノイなど世界各地でもレコーディングを行ったとのことですが、創作にあたって、どんな刺戟がありましたか? また、そういった地域のポップスや民族音楽からの影響はあったのでしょうか?

RN:ローカルの音楽を聴いたりもしてみたんだけど、あまり影響されないようにはしてたんだよね。でもベトナムでは、レコーディングしてたスタジオでいつも顔を会わせるバンドがいて、いつも会うから彼らと仲良くなったんだ。一緒に音を鳴らしたりしているうちに、いろんな音楽ができて行った。結果的にすごくたくさんの楽曲が増えたから、また別の形でそれは出そうと思ってる。音的にはエレクトロニック・ジャズとかクラウトロックみたいな感じなんだけど、それを年内か来年出す予定だよ。あとは、ローカルなライブとかも何度か行ったよ。でも自分的には影響されて、まるでそこの土地の音楽を盗むような真似をしたくなかった。

昨年米国の再発レーベル、〈ライト・イン・ジ・アティック(Light in the Attic)〉より日本のフォーク・ロックを集めたコンピレーション・アルバム『木ですら涙を流すのです』が発売されました。そういったフォーク・ロックに限らず、サイケデリック・ロックなど、ここ日本の音楽に興味はおありですか? また特定の好きなミュージシャンがいれば教えてください。

RN:当然YMOは大好きだよ! あと僕たちが一回日本で共演したTempalayっていうバンドがいるんだけど、彼らはすごく好きだよ! でも残念ながら日本のサイケロックはあまり詳しくないんだ。誰かオススメいる? いたらぜひ知りたいよ!

高度資本化した社会、またポストインターネットといわれる現代の時代状況において、様々な情報や音楽ジャンルが並立し、時にガラパゴス化した様相を呈するようになってきたと感じます。その中で、一部で「死んだ」とすら言われるロックを今演奏し続けることの意義はどんなものだと思いますか?

RN:ロックが死んだって言われたり、どんな状況になっても僕自身は気にしないかな。僕自身、レッド・ツェッペリンやローリング・ストーンズ、僕の中ではロックンロールと思っているデヴィット・ボウイとかを聴いて育って、今でも僕にとって大切な音楽だから、そういうロックな部分が自分の音楽の一部となってしまうことは変えられないと思う。だからロックが死んでようが生きてようが僕には関係ないな(笑)。あと、僕たちのバンドは僕たちの世界というかコミュニティがあるというか、あまり流行に左右されたりするようなポジションには身を置いていないと思う。

人はずっとモーツァルトもベートーヴェンもジミ・ヘンドリックスも聴き続ける。そういうものって政治を超えている気がして、それに比べると政治的なものってちっぽけに感じてしまったりするんだよね。

これまで、ポピュラー・ミュージックは「新しい」ということを至上の価値として歩んできたと思います。しかし、昨今ではそういった感覚すらも相対化されて、特にインディ・シーンでは各々が各々の表現を自身の尺度で自由に行うようになっているようにも思います。そんな中で今一度、「新しい」とは一体どんなことだと思いますか?

RN:すごくいい質問だね。難しいけど、僕にとって新しい音楽とは、まだその音楽が評価されたり、意見を言われたりしていない時だと思う。例えば、音楽を聴いた時に、まだその音楽がいいかどうか分からなくて、でも何か強い思いみたいなものは抱く時とかあると思うんだけど、そういう時が新しいって思っている瞬間なのかもしれない。自分の音楽を作る時も、すごく馴染みのある気持ちになることもあれば、暗闇を歩いている気持ちになったりもする。様々な気持ちになるんだけど、時にはその暗闇を歩いている時こそがいい時だったりするんだよね。それがいいのかどうか自分でも分からず、でも何かすごく強い思いがこみ上げてくる時こそが新しいものを誕生させられる時なのかもしれない。

ルーバンさんはバンド活動を続けてく中で娘さんを授かったと聞きます。彼女の存在が創作に与えた刺戟はどんなものでしたか? また、家庭人と、ロック・バンドのメンバーとしての活動を並立して続けていくことに、時になにか葛藤があったりするのでしょうか?

RN:僕自身音楽一家で育ったんだ。父親もミュージシャンだったし、父親の父親もミュージシャンだった。だから幼い頃から音楽は普通の仕事として見て育ったんだ。人によっては音楽なんて趣味の延長にしか見えないものかもしれないけど、僕はちゃんとした職業として捉えていたよ。僕は父親のツアーに同行したり、サウンドチェックを見たり、常に仕事の現場を見ていたから、音楽が仕事なのは僕にとってはすごく自然なもの。だから自分に娘ができても同じなんだよね。父親であり音楽家でもある姿は自分が見てきたものだから、すごく自然なものだよ。

様々な文化の分野でポリティカル・コレクトネスが更に敷衍されつつあるように感じる昨今、自身の創作にあたって、そういったものを(肯定的か否定的かいずれにせよ)意識したりすることはありますか? または、そういったことへの問題意識が歌詞表現へ反映されていたりしますか?

RN:政治はすごく大事なことだと思うけど、あまりそれに支配されないようにしているよ。政治よりも音楽の方が大きいものだと思っているから。音楽は歴史を変えることはできないかもしれないけど、帝国が建てられては滅び、イデオロギーも立てられては壊され、それでも人はずっとモーツァルトもベートーヴェンもジミ・ヘンドリックスも聴き続ける。そういうものって政治を超えている気がして、それに比べると政治的なものってちっぽけに感じてしまったりするんだよね。だから僕はあんまり政治的なことに左右されたりしないようにしているよ。

ポートランドのシーンの面白さがここ数年で日本でも認知されているのですが、みなさんが注目する新たなポートランドのアクトはいますか? また、そういったミュージシャンとは交流もあるのでしょうか?

RN:仲良いバンドはたくさんいるよ! 特に自分たちのピアグループ(仲間)とはすごく仲が良くて、すごくいいアーティストがたくさんいるよ。例えば、Portugal the man(ポルトガル・ザ・マン)、The Dandy Warhols(ザ・ダンディー・ウォーホールズ)、Star Fucker(スター・ファッカー)、Wampire(ワンパイアー)とか、ポートランドでは人気があって、僕たちとも仲がいいバンドだよ。新しいバンドでは、Reptaliens(レプタリアンズ)と仲がいいよ。あと僕のバンドのベーシストがいたBlouse(ブラウス)っていうバンドもすごく良いよ。

今年からカリフォルニア州で大麻の販売が解禁されたことが日本でも報じられ、一部で話題となりました。日本ではいまだマリファナも麻薬の一種と捉えられ、大きなタブーとして扱われています。米国における現在のドラッグ・カルチャーは、インディ・ロックの文化圏にとってどのような役割を演じていると思いますか?

RN:やっぱりシーンにドラッグは当然存在はしていると思う。でも僕は、いい大人になってきたし、ドラッグのことを考えたり関わったりする時間はすごく減った。個人的には、ドラッグが僕の愛する人たちを破滅させたりするのを見てきたんだ。でも、時にはすごく創造性を掻き立てるものにもなるものなのだと思う。でもやっぱりパワフルなものは、危険も伴うんだよね。だから僕はあまりドラッグはやるべきではないと思ってるよ。

ニュージーランドご出身ということでお訊きします。80年代前半、米国で「ペイズリー・アンダーグラウンド」と呼ばれるサイケデリック・ロック復興的なシーンがありましたが、The CleanThe Batsなど、同時期のニュージーランドにも「ダニーデン・サウンド」と呼ばれるようなザ・バーズなどの60年代ロックからの影響を感じさせるギター・ロックのシーンがあったとききます(日本ではあまり知られていません)。そういったシーンが何かあなた達の活動にも影響を与えていると思いますか?

RN:まずペイズリー・アンダーグラウンドといえば、ザ・バングルズの“マニック・マンデー”を思い出す。ペイズリー・アンダーグラウンドの最大のヒットなんじゃないかな。あとは、プリンスのアルバムに“ペイズリーパーク”っていう曲があるんだけど、きっとプリンスもペイズリー・アンダーグラウンドのフェーズがあったんだと思う。
ニュージーランドのダニーデン・サウンドは、たくさんのバンドが〈フライング・ナン・レコーズ(Flying Nun)〉からリリースされた時代だった。僕が初めて組んだバンドが兄とのもの〔質問者註:ザ・ミント・チックスのこと。2003年デビュー〕だったんだけど、実は〈フライング・ナン・レコーズ〉からリリースしているんだよ。このレーベルからリリースすることが多くの少年の夢だった。〈フライング・ナン・レコーズ〉やダニーデン・サウンドのアーティストは、すごく強いDIY精神をもっていて、レコーディングやアートワーク含め、大きな会社のバックアップがない状況で全て自分たちでやってしまうアーティストばかりだった。僕はそれにとても憧れていたから、自分に必要なスキルを身につけるという点ですごく影響を受けたよ。バンドをやる上で何が必要なのかを学べたし、それができてすごく良かったと思っている。

これまで聴いてきた中で、ベスト・サイケ・アルバム(一般的にサイケとされていなくても自分がサイケと思うものでもOK)3枚を教えていただけますか?

KOJOE × ISSUGI - ele-king

 ずっと動き続ける――ラッパーでありシンガーでありトラックメイカーでもあるKOJOEが、昨年リリースしたアルバム『here』から、とくに人気の高かったISSUGIとのコラボ曲“PenDrop”のMVを公開しました。それまでのふたりのイメージを覆し大胆にアニメイションを導入したその映像は、哀愁を誘うトラックとも見事にマッチ、独特の味わいを堪能することができます。また、4月13日に開催されるリリース・パーティの追加情報も解禁され、同時にKOJOEのオフィシャル・サイトもオープンしています。合わせてチェック!

KOJOEの最新作『here』よりISSUGIとのコラボ曲“PenDrop”のMVが公開!
また4/13に開催するリリース・パーティの前売特典も決定し、同時にオフィシャル・サイトもロンチ!

 AKANE、Awichをフィーチャーした先行シングル“BoSS RuN DeM”が大きな話題となり、それに加えて5lack、ISSUGI、BES、OMSBら地域/世代/クルーの枠を越えた多彩なゲストが参加した待望の最新作『here』が各所で話題となっているラッパー、KOJOE! 同作から特に人気の高かったISSUGIとのコラボによる“PenDrop”のミュージック・ビデオが新たに公開! これまでの両者のイメージと異なるアニメーションをフィーチャーした作品に仕上がっている。
 その『here』に参加しているゲスト・アーティストがほぼ全員出演するリリース・パーティがいよいよ4/13(金)に渋谷WWW Xにて開催! 同公演ではMUDとFEBB(R.I.P....)をフィーチャーした“Salud”のillmoreによるリミックス音源収録のCD-Rが前売券購入者特典として配布されることが決定! また、その公演に向けてKOJOEのオフィシャル・ウェブサイトもロンチしている。

KOJOE “PenDrop” feat. ISSUGI (Official Video)
https://youtu.be/vO8C_aiGHrc

Kojoe Official Website :
https://kojoemusic.com


Kojoe " here " Release Tour in Tokyo - Supported by COCALERO -
日程: 2018 年4月13日 (金)
会場 WWW X

[Live]
Kojoe

[Featuring Artists] (A to Z)
5lack
AKANE
Awich
BES
BUPPON
Campanella
DAIA
Daichi Yamamoto
DUSTY HUSKY
ISSUGI
MILES WORD
MUD
OMSB
PETZ
RITTO
SOCKS
YUKSTA-ILL

[DJ / Beat Set]
BudaBrose ( BudaMunk x Fitz Ambrose )
illmore
Olive Oil

OPEN / START:24:15 / 24:15
※本公演では20歳未満の方のご入場は一切お断りさせて頂きます。
年齢確認の為、ご入場の際に全ての方にIDチェックを実施しております。写真付き身分証明証をお持ち下さい。

料金:前売り ¥3,000 / 当日 ¥3,500 (ドリンク代別)
U25チケット ¥2,500 (ドリンク代別) ※枚数限定
※〈U25チケット〉は、25歳以下の方を対象とした割引チケットとなります。ご購入の方は、入場時に顔写真入りの身分証明書をご提示ください。ご提示がない場合は、正規チケット料金の差額をお支払いただきますので、予めご了承ください。

※前売り特典:Kojoe - Salud Feat. MUD & FEBB ( illmore Remix ) 収録CD-R

チケット発売中
e+ / チケットぴあ[P:111-011] / ローソンチケット[L:73906] / WWW店頭

公演詳細ページ:https://www-shibuya.jp/schedule/008824.php


Oneohtrix Point Never - ele-king

 時は満ちた。
 昨年の『Good Time』の劇伴や坂本龍一のリミックス、そして3月のデヴィッド・バーン新作への参加を経て、ついにOPNが自身のニュー・アルバム『Age Of』をリリースする。
 最近のコラボ相手を見てもわかるとおり、デビューから10年以上が経ったいまダニエル・ロパティンはその活躍の舞台を上げ、それまでの彼のリスナーとは異なる層にまで訴求する存在になっている。だからこそ、次の一手に関してはいかに紋切り型に陥らないか、いかに手癖に頼らないかというのが肝要になってくるわけだが……公開されているタイトル曲の一部を聴く限り、どうやら『R Plus Seven』とも『Garden Of Delete』とも違う新たな試みが為されているようだ。これは、時代の混沌の中で紡がれた21世紀の電子マニエリスム音楽?
 リリースは5月25日(日本先行発売)。9月には東京での公演も決定している。あなた自身の耳でその変化を確かめよう。

時代の混沌の中で紡がれた21世紀の電子バロック音楽
最新にして圧倒的傑作『AGE OF』完成
即完したニューヨーク2公演に続き、ロンドンと東京公演の開催が決定!

現代を代表する革新的音楽家、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(以下OPN)が、最新アルバム『Age Of』を5月25日(金)に日本先行でリリースすることを発表し、待望の来日公演も決定した。

『Replica』(2011)、『R Plus Seven』(2013)、『Garden of Delete』(2015)と立て続けにその年を代表する作品を世に送り出してきただけでなく、FKAツイッグスとのコラボレーション、アノーニやデヴィッド・バーンのプロデュースに加え、昨年公開の話題映画『グッド・タイム』の劇半でカンヌ映画祭最優秀サウンドトラック賞を受賞するなど、多岐に亘るフィールドで成功を収めているOPNことダニエル・ロパティン。そんな輝かしいキャリアの中でも「ポストモダン・バロック」とでも呼ばれるべき未曽有のポップ・ミュージックが収められた本作は、一つの到達点ともいえる圧倒的な傑作だ。先日公開された、5月にニューヨークで行われる最新コンサート「MYRIAD」のトレーラー映像では、アルバムの冒頭を飾るタイトルトラック“Age Of”の音源を聴くことができる。

Oneohtrix Point Never - MYRIAD
https://opn.lnk.to/MyriadNYC

Video by Daniel Swan and David Rudnick
Directed by Oneohtrix Point Never
Animation by Daniel Swan
Produced by Eliza Ryan
Videography by Jay Sansone
Additional Animation by Nate Boyce
Thrash Rat™ and KINGRAT™ characters by Nate Boyce and Oneohtrix Point Never
Engravings by Francois Desprez, from Les Songes Drolatiques de Pantagruel (1565)
Additional Typography by David Rudnick

大型会場パーク・アベニュー・アーモリー(Park Avenue Armory)で開催されるニューヨーク公演は、発売後72時間で2公演ともにソールドアウト。今回のアルバム発表に合わせ、ロンドン公演(The Barbican)と東京公演(Shibuya O-EAST)の開催が決定! 東京公演の主催者先行は4月5日(木)正午より、BEATINK.COMにてスタートする。
詳細はこちらから:https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9577

OPN最新アルバム『Age Of』は、日本先行で5月25日(金)リリース! アートワークにはアメリカ現代美術シーンで最も影響力があるヴィジョナリー・アーティストと称されるジム・ショーの作品がフィーチャーされている。国内盤には、ボーナストラックとして、ボイジャー探査機の打ち上げ40年を記念して制作された映像作品「This is A Message From Earth」に提供した「Trance 1」のフルバージョンが初CD化音源として追加収録され、解説書と歌詞対訳を封入。またスペシャル・フォーマットとして数量限定のオリジナルTシャツ付セットの販売も決定。

Jim Shaw
The Great Whatsit, 2017
acrylic on muslin
53 x 48 inches (134.6 x 121.9 cm)
Courtesy of the artist and Metro Pictures, New York


label: Warp Records / Beat Records
artist: Oneohtrix Point Never
title: Age Of

release date: 2018/05/25 FRI ON SALE
国内盤CD BRC-570 定価: ¥2,200+税
国内盤CD+Tシャツ BRC-570T 定価: ¥5,500+税

Mount Eerie - ele-king

 映画について書く仕事をしているとレコメンドを訊かれることも多いが、そのとき「重い映画は勘弁してくれ」と加えてくるひとは案外多い。と書くと、映画がある種の気晴らしと捉えられていることに対する愚痴のようだが、そうではなく、映画が語りうるものの力を知っているがゆえにこそ「重い」作品に向き合うことは精神的に容易ではないという含意がそこにはある。この間も子を持つ友人に『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のプロットを簡単に説明すると、「自分はその映画を観られない」と言っていた。「観たくない」ではなく、「観られない」だ。人生における理不尽な悲劇とスクリーンを通して直面できない……という呟きを前に、何を偉そうなことを言えるだろう。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』には「重さ」だけではないユーモアや美があるのだけれど、子を持つ人生を選択した彼を前にして、子を持たない僕は押し黙ることしかできなかった。
 では、重い音楽はどうだろう。誰のためにあるのだろう。妻の死と、その後も続いていく人生に震え続ける自身をドキュメンタリーのように綴ったマウント・イアリの昨年のアルバム『ア・クロウ・ルックト・アット・ミー』は、テーマとしてはもっとも重い部類の作品だった。共感するとも感動するとも簡単に言えない、個人的な悲劇の赤裸々な描写がひたすら続く。弱々しく、いまにも壊れそうなフォーク・ミュージック。同作を2017年における最高のアルバムに選んだタイニー・ミックス・テープスによれば、この作品を愛することはとてもアンビヴァレントな想いを喚起する。つまり、誰かの人生の悲劇に音の震えとともに涙することは、それ自体が傲慢なことなのではないか、と。その答はわたしたちにはわからない。歌い手であるフィル・エルヴラムにもわからない。わからないまま、ひたすら歌に身を任せるしかないという時間がそこには収められていた。

 前作からほぼ1年で発表された『ナウ・オンリー』は、当然のことながら『ア・クロウ・ルックト・アット・ミー』の続きである。エルヴラムは幼い娘を遺して他界した妻ジュヌヴィエーヴ・カストレイに向けて、「僕はきみに歌う」とアコギを小さく鳴らしながら囁くばかりだ。生前のジュヌヴィエーヴと読んだ『タンタン チベットをゆく』を思い出しながら(“Tintin in Tibet”)、ジャック・ケルアックのドキュメンタリーを観ながら(“Distortion”)、あるいはスクリレックスが派手なショウをするフェスティヴァルで「死についての歌を ドラッグをキメた若者たちに向けて歌い」ながら(“Now Only”)。『クロウ』が妻の死から時間が過ぎていく様を順に描いていたのに対し、本作ではより断片的にエルヴラムの心情が浮かび上がるのだが、前作で繰り返していた「死は現実である」という真実にギターのアルペジオとともにうなだれている姿は同様だ。
 だが明確に違う点もある。ほとんどギターと歌による一筆書きだった『クロウ』に対して、ディストーション・ギターやノイズ、ピアノ、ドラムといったバンド・アンサンブルが『ナウ・オンリー』では復活している。復活、というのは、ザ・マイクロフォンズからマウント・イアリへと至るエルヴラムの長いキャリアのなかで見せてきたローファイなサウンド構築がここで再び姿を見せているからだ。90年代にサッドコアと呼ばれた音楽を思い出すひともいるだろう。とりわけタイトル・トラックである“Now Only”ではギター・ポップのような軽やかなバンド演奏すら聴ける。……が、それはあるとき床に手をつくように不協和音とともにフォルムを崩し、力なく鳴らされるばかりのギターのコード弾きと音程を取らずにまくしたてられるエルヴラムの嘆きへと姿を変える。かと思えば、またギター・ポップになり、かと思えばまた崩れ落ちる。この音のあり方は、エルヴラムの引き裂かれる内面をそのまま表しているだろう。妻を想う彼の言葉は何度も詩的な描写へとたどり着こうとするが、次の瞬間、彼自身がそのことを否定する。妻の死を詩や歌にすること、それを共有することの無意味さをエルヴラムはアルバムのなかで何度も何度も噛みしめている。だが、それでも言葉の連続はやがてメロディとなり、重なる音はアンサンブルとなる。その、情景が何度も揺れ動く生々しさにはただ呆然とするしかない。最愛のパートナーを喪った悲しみは僕にはやはりわからない。わからないまま、胸が締めつけられる時間が続いていく。
 ノイジーなギターとともに始まる“Earth”はそのもっとも究極的な一曲だ。オルタナティヴ・ロック調の導入は、やがて単純なコード弾きの連打とエルヴラムの飾らない歌、それに微かに後ろで鳴っているノイズへと姿を変えてゆく。「きみはいま 庭の外で眠りについている」と言った次の瞬間には、「何を言ってるんだ? きみは眠ってなどいやしない/きみにはもはや死んだ身体すらない」と自分の詩的な表現を拒絶する。だがそれでも、曲の後半3分、こぼれ落ちてくるように畳みかけてくるメロディをエルヴラムも聴き手であるわたしたちも押し止めることはできない。そのか細くも美しい音の連なりに、僕はどこかでこれが永遠に続けばいいと願っている。だが、歌はあるときあっけなく終わりを告げる。それ自体が誰かとの別れのように。

 『ナウ・オンリー』を聴くことは、フィル・エルヴラムそのひとの内面の揺らぎをそのまま体験することだ。だがそこには重さだけではない、浮遊するような心地よさがたしかに宿っている。9分以上に渡って人生の意味を問う“Two Paintings By Nikolai Astrup”、前作から引き継いだカラスというモチーフとともに妻の不在にあらためて浸るヘヴィなアシッド・フォークの終曲“Crow pt.2”に至るまで、シーンの片隅でひっそりと歌い続けてきたフィル・エルヴラムの誠実なソングライティングの輝きは消えない。
 多かれ少なかれ、早かれ遅かれ、僕たちは別れや悲劇や――それぞれの人生の重さに向き合わねばならないのだろう。フィル・エルヴラムは歌うたいとして、そのことにただ向き合ったし、これからも向き合っていくに違いない。その歌はセラピーでも自傷行為でもない。わたしたちが人間性と呼ぶものに、そっと触れることだ。

Daniel Avery - ele-king

 アンディ・ウェザオールをして「いまもっとも注目すべき新しいDJ」と言わしめた男、2013年にエロル・アルカンの主宰する〈Phantasy Sound〉からデビュー・アルバム『Drone Logic』を放ったDJが、来る4月6日、待望のセカンド・アルバムを発表する。それに先駆け、新曲“Projector”がMVとともに公開された。どこか90年代的なウェイトレス感を漂わせるこのトラック……いや、これは昨年のバイセップに続く良作の予感がひしひし。要チェックです。

●DJ MAG 9.5獲得! UK気鋭DJ、ダニエル・エイヴリーが新曲“Projector”のMVを公開!
●英著名音楽媒体がまもなく発売される新作を絶賛!

英エレクトロニック・シーンの新鋭DJ、ダニエル・エイヴリー。エロル・アルカン主宰レーベル〈Phantasy〉から4月6日に世界同時発売される待望のセカンド・アルバム『ソング・フォー・アルファ』は、既にDJ MAGにて9.5 / 10点を獲得するなど英著名音楽媒体で高い評価を得ている。

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DJMAG (9.5 / 10) 「自分の正しさを証明しようとするのではなく、何か特別なことを伝えようとしているアーティストのサウンドだ」

LOUD & QUIET (9 / 10) 「前作が稲妻のような衝撃だったとすれば、『ソング・フォー・アルファ』はプロデューサーからの革新的な雷であり、エイヴリーの能力の最高点に近づいている」

UNCUT (9 / 10) 「内省的なアンビエントと緻密なテクノは、待望のセカンド・アルバムにて美しくぶつかり合う」

MIXMAG (8 / 10) 「力強く、時に美しい。プロデューサーとして十分に成熟されたエイヴリーの作品」

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絶賛されている新作から新たに“Projector”のミュージック・ビデオが公開された。既に公開されている収録曲“Slow Fade”の映像を手掛けたロンドンのデザイン・スタジオ、Flat-eが今回も制作を担当している。エイヴリーはFlat-eが手掛ける映像について次のようにコメントしている。「Flat-eについて敬服している事は、彼らは神秘的なものの中にある美しさに気付いているということ。彼らは目を閉じたまま落ちていくことができる世界をつくり出している。」

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新曲「Projector」のMVはこちら:
https://youtu.be/PRMnGzznRMI
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収録曲「Slow Fade 」のMVはこちら:
https://youtu.be/ihl0ep0rnRg
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ツアーやクラブでの出来事などにインスピレーションを得て制作されたという本作は、今やイギリスを代表するテクノDJのひとりとなったエイヴリーの“テクノ・ミュージックの美学”が詰まった傑作だ。日本盤にはライナーノーツに加えて、ボーナス・トラック“Aginah”が追加収録されているので、ぜひ日本盤を手に取ってもらいたい。

■アルバム情報
アーティスト名:Daniel Avery(ダニエル・エイヴリー)
タイトル:Song For Alpha(ソング・フォー・アルファ)
発売日:2018 / 4 / 6 (金)
レーベル:Phantasy / Hostess
品番:HSE-4458
価格:2,400円+税
※日本盤はボーナス・トラック、ライナーノーツ(河村祐介)付

[トラックリスト]
01. First Light
02. Stereo L
03. Projector
04. TBW17
05. Sensation
06. Citizen // Nowhere
07. Clear
08. Diminuendo
09. Days From Now
10. Embers
11. Slow Fade
12. Glitter
13. Endnote
14. Quick Eternity
15. Aginah *

* 日本盤ボーナス・トラック

※新曲“Projector”“Slow Fade”配信中&アルバム予約受付中!
リンク:https://smarturl.it/htumhk

■EP配信情報
アーティスト名:Daniel Avery(ダニエル・エイヴリー)
タイトル:Slow Fade EP(スロウ・フェイド)
発売日:絶賛配信中!
レーベル:Phantasy / Hostess
価格:600円

01. Slow Fade
02. After Dark
03. Radius
04. Fever Dream

※絶賛配信中!
リンク:https://itunes.apple.com/jp/album/slow-fade-ep/1336927751

■バイオグラフィー:
英DJ/プロデューサー。2012年初頭に英DJ、アンドリュー・ウェザオールが“いま最も注目すべき新しいDJ”と絶賛し、ロンドンのタイムアウト誌の「DJ STARS OF 2012」に選出された。同年11月、ロンドンの人気クラブ〈Fabric〉のライヴ・ミックスCDシリーズ『FABRICLIVE 66』を手掛け、多大な賞賛を集めた。2013年、エロル・アルカン主宰の〈Phantasy Sound〉からデビュー・アルバム『ドローン・ロジック』をリリース。著名音楽媒体が軒並み絶賛しエレクトロニック・シーンのトップ・アクトへと躍り出た。2015年10月に、待望の初来日を果たした。ザ・ホラーズやプライマル・スクリーム等のリミキサーにも抜擢され、ダンス・ミュージック・ファンのみならずインディ・ロック・ファンにまでその名は知られている。2016年11月、ドイツの老舗レーベル〈!K7〉によるミックス・シリーズ『DJ-Kicks』を手掛けた。2017年、11月待望の再来日。2018年1月にEP「スロウ・フェイド」をアルバムに先駆けてリリース。同年4月、待望のセカンド・アルバム『ソング・フォー・アルファ』をリリースする。

interview with CVN - ele-king


CVN
X in the Car

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 インターネットはある意味最悪だが、しかしいまだに可能性が残されていることは疑いようがない。こと20世紀末にインディーズと呼ばれていた音楽シーンのその後にとって、21世紀にそれをどのようにうまく使っていくのかは鍵となっている。ツイッターによる自己宣伝の話ではない。それはたとえばネット上に場を作り、オルタナティヴなメディアとして機能させながら交流を促していくこと。そのなかで音楽それ自身も変化していくこと。
 佐久間信行は、ダークウェイヴ風のバンド、ジェシー・ルインズとして活動していた5年前は、アナログ盤への偏愛も見せながら、クラブでのDJ イベントとも関わり、ひとつの現場感を作っていた。それは東京において小さなシーンではあったがローカリティと呼べるものではなく、また、いっさいの政治性と関わらない。そしていつかメジャーの目に止まることを期待しながらライヴハウスでがんばるインディーズとは別の次元の可能性を模索していたとも言える。
 佐久間信行はソロになってCVNを名乗り、完璧にエレクトロニックな音楽を志向する。そして国内外のレーベルから精力的なリリース(カセットテープ、データ、アナログ盤など)を続ける傍ら、ネット上に〈Grey Matter Archives〉(https://greymatterarchives.club/)を立ち上げて、国内外のアーティストのミックステープをアップロードすることで、彼の世界へのアクセスをよりオープンな状態に更新させた。そこは、ヴェイパーウェイヴ的ないかがわしさ、ウィッチハウス的なホラー感、そして鄙びたグリッチ・テクノやヒップホップが混在する異端者たちの広場となっている。なんのことかって? まずはCVNのアルバム『X in the Car』を聴いてみて。

これまでにはなかった影響のひとつとしてトラップはあると思います。

アルバム聴かせていただいて、サウンド面での佐久間君テイストというか、ジェシー・ルインズから一貫したものは感じるんだけど、方法論であるとか、活動形態みたいなものが、〈コズ・ミー・ペイン〉と一緒にやっていた頃と比べるとだいぶ様変わりしたなと思いました。なによりも、今回のサウンドを聴いて思ったのが、ヒップホップの影響が大きいなって。

CVN:そうですね、これまでにはなかった影響のひとつとしてトラップはあると思います。

CVN名義ではけっこう前からアルバムを出しているよね?

CVN:CVN名義は2015年からはじめました。

Discogsによると、最初が〈Orange Milk Records〉からのカセットと表記されているけどそうなの?

CVN:アルバムは2016年に〈Orange Milk〉から出しはじめて、2015年はEP単位では出していました。とくに2016年はアルバムをけっこう出したと思います。

1年のあいだに5枚くらい出しているもんね。

CVN:ポンポンポーンって感じで。

ジェシー・ルインズはバンドだったじゃない?

CVN:初期のライヴはバンドの形態でしたね。

生ドラムもいたし。でも、いまはもうエレクトロニック・ミュージックで、完全にソロ・プロジェクトということですよね。

CVN:そうですね。

コールド・ネームという名義でもやっていたじゃないですか。あれも佐久間君のソロ・プロジェクトでしょ?

CVN:ですね。もはや懐かしいです。フランスの〈Desire〉からLPリリースして、日本盤は〈Melting Bot〉から出しました。

コールド・ネームがありながら、敢えてCVNと名前を変えた理由は?

CVN:コールド・ネームはインダストリアルというか、そのときのテーマがはっきりしていたのですが、インダストリアルを主体にするのに飽きたっていうのもあって。もっと音が鳴ってない空間を作り込みたいのと、ビートの方法論も違うことが急にやりたくなって、もうイメージはっきりしてたんで、CVNの最初の曲も速攻できました。……すごい感覚的な話ですが、インダストリアルって僕のなかではちょっとザラっとしてゴワついてて砂を飲んでる感じで、それをCVNでは炭酸水飲みたいなって。微炭酸というか、少し気の抜けたやつ。

(笑)それがCVN?

CVN:ですね。グレーのものがクリアになるような。コールド・ネーム名義はジェシー・ルインズと並行して2年くらいやったんですが、やりきった感ありました。

話が前後して申し訳ないですが、ジェシー・ルインズはなんで終わってしまったの? てか、そもそも終わってしまったの?

CVN:完全に終わりました(笑)。

ジェシー・ルインズでやれることはやったと?

CVN:まぁそうなりますかね。コールド・ネームをやっていたときは、ジェシー・ルインズがメインで、ジェシー・ルインズでできないコアな偏った自分の実験をコールド・ネームでしていたという感じです。ある見方によってはジェシー・ルインズも十分偏ってるかもしれませんが。で、CVNも最初はそんな感じでしたが、途中からメインとサブが入れ替わってた。それでジェシー・ルインズは2016年に終了するわけです。

複数のメンバーでやることに対しての限界みたいなものはあったの?

CVN:それはあまりないですね。(メンバーだった)ヨッケやナーは気心知れている人たちだし。僕が曲を構築してそれぞれがライヴのために分解するという流れのように、作業が完全に分担されていたので。なので、活動する上でやりにくいとかはあまりなかったです。

でもなんで終わってしまったの?

CVN:引っ越しとかあったし……(笑)。

距離的に離れてしまったと。

CVN:いろいろ重なった感じではありますけどね。CVNはじめてから音もそっちに引っ張られていたので、ふたつのプロジェクトの音を自然に分けれなくなってきて。

CVNのほうが面白くなっちゃったと。

CVN:CVNの脳になってしまったので、その状態でジェシー・ルインズを消化することがかなり難しかしくなったていうのはあります。

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基本はベスト盤みたいな感じです。ベスト盤っていいなって。自分で通称グレイテスト・ヒッツって言ってます。ヒットしてないけど。

なるほどね。CVNのもうそうだけど、佐久間君が主催しているサイト、〈Grey Matter Archives〉もすごく面白いなと思いました。ネット上にこういうヴァーチュアルな広場を作っていろんな人たちと交流しながら音源を発表するっていうことは、CVNのある意味流動的な作品性ともリンクしていると思ったんですよね。それこそジェシー・ルインズ時代は〈コズ・ミー・ペイン〉というアナログ盤にこだわったレーベルが身近にあって、定期的なクラブ・イヴェントもやっていたわけで。

CVN:CVNはけっこう海外からリリースしているんですが、そのおかげで海外のミュージシャンとの繋がりが増えて。リリースするレーベルもいろいろなところからリリースしているんで、それぞれのレーベルの周りのアーティストとか、国とか、シーンとの繋がりができたんですよね。インターネット越しなので直接会ったことはないんですけど。顔は見せていないけど顔見知り的な人が増えて。

そういうことは、ジェシー・ルインズ時代にはなかったこと?

CVN:ジェシー・ルインズでも〈キャプチャード・トラックス〉周辺は多少はありましたが、CVNほど広がりはあまりなかったです。

エレクトロニック・ミュージックは、やっぱインディ・ロックの世界よりも、ひとつの文化形態としては、開かれている感じがあると思いますか?

CVN:速度が違うかもしれません。横の繋がりがスムーズに感じます。

ちなみに、どこのレーベルから出したときに、とくにそういうことが起きましたか?

CVN:〈Orange Milk〉と、イギリスの〈Where To Now?〉で出したときには、まずそこから出しているレーベルメイトからけっこうリアクションがありました。

〈Orange Milk〉って、食品まつりとかフルトノ君とか、DJWWWWとか、日本人アーティストを出しているけど、日本人に積極的なレーベルなの?

CVN:そうだと思います。オーナーがKeith Rankin(Giant Claw)とSeth Grahamというそれぞれミュージシャンなんですが、Sethは以前に日本に住んでいたんですよ。僕は彼とメールするとき英語ですが、実際会ったことある食品さんからは日本語が話せると聞いてます。なので日本の文化に疎くないというか。

しかし、それらのレーベルから出すことで、違う広がりが持てたと。それは佐久間君の長い活動のなかで、可能性を感じた部分?

CVN:すぐ行動に移して良かったなと思ったし、自信も持てたかなと思います。

そこはデジタルの良さであり、フットワークの軽さみたいなものがあるのかもしれないね。

CVN:〈Grey Matter Archives〉をはじめた理由のひとつに、海外との繋がりを生かしたいという気持ちとは別で、引っ越したということがけっこう大きいんです。東京から離れて、自分がいた周辺にあまり物理的に関われない状況下で、家がなくなった感覚だったんで、家が欲しいなと思いまして。どこに住んでいてもできることかもしれないけど、自分にしか作れない家。

〈Grey Matter Archives〉はいつからはじめたの?

CVN:去年の7月です。

送られてきたものをアップロードしているの?

CVN:基本は僕が声をかけてお願いしています。最初は繋がりのある人たちから声をかけていって、いまは面識はないけど僕が好きなアーティストに声をかけたりしてやってもらっているという感じです。

こういうのはやっぱ、ネットならではというか、日本人からいろいろな国の人がいて面白いよね。

CVN:はじめるときにこういうのをやりたいなと参考にしている〈Blowing Up The Workshop〉(https://blowinguptheworkshop.com/)という、ミックスシリーズのサイトがあって。サイトの作りも少し似ているので是非見てください。アーティストの名前が羅列してあって、開くとトラックリストがあり、ストリーミングができるんです。以前僕はこのサイトからミックスを提供しているアーティストの発見もできたし、トラックリストを見て、この曲ヤバいなっていう発見もあったし。けっこう感動した記憶があって、こういうキュレーション感がもっと増えたら面白いなと思ったことを思い出して、これやろうと。

ひとりの人のミックステープをアップロードすると、そこからさらにどんどん広がっていくという。

CVN:名前がアーカイヴされているということが重要で。すごく発見がある。過去のを聴くと見落としてた曲とかあって。

でもオリジナルをあげている人もいるでしょ?

CVN:そうなんですよ。オリジナルとか、Beat Detectivesはそのためにセッションしてくれたりとか。E L O Nは未発表曲を繋げたやつとか。

すぐ行動に移して良かったなと思ったし、自信も持てたかなと思います。


CVN
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では、今回リリースする『エックス・イン・ザ・カー』について訊きますね。これはいままで出した作品を編集したものなんだよね? 今回アルバムのために録音したわけじゃなくて、これまでの作品のなかのベスト盤的な位置付け?

CVN:そうですね。プラス新曲が何曲か入っています。基本はベスト盤みたいな感じです。ベスト盤っていいなって。自分で通称グレイテスト・ヒッツって言ってます。ヒットしてないけど。

(笑)聴いていちばん驚いたのは、最初にも言ったけど、ヒップホップの影響を感じたところなんだけど、それはやっぱりあるでしょう?

CVN:いや、かなりありますね。でもいつもギリギリ中間の混ざってる曲が好きで、そういうの自分的に楽しくて。

きっかけは何かあったんですか?

CVN:きっかけなんでしょうね。たとえば、Ghostemane、Wavy Jone$、Bill $aberとかっていうラッパーがいるんですけど。アートワークとかMVのヴィジュアルとか完全にブラック・メタル入ってるんです。僕ブラック・メタル好きなんですけど、ジャンル的にめっちゃ相性いいんだなと思って。日本だとCold Roseさんとか。

えー、マジですか? それはホント意外だな(笑)。CVNのセカンド・シングルは、初めて日本語タイトルになっているじゃないですか。「現実にもどりなさい」って。

CVN:これはサブタイトルのつもりだったんですよ。Discogsとか、レーベルのサイトなど見ると、『現実に戻りなさい』の方が本タイトルで、「Return to Reality」の方がサブタイトルになっているんですけど、本当は逆のつもりでした。〈Dream Disk〉のレーベルオーナーが勝手に差し替えた。まあ、結果的にはいいかもってリリースされた後、思ったんですけど(笑)。

初期のジェシー・ルインズや〈コズ・ミー・ペイン〉の曲はそのドリーミーさに特徴があったから、その線で考えると意味があるタイトルかなと。

CVN:あの頃の現実の反対は夢でしたね。仮想世界も現実世界も並列な感覚なんですけど、なんというかこれは自分に言っているんですけどね。

アルバムが、刃物の音からはじまるでしょ? あれはナイフとか包丁を研いでいる音のサンプリング?

CVN:切れ味鋭い系の音ですね。

あれ、恐いよ(笑)。

CVN:音として面白いなというか。それだけなんですけどね。サンプリングでも、ヴォイス・サンプルみたいなものは昔からよく使っていましたけど、リズムの音を……例えばSF映画で鳴ってる音、刃物のような音が、スネアとかハイハットの代わりになったら面白いじゃないですか。

で、スクリューされた声も入るわけですけど、佐久間君の意図としてはある種のホラー感を表現しているのかな?

CVN:曲によってですけど、ホラーは好きですし、恐怖感もあるけど同時にすごく切ない気持ちにもなりうる。いまだから言えるじゃないですけど、〈キャプチャード・トラックス〉から出した、ジェシー・ルインズ最初のEP、『ドリーム・アナライジス』は、レコードは45回転なんですが、33回転でも聴けるっていう。

それは意識して作ったの?

CVN:意識して作ったというよりか、勝手にそうなったんですけど、LSTNGTって友人から教えてもらいました。よりロマンチックに聴こえるところとかもあって。もともと視覚的な音楽なんですけど、より映像が見えてきます。

CVNが表現しているダークなサウンドっていうのは、時代の暗さとリンクしているっていうよりは、佐久間君の趣味の問題? そこは時代とは切り離されている?

CVN:切り離されていると思いますし、自分ではダークだとは思っていないです。

今回自分の作品の成果をアルバムにまとめようと思ったのはなんで?

CVN:ベスト盤が出したかった……。というより日本でもいくつかのレコード・ショップが輸入して取り扱ってくれたりして本当に感謝なんですが、けっこう短期間でアルバムなりEPなりをいくつも出したので、ひとつひとつの作品をじっくり振り返える機会があってもいいかなと思ったのと、そのリリースの機会を与えてくれたレーベルに感謝の意も込めて。あと周りの仲間にも。今回Cemeteryが主宰してる〈CNDMM〉からリリースした7インチの曲はあえて収録してなくて、その2曲はCVN的にもけっこう特別なので、7インチを買って聴いてほしいっていうのも付け加えておきたいです。感謝感謝ってJ-Popみたいですが。あとそれにこうやって出したことによって、野田さんとも久しぶりに話せましたし(笑)。

4月のライヴには行こうと思ってますけど。ちなみにDYGLみたいな若いインディ・ロック・バンドには興味ある?

CVN:DYGLのみんなは何年も前から友人で、新しいシングルの「Bad Kicks」もかっこいいなと思って聴いています。そういえば、ヨッケがDYGLのジャケや諸々デザインを担当しているんですよ。

4月のリリース・パーティに出演する人たちはみんな〈Grey Matter Archives〉で作品を発表している人たち?

CVN:発表している人たちと今後発表する人も入ってます。〈PAN〉のFlora Yin-Wongがたまたま来日している期間で彼女にもDJしてもらいます。彼女も〈Grey Matter Archives〉でミックスを発表してもらっていて。

〈PAN〉はテクノ・レーベルだけど、テクノの方向には行かないの?

CVN:いくかもしれないし、いかないかもしれないし、もういってるかもしれない(笑)。

はははは、今日はありがとうございました。

Oneohtrix Point Never - ele-king

 昨年は映画『Good Time』の劇伴坂本龍一のリミックスを手がけ、最近ではデヴィッド・バーンの新作に参加したことでも話題となったOPNが、5月にNYで開催されるライヴのトレイラー映像を公開しました。これ、新曲ですよね。しかもチェンバロ? 曲調もバロック風です。この急転回はいったい何を意味するのでしょう。そういう趣向のライヴなのか、それとも……。

ONEOHTRIX POINT NEVER
5月にニューヨークで行われる大規模コンサートの
トレーラー映像を新曲と共に公開!

昨年、映画『グッド・タイム』でカンヌ映画祭最優秀サウンドトラック賞を受賞したことも記憶に新しいワンオートリックス・ポイント・ネヴァーが、【Red Bull Music Festival New York】の一環として5月22日と24日にニューヨークで行われる最新ライブ「MYRIAD」のトレーラー映像を公開した。ダニエル・ロパティン(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー)自らディレクションを行い、その唯一無二の世界観が垣間見られる2分間の映像には、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー名義の新曲も使用されている。

Oneohtrix Point Never - MYRIAD
https://opn.lnk.to/MyriadNYC

Video by Daniel Swan and David Rudnick
Directed by Oneohtrix Point Never
Animation by Daniel Swan
Produced by Eliza Ryan
Videography by Jay Sansone
Additional Animation by Nate Boyce
Thrash Rat™ and KINGRAT™ characters by Nate Boyce and Oneohtrix Point Never
Engravings by Francois Desprez, from Les Songes Drolatiques de Pantagruel (1565)
Additional Typography by David Rudnick

本公演が開催されるパークアベニュー・アーモリー(Park Avenue Armory)は、以前は米軍の軍事施設だった場所で、ライブが行われるウェイド・トンプソン・ドリル・ホール(Wade Thompson Drill Hall)は航空機の格納庫のような巨大なスペースである。当日にはスペシャルゲストやコラボレーターも登場し、ここでしか体験することのできない特別なライブ・パフォーマンスが披露されるという。

ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー|Oneohtrix Point Never

前衛的な実験音楽から現代音楽、アート、映画の世界にもその名を轟かせ、2017年にはカンヌ映画祭にて最優秀サウンドトラック賞を受賞した現代を代表する革新的音楽家の一人。『Replica』(2011)、『R Plus Seven』(2013)、『Garden of Delete』(2015)と立て続けにその年を代表する作品を世に送り出してきただけでなく、ブライアン・イーノも参加したデヴィッド・バーン最新作『American Utopia』にプロデューサーの一人として名を連ね、FKAツイッグスやギー・ポップ、アノーニらともコラボレート。その他ナイン・インチ・ネイルズや坂本龍一のリミックスも手がけている。さらにソフィア・コッポラ監督映画『ブリングリング』やジョシュ&ベニー・サフディ監督映画『グッド・タイム』で音楽を手がけ、『グッド・タイム』ではカンヌ・サウンドトラック賞を受賞した。


label: Warp Records / Beat Records
artist: Oneohtrix Point Never
title: Good Time Original Motion Picture Soundtrack

cat no.: BRC-558
release date: 2017/08/11 FRI ON SALE
国内盤CD:ボーナストラック追加収録/解説書封入
定価:¥2,200+税

【ご購入はこちら】
beatink: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=4002
amazon: https://amzn.asia/6kMFQnV
iTunes Store: https://apple.co/2rMT8JI


label: Warp Records / Beat Records
artist: Oneohtrix Point Never
title: Good Time... Raw

cat no.: BRC-561
release date: 2017/11/03 FRI ON SALE
国内限定盤CD:ジョシュ・サフディによるライナーノーツ
ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーとジョシュ・サフディによるスペシャル対談封入
定価:¥2,000+税

【ご購入はこちら】
beatink: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9186
amazon: https://amzn.asia/gxW5H63
tower records: https://tower.jp/item/4619899/Good-Time----Raw
hmv: https://www.hmv.co.jp/artist_Oneohtrix-Point-Never_000000000424647/item_Good-Time-Raw_8282459

 「ボーカロイド音楽」という言葉を目にしていまあなたは何を思い浮かべましたか? 高音が耳に残るアイドル・ソングでしょうか。テンポの速いロック・サウンドでしょうか。もちろん、それらも間違いではありません。が、ヒップホップやレゲエ、フューチャーベース、ブレイクコアやジュークなど、ボーカロイドあるいは他の音声合成ソフトを用いて作られた音楽は現在、想像以上にその幅を広げています。日に日に深化を遂げているこの音楽の最新の状況を知っていただきたく、『ボーカロイド音楽の世界 2017』をお届けします。

 2017年、ボカロ・シーンは初音ミク10周年という大きな節目を迎えましたが、それ以外にも同じく10周年を迎えた鏡音リン・レン、初音ミク中国語版の発売、「王の帰還」現象と新世代の擡頭、『♯コンパス』コラボ曲の席巻など、多くのトピックが目白押しでした。本書では「The World of Vocaloid Music 2017」と題しそれらの動きを俯瞰しています。
 巻頭インタヴューはEHAMIC。Google ChromeのCMにも出演していた彼は、ボカロを用いて曲を作るのみならず、それをLPやカセットテープといったアナログ・メディアでも展開している興味深いアーティストです。そのこだわりについて存分に語っていただきました。
 もうひとつの目玉は、「The 50 Essential Songs of 2017」と「The 20 Essential Albums of 2017」。2017年に発表された楽曲とアルバムからそれぞれ50曲/20枚を精選し、一挙にレヴューしています。再生回数にはいっさいとらわれず、何よりもまず「グッド・ミュージック」という観点からさまざまな楽曲/アルバムを紹介しています。
 また「Various Aspects of Vocaloid Music」ではさまざまな執筆者に協力を仰ぎ、「ジャズ」「アンダーグラウンド」「中国」「ニコニ広告」というテーマで近年の動向をフォロウ。とくに、ビリビリ動画を震源地として大きな盛り上がりを見せている中国ボカロ・シーンの紹介は、これまで気にはなっていたもののどこから手をつければいいのかわからなかった方にとって、格好のガイドとなるでしょう。

 また、本書の発売と同じ3月14日に、『合成音声ONGAKUの世界』というコンピレイションCDもリリースされます。1998年に竹村延和のレーベル〈Childisc〉からデビューしたスッパマイクロパンチョップ監修による充実の15曲を収録。こちらもぜひ手にとってみてください。きっと新たな発見があるはずです。

[書籍]
ボーカロイド音楽の世界 2017
2018年3月14日 発売
ISBN: 978-4-907276-93-5
Amazon

[contents]

VOCALOIDはボサノヴァ――an interview with EHAMIC (しま+小林拓音)

The World of Vocaloid Music 2017
ボーカロイドに関する2017年の重要トピック (しま)
初音ミク10周年のトピック (しま)
鏡音リン・レン10周年のトピック (アンメルツP)
まえがき ~みんながよく話す「ボカロ」という言葉~ (ヒッキーP)
2017年は新陳代謝の年 ~初音ミク10周年を祝った旧世代と無視した新世代~ (ヒッキーP)
ぼからんで見る「2017年」という時代 (あるか)

The 50 Essential Songs of 2017 (キュウ+しま)
The 20 Essential Albums of 2017 (キュウ+しま)

Various Aspects of Vocaloid Music
ボカロとジャズ (Man_boo)
ボーカロイド・アンダーグラウンド (ヒッキーP)
中国ボーカロイド・シーンの発展と現状 (Fe+しま)
VOCALOIDタグ動画におけるニコニ広告の拡大とそのランキングへの影響 (myrmecoleon)


[CD]
合成音声ONGAKUの世界
2018年3月14日 発売
PCD-20389
Amazon

[tracklist]

01. 春野 「nuit」
02. Treow 「Blindness」
03. piptotao 「春 etc.」
04. 羽生まゐご 「阿吽のビーツ」
05. 拓巳 「Kaleidoscope」
06. cat nap 「ぺシュテ」
07. 鈴鳴家 「フリーはフリーダム」
08. 松傘, mayrock, sagishi, 緊急ゆるポート, trampdog 「人間たち」
09. でんの子P 「World is NOT beautiful」
10. のうん 「箒星」
11. ぐらんびあ 「孤独、すべて欲しい」
12. キャプテンミライ 「イリュージョン」
13. Dixie Flatline 「シュガーバイン」
14. yeahyoutoo 「lean on you」
15. Noko 「只今」

Ruckzuck - ele-king

 クラフトワーク自身によってなかば封印されている最初の3枚のアルバム、その1stアルバムの冒頭の曲、初期クラフトワークの代表曲“Ruckzuck”が1991年にカヴァーされていたなんて知ってましたか? カヴァーしたのはプロパガンダ、ディー・クルップスで活躍するラルフ・デルパー。
 この激レアな曲が7インチのイエロー・ヴァイナルで〈アタタック〉のボックス・シリーズで知られる〈SUEZAN STUDIO〉から復刻されました。ヴァイナルと一緒にCDもパッケージされており、CDにはリチャード・H・カーク(キャバレー・ヴォルテール)、ロバート・ゴードン、ウーヴェ・シュミット(セニョール・ココナッツ)やマーク・ギャンブルのリミックスが収録されています。
 早い者勝ちの限定300枚です。


デア・テクノクラート
Ruckzuck (CD+7") イエロー
(Der Technokrat /Ruckzuck)
https://suezan.com/newrelease.htm#3031

サイバースペースからストリートへ - ele-king

 いよいよアルバムをリリースするCVNのリリース・パーティが4月21日(土)、幡ヶ谷Forestlimitにて開催される。彼が主宰するサイバースペース上の仮想広場、「Grey Matter Archives」のショーケースでもあり、CVNのライヴのほか、さまざまなプロデューサーたちが集合する。これはインディではなく、未来に向かうオルタナティヴである。この夜を逃すな!

4/21(土)
Grey Matter Archives Showcase
-X in the Car release party-

at 幡ヶ谷Forestlimit

Open 18:00
Tickets 2000yen(w/1d)

Live
CVN
LSTNGT
Aya Gloomy
refund

DJ
Flora Yin-Wong
pootee
Mari Sakurai
荒井優作
Naohiro Nishikawa


info
https://forestlimit.com/
https://greymatterarchives.club/

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