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Home >  Interviews > interview with CVN - 更新されるインディーズの形態/異端者たちの広場

interview with CVN 写真、向かって左から荒井優作、CVN、Cemetery、takao。

interview with CVN

更新されるインディーズの形態/異端者たちの広場

──CVN、インタヴュー

取材:野田努    Mar 30,2018 UP

CVN
X in the Car

ホステス

ElectronicExperimentalTrap

Amazon

 インターネットはある意味最悪だが、しかしいまだに可能性が残されていることは疑いようがない。こと20世紀末にインディーズと呼ばれていた音楽シーンのその後にとって、21世紀にそれをどのようにうまく使っていくのかは鍵となっている。ツイッターによる自己宣伝の話ではない。それはたとえばネット上に場を作り、オルタナティヴなメディアとして機能させながら交流を促していくこと。そのなかで音楽それ自身も変化していくこと。
 佐久間信行は、ダークウェイヴ風のバンド、ジェシー・ルインズとして活動していた5年前は、アナログ盤への偏愛も見せながら、クラブでのDJ イベントとも関わり、ひとつの現場感を作っていた。それは東京において小さなシーンではあったがローカリティと呼べるものではなく、また、いっさいの政治性と関わらない。そしていつかメジャーの目に止まることを期待しながらライヴハウスでがんばるインディーズとは別の次元の可能性を模索していたとも言える。
 佐久間信行はソロになってCVNを名乗り、完璧にエレクトロニックな音楽を志向する。そして国内外のレーベルから精力的なリリース(カセットテープ、データ、アナログ盤など)を続ける傍ら、ネット上に〈Grey Matter Archives〉(http://greymatterarchives.club/)を立ち上げて、国内外のアーティストのミックステープをアップロードすることで、彼の世界へのアクセスをよりオープンな状態に更新させた。そこは、ヴェイパーウェイヴ的ないかがわしさ、ウィッチハウス的なホラー感、そして鄙びたグリッチ・テクノやヒップホップが混在する異端者たちの広場となっている。なんのことかって? まずはCVNのアルバム『X in the Car』を聴いてみて。

これまでにはなかった影響のひとつとしてトラップはあると思います。

アルバム聴かせていただいて、サウンド面での佐久間君テイストというか、ジェシー・ルインズから一貫したものは感じるんだけど、方法論であるとか、活動形態みたいなものが、〈コズ・ミー・ペイン〉と一緒にやっていた頃と比べるとだいぶ様変わりしたなと思いました。なによりも、今回のサウンドを聴いて思ったのが、ヒップホップの影響が大きいなって。

CVN:そうですね、これまでにはなかった影響のひとつとしてトラップはあると思います。

CVN名義ではけっこう前からアルバムを出しているよね?

CVN:CVN名義は2015年からはじめました。

Discogsによると、最初が〈Orange Milk Records〉からのカセットと表記されているけどそうなの?

CVN:アルバムは2016年に〈Orange Milk〉から出しはじめて、2015年はEP単位では出していました。とくに2016年はアルバムをけっこう出したと思います。

1年のあいだに5枚くらい出しているもんね。

CVN:ポンポンポーンって感じで。

ジェシー・ルインズはバンドだったじゃない?

CVN:初期のライヴはバンドの形態でしたね。

生ドラムもいたし。でも、いまはもうエレクトロニック・ミュージックで、完全にソロ・プロジェクトということですよね。

CVN:そうですね。

コールド・ネームという名義でもやっていたじゃないですか。あれも佐久間君のソロ・プロジェクトでしょ?

CVN:ですね。もはや懐かしいです。フランスの〈Desire〉からLPリリースして、日本盤は〈Melting Bot〉から出しました。

コールド・ネームがありながら、敢えてCVNと名前を変えた理由は?

CVN:コールド・ネームはインダストリアルというか、そのときのテーマがはっきりしていたのですが、インダストリアルを主体にするのに飽きたっていうのもあって。もっと音が鳴ってない空間を作り込みたいのと、ビートの方法論も違うことが急にやりたくなって、もうイメージはっきりしてたんで、CVNの最初の曲も速攻できました。……すごい感覚的な話ですが、インダストリアルって僕のなかではちょっとザラっとしてゴワついてて砂を飲んでる感じで、それをCVNでは炭酸水飲みたいなって。微炭酸というか、少し気の抜けたやつ。

(笑)それがCVN?

CVN:ですね。グレーのものがクリアになるような。コールド・ネーム名義はジェシー・ルインズと並行して2年くらいやったんですが、やりきった感ありました。

話が前後して申し訳ないですが、ジェシー・ルインズはなんで終わってしまったの? てか、そもそも終わってしまったの?

CVN:完全に終わりました(笑)。

ジェシー・ルインズでやれることはやったと?

CVN:まぁそうなりますかね。コールド・ネームをやっていたときは、ジェシー・ルインズがメインで、ジェシー・ルインズでできないコアな偏った自分の実験をコールド・ネームでしていたという感じです。ある見方によってはジェシー・ルインズも十分偏ってるかもしれませんが。で、CVNも最初はそんな感じでしたが、途中からメインとサブが入れ替わってた。それでジェシー・ルインズは2016年に終了するわけです。

複数のメンバーでやることに対しての限界みたいなものはあったの?

CVN:それはあまりないですね。(メンバーだった)ヨッケやナーは気心知れている人たちだし。僕が曲を構築してそれぞれがライヴのために分解するという流れのように、作業が完全に分担されていたので。なので、活動する上でやりにくいとかはあまりなかったです。

でもなんで終わってしまったの?

CVN:引っ越しとかあったし……(笑)。

距離的に離れてしまったと。

CVN:いろいろ重なった感じではありますけどね。CVNはじめてから音もそっちに引っ張られていたので、ふたつのプロジェクトの音を自然に分けれなくなってきて。

CVNのほうが面白くなっちゃったと。

CVN:CVNの脳になってしまったので、その状態でジェシー・ルインズを消化することがかなり難しかしくなったていうのはあります。

取材:野田努(2018年3月30日)

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