「P」と一致するもの

DJ TASAKA - ele-king

2010 Summer Chart


1
Doomwork- Fever Sax -Arearemote

2
Robert Diez- Soup Opera - Cadenza

3
Dj T. - Dis(Kink remix) - Get Physical

4
Paolo Mojo - He`s The Man - Younan Music

5
Niko Schwind - Just A Groove - Stil Vor Talent

6
Mathias Mayer - Infinity - Liebe Detail

7
Daniel Papini&dOP - Carte Balanche - Watergate

8
Edu Imbernon&Los Suruba - Pisco Sour - Noir Music

9
Uto Karem - Body Move - Plus 8

10
Dj Tasaka - Gratitude - Ki/oon

DJ Yabe(UFO) - ele-king

【LIGHTS & MUSIC SELECTION】


1
Woolfy vs. Projections - Neeve (Permanent Vacation Tropical Heat Mix) - Permanent Vacation

2
Tuccillo - Panorama - Delusions of Grandeur

3
Fat Freddy's Drop - Shiverman - The Drop

4
SoulPhiction & Move D - The Limelight - Philpot Records

5
DJ Nature - Everyone(Remix) (promo)

6
Peter Giger's Family Of Percussion - Amadillo - Intuition

7
Mugwump - Stanza - Eskimo Recordings

8
The Mackrosoft - The Guyver - Mackrosoft.L.L.C

9
Flying Lotus - Mmmhmm (feat. Thundercat) - Warp Records

10
Righteous - Midnight Muse - mule musiq

DJ NOZAKI(PRIMO ONLY/NO JERKY NO CHICKEN) - ele-king

CHART


1
Led Zeppelin - Remaster 4 Track Sampler - Atlantic

2
Holger Czukay - Ode To Perfume / Fragrance - Claremont 56

3
Rasta Instante - Avec L'effroy Able Pecqre - Better Days

4
DJ Kent - Cozmo - Balance

5
Tomoki Tsukamoto- Primind - Ssoundchannel

6
Lenny Kravitz - The Circus Single Collection- Virgin

7
Die Dominas - S/T - Fabrikneu

8
Akira Sakata - Tenoch Sakata - Better Days

9
Unknown - 1,2,3 - Sunshine Sound

10
Mick - Macho Brother - 10" of Pleasure

TOWA TEI - ele-king

【営業Chart】


1
Floating Points - Peoples Potential - Eglo Records

2
Froating Ponts - Truly - Eglo Records

3
Egyptrixx -The Only Way Up - NS002

4
TOWA TEI with MIHO HATORI - Teenage Mutants - hug inc.

5
M.I.A. - It Takes A Muscle - XL

6
Sona Vabos - KiKuyu - Southern Fried Records

7
The Shapeshifters - Helter Skelter - Defected

8
South of Roosevelt - Everybody Loves - Flapjack

9
Mercy Time / The 2 Bears ツ黴€Southern / Fried Records

10
Wonky Dynamo feat Tash Panas - Never Loved Before -Cunting Records

7.17 (Sat) WORLDOUT Presents SHINICHI OSAWA "SO2"× TOWA TEI "MOTIVATION H" W RELEASE PARTY @ 大阪 名村造船所跡地
7.23 (Fri) SHINICHI OSAWA "SO2"× TOWA TEI "MOTIVATION H" W RELEASE PARTY -SECOND SITE 12th ANNIVERSARY- @ 熊本 JANG JANG GO
7.30 (Fri) @ 札幌 Sound Lab mole
7.31 (Sat) MOTIVATION -WORLD 9th Anniversary- @ 京都 WORLD
8.7 (Sat) @ 大阪 Triangle
8.13 (Fri) hug inc. presents MOTIVATION @ 東京 AIR
8.28 (Sat) TOKYONOW @ 晴海客船ターミナル, Tokyo

RILLA(ALMADELLA / GUERILLA) - ele-king

RILLA PLAY CHART


1
Hypnotic Brass Ensemble - The Heritage - Choice Cuts Music

2
Lemos - Ypomoni-Orpheas

3
Unknown - Rose Red - RAL

4
Andre Galluzzi & Dana Ruh- Freya / Mauersegler - Ostgut Ton

5
Nicola Gala - The Pump - REKIDS

6
Badawi- Index - The Index

7
B.I.G Joe - War Is Over- Triumph Records

8
Lee 'Scratch' Perry* and Adrian Sherwood -Dub Setter - On-U Sound

9
JC Lodge - Your Smile - Supatech

10
Basque Dub Foundation - Midnight Organ -Heartical

RYOTA TANAKA - ele-king

KYOTO INDIE CLUB CHART


1
Mystery Jets - Serotonin - Rough Trade

2
Turntable Films - 2steps - Second Royal

3
The Samps- The Samps - Mexican Summer

4
Duck Sauce - Greatest Hits - Fool's Gold Records

5
Onra- Long Distance - All City Records

6
V.A. / PDXTC / High Score AndI

7
ポチョムキン / おてもやんサンバ FEAT. 水前寺清子, MICKY RICH & ポチョムキン / Face The Music

8
Kings Go Forth - The Outsiders Are Back - Luaka Bop

9
Kisses- Bermuda - Moshi Moshi

10
王舟 / 賛成 / 鳥獣虫魚

Shitaraba - ele-king

20禁チャート


1
Blipvert - Quantumbuster -Eat Concrete

2
Blipvert - E -Eat Concrete

3
Petr Passive - Kick In The Bass -Basserk

4
Pierce Warnecke - RnBeast -BEE Records

5
Becoming Real - The Thing -Lo Fi Funk

6
Mrs Qeada - Babi - Flogsta Dancehall

7
Propa Tingz - Poor Man Style - Offroad

8
MusSck - Ghetto Village In 2D - Daly City Records

9
Loops Haunt - Joplin - Black Acre Recordings

10
Hack Ira - Ahowa -Another Chance recordings

Various - ele-king

 先日、眠るタイミングを逸したまま夜を過ごし、もうそろそろ寝ようと思ったとき、カーテンがピンク色に染まっていた。それはそれは何とも言えない色合いの朝焼けで、ピンクの雲と、その隙間から見えるブルーのコントラストにしばらく見とれてしまうほどだった。

 クリスタルによって選曲、ミックスされた『メイド・イン・ジャパン "フューチャー" クラシックス』のジャケットの絵は「打ち込みテクノ少年が、自室で夜を徹して夢中で曲をつくって、空が白む頃に窓から見た風景」というコンセプトで描かれたものらしい。国内レーベルからリリースされた日本のテクノ~エレクトロニック・ミュージックをセレクトし、ひとつのストーリーを与えたこのミックスCD は、意外にもオオノ・ユウキによるアコースティックな音色で幕を開け、その後、2000年代の音源と90年代のテクノ黎明期にリリースされた音源が感慨深い邂逅をしながら流麗にミックスされていく。

 前半がリスニング系、後半は4つ打ちのトラックを中心とした2部構成になっていて、先のオオノ・ユウキの生ギターをイントロダクションに、吹き抜ける風を描写したようなイーター、切れのいいブレイクビーツと繊細でドリーミーな電子音が交錯するインナー・サイエンス、まさにエレクトロニックに変換された日没の光景というべきダブリーの"ザ・サンセッツ"、エレクトロニカの中の叙情性を濃縮したようなアメツブ、限られた要素でイマジネーションをフル稼働させる音職人スズキスキー、異能のコンビであるタンツムジークのアンビエント・サイド、アキオ/オキヒデ名義の"ブルー"と続き、ここでシフトチェンジして後半へ。

 福岡の〈サイジジー〉を運営していた稲岡健のユニット、ドローイング・フューチャー・ライフによる無重力感のあるダンス・トラック、エモーションとともにハイウェイを疾走するかのようなmophONEの"dic"、〈トランソニック〉のオーガニゼーションによる"ユーズドUFO"のフロム・タイム・トゥー・タイム(砂原良徳と田中純のユニット)リミックス、オールドスクールなアシッド・テクノを展開したミュートロンとユリ・スズキのユニットであるMY、このミックスCDの首謀者クリスタルとK404のトラックス・ボーイズの曲をチェリーボーイ・ファンクションがリミックスした、90年代の記憶と80年代への憧憬が混ざり合ったようなヴァージョン、映画音楽的で壮大なイメージのヒロシ・ワタナベによる別名義クアドラ、そしてラストはムードマンがやっていたレーベル〈ダブ・レストラン〉のコンピに収録されていたフルクラムの柔らかなサイケ感とノスタルジアが漂う曲でこのストーリーは幕を閉じる。

 収録曲のリリース年が最も古いのが93年のドローイング・フューチャー・ライフの"ザ・デイ・オブ・リターン(ウィズ・ドルフィンズ)"で、いちばん新しいのは2009年のアメツブ"タイム・フォー・ツリーズ"とMY"ア・ミラー・イン・ミラーズ"(MYの曲はかなり以前に録音されたものらしいが)。国産のエレクトロニック・ミュージックのみで構成するということ自体珍しいのだけど、このミックスCDをさらに特別なモノにしているのは、やはり90年代のジャパニーズ・テクノ黎明期のトラックをセレクトしているところだろう。

 今年の6月28日、このミックスCDに連動して企画されたDOMMUNEのプログラムに出演したスズキスキーは、何故か飲み慣れていないウォッカを何杯もあおって泥酔状態になり、クリスタルくんに絡むわレイハラカミくんの頭を叩くわ、ちょっとした放送事故状態を引き起こしていた。そんななか、彼の 93年の最初のリリースが完全個人の自主制作だったという件について「何で?」と問われたとき、スズキスキーは「だって出すところが無かったんだよ!」と即答していたのが個人的に印象に残った。新しい音の波に触れて、居ても立っても居られず機材と格闘して曲を作り、気持ちは無根拠な自信で思いっきり高揚しているものの、どうしていいのやらさっぱりわらず、というのが90年代初頭に日本でテクノを作り始めていた連中のおおよその状態だろう。僕もそうだったから良く解る。

 そこにひとつの勇気を与えたのが、93年に唐突にベルギーの〈R&S〉からリリースされたケンイシイの『ガーデン・オン・ザ・パーム』であり、それをキッカケに海外から日本人がリリースする例が増え、同時に国内の〈サイジジー〉や〈トランソニック〉〈フロッグマン〉〈ダブ・レストラン〉などのレーベルの動きが活発化していく。ようするに自分のやり方でやればいいのだというコトを我々は知ったのだ。

 そんな時代のなかで僕も96年に〈R&S〉傘下の〈アポロ〉からシングルをリリースし、97年には〈サイジジー〉からアルバムを出すこととなる。パンク~ポストパンクの波にリアルタイムに遭遇して曲作りをスタートし、1980年に最初のリリースをしたたものの、その後自分の行き場を見つけられずにいた僕にとって、このDIYで能動的で、さらにダンスという肉体性と祝祭性を併せ持ったムーヴメントは非常に魅力的だったし、自分の価値観が転換される感覚に久々に興奮した。実際、いまさらこんなものを聴いていられるかと、勢い余って持っていた過去のレコードをほとんど売ってしまったほどで、果たしてそれが正しい判断だったかどうかはわからないものの、たしかにそう思わせるだけの重要なターニング・ポイントではあったのである。

 何かが生まれたり、動き出す時というのはすべてそうなのだろうけど、実際にそこに参加した者たちは、まったく客観的ではないし、というか客観的になる余裕がないような状態で、いまから考えるとその頃はみんなちょっとあきれるほどに無防備で無垢だった。元々はかなりバラバラな嗜好や資質をもっていたような連中が、一瞬とはいえテクノという同じ場所に居合わせたのは、やはり特別なことだったのだろう。

 その後はそれぞれがそれぞれの方向に拡散し、さまざまなジャンルのなかでさまざまな試行錯誤がおこなわれていったわけだけれど、そのいっぽうで90年代黎明期のテクノの記憶は長らく放置されたままになっていた。そしてテン年代に入り、90年代にテクノとともに思春期を過ごしたクリスタルくんのような人が、ジャパニーズ・テクノの過去と未来にブリッジを架け、散らばっている点を線で繋ごうとするというのもなかなか感慨深いものがある。無闇に前のめりな姿勢をとっていたアーリー・テクノもたしかにそろそろ再検証すべきときが来たのかもしれない。ノスタルジーを剥ぎ落とし、未来へと繋げるために。

 どうもこのような動きもただの偶然ではないようで、7月28日にはのアキオとスピードメーターが組んだユニット、AUTORAがアルバムをリリースするし、永田一直のファンタスティック・エクスプロージョンも8月アルバム発売とのこと。ここに砂原良徳の9年振りの新作を加えてもいいだろうし、〈サイジジー〉の稲岡くんも久々にヤル気を出しているようだ。ひと回りして何かいろいろ動き出している気配があり、しばらく怠けていた僕も、ちょっと喝を入れられた気分でもある。

 僕はデトロイト・テクノを初めて聴いたとき、すごくファンキーだが、同時にすごく孤独な音楽だと感じたのだけれど、日本のエレクトロニック・ミュージックにもまた別種の孤独な響きがあり、それは夢想的で、ときにキッカイで、ときに過剰なほどロマンティックであったりもする。そして、その夢想の解像度が高いのもひとつの特徴かもしれない(それらは住宅事情の影響で、ヘッドフォンでモニターしながら作るような環境から来ているような気もする)。

 このちょっとした時代の節目を象徴するミックスCDのジャケットに描かれた「打ち込みテクノ少年が、自室で夜を徹して夢中で曲をつくって、空が白む頃に窓から見た風景」にも、その孤独な空気を感じ取ることができる。しかし、それは決して暗澹としたものではなく、そこには心地よい疲労と静寂が存在し、そしてあらゆるイマジネーションが渦巻いている。本作に収録されたアーティストやクリスタルにとってもこれは永遠の原風景であり、そして若い君にとっても同様のはずだ。われわれは大きな流れの途中にいるのだから。

三田格 - ele-king

裏アンビエント・ミュージック・チャート


1
David Behrman - Leopday Night - Lovely Music (87)

2
Jean Guerin - Tacet - Futura Records (71)

3
Biosphere / Deathprod - Nordheim Transformed - Rune Grammofon (98)

4
Flotel - Wooden Beard - Expanding Records (05)

5
Queen Elizabeth - Queen Elizabeth - Echo (94)

6
Oophoi - The Spiral of Time - Aurora (98)

7
坂本龍一 - Comica - Warner (02)

8
Iasos - Inter-Dimensional Music - Unity (75)

9
Stephan Mathieu - Die Entdeckung Des Wetters - Lucky Kitchen (02)

10
Mother Mallard's Portable Masterpiece Company - Like a Duck in Water - Earthquack Recordings (76)

Emeralds- Emeralds - Wagon (09)

- ele-king

★今回、航の音楽を通して自分語りから始めることを許してください。けれども、その恥をさらしてでも書きたいと思ったのが、航のアルバム『Do-Chu』についてです。

 私は1998年に静岡県から上京してきた。上京したばかりの頃、私は渋谷区に住んでいて、大学に通う傍ら、渋谷や下北に小島真由美、CHARA、朝日美穂のライヴに行き、椎名林檎のデビュー・アルバム『幸福論』を何度も聴き、毎週末原宿や表参道を何をするでもなく歩いて、雑誌は『装苑』を毎月買い、ゴダールの『気狂いピエロ』とかを見て、ヒロミックスやしまおまほの存在を気にしながら、いわゆる、なんていうんだろう、恥ずかし気もなくミーハーなオシャレ文化系女子(?)を気取りながら、都会生活を謳歌していた。

 ある日、表参道のストリート・ミュージシャンと会い「今度ライヴやるから来てよ」と言われて、初めて雑誌とかレコード屋さんで目にしたことのない人のライヴに行くことになる。そこで対バンだったのが、「トーマス・ヨハンセン」というバンドだった。私は一瞬にしてそのバンドに心奪われた。配られていたチラシに「トーマス・ヨハンセン/鍵盤楽器奏者募集」とある(私は矢野顕子に憧れて、何を勘違いをしたのか芸大受験をしたのである)。次の日には電話だかメールだかハガキだか忘れたけれど、自意識過剰な私は迷わず連絡していた。話は長くなるのでいろいろと省略するけれども、私は幸運なことにバンド経験なんて何にもないのに、すぐにライヴハウスで演奏することになった。そのなかでも定期的に演奏していたのが、〈渋谷アピア〉という小さなライヴハウスだった。

 その〈渋谷アピア〉が、オシャレ文化系女子のつもりだった私にとっては、もしかしたら人生の矛先を大きく変えた場所のひとつであったかもしれない。南正人、遠藤ミチロウ、火取ゆき、友川カズキ、チバ大三、三上寛といった人たちが出演していて、初めてこの世の裏側にこういう音楽が存在するということを知ったのである。そのライヴハウスでよく名前を見たのが、今回紹介する航(ピアノ、ヴォーカル、作曲)である。

★前置きが長くなったけれど、やっとここから本題に入ります。

 航のプロフィールを見ると、私と同じ1979年生まれ、クラシックを学んで、1998年にライヴ活動をはじめ、ちょうど同時期に〈渋谷アピア〉で活動している。たしかに当時その名前は見たことがあった。十余年を経て、今年初めてこのアルバム・リリースをきっかけに私の担当しているラジオ番組のゲストとして出演していただくことによって対面することになった。彼女の名前を見たときにこれは他人事とは思えなかったので出演をお願いしたのである。
 航はあの頃から、〈渋谷アピア〉の地下水脈のなかでソロ弾き語りライヴをこなし続け、そして藤井郷子さんとのデュオアルバムを経て、2010年このアルバム『Do-Chu』をリリースするに至った。このアルバムの曲すべて、作曲は航本人で、共演者に田村夏樹(tp)、植村昌弘(ds)、公文南光(cello)を迎えている。このアルバムで開花した新しい世界というのが私には充分すぎるほど感じ取ることができて感涙するのである。何かと再会する感動。しかも私の敬愛する藤井郷子/田村夏樹の音楽を経て。

 ラジオ番組に出演してもらったときに、航には自分のアルバム以外に影響を受けた音楽をいくつか持って来ていただくことをお願いした。彼女が持って来てくれたのは、Portishead『Glory Box』とBrigitte Fontaine『 Comme a la Radio』だった。このふたつを彼女は声と楽器が主従関係になっておらず、対等である音楽と指摘していたけれど、この選曲に私はあらためて彼女に惚れ直しもした。

 航の音楽は、ひとつの身体から奏でられる。体の芯から分岐して、細い指先に伝わって繊細に紡ぎ出されるピアノの音と、体内の管を通って喉を振るわせ吐き出される声。こんなふうに私の耳に届いて来た弾き語りは、私が高校生のときに初めて音楽的な衝撃を受け、音楽を志そうと思った矢野顕子『JAPANESE GIRL』(1976)の"電話線"以来である(高校生当時1995年、弾き語りアルバム『ピアノ・ナイトリイ』が出た頃。矢野顕子を全部集めようと思って2枚目にデビュー・アルバムを買った)。
 航の音楽は、こんなふうに私の個人史のなかに浸透して、自分の音楽体験を走馬灯のように振り返らせてくれる力をもちながら、少し大袈裟かもしれないけれど90年代から現在にかけての日本音楽史の裏側を背負った類のない音楽である。2010年それがようやく世間に放たれた。ほんとうにうれしい。いま、90年代オシャレ文化~アンダーグラウンド音楽シーン~アヴァンギャルド音楽シーンを経て、ようやくひとつの身体から奏でられる弾き語りとして、航の音楽が「あなたの耳へ」と届くことになるだろう。

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