「Lea Lea」と一致するもの

Clark - ele-king

 は、早い……。4月にアルバム『Death Peak』を、5月にコム・トゥルーズとのスプリット盤「Bobbie Caris」を、そして9月に「Rellik EP」をリリースしたばかりのクラークが、12月1日に新たな12インチを発売する。先行公開された新曲“Honey Badger”はアルバムのムードを引き継いだ非常にダンサブルかつ複雑な展開を見せるトラックに仕上がっているが、しかしクラークさん……少しは休んでもいいのよ。

〈WARP〉を代表する多作家、クラークが新曲“HONEY BADGER”を公開!
最新12”は12月1日リリース

4月に3年ぶりのオリジナル・アルバム『Death Peak』をリリースし、フジロックにも初出演、TVドラマのサウンドトラックや、劇作品、オーケストラにも楽曲を提供するなど、〈Warp〉きっての多作家であり、近年はレーベルを牽引する存在にまで成長した鬼才プロデューサー、クラーク(Clark)が、新たに新曲“Honey Badger”を公開!

Clark - Honey Badger
https://youtu.be/I70Apni9Coc

『Death Peak』ツアーのハイライトとなっていたダンスフロア志向の2曲を収録した新作「Honey Badger / Pig」は、12月1日に12インチ・ヴァイナルとデジタル配信でリリースされる。

label: WARP RECORDS
artist: CLARK
title: Honey Badger / Pig - Single
release date: 2017/12/01 ON SALE

label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: CLARK
title: DEATH PEAK
release date: 2017/04/07 FRI ON SALE

国内盤CD BRC-543 定価 ¥2,200(+税)
初回限定生産盤デジパック仕様
ボーナストラック追加収録 / 解説書封入

DJ Yoshi Horino(UNKNOWN season) - ele-king

10.12. HOB 2nd anniv. feat. Chris Coco, Taro Yoda at bonobo(ゲストのお2人からインスパイアされた10曲)

近々のDJスケジュールです:


10.12.(Thu) House Of Bonobo 2nd Anniversary Pt.2 feat. Chris Coco at bonobo, Harajuku

10.20.(Fri) Plus at Suree, Ebisu

11.6.(Mon) Deep Monday at 頭バー, Ebisu

Oneohtrix Point Never - ele-king

 これは嬉しいお知らせです。11月3日に日本公開される映画『グッド・タイム』のディレクターズ・カット版サウンドトラックCDがリリースされます。こちら、なんと日本限定かつCD限定の試みとなっている模様。OPNによる『グッド・タイム』のサウンドトラックはすでにリリースされていますが、このディレクターズ・カット版は全曲フィルム・エディットで、オーダーも映画での流れに沿ったものとなっており、また未収録曲も追加されているとのこと。新曲の試聴はこちらから。

ONEOHTRIX POINT NEVER
カンヌを震撼させた映像すら飲み込む衝撃の映画音楽体験。
ロバート・パティンソン主演で注目の話題映画『グッド・タイム』
ディレクターズ・カット版サウンドトラックのCDリリースが決定!

本年度のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、主演のロバート・パティンソンが彼のキャリア史上最高の演技を披露していると話題を呼んでいる映画『グッド・タイム』。音楽を手がけたワンオートリックス・ポイント・ネヴァーことダニエル・ロパティンが、本年度のカンヌ・サウンドトラック賞を受賞し、アメリカで8月に公開された際には、セレーナ・ゴメスや全米シングル・チャート1位をもつ人気シンガー、ザ・ウィークエンドなども大絶賛するなど大きな注目を集める中、日本でも11月3日(祝・金)よりシネマート新宿ほかにて全国公開が決定している。

11月3日公開 ロバート・パティンソン主演『グッド・タイム』予告編
https://www.finefilms.co.jp/goodtime/

また本映画のサウンドトラック・アルバムとしてワンオートリックス・ポイント・ネヴァーが〈Warp Records〉から『Good Time Original Motion Picture Soundtrack』をリリースしており、映画のエンディング・テーマにもなっている“The Pure and the Damned”でイギー・ポップとコラボレートしたことも大きな話題となった。映画の日本公開を1ヶ月後に控えた中、公開を記念して、全曲フィルム・エディットで収録されたディレクターズ・カット版『Good Time... Raw』の日本限定リリースが決定し、新曲“Elara to Alley”が解禁された。

Oneohtrix Point Never - Elara to Alley
https://pointnever.com/elara-to-bank

本作『Good Time... Raw』は言わば『グッド・タイム』のサントラの完全版だ。オリジナルのサントラは今年8月にもリリースされたが、サフディ兄弟の片割れであるジョシュ・サフディが「映画のままでサントラを聴きたい」とリクエストしたため、完全版の『Good Time... Raw』が制作されることになった。ゆえに本作は映画の流れに沿った曲順であり、イギー・ポップが参加した“The Pure and the Damned”含め、全曲がFilm Editで収録されているほか、8月リリースのオリジナル・ヴァージョンには収められなかった曲も追加収録されており、『グッド・タイム』の世界観をより深く理解するためにも必聴の作品だ。

そんな本作は、これまでのロパティンからすると新たな側面といえる音が多い。とりわけ耳を引くのは、シンセのアルペジオが多用されていることだ。オリジナル・アルバムではあまり強調されないメロディーも前面に出ており、ロパティンのサウンドにしてはキャッチーである。とはいえ、殺伐としたドライな映像が印象的な映画本編と共振するように、不穏な空気を醸す電子音が多いところには、ロパティンが持つアクの強さを見いだせる。それが顕著に見られるのは、メタルみたいな大仰さが映える“Bail Bonds”や、人工的な8ビット・シンセが響く“Flashback”などだろう。また、“6th Floor”“Ray Wake Up”“Entry To White Castle”では秘教的な雰囲気を創出しているが、その雰囲気に『AKIRA』の音楽で有名な芸能山城組の影がちらつくのも面白い。サフディ兄弟とロパティンは、共に『AKIRA』好きとしても知られているが、そうした嗜好は本作にもあきらかに表われてい る。

本作は、ロパティンなりに映画の世界観と上手くバランスを取ろうとする客観性と、アーティストとしてのエゴが絶妙に混ざりあった作品だ。そんな本作を聴いて連想するのは、映画『ロスト・リバー』の音楽を担当したジョニー・ジュエル、あるいはドラマ『ストレンジャー・シングス』の音楽で知名度を高めたカイル・ディクソン&マイケル・ステインあたりのサウンドだが、こうした近年注目されているアーティストに接近したのはなんとも興味深い。そういう意味で本作は、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーの次なる一手としても重要な作品になるだろう。

話題映画『グッド・タイム』ディレクターズ・カット版サウンドトラック『Good Time... Raw』は、映画公開と同日の11月3日(祝・金)に日本限定、またCDフォーマット限定でリリースされる。また本作には、ジョシュ・サフディによるライナーノーツおよび、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーことダニエル・ロパティンとジョシュ・サフディによるスペシャルな対談が封入される。また対象店舗にて、『Good Time... Raw』と『Good Time Original Motion Picture Soundtrack』を2枚同時で購入すると、オリジナル・クリアファイルが先着でもらえる。


label: Warp Records / Beat Records
artist: Oneohtrix Point Never
title: Good Time... Raw

cat no.: BRC-561
release date: 2017/11/03 FRI ON SALE
国内限定盤CD:ジョシュ・サフディによるライナーノーツ
ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーとジョシュ・サフディによるスペシャル対談封入
定価:¥2,000+税

【ご予約はこちら】
amazon: https://amzn.asia/gxW5H63

商品詳細はこちら:
https://www.beatink.com/Labels/Warp-Records/Oneohtrix-Point-Never/BRC-561


label: Warp Records / Beat Records
artist: Oneohtrix Point Never
title: Good Time Original Motion Picture Soundtrack

cat no.: BRC-558
release date: 2017/08/11 FRI ON SALE
国内盤CD:ボーナストラック追加収録/解説書封入
定価:¥2,200+税

【ご購入はこちら】
beatkart: https://shop.beatink.com/shopdetail/000000002171
amazon: https://amzn.asia/6kMFQnV
iTunes Store: https://apple.co/2rMT8JI

商品詳細はこちら:
https://www.beatink.com/Labels/Warp-Records/Oneohtrix-Point-Never/BRC-558


映画『グッド・タイム』
2017年11月3日(祝・金)公開
第70回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門選出作品

Good Time | Official Trailer HD | A24
https://youtu.be/AVyGCxHZ_Ko

東京国際映画祭グランプリ&監督賞のW受賞を『神様なんかくそくらえ』で成し遂げたジョシュア&ベニー・サフディ兄弟による最新作。

出演:ロバート・パティンソン(『トワイライト』『ディーン、君がいた瞬間』)、ベニー・サフディ(監督兼任)、ジェニファー・ジェイソン・リー(『ヘイト・フルエイト』)、バーカッド・アブティ(『キャプテン・フィリップス』)
監督:ジョシュア&ベニー・サフディ兄弟(『神様なんかくそくらえ』)

ニューヨークの最下層で生きるコニーと知的障がい者の弟ニック。2人は銀行強盗を行うが、弟が捕まり投獄されてしまう。しかし獄中で暴れ病院へ送られると、それを聞いたコニーは病院へ忍び込み、警察が監視するなか弟ニックを取り返そうとするが……。

2017/アメリカ/カラー/英語/100分
© 2017 Hercules Film Investments, SARL

配給ファインフィルムズ

interview with Ryohu - ele-king


Ryohu - Blur
LIQUOR&FOODS I.K / Less+ Project.

Hip Hop

Amazon Tower HMV iTunes

 グループとしても、それぞれのソロとしても、快進撃を続けるKANDYTOWN。その中でも、まだKANDYTOWNがこれほどまで名前をシーンで上げる以前から、ソロでのリリースや、Base Ball BearやSuchmosといったヒップホップ・シーン外のアーティストへの客演でも注目を集めていたラッパー/トラックメイカーのRyohu。それらに加えプロデュース・ワークや、ラッパーとして参加しているバンド Aun beatzでの動きなど、その活動の幅と創作意欲の高さは衆目を集めていたが、ソロでのリリースとしては「Green Room」や「All in One EP」などがあったものの、現場売りや限定リリースなど、そのリリースは大きな形ではなかった。しかし今回リリースとなる「Blur」は、インディ・リリースではあるが初の全国流通盤となり、その存在をより広い形で伝えることになる作品となるだろう。そして、そのアルバムはバンド ampleの河原太朗を共同プロデューサーに迎え、インタビューでも語られる通り、打ち込みによるヒップホップやクラブ・ミュージックならではの構造性と、バンドとしての音楽的なカラーの豊かさを両立させた作品として完成させた。ラップのアプローチとしても、これまでとも繋がるロマンティックで垢抜けたリリシズムに加え、そのイメージをやや変えるような創作性も垣間見え、そのポテンシャルを作品に塗り込める。確実な進歩を感じさせる、理屈を超えた「気持ちよさ」を感じさせる1枚だ。


やっぱりDJプレミアが多かったですね。リアル・タイムのものより、ナズとかジェル・ザ・ダマジャ、ブラック・ムーン、モブ・ディープみたいな、90年代クラシックを死ぬほど、もうぶち狂うぐらい聴いてて。

まずRyohuくんの音楽的な原点から教えてください。

Ryohu:子どもの頃からバスケやってて、試合で遠征する時はチーム・メイトの家族の車に分乗して会場まで行くんですけど、その中にロック好きなお父さんがいて、その車ではいつもボン・ジョヴィの“It's My Life”がかかってたんですよね。その曲が聴きたいがために、その車に乗ってたのを覚えてます(笑)。ラップはKICK THE CAN CREWとかRIP SLYMEみたいな、当時のポップ・チャートに登場してた人も聴いてたんだけど、最初に衝撃を受けたのはキングギドラの『最終兵器』でしたね。それが小5~6だったと思う。ギドラを聴いて、こういうラップ、ヒップホップがあるんだ、格好いいなってしっかり聴き始めて。世代的にも『空からの力』は後追いですね。

ハードコア・ヒップホップの方がピンときたと。

Ryohu:そうっすね。中学の時には妄走族のライヴも行ってたし。

それは意外!

Ryohu:妄走族はかなり聴いてましたね。雷家族も超好きだったし、練マザファッカーがテレビに出る前からD.Oさんの音源も聴いてて。

ある意味で、KANDYTOWNは世間的にはクールでお洒落な感じで受け取られている部分もあるし、実際にそういう部分もあるんだけど、IOくんは「BOOT STREET」で働いてたり、いわゆる渋谷宇田川カルチャーとも繋がりがあるんですよね。

Ryohu:やっぱり好きなものと、自分がアーティストとして提示したい自分らしいものって違うじゃないですか。だから、その意味でも最終的にハードコアな方向には行かなかったけど、やっぱりリスナーとしては影響を受けてましたね、特に当時は。そういうライヴって、やっぱり中学生なんてほぼいないんだけど、その中に同世代で来てたのがYUSHIで、そこで知り合ったんですよね。

学校の繋がりではないんですね。

Ryohu:俺やB.S.Cは普通の公立校で、YUSHIは和光中学に通ってて。

いわばストリートで出会ったと。

Ryohu:格好良く言えば(笑)。それでYUSHIやIO、KIKUMARUとか和光の人間とも遊ぶようになって。俺は駒場高校に進んで超真剣に部活でバスケやってたんだけど、遊ぶのは後にBANKROLLになる連中ばっかりでしたね。自分の高校の人間とはあんまり遊ばなかったし、行事も参加しないで、部活が終わったらBANKROLLの連中と遊ぶっていう。だから、学校では謎キャラだったと思います(笑)。

自分の高校にはラップを聴いてる人はいなかった?

Ryohu:いたと思うけど、BANKROLLのメンバーぐらい詳しかったり、感覚の合う人間はいなくて。

ではラップを始めたキッカケは?

Ryohu:せざるをえなくなったんですよね。

それはどういうこと?

Ryohu:YUSHIは中学からラップやってたし、一緒に遊んでる人間も高校に入るとみんなラップ始めて、遊ぶ時はみんなフリースタイルしてるんですよ。最初は「俺はいいわ」とか言ってたんですけど、結局みんなそうやって遊んでるから、つまんなくなるじゃないですか。それで「俺もラップするしかねえか」みたいな(笑)。本当はやりたいんだけど、恥ずかしいっていう気持ちが勝ってて踏み出せなかった部分もあって。それで一回やってみたら、あとはもう楽しくなっちゃって、インスト聴いたら曲書こうって感じだったし、MTRでひたすら録ってましたね。それは俺もそうだし、KANDYのメンツはみんな。だから世に出てない曲は山ほどありますよ。

当時、ラップを載っけてたビートは?

Ryohu:やっぱりDJプレミアが多かったですね。リアル・タイムのものより、ナズとかジェル・ザ・ダマジャ、ブラック・ムーン、モブ・ディープみたいな、90年代クラシックを死ぬほど、もうぶち狂うぐらい聴いてて。当時、俺らが格好いいと思ってたライフ・スタイルに、90sのNYヒップホップが近い部分があったと思うんですよね。夜、集団でオーバー・サイズ着て、歩いてたり溜まってるみたいな感じがかっけえっていう。俺らの遊ぶ時もそういう感じでしたね。

高校卒業ぐらいのタイミングで、ズットズレテルズにも参加しますね。後にOKAMOTO'Sに繋がるグループですが、Ryohuくんはどういう経緯で入ったの?

Ryohu:なんなんすかね?

それを聞いてるんだけどさ(笑)。

Ryohu:いや、なんかやろう、ぐらいだったと思いますね。あんまり深い意味はなかったと思います。

話によると、和光の卒業イベントのために結成したんだけど、賞金が欲しくて「閃光ライオット」にもチャレンジしたということですが。

Ryohu:そんな感じだったかもしれない(笑)。でもとにかく一緒にいて、バンドのジャム・セッションに合わせて、YUSHIと俺がフリースタイルするって感じで、とにかく一緒に音楽をやってましたね。実際には半年ぐらいしか活動してないけど、その間ズレテルズのメンバーととにかく一緒に音楽を作ってましたね。それでハマ(オカモト)くんが当時、ズレテルズとは別にEdBUSっていうバンドのサポートやってて、その流れで下北沢GARAGEに出入りしてたんですよね。それで、その年の「閃光ライオット」に出た挫・人間とか関取花ちゃん、ブライアン新世界たちと一緒に、ズレテルズ主催でGARAGEでイヴェントをやったんですよ。そこで当時店長だった出口(和宏)さんが俺のことを気に入ってくれて、それからGARAGEに出入りするようになって。それで当時MPC1000を買って――確か楽器屋に取りに行くのに、IOの車で送ってもらった記憶があります――トラックメイクも始めたんですよね。MPC1000は持ち運びができたんで、夜な夜なGARAGEに機材を持ってって、楽屋兼事務所に溜まってるみんなと、朝まで一緒に曲作ったり。そこでコイちゃん(小出祐介、Base Ball Bear)に出会ったんですよね。

ベボベの“クチビル・ディテクティヴ”に参加したのも、GARAGEの流れだったんですね。

Ryohu:そうですね。あと、閃光ライオットでコイちゃんが審査員だったっていうのもあって。ただ俺はバンドを全然聴いてなかったんで、出会った時にベボベのことも、コイちゃんのことも知らなかったんですよ。それよりも、やたらラップの上手い人って印象でしたね。それで事務所で一緒に遊び終わった後に、そのまま飯食いに行ったんですよね。それで下北の駅前を通ったら「ベボベ武道館」っていうポスターが貼ってあって、一緒にいた人に「これ、コイちゃんのバンド」って言われて、「え、スゴいことですよね、武道館ワンマンて」って(笑)。同じようにGARAGEで出会った(ペトロールズの長岡)亮介さんも知らなかったんで、ライヴを見て「めっちゃギター黒いっすね」とか軽く言ったりして。亮介さんには「マジあの時はすみませんでした」って今も謝ってるんですけど(笑)、単純に生意気な奴って感じだったと思いますね。

同時期には元SIMI LABのQNの別名義、EARTH NO MADの「MUD DAY」にも参加しますね。

Ryohu:BANKROLLは町田のFLAVAとかでライヴをやってたんで、同じようにFLAVAに出てたSIMI LABとも繋がってたんですよね。そこでQNから、「別名義でリリースするからRyohuも入ってくれない?」ってオファーをもらって。で、歌詞書かないでいって、フリースタイルで録って、その時間をタイトルにするっていう(笑)。

いい加減だな~。

Ryohu:もうしっかりしなさいよ、って感じですよ、いまから振り返ると(笑)。

ふと「考えるの止めよう、山に登ろう」と思って、ひとりで山に登ったんですよね。

そうやっていろんなオファーがあったけど、ソロ作にはたどり着いていませんね。

Ryohu:リリースの勧めもあったんですけど、そういうモードじゃなかったというか、俺自身、実際に何をしたいのかが、自分でわかってなくて。だからリリースとかよりも、遊んでたかったっぽいですね。勿論、そこには音楽が付随してて、いろんな出会いだったりがあって、そこで新しい音楽の遊び方を覚えたりはしてるんだけど、「リリース」とか「制作」には自分から向かわなかった。

それはBANKROLLやKANDYTOWNとして動きたかったという部分もある?

Ryohu:正直、それはハナからなかったですね(笑)。なんならIOと超しょうもないこと――かつ完全に俺が悪い内容で――喧嘩してて、1年ぐらい口きいてなかったんじゃないかな、KANDYの仲間と一緒にいたりするのに(笑)。かつ、GARAGEに出入りするようになってたんで、KANDYよりも、そっちが遊ぶ中心になってて。ライヴもやってたけど、人に求められるからやるっていうか。自分からっていう感じでは正直なかったかもしれないですね。

その意味では、アーティストとしてやってこうと思ったタイミングは?

Ryohu:それこそベボベの作品に何作か参加させてもらって、普通に音楽でお金もらってるんだなとは感じてたけど、その時はこれを仕事にしようとは思ってなかったんですね。でも、22~3ぐらいのタイミングで、ふと、ちゃんとしなきゃな、音楽をちゃんとやってみようかな、と思ったんですけど、でもやり方がわかんねえ、みたいな、ただただ時間だけが過ぎてくみたいな期間があって。その中で音楽と向き合うために、11年に「Green Room」を作ったんですけど(リリースは13年)、とにかく暗くなっちゃって。それでふと「考えるの止めよう、山に登ろう」と思って、ひとりで山に登ったんですよね。

また急激な展開(笑)。

Ryohu:体動かしたほうがいいかなって(笑)。その帰りに、KANDYのメンバーではないんだけど、その周りにいる仲間に出会って、「これはもうこの環の中からは逃れられないってことだし、それでいいんだな」って。そこで、スゴくいろんなことに関して軽く考えられるようになったんですよね。

「Blur」に収録される“The More, The Better”には、山の話が出てきますが。

Ryohu:その時に書いたリリックなんですよ。自分の中でのもがきとか、悩みの霧が晴れて、もっと簡単に考えていいんだ、って思った時の曲で。tengal6を手がけたのもその時期じゃなかったかな。

ラップ・アイドル lyrical schoolの前身である、tengal6の「まちがう」に収録された“ルービックキューブ”などを手がけられましたね。アイドルの制作に参加したキッカケは?

Ryohu:ミュージシャンのリキヒダカともGARAGEで繋がったんですけど、彼の繋がりでtengal6のプロデューサーのキム・ヤスヒロくんから連絡をもらって「ラップの指導をやってくんない?」って。それでオーディションぐらいから関わらせてもらったんですよね。

そして、KANDYTOWNが14年に初のミックス「KOLD TAPE」をWEBにアップして、その1年後には「BLAKK MOTEL」「Kruise'」をリリースして、いよいよ本格的に動き始めることになりますね。Ryohuくんはそれと並行して、Suchmos「THE BAY」に収録された“GIRL (feat. Ryohu)”にも参加と。

Ryohu:やっぱりKANDYが注目され始めたのは個人的に嬉しかったですよ。それまでほとんど俺しか表に出てなかったんで、リリースはこれから動こうぜっていうキッカケにもなって。去年フル・アルバム『KANDYTOWN』まで上手いこと進めたし、その流れに沿ってそれぞれのソロもリリースされて、普通に嬉しいみたいな。雑誌の表紙も何人もやってるし、「みんなで、有名になるの良くねえ?」って感じでもあるし、一方で勝ち負けじゃないけど、みんな頑張ってるから俺も負けられねえ、っていう気持ちにもさせられて。

IOくんやYOUNG JUJUくんたちは全国流通作をリリースしていますが、Ryohuくんは現場売りが中心でしたね。昨年リリースの「All in One EP」も流通としてはライヴ会場やタワーレコード限定のリリースでした。

Ryohu:結局、関わる人間が増えれば増えるほど、いろんなことがあるし、ものづくりをする上で、あまり人に関わらせたくなかったというか、アーティストが一番でありたかったんですよね。俺が作った俺の音楽なんだから、って。「Green Room」の頃までは、まだとんがってたと思いますね。「All in One EP」はそれが晴れて、自分からいろんな人に働きかけたら、みんな快く引き受けてくれて。そこで「頼んでもいいんだ、手伝ってくれるんだ」って発見もあったんですよね。それで「Blur」は全国流通で展開しようって。

バンドだとありえない音楽構造で作曲するのは、ヒップホップのトラックメイカーができることだけど、バンドとしての素晴らしさは、やっぱりバンドにしか出せないですよね。そのふたつを組み合わせたくて。

その「Blur」ですが、バンド ampelの河原太朗さんを共同プロデューサーに起用した、バンド・サウンドが基調になった作品ですね。

Ryohu:生音を使ったらどうなるんだろうっていうのは興味あったんですよね。それがキッカケで、太朗ちゃんに声をかけて。

作り方としてはどのように?

Ryohu:俺は楽器ができないんで「こういう感じの曲を作りたい」「こういう曲にしたい」っていうザックリしたイメージを太朗ちゃんに伝えて、それを「こういう感じ?」って組み立ててもらうんですよね。それで「それがいい」「コード感はもう少し明るめ」「これに合うのはこういうドラムだね」とか、ディスカッションで進めていった感じですね。だから、土台を作る時はふたりで部屋にずっとこもってましたね、2日間(笑)。ただ、ドラムは打ち込みにしたかったんですよ。

それはなぜ?

Ryohu:バンドで制作したのは、あまりヒップホップ・サウンドにしすぎないようにっていうイメージだったんですが、でも一方でクラブ対応にはしたくて。

音圧や低音部の響きは、やはり打ち込みならではの強さがありますね。

Ryohu:ジョーイ・バッドアスとかケンドリック・ラマーが提示するような、それぐらいのベースじゃないと物足りないと思ったんですよね。

個人的にはチャンス・ザ・ラッパーのアプローチにも近いモノを感じました。

Ryohu:バンドだとありえない音楽構造で作曲するのは、ヒップホップのトラックメイカーができることだけど、バンドとしての素晴らしさは、やっぱりバンドにしか出せないですよね。そのふたつを組み合わせたくて。

その意味でもKANDYで求められてるものと、Aun beatzやRyohuくんのソロで求められてるものの、両方を納得させられる作品になっていると感じました。また「Blur」というタイトルだけど、リリックは情景がしっかり見えるような構成になっているのと同時に、「君」や「あなた」という二人称が多くて、それは「聴いてるあなた」といったような、具体的な相手が想定されてるのかなとも思えて。

Ryohu:自分の中で見えてる景色があって、その中に登場してる人に向けてる感じですね。「Blur」は単にぼんやりっていう意味じゃなくて、そうなるには何色かが足されて「Blur」になると思うんですよ。例えば、夜と朝、昼と夜が混じり合う微妙な時間とか。その感じが自分にとって「Blur」。だから、それぞれの楽曲にはカラーがあるけど、それが混ざり合ってこの作品ができているので、タイトルを「Blur」にしたんですよね。

今までの作品もそうですが、全体的にロマンティックだし、Ryohuくんはロマンチストだなと。

Ryohu:ロマンティックあふれ出てますか、今回も(笑)。

言わなきゃ良かった(笑)。

Ryohu:俺も含め、KANDYはジェントルマンですから。女の人に優しいのは大事じゃん、っていう。確かに、普通に考えたらクソ恥ずかしいことを書いてるとは思うんですよ。特に“All in One”とか。でも恥ずかしいけど、それを超えて格好いいことを書いてるから、言えちゃうんですよね。“Say My Name”とかも照れるようなリリックではあるけど、格好いいから言えちゃうと思うし、格好いいものを作れば、それは肯定されると思うんですよね。

ただ“Desserts”では、ややサイコパスとも言える男も形にしていて。しかもビートが変わるタイミングで、どんどん狂気じみていくのも面白い。

Ryohu:ストリーテリングとして、愛の表現をもっと狂気じみた感じにしてみたんですよね。だから俺の愛し方ではないんで、勘違いされたらやだなーとか思いながら書きました(笑)。

Ryohuくんのプロジェクトとしては、外部仕事も含めたソロ、Aun beatz、KANDYTOWN、トラックメイクが挙げられると思いますが、その違いは?

Ryohu:KANDYはいまだにみんなで集まって遊びの延長で作るって感じだし、BANKROLLの頃と変わらないですね、俺自身は。トラック提供は基本的にKANDYのメンバーに向けてなんですが、「こういうのがあってもいいんじゃない」みたいな、提供するメンバーが今まで選んできたものとはちょっと違ったり、ギリギリのラインを攻める感じですね。Aunはバンドが作ってきたサウンドに対して、どう返すかっていうチャレンジ。ソロは完全に自分に没入したオタクって感じですね。だから自分の作品が一番難しいですね。誰かと作る作品は、こうした方が面白いかもとか、こういうのが欲しいとかが浮かぶけど、自分のこととなると、どうしたらいいのかなって悩みますね。だから、いろんな動きがそれぞれ良い息抜きになってるんですよ。

外仕事だとエゴを通せない部分もあるし、ソロだけだと煮詰まるし……。

Ryohu:ソロだけだったらリリースしないかもしれないですね。ずっと自分の中で作ってて、それに飽きたらリリースしないで捨てちゃうかもしれない(笑)。だからいろ0んなアプローチがあることで、一生音楽を作り続けられると思うし、関わってくれる皆さんありがとうございますって感じですね。

[10/17追記]

ラッパー/DJでありながら、KANDYTOWNのメンバーであり、Suchmosやペトロールズへの客演参加を行い、ヒップホップとロックをクロスオーバーして活動の幅を広げているアーティスト、Ryohu(呂布)。待望の初全国流通盤EP『Blur』がリリースを迎えたばかりだが、Ryohuと親交深いアーティストの皆さんよりコメント・メッセージが到着!

HIP HOPとMUSIC、
LIFEとSTYLE、
SETAGAYAとSEKAI、
Ryohuは『接着剤』なんだよね。
軽やかさ、柔軟さが、唯一無二。
もんのすんごく、
期待しています!!!!!
――Mummy-D (Rhymester)

〈完璧じゃならない絵に〉(“Say My Name”)というフレーズがたまらなく好きだ。
言い切っているようで、言っていない部分がすごく多い。
だからこそ、漠然とした大事なことが漠然としたまま迫ってくる。
この手渡し方に、Ryohuの感性や在り方が詰まっていると思う。
そして、作品の額縁には「Blur」つまり『曖昧』という題が。
少なくとも完璧にRyohuだよ。
――小出祐介(Base Ball Bear)

気取ってなくて素直、芯があって少し無骨、世代差を感じない人懐こさ、結果としてすごく虫が好く。
出会った時から変わらないRyohuの印象そのままの音楽だね。リリースおめでとう!
雰囲気が好きなアルバム、“って事だけは確か”。
――三浦淳悟(ペトロールズ)

いつも1番暖かくて1番クール。それで、今1番カッコいい。
――オカモトショウ(OKAMOTO'S)

呂布くんの声は軽やかさと切なさと、すこしファニーさ、グッとくるものが全部入っているのだ。
なんでそんなセクシーなのさ?
――オカモトコウキ(OKAMOTO'S)

気持ちよかった、ありがとう。
――ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

タイトなラップでキメるB-boyは無条件でカッコ良いということを再確認させられました。
――オカモトレイジ(OKAMOTO'S)

また、『Blur』の発売を記念して開催される、12/8(金)の渋谷WWWにてRyohu “Blur” Release Partyのチケット一般販売もスタート。
ゲスト・アーティストはSIMI LABに決定!
前売購入者には特典として、Ryohuによる選曲音源を収録したExclusive Cassette Tape「No Pay No Play」をプレゼントとなるので、是非お買い逃しないように。

【イベント情報】

Ryohu “Blur” Release Party

12/8 (Fri) @ Shibuya WWW
OPEN 18:30 / START 19:30
ADV ¥3,000(+1D) / DOOR ¥3,600(+1D)
※前売購入者特典として、Ryohuによる選曲音源を収録したExclusive Cassette Tape「No Pay No Play」をプレゼント

出演者:
Ryohu (Band Set)
SIMI LAB [10/17追記]

10/5(木)~ e+にて先行販売開始
https://eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002240412P0050001P006001P0030001

10/14(土)〜 プレイガイド一般発売
▼チケットぴあ 【Pコード:347-789】
https://t.pia.jp/
※電話予約あり:0570-02-9999

▼ローソンチケット 【Lコード:76979】
https://l-tike.com/order/?gLcode=76979
※電話予約なし

▼WWW店頭
03-5458-7685

Riddim Chango Records - ele-king

Latest top tunes by Riddim Chango Records (1TA & HIROSHI)

Ryohu - ele-king

 つい先日MASATO & MinnesotahによるミックスCDがリリースされたばかりだというのに、KANDYTOWNの勢いは留まるところを知らないようだ。世田谷より飛び立ったこのヒップホップ・クルーから、今度はRyohu(呂布)が待望のソロEPをリリースする。タイトルは「Blur」で、発売日は10月11日(水)。それに先駆け、本日、同作収録の“All in One”のミュージック・ヴィデオが公開された。このMVはRyohuにとって初となるMVで、監督は映像作家の中村壮志が務めている。また、今回のEP発売を記念したリリース・パーティの開催も決定している。日時は12月8日(金)で、場所は渋谷WWW。MCだけでなくDJやトラック・メイキングまでこなすこの才能の新たな飛翔を見逃すな!

待望のソロ作「Blur」を10/11にリリースするRyohu(呂布)。
自身初となるMusic Video “All in One”が公開、
さらにはEP発売を記念したリリース・パーティを
12/8(金)に渋谷WWWで行うことが決定。

ラッパー/DJでありながら、近年ではSuchmosやペトロールズへの客演参加を行い、活動の幅を広げているオールラウンド・プレイヤーなアーティスト、Ryohu(呂布)。
いよいよ10月11日にリリースが迫る、初の全国流通盤EP「Blur」より、リード・トラックとなる“All in One”のミュージック・ヴィデオが公開となった。

Ryohu - All in One (Music Video)
https://youtu.be/qnIs6B1Viik

監督は、映像作家として、インスタレーション作品やファッション・フィルムを多く手がけている、中村壮志が担当。
Ryohuと共に赴いた欧州で撮影を敢行、夕暮れ時のマジックアワーに撮影を行ったワンカットのみのスタイリッシュな映像作品に仕上がっている。

また、「Blur」の発売に際して、12/8(金)に渋谷WWWにてRyohu “Blur” Release Partyを行うことが決定した。前売チケットは本日よりe+先行販売がスタート、前売購入者には特典として、Ryohuによる選曲音源を収録したExclusive Cassette Tape『No Pay No Play』をプレゼント。出演者は後日発表となる。

そして、店頭購入者への先着特典の詳細も発表となった。
リード曲“All in One”のリミックスとして盟友KANDYTOWNよりIOの客演がアナウンスされている。

■店舗共通特典(初回分のみ)
ステッカー2種(2枚1組)

■TOWER RECORDS オリジナル特典
Ryohu "All in One (Remix) feat. IO" 収録DLコード付きポストカード

【作品情報】

アーティスト:Ryohu(呂布)
タイトル:Blur(ブラー)
品番:LFIW-03
価格:¥2,000+税
POS:4943566231807

[トラックリスト]
1. The More, The Better
2. All in One
3. Shapeless
4. Desserts
5. Feelings (White Bird)
6. Shake
7. Say My Name

iTunes
https://itunes.apple.com/jp/album/id1279593525?app=itunes
Apple Music
https://itunes.apple.com/jp/album/id1279593525?app=music
TOWER RECORDS
https://tower.jp/item/4591081/Blur

【イベント情報】
Ryohu “Blur” Release Party
12/8 (Fri.) @Shibuya WWW
OPEN 18:30 / START 19:30
ADV ¥3,000 (+1D) / DOOR ¥3,600 (+1D)
※前売購入者特典として、Ryohuによる選曲音源を収録したExclusive Cassette Tape『No Pay No Play』をプレゼント

出演者:
Ryohu (Band Set)
and more

10/5(木)~ e+にて先行販売開始
https://eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002240412P0050001P006001P0030001

10/14(土)~ プレイガイド一般発売
ローソンチケット / チケットぴあ / WWW店頭

【プロフィール】
KANDYTOWN、Aun beatz、ズットズレテルズ。
いつでも、どこでも、だれとでものスタイルは崩さず“今”重要な場所に現れては音と人、出来事をつなぐラッパー。DJやトラック制作も手掛け、その楽曲にも定評がある。
2016年に初となるソロEPを完全自主制作にてリリース、同年にはKANDYTOWNとして1st ALを〈Warner Music Japan〉からリリース。
SXSW2017ではオースティンでプレイするstarRoと東京のステージをリアルタイムに繋ぐCYBER TELEPORTATION TOKYOショーケースに出演。

HP: https://www.ryohu.com/
Twitter: @ryohu_tokyo
instagram: @ryohu_tokyo

Bullsxxt - ele-king

 来ました! 先日レコーディングの模様をお伝えしたBullsxxt、10月18日に待望のファースト・アルバムのリリースを控えるこの若手ヒップホップ・バンドが、ついに新曲を公開しました。しかもなんと仙人掌とのコラボです! 本日よりiTunes/Apple Musicで先行配信が始まっています。これはアルバムへの期待が高まりますね。あと2週間、楽しみに待っていましょう。

https://itunes.apple.com/jp/album/bullsxxt/id1288815341

10/18に1st AlbumをリリースするBullsxxt、
本日より“In Blue feat. 仙人掌”をiTunes/Apple Musicで先行配信開始!

10/18に1st Album『BULLSXXT』を発売するBullsxxt。今作の中から、仙人掌とコラボした“In Blue feat. 仙人掌”が、本日よりiTunes/Apple Musicで先行配信を開始。同時にアルバム・プレオーダーも可能。UCDと仙人掌から紡ぎ出される言葉、リズム、バンドによる抜群のメロディを一足早く感じてほしい。

https://itunes.apple.com/jp/album/bullsxxt/id1288815341

【リリース情報】
2017.10.18 Release
PCD-25240 Bullsxxt『BULLSXXT』
¥2,500+税

[TRACK LIST]
1. ES
2. In Blue feat. 仙人掌
3. Sick Nation
4. Fxxin’
5. Poetical Rights
6. Swing
7. Classix
8. Cet aprés-midi
9. 傷と出来事
10. Reality
11. Stakes

[プロフィール]
UCD (MC)、tommy (Gt)、Naruki Numazawa (Key, Syn, Vo)、Ecus Nuis a.k.a. Pam (Ba, Syn)、Shotaro Sugasawa (Dr, Per)。2012年結成. 東京を拠点に活動するヒップホップ・バンド。ジャズ、ソウル、ファンク、ルーツ・ロック、エレクトロニカなどさまざまな音楽から影響を受け、コンシャスネス~ポップネスを孕んだヒップホップ・サウンドを追求しつづけている。2016年1月に、自主制作での1st EP「FIRST SHIT」を発表。『MUSIC MAGAZINE』誌などで取り上げられる。2016年5月には、恵比寿BATICAにてBudamunk、ISUUGI、やけのはら等が出演したイベント『CATTLE CLUB』を主催。その後、メンバーの脱退や加入を経て、現在の5人編成で活動中。2017年10月に1st Album『BULLSXXT』を発表予定。

[ライブ情報]
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公演日:2017年10月5日(木)
会場:渋谷7th FLOOR
出演: Bullsxxt / 吉田ヨウヘイgroup
開場 / 開演:19:00 / 20:00
前売価格:¥2,500+1D
予約先:m19m.mmts@gmail.com
(件名に公演名、本文にお名前、予約人数をご記入ください。)

"Balearic Park" & "Shackleton with..." - ele-king

 これはディープそうです。10月13日と14日、渋谷WWWとWWW Xにて興味深いふたつのイベントが開催されます。片方は「陽」、もう片方は「陰」をテーマにしているそうで、後者にはなんと、新作をリリースしたばかりのシャクルトンも参加します。詳細は下記よりチェック。

混沌とする現代社会におけるダンスへの陶酔とその深層から扉を開くニューエイジの目覚めからアンビエントへと導かれる“憩い” 「Balearic Park」と“瞑想” 「Shackleton with...」。陽と陰にわかれたふたつのイベントを通じ、ダンスとアンビエント・ミュージックの新境地が渋谷WWWにて開かれる。

WWW & WWW X Anniversaries
10/13 fri Balearic Park - Autumn 2017 -

OPEN / START 19:00 at WWW / WWWβ
ADV ¥3,500+1D / DOOR ¥4,000+1D / U25 ¥3,000+1D
Ticket available at RA / e+ / LAWSON [L:76596]

都会の雑踏へと注ぎ込む風流の木漏れ日、現代の憩いを求め“Balearic Park”が渋谷WWWにて開園。第1回はLAのSuzanne Kraft、メルボルンのAndrás (Andras Fox)、そしてアントワープのLieven Martens Moana (Dolphin Into The Future)とTyphonian Highlife (Monopoly Child Star Searchers)、Rainbow Disco ClubのレジデントDJ KikiorixとSisiなどを迎え、ディスコ/ハウスとアンビエントが交わる、今春のGigi Masin東京公演に続くこの秋の新風景。

詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/008374.php


WWW & WWW X Anniversaries
10/14 sat Shackleton with...

OPEN / START 18:30 at WWW X
ADV ¥4,300+1D / DOOR ¥5,000+1D / U25 ¥3,500+1D
Ticket available at RA / e+ / e+ (U25) / LAWSON [L:73506]

瞑想へと沈むテクノの核心! 電子界の鬼才Shackletonがジャーナリストでもある才媛Anikaとの最新作を携え、キャリア初となる4人編成のバンド・セットとgoatが新編成で送る、ダブルのジャパン・プレミア・ライヴに加え、国内からは脈々と受け継がれる日本サイケデリックの象徴的トリオDJs 悪魔の沼 による3部構成(沼トロ‐沼ん中‐沼日和)のB3Bセット、テクノ・オーセンティックの核心部The LabyrinthのHiyoshi、新世界標準のベルリンAtonalに出演を果たすDJ YAZI (Black Smoker)、シーンのトップ・ランカーDJ Nobu率いるFuture TerrorのKURUSUが千葉より、そしてruralでの活躍も記憶に新しい若手のasyl cahier (LSI Dream)を“アンビエント”として迎え、ベテラン、中堅、若手を交え、オーセンティックかつプリミティブでありながら、その型やビートにはハマらない新たなる現代的テクノへの深淵とその先へと向かう。

詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/007934.php

Diggin' In The Carts - ele-king

 これ、めちゃくちゃおもしろそうじゃないですか! なんと〈Hyperdub〉が、日本のゲーム・ミュージックに特化したコンピをリリースします。エレクトロニック・ミュージックの文脈に属する音楽家がゲーム・ミュージックを手掛けた例で言うと、しばらく前ならアモン・トビン、比較的最近ならデヴィッド・カナガハドソン・モホークなどが思い浮かびますが、そもそもそういう土壌が用意されるに至った経緯って、たしかにあまり整理されていない印象がありますよね。両者のあいだには切っても切れない縁があるというのに……どうやら〈Hyperdub〉はその歴史を紐解こうとしているようです。しかもイベントまで開催されるとのこと! 詳細は下記をご確認ください。

世界に影響を与えた日本のゲーム・ミュージックの歴史を紐解く
革新的コンピレーション・アルバム『Diggin' In The Carts』のリリースが決定!
11月のライヴ・イベントには、アルバムの共同監修を務めたKode9の来日も発表!
アートワークを手がけた森本晃司とのスペシャル・コラボを披露!

音楽ファンが、音楽ファンのために作った、ゲーム音楽のアルバム。それは1984年に生まれた世界初のゲーム音楽レコード『ビデオ・ゲーム・ミュージック』以来の試みだ。当時細野晴臣が担った役割を、ここでは〈Hyperdub〉が担っている。セレクターの醸し出す味わいまで含めて、ぜひともご堪能いただきたい。 - hally (VORC)

1980年代から90年代にかけデジタル合成によって誕生した、耳にこびりついて離れない8ビットおよび16ビットのゲーム音楽は、小さな幼虫のように蠢きながら日本で繁殖。クラシック音楽や、ロック、レゲエ、初期シンセ・ポップのメロディをデジタル・データに変換しつつ、いくつもの群れとなって瞬く間に世界中に這い広がり、全世界のゲーム・プレイヤーたちの“記憶装置”に寄生した。それは回路基板の中で増殖し、やがて活気溢れるチップチューン・クローンの亜種を生み出して、ヒップホップからテクノ、ハウス、グライム、ダブステップ、フットワークからその先に至るまで、エレクトロニック・ミュージックの様々なジャンルにおける多種多様な突然変異体に影響を及ぼしている。 - Kode9

80年代後期から90年代中期にかけて、日本のゲーム・ミュージックが生んだ貴重かつ革命的な楽曲ばかりを集めたコンピレーション・アルバム『Diggin' In The Carts』が、イギリスのエレクトロニック・ミュージック・レーベル〈Hyperdub〉からリリースが決定! 34曲もの楽曲を収録した本作は、レッドブル・ミュージック・アカデミーによるドキュメンタリー映像シリーズ『ディギン・イン・ザ・カーツ』が発端となり、エレクトロニック・ミュージックの発展を語る上で欠かすことのできない日本のゲーム・ミュージックが、いかに世界に影響を与えたかを紐解き、その歴史を探る内容となっている。同ドキュメンタリー映像シリーズで監督を務めたニック・デュワイヤーと〈Hyperdub〉主宰のKode9(コード9)が研究を重ね、監修を務めて完成させた楽曲集は、いまなお進化し続ける日本のゲーム・ミュージック初期にあたるチップチューン黎明期を掘り下げた貴重なアーカイヴ作品となっている。今回の発表に合わせ、1993年に発売されたスーパーファミコン用ゲーム『The麻雀・闘牌伝』のために、ゲーム音楽家、細井聡司によって作曲された楽曲“Mister Diviner”が公開された。

Soshi Hosoi - Mister Diviner (The Mahjong Touhaiden)
https://bit.ly/2yHU6u3

また本作では、『MEMORIES -彼女の想いで-MAGNETIC ROSE』や『アニマトリックス―ビヨンド』といったアニメーション作品で知られ、STUDIO4℃の創設メンバーとしても知られるアニメーション作家、森本晃司がアートワークを手がけている。

今作に収録された音楽は、ファミコン、スーパーファミコン、PCエンジンといった世界的に知られる日本のゲーム機や、MSX、MSXturboR、PC-8801といった8ビット・パソコン、16ビット・パソコンのために作曲されたものである。本作は、それらの楽曲を“ゲームのための音楽”としてだけではなく、電子音を駆使して日本から生まれた重要な音楽作品として捉え、ショウケースしている。

世界的なアート作品は、時として与えられた制限の中で生まれるもの。中でもエレクトロニック・ミュージックが最も革新的で影響力を持った要因は、当時のアーティストが、その時代のテクノロジーの持つ制限の中で、その可能性を最大限に引き出そうとしたことにある。80年代~90年代初期に生まれた8ビットや16ビットのゲーム・ミュージックは、作曲家たちが、データ量やチャンネル数が極めて制限された中で、様々なサウンドや音色、メロディを組み合わせることによって生み出された。新たなゲーム機が開発されるたびに新しいサウンドチップが作られ、それがまた新たな個性を生んだ。日本のゲーム会社は、様々な方法を駆使して、サウンド面で刺激的な工夫を凝らした。独自のサウンドチップを開発し、そのゲーム機の持つ可能性を最大限にまで引き出したり、ゲーム音楽家が独自のサウンドパレットを生み出すためのコンピューター・ソフトも開発された。

本作には、スティーヴ・ライヒの影響を感じさせる細井聡司の“Mister Diviner”の他にも、メガドライブのシューティング・ゲーム『サンダーフォースIV』のために山西利治が作曲した“Shooting Stars”、コナミのサウンドチーム、コナミ矩形波倶楽部が『魍魎戦記MADARA』や『エスパードリーム2』といったゲーム作品のために手がけた数々の楽曲を収録。『Diggin' In The Carts』はゲーム・ファンと音楽ファンの両方が、間違いなく満足するであろう、ゲーム音楽の素晴らしさと深みをかつてないほど詰め込んだゲーム音楽の枠を超えた金字塔的音楽作品だ。また国内流通仕様盤CDには、ゲーム音楽史研究家としても知られるhally (VORC)によるライナーノーツと、オリジナル・ステッカーが封入される。

また本作の完成に合わせ、『Diggin' In The Carts』のライヴ・イベントが、東京、ロンドン、ロサンゼルスで開催される。アルバムのリリース日となる11月17日(金)に、恵比寿リキッドルームにて開催されるレッドブル・ミュージック・フェスティバル主催の東京公演では、本作の監修も務めたKode9と、アートワークを手がけた森本晃司によるスペシャルなオーディオ・ヴィジュアル・ライヴが披露されることも決定した。

label: Hyperdub / Beat Records
artist: V.A.
title: DIGGIN IN THE CARTS
release date: 2017/11/17 FRI ON SALE
国内流通仕様CD BRHD038 定価 ¥2,200(+税)
hally (VORC)による解説 / オリジナル・ステッカー封入

【ご予約はこちら】
amazon: https://amzn.asia/hwxms4X
iTunes: https://apple.co/2ybCIk9


【ライヴ・イベント情報】

RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017 presents
DIGGIN' IN THE CARTS
電子遊戯音楽祭

日 時:2017年11月17日(金) 開場19:00/開演19:30~
場 所:LIQUIDROOM(恵比寿)
料 金:前売3,500円 *20歳未満は入場不可。顔写真付き身分証必須。
出 演:Kode 9 × Koji Morimoto AV, Chip Tanaka, Hally, Ken Ishii Presents Neo-Tokyo Techno ('90's Techno Set), Osamu Sato, Yuzo Koshiro × Motohiro Kawashima and more

interview with MASATO & Minnesotah - ele-king

 90年代のレア・グルーヴのムーヴメントやヒップホップのサンプリングを通じてソウル・ミュージックに出会い、魅了されていった。言うまでもなく、そういう音楽好きやヘッズは僕ぐらいの世代にもたくさんいる。それなりの値段のするオリジナル盤を血眼になってディグるようになったDJやコレクターの友人も少なくない。そして、それらのソウル、あるいはファンクやジャズ・ファンク、スピリチュアル・ジャズやソウル・ジャズの多くが70年代のものだった。最初から60年代のソウルに積極的に手を出す人間はあまりいなかった。それは、60年代のR&Bやソウルすなわち米国南部のサザン・ソウルの独特のいなたさや渋さの良さを理解するのには時間を要したからだった。ちなみに僕は、『パルプ・フィクション』(94年)のサントラに収録されたアル・グリーンの“Let's Stay Together”によって――この曲は71年発表なのだが――60年代のサザン・ソウルへの扉を開くことになる。


MASATO & Minnesotah
KANDYTOWN LIFE presents “Land of 1000 Classics”

ワーナーミュージック・ジャパン

R&BSoul

Amazon Tower HMV iTunes

 前置きが長くなった。KANDYTOWNのDJであるMASATOとMinnesotahが今年70周年をむかえるアメリカの老舗レーベル〈アトランティック〉の楽曲のみで構成したミックス『KANDYTOWN LIFE presents “Land of 1000 Classics”』を発表した。〈アトランティック〉は駐米トルコ大使の息子で、ジャズやブルースの熱狂的なファンだった非・黒人であるアーメット・アーティガン(当時24歳)らが1947年に設立している。〈モータウン〉より12年も早い。そして〈アトランティック〉と言えば、50~70年代のR&Bやサザン・ソウルを象徴するレーベルでもある(ちなみに〈アトランティック〉は現在〈ワーナー〉傘下にあり、ブルーノ・マーズや、先日ビルボードのHOT 100で1位に輝いたデビュー曲“Bodak Yellow (Money Moves)”で目下ブレイク中の女性ラッパー、カーディ・Bも所属している。客演なしの女性ラッパーの曲のビルボートHOT 100の1位はローリン・ヒルの“Doo Wop (That Thing)”(98年)以来の快挙だという。つまり現役バリバリのレーベルだ)。

 MASATOとMinnesotahは“ソウル・ミュージック”をテーマとして50~70年代の楽曲を24曲選んだ。カニエ・ウェストが“Gold Digger”でサンプリング/引用したレイ・チャールズの“I Got a Woman”で幕を開け、スヌープ・ドッグが“One Chance (Make It Good)”でサンプリングしたプリンス・フィリップ・ミッチェル“Make It Good”などもスピンしている。ヒップホップ・クルーのDJらしくサンプリング・ネタも意識している。が、僕が思うこのミックスの最大の良さは、ブレイクビーツやレア・グルーヴ的観点のみに縛られず、彼らの愛する、ソウル・ミュージックの真髄を感じるブルース・フィーリングのある曲やサザン・ソウルを丁寧に聴かせようとしている点にある。このミックスを通じてソウル・ミュージックの世界への扉を開く若い人が増えることを願う。MASATOとMinnesotahに話を訊いた。

アメリカのなんでもない田舎の道を走る車に乗っているときにアル・グリーンとかメンフィス・ソウルを聴いてたんですよ。それまではああいうソウルのいなたさや渋さがわからなかったんですけど、そのときに何かが「ヤバい」と思ったんですよね。 (Minnesotah)

高校の同級生にOKAMOTO'Sがいたんです。自分もロックにハマっていたので、ドラムのレイジと日本の昔のブルース・ロックみたいなものも聴いていて。そういうところから遡るとサム・クックとか、いろんなアーティストに繋がるじゃないですか。 (MASATO)

もともとおふたりはアナログで〈アトランティック〉のレコードをディグったりしていたんですか?

MASATO(以下、MA):けっこうディグってました。

Minnesotah(以下、Mi):〈アトランティック〉だけを意識していたわけではないけど、レコードを買っていくなかで〈アトランティック〉のものが集まっていったという。

CDに付いてる荏開津広さんの解説で、おふたりはDJを始めた頃、トライブやピート・ロック、ギャングスターやD.I.T.C.なんかの90年代の東海岸ヒップホップをかけていたと話されていますね。ソウル・ミュージックにはサンプリングのネタから入っていったんですか?

MA、Mi:そうですね。

MA:俺は90年代のヒッピホップを聴いていて、ピート・ロックとかジャジーなネタを使っているやつとか、それこそドナルド・バードやキャノンボール・アダレイとか、あのへんを聴いて「元ネタに勝てないな」と思ったところから入りましたね。

Minnesotahさんが10代でMASATOさんと出会った頃、すでにMASATOさんはクラブなどの現場でソウルをプレイしていたらしいですね。

Mi:そうですね。すごく早かったと思います。“ブレイク・ミックス”みたいな感じでやるんじゃなくて、最初からソウルのDJみたいな感じだったんですよね。元ネタとして繋いでいくというよりは、曲としてソウルをミックスしていくというスタイルを10代のときからやっていて、超渋いなと思っていましたね。

それは、90年代ヒップホップは好きだけど「元ネタに勝てないな」という気持ちもあって、そういうスタイルでソウルをプレイしていたんですか?

MA:そうですね。ヒップホップと元ネタを織り交ぜてかけるのが自分のなかでしっくりきたのかな。

今回のミックスでは、クイック・ミックスしたり、2枚使いしたり、そういうヒップホップ的なトリックをしないで、曲を聴かせる構成になっていますよね。

Mi:正直、クリアランスの関係でスクラッチとかはダメと言われたのはあります(笑)。でも僕らはもともとそこまでトリックを使うようなDJスタイルでもないので。

MA:逆に言うと、そういうミックスやコンピレーションは多いと思うんです。そうじゃなくて、1曲1曲をしっかり聴かせたかった。選曲もそこまでド渋な曲やレア・グルーヴだけではなくて、〈アトランティック〉のクラシックを選んでいます。だから、いまの若い人にも手にとってもらって聴いてもらえたらと思ってますね。

いま“若い人”という発言が出ましたが、おふたりはいまおいくつくらいなんですか?

MA:26です。

(一同笑)

若いですね(笑)。つまり“若い人”というのは10代ぐらいってことですよね?

MA:そうですね。あとは大学生とか。

ヒップホップのDJでソウルをディグったり、ミックスする先達といえば、やはりMUROさんやD.L(DEV LARGE)さんがいますよね。そういうDJたちから触発された部分はあったんですか?

Mi:多分にありますね。それこそMUROさんのミックスはめっちゃ聴いていたし。

MA:(MUROの)『Diggin'Ice』シリーズがあるじゃないですか。亡くなったYUSHIってやつがけっこうそのミックスCDを持っていて、それをみんなで回していましたね。

Mi:(『Diggin'Ice』シリーズの)テープもあったんで、それを借りたりもしていましたね。

MA:そういう感じで回して聴いていて、その影響はかなり強いですね。

そこで知った音楽も多いでしょうしね。

MA:そうですね。最初に『Diggin'Ice』の曲を集めようと思って買い始めました。

今回の〈アトランティック〉のミックスはすべてヴァイナルでやりました?

Mi:ぜんぶヴァイナルですね。

それは自分たちで持っているものだったんですか?

Mi:持っているものと、持っていないものは借りました。

今回ミックスするうえで改めて相当な量の〈アトランティック〉音源を聴いたのではないかと思います。〈アトランティック〉の良さはどういうところにあると思いましたか?

MA:昔の『レコード・コレクターズ』を読んで……

『レコード・コレクターズ』読むんですね、渋い(笑)。

MA:はい(笑)。知り合いのDJが、昔の『レコード・コレクターズ』の、〈アトランティック〉が50周年か60周年のときの特集号を探して持ってきてくれたんですよ。(内容は)カタログがあって、いろいろ説明があるという感じなんですが、〈アトランティック〉は〈モータウン〉とか当時の他のレーベルよりも早い段階でキング・クリムゾンなんかのロックや白人の文化にも手を出していて、そういうところで幅広いレーベルだと思いましたね。

そういうクロスオーヴァーなところはありますよね。クリームやレッド・ツェッペリンも出していますしね。今回のミックスにはジャズのミュージシャンやシンガーソングライター、アレンジャーの、いわゆるソウル・ジャズやスピリチュアル・ジャズ寄りの楽曲やブルース・フィーリングのある楽曲もありますよね。ユージン・マクダニエルズとかアンディ・ベイとかも入ってます。

Mi:そうですね。正しい言い方かわからないですけど、黒人音楽というか、ヒップホップに通じるもの、という解釈もありつつということですよね。

MA:自分のなかではここに入っているものはソウルとして解釈していますね。そのなかでもジャジー系とかファンキー系とかいろいろあるんですけど、大きくはソウルかなと。

選曲にはソウル・ミュージックというテーマがあったんですよね?

Mi:大前提はそういう感じだと思います。

なるほど。モンゴ・サンタマリアのサム&デイヴのカヴァー曲やアレサ・フランクリンの名曲も収録されていますね。で、アーチー・ベル&ザ・ドレルズは“Tighten Up”ではなく、“A Thousand Wonders”を選んでますね。

Mi:ピックするのはシングルとかじゃなくアルバム収録曲であること、かつ、わりと王道であること、というルールがあって。そこでさらに“Tighten Up”まで行っちゃうともう工夫がなさすぎるというか(笑)。つまんないよなってところですかね。

でも、アレサ・フランクリンは“Rock Steady”と“Day Dreaming”と、2曲入っていますね。

MA:それはもういい曲だからしょうがないですね(笑)。

Mi:どっちを入れるかって話になったときに、「どっちも入れるでしょ」ってことになりました(笑)。

先ほども話したように〈アトランティック〉ってクロスオーヴァーしてきたレーベルじゃないですか。だから極端なことを言えば、キング・クリムゾンやクリーム、あるいはミュージック・ソウルチャイルドみたいなより現代的なR&Bやミッシー・エリオットみたいなラッパー/シンガー/プロデューサーの曲も選べたわけですよね。それでも、50年代から70年代という時代に限定してソウル・ミュージックというテーマで選曲したということですよね。

Mi:でもそこは俺らも話し合う前からそうなっていたところはありましたね。

MA:勝手にこのへんだ、というのがあって(笑)。そこ以外はいっさい入れようということにならなかったですね。

Mi:〈ワーナー〉も俺らのスタイルみたいなものをわかってくれていて、その上でこの話を振ってくれたので、もうなんのディレクションもなくリストアップして出したって感じでしたね。あとはソウル・ミュージックとして王道というか、南部のフィーリングが出ている曲も多いですね。

僕もそこがこのミックスの面白さだと感じました。ウィルソン・ピケットの“In The Midnight Hour”が2曲目に入っていたり、アーサー・コンレイの曲があったり、70年代後半のだいぶ都会的に洗練されてからの楽曲ではありますけど、マージー・ジョセフが入っていたりしますよね。つまりサザン・ソウル色を感じます。

Mi:単純にソウルの真髄みたいなところはそこな気がしているんです。70年代というよりかはディープ・ソウルやサザン・ソウルのほうが黒人音楽のなかでも重要な気はしているんですよね。ミックスにそういうものが入ることってあんまりないじゃないですか。

あまりないと思いますよ。

Mi:70年代のネタ感のあるレア・グルーヴみたいなものが多いですよね。

そうですね。まずレイ・チャールズから始まるミックスはなかなかないですよね。

Mi: 70周年記念ということもあって、絶対にその流れは外せないなと思ったんです。

自分もヒップホップを通じてソウル・ミュージックに魅了されていったくちなんですけど、最初は60年代のソウルは理解できなかったんです。一言で言えば、渋過ぎたというか。それはなかったですか?

Mi:ありましたね。最初は良さがわかりませんでした。

60年代のソウルの良さがわかるようになったのって何がきっかけでした?

Mi:アメリカのなんでもない田舎の道を走る車に乗っているときにアル・グリーンとかメンフィス・ソウルを聴いてたんですよ。それまではああいうソウルのいなたさや渋さがわからなかったんですけど、そのときに何かが「ヤバい」と思ったんですよね。そこから60年代のソウルとか、サザン・ソウル、ディープ・ソウルを好きになりましたね。

MA:僕は高校のクラスメイトにやたらとJポップとソウルが好きな意味わかんないやつがいて、そいつがTSUTAYAとかでソウルのCDを借りていて、いろいろ教わっていたんです。そいつは特にサザン・ソウルが好きで、「『ワッツタックス』という映画を観たほうがいい」って勧められたんです。あの映画でルーファス・トーマスが出てきたときに「こいつヤバいな。このパンチ、ハンパねえな」って(笑)。そういう〈スタックス〉の影響がありましたね。あと、高校の同級生にOKAMOTO'Sがいたんです。自分もロックにハマっていたので、ドラムのレイジと日本の昔のブルース・ロックみたいなものも聴いていて。そういうところから遡るとサム・クックとか、いろんなアーティストに繋がるじゃないですか。

Mi:MASATOはそこが早かったですね。サム・クックも最初から好きだったし、俺はそういうところがすげえと思っていて。この人は別に60年代とかも聴けるんだなって。単純にソウルが好きなんだなとはずっと思ってました。

MA:たぶん“原点”を探すのが好きなんですよね。結局ビートルズもスモーキー・ロビンソンのカヴァーとか、(マーヴェレッツの)“Please, Mr. Postman”とかやっているし。あとはブッカー・Tとかスライ&ザ・ファミリー・ストーンもけっこう好きですね。

そういう話を聞くと、MASATOさんは60年代のR&Bやソウルをロックンロールの解釈で聴くところから入ったんですね。

MA:そういうところはありましたね。

そう考えるとレイジ君の存在は大きいんですね。

MA:自分のなかではけっこうデカかったですね。

この前大阪でやったときはマジでシラケましたもん。チャラ箱みたいなところで「クリス・ブラウンねーのかよ!」って言われたんで、「あるわけねーだろ。帰れよ」って言って。 (MASATO)

MUROさんはディグがオタクじゃなくて、カッコいいことだって示したじゃないですか。それはスタイルとして超ヒップホップだと思うし。若い世代でそういうDJが少なくなったんだとは思いますね。 (Minnesotah)

ということは、IO君とも同世代なんですか?

MA:自分はIOと同級生ですね。

Mi:俺はひとつ年下です。

KANDYTOWNにDJとして入ったのはいつ頃なんですか?

MA:明確な時期はわからないんですけど、もともとIOとか亡くなったYUSHI、RyohuやB.S.C、Dony JointでBANKROLLというクルーを作ったんですね。それとYOUNG JUJUたちの世代のYaBastaというクルーとたまに曲を作ったりしていたんですが、俺はあんまりやる気がない感じだったんですよ(笑)。でもYUSHIが亡くなったときにみんなで集まって、(KANDYTOWNを)やろうって話になったんです。それでまとまっていったというか、そこからかなという感じはしますね。

Mi:俺も同じような感じですね。あんまり明確に「みんなでKANDYTOWNやろうぜ!」みたいなのはなかったと思います。昔から友だちとイベントをやっていたりしていて、みんな知っていたというのはありますね。最初は小箱でMASATO君がイベントをやったりしていて、そのときはピーク・タイムにソウルやディスコを流してもみんなドッカンなんですよ。

MA:踊り狂いますね。

Mi:それはけっこうすげえなと思っていたんですけどね。

MA:まあ内輪だったんで。

Mi:それこそYUSHI君が車でMUROさんのミックスを流したりしていたし、IO君とかも親父がソウルを聴いたりしていたから自分も聴いていたし、みんな音楽的な隔たりみたいなものはなかったと思いますね。

近年7インチだけでプレイしたりするスタイルも定着しつつありますよね。レコード・ブームと呼ばれるような現象もあります。そういう流れはどう感じていますか?

MA:再発とかでもけっこう7インチで出たりするじゃないですか。それはいい面もあると思うんですけど、LPはLPでいい曲も入っているから、自分としてはべつに7インチだけでプレイをするとかのこだわりはないですね。。

Mi:俺も7インチとかにこだわりはなくて。単純に7インチにしか入ってない曲が欲しくなったら買いますけど。俺はいつもアナログは持ち歩いているんですが、同時にUSBも持ち歩いているんですよ。でもこだわりたくなるのはすごくわかりますね。ヒップホップっぽいというか、そういうぼんやりとしたイメージはあります。「やっぱりこの曲は7インチでかけるといいよね」みたいな、そういう衝動に駆られるときはありますね。

おふたりは根っこはヒップホップだと思うんですけど、いま現場でDJをしていて特に感じることはありますか。

Mi:俺は単純にいまのメインストリームのヒップホップの新譜がおもしろいと思っているのがありますね。あと、いまヒップホップを聴いている人たちが元ネタのソウルやファンクをそこまで気にしていないというのも感じますね。

MA:たぶん音楽に対して深く聴くみたいな感覚がなくなってきているんじゃないですかね。手軽にiPhoneにiTunesからどんどん落としていろんなものを聴けるし、そのぶんいろんな幅が広がっているのはいいのかもしれないですけど。

やっぱりそういうなかでアナログでDJする人は少ないんじゃないんですか?

MA:少ないですね。この前大阪でやったときはマジでシラケましたもん。チャラ箱みたいなところで「クリス・ブラウンねーのかよ!」って言われたんで、「あるわけねーだろ。帰れよ」って言って。

ははははは。いい話じゃないですか。

MA:でも、辛いですよね。お客さんが楽しめないというのもよくないから、自分としてもちゃんと場所を選んだほうがいいなとは思いますね。でも自分のスタイルは変えたくないので小さいところでもしょうがないかなって思ってきていて。

Mi:クラブの現場だとふつうにヒップホップをかけているほうがお客さんも踊れますしね。たとえば60分のDJのなかで最初の20分はヒップホップをかけて、だんだんソウルやファンクに寄せようかなと思ってかけ始めたら(お客さんが)引いていくみたいなこともぜんぜんあります。それは俺の力不足かなとも思っていて、そこをうまくかけるのが永遠のテーマではありますね。旧譜をバンバンかけるカッコいいDJが少なくなったからだとも思うんですよ。それこそMUROさんはディグがオタクじゃなくて、カッコいいことだって示したじゃないですか。それはスタイルとして超ヒップホップだと思うし。若い世代でそういうDJが少なくなったんだとは思いますね。

なるほどー。ふたりは自分たちが聴いてきた、聴いているソウルをもっと広く伝えたいという気持ちがあるということですよね?

MA、Mi:そうですね。

もしかしたらふたりの世代でそういう考えの人たちはマイノリティなんですかね。

MA:マイノリティだと思いますよ。いまはKANDYTOWNとして(ミックスを)出させてもらって、リスナーの人にも知ってもらう機会が増えたからこそ、自分としてはやり続けたほうがいいのかなと思っていますね。それで「いいな」と思って、レコードのカッコ良さとか昔のソウル・ミュージックやR&Bのカッコ良さに気づく人が少しでも増えてくれればいいかなと思いますね。

それは結果的に自分たちの力にもなってきていますよね。1曲目にレイ・チャールズがかかって、そこからどれだけの人がどう聴くかですよね。

MA:「うわ、ミスったー」とか思うやつもけっこういると思いますけどね、「友だちに高く売ろう」みたいな(笑)。

(一同笑)

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