Home > News > Shackleton with Anika - ──シャクルトンがはやくも新作をリリース
は、はやい……年明けにヴェンジェンス・テンフォルドと組んだ強烈なアルバム『Sferic Ghost Transmits』を発表したばかりのシャクルトンが、7月10日に新作『Behind The Glass』をリリースする。今度はアニカとの共作で、どうやらまた新境地を開拓しているらしい。アニカは、ポーティスヘッドのジェフ・バーロウによるプロデュースのもと〈Stones Throw〉からデビューを果たしたベルリンのミュージシャンである。詳細は下記よりチェック。
瞑想するミニマル異境、深化を続ける電子界のカリスマ
シャックルトンが新たに紡ぎ出す究極の呪術アンサンブル
アフロ・パーカッションをテクノへ組み込み、そのリズムと反復による圧倒的な陶酔感で人気を誇るUKの鬼才Shackletonが、PortisheadのGeoff Barrowにプロデュースされ、LAの〈Stones Throw〉からデビュー、JandekやNeu!のMichael Rotherといった多様なアーティストとのコラボレーションも展開する才媛Anikaをヴォーカルに迎え、自身のレーベル〈Woe To The Septic Heart!〉から新作をリリース。深淵なトランスへと沈み込ませるシンセの波動、呪術的なパーカッションによる原始の鼓動、辺境へと誘うエスニックな未知への高揚、より複雑に深化を遂げた高次元のアンサンブルによって紡ぎ出される“ミニマル”な異境は、熾烈な世界観を綴った神秘的なヴォーカルに先導され、現代社会から湧き上がるエモーションや浮かび上がる情景をタイトルとした4つのうねりの中で瞑想しながら、新たなる陶酔の領域へと到達。
PortisheadのGeoff Barrowプロデュースによるデビュー・アルバム『Anika』でにわかに脚光を浴びたAnnika Hendersonは、Jandekや、Neu!のMichael Rotherといった多様なアーティストとコラボレーションを展開し、愛や憧れ、運命、衝動といったテーマを、シュールな寓話のようなスタイルで表現する特異なヴォーカリスト。感情を押し殺した司祭を思わせるヴォーカル・スタイルとは対照的に、無慈悲な欲望や怒り、愛やロマンスといった行為にまつわる苦悩の中で生まれる征服欲や諦めなど、その熾烈な世界観を歌詞につづっている。一方で自身のレーベル〈Skull Disco〉や〈Honest Jon's〉からのリリースで知られるShackletonは、無限に繰り返される精密かつ鮮烈なミニマリズムで、宗教音楽と前衛音楽の中間に位置する独自の陶酔領域を開拓。複数の変拍子を組み合わせながら、いびつな無調音を重ね合わせ、反復するメロディをモチーフに、従来のヴォーカル・トラックの在り方に真っ向から挑戦を挑んでいる。その結果誕生した本作は、作品全体を通じて一貫して移ろいやすさを感じさせるものの、そのテーマは単純なものではなく、エンターテイメント性とは異なる観点からリスナーの意識を没頭へともたらす野心的な怪作へ。反復するリズム・パターンと精巧な音作りは、現在の一般的なダンス・ミュージックとして括るにはあまりにも特異でありながら、より原始的な“ダンス”へと直結した、新たなる陶酔性に満ち溢れている。
品番:MBIP-5570
アーティスト:Shackleton with Anika
タイトル:Behind The Glass
発売日:2017年7月10日(月)
フォーマット:国内盤CD / デジタル【日本企画盤】
定価:2,300円+税
レーベル:melting bot / Woe To The Septic Heart!
ジャンル:Electronic / Minimal / Techno
バーコード:4532813635705
- CD Tracklist -
1. Part 1 Endless Memento / Regression / Wading Through The Underworld
2. Part 2 The Future Is Hurt / Dirt And Fields
3. Part 3 Hinter Der Vitrine
4. Part 4 Our Sharpened Blade / Rid Yourself Of The Parasites / Endless Longing
http://meltingbot.net/release/shackleton-with-anika-behind-the-glass
▼ シャックルトン・ウィズ・アニカ・バイオグラフィー
Shackleton [Woe To The Septic Heart! / Skull Disco]
細分化・多様化とともに大量に生産・消費される趨勢において、自身の音楽に対する明確なヴィジョンと突出したオリジナリティにより、カテゴライズの向こう側にあるジャンルレスな音楽を創造し続ける稀有なアーティスト。独自の世界観で知られる〈Mordant Music〉のIan Hicksにより見出され、シーンに登場した2004年以降、ベース音とパーカッションが渾然一体となった新たな音楽性を指向していたShackletonは、行きつけのレコード店で働いていたAppleblimとの邂逅を経て、ともにレーベル〈Skull Disco〉をスタートする。同レーベルではShackletonとAppleblimの楽曲を中心にリリースを重ねるほか、Ricardo Villalobos、T++、Peverelist、Badawiら新旧を問わないリミキサー陣を起用するなど、リリースごとに話題をさらい、その後の動向に大きな注目を集めていたが、Shackletonは新境地を求め〈Skull Disco〉の休止を決定。以降、Brian Enoなど多彩な顔ぶれのリミックスをおこなう中、2009年、ミニマル・テクノ/ハウス・シーンにおいて絶大な人気を誇るレーベル〈Perlon〉から「Three Eps」をリリース。そして2010年にスタートさせたセルフ・レーベル〈Woe To The Septic Heart!〉や、ワールド・ミュージックを取り扱うロンドンの老舗レコード店がその名を冠した〈Honest Jon's〉からEPを連続リリース後、2011年のチャートを大いに賑わせたDJ Pinchとの共作『Pinch & Shackleton』、そして2012年に入手困難となった怪作『Music For The Quiet Hour / The Drawbar Organ』をZeke Cloughが描き出す鮮烈なデザインワークとともにボックスセットに綴じ込め発表。その後、自身のライヴ・パフォーマンスを見つめ直すため、リリースを休止。ライヴならではの即興性を模索し新たな局面に臨んだ。その結果は制作面にも影響を及ぼすこととなり、2014年の「Freezing Opening Thawing」、そしてドイツの画家/映像作家であるStrawaldeがジャケットを手掛ける『Deliverance Series』へと結実している。2015年には日本の3人組ガールズ・バンド、にせんねんもんだいの作品のリミックスも手掛け、2017年にスポークン・ワード・アーティストVengeance Tenfoldとの共同名義でアルバム『Sferic Ghost Transmits』を再び〈Honest Jon's〉より発表。メロディを感じさせるリズム、反復における極微な変化というミニマル性、そしてリリースごとに洗練され純度を増しながら加速していくサウンドとグルーヴは、複雑さを極めてなお、ダンス・ミュージックとして成立するという唯一無二の世界を確立。あらゆる類の縛りから抜け出し、自由に解き放たれる彼の音楽性は、一聴してShackletonの手によるものと認識させる個性に満ち溢れている。
https://www.discogs.com/artist/342363-Shackleton
Anika [Invada / Stones Throw]
ベルリン在中のミュージシャン/シンガーソングライター。そのキャリア以前に音楽プロモーターや政治ジャーナリストとしてベルリンとブリストルを行き来しながら生活する中、PortisheadのプロデューサーであるGeoff Barrowと出会い、ふたりはパンク、ダブ、60年代のガールズ・グループなど、音楽的な共通項とヴィジョンを発見し、またGeoffのバンドBeakで女性ヴォーカリストを探していたことから、スタジオ・レコーディングに参加。結果としてYoko Onoの“Yang Yang”、Twinkleの“Terry”、Skeeter Davisの“End of the World”、Bob Dylanの“Masters of War”、The Kinksの“I Go to Sleep”のカヴァー含める9曲を収録し、2010年にEUはGeoff Barrowのレーベル〈Invada〉、USは〈Stones Throw〉 からセルフ・タイトルのデビュー・アルバム『Anika』を発表。カヴァー曲の政治的なリリックとともに、60年代の古き良きロックやフォークの情緒漂うローファイなダブを主体とした独自のポスト・パンク/ノー・ウェイヴな作品を披露。2013年には〈Stones Throw〉から、The Crystalsの“He Hit Me”、Chromaticsの“In The City”、 Shocking Blueの“Love Buzz”のダブ・バージョンのカヴァー曲を収録したセルフ・タイトルのEPを発表。これまでにNeu!のMichael Rother、Jandek、Pete Swanson、Yann Tierson、Kreidlerともコラボレーションを果たしている。2016年にバンドExploded Viewを結成し、NYの〈Sacred Bones〉からLPを発表。政治ジャーナリストというバックグラウンドを持ちつつも、露骨になりすぎずに自らの政治的なスタンスをカヴァー曲、ヴォーカル、パフォーマンスを通して巧みに表現する稀有なアーティスト。
https://soundcloud.com/anikainvada