Home > News > Ryo Isobe - ——磯部涼の新著は『脱法』
編集部の小林拓音は風邪をひいて、咳き込んでいるというのにタバコを吸っている。客観的にみて、これが中毒症状なのは明らかであるが、しかし、日本では合法なので罰せられることはない。
他の先進国とくらべると日本は、ドラッグに関するとらえ方が著しく異なっている。アルコールには寛大、いや、むしろ良きモノだというイメージがはびこっている。欧米になるとはそうはならないし、実際アルコールは、それこそ暴力、犯罪、病気、事故、さまざまな社会的、医学的リスクがある。それが大々的に宣伝されているというのに、大麻に対する取り締まりは、相対的にみた場合、偏執的といえるほどの厳しさがある。禁酒法時代のアメリカではないが、こうした特異な状況において特異なドラッグ・カルチャーが生まれるのも無理はないのかもしれない。近年におけるその象徴的な地下ムーヴメントが、「脱法ドラッグ」なのだろう。興味のある方には、磯部涼(『ルポ川崎』の著者)の新刊、『脱法』をお薦めする。いったいそれはいかなるものなのか——そしてこの地下文化からは、「日本」社会が見えるのだった……。