「NotNotFun」と一致するもの

Crystal Castles - ele-king

 クリスタル・キャッスルズのメイン・ソングライターであるプロデューサー、イーサン・ケインには、音のテクスチャーというよりは、音を音としてあらしめる諸条件について、独特の感覚や嗜好性があるのではないかと思う。ジャケットこそファッショナブルで小奇麗だが、このカナダの男女エレクトロ・ユニットには、デビュー作『クリスタル・キャッスルズ』のころから、セカンド『II』のゴシックな気味悪さ、今作『III』の死のモチーフに通底するダークなヴァイブと攻撃性があった。それは音質よりも音圧に表れていて、ちょっと神経にさわるような不快で苦しい圧迫感と、その向こうにぽっかりとできた真空との意図の見えない入れ替えによって、聴く者に衰弱を強いる。セーラムなどウィッチハウス的なムードもあるが、実際にクラブの経験がなかったというバイオもふくめ、シーンでも異色な存在感を放っていた。
 アリス・グラスのヴォーカルへの加工もとても猟奇的で、ただズタズタとチョップされているというよりは、なにか実際に物理空間へのダメージを与えているような......彼女の身体が刻まれ、あるいは打撃を受けているような、そしてそのなまなましい感触が突如無感覚になってしまうような、空気そのものへの作用/不作用を感じさせる。 今作でも"レス・オブ・ゴッド"や"ペイル・フレッシュ"などにおいては、彼女の声は幾重にも遮断されて異様な間接性のなかで響かせられている。なぜそうしたいのか、そこにあまり音楽的野心がないように思われて筆者は戦慄する。そうするように駆動しているのはほとんど彼の狂気とも言うべきもので、クールだと思っていたり、方法的な新しさやテクニックの高さを示すものだと思っていたりするのではなく、ただそうしたいのだろうということの異様な説得力に筆者は打ちのめされるほかない。「僕らはイクイップメントよりも虫やゴーストにたかられ荒らされる方を好む」というのはイーサンの言葉だが、虫やゴーストとは理性の外側からやってくる彼の狂気の喩であることは明白だ。そのことが、フォームとしてはわりとストレートなエレクトロであり、旬を過ぎたようにも思われる要素、また先鋭性よりもあくまでポップ・ミュージックであることが優先された楽曲を、彼らの無二の音楽性として転換する。何枚アルバムを重ねようが、この狂気が封じられないかぎり、クリスタル・キャッスルズの音が古びることはないだろう。

 音は虫に侵されたいと欲望するのかもしれないが、詞に繰り返し現れるのはむしろ「浄化」のモチーフである。「clean」という語が何度となく使用されている。「わたしは不純なものを浄化する」「あなたの傷を濯ごう」("ケロシーン")、「あなたをピュアに、あなたをきれいにしなければならない」("プレイグ")のほか、"チャイルド・アイ・ウィル・ハート・ユー"にも出てくる。この負のマッチポンプもまた、彼らの音の中核を成すものだと言えるだろう。祈りや教会的な意匠にもことごとく腐敗と浄化のイメージが交互にあらわれている。彼らの録音が、壊れたキーボードを拾ってきて、それを直して音を出すところからスタートするというエピソードはとても興味深い。「壊れ」は傷みや不浄に重なり、「修繕」はまさにクリーンを意味するだろう。彼らが音をつくるという営みは、狂気のために破れた部分の修繕し、またその縫い目が狂気によって破られることのリフレイン、つまり彼らの生そのものなのではないか。よって、タイトルは『Ⅲ』だ。それは繰り返され、続いていくものなのだ。主題が作品ごとに変わろうはずがない。彼らが地元トロントで、地域労働奉仕の仕事(犯罪を犯した人間が罪を償う為に行う奉仕活動、だそうだ)を通して知り合ったという馴れ初めを、こうした部分に重ねるのは安直だろうか。

vol.5 『Hotline Miami』 - ele-king

 みなさんこんにちは。一年は早いもので、もう年末です。海外ゲーム市場も10月~12月はホリデー・シーズンといって、その年の目玉を中心に、数多くのゲームが集中的にリリースされる時期です。当然ゲーマーとしてもいまは一年でいちばん遊びまくる時期。それもあってこれから数回は新作を連続で紹介していくことになりそうです。

 今回ご紹介するのは10月にPCゲームとして発売された『Hotline Miami』。知り合いに薦められて遊んでみたのですが、これがすごく良かった。ゲームプレイ、物語、ビジュアルや音楽ともに文句なしで、今年遊んだなかでも屈指の満足度でした。ただ暴力表現が激しい作品なので、そういうのが苦手な人は注意です。

 この『Hotline Miami』は区分としては前回ご紹介した『Fez』と同じくインディーズのゲームなのですが、『Fez』がいわばインディーズ内におけるメジャーな立ち位置なのに対し、本作はインディーズ内においてもマイナーな存在と言えるでしょう。かくいう自分も本作を開発した〈Dennaton Games〉なんて知らなかったし、同スタジオの中心人物のひとり、“Cactus”ことJonatan Söderström氏のことももちろん知りませんでした。

  Cactusはスウェーデンで活動するゲーム・クリエイター。猛烈な多作ぶりで知られており、その数なんと40作以上! とはいえ、それらには一般的な意味での作り込みは皆無で、とにかくワン・アイディアのプリミティヴなゲーム・デザインをそのまますばやく形にすることを信条にしているのだとか。彼の公式HPを訪れると、荒削りのドットと極彩色で形成されたゲームの数々に触れることができます。


Cactusの過去作の映像。後の『Hotline Miami』につながるセンスを感じさせる。

 もっともこれまでの知名度はインディーズ・ゲーム界でも知る人ぞ知るという感じで、大舞台に出てくることはなかったようです。しかし今回の『Hotline Miami』の開発では、かつて上記映像にもある『Keyboard Drumset Fucking Werewolf 』をともに作ったDennis Wedin氏と合流し、〈Dennaton Games〉を設立。パブリッシャーにDevolver Digitalを据えて、満を持しての商業デビューを飾ったのです。

[[SplitPage]]

■現代に蘇った暴力ゲーム

 そんな経緯から生まれた『Hotline Miami』は、これまでの下積みの厚さを感じさせるすばらしい出来栄えです。とくに過去作で多々見られた極彩色のエフェクトと偏執的な作風が、「80年代風サイコスリラー」というコンセプトに結実しており、その明快さが全体の完成度の高さにつながっていると言えます。今回はそれをさらに暴力表現、ゲームプレイ、物語の3点に噛み砕いて見ていきましょう。

 ゲームのタイプとしては8ビット・スタイルの見下ろし型のアクション・ゲームで、ひたすら敵を倒していくだけのシンプルなもの。この部分だけ抜き出して見れば、凡百のレトロ調インディーズ・ゲームと大差ありません。しかしながら血出まくり・惨すぎ・殺しまくりな猛烈なヴァイオレンス表現は近年見ない異質なもので、さらに眩いネオンやゆらゆら揺れるエフェクト、それにハイテンションな音楽が加わると、その体験はまさにサイコ或いはドラッギーという形容詞で言い表す以外にない強烈なものとなります。

ゲーム序盤の様子。ハイスピードで展開されるゲームに血とネオンと音の洪水。

 このような作風を見て真っ先に思い出すのが、かつて〈Rockstar Games〉が開発した『Grand Theft Auto: Vice City』か、あるいは『Manhunt』という作品。とくにタイトルからして物騒な『Manhunt』はスナッフ・フィルムの都市伝説をゲーム化した作品で、残虐な方法で敵を殺せば殺すほど高得点が得られるという狂った内容。シチュエーションから映像表現、ゲーム性まで『Hotline Miami』が影響を受けていることは明らかです。


『Manhunt』より。いままさに人を狩らんとするところ。ここから先はグロ過ぎるのでお見せできません!

 少し話が逸れますが、この手の作品は暴力ゲームと呼ばれ、ひと昔前までは少数ながらつねに存在していたジャンルです。しかし発売されるたびに世界各国で発禁処分になったり、ゲームは犯罪を助長する云々の論争の槍玉に挙げられたりと、なにかと物議をかもすジャンルでもありました。

 ここにはゲーム表現の限界や、超えてはならない倫理の壁といった命題がつねにあり、単なる愉快犯的な作品もあれば(大半はそれなんだけど)問題提起的な側面を備えた作品も存在して、独特の熱さがあったのです。ただ近年はそういった従来の事情とは別に、元々のニッチさが開発規模の巨大化の割に合わなくなってきたという商売上の問題から、廃れてきてしまっているように思えます。

 〈Rockstar〉もいまでこそ落ち着いた感がありますが、かつては『Manhunt』にしろ『Grand Theft Auto IV』以前の同シリーズにしろ、容赦ないセクシャル&ヴァイオレンス表現の常習犯だったのです。ただ〈Rockstar〉の場合はそんな暴力表現のなかに、いまの作風にも見られるセンスの良さが共存していて、それが独特の魅力やブランド性をかたち作っていました。

 『Hotline Miami』はそんな途絶えつつある文脈の上に立っている作品です。パッと見こそ荒削りの8ビット調ですが、それでも過剰な暴力は確かに表現されており、むしろ見た目の抽象性があらぬ想像力を掻き立てさえします。そして数々のエフェクトと音楽、80年代風で妙にハイ・テンションな雰囲気が織り成すインモラルなクールさは、まさにかつての〈Rockstar〉を引き継いでいると言えましょう。

■目くるめく殺しのルーティン・ワーク

 暴力ゲームと呼ばれるものは、実際のところそのセンセーショナルさに頼ってゲーム性をおざなりにしてしまったり、暴力表現の必然性の証明、ゲーム・プレイとの一致という部分で問題を抱えることが多いです。しかし『Hotline Miami』はその命題に、たしかな完成度と巧妙なトリックで応えています。

 本作のゲーム・ルールについて改めて説明すると、これは建物内にいる敵を倒していくアクション・ゲームで、プレイヤーは敵の落とした近接武器や銃器をとっかえひっかえしながら殲滅を目指します。具体的な様子は前項の映像にあるとおりで、幕間の日常シーンを含めても1ステージ3分に満たない、非常にハイ・スピードでインスタントなゲーム性が特徴です。

 ただしそれはノー・ミスでクリアできればの話であって、よっぽど慣れた人でもないかぎり、まずゲーム・オーヴァーになりまくります。なにせ敵の攻撃はすべて一撃死。反応もはやいし、複数人固まっているのが普通なので、何も考えずに突っ込めば間違いなく死ぬし、考えてもやっぱり死ぬ。


殺っては殺られてまた殺って・・・

 なので、プレイヤーは幾度となくゲーム・オーヴァーになりながら敵の配置を覚え、パターンを構築してクリアを目指すことになります。こういうゲームを一般的には”覚えゲー”と言いますが、クリア時の達成感とゲーム・オーヴァーの連続によるストレスとのさじ加減が難しいゲーム・システムでもあります。

 しかし本作はチェック・ポイントの感覚が絶妙で、且つやられても本当に一瞬、0.5秒ぐらいでやり直せるのがうまいストレス緩和になっていますね。敵を倒すのが爽快なのも、リトライのモチヴェーションになってくる。

 また敵を倒すというシンプルな目的ながら、発見されずに近づくというステルス要素もあれば、見つかった後どう捌くかというアクション要素もあり、そのアクションも近接武器を使うか銃器を使うかで事情はまったく変わってきます。そして何よりこれらがハイ・スピードなゲーム・プレイのなかで渾然一体となっているのがとてもおもしろい。

 ステルスとアクションのハイブリット作品というのはいまではなんら珍しいものではありません。ただ僕がいままで遊んできた作品はどれも、敵に見つかるまではステルス、見つかった後はずっとアクションという具合に、両者の境界とゲーム・プレイの差異は明確に線引きされていました。

 しかし『Hotline Miami』にはそのゲーム・プレイがシフトする境界というものがありません。と言うよりも目まぐるしく変わりまくる。映像を見ていただくとわかりますが、敵への接近から攻撃までが本当に一瞬の出来ごとで、ステルスしている1秒後には殴り合いになり得るし、さらにその1秒後には倒した敵の銃を奪って遠方の敵を狙い撃っていることも普通にあるのです。これらが継ぎ目なくシームレス移行しつづけていくゲームというものは、いままでにない体験でした。

 当然、操作中はなかなかの忙しさになるので、パターン化が重要になってきます。敵を殺しまくっては殺されて、より最適なパターンを導き出すため、さらに殺して殺されまくる。殺されまくってイライラが募ろうとも、それさえも糧にして再び挑む。それだけの中毒性が本作にはあるのです。

 そしてこの何度もリトライをする、せざるを得ないゲーム・メカニックが、じつは本作の物語、ひいては暴力表現の正当化につながる巧妙なトリックにもなっているのです。

[[SplitPage]]

■『Hotline Miami』はプレイヤーを道づれにする

 なぜ何度繰り返してでも殺しをつづけるのか、その果てに何を求めているのか、またなぜ何度も繰り返すことができるのか。これが『Hotline Miami』の物語における、重要なテーマになっています。

 本作の物語開始時の設定は、ガール・フレンドを殺された主人公が復讐のため留守番電話の謎のメッセージに従いながら、暗黒街の殲滅を行っていくというもの。しかし程なくして殺されたというガール・フレンドとの出会いの場面が出てきて(上記プレイ動画の後半)設定に矛盾を感じさせたり、中盤以降は日常パートで頻繁に幻覚が出てくるなど混迷の色を濃くしていきます。


ステージ前後に挟まれる日常パートはストーリーを読み解く重要な場面だ

 その末にどのような結末をたどるのかは、ネタバレになるのでここでは書くことはできません。しかしたしかに言えることは、主人公が終始抱いていた復讐願望に、何度リトライしてでもクリアしたいプレイヤーの願望が重ね合わせられている節があるということですね。

 要はプレイヤーは主人公の共犯者に仕立て上げらてしまうわけです。本作は主人公のことを最終的に哀れで空虚な存在として描いている。それはつまり、クリアを妄執するプレイヤーのことをも同様に断罪しているのです。否定しようにも、何度もリトライを重ね、その度に暴力が振るわれることを是認し、その末にクリアしたという事実が言い逃れを許さない。お前もこの主人公と同じ、妄執に生きる哀れな存在だ、このゲームの暴力に意味があろうがなかろうが、ここまでクリアした時点でお前に意見する資格はないんだ! という具合です。

 容赦なくプレイヤーの努力を踏みにじるこの結末は、かつての『BioShock』でAndrew Ryanに対峙する場面、あるいはもっと古い作品なら『たけしの挑戦状』でクリア後に「こんなげーむにまじになっちゃってどうするの」と言われることに匹敵するメタな手のひら返しと言えましょう。

 それでも、いやそれだからこそ、僕はこの作品の物語が好きなんです。プレイヤー自身を当事者として巻き込んでしまうこと。これはゲームでしか成立しないストーリー・テリングのひとつです。それも丁寧なお膳立てをしてプレイヤーに能動的に没入させるのではなく、プレイヤーの無意識に働きかけて気づいたときには取り込まれてしまっていた、という状況を作る。これは相当至難の技のはず。僕も本作の仕掛けに気づいたときには、これは一本取られたと、痛快な気分になりました。

■まとめ

 傑作です。恐らく暴力表現とゲーム・プレイがひとつでもわずかに欠けていたら、本作の物語は成立しなかったことでしょう。それは他ふたつの要素を個々に見ていった場合でも同じです。暴力表現、ゲーム・プレイ、物語の3本柱がそれぞれを絶妙に補完し合い、それが”80年代風サイコスリラー”としての総体を抜群の完成度でかたち作っています。

 いまさらですが唯一欠点らしきものを挙げれば、ステージ・クリア後に手に入るマスクや武器の性能がイマイチ差別化できていないことが挙げられますが、そんなの些細な枝葉の要素に過ぎません。根幹のデザインが非常に優れているため、小技に頼らなくても十分すぎるほどおもしろい。この点は小技に頼りすぎで根幹が空っぽな最近のメジャー・ゲームはぜひ見習ってほしいところ。

 過激な表現の数々から、人をものすごく選ぶ作品なのは否定できませんが、最近の主流のゲームにはないアナーキーさを求めている人、または単純に完成度の高いゲームを求めている人に強くお薦め。このレヴューでひとりでも多くの人に興味を持っていただければ幸いです。



Bushmind(Seminishukei) - ele-king

https://soundcloud.com/bushmind
https://www.facebook.com/bushmind
https://seminishukei.shop-pro.jp/
https://wdsounds.com/

Nipshit of 2012(順不同)


1
King 104 / Margarita

2
Lil Mercy & Mamimumemosu / 20mamimume12

3
Hoodies / Dogbite

4
Campanelra & Toshi Mamushi / K.B.P

5
D.U.O / Wish Wash

6
Bes & DJ One-Law / U Can't See Me

7
Owl Beats feat.Yuksta-Ill / Time Less

8
Rhyda feat.piz? / Yah Yah Yah

9
Tonosapiens feat.Rockasen / SquAll

10
Fla$hbackS / Gladiator

「REPUBLIC」 - ele-king

 2012年12月1日。日本のオーディオ・ヴィジュアル・イヴェントのパイオニア「REPUBLIC」が遂に終焉を迎える。書籍「映像作家100人」とのコラボレーションなどでも多くの話題を呼んだ本イヴェントが初回開催された2007年5月から5年の月日を経て、多くの映像作家や、ミュージシャン、DJ、VJといったアーテイストに「音と映像」の新しい関係を提示してきた。そんな「REPUBLIC」も10回目で遂に最終回となりフィナーレを迎える。

 そんな、最終回となる今回は、もっともフラットで自由な表現に溢れており、ホームグランドである「WOMB」のDAY TIMEでの開催となる。

 出演陣も豪華で、「bonobos」や「OGRE YOU ASSHOLE」、「ハイスノナサ」、「ATATA」などのバンド勢に、今年最も話題を呼んだMCでもある「田我流」、ネクストブレイクを期待される「転校生」、巷で話題のガールズラッパーのニューカマー「泉まくら」などのフレッシュな面々も揃える。
 さらに、sasakure.UK、TeddyLoid、okadada、DJ WILDPARTYなどネットから新しい音楽カルチャーを発信する面々に、骨太のビートを生み出すトラックメーカーの「Fragment」、「Himuro Yoshiteru」、「SUNNOVA」に、「dot i/o (a.k.a. mito from clammbon)」、「aus」といったジャパニーズ・エレクトロニカの雄と「DUB-Russell」、「metome」、「Avec Avec」、「Seiho」などの新世代のエレクトロニカ・シーン牽引するアーテイストが一挙に渋谷に集結する。

 また、映像面も「伊藤ガビン」や「原田大三郎」などのレジェンドとともにVimeoでの映像が海外でも高い評価を受ける「yusukeshibata + daiheishibata」、「吉田恭之」、「Kezzardrix」。そして、日本を代表するメデイア・アーテイストの「exonemo」と「FREEDOM」で一躍世にその名を知らしめた「神風動画」に気鋭のデザイン・チームの「TYMOTE」、「FREEDOMMUNE」や「TOWER RECORDOMMUNE」のヴィジュアルを手がけた「yasudatakahiro」など新旧のTOPヴィジュアル・クリエイターが最後の宴に映像で花を添える。

 そして、その豪華面々がこの日にしか見れない極上のオーディオヴィジュアル・ショーケースを準備。また、前回好評を博した各フロアの映像演出もさらにスケールアップ。プロジェクターと液晶モニターを大量に特設で用意し、「WOMB」の全フロアを余すところなく映像で包み込む。もちろん長時間にわたる開催にあたってのホスピタリティとしてFOODもご用意。


2012年12/01(Sat)
REPUBLIC VOL.10~THE FINAL~
@WOMB
13:30-21:30(予定)
当日¥4,500 / 前売り¥3,500 ※ドリンク代別途

【SOUND ACT× VJ】
bonobos × TYMOTE
OGRE YOU ASSHOLE × TBA
okadada × exonemo with 渋家 (VideoBomber set)
ジェイムス下地 × 神風動画
dot i/o (a.k.a. mito from clammbon) × Kezzardrix
Daizaburo Harada -Audio Visual Set-
田我流 × スタジオ石×SNEEK PIXX
sasakure.UK × まさたかP
ATATA ×伊藤ガビン+hysysk+matt fargo
aus × TAKCOM
ハイスイノナサ × 大西景太
DUB-Russell×(yusukeshibata+daiheishibata)
転校生 × 大橋史(metromoon)
TeddyLoid × COTOBUKI
Avec Avec × 超常現象 [水野健一郎. 水野貴信 (神風動画). 安達亨 (AC部). 板倉俊介 (AC部)]
DJ WILDPARTY × SUPERPOSITION
Fragment × ogaooooo
shhhhh × 最後の手段
泉まくら × 大島智子
Inner Science × Takuma Nakata
Yaporigami × yasudatakahiro
Hiroaki OBA - Machine Live - × らくださん
metome × 吉田恭之
Himuro Yoshiteru × maxilla
Seiho (Day Tripeer Records, +MUS, Sugar's Campaign)× 子犬+UKYO Inaba
munnrai(TYMOTE/ALT) × leno
hiroyuki arakawa × Shinji Inamoto
Free Babyronia × NOISE ELEMENT
Licaxxx × DEJAMAIS

【SOUND ACT】
SECRET GUEST LIVE!!!
SUNNOVA
MASTERLINK
i-sakurai with passione Team B
specialswitch
Narifumi Ueno ( Ourhouse / Arabesque )
neonao(futago traxx)
M'OSAWA
SHIGAMIKI
MAYU
motoki
iYAMA(konnekt, MESS)

【VJ】
BENZNE by VMTT
VideoNiks
blok m
アサヒ
VJ PLUM

【映像装飾】
S.E.E.D

【プロジェクション コーディネート】
岸本智也

【FOOD】
浅草橋天才算数塾
錦糸町izakaya渦

【ORGANAIZED BY】
ishizawa(sonicjam Inc.)

2012/12/01(SAT)渋谷WOMBにて終焉を迎える「映像と音の共和国」を見逃すな!!

https://republic.jpn.org/

Schoolboy Q - ele-king

 USヒップホップ・シーンでは現在、ケンドリック・ラマーのメジャー・デビュー作『good kid, m.A.A.d city』が大きな話題を呼び、日本のラップ・ファンのあいだでもずいぶん騒がれているが、同じくブラック・ヒッピーのラッパーであるスクールボーイ・Qのセカンド・アルバム『ハビッツ&コントラディクションズ』も面白い。この作品のいちばんの魅力は、スクールボーイ・Qの、ダークではあるが、自嘲気味でとぼけた感じのするギャングスタ・スタイルのラップではないだろうか。

 スクールボーイ・Qことクインシー・マシュー・ハンリーは1986年、在ドイツの米軍基地に生れている。幼少期に母親とLAに移り住み、特別に貧しくも豊かでもない環境で育ったという。優等生でもあったが、12歳で地元のギャング、52フーヴァー・クリップスに加入する。日本のヒップホップ・サイト『YAPPARI HIPHOP』が『Complex』のインタヴュー記事を翻訳しているが、それに拠れば、スクールボーイ・Qがギャング業をもっとも活発にやっていたのは16歳から、逮捕されて刑務所に送り込まれる21歳頃までの間で、クラックやウィード、オキシコドン塩酸塩(医療用麻薬製剤)などを売って稼いでいたという。本格的にラップに情熱を傾けはじめたのも21歳の頃からだった。

 その後、2008年にインディ・レーベル〈トップ・ドウグ・エンターテイメント〉に加わったスクールボーイ・Qは、2009年にはケンドリック・ラマー、ジェイ・ロック、アブ・ソウルとともにブラック・ヒッピーを結成する。その間に、ミックステープを2枚発表、11年には配信限定のデビュー作『SetBacks』をリリースして頭角を現す。このデビュー作の発表はギャングを辞めてから4ヶ月後のことだった。ブラック・ヒッピーはギャングスタ・ラップのパイオニアの、同じくLAを代表するN.W.A.の再来であるという見方もあるが、スクールボーイ・Q自身は、ノートリアスB.I.G.とナズと50セントからもっとも強く影響されたと語っている。

 『ハビッツ&コントラディクションズ』の歌詞の対訳を読むと、ドラッグやセックス、暴力やビッチといったギャングスタ・ラップにお決まりのワードやトピックがずらりと並んでいる。 "レイモンド 1969"という曲名はレイモンド・ワシントンという人物が1969年にベイビー・アヴェニューズ(のちのクリップス)というギャングを結成した史実からきている。ベイビー・アヴェニューズは、結成当初こそブラック・パンサーのスタイルを継承して、自己防衛の信条を示すために黒い革ジャケットを着ていたというが、やがて血なまぐさい抗争をくり広げるようになる。スクールボーイ・Qが育ったのはそういった歴史と背景のある街で、"レイモンド 1969"では、「ここは恐怖で包囲されてんだ/死の臭いが立ち込める」とラップしている。さらに、冗談か本気か、「俺がギャングスタ・スタイルを戻しに来たのさ」("セクスティング")と意気込んでもいる。

 とはいうものの、セックス・ソングにしろ、セルフ・ボースティング(自慢話)ものにしろ、バイオレンスものにしろ、ラップのフロウから、スクールボーイ・Qのコミカルで、多彩な表情がみえる。凄んでみたり、好き者っぷりをひけらかしたりしているが、二枚目というよりは三枚目のノリで、それが面白い。英語が理解できれば、ブラック・ユーモアをもっと楽しめるのだろう。アブ・ソウルとぶりぶりのゲットー・ベース風のトラックに乗って、「ヤバイ、クスリが切れそうだぜ」だの「エクスタシーをキメてる女はイクのが早い」だの......ここに書くのを遠慮したくなるようなナスティーなラップをハイテンションで連発していく"ドラッギーズ・ウィット・ホーズ・アゲイン"は、要はボンクラ・アンセムである。ケンドリック・ラマーをゲストに迎えた"ブレスド"では唯一前向きで信心深いライミングをしているものの......、『ハビッツ&コントラディクションズ』(=常習と矛盾)というのはなかなか気が利いたタイトルだと思う。

 サウンド・プロダクションに、ポスト・ダブステップをはじめとするUKのクラブ/エレクトロニック・ミュージックやトラップ・ミュージックからの影響がうかがえるのもこの作品の魅力だ。『SetBacks』や『good kid, m.A.A.d city』のソウルフルでオーガニックなプロダクションとは対照的である。一曲目の"サクリレジアス"からして四つ打ちではじまるし、ジェネイ・アイコのセクシーなヴォーカルをフィーチャーした"セックス・ドライヴ"もUKのクラブ系のインディ・レーベルが出してそうな音だ。RZAを彷彿させる"レイモンド 1969"の陰鬱なトラックでは、ポーティスヘッドの"カウボーイズ"がサンプリングされている。そうかと思えば、マリーナ・ショウが歌う官能的なソウル・ミュージック"フィール・ライク・メイキン・ラヴ" をループさせ、ドム・ケネディとカレンシーとともにねっとりとフロウしていたりもする。

 2012年1月14日に配信限定で発表された作品のCD盤である今作に、エイサップ・ロッキーとコラボレーションした"Hands on the Wheel"が収録されなかったのは残念だが、日本盤にはボーナス・トラックが二曲入っている。ケンドリック・ラマーの新作とおなじく、同時代のUSのラップ・ミュージックを聴いているワクワク感が堪らなくいい。

 ロンドンとパリは列車で結ばれている。ユーロスターで所用2時間。時差が1時間なので往路は3時間、復路は1時間という幻惑を誘うタイムラグ。しかも海底を抜ける。その途方もなさに、果たしてパリに無事辿りつけるのかという幼児なみの不安が頭をよぎる。住んでいるロンドンの自宅で予約はウェブ上で済ませる。当日、無事に起床することができた。出国手続きを終え、無事列車にも乗れた。なんてことはない。新幹線のような快適な乗り心地。いつの間にか海を越えていた。地上を走っている時間のほうが長い。フランスののどかな田園風景を走り抜ける。と、パリのターミナル駅に着く。最初の驚きは、駅舎の壁面に途切れることなく続くグラフィティ。その後、5日間の滞在でパリはロンドンをしのぐグラフィティの街だと知る。

 ウェブ・マガジン『ピッチフォーク』のフェスティヴァルがパリで開催されるというのでチケットをとった。ジェームズ・ブレイク、ファクトリー・フロア、アニマル・コレクティヴ、ジェシー・ウェア、ラスティー......と話題のアーティストばかり。7月にシカゴで開催された同フェスティヴァルの様子をウェブで見ていたので即決だった。正直、ちょっとパリにも行きたい気持ちもあったし、フェスティヴァルでパリジェンヌがどんな風に狂気するのか見てみたかった。  同じ歴史を感じさせる都市とはいえパリは明らかにロンドンよりも落ち着いた街だ。そして悦ばしいことに食べ物が美味しい。いずれもロンドンがうるさ過ぎ、食べ物が不味い、とも言える。フランス語ができればパリは日本人にとって住みやすい街なんじゃないか。とはいえ、たった数日の滞在では計り知れない。街中にグラフィティが溢れかえっている。この意味するところは何だろう。アートの街だから許容されている? 確かにお金を出しても惜しくない立派な作品にストリートで出合ったりする。そして、スリの腕は世界一だから気をつけるよう散々言われた。しかもよく考えると、2005年にこの街では暴動が起きている。表面的に落ち着いているように見えても、他の欧州各国と同様に煮えたぎるものがある? でも、いち早く左派政権になったし、この落ち着きは余裕をしめしているのか......。などと色々と頭の中を駆け巡った。だけど街中を歩く人びとがオシャレで似合っていて、ただただ魅了され雑念もふっ飛ぶ。たった2時間の移動でロンドンとパリでここまで違うのか、と当然のことかもしれないが改めて驚く(ロンドンのコモン・ピープルは必ずしもオシャレじゃないから)。

 会場はパリの北東部に位置する〈Grande halle de la Villette〉。大きな倉庫を改造したのか、ちょうどサッカー・コートぐらいの広さで天井がやたら高いホール。フランスで『ピッチフォーク』が扱うようなオルタナティヴなロックやダンス・ミュージックがどこまで人気があるのか知らない。しかも、ほとんどが英語圏のアーティスト。ピークでも会場の6割ぐらいしか埋まらなかったので、すごく人気がある訳ではなさそう。でも、その分、会場のなかに逃げ場があって過しやすかった。耳にイギリス英語が飛び込んでくる。とくに2日目はイギリス人が多かった。結局、僕のようにユーロスターでロンドンから来たオーディエンスが多数いる印象。

 パリに着き、ホテルにチェックインしてから会場に入った。言葉が通じないので終止緊張していたせいか、疲れが出てボーとアルーナジョージなんかチェックしていたアーティストも遠巻きに見る。ティンバランドとミッシー・エリオットの出会いがいまのロンドンで実現されたら、と評されるこの異色ユニット。アルーナの愛くるしい佇まいが微笑ましかった。
 さて、いまはとにかくフジ・ロックでのライヴも終え話題になっているファクトリー・フロアに備えよう。アルコール片手にリラックスして会場を歩き回った。ロンドンのラフ・トレードが大きな物販ブースを出している。オフィシャルのバックをここで買う。片隅でジュエリーや靴なんかのハンドメイドの作品を扱ったフリー・マーケットも開かれている。オシャレ! いちいち立ち止まって見てしまう。そうこうしているうちにファクトリー・フロアだ。終止ストイックに展開するミニマリズム。退廃美はスロッピング・グリッスルのそれに近いが、さらに渇いている。この渇きは諦念に近いのか......。打ち鳴らされる音の粒の快楽に酔いしれる。どうしようもない寄る辺なさに身をゆだねる。恍惚とする......。
 その後、バンクーバーを拠点にするJapandroidsという謎のふたり組のロックバンドを見てポカンとしたり、The xx やSBTRKTのレーベル〈Young Turks〉からリリースのあるJohn Talabotで身体をほぐしたりしながら、ジェームズ・ブレイクに備えた。
 パリのジェームズ・ブレイクは都市のもつ気高さに演出され、いっそう高貴なものに映った。ヨーロッパを覆っているであろう無力感を一歩進めて絶望に至り、そこからの救済を希求しているような...、というと大袈裟? 不安定なトラックと彼の中性的な声が心の襞に分け入ってくる。見たことのない世界を見せてくれそうな予感に包まれる。
 午前1時頃、この日のヘッドライン、フランスのポスト・ロック・バンド、M83のやたらとテンションの高いライヴを横目にホテルに向かう。

[[SplitPage]]

 2日目。午後5時開始。遅い朝に貴重なパリの1日を怠惰に過す。ルーブル美術館の近くにあるビルごとアーティストのスクワットになっている59 RIVOLIというスペースに行く。たくさんのアーティストの制作現場になっていて展示も無数にある。どれも個性的で目を惹く。街中で見かけたグラフィティと同じアーティストの作品もあった。1999年にはじまったスペースらしい。ヨーロッパではスクワットが違法ではない国がある。ちなみにイギリスでは2ヶ月前に住むことが違法になった。が、不思議なことに空いている建造物を一時使用することは違法になっておらず、まだスクワット・パーティなんかがある。
 少し遅れて午後6時頃開場についた。その日は目的がたくさんあった。まずはジェシー・ウェア。彼女を最初に見たのは5月にKOKOロンドンであったベンガのリリース・パーティだった。日本では考えられないが、ロンドンではダブ・ステップでモッシュが起る。DJも応酬してアオりにアオる。この日もそうだった。そんな、どちらかというと男くさい匂いが漂うパーティで、ジェシー・ウェアが登場すると変わった。たった1曲歌っただけなのに会場がしっとりとした雰囲気に包まれた。その後、ずっと気になっていたらジョーカーやSBTRKTと楽曲制作をしている歌手だと判った。ニュー・アルバムが発売される頃には、レコード屋のみならず駅の掲示板などにもポスターが貼られ、ちょっと盛上っていた。新作『DEVOTION』はイギリスのエレクトロニック・ミュージック・シーンを背景にしながら、しかし耳ざわりのよいソウル作品だ。ブロー・ステップのように過激/過剰に行きがちなシーンに淡々と距離をとっているとも言えるし、ただ自分の好きな音楽を黙々と追求しているだけにも見える。最近ではディスクロージャーと絡むなど趣味のよさ、立ち位置のうまさを印象づける。僕は新作をどう聞いたかと言うと、決して雰囲気がよいとは言えない不景気のロンドンで、ゆらぐことのないイギリスのアーティストとしての誇りのようなものを感じた。エイミー・ワインハウスは......あまりにもいまのイギリスの雰囲気を暴きだし過ぎている、と感じることもあるから。「DEVOTION=献身」が彼女を育んだミュージック・シーンに対するものであったら、それは素晴らしいことじゃないか。

 可愛い言葉づかいのジェシー・ウェア。肩の荷を下ろし一曲終わるたびに何やら語りだす。可愛い。歌いはじめると一気にオーラを身にまとう。特に凝った演出もなかったがその分、歌に集中できた。まだキャリアが始まったばかりのアーティストにありがちな衒ったところもなく純粋な歌がそこにあった。ジーンとする。
 続いてワイルド・ナッシング。80年代風、イギリスのギーター・ポップ・サウンドは日本人にとって聞きやすいがもはや"カルト"と評されている。ジャック・テイタム──実質、彼ひとりのバンドみたい──が、アメリカ人なのも共感できる。シンセも相俟ってキラキラしたギター・サウンドを、他国の過去の音に想いを馳せながら作っている感じ。わかる。新作『ノクターン』を愛聴していたのでライヴも楽しめた。なんだかんだいっても現代の解像度の高いサウンドとフェスの大音響の効果は心地よく、快感だった。

 ピッチフォーク・ミュージック・フェスティヴァルは個性派ぞろいのフェスティヴァルで、まったくノー・チェックでも意外なアーティストに巡り合う。例えばザ・トーレスト・マン・オン・アース。ボン・イーヴェルのツアーのフロント・アクトを務め知られるようになったというスウェーデンのアーティストだ。ボン・イーヴェルやベン・ハワードなんかの極楽系フォーク・サウンド。だけど、どこかボブ・ディランぽい。まとめると、現代スウェーデンのボブ・ディラン兼ボン・イーヴィル、その名もザ・トーレスト・マン・オン・アース。謎だが、謎めいた魅力があった。次に、初めて知ったけど欧米では結構知られているらしいロビンも強烈なシンガーだった。エレクトロニック・サウンドにのせ歌われるポップ・ソング。彼女独特のコケティッシュな魅力に溢れたステージ。どこか振り付けが80年代のアイドルっぽい。どうしても日本のアイドルを思い出してしまうステージをパリで、しかもピッチフォークのイベントで目撃するという倒錯感がすごかった。

 2日目のヘッド・ライナーはアニマル・コレクティヴ。新作『センティピード・ヘルツ』がこれまでの作品と一変していたので、ライヴはどうかと興味深く観た。新作の楽曲中心に進んでいく。リズムとサンプリングのおもちゃ箱をひっくり返したような躁状態が続く。サイケデリックなデコが虹色に怪しく明滅するステージのうえでたんたんと演奏したり機材をいじっている。変拍子や過剰なサウンド・エフェクトを駆使しながら不可思議な物語を感じるステージ。終盤は、これまでのアニコレのイメージどおりアシッドにフォークに展開し陶酔する。深夜2時近く、この日のパリの夜は時空が捩じれたまま深けていった。

[[SplitPage]]

 さて3日目だ。またも遅い朝。昼食にパリに在住していたレゲエ・ライターの鈴木孝弥さんに教えてもらったアフリカ料理を食しに出向く。パリの南に位置する大通りブルヴァール・バルベス周辺はアフリカ人の街。その北側にあるセネガル料理屋シェ・アイダ。しかし...一向に見つからない。しばらく漂う。パリのアフリカ人街はヨーロッパ大陸に突然アフリカへの入口が出現したかのようで軽く混乱する。結局、見つからない。たぶん閉店したのだろう。何度か鈴木孝弥さんがこの店のメニューをお手本にして創った料理を東京で食して期待が膨らんでいたので、泣く。そのあと、ロンドンからの友人と落ち合い3日目のフェスティヴァル会場に向かう。

 この日、まずはプリティ・リングという4AD所属のユニットに度肝を抜かれる。声だけでなく佇まいもビヨークっぽいメガン・ジェームズと、均整のとれた体つきなのにラップトップに向かってひたすらヘッドバンギングするコリン・ロディックの男女二人組。クリック系のサウンドに浮遊感ただよう歌声。聴いているだけでひたすら気持ちいい。小さい体のメガンが時おりドラを打ち響かせるのでハッとし、ニヤっとする。
 3日目だけオール・ナイトだったのでお客さんも若く、オシャレ。ロンドナーだったら無造作にアーティストTシャツなんかで済ますところ、やっぱりパリッ子は違う。マフラーの巻き方や靴の合わせ方ひとつ違う。もしかして日本のクラバーに近いのかもしれないが、まあ、なんというか絵になる。パリッ子のファッションに憧れても、絶対に真似できない。さすが本場、なんて常套句を思わず心の中でつぶやく。ロンドナーよりも踊らないけれど、踊る姿が美しい。見惚れる。そして、この人たちのなかで踊っている自分はなんてオシャレなんだ、なんて自己満足。
 さて、このフェスティヴァルで一番楽しみにしていたグレズリー・ベアーだ。新作『シールズ』はバンド・サウンドの完成度と、楽曲としての先進性が同居する近年では希有な作品として聴いていた。これがいわゆるロックなのかどうかもはやわからないが、ロック編成の音楽の可能性みたいなものさえ感じていた。
 いたってクールに進んでいくステージ。サウンドに対して忠実でストイックな印象さえ受ける。しかし、だからこそ時おりサイケデリックに、またゴシックに展開するとき、音の渦に吸いこまれる。アンサンブルに酔い痴れ、コーラスワークの虜になる。
 しかしハイライトはグレズリー・ベアーではなかった。演奏が終わると、間断なくデェスクロージャーがはじまる。ピンとした空気が暴発して一気にパーティ・ムードへ。まだ20歳そこそこの兄弟のデュオ。"Tenderly"のようなUKガラージから、"Latch"のようなハウスまで気の利いたグルーヴが会場全体を覆う。うまい......と油断していたらジェシー・ウェア"ランニング"のリミックスが投下される。まるでドナ・サマーを初めてクラブで聴いたときみたいに、我知らず全身で踊っていた。

夜は長かった。トータル・エノーモス・エクスティンクト・ダイナソーズの変態的なエレクトロ・ポップに嵌ったと思ったら、グラスゴー出身のラスティーのDJセットにも終止引き込まれ、何度も雄叫びをあげる。このとき、客席前線の熱狂度はすごくて、オシャレなパリジェンヌが乱舞。なんというか、世界中どこにいっても変わらない。結局は、そういうことだ。

Chart JET SET 2012.11.27 - ele-king

Chart


1

三田格 / 野田努 - Techno Definitive 1963-2013 (P-vine)
およそ全250 ページ・カラー、テクノの名盤600枚以上のアートワークを掲載。各年代毎、最重要アルバムと最重要シングルを選びながら、エレクトロニック・ミュージックの歴史も読み取れます。

2

Atoms For Peace - Default (Xl)
Modeselektor率いる50weaponsからのデビュー12"は数分で完売。1st.アルバム『Amok』から、最前線Ukベースを消化した話題沸騰トラックが先行カットされました!!

3

Ame - Erkki (Rush Hour)
Kristian Beyer & Frank Wiedemannからなる"Innervisions"お馴染みの才人デュオAmeによる新作12"。"Running Back"主宰のGerd Jansonが監修したコンピ・アルバム『Music For Autobahns』の冒頭を飾る話題作が先行12"カットにて限定リリース!!

4

Juk Juk - When I Feel / Wars (Nommos)
Four Tetに見出され、主宰レーベルTextからデビューを飾った謎の新鋭Juk Juk。過去2作も爆裂ヒットした自主レーベルNommosからの第3弾12"が遂に登場しました!!

5

Poolside - Harvest Moon / When Am I Going To Make A Living (Poolside Music)
A面は『Pacific Standard Time』収録のNeil Young大傑作カヴァー。そしてB面はネット上で大人気を博していたSade名曲のメロウ・ディスコ・リエディット!!

6

Letherette - Featurette (Ninja Tune)
ご存じFloating Points率いるEgloのオフシュートHo_tepからデビューを飾ったUkベース・ディスコ人気デュオLetheretteが名門Ninja Tuneへと電撃移籍して放つハウスDjも直撃の1枚です!!

7

Slugabed - Wake Up (Ninja Tune)
お馴染みNinjaの天才Slugabed。名曲"Sex"を収めたアルバム『Time Team』に続いて、淡雪の如く舞う美麗シンセをまとったフィメール・ヴォーカル・ベース・ポップ歴史的傑作を完成です!!

8

Auntie Flo - Rituals (Mule Musiq)
チリアン・ミニマル新鋭Alejandro Pazのリリースでも注目を集めるHuntleys & Palmersの代表格Auntie Flo。傑作1st.『Future Rhythm Machine』に続く新作がなんとMule Musiqから登場です!!

9

Luciano - Rise Of Angels (Cadenza)
Mirko Loko Remixを収録、世界各地のフロアを盛り上げた"Rise Of Angels"が遂にシングル化!!

10

Miracles Club - U & Me / Ocean Song (Cutters)
エクスペリメンタル通過後のインディ・シンセ・ハウスの先駆者、Miracles Club。通算4枚目、Cut Copy主宰Cuttersからは2枚目となる12インチ!!

ICHI-LOW (Caribbean Dandy) - ele-king

偶数月第二月曜@The ROOM、奇数月第四火曜@虎子食堂等々のレギュラーでCaribbean Dandyはプレイ中。その他個人活動はTwitterの@ICHILOWをチェックしてください。

X'mas間近で毎年ヘビロテのアルバムの中からベスト10


1
JOHN HOLT - Happy Xmas (War Is Over) - Trojan

2
JOHN HOLT - Last Christmas - Trojan

3
JOHN HOLT - A Spaceman Came Travelling - Trojan

4
JOHN HOLT - Santa Clause Is Coming To Town - Trojan

5
JOHN HOLT - White Christmas - Trojan

6
JOHN HOLT - Blue Christmas - Trojan

7
JOHN HOLT - I Believe In Father Christmas - Trojan

8
JOHN HOLT - Auld Lang Syne - Trojan

9
JOHN HOLT - Lonely This Christmas - Trojan

10
JOHN HOLT - My Oh My - Trojan

Cero - ele-king

 街中がひっくり返ったような、東北地方の変わり果てた港町。その破壊のイメージが未だに私を離さない。比喩でもなんでもない、街は失われてしまった......と同時に、その街の記憶を持つ人びともまた、あるいは失われてしまったのだと思うと、奇妙な戦慄があった。完結してしまった喪失というものは、語り手を持たないものなのだと。
 私たちが放り込まれた「以後」の世界は、完結していない喪失が進行と回復を繰り返しているようなややこしい場所だ。もちろん、死や別れは最初から私たちの人生のオプションだし、その意味では何も変わっていないという言い方もできるだろう。だが、やはり、多くの人が見る世界の在り方が大きく書き換えられたのは間違いないと思う。
 その点、セロもたしかに、変わった。少なくとも、この新作『My Lost City』は、東京をもう以前とは違う(あるいは失われた)街と呼ぶことで生まれている。だが、ここには喪失を直視したことによって生じ得る重苦しさの類は、いっさいない。彼らは祝祭を継続する道を選んだのだ。いわば、現実に対する非服従としてのポップ・ミュージックを奏でている。喪失と、祝祭を、同時に引き受けることによって、それは高らかに鳴っている。
 
 "大停電の夜に"が持った奇妙な予見性、そして、『WORLD RECORD』(2011)がそれと同時に持った同時代的な切迫感との乖離。そのギャップが彼らを苦しめていたことを、私は知らなかった。「でも、その時、村上春樹が『海辺のカフカ』で「想像の世界においても、人は責任を負わなければならない」というようなことを書いていたなって、頭をよぎったんです。(https://www.kakubarhythm.com/special/mylostcity/)」――そう、セロは、より強力な物語を立ち上げることで、虚構の作り手としての責任を引き受けたのだろう。
 より大きな現実には、より大きな虚構を。"水平線のバラード"のア・カペラで導入され、以降、賑やかに、カラフルに、48分が目まぐるしく展開していく。何かヘヴィなものを振り切るように、ある種の切実さを持って、『My Lost City』は明確に祝祭性を志向する。現実からもっともっと遠く離れて。悲観や感傷ではなく、さらに大きな、情熱的なファンファーレで、「以後」の世界に生きる人びとを迎え入れている。

 音楽としてのスケールも遥かに大きくなっているように思う。はっぴいえんど、鈴木恵一、ジャズ、ファンク、合唱、テクノ、キューバ音楽......打楽器にしても、金管にしても、鍵盤打楽器にしても、1曲のなかでも目まぐるしくシャッフルされ、特に演劇仕立てのプログレッシブ・ポップな展開を見せる"船上パーティー"は中盤のハイライトとなる。
 また、セロ a.k.a. Contemporary Exotica Rock Orchestraというネーミングは実に的確で、チェンバー・フォーク的な緻密さと、ストリート・バンド的な豪快さを兼ね備えたムードがあり、何より、『My Lost City』からはたくさんの人の気配がする。スティールパンやトランペットで参加しているMC.sirafu、ドラムス、サックスで参加しているあだち麗三郎らは事実上のバンド・メンバーのようで、演奏のクレジットは賑やかなことになっている。
 そう、音楽を作ることがあまりにも簡単になったこの時代に、数分のポップ・ソングのために数十人が集まっている。その光景を想像するだけでも感動的である。ルー・リードのクラシック"A Walk on the Wild Side"(1972)をトロピカル・サイケ・ポップにリアレンジしたような"cloud nine"、合唱に包まれながら、幽霊船に乗って暗闇の中を突き進む"Contemporary Tokyo Cruise"、そしてアルバム本編の実質的なエンディングを飾る"さん!"の底なしの多幸感には、私は小沢健二を感じた。

 しかし『My Lost City』は、そこで終わらない(終わっていれば、いわゆる出来過ぎた「名盤」である)。"わたしのすがた"で、物語の主人公は現実の東京に戻っている。虚構の旅を終え、CDと文庫本でぐちゃぐちゃになった狭い部屋で、現実に思いを馳せる彼は、『My Lost City』を聴き終えたあなたそのものだ。そこで何を思う? 音楽で盛り上がったところで、「この街」は変わらない。そうした無力感とも取れる感情を吐き出し、『My Lost City』は、エレクトロニックな閉塞感とともに、ある意味では汚い終わり方をする。
 ポップ・ミュージックが多くの人を熱狂的にアップリフトさせる時代は終わったし、その不可能性に逆に陶酔するというシニシズムの時代も終わったのだと思うが、それを自覚した上で、個人以上/社会未満としての都市(シティー)の気分や気配を、そのまま音楽にしてしまうことを、セロは諦めていない。それでも、"わたしのすがた"が生まれなくてはならなかった(あるいは録音されなければならなかった)理由を考えると、なんともアンビヴァレントな気持ちになる、、、。

 少し話を変えよう。『My Lost City』が持つ意味について。筆者は昨年、「スモール・ミュージック」という言葉でこの国のあまり売れていない(だが素晴らしいと思える)音楽を形容したけれども、これは、かつて本誌編集長がロバート・クリストガウを引用する形で紹介した「セミ・ポップ」という概念とは少し違う。細分化に対して下位層に潜るのではなく、そこがどれほど狭い場所であれ、堂々とポップの可能性にベットする音楽――『ピッチフォーク』の表記に倣えばスモール・ポップ――の時代は、欧米ではアーケード・ファイアの『Funeral』(2004)で始まっているが、『My Lost City』はつまり、この国のインディ・ポップにおける始まりのはじまりである。
 また、地球儀を軽くスピンするようなその豊かな音楽性を踏まえれば、『Illinois』(2005)前後のスフィアン・スティーヴンスに対する「風街」からの回答とも言えるし、あるいは、90年代に『LIFE』があったのなら、私たちの時代にはこれがある、『My Lost City』はそういう作品だ。奇跡のようなポップの現象はもう、このさき生まれ得ないのだろう。だが、奇跡をともに願える仲間を、セロは見つけたようだ。それもまた、小さな奇跡なのではないだろうか。「いかないで、光よ/わたしたちはここにいます」("Contemporary Tokyo Cruise")――この祝祭は、きっと徒花ではないし、ひとりの天才が作り上げた孤城でもない。枯死していく風景の中に浮かび上がる、輝かしい宴の虚像。この時代を笑顔で生きようとする人びとに捧げられた、巨大な祈りとしての音楽が、ここにある。

TECHNO definitive 1963 - 2013 - ele-king

20世紀初頭の記憶から21世紀にかけての電子音楽の歴史を追う、計700枚以上のディスクを紹介するテクノ決定版。
現代音楽、ミュージック・コンクレート、イージー・リスニング、サイケデリック、クラウトロック、ダブ、ディスコ、シンセ・ポップ、ノイズ、インダストリアル、ヒップホップ、アシッド・ハウス、デトロイト・テクノ、レイヴ、ジャングル、ミニマル、ジャーマン・トランス、IDM、グリッチ、ブレイクコア、グライム、ダブステップ、ジューク…およそ100年にもおよぶエレクトロニック・ミュージックの軌跡。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833 834 835 836 837 838 839 840 841 842 843 844 845 846 847 848 849 850 851 852 853 854 855 856 857 858 859 860 861 862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892 893 894 895 896 897 898 899 900 901 902 903 904 905 906 907 908 909 910 911 912 913 914 915 916 917 918 919 920 921 922 923 924 925 926 927 928 929 930 931 932 933 934 935 936 937 938 939 940 941 942 943 944 945 946 947 948 949 950 951 952 953 954 955 956 957 958 959 960 961 962 963 964 965 966 967 968 969 970 971 972 973 974 975 976 977 978 979 980 981 982 983 984 985 986 987 988 989 990 991 992 993 994 995 996 997 998 999 1000 1001 1002 1003 1004 1005 1006 1007 1008 1009 1010 1011 1012 1013 1014 1015 1016 1017 1018 1019 1020 1021 1022 1023 1024 1025 1026 1027 1028 1029 1030 1031 1032 1033 1034 1035 1036 1037 1038 1039 1040 1041 1042 1043 1044 1045 1046 1047 1048 1049 1050 1051 1052 1053 1054 1055 1056 1057 1058 1059 1060 1061 1062 1063 1064 1065 1066 1067 1068 1069 1070 1071 1072 1073 1074 1075 1076 1077 1078 1079 1080 1081 1082 1083 1084 1085 1086 1087 1088 1089 1090 1091 1092 1093 1094 1095 1096 1097 1098 1099 1100 1101 1102 1103 1104 1105 1106 1107 1108 1109 1110 1111 1112 1113 1114 1115 1116 1117 1118 1119 1120 1121 1122 1123 1124 1125 1126 1127 1128 1129