「ZE」と一致するもの

interview with Awesome City Club - ele-king


Awesome City Club
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 Awesome City Clubというバンドを最初に聴いたとき、極力演奏者としてのエゴを外に出さないようにした、言葉は良くないかもしれないけれど、BGM、もしくはスーパーマーケット・ミュージック的な音楽を作ろうとしているのではないか、と感じた。そこで聴いている人たちの行動の背景に寄り添った、奥ゆかしいポップ・ミュージック。それはともすれば職人的な作業のようにも思えたし、だからこそ、最初はライヴ活動ではなく、自主でCDをリリースするでもなく、ネット上に音源をひたすらアップロードしてその存在を認知させていくような手法をとっているのだろうと納得していたものだった。彼らの作品から、いわゆるシティ・ポップ然としたものだけではなく、60年代のラウンジも70年代のノーザン・ソウルも80年代のエレ・ポップも90年代のブリット・ポップも00年代のチルウェイヴも2010年代のシンセ・ポップも……と、あらゆる心地良いポップスのツボを闇雲に探しまくっているひたむきな姿が伝わってきたことも職人の第一歩を思わせるものだったと言っていい。

 だが、ここに届いたファースト・アルバム『Awesome City Club』を聴いて、そういう耳に心地良いBGMのようなポップスを作る職人的な自分たち、という在り方を今度は明らかに武器にするようになったんだということに気づかされた。00年代以降の感覚で気持ち良い音を作ることに腐心する若き職人たちである自分たちが表舞台に立ったらこうなるんだよ、とでもいうような主張なき主張。プロデュースとミックスを担当するのがトラックメイカーとして活躍するmabanuaということもそういう意味では象徴的だ。メンバー5人揃っての取材でその作り手の心理を問うてみた。

■Awesome City Club / オーサム・シティ・クラブ
東京を拠点として活動する男女混成5人組バンド。2013年、それぞれ別のバンドで活動していたatagi、モリシー、マツザカタクミ、ユキエにより結成され、2014年、サポートメンバーだったPORINが正式加入して現在のメンバーとなる。「架空の街Awesome Cityのサウンドトラック」をテーマに楽曲を制作・発信。CDを一切リリースせず、音源は全てSoundcloudやYoutubeにアップしており、再生数は10万回を超える。ライブ活動においては海外アーティストのサポートアクトも多数。『Guardian』(UK)/『MTV IGGY』(USA)など海外メディアでもピックアップされるなど、ウェブを中心に幅広く注目を集めている。
atagi(Vocal/Guitar)、PORIN(Vocal/Synthesizer)、モリシー(Guitar/Synthesizer/Vocal)、マツザカタクミ(Bass/Synthesizer/Rap)、ユキエ(Drums/Vocal)

時代性があるような、ないような……どの時代でも自分のメロディをちゃんと作れるような方々が好きですね。(ユキエ)

一般的にAwesome City Clubが紹介される際、「シティ・ポップ」という言葉でまとめられてしまうことに少し疑問を感じていまして。

マツザカタクミ:ええ、ええ。

逆に言えば、どこにルーツの起点があるのかわかりにくいから、「シティ・ポップ」なる言い方にとりあえず置き換えているようにも思えるんです。で、それは、最終的に音に対する感覚を示した言葉なんだろうと。そこで、まず、Awesome City Clubが他のどういう作品と並べられたら本意だったりするか、から訊きたいんですが。

PORIN:私は岡村(靖幸)ちゃんですね。この間、ライヴを観に行ったんですけど、そこにきているあらゆる世代の人を巻き込むようなエネルギーがすごいなあって思いました。人間力みたいなところですね。

マツザカ:僕はペトロールズとceroの間かな。というか、最初、HAPPYとかthe finのような洋楽っぽいバンドと、細野晴臣さんをルーツにしたような、もう少し文系寄りのバンドの中間をやりたいなと思っていたんです。

モリシー:僕もペトロールズと……あとフォスター・ザ・ピープルかな。このバンドで最初に曲を作っていた時に、リファレンスとしてフォスター・ザ・ピープルを聴いていたりしたんです。この感じを日本語でやれたらいいな、とか。バンドとしてもいいけど、音像がとてもよくて……。

ユキエ:私はユーミンさんとか山下達郎さんとか桑田佳祐さんとか……時代性があるような、ないような……どの時代でも自分のメロディをちゃんと作れるような方々が好きですね。もともと私、歌がやりたくて音楽をはじめたんですけど、音楽に関わる方法として最終的に選んだのがドラムだったんです。いろいろやってみたんですよ。ギターもやってみたけど楽しくなかった。でも、ドラムだったら楽しいしやっていけるって思えたんですよね。それでもリズムっていうよりも歌、メロディを聴いてしまうんですけどね。

僕らスタジオにいる時間が多いんですよ。とくに曲を作るわけでもなく、ライヴのための練習というわけではなくても──。(モリシー)

atagi:僕は平沢進と宇多田ヒカル。その間に並べられるようなのだとうれしいなと。どっちも強烈にメロディに個性があるのと、平沢さんの曲なんて変態とも思えるような曲作りだけど、ちゃんと音楽愛があって一つ一つの音に必然があるんです。それは宇多田ヒカルの曲にも感じるんですよね。

なるほど。それぞれが好きなアーティストに、良いと思えるアングルがかなり明確なんですね。岡村靖幸の持つライヴでのエネルギーとか、ユーミンや達郎のメロディとか。パーツ、パーツでリファレンスが分かれるというか。

マツザカ:ああ、たしかに。フォスター・ザ・ピープルはミックスが良かったりするんですよね。

いま名前が出たアーティストの作品はメンバーみんなで共有していますか?

マツザカ:そうですね。わりと共通して聴くようにはしてるかな。

モリシー:曲作りをしているときに名前が出ることもあるし、普段“こんないいの見つけたぜ”みたいに会話して共有することもありますね……僕らスタジオにいる時間が多いんですよ。とくに曲を作るわけでもなく、ライヴのための練習というわけではなくても──。

マツザカ:最近は他にやることが増えてきましたけど、基本は週にどのくらいはスタジオに入る、というようなことは決めていますね。

ユキエ:すごいときは昼から翌日の朝までずーっと入っていたり……(笑)。

モリシー:そういうときは、昼から練習をして、夜になったらそのまま朝までレコーディングをする、みたいな感じですね。で、曲を録音し終えたらSoundcloudにすぐアップして。だから、最初はネット上で曲を発表することが多かったんです。

スタジオでの作業が好きということですか。ライヴをするよりも。

全員:(口々に)うん、そうですね。

マツザカ:絶対そうだと思います。

スタジオが好き、という感覚は誰からの影響、どこから養った感覚なんですか?

マツザカ:このバンドがはじまる前、メンバーそれぞれ別のバンドで、そのときはライヴ中心の活動をしていたんですけど、思うような結果が出なかったんです。ただライヴをやって曲を演奏して……というのではダメなんだと。それで、もっと作為的に曲を作って、発表していくようにしてみたらどうだろう? って思うようになったんです。つまり、最初は無料で聴いてもらって、自分たちのことを知ってもらって……っていうような順序ですね。

つまり、無料試聴をプロモーション・ツールとして生かすために曲が必要だった。だからスタジオでどんどん曲を作っていくことにした。おのずとスタジオにいることが多くなった……という流れがこのバンドの出発点だったということですか。

マツザカ:そうです。もちろん集中しているし、頑張っているんです。頑張ってるベクトルを他のライヴ中心のバンドと少し変えてみた、ということだと思います。

こういう音が欲しいよね、みたいな座組を最初に考えているからこそ、スタジオでの作業時間が長くなるし、そこでの作業が増えていく、という感じですね。(マツザカ)

なるほど。そこには、単に曲を作って、まずは無料で聴いて自分たちを知ってもらいたいという側面以外の醍醐味、たとえば、スタジオでしっかりと曲を作り込むことの楽しさ、カタルシスもあると思うんですよ。

マツザカ:あ、それは絶対ありますね。

モリシー:個人的には細野晴臣さんみたいに、狭山のスタジオで時間を気にせず録音したりするようなのには憧れるんですよ。そういうのが僕らの活動の根っこにあるのは間違いないですね。

マツザカ:こういう音が欲しいよね、みたいな座組を最初に考えているからこそ、スタジオでの作業時間が長くなるし、そこでの作業が増えていく、という感じですね。でも、自分たちでも納得した作品を作ることが目標になっているから、やっていて楽しいし、みんなでスタジオに入ることも苦じゃないですね。

そういう活動の中からでも優れたポップ・ミュージックは生まれるんだということを伝えることができる。

マツザカ:そうですね。それは大きいと思います。

こういう活動方針でいいんだ、と自信を持つことができたきっかけはありました?

atagi:Gotchさん(ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文)が背中を押してくれたのが大きかったですね。

モリシー:音楽的にはけっして近いわけでもないし、僕らにしてみればもちろん大先輩だし。そんなGotchさんに届いて、しかも、どうやら気に入ってくれてるぞ、というのがとにかく嬉しくて。もちろん、好きなことをちゃんとやる、というのを大前提にしていたわけですけど、認められたくてウズウズしていたときにGotchさんに届いたっていうのはやっぱり大きかったですね。これでいいんだって。

Gotchの去年のソロ・アルバムも最初は一人で音を出すことからはじまって、スタジオ制作に集中しながら作り上げたものでしたからね。実際に、そういう先輩たちの作品の音作りを具体的に検証したり、研究したりしたようなことはしました?

atagi:エンジニア的な作業もふくめて、僕ら、最初は見よう見まねだったんです。でも、あるときから別のスタジオで知り合ったエンジニアの方にいろいろと伝授してもらって実地で教わって。こういう音はこうやって出すんだよ、みたいなふうに言われたことを試してみるようになって……。いまは作品を聴きながら“どうやってこの音は出すんだろう?”みたいなことは考えて学んだりしていますね。

ということは、これまで外部のプロデューサーに頼って制作したことはなかったと。

マツザカ:そうですね。これまでは全部自分たちで録音していました。音決めのジャッジも自分たちで。ただ、今回のアルバムはプロデューサー(mabanua)さんやエンジニアさんをお迎えしました。

PORIN:レコーディング前に必ず音の価値観みたいなのを確認し合うんです。誰かの作品を聴きながら“こういう感じの音がいいよね”みたいにして。だから、いざ作業が始まってから迷ったり意見が分かれることはほとんどないですね。

atagi:感覚的に、ドラムの音もギターの音も、“カッコいい”より“気持ちいい”の成分を大事にしたいっていうところとか。バンドとして共通してそこをちゃんと全員が理解しているっていうのはありますね。

ドラムの音もギターの音も、“カッコいい”より“気持ちいい”の成分を大事にしたいっていうところとか。(atagi)

モリシー:それがどうやったら音で出せるのか、というのもだんだんとわかってきて。5人で音を出して合わせたときに、“あ、これメッチャ気持ちいいじゃん”って感じるような瞬間が掴めるようになってきましたね。

なるほど。私が新作を聴かせてもらって感じたのは、どれか一つの音が突出してその楽器の音色として主張するのではなく、むしろプレイヤーとしてのエゴみたいなものを意識的に押さえ込んで、意識的に平板にしているのではないか、ということなんです。シンセサイザーの音だと思ったらよく聴けばギターだった、ギターだと思ったらベースだった、というようにも聴こえる。つまり、あくまでメロディと歌、歌詞のために背景作りに演奏自体は専念するべく、そのために各パートが様々な音を演じている、というような。

モリシー:たしかに、僕ら全員それぞれのパートの特徴に固着はしていないですね。

マツザカ:逆に、プレイヤーとしてこう弾きたい、というより、編曲を意識して、その曲の中で、こういう音を出そう、こういう音が必要だからこうしよう、というようにそれぞれが考えて音を出している感じですね。それぞれのパートに任せる、というようなやり方をしないというか。

atagi:それはありますね。たとえば僕はリズムが好きなんですよ。でも、僕はギタリストだから関係がないということではなく、ギタリストとしてどう気持ちのいいリズムを作れるのか、ということを常に考えているし、他のみんなもそういう意識で統一されていると思うんですね。

でも、Awesome City Clubはリズムがガツンと出るようなサウンド・プロダクションではないですよね? むしろ、ベースもドラムも低音としての主張をほとんどしていない。にも関わらずリズミックな作風が貫かれているわけです。ここにはどういう創作の工夫があったと言えますか?

atagi:あ、それこそが“気持ちよさ”というのを追求した結果なんだと思いますね。僕はエンジニアとしての知識はないですけど、今回、mabanuaさんといっしょに作業をどうしてもしたくてミックスまでお願いしたんです。そしたらやっぱり思っていた通りの音像を作り出してくれた。現場では、こういう感じの音でいきたいんです、みたいなことは伝えていたんですけど、ちゃんとこっちの希望を理解してくれた。mabanuaさんの力は大きかったと思います。

たとえば、ニュー・オーダーを思わせるような、無機質なんだけどバウンシーな音の質感が感じられたりしますね。つまり、すごく無機質な音の感触を狙っても、フィジカルなバンドとしての有機的なものが自然と出てしまう。でも、最終的には熱くなり過ぎない。音の縦のレンジも広くない。限られたレンジの中に、コンフォタブルな感触を封じ込める作業に没頭したように聴こえるんですね。

モリシー:ああ、ニュー・オーダーは僕も個人的に大好きで。あらかじめ設定していなくても、レコーディングをしていて自然とエッセンスが出てしまうというのはあったかもしれないです。あのバンドには鍵盤もいればベースもドラムもいるけど、プレイヤーとしての主張が、少なくとも作品の中ではほとんど強調されていない。ギターもさりげなく居場所をキープしてアンサンブルの中で役割を果たしている、みたいな。そういうのがいいなと思って。たとえば僕は宅録の音作りが好きなんですけど、それをバンドでやるときにも生かしたいというか、必要な音を必要なときに鳴らすような感じであればいいかなと。

メンバー全員はプロデューサー的な第3の眼を持っているということですか。

モリシー:あ、そうかもしれないですね。たぶん、atagiなんかはメイン・ソングライターだから余計にそういうことを考えているんじゃないかと思いますけど。

atagi:このバンドを最初にはじめたときに、宅録のように音が整理されていて、有機的な音にはならないのかな、と思っていたんです。でも、実際に5人で音を出してみると、どうしても有機的な膨らみが出てきたんです。でも、それがイヤなものではけっしてなくて。個人的には宅録のあの感じが好きではあるんです。でも、バンドでやるときに心地良い音像っていうのをみんなで作り上げていくことにも喜びを感じたりするんですよね。

演奏者として主張が出ちゃうと、みんなあんまり楽しくなさそうなんですよ(笑)。不思議なもので、顔に出るんですよね。(PORIN)

では、なぜそういう“心地良い”音を求めるようになったんだと思っていますか?

atagi:歌詞や演奏で主張をし過ぎるようなバンドやアーティストがすごく多くて。それがトゥー・マッチに思えたんですね。で、自分たちで音楽をやるときに、そういうのはやりたくないな、とみんなで潜在的に感じていたんじゃないかと思います。

となると、ある種のBGM、何かをやるときに背後で流れている音楽でありたい、というようにも思われる可能性もあると思います。そこは本意ですか?

全員:あ、もう、まさに。

PORIN:その通りです。

atagi:僕らの音楽に対して、“架空の町のサウンドトラック”ってテーマを設けているのもまさにその通りで。やっぱりデイリーに聴ける音楽でありたいと思っていて。低音がバンバン前に出る音楽だと、好きではあるけど、毎日は聴けない。だから、さきほどおっしゃった、音のレンジが狭いというのも、その限られたレンジの中で心地良い音を作り上げていった結果なんだと思います。もちろん、曲のムードや風景を描くことは大事なんですけど、そこが過剰に主張しちゃうとダメなんじゃないかなって。

あくまで曲を作り上げていく一人になる目線を持ち続けていくということですね。でも、そこで作り手としてのエゴってどうしても出てくると思うんです。キャリアを重ねれば重ねるほど。これは自分の言葉だ、これは自分の音だ、というような。そことの戦い、折り合いはどうされているのですか?

PORIN:でも、演奏者として主張が出ちゃうと、みんなあんまり楽しくなさそうなんですよ(笑)。不思議なもので、顔に出るんですよね。他のメンバーもそうだし、肌に合ってないなっていうのが自分でもわかるんです。

奥ゆかしい音を出すことが主張である、と。

マツザカ:そうですね。こだわりがあるとすれば、まさにそこだと思います。メッセージがないところがメッセージだ、というのをコンセプトにしていたところがありましたからね。たとえば、僕はシャムキャッツが大好きなんですけど、彼らは東京郊外の町にいる人をフィーチュアして歌詞を書いたりしているし、ceroも東京に住んでいる人が描くパラレルな東京がテーマみたいになっているじゃないですか。それぞれちょっとずつ違う目線で東京という町を切り取っていて、それが一つ一つ形になっている。で、自分もなるべく同じものを観て、自分なりの見解を描ければいいなと思っていますね。でも、それを伝えなきゃ、というふうには強く思ってはいないんです。

atagi:気持ちじゃなく風景を歌うアーティストたちが最近増えてきているじゃないですか。とくに東京のインディーズのバンドとかって。でも、それって、自然としっくりきたスタイルが集約されたってだけだと思うんです。音に対してもそうで、「こういうのがいいと思うんだけど、どうかな?」みたいな感覚をなんとなく共有していくことを日々つづけているようなところがある。「これでオッケー?」「オッケーだよね?」みたいな。

つきつめていくと、ブラック・ミュージックにたどり着くと思うんですよ。そこに新しい感覚を与えることができるといいなと思っています。(atagi)

気持ち良い感覚をひたすら追求していくそれぞれの気持ちが一つに集約されていくことのスリル、みたいな感じですかね。

atagi:そうですね。つきつめていくと、ブラック・ミュージックにたどり着くと思うんですよ。でも、僕らは、そういうルーツを堀りさげていくというよりも、そのルーツに影響された音楽に興味があるし、今度は僕らがそういう音楽を作っていきたいという思いがある。バリバリの黒人音楽も好きだけど、ブルーアイド・ソウルだったり、黒人音楽のエッセンスを取り入れた音楽の中にある気持ちよさみたいなものですね。そこに新しい感覚を与えることができるといいなと思っています。

気持ちよさっていうのは、ある一定の経験に基づいた既視感、安心感によってもたらされるところがあるじゃないですか。それはともすれば、すでに出来上がっている価値観を再体験する、言わば保守的な作業かもしれない。でも、Awesome City Clubはそこに新しい感覚を与えようとしている。そこのバランスをどう意識していますか?

atagi:たとえば新作の中の最後の曲“涙の上海ナイト”、気持ちよくてラグジュアリーな曲を作りたいって意識のバンドがああいう曲は作らないだろうと思うんですよ。

歌詞も曲調もナンセンスな面白さがある曲ですね。

atagi:気持ちいい音楽として僕らが追求するジャズやソウルのマナーというか様式美にハマらないような、ハミ出る部分が出た曲だと思うんです。でも、ああいうイビツな曲でもグッド・ミュージックとして釣り合いのとれるものにすることができると思っていて。そこはかなり自覚的にやっていますね。でも、こういう音楽をやってシュッとカッコつけているということも自覚しているんです(笑)。

ele-king限定公開〈4AD〉ミックス! - ele-king

〈4AD〉といえば、最近はバウハウスでもコクトー・ツインズでも『ディス・モータル・コイル』でもない。それはすでにディアハンターであり、アリエル・ピンクであり、セント・ヴィンセントであり、グライムスであり、インクのレーベルである......というのは引用だけれども、そのアップデートはさらに途切れることなくつづいているようだ。レーベルとしてのカラーをまったく色あせさせないまま、しかしそこに加わっていく音とアーティストたちはより多彩により新鮮に変化している。
先日もピュリティ・リングの新譜が発表されたが、これを祝して〈4AD〉のA&R、サミュエル・ストラング(Samuel Strang)氏がレーベルのいまを伝えるミックス音源を届けてくれた。ele-kingのために提供してくれたもので、もちろんピュリティ・リングからはじまるセット。ギャング・ギャング・ダンスやチューンヤーズのエクスペリメンタリズムもくすまないが、グライムスピュリティ・リングドーターなど〈4AD〉らしい幽玄のヴェールをまとうエレクトロニック勢、アリエル・ピンクディアハンターらのアウトサイダー・ロック、ソーンのインディR&B、ホリー・ハーンドンのテクノ、そして昨年大きな話題となったスコット・ウォーカー+サンのコラボレーションまで、未発表はないものの、「そういえば聴いていなかった」作品に気軽に触れて楽しめるいい機会なのではないだろうか。


Purity Ring - push pull
Gang Gang Dance - MindKilla
Ariel Pink - Dayzed Inn Daydreams
Deerhunter - Sleepwalking
Daughter - Youth
Grimes - RealiTi
Tune-Yards - Real Thing
SOHN - Artifice
Scott Walker + Sunn o))) - Brando
Holly Herndon – Interference

Selected by Samuel Strang(4AD)


 デビュー・アルバム『空からの力』リリースから20年。Kダブシャイン、Zeebra、DJ OASISによるヒップホップグループ、キング・ギドラによる1995年リリースの同作が、リマスタリング盤となって登場する。この中には翌96年リリースのミニ・アルバム『影』(もちろんリマスター音源)、そして『空からの力』制作前にメンバーによって完全自主制作されたデモ・カセットの音源までが収録される模様、もういちど新しく聴きなおされるべきタイミングがめぐってきていることを予感させる。今年は『空からの力』セットでのライヴなども控えており、いよいよ待たれる。

Kダブシャイン、Zeebra、DJOASISによる日本のヒップホップ・シーンでもっとも影響力を持つグループ、キング・ギドラが1995年にリリースしたデビュー・アルバム『空からの力』のリリース20周年を記念したリマスタリング盤のリリースが決定! 数多くのアーティストたちに影響を与えてきた、誰もが認める日本語ラップの金字塔的作品が、当時の息吹をそのままに、20年の時を経てアップデート!

翌96年にリリースされたミニ・アルバム『影』の音源も同時にリマスタリングしてカップリング!
そして! 今回のリマスタリング盤のリリースの目玉となる『空からの力』制作前にメンバーによる完全自主で制作されたというデモ・カセットに残されていたデモ音源を収録! 当時のファンは咽び泣き、若いファンは驚嘆することマチガイナシな最高品質のリパッケージでリリース! これは事件だ!!!

同時リリースとなる完全限定生産のデラックス盤には、当時のライヴ映像やミュージック・ビデオなどを収めた98年のVHSリリース作品「影The Video」(現在廃盤/入手困難)のDVDをカップリング! 当然初のDVD化となり、こちらもファン必見なお宝の発掘!

デビュー20周年イヤーとなる2015年は「#ソラチカ20」と題し、KGDR(ex.キングギドラ)として本格稼働! 5/10にはRHYMESTER presents 野外音楽フェスティバル「人間交差点」に出演し、5/23にはリキッド・ルームにて開催となるP-VINE40周年記念イヴェントでのパフォーマンスが決定! また昨年開催されて大きな話題となったZeebraがプロデュースする夏のヒップホップ・フェス「SUMMERBOMB」が今年も開催となり、KGDR(ex. キングギドラ)として出演することも決定!
今年はギドラがシーンを騒がせます!!!

■キング・ギドラ
空からの力:20周年記念エディション

発売日:2015年5月20日
デラックス盤(CD+DVD:完全限定生産) PCD-18788/9 税抜価格 ¥3,000
通常盤(CD:期間限定生産) PCD-25178  税抜価格 ¥2,500

■イヴェント概要
「P-VINE 40th ANNIVERSARY」

出演:KGDR(ex. キングギドラ)〜「空からの力」20th ANNIVERSARY〜 and more...
日時:2015年5月23日(土曜日)開場 17:00/開演 18:00
会場:リキッドルーム
前売券:3,900円(税込・1ドリンク代(500円)別途)
 ※4月11日(土)発売開始
前売券取り扱い箇所:チケットぴあ[Pコード 261-848]
ローソンチケット[Lコード 77325]
イープラス
ディスクユニオン
JET SET TOKYO
Manhattan Records
タワーレコード(新宿店/渋谷店)
リキッドルーム
問い合わせ先:リキッドルーム 03-5464-0800 https://www.liquidroom.net

■「SUMMER BOMB produced by Zeebra」
第一弾出演者:KGDR(ex.キングギドラ)〜「空からの力」20th ANNIVERSARY〜
、RHYMESTER、ANARCHY、KOHH、2WIN(T-PABLOW & YZERR)
日時:2015年8月15日(土) 開場 15:00 予定
会場:お台場・ZEPP DIVERCITY TOKYO
特別先行販売:¥5,500- SUMMER BOMB x XLARGE®"OFFICIAL BOMBER"Tシャツ(チケット付き)
4月10日(金)から「XLARGE® ONLINE STORES https://www.calif.cc/shop/xlarge/ 」にて販売開始
オフィシャルHP: www.summer-bomb.com
問い合せ先:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999(weekday 12:00〜18:00)


interview with Tomggg - ele-king


Tomggg
Butter Sugar Cream【初回限定お菓子の箱盤】
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Tomggg
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ElectronicDream PopJ-Pop

 音楽をつくる仲間たちがスカイプを通じて集まってきて、互いの音を聴かせあったり、作業工程を見せ合ったり、他愛ない話をしたりというコミュニケーションは、インターネットの黎明期にあっては夢のひとつだったのかもしれないけれど、いまではそうしたことを当たりまえのようにできる環境が、次々と次代のプロデューサーたちを育んでいる。インタヴューの最後になってほほえましく語られた、彼らのささやかな音楽コミュニティの話をきいたとき、日本ではなかなか根づきにくいとされるUSのインディ音楽カルチャーのスタイルが重なってみえるような気がした。友だちの家でライヴをやる、いつでもやる、仕事や生活と両立してやる、音楽やそのアーティストに興味がなくとも親密な場所であればいっしょに楽しむ……芸能としてしか音楽の活動場所を築きにくい日本ではなかなか難しいけれど、そうした生活レベルの楽しみ方も音楽の尊いあり方のひとつだ。モニター越しではあるが、ネット環境の飛躍的な進化とともにそれは思いのほか一般化されているといえるのではないか──。

 Tomgggといえば、歴史的なネット・レーベル〈maltine(マルチネ)〉からのリリースや、kazami suzukiのイラストのインパクト(サンリオと吾妻ひでおのハイブリッドだそうな……)、ラブリーサマーちゃんや禁断の多数決などのリミックス仕事も相俟ってか、ネットを主なステージとして、オタク、機材系ギーク、サブカル、ポップ・シーンをスタイリッシュに縫合する、時代性にあふれた若手プロデューサーのひとり……といったイメージを勝手に抱いていたが、今回話をきいて、案外本質はそんなところにないのかもしれないという気持ちがした。
 いやいや、そうした印象が事実であることもたしかだと思うけれど、それだけではただわれわれが時代を人格化するのに適した一体のハイプを見つけだしたというに過ぎない。彼がもっと素朴に音楽行為を愛好するカルチャーの末端にいるということ、「アタマ10秒でつかまないと生き残れない」などという世知辛いプロデューサー意識と同時に、たとえそれが売れようが売れまいが、確実に音楽が生きることを楽しむためのきっかけになっているということに、格別な親しみを覚える。初の全国流通盤となる今作EPが「お菓子」をひとつのコンセプトとするものであり、それを自身が「生きていく上で絶対必要なごはん……以外の食べ物」として音楽と結びつけて語るのは、だから、不必要・不健康なもの、奢侈といった自滅自嘲的な意味ではけっしてなくて、生きる主体として必要な栄養だという認識からだろう。表題曲“Butter Sugar Cream”は音の言葉のカロリーや凝り方のわりには存外素直な、そして素直すぎるよろこびの表現なのだ。

※インタヴューのラストでティーザー音源をお聴きいただけます

■Tomggg / トムグググ
1988年生まれ、千葉を拠点とするプロデューサー。公募型コンピレーション「FOGPAK」や自身のsoundcloudなどインターネットを中心に作品を発表、これまでのリリースに〈Maltine Records〉からのEP『Popteen』がある。2014年は禁断の多数決やラブリーサマーちゃん、Porter Robinsonのリミックスなどを手掛け、カナダのトラックメイカーRyan Hemsworthとの楽曲制作も話題になった。2015年3月〈Faded Audio〉より『Butter Sugar Cream』を発表。

すごく強く、音楽では食えないという思いがあったもので──いまもですが。

音大を出ていらっしゃるんですよね?

Tomggg(以下、T):そうなんです。

しかも、国立音大ってかなりガチだと思うんですが。

T:ガチで、しかも作曲を学んでいたという──(笑)

そうそう(笑)、作曲科なんですよね。それっていったい、どういう動機で何を目指して入る学科なのかなって。

T:そうですね、専門がコンピュータ音楽ってもので、アカデミックなほうのコンピュータ音楽になるんですが。具体的に言えばMax/MSP(マックス・エムエスピー)やらマルチ・チャンネルのスピーカーやらを使って、サウンド・プログラミングを行ったりしていました。もともとの入学の動機は、作曲もしつつ、そこの学科では録音とかPAとかっていうエンジニアリングもやっていたので、そういうことを学べたらいいなということだったんです。

エンジニアリング。ではゆくゆくは何か、音楽に関わる仕事をしたいなという気持ちがあったわけですか。あるいは、職業作曲家として?

T:作曲家……というほどのことを思っていたわけではなくて、もうちょっと裏方のことでしょうか。

へえー。16、17歳くらいの年ごろの少年の夢というと、裏方というよりは、ギターを手に、もっと前に出て行ってやるんだっていうほうが順当なような感じもしますけど(笑)。

T:ええ、ええ。

具体的にそういう道へ進もうと思いはじめたのはいつ頃なんですか?

T:えっと、すごく強く、音楽では食えないという思いがあったもので──いまもですが。

ハハハ! さすがシビアな現実認識が骨身に沁みた世代でいらっしゃる。

T:(笑)──でも、そんななかでも、実際的に職業にできるものは何かって考えたときに思いついたものですね。

なるほど。音楽に憧れる最初のきっかけがあったと思うんですが、それはどんなものなんでしょう?

T:小っちゃい頃はクラシックとかをやっていたんですけど、中学……高校生のときかな? 父親が何百枚も入るCDラックを持っていて、60~70年代のロックとかハードロックが多かったんですが、それを1日に1枚聴いていくっていう作業をずっとやっていて。


父親が何百枚も入るCDラックを持っていて、60~70年代のロックとかハードロックが多かったんですが、それを1日に1枚聴いていくっていう作業をずっとやっていて。

おお。いま図らずも「作業」って言葉が出ましたけれども。

T:そうそう(笑)、まあ、僕が中学くらいのときはBUMP OF CHICKEN(バンプ・オブ・チキン)とかL'Arc-en-ciel(ラルク・アン・シエル)とかって邦楽のロックを聴いていたんですが、その原点って何? って考えたときにこのへんのロックだろうと思って、父親のCDラックをひたすら聴いていたんです。うちにはパソコンとかなかったので、音楽の情報はほぼそこからのみという感じでしたね。

へえー。いちおう認識としては、好きなもののルーツへと遡るという行為だったわけですね。具体的に名前出ます?

T:いや、ほんとにディープ・パープル(Deep Purple)とかツェッペリン(Led Zeppelin)とか(笑)。父親はそのへんが好きみたいですね。

ハードロックなんですねー。メタルとかいかず。

T:そうですね。オールディな感じで。で、気になっていったのがキング・クリムゾンで。

あっ、そうつながるんですね。プログレにいったんだ。

T:聴いてすごくびっくりして。1曲のなかにあんなに詰め込んじゃっていいんだって気づいて。

ああ、なるほど。『宮殿』からですか?

T:そうですね、『宮殿』から入り……。あとは、父が棚に年代順に並べていたので(笑)。

(一同笑)

かつA to Zで入れてますね、それは(笑)。

T:それは曲をつくるひとつのきっかけになっているかもしれません。

なるほど、そうするとTomgggさんの音楽のわりと構築的な部分に理由がつく感じがしますね。

T:そうかもしれないですね。それまでは、ちゃんとつくられた曲というとクラシックだけしか知らなかったので。モーツァルト、ベートーベン……完成されているものですよね。でもキング・クリムゾンとかは別次元で変なものがつくられているという感じを受けて、でも同時にそこにこそ強度があると感じました。

ツェッペリンとかも、プログレに連なるようなところはありますよね。牧歌的なハードロックというより。……すごく思弁的だったり。

T:そうですよね。あと、クラシックのようにすっきりとした音じゃなくて、もっとノイズにまみれたものを聴きたくなってしまったところもあります。でも、音はノイジーでも美しく完成されていて。

クラシックはクラシックでお父さんのコレクションがあったりしたんですか?

T:そんなになかったですね。ピアノの先生に教えてもらったりです。

おっ。やはりピアノされてたんですね。そこで弾いてたのは……

T:古典的なものですね。

なるほど、印象派とかではない?

T:そこまで……いってなかったですね(笑)。印象派にたどりつくのは音大に入ってからです。

でも、古典よりとっつきやすくないですか?

T:うーん、そうでもなかったですね(笑)。

なるほど。Tomgggさんは2000年だと12、3歳くらいですかね。クラシック以外ではどんなもの聴かれてました?

T:SMAP(スマップ)とかですかね。テレビから流れてくる音楽です。

なるほど、お父さんのアーカイヴに手を出しはじめたのはその後ですか?

T:中学は、ほぼ音楽には興味がなかったんです。だから高校からですかね。陸上部に入っていて……しかも砲丸を投げていたという激ヤバなストーリーがあるんですが……。

ハハハ! それはヤバいですね。人はいつ砲丸に向かうんですか(笑)。

T:どこも人が多かったので、人のいないところを探したら砲丸だったというか(笑)。フォームはよかったらしいです。

フォームね(笑)。Tomgggの音楽を語るときのキーワードになるかもしれませんね。


空間に興味を持った理由のひとつが、音楽のなかにどれだけの音の情報を詰め込めるかということだったんですよ。

と、紆余曲折あって音大進学となるわけですが、「電子音響音楽と空間表現」ですか。ホームページのプロフィールかなにかで拝見したんですが、それが修論のテーマだったと。これはいったいどんな研究なんでしょう。

T:ヨーロッパのラジオ局からはじまって、現代音楽が盛り上がって、カセットテープやレコード……いわゆる電子音響、電気的に音楽が録音できるようになって。それ以降、音楽に何ができるようになったのかということをひたすら研究していました。そこでのひとつキーワードとしては「空間」。空間を使って作曲ができるかということを試みた人たちがいて、それがすごくおもしろかったんです。

部屋一個ぶん使うくらいの音響装置とかエフェクターとか、そういうもののことですか?

T:そういうのもありますけど、たとえば、お客さんとステージという関係を前提とすると、音楽が前から鳴ってくることが普通のことのように感じられますよね。でも後ろから鳴ってもいい。そういうことが可能になったんだという研究があって、それは具体的に何をしているかというと、たくさんスピーカーを使っていたりってことなんです。電気的な装置を使って、それをどこまで拡張していけるのか。そういうことをひたすらやりましたね……。

へえー。じゃあ、ハンダゴテが出てくるような研究というよりも、もう少しコンセプチュアルで抽象的なものについて考えていたわけですね。かたや、裏方でエンジニアやるってなると、ハンダというか、装置の中身の話にもなっていくと思うんですが。

T:そうですね……、サウンド・プログラミングをやって、ってくらいなんですが。自分でエフェクターをつくったりはしましたけどね。

では、その頃に学んだものはいまのTomgggの音楽に大きく影響を与えていると思いますか?

T:そうなんでしょう。空間に興味を持った理由のひとつが、音楽のなかにどれだけの音の情報を詰め込めるかということだったんですよ。2チャンネルのステレオの中だと、詰め込める周波数が限られているんですね。でも、そのスピーカーを増やしていけば、詰め込める量が増えていくじゃんってことに気づいて。

ははあ……、個数の問題なんですか。

T:どうなんですかね(笑)。2個よりも4個のほうが音を詰め込めるんじゃんって考えました。で、いろんなところから音がしたら、もっと表現も広がるなというふうに発展していったりとか。

なかなか頭が追いつかないのですが……。恐縮ながらすごく具体的なところでどういうことをやったという例がないですか?

T:そうですね(笑)、たとえばヘッドホンで聴いたときに音が左、右、左、右って音が移動するように聴こえるエフェクトがあるじゃないですか。あれをもっとぐるぐる回したいとか。

おお、音をぐるぐる回すってのは、それこそツェッペリンがすごく早くにやってたやつじゃないですか?

T:あ、ほんとですか。いちばんはじめが誰かわからないけど……。


大学を卒業すると同時にそういう研究はスパっと終わりにして。次にどんな音楽をやろうかというときにインターネットかなと思いました。

おお、何かつながったということにしましょうよ(笑)。ぐるぐるやったりしてたわけですね。ご学友というか、まわりの人はどんなことをやっていて、いまどんな仕事に就いているんですか?

T:まわり、何やってましたかね。MVとか映像が流行りだしたころだったので、それこそ「映像と音の関係」とか。ミシェル・ゴンドリー(Michel Gondry)とかいろいろ出てきましたし。

ああ、なるほど。真鍋大度さんだったりを目指すとか。こうしてお話をきいてくると、サブカルチャー的な部分との接点はありつつも、かなりハイブローなものからの吸収が大きいですよね。先日MiiiさんやLASTorderさんのお話をうかがったばかりなんですが、たとえばMiiiさんなんかがギークとしてのアイデンティティを持ちながら〈maltine(マルチネ)〉に接近していくのはよく理解できるんですよ。Tomgggさんはどうして〈Maltine〉なんでしょう?

T:本当に飛び石というか、大学を卒業すると同時にそういう研究はスパっと終わりにして。次にどんな音楽をやろうかというときにインターネットかなと思いました。imoutoid(イモウトイド)っていう、むかし〈maltine〉にいたアーティストがすごく好きだったんです。ああいう感じでやりたいなという。それでいろいろやっているうちにつながったというか。

なるほど! 音源を送ったりしたんですか?

T:いえ、そういうわけではなかったんですが、卒業してからずっと、インターネットの音楽ってどんな感じだろうって思って探ってたんですね。潜伏していた時期があるんですが、たとえばRedcompassくんがやっているFOGPAKっていうコンピのシリーズとか、そういうところと接点を持ったという感じです。何曲か送りました。

Redcompassさんも、いろいろなものをつないでいる方ですね。

T:そうですね。そうしているうちにtomadさんから連絡をいただいて。ボーエン(bo en)がはじめて来日するときに、リリパで出ませんかというふうに声をかけてくれたんです。もちろん、出ます出ますということで(笑)、それでここまできている感じです。

なるほどー。たとえば、とくにドメスティックなこだわりのない音楽をされている方だと、海外の好きなレーベルから出したいって気持ちもあったりすると思うんですが、そういうこともなく?

T:そうですね……、ネットを探っていたといってもとくに〈maltine〉以外に見えていたわけじゃないです。あんまりたくさん知らなかったかもしれませんね。

そうなんですね。tomadさんがつなげたものって、音楽というよりもヴィジュアルとかスタイルとか風俗とか、そのなかでのふるまいとして音楽もあるというか。そういうもの込みでのネット・カルチャーですよね。

T:ええ、ええ。

〈maltine〉がなくてもアルバムをつくってました?

T:ネット・レーベルがすごく流行っていたころだったので、僕も友だちと「やってみるか」っていうことになったりもしたんです。でも結局それもふるわず。

そうなんですね! 音源はタダだから経済的に成功してやるというような野心はあんまりないでしょうけど、わりとみんながネット・レーベルというものに夢をみた時期だった……?

T:そうですね、僕についていえば、関わってみたかったという感じでしょうか。


音楽をつくるなら歴史にアーカイヴされる必要がある、って思っちゃうんです。

なるほど。同時にパッケージの必要性とか、あるいは「アルバム」「シングル」ってかたちで音をまとめる意義も自然と問い返された時期だったと思います。〈maltine〉からの3曲入りの「Popteen」は、どういう意識です? アルバムとかシングルとか。

T:アルバムでもシングルでもないですね。ふるいかたちを借りればEPということになると思いますけれども。3曲くらいあればまあ、かたちにはなるかなというところで(笑)。2曲だとまとまりにかけますし。3曲だと「集団」だなって感じがします。

今回の『Butter Sugar Cream』は4曲+リミックスというかたちですよね。このサイズ感って、じゃあアルバムですか?

T:うーん、そうですね……。これでやっとひとつのものだぞという感覚が生まれましたかね。

へえー。まあ、10数曲入っていたりするじゃないですか、プラケに入ったCD、アルバムってものは。

T:10数曲あると聴かないんですよね(笑)。

ハハハ。そのへんはある種のユーザビリティみたいなものへの配慮もあるとか?

T:自分の制作ペースとかもあるんですけどね。僕、1曲をつくるのがけっこう大変なんで……。

寡作なんですね。音づくりに手間ひまをかけるから? アイディアが出てくるまでの問題?

T:どっちも……ですね。『Butter Sugar Cream』も結局10月くらいからつくりはじめて、2月のあたまくらいにやっとできたので。繰り返し聴くのに耐えられるかってことをよく考えます。

なるほど。

T:PC上では、何度もあたまから聴き返しつつつくるわけですから、それに耐えられるかというのは自然にイメージするところですね。「これ、つまんないな」っていうのは何度も寝かせました。

私は「俺の歌を聴け」世代というか。グランジとかが直撃で、ロックがまだまだ洋楽のメインストリームだったんですが、そこではもうちょっと「俺の歌」が優先されていたと思うんですね。客が何度も聴けるかどうかなんて知ったこっちゃなくて、まずそれが我(おれ)の音楽だってことが大事というか。そのへん、Tomgggさんとかは真逆で、すごいユーザー視点なんですねー。

T:ああー、なるほど。僕の大学の先生が「中毒性」ってことをよく言っていて。その言葉が今回の作品のお菓子のパッケージにもぴったりだなと思うんですが、何回聴いてもまた聴きたくなる、そういうものをつくれるかどうかってことを考えていましたね。それから、音大出だからだと思うんですけど、音楽をつくるなら歴史にアーカイヴされる必要がある、って思っちゃうんです。

ああ、はい。

T:音楽史っていうものがあって、そのなかにレジェンドな曲が配置されていて、それは何百年間も聴かれる曲で。……そういう思いも底にはあるのかなあって。

なるほど。いま、それこそネット環境だと、音楽はタイムラインのなかで一瞬で消費されたりして、そのスリリングなスピードがつくる側にもおもしろさを生んでいたりもしますよね。そんななかで何百年も残るものを目指すというのは、何か、Tomgggというアーティストのスタンスを知る上で見逃せないところかもしれませんね。

T:そうかもしれませんね(笑)。

このお菓子みたいなジャケだって。一回開ければ終わりでしょう(※)? それまた、替えのきかない一回的なものとして永遠に残ろうとするものだって解釈できますよね。


※市販の菓子のパッケージのように、ボール紙でできたジャケットを破るかたちで開封する

T:これは本当にお菓子のパッケージのイメージなんです。入口がお菓子、中身がCDという。お菓子だと、結局は中身が食べられて外側も捨てられちゃいますけど、音楽はなかなか消えない。

すごくきれいに考えられてる。それに、音楽の歴史を意識しているっていうのは、なにか貴重な証言をいただいた気がします。

T:それほど意識するというわけでもないんですけどね。でも俯瞰して見ちゃうというか、そういうところはどうしてもありますね。


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(歌詞のオーダーについては)甘いものを食べてる……部屋の中でひとりでお菓子を食べているというイメージでやってほしいと言ってたんです。



そこでこの『Butter Sugar Cream』ですが、甘味三段活用。もう、甘いぞーってタイトルですね。ワン・ワード?

T:ワン・ワードでいいと思います(笑)。

ハハ、この甘いものの三段重ねは、ご自身の音への自己評価なんですか?

T:ああー、なるほど、そうですね……。「バター・シュガー・クリーム」って言葉自体は、この歌詞をつくってくれた辻林(美穂)さんが使っていた言葉なんですよ、歌詞のなかで。僕としては、甘いものを食べてる……部屋の中でひとりでお菓子を食べているというイメージでやってほしいと言ってたんです。

あ、そこまで明確にディレクションされてたんですね。

T:そうですね。けっして相手がいないかたちで、甘いものを楽しんでいる状態というか。で、実際にできた詞のなかの「バター・シュガー・クリーム」って言葉がとてもよかったので、タイトルとして使うことにしました。あと、「シュガー・バター」だとウェブで検索したときにノイズが多そうなんですけど、「バター・シュガー・クリーム」だったらこれしか引っかからないし。

ハハハ。「バブルガム・ベース」なんて言ったりもしますけど、まあ、バブルガムとはニュアンスがちがうにせよ、「バター~」もポップで甘いってとこは共有してると思うんですね。そこで、ポップとか甘いとかって感覚が目指されているのは何なんですかね?

T:なんですかね、「カワイイ」を横にズラした感覚っていうんでしょうか。「カワイイ」を言い過ぎてしまうというか。手に余る感じをわりとポジティヴに表現してるんじゃないですかね。

ははー。それはなんか、咀嚼したい回答ですね。なるほど。しかしそもそもクリムゾンとツェッペリンからはじまって、行き過ぎたカワイイまでいったわけですか(笑)。

T:ははは。やっぱり、遠回りしたほうがおもしろいなっていうのはあります。ルーツがそのまま出るよりも。それから、たとえばノイズっていうものは一部の人にしか楽しまれないものだと思うので、せっかくならいろんな人が聴く場所でやってみたいという気持ちもありますね。お菓子ってみんな好きですよね。漬物とか、限られたひとの嗜好品みたいなものよりもそっちをやりたい。子どもも大人も食べられるようなものを使って発信したいです。

ということは、Tomgggさんの目指している音楽性は、Tomgggさんの考えるレンジ、リスナー層の幅に対応しているものだと。

T:そうですね。なんだろう、生きていく上で絶対必要なごはん、以外の食べ物。本当は食べなくてもいいもの、動物としてじゃなくて人間として必要な食べ物。お菓子ってそういうことですね。

ああ、人はパンのみにては……バター、シュガー、クリームなしには生きられないと。

T:重要ですね(笑)。

なるほど。ですけど、あえて反論するなら、たくさんのひとが快適で楽しめる感じの甘さであるには、『バター・シュガー・クリーム』はちょっと毒なくらい過剰に甘すぎませんか?

T:でも思いっきり濃くしないと。薄い甘さじゃ広がらないだろうなって思います。やっぱり10秒聴いてグッとくるかこないかの世界──インターネットってそういう場所だと思うんですけど、プレヴューで10秒、20秒、30秒って飛ばして聴かれるようなときに耐えられる甘さにしなきゃいけないわけですよね。


思いっきり濃くしないと。薄い甘さじゃ広がらないだろうなって思います。

(担当さんに向かって)……いまのミュージシャンって、ほんと大変ですね。

T:自分もそうだし、みんなもそうだと思うんですよね。

マジで絶句しましたよ。俺の歌を聴くまで待つとか、そんな悠長なことをいっていられないんだ。むしろ、あっちはお客様ってくらいの意識があるというか。

T:そうですね、自分もやっぱり聴く立場だし。SoundCloud(サウンドクラウド)とかも日々更新されるじゃないですか。時間をそんなに取れないから、こことこことここだけ聴く、みたいな。

盤を買いにレコ屋さんに行って掘ってきたりってするんですか?

T:サンクラ……ですね。それこそ高校生の頃はディスクユニオンのプログレ館に行ったりとかしてましたけど。

ハハハ。でもその頃は、ひととおり紙ジャケの再発ものがバンバン出ていて、聴きやすいし買いやすかったんじゃないですか? 解説も新しくついてるし。

T:そうですね。たしかに再発で新しく知るきっかけになったり。

そうですよね。プログレ館まで行くんなら、聴いてたのはイギリスのバンドとかだけじゃないんじゃないですか? アレア(Area)とか。

T:アレア聴いてましたね。もちろんヨーロッパからですけど、イタリア系も聴いて。オザンナ(Osanna)最高、みたいな。

ハハハ! マジですか。ジャズとか、ちょっとクラシックにも寄ってきますしね。頭おかしい合唱みたいのでアガったりとかしませんか。

T:どうですかね、マグマ(MAGMA)みたいのもやってみたいですけどね。

いいですねー。バーバーヤガッ、つって。それぎりぎりカワイイなのかな(笑)。

T:ははは。

でも訊いてみたかったんですよね。グロッケンとストリングスを禁止したら、Tomgggさんはどんなものをつくるんです?

T:やっぱひたすらマグマみたいになりますかね(笑)。ひたすら繰り返して……すげー盛り上がる、みたいな。

あははっ!

T:やっぱりいまのスタイルは、グロッケンとかストリングスでメロディをつくるっていうところなので、それを禁じられるとメロディをつくれないだろうから、ひたすら繰り返すっていう方向になるだろうなあ……。

いまもそういう方向がないこともないですけどね。カワイイをひたすら横すべりさせていって……

T:大袈裟な展開と音づかいにする。

ははは。そういえば、アナログな音への憧れとかないんですか? ヴィンテージなシンセとか。

T:ああー。はっきり言ってしまうと、シンセにそこまで憧れがなかったりもするんですよね。

ラスティ(Rusty)が好きって言っておられましたっけ。彼なんかはそういう憧れがちょっと逆に出てるのかなって感じもしますが。彼の音楽はどんなところが好きなんです?

T:はじめて聴いて、カッコいいなーっていうのがきっかけです。この感じがほしいなって。

音のカロリー高いですよね(笑)。

T:そうそう!

情報量も凝縮されていてね。逆に、チルな感覚ってないんですか?

T:僕は、重ねるというか、足し算で音楽をつくっていくタイプなんで、どちらかというとカロリー高めにはなりますかね。はじめの、スピーカーを増やして情報量を過密にするという話ではないですが。

ああなるほど、じゃ北欧シンフォニックみたいにね、異常なエネルギーで過剰な情報量をさばいていくかんじのポップス、やってほしいですね。

T:ははは、いいですね。

ポストロックとかは通ってますか?

T:そうですね、多少。ポストロックというかわかりませんけど、ゴッドスピード・ユー!・ブラック・エンペラー(Godspeed You! Black Emperor)とかはカッコいいですよね。

ええー。なんだろう……素っ裸になったりしなきゃ。

T:いやいや、そんなストイックだったりはしないんですけど。あとはドンキャバ(Don Caballero)とか。

ええー! そうか、お話を聞いていると、意外に底に沈んでいるものがハードコアですね。手数の多いドラミングとかは、まあ、情報量ですかね。

T:ああ、ドラムがメロディみたいになっていますよね(笑)。好きですね。

なるほどなー。バターとシュガーとクリームの成分がわかってきました。


もともと人の声を切り取ってきてるわけなんですが……。ただ、ヴォーカルに還元したくないんですよね。

でも、じゃああの甘さっていうのは仮面?

T:甘い餅にくるむみたいな感じ。どんな中身でも、食べちゃえばわかんないでしょっていう(笑)。

ハハハ。でも甘いものは本当に好きなんでしょう? 戦略的な意図だけで劇甘メロディを入れている、ってわけじゃないですよね。

T:好きですよ。やっぱりそこは、たくさんのメロディがあったほうが楽しいなって思いますし。

うーん。なんか、食えないやつですね、ほんと。

(一同笑)

ご自身のピアノを生かしたいというような気持ちはないんですか? 作曲技法ってことではなくて、生音として取り入れたいというような。

T:そうですね、自分の曲をこのままバンドに変換できたりしないかなってことは考えたりするんですけどね。あまり生音に関心があるというようなことではないですね。

おお。そうか、譜面が書けるんですね?

T:書けますね。

ということは、バンドに手渡すということもできますね。それはそれで、おもしろい展開が考えられそうですね。この作品も2曲めとかにヴォーカル・サンプルが入っているわけですが、あれはトラックを渡してその上で歌ってもらうってことじゃなくて、声のデータをもらってつくっているんですか?

T:はい。素材としてもらって、それを打ち込んでます。

ボーカロイド以降の感覚ってあります?

T:そうですね。でもボーカロイドっていうよりも、僕はコーネリアスが好きなので、コーネリアスのヴォーカルの使い方ってあるじゃないですか? あれをどうにか僕なりのかたちでやってみたいという感じなんです。

一見、人間性みたいなものをばらばらにしてるような。

T:ええ、ええ。声らしき断片みたいなものがあって、声かどうかは一瞬わからないんですけど、やっぱ声でした、みたいな感じ。そういうイメージですね。

では、生の声への信仰があるのかどうかってあたりをうかがいたいんですけども、どうですか。生のヴォーカルのほうが尊いっていうような。

T:生の声のほうが言葉になるっていう感じはあるんですけどね。メッセージが強く出ますよね。ボーカロイドだとただ音色になる部分もあると思うんですけども。

ああ、なるほど。Tomgggさんのこの声の使い方は、声を音色にする方法論ではないんですか?

T:声を音色にしてるんですけどね……なんだろう、もともと人の声を切り取ってきてるわけなんですが……。ただ、ヴォーカルに還元したくないんですよね。

人が能動的に歌うものにしたくないという? 歌い手が歌う歌にはしたくない?

T:そう、メロディではあるんですけど、ヴォーカルを切り取ってきたときには、無機質な状態のほうがやっぱりおもしろいって思います。

なるほどなあ。人が歌う歌って、その人の人間性の限界みたいなものも出ちゃったりするじゃないですか。よくも悪くもとにかく情報量がノイジーで。……でも、そういう人間性みたいな部分がいらないわけじゃなくて?

T:そう、人間性もほしいんだけど、無機質さもほしいって感じですね。やっぱり、録音された素材はそれ以上広がりようがないじゃないですか。その状態を保ったままつくるというか。

そこには人格とかキャラクター性はない?

T:僕の曲だと認識されやすくなるためのひとつのキャラクター性ではあるかもしれないですね。持ち味というか。そういうものは生まれているかもしれません。どの曲にもちょっとずつ混ぜ込んであるんですよ。


ライヴでは前でぴょんぴょん跳ねているのが楽しいんですけどね。

なるほど。一方で、歌詞もきっちりついている“Butter Sugar Cream”ですが、これはさすがに「歌い手性」みたいなものも出ているかと思います。これは、「女の子ヴォーカルを歌わせる」っていうような意味でのプロデューサー意識はありました?

T:そうですね、さっきも少し触れましたけど、この曲は歌詞をつくるのにもけっこう口を出しているんです。あと、歌い方も指定してつくったものですね。いろいろ歌詞があって、最後「消えたりしない/溶けたりしない」って繰り返すのはぜったいやりたいと思っていました。

へえ、それは──?

T:あの音色でこんな言葉を入れたらおもしろいだろうなって。「歴史にちゃんと残るんだ」っていう気持ちにリンクするなという気持ちもありました。

ああ、なるほど、かなりコンセプチュアルなんですね。誰かシンガーを引っぱってきて歌わせたいという思いはあります? この作品でもフェニックス・トロイ(Phoenix Troy)さんがラップで参加されていますけど、トラックを提供して歌い手を歌わせるというふうに仕事を発展させていきたいというような。

T:そうですね。この2曲はうまくいったなとは思うんですけど、まだまだ発展はできるなと。

彼にラップを入れてもらったのはなぜですか?

T:これは、あちらからアプローチがあって。それで、こういうリリースがあるからそのなかに入れましょうっていうふうになりました。「お菓子がモチーフなんだ」みたいな話をして(笑)。

へえー。ボーエンさんもそうですけど、なんかそういう、日本人みたいな人たちいますよね。たんにインターナショナルだっていうことじゃなくて、日本人めいた人。

T:ははは。

しかし、Tomgggさんって、自身がすでに歌ってるというか、トラックがものすごく歌うでしょう?

T:そうですかね(笑)。

だから誰かに歌ってもらう必要がないようにも思うんですよね。こうやって歌い手と仕事をして、変化した部分もあったりしますか。

T:広がりましたね。いろんなメロディを重ねていくなかで、独自性のある声も出てくるし、さらにそこに自分の音が重なることで情報が増えるなっていう気持ちはあります。

Tomgggさんの場合、そもそもの夢の方向が裏方を向いていたわけですけど、裏から糸を引っぱって踊らせるっていうプロデューサー志向が、かなり若い人のなかで強いような印象があるんですよ。そのあたりはどうですか?

T:ははは、でもライヴでは前でぴょんぴょん跳ねているのが楽しいんですけどね。記号的なオモテというか、前に出てくる出演者でもあるというところはほしいはほしいですよ。

ああ、ぴょんぴょん跳ねてるっていいですね! 2曲めは、指をぱちんってやる音がサンプリングされてたりもするじゃないですか。ああいうのも不思議な空間性を生んでますよね。

T:音楽的に使わないであろう音色ってあると思うんですけど、それが普通の音楽に持ち込まれたらどうなるかっていうのを意識することはありますよね。エレクトロニカとかのモチヴェーションに近かったりするかもしれないですけど。ライヴでも、最近は曲と曲の間に雑踏の音を入れたりとかしはじめてます。


足、太い女の子が好きな人が聴く音楽になってほしいですね。

いまのスタイルだと、ある種箱庭的に、すべての要素を自分自身の手で決定してつくってるわけですよね。ジャケットのイラストはkazami suzukiさんで、〈Maltine〉からのEPでもお馴染みの方なわけですけれども、最初のころからすでにけっこうご活躍の方だったんですか?

T:どうなんだろう。〈Maltine〉のときが最初なんですけど、あのときはtomadくんが見つけてこられたんですよね。Tumblr(タンブラー)にいい感じの人がいるって(笑)。……やっぱりそこにはtomadがいるという。

ハハハ! すごい、さすが名プロデューサー。つなげますね。だってすでにTomgggさんの音と切り離せないようなものになってるじゃないですか。

T:そう、もうキャラクターが生まれているんで(笑)。

Tomgggさんから見て、kazamiさんの作品の客観的な評価はどんな感じですか?

T:なんていうか、ロリっぽい感じだとは思っていて。僕の曲──声のサンプルもそうなんですけどね。そういうオタクくささみたいなものが絵のなかに凝縮されていると思いました。やっぱり、本人も吾妻ひでおがどうとかって言ってましたしね。

ええー、そうなんですか。なるほど。……足、太いですよね。

T:そう。そう、足、太い女の子が好きな人が聴く音楽になってほしいですね。

ハハハ! またニッチなところに投げましたけども(笑)。いや、でもこれはもっと概念的な太さだとも思うんですよね。実際に太いってだけじゃなくて。

T:ええ、ええ。

この輪郭の崩れた感じとか。

T:カロリーを感じますね(笑)。

ハハハ、そうそう(笑)。どうです、こういう絵は詳しいほうですか?

T:いやー、詳しくはないですけど、でも実写とか写真とかそういうものよりはぜったいイラストがいいとは思っていたんです。

へえー。もし彼女に頼まなかったらどんなジャケになってたと思います?

T:どんなジャケになってましたかね(笑)! アクの強いイラストがよかったので……見つけてきてもらってすごくよかったですね。それから今回も思ったんですけど、キャラクターって重要だなと思いました。

キャラクターですか。

T:やっぱり強いです。どこにいってもついてくるものというか。逆に言えばどこにでも連れていける感というか。これ俺だよっていう感じで。

音楽性とか人格も宿っちゃいそうな……

T:それはあると思います。

それはおもしろいですね。可愛くてコンパクトな情報の運び屋になる。この絵をみるとTomgggさんの音が思い浮かびますからね。

T:いい出会いをいただいたんだと思います。最初は「ポムポムプリン」とかサンリオ系のキャラクターが好きだったみたいですよ。

へえー。

T:それがあるとき吾妻ひでおに出会って……

ハハハ。すごいなあ。でもサンリオもいま総選挙とかやってますからね。

(一同笑)

ポムポムプリンもセンターとらなきゃって、世知辛い時代ですよ(笑)。吾妻ひでおのほうにいってよかったんじゃないですかね。


ソウルフルな女性ヴォーカルはやりたいという気持ちもあるんですよ。

さてヴォーカルのほうですけど、tsvaci(ツバシ/辻林美穂)さん。彼女もまた音楽を専門的に学ばれてる方ですよね。プロとしてのお仕事もけっこうされている。

T:そうですね、まだ事務所には入っていないようなんですけども。いろいろ呼ばれてやってますよね。出会いは、tofubeats(トーフビーツ)が去年のいまぐらいだったか、ラジオでミックスを流したことがあって、そのなかに入っていたのがtsvaciさんの“You know…”っていう曲だったんですけど、それがよさそうだなって思って声をかけたんです。それから何か月も経ってやっと曲ができましたという感じだったんですけど(笑)。

戦略的に選ばれているのかもしれませんが、ロリっぽいものは素朴に好きなんですか?

T:うーん、いちばんイメージしやすかったんですよね。自分の音から。

ああ、音との相性ということですか。個人的な嗜好として好きな女性ヴォーカルの名前は挙がります?

T:やくしまるえつこに衝撃を受けて。

ああ、それは大きいですね。

T:太くてゆたかなアルトとかが素材としてあったとしても、それはピッチを変えてケロケロさせちゃうかもしれません。音に合わないから。

ハハハ、なるほど。じゃあ時代にチューニングしてるみたいな部分もあるのかもしれないですね。自分の趣味だけでやるとしたら別ってことですか?

T:うーん、どうでしょう。でもソウルフルな女性ヴォーカルはやりたいという気持ちもあるんですよ。

へえー。フェニックス・トロイさんとかも、グライムとか、あるいは白人ラッパーとかの雰囲気ではないですもんね。

T:自分のトラックに乗せたらギャップがあってすごいおもしろそうだなって思って。ほんとに、相手に合わせるんじゃなくて、こっちのやり方に合わせてもらうつもりでトラックを渡しました。

なるほどー。ちなみに男の人の声はケロケロさせなくてよかったんですか(笑)?

T:ははは、あれはあのまま乗せましたね。

男の人の声はケロケロさせたらどうなるんですかね。ていうか、女の子の声があふれていますけど、男の人の声ってなにかおもしろい展開ないんですかね。

T:はいはい(笑)、やっぱプログレやるしかないんじゃないですか。オペラを登場させるしか。

ハハハ! つながったー。男声合唱やるしか(笑)。

T:声で音圧を高めなきゃ。

挑戦はつづきますね。


放課後の部活というか、みんな社会人で、働いてるんですけど、土日は曲をつくって。

ちなみに〈PCミュージック〉とかはどうですか? 熱かったですか。

T:すごくグッときましたよ。雑な感じというか、軽率な感じというか。

はは、軽率な感じということなんですな(笑)。

T:ははは、このまま行っちゃうんだーみたいな感じですかね。雑なんだけど、何か新しいものを提示しているっていう、そういう気分を共有できました。

雑さは織り込み済みの評価なわけですね。雑っていうのは……ヴェイパーウェイヴみたいな露悪性があるわけではなくて、ただ雑、っていう感じ?

T:そのへんですかね。新しさと、あとはミックスの感じにも不思議な印象を受けてます。好きになりましたね。

〈Maltine〉の中ではとくに仲のいいアーティストって誰になりますか?

T:三毛猫ホームレスとかですかね。

素敵ですね! なんでしょう、楽理系というか、そういう部分での共感もあるんですかね。

T:あとはHercelot(ハースロット)とか。テクニカルな感じの人たちでしょうか(笑)。スカイプで作曲講座みたいなものが展開されてたりするんですよ。

いいですねー。

T:三毛猫、芳川よしの、Nyolfen(ニョルフェン)とか……、スカイプで日々会話してます。

つくってるときのPCの画面を全部見せるみたいな感じですか。内輪でしか公開しないもの?

T:そうそう、新曲をそこで批評しあったり。

楽しそう。オープンにしないのは、ショーではないという感じなんですかね。

T:うーん、そうですね。放課後の部活というか、みんな社会人で、働いてるんですけど、土日は曲をつくって、そういうところに集まる……。

いいですねー。部活の楽しさもあるし、テクニカルな交歓もある。

T:テクニックは……それぞれお互いのやり方を見ながらも、実際のところそれほどテクニックに興味がなかったりもするんですよね。音圧とかもみんなわりと、どっちでもよくて(笑)。

そうですか。それはほんとに……尊いというか。歴史に残る残らないという尺度とはまた別の次元で生きている音楽の例ですね。

T:そういう自覚があるわけではないですけど、そうかもしれませんね。歴史には残りたいですよ(笑)。



KiliKiliVIlla - ele-king

 ここ数年、全国の各地域それぞれのスタイルで育っているシーンが独自のネットワークで活動を広げている。そこに集う新しい価値観とユニークなサウンドを持ったアーティストを書き下ろしの新曲でコンパイル。数年後に振り返った時、このコンピレーションがその時代にとっての『C86』や『Pillows & Prayers』になるかもしれない。
 1970年代後半から1980年代前半、多くの自主レーベルが活動を開始したこの時期、新しく、しかしマイナーな音楽を愛好する同志が情報を交換し、コミュニケーションの場として機能していたのがファンジンだった。インターネット経由でどんな情報にもアクセスできるいまだからこそ、音楽をテーマに志しを同じくする者が集える場所をファンジンとして作ってみようという試みだ。
 80年代から90年代、シャープな絵柄と巧みな人物造形でロック・バンドを描いた名作『緑茶夢』、『おんなのこ物語』の作者、森脇真末味へのメール・インタヴューが実現!
 いまアメリカで最も注目されてカセット・レーベル、〈バーガー・レコーズ〉の創設者のインタヴューも収録!

 レーベル・コンピレーション第一弾、4月22日発売決定!
 1,000部限定、KiliKIliVilla初のファンジン付きレーベル・コンピレーション
 ファンジン、CDを豪華ケースに収納の特殊パッケージ
 タイトル:「While We're Dead.」~ The First Year ~
 品番:KKV-004FN
 値段:2,500税抜
 安孫子真哉プロデュース、全13バンド書き下ろし新曲を収録。

 収録アーティスト
 01.Laughing Nerds And A Wallflower/NOT WONK
 02.リプレイスメンツ/SEVENTEEN AGAiN
 03.SILENT MAN/THE SLEEPING AIDS & RAZORBLADES
 04.Littleman/SUMMERMAN
 05.The sunrise for me/over head kick girl
 06.FINE/Homecomings
 07.Tornade Musashi/CAR10
 08.I ALWAYS/MILK
 09.それはそれとして/Hi,how are you?
 10.All Time Favorite/odd eyes
 11.レイシズム/Killerpass
 12.The Sun Wind In Summer Zeal/SUSPENDED GIRLS
 13.Douglas/LINK

 ファンジン著者一覧
 インタヴュー
 ショーン・ボーマン(バーガー・レコーズ)インタヴュー
 森脇真末味インタヴュー

 レヴュー
 下地 康太(DiSGUSTEENS, Suspended Girls)
 オニギリギリオ(WATERSLIDE)
 与田太郎(KiliKiliVIlla)

 対談
 安孫子真哉&角張渉(カクバリズム)

 エッセイ
 安孫子真哉(KiliKiliVIlla)
 中村明珍
 snuffy smiles
 卓洋輔(Anorak citylights)
 庄司信也(YOUTH RECORDS・factory1994)
 谷ぐち順(Less Than TV)
 よこちん(DYENAMiTE CREW)
 五味秀明(THE ACT WE ACT)
 伊藤 祐樹(THE FULL TEENZ)
 久保 勉(A Page Of Punk)
 橋本康平(over head kick girl)
 しばた(FÖRTVIVLAN)
 山崎周吾(DEBAUCHMOOD)
 林 隆司(Killerpass)
 藪 雄太(SEVENTEEN AGAiN)
 はっとりたけし
 SUMMER OF FUN

 https://kilikilivilla.com/post/114722201604/news-2015-03-27

 https://kilikilivilla.com/

BACON present EMILIO at Otsuka DEEPA - ele-king

 みなさん、映像コレクティヴBacon(ベーコン)をご存知でしょうか? 彼らのページにも表れているように、ポスト・インターネット的感覚が感じられる洗練されつつも混沌としたデザインはかなり強烈。去年開催されたファッションブランドC.Eのプレゼンテーションで、絶大な人気を誇るレーベル〈The Trilogy Tapes〉所属アーティストのRezzettによる音楽とともに投影された映像もBaconによるものです。そんな彼らが4月4日土曜日、イタリアより現代音楽の奇才Lorenzo Senniを招き、大塚のDeepaにてパーティを開催します。Baconのページにアップされている日本、韓国のポップスからレフト・フィールドなダンス・ミュージックを横断するミックスのアーカイヴを聴く限り、どんなイベントになるのかは当日現場に着くまで想像すらできません。1Drink、Gonbuto、BRFらDJ陣も参加。少しでも気になったら是非現場へ。

■BACON present EMILIO
2015/4/4(Sat)
@ 大塚DEEPA
Door: 1500yen(w1D)
Open/Start: 23:00

[main floor]
Lorenzo Senni(live)
1 Drink
Gonbuto
Brf
Youpy(live)
Carre(live)

[lounge floor]
Pootee
Oboco
Stttr
Strawberry Sex

※20歳未満の方のご入場はお断り致します。年齢確認のため顔写真付きの公的身分証明書をご持参願います。(Over 20's Only. Photo I.D. Required.)
Info : bcn.index@gmail.com

https://bacon-index.tumblr.com
https://otsukadeepa.jp

Bacon(ベーコン)

インターネットを中心に、映像制作やVJ、アパレルの発売など多岐にわたる活動を続ける謎の集団。

Lorenzo Senni(ロレンツォ・セニ)

1983年生、イタリア育ちのミラノ在住の音楽家。大学で音楽学を学び、プログラミングを駆使しながらも主にアナログ機材を用いた即興的かつ実験的な演奏を得意とする。近年は90'sハード・トランス・サウンドから強い影響を受けダンス・ミュージックを独自に解釈した楽曲を多く制作しており、新たなサウンドスケープの潮流を作り出すことに成功。自らレーベル「PRESTO!?」を主宰し、2012年にはEditions Megoから「Quantum Jelly」、2014年にはBoomkatから「Superimpositions」をリリース。それぞれが英FACT Magazineの50 Best Albums of 2012、2014にランクインするなど世界各国のメディアからも高い評価を受けている。

ムーン・デュオのインタヴューでも言及されている、彼らのもうひとつのホーム、〈セイクリッド・ボーンズ〉は、USアンダーグラウンドの2000年代から現在を語る上で重要なレーベルのひとつでございます。ゾラ・ジーザス(Zola Jesus)やクリスタル・スティルツ(Crystal Stilts)などはよくご存知かもしれませんね。レーベルのベースにあるのは、ムーン・デュオやサイキック・イルなどどっぷりと振り切れたガレージ・サイケですが、ゾラやクリスタル・スティルツをはじめ、ラスト・オブ・ユース(Lust Of Youth)やゲイリー・ウォー(Gary War)など、2010年前後のトレンドでもあったシンセポップやニューウェイヴ/ポストパンク・マナーが、やはりトレンドであった独特のローファイ文化と結びつき、さらにもうひとつトレンドであったインダストリアルやシューゲイズまで巻き込んでいったことは、このレーベルの鋭さを証すものでしょう。
彼らがマイナーでカルトなサイケ集団のようなたたずまいにもかかわらず、諸トレンドの奇妙な合流地点となっていたことは、次の10枚を眺めてみてもよくおわかりになるかと思います。じつにおかしな、そしてキュートなレーベルでございます。


Pharmakon - Abandon

NY出身の可憐な少女、マーガレット・チャーディエットによるファーマコンのデビュー・アルバム。絶叫、グロ、オカルティズム、ノイズ……こじらせすぎた女子による、振り切れすぎたエレクトロニクスは、ゲテモノとアートの狭間で凄まじい緊張感と違和感を放ちながら、ギリギリの官能を現出させてみせる。このジャケ同様、狂気のライヴ映像は閲覧注意!

Crystal Stilts - Delirium Tremendous

そもそもは〈スランバーランド(Slumberland)〉からのデビュー作『オールライト・オブ・ナイト』で脚光を浴びたオサレなバンドだったが、当時ネオ・シューゲイズなどと目されたあの淡麗なフィードバック・ノイズやポストパンク・マナーの影にはドロドロとアンダーグラウンドの血が流れていたのだろう。このサード・フルにはドラッギーなフォークやカントリー色までうかがわれる。

Lust for Youth - Perfect View

スウェーデンはコペンハーゲンの現在を象徴するレーベル、〈Posh Isolation〉を主宰するHannes Norrvideによるユニット。その持ち味であるスマートなダーク・ウェイヴには、皮肉やパロディではなしに、若いいらだちやポジティヴな攻撃性が感じられて清々しい。本作は2010年前後のシンセ・ポップ・リヴァイヴァル群のなかでも、ひときわナイーヴな美しさを放っている。

Amen Dunes - Through Donkey Jaw

本作の隣には、〈キャプチャード~〉と双璧をなす2000年代のローファイ・コロニー、〈ウッジスト(Woodsint)〉のウッズ(Woods)を並べずにはいられない。2014年の新作ではよりクリアに「歌」を取りだしてみせたエイメン・デューンズことデイモン・マクマホンだが、より混沌とした本作の、こだまのようにのんきで音響的なヴォーカルには、どこか神聖ささえ宿っているように感じられる。

Blank Dogs - On Two Sides

2000年代後半のUSインディを語る上で絶対に避けては通れない重要レーベル〈キャプチャード・トラックス〉主宰のマイク・スニパーによるユニット、その記念すべき〈トラブルマン・アンリミテッド〉からのファースト・アルバム。なんとセカンド・プレスからは〈セイクリッド~〉からも出ていたのだ。ダム・ダム・ガールズなど当時トンガっていたガレージ、ポストパンクから、シューゲ・カタログの発掘・リイシューにも余念ないブルックリン・アンダーグラウンドの雄。

Zola Jesus - Stridulum EP

ゴシックや〈4AD〉再評価の機運が高まる2010年前後のシーンに颯爽と現れた才媛。無機質なビートと不穏なノイズが構築するダーク・ウェイヴに、ケイト・ブッシュに比較されるヴォーカル。幼少から学んだというオペラの素養は、どこかトラウマチックで険のある彼女のアルトを艶めかせ、かつフラジャイルな魅力を加えている。本作はデビュー・フルの後のEP。ジャケももっともコンセプチュアルだ。

Gary War - Horribles Parade

世間的にはサード・フル『ジャレッズ・ロット(Jared's Lot)』が有名だろうか。アリエル・ピンクのバックも務めていたグレッグ・ダルトンによるセカンド・アルバム。激渋ジャケとは裏腹に、ファズとフィードバック・ノイズが効きつつも、〈キャプチャード・トラックス〉と同時代性を共有するローファイぶりがコミカルかつ愛らしい、アリエルの初期カタログを思わせるようなスキゾ系ポップ。

Psychic Ills - Hazed Dream

タイトルどおりヘイジーなサイケデリック・フォーク。ドリーミーというにはドープな空間性、〈リヴェンジ(Rvng Intl.)〉からのリリースにもうかがわれる、遠くアンビエントやドローンに接続していくような音響、ブルージーな楽曲、絶対に跳ねないヴォーカル。NYを拠点とし、現在は3人編成で活動。〈セイクリッド~〉らしさを構築する存在のひとつだ。

The Men - Open Your Heart

NYのなんともストレートなガレージ・サイケ・バンド。サーフ、ガレージ・パンクを軸に、かすかにメタルやハードコア的な要素も聴き取れるが、特筆すべきはそのポップ・センス。ぺなぺななプロダクションに愛唱すべきメロディが乗る。本当、憎めない。リリース量でも〈セイクリッド~〉において無視できない存在である。スタジオ・アルバムらしい完成度を求めるなら『トゥモロウズ・ヒッツ』を。

Slug Guts - Playin' In Time With the Deadbeat

プッシー・ガロア(Pussy Galore)やバースディ・パーティ(Birthday Party)の影響も色濃い、オーストラリアの“サバービア”・バンド。本作は2枚めのフル・アルバムとなる。参照点は渋いものの、絶妙に垢抜けないことを仮に「ぜつあか」と呼ぶなら、彼らはまちがいなくぜつあかマスターである。しかしそれが愛らしい……と思わせられるのは、そう、このレーベルの呪いである。

プラいち!- David Lynch - Eraserhead: Original Soundtrack Recording

言わずと知れた鬼才映画監督。彼が音楽制作も行うことはすでに周知のことだが、〈セイクリッド~〉からサントラもふくめなんやかやと7タイトルもリリースしているというのはなかなか本質的な事実! メジャー・リリースだと見え方もずいぶんと変わっていたのではないだろうか。

interview with Moon Duo - ele-king


Moon Duo Shadow Of The Sun
Sacred Bones / ホステス

PsychedelicRockFolkDrone

Amazon

 ムーン・デュオといえば、ピーキング・ライツ(Peaking Lights)に負けるとも劣らぬサイケデリック夫婦。しかしノリのほうはすこし胡散臭さが勝るのがムーン・デュオかもしれない。旦那のほうが元ウッデン・シップス(Wooden Ships)のメンバーであっただけに、重心低めのブルージーなサイケデリック・ロックが底流にはあるが、たとえば本インタヴュー内でも言及される“アニマル”のMV“スリープウォーカー”のMVなど、何かふざけたネタ感をぶっ込まずにはいられないという茶目っ気がある。毎回大きく作風を変えるわけではないが、マメにツアーに出て、生活と音楽とサイケが寄り添うような生き方をしているふたりにとっては、アルバムごとの色などよりは、そうした冗談やお茶目のほうがはるかに大事なものなのかもしれない。のんびりとまどろむようなスペーシー・ロックから、クラウトロック調、ブギ、ちょっとラフなガレージ・ナンバーまで、USのアンダーグラウンド・カップルのマイペースなノリをいっしょに楽しみたい。月のように、彼らはいつもそこにいる。振り返ったらついてくる!

■Moon Duo / ムーン・デュオ
サンフランシスコ出身の人気前衛サイケデリック・ロック・バンド、ウッドゥン・シップスのメンバーであるリプリー・ジョンソンと、妻であり元教師という過去をもつサナエ・ヤマダ(父親が日本人)夫婦によるプロジェクト、ムーン・デュオ。現在はポートランドに移住して活動をつづける。ザ・メン、ゾーラ・ジーザスなどを擁するブルックリンのブティック・レーベル〈セイクレッド・ボーンズ(SACRED BONES)〉と契約し、2011年に『メイジズ(Mazes)』、12年に『サークルズ(Circles)』の2枚のアルバムを発表。本作は約2年半ぶりとなる通算3作めのフル・レンス・アルバム。13年には都内4公演から成る初来日ツアーを敢行し、日本での知名度を上げている。

普通じゃない場所でライヴをするのが大好きなのよね。

リプリーのウッドゥン・シップスに比べると、ムーン・デュオはもっと柔軟で、ライヴをしやすいのではないでしょうか。フルのドラムセットもスタック・アンプも要らないですもんね。あなたたちはアート・ギャラリーやディスコなど、つまりライヴハウスではない会場でライヴをされてきたと思います。典型的なライヴハウスで演奏するのと何か違いはありますか ? もしあるならば、それはどのような違いでしょうか?

サナエ:普通じゃない場所でライヴをするのが大好きなのよね。アート・ギャラリーや教会でもプレイしたことがあるし、そういうライヴはとくにに想い出深いわ。たしかにいままでのムーン・デュオはそういう変わった場所でのライヴがしやすい編成だったけれど、最近ではドラマーが参加するようになったから、以前ほど簡単ではなくなった。とはいえ、それでもおもしろい機会があればいまでもやりたいと思ってる。前にサンフランシスコの〈ジ・エクスプロラトリアム(科学博物館)〉でライヴをしたんだけど、本当に素晴らしかった。


新作ではドラマーのジョン・ジェフリーと制作を行ないました。彼はアルバムのレコーディングのみの参加なのでしょうか?
 それとも、彼はムーン・デュオのメンバーとしてライヴに参加する、あるいは参加していたのでしょうか?

サナエ:じつは、ジョンにはもともとツアーに参加してもらう約束だけで、いっしょにレコーディングすることは考えてなかったの。2013年の夏のツアーで、フェスや野外のライヴの予定がいくつかあったから、そういう場所には生ドラムがあったほうがよさそうだと思ってね。でもやってみたら、ジョンがこのバンドにすごくしっくりくることがわかって、いまではライヴではもちろんのこと、新作のレコーディングにも参加してもらうことになったの。

今作のタイトルやジャケットはコールド・サンの『ダーク・シャドウズ』を思わせます。あの作品が好きですか? また、今作のタイトル『シャドウ・オブ・ザ・サン』は『ダーク・シャドウズ』を何かしらの形で参照しているのでしょうか?

サナエ:あのレコードは大好きよ! いままではこの作品とのつながりを考えたことはなかったけれど、言われてみればたしかに共通点があると思う。



ムーン・デュオのサウンドはある意味で、かなりミニマルでシンプルと言えるでしょう。過去には多くのアーティストたちにリミックスをされてきました。それらのリミックス作品からどのようなインスピレーションを受けますか? 今回のアルバムの曲のリミックスを依頼したいアーティストはいますか? もしくは既に作業は進んでいるのでしょうか?  もしそうであれば、現在取りかかっているリミックスを教えてください。

サナエ:サナエ:このアルバムの曲に関しては、まだリミックスを作る予定はないけれど、やってみたい気持ちはあるわ。過去のリミックス・アルバムでは、普通はあまりリミックスをやらないアーティストを起用したかったの。そういう人たちのほうが、どういうリミックスにすべきかっていう既成概念に縛られず、ユニークで一風変わったものを作ってくれそうだと思ったから。リミックスの出来にはもちろん満足してるわ。自分たちの音楽を他の誰かが解釈したものを聴くって、とてもおもしろい経験だった。それに、その経験を通じて、自分自身もまたちがった聴き方をできるようになった気がするわ。

私たちはツアーに長い時間を費やしているし、移動したりドライヴしたりということは、人生の大きな一部になってるから。

今作のジャケットがとてもカッコいいですね。日本のグラフィックデザインの黄金期のテイストが感じられます。これはどなたが手がけたのでしょうか?

サナエ:アルバムのジャケットは、ジェイ・ショウというアーティストが手掛けたものなの。彼はアルバムのジャケットだけじゃなく、映画のポスターなどもよくやっていて、70年代風のタッチが素晴らしいと思う。少しSFっぽくて、映画的なジャケットがいいなと思っていたから、彼のデザインが本当にぴったりだった。



今回に限らず過去品も含めて、ムーン・デュオの音楽はドライブをするときのサウンドトラックにピッタリなんですよね。作曲をしているとき、ツアーのことや車を運転することを考えますか?

サナエ:それはいい褒め言葉ね! 曲を書いているときにあえて考えているわけではないけれど、たしかに私たちはツアーに長い時間を費やしているし、移動したりドライヴしたりということは、人生の大きな一部になってるから。それに私自身、ぐいぐいと進むようなサウンドに惹かれるところもあると思う。 


ポートランドの地元の音楽シーンはどのような感じなのでしょうか? あなたたちはよく演奏はされていますか?

サナエ:ポートランドの音楽シーンはすごく盛り上がってる。住んでいるミュージシャンも多いし、毎晩どこかでライヴをやってる。それに、まだまだ小さなインディのレコード屋さんが頑張ってるわ。他のアメリカの都市では、そういう文化がなくなってきているから、本当にありがたいの。私たちはツアーしてばかりで、ポートランドに戻るとバンド活動をお休みすることが多いから、自分たちが地元シーンの一部とまでは思わないけれどね。でも、今回のアメリカ・ツアーのフィナーレは土曜日のポートランドのライヴなの。すごく楽しみにしてるわ。 


あなたたちのミュージック・ビデオはどれもある意味コミカルです。“アニマル”のビデオがどんなアイディアから生まれたかが気になります。なぜ映像ではプロのスケーターがスケボーを使わずにスケートをしているのでしょうか? 曲と映像のストーリーとの繋がりがいまひとつ理解できなかったんですよ。

サナエ:“アニマル”では、リッチー・ジャクソンという監督に依頼したの。彼の作品を私たちふたりとも気に入ってたから。ビデオを作ってほしいとお願いしたら、快諾してくれたわ。彼が好きなようにやってくれればいいし、どれだけ変わったビデオになっても構わないって伝えた。スケートボード以外のもので滑るスケーターというのは、リッチーのアイデアだった。その意外性が私たちも気に入ったわ。あのビデオは“無”や“欠落したなにか”っていうコンセプトをベースにしていて、そこが『シャドウ・オブ・ザ・サン』と共通しているところなの。

ポートランドの音楽シーンはすごく盛り上がってる。まだまだ小さなインディのレコード屋さんが頑張ってるわ。

ムーン・デュオは全てのアルバムを〈スケアード・ボーンズ〉からリリースしています。同じレーベルに所属するアーティストや作品からインスパアされますか?

サナエ:ええ、もちろん。サイキック・イルズやフォラクゾイドは大好きだし、それにジョン・カーペンターは特別ね。それに、〈セイクリッド・ボーンズ〉からリリースされているファーマコンやゲイリー・ウォー、アーメン・デューンズの作品はどれもおもしろくてユニークだと思う。

最近共演したミュージシャンやバンドで、誰が素晴らしかったですか?  また、見つけたお気に入りのレコードはなんですか?

サナエ:今回のツアーでは、ケヴィン・モービー、ネスト・エッグ、レキシー・マウンテン、ミラーズ、ホリー・ウェーヴに参加してもらったわ。個人的にやられたのは〈SXSW〉でいっしょにライヴをしたシタールとタブラのデュオ、Gourishankar Karmakar and Indrajit Banerjeeね。彼らを見ていると、まるで自分が宙に浮かんでいるかのような気分になったわ。最近のレコードだと、〈サヘル・サウンズ(Sahel Sounds)〉からのリリースにはずっと注目していて、Mdou Moctarの『Anar』とか、Mamman Saniの2枚のアルバムはよく聴いてるのよ。





サイケデリックな紳士淑女のみなさま、〈Sacred Bones〉のことはご存知?──ムーン・デュオ来日記念! セイクリッド・ボーンズの10枚+1

ムーン・デュオのインタヴューでも言及されている、彼らのもうひとつのホーム、〈セイクリッド・ボーンズ〉は、USアンダーグラウンドの2000年代から現在を語る上で重要なレーベルのひとつでございます。ゾラ・ジーザス(Zola Jesus)やクリスタル・スティルツ(Crystal Stilts)などはよくご存知かもしれませんね。レーベルのベースにあるのは、ムーン・デュオやサイキック・イルなどどっぷりと振り切れたガレージ・サイケですが、ゾラやクリスタル・スティルツをはじめ、ラスト・オブ・ユース(Lust Of Youth)やゲイリー・ウォー(Gary War)など、2010年前後のトレンドでもあったシンセポップやニューウェイヴ/ポストパンク・マナーが、やはりトレンドであった独特のローファイ文化と結びつき、さらにもうひとつトレンドであったインダストリアルやシューゲイズまで巻き込んでいったことは、このレーベルの鋭さを証すものでしょう。
彼らがマイナーでカルトなサイケ集団のようなたたずまいにもかかわらず、諸トレンドの奇妙な合流地点となっていたことは、次の10枚を眺めてみてもよくおわかりになるかと思います。じつにおかしな、そしてキュートなレーベルでございます。

Pharmakon - Abandon

NY出身の可憐な少女、マーガレット・チャーディエットによるファーマコンのデビュー・アルバム。絶叫、グロ、オカルティズム、ノイズ……こじらせすぎた女子による、振り切れすぎたエレクトロニクスは、ゲテモノとアートの狭間で凄まじい緊張感と違和感を放ちながら、ギリギリの官能を現出させてみせる。このジャケ同様、狂気のライヴ映像は閲覧注意!

Crystal Stilts - Delirium Tremendous

そもそもは〈スランバーランド(Slumberland)〉からのデビュー作『オールライト・オブ・ナイト』で脚光を浴びたオサレなバンドだったが、当時ネオ・シューゲイズなどと目されたあの淡麗なフィードバック・ノイズやポストパンク・マナーの影にはドロドロとアンダーグラウンドの血が流れていたのだろう。このサード・フルにはドラッギーなフォークやカントリー色までうかがわれる。

Lust for Youth - Perfect View

スウェーデンはコペンハーゲンの現在を象徴するレーベル、〈Posh Isolation〉を主宰するHannes Norrvideによるユニット。その持ち味であるスマートなダーク・ウェイヴには、皮肉やパロディではなしに、若いいらだちやポジティヴな攻撃性が感じられて清々しい。本作は2010年前後のシンセ・ポップ・リヴァイヴァル群のなかでも、ひときわナイーヴな美しさを放っている。

Amen Dunes - Through Donkey Jaw

本作の隣には、〈キャプチャード~〉と双璧をなす2000年代のローファイ・コロニー、〈ウッジスト(Woodsint)〉のウッズ(Woods)を並べずにはいられない。2014年の新作ではよりクリアに「歌」を取りだしてみせたエイメン・デューンズことデイモン・マクマホンだが、より混沌とした本作の、こだまのようにのんきで音響的なヴォーカルには、どこか神聖ささえ宿っているように感じられる。

Blank Dogs - On Two Sides

2000年代後半のUSインディを語る上で絶対に避けては通れない重要レーベル〈キャプチャード・トラックス〉主宰のマイク・スニパーによるユニット、その記念すべき〈トラブルマン・アンリミテッド〉からのファースト・アルバム。なんとセカンド・プレスからは〈セイクリッド~〉からも出ていたのだ。ダム・ダム・ガールズなど当時トンガっていたガレージ、ポストパンクから、シューゲ・カタログの発掘・リイシューにも余念ないブルックリン・アンダーグラウンドの雄。

Zola Jesus - Stridulum EP

ゴシックや〈4AD〉再評価の機運が高まる2010年前後のシーンに颯爽と現れた才媛。無機質なビートと不穏なノイズが構築するダーク・ウェイヴに、ケイト・ブッシュに比較されるヴォーカル。幼少から学んだというオペラの素養は、どこかトラウマチックで険のある彼女のアルトを艶めかせ、かつフラジャイルな魅力を加えている。本作はデビュー・フルの後のEP。ジャケももっともコンセプチュアルだ。

Gary War - Horribles Parade

世間的にはサード・フル『ジャレッズ・ロット(Jared's Lot)』が有名だろうか。アリエル・ピンクのバックも務めていたグレッグ・ダルトンによるセカンド・アルバム。激渋ジャケとは裏腹に、ファズとフィードバック・ノイズが効きつつも、〈キャプチャード・トラックス〉と同時代性を共有するローファイぶりがコミカルかつ愛らしい、アリエルの初期カタログを思わせるようなスキゾ系ポップ。

Psychic Ills - Hazed Dream

タイトルどおりヘイジーなサイケデリック・フォーク。ドリーミーというにはドープな空間性、〈リヴェンジ(Rvng Intl.)〉からのリリースにもうかがわれる、遠くアンビエントやドローンに接続していくような音響、ブルージーな楽曲、絶対に跳ねないヴォーカル。NYを拠点とし、現在は3人編成で活動。〈セイクリッド~〉らしさを構築する存在のひとつだ。

The Men - Open Your Heart

NYのなんともストレートなガレージ・サイケ・バンド。サーフ、ガレージ・パンクを軸に、かすかにメタルやハードコア的な要素も聴き取れるが、特筆すべきはそのポップ・センス。ぺなぺななプロダクションに愛唱すべきメロディが乗る。本当、憎めない。リリース量でも〈セイクリッド~〉において無視できない存在である。スタジオ・アルバムらしい完成度を求めるなら『トゥモロウズ・ヒッツ』を。

Slug Guts - Playin' In Time With the Deadbeat

プッシー・ガロア(Pussy Galore)やバースディ・パーティ(Birthday Party)の影響も色濃い、オーストラリアの“サバービア”・バンド。本作は2枚めのフル・アルバムとなる。参照点は渋いものの、絶妙に垢抜けないことを仮に「ぜつあか」と呼ぶなら、彼らはまちがいなくぜつあかマスターである。しかしそれが愛らしい……と思わせられるのは、そう、このレーベルの呪いである。

プラいち!- David Lynch - Eraserhead: Original Soundtrack Recording

言わずと知れた鬼才映画監督。彼が音楽制作も行うことはすでに周知のことだが、〈セイクリッド~〉からサントラもふくめなんやかやと7タイトルもリリースしているというのはなかなか本質的な事実! メジャー・リリースだと見え方もずいぶんと変わっていたのではないだろうか。

tickles - ele-king

2015/4/4にNEW EP『4.5』を1年半ぶりにリリース!
https://www.mad-agascar.com/news/701.html
https://soundcloud.com/tickles-yukikamata

LIVE
4月4日土曜日 Shibuya 7th floor
open/start/18:00/18:30
door/1000+1d
LIVE
・CHUB DU
・tickles
・pepe california
DJ
・蟻(moph records)
・TSUTCHIE(SHAKKAZOMBIE)
・KENKOU

ラジオから流れてきて欲しい10曲

Joy Orbison - ele-king

 この5年、ずぅーーーっと評価され、そして、フロアでもヒット作を出していたジョイ・オービソンの初来日が決まった。UKのドラムンベースが「ポスト」期に入ったときに脚光を浴びたオービソンは、最近は、流行のジョイ・ベルトラム風の作品によってフロアヒットを飛ばしている。寡作でありながら、出るEPが必ず話題作になっているほどの大器だ。
 そして、オービソンと一緒にレーベル〈Hinge Finger〉を主宰するのがウィル・バンクヘッド、言うまでもないでしょう、〈The Trilogy Tapes〉で知られる男である。
 ファッション・ブランド〈C.E〉がお送りする4月のパーティは、この協力UKタッグに加えて、DJノブも登場。
 前売りは3月21日(土)より。当日には開催を記念したC.EのTシャツも販売するそうです。

The Trilogy Tapes, Hinge Finger & C.E presents
Joy Orbison & Will Bankhead

2015/04/24(Fri)
@ Daikanyama UNIT & SALOON

[UNIT]
Joy Orbison(Hinge Finger)
Will Bankhead(The Trilogy Tapes / Hinge Finger)
DJ Nobu(Future Terror / Bitta)

[SALOON]
Uncontact-Tribe(C.E)
Toby Feltwell(C.E)
1-Drink
and more

Open/Start 23:30
Early bird 2,000yen(Resident Advisor only) / Adv. 3,000yen / Door 3,500yen

Ticket Outlets: LAWSON / diskunion 渋谷 Club Music Shop / diskunion 新宿 Club Music Shop / diskunion 下北沢 Club Music Shop / diskunion 吉祥寺 / JET SET TOKYO / TECHNIQUE / DISC SHOP ZERO / Clubberia / Resident Advisor / UNIT / min-nano / have a good time

※20歳未満の方のご入場はお断り致します。年齢確認のため顔写真付きの公的身分証明書をご持参願います。(Over 20's Only. Photo I.D. Required.)

More Information : Daikanyama UNIT
03-5459-8630 www.unit-tokyo.com https://goo.gl/maps/0eMrY


2015/04/28(Tue)
@CLUB CIRCUS

Joy Orbison(Hinge Finger)
Will Bankhead(The Trilogy Tapes / Hinge Finger)
and more

Open/Start TBA
Door TBA

※20歳未満の方のご入場はお断り致します。年齢確認のため顔写真付きの公的身分証明書をご持参願います。(Over 20's Only. Photo I.D. Required.)

More Information : CLUB CIRCUS
06-6241-3822 https://circus-osaka.com

■Joy Orbison
2009年にHot Flush から〈Hyph Mngo〉をリリースしデビューを飾ったのち、〈The Shrew Would Have Cushioned The Blow(Aus Music)〉や〈Ellipsis(Hinge Finger)〉、Boddikaとの共作による〈Swims(Swamp81)〉など精巧かつ念密に構築された楽曲を次々とリリースし続ける傍ら、Lana Del ReyやFour Tet、José Jamesといったアーティストのリミックスを手がけている。ハウスや2ステップ、ジャングル、テクノ、ダブステップ、これらの要素が融合し生まれた〈ガラージハウス〉とはJoy Orbisonの作り出した“音”だと言っても過言ではないだろう。レーベル〈Hinge Finger〉 をThe Trilogy TapesのWill Bankheadと共に立ち上げるなど異質かつ独自な動きを行う中、最近ではBBC RADIO 1の人気プログラムである〈Essential Mix〉に登場するなど、トラックメーカー/プロデューサーとしてはもちろんDJとしても高い人気を誇っている。
https://soundcloud.com/joy-orbison
https://www.residentadvisor.net/dj/joyorbison

■Will Bankhead
メイン・ヴィジュアル・ディレクターを〈Mo’Wax〉で務めたのち、〈PARK WALK〉や〈ANSWER〉といったアパレル・レーベルを経て、〈The Trilogy Tapes(TTT)〉を立ち上げた。現在、前述したTTTやJoy Orbisonとのレーベル〈Hinge Finger〉の運営に加え、〈Honest Jon's Records〉や〈Palace Skateboards〉などのデザインを手がけている。2014年10月には、渋谷ヒカリエで行われた〈C.E〉のプレゼンテーションのアフターパーティでDJを行うため、Anthony NaplesとRezzettと共に来日した。
https://www.thetrilogytapes.com

■DJ NOBU(FUTURE TERROR / Bitta)
FUTURE TERROR、Bitta主宰/DJ。NOBUの活動のスタンスをひとことで示すなら、"アンダーグラウンド"――その一貫性は今や誰もが認めるところである。とはいえそれは決して1つのDJスタイルへの固執を意味しない。非凡にして千変万化、ブッキングされるギグのカラーやコンセプトによって自在にアプローチを変え、 自身のアンダーグラウンドなリアリティをキープしつつも常に変化を続けるのがNOBUのDJの特長であり、その片鱗は、 [Dream Into Dream]〈tearbridge〉, [ON]〈Musicmine〉, [No Way Back] 〈Lastrum〉, [Creep Into The Shadows]〈Underground Gallery〉など、過去リリースしたミックス CDからもうかがい知る事が出来る。近年は抽象性の高いテクノ系の楽曲を中心に、オーセンティックなフロアー・トラック、複雑なテクスチャーを持つ最新アヴァ ン・エレクトロニック・ミュージック、はたまた年代不詳のテクノ/ハウス・トラックからオブスキュアな近代電子音楽など、さまざまな特性を持つクセの強い楽曲群を垣根無くプレイ。それらを、抜群の構成力で同一線上に結びつける。そのDJプレイによってフロアに投影される世界観は、これまで競演してきた海外アーティストも含め様々なDJやアーティストらから数多くの称賛や共感の意を寄せられている。最近ではテクノの聖地〈Berghain〉を中心に定期的にヨーロッパ・ツアーを行っているほか、台湾のクルーSMOKE MACHINEとも連携・共振し、そのネットワークをアジアにまで拡げ、シーンのネクストを模索し続けている。
https://futureterror.net
https://www.residentadvisor.net/dj/djnobu

■Uncontact-Tribe
イラストレーター・グラフィックデザイナー。2011年にToby Feltwell、Yutaka.Hとストリートウエアブランド〈C.E〉を立ち上げた。www.cavempt.com

■Toby Feltwell
英国生まれ。96年よりMo'Wax RecordsにてA&Rを担当。
その後XL Recordingsでレーベル を立ち上げ、Dizzee Rascalをサイン。
03年よりNIGO®の相談役としてA Bathing Ape®やBillionaire Boys Club/Ice Creamなどに携わる。
05年には英国事務弁護士の資格を取得後、東京へ移住。
11年、Sk8ightTing、Yutaka.Hと共にストリートウエアブランドC.Eを立ち上げる。
https://www.cavempt.com/

■1-Drink
TECHNO、HOUSE、BASS、DISCOの境界を彷徨いながら現在にいたる。 DJユニット"JAYPEG"を経て現在は個人活動中。 ときどき街の片隅をにぎわせている。
https://soundcloud.com/1-drink


  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151