「S」と一致するもの

Glasser - ele-king

「お気をつけなさい。お気をつけなさい。.........」
海に囲まれたこのクールなジャパンは、あらゆる外来文化を不可思議な形に変えてしまうのだから。
「ことによるとデウス自身も、この国の土人に変わるでしょう。支那やインドも変わったのです。西洋も変わらなければなりません。我々は木々の中にもいます。浅い水の流れにもいます。(中略)どこにでも、またいつでもいます」芥川龍之介『神神の微笑』

 「我々」というのは日本の「神々」のことである。舞台は戦国時代、イエズス会の神父オルガンティノが京都の南蛮寺で日本の神々に出くわすという神秘体験を綴った短編だ。史実にはないようだが、引用部分は「日本の精神的風土」を考察する際によく用いられる。とくに補足はいらない。ビョークが森ガールになる風土である。引用箇所のニュアンスは、多くの人が思い当たるものであるはずだ。後述するが森ガールは、男女観と社会をめぐる価値転倒と逃避の契機を含んだ、日本オリジナルの女性類型だ。しかも比較的新しい言葉である。少なくとも逃避の要素のない、しかも2000年代以降の国内事情にほぼ無関係なビョークをここに結びつけるのは短絡と言えよう。

 グラッサーもめでたく変化(へんげ)させられ、ここ日本で森ガール的な受容をされていくのではないかと思う。リスナー側からすれば別段悪いことでもない。さすがにもうその呼称での訴求力は弱いかもしれないが、需要がなくなるわけではない。森ガールが聴いていそうな音楽は何ですか。「ヤフー知恵袋」のベスト・アンサーは以下のとおりである。「コーネリアス、カヒミ・カリィ、高木正勝、INO hidefumi、salyu、yuki」
 なるほど。「ニカ」か、霊妙な女性ヴォーカル。どだい定義があってないような概念であるが、「森ガール」は「鉄子」や「歴女」、「農ギャル」、「カツマー」とさえ共通して、「男性(社会)からどのように距離をとるか」という命題を有しているように思われる。さらにいえば「男女の性的な関係性の外にいかに脱出するか」「男性の気を引かずに(あるいは引かないことを装って)、且つ、可愛くある(女性として充実する)にはどうしたらよいか」といった問題である。その答えとして、資金を貯めて武装するという闘争路線をとるもの、森に向かい、鉄道へ向かい、非日常性と脱世界性を志向するもの等々に分かれるというわけだ。ここに「ニカ」的な音が召喚されるのはわからなくはない。社会の生々しさを脱臭する、エレクトロニカにはたしかにそうした側面もある。サリュやユキなどのエスリアルな女性ヴォーカルにも同様なことが言えるだろう。彼女たちの、つま先がわずかに地面を離れているような在り方にひかれるのである。

 グラッサーはキャメロン・メジローという美貌の才媛によるひとりユニットだ。キャメロンはブルー・マン・グループのメンバーであるという父を持ち、幼い頃からモータウンやニューウェイヴを聴いて育ったという。2009年にリリースされた〈eミュージック・セレクツ〉のコンピ『セレクティッド+コレクティッド』で、ガールズやペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハートなど2000年代後期を象徴するバンドとともに収録されて注目を浴び、本デビュー・フルのリリースにいたる。その折の収録曲が、本作の冒頭を飾る"アプライ"である。これがアップル社のガレージ・バンドで作られているというのだから驚きだ。プロデューサーがついたとはいえ、もとのデモはかなり生きているらしい。トライバルで多層的なパーカッションと、信号音のようにぶっきらぼうなベース音以外は、彼女のヴォーカルのみ。しかしこの伸びやかで華のあるヴォーカルのために、じつにヴォリューミーな印象を受けるトラックである。ビョークと比較されることが多いようだが、華やぎと超俗性を兼ね備えたヴォーカルはたしかに共通したものを感じさせる。また、ビートや打楽器自体にはエスニックな趣味性が強いが、アルバム全体としては広がりのある、血色のよいエレクトロニカが基調となっている。要するに、品がよい。スレイ・ベルズのようにやんちゃでも、ボンジ・ド・ホレのようにホンマものの辛口でも、チューンヤーズのようにエクスペリメンタルでもない。どちらかというと美術館の白い壁によく映える音だ。
 決して否定しているわけではなく、この品のよさこそが彼女にポップな存在感を与え、成功の足がかりをつくることになると思う。彼女は次のファイストにもなり得る器である。マイスペースには裸足で機織り機に向かう写真が載っているが、じつに申し分ないショットだ。ここにはキャメロンのトライバル志向や巫女性が、ハイ・プレイシズやラッキー・ドラゴンズ等のブルックリン的なモードと共鳴しながら、高級ファッション雑誌のような完成度で写りこんでいる。あの声を縦糸に、あの美貌を横糸に、ガレージバンドという織り機を彼女は美しく操る......。コアなインディ・ファンから、普段は若いアーティストをチェックしない女性シンガー・ファンのおじさん、洋楽に馴染みがないという若い女性まで広くアピールするはずである。言わずもがな、日本においてはもちろん「森ガール」押しだ。"ホーム"の反復するマリンバは、アフリカンな土俗性を離れ、森深く湧き出づる泉の音となるだろう。"トレメル"のスティールパンはニットのやわらかいベージュにくるまれるだろう。お気をつけなさい。
 しかしどのようにこちらの文脈に捕われようが、音自体が変形するわけではない。グラッサーは文脈や環境にどのくらい対抗することができるだろうか。そして日本と日本の音楽ファンに何を残すことができるだろうか。

Chart by JETSET 2010.10.18 - ele-king

Shop Chart


1

CALM

CALM SAVE THE VINYL - EP1 / »COMMENT GET MUSIC
ニュー・アルバムからの12インチ・カット!アルバムのタイトルは自身のユニット名「Calm」、そこからのアナログ・カットは「Save the Vinyl EP」と尋常ではない思いが溢れた本作。

2

INNOSPHERE

INNOSPHERE SHINE / »COMMENT GET MUSIC
ATCQ + Lucy Pearlのような衝撃...! USから届いた素晴しきネオ・ソウル。心にスッと入ってくるクリアなサウンドとボーカルが堪らないボーナストラック入り全13曲。当店お馴染みのSweet Soulレーベルから何とJETSET先行リリースです!!

3

ALTON MILLER FEAT AMP FIDDLER

ALTON MILLER FEAT AMP FIDDLER WHEN THE MORNING COMES - INCL AMP FIDDLER REMIX / »COMMENT GET MUSIC
Superb Entertainmentの新作はデトロイトの重鎮、Alton Miller!既に、Joe Claussell、Loise Vega、Larry Heardがプレイ中の話題の1枚が入荷!デトロイトの新星、Kyle HallとAmp Fiddlerによるリミックスも収録。

4

80KIDZ

80KIDZ WEEKEND WARRIOR / »COMMENT GET MUSIC
遂に80kidzのセカンド・アルバム発売決定!!当店オリジナル特典付き。説明不要のジャパニーズ・インディー・エレクトロ・デュオ、80kidz!!当店爆裂ヒットを記録したデビュー・アルバム『This Is My Shit』から約1年半、遂にセカンド・アルバムが完成。メチャ楽しみです!!

5

DIPLO & TIESTO

DIPLO & TIESTO C' MON / »COMMENT GET MUSIC
なんとDiploがダッチ・トランス・レジェンドとコラボレート!!Jamie Fanaticのリリース辺りからダッチ・シーンとの交流も始まった辺境探求者Diploですが、今度はなんとトランス・シーン巨匠との奇跡のコラボが実現しました!!

6

MAXMILLION DUNBAR

MAXMILLION DUNBAR COOL WATER / »COMMENT GET MUSIC
12"で既にヤラれた方、お待たせしました!注目の1stソロ・アルバムが遂にリリースです。80'sエレクトロの空気をふんだんに盛り込んだ繊細なサウンドを軸に、あくまでヒップホップ的アプローチで作り上げた極上の全8曲!

7

OK GO

OK GO WHITE KNUCKLES (REMIXES) / »COMMENT GET MUSIC
アルバム"of the Blue Colour"からのリミックス・シングル!!Passion Pitによる胸キュン疾走エレポップB-1を筆頭に、オリジナルのポップ・センスをを見事に活かしたエレクトロ・ダンス・トラック全4ヴァージョン。メチャクチャ良いです〜!!

8

MAGNETIC MAN

MAGNETIC MAN MAGNETIC MAN / »COMMENT GET MUSIC
ダブステップを超越した21世紀型ポップス特大傑作1st.!!SkreamとBengaの親友コンビにArtworkを加えたダブステップ最強トリオ・プロジェクトMagnetic Man。特大アンセム"I Need Air"も搭載の大傑作1st.アルバムの登場です!!

9

JAMES BLAKE

JAMES BLAKE KLAVIERWERKE EP / »COMMENT GET MUSIC
神がかり緻密エディット。魅惑のパウダーシュガー・ポップ傑作が到着しました!!同系統の超新星Pariahによる"Safehouses EP"も爆裂ヒット中のベルギー老舗から、"Cmyk EP"や"Bells Sketch"も聖典化した天才James Blakeが再光臨!!

10

BAS AMRO

BAS AMRO LE HUITIEME ARRONDISSEMENT / »COMMENT GET MUSIC
Radio Slaveも大興奮のアトモスフェリック・テック・ハウス、これはかなり最高です!!データ配信主体での活躍も目覚しく、テクノ/テック・ハウス・シーンから絶大な期待を寄せられていた若干19歳のダッチ・アクト"Bas Amro"。手腕を振るったWolfskull Limitedからの素晴しい一枚をご紹介させていただきます。

DJ NOBU (FUTURE TERROR) - ele-king

地下室でヴァイナルで鳴らしたい10曲


1
Jens Zimmermann - Sequenz 31 - Treibstoff

2
Lucy - Kalachakra -Prologue

3
L.B. Dub Corp - It's What You Feel - Ostgut Ton

4
Schermate - Schermate 005 at (YELLOW) - Schermate

5
Donor/Trusss - Sude 3 - Thema

6
DJ Nobu - Friday (Nobu's Edit) - Grasswaxx Recordings

7
Mike Parker- GPH14 - Geophone Record

8
Silent Servant -Discipline - Sandwell District

9
Planetary Assault Systems - Hold It (Deuce Remix) - Ostgut ton

10
tobias. - Balance - Ostgut ton

KJ a.k.a DJ PATROL (ECHOPARK) - ele-king

最近のBest10


1
Baker(s) Dozen - Piano Lessons - Foot And Mouth

2
Tracey Thorn - Why Does The Wind? - Buzzin' Fly

3
Justin Vandervolgen - I Love You - TBD Classics

4
DJ Oji - Sweet Intoxicated Woman - White Label

5
Shahrokh Dini - Chewed Life - Compost

6
Frisvold & Lindbaek - Bozak - Full Pupp

7
Doomwork - Fever Sax - Arearemote

8
Walter Gibbons - Jungle Music - Strut

9
Joaquin Joe Claussell - The Drifting Of A Snow Flake Into Darkness - Sacred Rhythm Music

10
Smith & Mudd - The Surveyor -Claremont 56

DJ NOZAKI (PRIMO ONLY / IOIOP) - ele-king

DJ NOZAKI's HOT10TOT10TROT10 vol.1


1
Buddah Brand - Ningen Hatsuden Syo classic mix inst. - 76 Records

2
Miroslav Vitous - Purple - cbs/sony

3
Die Verboten - Eivissa - love&peace

4
Carlos Santana - One With You - cbs

5
Ray Mang - Angel - mangled

6
Marvin Franklin - Kona winds - kkua

7
Andre Carr - Disco frisco - harmony

8
Tatsu Yamashita - Love space - air

9
Tatsu Yamashita - Windy Lady - air

10
YOTSU KAIDOU Nature - Urban Combatt 2001 - guntez

Shitaraba - ele-king

ここんとこ2ヶ月DJしてないDJチャート


1
MusSck - Shinigami -Car Crash Set

2
Daniel Savio - Lordoftheflies -Losonofono

3
Cosmic Revenge - Cold Hearted -Fortified Audio

4
Stagga - Timewarp -Robox Neotech

5
Daniel Savio - Sqoui Sweet Sqoui -Losonofono

6
Dels - Shapeshift -Big Dada

7
MusSck - Death Note - Car Crash Set]

8
Dibiase - Renegade Slap (Devonwho Collab) -Alpha Pup Records

9
Sepalcure - Every Day Of My Life -Hotflush

10
Paradeigma - Galoperidol -Another Chance Recordings

DJ yoshimitsu(S.E.L) - ele-king

autumn dub selection 2010


1
Troyah - Disco Dub Set - S.T Eeik

2
Augustus Pablo - no entry - maroon

3
Farmer In The Sky - JAHTARI RIDDIM FORCE - BASTARD JAZZ

4
Prince Fatty - Gin and Juice - Mr.Bongo

5
Grand Magneto- Let's Dance -Big Single

6
Tony Brevett & The Israelites -Starlight - Motion

7
Tommy McCook - Fisherman Special - Vivian Jackson

8
Keith Hudson - Pick A Dub - Mamba

9
Scientist -Scientific Dub - Clocktower

10
Scientist -Scientist Meets the Space Invaders - Greensleeves

DJ Wataru Takano (HOUSE GROW) - ele-king

最近のお気に入り


1
Frederic Francois Chopin - etude - kentaro iwakis island jazz remix - RAMBLING

2
JUZU a.k.a MOOCHY - Re:momentos movements - CROSSPOINT

3
Waltz - Quater Man-blendmix - JET SET

4
V.A - THE WORLD ENDS:AFRO ROCK & PSYCHEDELIA IN 1970S NIGERIA - SOUND WAY

5
DENPUN - FINAL FANTASY - dplab

6
Waves - Encounter - BEAMS RECORDS

7
Fela Kuti - WITCH CRAFT -K CIV Edit- - K CIV

8
Jeremy Duffy - Eagle Flight - Duff Disco

9
DANNY KRIVIT - EDITS BY MR.K LIMITED 12" SAMPLER #1 & #2 - STRUT

10
COLM K + FREESTYLEMELLOWSHIP - DANCING SKULLS - Bastard Boots

Group Inerane - ele-king

 グループ・イネラネ......西アフリカのサハラ砂漠南のニジェールの、サハラ砂漠の遊牧民トゥアレグ族のロック・バンドによる最新アルバムである。ターバンを巻いた砂漠のロック・バンドで、彼らがストラトキャスターを抱えているだけでも、まあ、絵になる。ちなみに『ギターズ・フロム・アガデス』の"アガデス"とはこんな光景のところである。
 『ギターズ・フロム・アガデス』の第一作目は2007年にリリースされている(それは現在、1万円を超える高値が付けられている)。レーベルはこの10年、タイのロックからベトナムのフォーク、シリアやマリ、リビアやサヘルの最新の音楽など、東南アジアから西アフリカの音をかき集めては発表している、サン・シティ・ガールのアラン・ビショップとヒシャム・マイェットによる〈サブライム・フリーケンシーズ〉。同レーベルから出ているシリアのカントリー・フォーク集に関しては三田格が本サイトで紹介しているが、そう、USでは〈サブライム・フリーケンシーズ〉、UKでは〈オネスト・ジョン〉や〈ストラト〉とかいろいろ、ゼロ年代以降の欧米ではエチオピアのジャズや南アフリカのハウスやシャンガーン・エレクトロ、バゾンバ族のダンス・ミュージックなど、アフリカ音楽への新たな関心が高まっていて(それもインディ・ロック、クラブ系、ヒップホップ系からだ)、トゥアレグ族による砂漠の音楽シーンも熱心に紹介されている。世界的に有名なのは日本盤も出ているティナリウェンで(とくに2004年の『アマン・イマン〜水こそ生命』はよく知られている)、グループ・イネレンも評価の高いバンドのひとつである。

 さて、そこで......まずは、デトロイトのことを何も知らずに"ストリングス・オブ・ライフ"を聴いたときのことを思い出してみよう。そして彼らの背景を思わず、音だけに集中してみる......というのは、『タイニー・ミックス・テープ』のレヴュワーが「背景に囚われずにこれを聴け」とうるさいからである。
 M.I.A.問題の反動だ。われわれが思っている以上に、USの音楽業界はテロリストを父に持つという神話性に振り回されたのかもしれない。まあ、それを思えば『ニューヨーク・タイムス』のスキャンダルな記事も理解できなくもない。たしかに......、もしマッド・マイクがIT企業の役員の息子だったとしても、"ハイテック・ジャズ"は同じように多くのクラバーを踊らせたに違いないが、しかし背景を気にしすぎるなというのもある意味ナンセンスだ。音楽は環境に磨かれるわけだし、知ることによってわれわれは理解を深めることができる。そしてそれは踊ることとはまた違った喜びになりうる。ともあれ、『タイニー・ミックス・テープ』のレヴュワーは、ある種のたとえ話として、ライナーノーツに頼らなくても、それだけ本作が素晴らしい音楽だと言いたいわけである。たしかに「この音楽はまったく素晴らしくて、生命を主張し、あらゆる方法で祝福する」。異論はない。

 スタジオ・ライヴによるこれは、ラフな録音ながら、彼らの音楽の魅力は伝わる。いわば地球の裏側の砂漠を旅するジミ・ヘンドリックスによるダンス・バンドである。A面の1曲目の"Telalit"がとくに最高で、これは3拍子の曲だが、ビビ・アーメドとコウデデのふたりによるエキゾティックだがどこかブルースなギターのリフが反復し、独特なシンコペーションを生んでいる。トゥアレグ語のヴォーカルが挿入され、欧米で言うところの"サイケデリック・ガレージ・ロック"な様相を見せるが、欧米のそれとは違う独特の響きを有している。B面の1曲目の"Tchigefen"と2曲目の"Ikabkaban "もまた3拍子の曲だが、前者はソウルフルで後者は瞑想的でサイケデリックだ。どの曲に関しても言えるのは、ギターのリフとそのアンサンブルがユニークなことで、音量としてもヴォーカルより大きく、それはこの音楽の魅力のひとつになっている。

 トゥアレグ族はニジェールとマリで反政府武装闘争を展開している。砂漠の遊牧民としての長い歴史を持つ彼らは、欧米化を拒み続け、そして生活に窮している。最初のアルバムでセカンド・ギターを弾いていたアジ・モハメドは活動家のひとりとして頭を撃たれ死んでいるが、ビビ・アーメドは新しいギタリストとしてコウデデをバンドに加入させると、このアルバムを録音した。
 ニジェールは2010年、軍のクーデターにより軍事政権となり、国境の閉鎖と夜間外出の禁止を発令した。トゥアレグの音楽シーンにはややこしくも大きな物語がついてまわる。『タイニー・ミックス・テープ』のレヴュワーはそれを忌避したいのだ。何故ならグループ・イネラネの音楽からは、そうした好戦的で政治的なニオイがまずしないからである。音楽はダンス・ミュージックであり、祝祭性に満ちている。彼らはパーティ・バンドなのだ。

 そして......M.I.A.を知らなければタミル・タイガーのことなど関心も寄せなかったように、グループ・イネラネを聴かなければトゥアレグ族について調べようとする契機を持たなかっただろう。音楽は祝祭だが、より多くを学ぶための入口にもなる。

interview with Gold Panda - ele-king


Gold Panda / Lucky Shiner
E王 Yoshimoto R&C

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 フライング・ロータスの『パターン+グリッド・ワールド』を聴いてひとつ思うのが、「ああ、この人は本当に自分が真似されているのが我慢ならないん だな」ということだ。『ロサンジェルス』以降の、自分のイミテーションたちと距離を置きたくて仕方がない、という思いがヒシヒシと伝わってくる (笑)。取材のなかでも、"グリッジ"や"ウォンキー"といった言葉に対する彼の嫌悪はハンパない。フライング・ロータスのファンの方々にはあの手の言葉を使 わないほうが身のためである......と言っておこう。
 で、"グリッジ"や"ウォンキー"っぽいサウンドからはじまるのがゴールド・パンダの『ラッキー・シャイナー』である。そして、そうした"いまっぽさ"から はじまるそのアルバムは、しかし、面白いようにそこから離れていく。『ロサンジェルス』以降のグリッジ・リズム、あるいはダブステップ以降のビートを追っ ていたヘッズ諸君は、途中で迷うだろう。「違うじゃねーか」と思うだろう。そこで停止ボタンを押す人間も少なくないかもしれない。
 が、むしろその"いまっぽさ"から離れていったときのパンダの音楽を楽しめる人は、何か新鮮な、新しい場所に辿り着けるだろう。どんどん登っていったら 突然視界が開ける。心地よい風が吹き、草原が広がっている。あたりを見回してもまだ誰もいない。『ラッキー・シャイナー』はそういう作品である。

ジェームス・ブレイクやマウント・キンビーは僕よりも若い世代で、影響もR&Bやヒップホップからで、僕とは違うんだ。彼らはデジタル世代だけど、僕はまだアナログに影響を受けている世代だし、ラップトップで音楽を作ることに何かまだ変な感じがする世代なんだよ。僕の音楽はもっとシンプルだ。

ゴールド・パンダという名前にしたことを後悔していない?

パンダ:している。最初はゴールドで後悔して、いまはパンダで後悔した。動物系の名前がすごく多いから。そういうハイプなものから離れていたいから、ちょっと後悔しているんだ。

いやね、この『ラッキー・シャイナー』、ホントに僕は好きなアルバムで、知り合いと会ったりすると「最近、何が良かった?」って訊かれるじゃない。そのときに、「ゴールド・パンダ」って言うと、知らない人だと「ゴールド・パンダ?」って、なんか複雑な表情をされることがあるんだよね。ゴールド・パンダって響きに、ユーモラスで可愛らしいイメージがあるからだと思うんだけど、ダーウィン(パンダの本名)の音楽は基本的にはシリアスな音楽じゃない。

パンダ:恥ずかしい。

だから、ゴールド・パンダという名前からこの音楽を想像するには、ちょっと距離があるんじゃないのかなと。

パンダ:そうだね。でも、いま名前を変えちゃうと、何々......(元ゴールド・パンダ)って長くなっちゃうから、もう変えられないんだよ。

なるほど。ところで『ラッキー・シャイナー』は前回の『コンパニオン』発表後に作ったんですか?

パンダ:いや、去年のクリスマスにはほとんどできていたんだよ。でもまだ気に入ってなくて、で、今年の4月から6月にかけて新しい曲を入れて、完成させたんだ。

"ユー"が最初にシングル・リリースされたのはダーウィンの意志なの?

パンダ:もちろん。

〈ゴーストリー・インターナショナル〉から何か言われたんではなくて。

パンダ:すべて僕の意志だよ(笑)。

そうか。

パンダ:オープニングにパワフルなトラックが欲しいと思っていたんだ。それで、まあ"ユー"だろうと。

『ラッキー・シャイナー』は"ユー"ではじまって、"ユー"で終わるんですけど(日本盤はボーナストラックが収録)、曲のタイトルもとても面白い。小説の章立てみたいに読めますよね。だからコンセプト・アルバムなのかなと思って。

パンダ:そう、歌詞はないけど、小説のようにコンセプトがあり、テーマがある。アルバムとはそういうものだと思うから、

で、僕なりにストーリーを推理したんですけど。

パンダ:ふーん。

今回のコンセプトは、恋人の話じゃないかと。

パンダ:トラックのいくつかはそうです。女性に対する歌もあるし、他の人への思いもあるし、実はパーソナルな話で統一されている。

9曲目の"アフター・ウィー・トークト"がすごく淋しい曲でしょ。これを聴いたときに「ああ、ダーウィンはきっと失恋したに違いない」と......

パンダ:何(笑)?

そう思いました(笑)。

パンダ:違うよ。それにはふたつ意味があって、ひとつは、実はフィル(サブヘッド、前回のインタヴューを参照)についてなんだよ。

あー、そうなんだ。

パンダ:6曲目の"ビフォア・ウィー・トークト"とともに対になっている。

うん、なってるよね。

パンダ:以前、eBayでヤマハのキーボードを安く買ったんだ。フィルはバンを運転してくれて、僕と一緒にそのキーボードを取りに行ってくれた。旅する感じでドライヴしてね。車のなかでフィルとずっと喋りながらドライヴしたんだ。そのキーボードのみで作ったのが"ビフォア・ウィー・トークト"と"アフター・ウィー・トークト"なんだよ。で、キーボードはどんどん壊れていってしまうんだけど、壊れていったときに出てきたカスカスの音がドラム・サウンドみたいに聴こえて、だから、それをドラムに見立ててみた。いずれにしても、そのキーボード一台で作った曲なんだよ。

なるほど、面白いアイデアだね。とにかく、曲の背景にはいろんなストーリーが隠されているんだね。

パンダ:その2曲も、フィルへの思いだけではなく、僕たちの日常生活のなかの"話す前(ビフォア・ウィ・トークト)"のハッピーな感覚と、"話した後(アフター・ウィ・トークト)"の寂寥感のようなものを意識しているんだ。だから"アフター・ウィー・トークト"は淋しいんだ。

失恋じゃなかったんだね。

パンダ:違う。

では、アルバムのはじまると終わりが"ユー"なのは何で?

パンダ:より人間の関係性を意識したって言えると思う。実は"ユー"という言葉は出てこないんだけど、音が"ユー"と聴こえるから、そう付けたというのもある。あと、イントロとアウトロじゃないけど、アルバムのブックエンドのようにしたかったんだ。だから、最初と最後をそうした。最初の"ユー"はとても力強い"ユー"で、最後は......まあ、エンディングらしく。

何か隠していることはないですか?

パンダ:はははは。たぶん、いっぱいあると思う。

はははは。あのね、すごく良いアルバムだと思うんだけど、音が、ダブステップ全盛の現在のUKからするとかなり異端というか、流行の音ではないよね。シーンの音に対する目配せはどの程度あるの?

パンダ:マウント・キンビーは知ってる?

まだ知らないんだよね。

パンダ:ダブステップから来ているんだけど、ものすごくUKっぽい音。R&Bやヒップホップに影響されているようなね。

ジェームス・ブレイクみたいな?

パンダ:そう。ジェームス・ブレイクやマウント・キンビーは僕よりも若い世代で、影響もR&Bやヒップホップからで、僕とは違うんだ。彼らはデジタル世代だけど、僕はまだアナログに影響を受けている世代だし、ラップトップで音楽を作ることに何かまだ変な感じがする世代なんだよ。僕の音楽はもっとシンプルだ。

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僕も一時期はフライング・ロータスがとてもクールに思えて、『ロサジェンルス』みたいなビートを作ろうと腐心したこともあったけど、あまりにもその亜流が多いし、僕自身も飽きてしまった。だって、ダブステップの連中だって、多くがフライング・ロータスの物真似じゃないか。

プラグインを使って、わけのわからないものにしているような。

パンダ:彼らはインターネットからコンピュータ・ゲームから、いろんなものから影響を受けている。電話しながら音楽を作れる世代なんだよ。だから彼らの音楽はより複雑になってきているんだろうね。

じゃあ、ちゃんといまのシーンをわかっていて、今回の音にしたんだね。

パンダ:新しい音楽にはつねに興味を持っている。僕も一時期はフライング・ロータスがとてもクールに思えて、『ロサジェンルス』みたいなビートを作ろうと腐心したこともあったけど、あまりにもその亜流が多いし、僕自身も飽きてしまった。だって、ダブステップの連中だって、多くがフライング・ロータスの物真似じゃないか。だったら僕は違うところに行こうと思って、もっとエレクトロニックでミニマルなところを目指したんだよ。古いモノをまた聴き直しているんだよね。

そこは意識してそうなったんだね。

パンダ:今回も、そして次作も、『ロサジェンルス』ビートからはどんどん離れるよ。

ハハハハ。逆に言えばフライング・ロータスはそれだけすごいからね。

パンダ:それはもちろん。"ユー"はちょっと、いかにもいまっぽいウォンキー・テクノな感じを出しているでしょ。でもよく聴けば、BPMもそうだけど、ビートはもっとストレートなんだ。他のトラックでも、似たようなことはしていない。

僕が『ラッキー・シャイナー』を聴いて思い出したのがエイフェックス・ツインの『アンビエント・ワークス』だったんだよね。90年代初頭のエレクトロニック・ミュージックを思い出した。

パンダ:エイフェックス・ツインと言われるのはとても嬉しい。彼の音楽や、あの頃のエレクトロニック・ミュージックは、より感情が反映されて、よりメロディが重視されていた。しかしいまの音って、いかにクレイジーかってところを競っているように思えるんだ。いかにクレイジーなビートを作るかってところが強調され過ぎている。僕はそうじゃなくて、エイフェックス・ツインのように感情を表現できる音楽を作りたいんだよ。

まあ、クレイジーなビートも面白いけどね。

パンダ:エイフェックス・ツインもまさにクレイジーなビートも作っているけど、それだけじゃない。メロディもちゃんとあるでしょ。

2曲目の"ヴァニラ・マイナス"以降も、かならず良いメロディがあるよね。

パンダ:うん、すごく意識したから。僕は"ビート"というよりも"ソング"を目指したんだ。歌詞がなくても"歌"、頭に残るような"歌"を意識した。

あとは......ジャケット・デザインもそうですけど、マルチ・カルチュアラルというか、エキゾティムズみたいなのも意識しているでしょ。インドの楽器を使ったりしているし、内ジャケットに写っているこのおばさんの写真も......これ?

パンダ:僕のおばあちゃんの写真。

えー、そうなんだ。

パンダ:インド人で、名前がラッキー・シャイナー。

えー、そういうことなんだ!

パンダ:スペルを変えているけどね。

エセックスに住んでいるの?

パンダ:住んでいる。

キューバの人かと思った。

パンダ:80歳の誕生日に行ったポルトガルで撮った写真だよ。

へー、それで"クイッターズ・ラガ"や"ユー"もインド音楽をチョップしてたんだね。言われてみればダーウィンもインド系の顔してるもんね。

パンダ:鼻とかとくにね。

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おばあちゃんは英語を話せなかったし、おじいちゃんはヒンドゥー語を話せなかった。それなのにふたりは恋に落ちて結婚した。それがすごく大きい。もちろんおばあちゃんとおじいちゃんはまだ一緒にいるし、そういう環境で育ってきているから、僕にとっては"結婚"ってすごく良いものに思える。


Gold Panda / Lucky Shiner
E王 Yoshimoto R&C

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今回のアルバムとおばあちゃんの関連性について話してください。

パンダ:おばあちゃんの関係している曲は3曲あるけどね。"ペアレンツ""マリッジ""インディア・レイトリー"ね。

とくに"マリッジ"は良い曲だよね。

パンダ:自分にとって"結婚"はまだ考えられないんだけどね。ただ、おばあちゃんは英語を話せなかったし、おじいちゃんはヒンドゥー語を話せなかった。それなのにふたりは恋に落ちて結婚した。それがすごく大きい。もちろんおばあちゃんとおじいちゃんはまだ一緒にいるし、僕のファミリーで結婚した人たちはいまもずっと一緒にいるんだ。そういう環境で育ってきているから、僕にとっては"結婚"ってすごく良いものに思える。僕はまだ結婚しないけど。

まあ、若いからね。

パンダ:若くない。もう30歳だよ(笑)。

じゃあ、このスリーヴ・デザインは?

パンダ:そこはおばあちゃんは関係ない。それは僕自身でデザインした。古いレコードのカヴァーをつなぎ合わせて作ったんだよ。だから、レコード盤の跡が見えるでしょ。

ああ、ホントだ。

パンダ:音楽も古い音源や古い機材で作っているし。

そういえば、イギリスでの評判もずいぶんと良いみたいだね。新聞(インディペンデント紙)の日曜版の表紙まで飾ったなんてすごいじゃないですか。

パンダ:とても変な気持ちだよね。

しかも「Next Big Thing」という見出しでしょ。

パンダ:うーん、ホント、変な気持ち。お母さんが喜んでくれたのが良かったけど。

しかもこの音楽をいま発表するのって、"賭け"っていうか、まあ、挑戦でだったわけでしょ?

パンダ:そう、なんでこんなに評判になっちゃったのか、自分でもわからないんだけどね。

とくにUKに住んでいたら、あれだけダブステップが盛りあがっているんだから、もっとウォブリーなベースがあるようなさ......。

パンダ:ね、僕の音楽にはベースがないでしょ。

だよね。それを考えると勇気のある挑戦だったと思うんですけどね。

パンダ:僕はただ他の人と同じことをしたくないだけで、勇気があるというのか、もしくはただのバカなのか......。

はははは。ホント、でもチャレンジだったんだよね?

パンダ:うん、そう。だけど、もし評判が悪かったら......ってことを考えると......。

だから"ユー"を最初にシングルにしたのも、すごく意識的にやったんじゃないんですか? 東京でもあのシングルは評判になったんですよ。ただし、"ユー"はいまの流行との接点がある曲だったからね。

パンダ:次のステップというのはすごく意識した。過去の作品で自分で誇りを持っていたのが"バック・ホーム"と"クイッターズ・ラガ"だったし、その2曲を発展させて、しかもインドの感覚をちょっと混ぜてって。

そして、2曲目以降がダーウィンがホントに聴かせたかった音楽が展開されている。とくに2曲目から4曲目の流れが良いよね。3曲目がまたおかしいよね。あれ、ギターのサンプリング?

パンダ:違うよ。あれは僕が弾いているの。自分をサンプルしたんだよ。

チューニングも狂っているし、子供がギターを触っているのかと。

パンダ:ギターのことをぜんぜん知らないからね。

アヴァンギャルドだね(笑)。

パンダ:はははは。才能がないだけ。

でも、すごく好きだよ、"ペアレンツ"っていうそのギターの曲。

パンダ:シャッグスって知ってるでしょ。

はいはい、60年代末の。

パンダ:あれに影響されたんだ。

なるほどね。

パンダ:弾けなくてもやればいいんだと、彼女たちが教えてくれたんだ。

では、最後にダーウィンがもっとも興味のある音楽を訊いて今回の取材は終わりにしましょう。

パンダ:そんなに変わってないよ。レーベルで言えば〈ラスター・ノートン(Raster-Noton)〉。アーティストで言えば坂本龍一も一緒にやっているアルヴァ・ノト(Alva Noto:カールステン・ニコライのプロジェクト)。この人はホントにすごいと思う。どうやって作っているのかまったくわからない。もうひとつはブルックリンのレーベルで〈12K〉。ここから出ているのもすごく良いね。

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