「AY」と一致するもの

Burial Hex - ele-king

 ウェブ・レヴュー3度めの登場、久方ぶりのフルレンス・アルバム。え? 何枚めかって? 今年でデビュー10周年、CDRやカセットを含むと過去音源は通算80以上にのぼるブリアル・ヘックスのどれがスタジオ・アルバム仕様なのか、と遡るのを想像するだけでしんどい……。
 これがラスト音源だぜ! といったアナウンスが流れているが、過去に何度か同じことを言われ、騙されているわけで、今回もにわかに信じがたい……が、たしかに内容は最後を締めくくるにふさわしいと、言わざるをえないだろう。

 以前のレヴューでの紹介と重複するのでハショりますが、ブリアル・ヘックス(埋葬された呪い)は地底深くに隠されたある種のエネルギー・サイクルであり、それはヒンドゥー教の宇宙論において循環するとされる4つの時期の最終段階、万物が破滅にいたる終末の状態を表すそうだ。カリ・ユガ(Kali Yuga)である。
 クレイ・ルビー(Cray Ruby)にとってこのプロジェクトが自身の内包するドゥーム・スケープ(終末のヴィジョンとでも形容しようか)の具現化であることは過去十年間揺らがないのだ。ドゥーム/ドローン・メタル、パワー・アンビエントが台頭していたゼロ年代半ばにそのキャリアをスタートさせたブリアル・ヘックスはその後のネオ・サイケ・フォーク・リヴァイヴァルへの流れへと先陣を切りながら、自身が形容するところのホラー・エレクトロニクスという形で、近年〈デスワルツ・レコーディング(Death Waltz Recordings)〉がヴァイナルでの再発をおこなうようなカルト・ホラー・ムーヴィーのサントラから触発されたようなファンタジー性の高いソング・ライティングをおこなってきた。

 本作、ザ・ハイエロファント(The Hierophant)のタイトルは花京院のスタンドでお馴染み? の教皇のタロット・カードである。ステーク・ヘクセン(Sutekh Hexen)のケヴィンによる強烈な牛ジャケ・デザイン。そもそも教皇のカードを星座の牡牛に対応させるのは黄金の夜明け団による解釈であり、さまざまなオカルティズムにディープに精通するクレイによる暗喩がいつもより多めにこのアルバムに収められていることを象徴しているようだ。
 収録される楽曲も過去音源と比較してもダントツでキャッチーである。パワー・エレクトロニクス感は一切鳴りを潜め、同郷のゾラ・ジーザスばりにポップなアプローチを試みたと言っていいだろう。

 ちなみに過去の地元繋がりの両者による以下のコラボレーションは秀逸。)

 ハイエロファントの楽曲は上記のようなブリアル・ヘックスのポップ・センスが全面的にフィーチャーされたアルバムだ。ニューロマな方向にエモ過ぎる展開、じつはけっこう凝っているキャッチーな打ち込みビート、ファンキーな手弾きベース、やり過ぎなほどゴシックなオーケストレーション、そしてわりと全面通してウィスパーしたり唱いあげるクレイ。大聖堂のステンドグラスに降り注ぐ神々しい光と冬山に隠された洞穴でおこなわれる血塗られた儀式が交互にフラッシュバックする初冬に相応しいゴスな一枚。

サタデー・ベース・ウェイト! - ele-king

 なんということだ。今週土曜、ジャー・シャカが〈ユニット〉を揺るがしに東京にやってくる。しかも、ファット・フレディーズ・ドロップも同じフロアに参加。さらに、〈サルーン〉ではなんとマムダンスやブランコまでもがプレイするときている。今日のサウンド・システム・カルチャーの土台を作り上げた始祖と、その意志を継ぎ前線で戦うプレイヤーの両方を同じ場所で目の当たりにできるというだけで、足がひとりでに代官山へ向かってしまうではないか……!!!

 だがここにひとつ、贅沢な問題がある。お隣は恵比寿〈リキッドルーム〉では、同じ日にUKベース・テクノの現在を語るうえで外せないペヴァラリスト、カウトン、アススの3人がついにリヴィティ・サウンドとしてのプレイを披露するのだ! 彼らに加え、早い段階から彼らの曲をプレイしてきたDJノブやムードマン、C.Eのトビー・フェルトウェルがパーティを加速させる。

 ベース・カルチャーをバックグラウンドに持つリヴィティの根源に何があるかを理解するためには、ジャー・シャカを体感することは必須条件。また、ジャー・シャカを聴いてしまったら、彼が伝えた「意志」が世代から世代へどう伝わっていったのかを目撃しないではいられません。人力でルーツを探求するファット・フレディーズ・ドロップから、マシーン・ミュージックで伝統に切り込むリヴィティ・サウンドやマムダンス。「ダブ」をキーワードにシーンには素晴らしい多様性が生まれているのですから。
 さぁ、あなたはどちらを選ぶ? いや、選ばなくたっていい。ハシゴするだけの価値がオオアリなサタデー・ベース・ウェイトだぜ!

■11月8日(土)
会場:代官山 UNIT
Red Bull Music Academy presents The Roots Commandment: Tokyo In Dub

UNIT :
Jah Shaka

Fat Freddy’s Drop
Cojie from Mighty Crown

SALOON :
Branko,Mumdance,Dengue Dengue Dengue!, Jah-Light 
UNICE :
Fred, Felix, JUNGLE ROCK, ZUKAROHI

Open/Start 23:30
adv.3,000yen / door 3,500yen
info. 03.5459.8630 UNIT

20歳未満入場不可、要ID

■11月8日(土)
会場:LIQUIDROOM
HOUSE OF LIQUID

LIVE:
LIVITY SOUND (Peverelist, Kowton, Asusu / Bristol, UK)

DJ:
MOODMAN (HOUSE OF LIQUID / GODFATHER / SLOWMOTION)
TOBY FELTWELL (C.E Director)
DJ NOBU (FUTURE TERROR / Bitta)

Open/Start 23:00
adv. 2,500yen[limited to 100] door 3,000yen(with flyer) 3,500yen

info LIQUIDROOM 03-5464-0800 https://www.liquidroom.net

20歳未満入場不可、要ID

■JAH SHAKA

ジャマイカに生まれ、8才で両親とUKに移住。60年代後半、ラスタファリのスピリチュアルとマーチン・ルーサー・キング、アンジェラ・ディヴィス等、米国の公民権運動のコンシャスに影響を受け、サウンド・システムを開始、各地を巡回する。ズールー王、シャカの名を冠し独自のサウンド・システムを創造、70年代後半にはCOXSON、FATMANと共にUKの3大サウンド・システムとなる。'80年に自己のジャー・シャカ・レーベルを設立以来『COMMANDMENTS OF DUB』シリーズをはじめ、数多くのダブ/ルーツ・レゲエ作品を発表、超越的なスタジオ・ワークを継続する。 30年以上の歴史に培われた独自のサウンドシステムは、大音響で胸を直撃する重低音と聴覚を刺激する高音、更にはサイレンやシンドラムを駆使した音の洪水!! スピリチュアルな儀式とでも呼ぶべきジャー・シャカ・サウンドシステムは生きる伝説となり、あらゆる音楽ファンからワールドワイドに、熱狂的支持を集めている。heavyweight、dubwise、steppersなシャカ・サウンドのソースはエクスクルーシヴなダブ・プレート。セレクター/DJ/MC等、サウンド・システムが分業化する中、シャカはオールマイティーに、ひたすら孤高を貫いている。まさに"A WAY OF LIFE "!

■LIVITY SOUND (Peverelist, Kowton, Asusu / Bristol, UK)
UKガラージからの影響を色濃く反映したブロークン・ビーツとヘビーな低音を組み合わせることによって今までにない独自のグルーヴを提唱し続けるペヴァラリスト。グライムのエッセンスをテクノ・ハウスに落とし込んだダーティーでざらついた音楽の在り方を新たに提唱し、1つのスタイルへと昇華させたカウトン。ダブワイズな音響処理と確かな技術に裏付けられたプロセッシングを硬質なビートに施した中毒性のある高純度のミニマル・ミュージックを展開するアスス。LIVITY SOUNDは、そうした3つの突出した個性による相乗効果によって、単なる足し算ではなく、三位一体となった1つの「個」を創出してきたライブ・プロジェクト兼レーベルだ。ダブステップの潮流が大型レイヴの方向へと進行し、サウンドシステムの起源から離れていく中、ダンス・ミュージックにおける既存の枠組を取り払い拡張する、という根幹となる視点を維持し続け、新たな領域を積極的に切り開こうとする三者の意思が結実したものだと言ってもいい。その意思はハードウェアを中心としたライヴセットの中でも有機的に絡み合い、ダブ・エフェクトと即興性を活かした、まさに"セッション"と呼ぶに相応しいパフォーマンスを繰り広げることにつながっている。3人がこれまでに受けてきた音楽的な影響を抽出したものから生まれたソロ作、および共作は、それゆえにUKガラージ、テクノ、ハウス、ジャングルなど多くの方向性へとリンクしていくことが可能な音楽性を孕んでいる。この点こそ、多くのリスナーを魅了している理由であり、Resident Adviserにおける2013年レーベル・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた要因の1つだろう。今年に入り、彼らの音楽が持つ拡張性を示すかのように、Surgeon、Nick Hoppner、Kassem Mosse、A Made Up Sound、Ron Morelli、MMMの他、広範囲に渡るリミキサー陣が、LIVITY SOUNDの作品を手がけている。現在進行形のUKアンダーグラウンドを体現するLivity Soundのライヴセット、またとないこの機会をぜひとも逃さないでほしい。

■Fat Fredy’s Drop

ファット・フレディーズ・ドロップはニュージーランドの音楽史を塗り替え続けているバンドである。インディペンデント・アーティストとして過去最大の売上を記録するなど、音楽賞は総なめ、そして世界中の名立たるフェスティヴァルにも呼ばれ続けている(グラストンベリー、SONAR、ベスティヴァル、WOMAD、ローランズやロスキルドなど)。そして世界の由緒ある会場でも満員のライヴを開催し続けている(ブリクストン・アカデミー、オランダのパラディソ、ロスのヘンリー・フォンダ・シアターやパリのル・トゥリアノンなど)。レゲエ/ダブをベースに、ソウル/ファンク/ジャズ、そしてミニマルなダンスミュージックのグルーヴをクロスオーヴァーした絶妙な塩梅のバンド+打ち込み・サウンド、そして嫌いな人は絶対いないビター・スウィートな美声で万人を虜にするジョー・デューキーのボーカルなど、彼らの魅力はジャイルス・ピーターソンをはじめとする著名人を虜にしてきた。1999年にウェリングトンのアンダーグラウンド・クラブ・シーンに、ファンクやハウス、ヒップホップなどのレコードをスピンするDJ Mu(akaフィッチー)と共に演奏していたバンドが13年経った今も、同じ友情と気持ちで演奏を続けている。その進化は今日も止まる事が無い。
1st Album『Based on A True Story
2nd Album『Blackbird

Kero Kero Bonito - ele-king

 ここ数年、戸川純のライヴは皆勤に近いほど観に行っている。そのうち半分は対バン・シリーズで、大森靖子やマヒトゥ率いる下山など、なぜか彼女は若いバンドとしかカードを組まない。そして、そうした若手はしっかりとした美学を持っていることが多く、神聖かまってちゃんでもVampillia(ヴァンピリア)でもコンセプトが明快で、どこか80年代を思わせるムードに彩られている。先日もフロッピーというラップ・トップ使いが対バンで、氣志團がYMOに憑依したようなストリート風エレクトロニック・ポップを展開していた。つづいて登場した戸川純がMCで思わず「同期モノがやりたくなってしまった」というほど派手なステージだった。原宿〈クロコダイル〉で観たクリスタルバカンスがフラッシュバックするほど。

 可及的速やかに視野を狭めて80年代リヴァイヴァルがどうだとか言う気はない。プリンスがカムバックし、ブラッド・オレンジやカインドネスが呼び水になったとか、イギリスではABCが『レキシコン・オブ・ラヴ』(1982)全曲再現ライヴを何度もソールド・アウトし、ボーイ・ジョージやジョン・フォックスの復活も本格的だとか。そもそもヴェイパーウェイヴはどうして80年代のクズ拾いに躍起になっているのか。セイント・ヴィンセント、モリッシー、ディアフーフ……そういうことをいくつか並べ立てていれば、なんでも現象にしてしまえるのがメディアというものだし、もともとが見たいものしか見ないのが人間というものなので、インターネットは、その「見たいもの」を加速させる装置としては申し分ないこともわかっている。わかってはいるけれど……しかし、そう、サウス・ロンドンから現れた男女3人組はまったくもってフランク・チキンズではないか! 彼らの存在をほかに、どのような文脈に当てはめてケース・クローズドにすればいいのか(それは完全に職業病です)。関係ないけど、フランク・チキンズの歌を思い出そうとすると、山田邦子『邦子のかわい子ぶりっ子(バスガイド篇)』(1981)と歌詞が混ざってしまって、いつもヘンな歌になってしまいます……。

 ケロケロ・ボニトのデビュー・アルバムをまずは聴いてみるケロ。


 ラップ担当のサラはフランスと日本のハーフだそうで、歌詞も半分は日本語。微妙に感性を掴んでいるようなズレているような内容で、「発音のいい英語」に比べてどうも無表情に聴こえてしまう。音楽性でもいいし、バンドのコンセプトでもいいけれど、人工性を強調することは80年代におけるひとつの様式美だった。どこか覚めたところがあって、没入の否定=「呑み込まれていない」ということを示す必要があったケロだろう。それが、ここでは、そのような紆余曲折もなく、素直に人工的なセンスが実現されていて、なんとなく妙な気分ではある。それだけ日本のエイティーズが多様な屈折の上に咲いた花だったということかもしれないので、それがいつしか聴き応えというようなものにすり替わってしまい、僕の耳が素直なものにはそのまま向かい合えないということもあるのかもしれない。歌詞がストレートにティーンエイジのそれだということも手伝って、つまり、日本の音楽史のどこかに置こうとしても、どの時代にも属しようがないために、聴けば聴くほど、この妙な感じは増幅する。どう考えても歌詞が日本語でなければ、こんなことにはならなかったはずである。こんなことが続けば……そう、ヴェイパーウェイヴだって、いい加減、戸惑う時があるのに、この先、日本を意識したポップ・ミュージックが増えてきたりすれば、さらに混乱した気分になってしまいそう。

 ディプロがゴテゴテのマッチョにしか思えなくなってくるほどチープでシンプルなサウンドもその効果には一役買っている。イギリスから発信されている以上、90年代もゼロ年代もなかったかのようなエイティーズ・サウンドが繰り返されるわけもなく、ここにはUTFO・ミーツ・ジェントル・ピープルとでも言いたくなるような箱庭的世界観の敷衍からグライムの反対側にネクストを探ろうとする野心は見つけられる(身体性が希薄であることも80年代の様式美には組み込まれていた)。日本のラップがなんだかんだいって情緒過多だということもあって「乾いたサウンドに日本語」という組み合わせはそれだけで驚くほど新鮮で、さらにはオキナワン・エレクトロみたいな曲もドライさには拍車をかけている。

※日本先行CDにはスパッズキッドほかによる6曲のリミックスがプラスされている。

OG from Militant B - ele-king

漆黒の大地を駆けろ!

ヴァイナルゾンビでありながらお祭り男OG。レゲエのバイブスを放つボムを日々現場に投下。Militant Bでの活動の他、現在はラッパーRUMIのライブDJとしても活躍中。3回目の登場ほぼゴリラのOGです。今回のランキングはダブ! ダブ! ダブ! 歌無し"ハーコーダブ"に焦点を絞って、70年代バンドサウンドから2014年産デジタルキラーなものまで幅広く挙げてみました。音の再構築、破壊と再生。大胆で繊細、最先端なレゲエミュージックを感じてみてください。REBELだろ?

11/4 吉祥寺cheeky "FORMATION"
11/7 山形tittytwister "LIVE AT HOPE"
11/8 秋田re:mix
11/12 新宿open "PSYCHO RHYTHMIC"
11/23 東高円寺grassroots
11/29 池袋bed "NEW TYPE DUB"
12/2 吉祥寺cheeky "FORMATION"
12/6 渋谷asia "IN TIME"
12/30 吉祥寺cheeky


DJ 威力 - ele-king

廉価で手に入れた古書10選

本とレコードを買うことの境目があまりありません。
最近、天神橋筋商店街の天牛書店にて、内容の割にかなり廉価で手に入れた古書10選です。
音の出ないレコード。

『dublub.jp OSAKA #11』at GalaxyGallery
Mark Frosty / MAYUMIKILLER / 威力

10.25.SAT
『TROPICAL HOLE』at PINEAPPLE EXPRESS
BING aka Toshio Kajiwara / Hobobrazil / 威力 / 池田社長 / GYOKU

11.1.SAT
『GORF meets ECHOES』at FROG
αAREA、PPMG、SPINNUTS、THE KLO、威力、KURITA、sonic、SB10、OLEO、NxOxT

11.23.SUN
『ECHOES』at atmosphäre
sonic、pulseman、orhythmo、DNT、SPINNUTS、CJ、行松陽介、威力

twitter.com/iiimmrrarrmmiii
https://yofukenoongakufan.tumblr.com/

眠りたい音楽、眠らせないイヴェント - ele-king

 早耳のリスナーの間ではすでに注目されている気鋭の若手バンド、Taiko Super Kicks。今年8月には彼らの持ち味でもある浮遊感のあるスローテンポな曲群が収録された初の5曲入りミニ・アルバム『霊感』(限定店舗とライヴ会場、Bandcampのみでリリース)が話題となったが、そんな彼らが初の自主企画〈o m a t s u r i〉を10月31日に開催する。

 Taiko Super Kicksの音楽がどういうものか知らない人に説明するとしたらそれは、「ゆったりとしたBPM」がキモの「ギターの絡みが気持ちいい正統派オルタナ・ロック」だろうか。PavementやYo La Tengoといった90年代オルタナUSロックをフェイヴァリットに挙げ、22歳の瑞々しい感性で書き上げる曲は『霊感』をはじめ、総じて「気怠さ」を伴うところがポイントだとボーカル/ギターの伊藤暁里は言う。「最初はサイケっぽいものがやりたかった。次第に「気怠さ」に惹かれて曲作りを行うようになった。そのきっかけは村上龍の『限りなく透明に近いブルー』を読んでて、どんよりと倦怠感に包まれている、それまでにあまり知らなかったイメージだったこともあり、その感じを音に出したかった」。“霊感”“Ringo no Sitsukan”などの曲……具象を避け、雲をつかむようでいて親密、室内的で幽玄としたサウンドスケープ。それでいて、ちゃんと捻りの効いたロックをやっている。「眠気を誘うような、気怠い音楽をさらに突き詰めたいと思ったきっかけは去年のグルーパーやジュリアナ・バーウィックみたいなアンビエントっぽい女性ヴォーカルものを聴いて。霊感はそういうイメージで作ってました。すごいシンプルで寝ながら聴く音楽。その頃はライヴでも「客が眠りたいと思わせるような感じでやろう」とか言ってて(笑)」。

 自主企画のタイトルは〈o m a t s u r i〉、場所は〈o-nest〉でフロアとラウンジの2ステージで行い、moools、Lantern Paradeといった先輩バンドからLUCKY TAPES、New HouseよりPunPunCircleといった若手のバンドまでヴァラエティに富んだメンツ。さらには、先日アルバムをリリースしたばかりのnohtenkigengo、そしてミツメのnakayaan、『霊感』のジャケットも手掛けたmay.eと、彼らと親交の深いアーティストも参加する充実のラインナップに加え、ラウンジエリアにはココナッツディスクの出店とフリーマーケットなんかもある。
 「ライヴハウスに行ってスマホみるしかないとかつまんない時間を過ごさないようにしようっていうのがあって。待ち時間にしたくない。カッコいいバンドを集めただけのイヴントってのも熱いとは思うんですけど疲れるだけっていうのもあって、なのでできるだけヴァラエティを持たせて。あとは、同年代だけのバンド、勢いのあるバンドだけを呼ぶのも嫌なのもあり、こうなりました。絶対に誰でも必ずハマれる要素、瞬間を用意しています。ひとりで来ても楽しい、新しい何かに出会えると思います。」
 10月31日はお祭りへどうぞ。

■Taiko Super Kicks presents
” o m a t s u r i ”

10/31(Fri) @渋谷TSUTAYA O-nest
OPEN: 18:30 / START: 18:30
ADV: 2000 / DOOR: 2500 (ドリンク別)

【5F】
Taiko Super Kicks
moools
Lantern Parade(3人編成)
LUCKY TAPES

【6F】
may.e
nohtenkigengo
PunPunCircle(New House)

【DJ】
nakayaan(ミツメ)
A Taut Line(Greeen Linez)

【出店】
ココナッツディスク
オマツリフリーマーケット(7A 理科 出演者の皆様)

【チケット情報】
※以下プレイガイド及びメール、または各出演者様に直接お取り置きをお願い致します。ローソンチケット: 76511

e+

メール予約: omatsuri.info@gmail.com  (お名前と枚数をご明記ください)


My Panda Shall Fly - ele-king

「ハッピーバースデイ、ニーナちゃん!」という宇川直宏の掛け声でニーナ・クラヴィッツのDJがはじまる。10月だけ秋葉原の〈3331〉で開催されているDOMMUNEは、家から歩いていこうと思えば行ける距離なので、買い物のついでに足が向けられる。先日もそんな調子で軽くフロアを覗いてから家に帰ってふと思った。いつの間にか英米だけではなくロシアだとかアルゼンチンのDJを気軽に見ることができるようになっていると。90年代の初めはドイツのダンス・カルチャーだって遠くに感じられたのに。

 今年に入ってからもようやくデビュー・アルバムをリリースしたモー・カラーズがモーリタニア、同じくアーカがヴェネズエラときて、ラッカー(Lakker)のリミックスに惹かれて興味を持ったスレン・セネヴィラトニ(Suren Seneviratne)もスリランカ出身だという(96年からロンドン在)。ラッカーが起用されていたEP『プッシュ』はモウ’リンとの共作だったので、どこからどこまでが彼の作風なのかは推し量ることができなかった上に、そもそも回転数がよくわからなかったので、〈サウンドウェイ〉からとなったセカンド・アルバム『トロピカル』が僕にとっては明確な導入部である。〈サウンドウェイ〉は〈オネス ト・ジョン〉をじりじりと追いかけているようなレーベルで、アンゴラのバティーダ(Batida)やコロンビアのメリディアン・ブラザーズなどクラブ・カルチャーとの境界線をなし崩しにするリリースが増えつつあり、どこか気取った〈プロジェクト・ムーンサークル〉からリリースされた『プッシュ』とはイメージが結びつかず、むしろ、そんなにもワールド寄りなのかと驚いたぐらいである。しかし、実際には、これはNYでレコーディングされたエスニック・ポップであった。同じくスリランカのMIAがクゥドロやバイレ・ファンキなど世界のリズムに目配せをしていたようなものとはまったく異なり、都会的な洗練に覆い尽くされていたのである。

 と、それで価値がなくなってしまうわけではない。僕には『トロピカル』がトーキング・ヘッズ『リメイン・イン・ライト』(1980)のソフィスティケイティッドされた後日談に聴こえ、フェイクの金字塔として輝けるその地位を補強するものに思えて仕方がない。かつて、トーキング・ヘッズは都会から足が抜けなくなったルー・リードとは対照的に、都会にいながらリモート的にどこへでも移動し、トポスからはかけ離れたポップの構造を生み出すことに成功した。まさに「you may find yourself in another part of the world」(「Once In A Lifetime」)である。「ノー・ニュークス」をモジッただけとはいえ、『ノー・ニュー・ヨーク』(1978)とはよく言ったものだけれど、自分がその場にいないという感覚は故郷喪失者たちによるロックン・ロールからヴェイパーウェイヴまで、ポップには必然的に伴ってきた要素ともいえる。アフリカ・バンバータしかり、マスターズ・アット・ワークしかり。ラプチャーやLCDサウンドシステムが『イエス・ニュー・ヨーク』(2003)を掲げた時期はハテナだけれど、現在ならOPNがそのフロント・ラインに立ち返ったといえるだろうか。

 途上国から出てきたミュージシャンには2タイプある。過剰に祖国やその文化圏を思い出す叙情型と、まったくのデラシネと化してしまう叙事型である。「僕のパンダが空を飛ぶ」とは上手くつけたもので、土地との結びつきをなくし、架空の世界に飛翔する契機がまずは言葉によって与えられる。それこそこの世界にパンダを私有している人間など存在しないし、それがさらに空を飛んでしまうとはファンタジーもいいところだし、それで「トロピカル」とくれば、トーキング・ヘッズを上回るフェイクが繰り広げられたところでまったくおかしくはない。そういえばアーサー・C・クラークは『スリランカから世界を眺めて』(1977)で同国を地上の楽園にたとえていたなー。

♪Letting the days go by~ (“Once In A Lifetime”)

Chim↑Pomに捧げる! - ele-king

 「三田さんは僕の音楽をいつも全否定するんですよ。だからプロデュースをお願いしようと思って!」「あはははは!」というやりとりののちに、制作者たちによるライナーを眺めて2度爆笑した。いや、黒笑というべきだろうか。三田格のブラック・ジョークが炸裂した名ライナー(しかもご丁寧に英訳されていて3度黒爆笑だ)も必見の、why sheep? 11年ぶりのサード・フル・アルバム『REAL TIMES』が〈U/M/A/A〉からリリースされた。

 ジャケットとなる作品は、きわどく社会への問題提起をつづけるアート集団Chim↑Pomによるものだが、3.11以前から彼らにジャケットを依頼することは決まっていたそうだ。震災は予定外の出来事だったが、その直後にChim↑Pomによって現地で制作された作品とその展示「Real Times」から大きく感銘を受けたwhy sheep? は、本作を『REAL TIMES -dedicated to Chim↑Pom-』として完成させた。ゲストにもUA、EYE(ボアダムス)、Cuizinier(TTC)など豪華な顔ぶれがそろう。また、ブックレットには渋谷駅にて撮影された写真も使用されている。

Chim↑Pomによるアートワーク
Red Card
2011 ©Chim↑Pom
Courtesy of MUJIN-TO Production, Tokyo

Why Sheep?
Real Times -dedicated to Chim↑Pom-

U/M/A/A

2014年10月8日(水)発売
UMA-1044 / 価格2,500円(税込)

Tower Amazon

■収録トラック
1.Rue Pierre Leroux
2.Radiation #1
3.11th (Away From The Borders, Close To The Borderless) feat.EYE
4.Somewhere At Christmas
5.Radiation #2
6.Grum Sai Grum
7.On My Answering Machine
8.relativisme extrême
9.Mandarake feat.Cuizinier(TTC)
10.Empathy feat.UA -PUSH-
11. Sênga (Empathy Reprise)

■プロフィール
Why Sheep? (内田学)
細野晴臣のレコーディング・アシスタント等を経て、WHY SHEEP? 名義でM.O.O.D(Moodman主宰)より1996年伝説的なファースト・アルバムをリリース。国内外のメディアで大きな反響を呼ぶ。その後アジア、ヨーロッパを中⼼に世界各国を放浪。7年間の沈黙の後、2ndアルバム『The Myth And i』が日・欧・米と世界発売される。数々のリミックスや映画等のサントラ、プロデュース等を手がけると同時にサマーソニック等、国内外での公演を精⼒的にこなす。2007年には、⾳を禅の作庭術になぞらえたサウンド・アートプロジェクト“枯⼭⽔サラウンディング”を⽴ち上げクリエイティヴ・ディレクターを務める。東急多摩川線全駅を使った多摩川アートラインプロジェクトでの作品「八水響」などが有名である。2010年には故マイケル・ジャクソンの伝記『マイケル・ジャクソン・レジェンド』(チャス・ニッキー=バーデン著)の監修も手掛け、初版1万部が予約のみで完売する。3.11以降、アーティスト集団Chim↑Pomの映像作品"気合い100連発"にリミキサーとして参画し、トークイベント"Rm311"を開始する等、⾳楽活動の領域を超えて勢⼒的に活動し、2014年秋、集⼤成ともいえる3rdアルバム「Real Times」をリリースする。

■Chim↑Pom の『Real Times』展とは
2011年5月20日-25⽇に無⼈島プロダクションで開催した芸術実⾏犯「Chim↑Pom」の個展。
2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原発での事故を受けて制作された作品群。巨大な現実を前にアートの無⼒が語られ、多くの展覧会が⾃粛された中、Chim↑Pomは現地に赴いて作品を制作。また、渋谷駅に永久設置されている、日本の被爆/被曝のクロニクルとも言える巨大壁画「明日の神話」に福島原発の事故の絵をゲリラで付けたし社会的事件を引き起こした。それらの作品で構成された「Real Times」展は、日本における震災・原発事故への代表的なレスポンスとして、国内のみならず海外でも大きく報道された。
https://chimpom.jp


 すっかりと定着したインディ・ロックのライヴ・イヴェント、〈Hostess Club
Weekender〉。次回は来年2月21日(土)と22日(日)の2日間にわたって行われる模様で、ヘッドライナーには新譜のリリースを控えたベル・アンド・セバスチャン、そして第一弾のラインナップにはセイント・ヴィンセント、カリブー、チューン・ヤーズ、リアル・エステイト、ハウ・トゥ・ドレス・ウェルの名が見える。これははっきり言って当たり回!
 毎度良質なインディ・ロックを高密度で味わわせてくれるイヴェントだけれども、ビッグでありながらいまだ瑞々しく前線を走る、あるいはシャープなままポップ・フィールドにその存在を刻み付けている面々が揃っている。
 続報を期待しながらチケットの発売を待ちたい。

■Hostess Club Weekender

出演:BELLE AND SEBASTIAN / ST.VINCENT / CARIBOU / TUNE-YARDS / REAL
ESTATE / HOW TO DRESS WELL and more…!

日程:2015年2月21日(土)& 22日(日)

場所: 新木場スタジオコースト

オフィシャルサイト: www.ynos.tv/hostessclub

※2日通し券先行販売は11月8日(土)から!
チケット他詳細、後日発表!

出演アーティストプレイリストはこちら:
https://www.youtube.com/playlist?list=PLVFVd1


■セイント・ヴィンセントの単独公演も決定!
日程:
2015年2月19日(木)梅田クラブクアトロ
2015年2月20日(金)渋谷クラブクアトロ

単独公演詳細はこちら:
https://www.creativeman.co.jp/artist/2015/02stvincent/

チケット販売は11月8日(土)から!

Gr◯un土 (Chill Mountain) - ele-king

2014/10/15(wed)

Gr◯un土(ChillMountain)
◯S△K△生まれの古墳郡育ち。
今年10祭の誕生日を迎える大阪奥河内発のSoundCampParty (CHILL MOUNTAIN)主謀者。
全国各地大小様々なCLUB、LIVEHOUSE、BAR、CAFE、OPENAIRPARTY、寺社、はたまたTV塔展望台など。
DJをTOOLにRECORDSと供に年100回以上巡業するOSAKA UTORI世代 DJ。
大阪十三に四年間存在した幻しのDJ喫茶ChillMountainHutteを運営&プロデュース。
楽曲制作も行い
BLACK SHEEP ANTHOLOGY vol.1 LPにMOUNTAIN HOUSEが収録.
absolute timeとのスプリット12INCH(ChillMountainEp).
“御山△EDIT a.k.aTHE△EDIT”名義でMAGICWAND(UK)からの2枚の12inch.
ROTATING SOULS(US)からの1枚の12inch.
8枚のMIXCD.
FEELBACKRECからの計3枚のコンピCDにオリジナル楽曲を提供(ドイツのケーブルTVで使用放送される).
昨年ChillMountainRecより関西奇才19組大集合となる2枚組コンピCD
(ChillMountainClassics)をプロデュース。
自身初となるオリジナルALBUMが2015年の1月にリリース決定△

https://soundcloud.com/dj-ground

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