「Low」と一致するもの

[soul & dubstep] - ele-king

 2010年の2月にアルバム『アイム・ニュー・ヒア(I'm New Here)』で素晴らしい復活を果たした詩人、ギル・スコット・ヘロンだが、来年早々そのリミックス・アルバムのリリースが予定されている。しかも......アルバムをすべてをザ・XXのジェイミー・XXがリミックスするという企画だ。

 たしかに『アイム・ニュー・ヒア』は、ブリアルをはじめとするダブステップからの影響を取り入れていた作品だったけれど、それを丸ごとジェイミーが手を加えるとなると話はまた別だ。彼が2010年の来日時にDOMMUNEでプレイしたDJは、現在のUKのダンス・サウンド(ダブステップ、ファンキー、グライム、ウォンキー)を親切に手際よくパッケージしたもので、僕にとっては忘れがたいものだった。

 まずは手はじめに"NY・イズ・キリング・ミー"のリミックスが届いている。さあ、聴いてくれ。UKファンキー以降のビートを取り入れたこの音を聴いてしまったら......君はジェイミーのビートとスコット・ヘロンの声から逃れられなくなるだろう。

 

[Dubstep & Techno & others] #3 - ele-king

1. Pariah / Safehouses | R & S Records


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E王ロンドンの、ジェームス・ブレイクに次いで注目を集めている若きポスト・ダブステップ・プロデューサーのセカンド・シングルで、前作におけるブリアルやジェイ・ディラへのリスペクトを残しつつ、よりダンスフロアへとアプローチしている。キックドラムから入るA1の"The Slump"は今回のシングルを象徴する曲で、2ステップ・ガラージとディープ・ハウスの美しいブレンドで、魅惑的なグルーヴを展開する。背後から人びとの声が響くB1の"Prism"はディープなレイヴ・スタイルへと流れ込んでいく。C1の"Crossed Out"は2ステップ・ビートと重たいエレクトロとの競演、そしてトラックの後半にはメランコリックなR&Bヴォーカルとともに導入されるロスカにも似た野太いビートがダンスを駆り立てる。D1の"C-Beams"はアシッド・ハウスへの冒険だ。ヒップホップ・クラップとR&Bヴォーカルの断片のなかをアシッド・べーすがうねっている。D2の"Safehouses"もパライアーらしいソウルフルなフィーリングのディープなトラックで、全盛期のシカゴ・ハウスが持っていた最良の瞬間に彼は近づいているようだ......。
 いや、とにかくもう、まったく素晴らしい2枚組だ。

2. James Blake / Limit To Your Love | Atlas Recordings


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E王モダン・クラシックが10インチで登場。You Tubeではなく、ようやくヴァイナルで聴ける......この喜び、これが音楽っすよ。いやね、『SNOOZER』で田中編集長と話していたら、ロックを聴いている子は音楽に救いを求めているっていうのだけれど、僕は音楽はまずはとにかく楽しみを追究するためにあると思う。
 さて、これはもうご存じ、ネット上でさんざん話題になった、2007年にファイストがリリースしたセカンド・アルバム『ザ・リマインダー』に収録された曲のカヴァーで、片面のみのプレスにてリリース。アルバムは来年の2月だとか。この曲を聴いたら期待するなというのが無理な話だ。

3. Untold / Stereo Freeze / Mass Dreams Of The Future | R & S Records


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 これはDJ御用達でしょう。上物だけ聴けばアシッド・ハウスそのもの。が、しかし、イントロのスネアの16の連打、そして最高のダブステップ・ビートがどかーんとやって来る。フロアの狂騒が聴こえてくる。かなり格好いい。大邸宅に住んでいるDJメタルが愛して止まない"エナジー・フラッシュ"のモダン・スタイルとでも言いましょうか。
 フリップサイドの"Mass Dreams Of The Future"もまた......、イントロはアシッドのべースライン、それからダブステップのうねりが蛇のように絡みついてくるとトランシーに飛ばしていく。新世代によるアシッド・ハウス解釈というか、これもかなりのキラー・チューン。まあとにかく、これもシーンの盛り上がっているということなのだろうけれど、パリアーにしてもアントールドにしても、最盛期におけるダンス・ミュージックが持ちうる素晴らしいグルーヴがある。
 それにしても〈R&S〉は見事にダブステップのレーベルへと転身したな。

4. Addison Groove / Footcrab / Dumbsh*t | Swamp 81

 2007年にURが「フットウォーズ」を出したときに、マイク・バンクスに「これって何?」って訊いたら、笑いながら「いや~、これはシカゴやデトロイトのキッズのあいだで流行っている新しいダンス・バトルのために音楽だよ」と教えてくれたものだが、それがいつの間にか広がっていた。
 これは半年以上前のリリースだけれど、shitaraba君がDJネイトのレヴューのなかでUKにおけるダブステップ方面からのフットワークへのリアクションとして、たいして面白くないと紹介していた1枚がこのアジソン・グルーヴの"フットクラブ"で、僕はけっこう面白いと思っている。そのように一掃されてしまうにはもったいない可能性がここにはあると思うので紹介しておきましょう。
 シカゴのゲットー・ハウスの豪胆な野蛮さ(〈ダンス・マニア〉から綿々と続くあれの現代版)がロンドンのクラブ・カルチャーの雑食性のなかで再解釈されたもので、この混沌のなかから来年は何か発展しそうな気配もある。
 踊らせたいぜーというDJはチェックしてみて。

5. Joe / Claptrap / Level Crossing | Hessle Audio

 これはジェームス・ブレイクの"CMYK"と並んで2010年のクラブ・アンセムとなった、いわば時代を象徴する1曲なので紹介しておく。完璧にダンスフロアのためにあるトラックで、ソカのリズムを笑えるほど極限まで削ぎ落としながらも、UKファンキー、それからフットワークやジュークともリンクするような不思議なグルーヴを持っている。
 ハウス世代がこれを聴いたら驚くんじゃないかな。そして、この音がクライマックスでかかることを知ったら、自分のレコードバッグを見直すかもしれない。あるいはこの最小限の音でここまで陽気であるという事実に嬉しくなるかもしれないね。

 以上、いまダンス・ミュージックを聴くならUKが面白いというこの1年を代表する5枚でした。

Chart by JETSET 2010.11.29 - ele-king

Shop Chart


1

ホテルニュートーキョー

ホテルニュートーキョー トーキョー アブストラクト スケーター EP »COMMENT GET MUSIC
都会の喧騒を華やかに彩る、ホテルニュートーキョーの真骨頂ともいえる1枚がアナログ化決定!話題のElliott Smithの"The White Lady Loves You More"のカヴァーをはじめ、既発曲のリミックスやライブ・テイク、新曲を含めた渾身のトラック全8曲を収録 !

2

JEBSKI

JEBSKI STILL / HAKUBA »COMMENT GET MUSIC
Los HermanosのGerald Mitchell(UR)が参加したJebskiの新作12インチ!「美麗と狂乱」この言葉が妙にシックリくるような、両極端でありながらもJebskiの世界感がタップリ凝縮された渾身の1枚です。

3

N.E.R.D.

N.E.R.D. NOTHING »COMMENT GET MUSIC
約2年振り、遂に完成した4thアルバムが到着!Daft Punkがプロデュースを手がけ話題沸騰の"Hypnotize U"、先行シングル"Hot-N-Fun"含む全10曲。ボーナス・トラック4曲を加えたデラックス・アナログ・エディション!

4

MAXXI & ZEUS

MAXXI & ZEUS AMERICAN DREAMER / MZ MEDLEY »COMMENT GET MUSIC
Maxxi & Zeus名義でのウルトラ・ディープ・チルアウト2作目も相当ヤバい!!前作"The Struggle / The Cell"に引き続きドープ・サイケデリアを掘り下げたQuiet Villageの変名プロジェクト"Maxxi & Zeus"による、Francois K, Thomas Bullock, Prins Thomas, Soft Rocks, Tim Sweeney, Ronny & Renzo等、絶賛の声多数のグレイト過ぎる新作です!!

5

THEO PARRISH / ISOUL8 & MARK DE CLIVE-LOWE

THEO PARRISH / ISOUL8 & MARK DE CLIVE-LOWE STOP BAJON »COMMENT GET MUSIC
Theo Parrishらによるバレアリック古典"Stop Bajon"カヴァ大作!!Theo Parrish自身もヘヴィ・プレイ&DJ Harveyらもフェイバリットに挙げるイタリアン・バレアリック古典Tullio De Piscopo"Stop Bajon"。リリース以前から話題となっていた話題のカヴァ・トラックが遂に解禁!!

6

CHICO MANN

CHICO MANN YA YO SE »COMMENT GET MUSIC
Kindred Spiritsフックアップで勢いに乗るChico Mannの2ndアルバムからシングル・カット!!NYのアフロ・ビート・オーケストラAntibalasのギターを担うMarcos J. GarciaによるChico Mann名義での2ndアルバム"Analog Drift"から、スペーシー・エレクトロ・ファンク"Ya Yo Se"をシングル・カット。B-SideにはScratch Live用のコントロールコードをカットしたユニークな企画です。

7

BLACK EYED PEAS

BLACK EYED PEAS THE BEGINNING »COMMENT GET MUSIC
さらに進化を遂げたエレクトロ・サウンド! 待望の6thアルバムが到着!大ヒット・アルバム『the E.N.D.』から約一年半振りとなる通算6作目スタジオ・アルバムがボーナス・トラック3曲を収録した180gヴァイナル仕様、デラックス・ヴァージョン2LPで入荷!

8

NORAH JONES

NORAH JONES ...FEATURING NORAH JONES »COMMENT GET MUSIC
Norah Jonesによる話題沸騰のコラボレーション・アルバム。アナログもリリースされます!!Ray Charles、Herbie Hancock、Talib Kweli、Q-Tip、Outkast、Belle and Sebastian等、'02年のデビューから残されてきた共演楽曲を彼女自身が選曲した話題のコラボ・アルバム!!

9

SCOTT GROOVES

SCOTT GROOVES LOT 1210 »COMMENT GET MUSIC
Alton Millerに続くSuperbの新作は、同じくデトロイトの重要人物、Scott Grooves!過去にリリースされた作品は、Francois K.やDerrick May、Theo Parrishなどトップ・クラスのDJがこぞってプレイする信頼のSuperb Entertainmentの18番!

10

IAN DURY

IAN DURY THE PUB SKA EP »COMMENT GET MUSIC
人気の7インチ・シリーズに、ロンドン下町パブ・ロック・シーンの顔Ian Duryが登場です!!Pogues「ニューヨークの夢」的なトラッド色濃い前半からワルツ調にスウィングするA-1、スティール・パン使いのカリビアン・ニューウェイヴ・スカB-1、そして哀愁溢れる初期音源B-2の全3曲を収録!!

SHINGO★西成 - ele-king

 最近、NHKの連続テレビ小説『てっぱん』にはまっている。いまのところ、大阪の下宿を舞台にお好み焼き屋を開業する少女の成長を描く物語として進行している。富司純子(寺島しのぶのお母さんです!)の美貌と素晴らしい演技を観られるだけで、朝8時からの15分は僕にとって幸福な時間のひとつとなっている。さてそこで、日本語ラップの大阪名物と言えば、SHINGO★西成である。それこそ彼は『てっぱん』に出ている元・ボクサー赤井英和とも曲を作っている。さあ、地元・西成を愛する兄貴が通算2作目となるフル・アルバムを引っ提げて帰ってきた。MSCが所属する〈LIBRA〉から般若が主宰する〈昭和レコード〉に移籍してのリリースとなる。

 ファースト・アルバム『SPROUT』が発表された3年半ほど前、取材のために大阪の西成まで行き、彼の地元を案内してもらったことがある。まさに"ILL西成BLUES -GEEK REMIX"の世界を歩いた。日本最大の労働者の街であり、日雇い労働者の寄せ場となっているあいりん地区で写真を撮影していると、サングラスをかけたいかにも堅気ではなさそうな強面のおじさんが近づいてきた。そのときのSHINGO★西成の対応はさすがだった。彼は自分が西成出身のラッパーであることを伝え、地元について歌っていると言って相手を納得させたのだ。だからもちろん、SHINGO★西成は大阪の表の世界だけにスポットを当てているわけではない。彼のフッド感覚やタフさや人情味は、彼の音楽においてもっとも重要な要素でもある。そのときご馳走になったホルモンうどんの味はいまでも忘れられない。
 前作を出したあと、ナニワのソウル・シンガー、大西ユカリとデュエットした「二人の新世界」や、これまた大阪市にある日本最大の遊郭のひとつとして大正期に作られた飛田新地についてラップする"飛田新地"を発表している。また、ULTRA NANIWATIC MC'Sというグループ名義の『THE FIRST』には、ソロとは違うどんちゃん騒ぎのファンクネスが詰まっていて面白い。

 『I・N・G』の冒頭を飾る"G.H.E.T.T.O."はまさにオープニングにふさわしい曲で、再スタートの合図を打ち鳴らすように疾走していく。PVがまた格好いい。ショーン・ポールを思わせるダンスホール風の"左"はアッパーなパーティ・チューンで、DJ FUKUの、ぴかぴかした光沢を感じさせる音の鳴りが気持ち良い。教育テレビの子供向け番組で流れていてもおかしくないような"できたかな?"の牧歌的なトラックはEVIS BEATSによるものだ。派手なシンセ・ベースがうねる極彩色のバウンス・ヒップホップ"ずるむけ"もユニークだ。それにしても、いままで以上にSHINGO★西成のラップはシンプルで聴き取りやすくなった。ある種の教訓的なことを歌いながら、説教臭さを上手く回避できているのも彼だからこそ成せる業と言える。

 先日、野宿者支援を長年続けるある活動家に頼まれて、デモでかける音楽の選曲をした。野宿者が生きるための生業であるアルミ缶や新聞の収集を墨田区が条例で禁止したことに反対する浅草でのデモだった。こういう行政や町の狭量さやセンスの無さというものを僕は心の底から軽蔑する。人間の生き死に関わることを条例で安易に規制するな、というのだ。SHINGO★西成流に言えば、「ぞうきんちゃうぞ人間は......」ということである。CDには、エミール・クストリッツァ&ノー・スモーキング・オーケストラの祝祭的なバルカン・ミュージックやアンティバラスのアフロ・ビート、いまは亡き元・じゃがたらのサックス奏者、篠田昌巳の曲、その次あたりにファンキーなサックスのサンプリングが映えるSHINGO★西成の"段取り"を入れた。野宿者の人たちが喜んでくれたかはわからないけど、そういう場面、そんな流れでかかっても彼の音と言葉はしっかりと町中に響く力を持っている。

 「ないところから取らない(カラス)/あるところから根こそぎ 取る」"カラス"という、常に弱者の立場から世のなかを見て、弱者の味方をするSHINGO★西成が僕は好きだ。そりゃ、金持ちにもいい人がいるのは知っているけど、下から見なければ絶対にわからない世のなかの仕組みやからくりだってあるし、地を這うように動かなければ変えられないこともある。西成の越冬闘争や地元の幼稚園に足を運び数十人のオーディエンスの前でラップしながら、武道館や2万5千人規模のレゲエ・フェスも沸かせるラッパーはSHINGO★西成ぐらいのものだろう。仮に彼がいまよりさらに有名になってお金を手にしたら、ウータン・クランが遊園地やアパートを作ったように、なんらかの形で地元に還元することだろう。彼はそういう人だと思う。

 音のクオリティは高いが、たしかに耳の早い音好きを充分に満足させるほどの斬新なサウンドではないかもしれない。しかし、日本語ラップを聴く面白さには、ラッパーの人間性に触れることができるというのも大きい。僕のような人好きの人種には堪らない。これだけ人間力のようなものが問われる音楽ジャンルも珍しいのではないだろうか。いまから日本語ラップを聴こうと思っている人がいて、その観点から選べと言われれば、僕は迷わずSHINGO★西成を勧めるだろう。『I・N・G』は聴くたびに心に沁み渡るアルバムだ。ここにはブルースがある。悪いことは言わない。騙されたと思って聴いてみて欲しい。できることならいち度ライヴに行くべきだ。マジで感動するよ。

SHINGO☆西成ILL西成BLUES -GEEK REMIX
SHINGO☆西成 PV 飛田新地
SHINGO西成「G.H.E.T.T.O」

IORI (PHONICA / PROLOGUE) - ele-king

Current top 10


1
Moebius&Neueier Reconstruct DJ NOBU- ZERO SET Reconstruct

2
DONATO DOZZY - K

3
TV VICTOR -GRV 1

4
SIGHA - Early Morning Light / Over The Edge

5
SHACKLETON - Mukaba Spacial

6
RAU - The Blessing

7
Traversable Wormhole - Exiting The Milkyway (Surgeon remix)

8
Commix - Emily's Smile (she's still smiling mix sigha)

9
Claudio PRC - Clear Depth (silent servant remix)

10
Kassem Mosse & LOWTEC - WORKSHOP EP

MIPITIX (ODlounge / fab-space ) - ele-king

地下発狂実験室TOP10


1
Cycheouts a.k.a. Cycheouts Ghost - Lum'n'Bass - Romz

2
UTEROZZZAAA - B.B.KILLOurBabys mixed By Shaka-Itchi - vagina sewing

3
Gabbenni Amenassi - Inglourious Basterds - Sociopath Recordings

4
K-bomb x Olive Oil - 666 - Black Smoker Records

5
Pizza Circus - Weed Boulevard For Rasta Heart - Sociopath Recordings

6
DoN29 - Libble Rabble Bass

7
Ove-NaXx - Kita Low Rimix

8
Numb'n'dub - Blink-182 feeling this NMDB Breakcore remix

9
Muraqmo - 後ろの正面 - Trefoil Productions

10
Rivak - 1200 Mashed Pills - Rus Zud Net Label

SCANDAL (BEATPOP / 酔人) - ele-king

SCANDAL AVENTURE 10


1
Edward - Vivien's Therme - Giegling

2
Pantom Ghost - The Shadow - Dial

3
Stereociti - Cosmoride - Mojuba

4
Yapacc - Coral Garden - Wir

5
Glimpse - Fine A Way - Leftroom

6
Krakatoa - P&D (Prais Connwction Remix) - Krakatoa

7
Smallpeople&Rau - Life Aquatic - smallville

8
Brendon Moeller - Sweetspot - Echocord

9
Mr Bizz - Jantra - Mono

10
Dave DK - Sweet Yellow - Moodmusic

KABUTO(LAIR) - ele-king

LAIR CHART


1
Sit - Year 3000 - Jesus loved you

2
Red Rack'em - How I program - Bergerac

3
Shakarchi & Straneus - Macedonia - Geography

4
Rondenion - In one's mind - Bosconi extra

5
Rills - Peep show - All inn

6
Signor Andreoni - Soul Burner - T-Bet

7
Lowtec - Use Me(Laid mix) - Laid

8
TT ENSEMBLE - Fiul Risiptor - Yojik ConCon

9
Jus-ed - Shit - Underground Quality

10
Delano smith - I Fly - Undertones

Magnetic Man - ele-king

 ミズ・ダイナマイトのラップをフィーチャーした"ファイヤー"を聴いた瞬間から、手は震え、舌は乾き、胸の鼓動は激しさを増し......「マグネティック・マン、最高!」と叫んでいる。家のなかで......。
 これを聴いていると、久しぶりにクラブに行きたくなる。音楽から週末の夜の匂いがしてくるのだ。猥雑で、エロティックで、少しばかり危険で、激しい歓声が聞こえてくる。レイヴ・カルチャーの懐かしい感覚は、しかし彼らが作るダブステップ/グライム・サウンドによって掻き消される。
 完璧なアルバムではない。冗長な曲もあるし、お決まりのダーク・ストリングス系の曲など要らないと思う。それでもずば抜けて良い曲が不満を吹き飛ばす。スクリーム、ベンガ、アートワークの3人によるライヴ・プロジェクト、マグネティック・マンのデビュー・アルバムは、エネルギッシュでストレートな、シンプルで大迫力のダンス・ミュージックである。

 いま、UKは20年振りにダンスの季節の真っ直中にいる。インディ・キッズはライヴハウスに背を向けてクラブに押し寄せ、ロックのシングルにはダブステップやファンキーやウォンキーのリミキサーが名を連ねる。次から次へと新しいDJ、新しいプロデューサーが現れている。
 マグネティック・マンのデビューを促したのはそうした時代の風向きだが、このプロジェクトにはある種批判めいた声もあった。まさに「20年前と同じことが起きている」と『ガーディアン』の記者は書いている。アンダーグラウンドの純粋主義者たちは、あからさまに商業主義に臨んでいるこのプロジェクトをよく思っていないという話だ。まあ......僕もどうかと思っていた。スクリームのセカンド・アルバムで充分ではないかと思ったし、アンダーグラウンドにおけるポスト・ダブステップがやたら面白いので、シーンの重鎮3人によるスーパー・プロジェクトという、ハナからヒット狙いのあざとさに引き気味だったのも事実である。が、マグネティック・マンはそんな雑音を尻目に、2010年の夏をキャッチーな"アイ・ニード・エア"で制覇すると(UKチャートで10位)、続いてシングル・カットされたR&Bナンバー"パーフェクト・ストレンジャー"(16位)によって、クロイドンの地下室から生まれたこの音楽のポップとしての実力をまざまざと見せつけたのである。
 場数を踏んでいる3人だけあって、無闇にベースを鳴らしたりはしない。抑えるところと出すところを心得ているし、その最悪な瞬間でさえも包み込んでしまう、ダブステップを生んだコミュニティのマナーの説得力というモノがある。そしてとくにかく、"ファイヤー"、"アイ・ニード・エア"、"パーフェクト・ストレンジャー"の3曲がずば抜けている(僕と同世代のいい歳した連中には、これらはゴールディーの"インナーシティ・ライフ"の現代版であると言っておきましょう)。お陰様でというか、マグネティック・マンがここまで魅力的なのだから、スルーしていたロスカ(UKファンキーの第一人者)のアルバムもやっぱ聴いてみようかと思い直している。それを聴かずして、2010年を終えてしまうのもアレだし......。三田格も良いって書いているし......。
 
 7年前、ディジー・ラスカルは「ロンドンよ、立ち上がれ!」と言った。マイノリティの就業率が60%を下回るほどの格差社会の生んだグライムからの切なる叫び声である。マグネティック・マンは最近のライヴでこうMCした。「ロンドンよ! ぶっ飛ぶ準備はできてるかい?」
 そこで「イェーイ!」と叫ぶ人が僕は20年前から好きなのである。もっとも、立ち入り禁止の領域からチャート・ヒットまでものにしてしまったサウス・ロンドンの不良がステージいれば、押し黙りながらひとりで踊るなんてこともできないだろう。連中はマナーの悪いクラフトワークではない。これはジャングル、ヒップホップ、R&B、ダンスホール、テクノがごちゃ混ぜになった現代のアーバン・ミュージックであり、要するに、20年振りの高みを迎えているUKダンス・カルチャーからのどでかい一発である。

Chart by JETSET 2010.11.15 - ele-king

Shop Chart


1

MOEBIUS & NEUMEIER

MOEBIUS & NEUMEIER ZERO SET 2 RECONSTRUCT PT.1 (RECONSTRUCT BY RICARDO VILLALOBOS) »COMMENT GET MUSIC
国内先行カットされたDJ NOBUに続き、Villalobosによる『Zero Set 2』リコンストラクトも待望のアナログ・カット。両面併せて33分超えのウルトラ・ディープ・トリップ。

2

V.A.

V.A. TIMELESS: SUITE FOR MA DUKES »COMMENT GET MUSIC
Mochilla主催の奇跡のコンサート『Timeless』シリーズ第3弾はJ Dilla!Slum Village"Fall In Love"、De La Soul"Stakes Is High"、Dwele"Angel"、ソロ作も含む全15曲!

3

MOEBIUS & NEUMEIER

MOEBIUS & NEUMEIER ZERO SET 2 RECONSTRUCT PT.2 (RECONSTRUCT BY PRINS THOMAS) »COMMENT GET MUSIC
国内先行カットされたDJ NOBUに続き、Prins Thomasによる『Zero Set 2』リコンストラクトも待望のアナログ・カット。今年の春に発表された1st.ソロ・アルバムの延長線上にある傑作ミックス!!

4

HOUNDS OF HATE

HOUNDS OF HATE HEAD ANTHEM »COMMENT GET MUSIC
Salem + Gold PandaなUKサイキック・インディ・シンセ最前線!!Hype Williamsの友達というだけでもヤバすぎるロンドンの3人組、Hounds of Hate。ダブステップ以降のエレクトロニカにサイキックなオカルト趣味を山盛りにした、凄まじく最高のサウンド!!

5

DASO

DASO WHY TRY »COMMENT GET MUSIC
名門My Best Friendからのデビュー作"Daybreak"でシーンに旋風を巻き起こしたキラメキ込み上げテックハウサーDaso。伝説の1st.越えとなる大傑作を完成です!!

6

在日ファンクとサイプレス上野

在日ファンクとサイプレス上野 BAY DREAM ~FROM課外授業~ »COMMENT GET MUSIC
ハマケン率いる在日ファンクの3ヶ月連続コラボ・シングル。第2弾はサイプレス上野がライドン!!なんと"Bay Dream"のカヴァー!!サ上とロ吉の横浜クラシックが在日ファンク流に蘇ります!さらにカップリングも"担当者不在"カヴァー。当然サ上もマイクを握っております!

7

A.MOCHI

A.MOCHI PRIMORDIAL SOUP III »COMMENT GET MUSIC
WIRE10への参戦やヨーロッパでのツアー等、2010年は大きく躍進した一年となった日本人クリエイターA.Mochiによる3連続リリース・シングルの最終章。ヨーロッパのクラウドをうならせたファットな出音と空間演出に長けたサウンド・メイキングが今作でも炸裂しています!!

8

JAY KING & MACK ONE / D'LUX BEATS

JAY KING & MACK ONE / D'LUX BEATS 48 HOURS / KOTB / LAZY »COMMENT GET MUSIC
あの『Secondhand Sureshot』の元ネタ企画(!?)からの初リリースがコチラ!!20ポンド以内の予算でロンドンのレコ屋を巡ってネタ盤を掘り、各々が1日の期限で組み上げたビートで競い合う企画『King Of The Beats』の産物が7"化!

9

TOM TRAGO

TOM TRAGO VOYAGE DIRECT (FS GREEN REMIXES) »COMMENT GET MUSIC
ダーティ・ビーツとニュービーツを操る超新星FS Green現る!!注目のテックハウサーTom Tragoによる1st.アルバムからのリミックス・カットとして届けられた本作。実質的には天才新星FS Greenによる特大傑作1st.12"なのです!!

10

SLUGABED / GHOST MUTT

SLUGABED / GHOST MUTT DONKEY STOMP »COMMENT GET MUSIC
天才Slugabedと直系新星Ghost Muttによるカラフル・スプリット!!要注目新興レーベルDonky Pitchからの第1弾。スクウィー勢との交流も深める天才Slugabedと、オランダのLowridersからデビューを飾ったGhost Muttによる極上盤です!!
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