「AY」と一致するもの

GOLDIE x DEGO - ele-king

 ゴールディとディーゴと言えば、泣く子も黙るドラムンベース界の2大巨匠。シカゴ・ハウスで言えば、マーシャル・ジェファーソンとラリー・ハード、NYハウスで言えばフランキー・ナックルズとフランソワ・ケヴォーキアン、デトロイト・テクノで言えばホアン・アトキンスとデリック・メイが一緒に来るようなもの。あまりにでっっっっっかいブッキングだ。とくにディーゴはいま何を回すのだろう? すっっっっっっごく興味あるんですけど......。では、9月21日、代官山ユニット。待ってるぜ。


DBS presents
"GOLDIE x DEGO (2000Black/4hero)"
W Birthday bash!
2013.09.21 (SAT) @ UNIT

feat.
GOLDIE (Metalheadz)

with:
DX
DJ MIYU
DJ ICHI a.k.a DIGITAL ONE

vj/laser:
SO IN THE HOUSE

Painting : The Spilt Ink.

saloon:
DEGO (2000Black/4hero)

Yoshihiro Okino (Kyoto Jazz Massive)
Yukari BB (Juno Records)
Toshimitsu "Tiger" Takagi
OKA (DESTINATION)
SAYURI (DESTINATION)
ZuKaRoHi (ブロークンビーツ酒場)
Shimoda

open/start 23:30

adv.¥3,300 door ¥3,800

info. 03.5459.8630 UNIT

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Ticket outlets:NOW ON SALE!
PIA (0570-02-9999/P-code: 208-636)、 LAWSON (L-code: 70076)、
e+ (UNIT携帯サイトから購入できます)
clubberia https://www.clubberia.com/store/

渋谷/disk union CLUB MUSIC SHOP (3476-2627)、TECHNIQUE(5458-4143)、GANBAN(3477-5701)
代官山/UNIT (5459-8630)、Bonjour Records (5458-6020)
原宿/GLOCAL RECORDS (090-3807-2073)
下北沢/DISC SHOP ZERO (5432-6129)、JET SET TOKYO (5452-2262)、
disk union CLUB MUSIC SHOP (5738-2971)
新宿/disk union CLUB MUSIC SHOP (5919-2422)、Dub Store Record Mart (3364-5251)
吉祥寺/Jar-Beat Record (0422-42-4877)、disk union (0422-20-8062)
町田/disk union (042-720-7240)
千葉/disk union (043-224-6372)

★90年代初頭ロンドンのアンダーグラウンドから勃発したUKブレイクビーツ革命はジャングル/ドラム&ベースから今日のベースミュージックの潮流を生んだ。そんなシーンのパイオニアはゴールディー、そして4ヒーロー/ディーゴに他ならない。20数年前、活動を共にして以来、それぞれの音楽を追求して行ったゴールディーとディーゴが9/21(土) 代官山UNIT&SALOONで再会する。GOLDIE x DEGOのW Birthday bash!!!! 奇跡の一夜!伝説を見逃すな!

GOLDIE (aka RUFIGE KRU, Metalheadz, UK)
"KING OF DRUM & BASS"、ゴールディー。80年代にUK屈指のグラフィティ・アーティストとして名を馳せ、92年に4ヒーローのReinforcedからRUFIGE KRU名義でリリースを開始、ダークコアと呼ばれたハードコア・ブレイクビーツの新潮流を築く。94年にはレーベル、Metalheadzを始動。自身は95年にFFRRから1st.アルバム『TIMELESS』を発表、ドラム&ベースの金字塔となる。98年の『SATURNZ RETURN』はKRSワン、ノエル・ギャラガーらをゲストに迎え、ヒップホップ、ロックとのクロスオーヴァーを示す。その後はレーベル運営、DJ活動、俳優業に多忙を極めるが07年、RUFIGE KRU名義で『MALICE IN WONDERLAND』をMetalheadzから発表、08年に自伝的映画のサウンドトラックとなるアルバム『SINE TEMPUS』を配信で発表。09年にはRUFIGE KRU名義の『MEMOIRS OF AN AFTERLIFE』をリリース、またアートの分野でも個展を開催する等、英国が生んだ現代希有のアーティストとして精力的な活動を続けている。12年、Metalheadzの通算100リリースに渾身のシングル"Freedom"を発表。13年3月には新曲"Single Petal Of A Rose"を含む初のコンピレーション『THE ALCHEMIST: THE BEST OF 1992-2012』がCD3枚組でリリースされ、まさにアルケミストなゴールディーの不朽の音楽性を再認識させる。
https://www.goldie.co.uk/
https://www.metalheadz.co.uk/
https://www.facebook.com/Goldie
https://twitter.com/MRGOLDIE

DEGO (2000Black/4hero, UK)
 ロンドンに生まれたDEGOはサウンドシステムや海賊放送でのDJ活動を経て90年にReinforced Recordsの設立に参加、4HEROの一員として実験的なハードコア/ブレイクビーツ・トラックのリリースを開始。やがて4HEROはDEGOとMARC MACの双頭ユニットとなり、タイムストレッチング等、画期的な手法を編み出し、ドラム&ベースのパイオニアとなる。傑作『PARALLEL UNIVERSE』(94年)、『TWO PAGES』(98年)以降、4HEROはD&Bのフォーマットを捨て、『CREATING PATTERNS』(01年)、『PLAY WITH THE CHANGES』(07年)で豊潤なクロスオーヴァーサウンドを打ち出す。DEGOはTEK9名義でダウンテンポを追求する等、オープンマインドかつ実験的な制作活動は多岐に及び、98年に自己のレーベル、2000Blackを始動し、革新的な音楽共同体としてのネットワークを拡張、ブロークンビーツ/ニュージャズの潮流を生む。KAIDI TATHAMらBUGZ IN THE ATTIC周辺と密に交流し、dkd、SILHOUETTE BROWN、2000BLACK名義のアルバムを制作。11年には満を持してDEGO名義の初アルバム『A WHA' HIM DEH PON?』を発表、ジャズ、ファンク、ソウルetcへの深い愛情を反映した傑作となる。その後も精力的な活動を続け、12年に『TATHAM,MENSAH,LORD & RANKS』を発表している。
https://www.2000black.com/
https://mrgoodgood.com/
https://www.facebook.com/2000blackrecords
https://twitter.com/2000black_dego

〈UNIT〉
Za HOUSE BLD. 1-34-17 EBISU-NISHI, SHIBUYA-KU, TOKYO
tel.03-5459-8630
www.unit-tokyo.com

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〈GOLDIE JAPAN TOUR 2013〉
9/20(金) 高知 X-pt. GOLDIExDEGO (問)088-885-2626
9/21(土) 東京 UNIT GOLDIExDEGO (問)03-5459-8630
9/22(日) 広島 cafe Jamaica (問)082-240-0505
9/23(月) 札幌 DUCE (問)011-596-8386

〈DEGO JAPAN TOUR 2013〉
9/20(金) 高知 X-pt. GOLDIExDEGO(問)088-885-2626
9/21(土) 東京 UNIT GOLDIExDEGO(問)03-5459-8630
9/22(日) 大阪CIRCUS ---(問)06-6241-3822


Eccy - ele-king

Eccyです、久々のチャートっす。
相変わらず曲作ったり写真撮ったりしてます。
最近は下北沢moreでVERTIGO PLUSというPartyをやっております。
次回は多分10月です。遊びに来てください!

https://twitter.com/_Eccy_
https://soundcloud.com/eccyprodukt
https://yusukekiyono.tumblr.com/

Chart


1
Chvrches - Recover (Cid Rim Remix) - Glassnote

2
Tinashe - Boss (Ryan Hemsworth Remix) - Free DL

3
Eccy - BLSPK - Forthcoming NTB

4
Purity Ring - Lofticries - 4AD

5
TOKiMONSTA - Go With It (feat.MNDR) - Ultra

6
Eccy - Fantasia - Unreleased

7
Eccy - Sketchbook - Forthcoming NTB

8
Rustie - Slasherr (Flume Edit) - Free DL

9
AlunaGeorge - Your Drums, Your Love (Friendly Fires Remix) - Tri Angle

10
Zomby - White Smoke - 4AD

カセット・ストア・デイ - ele-king

 よう、ニュース太郎だ。何かニュースはないのかな......っと、そうだ、「カセット・ストア・デイ」ってどう思う? 

https://cassettestoreday.com/

レコード・ストア・デイ」はぼちぼち定着してきたよな。今年はあれのカセット版がはじまるらしいんだよねー。来月あたまの9月7日。目前だ。運営は同じじゃないように見えるけど、実際そのへんはどうなのかな? レコード・ストア・デイは、中小レコード屋にみんなが足を運ぶようにって狙いもあったわけで、そもそもはアーティストが大手チェーンやネットでは買えないエクスクルーシヴな音源(レコード)を作って、該当規模の店だけに販売を許可、「それ売ってちょっとだけでも潤ってくれよな!」っていう、まあ平たく言えばアナログ盤文化活性化&レコ屋救済イヴェントだった。もちろん、アナログのおもしろさを改めて楽しんだり、「レコ屋」って場所で生まれるコミュニケーションを途絶えさせたくないっていう意図が中心にあるわけで、年々その規模を拡大しているところはリスペクトに値するよな。

 付帯するイヴェントも海外ではたくさん企画されているし、何より、誰でも勝手に「レコード・ストア・デイ限定」って銘打って作品のリリースができるところがいい。みんな、どうせCD-Rでデモとか自主盤とか出すんだったら、どんどん「ストア・デイ限定」を売り文句にしたり、それ用にシングルを作ったりすればいいんじゃないかなあ。その許可は誰に取る必要もないもんね? 利用しない手も楽しまない手もないんだよ。

 年々少しずつ規模を大きくして、いまではビートルズのニュー・リミックス音源とか、企画仕様盤の類は常連、ニール・ヤングやジョーン・バエズからブルース・スプリングスティーン、デヴィッド・ボウイ、T・レックス、ザ・クラッシュ、ポール・ウェラーからトロ・イ・モワやセント・ヴィンセント、ウィルコまで何でもある。「ストア・デイものに今年は何が出る?」ということ自体が楽しい話題を提供していて(一部の人間は血眼になって予約を入れまくる......)、春と秋の風物詩のように感じている人もいるんじゃないかな。

 カセット・ストア・デイの方はどうなるのか。公式に「詳細教えてよ」ってメールしたんだけどナシのつぶてでさ。サイトには趣旨や理念についての説明がほとんどないんだけど、参加店舗名や参加アーティスト名がズラッと並んで、イヴェント情報も載っているから、レコード・ストア・デイの目指すところと大体同じなんだろうと思う。カセット自体のおもしろさの伝道、というだけではなくて、それを売る「場所」とカルチャーを盛り上げていこう、っていうね。でも、すごいよね、そうそうたるレーベルがすでに名前を連ねている。〈4AD〉〈ドミノ〉〈ウィチタ〉〈トランスグレッシヴ〉〈ファット・キャット〉〈ジャグ・ジャグ・ウォー〉等々......あれ? カセット出してたっけ? みたいなレーベルのアーティストがどんどん参加してるんだよ。それに、アット・ザ・ドライヴ・インとかフレーミング・リップスとかカセットあったら普通にアガるよな! グッズ感覚でさ。

 まあ、ニュース太郎はそんな感じで素朴かつカジュアルにこの祭を楽しむけどさ、〈ナイト・ピープル〉とかガチのテープ・レーベルの参加がいまひとつ薄いところは気になるよね。実質的にシーンを築いてきた人たちはどう思っているんだろうか。メジャーなプレイヤーたちが宣伝塔になるのはいいことだとして、祭が祭で終わっちゃって、あとに何も残らなかったりするとさびしい。とくに、クルマのオーディオ環境がいまだカセット・デッキ主流だっていうUSと、カセットの生産自体が終わりつつある日本との間には差が大きいよね。カセットがより「トクベツなモノ」に感じられる日本では、それこそいっとき珍しがられて終わってしまうことだって考えられる。カセット文化を定着させる必要なんて、べつにないといえばないんだけど。

 あと、公式ホームページのライヴ・スケジュールの「東京」の欄がずっと未定なまま最近消えてたことも気になる。東京でも何かやりたかったんだね......。誰か、何か知ってたらele-king info宛に教えてくれよな! いや、教えてくださいませ。ツイッターでもいいぜ。あと、どう思うかっていうオピニオンでもかまわねえ。テープの時代なんてほんとにくるんですかい!?

Luke Wyatt - ele-king

〈PPU〉のスリーヴ・デザインや映像作家として人気のルーク・ワイアットがこれまで使ってきたトーン・ホーク名義のセカンド・アルバムを自身のレーベルから、そして、本人名義のデビュー・アルバムをニック・ナイスリーのレーベルからほぼ同時にリリース。いずれもクラウトロックを基本としたもので、非常にフレッシュな感性を縦横に展開している。リーヌ・ヘルやエメラルズのようにノイズ・ドローンを起源に持つ世代とは明らかに咀嚼の仕方が異なり、ヴェイパーウェイヴのような抜け殻モードでもない。クラウトロック・リヴァイヴァルからコニー・プランク的な人工性を抽出し、しっかりと現在のシーンに定位置を見定めている。

 イーノ&クラスターにクラウス・ディンガーが加わったような『ティーン・ホーク』はこれまでの集大成といえるだろう。シャキシャキとしたパッセージで穏やかなメロディを引き立てるあたりは往年のクラウトロック・マナーそのままにも関わらず、ノスタルジーに回収されてしまう余地は与えず、全体的にシャープでさわやかな感性がキープされる。小刻みに反復されるドローンにも類まれなる抒情性が持ち込まれ、それほど音数は多くないのにイメージの広がりも圧倒的。これが本当にアメリカ人の音楽なのかと思うほど人間不在の自然観が伝わってくる。素晴らしい。

 一転して、メビウス&プランクを思わせる『10・フォー・エッジ・テック』はインダストリアルな要素も上手く取り入れた新機軸。これはフィンランドの海運業者から依頼を受けてつくったものだそうで、タグボートが氷を砕いていくときのBGMだかなんだかに使われるものらしい(ホントかなー)。強迫的なメトロノミック・ビートや全体として与えるシャープでさわやかな感触には変わりがなく、ダンス・ミュージックは意図していないのかもしれないけれど、妙なスウィング感まであって、この暑いのについつい体が動いてしまう(......ゲロゲロ)。

"スリー"

 ミニマルとしても目新しいし(とくに"ナイン")、アンディ・ストットとプラスティックマンが合体したような"シックス"が氷を一気に掻き砕くかと思えば、スーサイドを思わせる"フォー"はそれをじわじわと溶かし、ビート・ダウンした"セヴン"もじつにいい。単にダイナミックなだけではなく、相反するような音響効果を仕掛けることで、激しさのなかにも優しさを持たせてしまうところがこの人のセンスなんだろう。いや、もう、降参です。ルーク・ワイアットという人は、けっこう控えめに言ってもクラウトロックの新たなフォーマットを生み出してしまったのではないだろうか。考えてみればOPNに驚いたのがもう3年前。USアンダーグラウンドはとどまるところを知らず、2013年にはアレックス・グレイ、マシュー・セイジ、そして、このルーク・ワイアットをフロントラインに浮上させてきた。


SEIHOU
Abstraktsex

DAY TRIPPER

Interview Amazon

 勢いが止まらない! そして夏休みは終らない! 先月インタヴューにてele-kingにも登場してもらったSeihoのセカンド・アルバム、『ABSTRAKTSEX』リリース・パーティーがすごいぞ。ゲストにはUltrademonが参加! Seapunkがモニターを飛び出す! 迎えうつゲスト勢も、tomadからAvec Avecら盟友がズラリと一同に会した豪華な布陣。いま彼らのまわりに何が起こっているのか、目撃するチャンスは今日&明日。今年最高の「陸の海」へと、さあ、繰り出そう!


いよいよ今週! トロピカルなモチーフでファッションのトレンドにもなった10年代のネット/ユース・カルチャーを象徴する #Seapunk のオリジネーター Ultrademonが遂に日本へ初上陸!東京公演では新世代ビートメーカーの旗手Seihoのセカンド・アルバム『ABSTRAKTSEX』のリリパにゲスト出演!!

【Ultrademon Japan Tour 2013】

■8.16 (FRI) @ Circus Osaka with idlemoments
OPEN/START 18:00
ADV 1,500 yen / Door 2,000 yen (+1drink)

LINE UP:
Ultrademon
gigandect
Avec Avec
Terror Fingers (okadada+keita kawakami)
SEKITOVA
eadonmm
doopiio
kibayasi
Alice
?
VJ:
Tatsuya Fujimoto

FOOD:
カレー屋台村山ねこ

more info: https://idlemoments-jp.com

■8.17 (SAT) @ UNIT with Seiho ABSTRAKTSEX Release Party
OPEN/START 23:00 | ADV 3,000yen / DOOR 3,500yen

LINE UP:
[UNIT]
Seiho
Ultrademon
LUVRAW & BTB + Mr.MELODY
RLP
Taquwami
terror fingers (okadada & Keita Kawakami)
tomad
eadonmm

VJ:
ネオカンサイ
Kazuya Ito as toi whakairo

[SALOON]
Licaxxx
Redcompass
Mismi
Hercelot
FRUITY
andrew/Eiji Ando

more info: https://www.unit-tokyo.com


FUSHIMING 1st 12"EP "HEAVY MOON EP"が、HOLE AND HOLLANDから7月24日に発売されます。
ALTZ氏、KZA氏、INNER SCIENCE氏、SANDNORM氏がすでにプレイしています。コメントもALTZ氏、高木壮太氏、KZA氏、箭内健一氏から頂いてますので下記ホーランドのWEBにてCHECKしてみて下さい。

https://www.hole-and-holland.com
https://soundcloud.com/hole-and-holland
https://www.jetsetrecords.net/FUSHIMING-HEAVY-MOON-EP/p/724004639262

最近頻度の高い12インチシングルを選びました。


1
Thompson Twins - In The Name Love 12"Dance Extension - Arista

2
Venus Dodson - Where Are We Headed - WB/RFC

3
Sebastien Tellier - Broadway - Lucky Number Music

4
Azymuth - Ta Nessa Ainda Bicho_(Zed Bias 4×4 Remix) - Far Out

5
Blackjoy - Moustache - Yellow

6
Popnoname - Surrounded By Weather Remixes B1 - Italic

7
Torch Song - Prepare To Energize12" - I.R.S

8
Trussel - Gone For The Weekend - Elektra

9
Fernando - Endless Disco - Redux

10
Rharaohs - Island Time 12" - Spinning Wheel

MAMAZU (HOLE AND HOLLAND) - ele-king

ANDROMEDA / DELTA THREE / SUPER X
BLACK SHEEPのCOGEEとCosmic Orgasm Zeal Unit『COZU』や NU PARTY『DELTA THREE』も始動しました。次のSUPER XではFUSHIMINGのHEAVY MOON EPと関西御山発CampingPartyTribe ChillMountainによるChillMountain Classics の W RELEASE PARTYでお届けします!MIXCD"BREATH"も是非チェックしてみてください。
https://soundcloud.com/mamazu
https://mamazu.tumblr.com/
https://twitter.com/_Mamazu_
https://www.hole-and-holland.com/

DJ SCHEDULE
7/29 ふぞろいのbeatたち @ 恵比寿BATICA
8/07 TRAVESSIA @ 神宮前BONOBO
8/10 FRUE -Space is the Place- @ 代官山UNIT
8/16 SUPER X @ 渋谷SECO
8/17 BEACH WHISTLE @ 三浦
8/24 THIRD CULTURE @ 静岡EIGHT&TEN
8/31 11th ANNIVERSARY @ 中野HEAVYSICK ZERO
9/7~8 PARAMOUNT @ 山梨さがさわキャンプ場
9/21~23 CHILL MOUNTAIN @ 大阪荒滝キャンプ場


1
UNKNOWN - BENGA BENGA - PORRIDGE BULLET

2
Sir Victor Uwaifo - Guitar-Boy Superstar - Soundway

3
COTTAM - Ire Works - SOUND OF SPEED

4
Ata Kak - Daa Nyinaa - AFRCAN SHAKEDOWN

5
FUSHIMING - HEAVY MOON EP - HOLE AND HOLLAND

6
DELTA THREE - δδδ - COREHEAD

7
HOUSEMEISTER - CHEERLEADERS - allyoucanbeat

8
The Glitz - Woven - Voltage Musique

9
Stephan Bodzin - Bremen-Ost - Herzblut

10
Collective Machine - El Amor - Moan

interview with Buffalo Daughter - ele-king


Buffalo Daughter
ReDiscoVer. Best, Re-recordings and Remixes of Buffalo Daughter

U/M/A/A

Amazon iTunes

 僕が1994年にele-kingを作ろうと思った動機には、テクノやダンス・カルチャーにハマったことも大きいが、それ以上に「こういう音楽もあるんだ」ということを主張したかったというのがある。多くのメディアは売れているものを中心に扱う。しかし、わずか100人しか聴かないような音楽にも賞賛に値する、素晴らしいものはある。少数派の意見にも耳を傾けよ。僕は変わり者が好きだ。そう主張したいだけで、ポップとアンダーグラウンドのどちらが優れているかなどを競いたいわけではない。
 バッファロー・ドーターは20年前から今日にいたるまで、アウトサイダーとして存在し続けている。TR303と「アシッド・トラックス」に寄せる多大な愛情が、変わり者をこよなく愛するというこのバンドの性格を物語っているだろう。つまり、バンドの音楽には、クラウトロックにも似た、ロックに対する独自な解釈が加えられているわけだが、その独自なものとは、コーネリアスやスマーフ男組、インセンスのように、さまざまな音楽に感化された創造中枢によって吐き出される。
 この記事は、バッファロー・ドーターの結成20周年を記念してリリースされるベスト盤『ReDiscoVer. Best, Re-recordings and Remixes of Buffalo Daughter』のために企てられたものだが、結局、たんなる雑談のようなものになってしまった。アルバムの内容についてはバンドのホームページ(https://www.buffalodaughter.com)を参照して欲しい。こんな記事を書いておいて恐縮だが、魅力的なリズムと綺麗なハーモニーとユニークなアイデアをもったバッファロー・ドーターの音楽にひとりでも多くの人が興味を抱いてくれたら幸いである。

ライヴをやってたんですけど、まずまったくお客さんの反応がないんですよ。ポカーンとして見てるみたいな。自分たちとしてはすっごく楽しいことをやってるんだけど(笑)、どうしてかなっていうのはずっとあったんだけど。「ウケないね、やっぱり」みたいな。

ベスト盤っていうと、古典的な意味ではシングルの編集盤ですよね。あるいは昨今だと、たとえばオリジナル盤ができなかった場合に契約上出されたりであるとか、時代によってベスト盤の意味合いも違ってきてると思うんですけど、今回バッファロー・ドーターがベスト盤っていうときに何をもってベストとしているのか、まず教えてください。

シュガー吉永:ベスト盤っていうからあれなんですけど、記念盤ですよ、20周年の。わたしたち的には。でもなぜベスト盤っていう話になってたかっていうと、ニックが言い出したんだけど。これの選曲をしてくれたひとが、「俺が選曲するよ」って言ってくれて、で、「ベストな選曲をする」って言ってたからベスト盤って呼んでますけど、最終的なわたしたちの気分的には20周年記念盤。

じゃあ、その選曲の基準っていうのは、そのニックさんに丸投げで。それはそのひとの耳を信用しているっていう?

吉永:そうですね。

それはどういう意味で信用してる?

吉永:信用してるっていうほど大げさなものでもなかったのがひとつあって。だってどんな形でも選ぶひとによって違うから。わたしたちが選んでも違う選曲になったし、とにかくいろんなパターンの選曲があると思ったなかでニックさんがいいなと思ったのは、日本人が選曲するよりも日本人じゃないひとが選曲するのがいいんじゃないかというのがまずひとつあったんだけど。それを誰がやる? っていうときに、ニックさんが「俺がやる」って手を挙げてくれたのが大きい(笑)

なるほど。ニックさんっていうのはどういう方なんですが?

吉永:ニックさんはBBCのレディオ3とかでDJやってるんですけど、選曲家の方で。

レディオ3ってクラシック専門じゃなかったでしたっけ? 

吉永:ニックさんの番組はインターFMでやってますよ。いい感じですよ。

たとえばどんな傾向の方なのかとか......。

吉永:......それはちょっとググっていただいて(笑)。

(笑)

吉永:ニックさんはとにかく音楽の幅が広い。で、元々iTunesの立ち上げのときに関わってるひとだったり。

弘石(U/M/A/A):野田さん、会ったことあると思います。ニック・ラスコムっていう、日本の先端の音楽をUKで紹介する番組やレーベルをやってた方です。

日本の音楽事情に詳しい方なんですね。なるほど。日本人じゃなくて外国人に頼んだっていうのは何か大きい理由があってのことですか?

吉永:それは世界発売したいと思って、日本人観点で選ぶよりは、そういうほうが面白いかなと思って。

なるほど、やはり世界観点というのはこだわりがあるんですね。

吉永:こだわりっていうか、最初のスタートが日本だけだと受けないから、海外でも出せばそれなりの数になるんじゃない、っていうのがあるから。日本だけで大成功できるバンドだなって思ってたらそんな必要はなかったんだけど。っていうことですよね(笑)。

20周年に対してはどんな想いがあるんでしょう? 

吉永:20周年でベスト出そうよって言ったのは、そもそもは大野なんです。

大野由美子:わたしが参加したことのあるほかのバンドで、20周年だからベスト盤出しますよっていうのを聞いて。「あ、20年でベスト盤出すんだ」って思って(笑)。「あー、いい区切りになるんだな」と。そこはゴージャスに3枚組かなんかでやってて。「へー、これ出すの大変だったんだろうな」と思ってて、で、「うちに置き換えたらすっごい大変そう」とか思って(笑)。でも、うちは前のアルバムとかも全然手に入らないものばっかりなので、そう考えたら全部を出すきっかけを作れるかもしれないと思ったんですよね。ベスト盤を出すと言うよりは、揃えて聴ける状況にはしたいなって。それまでちょっとずつ権利のことで動いてたから、余計にそう思ったんだと思いますけどね。

バッファロー・ドーターが20周年っていうのがなんか、妙な違和感があるというか(笑)。あんまり20年経った気がしないような感じがするんですけど。

吉永:それはだから、大野が気がついたんです。みんな気がついてなくて。それも友だちのバンドで20周年を祝っていたひとがいたから、「あ、そう言えばわたしたちも来年そうだわ」と思ったらしい。

大野:それだけなんですよ。たぶん、それがなかったら気づかないで2013年始まってたかもしれない。

山本ムーグ:なんか、バンドのなかにいると台風の目みたいなもんで、中心は無風なんですよ。20周年とか10周年とか、周りがわりと大騒ぎするんですけど、10周年のときなんかはあんまり何も感じてなくて、結局大したことやってないんですよ。で、今回も心から「20年経ったからここで楔を打っとかないと!」っていうのはぜんぜんなくて。たしかに周りの方は「20周年だから何かやっといたほうがいいよー」って感じで。感覚的にはそんな感じだと思います。

なるほどね。ちなみにニックさんの選曲についてはメンバーからは何のリクエストもなかったんですか?

吉永:最初見たときに、「あ、こういう選曲かー」っていうのはあったんですよ、正直。3人ともに。というのは最近自分たちでもあんまり聴いてない曲とか、ライヴではまったくやってない曲ばっかりで。

大野:ばっかりとは言わないけど(笑)。

吉永:ばっかりですよ! "A11 A10ne"とか"Cyclic"とかは最近のアルバムの曲だからまあやってますけど、ほかの曲は全然やってないじゃないですか。やってる曲挙げてくださいよ。

大野:"Dr. Mooooooooog"だけかなあ。

吉永:その3曲以外はやってないわけなんですよね。だからおおーと思って。で、「じゃあ聴いてみるか」って、並べて聴いたら完璧だったんですよ。その選曲術が。さすがと言わざるを得ないんですけど。これは素晴らしいと思って。だからそのまま素直に受け入れたんですけど、そのときは"LI303VE"が入ってなくって。最初のやつ。で、その曲だけ20周年記念という気分のわたしたちとしては、最初にできた曲なのでそれは入れたいなーって話をしたら、「あ、忘れてた忘れてた」って言ってそこに入れてくれたんですけど。

シュガーさんが日本で売れないからパイを集めるために世界で出すしかなかったってさっきおっしゃいましたけど、そのバンドの考え方というか、見切りのつけ方というのは、いまのお話だとすごく早い段階で決まってたってことですよね。20年間やっているなかで、サウンド的な実験をしながら日本語のことはあんまりやってないじゃないですか。

吉永:まあ初期はありますけど。

でも、あまりやってないっていうのはその辺に関係しているのかなって思うんですけど。自分たちのなかで、世界のほうがやりやすいって見通しがあったんですか? それとも、日本では限界があるからっていう?

吉永:いや、自分たちのなかで変な自信があったのが、わたしたちが好きな音楽が......たとえばルシャス・ジャクソンとかすごく好きだったんですけど、そのときに妙な親近感があって。このひとたちと私たちってまったく同じ感覚でやってると思ったんですよ。変な話だけど。そんな風に思う音楽がほかにもいろいろあって、で、そうやって自分たちの音楽を作っていて。ライヴをやってたんですけど、まずまったくお客さんの反応がないんですよ。ポカーンとして見てるみたいな。自分たちとしてはすっごく楽しいことをやってるんだけど(笑)、どうしてかなっていうのはずっとあったんだけど。「ウケないね、やっぱり」みたいな。日本では。でもこんな感覚をルシャスたちも持ってるし、ほかのバンドも持ってるから。それが好きだ! っていうひとは数少ないかもしれないけど、各都市に絶対にいるに違いないと思って。あとは足し算だなと思って。その世界中の少ない人数を合わせれば、10ずつ集めて10都市あれば100なんだから。

(笑)なるほど。

吉永:っていう、変な確信はあった。こういうのが好きなひとは少ないけど絶対にいるんだからと思って。

日本でそういう考え方ができるバンドって当時はまだいなかったですからね。

大野:あとはそう、お客さんに外国人がだんだん多くなってきてたっていうのもあったのね。前やってたバンドは日本人しか来ないし、わたしたちも普通に日本語で日本のロックをやってるみたいな感じでしたけど、行き詰まりを感じてなくなったわけで。で、次新しいことを始めたら、なんか知らないけどやるたびに外国人が増えてる気がすると思って。日本人だけって思わないで全世界のひとってことを考えたら、そんな悩まなくたっていいんじゃないって。

おお、前向きですね。この20年で時代も環境も変わって、音楽だけでなくいろいろ変わったと思うんですけど、この20年間で一番意識している自分たちの変化ってありますか?

大野:それぞれあると思うんだけど、このバンドをやってて思ったのは、好きでやっててアメリカ・ツアーなんかもやるようになったんだけど、じつはすごくつらかったっていうのがあって。あんなにつらい想いをしたのは人生で初めてだったから。あれを乗り越えられたから、いまはわりとどんなことでも大丈夫だなと思えるようになったっていうか。

[[SplitPage]]

うちはアルバムとアルバムの間隔が長いじゃないですか。だって20年もやってんのに、6枚しか出てないってさ(笑)。でも意図してそうやってるわけじゃなくて、やっぱり完成形が見えるまでに時間かかるものがあったりとか、あと誰かがバッファロー・ドーターやる気分じゃなかったりとかね。

なるほど......はははは。どうですか、ムーグさんは。変わらない部分ももちろんあると思うんですけど、この20年で変わった部分はものすごく変わったと思うんですね。それこそ音楽のリリースの仕方にしてもそうだし、メディアに関してもそうだし。変化ってものを感じるようなところっていうのは。

山本:社会状況とかメディアのあり方とかっていうのは本当にすごく変わったと思うんですけれども、僕が改めて思うのは、音楽の力を再認識してますね。アナログ・レコードがCDになったり、CDがデジタル配信になったりとか、またアナログがそれと同時に復活したりUSBでリリースしたりとか、容れもの自体は変わるんですけど、やっぱり音楽の力っていうのは変わってないって思ってるんですよ。消費のされ方で軽く扱われる音楽もたしかに多いとは思うんですけど、誠実に作ってそこに込めるものを込めた音楽っていうのはメディアがどうあろうともやっぱり僕は伝わると思うんですよ。だからそれはたんにメディアの技術革新であって。
 いっぽう社会状況を見ると、昔平和で好景気だったなと思うんですよ。それがどんどん戦争がほんとに現実的になってきて、しかも地震もあったし放射能問題もほんとリアルに迫ってきてて、平和な時期は終わったんだろうなと思うんですけれども。そこでも音楽の重要性って出てきてて、なんかみんなすごくミュージシャンの発言を聞きたがるじゃないですか。ミュージシャンが何か発言すると、すごくメディアも取り上げるじゃないですか。斉藤和義(さんが「あれはぜんぶ嘘だった」っていうのを素朴な気持ちで上げたら、まあ賛否両論ありましたけど、ものすごく拡散して、結局はそれが支持されてると思うんですけれども。あとは国内だと、忌野清志郎さんのかつてのタイマーズなんかがすごく再評価されて、伝説のミュージシャンみたいになってるじゃないですか。あと教授なんかもすごく精力的に動かれてて、そこに下の世代がいっしょに何かをしたりとか。その一番上にはオノヨーコさんがいらっしゃると思うんですけど。僕らはたまたまハリウッド・ボウルでやったときに、「ぜんぶ繋がったな」と思って。ヨーコさんがいらっしゃって、YMOや小山田くんもいてて、僕らとチボ・マットがいて。だからメディアが変わっても音楽は変わらないし、世のなかがこれだけ危機的状況だと音楽の意味っていうのがすごく問われてるから、そこでちゃんと作っていればやっぱり音楽ってすごく評価されると思ってるし、自分たちもそこはすごく真剣に作ってますね。

なるほど。

山本:だからそれは、年を経て音楽に携わって良かったと思ってるし、自分はいい音楽を作ってきたっていうちょっと誇りみたいなものを感じてますね。

僕はそこまで前向きな気持ちになれないんですよね。たとえばいまは売れるものが売れる時代だって言われるんですね。90年代は売れないものも売れたんですよ。でもいまは売れるものしか売れない。だから売れるとみんな買うんですよ。というのがひとつある。音楽の力はあるんだろうけど、録音された商業音楽にもあるのかどうか。

山本:たとえばダンス・ミュージックって、ある意味消費されることを前提に作ってるじゃないですか。

はい。

山本:リニューアルがダンス・ミュージックの命っていうか、たとえば2年前のダンス・ミュージックをありがたがって聴くひとって少ないと思うし、つねに先端先端をリニューアルしていくことがダンス・ミュージックの使命だと思うんですよ。ここ数年はね。そういうものが消費されて、そこに音楽の力を感じないのは僕もそうなんですけど。それは僕も音楽本来の力じゃなくて、あれはああいうものなんですよ。ただやっぱり、いわゆるダンス・ミュージックと言われているなかでも、僕はリッチー・ホウティンなんかは――。

ムーグさんが、ホントに好きですね。

山本:やっぱりすごく深く見てて。曲のタイトルでもすごく共感できるところがあるんですよ。PVでタルコフスキーの映画をサンプリングして作っているやつがあるんですけど。

へえー。

山本:彼はすごくしっかりしたメッセージを持ってると思うし、それはいまの時代にちゃんと発信していると思ってるんですけど。まあ、リッチー・ホウティンがすごく面白かったのは数年前なんですけど。いまも、たとえば昨日シュガーで聴かせてもらったボーズ・オブ・カナダの新作なんかはいまの時代に対して、寡黙ですけどちゃんとメッセージしているんですよ。

まあそうですね。

山本:それは言葉で言わないで、音に込めてるんですよね。それがやっぱり音楽の力だと思うんですけど。あとウェブの使い方もすごくスマートで機能的だと思うし、ボーズ・オブ・カナダが僕はすごくいいと思いますね。まだ買ってないですから言えないんですけど、ウェブはざっと見て、すっごいわかりやすいなと思ったし。

なるほど。

山本:あとやっぱり、ダフト・パンクの新作とかも、まあいろいろあるんですけど、僕はダフト・パンクはすごく力を持ってるひとたちだと思いますね。彼らはメッセージはあんまり出さないけど、どっちかって言うとこう――。

僕はあれが売れるのは悔しくてしょうがなかったですけどね。

(一同笑)

なんかね......、ファレル使ってナイル・ロジャース使って、お金かけてディスコ・クラシックやって、まあいいんですけど(笑)。

山本:彼らはメッセージというか、ファンなんですよね。音楽の楽しさなんですよ。それはそれでひとつのあり方だと思って。......いいですよ、それで。

(一同笑)

山本:ただ僕はルーツとしては、世代的にパンク直撃だったんですよ。76年。それこそピストルズ超ハマって、で、ニューヨーク・パンクも好きでしたけど、最初はやっぱりロンドン・パンクがあったので。ハウスのときになってKLFとかコールド・カットにすごくハマったんですよ。そこはやっぱりイギリス人ならではのパンク・スピリットを感じたし。とくにKLFは超ハマってて、いまでも大好きですけど。ダフト・パンクはそれに比べると、やっぱりフランス人だし、あんなにポリティカルじゃないですけど。やっぱりブリティッシュ・パンク、ロンドン・パンクが好きですね、精神的には。

KLFといえば、ビル・ドラモンドの本を8月末に出しますよ

山本:ほんとに? うわ、楽しみ!

翻訳はほぼ終わってるんですけど。すっごい面白いですよ。

山本:でしょうね。

すっごい面白いけど、売れんのかなーと思って(笑)。

山本:でもそれは出す意味はすごくあると思いますよ。彼は『ザ・マニュアル』っていうのも出しましたよね。あれも僕はすごく好きで。

僕も大好きです(笑)。

山本:だってKLFっていちいち言うことが格好良くて。

その本はビルが自分で書いているので、どちらかと言えば格好悪い話が多いですけどね。KLFが作品を最後に出したのは......は「ファック・ザ・ミレニアム」が最後だよね? 弘石くん。

弘石(U/M/A/A株式会社代表):90年代後半に、2K 名義でリリースしたんですよね。

山本:ヒロシくんって呼ばれてるんだ?(笑)

いやいや、弘石くんです!

(一同笑)

お金を燃やしたりね。

山本:ちょっと現代美術なんかもあるし。

ていうかね、ビル・ドラモンドって、思っていた以上にアートのひとでしたね。あとね、ビルの一番の影響。「このバンドに比べたらローリング・ストーンズなんて酒場のハコ・バンドにすぎない」って言うぐらい大好きなバンドがあって、それがレジデンツなんですよね。

山本:すごいですね!

そうなんですよ。で、エコー・アンド・ザ・バニーメンのツアー中に、マネージャーだから付き添っていかなきゃいけないのに、リヴァプールにレジデンツが来るって言ってライヴを観に行ってるんですよ。83年ぐらいに。良い話でしょ!

吉永:へえー。

山本:......今度、飲みましょ。

そうしましょう。

(一同笑)

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いまのマイブラの受け方っていうのは明らかに、暗い時代のなかで切ないけど......でもすごくフィットするんですよ。マイブラのあの感じが。フィッシュマンズの受け取られ方とちょっと似てるっていうか。

いや、ダフト・パンクはよくできてるなと思うんです。クオリティ的にもマーケティング的にも。とくに最近はダンス・カルチャー自体が専門化しすぎちゃっているんで、やっぱり途中から入るとついて行けないところもあるんですよ。アシッド・ハウスなんかは知らないひとがぱっと聴いても、とりあえず衝撃を受ければ入っていけたけど。でもいまはすごく細かく、たとえばルーマニア・ミニマルとか、ルーマニア人に罪はないですけど、ポスト・ダブステップとかそうだけど、それを取り囲むマニアのサークルがあって、あちこちで小宇宙化が進みすぎちゃってるし、EDMみたいな下世話なモノも多いから、ダフト・パンクが高価なディスコを打ち出してくると、そっちをみんな聴くのは自然だと思いますよ。スターダストとか、彼らは元々ディスコ愛が強かったし。ただ、日本で、売れるものしか売れないっていう状況はよくないと思っていて。90年代の日本の良さって、売れないものも売れたっていうところでしょう? そういう意味では、ムーグさんほど楽観的にはなれないところもあるんですよ。

山本:なるほど。ダフト・パンクの意見は僕説得されたんで......認めます。

ははははは。

山本:そんなに素晴らしくはないです、たしかに。ボーズ・オブ・カナダに比べたら、なんか軽い感じはします。

大野:(笑)

そうですね、ボーズ・オブ・カナダはディープですね。

吉永:ボーズ・オブ・カナダはさ、ハラカミくんがけちょんけちょんに言ってたじゃない? あれはなんでなの?

やっぱり、悔しいからじゃないですか。あんな評価されて。

吉永:(笑)それだけ? なんかね、「楽曲の作り方が安易だ」って怒ってたよ。

そうなんですよ。ボーズ・オブ・カナダの楽曲の作り方の基本はヒップホップだから、シンプルなんですよ。

山本:さあ、みんなで話し合いましょう(笑)。

(一同笑)

吉永:いやわたしさ、ボーズ・オブ・カナダが昔からすっごい好きで聴いてたんだけど。

いや、僕も大好き。

吉永:で、ハラカミくんとも仲良かったからいろいろやり取りしてたんだけど、彼はボロクソだったのよ。何でだろうって。

ははははは。やっぱ、同じフィールドにいたから、良い意味でライヴァル心があったんだよ。

吉永:でもね、怒ってたよ。「あんな安易な作り方で」みたいな。だからそれこそ、いまのダフト・パンクの「あんなもんが売れて」って話と同じような――。

いや違う違う、ダフト・パンクはプロフェッショナルな、よくマーケティングされたところでやってるなと思うんだけど、ボーズ・オブ・カナダは初期の頃は、ガレージ・パンクに近い。作りがラフで、日本人が得意とするような緻密さみたいなものはあんまりないんだよね。もっとざっくりしてる。

吉永:でもわたしそこが好きだったからな。ヒップホップ臭がものすごくするよね。

弘石:僕は90年代、ソニーに在籍して〈ワープ〉の担当してたから、彼らやエイフェックス、プラッドなんかの話をインタヴューでよく聞いてたんですけど、彼らって基本的にテクノ同様に、ヒップホップの影響をすごく受けてて。でも「黒人としてラップ表現するんではなくて、アティチュードとして白人のヒップホップを創ってる」っていうような発言してたんですよ。〈ワープ〉の社長も初期は、ロブとスティーヴ、二人で運営していて、彼らもすごくヒップホップのファンだったし。ビースティ・ボーイズの大ファンでしたね。

オウテカだってマントロニクスだもんね。

弘石: 初期の〈ワープ〉はテクノのレーベルをやってるつもりではなくて、サンプリングが自由だった頃の、ヒップホップの遊び心のようなものからスタートしていったんではないでしょうか。そういう意味ではヒップホップのグルーヴ感っていうのが彼らにはあったんじゃないですか。ヴィンテージ・シンセとかレコーディング方法にもすごくこだわってるんですよね、ボーズ・オブ・カナダは。

ビートメイカーに近いよね。もうループ一発で作るから、ハラカミくんとはスタイルが違う。どっちが良い悪いじゃなくて。

吉永:そうだよね。ハラカミくんは、自分で一から作ってるもんね。

山本:ヒロシの意見絶対入れてくださいね。

(一同笑)

話を戻すと、バッファロー・ドーターの『ニュー・ロック』の時代に切り拓かれたものが、ある意味ではまた元に戻ってしまったところもあるのかなって気がしないでもないんですよね。音的にも、レイドバック感のほうが強いし。


Buffalo Daughter
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山本:うん、うん。たしかにその通りだと思うんですけど。20年前はちょうど恵まれてたっていうか、オルタナティヴの後押しみたいなものがあったんですよね。バッファローの音楽ってすごく説明しづらかったんですけど、なんとなくざっくりオルタナティヴっていう感じで。まあレーベルもいろいろできてきてたし、なんかちょっとわかりやすかったっていうか。しかも海外と日本がオルタナティヴで繋がってた。『米国音楽』がまさにそういう感じだったんですけど。
 いまはたしかに、そういう後押しの感じはあんまないんですけど。ただ僕が個人的に思うのは、バンドでツアーして海外行ってアメリカ・ツアーっていうのが若者の夢だったんだけども、いまってたぶん直接肉体的に行かなくても、それこそウェブ上でどんどん繋がっていくじゃないですか。〈U/M/A/A〉が抱えているアーティストとかって、基本的にデスクトップで作ったものをニコニコ動画とかに上げて、それが評価されてメジャーになったみたいな。たぶんそれは次に海外に出て行くと思うんですよ。それも最初はネット上で出て行くだろうし、それはすでに出てると思うんですよ。で、そうなると向こうの要望が強まるから、きゃりーぱみゅぱみゅとかが海外に行くように、デスクトップで音楽を作っている若いミュージシャンもたぶん海外に実際に行って、何かしら演奏するっていう流れは僕らの時代にはなかったですね。

たしかにラップトップ・ミュージックは活性化してるんですけど、ネットの世界もけっこう狭いサークルに陥りやすいというか、逆にそっちの幻想が膨らんで、バッファロー・ドーターみたいなライヴ感がいまひとつ欠けているというか。

山本:僕らの時代ではギター、ベース、ドラムでバンドをはじめるっていうのが普通のやり方だったんですけど、もしかしたらいまってラップトップではじめるほうがスタンダードになりつつあるのかなっていうところもあって。実際ガレージ・バンドでひとりで作ってるところからはじまった女の子のバンドとか知ってるんですけども、とりあえず簡単にできるじゃないですか、手っ取り早く。で、それで1回形を作って評価された後に、今度は必ずそういうひとってライヴ対応しなくちゃいけなくなるんで。そこで敢えてドラム入れてみるとか、生の要素を入れてみるとか。たとえばマウス・オン・マーズとか、テクノのアーティストってそういう風なやり方しますよね。打ち込みで作ったものを生ドラムでやったりとか。国内だとデ・デ・マウスとか、逆にデータから生へっていう。だからいまラップトップで作ってる子も、そういうこと絶対やり出すと思うんですよね。必要に駆られて。そこはすごく期待してますね。

時代の変化に対応するための具体的な展開ってありますか?

山本:なんかね、対応していこうとか時代に追いつこうとかってあんまり意識してなくて、自分たちもたんに音楽ファンで、「最近どういう風に音楽買ってる?」みたいな。シュガーはけっこうデジタルで買ってたりもするし。だったら自分たちもこういう形で出しても自然だよね、みたいな。

吉永:でもなんかね、うちはアルバムとアルバムの間隔が長いじゃないですか。だって20年もやってんのに、6枚しか出てないってさ(笑)。でも意図してそうやってるわけじゃなくて、やっぱり完成形が見えるまでに時間かかるものがあったりとか、あと誰かがバッファロー・ドーターやる気分じゃなかったりとかね。そういうのもあるから、それは必然的にそうなってるんだけど。でもいまは簡単じゃないですか。それこそサウンドクラウドに今日作った曲をぱっとアップするとかね。あれはなんか、面白いなってちょっと思ってる部分もあって。わたしたちは腰が重かったんだけど、そういう発し方っていうのは、ちょっとやりたいなっていうのがあるんですけどね。

ほう。

吉永:だから由美子といっしょにふたりで普段から何か作ったりしてるんです。なんだけど、それを完成形にしてバッファローのアルバムに入れるにしては、なんかちょっとバランスも違うし、みたいな楽曲もあったりするんですよね。そういうのとかを、何かそういうメディアを使って「Today's Menu」じゃないけど、そんな感じでぱっと出せるようなスタンスっていうのは楽しいなと思って。いままでは自分たちで作ったものは自分たちでしか聴いてないけど、それに対する反応なんかを聞けたら楽しいしなー、とかね。バッファローを全然知らないひとがそれを聴いてくれたりしたら楽しいかなー、とか。っていうのはありますけど。

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やっぱ端っこなんじゃないですか。ついこのあいだまで日本のメジャーのバンドのお手伝いをしてたんだけど、まったく違うもんね。ほんとにうちって極端なところにいるんだなってよくわかった。

なるほどね。さっきアメリカ・ツアーとおっしゃいましたけど、バッファロー・ドーターにとってはアメリカが一番近かった外国ですよね、きっと。

吉永:そうですね。

僕は、いろんな国の音楽シーンがあるなかで、アメリカがこの10年とくに面白く変わったなっていう印象があるんですよね。1周回ってしまったというか、いちどレコード屋さんが全部なくなって、そしてまたいまできはじめている状況もあるし。

山本:え、またできてるんですか?

インディでやってる若い世代がアナログ志向になってるんで。

山本:ああー。

インディ文化、DIY文化は、いまのアメリカはすごいですよ。生まれたときには家にCDしかなかった世代がメインなんですけど、彼らの活動の象徴が、ヴァイナル、カセット、ライヴ活動で。配信はあるけどCDは作らなかったり。

山本:カセットってダウンロード・カードは入ってるんですか?

入ってるのと入ってないのとありますね。入ってないのが多かなー。

山本:じゃあ敢えてカセットで聴けっていう。

録音音楽の形態はカセットとアナログ盤に帰結するという、結局は20世紀のものなんですよ。

山本:下北に「ワルシャワ」があった頃すごくカセットを推してて。

そうそう。

山本:「ワルシャワ」なくなっちゃったんでしたっけ?

なくなっちゃったんですよー。

山本:あそこでサン・アローを推してて。サン・アロー僕すっごく好きなんですよ。

ははははは。だからサン・アローみたいなものが日本では売れないんですよ。アメリカだとSXSWの大きいホールが満員になるぐらい人気があるんですけど。これは海外のアーティストやDJからもよく言われますよ。海外から日本を見ても、この10年っていうのはすごく温度差を感じているんですね、インディでもクラブでも。

山本:たしかにいまの日本の音楽シーンって海外に対して閉ざしてますよね。

たとえばいま日本で売れる洋楽って、ニュー・オーダーとかさ。

山本:ああ、オヤジが買ってるんですか。

そう(笑)。

吉永:オヤジが買ってるって(笑)。

プライマル・スクリームとかマイブラとか。だからきっと僕の世代が頑張って買ってるんですよ(笑)。

吉永:でもそれはファンだから買うんでしょ? 20年前からファンだから。

その世代のものは相変わらず売れるんですよ。でも、ひとつ例を挙げれば、いまUSでは、もうインディとは呼べないくらいすごく売れているヴァンパイア・ウィークエンドみたいなバンドがいるんですけど、日本でもまあ健闘はしているほうですけど、ニュー・オーダーとかあの世代には敵わないっていうね。

一同:......。

ほら、だんだん後ろ向きな気持ちになってきたでしょう(笑)?

一同:はははははは!

山本:いや、メディアのひとはたいていネガティヴなんですよ。

吉永:なんでヴァンパイア・ウィークエンドは日本で売れないの?

いやいや売れてますよ。売れてますけど、アメリカとの温度差はハンパないですよ。

吉永:アメリカでは大スターだよね。もうだって、サタデー・ナイト・ライヴとか出てるよ?

(スタッフの方含め、全員で議論が盛り上がる)

だから80年代末から90年代初頭のやつが売れるんだよね、大概。

山本:明らかにオヤジが買ってるじゃん。

そう(笑)。

吉永:だから若いひとたちが買わないってことだよね。

いや、若いひともオヤジのロックは買うの(笑)。『ラヴレス』が出た頃より、オヤジになったケヴィン・シールズをみんな買うんですよ。

山本:いや、あれはオヤジになったケヴィン・シールズじゃないですよ。シューゲイザーのあの切なさがこの不況の時代にマッチするんですよ。

それもあると思いますよ。

山本:いや、「それも」じゃなくてそれですよ。

一同:はははははは!

吉永:その言い方でいうと、だからヴァンパイア・ウィークエンドが売れないんじゃない? マッチしてないんじゃない?

山本:マイブラに関しては僕は語りますよ。

なんでですか?(笑)

山本:いや、僕IKEBANAってバンドをちょっと前までやってたんですけど、それはパートナーだった子がマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのことがすごく好きで、彼女からいろいろオルグされて、フジロックもマイブラだけを観に行きましたし。

(笑)すごいですね。ムーグさんをオルグするって大変だよね。

山本:あとデヴィッド・バーンがこの間来たときに聞いたんですけど、デヴィッド・バーンはマイブラが好きなんですよね。それが面白くて。

マイブラが悪いわけじゃないんですよ(笑)。

大野:アダム・ヤウクも好きだったよ、マイブラ。

山本:でもいまのマイブラの受け方っていうのは明らかに、暗い時代のなかで切ないけど......でもすごくフィットするんですよ。マイブラのあの感じが。フィッシュマンズの受け取られ方とちょっと似てるっていうか。

フィッシュマンズやマイブラみたいにリアルタイムよりもファンを増やしていくようなタイプのバンドっていますよね。マイブラが売れることに関しても、評価が定まっているクラシックっていうか、ロックって、再結成だとか、再発だとか、そんなのばっかでしょ。あと、ムーグさんが言ったように、日本の音楽シーンって、政治的になっていますよね。それはそれで良い面もありますが、音楽っていうのはそれだけではないって僕は思っていて。たとえば、90年代の日本では売れないものも売れたという言い方をしたのは、多様性があったということなんですよね。

山本:そうですね。

とくにアメリカは多様性が際立っているんですけど、いまの日本の音楽には多様性が見えないっていうか。それって危険なことだなって思うんで。ヘイトじゃないけどね、自分と違うものを否定してしまうことになりかねないじゃないですか。だからいまの若い子たちに90年代の自慢をして、バッファロー・ドーター20周年を盛り上げるっていうのはどうかなって(笑)。

吉永:(笑)

山本:自慢するっていうのはなんか......(笑)。

寒かったすね(笑)。でも90年代の音って、いま若い子にも売れてるから。その線で行けばバッファロー・ドーターの20周年記念盤は売れますよ。

山本:ああー、じゃあそういう風にして売っていこうか。あの、任せます。

はははは。いや、わからないですけど。

山本:でもたしかに、さらに遡ればパンクの後のニューウェイヴもそうだったんですけど、いったん焼け野原になったあとにすごくいろんなものが出てきて、自由でしたよね、あの頃って。

そうですよね。

山本:それがオルタナティヴの頃もちょっとあって。それこそ「シスコ」のラウド店に行くと、知らないものがどんどん入れ替わっていくっていう楽しさがあって。いろいろなものに対して自分たちも受け入れられるっていう、そういう自由さはありましたよね。

あ、わかった。バッファロー・ドーターはあれだ、レッド・クレイオラになればいいんだ。

山本:知らないよ(笑)。

初期〈ラフ・トレード〉の精神的な支柱ですよ。

山本:メディアのそういう見方に対して、僕らは「そうじゃないです」とか「そうです」とかって言わない、っていうかそれはメディアを持っている方の署名で原稿書かれているわけですから、僕はその解釈の仕方は自由だと思うんですけれども、個人的には、かなりピンと来てないです(笑)。

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自分で聴いたことのない音楽を作りたいっていうか。ときどき歩いていると、すっごいやかましい音楽とか音とか鳴らしてる車があるとすっごいムカつくんですよ。ああいう公害な音楽は絶対に作らないとか。


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シュガーさんのエネルギーの源って何なんですか?

吉永:それは昔から変わらないですけど、やっぱ、自分にとって新しいものをつねに発見する。っていうか、つねに何かはあるんですけど。それがモチベーションですね、やっぱり。音楽もそうだけど。昔ほどレコード買わなくなったとはいえ、やっぱりモチベーションはいろいろあるから。

なるほど。すごくヴァイタリティを感じるんですよね。

大野:お肉食べないんだけど、一番血が濃い感じで。

はははは。行動力というか何というか。バンドのなかで役割ってどうなってるんですか?

山本:由美子さんがまず一番最初に「これをやりましょう」って言うんですよ。それは間に合わなくなるから。

はははは。それは仕切り屋ってことですか? そうじゃなくてタイム・キーパーとか。

大野:一番気にしてるひとなのかな。

ああー。じゃあ大人?

大野:全体的に見ているひと。

山本:やっぱ彼女は私生活も忙しいし。

だっていろいろと他のプロジェクトにも参加されてますしね。

大野:うん。でも好きだからやってるんだけど。でもそういう風に考えると、一番こう、クリアに自分のバンドが見えてるっていうか、自分のバンドがどういう立ち位置にいるっていうことが一番わかってるっていうか。

ああ。いまどういう立ち位置にいると思います?

大野:やっぱ端っこなんじゃないですか。

ははははは! 素晴らしいじゃないですか、端っこ。

大野:うん。ついこのあいだまで日本のメジャーのバンドのお手伝いをしてたんだけど、まったく違うもんね。ほんとにうちって極端なところにいるんだなってよくわかった。けど、彼らはわたしたちの音とかの新鮮な部分をチラッと見せるとものすごく喜ぶのね。話をしたりすると、みんなすごく聞きたがるの。うん、だから、教えていく立場にだんだんなってきたのかなって(笑)。

ああー。

大野:って思いながら手伝ってたんだけど。まったく違うところにいた。その分最初ちょっと大変だったけど、時間が経ってくるとだんだん楽しくなってきて。っていうのはありますね。

外から見てると、シュガーさんが引っ張っていって、ムーグさんが頭脳って感じなんですか? 極端に言っちゃうと。

大野:編集のひとなんだって思う。まとめるのが上手い。

山本:僕はほんとに一番最初に「これやろう」って言い出して、シュガーがそれを理解した瞬間、すっごいスピードで動くんですよ、彼女が。で、僕は最初はボーッとしてるんですよ。で、8割方見えてきたときに急に目覚めて、「これはこういう意味なんだ」ってことを勝手に位置づけるんですよ。それをもう1回ふたりに返す。だから最初に客観的に見るひとですよね。ある意味、メディアの方にちょっと近いんですよ。で、実際そういう仕事もしてましたから。

そうですよね。書かれてましたよね。

山本:「これってこういうタイトルだな」とか、ジャケットとか、実際音が上がってからじゃないですか。それに対してどういう風に見せていくかとか。そういう感じですね。で、それで僕が意味づけを提案すると、シュガーは歌詞を書くから彼女のなかにも確固たる意味があるし、由美子は由美子で自由に感覚的に感じ取ってるものがあるから、それをもう1回3人でやって、それがぎゅうっとひとつに収縮したときにはじめてアルバム・タイトルとかになっていくんですよ。

じゃあ、シュガーさんはそういうときに心臓みたいな感じ?

大野:わたしが困ったこととか相談すると、ぐわーって「じゃ、こうすればいい、こうすればいい」みたいな感じで全部(笑)、解決策をクリアに出してくれる。わたしけっこう、モヤモヤモヤッってするとけっこう困っちゃうから(笑)、訊くと解決策をクリアに出してくれたりするし。

なるほどね。今回もシュガーさんが海外との交渉なんかをされたんでしょうか。

山本:今回の選曲をニックさんと提案したのもシュガーだし。その辺はほんと信頼して任せたって感じですよ。

なるほど。シュガーさんが新しいことをやることが原動力なっているって話をされてましたけど、おふたりはどうなんですか?

大野:それはたしかにそうかも。自分で聴いたことのない音楽を作りたいっていうか。ときどき歩いていると、すっごいやかましい音楽とか音とか鳴らしてる車があるとすっごいムカつくんですよ。ああいう公害な音楽は絶対に作らないとか。

はははは。

大野:そういうのがちょっと原動力になったりする。それはあんまりいい意味じゃないけどね(笑)。っていうときもあるし、基本的には自分で聴きたい音楽を作りたいっていう。新しい形っていうかちょっとわかんないけど、聴いたことのない音楽を作りたいっていうか。いつもね。

なるほどね。ムーグさんはどうなんですか?

山本:僕はパンクとニューウェイヴをそれこそ18、9で体験して、ほんとに焼きついちゃったんですよね。で、自分にとっての一番大きい体験だったんで。ニューウェイヴの使命って、つねに新しくあるべきっていう。新しいってことが価値だったじゃないですか。あと自由っていう。それの焼きつきがあまりにも強いんで、つねにそこを求めちゃうんですよね。それが自分のなかにとっての伝統なんですけど(笑)、だから同じ音楽に留まっていくことができなくて。単純に好きですよね、新しい音楽が。ある時期は過去の音源で誰も知らなかったものに新しさを見出したこともあるし。いまは音楽じゃないんですけど、新しい文化ですごく面白いと思えるものがいくつか出てきたんで、それはすごく嬉しいですね。

たとえば?

山本:僕がいまハマってるのが、ジョン・ラフマンっていうカナダの現代美術のひとなんですけど、そのひとはインスタレーションもやるし映像も作るんですけど、映像がめちゃくちゃいいんですよ。あともうひとつは、スケーターが面白くて。
 
山本:あとロンドンにもスケーターの面白い連中がいて。なんか家の近所に歩いてたら小さいショップができてて、入ってみたらスケーターの店だったんですよ。で、そこでその〈ポーラー〉のTシャツ買って、「スケーターなのにこういうデザインなんですよ」って言われて、たしかにそういう感じなんですよ。いわゆるスケート・カルチャーって西海岸イメージだったんですけど。それが世界中に飛び火してて。あとカナダにも面白い連中がいてて。その3つをいま追っていて。あとでURL教えるんで。

デザインが面白いんですね?

山本:なんかトータルで面白いんですよ。ちょっと語りつくせないんですけど。山本:あとね、南米のブエノスアイレスかな。〈ZZK〉っていうレーベルってご存じですか? デジタル・クンビアってざっくり言われてるんですけど。そこはPVとかも面白くて。で、わりと映像主導型で物事が好きになってますね。まずYouTubeから入って。

吉永:そもそも映像だもんね。映像っていうか画像っていうか。

山本:うん、もともと静止画フリークだったんだけど、映像面白いですね、最近。あとはやっぱりアモン・トビンみたいなひとも、ライヴのセットを映像とトータルなものにしているっていうのも。で、リッチー・ホウティンもそうだったじゃないですか。LEDのコクーンっていうを作って完全シンクロして。音楽単体じゃなくて、必ず映像がついて。

そういうことをバッファローでやってみようって計画はいまあるんですか?

山本:やってみたいんですけど、なかなか大変なんで。でも今回ので、ちょっとヴィデオを作ったりして、それに関わらせてもらったりはしてますね。

ちなみに、次の新しいアルバムの構想があるという噂を聞いたんですが。

吉永:半分ちょっとぐらい。

それはいまの時点で言えることはどんな感じでしょう?

吉永:うちね、最後の最後まで言えないんですよね、なんかね。

山本:変わるからね。

吉永:最後にガッと変わるから。

なるほど。

吉永:いま言ってもたぶん変わるから(笑)。曲は変わんなくてもね。最後の仕上げが関わったりとか。前のアルバムもそうだったんだけど。だから難しいですけど。

バッファロー・ドーターってアルバムにつねにテーマがあるじゃないですか。コンセプトというか。そのコンセプトは決まってる?

吉永:それがだから、大概最後なんですよ。

ああ、最後ね。

吉永:最初はじめるときにもちろんあるんだけど、それが最後に違うものに変わったりするから。今回はじめるときはディスコって言ってはじめたんですけど、すでに気分はもう変わってきてるし、わかんないですよね、自分たちとしても。

なるほど。

吉永:でも最後にガッと変わったときは3人がすごく一致したときだから、ものすごいエネルギーでフィニッシュに向かうんですけど。いままだ漠然としている部分が少しありますよね、やっぱり。曲は具体的に上がってきてるんだけど。その最終的なまとめ方っていうか見せ方っていう部分では、ちょっとまだそこまで辿り着いてないから。

じゃあ、最終的にはどうなるかわからないけれども、入口をディスコにしたのは何でなんですか?

吉永:それは21世紀美術館でピーター・マクドナルドさんっていうイギリスのアーティストが、展示をやってたんですよ。そのときに一番大きな部屋の壁全体が彼の絵になっていて。それはかける絵じゃなくて、壁自体に絵が描いてあって。それがブロック・パーティみたいなものをテーマにしたもので。彼が子どものときにそういうものを経験したんですって。それがすごく楽しかったっていうイメージで、それを絵にしたっていうのがあって。
 で、絵だからすっごく大きな部屋なんだけど、シーンとしてるんですよ。美術館だし。それが彼としては何か違うっていうのがあったらしくって、そこに音をブチ込みたいと。で、絵を描いていたときにバッファローをよく聴きながらやってたんですって。だから「その音楽が流れてきたら嬉しい、ここで何か演奏できないか」っていうことを言われて。じゃあそれは面白いからやってみましょう、みたいな感じで。で、「どういうことをやりたいの?」って訊いたら、「ブロック・パーティで気分はディスコなんだ」って。「そういう楽しいものをやりたいんだ」って言ったから、ディスコねえー、ってそのときは思ったんですよ。だって『ウェポンズ』(『The Weapons of Math Destruction』)出した直後だったから、あのアルバムはどう考えてもディスコじゃなかったから。

ははははは。

吉永:気分はパンクだったから、あのとき。だからディスコかーって思ったんだけど、そもそもわたしたちベースとしてディスコ・ミュージック好きだから。ディスコ・ミュージックっていうかね、バンドがやるディスコ・ミュージック、ESGみたいなのが好きなわけじゃないですか。

はいはいはい。

吉永:ブロック・パーティっていうのもそうだし、ESGみたいなのいいね! って盛り上がって。

いいじゃないですか、それ。

吉永:で、曲をそれ用に作ったりして、そのときがすごく自分たちで楽しかったから。美術館でやるっていうその経験も楽しかったし、自分たちてきには。

なるほど! それが入り口だったわけですね。ちなみに完成はいつを予定されてるんですか?

山本:さっき聞いたのは来年の――。

さっき聞いたって誰に聞いたんですか(笑)?

山本:さっきシュガーに。来年の夏前にできてる、みたいな。

大野:寒い時期に発売できたらいいけど、無理かなー、わかんない(笑)

それは難しいんじゃないですか(笑)。なるほど、わかりました。じゃあそれを楽しみにしています。

山本:ありがとうございます。

 追記:この取材を終えてから、僕は山本ムーグとたまたま行ったライヴで一緒になり、そして3日連続で街中で偶然会った。早く飲みにいかねば!

マキ・ザ・マジック追悼文 - ele-king

 僕はマキ・ザ・マジックの男臭さが大好きだった。あの男臭さをダンディズムや男の美学と言い換えてもいいかもしれない。いずれにせよ、あの男臭さは古き良き日本男児のそれだったけれど、けっして排他的で窮屈なものではなかった。マッチョだったけど、他人の意見や生き方を力任せにねじ伏せて、自分の価値観をごり押しするような狭量で退屈なものではなかった。

 そして、もちろんマキ・ザ・マジックのその態度は、女性のファンやリスナーを遠ざけるものでもなかった。というよりも、「男の美学とか言っちゃってさ~、うふふふふ♪」というような女性のいけずな視線も意識していたように思う。その上で、「でも、やってやるんだぜ! オラ!」という清々しい覚悟があった。実際に僕はマキ・ザ・マジックが大好きな女性をたくさん知っている。

 マキ・ザ・マジックには、オトナの男の自虐性と客観性とサディズムが絶妙に入り混じった年季みたいなものがあって、それを僕はとても魅力的に感じていた。彼の作るトラックには細かいことを吹き飛ばす開放感があったし、ラップには毒と笑いがあって、しかもドロドロの愛とびしょびしょのエロがあった。曲のなかでセンチメンタルなムードになっても、我慢しきれずにちゃぶ台をひっくり返してしまうような、昭和生まれの日本男児の照れと不器用さがあったように思う。どんなに下衆でアホで乱暴なことをラップしていても愛嬌があって、キュートで、キモカワ系の愛くるしさがあった。僕は、相方CQとのラップの掛け合いを聴くと、ゴーストフェイス・キラーやレイクウォンを愛するアフロ・アメリカンの気持ちが少しわかるような気がした。


キエるマキュウ
Hakoniwa

第三ノ忍者 / Pヴァイン

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 告白すれば、キエるマキュウが昨年発表した、じつに9年ぶりとなる傑作『Hakoniwa』で僕はマキ・ザ・マジックのファンになった。ヘッズとしては失格かもしれない。もちろん、過去の作品も聴いていた。けれども、日本のヒップホップ・シーンで長いキャリアを誇る、この先達の偉大さを改めて思い知らされたのは、『Hakoniwa』の素晴らしさからだったのだ。でもきっと、そういう音楽ファンも多かったのではないだろうか。キエるマキュウは、『Hakoniwa』をリリースした後、ライヴ・ハウスでのライヴが増えていた。

 僕はここで自分なりにマキ・ザ・マジックの遺したものについて語りたい。伝えたいと思う。
 マキ・ザ・マジックのトラック・メイキングはサンプリングにはじまり、サンプリングに終わるものだった。『Hakoniwa』の9割のトラックは、彼が作っていた。ソウル・ミュージックやダンス・クラシック、オールドスクール・ヒップホップの大胆なサンプリングは、けっしてノスタルジーに甘んじるようなものではなかったし、流行ってはいるが魂のない音楽を「コノヤロー!」と蹴散らす威勢のいい反時代的態度があった。そう、僕がマキ・ザ・マジックを初めて、いまは無き恵比寿の〈みるく〉で観たとき、容赦なく当時ヒット・チャートを賑わせていたラッパーをディスり、MSCを褒め称え、「シーンを面白くしようぜ!」と缶ビール片手に演説していた。2006年のことだ。去年ライヴで観たときもよく喋り、大きくてごつい体をくねくねと捩じらせながら意味不明の身体パフォーマンスをくり広げていた。どちらも、会場は爆笑だった。

 僕より若い世代になると知らない人もいるかもしれないが、マイクロフォン・ペイジャーの日本語ラップ・クラシック"病む街"のトラックの作者はマキ・ザ・マジックで、96年にはマキ&タイキとして『ON THE1+2』という4曲入りのEPをリリースしている。MIXCDもたくさん発表していた。DJ/トラックメイカーとしてキャリアをスタートさせた彼がラップをするようになるのは、キエるマキュウが2000年に発表したデビュー・シングル『NANJAI』からだ。その事実は、親しい人のあいだでは衝撃だったと、ライムスターの宇多丸氏のラジオで知った。あの世代でいち早くMSCを評価し、トラックを提供したのもマキ・ザ・マジックだった。そして、ライムスターの『ダーティーサイエンス』ではキエるマキュウのイリシット・ツボイがプロデューサーとして大々的にフィーチャーされ、マキ・ザ・マジックも1曲提供している。あの作品にラッパーとして唯一参加しているのが、キエるマキュウのラッパーのふたりだった。

 定番の曲を参照しながら、マニア心をくすぐる仕掛けをいくつも用意するのもマキ・ザ・マジックの技だった。少なくないレア盤を贅沢に使っていたに違いない。イリシット・ツボイのツイートをあるとき見て、『Hakoniwa』のサンプリングはすべてがオリジナルの7インチからであることを知った。それはもちろん偏屈な拘りなんかではなくて、これぞフェティシズムの凄み! というもので、『Hakoniwa』の叩きつけるようなビートとノイズを聴けば、そうでなければならない理由がわかるはずだ。
 そしてそこにマキ・ザ・マジックは、三島由紀夫の『豊饒の海』、夢野久作の『ドグラ・マグラ』、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』といった文学から、SF小説やビートニクの詩、エミール・クストリッツァの映画からインスパイアされたラップをぶち込んだ。

 マキ・ザ・マジックはブログやツイッターでよく政治的な発言もしていたが、けっして政治思想を音楽に反映させなかった。マキ・ザ・マジックがクラスやザ・クラッシュの熱狂的ファンだったことはよく知られている。パンクの人でもあった。が、政治思想的には生粋の保守だったのではないかと思う。それを矛盾という人もいるかもしれない。でもね、そういうことを吹き飛ばす凄まじいエネルギーがあったんだよ。そのエネルギーが何か、僕にはまだはっきりと説明できないのだけれど、マキ・ザ・マジックの音楽を聴けばわかるはずだ。

 じつは僕はご本人と面識はなかった。でも、僕はきっとこの人といつか酒を飲みながら、音楽や政治や社会の話、しょうもないバカ話をくり広げてガハハハッと笑うときが来るのではないかと、僭越ながら勝手に信じていた。
 とにかく僕がここで言いたいのは、マキ・ザ・マジックの存在を心強く感じていたということだ。そして、「なんで、こういう人が早死にするんだよ」という残念な気持ちでいっぱいだということだ。7月14日に亡くなられたとき、まだ46歳だったことを知った。若すぎますよ。マキさんを知る方々の声を聞くと、湿っぽいのが嫌いな方だったのだろうと思う。
 しこたま酒を飲んだ朝方、"Somebody Got Murdered"を聴きながら、中野の町を歩いた。涙と笑いが止まらなかった。マキ・ザ・マジックは偉大だ。

乾杯 これが最後の杯 生まれてきたのが 最初の運の尽き
女神にKiss ケツにKiss どっちにしても墓場で笑う
今も昔も変わらない人生 清清するさ この世から Fade Away
息が止まる程飲む今日 天国へいくのさ リービング・トウキョウ "Somebody Got Murdered"

Housemeister - ele-king

 ナイアガラのクラウス・ワイスやガビ・デルガドーのソロ・アルバムなど、ジャーマン・ファンクにはまったくといっていいほど揺れがなく、ダンス・ミュージックとしてはかなり厳しいものがある。同じことがジュークを取り入れたジャーマン・エレクトロのハウスマイスターにも言える。

オープニングは"東京"。


 4作目はタイトルにもなっている通り、DJで世界を回りながら、それぞれの土地でOP-1だけを駆使してつくったそうで、なるほどジュークの質感は上手くトレースされている。チープで痙攣的。ジャーマン・エレクトロとして考えれば、ディプロを意識したらしきシャラーフトーフブロンクスに続く新機軸と言える。

M4"ニュー・ヨーク"。


 リズムに揺れがないからといって、楽しめないということはない。同じようにつくろうと思ったかどうかもわからないけれど、同じようにつくれないからこそ違う良さが出てくることもある。ジュークが基本的にセクシーな音楽だとすれば、『OP-1』で肥大しているのは過剰なまでのガジェット性である(ホルガー・ヒラーやダー・プランがもしもジュークをやったら......)。

M6"メキシコ・シティ"。


 ドイツ人の笑いというのは、それにしても不自然である。放っておくと観念論に走りやすいので、異化効果をもたらすためにはどうしてもそうなってしまうと三島憲一だったかが書いていた覚えがあるけれど、そのこととリズムに揺れがないこともどこかで繋がっているのだろうか。日本人がつくったハウスは重すぎてつなげないとはよく言われるし、きっと日本人がつくるジュークにも特有の民族性は滲み出てくるだろうから、それはもう少し先の楽しみということで。

M8"シカゴ"。


 ジュークのご当地である"シカゴ"では、むしろドイツっぽい曲になり、"モントリオール"はフザけすぎ(最高!)。そして、エンディングはなぜか"大阪"で、"東京"に比べて、妙にアグレッシヴだったり。やっぱりそれぞれの土地柄を表したということなんだろうか......。

 南アのアヨバネスやポルトガルのリスボン・ベースといった新興のエレクトロニック・ダンス・ミュージックを聴いていると、ジャーマン・テクノと大して違わないと思うことが多い。あるいは『OP-1』も、そのような南半球寄りのダンス・ミュージックに聴こえてしまう面が少なからずあり、実際、何の気なしに続けて聴いたヴェネズエラのダンス・ミュージック、チャンガ・トゥキと最初は見分けがつかなくなって、少し混乱もした。


https://soundcloud.com/bazzerk/bazzerk-changa-tuki-classics

 フランスのDJチーム、ジェス&クラッブがアンゴラ起源のクドゥロをまとめた『バザー』(2011)に続いてコンパイルした『チャンガ・トゥキ・クラシックス』はしかし、どちらかというとバイレ・ファンキを思わせるところが多く、これにDFCチームが"スエーニョ・ラティーノ"(89)に続いて仕掛けたラミレスやディジタル・ボーイなど90年代初頭のハード・テクノを注入したような曲が多く、ライナーによれば現地では猛禽に喩えられる音楽だという(DJババによればテクノトロニック"パンプ・アップ・ザ・ジャム"(89)が起源だそうで、確かにDJイルヴィン"ポポ・サウンド"には強い影響が聴き取れる。また、チャンガとトゥキは当初は違うジャンルだったらしく、興味のある方は長~いライナーノーツを参照のこと)。

 ディジタル・クンビアやシャンガーン・エレクトロなど南半球に存在する他のエレクトロニック・ダンス・ミュージックに較べてチャンガ・トゥキは圧倒的にハードだし、途上国に対して抱くようなエキゾチジスムは最初から打ち砕かれてしまう(......どこにもないとは言わないけれど、しかし、ほとんどないに等しい)。それこそアフリカで最も人気があると言われるヒップ・ホップのMCが完全にUSのコピーでしかなくなってしまったのと同様、そういったものはもはや過去にしか存在しないか、むしろ先進国でデラシネとして息を吹き返すしかないのだろう(女性の割礼=FGMが数字の上ではフランスで増えているように......)。

 いずれにしろ現在のヴェネズエラはここに炙り出されているような強い性格の国なのだろうと思うだけである。チャベスが死んでからのことはよく知らないし、行ってみたいと思うわけでもないけれど、スノーデンが最初に亡命を申請したということは、いまでも反米の拠点か、そのように見做されているということだし、それだけのエネルギーが『チャンガ・トゥキ・クラシックス』から聴こえてくることは間違いない。

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