「IR」と一致するもの

DJ HI-GO (Dip Aura/1968) - ele-king

My Funk Train Best 10


1
Magnum - Evolution - Jamie

2
Lyn Collins - Think (about it) - Polydor

3
Uptown Funk Empire - Walkin Like the Ginger - Soulab

4
James Blood Ulmer - Pleasure Contol - CBS

5
Mandrill - Can you Get It (Suzie Caesar) - Arista

6
Patrice Rushen - The Hump - Prestige

7
Defunkt - I Tried To Live Alone - Hunnibal

8
Lee Dorsey - Yes We Can (part 1.) - Polydor

9
Bill Summers - Straight To The Bank - Prestige

10
Wally Badarou - Chief Inspector - Island

Tomoki A Heart - ele-king

 半世紀も昔を舞台にした映画を見ていると、家族という単位以上にその地域の共同体が優位であったことがわかる。アメリカ映画ではとくに顕著だ。たとえばバーに入る。客はみんな顔なじみ。注文して、カウンターに腰掛けると、「ところで、おまえんところの小僧は......」とか、「そういえば、おまえんところの女房は......」とか、へたしたら「おまえんところの犬は......」とか、他人は遠慮なくプライヴァシーに入ってくる、家のなかに共同体は容赦なく介入する。そうした土足で上がってくる共同体を家からキレイに排除したあげくに生まれた家族、孤絶化した核家族の集合体のメタファーとしてのファミリーレストランというもの(トポス)を指摘したのは越智道雄だった。
 ファミレスには多くの幸福な家族がいる。しかもそれら家族同士はものの見事に隔絶されている。となりのじいさんやばあさんの皮肉のひとつも届きそうにない、それぞれのプライヴァシーを保持する幸福そうな家族の集合体......わずか数センチのところにいながら彼らは顔を合わせることもない。この奇妙にして不自然な光景......コミュニティの崩壊はなにも自由経済だけの責任ではない。人は明らかにそれを望み、そして叶えたのだ。
 ところが近年、ニュースが伝えるには、里山や団地に住みたがる若者が増えているという。セーフティ・ネットを意識しているのかどうかは知らないが、彼らが核家族を超えたコミュニティ、昔ながらの近所の会話を求めていることは事実だろう。ますます階層化され、整備されていく社会にある種の危機感を感じているのかもしれない。越智道雄は核家族内部において共同体性を求める存在を"内なるアウトサイダー"という言葉で表現したが、クラブ・カルチャー/レイヴ・カルチャーにおける理想のひとつこそまさに"内なるアウトサイダー"の出会いにあると言える。

 塚本朋樹による『Innervoice』は個人のベッドルームというよりも、長野市のシーンから生まれたCDである。スタイルの基本にあるのはミニマル・テクノだが、ずいぶんとドリーミーで、そしてフレンドリーだ。個人的空想よりも人が集まることを歓迎している音楽のように思える。そして『Innervoice』は、人びとが集まっている場所から生まれたことを強味にしている。
 実際、塚本朋樹は2000年から地元長野で〈色〉というパーティをはじめている。しばらくしてそこは長野に住んでいる音楽好きの交流の場(トポス)になった。やがてスケーターやスノーボーダーなど音楽以外の"内なるアウトサイダー"も集まってきた。「みんなひとつになって協力し合ってシーンを作り上げていた感じでした」と、彼は長野のシーンのこの10年をこのように簡潔に話す。「それは90年代の東京を彷彿とさせるものでした」
 塚本朋樹は90年代後半の東京のクラブ・カルチャーに現れた彗星だった。アイルランドやドイツをツアーでまわりながら、彼は東京の地下のもっとも深いところを掘ろうとしていた。彼が関わっていた〈MetroJuice〉や〈Sound Channel〉は、その当時の東京のもっとも先鋭的でアンダーグラウンドなレーベルとして記憶されている。徹底的にストイックだったし、媚びることを嫌い、とがっていた。ゆえに『Innervoice』から聴こえる大らかさが僕にはものすごい驚きである。
 そしてこの変化について、彼は次のように話してくれた。「昔のストイックな曲は、東京に住み、ヨーロッパを行き来して、どこにいっても音楽仲間に囲まれて、音楽一直線というように、つねに音にだけ向き合っていればいい環境だからこそ出てきた音だったと思います。当時は、ヤバい曲を作ってとっとと死ねばいいやと思っていました。長野に帰って来てからは、家族や地元の友だちとか、音楽以外にも向き合わなければならないことがたくさんありました。そんななかで、音だけでなく、人生そのものをもっと楽しみながら音楽をやっていこうと変わっていったのだと思います。まず、エンジョイ・ライフが先だということです」

 『Innervoice』にはヴォーカリストとしてKaori(トーマス・シューマッハ、スティーブ・バグとのコラボレーションで知られる)、そしてOkika(ex.bossarica)のふたりが参加している。アルバムにはアップリフティングなダンス・トラックもあればアンビエント・テイストの美しいトラック、心地よい響きのダウンテンポなど、いろいろある。パッケージを広げると青空が広がっているが、それは作者の気持ちを表しているようだ。『Innervoice』は、とにかく清々しい。
 塚本朋樹によれば、長野は美しい自然に囲まれたスペシャルな場所だという。ここ数年、彼は地元で、野外の音楽コンサートなど企画しながら精力的に活動している。また、『Innervoice』のリリースを機に、〈Naganois〉レーベルでは今後もいろんな作品を発表する予定だとか。興味がある方、CDを買いたい方はこちらからどうぞ(https://www.zeroniroku.net/records/cd_tape/innervoice.php)。よく見るとジャンル名が「TECHNO / NAGANO」と記されている。祝福されているのだろう。もっとも『Innervoice』には日本で作られたテクノの新作の1枚であること以上の兆しがある。これは本当に未来に向けた第一歩かもよ。

Chart by STRADA RECORDS 2012.01.17 - ele-king

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年末年始に来日したDerrick May。今回はDerrickが今までにプレイした曲を特集してみました。


1

ALEX Q

ALEX Q JULE EP MUSIK GEWINNT FREUNDE(GER) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayが年末のDommuneでプレイ!】同レーベルからの前作「Endlich Fruhling EP」が売れに売れたドイツのアーティストALEX Qによる注目盤!A面のサックスとピアノが響き渡る上質なディープ・ハウス・チューン「Jule」は前作のファンの期待を裏切らないバッチリな仕上がりです!

2

RENNIE FOSTER

RENNIE FOSTER FALLING SKYWARD RENNIE FOSTER(UK) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】Subject DetroitやMotechといったデトロイト系のレーベルからも作品をリリースするRennie Fosterが自分のレーベルから放った強力盤!KaitoことHiroshi Watanabeによるディープなリミックスが秀逸!ハウシーなトラックにギターのソロがフィーチャーされた心地良くもエモーショナルな仕上がりです!

3

A DRUMMER FROM DETROIT

A DRUMMER FROM DETROIT DRUMS #1 FIT SOUND(US) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】3 CHAIRS第4のメンバーMARCELLUS PITTMANによるファースト・リリースで幕を開けたデトロイトのテクノやハウスのディストリビューターを手がけるFITのセルフ・レーベルFIT SOUNDから謎のユニットによるレーベル第四弾が登場!フロア向けの強力なツール作品となっておりA面はドラム、コンガ主体のパーカッション・トラック、B面はシンセFXやサンプル・フレーズを用いた軽やかなビート・ダウン・トラックと、どちらも即戦力間違いなしの強力盤!

4

ETHYL & FLORI

ETHYL & FLORI SHELTER-ROLANDO REMIX SECRETSUNDAZE(UK) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】「Jaguar」の大ヒットで知られるDJ ROLANDOによるリミックスを収録!音数少な目のクールなディープ・ハウスのオリジナルをパーカッシヴで走ったデトロイト・スタイルのフロア・チューンに仕立てています!黒いサウンドがお好きな方もお見逃し無く!

5

TR(TIMMY REGISFORED&ADRS)

TR(TIMMY REGISFORED&ADRS) NAIVE TRACK RESTRICTED TRACKS/SHELTER (US) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】またまたTIMMY REGISFORDによるDJユースなトラックもの!パーカッション打ちまくりのいかにもSHELTERなビートにレイドバックした上モノが薄っすらと乗っています。B面にはビートのみのトラックをカップリング!

6

FIRST CHOICE

FIRST CHOICE DR.LOVE SALSOUL (US) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayが年末のDommuneでプレイ!】A面収録のFirst Choice/Dr. LoveはDERRICK MAYヘビープレイ、B面Ripple/The Beat Goes OnはCARL CRAIGとのユニットINCOGDOのリエディット作品Ventage (Institutional Mix)の元ネタとしても知られる傑作クラシックス!

7

CODE 718

CODE 718 EQUINOX-HENRIK SCHWARZ REMIXES STRICTLY RHYTHM(UK) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】DANNY TENAGLIAが手がけたLOFT CLASSICとしても知られる名曲のリミックス!2009年の曲ながらDERRICK MAYが最近再びヘビープレイし最注目を集める一枚!

8

CARL CRAIG

CARL CRAIG AT LES-CHRISTIAN SMITH REMIXES TRONIC(UK) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】93年デトロイト・テクノの伝説的コンピ[VIRTUAL SEX]に収録されその後もCARL CRAIGの最高傑作という声も名高い[AT LES]をCHRISTIAN SMITHがリメイク!オリジナルはJAZZっぽい生系のドラムでしたが、本作ではよりフロア映えする4つ打ちキックに変更されており使いやすさも格段にアップ!オリジナルの情感を損なうことなくアップ・デートされた傑作です!

9

VA

VA DISCONET VOLUME 10 DISCONET(UK) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】Derrick MayがTantra - Hills Of Kathmandu (Disconet Remix)をDommuneでプレイ!かつてDJやラジオ向けにスペシャル・リミックスを配給していたDISCONETのレアな音源をコンパイルした再発シリーズの第10弾!盛り上がる人気イタロ・ディスコTantra「Hills of Katmandu」を筆頭にGrace Jones、Yazooのスペシャル・エディットを収録!

10

DINOSAUR L

DINOSAUR L GO BANG#5 SLEEPING BAG (US) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayが年末のDommuneでプレイ!】PROD. BY ARTHUR RUSSELLでミックスがFRANCOIS Kの人気クラシック!ガラージ系のDJのみならずDERRICK MAYやGILLES PETERSONも来日時にプレイしていた大定番!

第5回 2011年のリイッシュー・ベスト3 - ele-king

 発掘音源の豊かさに舌を巻き、その点数もピークに達したと思われる2010年。なかでもナーキ・ブリラン『ナーキ・ゴーズ・イントゥー・オーボ』(81)にジャン・クロード・エロワ『シャンティ』(79)、そしてシコ・メロ『アグア』(84)はこのような音楽が当時のリスナーにやすやすと見過ごされてきたかと思うと、自分も含めてがっかりするしかないほど、よくできた音楽だった。発想だけでなく、スキルも申し分ないし、当時の気分だってちゃんと反映されている。なるほどヒネリは存分に効いているし、並外れたセンスではある。しかし、ありとあらゆる要素がシーンから掛け離れていたとも思えない。アウシュビッツへのこだわりだけを見ても『シャンティ』はそれこそスロッビング・グリッスルのすぐ隣にあった音楽だったことはたしかだし。

 ダメンバートの例もあるように10年ほどシーンを先取りできたミュージシャンは意外といるものである。そのようなミュージシャンに誰ひとりとして光を当てなければ簡単に潰れてしまうこともよくあることだろう。あるいは、一時的に活躍したミュージシャンでも次の時代に伝える力と結びつかなければ、これもあっさりと忘れ去れてしまうことはベルナール・フェーヴルの例を見ても明らかだろう。彼の後半生を彩ったブラック・デヴィル・ディスコ・クラブを〈リフレックス・レコーズ〉が再発しようと思わなければ『ザ・ストレンジ・ニュー・ワールド・オブ・ベルナール・フェーヴル』(75/09)などという奇妙な作品に出会うことはなかった。そして、そこから彼の本当の後半生がはじまったのである。〈リフレックス・レコーズ〉は2011年、ブリットコアのレア盤だったザ・クリミナル・マインズの集大成も再発している。

 21世紀になると、人びとはTVディナーを食べながら20世紀につくられたTVドラマばかり観ているというSF小説があった。大きな回顧モードに入ったスロッビン・グリッスル周辺だけでなく、シンセ-ポップとインダストリアル・ミュージックの境界線上に位置する音楽がやたらとリイッシューされた2011年。その頃のSF的なムードはまさにそのような事実と相俟って、驚くほどの相乗効果をもたらした。本当に小説のなかにいるような気がしつつ(現実があれだしね)、その辺りは適当に避けつつも、他の発掘音源に過大な注意を向けざるを得なかったことも2011年という異常な年の余計な楽しみのひとつではあった。

 ファンク好きには36年ぶりのリイッシューとなったプレジャー『ダスト・ユアセルフ・オフ』は絶対に外せないだろうし、たかがイージー・リスニングとはいえ、インパルスがトム・スコット『ハニーサックル・ブリーズ』(67)を蘇らせたことも事件ではあった。流行りとの連動ではジェフ・アンド・ジェイン・ハドスン『フレッシュ』(83)などというものもあった。それこそ数え始めたら切りがない。そのなかから勝手にベスト3を選んでみた。以下、オリジナルのリリース順に。


Pekka Airaksinen / One Point Music

Pekka Airaksinen / One Point Music O Records

 72年に〈O・レコーズ〉からリリースされたフィンランドの古典的実験音楽がついに。03年に〈ラヴ・レコーズ〉からリリースされたコンピレイション『マダム・アイム・アダム』(ナース・ウイズ・ワウンドやミラ・カリックスらによるリミックス盤との2CD仕様)以外、正規に流通していた作品は皆無だったものが、ようやく同レーベルから39年目にして再プレス(ほぼ同時期に8人編成で活動していたスペルマ『シッ!』をディ・スティルが08年にリイッシューしたことに刺激を受けたのだろう)。

 全体を通して非常に即物的な音の羅列といえ、情緒過多だった同時期の瞑想音楽やドローン・ミュージックと較べても、その無機質かつストイックな音楽性はまさに80年代の先取り。前半で不条理な気分を醸し出そうとすると、なるほど70年代の初期という感じにもなるけれど、フィードバック・ギターをメインとした中盤以降は音の悪いウォール・オブ・ノイズというのか、ある種のパルス・ミュージックにダブのような効果を与えることで最終的には金属的なサイケデリックへと歪んだ音像を導いていく。その酷薄なセンスはパンクを通過していないスロッビン・グリッスルかノイバウテン、ないしはアナログ時代のパン・ソニックとも。

 フィンランドはフリー・ジャズの伝統ではよく知られている国だけど、これもまたアンダーグラウンドの歴史の深さを感じさせる1枚である。先達にこんなことをやられていたら、トムトンツやアーエス(ES)が不可解なことをやり出すのも不思議はないというか。


Pete Shelley / Sky Yen

Pete Shelley /
Sky Yen
Drag City

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 バズコックス以前に録音されていたエレクトロニック・インプロヴァイゼイションのソロ作。パンク・ムーヴメントが一段落した後にシンセ-ポップばかりリリースしていたのも、これを聴けばなるほどで、むしろ、シェリーにとってはフリップ&イーノやクラウス・シェルツェのほうが身近な表現方法だったのだろう。とはいえ、バズコックスをスタートさせた時期の早さからも推測できるように、ここで展開されているのは落ち着いたメディテイション・ミュージックではなく、波打つように電子音が暴れ、サイレンが鳴り渡る様を模したような表現で、それこそパンク・スピリットに通じるメソッドを電子音楽の文脈で独自に確立したものといえる。近い表現を探せばジュリアン・コープの『クイーン・エリザベス』か、バカ陽気なスロッビング・グリッスルとでもいうしかないか。

 どのような衝動に突き動かされてつくったものなのか、聴く人を気持ちよくさせるでもなく、実験音楽の様式性からもかけ離れ、かといって何も訴えてこないというわけでもなく、最初から最後まで同じといえば同じなのに、どこか体験的だというのはどうしたことだろうか。ノイズという方法論がまだなかったからこうなったのかなと思える節もあって、ということはノイズという方法論がこのような創作の可能性を封じてしまったと考えることも......考えるだけなら可能だろう。あるいは当時のリスナーはこのような表現よりもノイズを好んだという言い方もできなくはないし、いずれにしろ、どこにも繋がっていかなかった点でしかなかったにもかかわらず、いまだにその強度を保っている点のままでいるということには素直に驚かされる。パンク・ロックというムーヴメントが起きなかったら、そして、ピート・シェリーという男はいったいどんな音楽をやっていたのだろう......(元々はバズコックスのメンバーだったハワード・ディヴォートがソロになってから元ゼッドのベルナルド・ソジャーンと組んだこともシェリーの影響だったのかもしれない)。
 
 同作はシェリー本人が設立した〈グルーヴィー・レコーズ〉から80年にリリースされ、今回は、〈ドラッグ・シティ〉と共同で同レーベルからリリースされた4点すべてがまとめて復刻されている。どれもユニークな作風で、傾向というものすら持っていなかったといえるなか、ミーコンズから変名で挑んだサリー・シュミット・アンド・ハー・ミュージシャンズ『ハンゲイハー』(80)もオリジナルな作風では引けをとらない出来となっている。あるいは、いま、この作品がイギリスではなく、グルーパーやサン・アローが人気のUSアンダーグラウンドで再発されるのは非常に納得が行くというか。いずれにしろシェリーには、そのA&R能力の点でも感服せざるを得ない。


Die Welttraumforscher / Herzschlag Erde

Die Welttraumforscher
Herzschlag Erde
PLANAM

 スイスからクリスチャン・フリューゲルが81年に初めてリリースしたカセット・テープのアナログ化。82年に録音されたまま未発表だった4曲が補充され、LPサイズの分厚いブックレットもプラスされている。現在でもシンセ-ポップのヴェテランとして創作活動に衰えは見せないものの、けれんみの点ではやはり、その後とは比較できないものがあり、洗練とはまた別の圧縮された衝動に耳を奪われる。一筋縄ではいかない諧謔性にノイバウテンめいた荒々しいコンクレート音との折衷、あるいは伝統的な音楽の脱構築(この頃はとにかくそれが様になった)や肩透かしともいえるチープさと、ひと言でいえば(文化圏的にも)ノイエ・ドイッチェ・ヴェレのヴァリエイションといえる。当時の感覚でいえば消費社会そのものを音の素材としながらも、そのなかから呪術的要素を正確に抜き出した結果、都会的なアニミズムを編み出したとかなんとか。イーノをパロディ化したようなアンビエントもどきに至っては、他とのバランスを完全に欠いているようで、実は裏側から全体を補強しているようにさえ感じられる。稚拙なのに知的、モダンであり、原始的ともいえる円環構造が仕掛けられている......とも。

 フライング・リザーズやパレ・シャンブールを楽しんだことがない(若い)人にどう聞こえるかは見当もつかないけれど、ポスト・パンクの時期に撒き散らされた毒が新鮮味を伴って響くことは間違いがない。そのようなものにもノスタルジーがあり、その毒が自分の体から抜けきっていないことが僕の場合は嫌というほど思い知らされた。いまだに哄笑を伴う音楽が好きなのは、この時代を通過しているからなのか、それとも新しい時代の笑いに気がついていないだけなのか。エレキングでも若い人たちの取り上げるレヴューには笑いというものがまったくないと思うのは僕だけなのだろうか。それとも本当に若い人たちは正しくて真面目なことしか考えていないのだろうか(だとしたら、あー、ホントに息がつまる)。


 次点で、大野松雄 / そこに宇宙の果てを見た

大野松雄
そこに宇宙の果てを見た
EM Records

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 ナース・ウイズ・ワウンド『スペース・ミュージック』のアウトテイクとか言われて聴いていたら果たして信じただろうか......。レイ・ハラカミの恩師にあたり、エレキングVol.3でも取り上げた「音効さん」のファースト・ソロ。『スペース・アンド・マリファナ・トリップ・イズ・セイム』という英題が付けられ、78年に東宝からリリースされていたもので、マリファナのスペルはなぜか「Maryjuane」とミス・スペルになっている(詳しい経緯はライナーに長々と記されている)。これが最近まで30万円から50万円という高値が付けられていて(05年に〈キング・レコーズ〉から『大野松雄の音響世界 The World Of Electro-Acoustic Sound And Music - 2』として『惑星大戦争』とカップリングでCD化はされている)、宇宙の前にサイフの果てを見るしかなかったところ、映画『アトムの足音が聞こえる』の公開に併せたのか、〈エム・レコーズ〉がホログラム・ジャケットでアナログ・リイッシュー。

 効果音からミュージック・コンクレートへ踏み出した先達にトッド・ドックステイダーがいる(裏アンビエントP27)。それに較べれば大野は効果音止まりといえる。あるいは効果音以上の音楽へと発展させる気はなく、あくまでも効果音としてその可能性を広げようとしたのだろう。もしくは「聴かせる効果音」という奇妙なものを作り出したとも。なるほど自分の集中力を変化させることで図にも地にも聞こえ、音に集中したり、しなかったりを繰り返して聴いていた時が最も面白く聴けた(やはり効果音だからか、集中しっ放しで聴いていると、つまらなくなってくる)。それはそのままリミックスの可能性を示唆しているようにも感じられた。

 ちなみにドミューンに大野松雄が出るというので湯山玲子さんと観に行ったところ、僕が驚いたのは88歳で頭がしっかりと回転しているということよりは、大野松雄がいまだにシャイな部分を残していることだった。自分が主役だということは理解しているはずなのに、隙があれば、後ろに引っ込もうとするのである。それはつまり、タメをつくるということでもあり、「次」があると思うから、そのようにできるとも言える。適いませんね。


 番外で、V.A./Klangstudie and Komposition

V.A.
Klangstudie and Komposition
Other Sounds

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 厳密に言えばリイッシューではなく、エレクトロニック・ミュージックについて書かれたデイヴ・ヘンダースン『ジャーニー・トゥ・ア・プラグド・イン・ステイト・オブ・マインド』(チェリー・レッド・ブックス)との連動企画で、〈チェリー・レッド〉が新たにスタートさせた過去音源の編集レーベル(Other Sounds)から第1弾はいわゆるモンド・ミュージックが テーマ(V.A./『Music for a Retro-Future』)。これが、トム・ディッセルヴェルトやジュリアード・パーカッション・オーケストラなどレア音源が手軽に聴けたのはいいけれど、希少性にこだわり過ぎたか、全体の出来はまあまあだったのに対して第2弾はミュージック・コンクレートが題材。〈チェリー・レッド〉というフィルターを通した選曲とそのセンスは、なるほどミュージック・コンクレートの相貌を一変させ、快楽性の高さと同レーベルらしい抒情性の豊かさを堪能させてくれる。ミュージック・コンクレートといえば不条理という連想がまったく働かないのも新鮮なら、コミカルに響く展開の多さもイメージとはかけ離れている。どこからどう聴いてもミュージック・コンクレートには違いないのでヘンな暗示にかかっているとしか思えないんだけど、これは掛けられて損なマジックではないでしょう。この分野は中途半端にしか知らないという人に、むしろオススメしたい。

 ......第3弾以降は何があるのかなと思っていたら、トレイにはこんなアテンションが印刷されていた。「助けてくれる? ヒントがあったら教えて欲しい。チェリー・レッドに相応しいと思うコレクターズ・シリーズが何かあったらEメールを送って下さい。ideas@cherryred.co.uk 感謝します」だって。


Trippple Nippples from Tokyo
12/20, 27, 31. 2011& 1/4. 2012

トリプル・ニプルス
w/ガーディアン・エイリアン、アナマナグチ etc...

 東京をベースに活躍するアヴァンギャルド・ロッカー、トリプル・二プルスがニューヨークで旋風おこした。大御所DEVOとのツアーサ・ポートをはじめ、初のアメリカでのショーを颯爽とこなす彼女たちは、総合的なエンターテインメント・グループである。あらためてエンターテイメントの役割を改めて考えさせられる。
 トリプル・ニプルスは日本人の女子3人(ヴォーカル)とアメリカ人男子3人(ギター、シンセ、ドラム)の6人編成。この編成になったのは最近らしく、バンドはすでに5年ぐらい活動をしている。
 今回のアメリカ・ツアー全体の流れは以下の通り。

12/10 Philadelphia@The Blockley, U city
12/13 NYC, N.Y.@ Irving Plaza/with DEVO
12/14 Brooklyn,N.Y@Glasslands
12/15 Falls Church, VA@ State Theatre/with DEVO
12/16 Atlantic City, NJ@ Showboat Casino/with DEVO
12/17  Long Island/Huntington,ニューヨーク@ Paramount Theatre/with DEVO
12/20 NYC, N.Y.@Pianos
12/21 Chicago.IL @Empty Bottle
12/27 NYC N.Y .@ Pianos
12/31 Brooklyn, N.Y @285 kent
1/4 Brooklyn, N.Y.@Shea Stadium

 DEVOとのショー以外は、〈グラスランズ〉、〈ピアノス〉、〈シェア・スタジアム〉などのインディに優しい会場。私は、20日(@ピアノスw/ハード・ニップス)、27日(@ピアノスw/スーザン)、1月4日(@シェア・スタジアムw/ガーディアン・エイリアン、アナマナグチ)の3公演を見ることができた。
 〈ピアノス〉でのショーは、マンハッタンらしく、共演のバンドも知っているバンドと知らないバンドが一緒にブッキングされていた。目当てのバンドを見たらそれで終わり、という感じで、私はあまり好きではない。ショー自体は良かったのだが......。それに比べて〈シェア・スタジアム〉では、共演のバンドもいまのブルックリンを代表するブッキングだった(DIYスタイル!)。やっぱりこちらの方がしっくり来るな。

 〈シェア・スタジアム〉で共演したバンドを紹介しよう。
 ガーディアン・エイリアンは、元リタジーの、グレッグ・フォックス率いる、クラリネット、シンセ、ギター、ドラム、独特なヴォーカルで編成された、アバンガルド・バンド。
グレッグ・フォックスのドラムは脅威的、ボーカルの女の子は完璧に違う世界にいる、すべての楽器が重なり、織りなす音楽は、スペクタクル感いっぱいである。
 アナマナグチは、ゲーム音楽に影響を受けた、ブルックリンではトップ・クラスの人気バンド。彼らはこの日のシークレット・ゲストで、当日に知らされた。ステージにグロースティック(蛍光塗料で光るスティック)をはべらせ、ドラムまわりにもベースの弦にも蛍光色を使う。暗闇なのに変な明るさ、さらに彼らのゲーム音楽が会場を盛り上げる。

 どちらもいまのブルックリンをリードするバンドだが、ガーディアン・エイリアンは、DIYにこだわり、アナマナは余裕を見せながら、コーポレートな大きな会場でもDIYでもどちらでも対応できる。音も正反対だ。このふたつのバンドのあいだにトリプル・二プルス、その前には(筆者の在籍する)ハード・ニップス、ノー・クレジット・バッド・クレジットという、寄せ鍋のような夜だった。

 それではトリプル・二プルスについて書こう。
 ショーは3日間ともセットは同じだが、何度見てもステージ衣装、パフォーマンスには目を引かれる。ミュージック・ショーというよりはミュージカル風キャバレーで、フロント3人の女の子はパンツ1枚、胸にはテープを貼っただけで、白と赤の点々が、顔と体をうめつくすというアーティな出で立ち。フワフワした白い羽のような、帽子のような被り物をかぶって登場。
 男の子は幽霊のような白い布を着て、頭にはハリネズミのようなトゲトゲしたものがのっている。ショーは流れるように進むし、バックのバンドもかなり良い腕前。頼もしい存在である。
 音楽はハイパーなエレクトロ・ダンス・ミュージック。叫んでいるので歌詞はキチンと聞き取れないが、鳥がキーキー鳴いているかと思えば、応援団長のようなドス声になったりと、意外と体育会系で、かなりの爽快感があった。一歩間違えると色物になりそうなところを、セクシーを強調するでもなく、クールに、アート作品として観客を盛り上げる。緊張感、圧迫感、そしてばつぐんの突撃感で、最初から最後まで体を張ってエンターテイメント道を突き通している。素晴らしいライヴ・パフォーマンスだった。


photos by Andrew St. Clair

https://www.trippplenippples.com/

Beirut - ele-king

 昨年は再上映されたエミール・クストリッツァの代表作であり「旧ユーゴ映画」である『アンダーグラウンド』を久しぶりに再見したが、そこに込められた祖国を失った人びとの怒りの質量に改めて圧倒されてしまった。その抑えようのないものを表現するのはクストリッツァの場合大抵あの騒々しさなわけだが、そのほとんどはあまり脈絡なく頻繁に現れるブラス・バンドが鳴らすロマの音楽をルーツとするバルカン音楽に支えられている。脈絡がないのは逆にいえば、ロマの音楽は伝統的に、というより旅芸人たちの音楽として受け継がれてきた性質上つねに人びとの生活の側で賑やかに鳴っているのが当たり前だったからだ。流浪の民の寝食の傍らにあった喜びや悲しみが、管楽器を鳴らすための人間の息とともにそこではいつだって吐き出されている。

 レバノンの首都のベイルートを名乗るザック・コンドンもまた、10代の頃東ヨーロッパを旅して発見したというバルカン音楽やロマ音楽にそうした生活との緊密さを感じ取ったのではないだろうか。彼の作る楽曲の骨格そのものはシンガー・ソングライターの一般的な手法を大きく外れるものではないが、その個性はブラス・バンドの演奏により発揮される。そのふくよかな管弦楽器のアレンジから目に浮かぶものは「市井の人びと」そして「路上」である。東欧の街角で開かれるパーティに、着飾って集まった人びとを踊らせるために登場する楽団の音楽だ。
 ディケイドのはじまりがテロの現場となったニューヨークのいち部としてのブルックリンにおいて、その10年を通して「アメリカでないもの」がインディ・ロックと様々な形で邂逅し発展しそして浮上したのはロジカルな展開だったといえるが、ベイルートにとってのブレイクスルーであった2007年の『ザ・フライング・クラブ・カップ』 はシーンの最盛期をとりわけ鮮やかに彩った1枚だった。もしくは、現代版のチェンバー・ポップのヴァリエーションとしても同時代性を持ったアルバムだったが、例えば同じブルックリン拠点の盟友グリズリー・ベアのオーケストラがアカデミックで密室的なテンションを孕んでいることに比べても、もっと鷹揚で野外的な味わいを含んでいた。舞踏音楽であることを強調するかのように繰り返されるワルツのリズムの上でラフに演奏されるホーン類、そしてペーソスに満ち満ちたメロディを朗々と歌い上げるザックの深いヴォーカル。バルカン音楽を主たる参照点としながらもそこだけに留まらず、ヨーロッパの古い大衆音楽のノスタルジックな響きを現代のインディ・ロックに持ち込み、それを彼自身の感情の発露としての歌へと昇華させていた......そこには聴き手を感心させる賢さよりも、胸を打つ情熱があったのだ。
 EPを挟んでの4年ぶりの新作。ややシアトリカルにも感じられた『ザ・フライング・クラブ・カップ』の凝ったアレンジメントに比べればずいぶんシンプルで、アルバムを通してテンポや曲調も穏やかになり、落ち着いたムードで統一されている。前作の湿った色気よりも陽光の明るさを感じる。意気揚々と歌う金管楽器や弾むマーチングスネアドラム、華麗なストリングス・アレンジはすっかり彼の音楽的アイデンティティとして確立されており、例えば"ゴーシェン"のようにピアノと歌が基本となっている曲でその自信のほどが窺える。マーチング・バンドが隊列をなしてゆっくりと進んでいくような"ペインズ・ベイ"、物静かなアコースティックの楽器類の演奏がやがて息がたっぷりと楽器へと吹き込まれる逞しいワルツへと展開する"ポート・オブ・コール"、聴きながら歩けば自然と胸を張りたくなる。どれも開放的で、晴れやかな余裕が漂っている。

 ザック・コンドンは変わらず、どこか遠い国の......おそらくは東ヨーロッパの街角の路上を夢見ているように聞こえる。ニューメキシコ州の故郷であるサンタ・フェをモチーフにしている曲があることにも表れているが、基本的には彼個人の内省を連想させるリリックが目立つ。しかしそのなかで、「僕は行方不明で まだ見つかっていない/誰にわかるだろう」と歌う曲のタイトルが"ヴァガボンド"、すなわち「放浪者」であることが象徴的だ。彼はロマンティックにも自分の日々にある孤独や迷いとかつての放浪者たちのそれを重ね合わせるように、彼らの音楽を取り込むことでその境目を消していく。このアルバムの開かれた力強さは、そのことに対する彼の誇らしさの表れだろう。路上で音楽とともに生きた人びとの感情の起伏の豊かさが、その音楽にこそ宿っていることを確信しているようだ。
 どうしようもなく切ないメロディを持ちながら、やはりゆったり堂々とした演奏の"イースト・ハーレム"が素晴らしい。「イースト・ハーレムで一輪の薔薇がまた萎れる」......ニューヨークの日々の悲しみは、しかしその音楽とともに彼方へと旅に出る。その想像力は日本で生活する我々にも有効だと信じたい。そこで僕たちは、ワルツを踊ることだろう。

Chart by UNION 2012.01.09 - ele-king

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GLENN UNDERGROUND

GLENN UNDERGROUND Forgotten Art MUSIC 4 YOUR LEGS / JPN »COMMENT GET MUSIC
近年のセオ・パリッシュのプレイチャート、またデリック・メイの最新ミックスCDにトラックがピックアップされるなど常に現役であり続け、素晴らしい楽曲をシカゴから放つディープハウス界の重鎮グレン・アンダーグラウンド待望のNEWアルバム。前作『Legacy Of The know』かわずか1年、その前作の流れを踏襲しつつも本作ではフロアから少し距離を空け、リスニングアルバムとしての要素を強めた楽曲製の高い内容に。『Forgotten Art』というアルバムが示す通り、ジャズ~ジャズファンク、ディスコ、ブラジリアンといったクラシックスの素晴らしさをハウスというフォーマットで再提示するかのようにそれらの要素を巧みに取り入れ、GU節ともいえる黒いフュージョン色が圧倒的な完成度と共にリスナーを魅了する1枚。

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SCOTT K. VS. STEVIE WONDER

SCOTT K. VS. STEVIE WONDER As (Box Edit) BOX MUSIC / UK »COMMENT GET MUSIC
DJ COLE MEDINAとのタッグで注目を浴びたJAMES BROWNやTHE O'JAYS"I Love Music"のエディットがFRANKIE KNUCKLESやDERRICK MAYのヘヴィープレイもありヒットしたSCOTT K.が、今盤ではSTEVIE WONDERの名曲"As"をエディット!!ブラックネス溢れるKDJマナーなハウストラックへと昇華したA-サイド、エフェクティヴにダビーに組たてたセミ・インストB-サイドもヤバい!!お早めに!

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BRONX DOGS

BRONX DOGS Tribute To Jazzy Jay WHITE / JPN »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYリミックス!!!! PERRY BOTKIN & BARRY"Riot"などのオオネタを引用したオールスクール感満載のファンキー・コラージュトラック"Tribute To Jazzy Jay"。最近ではENDLESS FLIGHT、AUTODISCOTEQUE等で活躍するRICHARD SENによるユニットBRONX DOGSの"Tribute To Jazzy Jay"をDJ HARVEYがリミックスしたクラシックを片面収録したホワイト盤!!

4

MARCEL DETTMANN

MARCEL DETTMANN Deluge 50 WEAPONS / GER »COMMENT GET MUSIC
DETTMANNの2011年最後のシングルはベルリン・テクノ・シーンの裏番・MODESELEKTOR主宰の50 WEAPONSから到着。 ヒプノティックなベースライン上をトビ系のウワモノが跳ね回る危険極まりないバッドトリップ・ミニマル"Deluge"と重量級のキックが容赦なく打ち込まれるインダストリアル・テクノ"Duel"共に鉄壁のフロアキラー、特にB-1"Duel"のバウンスして打ちまくる捩れキックのソリッドさ加減はその一音だけでもシビれてしまいます。

5

EQD

EQD Equalized 111 EQUALIZED / GER »COMMENT GET MUSIC
MARCEL DETTMANNと並ぶOSTGUT TON一派の代表格・SHEDの変名・EQDが放つ待望のファースト・アルバム。ベルリン・テクノを席巻するレーベル・OSTGUT TONから2枚のアルバムを発表、名実共にモダン・テクノの最高峰へと登り詰めたSHEDことRENE PAWLOWITZが、2007年より始動させた別プロジェクト・EQDのファースト・アルバムをドロップ!! 本作「EQUALIZED 111」は、これまでリリースされた12"x 5枚をコンパイルした全10曲の構成で、アナログ・ユーザー以外にはまさに待望と言える内容。徐々にビルドアップしていくヒプノティックなビートに震えるM-1、国内外のTOP DJがヘビー・プレイしたソリッド・ミニマルM-5等等、どこを取ってもキラー・チューンの嵐!MARCEL DETTMANNをはじめとするOSTGUT TON一派、SANDWELL DISTRICT、PETEER VAN HOESENなど現在進行形のテクノがストライクなリスナーはマストな最強盤。

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LINKWOOD

LINKWOOD Secret Value SHEVCHENKO / UK »COMMENT GET MUSIC
FIRECRACKER傘下の要注目レーベルSHEVCHENKOの4番、VAKULAの3部作に続いてはLINKWOODの新作がリリース!ジワジワと空間を埋めていくシンセ・フレーズに鋭角なハット、Bassの抜き差しでテンションを変化させ展開されるA-1、有機的に変化するスペーシーなSEが重なりアンビエンスに上昇、ロング・ミックスに重宝しそうなA-2に、息をのむ美麗なシンセが舞う壮大なディープハウスB-1はぜひ野外で。再プレス無しの180gのクリアヴァイナル重量盤!

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MILTON BRADLEY

MILTON BRADLEY Dark Of The Psychic Unknown DO NOT RESIST THE BEAT / GER »COMMENT GET MUSIC
MILTON BRADLEY主宰、ベルリン・アンダーグラウンド・シーンで熱い注目を集めるDO NOT RESIST THE BEATレーベルから最新第7弾の到着。このDO NOT RESIST THE BEATは勿論、PROLOGUEやZOOLOFT等からのリリースやPERCやCIO D'OR、ABSTRACT DIVISION等へのリミックス提供、更にMARCEL DETTMANNの最新ミックスCD「Conducted」やDJ NOBU「On」等にもその楽曲が収録されるなど、この数年で瞬く間に頭角を現したMILTON BRADLEY、本作でも音数少ないダビーなボトムをベースにジリジリとノイジーな音響系ウワモノが捩れる、一貫して凄まじくドープなアンダーグラウンド・サウンドを唸りを上げて鳴らしており、全く目が離せない好内容となっています。

8

HARMONIOUS THELONIOUS

HARMONIOUS THELONIOUS Drums Of Steel ASAFA / GER »COMMENT GET MUSIC
2011年最後の最後にHARMONIOUS THELONIOUS新作が到着!!A ROCKET IN DUB, ANTONELLI ELECTR., REPEAT ORCHESTRA etc..と幾多の名義を使い分けるSTEFAN SCHWANDERニュー・プロジェクトとして昨年リリースしたアルバム「Talking」及びそのシングル・カットで聞かせたミニマル + アフリカン・リズム・パターンで展開する激プリミティブ・サウンドが大反響となったHARMONIOUS THELONIOUS、来年早々にリリース予定のセカンド・アルバム「Listen」からのシングル・カットとなる待望の新作12"。 幻術的なエレクトロニック・サウンドとめくるめくリズムの洪水!

9

A.P.

A.P. Garden Therapy GHOST SOUNDS / SWE »COMMENT GET MUSIC
北欧スウェーデンからミニマル・ダブ/アンビエントの新潮流を巻き起こしているレーベル・GHOST SOUNDS主宰者・A.P.の新作が登場!!マニア心をくすぐる数々の限定盤をリリースし、本物を求めるリスナーから高い支持を得ているスウェーデンのレーベル・GHOST SOUNDS。本作は20分にも及びロング・トラックを片面1曲ずつ収めたA.P.渾身の作品! A面のオリジナルでは、彼にしては珍しくトライバルなリズムを導入しビートの立った躍動感溢れるトラックを披露、そしてB面には盟友ATHEUS(STYLAX/SILENT SEASON)による冷厳なドローン・シンセが空間全体を覆ういつものGHOST SOUNDS路線に近いアンビエント・リミックスを収録。

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HAIR

HAIR Going Adore Alley MENTAL GROOVE / GER »COMMENT GET MUSIC
LTD 100!LUCIANOやMISS KITTINらをいち早くピックアップしたことで知られるMENTAL GROOVEとDISK UNIONのコラボレーション・シリーズが始動、本作はHOPEN名義やNATHAN JOHNSON(WAGON REPAIR)とのユニット・STARTING TEETHで活動するCHILDE GRANGIERの新たなプロジェクト・HAIRのファースト・アルバム。シネマティックな音像がアルバム全体のムードを決定付けている冒頭の佳曲"Where The Palms Grow"、都市の雑踏を拾ったかのようなフィールド・レコーディングスと物悲しいピアノ、散文的なヴォイス・サンプルが乾いた叙情を感じさせるM-3"Indian"等、ノイズとアンビエント、エレクトロニカが自由に混ざり合った非常に興味深い仕上がり。MENTAL GROOVEのオンラインショップとDISK UNIONのみでの販売となります。

yone-ko - ele-king

10 pieces in 2011


1
Project Remark & Dean Decosta - Split 10" Volume 4 - Plug Research

2
Joe Babylon - Debut EP - Roundabout Sounds

3
DJ Spider - Under The Radar EP - Plan B Recordings

4
Black Ice - Black Ice E.P. Vol. 1 - Velvet City Records

5
Ricardo Miranda - Urbanism EP - Noble Square Recordings

6
Dark Ages - I Like - Definitive Recordings

7
Reality Or Nothing - Changes EP - Housewerk Records

8
Hipp-E & Tony - Sonido De La Celva EP - Siesta Music

9
Daniel Stefanik - In Days Of Old Pt.2 - Kann Records

10
Perry & Rhodan - The Beat Just Goes Straight On & On -Rising High Records

Chart by JET SET 2011.12.28 - ele-king

Shop Chart


1

MUNGOLIAN JETSET

MUNGOLIAN JETSET SCHLUNGS »COMMENT GET MUSIC
大反響に終わった"Smalltown Supersound Japan Tour 2011"では、フロアに渦巻く宇宙を構築した圧巻のライブ・セットも最高だったノルウェー・ディスコ・シーンの重鎮、Mungolian Jetsetによる1stオリジナル・アルバム。待望のアナログ盤が到着です!

2

WELCOME BACK TO THE UNDERGROUND

WELCOME BACK TO THE UNDERGROUND WBTTU ANTHEMS »COMMENT GET MUSIC
デトロイト・ハウス調のスモーキーかつエッジーなミニマルハウス・ツールのA面2作品に加え、St. Echo Mixの爆発的ヒットでも御馴染みとなったAfrican Head Charge "Stebeni's Theme"ネタのミニマルハウス・エディットB-1、大名盤「Perfect Angel」の翌年'75年にリリースされたMinnie Riperton傑作アルバム表題作"Adventures In Paradise"をスローモー・ディスコ化したB-2と、4作品いずれもDJ/フロア・ライクに仕立てられたブラックネス・トラックス。見逃せない一枚です。

3

LINKWOOD

LINKWOOD SECRET VALUE »COMMENT GET MUSIC
Vakulaによる3作連続のリリースに続く"Shevchenko"新作4番は、本家"Firecracker"オーナーによる珠玉のディープ・ナンバー3作品。クリアヴァイナル/重量盤にて限定リリース!!

4

DJ JUS-ED

DJ JUS-ED VISION DANCE »COMMENT GET MUSIC
USアンダーグラウンドシーンの重役、DJ Jus-EdによるMule Electronicからの2011年発世界デビュー・アルバム"Vision Dance"。自身が運営する"Underground Quality"から8楽曲を抜粋したファン待望となるアナログ2枚組(クリア・ブルーヴァイナル仕様)がリリース。

5

OLIVIER DAY SOUL & KRYSTAL KLEAR

OLIVIER DAY SOUL & KRYSTAL KLEAR NEVER THOUGHT YOU WOULD GO »COMMENT GET MUSIC
『Tried For You Love』が各所で絶賛のアイルランド新鋭Krystal Klearと、ワシントンDCのソウル・スターことOlivier Day Soulがまさかのタッグ! 美麗な音色とボーカルに骨抜きにされます!

6

MURO

MURO DIGGIN' HEAT WINTER FLAVOR 2011 »COMMENT GET MUSIC
過去の名作タイトルが続々とリマスター化されコンパイルされたかと思いきや、何と! ファン念願のシリーズ新録ミックスが登場です!

7

CMT

CMT OMA »COMMENT GET MUSIC
チル・アウト色強めの前作『ZONAZONA』から相反する本作はDJ、CMTの真骨頂ともいえるエグいくらい強力なグルーヴを携えた60分強のミックスを収録。

8

5LACK

5LACK BLACKSMOKECAR »COMMENT GET MUSIC
スムースでメロウな選曲はナイト・クルーズを促進させ、夜霧のような煙を纏いながらアスファルトの上を流れる。都市生活者のためのサウンドトラック。

9

STUPID HUMAN

STUPID HUMAN STAR IN THE GHETTO / SOMETHING SPECIAL »COMMENT GET MUSIC
Bill Brewster(DJ History.com)、DJ Cosmo等が絶賛した前3作もカルト・ヒット。大好評を博したUKからの新たなるリエディット達人、Stupid Humanによる待望の新作4番が到着。

10

ONUR ENGIN

ONUR ENGIN EDITS VOL.6 »COMMENT GET MUSIC
好感のネタ捌きとフロア・ライクなエディットで毎リリースが爆発的ヒットを記録している、イスタンブールのOnur Enginによるセルフ・レーベル第6弾。山下○郎ネタの前作5番、"Summer Madness"ネタのG.A.M.M.新作に続くグレイテスト・リエディット3楽曲収録!!

Timeline - ele-king

 クリスマス前夜の23日ともなると、僕と同世代のいい年した連中なら家で家族と過ごしているのだろうし、それはもちろん......良いことだ。あるいは、いわゆるハコ客が若い......ということもあるのかもしれない。まあとにかく思っていたよりも、客層は若い。男祭りでもなく(それを期待していた人もいたが......)、ラヴ&ピースな、心地よいヴァイブレーションだった。何人かのお客さんと話したら、フライング・ロータスのファンだった。
 タイムラインのライヴは熱かった。熱狂があった。前の晩の〈ヘッスル・オーディオ〉は音楽的には新鮮だったが、フロアの熱量と運動量という点では少々おとなしかったから、なおさらそう感じてしまったのかもしれない。また、メッセージのある音楽の強さが、こういう時代ではとくに際だつのだろう。が、それにしても1時間半を超える彼らの演奏、予定調和を後にした自由な演奏、つまりほとんど即興、タイムラインの新しい姿を迎えるオーディエンスの騒ぎ方は、最高の"宴"を創出した。僕はつくづく思った。ブラック・ミュージックには"情の厚さ"というものがある。それが英語で言うところのemotionやsoul、music from their heartsってもんだ。

 タイムラインは、去る11月にリリースした新作「Graystone Ballroom EP」の楽曲をガイドラインにしながら、1時間15分、がっつりとインプロヴィゼーションを展開した。それは時間の経つのも忘れるぐらいに耳と目と、そして気持ちをロックした。途中で演奏された"ジングル・ベル"も美しかった。ぜんぶ良かった。
 サックス奏者は23歳の大学院で博士課程を学ぶDe'Sean Jones(スティーヴィー・ワンダーのバックもつとめている)、キーボード奏者はふたり、ひとりはウェイン州立大学で音楽講師を務めているJon Dixon(ジャズとテクノの研究者)、そしてもうひとりはマイク・バンクス、DJは地元のヒップホップのキッズの面倒を見ているというDJシカリ(バンクスが彼の甥っ子の野球のコーチだった。お互いに音楽をやっていることを知ったのは数年後のことだったらしい)......MCはお馴染みのコーネリアスといった、選ばれし5人といったところで、とくにフロントをつとめる若いサックスと鍵盤のふたりは、演奏技術の高さもさることながら、そのステージング、情熱、気迫、実に見事だった。そういえば三田格はハーバートやモーリッツ・フォン・オズワルド・トリオの2011年の新譜にテクノの成熟のあり方を感じたというけれど、今回のタイムラインもそのひとつだったと言える。お馴染みのヒットメドレーでもやるのかと、一瞬でも思ってしまった自分の浅はかさを恥じるしかない。

 ライヴがはじまる数時間前、マイク・バンクスと久しぶりに会話した。いろいろ喋りながら、思わず「3.11 changed everything」などと口走ると、彼は押し黙り、泣いた。フットワークが好きだとマイクに言った。俺も大好きだと彼は言った。あの文化は、70年代後半、いや、おそらくそれ以前からあるものだと言った。「ちなみにデトロイトのヒップホップでいまいちばん面白いのは......」と言って、バンクスは「14KT」という名前をメモってくれた。ヤツをチェックしろよ、実験的で、そして良い言葉を持っている......。
 ほかに報告することは......ベース・ミュージック世代がURをプレイしていることををめちゃ喜んでいたこと。アメリカのシリアスな不況、イチローの猫みたいな動きの凄さ、あるいは彼がアジのタタキの骨までしっかり食べて醤油まで飲み干したこと(さすがに止めました)。相変わらず重りを背負って坂道を走っていることとか......。

 ブラック・ミュージックは情に厚い音楽である。ときにそれは尋常ではない情の深さを露わにする。まわりにいる人が「バカじゃないの」と呆れるくらいの、ラジカルな"情"だ。平岡正明の有名な言葉を思い出す。「どんな感情も正しい」
 タイムラインのライヴはそれを我々にあらためて伝える。最後の"ハイテック・ジャズ"、アンコールの"ジャガー"は正しい方向を向いた即興によってオリジナル録音の演奏を自由に崩す。アリス・コルトレーンやファラオ・サンダースらが参加してヴィレッジ・バンガードで演奏した"マイ・フェイヴァリット・シングス"......、いやいや違う、スピリチュアルというよりも、つねにファンクをキープしているという点では、『オン・ザ・コーナー』に近い。つまりこれはもう、jazzだった。モーリッツ・フォン・オズワルド・トリオがベルリン・ミニマルの新たな展開として見せた即興をデトロイト・テクノの文脈で試みたプロジェクトというたとえもできるかもしれない。いずれにしても、フライング・ロータスを契機にやって来た子らは満足したことだろう。僕もあらためて、彼らのファンになった。新しいムーヴメントはつねに魅力的だが、キャリアを積んだアーティストのかつて自分も新しいムーヴメントのいち部であったことに頼らない真のチャレンジ、さまざまな人生経験を経てのさらなる実験を今回はたたえたい。
 ライヴが終わってDJダクトのプレイを少し聴きながら、「いやね、じつは風邪ひいていたし(←本当)、リハだけ見て帰ろうとしていたんだよね」と、メンバーに土下座しようかとも考えたが、結局、誰にも挨拶せずに僕は会場をあとにした。午前4時を回っていた。こんどはこっちが泣く番だった。クラブのあとの空しさだって? そんなものあるわけないっしょ!

 (thanks to 石崎くん@Underground Gallery, 浅井くん@Es.U.Es)

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