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interview with Anchorsong - ele-king


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 アンカーソングを名乗る吉田雅昭は、ロンドンで暮らしながら音楽を活動をしている日本人青年だ。本サイトでもたまにUKの音楽事情をレポートしてくれている
 同じコスモポリタンの都市でも、ベルリンやニューヨークと違って、ロンドンは日本人が音楽活動しやすい場所ではない。世界でもっともポップ文化を産業としている国でありながら、いろいろあそこは大変だ。アンカーソングは彼の地で4年も地道に活動している。
 この度、アンカーソングはロンドンのレーベル〈トゥルー・ソーツ〉(クァンティックで有名)を契約を交わし、インターナショナル・デビューを果たした。その作品『チャプターズ』が、彼にとっての初めてのアルバムでもある。
 『チャプターズ』は彼の叙情詩だ。トレードマークであるビートの"生演奏"をもとに、ダンサブルな曲からアンビエント調のものまでと起伏に富んだ展開をみせている。高速で飛ばすミニマル・テクノ、ファンキーなダブステップ楽団、深夜の孤独なIDM、メランコリックなダウンテンポ、壮麗なエレクトロニック・ジャズ......などなど。いままでアンカーソングといえば迫力ある生打ち込みのビートでリスナーの目と耳を集めていたものだが、『チャプターズ』ではメロディも光っている。"ビフォア・ジ・アップル・フォールズ"のように官能的なストリングスの音を活かしたメロウな曲も耳に残る。"デイブレイク"のようなグルーヴィーな曲からも平和的な微笑みが見えてくる。
 ばつぐんにキラーな曲がひとつ入っている。それは"プラム・レイン"という曲だ。IDMテクスチャーと彼のスローなビート、そしてジャズのコードと美しいメロディが重なる曲で、しとしとと降る綺麗な雨を想わせる。最高の状態のアズ・ワンの曲とも似ている。
 ロンドンにいるアンカーソングに話を訊いてみよう。

この国には日本のようなはっきりとした四季の移り変わりがない分、"風情"っていう感覚が希薄なんです。メロディやプロダクションも含めて、そういう日本人特有の繊細なニュアンスがこの曲には含まれているんです。

いま、どんな感じで過ごしてますか? ギグはどのくらいの頻度でやっているのでしょう?

吉田:アルバムが海外でリリースされたばかりで、その反響を楽しんでいるところです。海外ではデビュー作ということもあり、僕のことを最近知ったという人が多くて、日本でデビューEPをリリースしたときのフレッシュな気分を感じています。ギグは平均だと月に2、3本ですが、来年2月からはツアーに出る予定です。今はその準備を進めつつ、新曲を書き溜めているところですね。

2011年の吉田くんにとっての最高の思い出を教えてください。

吉田:やっぱりフル・アルバムをワールド・ワイドにリリースできたことですね。活動をはじめた頃から数えると7年近くかかったんですが、自分が本当に作りたいと思っていたものを形に出来たと思うし、それを自分の名刺代わりの1枚として世に送り出すことができたことに、たしかな手応えを感じたので。

今回がインターナショナルなデビュー・アルバムとなるわけですが、吉田くんのなかではやっぱある程度の達成感がありますか? ある意味ではこれをひとつの目標に渡英したわけですよね?

吉田:そうですね。僕は音楽にのめり込み始めた10代の頃から基本的に洋楽ばかり聴いていたので、そういう海外のアーティスト達と同じ土俵で勝負したいという思いが、東京で活動を開始した頃からずっとありました。渡英を決めた時に自分の中でデッドラインを定めて、それまでにワールドワイドに作品をリリースすることが出来なかったら、日本に戻って来ようと決めていたので、何とか達成できて良かったですね。

当然、東北の震災と福島原発事故はロンドンで知ったわけですが......。

吉田:地震のあとしばらくはやっぱり落ち込んでいたし、自分が海外で生活しているということに対してそれまで感じたことのなかったような疑問を抱いたりもしましたが、それが作品の制作に影響を及ぼしたということはないと思います。あの時点で作品がすでにほぼ完成していたというのもありますが、僕はあまり自分の個人的な感情や心情を作品に投影するタイプではないので。とは言え、ある程度は無意識のレベルで作品に現れてしまうものなのかも知れませんけど。

今回〈トゥルー・ソーツ〉と契約するにいっった経緯を教えてください。

吉田:いちばんのきっかけはボノボのサポートを数回に渡って務めたことだと思います。彼はデビュー作を〈トゥルー・ソーツ〉からリリースしていて、いまも親交が深いようなので。それがきっかけで名前を知ってもらって、未発表の曲を聴かせて欲しいと言われて、その時点でほぼ完成していたアルバムをまるごと送ったんです。結果的に内容に手を加えることなく、そのままの形でリリースしてもらえることになったんです。

〈トゥルー・ソーツ〉の音を特徴づけるのは、ソウル・ミュージックやジャズ、ラテンといった音楽からの影響ですが、それまでのアンカー・ソングの音楽性とは開きがあるようにも思いました。自分ではそのあたりどう考えていましたか?

吉田:曲を送った時点では、正直気に入ってもらえるかどうかというのは半信半疑でしたね。レーベルのコンセプトに沿った曲もあるとは思っていたけど、ちょっと違うものも含まれていたので。

実際、音楽性はそれまでとは明確な変化がありましたね。なによりも多様になったし、〈トゥルー・ソーツ〉的な音になっていますが、これは吉田くんがある程度レーベルの方向性に合わせた感じですか? 4曲目の"ダークラム"にしても"プラム・レイン"にしても、コードはジャズからの影響だと思うし、それとも吉田くん自身のなかにジャズやソウルの要素を取り入れた洗練という方向性があったのでしょうか?

吉田:先にも述べた通り、彼らと契約した時点でアルバムはほぼ完成していたので、意図的に彼らのカラーに合う曲作りをしたということはないんです。でもレーベル側がとくに気に入ってくれたのはやっぱり"ダークラム"や"プラム・レイン"といった、ジャズのテイストがある曲でしたね。今回の作品のコンセプトのひとつは「ミニマルであること」なんですが、短いサイクルでのループを組み立てる際に、ポップス的なコード進行を使うとどうしても冗長なものになってしまいがちなので、それに対する打開策のひとつとして、ジャズっぽいそれを導入したというのはありますね。

"プラム・レイン"が本当に美しい曲で、聴いていると綺麗な雨の風景が見えるようです。いま、日本で雨というと原発事故の影響で恐怖があるのですが、"プラム・レイン"は汚染されてない、魅力的な雨を感じます。IDMのテクスチャーと、吉田くんのシンプルなビート、そして素晴らしいメロディがありますね。この曲についてのコメントをください。

吉田:"プラム・レイン"というタイトルは、"梅雨"をもじったものなんです。もちろん実際にはそんな言葉はなくて、駄洒落みたいなものなんですけど。ロンドンで雨模様の日が続く季節に書いた曲で、それが何となく日本の梅雨時の風景を思い起こさせるなって。この国には日本のようなはっきりとした四季の移り変わりがない分、"風情"っていう感覚が希薄なんです。メロディやプロダクションも含めて、そういう日本人特有の繊細なニュアンスがこの曲には含まれているんです。

日本が恋しくなったことはあると思いますが、今回のアルバムにそういう思慕のようなものは出ていると思いますか?

吉田:とくにないと思いますね。この国に来て4年経ちましたけど、いまはまだ日本のことを恋しく思う気持ちよりも、この国のことをもっと知りたいという思いの方が強いですからね。

あるいは、ロンドンで活動しながら吉田くんのなかでも変化があったと思うのですが、どのような影響や、考えの変化があったのかなど、そのあたり、詳しく教えてください。

吉田:もっとも大きな変化は「ライヴ・アクトとしての自分」っていうルーツに立ち戻ったことだと思います。それまでロンドンのアンダーグラウンド・シーンの刺激を吸収して、音楽性の幅を広げることばかり考えていたんですが、ライヴを重ねるうちに、自分が伸ばすべきところはやっぱりそこにあると思うようになったんですよね。レコード契約をとるまでには時間がかかったけど、現場での手応えは常に感じていたので。今回のミニマルというテーマも、僕の基本のセットアップだけでステージで再現できることっていう、ある意味自らに課した制限の中から生まれたものでもあるんです。

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僕自身はよくクラブにも遊びに行くし、見えにくいところでそういうシーンからの影響も反映させてはいるんです。たとえば今回の作品で言うと、ベースラインにサブベース的な、通常のベースよりも主張の少ない音を多用しています。


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ele-kingでのレポートをいつも楽しみにしているのですが、たとえばボノボと一緒にやった話などは、今回のアルバムの音楽性にも通じますよね。彼のようなサウンドは、吉田くんにとっては同士のような感じなんでしょうか? とくに今作におけるストリングス系の音などは、彼らと似たものを感じます。

吉田:昔から好きなアーティストではあったし、競演できて嬉しかったのはたしかですが、自分ではそれほど音楽的に接点を見出しているわけでもないんです。彼の音楽はとてもオーガニックだけど、僕はもう少し棘のある方向性を目指しているので。とは言え、ファン層はやっぱりちょっと被っているみたいですけどね。

ボーナス・トラックの"アムレット"は壮大なメロディが印象的な美しい曲ですね。ボーナストラックにこれを選んだ理由を教えてください。

吉田:個人的にも好きな曲ではあるんですけど、この曲は先に述べた「ミニマル」っていうコンセプトにそぐわなかったんです。でも何かしらの形でリリースしたかったので、ボーナス・トラックという形で収録できて良かったと思っています。

ダブステップのようなハードなダンスの現場というよりも、より大人びたオーディエンスに向けている音楽だなと思ったのですが、そこは意識しましたか? ミュージックホールのような場所でやっていることがけっこう書かれていますし。

吉田:長く楽しめる作品にするということは意識しているので、そういった印象を与えるのかもしれないけど、僕自身はよくクラブにも遊びに行くし、見えにくいところでそういうシーンからの影響も反映させてはいるんです。たとえば今回の作品で言うと、ベースラインにサブベース的な、通常のベースよりも主張の少ない音を多用しています。あとはリッチなダイナミクスを持つ音と、いかにも打ち込みっぽい無機的な音を同居させることなんかもそうですね。"プラム・レイン"なんかがいい例ですが、あの曲はリンスFMのOnemanとか、現場で活躍するDJからもサポートしてもらって、それがとても嬉しかったですね。

一時期グリッチが流行ったことがありましたが、ああいう音を汚すことをまったく取り入れない理由は何でしょうか?

吉田:単純に必要性を感じないからですね。自分ではたまにグリッチーなものも聴いていますが、僕の音楽には必要のない要素かなと。たぶんそれはやっぱりライブを意識した曲作りという部分から来ているんだと思います。ああいう音はやっぱりただ「再生する」ものであって、「演奏する」ものではないと思うんです。

なるほど。ポップということをどのように考えていますか? たとえばクラッシュさんのような人がマグネティック・マンのようなことをやったら、消費されて終わっていたと思うんですよね。アンダーグラウンドだからこそ消費されないで生き延びているといったアーティストはUKにはたくさんいると思います。

吉田:僕はポップなものもけっこう聴いているほうだと思うし、メインストリームの音楽にもそれなりに気を配っているので、とくにネガティヴな印象を持ってはいないですね。やっぱりわかりやすいことというのは、多くのリスナーにとって魅力的な要素だと思うので。とは言え、やっぱりそういうアーティストの息が短いということは事実だと思うし、だからこそクラッシュさんのようなブレない人は長くキャリアを続けられるんだと思います。そういう意味でも、ジェームス・ブレイクが今後どんなルートを辿っていくのかということは、個人的にもとても気になりますね。僕は彼のポップな面もハードコアな側面も両方とも好きなので。

『チャプターズ』というアルバムには、どんなメッセージが込められているのでしょうか?

吉田:各楽曲にこれといったメッセージがあるわけではありませんが、『チャプターズ』とうタイトルは、各楽曲がそれぞれが異なるストーリーを展開しながらも、全体として大きなひとつの流れを作り上げている、そういうニュアンスを含んでいるんです。作品を最初から最後まで通して聴いたときに、短い旅を終えたような印象を持ってもらえるような、そういう自然な流れのある作品にすることを強く意識しました。

ゴス・トラッドのように、日本にいながら国際的な評価を得ているミュージシャンはこのネット社会では、今後も増えていくでしょう。たとえば最近では東京の〈コズ・ミー・ペイン〉というレーベルのジェシー・ルインという若いアーティストは、東京にいながら『ガーディアン』で紹介されています。こうしたデジタル・メディアが距離を縮めた現在においても、ロンドンを拠点とする理由は何でしょうか?

吉田:トクマルシューゴさんなんかもそうですよね。先日彼のロンドン公演に遊びに行って来たんですが、ソールドアウトだったし、とても盛り上がっていました。僕がロンドンに拠点を置く理由は、単純に僕がいち音楽ファンとして、この街のシーンに魅力感じているからですね。やっぱり現場でしか養われない感覚というのは確かにあると思うので。先にも述べた通り、僕は見えにくいながらも、そういう同時代性を感じさせる要素を自分の音楽にも反映させるようにしているので。

ところでUKの暴動についてはどのように思っていますか? いろいろな意見がありますが、吉田くんの意見も聞かせてください。

吉田:報道によってはイギリスの景気の悪さや、保守政権による政策にやり場の無い不満を感じている市民が団結した結果だとされているみたいですが、実際に大きな被害が出たのは貧困層が密集しているいち部の地域だけだし、あれがイギリス国民の大多数の意思によるものではないと思います。ただ騒ぎたい人びとがいて、ひと握りの人たちがそれに便乗したということだと思います。とはいえ、もちろんそういう事態を招いてしまうような風潮がいまのイギリスに漂ってしまっているのは事実だと思います。

ビョークの『バイオフィリア』は吉田くん的にはどうでしたか?

吉田:個人的には期待していたほどの作品ではなかったですね。マルチメディアを駆使するなど、作品のコンセプトには彼女のアーティストとしての野心が反映されているのかもしれないけど、実際のアルバムに収録されている楽曲郡には、かつてのような輝きを感じることが出来なかったので。

最後に2012年の豊富をどうぞ。

吉田:やっぱりたくさんライヴをしたいですね。2月からはヨーロッパとUKを回るツアーに出ます。4月には日本に行く予定で、4月21日、22日にスタジオコーストで開催される〈ソナー・サウンド・トーキョー〉に出演することが決定していて、いまからとても楽しみです。

じゃあ、そのときに会えるのを楽しみにしています。最後に吉田くんにとっての2011年のトップ10アルバムを教えてください。


Top 10 Albums of 2011 by Anchorsong
1. Feist "Metals"
2. Lykke Li" "Wounded Rhymes"
3. James Blake "James Blake"
4. Sandro Perri "Impossibole Spaces"
5. Gang Gang Dance "Eye Contact"
6. Oneohtrix Point Never "Replica"
7. Jay-Z & Knaye West "Watch the Throne"
8. Little Dragon "Ritual Union"
9. Zomby "Dedication"
10. Jens Lekman "An Argument With Myself"

Mike Paradinas - ele-king

Mike Paradinas Top 30 2011
マイク・パラディナス「2011年トップ30」


1
Kuedo - Severant (Planet Mu)

2
DJ Diamond - Flight Muzik (Planet Mu)

3
Machinedrum - Room(s) (Planet Mu)

4
Hype Williams - One Nation (Hippos In Tanks)

5
James Ferraro - Farside Virtual (Hippos In Tanks)

6
Various - Bangs & Works Vol.2 (Planet Mu)

7
Burial - Street Halo (Hyperdub)

8
Ekoplekz - Fountain Square EP (Mordant Music)

9
Anti-G - Kentje'sz Beatsz (planet Mu)

10
The Miracles Club - Light Of Love (Cutters)

11
Ital - Culture Clubs (Lovers Rock)

12
Xeno & Oaklander - Sets & Lights (Wierd Records)

13
Oneohtrix Point Never - Replica (Mexican Summer)

14
Rustie - Glass Swords (Warp)

15
Cooly G & Simbad - Landscapes (Hyperdub)

16
Protect-U - World Music (Future Times)

17
Maria Minerva - Cabaret Cixous (Not Not Fun)

18
Hudson Mohawke - Satin Panthers (Warp)

19
Slugabed - Moonbeam Rider (Ninja)

20
Clams Casino - Rainforest (Tri Angle)

21
Various - Gene Hunt Presents Chicago Dance Tracks (Rush Hour)

22
FaltyDL - You Stand Uncertain (Planet Mu)

23
Floating Points - Faruxz (Eglo)

24
Blawan - Getting ME Down (Unknown)

25
Darq E Freaker - Cherryade (Oil Gang)

26
Zomby - Dedication (4AD)

27
Ayshay - Warn-U (Tri Angle)

28
Roly Porter - Aftertime (Subtext)

29
Teengirl Fantasy - Cheaters (Hivern)

30
Krampfhaft - Makin' Magic EP (Rwina)

Chart by Underground Gallery 2011.12.15 - ele-king

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1

TIMELINE

TIMELINE The Greystone Ballroom (UNDERGROUND RESISTANCE / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
JEFF MILLSとの奇跡の競演が話題となった初来日から7年、思えばあの時が、日本で「Hitech Jazz」が初めて演奏された瞬間でした。後のISFバンドの原型とでも言える演奏者としては最強の布陣であったオリジナルTIMELINE。発表された作品は1枚だけでしたが、所謂、「Hitech Jazz」縲怐uKnights Of Jaguar」の流れにある強く美しいものでした。その伝説のユニットが、再来日を前に、G2Gの主要若手メンバーで再構成され、新生TIMELINEとしてシングルを発表します。 G2Gのフロント・マン DeSEAN JONES (Sax)、同じくG2Gのメイン・キーボーディスト JOHN DIXONに、親分 MAD MIKEによるプロデュース作品は、一言で言うなら『ジャズ・テクノ』。「Hitech Jazz」とは違うのか?「Hitech Jazz」のコズミック感から、ストリートに降りてきた感じとでも申しましょうか、きっと今の20代前半のアーティストにはMAD MIKEの世代よりも、ジャズとテクノの融合は自然なものであって、いちいち"Hi-tech"などと言わずに、自然体でセッションしている、そんな感じの楽曲です。オススメは、抑えめのビートにフィルタリングが怪しげな空気感を作り、その中に忍び込んでくる生のサックスが印象的なA1。そして、JOHN DIXONのジャズ・キーボード・プレイが冴えるB-1。

2

MARK FLASH

MARK FLASH The King Of Light (UNDERGROUND RESISTANCE / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
まさかの台風で中止となった2011年の"メタモルフォーゼ"。そこでは、数々の伝説的なステージングが予定されていました。中でも、G2GとMOODYMANNの共演は、幻に終わりましたが、もうひとつ残念だったのは、G2Gの新曲がほとんど演奏されなかったこと。急遽、別のイベントとして渋谷"WWW"にて開催された公演では、会場や機材の都合から演奏リストの変更を余儀なくされたのです。その新曲の中から、MARK FLASHによるプロデュース作品がシングル・カットとなりました。まさにG2Gでの、バンド演奏で聴いてみたくなるようなA-1。ラテンのフレーバーを持ちながら、「Knights Of Jaguar」などのティストとは違ったストリングス・ワークが聴きごたえのあるB-1。そして、一番のオススメは、B-2。これは、まるで「Knights Of Jaguar」の続編かと思うようなドラマチックでロマンチックな展開の...あぁ、そうか...だから「KNIGHTS」の次で「THE KING」なのか?いや、とにかく、タイトルが如く「暗闇を切り裂く強い光が差し込んでくる」ような楽曲です。オススメ!

3

CANYONS

CANYONS See Blind Through (DJ HARVEY Remix) (Modular / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
ここ数年のDJ HARVEYの作品の中でも 最もフロアー・キラーなトラックではないでしょうか!? オーストラリアのエレクトロ/ディスコ系レーベル[Modular]新作は、[Dfa]や[On The Prowl]からリリースを残す、同地のデュオ CANYONSによる1枚。今回は、間もなくリリースが予定される 1stアルバム「Keep Your Dreams」からの「See Blind Through」が12インチ・カット!やはり注目せざるを得ないのは、B面に収録された DJ HARVEYリミックス!! ドープなマシンビート・グルーブを軸に、アシッディーなリフや、ダヴィーな処理が危険なヴォーカル、さらに ハメ系のヴォイス・ループ、サイレンなどのSEを交え サイケ & トリッピーに展開させていき、中盤過ぎからは、意表をつくようなブレイク・パートへと展開する、かなりトリッキーにぶっ飛んだキラーなリミックスを披露! コレ、ここ数年のDJ HARVEYのリミックスワークの中でも、一際ド肝を抜かされた、かつ、最もフロアー・キラーな仕上がりと言っても過言ではないのではないでしょうか!?本当にヤバイです

4

DREXCIYA

DREXCIYA Journey Of The Deep Sea Dweller I (Clone Classic Cuts /Cd) / »COMMENT GET MUSIC
今尚、世界中に大きな影響力を持ち、多くのフォロワーやコレクターが存 在するデトロイト・ディープ・サイドの象徴と言える伝説のエレクトロユニッ トDREXCIYAが、[UR]時代に発表した、超レア・トラックをコンパイルした究極のベスト・アルバムがリリース!1992年にJAMES STINSONとGERALD DONALDによって結成されSubmerge系列[Shock Wave]レーベルから「Deep Sea Dweller」でデビュー、その後は、[UR]を中心に、 [Somewhere In Detroit]、[Warp]、[Rephlex]といった名門レーベルから数多くの作品 をリリースし、APHEX TWINことRICHARD D.JAMESを筆頭に、世界中のDJやプロデューサーなど、特に音楽関係者から「デトロイト・ディープ・サイドの象徴」とまで、形容さ れるほどに、絶大なリスペクトを集めたエレクトロ・ユニットDREXCIYA。2002年にメンバーのJAMES STINSONが突然の心臓発作で他界し、その後は、デトロイトの伝説として語り継がれてきたDREXCIYAが、[UR]時代に残した数多くの名作群を、新たにコンパイルした究極のベスト・アルバムが今作。

5

SEAHAWKS

SEAHAWKS Invisible Sunrise (Ocean Moon / LP) / »COMMENT GET MUSIC
自身主宰[Captain Log]からの数タイトルで、一躍シーンの中心へと上り詰めた UKの新世代バレアリックデュオSEAHAWKS待望のセカンド・アルバムが完成! デビューアルバムで魅せたニュー・エイジ感溢れるアンビエンスたっぷりのシンセ・サウンド、先日リリースされたミニ・アルバムでの、スティールパンやパーカッションなどアコースティック色が強くなった、トロピカルなバレアリック・ディスコ、さらに今作では その二つのエッセンスにAOR的なムードも漂わせ、過去、現在、未来が交差させたノスタルジア・ワールドを披露。この、ありとあらゆる要素が凝縮され、それを巧く昇華される事に成功した、上質なチル・アウト・ミュージック、もはや他の追随を許さない、唯一無二なモノだといえるでしょう!ホント、素晴らしいの一言です!(e-z)

6

ARTTU FT JERRY THE CAT

ARTTU FT JERRY THE CAT Nuclear Funk (Clone Royal Oak / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
アナロジカルでLO-FIな、グルーヴィー・アフロ・チューン![Futuredub]、[Philpot]といったレーベルからリリースを重ねてきたLUMPことARTTUと、THEO PARRISHやMOODYMANNの作品への参加でお馴染みのデトロイトのパーカッショニストJERRY THE CATのコラボレーション! シカゴ・ハウスとも、ベルリン・テクノとも、またひと味違う、モノトーンなハウス・グルーヴに、JERRY THE CATによる、黒々したヴォイスとパーカッションでビルドアップするように展開するA面「Nuclear Funk」が、文句なしにオススメ!リズムの打ち込みも完璧!アシッド風味のB面「Get Up Off It」も、時折リバースする展開が懐かしく新鮮で◎

7

HARMONIOUS THELONIOUS

HARMONIOUS THELONIOUS Drums Of Steel Ep (Asafa / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
[Diskant]レーベルからの作品がDJ PETE(HARDWAX)などのプレイもあり、一部コアなファンの間でカルト・ヒットした、ANTONELLIやRHYTHM MAKER等々の名義で知られる才 人STEFAN SCHWANDERのソロ・プロジェクトHARMONIOUS THELONIOUSの新作12インチ! 怒涛のアフロ・ドラムが、4/4グルーヴと絡み合い、凄まじ渦を巻き上げる、強烈な一 枚!全曲ヤバイです...。入荷枚数が少ないので、気になる方がお早めに

8

MARVIN DASH

MARVIN DASH Workshop 14 (Workshop / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
ベルリンの"ロウ"ハウス・レーベル[Workshop]の新作はベテランMARVIN DASH! 本当にハズレの無い、素晴らしいリリースが続いているベルリンHARDWAXが送る、ロウ・ハウス・レーベル[Workshop]の新作は、LOWTECと共に、90年代から活動するベテラン、MARVIN DASHによる、アンダーグラウンド・ハウス集![Workshop]レーベルらしい、スモーキーでロウなグルーヴは、中毒性あります...

9

MAURICIO MAESTRO Feat NANA VASCONCELOS

MAURICIO MAESTRO Feat NANA VASCONCELOS Upside Down (Far Out / lp) / »COMMENT GET MUSIC
ブラジリアン・ミュージック、超優良レーベル[Far Out]新作は、同レーベルからもリリースされた JOYCEとの 76年作「Vision Of Down」という超名盤でも知られる MAURICIO MAESTROと NANA VASCONCELOSの最強コンビが、ヴォーカルに男性シンガー KAY LYRAを迎え、前述の「Vision Of Down」の続編とでもいうべき、暖かなブラジリアン・ソウル・ワールドを展開させた、最高に気持ちよすぎる1枚をドロップ!これからのブラジル音楽史において確実にその名を残し続けることになるであろう今作、ブラジリアン・ミュージックが好きな方には絶対に押さえておいてもらいたいです! 一家に1枚級の家宝モノ!

10

JON GORR

JON GORR It'S No Lie (Peoples Potential Unlimited / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
カルト & オブスキュアーなディスコ再発で話題を呼ぶ[PPU] 第32弾。今回は、80年代に活躍した ニューイングランド系レゲエバンド THE I-TONESのキーボード奏者 JON GORRが、83年にリリースしたソロ名作「It's No Lie」。なんとも言いようのない、フュージョンテイストな鍵盤と甘い歌声が印象的な ラヴァーズ風モダン・シンセ・ディスコなオリジナル Side-Aがまず最高過ぎる今作ですが、さらにカップリングには、原曲をいい感じに壊してくれた、心地の良い脱力感が◎な 極上ダブミックスを披露。毎度のことながら若干値段は高めではあるのですが、コレは絶対にその価値あります!! 原盤は絶対に出てくることないと思いますので、この機会に必ずゲットしておいて下さい。オススメ!!

Chart by TRASMUNDO 2011.12.13 - ele-king

Shop Chart


1

ILL FANTASTICO

ILL FANTASTICO STEAL MY SUNSHINE vol.4 »COMMENT GET MUSIC

2

BUSHMIND

BUSHMIND GRAZE THE SKY »COMMENT GET MUSIC

3

YUKSTA-ILL

YUKSTA-ILL QUESTIONABLE THOGHT »COMMENT GET MUSIC

4

DJ BISON

DJ BISON PRESIDENT'S SOUR »COMMENT GET MUSIC

5

Tee-$hort

Tee-$hort NIGHT&BAY vol.2 »COMMENT GET MUSIC

6

THE LEFTY×Atsuhiro Ito×Fuyuki Yamakawa

THE LEFTY×Atsuhiro Ito×Fuyuki Yamakawa live@asia »COMMENT GET MUSIC

7

DJ Killwheel a.k.a.16FLIP

DJ Killwheel a.k.a.16FLIP 301 BACKYARD RIDDIM »COMMENT GET MUSIC

8

CE$ a.k.a.$kinny cee&MASS-HOLE a.k.a.BLACKASS

CE$ a.k.a.$kinny cee&MASS-HOLE a.k.a.BLACKASS reflections in the 57 »COMMENT GET MUSIC

9

373

373 ...day in the... »COMMENT GET MUSIC

10

She luv it

She luv it unholy judgement ep »COMMENT GET MUSIC

Coldplay - ele-king

あの星たちを見てごらん
彼らが君のために輝く様子を
そして、君の行いすべてのために輝く様子を
そう、彼らはイエローなんだ "Yellow"(2000、筆者訳)

 歴史の一側面において、長らく「政治」的なものと向き合い、深くコミットしてきたロック・ミュージックにとって、サブプライム住宅ローン・クライシス以降、「政治」よりもむしろ「経済」の問題が世界にとって支配的になってきたのは不幸だった。『ローリング・ストーン』誌は、はっきりと書いている。「コールドプレイの前作から3年、世界が抱える問題は切迫を増しており、もはや子守唄などでは解決できないところまで来ている。それがたとえ、21世紀で最大のバンドによるものであったとしても、だ」。そう、音楽という抽象表現の役割は、この複雑な世のなかで、ますますシビアなものになっていくだろうし、その渦中で「民衆を導く女神」に扮するには、いるかもわからない「敵」を想定しながら、あくまでも便宜的に抵抗し、傷ついていく人たちに寄り添う(=子守唄を歌う)しかないのであろう。とすれば、その反動として、ダブステップ、チルウェイブ、あるいはジュークと、ポップ・ミュージックの先端が、それぞれの手段で非言語的な方向に逸れていくのは必然だったとも言える。

彼女がまだ幼かった頃
彼女は世界に希望を持っていた
しかしそれは彼女の手の届かないところへ行ってしまう
彼女は逃げ出して夢を見る
パラダイスの夢を....
彼女はいつでも目を閉じている "Paradise"(2011、筆者訳)

 そんな季節に、「希望」はあるのだろうか。「希望が前提でなくなった時代、私たちは何を糧に未来へ進んでいけばいいのでしょうか」(『希望のつくり方』、2010)と、玄田有史は、希望を追求した理由をこのような疑問に求めている。そう、それが無根拠に、素朴に、高々と掲げられることは、多分もうない。そうなってくれば、批評家の筋から「もしかしたら絶望は共有できるかもしれない」(宇野、2009)みたいな声が聞こえてくるのも必然であり、「希望は、戦争」(赤木、2007)のようなアンダークラスからの捨て身の言説が一定の共感を得る、というのも、ゼロ年代のリアリティとしてはONだったのだろう。しかし、結局のところ、「希望を語れない知性」に何の価値があるのだろう、とは、ときどき思う。それだったら、希望を歌う阿呆の方が、いくらか生産的なのでは、とも思う。また、ポップ・ミュージック的には、「シューゲイザーよりはスターゲイザーの方がマシなのでは」、という言い方もできる。

子どもたちは踊る
子どもたちはみな踊り明かす
月曜日の朝に生まれ変わるまで
僕は音量を上げる
いまはすっかりいい調子だ "Every Teardrops Is a Waterfall"(2011、筆者訳)

 それは最初、子守唄に過ぎなかった。だが、ミドルクラスの憂い、日々の漠然としたメランコリアを、いまでいう「セカイ系」(初出不明)的な遠近感でビッグ・スケールに歌い上げていたコールドプレイはいま、驚くべきことに、希望的な何かを無根拠に先取りしようとする。それは捏造、と言ってもいいのかもしれない。透明感の高い、いわゆる叙情的なブリット・ロックに、クリス・マーティンのファルセットを乗せるところからスタートした彼らはいま、アリーナ・ロックの大風呂敷に、ビッグ・エレクトロから剥奪したビビッドなシンセ、U2の諸作に深くインスパイアされたギター、大言壮語な詩情、そして、ほとんどの曲で繰り返される「Wow Wow」のビッグ・コーラスを投入。ビートはいつになく力強く打ち鳴らされており、"Hurts Like Heaven"、"Charlie Brown"から"Don't Let It Break Your Heart"まで、アルバム全編をアップリフティング(高揚的)な矢印が大きく貫いている。当然、それらはたとえ聴き手を強引にアップリフトさせても、その先には「何もない」、ということになる。その空虚さに耐え得るものを、彼らはまだ持ち得ていないし、強引に提出された希望というものを、具体的な何かに置き換えるのは難しい。一時的な気休めと言えば、終わりかもしれない。

 私は、もしかしたら考えすぎだろうか? 『ピッチフォーク』が言うとおり、重要なのは「リアーナを客演に招いた"Princess of China"がグラミー栄えすること」であり、「"Every Teardrops Is a Waterfall"がフェスの大トリにピッタリなこと」なのだろう、多くの人にとっては。それでもなお、野田努のような人間からすれば、これはロックの不名誉なのかも知れない。しかし今、こんな役割を担えるのは、彼ら以外にいないのだろうし、私は彼らがそのことに(多分)自覚的であったことを、好ましく思う。バッド・ニュースを好む人があまりにも多いいま、メインストリームをひた走る世界最大のバンドが、事実、スターゲイズしている(=希望を見上げている)というのは、決して悪い絵ではない。"Every Teardrops Is a Waterfall"で描かれるような、子供たちが夜通し笑い転げ、踊り弾け、世界の朝に小さな革命が灯っていく日を無根拠に夢見ること。"Paradise"で打ちひしがれた少女が、夢から目覚めて、朝の光をもう一度受け入れること。ヒーリング・ロックから出発した『The Bends』(レディオヘッド、1995)症候群のブリット・ロック・バンドは、いまや、数千万人に向けて"Yellow"(=子守唄)を歌うだけ以上の役割を、ついに担いつつある。

Chart by UNION 2011.12.12 - ele-king

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1

GONNO

GONNO The First Annual Report of Static Music STATIC MUSIC / JPN »COMMENT GET MUSIC
Japanese Alternative Label「W.C. Recordings」からの諸作品群、UK「PERC TRAX」からのSALMONとの共作、そしてFRANCOIS K最新MIX CD「HERTBEAT VOL.2」にも収録され、世界的なヒット12inchとなった「ACDISE #2」で世界に実力を知らしめたGONNOがMIX CDをリリース!!ディスクユニオン限定販売。

2

DEEPCHORD PRESENTS ECHOSPACE

DEEPCHORD PRESENTS ECHOSPACE Spatialdimension ECHOSPACE / US »COMMENT GET MUSIC
ECHOSPACEレーベルの看板、ROD MODEL(DEEPCHORD)と、LINKWOOD FAMILY"Miles Away"での傑作リミックスでも知られるINTRUSION=STEVE HITCHELL(SOULTEK)によるユニット・ECHOSPACEによる2009年作のリミックスアルバム。原曲は同じながらまったくそれを感じさせない綿密に作りこまれた異なるリズムが生み出すテンション、個々のアトモスフェリックなヴァイヴが放つ独特な雰囲気は彼等ならでは。アナログ盤収録音源に加え、これまでは配信のみのリリースでフィジカルでは初となる音源も含む全8トラックをリマスター収録。

3

LEGO FEET

LEGO FEET Ska001CD SKAM / UK »COMMENT GET MUSIC
ROB BROWN、SEAN BOOTHの両名がAUTECHRE以前に名乗っていた幻のユニット・LEGO FEETのデビュー・アルバムが20年の時を経てまさかのCD化! AUTECHREのファースト・アルバム「INCUNABULA」がリリースされる2年前、1991年にマンチェスターSKAMの記念すべきカタログ1番としてわずか枚数のみが流通し、すぐに市場から姿を消した"LEGO FEET"幻のアルバム。AUTECHREで見せる精緻で執拗なまでに磨き抜かれたトラックとは違い(どちらかというとGESCOMに近い)、HIP HOP影響下のファットなビートやレイヴ感を漂わせるブリーピーなシンセ、脳みそがとろけそうなアシッドなどがごった煮にされ、未完成のまま放り出されたような荒削りなサウンドは、AUTECHREの2人がどこからやってきたのかを明確に物語っています。

4

SEAHAWKS

SEAHAWKS Invisible Sunrise OCEAN MOON / UK »COMMENT GET MUSIC
リリースごとに反響が大きくなる注目の新世代バレアリック・デュオSEAHAWKSより2枚目となるフル・アルバムが早くも到着。デビュー作ではニュー・エイジ感溢れるアンビエンスたっぷりのシンセ・サウンド、先日リリースされたミニ・アルバムではスティールパンやパーカッションなどアコースティックな趣が強くなったトロピカルなバレアリック・ディスコ・ダブを披露、今作ではその二つにサックスやエレピのAOR的なムードも漂わせ、過去、現在、未来が交差する10年代ならではのノスタルジアが凝縮された上質なチル・アウト・ミュージックへと仕上がってます。

5

EDUARDO DE LA CALLE

EDUARDO DE LA CALLE Asr 012 Trilogy ANALOG SOLUTIONS / ESP »COMMENT GET MUSIC
限定カラー・ヴァイナル"Disco"シリーズでリリースの度地下シーンの話題をかっさらい、カルト的な人気を誇ってきたANALOGUE SOLUTIONS、前作009番で遂にその正体を現したスペインのベテラン・中核EDUARDO DE LA CALLEがまたも怒濤の3タイトル・リリースを敢行。ロング・スパンで展開しループするリフに足元からもっていかれそうになるスモーキーなハメ系のダブ・テックに時折射し込まれるハウシーなアレンジが素晴らしくクール。相変わらず一筋縄ではいかないサウンドです。

6

LUKE-HESS

LUKE-HESS Dubout #3 FXHE RECORDS / US »COMMENT GET MUSIC
KYLE HALLやJASON FINEと同じく、OMAR Sがその才能を見出し、現在ECHOCORDをはじめ様々なレーベルから作品をリリースするLUKE HESSが再びFXHEよりEPをリリース! 無骨なボトムに旋回するウワものとダビーなシンセのフロート感が絶妙なバランスで展開する"A1"やエレクトロベースとダブテクノをミックスさせた"B1"が従来のスタイルだが、90'sサイケなオールドスクール感を醸し出すシンセがひたすらフラットに重ねられた"B2"もまたドープ!

7

FRANCOIS K.

FRANCOIS K. Heartbeat Presents Vol.2 LASTRUM / JPN »COMMENT GET MUSIC
ニューヨークハウスの重鎮・FRANCOIS KEVORKIANによる ハートビートミックスシリーズ第二章。ハウスシーンの重鎮でありながら常に最先端かつ革新的な世界を魅せてくれるリヴィングレジェンドFRANCOIS K.、待望のAIRとのコラボ作品第二章は時空を超えた夢のような瞬間を体験させてくれる究極のDJミックスショー。ジャンルレスなダンスミュージックが違和感無く同じ時系列に存在し、ダンスミュージックの多様性と未来への展望を伺わせる内容。

8

UNKNOWN ARTIST

UNKNOWN ARTIST Unbalance#3 UNBALANCE / GER »COMMENT GET MUSIC
ベルリンとUKシーンで2008年よりDJとして活動している気鋭・ALEXANDER MATLAHOVによるプロジェクト・UNBALANCEの限定クリア・ヴァイナルが3タイトル入荷! こちらはカタログ3番! ファットなキックの上で畳み掛けるように鋭利なウワモノが積み上げられるフロアキラーなダブテクノのA面、一転じわじわと沈み込んでいく重層的なシンセがトリッピーなB-2と、期待を裏切らない秀作!

9

V.A.

V.A. Iotdxi (+2CD) R&S / BEL »COMMENT GET MUSIC
APHEX TWIN、DERRICK MAY、MODEL 500(JUAN ATKINS)、KEN ISHI等のテクノ・クラシック・レーベルとしては勿論、現在もJAMES BLAKEやLONE等までをカバーし、豊富なタイトルを誇るベルギーの老舗(現在はロンドンが拠点)レーベル・R&Sプレゼンツの最新コンピ「Iotdxi」、フォーマット3LPのアナログ盤が遂に到着!! +CD2枚組も封入のスペシャル仕様です。JAMES BLAKE、LONEは勿論、UNTOLDやBLAWAN、PARIAH、CHAIN等等、近年のR&Sを代表するポスト・ダブステップ~エレクトロニカ周辺のエッヂの効いたサウンドをたっぷり収めた見逃し厳禁の1枚!

10

KARENN(BLAWAN & PARIAH)

KARENN(BLAWAN & PARIAH) Sheworks 001 WORKS THE LONG NIGHTS / UK »COMMENT GET MUSIC
流石英国産、流石R&S育ち...!!! 積極的にエッヂの効いたサウンドへとコミットするベルギー発の老舗テクノ・レーベル・R&Sで現在中核を成すアーティスト、BLAWAN、PARIAHの両名が遂に組んでしまった強力極まりないニュー・プロジェクト、KARENNによる注目の第一弾リリースが彼らの新興レーベル・WORKS THE LONG NIGHTSより到着。猛烈なアンダーグラウンド臭を撒き散らし、圧倒的なストロング・スタイとと強烈なベース、ボトム、アレンジで展開するドープ・インダストリアル・ミニマル。今後も断固注目!

Chart by JET SET 2011.12.12 - ele-king

Shop Chart


1

CANYONS

CANYONS SEE BLIND THROUGH »COMMENT GET MUSIC
RunawayとのスプリットやDFAからのソロ・リリースで御馴染みのオージー・ユニット、Canyonsによる話題の一枚がコチラ。Dr Dunks Remix収録のサンプラーVol.1に続く新作は、本年大晦日のプレイが楽しみ過ぎるDJ Harveyによるキラー・リミックスを収録!!

2

FRANCOIS K.

FRANCOIS K. HEARTBEAT PRESENTS MIXED BY FRANCOIS K.×AIR VOL.2 »COMMENT GET MUSIC
2011年のHeartbeatシリーズ締めくくりはFrancois K.!11月発売のDerrick Mayの興奮冷めやらぬ中立て続けにレジェンドがミックスをリリース。本作はハウスを中心とした貫禄十分のミックスを収録。

3

INNER SCIENCE

INNER SCIENCE THEME OF THE PENETRATES »COMMENT GET MUSIC
Twinpeaksに続くBlack Smokerのミックス・シリーズはInner Scienceのミックス三部作の完結編。芯のあるグルーヴを携えつつ、自身のプロダクションで披露しているようなメロディー・センスを絶妙に醸し出す『Theme of...』シリーズの最終章に相応しいミックスを収録。

4

LEO ZERO EDITS

LEO ZERO EDITS GOT SOUL »COMMENT GET MUSIC
ガラージ・クラシックス・リエディッツ第1弾が爆発的なヒット作となった、A Mountain of Oneのフロントマン、Leo Zeroによるセルフ・レーベル第2弾が早くも登場。

5

EMANATIVE & AHMED ABDULLAH

EMANATIVE & AHMED ABDULLAH LIONS OF JUDAH »COMMENT GET MUSIC
おなじみGiles PetersonのBrownswoodから、またまたビッグタイトル登場。偉大なジャズ・ドラマーが残した名曲をEmanativeとAhmed Abdullahがダンサンブルにカヴァー!!

6

AMY WINEHOUSE

AMY WINEHOUSE LIONESS: HIDDEN TREASURES »COMMENT GET MUSIC
今年、突如この世を去ったAmy Winehouse。新曲、未発表カヴァー等を集めた3枚目のアルバムが登場!!話題の"Our Day Will Come"やNasとの共演曲等、素晴らしい内容です。US重量盤アナログ2枚組。

7

TINARIWEN

TINARIWEN TENERE TAQQIM TOSSAM (FOUR TET REMIX) »COMMENT GET MUSIC
Battelesのリリースで幕開けたポスト・ポスト・ロック系要注目レーベルからの005番は、フジロック出演も果たしたマリ共和国のグループTinariwenによる限定500枚プレス12"!!

8

SEAHAWKS

SEAHAWKS INVISIBLE SUNRISE »COMMENT GET MUSIC
USインディ・ダンスとも共鳴する孤高のUKユニット、Seahawks。2枚目のフル・アルバムが、自主レーベルOcean Moonから到着!!今回も完全限定盤につき絶対お買い逃しなく。

9

HEAVY DISCO / DARKSTARR

HEAVY DISCO / DARKSTARR I AIN'T HIDING »COMMENT GET MUSIC
Ashley Beedle主宰"Modern Artifacts"待望の新作第三弾は、Disco DevianceオーナーとのHeavy Disco、さらにDJ CosmoとのDarkstarrによるリエディット2作品をカップリング。

10

V.A.

V.A. IT'S LOVE ON WHEELS ! »COMMENT GET MUSIC
Sleazy McQueenが主宰する人気リエディット・レーベル"Whiskey Disco"最新作。Cole Medina & Anthony Mansfield、Yves Saint Laur'ant、Bottinに続く"Jolene"ネタを披露したDisco Techと、リエディット・シーンの要人4組による大推薦の一枚です。是非!!

Hessle Audio Japan Tour - ele-king

 シャックルトンの来日が大成功だったというじゃないですか。東京も大阪も、素晴らしいリアクションがあったようです。行った人がみんな「良かった」と言っています。人が入っただけではなく、盛り上がったんです。いよいよ日本のダンスフロアにも、本格的にダブステップ~ベース・ミュージックの火が着いたようですね。
 ダブステップ~ベース・ミュージック系で言えば、2011年、最後の注目パーティはこれです。〈ヘッスル・オーディオ〉です。みなさんが大好きなジェームズ・ブレイクのシングルもアルバムが出るずいぶん前にリリースしています。それもひねりのきいた良い曲ですが、やはり2011年にリリースされたコンピレーション・アルバムが本当に素晴らしい。ポスト・ダブステップにおける最良のレーベル・コンピレーションだと思います。
 まあ、なんにせよいまこのタイミングでラマダンマン(ピアソン・サウンド)というポスト・ダブステップ・シーンにおいてだんとつに人気のあるDJ(M.I.A.のリミックス、レディオヘッドのリミックス、いろいろある)、そしてレーベルの相方であるパンジアがふたり揃って来日すること自体ワクワクする。
 どうか逃さないように!


2011.12.22 Thu Before Holiday

7even Recordings & Basement Ltd. present
Hessle Audio Japan Tour
feat. Pearson Sound aka Ramadanman & Pangaea
at UNIT

OPEN: 23:30
DOOR: 3000yen(adv.) | 3500yen(door)

[UNIT]
-DJ-
Pearson Sound aka Ramadanman
Pangaea
ENA
Greg G
Yusaku Shigeyasu

[SALOON]
-DJ-
Dx
100mado
Audace
A Taut Line
CHAM+i

[SHOP]
DISC SHOP ZERO


「ダブステップ = ハーフステップ」の概念にとらわれないベース・ミュージックが持つ自由な可能性を拡張し続ける「Basement Ltd.」が新天地〈UNIT〉にて5回目の開催を高らかに宣言。ジャンルの壁を飛び越え評価を獲得する最重要レーベル〈Hessle Audio〉のショウケースがここ東京で実現します!
 レーベル・オーナーでもあるふたり、かつてはRamadanmanとして既存の音楽を独自に再構築した鮮烈な作品を世に放ってきたPearson Sound、そしてそのアザーサイドとも言えるエクスペリメンタル感溢れる強烈なプロダクションで知られるPangaeaをフィーチャー!
 彼らを中心に生み出される、UKガラージ、テクノ、ハウス、ジュークなど新旧を問わない数多くの要素を含んだプロダクション、DJスタイルは今まさに聴かれるべきサウンドといっても過言ではない。後に説明不要なまでに評価を得たJames Blakeや、Ricardo Villalobosにヘヴィー・プレイされたJoeなどと言った才能をいち早く発掘するなど、その審美眼には定評がある彼らが魅せる"次なる"サウンドに期待が高まる。

 〈7even Recordings〉からのリリースが高い評価を得たENA、そしてBasement Ltd.のレジデントGreg GとYusaku Shigeyasu、SALOONでは東京のベース・ミュージックを牽引するSoiからDx、「Back to Chill」レジデントである100mado、Diskotopiaのプロデューサー、A Taut Line、レーベル〈Inductive〉から〈Audace〉、そしてディープ・フロウ・ドラムンベース・パーティ「NEON」からCHAM+iが登場、
 さらには確固たる信念のもと良質な音楽・文化を届けているDISC SHOP ZEROをUNIT内に設置し、全方位からマッシヴなベースラインを保証!

https://hessleaudio.com
https://soundcloud.com/hessleaudio

Chart by STRADA RECORDS 2011.12.08 - ele-king

Shop Chart


1

WHO KNOWS?

WHO KNOWS? SAY GOODBYE TO THE JOBS EP WHO KNOWS?(JPN) »COMMENT GET MUSIC
DJ HarveyやIdjut Boysら大物DJらがこぞってプレイしヒットとなったKenji Takimiによるリエディット・シリーズ第1弾、第2弾に続く待望の第3弾12インチが到着!グルーヴィーなベースにエレガントなストリングスやピアノが印象的なインスト・ディスコのA面、ロウでラフなレア・グルーヴ的濃厚ジャズ・ファンク・ディスコのB面共に圧倒的なグルーヴ感!今作も見逃せません!

2

MOODYMANC

MOODYMANC FATHER LANDED(UK) »COMMENT GET MUSIC
UKはマンチェスターのディープ・ハウス・アーティストDUBBLE Dの覆面プロジェクトMOODYMANCがROBSOULやREADYMADEのリリースでお馴染みTERENCE TERRYのレーベルLANDEDからリリース!エレピのコードにマリンバのフレーズを効果的につかったディープ・ダブ・ハウスなオリジナルと、デトロイト・ハウスのベテランRICK WADEによって新たに加えられたクラビやシンセで抜群にかっこいいジャズ・ファンク・ハウスに仕上がったミックスなど3曲収録のビートダウン~ディープ・ハウス派必須の一枚!

3

A DRUMMER FROM DETROIT

A DRUMMER FROM DETROIT DRUMS #1 FIT SOUND(US) »COMMENT GET MUSIC
3 CHAIRS第4のメンバーMARCELLUS PITTMANによるファースト・リリースで幕を開けたデトロイトのテクノやハウスのディストリビューターを手がけるFITのセルフ・レーベルFIT SOUNDから謎のユニットによるレーベル第四弾が登場!フロア向けの強力なツール作品となっておりA面はドラム、コンガ主体のパーカッション・トラック、B面はシンセFXやサンプル・フレーズを用いた軽やかなビート・ダウン・トラックと、どちらも即戦力間違いなしの強力盤!

4

NICONE & SASCHA BRAEMER

NICONE & SASCHA BRAEMER ROMANTIC THRILLS PART1 STIL VOR TALENT(GER) »COMMENT GET MUSIC
NICONEとSASCHA BRAEMERコンビのアルバム「ROMANTIC THRILLS」の先行シングルがOLIVER KOLETZKIのSTILL VOR TALENTからリリース!エスノ風味のジャーマン・テック・ハウス系といった感じですが中でもB1収録のCAJEのアコギのアルペジオを使ったスペイン~ブラジル風味なトラックがオススメ!ディープ系のトラックから飛び道具まで幅広く使えそうな個性的な一枚です!

5

K&B

K&B NO MORE HITS 15 NO MORE HITS(ITA) »COMMENT GET MUSIC
NICOLASのリリースでお馴染みイタリアのディスコ~リエディット・レーベルNO MORE HITの第15弾はDINER CITY SOUNDからデビューしたばかりの新鋭K&Bによるもので、73年MOTOWNのFOUR TOPS「AIN'T NO WOMAN(LIKE THE ONE I GOT) 」とAL GREENの傑作メロー・ソウル「LET'S STAY TOGETHER」をそれぞれリエディット!エヴァー・グリーンな不朽の名作を現代のフロア向けに絶妙にチューン・アップしたいつもながらの手腕が光る安心の内容!クラシックス・ファンからビートダウン・ファンまで幅広くオススメできる傑作です!

6

MIKE HUCKABY

MIKE HUCKABY MY LIFE WITH THE WAVE SYNTH(US) »COMMENT GET MUSIC
ECHOSPACEことDEEPCHORDがレーベル第一弾だった、デトロイト・ハウスのベテランMIKE HUCKABYが運営するレーベルSYNTHから2007年にリリースした名盤「MY LIFE WITH THE WAVE」が限定再プレス!シンセ・マニアが一度は憧れるWALDORF WAVEで全てのサウンドが作られたという本作はECHOSPACE系テック・ダブのA面もさることながらB面に収録された2曲が最高!LARRY HEARDを思わせる優しくまろやかなテック・ハウス風味に仕上がっておりDEEPHOUSEファンは必聴です!

7

KENNY DIXON JR(MOODYMANN)

KENNY DIXON JR(MOODYMANN) ULTRA RARE JAN REMIXES & EDITS WHITE (FR) »COMMENT GET MUSIC
Moodymann関係のレア作品を集めた「Private Collection」シリーズに続く新シリーズ!Norma Jean BellやAmp Fiddler絡みの作品でMoodymann aka Kenny Dixon Jr.がミックス等を手掛けた曲を全4曲収録!いずれも今となってはオリジナル盤はレアですのでこれは嬉しい!

8

LATECOMER

LATECOMER COSMIC CART MCDE(EU) »COMMENT GET MUSIC
MOTOR CITY DRUM ENSEMBLEのレーベルMCDEから新人ユニットLATECOMERの作品が登場!この曲、MOTOR CITY DRUM ENSEMBLEのDJ KICKSからのMIX CDに収録され12インチ・カットを熱望されていたもの!ピアノやストリングス、ウッド・ベースを用いた生系モダン・ジャズ・サウンドにエレクトロニクス少々といった非常にエレガントで上品なCARL CRAIGといった感じのディープ・ハウスなオリジナルに、リミックス・バージョンとしてPHILPOTレーベル総裁SOULPHICTIONが参加しておりビートダウン・ファンも満足、充実の一枚です!

9

CHOCOLAT'S

CHOCOLAT'S EL CARAVANERO-JOE CLAUSSELL EDIT SALSOUL (US) »COMMENT GET MUSIC
77年リリースのアルバム「Kings Of Clubs」に収録されていたJOE CLAUSSELLのフェイバリット・チューンChocolat's「El Caravanero」がナント12インチでしかもJOE CLAUSSELLによるエディット・ヴァージョンで登場!濃厚なパーカッションやオルガンにヤラれる極上のアフロ~ラテン系ダンス・クラシック!マスト!

10

ORLANDO B.

ORLANDO B. THE HARLEM CONNECTION EP UNDER TONES(UK) »COMMENT GET MUSIC
KOLOUR RECORDINGS傘下のUNDERTONESよりYOREの作品も大好評のORLANDO Bが登場!YORE人脈を活かしリミキサーには日本が誇るビートダウン・アーティストKEZ YMが参加、KDJやTHEOといった本家以外では同ジャンルのトップともいえる品質の高さを誇る二人だけに内容は保障付!そして本作で当店的にプッシュしたいのはB面収録の「BACK 2 BASICS」!先日K ALEXIのリミックスも大好評だったMARVIN GAYE「I WANT YOU」ネタの強力作品に仕上がっています!

少年ナイフ - ele-king

 90年代ごろから日本のバンドが海外のインディ・レーベルからリリースされることも増えてきた。しかし実際には多くの場合、日本への輸出をあてこんでのものだという。海外でライヴをやったけど客はほとんど日本人なんて話もよく聞く。そんな中で本当に受け入れられているバンドを見極めようとしたときに、目安になるのがやはりツアーだろう。毎年のように1ヶ月とかそれ以上の海外ツアーに出ているバンドであれば間違いない。
 ちなみに「○○(ソニック・ユースとか)のオープニング・アクトで全米ツアー」みたいなのもあまりアテにならない。日本人と違ってむこうの客は真面目にスタート時間から来たりしないので、前座なんか見てないことが多いのだ。もちろん、別に海外で受けたから偉いというわけでもないとは思うが。
 よく言われる話だが、欧米のライヴハウスは日本のように機材が充実していることもなく、日々の移動距離も日本とは比べ物にならない過酷なものだ。そんななかで年中ツアーをしていればバンドが鍛えられるのも頷ける。アメリカのインディ・バンドなんかのライヴを観ると、上手い下手とは違う部分での地力みたいなものを感じることは多い。

 そんななか、かつて「世界でもっとも有名な日本のバンド」と呼ばれた少年ナイフは現在も精力的に海外ツアーをおこなっている。今年も8月から9月にかけて1ヶ月以上のヨーロッパツアー。そして先日も10月から11月にかけて1ヶ月以上の北米ツアーから戻ってきたところだ。
 そして帰国してすぐに今度は国内でのツアーである。12月2日、東京の新代田FEVERを皮切りに名古屋、大阪の三都市。毎年12月におこなわれる「Space X'mas Tour」の2011年版、というわけだ。ちなみにナイフは7月と12月にこの三都市のツアーをするのが恒例になっている。関東のファンにとっては貴重な機会なのです。このツアーはゲストを迎えることも多いが、今回はワンマンだ。

 FEVERのフロアに流れるストーン・ローゼスの音量が下がると客電が落ち、ナイフによる"We Wish You A Merry Christmas"が流れてメンバーが登場。本日発売のクリスマスカラー(赤と緑)のタオルを掲げている。その日売りたいタオルを持って出てくるというのは矢沢永吉に学んだのだろうか。衣装は昔からおなじみのモンドリアン風ワンピース。意外とメンバーチェンジをしているバンドだが(ディープ・パープルには及ばないがラモーンズくらいには変遷している)、衣装は代々引き継がれているのである。

 ツアータイトルにもなっているラモーンズ~バズコッコス系クリスマスソングの名曲"Space Christmas"でライヴはスタート。三曲目の"Twist Barbie"あたりからフロアも温まってくる。私はいつもは最前列付近で観てるのだが、珍しくちょっとうしろから観ていると、とにかくみんなニコニコしている。年季の入った(元)インディ・キッズみたいな白人のカップルが手をつないで踊ってたりして、会場の雰囲気はハッピーだ。
 おなじみのパンク・ナンバーで会場も盛り上がったところで中盤ではちょっと珍しい昔の曲をやったりするのもワンマンならではの楽しみだ。フェスなんかだと持ち時間も短いし、なかなかそうはいかないからね。"Redd Kross"はLAのあのベテラン・パワー・ポップ・バンドのことを歌った曲で、レッド・クロスの"Shonen Knife"という曲に対するアンサーソング。オリジナル・ベーシスの美智枝さん作のサイケポップ・ナンバー"I Am A Cat"を昨年加入したドラムのえみさんが歌い、オリジナルドラマーの敦子さんが歌っていたビートルズの"Boys"はベースのりつこさんが歌う。珍しく何曲かで直子さんがギターを持ちかえ、リッケンバッカーの美しい響きを聞かせる場面も。

 少年ナイフといえば「脱力系」とかそういうイメージがあると思うのだが(シャッグスのことを「少年ナイフの元祖」なんて書いているブログを見かけたこともある)、いまでは演奏上はそういう側面はほとんどない。現在のリズム隊は非常にタイトで、MCの際に「ツアーで食べ過ぎて、安定感がつきました(笑)」なんて話をしていたが実際のところ安定感があるのは間違っていない。
 2008年加入のりつこさんはバキバキに重い音色と長い髪を振り下ろす派手なヘッドバンギングがやたらと絵になるし、えみさんはズシっとした重量感のあるドラマーである。本編最後の"Economic Crisis""コブラ vs マングース"というメタル系ナンバーの二連発など、歴代メンバーでもっともヘヴィな演奏だろう。とくに後者のスローパートなど、ボリスのファンも納得! というくらいだ(余談だが、えみさんは髪を少し短くしたようで、ライヴEP『We Are Very Happy You Came』のジャケットのこけしみたいで可愛かったです)。

 アンコールでは今年リリースされたラモーンズのカヴァー集『大阪ラモーンズ』から3人それぞれがヴォーカルをとって"ロックンロール・ハイスクール""シーナはパンクロッカー""KKK"の三曲。ナイフのファンならラモーンズが嫌いなはずはないのでもちろん多いに盛り上がる。

 二度目のアンコールは配信でリリースされたばかりの新曲"Sweet Christmas"を披露。ナイフとしては三つ目のクリスマス・ソングで、これがまたラモーンズ・スタイルの名曲なのである。今回の配信リリースには、この曲のアコースティック・ヴァージョン、そしてオープニングSEで使われた"We Wish You A Merry Christmas"も収録。今年のクリスマス・ソングはこれ一択でしょう。どうせなら7インチでほしいと思ったらイギリスではアナログでリリースされているらしいので、現在入稿直前の紙『ele-king vol.4』の仕事がひと段落したら輸入盤屋に探しにいこうと思う(なかなか届かない原稿をジリジリしながら待っていたら、野田編集長からこの原稿を催促するメールが届いたのです)。

 MCでアナウンスされていたが、今年の年末は少年ナイフが初めてスタジオで練習をしてから30年。そして来年の春には初めてのライヴから30年。『大阪ラモーンズ』に続き、来年も30周年企画はいろいろとあるようだ。楽しみですね!

 会場で会った知人は最初は「今日はワンマンだし、長そうですね......」なんて言ってたのだけれど、終演後には満面の笑顔で「最高でしたね! 間違いないっすね!」と大興奮だった。まあ、そういうことだ。悪いこと言わないから機会があれば観に行くといい。ロックの楽しさってのはこういうものですよ。

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