牛田悦正、通称UCDと会った瞬間、こいつはただ者ではないなと思った。そう、この男には、なんでだかわからないのだが、人の気持ちをアップリフティングさせるものがある。少年のようなあの瞳がそうさせるのか……それとも多少ずっこけてる感じがそうさせるのか……飾らない感じとか(いや、飾っているつもりだろうが飾っていることになっていない感じとか)、とにかくUCDはおもしろい男だ。
SEALDsのメンバーとして広く知られるようになったUCDだが、彼はひとりのラッパーであり、音楽活動家でもある。初めて会ったときも、目をキラキラさせながら、自分はスラックとロバート・グラスパーが好きなんだと言われたことは忘れられない。
Tha Bullshitはラッパー、UCDを擁する5人組のヒップホップ・バンド。そのデビュー作が『FIRST SHIT』(全7曲入り)というシンプルなタイトルをもってリリースされた。ジャジーでファンキー、メロウなムードの生演奏をバックにしながら、UCDらしい思い切りの良い言葉が連射される。おそらくは、誰もがこの音楽に昨年のデモの熱気をリンクさせようとするのだろうが、演奏はストイックで、いたずらに騒いだりはしない。初期のブルー・ハーブを彷彿させるような、内省的な曲はとくは魅力がある。が、しかし、もちろんUCDの言葉はデモとリンクしている。いやいや、デモでは言えないもっとパーソナルなことも(ときにはダーティに)言いたいように言っている。もうひとつ重要なことは、UCDが彼ら世代の内なる言葉を伝達しようとしていることだろう。そして、さらに重要なことは、Tha Bullshitが(繰り返すようだが)バンドであること。ぜひ、自分の耳でたしかめて欲しい。

Tha Bullshit - FIRST SHIT
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