個人的に最近は7インチを買うのが楽しい! ので、最近かっこよかった日本のバンドの新作7インチを紹介したい。
HOMMヨ / ライカ

東京で活動する3人組ガールズ・バンドで、過去にスタジオ・アルバム3枚とライヴ・アルバム1枚をリリースしたのち初のアナログ・リリースとなるこの7インチ。これまでの音源と同様レーベルは〈Good Lovin' Production〉(山口富士夫の発掘音源などのリリースで知られる)。ちなみにその後もう一枚、最新アルバムを同レーベルからリリースしたのだがそっちはまだゲットしてないので後日じっくり紹介したい。シングルA面に収められたのは毎回ライヴの最後に披露されている曲で、これまで音源化されていないのが大変に惜しまれていた名曲である。
タイトルのライカは犬の名前であり、「うーわんわん」というコーラスもあって古川日出男の『ベルカ、吠えないのか』なんかを想起させるとともに「Golden Years」「God knows I’m Good」といったデヴィッド・ボウイからの引用と思われる言葉が出てくるあたりは宇宙犬ライカを主人公とした『スペース・オディティ』のようなストーリーなのかもしれない。
Young Parisian / Last Time Boogie

グラムロック研究家として執筆活動も盛んに行っているTsuneglam Sam率いるグラムロックバンドのこちらも初アナログ作品。ジャケットは新品ながら中古盤の風格のあるダメージ加工風のデザイン。
ゲイリー・グリッター風の「ドッドタッタ」ドラムからはじまるT・レックス風のブギーという、これぞグラムロック! な必殺ナンバーを収録。録音はパブ・ロック・バンド、ザ・ニートビーツのPANが運営する〈Grand-Frog Studio〉自慢のアナログ機材を駆使して行われた堂々のヴィンテージ・サウンド。
現在、欧米のアンダーグラウンド・パンク・シーンではグラムロックのテイストを取り入れたパワーポップ・バンドがけっこう出てきているのでちょこちょこチェックしているのだが、彼らのオリジナル・グラムロックに対する強いこだわりと探究心はちょっと群を抜いている。
The C-3’s / Wild Wind ep

四日市で〈Vortex〉というパンク・スペース(1階がショップ、2階がライヴ・スペースになっている。インドネシアのMarjinalも日本ツアーの際に立ち寄るなど、中京地区のパンク・シーンでは重要な拠点)を運営するメンバーによる女性3人組。サウンド、歌詞ともにPoinson Girlsあたりの〈Crass Records〉周辺バンドを思わせる力強いポスト・パンク。
Boys Order / Tomorrow Dancing

ガールズ・ガレージ/パワーポップ・バンドのPramathで知られる「関西パンク・クイーン」チヒロ・イサドラをフロントに擁するパワーポップ・バンド。2011年のデビューEPにつづく初7インチ。A面はジューシィフルーツなんかを思わせるダンサブルなニューウェーヴ・ポップ。B面はちょっとゴツゴツしたギターリフから煌びやかなシンセの乗ったBメロに展開したと思うと高速で畳み掛けるサビに突入、最後にガレージ/サーフ系のかっこいいリフが出て来たなと思うとバツっと終わるという目まぐるしくもキラキラしたパワーポップ。
碧衣スイミング
ついでにおもしろいライヴ・アクトも合わせていくつか紹介しよう。まずは札幌で角煮という奇っ怪な女性ニューウェイヴ・バンドを経て現在は東京に拠点を移して活動する女性シンガーの碧衣スイミング。カシオトーンの弾き語りで「わたしは中腰でスパゲティを食べてみたい」(“中腰スパゲティ”)「告白されて、激怒したー」(“告白されて”などなど強烈に歌詞が耳に残り、一度聞いたらしばらく頭の中で鳴り止まない。個人的にはJON(犬)以来の衝撃である。
ソロではこれまで3枚のCD-Rをリリースしているが、『クール・ポップ』『アンバランス上等』『誰も見てない舞台でオールナイト』といったタイトルからもそのパンク精神がうかがえるだろう。
現在は半額という2人組シンセ・パンク・バンドでも活動しており、やはりCD-Rを1枚リリースしている。
その他の短編ズ
もともとソロで弾き語りによる活動していた森脇ひとみと、別バンドRMでも活動する板村瞳の2人組。基本的にはアコースティック・ギターとキーボードを用いた囁くような弾き語りだが、演劇的な部分もあればB-Boyへの憧れを歌い上げたラップもある。
後述するMCビル風の主宰するパーティ〈HOMEWORK〉に出演、対バンのERAなどを見に来たとおぼしき(想像ですけど)B-Boyたちのハートを鷲摑みにしてCD-Rが飛ぶように売れていたのが印象的。これまでに3枚のCD-Rアルバムを発表、最新作『3』は限定50枚だがbandcampでも購入可能。
MCビル風
ロードサイド感あふれるリアルでしょぼくれた日常を描いたリリックと熱いライヴ・パフォーマンス、そしてちょっとほろっとくるような叙情性はイルリメに通じるものも感じさせる若手ラッパー(そんなに若くもないかも……)。
南池袋〈ミュージックオルグ〉を拠点にオーセンティックなヒップホップとジャンクなオルタナティヴ・ミュージックを横断する意欲的な自主企画〈HOMEWORK〉を精力的に続けているのだが、これがまた毎回間違いない素晴らしい内容なので要注目。










アルカ(ARCA)ことアレハンドロ・ゲルシ(Alejandro Ghersi)はベネズエラ出身の24歳。現在はロンドン在住。2012年にNYのレーベルUNOよりリリースされた『Baron Libre』、『Stretch 1』と『Stretch 2』のEP三部作、2013年に自主リリースされたミックステープ『&&&&&』は、世界中で話題となる。2013年、カニエ・ウェストの『イールズ』に5曲参加(プロデュース:4曲 / プログラミング:1曲)。またアルカのヴィジュアル面は全てヴィジュアル・コラボレーターのジェシー・カンダによるもので、2013年、MoMA現代美術館でのアルカの『&&&&&』を映像化した作品上映は大きな話題を呼んだ。FKAツイッグスのプロデューサーとしても名高く、『EP2』(2013年)、デビュー・アルバム『LP1』(2014年)をプロデュース、またそのヴィジュアルをジェシー・カンダが担当した。2014年、契約争奪戦の上MUTEと契約し、10月デビュー・アルバム『ゼン』 (“Xen”)をリリース。
スティールパンの光の音! 太陽の様なサウンド! 夏を呼び込むダブ・パラダイス!
永積 崇(1974年11月27日、東京生まれ)。
1957年、北海道・札幌市生まれ。80年代から90年代初頭に掛けて”TOMATOS”のリーダーとして活躍。メンバーには、じゃがたらのNABE CHANG(Bass)、EBBY(Guitar)やミュート・ビートの松永孝義(Bass)、今井秀行(Drums)らが在籍。TOMATOSは、80年代にじゃがたら、ミュート・ビート、S-KENと共にTokyo Soy Souceというライブ・イベントを企画、シリーズ化して、それまでの日本のロックとはまた違った新たな音楽シーンを作った。彼らの活動がベースにあった上で、後にリトル・テンポやフィッシュマンズが生まれたといっても過言ではない。又88年には、スカの創始者ローランド・アルフォンの初来日公演 "Roland Alphonso meets Mute Beat"でサポート・ギタリストとして参加、後世に語り継がれる感動のライブとなった。その後、ローランド・アルフォンとは2枚のアルバム『ROLAND ALPHONSO meets GOOD BAITES with ピアニカ前田 at WACKIES NEW JERSEY』、『Summer Place』を一緒に作り、リリースした。
1990年代から関西で音楽のキャリアをスタート。京都のFUNKバンド"UNIT-4"、大阪のオーセンティックSKAバンド "DETERMINATIONS"のトランペッター、DUBバンド"BUSH OF GHOSTS"のリーダーを経てソロ活動を開始。また、キーボード奏者YOSSYとのYOSSY LITTLE NOISE WEAVERも始動。RICO RODRIGUEZ、EDDIE TANTAN HORNTON、Cool Wise Man、U-ROY 、STRANGER COLE、LITTLE TEMPO、PRINCE BUSTER、DENNIS BOVEL、mama!milk、ハナレグミ、CARAVANなど多くの音楽家と共演、サポート。
レゲエのフィールドを中心に数多くのライブ、レコーディング・セッションに参加しているサキソフォン&フルート奏者。2012年リリースのファースト・アルバム「西内徹バンド」につづき、今年はそのダブ盤、「西内徹DUB」をリリース。合言葉は「やまんです!」


