「K Á R Y Y N」と一致するもの

interview with Jesse Ruins - ele-king


ジェシー・ルインズ
A Film

Lefse Records / Pヴァイン/ Tugboat Records

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 「日本人ということはわかっているが、 女の子か男の子かは定かではない。ただ、彼らの音楽は圧倒的に素晴らしい」──『ガーディアン』はジェシー・ルインズのデビューにそのような賛辞を送っている。同紙いわく「性のサインを持たない、不定形で、中性的な音楽」、ゆらめくジェンダー、そのドリーム・ポップは、想像癖のあるリスナーの関心を集めている。
 顔の見えない男女の写真もミステリアスなイメージを膨らませた。彼らは東京にこだわってはいるが、トゥーマッチな情報世界からは静かに身を引いている。いまごろはモノレールに揺られながら夕日を眺めていることだろう。ちょっとしたファンタジーだ。言葉を主張しない歌が、黄昏に響く。

 以下のインタヴューを読めば、チルウェイヴとは何だったのかがよくわかる。その正体、その真の姿、それはブロガー文化が最初に純粋な高まりを見せた2009年の、ほとんど瞬間的に成立したデジタル民主主義がもたらしたひとつの成果だった。ジェシー・ルインズはその恩恵を受けた日本人のひとりである。
 僕がジェシー・ルインズを好きな理由のひとつは、彼らがインディ・シーンの動きに敏感で、自分たちでもDIYでやっているところにある。
 彼らは、とくにUSのインディ・シーンに触発されている。3年前はチルウェイヴにどっぷりハマって、そしていまがある。彼らはそういう自分たちの経験や気持ちを決して隠さず、いつでもざっくばらんに話してくれる。ジェシー・ルインズが生まれる土台となった〈コズ・ミー・ペイン〉は、カセットテープとアナログ盤しか出さない。日本では、おそらくその手では、唯一のレーベルだ。

 ジェシー・ルインズは、2011年に〈コズ・ミー・ペイン〉からカセット作品を出すと、2011年12月、ロンドンの〈ダブル・デニム〉から7インチ、2012年にはブルックリンの〈キャプチャード・トラックス〉からミニ・アルバム「ドリーム・アナライシス」をリリースしている。
 このたび、西海岸の〈レフス〉から出る『ア・フィルム』が正式なファースト・アルバムというわけだ。バンドのメンバーはサクマ(Nobuyuki Sakuma)、ヨッケ(YYOKKE)、ナー(Nah)の3人だが、ほとんどはサクマがコントロールしている。

 3人は、物静かで、シャイだが、わりと気さくな人たちである。週末の夜、下北沢のレコード店で待ち合わせをした我々は、店を出ると人通りの少ない通りの、若者で賑わっている値段の安いカフェに入った。生ビールを注文して、それからスパゲッティー、フラインドポテト......。

「Gorilla vs Bear」という『ピッチフォーク』の次ぐらいに影響力があったサイトでしたね。最初は〈フォレスト・ファミリー〉から連絡がありましたね。「すぐに出したい」って。多いときは毎週違うレーベルからオファーが来てました。毎日違う話が来るので、ジェシー・ルインズのメールアドレスを載せるのは止めましたね。

ジェシー・ルインズはどうやって結成されたの?

ヨッケ:もともとは完全に佐久間君のソロでしたね。〈コズ・ミー・ペイン〉を立ち上げたときに、ファロン・スクエア(Faron Square)、エープス(AAPS)、そして、佐久間君のナイツ(Nites)があったんですね。最初はその3組でスプリットを作ろうと思ったんですけど、それでは面白くないからコンピレーションにしようと。でも、コンピレーションを作るには曲数が足りない。で、それぞれがソロを作れば2倍になるから、なんとかなるだろうと(笑)。

はははは、その話憶えているよ。

ヨッケ:そのときに佐久間がジェシー・ルインズという名義を作ったんです。そのときは......、なんて言うんだろう、アンビエント、ドローンじゃないけど、ディスコ・パンクも混じって、雑多なものでしたね。

いま流行のインダストリアル調な感じもあったよね。

サクマ:最初は、別名義の名前を考えただけで、インダストリアルもそんなに意識してないけど、作ったらあんな感じなったんです。

"If Your Funk"という曲ですね。

サクマ:メロディもなにもない曲ですよね。

サクマ君のなかには新しいアイデアがあったの?

サクマ:いや、何もない。ただ、コンピのために名前を作っただけ。どちらの曲もナイツ名義で良かったんです。コンピのときは、名前を考えただけです。

『CUZ ME PAIN COMPILATION #1』だよね。

サクマ:はい。2010年ですね。

ヨッケ:6月? 8月? 夏ぐらいだったよね。

サクマ:2010年の年末に、ザ・ビューティとスプリットでカセットを出そうとなって、「じゃあ、ジェシー・ルインズでやろうかな」と。ザ・ビューティにとってもそのときのメインは、ファロン・スクエアだったんですね。その次にアトラス・ヤング名義でもやってて......ややこしいんですけど、ザ・ビューティという名義は優先順位で言えば、いちばん下だったんですよね。僕は、ナイツ名義だったから。だから、自分たちのメインではない名義で何かをやろうという、単純な発想ですね。俺はその頃は、DJやるのもナイツ名義だったし。

なるほど。

サクマ:で、そのカセットを出したのが2011年の1月だったんです。それを瀧見(憲司)さんが買って、そこからザ・ビューティが出てくる。そのあと、僕も、春ぐらいかな、"ドリーム・アナライシス"という曲を作って、それが「Gorilla vs Bear」とか、海外のサイトに載って、そこからですね、海外のレーベルからオファーがやたらたくさん来るようになったのは。

どうして載ったんですか?

サクマ:僕が送ったんです。「Gorilla vs Bear」に。mp3のサイトで、〈フォレスト・ファミリー〉というレーベルもやっているんですけど、そのときは『ピッチフォーク』の次ぐらいに影響力があったサイトでしたね。テニスを発掘したのもそのレーベルでした。最初は、〈フォレスト・ファミリー〉から連絡がありましたね。「すぐに出したい」って。それから、多いときは毎週違うレーベルからオファーが来てました。

それはすごいね(笑)。

サクマ:すごかったですね。毎日違う話が来るので、ジェシー・ルインズのメールアドレスを載せるのは止めましたね。それで、〈レフス(Lefse)〉からアルバムを出したいというオファーをもらったんですけど、曲数がぜんぜんなかったので、「いますぐに出せない」と言ったら「マネジメントをやりたい」と言われて。海外事情もわからないので、手助けしてもらえたら嬉しいということで、マネジメント契約を交わしました。UKの〈ダブル・デニム〉から7インチを出すのはそのあとですね。

そのEP、「A Bookshelf Sinks Into The Sand / In Icarus」が出たのは?

サクマ:2011年の12月です。

そのときに『ガーディアン』が新人コーナーで取りあげたんだ。

サクマ:ちょうどリリースのときですね。〈ダブル・デニム〉の人から「来週ぐらいに『ガーディアン』に載るから」って言われて。

あれはびっくりしたよね。あのアー写が良かった。NAHちゃんも格好良かったよ。

ナー:梅ヶ丘で撮ったヤツ(笑)?

顔が写ってないの。あれは想像力を掻き立てられるものがあったと思うよ。

サクマ:そこまで考えていないけど、そのときは顔は出さないほうが良いなとは思った。何人だってわからないほうが面白いだろうし、受け手に勝手に想像してほしかった。

ジェシー・ルインズという名前が良かったよね。音楽と合っているというか。女の子の名前でしょう?

サクマ:男の子の名前です。

ナー:女の子は、JESSIEなんです。

ああ、そうか。海外からのメールって、オファー以外ではどんなメールがあった?

ヨッケ:amazingが多かったよね。

サクマ:あとは、brilliantとか。そういう単純な感想ですね。でも、やっぱ、そういう感想よりも、業者みたいな人から「ツアーを組みたい」とか、「曲を使いたい」とか、それが異様に多かった。

ヨッケ:個人ブログへの掲載許可みたいな内容のメールも多かったよね。

それそれ、それがまさにチルウェイヴというムーヴメントの正体だよね。インディ・ミュージックをブログで紹介するということのピークがチルウェイヴだったんだよね。

サクマ:そうですよね。

ヨッケ:それは無茶苦茶あったと思います。

だから、コズ・ミー・ペインが日本のチルウェイヴの代表みたいな言い方は当たっているんだけど、それはどういう意味かと言うと、そうした、2010年ぐらいのインディとブログ文化との連動にアクセスしていたっていう意味で、チルウェイヴなんだよね。音楽性で言えば、ウォッシュト・アウトとコズ・ミー・ペインがそこまで重なっているとは思えないし......。そもそもサクマ君の音楽的なルーツって何なの?

サクマ:ハードコアや、ポスト・ロック。

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とにかく退廃的で、ずっと夕方みたいな感じの音楽をやろうと思ったんです。だから、描きたいのは、雰囲気ですね。


ジェシー・ルインズ
A Film

Lefse Records / Pヴァイン/ Tugboat Records

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自分の音楽制作に影響を与えたものってある?

サクマ:いまでも昔の音楽に影響を受けているわけではないんですよね。常に新しい音楽のほうが好きなんで、新しい音楽に影響受けてます。

音楽を意識的に聴きはじめた当時の影響は?

ヨッケ:それ、俺も知りたい(笑)。

サクマ:とくに何かひとつのアーティストがすごい好きだったという感じではないんですよね。あー、ジョン・オブ・アークは好きだった。シカゴ音響派は好きでした。20歳とか、大学時代でしたね。でも、いまもハードコアは聴いてます。高校生のときは好きだったから。

ヨッケ:コズ・ミー・ペインはみんな趣味がバラバラなんですよ。僕はアヴァランチーズが好きだった。レモン・ジェリーとか。サンプリング・ミュージックが好きでしたね。

ナー:私は、2004年~5年にイギリスに留学してたんですよね。

ま、まさかリバティーンズ・ギャルだった!?

ナー:その世代の後のもっとアングラなバンドばかり観ていました。ただ、私は、UKロックからの影響のほうが大きかったですね。日本に帰ってきたらは、どんどん古いほうに興味がいって、ゴシック・パンクとか、ポジパンとか......ヴァージン・プルーンズとか、80年代の音を探したり。

すごい(笑)!?

ナー:クリスチャン・デスとか。

はははは。

ヨッケ:ホント、みんな趣味が違っているんですよね。

UKから帰ってくると、何かやらなきゃっていう気になるよね(笑)。

ナー:ホントにそう。私も、帰ってすぐにイヴェントはじめた(笑)。

はははは。ところで、〈ダブル・デニム〉から出たときには、ジェシー・ルインズの音楽の方向性は固まっていたの?

サクマ:「Gorilla vs Bear」に音源を送ったときには、もう「これだ」という感触はありましたね。

〈ダブル・デニム〉の次は、2012年2月の〈キャプチャード・トラックス〉からの12インチ『ドリーム・アナライシス』だよね。

サクマ:〈ダブル・デニム〉からのリリース前に、〈キャプチャード・トラックス〉からオファーがあったんです。同時に3つのオファーがあったんですよね。そのなかで〈キャプチャード・トラックス〉はインディのレコードを買ってる人間からしたら特別なレーベルだったんです。

『ドリーム・アナライシス』のときはもう3人だった?

サクマ:ライヴは3人でした。ただ、ヨッケはまだサポートだったので、メンバーは最初は2人でしたけど。ライヴをやりたかったんですよね。

ナー:コズ・ミー・ペインが梅ヶ丘でやっていたパーティに友だちに連れて行かれたんですよね。それで知り合って。

サクマ:ナーは僕がこういう人がいいなって考えてた理想像に近い人だった。あと、メンバーにするなら、もともと友だちじゃないほうが良いなというのもあったんです。コズ・ミー・ペインの周辺じゃないところにいる人が良いと思っていた。

共通する趣味は何だったんですか?

サクマ:わからなかったですね。2~3回会ってから、誘った。

ヨッケ:2011年の夏前ぐらいだったね。

サクマ:初ライヴは2011年の12月でしたね。〈ダブル・デニム〉からシングルが出て、すぐぐらいでしたね。渋谷のラッシュというところでした。夏前から半年弱くらい3人でスタジオ入ってひたすら練習してました。

ヨッケはドラム経験者?

ヨッケ:いや、それが初めてでした(笑)。

サクマ:俺もぜんぜんバンド経験がなかったし、彼もドラム経験ないし、彼女だけがバンド経験があった。でも、彼女もヴォーカルは初めてだった。だからもう、素人バンド(笑)。

サクマ君とナーちゃんの2人で録音した最初の曲は何だったんですか?

ヨッケ:『CUZ ME PAIN compilation #2』の曲(Hera)じゃない?

サクマ:基本的には僕が曲を作っているんですが、一緒に作っているってことはないですね。曲を作って、ヴォーカルを入れてもらう。だから......これは言っていいのかな......。

ナー:はははは。

ヨッケ:ああ、そういうことか。

ええ、意味ありげな、なにが「そういうことか?」なの(笑)?

サクマ:どうしようかな......。

ナー:はははは。

サクマ:正直に話すと、彼女のヴォーカルを入れたのは今回のアルバムが初めてです。〈ダブル・デニム〉や〈キャプチャード・トラックス〉からの音源は、実は僕が曲も作ってヴォーカルをやって完パケまでやっている。女の人の声になっていますが、実は僕の声を加工して、編集したものなんです。ただ、そこをずっと隠していたんです。あたかも彼女が歌っているように。

『ガーディアン』でも「androgynous(中性的)」とか、「we have no idea whether Jesse Ruins is a boy or a girl(ジェシー・ルインズが男の子なのか女の子なのは我々は知らないが)」って紹介されていて、やっぱそこは、すごく引っかかるところだったんでしょうね。

サクマ:まあ、わかる人にはわかったと思いますけどね。ただ、その編集した声と、実際の彼女の声が似ているんですね。すごい偶然なんですけど。だから、ライヴを聴いている人には、本当に彼女が歌っていたんだと思っている人もいたと思います。

へー、面白い話だね。それでは、今回の『ア・フィルム』は3人のジェシー・ルインズにとっての最初の作品でもあるんだね。

ヨッケ:とはいえ、ほとんどがサクマ君が作っていますけどね。僕は録音を手伝ったり、1曲だけアレンジを担当して、マスタリングを手伝った。

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ぜんぜんバンド経験がなかったし、彼もドラム経験ないし、彼女だけがバンド経験があった。でも、彼女もヴォーカルは初めてだった。だからもう、素人バンド(笑)。


ジェシー・ルインズ
A Film

Lefse Records / Pヴァイン/ Tugboat Records

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ジェシー・ルインズが描きたいものは何でしょう? 何らかのムードやアトモスフィアを描きたいのかなと思っているんだけど。

サクマ:海外のサイトでは、よくM83と比較されるんですけど、好きですけど、ぜんぜん意識したことない。モデルにしているようなアーティストがいるわけでもないんです。最初のイメージとしてあったのは、ソフィア・コッポラの映画と『ツイン・ピークス』の雰囲気が混ざった感じでしたね。

ヨッケ:ソフィア・コッポラは音楽の使い方がうまいですからね。ニュー・オーダーとかストロークスとか。

エールとか?

サクマ:『ヴァージン・スーサイド』ってよく言われるけど、『ロスト・イン・トレンスレーション』です。「Gorilla vs Bear」に送った音源は、あの斜陽な感じと、それから『ツイン・ピークス』のダークな感じを出したくて作りましたね。

ヨッケ:インダストリアルなM83みたいなことを言われたんですけど、ニュー・オーダーの影響を受けているのがM83なんで。

ああ、そうか、ニュー・オーダーって映画から知っているんだね。

サクマ:とにかく退廃的で、ずっと夕方みたいな感じの音楽をやろうと思ったんです。

はははは。

サクマ:だから、描きたいのは、雰囲気ですね。

そうだよね。歌はあっても、言葉がないもんね。そこはすごく徹底しているというか。

ナー:ライヴをやっているときも、自分でも無茶苦茶エフェクトをかけていますからね。

アルバム最後の曲なんかは、ヴェルヴェットみたいだけど、もっと抽象的だよね。ああいう文学性はないしね。

サクマ:もともと歌い上げている音楽は好きじゃないんで。歌が中心にある音楽が好きじゃない。音が部分としてあるほう好きなんで。シンセと歌メロは同じなんです。

声も楽器のひとつという言い方は昔からあるんだけど、それとも違っているかなーと思うんだけど。あと、8ビートじゃない。ほとんど8ビートだよね。

サクマ:そこは気にしていない。わからないから。僕がそれしかできないってだけなんです。打ち込み能力がないんです(笑)。ただ、もし能力があったとしても複雑なことはやらないかと思いますね。

ニュー・オーダーの"ブルー・マンデー"よりもジョイ・ディヴィジョンのほうが好きなんでしょ?

サクマ:ああ、そうですね。僕はジョイ・ディヴィジョンのほうが好きです。意識してなかったけど。

ヨッケ:8ビートだから僕が叩けたっていうのもあるね(笑)。

はははは。

サクマ:中学生用のバンドスコアですね。

いま日本のロック・バンドって、なんであんなにみんなうまいの?

ヨッケ:真面目なんだと思います(笑)。ドラムは過去にやったことがまったくなくて、YMOの"CUE"という曲があるんですけど、最初はあの曲の坂本龍一の叩くストイックなドラムのコピーからはいりました(笑)。

ナー:初めて知りました(笑)。

はははは、練習した?

ヨッケ:練習はしませんでしたが、研究はしました。

サクマ:うまくなくても良いんですよ、僕は。自分たちがスタジオ・ミュージシャンみたいにうまかったら、面白くないと思うんです。

『ア・フィルム』というタイトルにしたのは?

サクマ:収録曲が、映画のタイトルや登場人物の役目などを文字って付けているんですよ。完全に自己満足の世界ですね(笑)。最初は、タイトルは「ジェシー・ルインズ」でいこうと思っていたんですけど。

それいいじゃん!

サクマ:でも、『ア・フィルム』のほうがリスナーが勝手に想像できるかなと。曲もそんな作り込んでないんです。もう、ばーっと作った感じ。作り込んでしまうのが嫌なんです。

ヨッケ:2ヶ月以内でぜんぶ作ってましたからね。

海外ツアーの予定は?

サクマ:今年はそれが目標ですね。『ドリーム・アナライシス』のとき、ツアーの話は2回くらいあったんですけど、中止になりましたから。アルバムが出るんで、今年はやりたいな。日本国内のツアーはします。

ライヴはいまのところ何本くらいやってるの

ヨッケ:20本ぐらいかな。多いときは月に2回はやっています。

サクマ:次のライヴでは4人組になるかもしれないね。

新メンバーが?

ヨッケ:ドラマーが入って、僕がギターその他を担当するっていう。

レーベル的には新しい動きはある?

ヨッケ:コズ・ミー・ペインの新しいコンピレーション、『#3』を出します。

良いですね。コズ・ミー・ペインは、さっきのチルウェイヴの話じゃないけど、ブログ文化で支えられながら、フィジカルではアナログ盤とカセットのみという、そこもチルウェイヴの人たちと同じだったよね。

ヨッケ:そこは自分もひとりのリスナーとして、そうでないと嬉しくないというか、残るものにしていというのがありましたね。ネット・レーベルが全盛ですけど、僕らがそれやったらすぐ終わっちゃう気がするんですよね(笑)。やっぱ、アナログやカセットみたいに、手間暇かけてやるからこそ、続ける気になるというか。そういうのが単純に好きなんです。

サクマ:お金ないんですけど(笑)。

ヨッケ:お金ないんですけど(笑)。

 サクマは、コールド・ネーム名義でも最近、カセット・レーベルの〈Living Tapes〉から作品を出したばかり。また、ジェシー・ルインズの視聴はココ→https://soundcloud.com/lefse-records/jesse-ruins-laura-is-fading

■5月26日『ア・フィルム』リリース記念のパーティがあります!5/26(sun) at 渋谷Home
Cuz Me Pain
-Jesse Ruins "A Film" Release Party-

OPEN 18:00予定

Live
Jesse Ruins
Naliza Moo
and more...

1 2

Chart - JET SET 2013.04.08 - ele-king

Shop Chart


1

Poolside - Only Everything (Scion Audio Visual)
アルバム『Pacific Standard Time』には未収録の2曲!!昨年夏にフリーデータ配信されていた大人気音源が10インチ・リリース。

2

Haim - Falling (Polydor)
人気爆裂L.a.3姉妹バンドのUkメジャー第2弾。オリジナルに加えて、Psychemagik、Duke Dumontによるリミックスも収録!!

3

Sign Of Four - Hammer, Anvil, Stirrup (Jazzman)
大人気Greg Foat Groupに続きJazzmanから登場した脅威の新人。電子音が飛び交うサイケデリック・ファンクからエレクトリック・サンバまで、凄すぎます!!

4

Suff Daddy x Ta-ku - Bricks & Mortar (Melting Pot Music)
Melting Potでも随一の人気を誇るSuff Daddyと、J Dilla追悼ビート集が話題を席巻/即完売も記憶に新しいオージー・ビートメイカーのTa-kuによる奇跡的コラボ!

5

Sweatson Klank - You, Me, Temporary (Project Mooncircle)
名門Alpha Pupからのリリースでもお馴染み、西海岸ビーツ・シーンのパイオニアTakeによるベース通過以降の新プロジェクトSweatson KlankがメガヒットEpに続く1st.アルバムを完成です!!

6

Tame Impala - Mind Mischief (Modular)
2012年ベストの声も高かった傑作アルバム『Lonerism』収録のドファンキー・サイケ・ポップを、DucktailsとFieldという間違いなしの2組がリミックス!!

7

Justin Timberlake - 20/20 Experience (Rca)
先行シングル"Suit & Tie"や"Mirror"が世界的なヒットを記録しているJustin Timberlakeですが、約7年ぶりとなるスタジオ・アルバムが遂にヴァイナルで登場! ※ゲートフォールド・ジャケット仕様。

8

Disclosure - White Noise Feat Alunageorge (Pmr)
ご存じ『Face Ep』と『Latch』が連発メガヒットしたベース・ハウス最強人気デュオDisclosureがなんと、Tri Angleの新星デュオAlunageorgeのAluna FrancisをFeatした話題盤です!

9

Owiny Sigoma Band - Power Punch (Brownswood)
Brownswoodからのハイブリッド・アフロ・プロジェクト!!高い評価を受けた2011年のファーストに続く2枚目のアルバムが到着です。

10

A Tribe Called Quest - Beats, Rhymes And Life -ア・トライブ・コールド・クエストの旅- (Transformer)
結成秘話から各メンバーの現在の心境まで綴った貴重な映像も多数含むB-boyのみならず全ミュージック・フリーク必携の1枚! セル版のみの豪華特典満載! 本編97min.+特典映像78分のフル・ボリューム映像作品!

DJ MASA a.k.a conomark - ele-king

これからもずっと好きであろうアルバムあげてみました。2013年もどうぞよろしくです!
twitter ID:conomark
Facebook ID:Masatake conomark Koike

all times best


1
Chico Hamilton - The Dealer - Impulse!

2
The Tony Williams Lifetime - Turn It Over - Polydor

3
Niagara - Niagara - Mig

4
Art Blakey - Holiday For Skins - Blue Note

5
V.A - The Garage Years - 99 Records

6
NEU! - NEU! - Gronland

7
Herbie Hancock - Dedication - CBS/SONY

8
The Watts 103rd Street Rhythm Band - In The Jungle Babe - Warner Bros

9
WAR - Young Blood - UA

10
Donny Hathaway - Live - Atco

DJ KAMATAN (PANGAEA) - ele-king

DJ schedule
4/6(土) @名古屋KalakutaDisco
4/13(土) @神戸 Bapple
5/3(祝) @仙台PANGAEA with Universal Indiann
5/25(土) @仙台PANGAEA with 山仁
6/5(水) @仙台 ADD
6/6(木) @江ノ島OPPA-LA with ラビラビ
6/8(土) @仙台 ADD
6/14(金) @仙台PANGAEA with DJ 光
6/29(土) @仙台PANGAEA with ラビラビ&ALTZ

仙台PANGAEA
https://pangaea-sendai.com
https://twitter.com/KAMATAN6
https://www.facebook.com/KAMATAN

本日のレコードバッグ(順不同)


 
Seekers International - The Call From Below - Digitalis

 
Ivano Tetelepta & Roger Gerressen - Floating Ep - Fasten Musique

 
Abdulla Rashim - Semien Terara - Abdulla Rashim Records

 
The Soft Walls - The Soft Walls - Tough Love

 
Lando Kal - Let You In The Sky - Icee Hot

 
Paul Woolford - Can't Do Without - Phonica

 
To Rococo Rot - He Loves Me(Four Tet Remix) - City Slang

 
Beat Conductor - I Can't Go For That - Spicy

 
Behling & Simpson - Where The Oh's - Apple Pips

 
Hollie Cook - Prince Fatty Presents Hollie Cook In Dub - Mr Bongo

Takako Minekawa & Dustin Wong - ele-king

「エフェクターの魔術師」なる『インフィニット・ラヴ』(2010)の秀逸な国内盤帯文を、多くの方が記憶しているのではないだろうか。元ポニーテールのダスティン・ウォングと、彼がファンであることを公言する嶺川貴子とのコラボ作品をご紹介しよう。カラフルで表情豊かな音色を持つウォングのギターと、透明感ある嶺川のヴォーカルが見事にはまったハッピー・エクスペリメンタル・ポップ。音といい世界観といい、コラボ作というにはあまりに息の合ったアーティスト同士であることがこのPVからも感じられる。ポニーテールの音色を穏やかにくすませたような内面的な響きは、ここに出てくる淡い色調にもよく反映されている。
 ふたりはこの5月に共作『トロピカル・サークル』をリリースするが、ジャケット等に使用されている絵も共作、このPVも彼らの手作りだという。嶺川のアルバム・リリースは『Maxi On』以来じつに13年ぶり。ウォングの繊細にして大胆な演奏のなかに嶺川の自然な呼吸が感じ取られる、新緑の季節にちょうど似つかわしい作品だ。

■リリース詳細
https://www.artuniongroup.co.jp/plancha/top/takako-dustin-toropical-circle/

Sam Lee - ele-king

 貧民街の公園というのは単なる空き地であることが多いため、ジプシーやトラヴェラーと呼ばれるキャラヴァン生活者の滞在地になりやすく、年に数回、うちの近所の公園もパイキーと呼ばれるアイリッシュ・トラヴェラーの方々に占拠される。
 で、数年前のクリスマスのことだ。ちょうどその時期、パイキーの方々が近所の公園に滞在しておられ、降誕祭の朝、カトリック教会のミサに大挙してやってきたのである。それでなくとも子沢山で大家族の彼らが一堂にやって来られたものだから、教会の椅子は足りない&彼らが貧民街在住者ですら気後れするようなタフでラフな雰囲気を漂わせておられるため、博愛なはずの教会でも明らかに歓迎されている風ではなかったが、彼らの方でもそれに慣れきっている様子で、ぞろりと教会後方の床の上に座っておられた。
 カトリックのミサには答唱詩篇という聖歌を歌う部分があり、それは平坦なメロディで何度も同じ祈りの文句を歌い倒す、というものなのだが、そこにさしかかったとき、聖堂の後方からこぶしの回ったバリトンで歌いあげるパイキーの男性たちの声が響いてきた。  
 あの大地の底から沸き上がってくるような答唱詩篇は、クラシック系の声で歌われる聖歌とはまったく別ものであった。一曲の聖歌の中で、クラシックとフォークがせめぎ合っているかのようだった。クラシック風の歌唱法をしているのが前方に座っている貧民街在住者たちで、後方から野太い民族歌謡の声を聞かせているのがトラヴェラーズ。という構図も面白かった。

           ************

 サム・リーは、英国内のイングリッシュ、アイリッシュ、スコティッシュ、ルーマニア系トラヴェラーのコミュニティに伝承されているバラッドのコレクターである。彼が自分の足でトラヴェラーの滞在地に出向いて行って、そこで代々歌い継がれて来た歌を学び、新たなアレンジを施して録音したものが『Ground of Its Own』だ。わたしはそれがとても好きだったので、昨年末、紙エレキングで個人的な2012年ベスト10アルバムを選んだとき、3位に入れた。で、そのアルバムが3月に日本でも発売されたというので、こうして再びしゃしゃり出て来たわけだが、このアルバムを初めて聴いたとき、これはマムフォード&サンズのアンチテーゼだと思った。昨今流行のポップなネオ・フォークに対する、「どうせやるならここまでやってみろ」という力強いステイトメントに聴こえたからだ。

 トラヴェラーズ。という英国社会における明らかな被差別対象の人びとが伝承してきた歌を集めてアルバムを作った、などというと、ちょっとプロテスト・ソングのかほりもするが、サム・リーはそんな直情的な意思は微塵も感じさせないほどアーティーでミニマルな民族音楽の世界を展開している。そもそも、フォークのくせにギターが使われていない。サム・リーは、ギター・ベースのフォークには探求できるものはもうほとんどないと考えているそうで、"TUNED TANK DRUM"とリストに書かれている打楽器や、ジューイッシュ・ハープ(彼はユダヤ系である)、フィドル、トランペット、電子楽器などを使用しており、ギグで日本の琴を使っているのを見たこともある。クラウトロックやアンビエントと比較されるようなアレンジが施された曲もあり("The Tan Yard Slide"の「電子と土とのせめぎ合い」みたいな静かな緊迫感と迫力は特筆に値する)、ジャズとジプシーの伝承音楽を融合させようとしているような曲もある("On Yonder Hill")。

 とはいえ、それらのインストルメンツやアレンジメントは、単なる脇役に過ぎない。
 ロンドン北部の裕福なユダヤ系家庭に生まれ、名門プライベート・スクールに通い、チェルシー・カレッジ・オブ・アートに進学した彼は、芸術系お坊ちゃまのルートを辿りながら、野生環境でのサヴァイヴァル術を教える講師となり、バーレスク・ダンサーとしても働いていたという。「乳首にタッセルを装着している女の子たちに囲まれ、楽屋のテーブルの下で昔の羊飼いたちが歌った曲を覚えていた」と『ガーディアン』紙に語った彼は、伝承歌を教わったというルーマニア系ジプシーの85歳の老女と共にインタヴューに応じており、老女が『Ground of Its Own』を「あなたの音楽」と呼ぶのを聞いて、「いや、あれは君たちの音楽だよ」と言い直している。
 人びとに避けられ、忌み嫌われてきたコミュニティの音楽が、ひとりのミドルクラスの青年の手によって蘇る。ということは、通常、この国のソシオ階級的なものを踏まえれば、あり得ないほど特異な話だ。しかし、それを可能にしたのは双方の音楽への情熱だろうし、その階級を超えたパッションこそが、このアルバムの真の主役だとわたしは思う。

Cosmopolis - ele-king

 アリエル・ピンクも大好きなデイヴィッド・クローネンバーグ監督の新作『コズモポリス』が面白い。今作はニューヨークはブロンクス生まれの小説家ドン・デリーロが、まるでその後起こる「リーマンショック」を予言していたかのように、2003年に発表した同名小説の映画化。デイヴィッド・クローネンバーグはこの原作に惚れ込み、わずか6日で脚本を書き上げたという。

 ロバート・パティンソン演じる主人公エリック・パッカーは、FXや株の投資で巨万の財を築いた人物。しかし、ある日突然世界的な金融恐慌が起こり、彼の持っているすべての資産は紙屑同然となってしまう。そんななか、それまでの因果が彼を襲い、数奇なエピソードが折り重なっていくなかでの主人公の葛藤が冷徹に重く描かれている。第65回カンヌ国際映画祭のコンペディション部門でパルムドールを最後まで競った作品だというのもうなづける。

 資本主義や格差に対する警鐘であり、また、その映像美も見事だが、私はもうひとつ別の観点からも面白かった。主人公は生活のほとんどが超高級リムジンのなかで完結する。仕事の指令からはじまり、睡眠、食事、排便、彼女とのSEX、医者の健康診断すらもすべてそのなかでおこなわれる。主人公のエリック・パッカーが何故そのような生活スタイルを選んだのか......。
 ヒキコモリや部屋から出ない若者が増えていると聞くが、クラブ人間としては、コミュニケーション文化に関する問題提起としても興味深い作品なのだ。いまクラブ・カルチャーは、オンラインの生活に慣れ親しんでる近年の若者にどんな「リア充」を提供することができるのだろう......。

 尚4月8日DOMMUNEにて『コズモポリス』封切り直前特別番組が決定。Broad DJには東京アンダーグランドを代表してMASA a.k.a. Conomarkが満を持してDOMMUNEに初登場。この日は3時間SETでタップリお届けします。
(五十嵐慎太郎)


『コズモポリス』
4/13(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他にて全国順次ロードショー!
(C)2012 COSMOPOLIS PRODUCTIONS INC. / ALFAMA FILMS PRODUCTION / FRANCE 2 CINEMA

監督・脚色:デイヴィッド・クローネンバーグ
原作:ドン・デリーロ「コズモポリス」(新潮文庫刊)
出演:ロバート・パティンソン、ジュリエット・ビノシュ、サラ・ガドン、マチュー・アマルリック、サマンサ・モートン、ポール・ジアマッティ

2012年/フランス=カナダ/カラー/ビスタサイズ/DCP/5.1ch/110分
原題:COSMOPOLIS/日本語字幕:松浦美奈/R?15
配給:ショウゲート/協力:松竹
配給協力・宣伝:ミラクルヴォイス
https://cosmopolis.jp/


4月8日 19:00~「コズモポリス」封切り直前特別配信 at DOMMUNE
「クローネンバーグが描く現代社会の末路」

TALK LIVE
柳下毅一郎/高橋ヨシキ/Ackky/DJ Hakka-K
Broad DJ
MASA a.k.a. Conomark (3 HOUR SET)
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Vol.7 『Dishonored』 - ele-king

 

 突然ですがみなさん、いま〈Looking Glass Studios〉が熱いです。と言っても何がなにやらわかりませんね。すみません、NaBaBaです。年度初めの今日このごろ、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 いきなりで失礼致しましたが、今回の連載は昨年から予告していた『Dishonored』のレヴューをついに行いたいと思います。〈Arkane Studios〉が開発したこのオリジナル新作は昨年遊んだ作品のなかでもとくに素晴らしいもので、ぜひ書こうと思いつつ延びに延びてこの時期になってしまいました。

 しかしいまこの時期となると、ゲーマーの間でいちばんの注目の的となっているのはやはり26日に発売された(国内では4月25日)『BioShock: Infinite』ではないでしょうか。現代のゲーム業界きっての名手、Ken Levine率いる〈Irrational Games〉が開発した同作の評判はすさまじいもので、海外ゲーム・レヴュー・サイト各所でも満点の続出で、「IGN」では「全てのジャンルを前に推し進める革新的な作品」と、異例の絶賛ぶりが披露されています。

 かくいう自分にとっても今年の一、二を争う期待作なのですが、じつはこの『BioShock: Infinite』と『Dishonored』はある種の兄弟関係にあることはご存知でしょうか。これら2作のそれぞれの開発スタジオは、どちらもあるひとつのスタジオから分離した会社なのです。

 その大元でいまや伝説となっているのが、冒頭で述べた〈Looking Glass Studios〉(以下LGS)。90年代に大活躍したこの技巧派のスタジオは、『Thief』や『System Shock 2』等のゲーム史に残る名作を数多く生み出し、後続に多大な影響を与えるとともに、多くの名クリエイターを輩出しました。

 たとえば連載第3回にご紹介した、『Deus Ex』を手掛けたWarren Spectorもそのひとりで、『Deus Ex』自体は〈Ion Storm〉という別スタジオが主導の作品ですが、『System Shock 2』のスタッフも多く出入りして開発されていたようで、〈LGS〉とは非常に深い関係にあったと言えるでしょう。

 しかしながら〈LGS〉は2000年に倒産しています。ではすでになきスタジオが何故いま熱いのか。それは〈LGS〉の遺伝子を受け継いだ人々が、近年各所で目覚ましい活躍を見せているからです。

 その先駆けとなったのが一昨年発売された『Deus Ex: Human Revolution』。開発した〈Eidos Montreal〉は〈LGS〉や初代『Deus Ex』の開発陣とは直接的な繋がりはありませんが、本作で確かな完成度を発揮し、シリーズのリブートを成功させました。

 また今年に入ってからは『BioShock』シリーズの前進である『System Shock 2』が、長きにわたる権利関係のゴタゴタによる販売凍結状態を乗り越え、遂に〈GOG.com〉で再販を果たし、さらに〈Eidos Montreal〉が今度は〈LGS〉のもうひとつの名作、『Thief』シリーズの9年ぶりの最新作を発表しています。

『System Shock 2』はKen Levineの実質デビュー作であり、後の〈LGS〉系作品の独特の自由度はこの作品で確立された。

 そしてもちろん忘れてはならないのが大本命の『BioShock: Infinite』と、今回主役の『Dishonored』です。〈Irrational Games〉と〈Arkane Studios〉はともに〈LGS〉から独立・派生したスタジオであり、比較的近い時期に両スタジオの作品が出揃ったのは、90年代来の洋ゲー・オタク的にはぐっと来るものがあるのです。熱い、これは熱いのですよ。

 こうした背景もあるので、当初は〈LGS〉を振り返りつつ、『Dishonored』と『BioShock: Infinite』の両方を同時にレヴューしようかとも思いましたが、ちょっと長くなりすぎるような気がしたのと、これを執筆している時点で『BioShock: Infinite』を遊ぶまでまだ少しかかりそうだったので、2回に分けて書いていきたいと思います。そういうわけで今回は『Dishonored』のレヴューです。

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■業界の異端児スタジオに多くの才能が集結した

 『Dishonored』はいまどきでは珍しい一人称視点のスニーク(隠密)アクション。女王殺害の冤罪を着せられた主人公が、自らを陥れた相手に復讐していくストーリーで、潜入からターゲットの暗殺に至るまでのアプローチの多彩さや、豊富なガジェットや特殊能力による自由度の高さが売りの作品です。

 開発した〈Arkane Studios〉は前述した通り〈LGS〉倒産後独立したスタジオのひとつで、これまで『Arx Fatalis』や『Dark Messiah: Might and Magic』等、〈LGS〉の名作『Ultima Underworld』の名残を感じさせるファンタジー作品を手掛けてきました。といっても両作品とも当時の主流からは外れたゲーム・デザインで、良く言えばユニーク、悪く言えば奇ゲーという評価が多数の、いまひとつマイナー・スタジオの域を出られていなかったように思えます。

 
『Dark Messiah: Might and Magic』は近接戦に力を入れたファンタジー作品で、そのノウハウは『Dishonored』にも生きている。

 『Dishonored』も、見た目やシステムの奇妙さがこれまでの〈Arkane Studios〉節を彷彿させ、発売直前まで一抹の不安があったのは事実です。しかし遊んでみると同スタジオらしさは良い方向に作用しているとともに、表面上の奇抜さに反して実際のゲーム・デザインは、〈LGS〉作品の持ち味をとても忠実に継承していると感じました。

 これは今回新たにプロジェクトに加わったViktor AntonovとHarvey Smith両氏の力が大きいのでしょう。

 Viktor Antonovは連載第1回でご紹介した『Half-Life 2』で特徴的なアートを手掛けた人物で、今回は氏の持ち味がさらに全面的に発揮されていますね。時代掛かったイギリス風の街並みに無機質な金属の構築物が埋め込まれたかのようなデザインは大変ユニークで、それに説得力をもたらす世界観の構築も非常に緻密。これまでの同スタジオの作品はもちろん、他の同時代のゲームも軽く凌駕するオリジナリティがある。ことアートワークに限って言えば、ここ4、5年でもトップクラスと断言出来ます。

 
骨組み剥き出しの建造物の数々が、作品に得も言われぬ威圧感を与えている。

 一方、本作のディレクターのHarvey Smithは、かつては〈LGS〉に在籍し、また『Deus Ex』ではプロデューサーを務めた人物で、本作のゲーム・デザインも彼の経歴がとても色濃く反映されています。
 それこそ遊んだときの第一印象、とりわけ問題解決のための手段の多さはすごく『Deus Ex』らしさを感じたし、豊富な超能力を駆使するところは『System Shock 2』や『BioShock』も想起させます。そしてダークな世界観や観視点でのスニーキングに主眼をおいたゲーム・デザインは『Thief』に通ずるものがある。

 実際のところ本作のゲーム・デザインの骨組みは、宝を盗むのがターゲットを暗殺することに替わっている以外は『Thief』にとても似通っています。むしろそうした骨子に適合する範囲で他の〈LGS〉系列のゲームのシステムや、その他諸々現代のトレンドを組み合わせたのが『Dishonored』とも言い換えられるでしょう。

■二つの方角から掘り下げられた自由度

 具体的に見ていくと、まずゲームはステージ性で、各ステージはターゲットの拠点とその周辺地域が舞台となり、その範囲内でプレイヤーは自由に歩きまわれるデザインです。ステージはとても複雑かつ立体的に構成されていて、主要な建物は内装がしっかり作りこまれている凝り具合。当然ターゲットのもとにたどり着くまでには無数のルートが存在し、どのように進めるかはプレイヤー次第となっています。

 このあたりの自由度はいかにも『Thief』や『Deus Ex』的と言え、自分の頭で考えて進むべき道を決めていけるのは楽しいし、ルートごとにしっかり差別化されつつゲームに破綻が生じないのは見事。『Deus Ex』のレヴューでも触れましたが、ゲームの自由度という点において即興性が重視されるようになった現代に、レベル・デザインの作り込みで遊ばせてくれる作品は希少です。

 逆に『Thief』や『Deus Ex』と違っていまどきのゲームらしいのは、ルートの多彩さが予めプレイヤーに開示されていることが多い点でしょう。どういうことかというと、本作では後述する特殊能力を駆使して屋根や屋上等高所を移動ルートとする機会が多いのですが、その高所は先の状況を一望できる絶好のポイントにもなるわけです。高所なら敵に見つかる心配がないので、安心してじっくり戦略を練ることができるというメリットもある。

 また市民の立ち話や拾った書類等に、秘密の部屋だとか警備が手薄な場所だとかの情報があると、自動的にジャーナルのリストに追加されます。いちいち覚えていなくてもジャーナルを見ればどんな攻め方が有効か一目瞭然で、これもまた選択肢をプレイヤーに開示している例のひとつでしょう。

 こういう親切設計はじつにいまどきのゲームらしく、『Deus Ex』当時ではあり得ないものですが、自由度の高さを楽しんでもらうための誘導としてよく機能しているシステムだと思います。

 
屋根に登って下を見下ろし、先へ進む戦略を考える。これが本作の基本だ。

 対してもうひとつの特徴である豊富なガジェットや超能力もよくできています。とりわけ超能力は『Deus Ex』のAugや『BioShock』のPlasmidを原型にしていると感じられますが、その種類は短い距離を瞬間移動するものから時を止めるもの、なかには周囲の小動物や人間に乗り移るもの等々、一見すると変てこなものも多いです。

 しかし実際に使ってみるとどの能力も意外なくらい使い勝手が良くて、たとえば瞬間移動は屋根から屋根、道なき道を進んでいく手段としてゲーム中もっとも重宝する他、敵の目前を気づかれずにすり抜けるのにも使えます。乗り移る能力であればネズミや魚に乗り移れば排水溝を伝って建物内に潜入できるし、ターゲットに乗り移れば人目のないところまで誘導してから暗殺するということも可能。

 
動物に乗り移れば不審がられることなく衛兵の横を通過できる。しかし足元に寄りすぎると踏まれるので注意。

 このように各能力は応用性が高く、プレイヤーの想像力次第でステルスから戦闘までいろいろな使い道が考えられます。これはレベル・デザインとは違いより即興的な自由度とも言え、その場の思いつきをその場で実験したくなる魅力がありますね。とくに戦闘時にこれは顕著で、瞬時の判断が求められる状況で創意工夫して敵を倒し弄ぶ楽しさは、『BioShock』もかくやと言わんばかり。

 こうした即興性は『Thief』や『Deus Ex』に欠けていた要素であり、逆に『BioShock』は即興性優先で、レベル・デザインの濃さは大分減退していました。『Dishonored』の優れているところはその両方を持っていることであり、〈LGS〉の系譜のさまざまな要素をまとめ上げた、これまでの総決算的な作品であると評価することが出できます。

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■「何でもできる」は良いことばかりではない

 さて、〈LGS〉の系譜の現代的復刻という点で思い出すのが『Deus Ex: Human Revolution』ですが、この作品と『Dishonored』は当然似ている部分がありつつも、根幹の方向性はやや異なっています。

 最大の違いは自由度の範囲で、『Deus Ex: Human Revolution』はオリジナルに比べ敵との戦闘に大きくフォーカスしていて、反面複雑・立体的なレベル・デザインは減退し、より直線的なゲーム進行になっていました。言ってしまえば普通のアクション・シューティングに近くなっていたと言えます。

 
『Deus Ex: Human Revolution』の戦闘重視のデザインは、これはこれでまた評価がわかれるところではある。

 対する『Dishonored』は自由度をかぎりなく拡張していく姿勢で作られており、その点をもって僕はこの作品は楽しめたわけですが、しかしこれは人によって評価が分かれるところだろうとも思うのです。

 本作はスニーク・アクションというジャンルではありますが、コソコソ隠れるだけでなく敵とガチンコで戦うことも可能で、なおかつその振れ幅も大きく、ひとりの敵にも見つからずにクリアすることができれば、正面玄関から殴りこんでの皆殺しも可能になっています。この手のゲームにしては主人公がかなり強いということもあり、本作のスニークというのは生存戦略上の必然というよりも、プレイヤーの好み次第という面が強いのです。

 しかし本作に限らずステルスも皆殺しも自由自在みたいなゲーム性は今世代のゲームではとてもよく聞く謳い文句のひとつなのですが、プレイ・スタイルをプレイヤーの好みに委ねている分、効率だけを追求されたら途端に味気ない遊びになる恐れや、どんなプレイ・スタイルでも遊べるということは、逆に何をやっても何とかなるという意味でもあり、全体的に緊張感が欠けてしまうという問題点が付きまとっています。

 本作もこの点を完全には払拭できていないのが残念なところで、無傷で手軽に進みたければ、屋上からペシペシ撃っていればそれでOKみたいな、身の蓋もない事態になる危険性は否定できません。自由度を高くしたがゆえの、楽勝な進め方が存在してしまっています。

 
ただ倒したいだけだったらピストルを何発も撃ちこめばいい。これもまた自由ではあるが味気ない。

 ただプレイヤー側が遊び方に明確な目的意識を持てば、それに見合った楽しさが返ってくるところに救いはある。敵にいちども見つからずに進めようと思ったらやはり相応の手応えは生じてくるし、なるべく多くの武器を使いこなして敵を殲滅してみようとすれば、こちらの戦術に柔軟に対応してくる敵の反応を見ることができるはずです。

 そういう意味では人を選ぶゲームであることには違いなく、おもしろさのポテンシャルは高いんですが、楽しみ方をわかってないとそれを十分に味わえない恐れがある。それに比べると『Deus Ex: Human Revolution』は、自由度が減退した分、遊び方は明快になっていて、どんな遊び方でも比較的一定のおもしろさや手応えが保障される面があるのは確か。

 だからと言ってどっちの方が優れているという話ではありませんが、少なくとも『Dishonored』を遊ぶ際は上記の点は予め留意しておいた方が、より楽しめるかと思います。

■まとめ

前述した〈LGS〉の系譜の総決算という言葉がふさわしい作品で、自由度の高さは近年では屈指のもの。〈LGS〉ファンはもちろん、自由度の高いゲームが好きな人や、ユニークな世界観が好きな人にピッタリの作品です。

逆にそれらが好きでない人には合わないゲームでもあり、また自由度が高いとは言え純粋なアクションやスニークと同等の面白さや緊張感を求めても期待外れになるでしょう。あくまでも自由度の高さを楽しみ、味わう作品だと思います。

 ここ半年で、レコード店の壁面は、「industrial / minimal」というタグのついたレコードで占拠されています。デザインを一新したリニューアル号のメイン特集は「新工業主義――ニュー・インダストリアル!――」。新作を出したばかりのオウテカの超ロング・インタヴューをはじめ、先日来日公演を終えたアンディ・ストット、そして音を聴いている限りでは、やばいBボーイだろうと思われていたものの、実際はとんでもない美形だったジャム・シティのインタヴューもあります!
 インダストリアル系の50枚以上のディスク・ガイドもありますが、これがなんと、最近出たばかりのDJノブのミックスCDの選曲とばっちり重なっておりました! なので、ノブのミックスCDを聴きながら読んでもらえれば、かなりスリリングなトリップを体験できるでしょう。

 そして、小特集は「乱世をいかに生きるか――よみがえる花田清輝」。
批評家・思想家として比類のない活躍と著作を遺し、強靭なユーモアとともに時代の「転形期」を生きた鬼才・花田清輝の魅力を掘り起こします!

 その他、フェミニャンの人生占いや人気沸騰中のceroのインタヴューなど、面白い記事満載なので、よろしくです。
 書店にないときは注文しましょう!! たのむよ。

 では、目次を大公開!!

〈フォト・ギャラリー〉
吉永マサユキ

〈特集〉
ニュー・インダストリアル

・オウテカ・インタヴュー 松村正人
・座談会「インダストリアル・ジャッジメント」 倉本諒/KEIHIN/松村正人/三田格
・アンディ・ストット・インタヴュー 野田努
・ジャム・シティ・インタヴュー 三田格
・ディスク・レヴュー60(アルバム編・シングル編・クラシック編) 倉本諒/野田努/松村正人/三田格/山崎真
・コラム 「ミニマル・ミーツ・インダストリアル」 山崎真
・EP-4 unit3 インタヴュー 松村正人/菊池良助

〈小特集〉
乱世をいかに生きるか――よみがえる花田清輝

・イントロダクション「絶望の淵からの挑戦状 その2」 野田努
・インタヴュー「花田の発見――上杉清文が語る花田清輝」 市原健太
・花田清輝の武器 水越真紀
・SY, MOR & HDKY ブレイディみかこ
・あらためて自意識の話をはじめるために #妄想 橋元優歩

〈EKジャーナル〉
Shing02 / MA1LL

〈TAL-KING〉

・Serph 橋元優歩
・AOKI takamasa×BUN×kyoka×マツナガ・コウヘイ special座談会 野田努/松村正人/小原泰広
・cero 竹内正太郎/小原泰広
・ヤマガタ・トゥイークスター 野田努/小原泰広

〈論考I〉八Oと九Oの緊張と弛緩 ばるぼら
〈no ele-king〉前野健太 磯部涼/小原泰広
〈連載まんが〉本日の鳩みくじ 西村ツチカ

〈カルチャーコラムEKかっとあっぷあっぷ〉

・「本とハコ」 湯浅学×直枝政広 松村正人
・映画 樋口泰人
・演劇 プルサーマル・フジコ
・アート 五所純子

〈連載コラム〉
・ネオ・ニヒリズム 粉川哲夫
・季刊・二木ジャーナル 二木信
・キャッチ&リリース tomad
・編年体ノイズ正史 ボルビトマグース T・美川
・ナポレオン通信 山本精一
・水玉対談 こだま和文×水越真紀
・〈特別企画〉フェミニャンの占星術ルーム
・ピーポー&メー 戸川純

〈新連載〉ネオ・グラフィズム MA1LL

〈表紙ウラ〉AOKI takamasa


DJ Rashad - ele-king

 インダストリアルとゴシックは、時代の変節点に起きたきしみという意味で同じカードの裏表だ。19世紀末、ロンドンの街にデパートが誕生し、オスカー・ワイルドが扇風機の音に心酔した時代に、ネオゴシックの画家は丘の上の古城を、闇夜を走る稲妻を、荒れ狂う海原を描いた。ダークなタッチに表出した近代的合理に対する違和感は、他方では、田園を賞揚したロマン主義とも、これまた同じカードの裏表と言える。で、いったい何枚のカードを用意するればいい。ひとつ言えるのは、時代の変節的を迎えている今日にも、似たようなことが起きていること。デジタル革命があり、だからインダストリアルとゴシック(ないしはアンビエント)は顕在化している。それらが、激動に対して、ある種のマゾヒスティックな反応を見せていると言えるなら、変化に対してサディスティックに反応しているのが、そう、シカゴのフットワーク/ジュークだと言えよう。

 DJラシャドは、この界隈では、少なく見積もっても2年前から騒がれていた逸材である。昨年も、ディスタルとの「Stuck Up Money」や配信のみの『Teklife Volume 1』、アジソン・グルーヴのリミックスやトラックスマンのアルバムへの参加など、何気に彼への期待を煽るような動きをしている。抜け目のないロンドンの〈ハイパーダブ〉からリリースされた4曲入りの2枚組12インチ「ローリン」は、そして、期待を裏切らないどころか、今年のベスト・トラック候補だ。"ローリン"が素晴らし過ぎる。
 ジェフ・ミルズは、いかにもポストモダンな情熱で、いまさら歴史を知る必要はないと言い張るが、どうだろう。"ローリン"からも、あるいは昨年の『ダ・マインド・オブ・トラックスマン』からも、そしてトラックスマンのDJプレイからも、歴史(シカゴ・ハウスとエレクロ)がビシビシ伝わってくる。鼓膜に新鮮な、このキックドラムの乱れ打ちが、ここ数年で生まれたものではないことを、とくにトラックスマンの音楽は主張しているように思う。ずっと続いているものであり、これからも続くものとして。"ローリン"は、DJダイアモンドよりもトラックスマンの側に位置づけられる。つまり、こいつは、切り刻まれ、さらにまた切り刻まれながら、しかし、ずば抜けてソウルフルなのだ。
 そして、"レット・イット・ゴー"、これはジャングルだ。90年代半ばの4ヒーローを思わせる色気と凄みがある。魂と攻撃のバランスが絶妙過ぎる。DJメニーとの共作"ドラムス・プリーズ"、これは壮絶なジャズだ。暴れまくるドラミングの叙情詩である。カール・クレイグの"マイ・マシーン"を、骨董品に追いやるほどの勢いだ。DJスピンとの"ブロークン・ハーテッド"、これはもう、そのままスティーヴィー・ワンダーのフットワーク・ヴァージョンである。ソウル・ソングの切ない響きの背後では、バタバタとせっかちな、紛れもないシカゴの若いリズムがファンキーに鳴り響いている。
 この先、ブラック・ミュージックとしての洗練が待っているのだろうか。しかし大切なのは、いつだって現在だ。たったいま、この瞬間、"ローリン"の輝きは圧倒的である。

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