「K Á R Y Y N」と一致するもの

K-the-I??? - ele-king

 マサチュセッツからL.A.に拠点を移し、前作から3年ぶりとなるケイ・ザ・アイ???ことキキ・シークのサード・ソロがリリースされた......のだけれども、いままで彼のことを知らなかった人には、むしろ、これまでの活動内容を教える気になれないない。それぐらい、彼のこれまでの作風からはかけ離れていて、一体、これはなんというジャンルに属するものなのだろうと考えてしまうほど新譜紹介の路頭に迷ってしまう。基本的には何かのムーヴメントに属している音楽が好きで、そのようにして想像界の奴隷と化していることにさしたる文句はないのだけれど、たまには作家性だけで音楽にやられてしまうことも悪くはないというか。とにかく、この、どこにも属さない楽しさは素晴らしい。

 ジ・オーブ風のふにゃふにゃとしたオープニングから、いまの季節にそぐわないガッシりとしたブレイクビーツにヘロヘロとインプロヴァイゼイションめいた無調のシンセサイザーが絡みつく。続く"もしも彼らを殴れないなら、彼らの仲間になれ"では一気にアブストラクな展開へと雪崩れ込み、"秋に近づかない"ではインダストリアル・ダブ・フォークをループさせ、激しいカット・アップの向こうからスカにヒップホップを混ぜ合わせたものが聴こえてくる(レゲトンとかダンスホールではない)。さらに"やる必要があってさえ?"ではトロピカル・タッチのインダストリアル・ブレイクビーツが後半から思いも寄らないムードのダブへと突入し、モンドを早回しにしているような"あなたは私を傷つける"や"サン・シャイン・オン・ミー"と、リズム・キープもどこへやら(ちゃんとしてますけどね)、そして、どこからともなく湧き上がってくる感慨を受けて、アンチコンからソールをフィーチャーして意外とまともなラップに聞こえる"サード・プラネット"へ。中盤の流れはどこか『ファンタズマ』を思い出すけれど......そう、このアルバムはアンダーグラウンド・ヒップホップの『ファンタズマ』と考えていいのではないだろうか。5秒ほど待ってみたけれど、どこからも反論がなかったので、そう認定してしまおう。ふはははは(©中村うさぎ)。

 後半は複雑なレイヤー構造から脱し、あくまでも打点の置き方を複雑怪奇にしたビート・フリークぶりを印象付けていく(とくにタイトル曲)。「社会的不適合」では、若干、初期の作風を思い出すものの、かつての自由度とは違う種類の自由を感じさせるところがあり、デビュー・アルバム『ブロークン・ラヴレター』(06)でたっぷりと聞かせてくれたジャズの再利用とはまったく違うところに関心が移っていることもよくわかる。また、エンディングに向かって曲の構造を単純にしていくことで、解放感を高めていくという意図も感じられ、実際、複雑に絡み合ったイメージを抜け切ったところでアルバムは終了する。とはいえ、そう簡単にすっきりさせてくれるわけでもない。『テルマ&ルイーズ』のように、気分が昂揚したところで、あえて結論が示されないまま途中で放り出される(これほど次にどんな音楽を聴こうか迷ったことはない)。

PS:......そうはいっても、このアルバムを聴いて、彼のこれまでの活動にも興味を持ってしまったという方には、〈マッシュ〉からのデビュー・アルバム『ブロークン・ラヴレター』とショートロックとのジョイント・アルバム『3・トゥ・3・ミリオン・ロボッツ・トゥ・コマンドー』(06)はお勧めしますが、セカンド・ソロにあたる『イエスタデイ、トゥデイ&トゥモロー』(08)はそれほどでもないので、どうしても気になる方はどーぞ。

Chart by STRADA RECORDS 2011.08.20 - ele-king

Shop Chart


1

QUASIMODE

QUASIMODE HI-TECH JAZZ FLOWER (JPN) »COMMENT GET MUSIC
Galaxy 2 Galaxyによるデトロイト・テクノの超名曲のジャズ・カヴァー!高揚感溢れるあの作品を生音全開のスリリングなジャズに落とし込んだ絶妙のアレンジ!ジャンルを超えてオススメできる1枚です

2

FEMI KUTI

FEMI KUTI POLITICS IN AFRICA UN-RESTRICTED ACCESS/SHELTER(US) »COMMENT GET MUSIC
Timmy Regisforが主宰するレーベルUn-Restricted Accessからの久々のリリースはFemi Kuti!パーカッシヴで太いトラックにギターやシンセ、そしてアフロなヴォーカル&コーラスが加わり渾然一体となった黒いグルーヴが圧巻!

3

GALAXY 2 GALAXY

GALAXY 2 GALAXY HI-TECH JAZZ UNDERGROUND RESISTANCE(US) »COMMENT GET MUSIC
UR最大のヒット曲にしてテクノの枠を超えた歴史的名曲、GALAXY 2 GALAXY名義の『HI-TECH JAZZ』!長い間絶版状態で入手困難な状態が続いていた93年リリースのオリジナル盤が、この度2枚組オリジナルから重要曲抜粋、MAD MIKE本人によるリマスタリングを経て、新ラベルで装いも新たにリイシュー!サックス・ソロが印象的なギャラクティック・テクノ『HI-TECHJAZZ』、JUAN ATKINSも参加している『RETURN OF THE DRAGONS』、フルート・ソロが美しいコズミック・フュージョン・テクノ『STAR SAILING』など珠玉の4曲を収録!全音楽ファンの外せない一枚です!

4

KERRI CHANDLER

KERRI CHANDLER INTERMEZZO EP MADHOUSE(US) »COMMENT GET MUSIC
KERRI CHANDLERが主宰する老舗レーベルMadhouseから自身によるEPが登場!男性の語り&女性コーラスがフィーチャーされたオールドスクール・スタイルなA1、壮大なシンセがケリチャン新展開を感じさせるA2&B1、そしていかにも彼らしい図太いトラックが印象的なインスト・チューンのB2と、クオリティー、バリエ共にバッチリな1枚です!

5

TEVO HOWARD

TEVO HOWARD THE DRUM MACHINE MAN TEVO HOWARD RECORDINGS(US) »COMMENT GET MUSIC
Buzzin' FlyやHour House Is Your Rush Records等からのリリースでお馴染みのシカゴのクリエイターTevo Howardが新たに自身のレーベルその名もTevo HowardRecordingsを設立し第1弾シングルをリリース!ディープでトリッピーなエレクトリック・ハウスのA1を筆頭にクオリティーの高い作品が計4曲収録されています!

6

VOLTA CAB

VOLTA CAB HARD TO FIND E.P. ISM(UK) »COMMENT GET MUSIC
良質レーベルApersonalからのリリースでも知られるロシアVolta Cabによる注目盤!リード・トラックとなるグルーヴィーなスロー・テンポの男性ヴォーカルもの「PlayOn」はB面にYam Who?によるリミックスも収録!このリミックスは太いビートとエネルギッシュなシンセでハウス・ピッチにアップデートされており、元々のダンス・クラシックっぽいテイストとハウスな要素が高次元で融合した極上な仕上がりです!

7

SIMONCINO

SIMONCINO THE WARRIOR DANCE PART ONE SKYLAX(FR) »COMMENT GET MUSIC
No More Hitsレーベルからも作品をリリースしていたイタリアのSimoncinoがSkylaxから12インチをリリース!もろ初期シカゴ・ハウスな音作り・・・なんですが、最近多いソレ風な作品の中でもこれはクオリティーがかなり高い!軽快でトロピカルなフレーズも心地良い要チェックの1枚です!

8

JULIUS PAPP & MR.V

JULIUS PAPP & MR.V CHICAGO TRIBUTE 2011 TRANSPORT(US) »COMMENT GET MUSIC
ご存知Julius PappとMr. Vによるコラボ!走ったトラックにオルガン系シンセのバッキングがカッコイJulius Papp Deep Variation mixが一押しです!

9

CHERYL LYNN

CHERYL LYNN YOU SAVED MY DAY COLUMBIA (US) »COMMENT GET MUSIC
オリジナルUS12インチはプロモ・オンリーで中古市場でもナカナカお目にかかれないレア・クラシックス2曲がカップリングされた奇跡の再発盤!どちらもイイ曲です!

10

BILLY FRAZIER

BILLY FRAZIER BILLY WHO? BILJUMA(UK) »COMMENT GET MUSIC
「House Legend」にも掲載されていたオリジナルはレアな人気ガラージ・クラシックがオリジナル仕様で再発!グルーヴィーなベース・ラインにムーディーなストリングスや女性コーラスが加わる永遠の名作!Larry LevanをはじめDavid MancusoもRonHardyもプレイ!

METAMORPHOSE 2011 - ele-king

 9月3日はメタモルフォーゼですね! 今年でもう12回目なんですね......すごいなー。
 メタモルフォーゼ......いまさら説明するまでもないけど、日本最大規模のオールナイトの野外フェスです。レイヴ・カルチャーの申し子として、DJの赤間マユリさんが2000年からはじまっているメタモルフォーゼ(メタモの愛称で語られている)は、出演者のメンツが幅広く、とにかく気の利いている。親分率いるギャラクシー2ギャラクシー、ムーディーマン、デリック・メイというデトロイトのビッグ3をはじめ、オービタルと808ステイトというUKテクノの大御所、ゴールド・パンダや2562のような新世代、それからカール・バルトス(元クラフトワーク)、UKエイジアンのタルヴィン・シン、あるいはサイケデリック・ロック・バンドのザ・フレミング・リップス......日本勢もオリジナル・レイヴ世代のダブ・スクワッドやQHEY、ヤマタカ・アイ、DJバク、七尾旅人、にせんねんもんだいなどなど本当に幅広く良いメンツが揃っているんです。
 実は僕は昨年も遊びに行っているんですが......出発直前までさんざんビールを飲み、車が山道で迷っているときに車酔いして、最初のデリック・メイのDJやマニュエル・ゲッチングのライヴは良かったのですが、X-102のハードコアなライヴでノックアウトされ、ぶっ倒れているところを友人に見つかり......、それからフラフラになりながらマイク・バンクスに会いに行って、そしてまたアルバム・リーフのライヴでぶっ倒れていたという哀れな思いをしているのです。ホントに素晴らしいフェスだっただけに、そんな自分が情けなくて......今年はまずはとにかく会場に着くまではアルコールを飲まずに体力を温存しようと決めているのであります。
 会場となる伊豆・修善寺にある「自転車の国 サイクルスポーツセンター」が安心して楽しめる場所であることも魅力ですね。入ったことないけど温泉もあるし......あれってどうなんでしょう。今年こそ挑戦してみようかな。

METAMORPHOSE 2011

METAMORPHOSE 2011

公演日:9月3日(土)
会場:自転車の国 サイクルスポーツセンター (静岡県伊豆市)
https://www.csc.or.jp/

OPEN/START:16:30/18:00 (4日午前9時 終了予定)

前売り一般入場券 (7月1日一斉発売) ¥12500
駐車券¥2500 バイク¥1000 
テント券 (規定枚数に達した為終了)


出演者:
THE FLAMING LIPS、ORBITAL, GALAXY 2 GALAXY, CUT CHEMIST, GALACTIC, 808 STATE, EBO TAYLOR AMND AFROBEAT ACADEMY, TIM DELUXE, STIEVIE SALAS and BERNARD FOWLER present the I.M.F's feat. Juan Alderetti and Jara Slapbak, MINILOGUE, GOLD PANDA, 2562, DERRICK MAY, MOODYMANN, TALVIN SINGH, KARL BARTOS, REGA, EYE, DUB SQUAD, DEEP COVER, 七尾旅人、にせんねんもんだい、DJ BAKU, QHEY, MAYURI

イベント問い合わせ
メタモルフォーゼ事務局  03-3429-7240 (平日13:00-18:00)

チケット問い合わせ
ディスクガレージ 03-5436-9600(平日12:00-19:00)

www.metamo.info

Haiiro De Rossi - ele-king

 僕が最初にハイイロ・デ・ロッシに深い関心を抱いたのは、彼が台湾系日本人のラッパー、タクマ・ザ・グレイトと昨年の11月28日にYouTubeにアップした「WE'RE THE SAME ASIAN」を聴いたときだった。尖閣諸島の領土問題に端を発した渋谷の反中国のデモにレスポンスしたこの曲は、いわばヒップホップ・アゲインスト・レイシズムだ。ラップ・ミュージックによる人種差別や排外主義への的確なカウンター・パンチだった。インターネット上のニュース・サイトのコメント欄は炎上した。しかし、彼らは音楽によってリスクを冒してでも議論の場を作ることに覚悟があった。詳しくは本サイトの彼のインタヴュー記事を読んで欲しい。東日本大震災が起きた翌日に「PRAY FOR JAPAN」という曲をいち早くYouTubeにアップしたのもハイイロ・デ・ロッシだった。

 言葉に重きがあるという意味において、一般的に日本語ラップは言葉が強い音楽だ。純粋に音だけを聴こうとすれば、相対的に国内外の他のジャンルより退屈だという意見もよく聞く。言わんとすることはわかる。実際に少なくないラッパーが「他のジャンルに音楽として舐められている」という思いを抱いていることも知っている。
 では、純粋に音を聴くとは何か? いまこの問いを掘り下げることは避けるが、音楽は音だけではないというのはもうひとつの真実である。グッチ・メインやリル・ウェインのミックステープは逮捕や釈放のニュースとともに届くし、NYのジェイ・Zや京都のアナーキーの地元意識は彼らの音楽を磨いている。ナズがオバマに向けた曲やシーダが日本を憂う曲に私たちは感動し、タイラー・ザ・クリエイターやメロウハイプの猟奇性と乾いたサウンドの秘密を読み解こうとする。ECDに至っては......(以下、省略)。
 ミュージシャンの人間性、背景や人生、あるいは思想や政治性も音楽文化の重要なファクターである。そもそもいまの日本でこれほど積極的に"社会に開かれた"音楽ジャンルが他にあるだろうか。それが日本語ラップの魅力でもある。ハイイロ・デ・ロッシのような勇敢な表現者が登場する音楽文化がこの国にも存在することを僕は嬉しく思う。

 「右翼だろうが、ギャングスタだろうが、オレはラップだったらやりますよ」。筆者のインタヴューにハイイロ・デ・ロッシはラップだったら誰とでも勝負すると語り、自分は音楽主義者であると強調した。本作『forte』に収められたミドル・テンポのファンク・トラック"Ultimate Arts"で、彼はこんなことをラップしている。「HustlerやPimp以外がProps得る方法を教えてやる/それはRap出来るか出来ないか」
 ファースト・アルバム『TRUE BLUES』を2008年に発表したとき、彼は流麗なジャジー・ヒップホップの上で巧みにラップするラッパーだった。音の隙間を縫うようにドリブルするフロウには、計算された美しさと華麗なフットワークがあった。件の取材でも彼はエミネムやタリブ・クウェリのラップのリズム分析を饒舌に語った。
 ファーストのスタイルを洗練させた2010年のセカンド・アルバム『SAME SAME BUT DIFFERENT』は、国内のインディ・ヒップホップを取り扱う恵比寿のレコード店〈we nod〉の2010年上半期ベスト・リリース20枚に選ばれた。エクシーがトラックを制作した表題曲を聴くと、「WE'RE THE SAME ASIAN」の伏線になっていたことに気づかされる。慈悲に溢れたこの曲は彼のキャリアにおいてもっとも重要な1曲に入るだろう。

 サード・アルバム『forte』は現在25歳のハイイロ・デ・ロッシの人間的成長と音楽的展開が落とし込まれる形となった。タイトルは自身が運営するインディ・レーベルからきている。Pigeondust、EeMu、HIMUKI、Legro、YAKKLE、JUELS、%Cといったトラックメイカーが参加している。
 ドラッグを否定する"Good Bye Kidz HipHop"や"夕陽が落ちて行く前に"のなかで歌われるナイーヴな態度に僕は馴染めない部分もあるけれど、深く傷ついた経験は人を過剰に防衛的にもする。これらの鬼気迫る感覚は、彼がハードな経験を乗り越えてきたことを思わせる。
 「ACID MDMA コカイン/オプションが無きゃ語れないPain/そんなに急いで何処へいくHipHop?/つきまとう暴力イリーガル/はく付けるよりスキル付ける」"Good Bye Kidz HipHop"
 印象でしかないが、例えばダンス・ミュージック・シーンよりヒップホップ・シーンのほうがネガティヴな形でドラッグや暴力の問題が噴出する場合が多いと感じる。ここまで言わせる現実があるのもまた事実なのだ。

 ハイイロ・デ・ロッシのラップは鋭く切れるペーパーナイフのようだ。繊細さと大胆さがあり、言葉の端々からは彼の野心が漲っている。タクマ・ザ・グレイトやバン、万寿といった彼らのクルー、BLUE BAGGY HOO RE:GUNZの仲間を迎えた"S.K.I.L.L.Z" で、下手なラッパーを蹴落とすかのように自分たちのラップの上手さを誇示している。ネプチューンズとJ・ディラの間を行くようなLegroの渋いトラックも面白い。
 Graceという女性シンガーをフィーチャーしたラヴ・ソング"Honey"はスウィートなソウル・ミュージックのサンプリングとチョップから構築されている。JUELS というLAのトラックメイカーによる1曲だ。また、"Blue Bird Classic"ではミニー・リパートン"インサイド・マイ・ラヴ"をサンプリングしているが、彼らはこの定番ネタの淡いピンク色とブルーを溶け合わすことで独自の色を出している。

 アルバムは全体的にメランコリックなトーンが強い。これまでにあまり見せることのなかったソウル・ミュージックの感性やBボーイらしいセルフ・ボースティング、攻撃性も聴くこともできる。また、慈悲というのは現在のハイイロ・デ・ロッシの主題かもしれない。いずれにせよ、「WE'RE THE SAME ASIAN」で脚光を浴びたラッパーの注目の新作である。

Chart by JET SET 2011.08.29 - ele-king

Shop Chart


1

DAVID WOODS

DAVID WOODS ON THE GREEN ALONE EP »COMMENT GET MUSIC
Running Backからの集大成的アルバム『Through the Green』も好評、カットアップ・ディスコ表現領域の先端を開拓中のEditainmentが送る最新7番。相変わらず、凄いです!!

2

SEAHAWKS

SEAHAWKS ANOTHER SUMMER WITH SEAHAWKS »COMMENT GET MUSIC
Seahawksの勢いはまだまだ留まることを知りません。今度は完全に夏を意識した極上トロピカル・ナンバーを収録した7"EPと7曲を収録したCDから成る限定500セットのパッケージです!!

3

TAL M. KLEIN

TAL M. KLEIN DEEP DARK PLACE »COMMENT GET MUSIC
Aniligital Musicの新作44番は、レーベル・オーナーTal M. Kleinによるディープ・アシッド・ハウスお勧め盤。Wolf Musicからのリエディット傑作をはじめ、"Kolour LTD"レーベル・コンピ4番においても素晴しい楽曲を披露した注目の逸材がリミキサー参戦。

4

FEMI KUTI

FEMI KUTI POLITICS IN AFRICA »COMMENT GET MUSIC
以前にもQuentin Harrisリミックスで"Traitors of Africa"がヒットしたアフロ・ビート後継者Femi Kutiですが、今度は'10年度アルバム『Africa for Africa』収録曲のシェルター・リミックスが登場です!!

5

NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS

NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS THE DEATH OF YOU AND ME »COMMENT GET MUSIC
10月リリース予定のアルバムに先駆けてのカット。自らの新レーベル、Sour Mashからの完全限定盤。B面はアルバム未収録ですので、絶対お見逃しなくー!!

6

MURO

MURO DIGGIN'HEAT REMASTER EDITION »COMMENT GET MUSIC
『Diggin'Ice』シリーズの復刻で、巷でにわかに期待されていた『Diggin'Heat』シリーズの復刻も遂に実現! 冬目がけて順次リリース予定とのこと。まずはこちらが一発目です!

7

UNDERGROUND RESISTANCE

UNDERGROUND RESISTANCE GALAXY 2 GALAXY »COMMENT GET MUSIC
9月3日のメタモルフォーゼ2011で再来日も決定!!デトロイトが誇る最強ユニット、Galaxy 2 Galxyによる傑作がリマスタリングで再発!!

8

GILLES PETERSON

GILLES PETERSON MASTERPIECE »COMMENT GET MUSIC
これまでFrancois K.等が担当して来た人気Mix CDシリーズ『Masterpiece』に、遂にジャイルスが登場。3つのテーマにそったジャンルレスな選曲を披露!!

9

PAUL WELLER

PAUL WELLER STARLITE »COMMENT GET MUSIC
80年代後半のStyle Council後期〜ソロ初期を思わせるシンセ・サウンドで込み上げソウル・フィールが大爆発するスーパー・ダンサブル・キラー!!

10

HONEY B'S

HONEY B'S WHAT LOVE CAN DO »COMMENT GET MUSIC
フィンランド最強のファンク/ソウル・レーベルTimmion、今回はモダン・ソウル〜ブギー・ディスコ・ファンも直撃のスピーディー&グルーヴィーな激レア最高曲を再発!!

Greg G (7even Recordings) - ele-king

1997年、フランス ナントにてラジオ番組運営やイベント・プロモーションをスタートさせると同時にジャングルDJとしてのキャリアをスタートさせたGreg G。フランスではUKアンダーグラウンド・ミュージックのパイオニアとしてドラムンベース、UKガラージ、ダブステップといった多種多様の音楽スタイルの発展に貢献してきた。2007年には盟友Synapticと共に今では伝説として語られるほどの高い人気を誇った "Basement Ltd." をパリにてスタートし、Malaを中心としたDMZクルー、Kode 9、Shackleton、DJ Pinch、Skreamらを初めてフランスに招く。翌年、自らが体験してきたフランスや日本のダブステップシーンを紹介していくことを目的にセルフレーベル [7even Recordings] を始動。F、Helixir、Likhan、Joaan、Enaらがタイトルに名を連ね、Ramadanman、Untold、Millieがリミックスを担当するなど、レーベルは発足間もなく、国際的な認知を獲得し、2009年1月に放送されたBBCラジオ1の "Mary Anne Hobbs' Experimental Show" にScubaが手掛ける [Hotflush Recordings] と共に [7even Recordings] がフィーチャーされ、その評価を確固たるものとした。Greg Gは新たなパートナーYusaku Shigeyasuと共に "Basement Ltd." を再始動。香港やバンコクにおいても精力的に活動を展開し、今もっともフレッシュなダブプレートとアンダーグラウンドミュージックを提供し続けている。


1
F - Full Throttle (forthcoming 7even Recordings)

2
JOAAN - Nocturnality (forthcoming 7even Recordings)

3
ENA - The Third Man (dub)

4
LIKHAN' - The Dawn (forthcoming 7even Recordings - free compilation project)

5
HELIXIR - Colly Dub (forthcoming 7even Recordings - free compilation project)

6
GOTH TRAD - Man In The Maze

7
MAKOTO - Different Rhythm (forthcoming 7even Recordings)

8
PANGAEA - Inna Daze (Hessle Audio)

9
JULIO BASHMORE - Battle For Middle You (PMR Records)

10
ZOMBY - A Devil Lay Here (4AD)

Chart by Underground Gallery 2011.08.27 - ele-king

Shop Chart


1

UNDERGROUND RESISTANCE

UNDERGROUND RESISTANCE Galaxy 2 Galaxy (UNDERGROUND RESISTANCE) »COMMENT GET MUSIC
テクノ / ダンスミュージックという枠を遥かに超え、もはやブラックミュージックの歴史を語る上でも外すことが出来ない重要クラシック作品として、世界中の音楽ファンに愛され続けているURの代表作「Galaxy 2 Galaxy」が、ラベルを新たにし、リマスタリングされ待望のリイシュー!1993年に12インチ2枚組としてリリースされていた作品の中から、重要作品4曲が抜粋され12インチ化! テクノだけに留まらず、世界中ハウス、ジャズファンをも虜にし続けているクラシック中のクラシック「Hi-Tech Jazz」、コズミックなシンセの響きと、エモーショナルなメロディーで銀河旅行を体感出来る「Return Of The Dragons」、RED PLANETのテクノクラシック「STARDANCE」同様のフランジング・シンセと、倍音の効いたシタールの旋律が響く、ネイティブ・アメリカンの血を引くMAD MIKEの母の影響の下、製作された「Astral Apache」、「Hi-Tech Jazz」路線を更に突き詰めたジャズ/フュージョン・トラックで、メロディックなフルート・ソロと大胆な展開で繰り広げられた、このレコードのハイライトともいえる名曲「Star Sailing」の4トラック!

2

DEEP SPACE ORCHESTRA

DEEP SPACE ORCHESTRA Ghetto Science Institute Ep (Use Of Weapons) »COMMENT GET MUSIC
早くも AME、UNABOMBERS、OOFT!、RED RECK'EM、LUKE SOLOMON、JAZZANOVAらがプレイ中の話題作がコレ!アシッド・ハウスマナーなリズムに、オールドな音色を奏でるヴィンテージシンセ、子供によるヴォイスサンプル、パーカッションなどを交えた「Ghetto Science Institute」は、B1の LARRY HEARDライクな アーリー・シカゴ・ハウス・スタイル NEVILLE WATSONによる極上リミックスとの 2ヴァージョン。A2には どこか幻想的なムードを醸し出す鍵盤の音色が◎な「Vanishing Point」は、B2で イタリアのハウスプロデューサー MARCELL NAPOLETANOのリミックスとの 2ヴァージョン。どれも良いですよ〜。

3

YURI SHULGIN

YURI SHULGIN Flow Ep (Ethereal Sound) »COMMENT GET MUSIC
[Black Sunshine Recordings]からMISTANOMISTA名義でリリースされた2作品が高く評価された、タジキスタン生まれ、ロシア在住、ベース / ギター/ キーボード を自在に操るマルチ・ジャズ・プレイヤーYURI SHULGINが本名名義では初となる12イ ンチをリリース! 「Detroit Session」「Another Day」の2作品で、その実力を決定づけたマルチ・ジャ ズ・プレイヤーMISTANOMISTA aka YURI SHULGINの新作!今回もMISTANOMISTA名義の昨 品同様に、自身がプレイする生楽器をふんだんに取り入れた、本格派ジャズ・ハウス を披露したオススメの一枚!MOODYMANNの作品を思わせるようなライブフィールなイン トロから、流れるような美しいピアノでスタートし、中盤からフリーキーなトランペッ ト・ソロでスリリングな展開を魅せたA1「Cinematic Brooklyn」、ビートダウン・マ ナーなミッド・テンポ・グルーヴで、ソウルフルにキメたB1「What A Track」、シカ ゴ・ハウス的なアルペジオ・フレーズをバックに、フュージョン・ライクなシンセ・ ソロを流れるように浮かばせたオールド・スクーリーなB2「Flow」の3トラック、全 て◎!!やはりこの人、只者ではありません...。今回も完璧!オススメです

4

PSYCHEMAGIK

PSYCHEMAGIK Feelin Love (Psychemagik) »COMMENT GET MUSIC
DAVID CROSBYの 1stソロアルバム収録作「Orlenans」を使用した「Valley Of Paradise」が大ヒットを記録した、UKの注目新鋭デュオ PSYCHEMAGIKが、自身主宰レーベルから2作目となる新作をリリース。今回は、グラミー賞を獲得したことでも知られる PAULA COLEによる 96年リリースのアルバム「This Fire」に収録された「Feelin Love」と HAROLD MELVIN & THE BLUE NOTESによる76年リリースのスウィート・フィリー・ソウル「Wake Up Everybody」を極上バレアリック・リエディット!!どちらも美し過ぎる響きを持った鍵盤、ストリングスらのダヴィーな音色がとにかく気持ち良過ぎ。今回も限定プレスでのリリースとなっていますので、絶対にお見逃しのないよう、お早めのチェックをオススメします。大・大・大推薦!

5

LOVEBIRDS

LOVEBIRDS Honeybadger Ep (Teardrops) »COMMENT GET MUSIC
LOVEBIRDS新作、かなり良いです!ビートダウンマナーなA1、Steve Reich「Electric counterpoint」ネタのアコギ・ミニマルのA2、FIRST CHOICEネタのB1など、全て◎![Freerange]や[Winding Road]といった、モダン・ハウス・レーベルからの作品群でも人気を博すSEBASTIAN DORINGによるプロジェクトLOVEBIRDSの新作が、バレアリック・シーンでも知名度が高まったきた[Teardrops]からリリース!3曲入りのシングルなのですが、全ての曲が◎!ビートダウン・マナーなコード・シンセと、ブギー・ディスコ・ライクなサンプルを散りばめたA1、STEVE REICHの名作「Electric Counterpoint」をサンプリングした、ミニマルなアコースティック・ギターのアルペジオを軸に展開されるモダンハウスのA2、RON HARDYクラシックとしてもお馴染み、FIRST CHOICE「Let No Man Put Asunder」のグルーヴィーなディスコ・ベースを使用したB1など、捨て曲無し!

6

SKIRT

SKIRT Itmuts Remix (Horizontal Ground) »COMMENT GET MUSIC
T++ aka TORSTEN PROFROCKリミックス! [Horizontal Ground]の新作。詳細不明ながら、確実なリリースが続く、UKのミニマル/テクノ・レーベル[Horizontal Ground]の新作は前作に続きSKIRTが登場!GASやENOばりのアンビエンス・テクノ「In The Meadow Under The Stars」を、元[Chain Reaction]の実力派、ドイツのビートサイエンティストTORSTEN PROFROCK aka T++がリミックスしたA1をプッシュ! 音響的な響きを効かせながら転がるように配置されたウワ音が、ダブステップ/UK G的、ビートに絡む、繊細さとダイナミズムが共存した、流石のリミックス!文句なし!

7

SASCHA DIVE

SASCHA DIVE Jam Sessions #1 Remixes (Deep Vibes) »COMMENT GET MUSIC
大ヒットを記録した SASCHA DIVEの1stアルバム「Restless Night」からの12"リミックスカット。手掛けるのは NY[Sole Channel]を主宰する ALIX ALVAREZとフランスの人気レーベル[Real Tone]オーナーのFRANCK ROGER。 ファンキーにうねるベースラインにアップリフティングにシンセとSEを絡め、盛り上げるALIX ALVAREZによるA1、御大FRANCK ROGERによるコズミカルな空間性のあるデトロイ ティッシュなグルーヴが気持ちイイA2、オリジナルのグルーヴ感を再抽出し更に一捻じり加えたツール・トラックB1もかなり使えそう!

8

NICOLAS JAAR

NICOLAS JAAR Nicolas Jaar Edits Vol 1 (White) »COMMENT GET MUSIC
昨年突如シーンに現れ、早くもRICARD VILLAROBOSの後継者と囁かれる ブルックリン在住の新鋭 NICOLAS JARRが、NEW ORDER、NINA SIMONEの楽曲をハウス・リエディット!昨年リリースされた数枚のシングル、そして1stアルバム「Space Is Only Noise」が大絶賛され、英・ガーディアン紙で、RICARDO VILLALOBOS/APHEX TWINと比較されるなど、今後の活躍が期待される大型新人、ブルックリン在住の現役大学生 NICHOLAS JARR新作!今回はN.W古典としても御馴染み、NEW ORDER「Blue Monday」を、ダヴィーなエフェクトやよりエッジを効かせたトビ感で展開させたA1と、NINA SIMONEの名作「Feelin Good」をダブっぽい質感のあるディープハウスへ再構築したA2の2作を収録。限定プロモリリースとなってますので、是非お早めに!

9

THE MOLE

THE MOLE Extended Hug Ep (Fur Trade) »COMMENT GET MUSIC
カナダのミニマル・ディスコ・マスターTHE MOLE、久々の新作が、独[Fur Trade]からリリース!やっぱりMOLEはカッコイイです!いやらしくしつこい反復と、もったりしたロウ・ベースが織りなす、粘りのあるグルーヴは、THE MOLEの真骨頂!ファンキーでアップリフティングなトラックから、高度感の低いミニマル・ハウスまで、3トラック、全て◎![Playhouse]のLOSOULの"アノ"感じにも似た、中毒性のあるB2のトラックが、個人的にはイチオシです!

10

MOD.CIVIL

MOD.CIVIL Funktionen (Part 2) (Ortloff) »COMMENT GET MUSIC
フロートする電子音が有機的なグルーヴを奏でるディープ・テック・ハウス! テクノ〜ハウスを横断するディープなスタイルで今注目を集めるドイツ発のアングラ・ユニットMOD.CIVIL新作!! 地元ライプチヒ[Ortloff]からの「Funktionen」シリーズ第二弾となる今作ですが、彼ら独特のアプローチが今回も炸裂しています!!クリアーな音像で太く腰を掴むグルーヴにデトロイティッシュなシンセワークを絡め展開していくA1「C-Funktion」、フリーキーかつメランコリックにうねるビートにアブストラクトなボイス・サンプルを重ね上昇していくロウなテンションが素晴らしいA2「D-Funktion」、夜の森を彷徨っているかのようなナイティーなシンセ・ワークと虫の声ライクな電子音の粒子がうねりながら展開していくエレクトリック・ディープ・ナンバーB2「F-Funktion」と極めて音楽性に富んだディープ・トラック計4曲!

Bushmind - ele-king

 いま日本にルードな音楽はあるのだろうか。何事にも屈したくはない町のちんぴらが楽しめるルードな音楽はどこにあるのだろう......。
 10代の頃、いっしょに遊んでいて楽しいのはちんぴらだった。彼らからは、ここにはとても書けないような楽しいことをずいぶんと教えてもらった。ザ・スペシャルズは町のちんぴらに共感するあまり、彼らの将来を案じた曲(まあ、カヴァー曲だが)、"ア・メッセージ・トゥ・ユー・ルーディ"でこう呼びかけている。「やんちゃばかりしないで、おまえは自分の将来を心配して生き方を変えたほうがいいぞ」
 が、しかし、いつの時代でもやんちゃな人間はいる。ちんぴらは、その嗅覚で彼らを受け入れてくれそうな場所をかぎ分けて、出入りする。僕は今年になって、近所のバーでひとりの若いちんぴらと知り合った。音楽が好きで、話せば気のよさそうに見えるところもあるが、目つきはかなり悪い。たまに近くの公園で会うと、軽い挨拶程度の会話をする。もしこんど会ったらこのアルバムを教えてあげよう。ブッシュマインドのセカンド・アルバム『グッド・デイズ・カミン』である。

 2007年の『ブライト・イン・タウン』は、いったい誰の作品なのかわからなくなるような、支離滅裂なまでにたくさんの人間が参加し、脈絡が不明なほど雑多な音楽性が並べられていたものだが、4年ぶりのセカンド・アルバムとなる『グッド・デイズ・カミン』は、これこそがブッシュマインドにとって本当のファーストなんじゃないかと思えるほど、アルバムらしいアルバムになっている。結束を固めたフットボール・チームのように参加者すべてがこのアルバムのいち部となっているように思える。
 『グッド・デイズ・カミン』はしかし、ルード(粗暴)な音ではない。禁欲的でもない。アルバムのタイトルとスリーヴ・アートが暗示するように、意外とも言えるほど滑らかで夢心地なチルアウト・ビートで統一されている。基本的にはヒップホップ・アルバムだが、はったりやお涙頂戴の湿っぽさ、ナルシズムや説教はない。それが彼らの流儀だと言わんばかりに、言葉でとくに何かを強く主張したいという感じではなく、どこまでも乾いたフィーリングがある。淡々としているようだがビートのアイデアは豊富で、ときにメロウで、陶酔を失わない。ウィズ・カリファとも似た......目つきの悪い町のちんぴらに笑顔をもたらしてくれそうなユーモアとグッド・フィーリングを持っている。
 Rockasenをフィーチャーした"Toilet MTG"は、さわやかなトラックのうえで少々ドジなストーンを実にコミカルに描いている。DUOがラップする"アスファルト"はユニークなビートを持った曲で、レゲエからの影響を感じる"no.03"、サックスのサンプリングをフィーチャーした"Blliliant"、まったくドリーミーな"10th & Wlof"、弦楽器のループがメロウに展開する"Archaeological Digging"のようなインストゥルメンタル曲も魅力的だ。なかには"G Dat E"のような4/4キックドラムを活かしたソウルフルなテクノ・トラックもある。少年Aによるラガマフィン調のラップをフィーチャーした"We Like A Sensi"は爆笑もので、CIAZOOがラップする"No Sleep Daydream"はブッシュマインドが目指すところのテクノとヒップホップとのサイケデリックな融合の試みが最大限に引き伸ばされている。

 僕のなかでこういう音楽は、ザ・クラッシュの"ルーディー・キャント・フェイル"をはじめ、ザ・スペシャルズやデキシード・ミッドナイト・ランナーズ、ポーグス、そしてザ・ストリーツのデビュー・アルバムに続くような、いわば不良のロマンティシズムの系譜として位置づけている。もしすべての人間がきっちりと規則を守っている社会があるとしたら、すべての学生や会社員が人から言われた通りにだけ動いたら、それは本当に心地よい場所と言えるのだろうか。そうした疑問が浮かぶとき、彼らは頼もしく思える。とはいえ僕は、くだんの若者にこんど会ったときにはダンディ・リヴィングストンが60年代に残したメッセージを最後に付け足すつもりではある。

World's End Girlfriend - ele-king

 このアルバムがリリースされた2000年は、エレクトロニカ/IDMと呼ばれる電子音楽が最初にもっとも幅を利かせていた時代だった。その年にリリースされたレディオヘッドの『キッドA』がまさにそのスタイルを取り入れたアルバムとして騒がれ、それまでもっともコアなテクノ・リスナーが何のサポートもなしに熱心に支持していたオウテカはいきなりポップのメインストリームへと接近した。エレクトロニカ/IDMのひとつの発信源となったのはフランクフルトの〈ミル・プラトー〉というレーベルで、いまではアルヴァ・ノトを見出したレーベルと言ったほうが通じるのだろうか、まあとにかく踊れないエレクトロニック・ミュージックを出しまくっていた。
 現代の大衆文化においてエレクトロニック・ミュージックの発展、とくに大衆化をうながしたのはダンス・ミュージックだった。踊っている連中にしてみれば、エレクトロニカ/IDMと呼ばれる電子音楽は、頭でっかちなスノッブ極まりない音楽に見えることもあったが、しかしそれは、時代の流れに即して言えば、現場で踊っているヤツこそ偉いという体育会系的な専制主義の罠にはまることなく、むしろ踊らないことの自由によって新たな第一歩を踏むことができた試みの系譜とも言える。エイフェックス・ツインやビョークといった連中は、へたすれば遊びも知らない大学院生御用達の音楽に聴こえかねないそれをポップのメインストリームで通用させ、コーネリアスはロック・サウンドにおいてもそれが応用できることを発見し、実践した。ワールズ・エンド・ガールフレンド(WEG)はこうした時代のなかで日本から登場した最初の大物だった。本作『エンディング・ストーリー』は2000年10月にリリースされた彼のデビュー・アルバムだが、長いあいだ廃盤だったそうで、今月の上旬にWEGが主宰する〈ヴァージン・バビロン〉レーベルから晴れて再発された。
 「なんか、ついに出てきちゃったという感じでしょうか」と、2000年11月に刊行された『ele-king』の最終号のレヴューのなかで三田格は書いている。「キッチュかつスピーディー、もしくはメランコリックかと思えばスラップスティックと、きわめてスキゾフレニックな音の配置や日本人離れしたメリハリの効かせ方(中略)。なんか、ついに出てきちゃったという感じでしょうか」
 ......と、こういう風に彼の文章を引用すると「自分の言葉で書けよ」と怒られるので、みなさんも気をつけたほうがいい。WEGはこのアルバムにおける自分の影響を、エイフェックス・ツイン、コーネリアス、フィッシュマンズの3つにあったとその当時に明かしているが、ポストモダンとしての『エンディング・ストーリー』にはもっと多くのテクスチャーがブレンドされている。小学生の頃はベートーヴェンが好きだったという彼のクラシック趣味はハーモニーやメロディに活かされ、アンビエント・ミュージックの温もりもダンスフロアの生き生きとした躍動感もある。ゴージャスなラウンジ・ミュージックめいた洒落気も、ドタバタ喜劇めいた演出も、こと細かでリズミカルなエディットも、どれもがいま聴いても心地よく、鼓膜を飽きさせることはない。コーネリアスが音世界を無邪気に楽しむように、『エンディング・ストーリー』にも無心に音に遊ぶことの面白さがたっぷりとある。
 しかし、『エンディング・ストーリー』、ひいてはWEGの音楽を特徴づけるのは、そうしたドライで緻密な展開の背後からときに噴出するエモーションにある。手品師がさんざん芸で沸かせておいた挙げ句に、ある瞬間にだけ人格が変わって、まるでハードコア・バンドが客席にツバを飛ばすような勢いで自らの感情を露わにする。まあ、しかしそれもほんのわずかな時間で、たいていの場合WEGは気品を失うことなく、優しく語りかけるような音楽を続ける。とくに『エンディング・ストーリー』は、その題名とは裏腹に、多くの場面でファンタジーを演じている。そして、そのなかには彼の豊かな感情表現が注がれている。それは、ワールズ・エンド・ガールフレンドや『エンディング・ストーリー』といった言葉に希望的観測への抵抗があるように、シンプルなレイヤーで解けるようなものではない。『エンディング・ストーリー』は確実に酔わせてくれるが、悪酔いするかもしれないアルバムでもある。

Chart by UNION 2011.08.24 - ele-king

Shop Chart


1

ANDRES

ANDRES Andres III MAHOGANI / US »COMMENT GET MUSIC
1stアルバムからの路線を行く哀愁漂うハウスチューン"Be Free Baby"は全編ジャズピアノ。そしてフリップサイドに刻まれた4トラックスはANDRESらしいタメの効いたビーツ。ハウスとヒップホップのヴァイヴのブレンド感は本作でも健在、煙で満たした涼しい部屋で延々と鳴らしていたい1枚。

2

RROSE VS BOB OSTERTAG

RROSE VS BOB OSTERTAG Motormouth Variations(+10") SANDWELL DISTRICT / UK »COMMENT GET MUSIC
SANDWELL DISTRICTレーベルから早くもNEW LPが登場!! 先頃12"をリリースしたばかりのRROSEと、RECRECやTZADIKなど前衛レーベルに数々の作品を残す実験音楽家・BOB OSTERTAGのコラボレーション作!深海を漂うようなディープな音響がすさまじいエクスペリメンタル・ミニマル! この10"付き限定盤は、既に世界的に数が少なくなっていますので、本当にお早めに!

3

MASANORI SUZUKI(鈴木雅尭)

MASANORI SUZUKI(鈴木雅尭) Premium Cuts #00 Classic Blend (Remaster Ver.) PREMIUM CUTS / JPN »COMMENT GET MUSIC
生音系MIXCDの代表格PREMIUM CUTSシリーズの原点となる初期ナンバーを集大成したまさにベスト・オブ・ベストな伝説の2枚組『#00』が、全面的にリマスタリングを施して限定再登場!めくるめくオルガンバー・クラシックスのすべてがここにある!! 中古市場でも枯渇状態が続きウォントの声が絶えなかった傑作、是非チェックを!

4

LITTLE DRAGON / WILDBIRDS & PIACEDRUMS

LITTLE DRAGON / WILDBIRDS & PIACEDRUMS Thunder Love/Fight For Me(Mario & Vidis Redo/Manuel Tur Remix,Dixon Edit) PHILOMENA / GER »COMMENT GET MUSIC
DIXONとAMEが運営するレーベルINNERVISIONS傘下、ごく限られたショップでしか入手できないシークレットレーベルPHILOMENAの第5弾!プレス数極少!ドイツ地下より密かにリリースされ、これまでにDIXON、AME、HENRIK SCHWARTZ、PRINS THOMASそしてMARCEL DETTMANNが携わってきたエディットレーベルPHILOMENA。本作ではサイドともスウェーデン産の楽曲をエディット!

5

DORIAN

DORIAN Studio Vacation (T-Shirts セット) FELICITY / JPN »COMMENT GET MUSIC
各方面で話題となった1stに続く待望のセカンドアルバム!様々なスタイルに80'sのマテリアルを散りばめ、独特のセンスで纏め上げた心地よくも踊れる一枚。こちらはディスクユニオン限定のTシャツ付きセットです。

6

CRO-MAGNON

CRO-MAGNON Joints EP 2 JAZZY SPORT / JPN »COMMENT GET MUSIC
ヴォーカリスト/MC12組とのコラボレーションで生まれたCRO-MAGNON初のヴォーカルCDアルバム『Joints』からの限定アナログEPが2タイトル同時リリース!!本作では七尾旅人、鎮座DOPENESS、GAGLEをフィーチャー!それぞれのインストももちろんカップリングしています!

7

MARCEL FENGLER

MARCEL FENGLER Berghain 05 OSTGUT TON / GER »COMMENT GET MUSIC
ベルリン最強レーベル・OSTGUT-TONのMIXシリーズ「BERGHAIN」の最新作は、MARCEL FENGLER!! LABYRINTHやFUTURE TERRORでの来日で圧倒的存在感を放つDJを披露した猛者が遂に! 恒例のEXCLUSIVEトラックも盛り込んだモダンテクノ決定盤!

8

永田一直

永田一直 Honcho Sound Vol.14 HONCHO SOUND / JPN »COMMENT GET MUSIC
ExT Recordingsを主催、これまでアンダーグラウンドでのみ手に入れられた数々のMIX-CDも話題の永田一直による「レ"ガ"エとダブ」ミックス最新作がHONCHO SOUNDよりリリース!昼夜問わずこの季節に鳴らしっぱなしOKなハマリ具合の全16曲!

9

FRAN-KEY

FRAN-KEY Summer134 VMP SOUNDS / JPN »COMMENT GET MUSIC
前作も大ヒットだったFRAN-KEYによる夏をテーマにしたミックスCD。夏になると必ず聴いてしまうクラシックスも、涼しげなビートもバッチリ詰込んでのスムースな展開。かつてのMIXテープ時代のような独特な空気感も漂う傑作!そしてこのプライスも嬉しいところ。

10

ANYTHING & SARCASTIC PRESENT....RUB N' TUG

ANYTHING & SARCASTIC PRESENT....RUB N' TUG La From New York ANYTHING & SARCASTIC / US »COMMENT GET MUSIC
!!DJ HARVEYとのMAP OF AFRICA等で活動を続けるTHOMAS BULLOCKとERIC DUNCANによるRUB N' TUGがプレイした、2/5にLAで開催されたPARTYを記念したメモリアル・アイテム!!aNYthing とSARCASTICがタッグを組み制作したT-SHIRTS & CDがリリース。8時間にわたるPARTYの同録を濃縮したCD。期待を裏切らない内容の作品!
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800