「K Á R Y Y N」と一致するもの

Chart by JET SET 2011.05.02 - ele-king

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1

THE MYTHICAL BEASTS

THE MYTHICAL BEASTS COMMUNICATE »COMMENT GET MUSIC
Gatto Frittoによるレーベル初のアルバム・リリースも大好評頂いた、トップ・バレアリック・レーベル"International Feel"より新作14番がデリバリーされました。Felix Dickinson a.k.a. Foolish Felix & Toby Tobiasのタッグ"The Mythical Beats"による2007年"Hector Works"からのリリース以来となる待望の新作です。

2

ANDRES

ANDRES AS WE ROCK ON »COMMENT GET MUSIC
毎度カルトな人気を誇るUSリエディット・レーベルWhatchawannadoのニュー・シリーズ"Spills"から、デトロイトを代表する漆黒サウンドで御馴染みのDez a.k.a. Andresによるシリーズ第一弾がデリバリーされました。

3

DONATO DOZZY

DONATO DOZZY IN BED (TIN MAN REMIX) »COMMENT GET MUSIC
Tin Manによるシリーズ1stでのウルトラ・ディープ・リミックスを経て、満を持しての登場となったDonato Dozzyによる待望の新作。Labyrinth 2010のために制作/録音されたSpaced Out Ambient Acid Tuneこと"In Bed"と、Tin Manによるディープ・アシッド・リミックスの2トラックスを収録。

4

CMT

CMT ZONAZONA »COMMENT GET MUSIC
今や週末には欠かせない存在となったCMTの新作は一筋縄では終わらないストーリー性豊かなミックス ! 2010年9月にBlack Smokerからリリースされた『Observacion Astronomica』とは大きく異なり、幅広いジャンルで構成された1枚。

5

COYOTE

COYOTE ALWAYS »COMMENT GET MUSIC
Is It Balearic?で御馴染みのCoyoteがNeedwantに参戦。International Feel発"Moving"でシーンに大いなる足跡を残した人気バレアリック・チームによる新作が、The Revengeによる"Just Be Good to Be"カヴァーがヒットのNeedwantから登場。

6

GRACEFUL EXIT

GRACEFUL EXIT REVOLVE DISCO »COMMENT GET MUSIC
天才Walter Jonesによる新ユニット、第1弾!!デトロイト・テクノを演ってたWalt J時代の作品も再発が進んできたWalter JonesがChas Bronzを始めとするサポート・ミュージシャンと結成した新ユニット、Graceful Exitの1st.シングルがDFAから登場。

7

CAURAL

CAURAL DIE BEFORE YOU DIE »COMMENT GET MUSIC
オランダのRush Hour系名門Eat Concreteからの限定10インチ。持ち前のメロディ・センスはそのまま、モダン・ビート・リサーチの最新成果も見事に取り込んだ最高の内容!!

8

BANDA ACHILIFUNK & ORIGINAL JAZZ ORQUESTRA TALLER DE MUSICS

BANDA ACHILIFUNK & ORIGINAL JAZZ ORQUESTRA TALLER DE MUSICS I BELIEVE IN MIRACLES »COMMENT GET MUSIC
I Believe in Miraclesと"Ain't No Stopping Us Now"をスパニッシュ~ルンバ・カヴァー!!話題沸騰中のアルバムから、Jackson SistersとMcfadden & Whiteheadの大クラシックのカヴァーがシングル・カット。しかも日本先行発売です!!

9

クボタタケシ

クボタタケシ CLASSICS 1~4 同時購入セット »COMMENT GET MUSIC
正真正銘のザ『クラシックス』。遂にあの伝説のミックステープ・シリーズが初 CD化!!ノベルティ・7インチ付きの4タイトル同時購入セットで す。'98年にス タートし、その後のオールジャンルDJ Mixの新しい扉を開いたミックステープ・ シリーズ『Classics』!!この度リマスタリングが施され念願の初CD化です。ジャ ケット・デザインはオ リジナル・カセット同様に光嶋崇氏が担当。』

10

OWINY SIGOMA BAND

OWINY SIGOMA BAND S.T. »COMMENT GET MUSIC
Brownswoodからのロンドン~ナイロビ混合プロジェクト。話題のアルバム到着しました!!特大推薦盤★瑞々しくオーセンティックな音楽性とモダンなエッセンスが自然体のまま溶け合った、まさに"Havana Culture"のアフリカ版と評されるに相応しい仕上がりです!!

Chart by JAPONICA 2011.05.02 - ele-king

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1

V.A.

V.A. GO BANG ELECTRIC MINDS / UK / 2011/4/24 »COMMENT GET MUSIC
ARTHUR RUSSELL率いるバンドDINOSAUR Lによる名曲"GO BANG"のRADIO SLAVEリミックスは原曲のカオスティック/サイケ・フュージョンなあの雰囲気を余すことなく封じ込めタイトなディスコ~四つ打ちグルーヴで纏め上げた 快作!ピッチを細工したヴォーカル・フレーズもこれはこれでピタリとハマってます。すごい!

2

STEVE REICH / KIRA NERIS

STEVE REICH / KIRA NERIS VAKULA REMIXES UNKNOWN [UK] / 2011/4/24 »COMMENT GET MUSIC
ミニマル・ミュージックの代表的作曲家、御大STEVE REICHによる直近アルバムに収録の独特すぎる"間"が印象的なエクスペリメンタル・ナンバー"2X5"をエレガントなハウス・グルーヴでリミックス! オリジナル・ヴァージョンの雰囲気を存分に落とし込んだフレーズの"ずれ"を存分に活かしたダンス・ミュージックの枠組を超越しうる傑作ワークス です!

3

MARC MAC PRESENTS VISIONEERS

MARC MAC PRESENTS VISIONEERS APACHE / SHAFT IN AFRICA (ADDIS) BBE [UK] / 2011/4/23 »COMMENT GET MUSIC
NAS"WORLD IS YOURS"、PHARCYDE"RUNNIN'"等ヒップホップ・クラシック中心としたジャズ・リメイクが多方面で話題となったMARC MAC(4 HERO)によるリメイク/カヴァー・プロジェクト=VISIONEERS、待望の新作は"APACHE"と"SHAFT IN AFRICA"というこれまたヒップホップの中枢的大ネタを大胆リメイク!もう多くを説明するまでもないですね。ベタですが、逆にこういうのって賞味期限 無でずっと使えます。限定盤。

4

P. ELADAN

P. ELADAN MONOCHORDIUM MUTING THE NOISE / GER / 2011/4/26 »COMMENT GET MUSIC
レーベル・サイトのみでしか入手不可であった<MUTING THE NOISE>限定盤が流通開始!こちら第1弾は詳細不明のP.ELADANなる人物による制作年代すら不詳という超オブスキュア・トラックの発掘(新録音 源??)。ガムラン調の鳴り物を下地に、微小なダブワイズと共に様々なSEを絡ませ緩急つけつつも延々とBPM110前後のプリミティヴな生ドラ ム・グルーヴが紡がれるドープネス・カルト・トラック。

5

RHYTHM OF ELEMENTS

RHYTHM OF ELEMENTS BEYOND REMIXES EP R2 / UK / 2011/4/23 »COMMENT GET MUSIC
DJ UCHIKAWAとピアニスト=MAKOTO KURIYAによる邦人ディープハウス・ユニットRHYTHM OF ELEMENTS、名門<R2>より来るリミックス・アルバムからの先行カットEP。ニュー・ジャズ~ハウス・シーンきっての引っ張りだこクリエイター AT JAZZ、大御所ALTON MILLERと期待通りのリミックス・ワークを披露する良質安心の名前が並びますが、個人的には本盤でも一際異彩を放つDJ Dによるレゲエ・エッセンスを注入したダブ・リミックスが断トツ!

6

CMT

CMT ZONAZONA SBM / JPN / 2011/4/26 »COMMENT GET MUSIC
同時入荷の再発「SOLEADO」続編的内容のCMTの豊潤な音楽感が垣間見れるチルアウト・サイドを詰め込んだファンタスティック&マージナ ル・ミックス!アフリカ、南米、カリブ、中近東と世界を彷徨するかのように繋がれていくサイケ・ミュージックの数々・・ミニマルでずっぷりハメる CMTも最高ですが、音楽性豊かなこんなCMTも最高です!内容をモロ反映したQOTAROO氏(POWWOW/COSMIC LAB)によるジャケット・アートワークも素晴らしい~!

7

AZYMUTH

AZYMUTH AURORA FAR OUT / UK / 2011/4/24 »COMMENT GET MUSIC
AZYMUTHの活動35周年を記念するニュー・アルバム「AURORA」が遂にリリース!昔ながらのファンも十二分に納得のかつての70年代 フュージョン・スタイルを踏襲しつつもモダンに洗練されたグルーヴで現在進行形のブラジリアン・フュージョン/ジャズ・ファンク/ブギーと多様に 広がる AZYMUTHサウンドを、その確固たるキャリアが物語る燻し銀アンサンブルにより奏で上げたサウダージ感溢れる極上の全8曲。

8

KUNIYUKI

KUNIYUKI BAMBOO CITY MULE MUSIQ / JPN / 2011/4/24 »COMMENT GET MUSIC
洗練のモダン・ハウス・グルーヴにガムラン音楽の要素をふんだんに取り込んだアルバム中でも一際異彩を放っていたディープ・エキゾ・ミニマ ル"BAMBOO CITY"に、C/Wには同じく新曲"COME WITH US"の音数をタイトに削ぎ落とした上で打楽器音をほんのりダブワイズさせたニュー・ヴァージョンを収録!本盤も当たり前に世界基準です。大推薦!

9

JED & LUCIA

JED & LUCIA HELIUM EP UBIQUITY / US / 2011/4/16 »COMMENT GET MUSIC
A面では、ゆるやかなダウンテンポ・トラックに郷愁感漂うピアノと幻想的雰囲気を増長させるスペイシー・シンセがキメ細やかに交錯する新 曲"HELIUM"をUKのクリエイター・ユニットLETHERETTEが潔いヒップホップ・ビーツを叩き込み洗練のブレイクビーツ・トラックへ とリミックス!そしてB面には「SUPER HUMAN HEART」収録曲を現行エレクトロニカ/ビート・エッセンスをふんだんに盛り込みダウンテンポ・トラックへとセルフ・リミックス!

10

BLUNDETTO

BLUNDETTO BAD BAD VERSIONS HEAVENLY SWEETNESS / FRA / 2011/4/17 »COMMENT GET MUSIC
先行リリースの"NAUTILUS"カヴァーを筆頭にレゲエ/ダブをベースとした柔軟なクオリティ・トラックの数々で大好評完売に至った2010 年リリースの傑作ファースト・アルバム「BAD BAD THINGS」の前々から話題となっていたリミックス・アルバム、無事入手しました!オリジナル・アルバムのエッセンスを残したまま世界各地の BLUNDETTOお気に入りのアーティスト達がお得意のフォーマットにてリコンストラクト!ナンバリング入り、全世界250枚限定プレス。

You Kobayashi (SWC) - ele-king

YOUKOBA's Choice April.2011


1
Trotzkopf - Painting Drops - Mutate to Survive

2
Emptyset - Altogether Lost - CLR

3
Marcel Dettmann - Unrest(Norman Nodge remix) - Ostgut Ton

4
Hans Bouffmyhre - Release Me - Harthouse

5
Mikael Jonasson - Tussilago - Figure

6
Planetary Assault - Sucktion - Mote Evolver

7
Damon Wild - Avion(Terence Fixmer Remix) - Synewave

8
Daniel Solar - Dirtiest Clean(Delano Smith Remix) - Kolour Recordings

9
Genny G - Woody Way - Exprezoo

10
Lee Foss - Warriors - Culprit

Metronomy - ele-king

 メトロノミーの音楽を聴いていて思うのは、いったいどんな連中がこれを聴いているんだろう......ということだ。アークティック・モンキーズのリスナーは大体想像できるし、ハード・ファイはすぐにわかる。フォールズのファンもある程度、ジ・XXやジェームズ・ブレイク、それにダブステップでガンガン踊っている男女も......イギリスでは音楽が若者のカルチャーとしていまでもどうにか機能している部分はあるので、リスナーがトライブを形成している例は多い。しかしメトロノミーはそういった分類のどれにもどうにも収まりが悪く、実験的ではあるけれども難解ではなくつねにポップで、脱力していてフェミニンで、メランコリックだが妙にユーモラスなその音は、オタクもラッズもファッション・ピープルも頭で結びつかない。
 その音楽は様々なもののあいだのどこかを漂っていて、それはエレクトロニカでありエレクトロでありシンセ・ポップであり、しかしそのどれかひとつに収まることをするすると避けてきた。彼らを有名にした『ナイツ・アウト』はくにゃくにゃと脱臼したその音に乗せて、情けなさと切なさと可笑しさの入り混じった説明のできない感情を醸し出していたのだが、それは僕も含め少なからぬ人間にとって皮膚感覚で覚えのあるものでもあった。正確な音階を外れたメロディにノイズが混じったシンセの和音が重なり、ヘナヘナとした歌声で上手くいかない夜遊びについて歌う。ダンスフロアで踊っていれば楽しくないわけではないけれど、かと言ってそこに溶け込めている気もしない......というような、そんな気分にピッタリとハマる音をメトロノミーは絶妙に表現していたのだ。どのトライブにも属しきらない、どのムーヴメントにも完全にはハマりきらないような人間にこそ、彼らの音は響いた。

 そういう意味でメトロノミーの音はニュー・レイヴに対するカウンターであり批判だというように説明されたが、しかしニュー・レイヴがきれいに消え去ったいま、彼らの3枚目のアルバムである『イングリッシュ・リヴィエラ』はますますカテゴライズがしにくいものとして存在している。というか、そういう分類にそもそも彼らの音楽は向いていないように思う。コミカルだった前作に比べれば随分エレガントに聞こえるし、指摘されているように西海岸のようなレイドバック感もあるが、気の抜けたノイズ混じりのシンセ・サウンドは相変わらずだ。ゆるーくチルウェイヴからの反響もあると言えるかもしれないが、もちろんそれはあくまで一部だ。それらが主張し合わずに、微妙なさじ加減で共存している不思議なダンス・トラック集、エレクトロニック・ポップスである。わかりやすい派手さもない。電子音が驚くほど小さな音で奥の方を移動し、ジョセフ・マウントが線の細い声で頼りなく歌っている。その歌とコーラスはメロディアスだが、とことん力が抜けている。
 全編を通して言えるのは、反復が生み出す穏やかなグルーヴと、心地良いメランコリアとアンニュイさだ。ロクサーヌ・クリフォードがムーディな歌で参加している"エヴリシング・ゴーズ・マイ・ウェイ"は「再び恋に夢中よ」と言うわりには物憂げで、アップビートな"ザ・ルック"もマイナー・コードが中心であるためか気分が晴れ渡らないままダンスするような1曲だ。
 アルバムのハイライトは恐らく、繊細で遠慮がちなアンサンブルがそれでも反復とともに上りつめていく"サム・リトゥン"から、ミニマルな音の出入りと展開で聞かせる"ラヴ・アンダーラインド"へと続くラスト2曲のダンスだろう。けれども僕のお気に入りは、アルバムでも突出してポップな"ザ・ベイ"である。そこでは、「ここはパリではなく/ロンドンでもなく/ベルリンでも/香港でも/東京でもないんだ」と、メトロノミーが鳴らしている音楽の居場所のなさが端的に表現されているように僕には思えるからだ。そして「この入り江はとても快適な場所」だと、架空の場所を拠りどころにし、その言葉はアルバムのアートワークへと繋がっていく。
 ジョセフ・マウントが作るおかしなシンセ・サウンドの物悲しさはきっと、どこにも落ち着ける居場所がない人間がつねに底に湛えているものを掬い取ったものだろう。けれどもそれは同時に、前作では力なくも笑えるものだったし、今回は心地良くレイドバックできるものである。何なら、緩やかにダンスだってできる。そして僕は、物悲しさや憂鬱とつねに共存していこうとするそのような態度は、直感的にとても現代的なものなのではないかと思う。メトロノミーは、簡単に気の晴れることのない毎日を送る僕たちのための――そしてとりわけ、それを忘れるくらい何かに熱狂することができない連中のための――、ささやかなユーモアと知恵である。

[Electronic, House, Dubstep] #6 - ele-king

1.Lone - Echolocations EP | R & S Records


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E王  ノッティンガムのボーズ・オブ・カナダ・フォロワー、ローンのこのところの人気にはすごいものがある。アクトレスのレーベル〈ワーク・ディスク〉からリリースされたセカンド・アルバム『エクスタシー&フレンズ』がロング・セラーとなって、そしてダンサブルな方向性を打ち出した昨年末の『エメラルド・ファンタジー・トラックス』によって完璧にファンの心を掴んだと言えるだろう。〈R&S〉からのリリースとなった2枚組のこのシングル「エコロケーションズEP」も『エメラルド・ファンタジー~』の流れで、ドリーミーでメロディアスなディープ・ハウスを展開している。テクノっ子たちが大好きな、昔ながらの909系のスネアの音がキープされているが、ビートにはガラージ~ダブステップ時代のシャッフルがあり、美しいメロディを有する上ものにはここ数年の傾向と言えるだろう、大いなる逃避主義とユーフォリアのみが輝いている。つまりチルウェイヴとも親和性が高く、ぼやけた夏の夢が揺れている。

2.Sbtrkt - Living Like I Do | Young Turks


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 ダブステップにおけるネオ・ソウルの代表を期待されているサブトラクトの新曲だが、曲のテイストは最近のポスト・ダブステップに逆らうかのようなバック・トゥ・ベーシックな展開。UKガラージ流れの2ステップ・ビートにのって、ヴォーカリストのサンパが例によってソウルフルに歌う。曲のはじまりのベースの響きは貫禄充分といったところで、驚きはないが悪くもないといったところ。B面はヒット曲"ルック・アット・スターズ"のマシンドラム(最近は〈ホットフラッシュ〉から素晴らしい12インチも出している)によるリミックスで、チップチューンめいた音色を加えながら安定したブロークンビートを展開している。

3.Factory Floor - Real Love | Optimo Music


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 エレクトロと呼ばれるジャンルにおいて、もっとも危険で、もっとも大胆で、もっともぶっ飛んでいて、ずば抜けて格好いいのがロンドンのファクトリー・フロア。彼らの音楽にはクリス&コージーとアンドリュー・ウェザオールが同居しているようなエロティックでドラッギーな凄みがある。昨年リリースした10インチ+DVDにおいては彼らの毒々しい美学を存分に繰り広げていたが、ミニマリズム映像とノイズによるDVDは、途中で停止ボタンを押すことができないほどの緊張があった。
 これはオプティモが運営するレーベルからのリリースで、高速にドライヴするアルペジエーターが容赦なく性的興奮を誘発する。B面に収録されたオプティモのJDトゥイッチによるリミックスは、オリジナルを過剰なまでにトランシーなトラックに変換している。

4.Toddla T feat. Roisin Murphy - Cherry Picking | Ninja Tune


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 そうか、同じシェフィールド繋がりだからか、ロイジン・マーフィ(10年前はモロコの名義でダウンテンポのクラブ・ジャズ系を出していた女性シンガー)をフィーチャーした、セカンド・アルバムのリリースを控えたトドラ・Tの先行シングルで、グライミーなダンスホール・スタイルにマーフィのキャッチーな歌が入った完璧なポップ・チューン。UKらしいポップ・ソングとも言える。
 トドラ・Tの新作には、その他、ガラージ・シーンの顔役たち、ドネイオー、ショーラ・アマ、ミズ・ダイナマイト、そして大御所ルーツ・マヌーヴァなどが参加しているらしい。ジェイミー・ウーンはいまだに買うかどうか迷っているけど、トドラ・Tに関しては迷わないよ。

5.Ari Up & Vic Ruggiero - Baby Fada | Ska in the World


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 昨年10月、ガンのために逝去したアリ・アップの未発表音源で、ニューヨークのスカ/ロックステディ・バンド、ザ・スラッカーズのメンバー、ビクター・ルジェイロとのコラボ作。これがまた......未発表とは思えないほどの出来で、何の目新しさもないレゲエ・トラックが、彼女の迫力あるヴォーカリゼーションが入っただけで別物すなわち魅力たっぷりのパンキー・レゲエ・スタイルになっている。
 このアルバムを聴くのが楽しみだし、生前にたくさんの録音物を残していたという話で、他にもニュー・エイジ・ステッパーズの新作も出るという。

6.Kitty, Daisy & Lewis - I'm So Sorry/I'm Going Back | Sunday Best Recordings


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 悪名高いレトロ主義者3兄弟のおよそ3年ぶりの新曲は、彼らの50年代のスタイルにさらに磨きをかけている......なんて生やさしいものではなく、驚くほどパーフェクトにそれを具現化している。録音機材もほぼすべてヴィンテージに進められたセカンド・アルバムからの先行シングルで、スカに挑戦した"アイム・ソー・ソリー"にはトロンボーンにリコ・ロドリゲス、トランペットにエディ・ソーントンといったジャマイカの大御所を招いている。それはいちど聴いたら耳から離れない、スタイリッシュかつキャッチーな曲だ。B面は彼らの十八番のレトロなロックンロールで、エネルギッシュで、格好いい。それはただ格好いいだけであり、ただスタイリッシュなだけだが、しかしそれのどこが悪いのだろう。ザッツ・エンターテイメント、本当に素晴らしいシングル。

7.The Beauty / Jesse Ruins | Cuz Me Pain

 〈カズ・ミ・ペイン〉は日本のインディ・レーベルで、昨年コンピレーション・アルバム『Complilation #01』を発表している。なんでも"日本のチルウェイヴを代表するひとつ"ということで、そのスジではずいぶんと注目されているという。日本のチルウェイヴ的な動きもいよいよ顕在化してきているようで、今年に入って橋元優歩が紹介していたフォトディスコも素晴らしかったし、遅まきながら僕も〈カズ・ミ・ペイン〉のコンピレーションも聴いたのだけれど、こちらも魅力的な内容だった。〈カズ・ミ・ペイン〉一派の音には、耽美的でエロティックな感性もあり、音楽的にもサイケデリック・ポップからダーク・アンビエント、エクスペリメンタル等々......それをチルウェイヴと呼ぶには抵抗を感じるほど多様な音楽性のように思ったけれど、このレーベルが日本においてUSアンダーグラウンドに強く共振していることはたしかだろう。
 ここに紹介するのは〈カズ・ミ・ペイン〉から出たカセットテープで、ザ・ビューティとジェシー・ルインのふたつがそれぞれの面に3曲づつ収録している。ディストピックなチルウェイヴ、ダーク・エレクトロ、デイドリーミングなポップ......さまざまな側面を見せていて、今後どの方向に進むのかわからないけれど、彼らのポテンシャルの高さは感じる(カセットで出しているところも良いね)。まあ、そんなわけで、日本におけるサイケデリック新世代はすぐにそこにいるようです!

Falty DL - ele-king

 ジェームス・ブレイクの異例のヒットが意味するところは、オリジナルのダブステップそのものではなくその周辺の音、ジャンルの境界線上にいる者たち、気まぐれなスキゾフレニアの面白さがけっこうな勢いで高まりを見せているということでもある。先日紹介した2562はそのひとりだが、フェルティ・DLを名乗るブルックリンのステッパー、ドリュー・ラストマンもそうした遊牧民を代表するプロデューサーだ。彼が2009年に発表したデビュー・アルバム『ラヴ・イズ・ア・レイビリティ(愛は義務)』は"UKガラージとダブステップとIDMの接合点"と形容された作品で、僕には初期のエイフェックス・ツインやブラック・ドッグといったUKのデトロイト・テクノ・フォロワーたちの作風をダブステップの流儀で再現したアルバムに感じられた。ダブステップらしからぬスタイリッシュなアートワークも目を惹いたし、煙でむせかえるような不健康な地下室で鳴っているダークなそれとは明らかに別の魅力を持っていた。

 『ユー・スタンド・アンサーティン』は、ひらたく言えば『ラヴ・イズ・ア・レイビリティ』のポップな展開だ。女性ヴォーカリストをフィーチャーした曲が3曲収録されているのだけれど、その3曲がよくできている。
 1曲目の"ゴスペル・オブ・オパル"はドリーミーでラウンジーな2ステップ・ガラージで、いかめしいベースのかわりにキラキラしたエレクトロニクスが舞っている。アネカなる女性ヴォーカリストの囁くような歌声も、夢の入口として申し分ない。が、しかし、もしもリスナーがネオ・ソウルを求めているならリリー・マッケンジーが歌っている2曲を繰り返す聴くことになる。"ブラジル"はR&Bヴォーカルを取り入れた2ステップにおけるもっともラヴリーな瞬間を持った曲だが、何よりも我々はいま、ダブステップ時代の新しいディーヴァと出会っているのかしれない......という思いを抱くだろう。リリーが歌うもう1曲、クローザー・トラックの"ウェイティッド・ペンシェントリー"は間違いなくアルバムで最高の曲だ。うねるようなアシッド・ベースラインとジャズ・ピアノの見事な絡みのなかで、アーバン・ブルースが流れている。クラブ・ジャズのDJがこの1曲だけを聴いたら、迷うことなくアルバムを買ってしまうだろう。
 とにかくその3曲がずば抜けて良いので、全12曲のうちその他の9曲には若干の見劣りを感じてしまうかもしれないけれど、"エイト・エイティーン・テン"のコズミックなフィーリング、"イッツ・オール・グッド"のラウンジーなダブ、"ラッキー・ルチアーノ"のレイヴィーなグルーヴ、あるいは狂ったSF映画のサントラのような"ヴォエジャー"、女性のスキャットめいた囁き声とハウスのベースラインの"プレイ・ウィズ・マイ・ハート"......等々、総じて『ユー・スタンド・アンサーティン』はサーヴィス精神旺盛なアルバムと言える。ただし......、これはレコード店やレコード会社が頭を痛める作品でもある。ジェームス・ブレイクがそうだったように、これは明らかにクロイドンのダブステップとは別物で、ジャンル分けに迷う音楽だからだ。が、ここには、アルバムのタイトルが言うように、不確かなもの(アンサーティン)の面白さが詰まっている。

Chart by TRASMUNDO 2011.0427 - ele-king

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1

BUSHBURST

BUSHBURST 『wit DA Illness』 SEMINISHUKEI »COMMENT GET MUSIC

2

仙人掌

仙人掌 『LIVE ON REFUGEE THE MIX TAPE』 DOGEAR »COMMENT GET MUSIC

3

H.FUTAMI

H.FUTAMI 『MIX CD』 »COMMENT GET MUSIC

4

PRELUDE SQUAD

PRELUDE SQUAD 『BIG TIME EXPERIENCE vol.1』 804 production »COMMENT GET MUSIC

5

CMT

CMT 『ZONAZONA』 SBM recordings »COMMENT GET MUSIC

6

DJ DISCHARGE

DJ DISCHARGE 『QUIET SLEEP』 »COMMENT GET MUSIC

7

HARUKA

HARUKA 『fukiware waterfall』 »COMMENT GET MUSIC

8

WATTER

WATTER 『demos vol.2』 »COMMENT GET MUSIC

9

blahmuzik

blahmuzik 『SURVIVING THE MOMENTS』 »COMMENT GET MUSIC

10

山上たつひこ

山上たつひこ 『光る風』 小学館 / »COMMENT GET MUSIC

Chart by STRADA RECORDS 2011.0427 - ele-king

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来日&全国ツアーで話題沸騰中のカリスマ、DJ HARVEY。
今回のSTRADA RECORDSのチャートはそんな彼のリリースした作品や
彼がよくプレイしている盤を特集してみました!


1

DJ HARVEY pres.LOCUSSOLUS

DJ HARVEY pres.LOCUSSOLUS I WANT IT INTERNATIONAL FEEL(EU) »COMMENT GET MUSIC
リリースが予定されているアルバムからのシングル・カット!Prins Thomas、Faze Action、Mark E、Ray Mang、Permanent Vacation、Tom Middleton、Horse Meat Discoら多くのDJ達から絶賛の嵐の超話題盤!

2

DJ HARVEY pres.LOCUSSOLUS

DJ HARVEY pres.LOCUSSOLUS GUNSHIP/LITTLE BOOTS INTERNATIONAL FEEL(EU) »COMMENT GET MUSIC
早くも見逃し厳禁の人気レーベルとなったINTERNATIONAL FEELから、同レーベルからのROCHA「HANDS OF LOVE」にリミキサーとして参加していたDJ HARVEYがなんとソロ作品をリ リース!数々のリエディットやリミックスで名を馳せた彼ですが、完全な自分のオリジナル作品はこれが恐らく初めて!ダビーでぶっ飛んだHARVEYらしい作品で、既にPRINS THOMASや、IDJUT BOYS、STILL GOING、 ASHLEY BEEDLE、FAZE ACTIONあたりは勿論のこと、FRANCOIS K、CHRIS COCO、LAURENT GARNIER、RADIO SLAVE、TOM MIDDLETON、LUKE SOLOMONらも絶賛の強力盤!(汎用の穴あきタイプのジャケットになりました)

3

DJ COLE MEDINA

DJ COLE MEDINA MEDINA'S MAGIC AMERICAN STANDARD(US) »COMMENT GET MUSIC
DJ HarveyやIdjut Boysらがもヘヴィー・プレイしていたHouse Arrestシリーズで知られるDJ Cole Medinaによる話題のエディット盤!Olivia Newton Johnのヒット曲 「Magic」の夢見心地な長~いエディットと、Bee Gees「Love You Inside Out」のこれまた心地良すぎるエディットをカップリング!

4

COATI MUNDI

COATI MUNDI DANCING FOR THE CABANA CODE IN THE LAND OF BOO-HOO(W-PACK) RONG MUSIC (US) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYらがプレイし大ヒットとなった12インチ「NO MORE BLUES」 で知られるCOATI MUNDIの2枚組アルバム入荷!80年代からDr. Buzzard's Original Savannah BandやKid Creole And The Coconuts 等の作品に関わってきた才人だけに、あらゆるダンスの要素が詰め込まれた大充実の内容!

5

VA(DJ HARVEY)

VA(DJ HARVEY) HOUSE NATION UNDER A GROOVE-DJ HARVEY MODERN DANCE MIX WHITE (UK) »COMMENT GET MUSIC
97年にUKのUGLY MUSICからリリースされていたDa Rebels「House Nation Under A Groove」のDJ Harveyによるリミックス・ヴァージョンがホワイト盤で登場!パーカッシヴなトラックに浮遊感溢れるディープなシンセが乗った、ここ最近のDJ Harveyワークスとはまた違ったテイストの傑作!しかもWeekend Records IncからリリースされていたDJ Hearveyの別名義R.V.CockによるSouth Shore Commission「Free Man」のエディットも収録!

6

BRAND NEW HEAVIES

BRAND NEW HEAVIES SHELTER-DJ HARVEY STOMP MIX WHITE (UK) »COMMENT GET MUSIC
BRAND NEW HEAVIESが97年にリリースしたシングル「SHELTER」に収録されていたDJ HEARVEYによる強烈なリミックス・ヴァージョンがホワイト盤で再発!ブリブリのクラビネットが圧巻の超ファンキーな仕上がり!今なお人気の1曲です!

7

DJ HARVEY

DJ HARVEY I AM A MAN WHITE (UK) »COMMENT GET MUSIC
IDJUT BOYS主宰NOIDレーベルから96年にリリースされたMACHO「I'M A MAN」のDJ HARVEYによるリエディットを収録!DJ HARVEYワークスの中でも人気の高かった作品だけにこれは嬉しい!DJ HARVEYプレイのサイケデリック・ディスコ・クラシックAMADEO「MEMORIES」も収録!

8

DENNIS PARKER

DENNIS PARKER LIKE AN EAGLE CASABLANCA (US) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYやPRINS THOMASもプレイする人気クラシック!エディットやサンプリング・ソースとしても人気が高いハズせない1曲です

9

BLACK COCK

BLACK COCK FREE RANGE EP(160g REMASTER) BLACK COCK(UK) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYのリリースでもお馴染みのBLACK COCKがオリジナル・マスター音源を用いてのリマスタリングに160グラム重量盤仕様で正規復刻!

10

GATTO FRITTO

GATTO FRITTO GATTO FRITTO(W-PACK) INTERNATIONAL FEEL(EU) »COMMENT GET MUSIC
【500枚限定プレス!2枚組豪華見開きジャケット!180g重量盤!】同レーベルからのシングル「Illuminations」で知られるユニットHungry Ghostの片割れGatto Frittoがソロ・アルバムをリリース!この レーベルからは初となるアルバムだけにクオリティーの高さも申し分無しで、エレクトリック・ブギー的な作品からアンビエント~バレアリック・チューンまで大充実!しかも彼自身のレーベルFritto MortoからリリースされDJ HARVEYらにもプレイされ大きな話題となったシングル曲「Invisible College」までもバッチリ収録!

Matthewdavid - ele-king

 この快楽。濃厚な音の快楽。昨年末のシゲト『フル・サークル』は予兆に過ぎなかったのか、短い曲の連なりで構成された『アウトマインド』は久々に100%スモーカーズ・デライトを狙った作品であり、追求されるイメージはたったの一種類。その反復強化。どこを取ってもキラビやかな光のなかを歩むバレアリック・ブレイクビーツの波は西海岸で起きているドローンやチルウェイヴの変化とも足並みを揃え、DJシャドウによる翳りあるメランコリーをアーカイヴの一部へと封じ込めかねない。いま、ここには光が溢れている。四方八方から光が降ってくる。
 今年、もっとも注目されているカセット・レーベル、〈リーヴィング〉の主催者がその主役で(やはり〈リーヴィング〉からのリリースとなったサン・アローとのジョイント・ライヴに続き)初のスタジオ・ソロ作はフライング・ロータスのレーベルから。「ホコリと光のすごいごちそう」に溢れかえるオープニング"ロス・アンジェルス・イズ・ビューティフル"から有無を言わせず引きずり込まれ、陽気なフライング・ロータスと陽気なベーシック・チャンネルが交互に、あるいは、混合しあって光のなかを引きずり回される。中盤に入ってフライング・ロータスをフィーチャーした"グループ・ティー"で初めてメランコリックな迂回をしばし経験させられるものの、無限大に与えられるユーフォリアのイメージは最後まで揺るぐことがなく、ひと時も快楽的な音楽であることをやめることはない(サン・エレクトリックからドリームフィッシュに変わった程度というか)。
 これはもう、気持ちEとしか書きたくない。ニキ・ランダをフィーチャーした"フロアー・ミュージック"はタイトルを裏切るようにノン・ビートのアンビエント・ドローンで、マシューデイヴィッドがここ数年のアンダーグラウンド・カレントを総合しながらひとつのイメージにまとめていったことが簡単に推し量れる。すべてはここに向かっていたでしょうといわんばかり。最後にメドレー形式で配置された"ノー・ニード・トゥ・ウォリー/ミーン・トゥ・マッチ"で昇天できなければ、もう一度、再生ボタンを押してしまうだけである(つまり廃人コース)、

 RZAとエイフェックス・ツインに影響を受けたという18歳のインフィニティロックが昼間は学生、夜はグリッチ・ホップのプロデューサーと化してつくり上げたファースト・アルバムも同じ傾向に足を踏み入れようとしているアルバムで、手習いの感はまだ拭えないものも、完成度ということでは申し分ない。なるほど『アンビエント・ワークス』をブレイクビーツで下支えしたような"テンチ・サイティングス(天地目撃?)"や"キルン"、タイトルとは裏腹に天国的なイメージを掻き立てる"ガンス・オブ・キングストン"など、あっという間にどこかに連れ去ってくれる曲は多い。ヒンズー語が理解できないインド系2世か3世にあたるそうだけど、ジュンパ・ラヒリのような屈折もなく、文字通り年齢にあった感性の産物といえる。
 『ミュージック・フォー・プライモーディアル・リコレクション』は、1年ほど前に紹介したスフィアン・スティーヴンスのレーベルからライブラリーの体裁でリリースされたローウェル・ブラームスと同じシリーズの14作目にあたるもので、同時にリリースされたレブ・レイズのセカンド・アルバム『ミュージック・フォー・トラブルド・マシーナリー』も同じくアンダーグラウンド・ヒップホップの変り種。上記2作に比してダイナミックで何をやろうとしているのかすぐにはわからない迷宮性が持ち味といえる(PS 1年前にローウェル・ブラームスってまさかスフィアン・スティーヴンスの変名じゃないだろうなと内心では思いつつ書いていたりしたのだけれど、実は母親の再婚相手で、初めての出会いはスティーヴンスが1歳未満のときだったとか。アスマティック・キティ=喘息猫はふたりが共同で運営するレーベルであり、スティーヴンスの勧めで初めて録音したのが『ミュージック・フォー・インソムニア』だったそうです。ちなみにドミューンやヴィンセントラジオでオン・エアしたなかでは、いまのところもっともリアクションが高く、買いましたよといわれたレコードである)。

 すべてのタイトルに『ミュージック・フォー~』という決まり文句が付けられたライブラリー・カタログ・ミュージック・シリーズはほかにも魅力的なリリースが多い。全作を聴いたわけではないけれど(そんなことするのは岡村詩野だけ!)、最近のものでは12番のB・ラン3『ミュージック・フォー・ハンティング・アンド・マッピング』、少し前のものだとインストゥルメンツ・オブ・サイエンス&テクノロジーが出色の出来で、とくに後者はリチャード・スイフツの名義でふだんは普通にロック・ミュージックを演奏している人なのに、この名義に変わると底が抜けてしまうのか、予想も付かない実験主義に走り出す異才。セカンド・アルバムにあたる『ミュージック・フォー・パラダイス・アーマー』は、前作ではまだ少しは残っていた楽曲性もあらかた砕け散って、部分的には坂本龍一『B2ユニット』を思わせるキッカイな内容に。

Arrington de Dionyso's Malaikat dan Singa - ele-king

 ケチなことを言うようで恐縮だけれど、再結成したザ・ポップ・グループがサマー・ソニックで来日すると知って、僕のようにリアルタイムで熱心に聴いていた夢見がちな世代――1978年に2800円払ってUK盤を買った人なんて決して多くはないだろうけれど――はけっこ失望しているんじゃないだろうか。よりによってなぜあのザ・ポップ・グループが......と思っていることでしょう。しかしまあ冷静に考えてみれば、再結成とは屍体を墓場から掘り起こすようなものであって(だからアリ・アップはザ・スリッツは再結成ではないと強調したのであって)、マーク・スチュワートの初来日時のあの素晴らしかったよれよれのステージとは比較にもならないだろうし、そう考えればぜんぜんアリなのだ。が、それにしてもなぁ......("ウィ・アー・オール・プロスティチューズ"を演奏したら爆笑するしかないが、きっと笑えないだろうし)。
 セックス・ピストルズやザ・クラッシュからファッション性をさっ引いて、さらに過剰に政治と哲学とアヴァンギャルドを詰め込んだのがザ・ポップ・グループだった。その音楽を戦地の"野火"のようだと形容していた人がいたけれど、『Y』とはそうした喩えが泉のように湧いて出てくるほどの作品だった。ザ・スリッツもそうだったが、ポスト・パンクの時代は、西欧主義を挑発するかのような、ある種の野蛮さが賞揚された。ことにザ・ポップ・グループのような、サイモン・レイノルズ言うところの"ディオニソス的プロテスト・ミュージック"すなわち"激情派の反抗"の背後には、キャプテン・ビーフハートからの影響がうかがえる。日本で言えばじゃがたらも同類で(そして一時期のボアダムスにもそういうところがあった)、ビーフハート系のディオニソスはワールド・ミュージック的ななものへとアクセスする。まあ、それもいまとなっては秩序的なものへの毒づき方のひとつのクリシェと言えなくもないけれど、それを多数の耳を惹きつけるほどの高みに持っていけるバンドはそう多くはない。90年代末は狂ったガレージ・パンク・バンド、オールド・タイム・レリジュンで活動していたアーリントン・デ・ディオニソによるプロジェクト、マレイカット・デン・シンガ(Malaikat dan Singa)のアルバム『スアラ・ナガ(Suara Naga)』はまさしくビーフハート~ザ・ポップ・グループの熱狂と陶酔の系譜に位置づけられる作品である。

 インドネシアのデス・メタル・バンドがフリー・ジャズを演奏したらどうなるか想像して欲しい。それがこのアルバムである。アーリントン・デ・ディオニソはインドネシア語で、むせかえるような声で雄叫びをあげる。なぜインドネシア語なのかはわからないけれど、とにかくこのアルバムを家で聴いていると、さすがに家人たちも「何これ?」と言ってくる。それだけこの音楽には耳障りな異様さがあるのだ。ところどころファンクもあり、リズミックなうねりが熱狂を待ちわびていることは明かである。ギャング・ギャング・ダンスやチューン・ヤーズと同様に、ある種の空想的ワールド・ミュージックとも言えるが、アーリントン・デ・ディオニソはポップとは真逆の方向に突進している。その過剰さにおいて、『Y』に連なるディオニソスであることは間違いないのである。

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