
ぐにゃりとうなだれた性交後のCOUMのペニスから、屹立し準備万端・完全に勃起したスロッビング・グリッスルへ。一丸になったときのわたしたちは妥協なしのあなどれない力だったし、誰にも止められない、はち切れんばかりに充電されたドクドク脈打つエネルギーの塊だった。 (本書より)
伝説のバンド、スロッビング・グリッスルはいかにして生まれ、どのように倒錯し、なにゆえに死に絶えたのか……、ピッチフォークの2017年度年間ベスト音楽本にも選定された、TGの創設メンバーによる、その内側からの衝撃のレポート
コージー・ファニ・トゥッティは、まさに自分の人生で起きたことすべてを晒しながら、彼女にとっての「自由」「インダストリアル」「セックス産業」の意味を紐解いていく。
ノイズ/インダストリアル・ミュージックのファン、およびクリス&コージーとスロッビング・グリッスルのファンにとってのマスト・アイテムであり、また、ひとりの女性の型破りな人生譚としても非情に興味深いものとなっている。
1960年代~1970年代のもっとも過激なUKアンダーグラウンドを駆け抜けていった、労働者階級出身の彼女の「アーティスト」としての生き様は、読む者に深い余韻を残すだろう。
俺はコージー・ファニ・トゥッティに惚れている。それだけのことだ。 (ニック・ケイヴ)
「Far Out(型破り/斬新な)」というのはかつて視覚・音楽芸術双方における前衛を呼ぶ際に使われたタームだった。わたしの覚えている限り、コージーはそもそも初めからファー・アウトな人だった。限界に向かって押し進めていくアーティストたちも中にはいる──だがコージーのアートは許容されるぎりぎり限界の地点から始まっている。 (ロバート・ワイアット)
わたしたちのアプローチは、ディスコとポップ・ミュージック、排他性のカルチャー、過去もしくは現在起きている残虐行為や「不快な」犯罪を隠蔽する「臭いものにはフタ」の傾向、ストライキの数々が生み出すカオスで人々の日常に影響していた当時の政治的な動乱、操業中の工場・鋸・機械群・地下鉄・公園で遊ぶ子供たちの声といった自分たちのスタジオの周りに常に存在していた周辺音といったものに対する反撃であり、リアクションだった。わたしたちは自分たちにとっての現実、その欠点/汚点も含めた一切合切のサウンドトラックをクリエイトしていた。中途半端な妥協はあり得なかった。 (本書より)
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