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interview with Interpol

interview with Interpol

3ピースの絵

──インターポール、インタヴュー

橋元優歩    インタヴュー:原口美穂   Oct 20,2014 UP

いまの俺たちはより人に語りかけることができるようになってきたと思う。より説得力が増してきたというか。あと、共感もしやすくなっていると思う。そうだな、説得力よりも共感という言葉のほうが適切かも。

このアルバムを通じてどのようなことを伝えたかったのでしょう?

SF:最初の時点では、メッセージを込めるというよりは、自分たちが作りたいレコードを作っていたんだ。より直接的な、ポイントをダイレクトに突いた作品を作りたかった。ありがたいことに、リスナーもそれを聴きたがっていたからうまくいったんだ。大切なのは、自分たちが作りたいものを、自分たちの手で作るということだと思う。それがあればこそ、自分の正直さや誠実さを伝えることができるんだと思うから。「俺たちが作った作品が聴きたい」それがみんなが求めていることだしね。

今作もミックスがアラン・モウルダーということですが、前作よりさらにフィットするようになったのではないでしょうか? 楽曲もそうですが、落ち着いていて、かつどことなくセクシーな感触の音だと感じました。

SF:だよね。彼は最高なんだ。君の意見には俺も賛成。たしかに前作よりはフィットしていると思う。俺たちが、前よりベターなアルバムを書いたからね(笑)。元は大事だから。

はは(笑)。元がよくなったのももちろんですが、彼自身の作業がより自分たちの作品にフィットするようになってきたとは感じますか?

SF:そうだね。彼は俺たちのことをより理解しているし、俺たちが何を求めているかもわかってる。あと、今回は彼とすごく親しいエンジニアといっしょにレコーディングしたんだ。だから、以前よりもさらにチームワークといった感じだった。みんながお互いを知っていたからね。それもよかったんだと思う。

10年前にやっておけばよかったと思えるようなことはありますか? 音楽においてもそうしたことがあれば教えてください。

SF:ノー(笑)。なるだけ過去は振り返らないようにしてるから。前進しようと心がけてるんだ。いまを大事にすることもね。10年前の自分のよくなかったところは、過去を振り返って、ああしなければよかった、こうしなければよかったのかも、と考えていたこと。いま自分が置かれている瞬間のことは気にかけずにね。それではバンドはベターにならないのに。いま与えられているものが自分が持っているすべてなんだから、やっぱりそこにフォーカスするのが大事なんじゃないかな。いま自分がやっていることだけを気にかけるっていうのが、後悔を避けるいちばんの方法だと思うよ。

毎度、ゲストとのよい緊張関係のなかでアルバムがつくられていますが、ロジャー・マニング・ジュニアやロブ・ムースとの仕事はいかがでしたか?

SF:誰だって? 彼らのことは知らないんだけど……(笑)。

本当に? 知らないですか(笑)? ロジャー・マニング・ジュニアとロブ・ムース。

SF:からかっているんじゃなくて、本当にわからない(笑)。彼ら、アルバムで何をやったかわかる?

楽器で参加したと思うのですが……。

SF:あー! やっとわかったよ。俺は彼らに会ってさえいないんだ。彼らは主にポールとダニエルと作業してたから。自分のパートの作業が終わったあと、俺は現場に残らず、あとの作業は彼らに任せてたからね。だから知らなかった(笑)。でもいい仕事はしてくれたと思う。完成した作品にはすごく満足してるんだ。この質問はポールに聞いて(笑)。

そうなんですね。ではブランドン・カーティスさんについてなんですが、彼はバンドの音にサイケデリックな奥行きを加えていると感じます。3人体制となったことで音をしぼっていく方向もあったのではないかと思いますが、今後のバンドの向かう音としてはどのようなイメージをもっていらっしゃいますか?

SF:どうだろうね。自分たちでもわからない。いまのレコードから将来どう進んでいくかはまだ見えてないんだ。でもきっと、来年のツアーでいろいろ見えてくると思う。何かいいアイディアが思いつくんじゃないかな。でもそれまでは無理に捜そうとせずに、見つかるまで待っていようと思う。ブランドン・カーティスはインターポールにとってアシッドなんだ。欠かせない人物だね。

3人体制になってからサウンドは変わったと思いますか?

SF:やっぱりダイレクトになったと思う。より核心を突いたサウンドに戻ったと思うね。

音楽の作り手として、まだ見ぬ新しいフォームを見つけだしたいと思いますか? また、最近そうした新しい音楽のかたちが生み出されていると感じたアーティストや作品はありますか?

SF:最近はあまりそういった作品は聴いてないな。そういう作品が自分で聴きたいからと思って見つかるものでないように、そういうのはやっぱり見つけるものではなくて、自然と生まれるもの、見つかるものだと思う。気を張っていては生まれないものなんじゃないかな。だからいずれ見つかるかもしれない。それがいつになるかはわからないけど(笑)。見つかればいいな。

曲作りでは、あらかじめアイディアを持って取り組んだりはしない方ですか?

SF:ダニエルが最初のアイディアをまずたくさん書くから、ちょっとした構成はあるよ。でもそこからお互いにアイディアを乗せていくから、その共同作業からいろいろと新しいものが生まれてくるんだ。プロセスの途中でどんどん変化していくんだよ。

プレイすることの喜びと、曲が人々に浸透し愛されることの喜びとではどちらのほうが大きいですか?

SF:おもしろい質問だね(笑)。そのふたつを分けることはできないよ。どちらも重要だから。でも人を自分の音楽でハッピーにするには、演奏している上で自分自身がハッピーであることが前提だと思う。だから、自分自身の喜びがまず最初にくるかな。そこに人がついてくるんだと思うから。

どんなときに、自分の音楽が人々に愛されているなと実感しますか?

SF:よくわからないけど、あるときふと自然にそういう瞬間がくるんだよね。でも、俺はあまり自分が愛されているという考え方はしないようにしてるんだ。そういう考えを持っていないほうが、それを感じたときにいいサプライズになるからね。世界の人々が俺たちの音楽を聴きたがっていること、ライヴを楽しみにしてくれていることを感じられる瞬間が。そういう状況は、当たり前と思うには最高すぎる。つねに控えめでいることが大切だと思うね。

質問作成・文:橋元優歩(2014年10月20日)

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