「MAN ON MAN」と一致するもの

Chart by STRADA RECORDS 2011.10.14 - ele-king

Shop Chart


1

CLAUDIO MATE

CLAUDIO MATE M2G4 FLYING DONKEY(GER) »COMMENT GET MUSIC
KIRK DEGIORGIOの前作に続くFLYING DONKEYレーベル第三弾はKLAP KLAPでのリリースで知られるCLAUDIO MATEの12インチ!本作は過去DERRICK MAY、CARL CRAIGらの傑作リミックスが存在し、もう手をつける人もいないだろうと思われていたManuel Gottsching『E2-E4』モチーフの作品!シンセ・リフやベース・フレーズなどキー・ポイントはオリジナルに忠実に現在のフロア向けに絶妙にブラッシュ・アップされたエレクトリック・テック・ハウスな仕上がり!ORLANDO VOORNによるストイックなデトロイト・ミックスも◎!

2

JONATHAN MEYER

JONATHAN MEYER MANY THINGS EP MADHOUSE(US) »COMMENT GET MUSIC
PURPLE MUSICからもリリースしていたJONATHAN MEYERがご存知KERRI CHANDLERのレーベルMADHOUSEから12インチをリリース!さすがにこのレーベルからリリースだけあって、ボトム・ヘヴィーでタフなインスト・ハウスばかりを全4曲収録!A1はKERRI CHANDLERによるリミックス!

3

RKZBX WITH LUV

RKZBX WITH LUV 52 DAYS SPIRIT DROPZ(US) »COMMENT GET MUSIC
詳細不明ながら大注目のエディット~マッシュ・アップ盤!ナントLarry Levanがミックスを手掛けた人気ダンス・クラシックJanice McClain「Smack Dab In The Middle」のトラックに、Whitney HoustonによるChaka Khanの名曲カヴァー「I'm Every Woman」のヴォーカルを巧いこと乗せてしまった一品!マッシュ・アップって一歩間違えばダサダサになってしまいますが、これはアイデア的にも仕上がり的にもスゴイ!

4

KRAMER

KRAMER HOUSE REVENGE 2 HOUSE REVENGE(FR) »COMMENT GET MUSIC
ASHLEY BEEDLEとDERRCIK MAYがKRAMER DASHWOOD名義で96年にリリースした「WHAT HASBEEN JOINED BY GOD...」が限定クリア・ヴァイナルで復刻!FIRST CHOICEの傑作「LET NO MAN PUT ASUNDER」のブート・リエディットとなる本作は、ASHLEY BEEDLEサイドの「RON HARDY'S GHOST」とDERRICK MAYサイドはMIX CD『MIX UP』でも使われた「CAR CRASH MIXER」をスプリット収録!オリジナルは100ユーロのプレミア価格で取引されていた激レア盤なだけにこれは嬉しいリリース!お早めに!

5

MIDNIGHT MAGIC

MIDNIGHT MAGIC DROP ME A LINE PERMANENT VACATION(EU) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYもプレイし大ヒットしたネオ・ディスコ・チューン「Beam Me Up」も記憶に新しいMidnight Magicが待望の第2弾シングルをリリース!「Beam Me Up」同様、古くて新しいダンス・クラシック的なグルーヴィー・トラックに女性ヴォーカルがバッチリ決まってます!Holy Ghost!やSteffiによるリミックスも収録!

6

PIRAHNAHEAD & DIVINITI

PIRAHNAHEAD & DIVINITI (JUST LIKE)A DREAM WHASDAT (US) »COMMENT GET MUSIC
デトロイトのクリエイターPirahnaheadと女性ヴォーカリストDivinitiとの黄金タッグ!リミキサーにはUKのJose Carretasが起用されており、メロディアスで心地良い極上リミックスを披露しています!ヴォーカル・ハウス好きはマスト!

7

MANUEL TUR

MANUEL TUR FOOLIN' DELUSIONS OF GRANDEUR(UK) »COMMENT GET MUSIC
大人気レーベルDelusions Of Grandeurからドイツ出身で現在はUKで活躍中のクリエイターManuel Turが12インチをリリース!今作では渋い男性ヴォーカルをフィーチャーしたかなりグルーヴィーで黒~いハウスを展開!B面にはシリアスなストリングスが印象的なディープ・インスト・ハウスを収録!

8

UGLY DRUMS

UGLY DRUMS QUITE FRANKFUL QUINTESSENTIALS(GER) »COMMENT GET MUSIC
VAKULAやANTON ZAP等による良作連発で磐石の地位を築きつつある次世代ディープ・ハウス・レーベルQUINTESSENTIALSからドイツのSTEFFEN BALDOの新名義UGLY DRUMSの12インチがドロップ!なんとなくUGLY EDITを連想させるその名の通りTHEO PARRISHを思わせる黒くドープなデトロイト・ビートダウン直系サウンド!古いジャズ系の質感の生ピアノやエレピ、パーカッションを用いたジャジー・トラックのB1、ディスコっぽいファンキー・ベースが光るジャズ・ファンク・ハウスなB2などハイ・センスな内容!

9

QUINTUS PROJECT

QUINTUS PROJECT NIGHTFLIGHT-PSYCHEMAGIK/LEXX REMIXES DERWIN(GER) »COMMENT GET MUSIC
JAZZANOVAのALEX BARCK主宰の新レーベルDERWIN RECORDINGSから、87年当時300枚限定でリリースされたQUINTUS PROJECTのアルバム『MOMENTS』に収録されていた「NIGHT FLIGHT」がフロ ア向けに低音を強化エディットしたPSYCHEMAGIKとLEXXによる新録リミックス入りで12インチで復刻!美しいピアノが印象的な多幸感溢れるチル系バレアリック・サウンドの傑作です!

10

TRIDACT

TRIDACT OVER THE CLOUDS INTERNASJONAL(EU) »COMMENT GET MUSIC
Prins ThomasのレーベルInternasjonalから、アメリカ西海岸を拠点とするクリエイターBrandon JohnsonによるプロジェクトTridactが12インチをリリース!安定感バツグンのボトムにシンセのアルペジオが気持ち良い、ドリーミーなバレアリック・チューン!

#4:ステファン・ゴールドマンとの対話 - ele-king

 実験精神旺盛なレーベル〈Macro〉のオーナーであり、〈Panorama Bar〉でもレギュラー・パーティに出演するDJであり、ハウスと現代音楽を横断するプロデューサーでもある生粋のベルリナーであるステファン・ゴールドマン。日本でも人気は高いはずだが、不思議なことにこれまで日本のメディアに取材を受けたことはないという。しかも来年には3ヶ月日本に滞在する予定になっている。これはぜひ日本の音楽ファンにも彼のことを知って頂きたいと思い、インタヴューを行った。ちょっと意外なバックグラウンドのこと、レーベルのこと、父フリードリッヒ・ゴールドマンのこと、そしてベルリンのことを聞いた。

父がレコードをかけている姿はほとんど記憶にないです。それより楽譜を読んでいました。音を聴かなくても楽譜を読むことでその音楽が彼には聴こえていたんですよ。まるで新聞を読むように楽譜を読んでいた。変な感じでしょう? 僕にはできませんけどね、世のなかにはそういう人もいるんです(笑)


Stefan Goldmann
Macrospective
Macro/Octave-lab

amazon

本邦初インタヴューということで、いろいろ伺いたいことはあるんですが、まずは最近のリリースの話からにしましょうか。レーベル〈Macro〉設立から5周年、そして25番目のリリースとしてミックスCD『Macrospective』が出たばかりですよね。

ゴールドマン:そうですね。

まったく同じトラックリスト(選曲)をあなたとフィン・ヨハンセンふたりのDJがそれぞれ違う順序でミックスするという、ちょっと変わったダブルCDですが、このアイディアはどのように生まれたんですが?

ゴールドマン:収録している曲自体はデジタルでしたら誰でも変えますし、フィンも僕もすでにミックスやポッドキャストはかなりの数やってきているので、普通のミックスではつまらないと思ったんです。商品としてそれほど魅力がない。そこで特別でユニークなものにするにはどうしたらいいか考えたんです。いままで誰もやっていないし、5周年を機に過去のリリースを振り返る意味でもいい企画だと思いました。聴く人がそう思ってくれるといいんですけど!

資料によるとフィンのミックスは一発ライヴ録りだそうですが、あなたのミックスはどのように録ったんですか?

ゴールドマン:僕のもレコードでライヴ録りですよ。ただフィンは本当にクラブでプレイするみたいに、その場で曲順も決めずに「一発録り」したのに対し、僕は8~9回録ってみた中で一番満足できたものを出しました。多少雑音を消したりといった後処理はしましたけど、ミックスはいじってません。だから若干のミスは残してあります。

あなたのDJとしてのキャリアは、実はあまり知らないんですが、いつ頃からやっているんですか?

ゴールドマン: 学生の頃にドラムンベースを回しはじめたのが最初ですね。98年くらいかな。友だちとベルリンでアンダーグラウンドなパーティをオーガナイズしてたんです。 その後2年ほどDJを止めていた時期がありました。あまりその頃の新しいドラムンベースの流れが好きじゃなくて。それで自分で制作をするようになったんですが、「ドラムンベースじゃなくてハウスが作りたい」と思ったんですよ。でもそれまでハウスをやっていなかったので、ハウスDJとして自分のスタイルを確立するまでには少し時間がかかりました。「プロ」としてDJをするようになったのは、最初のリリースが〈Classic〉からだったこともあり、ドイツではなくUKでよくやっていました。〈Perlon〉から曲を出してからですね、ドイツやそれ以外の国でもやるようになったのは。2004~2005年くらいかな。

実は先日Discogsであなたの過去のリリースを確認するまで、〈Classic〉からデビューしたということは知らなかったんですよ。ちょっと意外でした。〈Classic〉と言えばデリック・カーターのイメージが強かったので。

ゴールドマン:でも実はかなりオープンなレーベルなんですよ。イゾレーやアトランティック・フィージョンのようなものも出してましたし。

ドラムンベースに飽きてから制作をはじめたとおっしゃいましたが、それまでは音楽制作はしていなかったんですか?

ゴールドマン:バンドでベースギターを弾いていたことなどもありましたが、コンサートをやるというようなレヴェルではなくて、仲間とジャム・セッションをしていた程度ですね。

最初に世に出たのは〈Classic〉からの「Shnic Shnac EP」だったと。

ゴールドマン:実はその前に、〈Classic〉の姉妹レーベルである〈Music for Freaks〉から、Simitliという名義で2002年に1枚EPを出しているんですけど、本名で出したのはそれが最初です。

それはどういう経緯で?

ゴールドマン:自分の曲がいくつか出来上がったときに、どこに送ればいいかわからなかったので、まずは〈Poker Flat〉とか〈Playhouse〉に送ってみたんです。反応はあったんですが、リリースには至らなかった。そこで、当時〈WMF〉クラブのレジデントだったDJディクソンにデモを渡して聴かせたところ、とてもいいと言ってくれて。「外国のトップ・レーベルに送ってみたらいい」とアドバイスをもらい、「例えばどんなところがいいと思う?」と聞いたらいくつかのレーベルのリストをくれた。その内のひとつが〈Classic〉で、約1週間後に返事が来て「あなたと仕事がしたい」と言ってくれたんです。

ディクソンがきっかけだったとは面白いですね(笑)。

ゴールドマン:なんせ僕はハウスのことは詳しくなかったのでね。それまで〈Classic〉のことも知りませんでした。後で気づいたらいくつか〈Classic〉のレコードを持っていましたけど。

そして2007年に〈Macro〉を立ち上げたわけですね?

ゴールドマン:実は〈Classic〉からアルバムを出すはずだったんですが、その過程でレーベルが倒産してしまって。その後レーベルは再建されましたけど、アルバムはリリースしてもらえず終いだった。だから他に出してくれるレーベルを探しはじめて、〈Perlon〉とほとんど話をまとめたんですが、彼らはものすごい量のリリースを抱えていて、出るまでに1年以上かかりそうだということになって。それに、レーベルのA&Rに「このトラックはいいけど、そっちはダメ。これをA面にしてB面はあれにしよう......」と指図されるのにも疲れて、だったら収録曲から発売日まですべて自分でコントロールできる自分のレーベルをやろうと思ったんです。

[[SplitPage]]

父、フリードリッヒ・ゴールドマンはクラシックの作曲家であり指揮者でもありました。現代的・アヴァンギャルドな作品を手がけていました。シュトックハウゼンなどの系譜の音楽ですね。ですから、僕自身もそういう音楽を聴いて育ちました。十代の反抗期に入るまでは(笑)

フィン(・ヨハンセン)は立ち上げ当初から共同オーナーだったんですか? それはどういう経緯で?

ゴールドマン:やはりレーベルをはじめるにあたり、ひとりでは不安だったので誰か頼れる人が欲しかった(笑)。まだ知り合って1~2年の頃でしたが、彼とはすぐに意気投合して。彼はドイツの音楽雑誌『De:Bug』や『Groove』、『Resident Advisor』のようなウェブサイトにも原稿を書いてきた経験があったので、プレス業務にぴったりでした。レーベルのコンセプトについても共通の理解があったし、同じ考え方を持っていたので協力し合うことにしたんです。

5年経って、これまでのレーベルの歩みを振り返ってみてどうですか?

ゴールドマン:やはりレーベルをはじめたときは、「こんな人と仕事したい」とか、「こんな作品を出したい」というアイディアを勝手にいろいろ持っていて、それが実現可能かどうか、相手が僕らと一緒に仕事をしてくれるかどうか全然分かりませんでしたが、実際その多くを実現できました。それに、まったくの新人であるエレクトロ・グッツィのようなアーティストを世に紹介できたことも、とても誇りに思っています。素晴らしいリミキサーたちにリミックスを手がけてもらうこともできました。5年間を振り返ってみても、いい「音楽ファミリー」を築けたと感じますね。〈Classic〉や〈Perlon〉や〈Innervisions〉では絶対に出さないような風変わりな自分の作品も出すことができましたし(笑)。まだしばらく続けていける、いい基盤が整ったように思います。

レーベルのA&Rとしては、どんな基準で出すアーティストや作品を選んでいるんですか?

ゴールドマン:陳腐な言い方に聞こえてしまうかもしれませんが、私たちが求めているのはユニークなサウンドを持っているアーティストです。「○○っぽい」とか、「××風」、あるいはすでに〈Macro〉で出しているアーティストのような作品はもう必要ありません。他のレーベルが出していないようなものを出してきたと思いますし、それがひとつの判断基準になっていますね。プロダクションの上手さにはそれほどこだわりません。まあまあのアイディアで精巧に作られたものよりも、技術的にはそれほど高度でなくても面白いアイディアが光るものがいい。

実際にはどうやってそういうものを見つけ出すんですか? 積極的に探しに行くのか、それとも勝手に集まって来るものですか?

ゴールドマン:いろいろですね。個人的な知り合いを介してということもありますが、エレクトロ・グッツィなどはまったく接点はないのに向こうからレーベルのことを知ってデモを送ってきてくれました。ピーター・クルーダーは、もともとレーベルのプロモを送っていた相手でした。リリースを気に入ってくれていて、ある日「こんな曲があるんだけど、良かったら出さない?」と曲をくれて。「ワオ、ほんとですか?」という感じでしたね。

なるほど。でもレーベルのカラーを保ちつつ、ユニークなものに寛容であることは難しくないですか?

ゴールドマン:レーベルのやり方というのは主にふたつの方法に分けられると思います。ひとつは、特定のサウンドを確立して、それを追求する方法。でもこの方法は短期的には有効ですが、長期的に続けるのは難しい。5年以上は無理だと思います。もうひとつの方法が、ひとつひとつのリリースを個別に扱う方法。〈Warp〉や〈Ninja Tune〉のようなレーベルはこれをやってきたから、聴く人を驚かせながら長く人気を保つことに成功しています。

いま例に出てきたレーベルは、同じアーティストと継続的に仕事をしてともに成長してきたレーベルでもありますよね。

ゴールドマン:そうです。まだ〈Macro〉は5年しか経っていませんが、そういうつもりでやっています。いま一緒に仕事をしているアーティストたちとはずっと一緒に成長していきたいですね。若いアーティストというのは、そのときにいくつかいいトラックが作れても、同じクオリティのものを作り続けることが出来るとは限りません。ですから、潜在力、成長の可能性を見出すことが重要だと思いますし、〈Macro〉ではそういうアーティストたちと仕事をしているつもりです。だから10年後、15年後も一緒にやっていけたらいいなと思っていますよ。

[[SplitPage]]

B面とD面を組み合わせてループを構築することができるようにしたものを出しました。片方が4/4拍子で、もう片方が3/4拍子なので、同時にプレイすることで異なるリズムのループを作れるようになっています。何か人がやっていないことを考え出すのは、僕の趣味みたいなものです(笑)

レーベルの今後の展開として、新たな計画などはありますか?

ゴールドマン:今後の予定は、同じアーティストたちと一緒にやっていくということ以外はとてもオープンです。向こう6ヶ月ほどの予定は決まっていますが、それ以降は決めていません。年内はエレクトロ・グッツィの新しいアルバムが11月に出て、ピーター・クルーダーのシングルが12月に出ます。来年は、そろそろ自分の制作に集中したいと思っています。ですから、リリースの数は少し減るかもしれません。実は、4月から京都にしばらく滞在する予定なんです。僕はハードウェアを中心に曲作りをするので、それまでにはある程度完成しているようにしたいですね。日本に全部持って行くわけには行きませんから。

「アーティスト・イン・レジデンス」というプログラムで日本に行かれるということですが、そのことを少し教えて下さい。

ゴールドマン:はい。ドイツのゲーテ・インスティテュートが、京都に「ヴィラ鴨川」という施設を持っているんです。ドイツ文化を紹介する事業の一環として、ドイツのアーティストを3ヶ月滞在させ、日本のオーディエンスにドイツ文化を伝えたり、日本のアーティストとの交流を行います。実は遊び半分でそれに応募してみたところ、受け入れてもらえた(笑)。ちょっと驚きましたね!

でも少なくとも日本に行きたいという気持ちはあったわけですよね?

ゴールドマン:もちろんです。日本には1度だけ、5日間だけしか行ったことがありませんが、とても興味を持ちました。5日間だけでは東京のいち部を見れただけで、不十分だと感じたんです。ですから、3ヶ月という時間があればだいぶ日本のことを知ることができると思いました。これまでにもフォース・オブ・ネイチャーのリミックスをやったり、〈Mule Musiq〉のミックスCDを制作したりと日本のアーティストやレーベルとも交流があったので、長期滞在することでより密なコラボレーションの機会も生まれるのではないかと思います。

京都にはまだ行ったことがないんですね?

ゴールドマン:ないんです。いろんな人から話は聞いているんですけど。だからとても楽しみですね。

東京とはまた全然違うところなので驚かれるとおもいますよ!

ゴールドマン:そうですね。とても美しいところだと聞いています。

少し話を戻しますが、先ほど楽曲制作をはじめたのが90年代も終わりになってからのことだと聞いて少し驚きました。日本のリスナーでは知らない人も多いと思うんですが、あなたのお父さんは著名な作曲家でいらっしゃいますよね。少しお父さんのお話も聞かせて下さい。

ゴールドマン:実は、父は京都に行ったことがあって、同じゲーテ・インスティテュートで講義をしたこともあるんですよ! 父、フリードリッヒ・ゴールドマンはクラシックの作曲家であり指揮者でもありました。現代的・アヴァンギャルドな作品を手がけていました。有名なところで言うとシュトックハウゼンなどの系譜の音楽ですね。ですから、僕自身もそういう音楽を聴いて育ちました。十代の反抗期に入るまでは(笑)。反動でクラシックのピアニストやミュージシャンには絶対になりたくないと思いました(笑)。

でも、それまでにレッスンを受けさせられたりはしていなかったんですか?

ゴールドマン:父はあまり気にしていませんでしたね。でも母は僕に長いあいだピアノの練習をさせようとしました。いまでは、そのお陰でMIDIキーボードなどの電子楽器を操作でき、すべてマウスでプログラムしたりする必要がないので良かったと思っていますが、当時はまったくピアノに興味が持てなかった。即興演奏は好きだったんですが、既存の曲を弾く練習をするのが嫌いだったんです。親もそれを見て諦めた(笑)。でも、僕が電子音楽をはじめてからは応援してくれましたよ。関心も持ってくれたし。

お父さんは、電子音楽との関わりは全然なかったんですか?

ゴールドマン:なかったです。ただ、音大で彼の教え子だったポール・フリックという学生が、ブラント・ブラウアー・フリックというユニットをはじめて、彼と一緒に作曲をしたりもしていましたね。それに父の音楽仲間には実験的な電子音楽に触れていましたし、父の恩師であるカールハインツ・シュトックハウゼンは電子音楽のパイオニアのひとりですから。でも、自分自身では電子音楽を作曲したりプロデュースすることはありませんでした。

[[SplitPage]]

ドイツのハウス・レーベルが外国で評価されるようになったのなんて、本当に最近のことですからね。僕の初期のリリースがドイツのレーベルではなく、UKのレーベルだったという事実もそれを物語っています。〈Classic〉からリリースした東ドイツ人は僕が初めてだったはずですよ(笑)

子供の頃、家ではどんな音楽が流れていたんですか?

ゴールドマン:家ではあまり音楽を聴いていませんでしたね。不思議に思うかもしれませんが、母が個人的に好きなものをときどきかけていたくらいで、父はあまり家で音楽を聴きませんでした。父がレコードをかけている姿はほとんど記憶にないです。それより楽譜を読んでいました。音を聴かなくても楽譜を読むことでその音楽が彼には聴こえていたんですよ。まるで新聞を読むように楽譜を読んでいた。変な感じでしょう? 僕にはできませんけどね、世のなかにはそういう人もいるんです(笑)。

へぇー! では家に音楽が溢れていたというわけじゃないんですね?

ゴールドマン:違いましたね。よくリハーサルを見に行ったり、母に連れられてコンサートを見たりはしましたけど、家に音楽はそれほどありませんでした。

音楽ファンにとっては、音楽家の親を持つことは憧れですけど(笑)、そういう音楽家系もあるんですねぇ。

ゴールドマン:親が酷い音楽を作っていたら、それはそれで悲劇じゃないですか(笑)?

でもあなたのお父さんはそうじゃなかったでしょう?

ゴールドマン:それでも、父の音楽を評価するまでには時間がかかりましたよ。父が周囲に評価されているということは何となく感じていましたけど、子供の自分にはその良さがわかりませんでした。20歳を過ぎてからじゃないですかね、父の音楽そのものに興味を持てるようになったのは。

そうなんですね。でも今年はお父さんの作品を〈Macro〉からもリリースされましたね。

ゴールドマン:はい。残念ながら本人は2009年に他界したんですが、もし生きていたら去年で70歳だったんです。そこで、『WIRE』誌との共同企画で『Late Works』というCDに商品化されていなかった彼の晩年の作品をまとめました。『WIRE』誌の購読者プレゼントとして無料で配布され、その後〈Macro〉からリリースして誰にでも買えるようにしたんです。そういうかたちで世に出せて良かったと思っています。普段なら彼の音楽に触れないような層の人たちにも聴いてもらえることが出来たと思うので。エレクトロニック・ミュージックのアーティストやDJなどからも、とても好意的なフィードバックをもらって嬉しかったですね。

お父さんから、音楽的な影響は受けていると思いますか?

ゴールドマン:僕のハーモニーへのアプローチは受けていると思います。とくにハウス・ミュージックではハーモニーを軽視しているものが多いように感じます。コードの組み合わせが耐えられないものとか、よくありますよ(笑)。もし父が聴いたら同じことを言っただろうと思います。それに豊かで厚みのある音作りというクラシック音楽の録音の技巧なども、自分の曲を制作する際に参考にすることがあります。背景音のディテールに注意を払ったりとか。

〈Macro〉は他の多くのダンス系レーベルと比べると、かなり実験的な音楽を紹介している印象がありますが、そこは意識していますか?

ゴールドマン:はい、そうですね。理由は、僕たち自身が飽きないようにしているからでしょう。レーベルによっては、レコードをDJのツールとして出しているところもありますが、僕たちはそれ以上のものと考えています。自分達のカタログの中に、それまでにない表現を加えたい。新しいことを色々試していることが、結果的に「実験的」になっているんでしょう。新しいものは実験してみないと分からないですからね。

逆に、クラブ/ダンス・フロアも意識していますか?

ゴールドマン:ええ。僕もフィンもDJですから。それが基本にあることは変わりません。そのなかで、いままでにない新たな要素やヒネリを加えるようなものを意識しています。ですから、クラブが基盤となっていることはとても重要ですが、そのクラブ体験をこれまでにないようなものにしたいんです。いくら実験的になろうとも、頭の片隅では必ずクラブを意識していますね。

また音楽的な実験だけでなく、今回のミックスCDのようにコンセプトやフォーマットも変わったことに挑戦していますよね?

ゴールドマン:そうですね。例えば『The Grand Hemiola』という作品では、2枚組の12インチのB面とD面を組み合わせてループを構築することができるようにしたものを出しました。片方が4/4拍子で、もう片方が3/4拍子なので、同時にプレイすることで異なるリズムのループを作れるようになっています。何か人がやっていないことを考え出すのは、僕の趣味みたいなものです(笑)。

カセット・テープでリリースした作品もありましたよね?

ゴールドマン:これも同じような考えのものです。〈The Tapeworm〉というレーベルから出した『Haven't I Seen You Before』というテープで、片面に5曲、裏面に同じ5曲が逆の順番に入っています。ですから、曲を再生中にリバース・ボタンを押すと、同じ曲が延々とループできる仕組みです。同じレーベルでフェネス(Fennesz)のリミックスのテープも制作しました。これは彼が出した、サンプル集のテープを元に、僕がサンプルのリミックスをしたというものです。といっても、彼のサンプルをそれに合った自分のサンプルとひとつずつ差し替えていくという作業をしたものなので、実際にはフェネスのサンプルはいっさい含まれていません。まさに実験的なおかしな作品ですが、ダンス・トラックを作るのとは全く違う体験で。そうやって、「今度は何をやってやろうか」と考えるのは楽しいですよ。

最後になってしまいましたが、一つ伺うのを忘れていたことがありました。あなたはベルリンで生まれ育ったんですか?

ゴールドマン:そうです。僕が子供の頃、両親はよくブルガリアのソフィアとベルリンを行き来していましたが、僕はずっと東ベルリンで生まれ育ってきて、ベルリンを長期間離れたことはないです。いまは西側に住んでいますけどね。

では幼少の頃は、この街がエレクトロニック・ミュージックの首都になる日が来るとは想像していなかったでしょうね?

ゴールドマン:してませんでしたね。その兆候を感じたのは、やはり90年代に入って〈Tresor〉が出来た頃からです。その頃から、デトロイトのアーティストがたくさん来るようになったり、ベルリンから彼らのレコードが出たりしていましたから。でもドイツのアーティストの曲を、外国の人たちに聴いてもらえるようになるとは、だいぶ後になるまで想像できませんでした。ドイツのハウス・レーベルが外国で評価されるようになったのなんて、本当に最近のことですからね。僕の初期のリリースがドイツのレーベルではなく、UKのレーベルだったという事実もそれを物語っています。〈Classic〉からリリースした東ドイツ人は僕が初めてだったはずですよ(笑)。いまでは多くのUKのアーティストがベルリンのレーベルにデモを送るようになっていますけど!多くのUKレーベルがそのままベルリンに引っ越してきてしまうケースも多いですしね。

そのような変化は好意的に見ていますか?

ゴールドマン:ええ、とてもいい変化だと思います。ただ、この状態がずっと続くわけではないこともわかっていますけど。ベルリンはかつて、とても不親切で排他的な街でした。90年代の後半くらいでも、例えばレコード屋に行っても本当に店員があり得ないくらい不親切で(笑)、疎外感を感じたものですが、いまでは全然変わりました。国際的でコスモポリタンな文化が流入してきたこと、さまざまな国や地域からやってきた人びとと触れ合うようになったことで、ベルリンはずっといい街になりましたよ。

外からやってきた人間としては、そう言ってもらえると嬉しいです(笑)。ありがとうございました。

(以上)

Chart by JET SET 2011.10.11 - ele-king

Shop Chart


1

OGRE YOU ASSHOLE

OGRE YOU ASSHOLE HOMELY »COMMENT GET MUSIC
約2年ぶりとなる待望のセカンド・アルバムがアナログ化決定!!2枚組み見開きジャケット、D面にはエッチング加工が施された超豪華仕様です。

2

COS/MES

COS/MES SADISTIC EP1 »COMMENT GET MUSIC
1st アルバム『Sadistic Skatepark』のパーツをメガ・ミックス的手法で再構築した衝撃作!同じく1stから"He Is Rain Man"をCos/Mes同様に勢いに乗るバレアリック・ユニット、Seahawksによるリミックスを収録した強力12インチ!

3

LORD OF THE ISLES

LORD OF THE ISLES PACIFIC AFFINITY EP (INCL. COS/MES REMIX) »COMMENT GET MUSIC
Cos/Mesリミックス収録!見逃し厳禁のニューカマーの12インチがChida氏が主宰するEne からリリース ! American StandardやAdult Contemporaryからリリースをし、いずれも大ヒットを記録した新鋭クリエイターによる2011年待望のアナログ第四弾!

4

DISCO TOM

DISCO TOM WHATCHAWANNADO V.5 »COMMENT GET MUSIC
US人気リエディット・レーベル"Whatchawannado"第五弾に、Tom Noble a.k.a. Disco Tomが再登場!!

5

POOLS

POOLS POOLS E.P.1 »COMMENT GET MUSIC
Andresによる"Rock With You"リエディットがカルト・ヒットを記録した、LA名物パーティ「The Do-Over」から派生した"Whatchawannado"の新シリーズ"Spills"から、これまた極上の新作エディットが2作同時入荷!!

6

POOLS

POOLS POOLS E.P.2 »COMMENT GET MUSIC
Andresによる"Rock With You"リエディットがカルト・ヒットを記録した、LA名物パーティ「The Do-Over」から派生した"Whatchawannado"の新シリーズ"Spills"から、これまた極上の新作エディットが2作同時入荷!!

7

VAKULA

VAKULA SHEVC003 »COMMENT GET MUSIC
Firecracker傘下と噂される"Shevchenko"レーベル待望の第三弾!!

8

FLOATING POINTS

FLOATING POINTS DANGER »COMMENT GET MUSIC
クロスオーヴァーなヒット作を量産しているUKの気鋭ビートメイカー、Samuel T Shepherd a.k.a. Floating Pointsによる自主レーベル"Eglo"からの傑作7"。

9

GREAT WEEKEND / NOELLE SCAGGS

GREAT WEEKEND / NOELLE SCAGGS DO-OVER VOL.3 (DELUXE PACKAGE 10" VINYL) »COMMENT GET MUSIC
回は、CommonのライブDJとしても知られるTwilite Tone率いるGreat Weekend、 The RebirthのフィメールボーカリストでもあるNoelle Scaggsをフィーチャー。

10

MAYER HAWTHORNE

MAYER HAWTHORNE HOW DO YOU DO »COMMENT GET MUSIC
Stones Throwからの鮮やかなデビュー後、一気にスターとなった我らがMayer Hawthorne、超待望の2nd.アルバム。メジャーへ行っても変わらない、現代最高のソウル・ミュージック!!

interview with Amanda Brown - ele-king

 その奇矯なエロティシズム、挑発的でビザールなヴィジュアル、ノイズ、ドローン、アンビエント、ダブ、ファンク、それから低俗なディスコまでもがミックスされる奇異な音楽性、混乱、混乱、また混乱、キッチュ、キッチュ、またキッチュ......あるいはヴァイナルとカセットで限定リリースされる大量の作品群(たとえば2005年の1年だけでも20枚以上の作品を限定リリースしている)。2004年にはじまったロサンジェルスの〈ノット・ノット・ファン〉は、現在リスナーにとってもっともミステリアスなレーベルのひとつである。
 アマンダ・ブラウンはレーベルの創始者のひとりだ。彼女は......強いて喩えるのなら、ポスト・ライオット・ガールを代表する存在、ないしはUS ローファイ・アンダーグラウンド・シーンにおけるリディア・ランチ(ないしはマドンナ)のごとき存在である。彼女は政治的にも性文化的にも、そして社会的にも、旧来のコンテクストに組まれることを拒むかのように自由気ままに活動している。
 アマンダ・ブラウンは、この5年は、レーベルの看板バンド、ポカホーンティットとしても何枚もの作品を発表し続けてきた。昨年はメンバーのひとり、ベサニー・カンテンティーノがバンドを脱退(ベスト・コーストとしての活動をはじめたため)、残されたアマンダ・ブラウンはL.A.ヴァンパイアーズと名義を変えてあらたな道を進んでいる。
 2011年は12インチのダンス・ミュージックに的を絞ったサブレーベルとして〈100%シルク〉をスタートさせ、すでに11枚ものシングルをカットしているが、これが日本でも人気がある。数が少ないというのもあるが、わりとすぐに売り切れる。だいたい、ヒップホップ系、ハウス系、そしてインディ・ロック系のDJが同時に注目するようなレーベルはそう多くはない。もっともそれ以上に興味深いのは、ゼロ年代のUSアンダーグラウンドにおけるノイズ/ドローンがミラーボールがまぶしいディスコの世界へと到達したという事実である。男性的な実験音楽の世界に揺さぶりをかけるように、アマンダ・ブラウンはユーロビートとポルノをそこに持ち込む(マリア・ミネルヴァにもそれがある)。
 『WIRE』誌の表紙を飾り、いよいよヨーロッパでその評価を高めている〈NNF〉レーベルにメールを送ったところ、返事はすぐに来た。「私はアマンダ! 質問を待っているわ」

女性はアンダーグラウンド・シーンでもっと評価されるべきなのよ。音楽のメインストリーム世界では女性をよく見る。稼ぎ手、ビジネス権力者、トレンドセッターといったところでね。しかしアンダーグラウンドの世界では、ショーにいる大多数は男性なのよ。

今回、メール・インタヴューを引き受けていただき、ありがとうございます。ヨーロッパ・ツアーはいかがでしたか?

アマンダ:いや、結局ヨーロッパにはいかなかったんだけど、オーストラリアにいたわよ。とくに興味もなかったし、オーストラリアに行くなんてまったく思っていなかったのに、そしてそのツアーで、私の人生最高の音楽経験をするなんて、おかしいわよね。私は新しいセットをプレイするのに、とても緊張していたわ。でも、都市のバイブやエネルギーが自分のパフォーマンスをインスパイアして、はっきりいってオーストラリアでいちばん良いショーをすることができたのよ。

あなたの〈100%シルク〉レーベルが日本のアンダーグラウンド・シーンで人気なのは知ってますか? ヒップホップ系、ハウス系、そしてインディ・ロック系のDJが買っているんですよ。

アマンダ:それは素晴らしいわ。欧米のミュージシャンにとってのゴールは日本で愛されることだよ思うのよ。日本人は何か、すばやくて、強烈で、アートへの情熱に満ち溢れているように思う。もし日本に行って、DJが〈シルク〉のレコードを回しているのを聴いたら、驚くでしょうね。

あなたのレーベル〈NNF〉のどれもが独特の音だし、いくつかのリリースは実験的です。まずはあなたの歴史から教えてもらえますか?

アマンダ:私はロサンジェルスに80年代初頭に生まれた。実を言うとね、音楽を演奏することには、そこまで興味がなかったのよ。ずっとライターになりたいと思っていた。その学位を取って、芸術のアウトレットとして続けていくものだと思っていたわ。音楽は別の方向から何となくやって来たのよ。ブリット・ブラウン(Robedoorとして数多くの実験作品を出している)と私はデートをしていて、彼はカシオとギターを持っていた。私たちはそれを面白おかしく使い、曲と歌詞を書いて遊んでいた。私たちは、この初期の空想を、大きな規模になったけど、まだプレイし続けているのだと思うわ。

どんな10代を送りましたか?

アマンダ:いわゆる変人よね。普通に学校に通っていたけれど、 同時にモヒカンで口にピアスをしていたという意味でね。

パンクに少し脱線した優等生ですか?

アマンダ:私はパンクではなかったのよ。R&Bやヒップホップが好きだったの。異常者でもなかった。私はただたんにクールでいたかったし、いまもそうなのよ。

[[SplitPage]]

真面目な話、ドラッグの影響はないわ。ドラックは退屈で、興味を持ったことがないの。外の世界では私はかなりのストーナーだと思われているのかもしれないけど、それは私ではない。

あなたにとっての音楽とは何でしょう?

アマンダ:私は音楽を作るってことよりも、まずは音楽の大ファンなのよね。インスパイアされる、すばらしいアーティストと仕事をするのが好きなのよ。すばらしい音楽に圧倒されるのが好きだし、ダンスするのも好きよ。

音楽はどうやって学んだんですか?

アマンダ:いや、まったく学んでないわ。

ブリット・ブラウンとはどのように〈NNF〉レーベルをはじめたんですか?

アマンダ:ブリットはファッション雑誌の仕事の私の上司だったのよ。私は、彼と出会ったとたんすぐに好きになったの。彼が私を好きになるまでは時間がかかったけどね(笑)。そして私たちはレーベルをスタートしようと思い立った。それがフルタイムの感情になるなんて考えてもいなかったけど。「音楽を作っている友だちがいて、私たちには彼らをサポートするお金がある。じゃあ、レコードを作ろう(let's make a record!)」、こんな感じだったのよ。

〈NNF〉レーベルのポリシーについて教えてください。

アマンダ:ブリットと私が音楽とアーティストが作るモノを信じているということだけ。信頼と真実は私たちにとって大きいのよ。ファンが私たちがいままでリリースした作品についてどう思っているのか、すべて知っているわけではないけれど、私たちは音楽が好きで、アンダーグラウンドへの愛にふさわしい、という信頼を持たれるべきだと思っているわ。私たちは流行先導者ではないけれど、強い意見と特有なテイストを持っている。もし私たちが、あなたが「いけている」と思ったら、あなたも仲間よ。

レーベルはなぜヴァイナル、カセット、あるいはCDRでリリースするのですか?

アマンダ:CDRは触れたりプレイしたり聴いたりするには楽しいものではないわ。まず美学的に面白くないし、メディアとして記憶に残るものでもない。

CDを嫌っている理由は?

アマンダ:傷がつくし、ケースは壊れるし、たったひとつのシミでスキップするし、かなり迷惑よね。

ちなみに〈Not Not Fun〉というレーベル名はどこから来たんですか?

アマンダ:これは昔私がよく言っていた言葉で、まぬけ風に使ってたのよ。最悪と、そんなに楽しくないの中間ぐらいの意味よ。

あなたは長いあいだポカホーンティットとして活動してましたが、このバンドはどうやって生まれたんでしょう?

アマンダ:まずね、「ポカホーンティットというバンドをはじめた夢を見たのよね」と、私がベスアニー(現、ベストコースト)にかけた電話からはじまっている。いま聞いたらバカみたいだけど、本当の話よ。ベスアニーは素晴らしい声を持っているわ。私には、彼女の歌があり、言葉に表せないほど至福があって、ディストーションのギターがなり響く......というバンドのヴィジョンがあった。ラッキーなことに、彼女は私の空想を満足させることが好きだったのよ。

初期の音はノイズ/ドローンでしたよね。これは何の影響なんですか?

アマンダ:正直言うけど、直接影響を受けているものはない。あなたが聴いているのは、(ノイズ/ドローンというよりも)アマンダとベスアニーが純粋に即興している音なのよ。私も彼女もドローン音楽を聴いたことがない。私はファンクやダブ、ビョーク、シャーデー、ア・トライブ・コールド・クエストが好きで、彼女はビリー・ジョエル、スプリングスティーン、ブリンク182、ビーチ・ボーイズが好きだった。どこから私たちの音楽が来たのかわからないけど、私たちのあいだで何か生まれたんでしょうね。

すごくサイケデリックな音楽だと思うんですけど、何を目的として作られたんでしょう?

アマンダ:目的は、私たちの友情、女らしさ(femininity)、ユーモア、そして創造性を祝うために接合することだった。それはともに、私たちの時代のタイムカプセルだった。注目されはじめたとき、私たちは自分たちの幸運を信じることができなかったわ。

ドラッグ・カルチャーからの影響はありましたか?

アマンダ:いいえ、真面目な話、ドラッグの影響はないわ。ドラックは退屈だし、興味を持ったことがないの。外の世界では私はかなりのストーナーだと思われているのかもしれないけど、それは私ではない。

〈NNF〉の初期のウェアハウス・パーティについて教えてください。

アマンダ:ロサンジェルスでは大きなフォロワーはつかなかったけどね。ほとんどのパーティは75~100人規模で、それ以下のときもたくさんあるほど親密だったわ。自分たちが何かかっこ良くて特別という感覚だったし、そんなにたくさんの人に気づかれなかったということでもある。正直言って、私たちはいつでもこれで良かったのんだけどね。

2010年のポカホーンティット名義の最後のアルバム『Make It Real』はダビーで、ユニークなビートを持った作品でした。Pファンクのようなアートワークも面白かったし、そのファンキーな感じとか、それ以前のポカホーンティットとは別物というか......。

アマンダ:バンドが5人編成に変わるということはすべてのジャンルにおいて、かなりの変化なのよ。部屋に5人の人間がいるということは、ドローン音楽やアンビエント音楽にはエネルギーが高すぎるの。生のドラマーがいて、ファンキーなベース・プレイヤーがいて、それで突然、こんなグルーヴィーでサイケ・ワールド・ビート・アンセムを書いたのよ。リスナーに、よりアカデミックな音楽を......という初期のヴァージョンとは違って、私たちは人びとを動かしたかったし、自分たちも動きたかったの。私は自分の歌詞を信じると言うことにも気づいたし、何かモットー(従来の物語より深い自己表現)のようなモノに変えた。

あなたのなかにそのような進化があったんですか?

アマンダ:私たちは新しい方向に行こうと意図的に発展した。どんなリスナーにむけてもまったく違う経験ができるように、古い音を洗い流すという、重大な意図を持って、何か震える、新しいものを作り出そうとした。私たちに1日目から最後の日までファンがいることを知ってびっくりしたけどね。

何か特別な影響があったら教えてください。

アマンダ:私はいまでも音楽が好きで、音楽への愛がどんどん成長している。トリップ・ホップ、R&Bやヒップホップ、ダンス・ミュージック、そしてデジタル・アンダーグラウンド、ディー・ライト、ブラック・ボックス、ビギー、ポーティスヘッド、ミスター・フィンガーズ、ア・ガイ・コールド・ジェラルドが大好きなのよ!

[[SplitPage]]

私たちは音楽が好きで、アンダーグラウンドへの愛にふさわしい、という信頼を持たれるべきだと思っているわ。私たちは流行先導者ではないけれど、強い意見と特有なテイストを持っている。

女性アーティストだけを集めて『My Estrogeneration』というコンピレーション・アルバムを作りましたね。これはどんな経緯で生まれたんでしょう?

アマンダ:女性はアンダーグラウンド・シーンでもっと評価されるべきなのよ。音楽のメインストリーム世界では女性をよく見る。稼ぎ手、ビジネス権力者、トレンドセッターといったところでね。しかしアンダーグラウンドの世界では、ショーにいる大多数は男性なのよ。オンライン・バイヤー、ブログ運営者、ミュージック・ジャーナリストも男だらけよね。もっとも私たちが女性というだけでゲットー扱いされる考えは好きではないけどね。フェミニストの最善の提案は、パイのスライスを欲しいことではなく、自分たちの別々のケーキが欲しいってこと。私たち女性がみんなひとつの場所で、創造的な力、重要な存在として知覚されるのはいいわよね。

サブレーベルの〈100% Silk〉をはじめた動機について話してください。

アマンダ:アンダーグラウンド・ダンス・ミュージックのアートを強調したかったからレーベルをはじめたのよ。ダンスのほとんどのチャンネルは健康的だと思う。ダンスというヴィジョンには、教養ある男性に美しいコンピュータや複雑な機材もある。ダンスのなかにソウルと優雅さ、ランダムと興奮、アウトサイダーの感覚を組み入れてやっている連中を知っていたので、私は彼らにハイライトを当てて、アーティストをサポートしたかった。コンセプトはダンスで、そう、本物のダンシングよ。

チルウェイヴやシンセ・ポップは好きですか?

アマンダ:チルウェイヴはよくわからない。シンセ・ポップは好きじゃない。私はあくまでディスコを崇拝しているの。大好きよ。〈シルク〉からでている音楽はたんに電子楽器で作った音楽ではない。あなたをダンスさせ、グルーヴさせなければならないの。

でもあなたの音楽には80年代のニューウェイヴからの影響がありますよね?

アマンダ:自分では80年代的だと思ってないんだけどね。ニューウェイヴでもないと思うけど、幾何学的なニューウェイヴのアートは好きよ。スペンサー・ロンゴは私を素晴らしいナーゲルの女性として描いてくれた。それが80年代の審美からの借りてきた物だとしても、スペンサーは古い物を新しい感覚で再生できる人だと思うわ。

クラブ・カルチャーに関するあなたの考えを教えてください

アマンダ:クラブ・ミュージックは文字通りにいってセンセーショナルよね。ほとんど知覚の音楽で、大袈裟で、人を楽しませ、ドラマティックで、遊び心があって、セクシーで、催眠効果がある。私は踊るのも、汗をかくのも、ダンスフロアで自分の体を失うのも好きなのよ。もし私が他人のなかの同じ反応を刺激する音楽をリリースすることができたら、私が望んでいたよりも良いモノができたと満足するでしょうね。

いろんなスタイルを楽しんでいるって感じですか?

アマンダ:そのときの感覚をね。その瞬間に何に惹かれているかによるわ。あるときはダブだったり、エクスペリメンタル・ポップだったり、ハウスだったり......。音楽を探しながら変化することが好きなのよ。ひとつのことを20年続けためにここにいるわけではないから。


LA Vampires
So Unreal

Not Not Fun

Review Amazon iTunes

2010年末にL.A.ヴァンパイアーズ名義で出した『Unreal』はとてもパワフルな作品でしたけど、あのタイトルはどこから来たんですか?

アマンダ:あのアルバムをレコーディングしていたとき、私の人生すべてが非現実的に感じられた。ポカホーンティットは解散して、仲の良い友だちを失って、レーベルが私のフルタイムのジョブになって、私の最初の小説が売れたばかりで、かなり圧倒されていた。『Unreal』(非現実的)は、このセンセーションを表すいちばんの方法だった。

アメリカであなたの音楽は受け入れられているんでしょうか?

アマンダ:答えるのに難しい質問よね(笑)。何人かは嫌いで、何人かは好きで、ひとりかふたりぐらいは大好きであって欲しいけど。

あなたの音楽は、アメリカの主流文化とはどのような関わりがあると思いますか?

アマンダ:いいえ、私はアメリカ文化のメインストリームから外れているからね。人は私の音楽をただの騒音だと思っているし、ローファイのエクスペリメンタル・アーティストだと思っている。まあ、反論はしないけどね。

音楽を通じて言いたいことは何でしょう?

アマンダ:まずはあなた自身が楽しむってこと。

レディ・ガガについてどう思う?

アマンダ:深く考えたことはないけど、少なくともあの音楽が良いとは思えないわよね。でも彼女の体はすごいと思う。綺麗な形をしているし、ファッションも大好きで、その部分は尊敬している。ただ、彼女の音楽が彼女の個性やアウトサイダー感のように奇妙で壊れていれば良いのにと思う。そうすれば、彼女はメインストリームでもアンダーグラウンドでも重要人物になれるからね。

今後の予定は?

アマンダ:仕事,仕事,仕事,仕事。良い音楽を作る。ベストな音楽をリリースする。愛し続ける。自分が楽しむ。


Chart by Underground Gallery 2011.10.06 - ele-king

Shop Chart


1

KRAMER...

KRAMER... #House Revenge #502 (HOUSE REVENGE) »COMMENT GET MUSIC
FIRST CHOICE「Let No Man Put Asunder」幻のDERRICK MAY & ASHLEY BEEDLEリエディットが遂に復刻!DERRICK MAYが90年代中期に毎回必ずプレイしていた、FIRST CHOICE「Let No Man Put Asunder」のリエディットが遂に復刻! DERRICK MAYのミックスCD「Mix Up」でも一部分がリエディットされ使用されていたので、聞いたことがある方も多いと思いますが、実はコレ、ASHLEY BEEDLEとDERRICK MAYが、RON HARDYのリエディット・ワークをお手本にして制作した、アンオフィシャルなリエディット作品なんです!電車が走り去るSEをバックに、抜群にファンキーなパーカッシブ・グルーヴで展開していく、とにかくアガるディスコ・ハウス!!ASHLEY BEEDLEによるA面、DERRICK MAYによるB面、どちらも本当にカッコイイ!!!オリジナル盤は欧州の中古市場では100竄ャを超える値段で取引されることもある正真正銘"幻"のトラックです

2

MO MOODY (MOODYMANN)

MO MOODY (MOODYMANN) Doin Ya Thang (White Label) »COMMENT GET MUSIC
MOODYMANNの新プロジェクトMO MOODY!超限定プレス! 既にyoutubeにPVが公開され、ファンの間で大きな話題を集めていた新曲「I Got Werk」、初期の[KDJ]の作品を思い出させるような、ライブフィーリング溢れるディスコ・チューン「Doin Ya Thang」など、全3曲を収録!ここ最近のMOODYMANNの作品の中でも群を抜いた一枚だと思います!

3

REEL BY REAL

REEL BY REAL Surkit Chamber - The Melding (A.R.T.Less) »COMMENT GET MUSIC
デトロイトの隠れた重要人物REEL BY REALが約20年振りに新作を発表! 90年代初めに、JUAN ATKINSが運営していた幻のレーベル[Interface Records]や、当時のデトロイト・テクノを積極的にUKへ紹介していた名門レーベル[10 Records]から作品を発表し、コアなデトロイト・ファンの間では伝説のアーティストとして語られたいたMARTIN BONDSによるプロジェクトREEL BY REALが、何と20年ぶりの新作をリリース!ジャケットのアートワークは、[Underground Resistance]や[Red Planet]、[Transmat]のデザインでもお馴染みのABDUL HAQQによるもの!デトロイト・ファン・マスト!

4

RONNY & RENZO

RONNY & RENZO Heartbreak Theme (Rekids) »COMMENT GET MUSIC
CARL CRAIGリミックス収録!ベルギーのカルトレーベル[King Kung Foo]で知られる RONNY & RENZOが、盟友 RADIO SLAVE主宰の[Rekids]から新作をリリース! QUIET VILLAGE名義でリミックスを提供していたこともあるRADIO SLAVEが、自身主宰の人気レーベル[Rekids]より、ベルギーのカルトレーベル[King Kung Foo]で御馴染み RONNY & RENZOによる最新作をリリース。低くドープにウネりを上げるスローモーなグルーブにシリアスなムード漂うアンビエンスなウワモノやディープな声ネタ、シンセリフなどを響かせ、10分を超える長尺世界の中ジワジワとハメに掛かる 超強烈トラックを披露。さらにカップリングには、ファンクネスなグルーブとスペーシーなシンセメロを響かせ、より壮大な世界を展開していく御大 CARL CRAIGによるリミックスを収録。当然、こちらも間違いありません!大・大・大推薦!

5

QUINTUS PROJECT

QUINTUS PROJECT Night Flight (Derwin) »COMMENT GET MUSIC
UGヘビー・プッシュ!87年に限定300枚でリリースされたQUINTUS PROJECTのアルバム「Moments」に収録の「Night Flight」をPSYCHEMAGIK、LEXXがリミックス!しかもカップリングには、オリジナルも収録されています! JAZZANOVAのALEX BARACKが主宰する新レーベル[Derwin Recordings]新作は、87年にドイツ[NGM]よりリリースされた激レアアルバム「Moments」より、可憐な鍵盤が印象的に響く、緩やかなチル・コズミック/フュージョン・シンセ・クラシック「Night Flight」が世界初の12インチ化!このオリジナルを再発させてくれただけでも本当に嬉しい1枚ではあるのですが、さらにカップリングには[Ambassadors Reception]からアルバムリリースが予定されている PSYCHEMAGIKによるリミックス、KAWABATAこと LEXXによる'Night Crusin'なレイトバック/バレアリック・リエディットを収録。

6

STRANGER SON

STRANGER SON Inside Many Summers (WHITE BOX) »COMMENT GET MUSIC
A MOUNTAIN OF ONE辺りのサイケデリック縲怎oレアリックなロッキン・ディスコは絶対に要チェックです!!限定250枚プレス。 元TVH3のGARETH SMITH率いるマンチェスターの大所帯ポストパンク・バンドSTRANGER SON OF WB改め、STRANGER SONによる待望のニューシングルが、ホーム・レーベル[Whitebox]から登場! A MOUNTAIN OF ONEのサウンドを彷彿とさせるようなサイケデリック縲怎_ブ縲廸.W縲怎Iルタナロック縲怎oレアリックな要素を、独自フィルターを通し昇華させた、オリジナリティー溢れるロック・サウンドを披露。収録3作、どれも本当に良いですので、コレはホントいオススメです!

7

DON PAPA & SUBMARINE

DON PAPA & SUBMARINE Kambo Super Sound (Sex Tags Amfibia) »COMMENT GET MUSIC
ノルウェーのカルト・レーベル[Sex Tags Mania]傘下[Sex Tags Amfibia]新作は、昨年リリースされ話題となった DON PAPA & SUBMARINEによるレゲエ/ダブスプリットシングル!! レーベル看板 DON PAPAがSUBMARINEと共に手掛けるレゲエ/ダブ・スプリット・シングル 第2弾。ジャマイカン・ダブ手法な深く打たれるダブ・グルーブにスモーキーなヴォーカルを響かす DON PAPA手掛ける Side-A「Come 2gether」、カップリングには同曲のダブヴァージョン「Moss Dub Massive」を収録。ジャンルレスにコレは本当にオススメしたいです!! 限定プレスでのリリースとなると思いますので、コレだけは是非お早めに縲

8

BRYAN FERRY

BRYAN FERRY Alphaville (Leo Zero Remix) (White) »COMMENT GET MUSIC
しばらく前から話題となっていた1枚が遂にヴァイナル・リリース!ROXY MUSICのフロントマン BRYAN FERRYのリミックスアルバムからのホワイト・ヴァイナル・カット!LEO ZERO、TIME & SPACE MACHINEのリミックスを収録!! 知らなかった人も多くいるとは思いますが、実はコレ、[Virgin]傘下[The Vinyl Factory]より、今年春先頃にほぼUKオンリーの取り扱い(日本にはほとんど入っていなかったと思います)で超限定リリースされていた「Alphaville Remixes」が、ホワイトながらも原盤と同じカップリング仕様で再登場!!!まず Side-Aでは、A MOUNTAIN OF ONEの中心人物 DJ LEO ZEROが、どこかトロピカルなムードを醸しだす、暖かくメランコリックな雰囲気が◎なミッドテンポなチル/バレアリックなディスコリミックスを披露し、Side-Bには、THE JOUBERT SINGERS「Stand On The World」の印象的なオルガンプレイをネタとして使ったと思われる TIME & SPACE MACHINEのリミックスを披露。どちらも本当に最高ですね縲怐B恐らく今作も限定プレスでのリリースになると思いますので、Nu-Disco縲怎nウス派の方は絶対にお見逃しのないよう、お早めのチェックをオススメします!当然、当店一押しの1枚です!

9

DJ DEEP AND JOVONN

DJ DEEP AND JOVONN Back In The Dark (Clone) »COMMENT GET MUSIC
2000年にフランス[Distance]からリリースされた、DJ DEEP & JOVONNのディープハウス・クラシックが[Clone]より復刻![Blance]やCHEZ DAMIER辺りにも通じるミニマルなリフをバックに、セクシーにうねる黒いベース・グルーヴ、ワンコードながら絶妙のタイミングで刻まれるオルガン・リフを絡めながら、ジワジワとビルドアップする最高のディープ・ハウス・サウンド!ポエトリーも良い感じです!リリース当時は、それ程ヒットした訳ではありませんが、当時よりも今のムードに合っているように気さえする、ハウス・ファンなら絶対に聴いて頂きたい一枚です!傑作!

10

KASSEM MOSSE

KASSEM MOSSE Enoha Ep (Nonplus) »COMMENT GET MUSIC
[Workshop]や[Mikrodisko]からのリリースでお馴染み、ベルリンのカルトアーティストKASSEM MOSSE、 ダブステップ縲怎eクノ越境レーベル[Nonplus Records]からの新作!モノ・ミニマル縲怎Gレクトロまで、全曲◎!MAURIZIO「M5」を"酸"を加えたような、ドープ・モノ・アシッド・ミニマルのA1がとにかくカッコイイ!うねるようにビルドアップしていく展開も素晴らしい!その他にも、DREXCIYAを思われるようなダーク・エレクトロや、ベルリン産らしい、インダストリアル・テクノなど、全4曲、全て◎!ここ最近のKASSEM MOSSEの作品の中では、ずば抜けてカッコイイです!

第五回:緑の家に聴かせる音楽〈一〉 - ele-king

 横浜方面に向かうのは今年二度目で、この前は葉山の神奈川県近代美術館でのモホイ=ナジ展に電車とバスを乗り継いでいった。私はそこで秋田昌美の文章で知ったナジの「アンタイ・レコード」の現物を見る腹づもりだった。秋田昌美はモホイ=ナジについてこう書いている。
「だが、ナギ(モホイ=ナジ、この本ではモホリ・ナギと表記している/筆者注)は聴覚芸術家ではなく視覚芸術家であった。彼がレコード盤上に刻まれた「溝」という「音が視覚化された」レコードの物質面に注視したのも、おそらく彼が音楽ではなかったからであろう。さらに、彼はレコードを「創造的音楽」のために変形を加え得る様々な方法を列挙するに当たり、レコードを写真にとること、そして、「いかにそれらのレコードが演奏可能な本物のように見えても、まずはこうしたことから始めるのが好ましい」と述べる。さらに、「機械的・金属的な音」あるいは「鉱物的な音」についての実験を試みるよう提案している」(秋田昌美『ノイズ・ウォー』青弓社)
 直後に秋田自身「ナギの作ったレコードが一体どのような「音」を出したのかは分からない」と断っているように、この作品は構想段階で終わったのか、今回の展示にそれを思わせるものはなかった。ところがその構想コンセプトが示唆するものは少なくなかった。とくにノイズや、ヒップホップをはじめとしたDJカルチャーで、ノン・ミュージシャンがどのようにレコード・メディアを誤用してきたか、秋田はその歴史のはじまりにモホイ=ナジを置こうとする。もちろんこれは、レコード/ヴァイナルの物質性に親和的な、ほとんど90年代的なものの考え方であり、音楽が物質性を捨て去りつつある2010年代においてノスタルジックに見えなくもないが、容れ物であるメディアのフレームそのものを音楽のいち要素として捉えれば、この問題は音楽を再生するたびにリピートする問題であるはずだが、高度化~複雑化~巨大化しつつ偏在することで不可視になったメディア環境下ではこの問題意識は低い階層へもぐらざるを得ない。音楽ジャンルであるノイズをのぞき、聴取におけるノイズはデジタルデータの保存形式のちがいと見なされるのがこの時代のややこしさである。「貧しさ」をあえて選びとるより、知らぬうちに「劣化」している複製芸術時代が、利便性といっしょに寝そべっている現状を、私は否定するつもりはないけど、ムシするわけにもいくまい、とたまにわれにかえることがある。
 秋田昌美はモホイ=ナジについて述べた中で、レコードの出現が音楽の時間概念を変質させたとも指摘している。複製品の枠組みが音楽を一定の時間/空間に従属させるだけでなく、ポータビリティが音楽の聴き方の選択肢を広げる、と同時に、ハードさえあればリスナーの自由意識でいつでもどこでも再生可能だが、逆にいえば、ある種の「ルーズさも作り出す」。 レコードというヴィークルに乗った音楽は未来へ運ばれる。溝に刻まれた過去は未来に再生される。そして再生される過去は--環境やレコード盤のコンディションに左右されるので--過去と完全に一致しないがゆえに、「このことは『ノイズ』にとって利用できることとなる」と秋田昌美は書いたが、これはアーカイヴさえ携行可能なネットワーク時代、すべての記録された音楽に張りつく薄皮みたいなものになった。もとから音楽は時間とか空間とかと無縁であるはずはない。しかし現在の時空間はネット空間とも混ざり合っているものだから、一筋縄ではいかないのもまたたしかである。
 いま思えば、2008年の第3回目の横浜トリエンナーレのテーマだった「タイムクレヴァス」について、「哲学や科学を射程にいれた、きわめてベーシックなテーマ」と、私はある雑誌に書いたとき、アートにとって時間はいまだ古典的な命題だった。古典的だから論じがいのあることでもあった。挑む山の頂が見えていた感じだったのかもしれない。私はトニー・コンラッドや小杉武久、ヘルマン・ニッチェやポール・マッカーシーの作品の間を歩き、田中泯や勅使河原三郎のパフォーマンスを見ながら、作品と身体に流れる時間を感じた。それはミニマル(ミニマル・アートではない)というよりも、ゼロ年代後期の音楽のキーワードであるドローンに似た持続性を思わせる、身体に訴える時間操作だった。

 あれから3年がすぎて、4回目のヨコハマトリエンナーレ2011がはじまったと聞いて、私は紙版『エレキング』第3号(そろそろ書店に並ぶので、みなさんよろしくお願いします)をホウホウの体で入稿した9月17日、横浜に向かった。冒頭にも書いたが今年二度目である。遅い午後まで最後の原稿を待っていたので、今日は展示を見てまわれない。もう一回、いやあと二回くらいで全部を見たいとも思うだが、この日の目的は会場のひとつ、ヨコハマ創造都市センター(YCC)内に設置したピーター・コフィンの《無題(グリーンハウス)》で行うジム・オルークの演奏を聴くことである。YCC屋内にあるこの作品は、切妻屋根の温室の全面を透明の皮膜が覆っていて、種々の観葉植物の鉢植えが温室の内側をとりまくようにしつらえてあり、いち部は屋根のてっぺんまで伸びている。温室の奥には小口径のドラムセットが一台あって、私が到着したときにはすでに、ジムが演奏するのだろうか、入り口をふさぐようにモジュラー・シンセが置いてあった。コフィンのこのインスタレーションは、植物はよい音楽を感知し、反応するという説をモチーフにした作品で、真偽不明な--そもそも「よい音楽」の定義がここでは明確でない上に植物にとっての「よい」か人間にとってのそれか判然としない--疑似科学の理論上の瑕疵を、議論と想像のための余白に転化したものだろう。迷信や神話や伝承といった、筋書きがありながらいくつもの解釈を許す体系を逆手にとったこの作品は私たちの内心への問いかけでもあるが、音楽はあくまでここでは"ミュージック・フォー・プランツ"、「植物のための音楽」となり、人間は植物のおすそわけにあずかることになる。コフィンのコンセプトに忠実になればなるほど、演奏する主体は人間相手のあたりまえの、いつも通りのやり方を検証することになり、ある種の宙吊り、真空状態が主体の内面にうまれるのを期待できる。音楽は変わるかもしれないし変わらないかもしれない。だがそれも人間の基準でしかないと、コフィンは言外にいっているかにみえる。
 今回の会期中「植物のための音楽」のライヴ・パフォーマンスは都合6回予定しており 、すでにEYE、OOIOO、大友良英が演奏を行った。4回目となるジム・オルークのライヴは定刻通りにはじまった。シンセサイザー・ドローンを基調にした演奏はギターやラップトップともちがうウォームな質感だった。さらにジムは鉢植えの葉裏につけたコンタクト・マイクで採取した音を変調したノイズを、ミラーを彷彿させるドローンに加えることで、「植物のための音楽」を「植物による音楽」に読み換え循環させ、バイオニック(Bionic)というより、バイオトープ(Biotope)ノイズとでもいいたくなる音場をつくりだした。私は温室のまわりを散歩するように音を聴いた。「植物のための」という前提があるため、会場に席はない。YCCの高い天井に反響したドローンが位置を変えると、鮮明になったりくぐもったりする。音と一体化した《無題(グリーンハウス)》 は音楽のエンジンを借りて、時間と空間の中で動き出したようだった。音楽は耳新しいものではなかった、というより古典的に端正だったがしかし、時間や空間よりずっとアート/音楽が従属している人間というものを対象にしない音楽は演奏者だけでなく聴く方もゆさぶった。(次回へつづく)

(ライヴ情報)
2011年10月1日(土)17時30分~
ミュージック・フォー・プランツ
出演:蓮沼執太
会場:ヨコハマ創造都市センター(YCC)
※ヨコハマトリエンナーレ2011の詳細、会場へのアクセスは以下よりご確認ください
https://www.yokohamatriennale.jp/


ピーター・コフィン
《無題(グリーンハウス)》2010-2011
Installation/performance view for Yokohama Triennale 2011
Courtesy the Artist
Photo by KATO Ken
Photo Courtesy of Organizing Committee of Yokohama Triennale

[Electronic, House, Dubstep] #9 - ele-king

 最近読んだUKのメディアの記事で、〈RAMP〉レーベル(UKの〈ストーンズ・スロウ〉フォロワーで、ゾンビーやSbtrktなど出している)を主宰するDJのトム・ケリッジはいまだ月に数百ポンド分の新譜のヴァイナルを買って、DJするときもほぼ100%ヴァイナルだと自慢している。デジタルかヴァイナルか......この議論をここで蒸し返すつもりはない。が、去る9月、DOMMUNEでTHA ZOROや大阪のDJ、TUTTLEのプレイを聴きながら、あらためてアナログ盤でプレイするDJの魅力を思い知った次第である。

1.Cloud Boat - Lions On The Beach R & S Records


amazon iTunes

 ジェームス・ブレイクの成功は、ダブステップのネクストとしての歌モノをうながしている。ジェイミー・ウーンのアルバムは本サイトではスルーしたけれど、〈エグロ〉あたりはジャズ・ファンク/ソウル・ミュージック寄りにそれを展開している。そしてクラウド・ボートは、レディオヘッドのリミックス盤のように、ダブステップをバックに歌っているトム・ヨーク、ないしはボン・アイヴァーである。つまり、ダブステップのインディ・ロックとの相性の良さを証明する1枚でもある。裏面は、ブリアルのサイケデリック・ロック・ヴァージョンといったところ。

2.FunkinEven - Rolands Jam Eglo Records


amazon iTunes

 ロンドンのファンキンイヴンは、〈エグロ〉レーベルが発掘した新世代のアシッド・ハウス野郎で、すでにこれが4枚目のシングル。前作「彼女はアシッド」に続いて、レトロスペクティヴなアシッド・ハウスを展開している。というか、アシッド・ハウスとは、いま本当にレアグルーヴになっている。より音がクリアになって、もちろんベース・ミュージックの流れを引いてはいるものの、ウワモノのアシッド音は紛れもなく1987年のシカゴである。

3.Floating Points - Faruxz / Marilyn Eglo Records


amazon iTunes

 今年の6月にリリースされた12インチで、A面の"Faruxz"は、以下に挙げるアーティスト名のうち3人好きな人がいたら間違いなく聴いたほうが良い曲。カール・クレイグ、初期のエイフェックス・ツイン、フローレンス、グローバル・コミュニケーション、あるいは〈FXHE〉レーベルの美しいディープ・ハウス。

4.Lucky Paul - The Slow Ground EP Somethink Sounds


amazon iTunes

 グライム/ダブステップの荒野をあとに洗練化へと向かうネオ・ソウルからまた新しい才能が登場した。これはロンドンの新しいレーベルから、ニュージーランド出身でベルリン在住のラッキー・ポールのデビューEP......EPとは言え7曲入り。
 B面ではギャング・カラーズ(ジャイル・ピーターソンのレーベルの秘密兵器)、エリフィノ(Eliphino)がリミックスをしている。ゴンザレスやモッキーらとセッションしているドラマーだという話だが、グライム(ヒップホップ)の冷たいビートにパーカッションを与えたA-1やA-3、ジェームス・ブレイクやマウント・キンビーを意識したA-2、そしてR&Bを試みたA-4など彼の折衷的な態度を見せている。

5.Δ Δ - Sportex / Ikonika Remix Pushing Red


iTunes

 テキサスのダブステップのレーベルから、謎のプロジェクトのリリースだが素晴らしい。音は現代風のヒップ・ハウスというか、実にエネルギッシュなラップ入りのダブステップとシカゴ・ハウスとの古くて新しい幸福な出会いとなっている。B面は女流ダブステッパー、アイコニカよるジューク。前半は絵に描いたようなジュークで、しかし後半は彼女のコズミックなグルーヴで飛ばしていく。  〈プッシング・レッド〉はアメリカのレーベルだが、音はUKの影響下にある。アメリカ人プロデューサー、ジャス・ワン(Jus Wan)によるUKガラージ作品などリリースしている。

6.Duff Disco - Grand Master Duff / Slow Duff Disco


 今年はダフステップ名義でアルバムを発表したジェレミー・ダフィーのダフ・ディスコ名義のアンオフィシャルな1枚。A面はグランドマスター・フラッシュ&ザ・フューリアス・ファイヴの"ザ・メッセージ"、B面はカイリー・ミノーグの"スロー"をネタにしている。彼らしい、気の抜けたゆるいディスコだが、B面はとくにその脱力感がひかっている。

7.Untold - Bones Remixes SSSSS


iTunes

 ポスト・ダブステップにおいて、多くのリスナーにアルバムが待たれているのはピアソン・サウンドとそしてこのアントールドだろうけれど、筆者がより得体の知れない才能を感じているのは後者である。ピアソン・サウンドはプラスティックマンをなぞることができるが、アントールドは、これだけ多くのプロデューサーがハウス回帰している現在でも他とは違うところを見せている。
 これは2008年の曲をジョーとロックウェルがリミックスしたもので、ジョーのリミックス・ヴァージョンがとにかく素晴らしい。キックドラムに頼らずに最小のパーカッションで構成されるこのトラックは、機械で作られるダンス・ミュージックにはまだ創造の余地があることを証明しているようだ。

8.Owiny Sigoma Band - Tafsiri Sound Brownswood Recordings


amazon iTunes

 アフリカ・ミュージックは新たな展開は、クラブ・カルチャーとの交流である。ナイロビのオウニー・シゴマ・バンドのリミックス・シングルは、そのことを象徴する。A面はクァンティックによる2ヴァージョン、フリップ・サイドはジェシー・ハケット(ロンドンの〈オネスト・ジョンズ〉からのジャズ/ファンクの作品で知られる)、ヘロー・スキニー(何者かわからん)によるヴァージョン。スキニーによるボンゴやコンガの響きに的を絞ったややファンキーよりのミックス以外は、ハウス・ミュージックとして機能する。すべてが良く聴こえるのは原曲がいいからだ。

9.Mark Ernestus Meets BBC - Ngunyuta Dance Remix Honest Jon's Records


amazon iTunes

 これもアフリカとクラブ・カルチャーとの交流のひとつ。現代の南アフリカ音楽のコンピレーション・アルバム『New Wave Dance Music From South Africa』の収録曲をベーシック・チャンネルのマーク・エルネストゥスがリミックスしたものだが、まったくお見事な出来。ドイツ的な美意識による直線的なミニマル・ダブの極意というか、『ゼロ・セット』が古く思えるほど。アフリカの熱さとドイツのメトロノーミックなビートの出会い。
 ちなみに、このシリーズには他にアンソニー・シェイカー、そしてリカルド・ヴラロヴォスの2枚がある。筆者は3枚試聴してこれだけを買った。

10. Bjork - The Crystalline Series (Omar Souleyman Versions) One Little Indian


amazon iTunes

E王"クリスタライン"はリスナーを惹きつけて止まないビョークの得意なコブシ回しの入ったパワフルな曲で、彼女の音楽にハマったことのあるリスナーなら1回聴いてすっかり好きになってしまうタイプの曲である。オリジナルはシンセ・ポップ的なはじまりから後半はエイフェックス・ツイン流のドリルンベースへと展開する。ビョークらしいエレクトロニック・ミュージックのパワーを吸収した曲である。
 リミキサーでもっとも驚いたのが、アラン・ビショップが世界に広めたであろうシリアのカントリー・フォーク歌手のオマー・ソウレイマンで、リミックスというよりは、そのオリジナルに合わせて演奏して(サンプラーをブッ叩いて)、歌っている。この濃厚なエキゾチズムはかなり魅力で......というか爆笑ものだ。B面に収録された2曲ではほとんど自分のやりたいことをやって(演奏して、うわーおーなどと高らかに歌い)さっさと切り上げるという、実に清々しい態度でビョークに接しているように思える。だいたい、リミックスを依頼されたというのに、ソウレイマンは勝手に共作にまでしてしまったようなのだ。ちなみにこれはシリーズの3作目である。2作目がマシュー・ハーバート、4作目がポップス界の大物サーバン・ゲニー。
 しかし、A面45回転、B面33回転というのがいまのトレンドなんだとあらためて認識した。

11.The Stepkids - Legend In My Own Mind Stones Throw


amazon iTunes

 これはもう完璧なレトロマニア。甘ったるいヴィンテージ・サイケデリック・ファンクのスタイル(テンプテーションズの"クラウド・ナイン"とか、あのあたりです)を展開する3人組のヴォーカル・グループ、ザ・ステップキッズのアルバムからの先行シングル。たたみかけるシンセサイザーの感じはいまどきのチルウェイヴにも通じる......というか、最近の〈ストーンズ・スロウ〉は、ジェイムス・パンツもそうだが、インディ・ロック・キッズ向けのものが目立っている。

12.Frankie Knuckles Feat. Jamie Principle - I'll Take You There Nocturnal Groove


iTunes

 ハーキュリーズ&ラヴ・アフェアにフレンドリー・ファイアーズ......フランキー・ナックルズとジェイミー・プリンプルといった巨匠がカムバックする準備は整っていた。シンセ・ポップのアンダーグラウンド・ダンス・ヴァージョンとしてのハウス・ミュージックである。
 そういえば最近はグラスゴーの〈ナンバーズ〉からファンタジー・クラブの"ミステリー・ガール"がリイシューされている。きっと近々、DJピエールも出てくるだろう。シカゴ・ハウスは確実にいま旬なのだ!

13.James Blake - Order / Pan Hemlock Recordings


iTunes

 デビュー・アルバムとも、そして「CMYK」ともまた別の、ジェームス・ブレイクのメロディらしいメロディなしの、ミニマル・トラックがふたつ。ラマダンマンを徹底的にストイックに、反物語的にした感じで、ちょうどこのEPを買うときにプラスティイックマンのボックス・セットがレジの隣にあった。
 まあ......このアシッディな感覚は〈ヘムロック〉らしいと言えばらしいし、"Pan"の荒廃したイメージは他にない説得力を秘めているかもしれない。ダンス・ミュージックとしての面白味においては、10年前のヘロイン・ハウスを彷彿させる。そういう意味では筆者にはアンビヴァレンツな作品で、いちど評価を上げるとしばらくは何をやっても支持されるというのは、ありがちなことではあるけれど、これよりも数ヶ月前に都内のお店に出回っていたデスチャとリル・ウェインをネタにしたトラックのほうが、いまはまだ魅力を感じる。

14.Four Tet - Locked / Pyramid Text


amazon

 フォー・テットの主宰する〈テキスト〉レーベルは、わが国の12インチ市場でいまもっとも人気のひとつである。すぐに売り切れるのだ。それもよくわかるというか、"Locked"はミニマル・ハウスのフォーマットを使って、フォー・テットらしいメロウな展開をする。カール・クレイグがペーパークリップ・ピープル名義でダブステップ少々のビートを取り入れたと想像すれば良い。"Pyramid"は、いわばフォー・テット流のシカゴ・ディープ・ハウス解釈で、オーソドックスな4/4キックドラムのグルーヴィーなダンス・ミュージック。トラックの後半にはエレガントなメロディが重なってくる。

15.Juk Juk - Winter Turns Spring Text


 何者かわからないが、このスロー・テンポのミニマル・ハウスは機能性重視のトラックではない。〈テキスト〉レーベルらしい楽曲性の魅力に重点をおいた、陶酔的な響きを有している。メロディが重なる"Winter Turns Spring(冬から春へ)"の素晴らしい叙情性を聴いたら、作者が何者かわからなかろうが、思わずレジに走るだろう。フリップ・サイドの"Frozen"もそうだ。牧歌的なアンビエントではじまって、しばらくすると遅めのビートが脈打つそれは、空想的な悦びを刺激するだろう。
 もしお店に行ってフォー・テットのEPかこれかで迷うことがあれば、筆者は迷わずこちらをオススメする。

16.DjRum - Mountains EP (Part 1)+(Part 2) 2nd Drop


iTunes

 このレーベルは、ダブステップ系の人気レーベルのひとつなのだが、前回のLV以来、2枚同時(Part 1、Part 2)にリリースしている。しかも内容が素晴らしいから、タチが悪い。90年代のダビーなブリストル・サウンド、もしくはブリアルが好きなリスナーにはたまらない音楽で、そう、ダブの恍惚なのだ。フリップ・サイドはダンスフロア愛好者向け。
 ジャマイカ声のMCが入る"Part 2"も良いし、そこに女性ヴォーカルが重なる"Part 3"への展開も申し分ない。とくに後者のずぶずぶのダウンテンポは葉族には最高のBGMだろう。"Turiya"は女性ヴォーカルを活かしたソウルフルなダブステップで、目新しさはないが、筆者はとってはこれがもっともグッと来るタイプのアーバン・ソウルである。DJラムか......覚えておこう!

Chart by UNION 2011.09.28 - ele-king

Shop Chart


1

THEO PARRISH

THEO PARRISH Ugly Edits SOUND SIGNATURE / US »COMMENT GET MUSIC
かつてRON HARDYが行っていたDISCO RE-EDITSの手法を00年代に多くのリスナーへ広め、衝撃を与えたTHEO PARRISH手がける伝説のRE-EDIT=UGLY EDITSシリーズ!収録曲には、THEO自身のセットでも数多くプレイされたJILL SCOTT"Slowly Surely"、MUSIC BOX CLASSICSとしてお馴染みMADE IN USA "Never Gonna Let U Go"やHAROLD MELVIN AND THE BLUE NOTES "The Love I Lost" そしてDELLS"Get On Down"、シリーズの中でも最高傑作との声も多いFREDDIE HUBBARD "Little Sunflower" と、フィリーソウルからジャズにいたるまで全てに新たな息吹を吹き込んだ。Re-Edit=再編集することで旨みのあるパートを引き伸ばし不要なパートをカットする、時には曲の構成そのものを変えフロアでの機能を高めるべくアレンジが施されている。フロアを熟知したDJだからこそ、オリジナルとは異なる感動や躍動感を与えることが出来るのだ。

2

VARIOUS ARTISTS

VARIOUS ARTISTS Labyrinth TIME TO EXPRESS / BEL »COMMENT GET MUSIC
PETER VAN HOESEN主宰TIME TO EXPRESSから、あのLABYRINTHにちなんだ限定Wパックが登場! 毎年質の高いラインナップで多くのエレクトロニック・ミュージックラバーを虜にするアンダーグラウンド・レイヴの最高峰"LABYRINTH"に共鳴したPETER VAN HOESENが仲間に声をかけて創り上げたスペシャルなアナログ2枚組! DONATO DOZZY、MIKE PARKER、CONVEXTIONという現在のテクノ・シーンを代表する豪華アーティストが参加! LTD 500ですのでお早めに!

3

THEO PARRISH

THEO PARRISH Parallel Dimensions UBIQUITY / US »COMMENT GET MUSIC
自身のSOUND SIGNATUREから発表した9曲入りのアルバム『Parallel Dimensions』。CDアルバムが9曲入りだったのに対し、2LPはシングルカットされたトラックとの兼ね合いから5曲入りで、また音質もややぼやけたものであった。そのリリースから4年後、当時デトロイトのアーチスト作品のリリースも積極的に行っていたUBIQUITY RECORDSがこの作品に眼を着け、CDと同じ全9トラックを2LPへ収めリマスタリングを施して2004年に再発させたのが今回のUBIQUITY盤なのだ。

4

GILLES PETERSON

GILLES PETERSON Masterpiece(国内仕様盤) MUSIC 4 YOUR LEGS / JPN »COMMENT GET MUSIC
UKの名門MINISTRY OF SOUNDが誇るMIX-CDシリーズの至宝『Masterpiece』!遂にジャイルス・ピーターソン登場!!!常に力強い探究心と共に「いい音」を紹介し続ける男ジャイルス・ピーターソンが遂にMINISTRY OF SOUNDが誇る人気ミックスCDシリーズ『Masterpiece』に登場!本作では3つのテーマ「Dusk(夕暮れ)」「Dawn(夜明け)」「Twilight(たそがれ)」を展開。彼らしいジャンルレスな楽曲、新旧を織り交ぜ時代と国境を超越した選曲で、まったく予測不可能な展開ながらこの幅広い音を「一つの作品」へと纏め上げる説得力には脱帽するばかり!

5

RICARDO VILLALOBOS/MAX LODERBAUER/PEVERELIST

RICARDO VILLALOBOS/MAX LODERBAUER/PEVERELIST Meet Tshetsha Boys HONEST JONS / UK »COMMENT GET MUSIC
HONEST JON'Sからリリースされた南アフリカの新種ダンス・ミュージック"Shangaan"のコンピレーション・アルバム『SHANGAAN ELECTRO』を、いわゆるクラブ・ミュージック系アーティストたちがリミックスした興味深い12"シリーズ! こちらはECM解体作も話題を呼んだVILLALOBOS & MAX LODERBAUERのコンビ、そしてPUNCH DRUNK主宰のダブステッパー・PEVERELISTを起用! オリジナルの陽気なテイストを残しつつトリッピーにハメてくるVILLALOBOS & MAX LODERBAUERサイド、金属的なビートと空間的なエフェクトが絶妙に融合したPEVERELISTサイドと、今回も独創的な仕上がり!

6

KON & THE GANG

KON & THE GANG Sunlight HANDS OF TIME GOLD / UK »COMMENT GET MUSIC
既にSC上で猛烈にプレイされている話題の一曲が遂にヴァイナル化!MJの"Rock With You"の心地いいパートを大胆に借用し、まるでインタールードが存在したかのようなトラックに仕上げてしまったインスト・ブギー~バレアリックフィールなハウスチューン!グルーヴ感たっぷりのディスコベースにパーカス&クラップ、随所に散りばめられたダブ処理、キーボードやエフェクトの素晴らしいトバシも完璧!そして何よりハートウォームな全体のヴァイヴがフロアをやさしく包み込む、タイムレスにプレイできるトラックです。大スイセン!!!

7

OMAR S

OMAR S High School Graffiti SCION AUDIO/VISUAL / US »COMMENT GET MUSIC
JUAN ATKINSやDJ SNEAKからAZARI & IIIもリリースしている配信レーベルSCION AUDIO/VISUALからOMAR Sのミニアルバムがパッケージ化!シカゴハウスなラフなトラックに不穏なベースラインが絡む"Got the Drop on Dem3"、深いリヴァーヴの中アシッドシンセがうねるように泳ぐ"Gunup Runup"、アーバンなコードのデトロイトハウスにウィスパーヴォーカルをフィーチャーしたセミインスト"My Naffew Randy"、オールドスクール全快なアシッドを散りばめたヒプノティックハウス"Unitarian"そしてハイライトは独特な浮遊感を漂わせるTHEO PARRISHのフルートをフィーチャーしたコラボレート作"Who's in Key"!フロアを意識したリズムワークとリスニングにもマッチしたディープさを備えた、どれもが個性に満ち溢れた全5曲!

8

HIRONORI TAKAHASHI

HIRONORI TAKAHASHI Orgaza / Werzes AIMERSSE.ORG / ITA »COMMENT GET MUSIC
OBTANE、NESS、ROSSELLAなど前衛的MINIMALISTが名を連ねるSCHERMATE主宰レーベルAIMERSSE.ORGから、DISK UNION下北沢CLUB MUSIC SHOPスタッフHIRONORI TAKAHASHIが新作12"をリリース!!音の抜け方、重なり方などドラマ性のある展開を意識して制作したので、始めから最後まで聴いていただけるとうれしいです!!ぜひチェックしてみて下さい!!!!(HIRONORI TAKAHASHI)

9

MOODYMANN

MOODYMANN Mahogani Music Towel MAHOGANI MUSIC / US »COMMENT GET MUSIC
MOODYMANNが主宰するMAHOGANI MUSICのレーベルロゴを使用したタオルがリリース!!!!ワンショット生産となる限定アイテム!

10

PACIFIC HORIZONS

PACIFIC HORIZONS Beaches Of The Black Sea PACIFIC WIZARD FOUNDATION / US »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYによるサポートや、COYOTE、DAVID MANCUSOなどのヘヴィープレイによりヒットを記録した"Universal Horizons"でシーンに現れたL.A.発のバレアリックユニットPACIFIC HORIZONSがセルフレーベルPACIFIC WIZARD FOUNDATIONから第3弾となる新作12"をリリース!!!哀愁漂うにシンセリフ、フラメンコギターの調べによりジワジワとハメていくジプシートラックA-1、ダビーに色めくフレーズ・サンプルにグイグイとベースライン、突然のピアノリフで展開するB-1と、チルウェイヴ/バレアリック~SEAHAWKSやIS IT BALEARIC?ファンには間違いない1枚!!

Chart by STRADA RECORDS 2011.09.27 - ele-king

Shop Chart


1

LIDY SIX

LIDY SIX TREMBLING:SENDING SPACE(PROMO) SACRED RHYTHM MUSIC (US) »COMMENT GET MUSIC
アムステルダムにあるトンネルにてパフォーマンス・アーチストLIDY SIXとJOE CLAUSSELLがコラボレーションを行った際の模様を収めたブックレット付きのDVD+CD『TREMBLING: Sensing Space』の中から4曲が限定アナログ・カット!心地良いアンビエント・サウンドやホワイト・ノイズのようなサウンド・コラージュが収められております!限定プロモにつきお早めに!

2

PACIFIC HORIZONS

PACIFIC HORIZONS BEACHES OF THE BLACK SEA PACIFIC WIZARD FOUNDATION(US) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYやDAVID MANCUSOもプレイした1stシングル「Universal Horizons」、続く2nd「Forest Electric」共に大きな話題となったL.A.発のバレアリック・ユニットPACIFIC HORIZONS待望の3作目!

3

ARGY

ARGY FUNDAMENTALS(W-PACK) IBADAN(GER) »COMMENT GET MUSIC
These DaysやPermanent Vacationといった人気レーベルからのリリースでもお馴染みのARGYがJerome SydenhamのレーベルIbadanから2枚組アナログをリリース!テクノ~ハウス系DJには打ってつけの即戦力な使いまくれるトラックばかりを収録しており、マジでどれをプレイするか迷ってしまうほどの好内容!

4

DJ NATURE

DJ NATURE CELEBRATE YOUR LIFE GOLF CHANNEL(US) »COMMENT GET MUSIC
Massive Attackの前身的ユニットWild BunchのメンバーDJ MiloがDJ Nature名義で12インチをリリース!ソウルフルで情感たっぷりな男性ヴォーカルが印象的なダウンビート・チューンのA面、BOHANNONをサンプリングしたファンキーなトラックにファルセット・ヴォーカルがハマッたB面共にカッコイイ!

5

SASCHA DIVE

SASCHA DIVE LA SANTA DANZA(10inch) DEEPLABS SELECT(US) »COMMENT GET MUSIC
新レーベルDEEPLABS SELECTからの初リリース作品!Deep Vibes Recordingsの運営でも知られるドイツのクリエイターSascha Diveによるファットで走った感じのトラックと、日本人クリエイターIori Asanoによるアトモスフェリックなディープ・テック・ハウスをカップリング!両面ともクオリティー高し!

6

VAKULA

VAKULA YOU CANNOT RESIST SHEVCHENKO(UK) »COMMENT GET MUSIC
【再プレス無しの初回のみの限定盤!クリア・ヴァイナル仕様!】リリース作品のどれもがハイ・クオリティーなウクライナの大注目株VakulaがFirecracker傘下の新興レーベルShevchenkoから12インチをリリース!パーカッシヴなビートに繊細なシンセの上モノが美しくも立体的な音世界を構築!見事な仕上がりです

7

VA

VA DEEP PEOPLE THAT MAKE THE MUSIC(UK) »COMMENT GET MUSIC
Mateo & Matosによる第1弾シングル「Want U Tonight」もヒットした注目レーベルPeople That Make The Musicからの第2弾!その「Want U Tonight」の新たなリミックスにと共に収録されたA1のAlla Farmer「Fortune」がグッド!バウンシーなベースが印象的なグルーヴ感溢れるトラックにシンセやピアノが重なり合う極上インスト・ハウス!

8

SPIKE

SPIKE MAGIC TABLE GOLF CHANNEL(US) »COMMENT GET MUSIC
カルトな人気を誇るGolf ChannelレーベルからSpikeなるアーティストによる80年代のレアな音源が復刻&リミックスで登場!イイ感じに歪んだギターと切ないヴォーカルが印象的な極上バレアリック・チューンのA1、それをMap Of Africa片割れThomas Bullock(Rub N Tug)がWelcome Stranger名義にてダンサブルにリミックスしたB1共にグレイト!メロウなA2やDJユースなアカペラB2も見逃せません!過去の音源ですがこれはまさに今欲しい音!

9

INNERZONE ORCHESTRA

INNERZONE ORCHESTRA PEOPLE MAKE THE WORLD GO ROUND-KDJ REMIX WHITE (UK) »COMMENT GET MUSIC
CARL CRAIGがINNERZONE ORCHESTRA名義で99年にリリースしたアルバム『PROGRAMMED』でカヴァーしたSTYLISTICS『PEOPLE MAKE THE WORLD GO ROUND』、直後にリリースされた同曲のリミックス・シングルに収録されるも、長らく廃盤&入手困難状態が続いているMOODYMANNことKENNY DIXON JR REMIXがホワイト盤で登場!ストーリー性のある展開やジャジーな響きが魅力の元祖ビートダウンの傑作です!

10

FAR OUT MONSTER DISCO ORCHESTRA

FAR OUT MONSTER DISCO ORCHESTRA THE LAST CARNIVAL-ISOUL8 REMIX FAROUT (UK) »COMMENT GET MUSIC
UKの人気ジャズ、ラテン系レーベルFar Outによるスペシャル・プロジェクトの第5弾シングル!パーカッシヴ&グルーヴィーなトラックに爽やかな女性のスキャット・コーラス、そしてエレピもソロが絡んでくる極上ブラジル~フュージョン系作品!イタリアのIsoul8によるハウシーなリミックスをカップリングしており両面共イケます!

DUBBY - ele-king

最近のお気に入りTop10


1
Peaking Lights - 936 - Not Not Fun

2
Beppe Loda & Mushrooms Project - Remix EP - ENE

3
Beauty - Tribute to The Horror - Crue-L

4
The Psychedelic Schafferson Jetplane - S/T - Pastabass

5
Vakula - You Cannot Resist - Shevchenko

6
Wooden Shjips - West - Thrill Jockey

7
Zodiac Free Arts Club - Floating World - Permanent Vacation

8
Pyrolator - Neuland /1 - Breau B

9
Hatchback - Zeus & Apollo - Lo Recordings

10
Juju & Jordash - Unleash The Golem Pt.1 - Golf Channel
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184