「CE」と一致するもの

Royel Otis - ele-king

 オーストラリア・シドニーから登場したポップ・デュオ、ロイエル・オーティスが2024年2月にリリースした前作『PRATTS & PAIN』でやってみせたのは、単なるインディ・ロックの更新ではなかったはずだ。ザ・ドラムスとトゥー・ドア・シネマ・クラブの間を駆け抜けるような、ポップさとセンチメンタルさを湛えた疾走的ギター・ポップ、潔いまでのヴェルヴェット・アンダーグラウンド流のスラッカー的な脱力感、あるいはMGMTを彷彿とさせるドリーミーな残響といった要素を、まるでおもちゃ箱をひっくり返すかのように無秩序に混ぜ合わせ、そのまま “グローバル・インディ” として広範にリスナーの最大公約数を射抜いてしまうという、近年では稀にも思える奇跡的な瞬間だった。「全インディ・ファン必聴!」と展開される太文字のポップは、大型量販店でよく見かける常套句でもあるが、彼らほどそのフレーズに相応しいバンドもいないとさえ思えた。エッジを備えつつも、気軽に踊れるようなポップさを同居させる勘の良さは、世界中のプレイリストに違和感なく並び、多くのリスナーのフェイヴァリットとなった。グラストンベリー・フェスティヴァルやプリマヴェーラ・サウンドなどの大型フェスティヴァルへの出演さえも当然なことながら、この夏のフジロック出演は、旬なアーティストのベスト過ぎるタイミングでの来日となったことに心から感謝したい。

 『PRATTS & PAIN』の魅力は、ここまで挙げたアーティストだけにとどまらず、もっと多くの参照点を飲み込みながら、それを散らかしたまま生き生きと提示してしまう奔放さにあった。ストリーミング世代の新騎手として、彼らの嗅覚とセンスを武器にロックの面白さを誰にでも伝えてしまうパンチラインをナチュラルに放っていた。

 この1、2年間で飛ぶ鳥を落とす勢いで高まった注目度。その状況下で2025年8月にリリースされた2ndアルバム『hickey』はどうだろうか? 実際のところ、今作品では、テーム・インパラやトロ・イ・モワを彷彿とさせるモダン・ディスコ調の楽曲が多く、その艶やかさと快楽性は、彼らの長所でもあるノスタルジックでセンチメンタルな側面が強化された。そうした楽曲群のひとつでもある “come on home” では、ジャングルのジョシュ・ロイド・ワトソンとリディア・キットーをコラボレーターに迎えていることも納得だ。

 そうした成熟の一方で、私がこれまで惹かれていた冒険心や偶発性は今作で少し影を潜めている。例えば、初期の代表曲 “I Wanna Dance With You”や前作『PRATTS & PAIN』収録の “Fried Rice” が顕著なように、荒削りでありながらも心を掴むメロディの中には、偶発性とポップ・センスのせめぎ合いがもたらすエモーショナルを掻き立てるような高次元の音楽的快楽があったはずだ。“i hate this tune” や “car” のようなアップビートな楽曲も、もう一歩突き抜けるところまでは行かず、整った印象のまま収束しているように感じる。とはいえ、今作でハッと思わせる瞬間も確かにあり、“who’s your boyfriend”では、イントロから漂うジョイ・ディヴィジョン “Love Will Tear Us Apart” の影を彼らなりのポップな色合いに塗り替える手捌きはお見事で、遊び心と参照のねじれがもたらすポテンシャルを今も潜めていることを確信させてくれた。

 つまり、彼らが今後どう進化していくのか、それでも楽しみであることは間違いない。もっとやさぐれて、もっと無鉄砲で、もっとピュアネスが暴走していたあの感じにも期待したい。結局のところ、私は今も彼らにドキドキしているのだ。

interview with Mat Schulz & Gosia Płysa - ele-king


Mica Levi & Sinfonietta Cracovia, Tarta Relena and Jana Shostak - Unsound 2024

〈Unsound〉は、2003年、友人と私でクラクフという町の小さなイベントとしてはじまったんだ。実験音楽やエレクトロニック・ミュージックへの私たちの愛情から生まれた情熱のプロジェクトだ。

まず、〈Unsound Festival〉がどのようにして生まれたのか、教えてください。

マット・シュルツ:〈Unsound〉は、2003年、友人と私でクラクフという町の小さなイベントとしてはじまったんだ。実験音楽やエレクトロニック・ミュージックへの私たちの愛情から生まれた情熱のプロジェクトだ。当時、ヨーロッパにはこのようなタイプのフェスティヴァルはほとんどなかった。ましてポーランドにはなにも存在していなかったから。だから、ポーランドと海外のアーティストがともに音楽で実験をすること、新しい音を創造するための場をつくることが、そのアイデアの核心にあったんだ。

ゴシャ・プワィサ:私はボランティアとして〈Unsound〉チームに参加した。当時ジャーナリズムを学んでいたので、PRやコミュニケーションを手伝ったんです。最初はじつにDIY的な取り組みで、多くの人がボランティアとして関わり、楽しみながら活動していました。初期の頃は、クラクフの中世の地下室で開催していたんだけれど、あれは本当に楽しくて、特別な時間だったと感じています。
 私たちが自分たちの団体を設立したのは2008年になってからで、その頃からじょじょにプロフェッショナルな形に発展した。公的資金への申請や国際的なコラボレーションを通じて、このフェスティヴァルは成長しました。2010年には〈Unsound NYC〉がはじまり、〈Unsound〉の国際的な展開において重要な一部となったんです。

ポーランドのクラクフには、どんなシーンがあったのでしょうか?

マット・シュルツ:クラクフは、戦後アヴァンギャルドの第一人者でありポーランドでもっとも有名な作曲家ペンデレツキを輩出した町としても知られている。また、1970年代初頭に設立されたクラクフ音楽アカデミーの電子音楽スタジオもある。それなのに、かつてのクラクフやポーランドには実験音楽やエレクトロニック・ミュージックに関する大きなシーンがほとんど存在していなかった。
 現在の状況は大きく変わっている。ポーランドはこの分野において、ヨーロッパでももっとも興味深い音楽シーンのひとつを持つ国となった。その中心人物の一部は大阪でもパフォーマンスを行っている。〈Unsound〉もこの変化に少しは関わっていると思う。私たちは、ポーランド国内外でこうした文脈を作り出すサポートをしてきた。実際、多くのアーティスト——VTSSのような有名な存在ですら——が、〈Unsound〉で観客として体験したことをきっかけに音楽をはじめる決心をしたと聞いている。

ゴシャ・プワィサ:クラクフには、クラシック音楽やクラシック・ジャズのシーンはちゃんと存在していた。それは現在でも続いています。ところが、国際的な実験音楽アーティストを紹介する場やフェスティヴァルは決して多くなかった。しかしその一方で、コンサートやパーティを企画するインディペンデントなクラブや会場は、現在よりもたしかに多く存在していた。
 それから20年以上が経った現在、クラクフは再開発され、観光地化された街へと変わってしまった。独立系のスペースはもう、ほとんど残っていない。その代わりに観光客向けのホテルやレストラン、バーが数多く立ち並んでいる。もちろん、いまも素晴らしい会場 や劇場やコンサートホール、あるいは私たちが会場として使おうと工夫している場所は存在しているけれど、年々難しくなってきている。これは世界の多くの主要都市に共通する現象ですね。

初期〈Unsound Festival〉は当時のポーランドの政治状況とどんな関係にあったと思いますか?

マット・シュルツ:〈Unsound〉は、いわゆるポーランドの「変革期」から確実に生まれたもの。当時、国や都市は計画経済の共産主義体制から市場経済へと移行していたし、あらゆるものが流動的だった。〈Unsound〉もその一部であって、さまざまなアイデアや音楽に開かれたフェスティヴァルとして、共産主義崩壊後に空き家となった建物——巨大なホテル・フォーラムや廃工場など——に一時的な空間を生み出していました。それから20年経ち、クラクフの再開発が進み、観光地化が進んだことで、こうした空間は見つけにくくなっています。あの頃の街には〈Unsound〉やその音楽と非常に相性の良い「生の荒々しさ」があった。

ゴシャ・プワィサ:〈Unsound〉はポーランドがEUに加盟する前(2005年)に始動した。この年は、ポーランドが大量観光や格安航空旅行に開かれていく重要な転換点だったと思う。これによりポーランドの多くの都市で再開発が進みましたが、一方で人びとがポーランド文化や私たちのフェスティヴァルを体験しやすくもなった。 また、EU加盟と同時に、とくにクラクフをはじめとする多くのポーランドの都市が、文化や大規模なフェスティヴァルを活用して自らをプロモーションすることを決め、国の文化政策が〈Unsound〉のような取り組みを支援するようになった。これにより〈Unsound〉は大きく成長することができました。 ただし、私たちが実験音楽やエレクトロニック・ミュージックを扱っているため、いまでもポーランド国内では政府からの支援を得にくい部分があると感じている。その一方で、ポーランドの関係者は私たちのブランドが国際的に持つ重要性を理解してくれている。だから〈Unsound Osaka〉やその他の海外での取り組みのような活動には支援をしてくれているんだ。

ポーランド国外からのオーディエンスが集まり、ヨーロッパでも有数のイベントのひとつになっていった経緯を教えてください。

マット・シュルツ:〈Unsound〉は移動可能なフェスティヴァルだから、ミンスク、キーウといった旧ソ連の国々やニューヨークなど、さまざまな国や都市で開催されてきた。2010年前後にニューヨークで大規模な〈Unsound〉を開催したことがクラクフにもフィードバックされ、人びとの注目を集めるきっかけになったと思う。同時期には、クラクフ市からの資金支援が増えたことで、多くの突飛なアイデアを実現できるようになった。それが 〈Unsound〉を際立たせたことも事実だよ。例えば、特別に委嘱したプロジェクトや、当時としては珍しかったジャンル横断的なプログラミング——実験音楽とクラブ・ミュージックを同じプログラムに並べるといったこと——を実現させた。また、毎年新しいフェスティヴァル・テーマを設定し、それを中心的な軸とするようになった。2010年のテーマは「Horror: The Pleasure of Fear and Unease」で、聴き手に不安や不快感を与える音楽のあり方を探求するもので、このやり方が大きな注目を集めた。
 〈Unsound〉にとってデザインも重要。毎年新たにデザインが更新されることで、単にフェスティヴァルを宣伝するだけでなく、そのイメージ自体を形成していく役割を担うようになった。これは当時としてはユニークな試みだったと思う。

ゴシャ・プワィサ:〈Unsound〉はプログラム自体を、ひとつの物語を持つ完全な作品として意識的にキュレーションしはじめた最初期のフェスティヴァルのひとつだった。世界的に見ても数少ない試みだった。異なるジャンルを同じ空間で組み合わせて提示したり、ジャンルや地理的な文脈を越境する新しいプロジェクトを立ち上げたりね。こうした独自のプログラムづくりのアプローチに加え、クラクフでのマルチ会場型の開催形式(のちには他の国際的な開催地でも)によって、より幅広い関心を集めることができたと思う。また、私たちは常に国際的なプレスをフェスティヴァルに招き、ゲストやアーティストに特別な体験を提供することを重視してきた。そうした積み重ねが、自然と口コミとして広がっていったのだと思います。
 現在、〈Unsound Kraków〉の観客の約60%はポーランド国外からの来場者。大半はヨーロッパからの来場で、アメリカ、日本、その他の遠方から来るゲストも少なくありません。

音楽面において、エレクトロニック・ミュージック、エクスペリメンタル・ミュージックをキュレートしていますが、音楽面でのコンセプトについて説明してください。

マット・シュルツ:私たちは常に冒険的な音楽に惹かれています。しかも、それが何を意味するかについてあまり制限を設けないようにしている。その結果、フェスティヴァルのプログラムはじつに挑戦的な実験音楽から、オルタナティヴなクラブ・ミュージックまで、多くのジャンルを横断するものとなった。また、常に新鮮なサウンドを探求しているし、エレクトロニックや実験音楽の分野における先駆的なアーティストにもスポットライトを当てるようにしている。私たちはリスクを取ることを好み、オーディエンスもそれを受け入れる準備ができています。〈Unsound〉にはオープンマインドとオープンイヤーで来てもらうのが一番です。既知のものを確認する場というよりも、新しいものを発見するための「フェスティヴァルであり、同時にラボラトリー」と考えてもらえると良いと思います。


Lord Spikeheart - Unsound 2024

ゴシャ・プワィサ:マットがよく説明してくれました。世界中の音楽シーンにおける最新の動きを探し出し、リスキーな組み合わせを実行することこそ、私たちが大好きなことだ。大物の有名ヘッドライナーだけをブッキングするのではない。むしろ未来のスターを発見し、彼らが成長できるプラットフォームを提供したいと考えています。個人的に好きなのは、音楽をパフォーマンスやヴィジュアル・アートとつなげること。最近はラップトップを使ったオーディオ・ヴィジュアルにはちょっと飽きてきているけどね(笑)。

毎回テーマを決めて、ヴィジュアルや建築も重視していますが、こうした発想の背景について教えてください。

マット・シュルツ:先ほども触れましたが、2010年からテーマとキーヴィジュアルを設定している。主にポーランドのアーティストやグラフィックデザイナーと協働しながら制作しているんだ。以前のクラクフでのメイン・ヴィジュアルには出演アーティストの名前が記されていたけれど、その後はヴィジュアル自体が中心となった。特定のアーティストやヘッドライナーではなく「体験」としての〈Unsound〉の全体像を示すものになった。映画のポスターのようなイメージです。
 私たちはこれらのヴィジュアルをPRのギミックではなく、フェスティヴァルを創造のプラットフォームとする一部だと考えている。また、テーマを設定することで、毎年新しい形でプログラムを構成することが可能になった。これは音楽面だけでなく、〈Unsound Kraków〉にとって重要な要素である議論やディスカッションのプログラムにも反映されているよ。

ゴシャ・プワィサ:マットが言う通りです。それに加えて私は、プログラムに合った建築を選ぶこと、ケータリング、会場のインテリアといった要素まで含めて「雰囲気をつくる」ことがとても大切だと感じている。

エレクトロニック・ミュージックのフェスでは〈Sonar Festival〉や〈Dekmantel Festival〉なども有名です。残念なことに〈Sonar Festival〉は、イスラエル・パレスチナ問題への関与で批判され、大規模なボイコット運動にもつながった「Superstruct Entertainment」によって運営されています。〈Unsound Festival〉の独自性はどこにあるとお考えですか?

マット・シュルツ:〈Unsound〉は 「Tone Foundation」という非営利団体によって運営されているけれど、これは商業フェスティヴァルとはまったく異なるモデルです。これは意識的に選んできた方針です。私たちの世界において、音楽と政治は常に結びついている。それは私たちのプログラム、とくにパレスチナを支持するディスカッション・プログラムにも反映されている。そして、その立場は、イスラエルがガザで行っているジェノサイドを目の当たりにするなかで、よりいっそう強固なものとなっている。
 また、ポーランドはウクライナに非常に近く、多くのウクライナ人が戦争によって国外に追われ、ポーランド国内で生活しています。そのため、私たちはロシアによるウクライナ侵攻という問題にも関わっている。ウクライナに対する私たちの視点はポーランドの地理的・歴史的な位置によって形づくられているのです。

ゴシャ・プワィサ:〈Sonar〉のような団体とは異なり、私たちは独立した非営利組織であるため、〈Unsound〉には株主のような存在はいない。つまり、フェスティヴァルの方向性や政治的立場については、ディレクターや理事会として私たち自身が責任を負っている。また、芸術的・実務的な意見や好みはチーム内で異なる部分があっても、ガザで起きているジェノサイドを非難する点においては確実に一致していると言える。私たちは植民地主義的な慣行に積極的に反対してきたし、ポーランドの国境に近く、東欧や中欧にとくに強い影響を及ぼしているロシアによるウクライナ侵攻も非難している。
 私たちは依然として比較的小さな組織であり、財政的に苦労することが多いのもたしかだけれど、しかし、イスラエルの軍事産業に関与する企業からの 〈Unsound Kraków〉へのスポンサーシップの提案を断らざるを得なかった。また、適切なプログラム活動を通じて、パレスチナの闘争の可視性を支援するよう努めてもいる。


Daniel Szwed - Unsound 2024

私たちは常に冒険的な音楽に惹かれています。しかも、それが何を意味するかについてあまり制限を設けないようにしている。その結果、フェスティヴァルのプログラムはじつに挑戦的な実験音楽から、オルタナティヴなクラブ・ミュージックまで、多くのジャンルを横断するものとなった。

いままでやったなかで、とくに思い出深いイベントはなんでしょう?

マット・シュルツ:ひとつのイベントだけを選ぶのは不可能だけれど、正直に言って〈Unsound Osaka〉はもっとも印象に残るもののひとつになりつつある。とくに私たちは日本の音楽や文化の大ファン、素晴らしい日本のパートナーやアーティストとともにここでイベントをつくる機会を得られたことは、本当に夢のようなんだ。
 それ以外では、クラクフで行った〈Unsound Surprise〉が大きな出来事でした。プログラムの半分を事前に発表せず、多くのサプライズ枠を設け、観客は誰が演奏するのかまったくわからない状態だった。無名に近いポーランド人アーティストが登場することもあれば、リッチー・ホウティンが出演することもあった。そして、あの中世の岩塩坑で行われたサプライズ枠のひとつで、本当に Burial が演奏したのかどうか——これは永遠に謎のままです。

ゴシャ・プワィサ:現時点でも大阪は本当に特別なエディションになると感じている。これほど多くの素晴らしいアーティストを日本に迎えることができること、さらに地元のアーティストをこの文脈のなかで紹介できることを大変光栄に思っているよ。

大阪でフェスティヴァルを開催することになった経緯、そして今回のエディションの「テーマ」について教えていただけますか?

マット・シュルツ:私たちは以前からずっと日本で何かをやりたいと考えてきた。マージナル・コンソートや灰野敬二、石橋英子、KAKUHAN、Yosuke Yukimatsuなど、日本の音楽の大ファンだからね。日本と他の地域、とくにポーランドとのあいだでコラボレーションを築けることは、本当に夢のようなことです。
 今回のテーマである「WEB」にはさまざまな意味があるけれど、もっとも基本的なレヴェルでは、2025年にクラクフ、大阪、ニューヨークで展開される一連のイベントを指している。それらはポーランドの画家ヘレナ・ミンギノヴィチのデザインを軸に形づくられています。

ゴシャ・プワィサ:本当に素晴らしいコラボレーションだ。出てきたアイデアをすべて実現するには、あと数回のエディションが必要だと思う。〈Unsound〉の枠組みのもとで、これほど多くの異なる場をつなげることができたのはとても嬉しいことだし、これがすべての人にとって良い形で機能することを願っています。

最後に、今回の〈Unsound Osaka〉の豊富をお願いします。

マット・シュルツ:現時点では、まずは今年のエディションを無事にやり遂げることに集中している。そして、このフェスティヴァルが関わるポーランドと日本のアーティスト双方に新しい観客をもたらしてくれることを願っている。今回の開催を通じて、KAKUHAN と Adam、Ka Baird と FUJIIIIIIIIIIITA、2k88 と Ralph といった新しいコラボレーションのプラットフォームをつくれたことを嬉しく思う。これらのコラボレーションからさらに発展が生まれ、また新しいつながりが生まれていくことを願っています。
また、〈Unsound〉が都市型フェスティヴァルで採用しているマルチジャンル・マルチベニューのアプローチは、日本において必ずしも一般的ではないと認識している。それでも、多くの人びとに楽しんでいただき、新しい発見をしてもらえればと思います。なぜなら、最終的に冒険的な音楽のさまざまなスタイルのあいだには、分断よりもむしろ多くのつながりが存在しているからです。

ゴシャ・プワィサ:私たちは日本に滞在し、その素晴らしい音楽やアートのシーンを発見できることをとても楽しみにしている。なので、これが最初で最後の機会にならないことを願っています。もし私たちが日本語を話せれば、運営のプロセスがもう少し楽になるかもしれないけれど、パートナーの皆さんがとても理解があり、サポートしてくれているので、すべてが順調です。だから、これがさらに発展していくことを願っている。そして次回は、もっと上手に日本語を話せるようになりたいと思います!


¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U - Unsound 2024

Unsound Osaka Official HP : https://unsound.jp/


Unsound Osaka

2025年9月5日 - 2025年9月7日

【Unsound Osaka 第二弾プログラム発表】
来週末、大阪市内複数会場にて開催されるUnsound Osaka
メインプログラムの追加出演者とアフターパーティーの開催が決定!
DJ Sprinkles、mad miran、RP Boo、2K88などの国際的に高く評価されるDJに加え、大阪・日本のアンダーグラウンドシーンを牽引するDJたちが登場します。

この度、VS.(9月5日)、クリエイティブセンター大阪(9月6日)、大槻能楽堂(9月7日) にて展開されるメインプログラムに加え、新たな追加出演者、並びに大阪を代表するクラブとの共同開催によるローカルシーンに焦点を当てたアフターパーティーの開催が決定しました。

【追加プログラム】

9月5日(金)- NOON+CAFE × Unsound Osaka

開催日時:2025年9月5日(金)OPEN / START 23:00
会場:NOON+CAFE(MAP)
エントランス:¥1,500
出演者:
DJ Fulltono
KA4U
mad miran
WÖNDER GIRL

Unsound Osakaの一夜目を飾るアフターパーティーは、梅田中心部に位置し、9月5日(金)に開催されるメインプログラムの会場であるVS.から徒歩圏内のNOON+CAFEで開催されます。オランダのアンダーグラウンドシーンを代表するDJ/プロデューサーのマッド・ミラン(mad miran)が、多様な電子音楽のスタイルを自在に融合させた独自のセットを披露します。さらに、日本におけるフットワーク/ジュークの第一人者として広く知られ、大阪のシーンを牽引するDJ Fulltono、地元から強い信頼を寄せられるKA4U、そして新世代を代表するWÖNDER GIRLが出演。国際的なアーティストとローカルシーンの才能が交わる一夜となります。

【追加プログラム】

9月5日(金)- Socore Factory × Unsound Osaka

開催日時:2025年9月5日(金)OPEN / START 22:00
会場:Socore Factory(MAP)
エントランス:¥2,000
出演者:
DJ Sprinkles
SAITO

9月5日(金)にはNOON+CAFEでのアフターパーティーに加え、南堀江のライブベニューSocore Factoryでもアフターパーティーが開催されます。メインDJを務めるのは、電子音楽界で最も尊敬されるアーティストの一人であり、クラブ情報サイトResident Advisorから「電子音楽界で最も興味深い人物の一人」と評されるDJ Sprinkles。DJ Sprinklesは、Terre Thaemlitz(テーリ・テムリッツ)のディープハウスDJ名義であり、現在は千葉を拠点とすアメリカ出身のプロデューサー、DJです。Thaemlitzはアーティストやライターとしての活動でも知られています。会場では、DJ Sprinklesが4時間に及ぶロングセットを披露。オープニングアクトには、山形を拠点に活動するバイナルDJのSAITO が登場します。

9月6日(土)- Creaitve Center Osaka

公演日時:2025年9月6日(土)OPEN / START: 15:30
会場:クリエイティブセンター大阪(MAP)
チケット:ZAIKOにて販売中
出演者:
Hania Rani presents Chilling Bambino
∈Y∋ & C.O.L.O
2K88 – Live feat. ralph
ralph
Rai Tateishi(Live Processing by Koshiro Hino)
KAKUHAN & Adam Gołębiewski
FUJI|||||||||||TA & Ka Baird
RP Boo & Gary Gwadera
1729 (fka Iryoku)
Hamon
Mongoose

既に発表されている9月6日(土)のクリエイティブセンター大阪でのメインプログラムに、新たな出演者が加わります。BLACK CHAMBERでは1729(fka 威力) がオープニングDJセットを披露。また、屋外スペースでは大阪のDJたちの聖地として知られる Newtone Records のテイクオーバーが行われ、Hamon と Mongoose が出演します。 クリエイティブセンター大阪での出演者ラインナップおよびタイムテーブルは、こちらよりご確認ください。

【追加プログラム】

9月6日(土)- Club Daphnia × Unsound Osaka

開催日時:2025年9月6日(土)OPEN / START 21:00
会場:Club Daphnia(MAP)
エントランス:¥2,000
出演者:
YAMA
ZODIAK
BUCCO
Milky Lylei
KAPI

クリエイティブセンター大阪でのメインプログラム終了後には、徒歩県内のクラブClub Daphniaにてアフターパーティーを開催します。goatやYPYでの活動を通じ国際的に高い評価を得る日野浩志郎がキュレーションを担当。関西圏で活躍する DJのYAMA、ZODIAK、BUCCO に加え、九州出身で大阪を拠点とするライブデュオ Milky Lylei、さらに仙台からのゲストDJ KAPI が出演します。 Unsoundのスピリットを体現し、実験的なサウンドからレフトフィールドなダンスミュージックが展開される一夜となります。

【追加プログラム】

9月6日(土)- Circus Osaka × Unsound

開催日時:2025年9月6日(土)OPEN / START 23:00
会場:Circus Osaka(MAP)
エントランス:¥3,000*
*クリエイティブセンター大阪でのメインプログラム参加者はリストバンド提示で入場無料となります。

出演者:
2K88
ANCHIN
Angie.Light
KΣITO
UKD
RP Boo

9月6日(土)に開催されるClub Daphniaでのアフターパーティーに加え、心斎橋のクラブCircus Osakaでもアフターパーティーが開催されます。クリエイティブセンター大阪でのメインプログラムにライブ出演する2人のアーティストが、DJとして再登場します。1人目はシカゴのフットワークのゴッドファーザーと呼ばれるRP Boo。そして、ポーランドのクラブ音楽シーンを牽引する「PLサウンド」の先駆者として知られるポーランドのプロデューサー兼DJ、2K88です。さらに、フットワークとGQOMを融合させたスタイルで知られるKΣITO、日本のドリルとグライムシーンを代表するDouble ClapperzのUKD、そして大阪の新星アーティストANCHINとAngie.Lightも出演します。本アフターパーティーはCircus Osakaとの共同キュレーションにより開催されます。また、同日クリエイティブセンター大阪で開催されるメインプログラムへの参加者は、リストバンドを提示いただくことで無料でこちらのアフターパーティーをお楽しみいただけます。

【追加プログラム】

9月7日(日)- Compufunk × Unsound Osaka

開催日時:2025年9月7日(日)OPEN / START 20:00
会場:Compufunk(MAP)
エントランス:¥1,000*
*クリエイティブセンター大阪、大槻能楽堂でのメインプログラム参加者はリストバンド提示で入場無料となります。

出演者:
secret lineup

9月7日(日)にメインプログラムが開催される大槻能楽堂から徒歩圏内のレコードストア兼クラブCompunkにて、Unsound Osakaのフィナーレを飾ります。出演者はシークレット。また、クリエイティブセンター大阪、大槻能楽堂で開催されるメインプログラムへの参加者は、リストバンドを提示いただくことで無料でこちらのアフターパーティーをお楽しみいただけます。

前半から続く


『日本のジャズ・ソング~戦前篇・服部良一和製ジャズ・コーラス傑作集/戦時下の和製ポピュラー南海音楽』(BRIDGE INC.)

 服部の曲の特徴である和洋折衷については興味深い話がある。食通としても有名だった映画監督の山本嘉次郎は、著作『日本三大洋食考』の中で、ライスカレー、コロッケ、トンカツを“日本三大洋食”と定義したという。いわば日本が世界に誇る洋食である。
 これは音楽評論家の渡辺亨が細野晴臣『泰安洋行』のレビュー(『レコード・コレクターズ00年5月号』)で引き合いにだした逸話だが、戦前の音楽に精通している細野も、どこかで服部を意識していたのではないだろうか。米国のジャズから調達した食材を、日本人なりの調理法でさばいていったという意味で、両者は一脈通じている。そして、先述のピチカート・ファイヴが細野のレーベル“ノン・スタンダード”からデビューしたのも機縁を感じさせるではないか。なお、上田賢一『上海ブギウギ1945 服部良一の冒険』にも音楽を洋食に喩えた記述がある。

「音楽の洋食」——「東京行進曲」「君恋し」を聴くとそんな言葉が思い浮かぶ。ハヤシライスやオムライスといった洋食屋の味。今でも日本料理の多くは、食材、調味料から見ても、完全な西洋料理とはいえない。完全な西洋料理を求めようと思えば、よほどの所に行かなければ不可能で、多くは西洋料理という名の和食だ。

 和洋折衷という意味ではこんなエピソードもある。日本では昭和2年、現在のコロムビアやビクターにあたる日本最古の蓄音器商会が、英・米コロムビアと合併の形で設立された。各社は、本国から持ち込んだ洋盤をプレスして発売したが、一方で、民謡、童謡、浪曲、長唄などの邦盤も大量生産している。そのうち、外国の曲に日本語の詞をつけ、日本人の歌手に歌わせることを発案し、このアイディアが成功。一連の舶来流行歌をいつしか“ジャズ・ソング”と称するようになった。これは和製英語で、“ナイト・ゲーム”を“ナイター”と言ったり、“カリー・アンド・ライス”と言うべきところを“ライスカレー”と代用していたのと同じである。命名者は不明だが、音楽レコード会社の文芸部ではないかとの推測が有力らしい。
 ハヤシライスやオムライスが庶民の味だったように、服部良一にとって、歌は庶民のものという意識が根柢にあったのではないだろうか。海外からの新鮮な輸入品を日本人なりに加工/変形したものが服部のジャズ・ソングだった。新しい音楽を求めてアメリカのジャズを参照し、庶民が歌える歌を作ることを服部は考えていたように思う。つまり、ジャズのセンスを流行歌の面にも援用しようとしたのだ。
 ここであらためて服部の来歴を振り返りたい。ただ、数々の逸話を知らずとも、最近になって服部良一の名前を耳にした人は多いに違いない。ブギの女王と呼ばれた笠置シヅ子の波乱の歌手人生を追ったNHKの連続テレビ小説『ブギウギ』に服部が登場するからだ。笠置を演じる主役は趣里。服部は羽鳥善一という名前に変えられて草彅剛が演じている。
 服部良一は、1907年、浪花節を得意とする父と河内音頭の本場・富田林で育った母の間に生まれた。下町育ちで、小唄などが子供の頃から身にまわりにある環境で育ったという。〈当時の日本の庶民の歌に親しんでいて、江戸からつながる日本の娯楽音楽に対する教養があった〉と評論家/音楽家の大谷能生は述べている(瀬川昌久+大谷能生『日本ジャズの誕生』)。服部良一が子どものころに聴いていた曲として「書生節」があり、その影響が彼の作曲にも及んだことが大谷と瀬川の対話からわかる。また、服部がニットー・レコードにいた頃に、小唄芸者だった美ち奴が歌った「〇〇節」「〇〇小唄」といった曲はすべて服部のアレンジによるものだ。
 西洋音楽に触れたのは近所の教会での讃美歌、小学校での唱歌やハーモニカだったという。当時の唱歌という言葉には子供の合唱といった意味合いはなく、“シンギング”“ヴォーカル・ミュージック”を意味していたそうだ。やがて学校では、イギリスの民謡を文語体の訳語で歌うようになる。「蛍の光」や「埴生の宿」などがその代表例である。15歳の時出雲屋少年音楽隊に入隊。出雲屋というのは実は鰻屋のことで、今となっては不思議な感じがするが、当時は三越や高島屋や松屋など百貨店が宣伝用に音楽隊をつくって、それが日本のポップスの基礎となったのである。
 その第一期の入隊式が行われたのは1923年9月1日だが、この日、おそろしいことに関東大震災が関東圏を襲った。結果、多くのバンドマンが関東から大阪に移動してきて、道頓堀はジャズのメッカとなる。この頃、道頓堀、千日前にダンスホールが初めて竣工。3年後には、20のダンスホールができ、道頓堀川には芸者のジャズ・バンドが乗った屋形船まで出現したという。そんな環境下で、大正15年、服部が19歳の時に大阪フィルハーモニック・オーケストラに入団。これは大阪放送局(JOBK)の専属オーケストラとして発足したもので、服部はオーボエを担当した。
 翌年、服部は彼の才能を見抜いたロシア人指揮者のエマヌエル・メッテルに師事し、作曲家リムスキー・コルサコフの和声を学ぶ。メッテルの指導が厳しかったのは服部の自叙伝『ぼくの音楽人生』を読むとよく分かるが、それでも服部は必死で食らいつき、和声学やコルサコフの代名詞である管弦楽法などの音楽理論を習得。メッテルはクラシックが専門だったが、服部が“実はジャズをやりたいんだ”とおそるおそる言いだすと、音楽にジャンルの垣根はないとメッテルに激励されたというエピソードが象徴的だ。
 バンドでサックスを吹く一方、服部は同時並行で編曲も手掛けるようになっていた。なお、彼が編曲という名称を覚えたのは井田一郎の仕事を通じてのこと。井田は、1923年に日本初のプロのジャズ・バンドとして名高いラフィング・スターズを結成したキーパーソンだ。当時、編曲という作業を行っていたのが井田くらいしかおらず、二村定一など初期のジャズ・ソングのレコーディングはほとんどが井田の編曲/指揮であった。
 なお、編曲に秀でていた才人として、コロムビア所属だった仁木多喜雄の名前も挙げなければならないだろう。夭逝したため服部よりも知名度は低いが、リキー宮川の「マーチャン」は端正で瀟洒、モダンそのものである。アメリカのビッグ・バンド・ジャズ人気を担ったグレン・ミラーやジーン・クルーパのサウンドをうまく翻案/消化した印象もある。その仁木と比較すると、服部の曲は日本的な響きが強い。例えば、コロムビアで制作した和声ジャズ・コーラスもの。昭和14年の「お江戸日本橋」では、ベニー・グッドマンの「シング・シング・シング」を独自に解釈して採り入れ、管楽器のアレンジも完璧だった。
 服部は1933年に上京。作曲や編曲の仕事を手掛けるようになり、36年にはコロムビアの専属作曲家となる。コロムビア入社第一回の作品が淡谷のり子の歌う「おしゃれ娘」で、米国で勃興していたスウィング・ジャズの意匠を施した同曲は多くの日本人を驚かせた。同じく、淡谷のり子「別れのブルース」は、黒人のブルースをベースにした作品。服部の意向を汲み、本来得意ではなかったアルトの音域で歌ったという。もちろん、李香蘭(山口淑子)の歌唱による「蘇州夜曲」もヒット。以降、レコード、ステージ、放送、映画音楽など多彩な活動を展開してゆく。戦中は陸軍報道班として中国へ渡り、文化工作に従事。中国の作曲家とも密な関係を築いた。戦後は、ブギウギのリズムを採り入れた「夜来香ラプソディ」の他、「青い山脈」「銀座カンカン娘」とヒットを連発し、人気音楽家として一躍その名を轟かせることになる。
 指導者としての服部についても触れないわけにはいかない。戦前、多少なりともジャズの編曲を手掛けた音楽家は、ほとんど全ての人が一度は“響友会”なる服部塾の生徒だったといっても過言ではないからだ。ここで連想されるのが、渡辺貞夫のことである。バークリー音楽大学(筆者註、当時はバークリー音楽院)で学んだ渡辺は帰国したのち、自宅に後輩や同輩を呼び集めて、アメリカで学んだことを若いジャズメンに伝授した。このふたつの私塾は、それぞれ、戦前戦後の一大業績と言えるのではないだろうか。瀬川昌久が監修を手掛けた『日本のジャズ・ソング~戦前篇~シリーズ』の解説などでその重要性を説いている。
 また、先述のダンスホールがさかんになってくると、外国だけではなくて日本の流行歌もアレンジして混ぜてゆくことになる。日本で流行っている歌をジャズやタンゴにすると、聴衆が思いのほか喜んだというのだ。ダンス・バンドにはそうした需要が徐々に増え、服部に依頼して「雨のブルース」を(社交ダンスの一種である)フォックス・トロット風にアレンジし、演奏したこともあったとか。
 ダンスホールに来場する客では、学生には瀟洒でモダンなアレンジのものがウケる。一方、その他の人はアンサンブルやダンス・リズムには凝っていない歌謡曲を好む。服部はその両方をつなぐような仕事をされている、と瀬川は述べている(『日本のジャズの誕生』)。コロムビアの専属作曲家として業績をあげるには、そういった仕事も必要だったのだろう。服部は意識して古賀政男風のメロディもずいぶん作ったそうだ。
 そんな服部が人生最後の音楽会でメインに選んだのはシンフォニック・ジャズだった。コンサートは昭和42年の還暦記念にあわせて開催。クラシックの上海交響楽団と共演し、41分にわたる交響詩を披露した。これは服部の積年の夢であり願望だった。というのも服部は、アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュウィンに強い憧れを抱いていたのだ。ガーシュウィンは1898年NYのブルックリン生まれ。少年時代にピアノを勉強し、1919年、21歳の時に作曲した歌曲「スワニー」で世に出る。
 “キング・オブ・ジャズ”を名乗るポール・ホワイトマンがガーシュウィンの才能に目をつけ、ジャズの交響楽的作品を書くことをすすめ、ピアノ独奏と管弦楽のための作品「ラプソディー・イン・ブルー」が完成。初演は1924年(日本では大正13年)で、服部が17才の時だ。服部はかねがね、ガーシュウィンのようにジャズの大交響楽団で演奏することを夢見ていた。大阪にいた頃、服部は「ラプソディ・イン・ブルー」をアメリカ帰りの作編曲家、紙恭輔が東京で舞台にかけたと聞いて、いてもたってもいられなかったという。
 服部は、クラシックとポピュラー音楽の間に明確な区別がなく、西洋音楽が一括りにされていた1920年代に音楽家としての訓練を受けた。10代からカフェやダンスホールでジャズを演奏しながら、大阪フィルハーモニック・オーケストラでクラシックを演奏している。そんな風にクラシックもジャズも等価なものとして享受してきた彼が、いま一度自分の音楽人生を総ざらいし、複数のジャンルを統合することを望むのは自然だったはず。服部のスタンスはこの発言に端的に表れている。

音楽にはクラシックとポピュラーといった区別は本質的にないというのがぼくの考え方で、とにかくいい音楽を大衆に親しんでもらいたいという気持ちからだった。この考え方はぼくの一生を通じて変わっていない。音楽に大衆音楽も高級音楽もないと考えるぼくは、当面、学びつつある音楽理論や技法を、ジャズや歌謡曲の世界で生かしたいと苦心していた。(服部良一『ぼくの音楽人生』)

 なお、1992年10月20日には大阪で“服部良一音楽祭‘92”が催された。会場は大阪城ホール。歌謡界以外のポップス系の音楽家や歌手が、服部良一作品を積極的にレパートリーに入れているのを受けてのコンサートだった。出演した面々は実に豪華。括弧内に演奏/歌唱した曲を入れると、サンディー(「蘇州夜曲」)、東京スカパラダイスオーケストラ(「ラッパと娘」)、山崎ハコ(「東京ブギウギ」)、アメリカのブレイヴ・コンボ(「青い山脈」)、シンガポールのディック・リー(「ジャジャムボ」)など。上記のコンサートのように『ブギウギ』の放映によって一気に押し寄せたように見える服部良一再評価の波だが、それ以前からその功績は着々と引き継がれている。服部良一と笠置シヅ子と雪村いづみと小西康陽を繫ぐ一本の太い幹は現代の日本の音楽にも確実に影を落としているのである。

ピチカート・ファイヴ
『さ・え・ら・ジャポン』
(日本コロムビア)

荒井由実
『ひこうき雲』
(EXPRESS)

雪村いづみ
『フジヤマ・ママ 雪村いづみ スーパーアンソロジー1953-1962』
(ビクターエンタテインメント)

雪村いづみ
『スーパー・ジェネレイション』
(日本コロムビア)

George Gershwin
『エッセンシャル・ジョージ・ガーシュウィン』
(ソニー)

■参考文献一覧
丸山眞男著『現代政治の思想と行動』(未来社)
梅棹忠雄著『文明の生態史観』(中公文庫)
内田樹著『日本辺境論』(新潮新書)
相倉久人著・松村洋編著『相倉久人にきく昭和歌謡史』(アルテスパブリッシング)
マイケル・ボーダッシュ著・奥田佑士訳『さよならアメリカ、さよならニッポン』(白夜書房)
瀬川昌久+大谷能生『日本ジャズの誕生』(青土社)
服部良一著『ぼくの音楽人生』(日本文芸社)
上田賢一著『上海ブギウギ1945 服部良一の冒険』(アルテスパブリッシング)
『レコード・コレクターズ』00年5月号「特集・細野晴臣」(ミュージック・マガジン)
小沼純一監修『あたらしい教科書 音楽』(プチグラパブリッシング)
末越芳晴著『ラプソディ―・イン・ブルー ガーシュインとジャズ精神の行方』(平凡社)
『ミュージック・マガジン』01年2月号(ミュージック・マガジン)
『ミュージック・マガジン』2024年2月号「特集・『ブギウギ』と笠置シヅ子の時代」(ミュージック・マガジン)
山本嘉次郎著『日本三大洋食考』(昭文社)
内田晃一郎著『日本のジャズ史』(スイングジャーナル)
大谷能生著『20世紀ジャズ名盤100』(イースト・プレス)
井上寿一著『理想だらけの戦時下日本』(ちくま新書)

MC Yallah & Debmaster - ele-king

 日本や世界各地のクラブ・シーンを席巻しているエモ寄りのメロディック・ラップの氾濫からひととき解放されるかのように、ヤラ・ガウデンシア・ムビデ( Yallah Gaudencia Mbidde)、すなわちMCヤラー(MC Yallah)のセルフタイトル新作『Gaudencia』は、Nyege Nyege のサブレーベル〈Hakuna Kulala〉からフランス人プロデューサーのデブマスター(Debmaster)との共作として登場した。これはすでに熱気を帯びた夏にさらにスパイスを振りまく、革新の清新な空気であり、意識を覚醒させるバンガーの数々だ。2023年のブレイク作『Yallah Beibe』が放った生々しいエネルギーと昂揚を継承しつつ、今回のヤラーとデブマスターはさらにいっおう音響的一貫性を獲得している。まるで宿命に導かれた音響的な結婚のごとく、互いが互いを突き動かし、より高みへと刺し合うようにして。
 ケニアに生まれ、ウガンダで育った背景は、言語の仕組みを自在に連結するためのコードをヤラに授けた。彼女はルガンダ語、ルオ語、スワヒリ語、そして時折の英語を切り替えながら、それぞれの言語がもつ力を最大限に引き出し、すべてを猛烈な韻律のなかで機能させている。
 これはマムブル・ラップでも、2分間に40語しか吐き出さないエモ的な歌唱でもない。これはバトルラップ・スタイルだ。週末のニューヨークのバスケットコートに持ち込まれるような、あるいはあらゆるコンテストに投じられるようなものだ。英語を母語とする私にとって、ラッパーの言葉を理解できないことに多少の寂しさはある。だが“Omulinji”のようなトラックでは、そのもどかしさはメロディとフロウに慰められ、魅了される。優れたラッパーは、外部の聴衆が渡れる旋律の橋を築くのだと、そこには単純に示されている。

 アルバムのテンポは冒頭から狂騒的で、ハイプを積み上げていく。冒頭曲“Higher”のシンセサイザーの響きからして、その昂ぶる予感が全身に伝わってくる。トラックメイカーとしてのデブマスター(Debmaster )の手腕は、必要な余白と緊張感を残し、MCヤラにマシンガンのようなケイデンスを浴びせるだけの空間を与えている。そして続く“Kujagana”では夏らしいバウンス感を解放し、どこの都市でも通じるメロディを響かせる。地下鉄のなかで自然と口ずさめるような、記憶に残る旋律だ。
 1曲目以降、このアルバムの大部分はディープでスローなリズムに身を委ねている。現代アフリカのスロービートやアフロビーツと、西洋で人気のグルーヴィなエレクトロニクスとのあいだに心地よく収まり、クラブで多用されるガバの硬質な音を相殺するかのようだ。

 ヤラーにとりわけ惹かれるのは、そのラップのフロウ、歌唱、パフォーマンス・スタイルはもちろんだが、全体的な美学において、セクシュアリティを最優先にしていない点にもある。だいたいこのご時世、裸同然の格好をせず、言葉を発する前から腰をくねらせたりしない女性ラッパーがバズったりすることは困難だろう。実力派のDoechii(https://www.ele-<https://www.ele-/>http://king.net/review/album/011615/)でさえも、注目を集めるため、真っ裸になってヴィデオを制作したほどである。しかし、『Gaudencia』におけるヤラーは、ゲストなしでアルバム全体を牽引する女王の風格を見せつける。13曲すべてにおいてゲストも客演プロデューサーも存在しない。サウンドは一貫しており、メッセージは純粋無垢で、そのゆえに圧倒的な磁力を放っている。そして率直に言えば、リリックを完全に理解できなくとも、ヤラの才能はジェイ・Z級だ。
 願わくは、ヤラーがアメリカのしばしば言語的排外主義に陥りがちなラップ・カルチャーを突破してほしい。現実にはそれが起こるとは思えないが、それでもなお願わずにはいられない。


In a welcome break from the plethora of emo-driven melodic rap taking over the club scenes here in Japan and in many parts of the world, Yallah Gaudencia Mbidde aka MC Yallah`s new self titled work “Gaudencia” with Debmaster on the the Nyege Nyege`s sub-label HAKUNA KULALA, is the fresh air of innovation and mind-awakening bangers necessary to bring spice to an already hot summer.
In a continuation of the raw energy and excitement around her breakthrough 2023 “Yallah Beibe,” Yallah and Debmaster go even further into sonic coherence showing that they were meant to each other, an ordained sonic marriage by fate, each half needling each other toward greater excellence.
Being Kenyan, raised in Uganda showered Yallah with the codes necessary to interconnect with the inner-workings of number languages. Yallah toggles between Luganda, Luo, Kiswahili, and brief moments of English accessing the greatest parts of each language and making them all work in rapid fire cadences.
This isn`t mumble rap or 40 words in a 2 minute emo-sing song, this is battle rap style. The type one would take to the basketball court in New York City on the weekend or any contest. For myself as a native English speaker, there is a little sadness in not being able to understand anything a rapper is saying. But in a track like “Omulinji," my mental frustrations are put to rest with melodies and flows that mesmerize, showing simply the best rappers build melodic bridges outsiders can cross.
The pace of the album from the beginning is manic, hype building. You can feel the anticipation from the opening synths in opening “Higher.” Debmaster`s craft as a track maker leaves space and just enough tension giving MC Yallah tons of air to fire machine gun style cadences. And then allows summer bounce vibes in the following “Kujagana,” easily translatable in any city with melodies, memorable and hummable on any subway.
Beyond the first track, the majority of the album grooves in deep slow rhythms fitting comfortably between modern African slow beat or afrobeats and groove heavy electronics popular in the Western world to offset much of the gabber music played in clubs.
What particulary attracts me to Yallah is her rap flow, singing, performance style or overall aesthetic, not prioritizing sexuality first. It`s difficult now to find viral female rappers that aren`t near naked or gyrating before they even say a word. Even equally as talented Doechii has made video(s) completely butt naked to attract attention. In “Gaudencia” Yallah shows queen status carrying the whole album without any guests. 13 tracks without any guests or even guest producers. The sound is consistent and the message is pure, and by being so, incredibly magnetic. And truth be told, Yallah is Jay Z level talented, even without understanding fully her lyrical content.
It would be my hope that Yallah could break through the often linguistically xenophobic rap culture of America. I don`t see that happening but it is still a hope.

Urban Echoes - ele-king

 長野の音楽フェス、「EACH STORY〜THE CAMP〜を」主催する実行委員会が新たな公演をローンチさせた。
 東京で3夜にわたって開催される「Urban Echoes」がそれだ。
 第一夜となる10月6日(月)には、〈ECM〉のギタリスト、ヤコブ・ブロと高田みどりの共演が実現。会場は表参道の銕仙会能楽堂。
 第二夜の10月8日(水)は、シカゴのシンガー・ソングライター、ジア・マーガレットによる初めての来日公演。会場は池袋の自由学園明日館 講堂。
 第三夜の10月9日(木)は、ちょうど本日最新作『winterspring/summerfall』の日本限定CD盤がリリースされたオランダ出身のマルチ楽器勝者、フェルボム(Felbm)が登場する。会場は多くのの淀橋教会の小原記念チャペル。
 自然に囲まれながら体験する音楽もいいけれど、繁華街でちょっと特別な音楽に耳を傾けるのもまた味わい深いものです。詳しくは下記より。

Urban Echoes
一 都市にひそむ余自と共鳴ー

Resonating with the Hidden Spaces of the City
都市には、さわめきの奥に静けさが潜み、時間の際間に醤きが宿る。
Urban Echoes は、そうした見えない余白を音と空間で呼び覚まし、
会場ごとに異なる物語を立ち上げていく試みです。
能楽堂や歴史的建築、チャベルなど、息づく記憶をまとった場所で、
国内外のアーティストがその夜だけの音を奏でる
都市に眠る気能が共鳴し、音楽とともに新たな記憶となる
ーーEACH STORYが届ける、特別な音のシリーズ。

DAY1

2025年10月6日(月)
Jakob Bro × 高田みどり
銕仙会能楽堂(表参道)

時間 : OPEN 18:00 / START 19:00
   LIVE時間 : 60min
料金 : 前売り ¥10.000_ / 当日 ¥11.000_
出演 : Jakob Bro × 高田みどり
HP / チケット販売サイト: https://www.urbanechoes.live
主催 : 合同会社EACH STORY実行委員会
協力:rings
助成:東京芸術文化創造発信助成 カテゴリーⅠ 単年助成 芸術創造活動
後援:デンマーク王国大使館

DAY2

2025年10月8日(水)
Gia Margaret
自由学園明日館 講堂(池袋)

時間 : OPEN 18:00 / START 19:00
   LIVE時間 : 60min
料金 : 前売り ¥8.000_ / 当日 ¥9.000_
出演 : Gia Margaret
HP / チケット販売サイト: https://www.urbanechoes.live
主催 : 合同会社EACH STORY実行委員会
協力:plancha
助成:東京芸術文化創造発信助成 カテゴリーⅠ 単年助成 芸術創造活動

DAY3

2025年10月9日(木)
Felbm
小原記念チャペル(大久保)

時間 : OPEN 18:00 / START 19:00
   LIVE時間 : 60min
会場 :ウェスレアン・ホーリネス教団 淀橋教会 小原記念チャペル
料金 : 前売り ¥7.000_ / 当日 ¥8.000_
出演 : Felbm / H.Takahashi(DJ) / Yudai Osawa (VJ)
HP / チケット販売サイト: https://www.urbanechoes.live
主催 : 合同会社EACH STORY実行委員会
協賛: Adam Audio
協力;Knkyo Records
助成:東京芸術文化創造発信助成 カテゴリーⅠ 単年助成 芸術創造活動
後援:オランダ王国大使館

FINALBY(   ) - ele-king

 ∈Y∋(BOREDOMS)を中心とした異次元的なプロジェクト、FINALBY(     )の公演が新宿歌舞伎町のZEROTOKYOにて開催される。すでにFUJI ROCKや大阪・味園ユニバースにて、その圧倒的なライヴを披露したFINALBY(     )の待望の東京でのライヴだ。本公演では、COSMIC LABとFaith PropertyによりZEROTOKYOに常設されたXRヴィジュアル&ライティング・システムを基盤に、音響・映像・照明が完全に連動し、観客を未知なる感覚の領域へいざなう。必見です!

FINALBY(   )
∈Y∋ (BOREDOMS) ∞ COSMIC LAB ∵ KANTA HORIO ∅ TAIKI NIIMI

アンダーグラウンド・ミュージック・シーンで世界的な影響力を持つ『
BOREDOMS』のフロントマンである∈Y∋、空間表現によって認知の拡張を探求するオーディオ・ヴィジュアル表現の追求者COSMIC LAB(C.O.L.O主宰)、音とマシンの関係性を追求するアートエンジニアHORIO KANTA、回路設計から音響合成まで行うプログラマーのNIIMI TAIKI によるユニット。FUJI ROCK FESTIVAL’21での初演はフジロック史上で最も異質なステージと称され、今年3月には香港アートウィーク、そして7月には大阪・味園ユニバースの70年に渡る歴史にピリオドを打つ伝説的な公演を完遂。
※読み方(ファイナルビーエンプティ)


「FINALBY(     )が、未確認超越体験として、再び転生!!!!!!!」
宇川直宏(DOMMUNE)

2025年7月5日…..味園ユニバースは、大阪・千日前での70年の歴史に幕を閉じた。BOREDOMSの∈Y∋とCOSMIC LAB率いるFINALBY(     )は、自らを"おくりびと"と化し、この連綿と続く記憶と痕跡のサイケデリックな文化地層を大気圏の向こうへと見送った。70年の長きにわたる千日前の文化地層を崇め、祀り、XRの魔法を駆使して先鋭な祈りで葬り弔ったこの歴史的法要は、今後の大阪の文化史にとっても大きな意味を持つだろう。心沈める葬列ではなく、心躍る式典を経て、ユニバースは超越的なレクイエムを捧げられ、概念宇宙となった!!!!!!!

そして、2025年10月25日…この時空超越装置が東京・歌舞伎町に突如現出する!!!!! 概念宇宙と化したユニバースは、ネオンに溶けた欲望と情念の密林を突き破り、重力を説き伏せた未確認超越体験として、再び転生するのだ。そう、そこにもここにもあそこにも時空の歪みを切り裂いてFINALBY(     )は立ち現れる!!!!!!! この夜、ZEROTOKYOは、"千日前の記憶" を歌舞伎町という身体に再インストールする。アカシックレコードも、タイムカプセルも、量子コンピューティングも、霊界パノラマも、集合無意識をも飲み込んだ、このXRアセンションを召喚せよ!!!!!!!


「FINALBY(     )は、一つの時代の終わりと始まりを告げる何かとして現れる。」
藪前知子(キュレーター、東京都現代美術館学芸員)

コロナ禍がようやく終わる兆しを見せた夏、FUJI ROCK FESTIVAL ‘21のWHITE STAGEのコアタイムに、FINALBY(     )は唐突な異様さで現れた。そのパフォーマンスは、ヴァーチャルとフィジカルが渾然一体となった強烈な配信映像とともに、この停滞期の最も重要な文化的事件の一つであったといえる。
そして今年の7月、大阪のディープスポット味園ユニバースの最終営業日、私たちは、光と影に彩られた70年間の歴史的空間が、オープンエンドな未来へと引き渡される様を目撃した。
FINALBY(     )は、一つの時代の終わりと始まりを告げる何かとして現れる。その世界では、デバイスオブジェクト自体が意志を持った主体となってオーディエンスに働きかける。
それらは仲介者である∈Y∋と共に、地球の自転がもたらす力の作用を受け、音の渦を生み出しつつひたすら一方向へ回転しつづける。儀式のようにはじまったその空間に身を委ねるうちに、私たちの意識は、(∈Y∋がフジロックでぶん投げた(サ)コーンのように)、高速で遠くに弾き飛ばされる。次は新宿・歌舞伎町から、どこか知らない宇宙の始まりへと。


ZEROTOKYO
東急株式会社、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントによる合弁会社である株式会社TSTエンタテイメントが運営する、ZEROTOKYO / Zepp Shinjuku(TOKYO)。エリア最大級である1500人のキャパシティを持ち、さらに、COSMIC LABとFaith Propertyが構築した最新の映像・照明システムにより、この場所でしか味わえない臨場感あふれる音楽・映像体験を可能としている。多種多様な文化で今や世界にその名を轟かせる新宿・歌舞伎町らしく、様々なジャンルの音楽アーティストを招聘し、ここにしかない音楽ライブ・エンターテイメント・コンテンツを国内外に発信する、東京を体現する新しい施設。

COSMIC LAB
映像作家 C.O.L.Oが主宰するライブ・ヴィジュアル・ラボラトリー。可視と不可視が交わる体験を通じて認知の拡張を探求。∈Y∋(BOREDOMS)とのオーディオ・ヴィジュアルライブやJEFF MILLSと共同制作を務めた舞台芸術作品「THE TRIP」、総勢100名に及ぶ僧侶の声明とヴィジュアルアートが融合した「高野山1200年の光」などの代表作がある。ポストXR(エクスパンデッドリアリティ)に焦点化してフィジカルとヴァーチャルの境界が消失する視覚演出システムを構築し「ZEROTOKYO / Zepp Shinjuku (TOKYO)」へのインストールを手掛けた。


FINALBY(     )オフィシャルサイト:
https://www.finalby.net/

開 催 概 要

名 称:
FINALBY(     ) LIVE in 歌舞伎町EXPANDED
presented by COSMIC LAB & TST Entertainment

会場:
ZEROTOKYO

日程:
2025年10月25日(土)
OPEN 17:30 / START 18:30 / CLOSE 20:30

出演:
FINALBY(     )
∈Y∋ (BOREDOMS) ∞ COSMIC LAB ∵ KANTA HORIO ∅ TAIKI NIIMI

チケット :
EarlyBird 早割入場券 : ¥5,000
発売開始:2025年8月27日(水)〜
※ 規定枚数に達し次第、期間中であっても発売終了となります。

【 一次 一般前売り入場券 】¥6,500
【 U25 前売り入場券 】¥5,000
※EarlyBirdチケットの規定枚数が終了次第、発売開始いたします。
※ それぞれ規定枚数に達し次第、発売終了となります。
--チケットリンク(ZAIKO)-
https://cosmiclab.zaiko.io/e/finalby


主催:
株式会社TSTエンタテイメント
企画:
COSMIC LAB
助成:
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
プロジェクトパートナー(AtoZ):
AUGER / 有限会社ボアトロニクス / DOMMUNE株式会社 / FACETASM / 株式会社フェイス・プロパティー
後援:一般社団法人ナイトタイムエコノミー推進協議会
連携:DOMMUNE KABUKICHO / BENTEN 2025 Art Night Kabukicho


イベントオフィシャルサイト:
https://expanded.cosmiclab.jp/
FINALBY(     )オフィシャルサイト:
https://www.finalby.net/


Movie :
FINALBY(     )- FUJIROCK FESTIVAL’21 WHITE STAGE | Digest movie
https://youtu.be/WINPSZHqHG4?si=JxXIC47-lhaRG6a_&t=26

COSMIC LAB
https://www.youtube.com/@CosmicLab

8月のジャズ - ele-king

 今月はベテラン・アーティストの久々の作品から紹介したい。プランキー・ンカビンデことジェイムズ・ブランチは1947年生まれのサックス奏者で、1971年にサンフランシスコでジュジュを結成したことで知られる。アフリカ音楽や民族色の濃いフリー・ジャズを展開し、次第にそれはアフロ・スピリチュアル・ジャズとして認知されるようになる。〈ストラタ・イースト〉で2枚のアルバムをリリースした後、ワンネス・オブ・ジュジュと改名したグループは1975年に名作『African Rhythms』を発表。ワシントンDCでジャズDJ/評論家のジミー・グレイが新レーベル〈ブラック・ファイア〉を創設し、彼に共鳴したプランキーが参加し、第1弾アーティストとなった。続く1976年の『Space Jungle Luv』と共にスピリチュアル・ジャズにソウルやファンクを融合した内容で、後のレア・グルーヴ・ムーヴメントやクラブ・ジャズ・シーンでも再評価が高まった。1980年にはプランキー&ワンネス・オブ・ジュジュ名義で『Make A Change』を発表するが、収録曲の “Every Way But Loose” はラリー・レヴァンによるリミックス12インチがリリースされ、ダンス・ミュージックの世界でも知られることになる。『Make A Change』はディスコやエレクトロ・ファンクの要素も交えていて、そうした具合に当時の音楽の流行を巧みに取り入れる部分もプランキーにはあった。

Plunky & Oneness Of Juju
Made Through Ritual

Strut

 その後は一時のブランクはあったが、『African Rhythms』などが再評価されていることをプランキー自身も認識していて、1996年にワンネス・オブ・ジュジュ再評価の流れで復帰作の『Bush Brothers & Spacer Rangers』を〈ブラック・ファイア〉からリリース。それ以降も地道な活動を続け、自主レーベルの〈N.A.M.Eブランド〉からコンスタントにアルバムをリリースしている。初期は混沌として原初的なジャズをやっていたジュジュだが、ワンネス・オブ・ジュジュになってからは時流に乗ってソウル、ファンク、アフロビート、ディスコ、エレクトロなどを融合し、ある意味で非常に柔軟で自由な気風を持つアーティストとも言える。1990年代は当時のアシッド・ジャズ・ムーヴメントに呼応してラッパーをフィーチャーしたり、その後もR&Bに接近した作品のリリースもある。

 2019年にプランキー&ワンネス名義で『Afroceltic』というアフロビート寄りのアルバムをリリースし、それから6年ぶりの新作が『Made Through Ritual』となる。〈ブラック・ファイア〉の諸作を〈ストラット〉が再発していたこともあり、今回はその〈ストラット〉から〈ブラック・ファイア〉創設50周年を記念してのリリースとなる。ババトゥンデやエカ・エテら往年のメンバーはいないが、シンガーのシャーレイン・グリーンや作家・詩人のロスコー・バーネムズなどが参加している。また、プロデューサーはプランキーの息子のジャマイア・ブランチで、ジミー・グレイの息子のジャマル・グレイも共同プロデュースしている。シャーレイン・グリーンによる瞑想的なヴォーカルが導く “Share This Love” は、『Space Jungle Luv』の頃を彷彿とさせるスペイシーな浮遊感に包まれる。ジャズとアフロやファンクを融合した “In Due Time” や “Made Through Ritual” は、『African Rhythms』の頃のプランキーを再現していて、コズミックな質感のジャズ・ファンクの “Broad Street Strut” は『Make A Change』にあるようなナンバーと言えるが、不思議と古びた感じを抱かせないのはジャマイア・ブランチとジャマル・グレイのプロデュースによるものだろう。ロスコー・バーネムズがポエトリー・ローディングを披露する “Children Of The Drum” はラスト・ポエッツに通じるようなブラック・カルチャー賛歌である。


Dom Salvador, Adrian Younge & Ali Shaheed Muhammad
Jazz Is Dead 24

Jazz Is Dead

 エイドリアン・ヤングとアリ・シャヒード・ムハマッドによる『Jazz Is Dead』シリーズは、伝説的なミュージシャンとのセッションをかれこれ5年ほど続けている。アジムス、マルコス・ヴァーリ、ジョアン・ドナートなどブラジルのミュージシャンとのセッションも多くおこなっていて、2024年にはジョイス、アントニオ・カルロス&ジョカフィ、カルロス・ダフェ、イルドンらとブラジル勢と共演したオムニバスを発表したが、その中のひとりであったドン・サルヴァドールとの共演作が『Jazz Is Dead 24』としてリリースされた。ドン・サルヴァドールは1960年代から活躍するピアニストで、サルヴァドール・トリオやリオ・65・トリオは1960年代半ばに沸騰したジャズ・サンバの名トリオとして伝説的に語り継がれる。1960年代後半からは時代の流れと共にロック、ファンク、ソウルなども取り入れ、アボリサオというサンバ・ファンク寄りのバンドも率いたことがある。また、アメリカに渡って活動していた時期もあり、『My Family』(1976年)というブラジリアン・フュージョンのアルバムもリリースした。

 そんなドン・サルヴァドールも、現在87歳というブラジル音楽界でも最長老に属する年齢となっているが、そんな彼をレコーディングの場に連れ出したというだけでも、『Jazz Is Dead』はとても貴重な企画と言えよう。今回のアルバムは1960年代後半から1970年代前半の時期、アルバムで言えば1969年のファースト・ソロ・アルバムから、アボリサオを率いた1971年の『Som, Sangue E Raça』あたりの時期を念頭に入れた内容である。ドン・サルヴァドール自身による獣の咆哮のような奇妙なスキャット・ヴォーカルが印象的な “Os Ancestrais”、男女コーラスを交えたノヴェラ(サントラ)風の “Nao Podemos o Amar Para”、ソフト・ロックを取り入れたブラジリアン・ソウル “Minha Melanina”、アフロビートに近似したサンバ・ファンク “Eletricidade” など、ドン・サルヴァドールならではの作品集と言える。サイケデリックな風味の “Safíra” は、アマゾン流域で発生した原初的なアフロ・ブラジリアン・サウンドがジャズと結びついたできた作品で、ドン・サルヴァドールのルーツを見せるものだ。


Organic Pulse Ensemble
Oppression Is Nine Tenths Of The Law

RR Gems

 オーガニック・パルス・アンサンブルは、グループ名こそ冠しているものの、実際はグスタフ・ホーネイというスウェーデンのアーティストによる個人プロジェクト。グスタフ・ホーネイはサックス、フルート、トランペット、ギター、キーボード、ドラムス、ベース、パーカッションなどを操るマルチ・ミュージシャンで、それ演奏をマルチ録音することでオーガニック・パルス・アンサンブルは成り立っている。グスタフ・ホーネイはほかにもデュオヤというユニットをやっていて、そちらはジャズ・ファンク系のサウンドであるが、オーガニック・パルス・アンサンブルはモード・ジャズやスピリチュアル・ジャズ系と言えるだろう。2019年からアルバムをリリースしていて、『Oppression Is Nine Tenths Of The Law』は通算7作目となるアルバムだ。

 “Oppression Is Nine Tenths Of The Law” はバンブー・フルートがフィーチャーされた、極めてプリミティヴな趣のスピリチュアル・ジャズ。スウェーデンはクール・ジャズの印象が強いが、実際にはアフリカ音楽に影響を受けたミュージシャンもいるし、民謡を取り入れた作品もいろいろ出ている。ドン・チェリーが長年住みついて活動していたところでもあり、オーガニック・パルス・アンサンブルはそんなドン・チェリーの『Organic Music Society』(1972年)に影響を受けているのだろう。“Peace As A Political Statement” という楽曲も、そんなドン・チェリーの精神性を示すタイトルだ。1960~70年代、アメリカのジャズ・ミュージシャンの中には北欧へ移住する者もいろいろおり、トニー・スコット、サブー・マルティネス、ジョージ・ラッセルなどはスウェーデンを拠点とした。中でジョージ・ラッセルはビッグ・バンドをはじめとした大編成のグループの指揮や作曲・編曲に長けていたが、オーガニック・パルス・アンサンブルにおける多種の楽器のアンサンブルや作曲技法にも目を見張る部分があり、そこにはジョージ・ラッセルの影響も見て取れる。そして、グスタフ・ホーネイはそれをひとりでやっているのが何とも凄い。


Aldorande
Trois

Favorite Recordings

 アルドランドはフランスのグループで、ベーシストのヴァージル・ラファエリをリーダーに、ピアニスト/キーボーディストのフローリアン・ペリシエ、ドラマーのマチュー・エドゥアール、パーカッショニストのエルワン・ロッフェルが集まる。この中でフローリアン・ペリシエは自身のクインテットを率いて数々のアルバムを残すほか、カマラオ・オーケストラというアフロ~ラテン系のバンドや、コトネットというジャズ・ファンク・バンドでも演奏する。ヴァージル・ラファエリもカマラオ・オーケストラのメンバーで、またマシュー・エドゥアルドと共にセテンタというラテン・ファンク・バンドで演奏している。このようにフランス、主にパリのジャズ、ファンク、ラテン・シーンで活躍してきたミュージシャンが集まってアルドランデは結成された。2019年にファースト・アルバム、2021年にはセカンド・アルバムの『Deux』をリリースしているが、彼らの音楽性は1970年代のエレクトリックなジャズ・ファンクをベースに、ファンクやフュージョン、シンセ・ブギーやブロークンビーツなどのエッセンスを交えたものとなっていて、ラテンやアフロ・フレーヴァーに富むリズム・セクションも魅力だ。

 そんなアルドランドの3作目のアルバム『Trois』がリリースされた。メンバーはこれまでゲスト参加してきたギタリストのローレン・ギエも加わり、5人編成となっている。フローリアン・ペリシエはフェンダー・ローズ、エレピ、ミニモーグ、アープ・シンセほか各種キーボードやシンセを用い、これまで以上に重層的な鍵盤サウンドを展開する。“Back To Mother Earth” は重厚な出だしからソリッドなビートが始まり、軽快なブギー・ファンクへと展開する。全体的にブリット・ファンクに通じるナンバーだが、途中のヴィブラフォン・ソロやフェンダー・ローズも印象的で、アジムスやロイ・エアーズなどの影響も感じさせる。“Gulf Of Mexico” はスパニッシュ調のフュージョン・ナンバーで、フローリアンのキーボードがダークでミステリアスなムードを掻き立てる中、途中からジプシー調のコーラスも加わって盛り上げる。疾走感に満ちたリズムは思わず体が動き出すようなものであるが、このあたりはダンス・ミュージックが得意な〈フェイヴァリット・レコーディングス〉の作品らしい。

「どこへ?」 - ele-king

 恵比寿リキッドルームのサブ・フロアとしても知られるTimeOut Café & DinerとKATAの2会場にて、目的なく音楽に没頭することをコンセプトとしたリスニング・イヴェント「どこへ?」が9月13日(土)に開催。
 
 岡田拓郎によるソロ・ギターセットからMOODMAN、Shhhhhの2名による非ダンス的アプローチなDJセットまで、ほかではなかなか体感できないサウンド・テクスチャーに触れる絶好の機会となりそうです。

Terry Riley - ele-king

 強力なアイテムの登場だ。テリー・ライリーが〈コロムビア〉に残した4作品、それらをまとめたボックスセットがリリースされる。60年代に録音された問答無用の『In C』と『A Rainbow in Curved Air』はもちろんのこと、70年のジョン・ケイルとの共作『Church of Anthrax』、そして80年の『Shri Camel』まで網羅した豪華なセット。ブックレットも充実しており、セッション時の写真やオリジナルのライナーノーツ、新たなエッセイに加え、日本仕様盤ではそれらの翻訳と、別途日本語解説もつきます。発売は明日、8月27日。

テリー・ライリーがColumbiaレーベルに録音した名作4題をボックス化

テリー・ライリー
「コロンビア・レコーディングス」

(インC/ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー/チャーチ・オブ・アンスラクス/シュリー・キャメル)
TERRY RILEY / THE COLUMBIA RECORDINGS
(In C / A Rainbow in Curved Air / Church of Anthrax / Shri Camel)

■レーベル:SONY CLASSICAL
■品番・価格:SICC-2363-6(2枚組) 定価\6,050(税抜価格¥5,500)
■発売日:2025年8月27日
■形態:4CD/輸入盤国内仕様・初回生産限定盤
■(P) 2025 Sony Classical, a label of Sony Music Entertainment

ミニマル・ミュージックと電子音楽に多大な影響を与え続ける先駆的な作曲家テリー・ライリーの代表作である『インC』をはじめとしたコロンビア・レコード時代のアルバム4作品を収録したボックスセットです。本作は単なる録音の集大成を超え、アヴァンギャルドがメジャーレーベルのスタジオに根を下ろし、ライリーのような先駆的なアーティストが未踏のサウンドの領域を探求する余地を与えられた時代の貴重な記録と言えましょう。彼の魅惑的なエレクトリック・キーボードとサックスの即興演奏から、テープやデジタル・ディレイの先駆的な使用まで、ここにあるすべてのトラックに脈打つ実験精神は、その後の音楽の発展に大きく寄与し、現代音楽の範疇を超えてロックやポップス、現代のテクノにまで伝播しました。
添付されたブックレットの資料的価値も大きく、セッション時の写真やオリジナル・ライナーノーツ、新たに書き下ろされたエッセイを含む貴重な内容となっています(輸入盤日本仕様/欧文ライナー日本語翻訳付き(翻訳:高橋智子)/解説:畠中実)。

【CD1】
テリー・ライリー『インC』
TERRY RILEY / IN C

1 インC In C 41:59

<演奏>
テリー・ライリー:作曲、アンサンブル・リーダー、サクソフォーン
ニューヨーク州立大学バッファロー校、創造・演奏芸術センターのメンバー
録音:1968年4月29日、5月1日、2日 コロンビア30丁目スタジオ(ニューヨーク)

【CD2】
テリー・ライリー『ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー』
TERRY RILEY / A RAINBOW IN CURVED AIR

1 ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー A Rainbow in Curved Air 18:40
2 ポピー・ノーグッド・アンド・ザ・ファントム・バンド Poppy Nogood and the Phantom Band 21:40
3 ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー ラジオ放送用スポット広告(ボーナストラック) Radio Spot: A Rainbow in Curved Air (bonus track). 0:58

<演奏>
テリー・ライリー:エレクトリック・オルガン、エレクトリック・ハープシコード、ロックシコード、ドゥムベック、タンバリン
録音:1969年5月23日、6月3日(1、3)、3月24日、27日、28日(2) コロンビア52丁目スタジオ(ニューヨーク)

【CD3】
ジョン・ケイル&テリー・ライリー『チャーチ・オブ・アンスラクス』
JOHN CALE & TERRY RILEY / CHURCH OF ANTHRAX

1 チャーチ・オブ・アンスラクス Church of Anthrax 9:00
2 ヴェルサイユ宮殿の鏡の回廊 The Hall of Mirrors In the Palace of Versailles 7:55
3 ザ・ソウル・オブ・パトリック・リー The Soul of Patrick Lee 2:47
4 3月15日 Ides of March 11:03
5 庇護された者 The Protégé 2:47

<演奏>
ジョン・ケイル:ベース、ハープシコード、ピアノ、ギター、ヴィオラ、オルガン
テリー・ライリー:ピアノ、オルガン、ソプラノ・サクソフォーン
録音:1970年1月23日、コロンビア30丁目スタジオ(ニューヨーク)

【CD4】
テリー・ライリー『シュリー・キャメル』
TERRY RILEY / SHRI CAMEL

1 三位一体の聖歌 Anthem of the Trinity 9:25
2 天界の峡谷 Celestial Valley 11:32
3 はるかな太古の湖をこえて Across the Lake of the Ancient World 7:26
4 氷の砂漠 Desert of Ice 15:13

<演奏>
テリー・ライリー:エレクトリック・オルガン、コンピューターによって制御されたデジタル・ディレイ
録音:1980年 CBSスタジオ(サンフランシスコ)

その彼方には、魅惑的な静寂が広がっていた……

ジャズの奥深くに広がるサイレンス
かつてない斬新な観点からつづられる未来的なエチュード

新しい音楽の聴き方、そして静と動が完璧に繋がった世界

マイルス、イーノにはじまり、「静寂の次に最も美しい音」のキャッチフレーズで知られるECM、菊地雅章の忘れられたシンセサイザー作品、芦川聡や吉村弘、尾島由郎ら日本の環境音楽の開拓者たち、そして清水靖晃から高田みどりまで

著者入魂、7年ぶりの書き下ろし

四六判変型並製/352ページ

[著者]
原 雅明(はら まさあき)
文筆家、選曲家。レーベルringsのプロデューサーとしてレイ・ハラカミの再発等に携わり、LAのネットラジオ局dublabの日本ブランチの設立に関わる。リスニングや環境音楽に関連する企画、ホテル等の選曲も手掛ける。早稲田大学文化構想学部非常勤講師。著書に『Jazz Thing ジャズという何か』『音楽から解き放たれるために』など。

『アンビエント/ジャズ』刊行に寄せて
──著者・原雅明による「前書きの前書き」をこちらにて公開中

刊行記念イベント開催決定!
・9/23@WPU Shinjuku
・10/13@野口晴哉記念音楽室
→詳細は本ページ下部をご確認ください

聴きながら読む──「アンビエント/ジャズ」プレイリスト公開中

Ambient/Jazz - between Miles Davis and Brian Eno Chapter 1&2

Ambient/Jazz - between Miles Davis and Brian Eno Chapter 3&4

Chapter 1 & 2 (YouTube Music)
https://music.youtube.com/playlist?list=PLwIEk49IRfMR35xvuGibFfpPlj9YORa1a&si=LV-Nsb82ydiGGv2A

Chapter 3 & 4 (YouTube Music)
https://music.youtube.com/playlist?list=PLwIEk49IRfMRRFpcQIW6O2CwFCSzfiZfI&si=21PsB4WMVhMTMw49

目次

intro

第1章 マイルス・デイヴィスのジャズとアンビエント

1 空間の拡張と時間の遅延──第2期クインテットにおける試行錯誤
2 エレクトリック期に試みられたトーン・ポエム/アンビエント
3 アップデートされる80年代以降のマイルス

第2章 ブライアン・イーノのアンビエントとジャズ

1 オブスキュアとギャヴィン・ブライヤーズ
2 アンビエントの誕生
3 アンビエント・シリーズの発展
4 ダニエル・ラノワの『Belladonna』とその後のイーノ

第3章 ECM もう一つのジャズとアンビエント

1 マンフレート・アイヒャーとジャン=リュック・ゴダール
2 多様なるECMの世界

第4章 日本におけるジャズと環境音楽の往還

1 菊地雅章が残した浮遊するサウンドとハーモニー
2 日本の環境音楽の開拓者たち──芦川聡、吉村弘、尾島由郎
3 清水靖晃の「質感」
4 今日まで続く高田みどりの挑戦

outro

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刊行記念イベント①

dublab.jp presents
Listening Event “AMBIENT / JAZZ”

dublab.jpのファウンダーであり、文筆家、選曲家、レーベルringsのプロデューサーである、原雅明の新刊「アンビエント/ジャズ――マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜」の出版を記念したイベントの開催が決定。
ゲストに環境音楽のシーンを牽引し、海外からの再評価も高い尾島由郎氏を招聘し、書籍の本質をトーク&リスニングで解剖。また、「AMBIENT / JAZZ」を各々の解釈で展開させていくDJによるサウンドが空間を演出します。

また、会場では、新刊『アンビエント/ジャズ──マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜』をはじめ、本書のコンセプトである「アンビエント/ジャズ」に関連した書籍を揃えたポップアップ・ブックストアも出店します。

ぜひ、皆様の来場をお待ちしております。

会場: WPU Shinjuku
https://hotel.wpu.co/shinjuku/

日時: 2025年9月23日(火祝)
14:00-19:30

入場無料

Talk&Listening:
Masaaki Hara
Yoshio Ojima

DJ:
DJ Emerald
grrrden
JIMA 
mamekx

Support:
ADAM Audio

14:00-15:00 mamekx
15:00-16:00 DJ Emerald
16:00-17:00 JIMA
17:00-18:30 Talk&Listening: Masaaki Hara, Yoshio Ojima
18:30-19:30 grrrden

https://dublab.jp/show/listening-event-jazz-ambient-25-9-23/

刊行記念イベント②

「アンビエント/ジャズ――マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜 」出版記念レコード鑑賞会

10.13.2025(mon.祝日)
野口晴哉記念音楽室
open 16.00 start 17.00
¥3000(+1d order制)※Limited 20/reservation only

Masaaki Hara 
Takuro Okada
野口晴哉記念音楽室にて、ele-king booksより刊行された原雅明氏の新著 『アンビエント/ジャズ――マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜』 の出版を記念し、リスニング会を開催致します。
セレクターには著者の原氏、そしてレコードコレクターとしても名高い、音楽家・岡田拓郎氏をお招きし、新刊に関連する作品をレコードで聴きながら、お二人の対談を行い、「聴く/聞く」ことを掘り下げる一夜となります。
限定20名、予約制のささやかな会となります。参加ご希望の方は、お名前と人数を明記のうえ、全生新舎instagramのDMにてお申し込みください。

※入場時にIDチェックがあります。
身分証明書をご持参ください。

お詫びと訂正

このたびは『アンビエント/ジャズ』をご購入いただきまして誠にありがとうございます。
同書に誤りがありましたため、謹んで訂正いたしますとともに、
お客様および関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

●59ページ 6行目

誤 『The Complete Bitches Brew Sessions』
正 2003年リリースの『The Complete Jack Johnson Sessions』

●同 9行目

誤 『The Complete Bitches Brew Sessions』
正 『The Complete Jack Johnson Sessions』

●169ページ 注4の7行目

誤 ディオ演奏
正 デュオ演奏

●185ページ 8行目

誤 彼の音作り方から、
正 彼の音の作り方から、

●209ページ 5行目および9行目

誤 「All of My Life」
正 「All My Life」

●218ページ 後ろから4行目

誤 ルアカ・ポップ
正 ルアカ・ボップ

●281ページ 後ろから1行目

誤 「Wind 1,2」
正 「Air 1,2」

●282ページ 1行目

誤 「Wind 3」
正 「Air 3」

●同 3行目

誤 「Wind 4,5」
正 「Air 4,5」

●297ページ 8行目および10行目

誤 吉川
正 吉村

●312ページ 3行目

誤 濱野
正 濱瀬

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448