「swi」と一致するもの

 「ソウルは人に訴える。シンプルだが、特別なインパクトがある。人間の裸の心が発する声だ。楽しいだけじゃない。がっちりとタマを掴んで、高みへ引き上げてくれる」
映画『ザ・コミットメンツ』より


奇妙礼太郎トラベルスイング楽団
桜富士山

Pヴァイン

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 羽目を外すときが来た。夕方の5時前だが、けっこう良い感じに酔っている。取材のテーブルの上には空き缶、ワイン、お菓子......トラベルスイング楽団 のメンバーのうち8人が並んでいる。取材どころではない。宴会だ。
 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団にはそうした飲み会的な寛容さがある(笑)。いまどき珍しい酒臭いソウル・ミュージック......ないしは歌謡PUBロックである。この時代に11人とか600人とか、時代に逆行するかのような、大人数のバンド編成も、良い。こうしたバンドのあり方自体がひとつの態度表明になっている。
 アラン・パーカーの映画『ザ・コミットメンツ』を思い出す。どんな人間もやっかいで、クセがあり、短所があり、弱さがあり、他人との齟齬を生む......が、ソウル・ミュージックによってそれを乗り越える(あの映画の「アイルランド人はヨーロッパのなかの黒人だ。だから胸を張って俺たちは黒人だと言え」は名言)。奇妙礼太郎トラベルスイング楽団の魅力もそれに尽きる。飾り気のない、人生に要領を得ない人たちが集まって、ステージに上がっているときだけは、ビシッと素晴らしい演奏を聞かせる。多くの人は、ビールを片手に踊りたくなるだろう。80年代の松田聖子のメロドラマでさえも、彼らにかかるとソウルフルな光沢を発するのである。
 いずれにしても、夜を奪われた大阪から実に賑やかなバンドがやって来た。彼らのセカンド・アルバム『桜富士山』は、これからはじまるロマンティックな夏の宴の音楽である。

名乗ってました! 出だしから。ナイアガラ礼太郎と......。世界一デカいとされている滝で。どうせ滝になるならナイアガラになりたいと。おばあちゃんの遺言で。

まずは自己紹介を......。

奇妙礼太郎(以下奇妙):こんばんは、奇妙礼太郎です! イエーイ!

(拍手起こる)

PEPE安田(以下安田):ベースの安田です。よろしくでーす。

まいこ:サックスのまいこです。

手島幸治:僕ドラムの手島です。

キツネうどん:パーカッションのハマダです。

塩見哲夫:ギターのシオミです。

田中ゆうじ:サックスの田中です。

山藤卓実:トランペットの山藤(サントウ)です。

じゃ、ビールでも。ぷしゅ。お疲れ様でしたー。

奇妙:ぷしゅ。よろしくお願いしまーす。

(乾杯)

いつもこんなノリなんですか?

奇妙:はい。

田中:ライヴ前後とかはこんなノリです。

あのね、奇妙さん。

奇妙:はい。

本日いらしてるのは8人ですよね。で、11人以上いるとのことですが、正式な人数っていうのは何人ですか?

奇妙:600人ぐらいですかねえ......。

一同:はははは!

じゃあ中心になってるのは(笑)?

奇妙:まあ中心ぐらいになってるのは......まあこのひとですかねえ。

手島:僕だけってことすか!?

キツネうどん:まあ12、3人はいるんじゃないですか。ローテーションで。

奇妙:マジメか!

基本的に、メンバーを集めたのは奇妙さん?

キツネうどん:安田さん。

安田:はい。

奇妙:僕が目を閉じていたら......こういう感じで。

安田:集まってきたんや? 指触ったやつがメンバーになったような。

奇妙:すごいここにね、月の光がこう......。

一同:だははは(笑)。

手島:スイッチが入っているんで、比較的に無視していただいて大丈夫なんで。

いやいや(笑)。じゃあ安田さん、そもそもバンドはどういう風にはじまったか、基本的な質問で申し訳ないんですけど教えてください。

安田:それ奇妙くん言ってみて。

奇妙:まいこが安田くんを産んだときの話をしないと。

安田:まあそういうことですね。

ああー、まいこさんから安田さんが産まれて。

安田:はい、産まれて。

奇妙:ビートがはじまって。ト、ト、ト、ト......。

安田:ト、ト、ト、ト......。

手島:それ木魚っすよね(笑)? 死んだときっすよね?

ははははは。安田さん、最初はまいこさんから産まれたとして――。

奇妙:途中ギバちゃんになって。90年代前半にギバちゃんになってー。

手島:はははは!

安田:なってからの?

これだけ人数が多いから、居酒屋入るのも大変じゃないですか?

奇妙:それはマジ大変です。

席ないでしょ、だって。

奇妙:席基本5、5で分かれて、休んでるやつの悪口言うっていう。休んでるやつのプレイに対して悪口を言うっていう。

(一同笑)

安田:ドキドキしかせーへんな。

奇妙:まあ俺がいちばんドキドキしてる。

とにかく、安田さんと奇妙さんの出会いがはじまりなんですね。

奇妙:あれ? なんでわかったん!?

一同:はははははは!

奇妙:出会い系サイトで。

安田:最終的にはね。

そのときから奇妙礼太郎を名乗ってたんですか?

奇妙:名乗ってました! 出だしから。

なぜそんな名前を?

奇妙:ナイアガラ礼太郎と......。

安田:デカいのいきましたね。

奇妙:世界一デカいとされている滝で。どうせ滝になるならナイアガラになりたいと。おばあちゃんの遺言で。

塩見:でも名前の由来言ってたじゃないすか。ほら。

奇妙:あれ、コンペイトウついてますけど。

塩見:タトゥーですよ。

奇妙:タトゥー!!

(一同笑)

田中:すいません、続けましょう。

いやいや、いいですよ。逆にこれもひとつのプロモーションになる......かもしれない。じゃあ、トラベルスイング楽団は大阪だから生まれたバンドだと思います?

奇妙:ああ、まあそうっすねえ。

大阪っぽいなって自分たちで思います?

安田:そんな思ってない。

そんなに思ってない、そこは?

奇妙:まあ生粋の大阪人のまいこちゃんが。

まいこ:ぜんぜん違うやん。

安田:コテコテやでー。

奇妙:もうかりまっかー。

安田:ボチボチでんなー。

奇妙:奄美大島出身で。

松村正人と同じですね。

奇妙:完全に外人や(笑)。

(一同笑)

奇妙:お前登戸住んでるやん。いろいろおかしいやん。

えっ登戸住んでるんですか!? 俺わりと近くですよ、じゃあ。

田中:登戸ですね。近いですね。

奇妙:これ飲みナカナ発見じゃないんで。飲みナカナって言ってもーた(笑)。

じゃあバンドのためにわざわざ。

塩見:急に来よったんです。

急に来たんだ?

田中:そうなんです。

奇妙:もういっこ田中がやってるLa Turboっていうバンドのヴォーカルのひとがすごいべっぴんさんで僕好きやったんですけど。東京に引っ越すっていうんで、「お前もちろん来るやんな?」って言われて。

田中:元々大阪のバンドなんです。いまは東京に。

安田:なんでそこは本当のこと言うん?

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みんなに楽しんでもらいたいって気持ちの方が全然大きかったです。で、みんなに楽しんでもらいたいっていうことは、「俺こんなん好きやねん」ってことをプレゼンするっていうことじゃないですか。

なるほどね。じゃあ安田さんがリーダーなんだよね、たぶん。

安田:そうです。

......これ仕切るの大変ですね。

安田:いや、もう全然。みんな実はめっちゃマジメなんで。(メンバーに向かって)ありがとうございます、ほんま。

奇妙:もう日本の将来のことしか考えてないですからね、僕ら。

(一同笑)

安田:たまに居眠りしてしまったりしますけどね。

歌謡曲とか、レトロ・スタイルにこだわる理由っていうのは何なんですか?

手島:好きなだけっすよね、これが。

奇妙:こだわるっていうとそうかな、って思いますし。みんなそれぞれけっこう忙しいんで、あんまり集まれないんですけど。ライヴはけっこうしてるんですけど。みんな知ってる曲のほうがライヴしやすいんです。あとは自分が好きやっていうのがいちばん大きいですけど。まあなんか、何でもいいんですよね。人前でやるっていうと......なんかシーンとしてない? だいじょぶ?

まいこ:いちばん盛り上がってたよ、だいじょぶ。

安田:いまいちばん盛り上がってたよ。

奇妙:何でもいいんですけど。

芸人道みたいなものをすごく感じました。

安田:ありがとうございます!

奇妙:そう思ってたときがほんまにあるんですよね、ライヴのとき。

エンターテイナーというか、芸人に徹するっていうか。

奇妙:それがほんまに凄いことやなって思ってました。でもそれはほんまに凄いことすぎて。僕、今年の最初ぐらいまで芸人さんみたいなものに憧れてたのもあるんですよ。
 ここ1ヶ月ぐらいは全部取っ払って、舞台に出て人前にばっと出たときに自分はどうするんかみたいなんを整理せな他のこと何もできへんと思って。まあそういう感じっすね。全力で30分とか1時間とかを絶対やるっていう。3日連続ライヴあるとしたら、3日間を30%ずつで割るんじゃなくて、初日100%でやって――。なんて言うんですかね、気持ちは全部100%なんですけど、声の調子とか、どんどんやっぱ減っていくんですよ。それはすごい悔しいんですけど、しょうがないなとも思うんですよ。あれ、何が言いたかったんか......。

まあ、芸人ですよ。

奇妙:明日のことを考えて今日は60%ぐらいでライヴしたとして、みんながそれで幸せってなったとしても、今日死んだら自分はやっぱそれは悔しいんですよね。お客さんが「めっちゃ良かった」って言ってくれて、バンド・メンバーが「今日いいライヴしたね」って言って、自分でも「いいライヴしたね」ってなっても、やっぱイヤなんですよね。もうそれ以降一生ライヴせーへんとしたら。それやったら、絶対全力でやりたいなと思って。で、全力でやった次の日が声出なくなって、次の次の日もっと声出なくなって、「あ、あ、あ」みたいな声なるんですけど。それはほんまに悔しいです、なんか。「別にお金払ってくれんでいいし」って思うし。でもそれも全力で絶対やるんですけど。まあやっぱ悔しいです。だから最近は、申し訳ないな、と思ってます。

(一同笑)

はははは、なるほど。でも何て言うんだろう、ある種のプロ根性みたいなことだと思うんですけど。やってる音楽っていうのがポップスっていうか、原点回帰ってことをすごく意識していらっしゃる。

奇妙:そうですね。アルバムなんかはそれを意識してる。

その原点回帰みたいなものっていうのは最初からあったんですか? 最初から昭和の歌謡曲みたいなものが好きだったんでしょうか? それとも、やってくなかで自分たちでいまのスタイルが定型になった?

奇妙:ほんまに最近までみんなに楽しんでもらいたいって気持ちの方が全然大きかったです。で、みんなに楽しんでもらいたいっていうことは、自分の好きなもの、「俺こんなん好きやねん」ってことをプレゼンするっていうことじゃないですか。別にバンドしてる・してないに関わらず。なんかそういうことやと思います。「こういうバンドおるから一緒に観に行こや」とか。

エンターテインメントってことは強く意識していらっしゃいますよね。

奇妙:それは最終的にはやっぱ考えてますね。

それがすごくいいなと思うんですよ。いまお酒でベロベロですけど(笑)。なんで自分たちが原点回帰みたいな方向性になったんだと思います?

奇妙:自分たちがそれを好きやってことやと思います。

それは、いまの音楽にはなくて、それこそ美空ひばりとか加山雄三とかみたいなものにはあったものを発見したわけですよ。

奇妙:それはありますね。

それは何だと思いますか?

奇妙:それはまず、難しい言葉は使わないということです。僕が好きな友だちの曲とかもそうです。サンデーカミデさんの曲を僕はすごく歌うんですけども、そのひとの曲も小学生でもわかる単語しかないんですけど。

ああ、大阪で活動されてる。

奇妙:そうです。なんかびっくりするんですよ。言葉はわかりやすいのに、テキトーに「みんなで仲良くしていこうや」みたいな曲じゃなく。

簡単な言葉で深いことを言ってくれるっていう?

奇妙:うーん......そうです。

はははは(笑)。

奇妙:なんかやっぱり、根本的に、根本的に......根本的に。

はははは(笑)。あとさ、ラヴ・ソングを追求してるでしょう?

奇妙:どうすかね、全部ラヴ・ソングですけど。

なにゆえラヴ・ソングなんですか? 

奇妙:わかんないです。不安なんじゃないですかね。ラヴ・ソングをいっぱいやったほうが、みんなこっちを向いてくれるんじゃないかみたいな、バンドをやる人間の最初の不安があるんじゃないですかね。だからこんなにしょうもない曲が世界中に......。

(一同笑)

奇妙:でもしょうもない曲って結局ないと思うけどね。「うわ、ほんまにあいつクソやったな」みたいな対バンのひとの曲とかも、真剣に聴いたわけじゃないし。でもま、クソみたいなんやけど。でも心底嫌いかって言われたら、まあそんなことないなって思うんですけど。でもなんか、そいつが解決せなあかん問題がそこに含まれすぎてて、そんなん聴くわけないやんっていう。

(一同笑)

奇妙:でもサンデー(カミデ)の曲はそういうのが一切なくて。僕がどこ行ったときでも、全身全霊で歌った後も、その曲をやってくれて。これは自分にとって悔しいことなんですけど、ひととしての凄さがあるなって。自分でもわかりますし。

なるほど。僕はもういいオッサンで、中学校のときにパンクがやって来た世代なんですよね。ちょうど中1のときにセックス・ピストルズがデビュー・アルバムを出したばかりの頃で。

奇妙:いちばん羨ましいけどな。

ちょうどその頃RCサクセションっていうバンドも日本で人気が出てきたんですよね。で、僕はそのときRCサクセションっていうのは、みんなすでに年取ってるしね、パンクの真似してるけど全然パンクじゃないし、「こんなの誰が聴くかよ」みたいな感じでいたんですよ。でも友だちがすごく好きで、静岡に来たときに「一緒に行くやついないから一緒に行こうよ」って無理矢理誘われて。

奇妙:(笑)めっちゃ羨ましいけど!

それで行ったんですよ。で、そのときに彼らの歌う"ラプソディー"とかにむちゃむちゃ感動して。生まれて初めてヴ・ソングというものが好きなれたことをいまでもよく覚えています。

奇妙:それがたぶん、人生でいちばん贅沢なことですよね。

まあある意味ではね。

奇妙:絶対そうですよ。もうそれ以上のことないんちゃうかと思うぐらい贅沢な。

いやいや、でもそれを目指してるでしょ? やっぱみんなも。

奇妙:わかんないですけどね。

でもそのときは童貞だったし、色恋なんてわからないわけじゃない。でも彼らが歌うラヴ・ソングの世界に引き込まれて。パンクにはそういうのはなかったから。

奇妙:ふふ、すごいね。

まいこ:すごいね。

(一同笑)

ラヴ・ソングっていうものを取り戻そうとしてるでしょ? ポップスの中心の歌として。

奇妙:実は、してます。

全員:ははははははは!

そういう歌詞を書くときっていうのはどうなんですか?

奇妙:歌詞とか書かないですか、逆に?

あ、僕!? 歌詞? 

奇妙:絶対書いたらいいのにと思う。書いてほしいもんね。

急に振らないでください(笑)。歌詞は実体験なんですか、それともフィクションとして書きます?

奇妙:僕は基本的に完全フィクションです。まあそうなっちゃうかな、みたいな。内容自体にどうでもいいと思ってるとこがありますね。ま、フィクションというか、そのときに腹立ったこととかもたぶん入ってるとは思うんですけども。それが伝わるようには書いてないですね、全然。自分しかわからないと思います、たぶん。

ラヴ・ソングもフィクション?

奇妙:ラヴ・ソングはノンフィクション......いや、フィクションですね。

いや、ノンフィクションでしょう。安田さんがたぶんいちばんわかってる(笑)。

奇妙:安田くんは知らないですよ(笑)。

安田:ははははは(笑)。

奇妙:あんまりないですね、別に。そういう歌詞が好きなんですよね。「誰かのことが忘れられへん」とか、だいたいそういう歌詞じゃないですか。ああいうのを聴いてたら、別に悲しいことなかったのに悲しいことあったみたいな気してくるし。でもそれでいいんや、と。山ですれ違ったら「こんにちは」って言う、みたいな。

安田:山にポテトチップスを運ぶひとやろ。

まいこ:そんな仕事あるんや?

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「テンプラ、ゲイシャー」って聞こえてきたら、「何やねん、これ!」っていう(笑)。その「何やねん!」みたいなんが多いほうが、面白いね。人生もそんなん一個多いほうがいいわけやし。そういう縁起物みたいな感じですね。

曲にもあるんですけど、アルバム・タイトルを『桜富士山(sakura fujiyama)』にしたのは何でなんですか?

安田:これ奇妙くんが考えたんやんね。

奇妙:ただ単純にめでたい感じがするから。2000円とか2500円するわけやし――。

あと歌詞も、「お寿司」とかさ。「天ぷら」とか。

奇妙:なんか、めでたい感じ。せめてめでたい感じ。

日本のひとが海外のひとに誇れるものが何だろうってときに、寿司とか天ぷらとか、そういうことなのかなと思って(笑)。

奇妙:いや、もっとありますけど(笑)!

はははは。

手島:ぱっと出てくる日本語ってことですよね。

奇妙:全然桂離宮のほうが凄いけど(笑)。

じゃあそういう意味じゃないんですね。

奇妙:いやまあ、でもそういう意味です。外国のひとから見た日本の感じが面白いな、と思って。面白いかな。

そうか、おめでたい感じにしたかった?

奇妙:もし車運転してて、自分がバンドとかしてなくて、それが流れてきたら「何やねん!」て思う歌詞。「愛してるー」みたいなん聞こえてきても、「ああ、そうなんですか」と思うけど、外人の声で「テンプラ、ゲイシャー」って聞こえてきたら、「何やねん、これ!」っていう(笑)。その「何やねん!」みたいなんが多いほうが、面白いね。人生もそんなん一個多いほうがいいわけやし。そういう縁起物みたいな感じですね。

ああー。

(ここで唐突にケツメイシの話で盛り上がるメンバー)

仲いいっすね(笑)。結成は2008年って書いてあるでしょ? それはほんとにそうなんですか?

安田:それはね、ほんとです。

それ以前に何かやってたってことはないですか?

奇妙:やってましたやってました。

手島:それは個々それぞれ。

同じようなことをやってたんですか?

奇妙:ま、ジョン・レノンとバンドやってましたけど(吹き出す)。

ほほぉ、練習スタジオ押さえるのも大変ですよね。

安田:そういったリアルな話はまた後ほど。

後ほど(笑)。でも、芸人道っていうか、エンターテイナーとしての気概を感じますね。こうやって酒飲みながらも、ストイックな部分も俺は感じますよ。ライヴ前は飲んだりするの?

田中:ライヴ前は、飲むひとと飲まないひとと分かれますね。

手島:飲まないっすね、最近はね。

奇妙:ライヴあかんかったときに、辛くなるから。お酒飲まんかったらあかんなるのが自分でめんどくさいから。別にテッシーとかが飲むんは別にええよ。

手島:ははははは(笑)!

奇妙:そのほうが調子が出るんやったら。

あと新しい音楽とかって聴かないんですか? DJ YOGURTがリミックスしてたじゃないですか? あれは誰のアイディアなんですか?

手島:あれはヨグさんから連絡が来て、ヨグさんに......。

奇妙:ミック・ジャガーがやってるスーパーヘヴィってバンドめっちゃ気になる。それが新しい音楽なんかって聞かれたら違うかもしれんけど。でもめっちゃラップとか入ってるし。あのひとやっぱ、尋常じゃない元気さがめっちゃカッコいい。

はははは。ヨーグルトさんを仕掛けたのは安田さん?

安田:いや、ヨグさん本人。

あ、本人がやりたいって言ったんだ!

安田:そこからヨグさんとはよく話してる。

へえー。何でそこでヨーグルトなんですか?

安田:それはヨグさんのことが好きっていうことですね、僕が。

クラブ・ミュージックは聴きます?

奇妙:僕は全然知らないですね。

手島:僕は好きですけどね。

奇妙:テッシーは好きやんな。

じゃあ、ヨーグルトのリミックスの出来はどうでした?

安田:それは予想外でしたけど、それはそれで面白いなと思いました。全然違う形になってて。ひとり入っただけでこんなにちゃうんや? と思って。でもその前にヨグさんが好きっていう。

なかなかヨーグルトとって想像つかないよね。すごく意外だった。でも最初は意外じゃなかったんですよ、僕。実は。最初のアルバム聴かせていただいたときに、すごくグルーヴィーな音だし、いわゆるノれる音楽だから。

安田:そうなんですね。でも僕めっちゃ聞かれました、いろんなひとに。「どういう接点なん?」みたいなことをめっちゃ言われましたけど、それは僕はヨグさんにも聞いたことありますけどね。「どこで知ったんですか?」みたいなことを。

ね、すごいよね。

安田:でもやっぱりね、最初は電話だけやけど、「おもろいな、このひとは」っていうとこからはじまって、全部丸投げですよ。

なるほどね。でも、奇妙さんの反応はどうだったんですか?

安田:奇妙くんの反応は......奇妙くん、どうなんヨグさん?

奇妙:ヨグさん大好きです。

ははははは。

安田:そういうことですね(笑)。めっちゃ踊ったよな、りんご音楽祭で。

まいこ:ああー、そうだそうだ。

キツネうどん:3日間筋肉痛で死にそうになった。

まいこ:そんなに!? でも楽しかったね。

手島:先週ヨグさん自分のブログで、「なんで安田さんに僕が電話をかけたか」っていうのを。

安田:それは聞きたい!

手島:いや、それすごい長かったから半分ぐらいしか読んでないねんけど。

安田:それはりんご音楽祭のときに、「書いていいですか?」って言われたから「それは全然任せます」と。

何を書いていいって?

安田:生い立ちです。

誰の生い立ち?

安田:僕らのバンドとヨグさんの出会いの、です。歴史です

ああ、歴史をね。いやーしかし、ほんと破天荒なバンドですね、ほんとね。

安田:いやー、でも根はマジメですよ。

いやわかりますよ。雰囲気で。いや実はさ、担当さんから朝5時から飲んでるって聞いてたんで。

安田:はいはいはい、朝5時から飲んでましたね。

奇妙:ノラ・ジョーンズさんが行ったという築地の店で海鮮丼を食ってましたね。

キツネうどん:ぽっと小さい灯りがともるような。

安田:どういうこと(笑)?

手島:中島らもみたいな表現しますね(笑)。

ちなみにメンバーは、やっぱりタイガースなんですか? それともガンバ大阪なんですか、セレッソ大阪なんですか?

一同:ああー。

奇妙:僕スポーツ全部なくなれと思ってます。

はははは!

安田:いやそこまでは思ってないけど、あんまり知らないです。

奇妙:ラグビー以外のスポーツなくなれと思ってます。

手島:僕ら近鉄ライナーズのファンです。

はははは!

奇妙:ラグビーと将棋以外の真剣勝負はなくなれと思ってます。

何で!?

奇妙:ひとが飛んできた球を打とうが打てなかろうが、知らん! っていう。ひとがネットに球入れようが入れまいが。俺が球入れたいわ。球を球に(笑)。

手島:ははははは!

安田:どういうこと(笑)?

大阪人に対するステレオタイプの偏見がありまして。大阪の人間はみんな阪神タイガースが好きで。

手島:まったく興味ないですもんね。

奇妙&安田:いや、全然あるで。

はははは!!

手島:これなんすよねー。

(一同笑)

キツネうどん:たまに高校野球のほうが面白いときがある。

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「誰かのことが忘れられへん」とか、そういう歌詞じゃないですか。ああいうのを聴いてたら、別に悲しいことなかったのに悲しいことあったみたいな気してくるし。でもそれでいいんや、と。山ですれ違ったら「こんにちは」って言う、みたいな。

ちなみに大阪でいちばんウマいと思うラーメン屋って何だと思う?

安田:ラーメン屋? 

やっぱほら、金龍とか?

手島:金久右衛門(きんぐえもん)とかどうですか。

安田:金久右衛門ね! 金久右衛門、おいしいですね。

金久右衛門? こってり系なの?

キツネうどん:いやあっさりです。醤油。

醤油なんだ? 神座(かむくら)よりもウマい?

安田:あ、ちょっと違う。種類が違う。

キツネうどん:神座はたぶん、大阪のひと以外に人気がある。

安田:いや僕味の素好きなんでねー、意外と好きっすよ。案外ね。

わかりました。バンドとして目指しているところっていうのは何なんですか?

安田:それは、みんなのとこ行きたいですよね。ニューヨークやしイギリスです。

え、何が(笑)? 何がニューヨーク?

安田:いやこのひとお母さんニューヨークやし、別のメンバーがお父さんイギリスやし。だからニューヨーク行ってイギリス行って、まあ奄美は行ったし。で、八尾行って。

キツネうどん:めっちゃローカルやん(笑)。八尾市っていうところがあるんです。

安田:泉北行って、で、東大阪でやりたいですね。

ああー。それが目標ですか?

安田:はい。

やっぱいろんなところでライヴやるっていうのが?

安田:そっか目標か。

バンドとしての目指すところは? まあちょっと大きな話ですけど。

安田:まあ、イギリス、アメリカ......、八尾、泉北です。で、東大阪。

で、ライヴをやると? なんでイギリスとアメリカ?

一同:いや、メンバーの......。

あ、それぞれの実家でやりたいっていう。

安田:いや、実家ではやりたくないですけど。実家ではないですね。

出身地というか。

安田:でも、それをやるだけのものは欲しいですもんね。普通に行ってはできることなんで。やっぱりそれは満員にしたいじゃないですか。

キツネうどん:どこを?

安田:いやどこでも! イギリスでも、アメリカでも。泉北でも。っていうのはありますね。

奇妙:まあとりあえずエレベーター満員にしよ(笑)。

手島:大体バンド・メンバーで満員ですからね。

あ、ステージが?

まいこ:エレベーターが。

あ、エレベーターがね。地元でのお客さんのノリはどうなんですか?

安田:それはもうね、サントウさんがいちばん知ってますよ。

山藤:ええええ?(笑)

ウケてますか? じゅうぶん人気者になってる?

山藤:みんな......愛してくれてます。

おおー! 

安田:ああー、すごい、すごいいい表現ですね。

奇妙:サントウさんがしゃべるのがいちばんいいな。

安田:うん。何か安心する。

奇妙:逆ですいません、最近出たライヴDVDなかで「これめっちゃ最高に面白かった」っていうのんありますか? だって買いに行きたいやん。ストーンズのスコセッシのやつあるじゃないですか。あれめちゃくちゃおもろいじゃないですか。あれの真似してるもん、最近。

(一同笑)

奇妙:あれの真似を俺と塩見くんでこっそりするっていう(笑)。

塩見:そうなんすよ(笑)。

奇妙:あれ以上のあります?「バーン!」っていう。あれ凄くないですか?

スコセッシは本人がホント、ロックが好きだしね。

奇妙:スコセッシはほんま、ただのオカマのおっちゃんかと思ってたけど(笑)、あれはほんまに素晴らしいですね。そういうオススメのん教えてほしいです。買いに行きたい。

じゃあ、みんなのなかで、レコード3枚選ぶとしたら何になる?

一同:うわー......

奇妙:僕でも、『ぼちぼちいこか』と、『この熱い魂を伝えたいんや』と、『フォーティ・リックス』です。

『ぼちぼちいこか』っていうのは誰の?

奇妙:上田正樹と有山淳司の。

あ、やっぱり大阪ってことで?

奇妙:あ、ヤバいサム・クック入ってへん。じゃあ、『ぼちぼちいこか』と......。

塩見:これ一晩かかりますよ(笑)。

ふふふふ(笑)。

安田:これはやめときましょ(笑)。

キリがない(笑)? でもやっぱ上田正樹さんに対するリスペクトはあるんですね?

奇妙:僕はでもめっちゃ好き。大好きですね。

それは大阪っていうのが大きいですか?

奇妙:何かたまたま家にカセットテープがあって、10代前半のときにそれが好きで聴いてたんですよね。誰か分からんと聴いてて。「分かるかー!? 分かるかー!?」っていう。「上田正樹とー! 有山淳司!」 めちゃくちゃカッコいい!

みんなやっぱ聴かされるんですか、それを?

塩見:いやそれはない(笑)。

奇妙:そういうのはないです、別に。でもそれが超カッコいいですね。

なるほどね。ちなみに――。

奇妙:いかにそのひとがズルかろうと、それは関係ない。チャック・ベリーなんかヒドいもんね。まあインターネット情報ですけど。チャック・ベリーが女とホテルのロビー歩いてるときに、バッて来たキース・リチャーズに「おー!おー!」って言われて、キース・リチャーズを思い切りどついたっていう(笑)。「何声かけてんねん、白人の子どもが」みたいな。白人に並々ならぬ恨みがあるという。金を巻き上げられた、みたいな。

自分たちと同じくらいの世代のひとたちで好きなのっています?

奇妙:友だちのバンドとかみんな好きです。

安田:みんな好きやんね。

奇妙:何で好きになったかって言ったら、カッコいいから好きになったっていう。って思ったらそっちの話が先になる。だっておもんなかったら好きになれへんもん。

塩見:8月東京でも......。

安田:あ、〈love sofa〉?

奇妙:アラブ・ソファに聞こえた(笑)。

安田:大阪で11年ぐらいやってね。サンデーカミデの歌詞がいいって言ってるひとが10年同じイヴェントをしてて。それを東京でやるんです。

ああー。それいつですか?

安田:8月18日です。

それは楽しみですね。あれでしょ、クラブのことを歌ってるやつでしょ?("93年の歌")

安田:そうそうそうそう!

あれめちゃくちゃいい曲だよね。

安田:それそれそれ。(ワンダフルボーイズと)CDを同じ日に出すんですよ。

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友だちのバンドとかみんな好きです。何で好きになったかって言ったら、カッコいいから好きになったっていう。って思ったらそっちの話が先になる。だっておもんなかったら好きになれへんもん。

なるほど。みんなを見てると大阪の音楽シーンってほんとに元気があるんじゃないかと思えてくるんだけど、ここだけなのかな?

安田:うーん......広そうで狭そうで広いですよねえ。

それとも自分たちは大阪のなかのアウトサイダーなの?

奇妙:それはもちろんアウトサイダーですよ。

安田:どれがどうなんか分からへんけど。

奇妙:でもメインストリームのひとをカッコいいと思ったことないもん。あ、ある! エゴ・ラッピンとかやっぱカッコいい。

エゴ・ラッピンはカッコいいね。

塩見:でもそれ10年前ぐらいやん。

安田:そうねえ。

まあエゴ・ラッピンもメインストリームとはあまり言えないけどね。

奇妙:ええー!? じゃあ、もうどうしようってことやね(笑)。

塩見:じゃあ誰やろ? 円(まどか)ひろしとか?

手島:円って古ないすか?(笑)

いまはもう洋楽自体がメインストリームではないですよ。

一同:へえー。

レディ・ガガとかアデルとか、いち部だけだよ。

奇妙:はあー、そうなんや。すげーなあ。

安田:いま誰なんやろ、じゃあ? ね?

塩見:安田ちゃう? もう安田の時代が来たんちゃう?

奇妙:ギバちゃんじゃないやろ。

(一同笑)

安田:ギバちゃんやで。

奇妙:ネバー・キブアップ、ギバちゃんじゃないで。

安田:いやどういうこと?(笑)

手島:そのネタしましたっけ?(笑)

じゃあそろそろ最後の質問にしようかなと思ってるんですけど(笑)。好きな女性のタイプと好きな男性のタイプは?

一同:ぎゃははは!(笑)

奇妙:バンドとかに興味ないひとですね。

安田:ああーー。なるほどな。たしかに。

え、何で!? それ矛盾してるじゃないですか、だって。

奇妙:矛盾はつねにしておきたいですね。

安田:ははは、カッコええ!(笑) ここで締めよ!(笑) 終わったー!!

(拍手)

お疲れ様でーす!(笑)

安田:すごいいい終わり方した!(笑)

いやそうだよ、最後女性ひとりに聞かないと。代表して(笑)、好きな男性のタイプを聞いてそれで締めよう。お願いします!

まいこ:ええー、やだ!

(メンバーから個人名が挙がる)

安田:はははは!(笑) 個人名はやめて! 個人名は!(笑)

個人名はやめようよ!(笑)

奇妙:ウンコを食べろって言わんひとやろ。消しゴムより顔おっきいひとやろ。

じゃあどうもありがとうございました!

奇妙:終わった(笑)。

interview with Dirty Projecters - ele-king

 『スウィング・ロー・マゼラン』がすばらしい。ダーティ・プロジェクターズがキャリアの峠を越えたと勝手に合点している人は2度振り向くことになる。とはいえ筆者自身も漫然と期待していたひとりだった。はや6枚にもなるフル・アルバムのリリース、前前作はシーンに驚きをもたらし、前作は各メディアから絶賛を受けた2000年代の名盤として不動の地位を得ているうえ、昨年はビョークとのコラボEPという破格の課外活動もパッケージ化。このうえ度胆をぬくような作品など、そうそうできるものだろうか?

E王
Dirty Projectors
Swing Lo Magellan

Domino/ホステス

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 この10年ほどのインディ・ミュージック・シーンにおいて、ブルックリンという土地名にわれわれが連想するのは、アーティで奔放な実験主義者たちの姿である。多文化混淆的なムードもそこにつけ加えられるだろうか。イェーセイヤーやTVオン・ザ・レディオらの名にならんで、ダーティ・プロジェクターズもまたその列をかざる存在である。だが今作にはそうした高い方法意識から解放されたようなところがある。どことなくこのバンドのキャラクターを形成していた学生気質な青さやかたさがすっと抜け、とても素直にエモーションが流れだしていて、それがため息がでるほどすばらしいのだ。さまざまな文化を参照したフォークロアは、今作ではただ彼ら自身のフォークへと姿をかえ、ダイレクトに心を打ってくる。ラフな作風になったのではない。彼と彼らの構築的な音楽性は、より緻密に、より洗練されることで目につきにくくなったという感じだ。"スウィング・ロー・マゼラン"など、ほんとにささやかな曲なのである。だが、そこにはあふれるようにエモーションがたくしこまれているし、"ダンス・フォー・ユー"のストレートな歌心や情愛にみちたストリングスにはふるえがくる。なんということだろうか。筆者はデイヴ・ロングストレスという人の、創作に対する深い深いモチヴェーションに完全にうたれてしまった。『ビッテ・オルカ』(2009年)までで、やることをやったという自信があったからこそ、彼は力強くつぎへと踏み出すことができたのだろう。箸やすめの1枚ではない。音楽をやるというのは本来このようなことだということを思い知らされずにはいられない、気にみちた作品である。

 インタヴューは音源を聴いた翌日であったから、筆者の興奮が勝りすぎていることがよくわかるだろう。プロモーションのためにひとり来日したソング・ライター、デイヴ・ロングストレスは、なかなかクセのある人物ではあった。夕闇がせまるなかでわざわざサングラスを取り出す彼を奇人と呼ぶのは狭量だろうか? だが死生観からチルウェイヴ論議まで、その理知的な語り口はじゅうぶんに彼の人となりをつたえている。時間切れでオキュパイについて聞けなかったことが心残りだ。

いろいろなものを愛してしまうということと、いつだって死んでしまいたくなるということとの間には、ほんとにせまい、細くてうすい境界線があるだけで、僕はいつもその間を行ったり来たりしている。

あなたのなかにある民俗的なモチーフ、たとえばエストニアや東欧のフォークロアを思わせるハーモニーや、アフリカの民族音楽からインスパイアされたようなヴォーカリゼーション、また中東的な雰囲気など、いろんなエスニシティが圧縮されたようなモチーフはどこからくるものなのでしょう? あなた自身、それらに関係した強烈な音楽体験があったのですか?

DL:多くの人がコーラス・ワークとか強烈なヴォーカル・ラインとかにブルガリアの音楽を感じたり、テレキャスターとかで弾いてるギターの音が西アフリカを彷彿させたりするって言うし、言ってることはわかるんだけど、いまこの時代、それらはグローバルなこの世界においてじゅうぶんアクセス可能な音楽であって、もはや未知の音楽ではけっしてない。ガレージ・ロックをやっていたりする人にはこういうものは必要じゃないかもしれないけど、僕のやってる音楽はただそういうヴォキャブラリーを持っているってだけだよ。

今作も非常にエキサイティングでした。きっとよく指摘されていると思うのですが、"スウィング・ロー・マゼラン""インプレグナブル・クエスチョン"などとてもシンプルでフォーキーな曲にも驚かされました。あなたのなかのフォークというテーマが一周して自国のフォークと向かい合うようになったのではないかと思ったのですが、どうですか?

DL:まあ、そのとおりかな。これまでの作品が80年代のハードコア・ミュージックだったりブルガリアの声楽だったりっていう世界中の音楽からの影響を受けたものであるのに対して、今回はすごくシンプルでダイレクトでパーソナルなものにしたかった。ほかの国の音楽のある特定の要素を集めることにこだわった作品ではないんだ。だからほかのジャンルとは関係ないっていう部分で、必然的にドメスティックな、アメリカのフォーク・ミュージックに近くなっていくのかなって思うよ。

いい意味でとても力が抜けていて、しかしとてもタイトなつくりの曲が多かったと思いました。かつ保守的になったわけでもない。聴くのがとても気持ちいいという感じと、音楽としてとても立体的でエキサイティングだという感じが両方満たされていて、本当にすばらしいと思いました。

DL:今回いちばん気にしたことは、けっして完成されたものをつくりたいわけではない、ということなんだ。未完の部分が残ったものをつくりたかった。この時間、この瞬間を切り取って記録することにフォーカスしたかったんだ。もちろん演奏を適当にする、とかそういう意味ではない。

"インプレグナブル・クエスチョン"などはあなたのなかの「コンポーザー」というよりは、「シンガー・ソングライター」というキャラクターが表にあらわれてきたもののように感じました。あなたはとてもエッジのたった音楽を追求するとともにキャロル・キングとかトッド・ラングレン、あるいはジョン・レノンなど、すぐれたシンガー・ソングライターたちが立っているような地平に立ったのではないでしょうか。

DL:ああ、なるほどね! はははっ。僕自身のパーソナルな表現だからね。

その意味では『ザ・グラッド・ファクト』を10年越しに完成させたものだっていう感じもしますね。

DL:そうそう、それはたしかにあるね! 原点回帰って意味じゃないけど、ファーストのころに戻った感じ。シンプルにしていった方向性っていうのはたしかに似ているかもしれない。

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この曲が歌っているのはニューヨークのオキュパイ・ムーヴメントをプロテストする内容なんだ。ヴォーカルにはギリギリな感じ、警告するような響きが出ている。だからいちばんこのアルバムを象徴しているかなって思った。

今回はあなた自身のプロダクションとミックスで完成されたということですが、プロダクションやミックスのうえで心がけたこと、考えていたことはどのようなことですか? とてもぬくもりある、あらいざらした木綿のような気取らなさ、親しみやすさがあると感じました。

DL:木綿。まさにね。僕はきらきらした、そうだな、ポリエステルのようなものはめざしてないね。

"ダンス・フォー・ユー""イレスポンシブル・チューン"などもとても素直に歌心が流れだしています。あなた自身はどのような人なのでしょう? あなたのすごい量のエモーションっていうのは何から生まれてくるのでしょう?

DL:(爆笑)いやあ......はっはっは! そうだな......。僕は、あらゆる存在、この世に存在しているあらゆるものに極端な好奇心を持っている。そのディテールにすごくとらわれてしまうし、とらわれたくなる。そういう性質だ。人生というのは一筋縄ではいかない、混沌としたものだけど、いろいろなものを愛してしまうということと、いつだって死んでしまいたくなるということとの間には、ほんとにせまい、細くてうすい境界線があるだけで、僕はいつもその間を行ったり来たりしている。その間を縫って生きてるんだ。そういうことかな。

そこで現実逃避したいっていう気持ちはないんですか? たとえばいまチルウェイヴと呼ばれているような音楽は現実逃避的だとして批判されることが多いですが、非常に影響力がありますね。あなたの場合逃げるという選択肢はないのですか?

DL:音楽における現実逃避というのは、何種類かあると思ってる。たとえばまず、さっき言ってたジョン・レノンとプラスティック・オノ・バンドとか60年代後半から70年代前半のジョン・コルトレーンとか。彼らの音楽もユートピアをめざすという意味では現実逃避的で、ただそこには道筋や文脈がはっきりあって、説明的ですらある。それとはべつにレッド・ツェッペリンとかブラック・サバスとかがあって、これは完全にファンタジーの世界のものだ。現実的ではまったくない。そういう世界に浸るための音楽だね。そしてグランジなんかは完全に薬物がからむ。薬物で現実と対するし、現実とはかようにつらいものだという認識からはじまって、自分をどれだけ甘やかすか、目をそむけるためにどのような手段を使うのか、そういう地平の音楽だ。だいたいこの3種類くらいが逃避の音楽として思い浮かぶね。けれどチルウェイヴだけはそれらとちょっと違う。チルウェイヴと呼ばれるものを聴いていると、まずまちがいなく薬物って感じはしない。そして思い描くイメージは夕暮れの海岸のポラロイド写真みたいな感じしかない。それ以上の幅の広がりを感じないね。そういう意味ではある種、特殊な音楽かもしれない。

音楽やアートや文化一般において、エスケーピズムは重要な役割をはたしてきたと思うんですが、チルウェイヴはそうではないかもしれない、という......?

DL:だから、自分たちの音楽をなにかしらの言葉でカテゴライズするのは好きではないけど、そういうチルウェイヴやなんかの音楽にくらべると、もっとオプティミスティックというか、まだまだ未来を感じて、どんどん努力もする、もっと深いところまで突きつめる、すごく前進的な音楽だと思うよ。それはこれまでのすべてのアルバムについて言えることだね。そういう空気、そういう密度がすべての作品にあると思うよ。

先ほど言われてたことは、そのポジティヴさのようなものと「死」というものとが、あなたのなかでは隣りあわせだということですか?

DL:われわれはいずれみんな死ぬ。これから死のうとしている。だから現実逃避的な部分は誰しもが持つものかもしれない。そうだね、ふたつはとても近いところにあるものかもしれない。まあ、「死」をより近くに感じるのはたいていがツアー中だけどね。ははっ。ツアーに出る人はみんなそう思うんじゃないかな。

"About To Die"などはとてもフィジカルなビート感覚があります。一見「死」という言葉に結びつかないような力づよさがありますね?

DL:この曲にはたしかに指摘されたような力づよさ......ポジティヴさがあるね。

ところで、『スウィング・ロー・マゼラン』をタイトルにしたのはなぜですか? 曲自体はとてもささやかな、しかし情感豊かな小曲です。その直前"ガン・ハズ・ノー・トリガー"までのアッパーでスリリングな展開をこれまでのダーティ・プロジェクターズの延長と考えるならば、"スウィング・ロー・マゼラン"はそこからぐっと舵をきって、"インプレグナブル・クエスチョン"などの方向へ踏み出していくきっかけとなる位置に置かれていると思いました。

DL:日本でもそうだと思うんだけど、野球の選手の打順だよ。ホームランを打ってくれるのがこの"スウィング・ロー・マゼラン"なんだ。だから4番なのさ。たしかに2分だし、シンプルな曲ではある。けど、これが4番だね。

今回はすごくたくさん(約70曲)録音して、そこから曲をしぼっていったということなんですが、あなたにとって、バンドはひとつのツールのようなものですか? それともたとえばファミリーストーンのように結合的な関係性を持ったなにかなのでしょうか?

DL:いまのメンバー、とくにアンバーはもう5年もいっしょに住んでる仲間だし、世界中でもいちばんの親友と呼べる仲間たちだよ。けれど、さっき言ってもらった70年代のシンガー・ソングライターのように、オーケストラの必要な曲をやりたくなれば必要な人びとをあつめてくるし、そのときに応じて流動性は生まれてくることもあるかもしれない。現在はともかくもこのメンバーのため、仲間のために曲を書いてるって感じだね。

"ガン・ハズ・ノー・トリガー"は、音楽性からみても、ヒップホップ的ですらあるビートを用いながら、これまでのダーティ・プロジェクターズのイメージからは踏み出た曲ですね。これをシングルとしてリリースした理由を教えてください。

DL:オールドスクールなヒップホップとか、たしかに音楽面でいえばそうしたものの影響はあるね。ヴォーカルについて言えばバッハ的でもあるんだけど。そこ気づいてくれてうれしいよ。まあ、アルバムの中からひとつ象徴的なものを取り出すっていうのはむずかしいんだけど、たとえばこの曲が歌っているのはニューヨークのオキュパイ・ムーヴメントをプロテストする内容なんだ。ヴォーカルにはギリギリな感じ、警告するような響きが出ている。だからいちばんこのアルバムを象徴しているかなって思った。それが理由かな。

Chart by JET SET 2012.07.09 - ele-king

Shop Chart


1

Locussolus - Berghain / Telephone International Feel /
ウルグアイを拠点に構えるバレアリック・トップ・レーベル"International Feel"からリリースされた過去作全てがカルト・ヒットを記録しているDj Harveyを中心とした新プロジェクトLocussolusによる待望の新作2トラックス。

2

Marter - Comfort "Kuniyuki Takahashi Rmx" Jazzy Sport /
国内はもちろんのこと海外でも高い評価を獲得する、Marterがビート・ダウン~ハウス・シーンで多くの支持を獲得すること必至な強力盤をリリース!

3

Little Tempo - Golden Deluxe - The Best Of Little Tempo Sunshine /
説明不要のジャパニーズ・ダブ・バンド最高峰、リトルテンポ。結成20周年を記念した自身の選曲によるベスト・アルバムが登場!!なんと、Cd3枚組全45曲、豪華箱入りデジパック仕様。限定店舗のみとなるノベルティ・7インチ特典付きます。

4

Cornershop - Solid Gold Aniligital /
ごぞんじCornershopの最新アルバム『Urban Turban』収録のキラー・ディスコ・トラックが、ラメ入りゴールド・ディスクで完全限定ヴァイナル・カット!!

5

Major Lazer - Get Free Mad Decent /
説明不要の黄金タッグ、DiploとSwitchによる衝撃のミラクル・ポップ・ソング。Bonde Do Roleのリミックスをカップリングしたナンバリング入り完全限定盤!!

6

Almunia - Pulsar / The Magician Claremont 56 /
Ukバレアリック人気レーベル"Claremont 56"から、Leonardo Ceccanti & Gianluca Salvadoriのイタリアン・デュオ、Almuniaによるシングル第二弾が到着!!

7

James Mason - Rhythm Of Life Shout Productions /
レア・グルーヴ、ジャズ・ファンク、ディスコ・ブギー...Theo ParrishからMuroまで、ジャンルを超えDj/アーティスト達にも愛され続ける『Rhythm Of Life』が再発。

8

J Rocc & Rhettmatic - Beat Junkies 45 Series Volume 1 Fat Beats /
J Roccの呼びかけにより1992年Caにて結成。凄腕ターンテーブリスト集団として確固たる地位を築き上げ、ヒップホップをネクスト・レベルへ押し上げたレジェンダリー・クルー=Beat Junkiesから、7"シリーズがリリース!

9

Haruka - Easy Listening - /
Future TerrorのHarukaによる、アンビエント・ミックスが到着。アンビエント~ドローン~電子音楽~フィールド・レコーディング音源などをもとにミックス。アート・ワークは河野未彩さんが担当。

10

V.A. (Compiled, Edited And Mixed By The Idjut Boys) - 5 Years Of Claremont 56 Claremont 56 /
Paul Murphy手掛けるバレアリック~ニューディスコ系人気レーベル"Claremont 56"の設立5周年を記念した豪華3枚組アルバムが登場!!

DJ END (B-Lines Delight / Dutty Dub Rockz) - ele-king

B-Lines Delight/Dutty Dub Rockz主宰
栃木のベース・ミュージックを動かし続けて10数年。へヴィーウェイト・マッシヴなDrum&BassパーティーRock Baby Soundsystemを主宰。同時に伝説的なレコード・ショップBasement Music Recordsでバイヤーを務め栃木/宇都宮シーンの様々な下地を作った。現在はDutty Dub Rockzに所属、北のリアルなベース・ミュージックの現場を作り出すべくスタートしたパーティーB-Lines Delightを主宰している。
https://soundcloud.com/dj-end-3
https://b-linesdelight.blogspot.com/
https://duttydubrockz.blogspot.com/

宇都宮をホームに開催してきたB-Lines Delightが遂に東京に上陸! この記念すべき日にゲストに迎えるのはRob Smith aka.RSDと"野蛮ギャルド"なドラム&ベース・パーティ「Soi」よりDx!!師と兄が揃ったBLD的にこれ以上ない鉄板なメンツで送る6.30B-Lines Delight in Tokyo、よりカンペキな一夜をお約束します!
North Bass Music Movement
"B-Lines Delight" in TOKYO
2012.06.30(sat) open.24:00
@SECO www.secobar.jp
info : https://b-linesdelight.blogspot.jp/

BLDクルー、DD BlackのEPがAlterd Natives主宰EYE4EYE Recordingsより12"&Digitalでリリースされます!!リリース日及び詳細はブログで後程紹介しますので是非チェックしてください!

DJ END REWIND CHART


1
DD Black - EP - Forthcoming EYE4EYE Recordings

2
Henry & Louis feat.Prince Green - Love Like(RSD Remix) - 2Kings

3
Swindle - Do The Jazz - DEEP MEDi Musik

4
Grenier - Here Come The Dark Lights - Photek

5
ENA - Analysis Code - 7even Recordings

6
Pearson Sound - Footloose - PEARSON SOUND

7
Dubmonger - Experiments In Dub - Dubmonger

8
LHF - Keepers Of The Light - Keysound

9
VA - Shanggan Shake - Honest Jones

10
Death Grips - The Money Store - Epic

Sapphire Slows First US Tour Diary! - ele-king

昨年末ロサンジェルスの〈ノット・ノット・ファン〉から12インチ・シングルでインターナショナル・デビューを果たした東京在住のサファイア・スロウズ。彼女がele-king読者のために去る3月のツアー日記を書いてくれました。現在のUSインディの感じがそれとなく伝わると思います。それはどうぞ!!!


Sapphire Slows
True Breath

Not Not Fun

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 こんにちは。Sapphire Slowsです。

 今年の3月に初めてのUSツアーで、ロサンゼルスとサンフランシスコとテキサスのSXSWに二週間かけて行ってきたんですが、そのとき書いていた日記を読んでもらうことになりました。(恥ずかしいけど!)

 最初にアメリカに行くと決めたのは去年の10月くらいで、〈Not Not Fun〉のブリットからSXSWに誘われたのがきっかけです。アメリカでツアーするなんて最初は想像もできなかったけど、レーベルの人たちやアーティストのみんなに会いたい! という気持ちが強くて、何はともあれ行ってみることにしました。少し時間が経ってしまったけど、いろんなことがあって最高だったので、とにかく、この日記を読んで向こうのシーンについて少しでも知ってもらえればなぁと思います。


ようやく対面した〈100%Silk〉のアマンダは、会うまではものすごくぶっ飛んでるんじゃないかと思ってたけど、実際に会ってみると小さくて華奢で、ものすごくかわいらしかった。

3/5
ロサンゼルス初日

 朝8時、LAに到着。LAでは車がないと不便すぎるので、すぐに空港の近くでレンタカーを借りて、アメリカで使える携帯電話も購入。とりあえず〈Not Not Fun〉のアマンダとブリット、その他にも会う予定にしてたアーティストたちに連絡をいれて、ハリウッド近くのステイ先にチェックイン。ランチを食べたあとは、LAで絶対行こうと思ってたWELTENBUERGERへ。ここはアマンダおすすめの服屋さんで、ヨーロッパやいろんな国のデザイナーの服やアクセサリーをおいてるセレクトショップ。二階建ての小さなお店だけど、本当にセンスがよくてとってもいい感じ。店内には〈100%Silk〉のレコードも置いてある。私はそこでピアスと黒いドレスを買って、そのあともショッピングや視察のために街中をブラブラ。

 夜はDUNESのライヴへ。他にも何組かやってたけどDUNESが一番よかったな。ギター/ヴォーカルはショートヘアの小さくて可愛い女の人、ベースは普通の男の人。そしてドラムの女の人の叩き方がエモーショナルで超よかった。そのあとは近くのビアバーで飲んで帰った。1日目は当たり前だけど見るものすべてがただおもしろくて新鮮でアメリカにきたなーという気分を始終満喫。ただの観光客。


DUNESのライヴ

3/6
ロサンゼルス2日目。 NNF & 〈100%Silk〉 Night @ Little Temple

 この日がアメリカで最初のライヴの日。というか正真正銘初めてのライヴ。ああとうとうきてしまったこの日がという感じで朝から緊張しまくりだったけど、夜まで時間があったのでPuro InstinctのPiperに会いにいった。Piperがたまに働いてるらしいヴィンテージのインテリアショップへ。彼女は女の子らしい感じだけどなんていうか強そうで、でもすごく優しくて、そしてとてもよくしゃべる。最近のPuroの話をいろいろしてくれた。いろんな人と共同作業しながら新しい音源を作っていて、次の音源は打ち込みっぽいこととか、もっと実験的な部分もあるのだとか。楽しみ!

 夜になって、「〈100%Silk〉 Night」の会場、Santa MonicaにあるLittle Templeへ。着いたらまだ誰もいなくて、どきどきしながら待っているとメガネで背の高い男の人がやってきて、「君、Sapphire Slows?」と話しかけてきた。誰だろうと思ったらLeechのブライアンだった。「僕も今日プレイするんだ、よろしくね!」「あ、よ、よろしく!」そのうちにみんなぞくぞくとやってきて会場に入る。行くまで知らなかったけど一階がライヴフロアで二階は〈dublab〉のオフィスと放送スタジオになっていた。すぐに〈dublab〉のDJでもあるSuzanne KraftのDiegoとSFV AcidのZaneがレコードをまわしはじめて、PAの用意ができるまでみんなでシャンパンをあけてわいわい。遊びにきてくれたPiperもすでにアガっている。なんだか素敵な部室みたい! そしてようやく対面した〈100%Silk〉のアマンダは、会うまではものすごくぶっ飛んでるんじゃないかと思ってたけど、実際に会ってみると小さくて華奢で、ものすごくかわいらしかった。「ハローキヌコ! やっと会えて本当に嬉しいわ!」私は皆に会えた感動でアワアワしつつ、「こ、これは夢じゃないぞ!」と自分を落ち着かせるのに必死......。


dublabのスタジオで。左からPuro InstinctのPiper, Austin, Suzanne KraftのDiego.

 この日、最初のアクトはソロアーティストのLeech。LeechといえばMiracles ClubのHoneyたちがやってる〈Ecstasy Records〉界隈の人だと思っていたけど、〈100%Silk〉ともしっかり繋がりがあったみたい。私の好みド直球の音で、最初からやられた。次のPharaohsは意外にフィジカルで、数台のアナログシンセやサックスなどを使って本格的に演奏していた。グルービー!転換の間はSuzanne KraftとSFV Acidが始終いい感じのDJをしてる。そしてやってきたLA Vampires、やばい! Amandaのダンスは神懸かっていて、音は最近のOcto Octaとのコラボレーションの影響もあるのか、過去のレコードと違ってかなりビートもしっかりした、ハイファイな感じ。

 私がライヴをしているあいだも、お客さんはあったかくて皆盛り上がってくれた。私はここに来るまでインターネットでしかフィードバックがなかったから、正直自分の音楽がちゃんと受け入れられるのか不安だったけど、たくさん反応があってなんだかすごくほっとした。ほっとしすぎて泣きそうになりながら二階で機材を片付けていると、SFV AcidのZaneがライヴよかったよと話しかけてくれた。そして色々話しているうちに「LAにいるあいだ暇があったらうちで一緒にレコーディングしよう!」という流れに。ワーイ。

 それからPeaking Lightsの後半半分くらいを見た。彼らはライヴに巨大なカセットデッキを使っていて、この日はいきなりテープが再生できなくなったり機材のトラブルも多かった。でもそれも含めアナログっぽさならではの良さがあってとても素敵だった。パーティが終わり、最高だった2日目も終了。


LA Vampires @ Little Temple

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家のなかは本とカセットとレコードだらけで、(Night Peopleのカセットが全部ある!)私が想像してた通り、というかそれ以上のセンスでまさに完璧な理想の家。全部の配置が、おしゃれなインテリアみたい! 

3/7
ロサンゼルス3日目。

 お昼過ぎにRoy St.のNNF Houseに遊びに行く。アマンダは出かけていて、ブリットが迎えてくれた。それからすぐLA Vampiresのニックも来てくれた。ブリットたちは去年の11月くらいに引っ越したばかりで、新しい家は本当に超かっこいい! 外の壁は全部紫っぽく塗ってあって、絵が描いてあったり、変な形の植物がいっぱいあったり。庭にはハンモック、納屋みたいな小さな離れはスタジオルームになってる。スタジオにはCasioのSK-1とかSK-5とか、おなじみの古いチープな楽器がいっぱい。家のなかは本とカセットとレコードだらけで、(Night Peopleのカセットが全部ある!)私が想像してた通り、というかそれ以上のセンスでまさに完璧な理想の家。全部の配置が、おしゃれなインテリアみたい! 家具も、アマンダの趣味の作りかけのジグゾーパズルも、ちょっとした置物も。将来こんなふうに生活したいよね......と誰に同意を求めるわけでもなく納得。かっこいいことしてるかっこいい人たちがかっこいい家に住んでてよかった。音と、人と、環境が、まったくズレてない。彼らのセンスを信じてて良かった。


Not Not Fun Houseの居間にてブリットと。


Not Not Fun Houseにて。壁にはカセットテープ。

 BrittとNickといろいろおしゃべりしたあと、お腹すいていたのでNNF Houseを後にし、Eagle Rockあたりにある、Brittに教えてもらったタイレストランへ。うまー。それからハリウッドの近くに戻り、Amoeba Musicっていう死ぬほどデカイ、あらゆるジャンルが置いてあるレコード屋さんに行った。90年前後のハウスのレコードを中心に掘ったけど、何時間あっても見きれない。そして古いレコードはほとんどが1枚2ドルで、クリアランスは99セント。安すぎるー。


レコードをディグる。

 夜は昨夜の約束通り、SFV AcidのZaneの家へ。待ち合わせ場所でZaneは絵を描きながら待ってた。彼はスケッチブックを持ち歩いていて、いつでもどこでも絵を描いてる。部屋にもそこら中に絵があって、どれもめちゃくちゃかっこよかった。彼にとって絵は音楽と同じくらいかそれ以上に大切なものなんだろうと思う。不思議で、ちょっと(だいぶ?)変で、でもちゃんと自分の考え方やこだわりを持ってて、そして何より本当は繊細なんだってことが、話してても作品を見ててもわかった。Zaneの家は地下がスタジオになっていたので、アナログシンセやTR-707、TR-909、TB-303などを使ってジャム! 声をサンプリングさせて、と言われて適当に歌ったりしてすごく楽しかった。



SFV Acidの自宅スタジオでセッション!

 そうしてるうちに誰かが家に帰ってきて、誰だろう? と思ったらなんと4ADのINC.のDanielとAndrewが来てた。ここが繋がってるとは思ってなかったのでびっくり。2階に住んでるらしい。ふたりは双子なので顔もそっくりで見分けがつかないくらいなんだけど、Danielが一瞬二階に上がって降りてくると「いま剃った!」とスキンヘッドになっていた。おかげで見分けがつくようになったよありがとう......。

 そのあとはしばらくみんなでダラダラ。INC.たちがご飯を作ってくれたので、お礼に煙草が好きらしいAndrewに日本のマルボロをあげたらすごく喜んでた。それから、僕も何かあげなきゃ、と渡されたのが大量のINC.のロゴ入りコンドーム。なんじゃこりゃ、と思ってよく見ると小さく<inc-safesex.com>のURLが。一体なんのサイトだろうとドキドキしながら、結局帰国してからアクセスしてみたんだけど......。それにしてもゴム作るってすごいセンス。余計好きになった! そんな感じで盛り上がっていると、Andrewが明日よかったら僕たちのスタジオにくる?と言ってくれて、次の日遊びに行くことに。

 そのあとはみんなでDown Townのクラブへ遊びに行った。そこは本当にLAでも最先端の若者たちが集まってるっていう感じで、みんなエッジーで本当におしゃれ、というか、垢抜けていてセクシーだった。この夜、私は楽しさと疲れで飲んでいるうちに緊張の糸が切れたのか、あまりに幸せすぎていきなり泣き出してしまった。みんなびっくりしてどうしたの!? と心配して慰めてくれたんだけど、こんなに素晴らしいアーティストたちがたくさんいて、みんな友だちで、っていうのはそのときの私には東京じゃ考えられないことで、心底うらやましかった。ずっとひとりで引きこもって音楽を作っていたし本当はすごく寂しかったっていうのもあると思う。だからアメリカにきて、あまりにもたくさんの素晴らしい人たちに出会えたことが夢みたいで、号泣しながら、日本に戻りたくない! と思った。

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彼はスケッチブックを持ち歩いていて、いつでもどこでも絵を描いてる。部屋にもそこら中に絵があって、どれもめちゃくちゃかっこよかった。彼にとって絵は音楽と同じくらいかそれ以上に大切なものなんだろうと思う。

3/8
ロサンゼルス4日目。Korallreven/Giraffage @ Echoplex

 この日はLAでふたつめのライヴ。その前にINC.のスタジオに遊びに行かせてもらった。家の地下にあったスタジオとは別の、かなりちゃんとしたINC.専用のプライヴェートスタジオ。わかんないけど、4ADに与えられてるのかなぁ?スタジオは広い倉庫みたいなところで、中は真っ白に塗ってあってとてもきれい。天井からは白い透けた布みたいなのがたくさんぶら下げられていて、彼らの美へのこだわりを感じた。メインの空間にはiMacと、生ピアノ、シンセ、ミキサー、数本のギターとベース、ドラムセットがあって、それとは別にクッションで防音してある小さな歌入れ用の部屋がある。(スタジオの写真は彼らのサイトで見れるよ! でもつい最近レコーディングが終わって引き払っちゃったみたい。)

 ふたりは今新しいアルバムの最後の作業中で、そのなかの何曲かを聴かせてもらった。INC.のアルバムなんてもう聴かなくても最高なのはわかってるけど、やっぱり最高だった。それからふたりは曲を作りはじめた。AndrewがMPCでドラムを打ち込んで、Danielはピアノをひいてる。ふたりはもともと、他のアーティストのライヴのサポートをするスタジオミュージシャン? のようなことをしていたらしく、とても演奏がうまい。私はふたりの生演奏をききながらぼーっとして、このまま死んでもいいなって感じだった。そのくらい素晴らしい空間で、素晴らしい音楽で、ふたりが美しくてかっこよすぎたから! そんな感じでしばらく音を聴かせてもらったり、いろいろしてるうちにライヴのリハに行かなくちゃいけない時間になった。名残惜しかったけど、AndrewとDanielに自分のレコードを渡して、お礼を言って、お別れ。


INC.のスタジオにて。左奥がAndrew、一番右にいるのがDaniel.左手前がリハーサル前に迎えにきてくれたPiperで、右奥に立ってるのはPiperの友だちのJosh.

 この日のライヴはKorallrevenやGiraffageと。同じくUSツアー中のKorallrevenは意外ながら〈Not Not Fun〉が好きらしく、私が彼らのオープニングをつとめさせてもらうことに。場所はEcho ParkというLAのインディーシーンの中心にある、Echoplexという結構大きめの箱だった。私はこの日のライヴ中、実はあまり体調がよくなくて、ダウナーで頭がフラフラになってたんだけど、友だちを連れて見にきてくれてたPiperやBritt, Nick, Zaneたちはみんな暖かく見守ってくれた。


Sapphire Slows LIVE @ Echoplex

 ライヴのあと、私が明日LAを経つから、ということでPiperたちがホテルの屋上のバーみたいなところに連れて行ってくれた。オープンルーフで開放的な中、音楽がガンガン鳴っていて、ダウンタウンが見下ろせる景色のいいところ。夜景がすごくきれいで。きっと彼らなりに、普段行かないような特別な場所に連れて行ってくれたんだと思う。Piperはずっとおしゃべりしてたし、PuroのバンドメンバーのAustinはずっとハイテンションで踊ってる。Zaneはここでもずっと絵を描いてた。みんな同い年くらいで友だちみたいに接してくれたからすごく楽しかったな。LAのシーンでは結構若い人が多かった。Puro Instinctも、SFV Acidも、Suzanne Kraftも、INC.も、みんな20代前半。みんなと離れるのは本当に寂しかったけど、またアメリカに来たら遊ぼうね! 日本にも来てね! と言ってバイバイ。


ホテルの屋上のバーで、Austin, Josh, Piper, 私, Zane。(左から)

3/9
サンフランシスコ初日。Donuts @ Public Works w/Magic Touch & Beautiful Swimmers

 ロサンゼルスからサンフランシスコへ移動の日。朝早く出発。フライトは一時間くらいで、すぐサンフランシスコに到着。空港まではMagic Touch/Mi AmiのDamonが迎えにきてくれた。Damonはツアーのことも助けてくれていたし、アメリカに行くずっと前から連絡を取り合って一緒に曲を作ったりもしていたので、やっと会えたって感じで嬉しい! サンフランシスコでは一緒に作った曲をプレイできるのも楽しみだった。

 この日の夜はDonutsというDamonの友だちのKat(DJ Pickpocket)がオーガナイズしてるパーティでライヴ。とりあえずDamonの家に荷物をおかせてもらったあと、タコスを食べに行った。サンフランシスコではほぼ毎日タコスだったような......そのあとBeautiful SwimmersのAndrewとAriと合流して、アイスクリームを食べたり、公園みたいなところで犬と遊んだりビールのみながら夕方までまったりと過ごす。サンフランシスコにいる間はずっとMagic Touch、Beautiful Swimmers、Katと一緒に遊んでた。

 17時くらいに一旦サウンドチェックへ。会場はPublic Worksという、壁いっぱいに派手な絵が描いてあって素敵なところ。この日のライヴはMagic Touchと私だけだったので、サウンドチェックとセッティングを終えてDamonの家に戻ると、オーガナイザーのKatと、テンション高めのAndre(Bobby Browser)が来てた。Andreは大量のパエリアとサラダを作ってくれて、すごくおいしかった! みんなで腹ごしらえをしたあと、疲れていた私はパーティのオープンまでちょっとだけ寝て、ライヴのため再びPublic Worksへ。ライヴはこのとき3回目だったけど、まだ緊張で頭がぼーっとしてる感じがあって、なかなか慣れない......。

 ライヴのあとは外でAndreと話して、その会話がすごく印象的だった。機材についてきかれたから、Macと、中古のMidiコントローラーと、ジャンクのキーボードと500円のリズムマシンしか使ってないの、というとびっくりしてた。Andre いわく、「音楽を作るっていうこととDJをするのは全然ちがうし、DJをやろうとする人は多いけど作ろうとする人はあんまりいない。お金と機材がないと作れないと思ってる人が多いし、持ってる奴らに限ってみんな『僕はJunoもMoogも808も、あれもこれもたくさん持ってるんだぜ!』って機材ばかり自慢する。じゃあ君の音楽はどうなの? ときくと『それはちょっと......』って、肝心の音楽は作ってなかったりしてね。でも君は少ない機材でもちゃんと自分らしい音楽を作ってるし、もしもっとお金と機材があったらもっとすごいことができるってことじゃん!」私はそんなふうに考えたことがなかったからすごく嬉しかったけど、なんだか照れくさくなってなんて言えばいいのかわからなかった。それでまた「でも、日本にはこんなに素敵なミュージシャン仲間たくさんいないからうらやましいよ」って言ってしまったんだけど、Andreが「僕はOaklandに住んでるけど同じ趣味の仲間たちとミーティングするときは10人もいなくて、多くて7、8人くらいかなぁ? OaklandはHIPHOPのシーンが盛んだからあんまり仲間がいないんだ」と言ってるのを聞いて、どこにいても同じなのかもしれないなぁと思った。

 私の次にはMagic Touchがライヴをして、そのときにDamonと一緒に作った曲もプレイした。初めてで慣れないけど、一緒にライヴをするのはすごく楽しかった。Beautiful SwimmersのDJもかなり最高で、みんなで踊りまくった。思っていたよりディスコっぽくなくて結構ハードな4つ打ちばかりだったのは、最近の彼らの趣味かも。

 同じPublic Worksでは別の階にある大きいフロアで同時に違うイヴェントをやってて、(スタッフのChrisいわく、Burning Manみたいなイヴェント)そっちにも少しだけ遊びに行った。変なコスプレをしたり、変な帽子をかぶったり、頭に角をつけてる人たちがたくさんいて、異常に盛り上がっていた。どのへんがBurning Manだったのかは謎だけど、たぶんあのコスプレみたいな人たちのことを言ってたんだろう......。

 そのあと疲れてきた私はうっかり、階段のところでうたた寝をしてしまった(ほんとに一瞬)。知らなかったけど、アメリカではクラブで寝るのはタブーらしく? いきなりガードマンのいかつい黒人さんたちが3人くらいやって来て引きずり出されてめちゃ怒られた(まじで怖かったー!)。みんな私が疲れてるのを知っててかばってくれたけど、最初なんで怒られてるのかわからず、え? 何も悪いことしてないよ! 状態でした。寝るだけであんなに怒られるとは......。そう、場所によるとは思うけど、アメリカと日本のクラブで違うなぁと思ったところはいくつかあって、「絶対に寝てはいけない(経験済み)」「お酒は2時までしか飲めない」「イヴェント自体もだいたい朝4時までには終わる」「室内は絶対禁煙」っていう感じだったな。

 イヴェントが終わったあとみんなで歩いて帰って、朝7時頃に違うパーティでBeautiful SwimmersのDJがあったけど私は起きられなくてそのまま寝ちゃった。みんなが帰ってきたのは朝9時くらい!

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こんなに素晴らしいアーティストたちがたくさんいて、みんな友だちで、っていうのはそのときの私には東京じゃ考えられないことで、心底うらやましかった。ずっとひとりで引きこもって音楽を作っていたし本当はすごく寂しかったっていうのもあると思う。

3/10
サンフランシスコ2日目。

 みんな帰りが遅かったので、昼すぎまで寝てる。昼ごはんはタコス。とはいえもう夕方だったけど。そのあとはみんなでドライヴ。「どっか行きたいとこある?」と言われて、ほんとは服とかも見たかったんだけど、Magic TouchとBeautiful Swimmersに女の子の買い物付き合わせるのもなぁ、と思って大人しくレコード屋に行きたいと言う。ということで、サンフランシスコで一番有名な通りらしいHaight Streetを通って(通っただけ)、Amoeba Musicサンフランシスコ店へ。LAよりは少し小さいけど、やはりデカイ。みんな大量にお買い上げ。でも私はもうこれ以上買えない......LAでも結構買っちゃったし、重すぎてひとりで運べなくなるから。機材もあるし仕方ないけど悲しいなぁと思っていると、KatとDamonがおすすめのレコードを1枚ずつ選んでプレゼントしてくれた。こういうのは宝物!

 夜は日本料理屋 へ。精進料理(のつもり)のレストラン。みんなたぶん私のために連れて行ってくれたんだけど、揚げ出し豆腐以外はまずかった!でもみんなで精進料理っていうシチュエーションがおもしろしすぎて十分楽しかった。夜はDamonと近くのクラブに遊びに行ったけど、疲れていたのであまり長居せずに帰った。

 みんな本当にレコードおたくで、とくにAndrewは昨日もこの日もめちゃくちゃ買ってた。そして家に帰ると「今日買ったレコード自慢大会」がはじまるのが恒例。なんかそういうのがいいんだよね。やっぱりみんな大好きなんだなと思って。あと、最近はなぜかコクトー・ツインズのCDがお気に入りみたいで、家でもハウスのレコードかけてみんなで盛り上がったあとは必ずコクトーツインズで落ち着いた。

3/11
サンフランシスコ3日目。

 起きてみんなで歩いて出かけて、昼ごはんはまたまたタコス。いいけど! 私はビーフサンドイッチみたいなのを選んだ。そのあとはぶらぶらしながらコーヒを飲んだり、アイスを食べたり、本屋やレコード屋にいってのんびり過ごした。街の小さなレコード屋で、〈Triangle〉からリリースしてるWater Bordersっていうバンドのレコードを買った。彼らはサンフランシスコに住んでて、Public Worksにも来てくれてたけどすごくかっこいい。

 その後は車に乗って、サンフランシスコで有名なGolden Bridgeっていう大きな橋を渡って、Muir Woodsという国立公園に行った。平均樹齢500歳以上のカリフォルニア・レッドウッドの原生林で、気持ちよく森林浴。そのあとグニャグニャした崖の道を走って、サンセットを見るために海へ行く。サンフランシスコの海岸はすごく広かった。車のなかでは大音量で音楽をかけてみんなテンションあがってハイになって、
 めちゃくちゃ綺麗なサンセットを見ながら幸せすぎてこのまま死んでもいいなぁと思った(二度目、いやほんとは三度目くらい)。


サンフランシスコの海岸で。Damon(左)とAndrew(右)と記念撮影!

 夜はみんなでIndian Pizzaを食べに行った。ピザの上にカレーがのってるような食べ物で、アメリカで一番おいしかったかも。サンフランシスコではほとんどダラダラ遊んで過ごしただけだったけど、住むならここがいいなと思えるくらい居心地のいい街で、やっぱり離れるのは嫌だった。でも明日はもうテキサスに移動する日。荷造りをして早く寝た。

3/12
SXSW初日

 朝早くにサンフランシスコを出発。空港へ。飛行機に乗ってすぐロサンゼルスやサンフランシスコでのことを思い出していると、ホームシックならぬカリフォルニアシックになって、なぜかひとりで号泣してしまった。飛行機のなかでだいぶ怪しかったと思う。ロサンゼルスもサンフランシスコも両方だけど、カリフォルニアは最高だった。本音を言うと、疲れもピークだったテキサスでの最初の数日よりもずっとずっと楽しかったし、すぐにでもまた行きたいと思った。泣き止んで気持ちが落ちついた頃にはソルトレイクに着いて、乗り換えてテキサスのオースティンについたのは夕方頃。

 オースティンにいる間は広い家に住んでる若い夫婦のエクストラルームを借りてステイした。家について挨拶したあと、バスや電車でSXSWのメイン会場のほうへの行き方を教えてもらって、夫婦に連れられてタコスを食べに行った(また!)。でもさすがに、本拠地テキサスのタコスは格別にうまい。フィッシュタコスっていう魚のタコス。ステイ先のエクストラルームは部屋もバスルームもすごく綺麗でずっと快適だった。この日はライヴを見たりすることもなく終了。

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みんな本当にレコードおたくで、とくにAndrewは昨日もこの日もめちゃくちゃ買ってた。そして家に帰ると「今日買ったレコード自慢大会」がはじまるのが恒例。なんかそういうのがいいんだよね。やっぱりみんな大好きなんだなと思って。

3/13
SXSW2日目。ここからは適当なライヴ・レヴューがメインかも!

 昼間は中心のストリートからちょっと歩いたところにある小規模な野外ステージでXray EyebellsやBig Dealを見る。芝生でビール飲んでごろごろしながら見たBig Dealはよかったな。アメリカ、テキサスで聴くUKの感じが新鮮で。男女2人組のメランコリックで優しい空気感。

 夕方からはこのあと何度も行くことになる会場Mohawkで『Pitchfork』のパーティへ。ここ、中心部にある結構メインでいい会場なんだけどいかんせん人が多くて入るのも大変。 Shlohmo,、Star Slinger、Sun Araw、Trustを見る。Shlohmoは若手のイケメンビートメーカーということでわくわくしてたけど込みすぎててほとんど顔見えなかった。音はもちろんいいよ! Trustは〈Sacred Bones〉からの「Candy Walls 」が大好きで本当に楽しみだったんだけど、最前列のファンたちがなんというかダサくて、テンションさがってしまった......逆にStar Slingerは頑張って真ん前まで見に行くと、気付けば周りに熱狂的なデブとオタクとオッサンしかいなくて妙に納得、より大好きになった。

 夜も更けてきて、そのあとは会場忘れたけど別のとこでSurviveとBodytronixを見た。どっちも最高。Surviveは見た目怖い人たちがヴィンテージのドーンとしたアナログシンセを横に4台並べてプレイ。最前列のファンもやばげな人たちが踊り狂ってていい感じ。Bodytronixはオースティンの2人組のアーティストで、見るまでは知らなかったのだけれど、そこにいた同じくオースティン在住のPure XのボーカルNateに「オースティンで一番かっこいいから見たほうがいいよ!」と激押しされ見てみると最高にかっこよかった。SFV Acidをもっとハードにした感じの音で、どツボでした。


Survive @ SXSW

3/14
SXSW3日目。

 昼間はまたMohawkへ。大好きなBlood Orangeを見る。ひとりでトラックを流しつつ、ギターソロを弾きまくりながら歌うスタイル。ステージから降りて激しくパフォーマンスをしているとき、記者会見並みにみんな写真を撮りまくっていてなんだかなぁという気分に。私は自分のライヴ中にパシャパシャ携帯で写真をとられるのが嫌いでそういうの見てるといつも嫌になる。Pure XのNateもライヴ中に写真撮られるの本当は嫌いなんだって言ってたなぁ。まぁその話はいいとして......人混みに疲れてしまった私はしばらくダウンして、夜になり同じストリートにあるBarbarellaでD'eonを見た。そのあと一度抜けて違うクラブに行き、Italians Do It Betterのドン、Mike SimonettiのDJで飲みながら踊る。どこに行ってもそうだったんだけど、私が行ったところには日本人が全くいなくて踊っても何してても浮いてた。そのあとBarbarellaに戻って見たPure XとBlondesは最高だった。Pure Xのサイケデリックでノイズな夢の中、ボーカルNateの唐突なシャウトは心のかなり奥の方にガツンときたし、NYからのBlondesはあの音で全部ハードウェアで演奏してるっていうのが超かっこいい。ああいうダンス的な音楽はもはやラップトップやMidiを使ってやるほうが多いと思うから。

3/15
SXSW4日目。

 またまたMohawkへ。もうドアマンに顔を覚えられている。ほんとはFriendsが見たかったんだけど、混みすぎてて並んでるうちに終わっちゃった(涙)ので、SBTRKTとCloud Nothingsを見た。SBTRKTは「?」だったけど、Cloud Nothingsはグランジな感じで演奏もよくてかっこよかった。そのあとメインストリートとは逆のサイドにある会場まで行って、Dirty Beachesを見る。なんというか本当にアジアの星だね、彼は。カナダだけど。見た目に関してだけ言うと、アジア人ってそれだけで普通は欧米人よりダサくなってしまうような気がするけど彼は違う。最高にエッジーでかっこいい。彼になら殴られてもいい! いや、殴られたい! そしてそこには同じくカナダのJeff Barbaraもいて、話していると彼らが仲良しなことが判明。Dirty BeachesとJeff Barbara、音は全然違うけど、なんかいいね。スタジオをシェアしたり、LAでのSFV AcidとINC.みたいにルームシェアしてたりとかそういうの。東京はどうだろう?なんて思ったり。音が違っても心が通じてる、そんな感じの仲間がたくさんいればいいね。

 夜はRed 7という会場で〈Mexican Summer〉ショーケース。〈Mexican Summer〉rはもちろん大好きだから本当は全部見たかったんだけど、この日は本当に疲れていて、最初のPart Timeだけ見て帰ってしまった。Light Asylumも、Oneohtrix Point Neverも、The Fresh & Onlysも、Kindnessも、死ぬほど見たかった! けど、ここまでの旅の疲れと、なんともいえない孤独感と、SXSWの人混みとクレイジーな祭り状態にしんどさがMAX限界状態だったのです。ちなみにPart Timeはめちゃくちゃダサかった(良い意味で)。

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私は自分のライヴが終わったあと、トリのPeaking Lightsを見ながら、明日には日本に帰るのかと思うと悲しくなりすぎて、またホロリ。何度目? 本当に帰りたくなくて。

3/16
SXSW5日目。NNF House Show@Hounds of Love Gallery

 あまりに疲れたのでこの日はライヴは見に行かず、自分のライヴのために体力温存&準備しながらまったり。

 夜。SXSWで最初のライヴはNNFファミリーの身内感あふれるハウス・パーティ。Hounds of Love GalleryはギャラリーではなくNNFのヴィデオなどを作っている映像作家Melissaのギャラリーっぽい自宅。そこによく集まってるらしいMelissaとそのアートスクール仲間たちはみんな映像を作ったり絵を描いたりしてる子で、年も私と同じくらいだったので話しやすかった。この日のうちにCuticleのBrendan、Samantha GlassのBeau、Willieと仲良くなり、彼らと最後の2日間遊び続けることに。

 ライヴはオースチンの漢(おとこ)、Xander Harrisからスタート。VJで怪しげな映像を流しつつ、途中から脱いでいた。彼の人柄は野性的なのか律儀なのかよくわかんない感じでおもしろかった。その次はCuticle! 話してると普通なんだけど、ライヴしてるときはなんともいえない色気があってぞくぞく! Cuticleは似たような音のアーティストたちのなかでもなんとなく奇妙さと個性があって好き。アイオワに住んでるからカリフォルニアのSILKアーティストたちとは場所的にも離れているけど、離れたところでひとりマイペースにやってるとこも共感できるのかな。Samantha Glassはゆったりとした、ディープでサイケでギターの音が溶ける心地のいいサウンド。私はこの日トリで、そこそこ飲んでいたし音響などの環境も悪かったけれど、とくに問題なくプレイできた。床でやったけどね。この日のライヴはMelissaのVimeoで見ることができるので興味ある人はこちらからどうぞ。(https://vimeo.com/40269662


ライヴ中はセクシーなCuticle @ Hounds of Love Gallery

 ハウス・パーティが終わったあとはCuticleとSamantha Glassと違うパーティに遊びに行って、そこでSleep Overをみた。他のメンバーと別れひとりになったSleep Over、心無しかライヴも悲しく哀愁が漂っている。そして変な弦楽器を悲しげに弾いている。嫌いじゃない......。そのあとはお腹がすいたのでみんなでスーパーにいって、ご飯を買ってかえった。

3/17
SXSW6日目。最終日そして最後のライヴ。Impose Magazine Presents The Austin Imposition III @ Long Branch

 前日からもはやお祭り騒ぎのSXSWに疲れ果て、他のアーティストのライヴを見に行くことを放棄している私。この日、昼間はCuticleのBrendan、Samantha Glassのふたりとその友だちの女の子たち6人くらいで車に乗って郊外へ遊びに行った。なんとかSpringっていう池なのか川なのかよくわからないところで泳いだり飛び込んだりして(飛び込んではしゃぎまくってたのは主に男たち)、遊んだあとはSXSWに戻って会場入り。アメリカで最後のライヴだ......。Cuticle、Xander Harris、Peaking Lightsとは二度目の共演。この日初めて見たキラキラで怪しさMAXの女子ふたり組Prince Ramaのパフォーマンスはすごかった。ライヴっていうか、儀式。ダンスが最高で、取り巻きファン的な男の人たちもかなり熱狂的だった。Tearistも力強いというか強烈なインパクトがあって、ヴォーカルの女の人の髪が扇風機的なものでずっとTM Revolution並になびいていた。私は自分のライヴが終わったあと、トリのPeaking Lightsを見ながら、明日には日本に帰るのかと思うと悲しくなりすぎて、またホロリ。何度目? 本当に帰りたくなくて。でもみんなに背中を押されつつなんとか帰って、無理矢理荷造り......。

3/18
帰路

 早朝に出発、したにも関わらず飛行機が5時間くらい遅れてやってきて、デトロイトで乗り換えできなくなってしまった。よくあることらしいんだけど、想定外のホテル一泊。ここで帰るのが遅れても嬉しくないよ。結局丸一日半ほど遅れて日本に帰国。ただいま。

あとがき

 日記、めちゃくちゃ長くなっちゃった。読んでくれてありがとうございました。行くまでは大変だったけど、楽しすぎて何度も日本に帰りたくないと思った。でも向こうのアーティスト同士のつながりやシーンを見ていて、東京でもこれからやっていけることがたくさんあるんじゃないかなと思ったし、離れた場所にたくさんの仲間がいることがわかって、どこにいても何をしてても、ちゃんとつながっていけるんだなぁと実感。それが一番の収穫かな? とにかく行ってよかった。またいつでも行けるようにこれからも音楽作っていこうと思います。

オワリ

 

※この続きは......というか、彼女のインタヴューは、紙版『ele-king vol.6』にてご覧ください!


[Electronic, House, Dubstep]#11 - ele-king

Swindle - Do The Jazz | Deep Medi Musik


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E王   「ジャズ・シング」(1990)、「ジャズ・イズ・ザ・ティーチャー」(1992)、「ハイテック・ジャズ」(1993)、「イッツ・ア・ジャズ・シング」(1994)......そして「ドゥ・ザ・ジャズ」(2012)。16分で打たれるハンドクラップ、ムーディーなハミング、アシッドな電子音とサブベース、コンクリートを砕くんじゃないかと思わせる迫力満点のユニゾンとドラム・パターン......「格好いいグライムください」と、下北沢のZEROで買ったのがコレ。ラップはないが、ストリート・ミュージックというものの魅力が満載のトラックで、メランコリックな上ものをミックスしながら脈打つビートはどう聴いてもパンク。
 "アンダー・ザ・サン"は、シルキー風のメロウな感じではじまり、そして雷鳴のような、ジュークのような好戦的なシンセサイザーがこじんまりとしたダンスフロアに一撃を加える。エレクトロのようなファンクの粘っこさもある。"イフ・アイ・ワズ"では、グライム式のR&Bを展開する。汚れて、そして、どこまで汚れている。歌は、何を言っているのかわからない。この先のことなど何もわからない。本当に素晴らしい"詐欺"からの1枚。グライム......ああ、痺れる。

Jessie Ware - Running | PMR Records


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 SBTRKT、あるいはジョーカーのアルバムでも歌っている女性シンガー、ジェシー・ウェアの2枚目のソロ・シングルで、両面ともにリミックスを担当しているのが前回のこのコーナーで紹介したディスクロシュア......このような形で頭角を現してきた。もっとも、ディスクロシュアが自分たちの曲でやっているUKガラージ風のビートはここにない。これはベース・ミュージックを通過した、完璧なハウス・ミュージックである(ジョイ・オービソンの流れ)。ジェシー・ウェアのまったくパワフルな歌/ヴォーカリゼーション、そしてキャッチーなメロディも肝だが、ディスクロシュアのグルーヴィーなビートも見事。いやー、素晴らしい。ダンスの魅力満載。3ヴァージョンとも輝いている。

Fresh Touch - The Ethiopian EP | Angular Recording Corporation


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 これは今日の(とくにイギリスでの)トレンドのひとつ、ワールド・ミュージックへのアプローチ。デイモン・アルバーンとのDRCミュージックで味をしめたのか、アデルで商業的な大成功をおさめた〈XL〉の社長、リチャード・ラッセルが同じDRCミュージックのメンバーでもあり、また、キング・クルエルやジ・XXなどの仕事をこなしているロダイド・マクドナルドとのコンビによるシングルで、エチオピアで現地の人たちと録音した音源をもとにベース・ミュージックへと変換した4曲が収録されている。エチオピア人のコーラスがこだまする1曲目の"ハーラー・リズム"も、2曲目の"68ジョイント"も、B面2曲目の"アダージ・ライト"も、ダブステップというよりはグライム。ワールドなテイストを除けば、アンダーグラウンドへと回帰しようとしているダブステップの動きとも重なる。

LA Vampires by Octo Octa - Freedom 2K | 100% Silk


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 これ、ハウスっす。ローファイでもなんでもなく、4/4キックドラムを使ったハウス・ミュージックです。ベテラン・リスナーは、1990年代なかばあたりのロン・トレントやシェ・ダミエのディープ・ハウスを思い出しましょう。あの頃のラリー・ハード・チルドレンたちのハウスを軽めに展開した感じとい言いますか......。ビート的な新しさはない。しかし、たとえば"ホエアエヴァー"のような曲ではハウスのクリシェを使いまくりながら、ドリーミーな上ものとアマンダのセクシャルなヴォーカリゼーションによって惹きつける。"ファウンド・ユー"などはダンス・ミュージックであり、ヒプナゴジック・ポップでもある。ロサンジェルスでは踊りながら眠っているのだろう。気持ちよすぎる。5曲+リミックス1曲、計6曲入りの......EPなのかLPなのか。ジャケのアートワークも最高。

Deep-in-Side (2012.5.13)


1
Hakim Murphy - Errr - Plan B

2
Iori - Moon - Phonica White

3
Hunee - Minnoch - Rush Hour Recordings

4
Nicholas - Looking - X-Masters

5
Intruder(A Mark Production)featuring Jei - Amame(Redio SlaveMix) - Defected

6
BLM (aka Ben Micklewright) - All Out of Place - Tsuba Records

7
Seuil - Sub Boogie Drama EP - Karat

8
John Jastszebski - Children of Children - Phonogramme

9
Creative Swing Alliance - Get Down - City Fly Records

10
Frank Roger - Take You Up - Circus Company

DJ DYE (THA BLUE HERB / Oplusd.) - ele-king

春アルバム


1
Aphex Twin - Drukqs - Rhino/Wea

2
Moog - The Electric Eclectics of Dick Hyman - ABC Records

3
Heatsic - Intersex - Pan

4
Donato Dozzy - K - Further Records

5
Marumari - The Wolves Hollow - Carpark

6
Stewart Walker - Stabiles - Force Inc.

7
Billy Cobham - Crosswinds - Atlantic Recording

8
Moodymann - Forevernevermore - Peacefrog Records

9
Apparat - The Devil's Walk - Mute

10
Maino - Day After Tommorow - Atlantic Recording

Chart by Underground Gallery 2012.04.27 - ele-king

Shop Chart


1

Onomono

Onomono Onomono_ep_0506 (onomono.jp /12inch) / »COMMENT GET MUSIC
過去2作品は、予約のみで完売してしまい、市場には殆ど出回らず、一部オークションでは既にプレミアさえ付き始めている、某有名トラックメイカーの変名テクノ・プロジェクト"onomono"待望の第三弾が遂にリリース!ALVA NOTOのような高周波が響くマイクロ・ミニマルを思わせるイントロから、一気に捻れたアシッド・シンセが走りだし、気がつけば"onomono"ワールドへ誘われているA面の「onomono_05」、ヘビーウェイトなイーブンキックに、金属的な響きを効かせたノイジーウワ音が巧みな変化を繰り返しながらドープに展開していくB面「onomono_06」の2トラックを収録。手も足も出ない完璧なミニマル・テクノ!今回も凄まじいです...。

2

MM/KM aka Mix Mup/Kassem Mosse

MM/KM aka Mix Mup/Kassem Mosse 6 Track Mini LP (The Trilogy Tapes/lp) / »COMMENT GET MUSIC
リリース前から、一部、耳の早いコアなファンの間で話題を集めていた注目ユニットのデビュー・ミニ・アルバムが、超少量入荷! UKのカセット・レーベル[The Trilogy Tapes]が贈るヴァイナル作品第三弾は、[Mikrodisko]などからリリース経歴を持つMIX MUPと、ベルリンの奇才KASSEM MOSSEによるユニットMM/KMのデビュー・ミニ・アルバム!ダブステップ /ベース・ミュージック、テクノ、ディープ・ハウスなど、全ての要素が混在する、実験的なアンダーグラウンドなディープ・トラック集!既に本国UKをはじめ、ヨーロッパでは入手困難な状況になっている、稀少な作品です。

3

Vinalog

Vinalog Lost Patterns (Relative /12inch) / »COMMENT GET MUSIC
未だ、はっきりとした詳細がつかめない独[LiveJam Records]関連ですが、傘下レーベルの中でも一際個性を放っている、UGヘビープッシュのロウ・ハウス・レーベル[Relative]の新作は、レーベルの中心人物JOHN SWINGのプロジェクトVINALOGのNew12インチ! やっぱりVINALOGカッコイイです!別格ですね!ねっちょりとしつこいくらいにループされる、もっさりしたディスコ・グルーヴで、じわりじわりとハメ込んで行く、スモーキーなロウ・ハウスを展開したA1、ストレートなTR-909グルーヴにネジ曲がったベース・ラインとサイケデリックなウワ音でロックするA2、ジャズ・ピアノ・サンプルがループするB2など、かなり癖の強いハウス・作品が4トラック収録。今回も限定盤です。再入荷が難しいレーベルですので、気になる方はお早めに

4

Infiniti aka Juan Atkins

Infiniti aka Juan Atkins The Remixes - Part 1 (Tresor /12inch) / »COMMENT GET MUSIC
TV VICTOR / THOMAS FEHLMANNリミックス! 90年代初頭から、常に最前線を走る、老舗中の老舗レーベル、ベルリンの 名門[Tresor]、記念すべき250番(凄い!)を記念した、スペシャル企画は、デトロイト・テクノのオリジネーター、JUAN ATKINSがINFINITI名義にてリリースした過去作品のりミックス! 第一弾となる今作は、98年に[Tresor]からリリースされたアルバム『Skynet』に収録されていた楽曲「Walking On Water」と「2Thought Process」の2曲を、クラウトロック・バンドNO ZEN ORCHESTRAとして活動してた事でも知られる、ジャーマン・テクノ / エレクトリック・ミュージック界の大ベテラン、UDO HEITFELD aka TV VICTORと、3MB名義でJUANとのコラボも行った事がある大御所THOMAS FEHLMANNがリミックス!

5

BMG & Derek Plaslaiko

BMG & Derek Plaslaiko Is Your Mother Home? (Interdimensional Transmissions /12inch) / »COMMENT GET MUSIC
90年代から活動するデトロイトのカルト・エレクトロ・ユニットECTOMORPHが主催する、[Interdimensional Transmissions]の新作は、そのECTOMORPHのメンバーでもあるBMGと、デトロイトのローカルDJ DEREK PLASLAIKOとのコラボレーション。 ここ最近は、エレクトロから路線変更して、面白いリリースが増えてきていた[Interdimensional Transmissions]レーベルですが、今回も是非注目して頂きたい、オールド・スクーリーなテクノ・トラックを披露しています。ローランドの各種リズムマシーンのむき出しのビートを軸に、繊細な電子音が絡んだミニマル・テクノ集!ドイツのTOBIAS.辺りのアナログ・テクノが好きな方なら間違いありませんよ!

6

Tom Trago

Tom Trago Use Me Again (Rush Hour /12inch) / »COMMENT GET MUSIC
2010年リリースのディスコ・キラーをCARL CRAIGが再構築!CARL CRAIG本人が以前からプレイしていた、あのヴァージョンが待望の12インチ・カット! ここ数年、[Rush Hour]がフックアップしているアムスの新世代アーティストTOM TRAGOが、2010年にリリースした12インチ「Voyage Direct - Live Takes」に収録され、CARL CRAIG本人も以前からプレイしていた、ブラックディスコ/ビートダウン・チューン「Use Me Again」が、そのCARL CRAIGの手により再構築されて12インチ化! リリース当時から現在まで、CARL CRAIGやRADIOSLAVEなどが、ことあるごとにプレイし続けているディスコ・ハウス「Use Me Again」、スリリングなストリングスとアップリフティングなディスコ・グルーヴが超アガるキラー・チューン。この曲をCARL CRAIGが、強烈なエフェクトを効かせ、空間をねじ曲げた、ドラッギーなディスコ・ハウスへリエディット!マジで最高ですよ!

7

Idjut Boys

Idjut Boys One For Kenny (Smalltown Supersound /12inch) / »COMMENT GET MUSIC
LINDSTROM、MUNGOLIAN JETSET、TODD TERJEなど、重要アーティスト達がリリースしてきた、名門[Smalltown Supersound]の新作は、遂に満を持して大御所IDJUT BOYSが登場! 昨年日本で先行リリースされ話題となった、IDJUT BOYSキャリア初のオリジナル・アルバム「Cellar Door」より、昨年惜しくも他界してしまった、UKのKENNY HAWKESに捧げた楽曲「One For Kenny」が待望の12インチ化。ビートダウン風のブギー・ダブ・ディスコ・グルーブに、盟友 PETE Zによる、サイケ & ダヴィーなシンセ、BUGGE WESSELOFTによる可憐な鍵盤が絡みあう、めちゃくちゃカッコ良い、ミッド・ディスコ・チューン!アルバムの中でも一際人気の高い1曲だっただけに今回のアナログ・カットが嬉しいという方も多くいることでしょー。しかも 45回転、重量盤プレスで音も良し。DJのみならずとも、コレは要チェックです!全世界500枚限定!

8

Pepe Bradock

Pepe Bradock Imbroglios 1/4 (Atavisme /12inch) / »COMMENT GET MUSIC
フランスを代表するアーティスト、ビートダウンを基調にしながらも、規格を超えたオリジナルなハウス・サウンドで大きな支持を得ているPEPE BRADOCK が、前作 「Path Of Most Resistance」以来、約3年ぶりとなる新作をリリース!今後、パート4までリリースが予定されている「Imbroglios」シリーズの第一弾。ビートダウン的なムードを持ちつつも、より実験的でアバンギャルドな雰囲気があって、奇才ならではのディープ・ハウス作品が4曲収録。ジャジーなサンプルを巧みに操った「Katoucha?」がイチオシですが、全曲濃いですよ!流石PEPE BRADOCK!

9

V.A

V.A I'M Starting To Feel Okay Vol. 5 Pt. 1 (Endless Flight /12inch) / »COMMENT GET MUSIC
東京[Mule Muziq]のサブレーべル [Endless Flight]から、毎年恒例となっているレーベル・コンピレーション・シリーズ「I'm Starting To Feel Okay」第5弾からの12インチ・カット! ここで特筆すべきは、文句なしにMOVE D!リバース・フレーズを巧みに交えた、ミニマル・ディスコ作品で、テンションやグルーヴ、展開や鳴り、全てが完璧!この作品だけの為に買っても損はありませんよ!保証します!その他にもアムステルダムのニュースターJUJU & JORDASHによる、マッド&ピプノなアシッド・テクノや、TERRE THAEMLITZ aka DJ SPRINKLESによる淡い色彩感覚とライトなグルーヴが素晴らしいフローティング・ハウスが収録されていて、全曲◎な内容!これはお見逃しなく!オススメです。

10

Madteo / Shake Shakir

Madteo / Shake Shakir Kassem Mosse / Marcellus Pittman Rmx (Meakusma /12inch) / »COMMENT GET MUSIC
ANTHONY "Shake" SHAKIR / KASSEM MOSSE / MARCELLUS PITTMANリミックス! 先日JOY ORBISONが新レーベルからリリースされたばかりの最新作「Bugler Gold Pt.1」が、UKを皮切りに欧州で大きな話題を集めている、N.Yはブルックリンの奇才MADTEOの楽曲を、デトロイトの大ベテランTHONY "Shake" SHAKIR、[Workshop]からのリリースでお馴染みのベルリナーKASSEM MOSSE、そして、THEO PARRISHやMOODYMANNと共に、3CHAIRSのメンバーとしてもお馴染みのMARCELLUS PITTMANがリミックス!

Chart by JET SET 2012.04.16 - ele-king

Shop Chart


1

Jazzanova Feat. Paul Randolph

Jazzanova Feat. Paul Randolph I Human (Sonar Kollektiv) »COMMENT GET MUSIC
リリースを控える最新アルバム『Funkhaus Studio Sessions』から、"Still Music"や"Mahogani"周辺での活躍知られるベーシスト/シンガーPaul Randolphを招いた話題作が到着。

2

Kenji Takimi

Kenji Takimi Middle Tempo(=Life) Crisis (Dad Gag) »COMMENT GET MUSIC
甘くドリーミーな導入からスローモー~ミドル・ディスコ、テックハウス・スクリューを挟みながら活気を帯びていく瀧見氏ならではの世界観。"Sexual Balearic"をテーマとした心地良いレイドバック感覚やアダルトな艶、高揚をかき立てるワイルドなグルーヴが絶妙な塩梅で織り交ぜられ、幅広いシチュエーションでお楽しみ頂ける最高のミックスとなっています。大推薦!!

3

Discodromo & Massimiliano Pagliara

Discodromo & Massimiliano Pagliara Samba Imperiale (Cocktail D'amore) »COMMENT GET MUSIC
鬼才イタリアン・デュオDiscodromoが主宰する"Cocktail D'amore music"最新作3番。"Live At Robert Johnson"からのリリースが好評となっているMassimiliano Pagliaraを迎えた大注目作が遂に解禁です!!

4

Boys From Patagonia

Boys From Patagonia Rimini '80 / It's So Exciting (International Feel) »COMMENT GET MUSIC
Davide Armour & Philipe Masceranoからなるイタリア~パタゴニアを繋ぐ新鋭ユニットBoys From Patagoniaによる話題の1stシングル。Todd Terje, Soulclap, Bicep, Balearic Mike, Soft Rocks, Lovefingersらが挙ってサポート中!!

5

Yakaza Ensemble Meets Syunoven

Yakaza Ensemble Meets Syunoven Yakaza Ensemble Meets Syunoven Ep (Crosspoint) »COMMENT GET MUSIC
Joe Claussellが賛辞を送る話題の12インチ。呪術的なトラックをフロア仕様にアップデータしたリミキサーの手腕が光る1枚です。

6

Rickey Calloway

Rickey Calloway Work It (Funk Night) »COMMENT GET MUSIC
Dap-Kingsとのコラボも素晴らしかったファンク・ヒーロー、Rickey Callowayのニュー!! 今回はバックにWill Sessionsを従えての新作です!!

7

Kindness

Kindness Gee Up (Female Energy) »COMMENT GET MUSIC
2009年のデビュー・7インチ「Swingin' Party」のB面曲だった激人気曲が12インチで登場!!B-1は完全新曲、B-2は「Swingin' Party」の別ヴァージョン!!

8

Pillowtalk

Pillowtalk Soul Edits (W + L Black) »COMMENT GET MUSIC
Wolf+Lamb所属のSF人気新星トリオPillowtalkによる'60年代ソウル名作エディットEP!!

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Ari up

Ari up Forward (Ska In The World) »COMMENT GET MUSIC
即完売したVic Ruggieroとのコラボ作"Rare Singles And More~"に続き、Ska In The WorldからAri Upの貴重音源が限定7"リリース!!

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Will Sessions

Will Sessions True Story (Funk Night) »COMMENT GET MUSIC
『The Elmatic Instrumentals』が大ヒットとなったWill Sessions。A面はPhat Kat"True Story"を下敷きにしたナンバーで、壮大なストリングスが予想以上の感動です!!
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