「IO」と一致するもの

 ロンドンとパリは列車で結ばれている。ユーロスターで所用2時間。時差が1時間なので往路は3時間、復路は1時間という幻惑を誘うタイムラグ。しかも海底を抜ける。その途方もなさに、果たしてパリに無事辿りつけるのかという幼児なみの不安が頭をよぎる。住んでいるロンドンの自宅で予約はウェブ上で済ませる。当日、無事に起床することができた。出国手続きを終え、無事列車にも乗れた。なんてことはない。新幹線のような快適な乗り心地。いつの間にか海を越えていた。地上を走っている時間のほうが長い。フランスののどかな田園風景を走り抜ける。と、パリのターミナル駅に着く。最初の驚きは、駅舎の壁面に途切れることなく続くグラフィティ。その後、5日間の滞在でパリはロンドンをしのぐグラフィティの街だと知る。

 ウェブ・マガジン『ピッチフォーク』のフェスティヴァルがパリで開催されるというのでチケットをとった。ジェームズ・ブレイク、ファクトリー・フロア、アニマル・コレクティヴ、ジェシー・ウェア、ラスティー......と話題のアーティストばかり。7月にシカゴで開催された同フェスティヴァルの様子をウェブで見ていたので即決だった。正直、ちょっとパリにも行きたい気持ちもあったし、フェスティヴァルでパリジェンヌがどんな風に狂気するのか見てみたかった。  同じ歴史を感じさせる都市とはいえパリは明らかにロンドンよりも落ち着いた街だ。そして悦ばしいことに食べ物が美味しい。いずれもロンドンがうるさ過ぎ、食べ物が不味い、とも言える。フランス語ができればパリは日本人にとって住みやすい街なんじゃないか。とはいえ、たった数日の滞在では計り知れない。街中にグラフィティが溢れかえっている。この意味するところは何だろう。アートの街だから許容されている? 確かにお金を出しても惜しくない立派な作品にストリートで出合ったりする。そして、スリの腕は世界一だから気をつけるよう散々言われた。しかもよく考えると、2005年にこの街では暴動が起きている。表面的に落ち着いているように見えても、他の欧州各国と同様に煮えたぎるものがある? でも、いち早く左派政権になったし、この落ち着きは余裕をしめしているのか......。などと色々と頭の中を駆け巡った。だけど街中を歩く人びとがオシャレで似合っていて、ただただ魅了され雑念もふっ飛ぶ。たった2時間の移動でロンドンとパリでここまで違うのか、と当然のことかもしれないが改めて驚く(ロンドンのコモン・ピープルは必ずしもオシャレじゃないから)。

 会場はパリの北東部に位置する〈Grande halle de la Villette〉。大きな倉庫を改造したのか、ちょうどサッカー・コートぐらいの広さで天井がやたら高いホール。フランスで『ピッチフォーク』が扱うようなオルタナティヴなロックやダンス・ミュージックがどこまで人気があるのか知らない。しかも、ほとんどが英語圏のアーティスト。ピークでも会場の6割ぐらいしか埋まらなかったので、すごく人気がある訳ではなさそう。でも、その分、会場のなかに逃げ場があって過しやすかった。耳にイギリス英語が飛び込んでくる。とくに2日目はイギリス人が多かった。結局、僕のようにユーロスターでロンドンから来たオーディエンスが多数いる印象。

 パリに着き、ホテルにチェックインしてから会場に入った。言葉が通じないので終止緊張していたせいか、疲れが出てボーとアルーナジョージなんかチェックしていたアーティストも遠巻きに見る。ティンバランドとミッシー・エリオットの出会いがいまのロンドンで実現されたら、と評されるこの異色ユニット。アルーナの愛くるしい佇まいが微笑ましかった。
 さて、いまはとにかくフジ・ロックでのライヴも終え話題になっているファクトリー・フロアに備えよう。アルコール片手にリラックスして会場を歩き回った。ロンドンのラフ・トレードが大きな物販ブースを出している。オフィシャルのバックをここで買う。片隅でジュエリーや靴なんかのハンドメイドの作品を扱ったフリー・マーケットも開かれている。オシャレ! いちいち立ち止まって見てしまう。そうこうしているうちにファクトリー・フロアだ。終止ストイックに展開するミニマリズム。退廃美はスロッピング・グリッスルのそれに近いが、さらに渇いている。この渇きは諦念に近いのか......。打ち鳴らされる音の粒の快楽に酔いしれる。どうしようもない寄る辺なさに身をゆだねる。恍惚とする......。
 その後、バンクーバーを拠点にするJapandroidsという謎のふたり組のロックバンドを見てポカンとしたり、The xx やSBTRKTのレーベル〈Young Turks〉からリリースのあるJohn Talabotで身体をほぐしたりしながら、ジェームズ・ブレイクに備えた。
 パリのジェームズ・ブレイクは都市のもつ気高さに演出され、いっそう高貴なものに映った。ヨーロッパを覆っているであろう無力感を一歩進めて絶望に至り、そこからの救済を希求しているような...、というと大袈裟? 不安定なトラックと彼の中性的な声が心の襞に分け入ってくる。見たことのない世界を見せてくれそうな予感に包まれる。
 午前1時頃、この日のヘッドライン、フランスのポスト・ロック・バンド、M83のやたらとテンションの高いライヴを横目にホテルに向かう。

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 2日目。午後5時開始。遅い朝に貴重なパリの1日を怠惰に過す。ルーブル美術館の近くにあるビルごとアーティストのスクワットになっている59 RIVOLIというスペースに行く。たくさんのアーティストの制作現場になっていて展示も無数にある。どれも個性的で目を惹く。街中で見かけたグラフィティと同じアーティストの作品もあった。1999年にはじまったスペースらしい。ヨーロッパではスクワットが違法ではない国がある。ちなみにイギリスでは2ヶ月前に住むことが違法になった。が、不思議なことに空いている建造物を一時使用することは違法になっておらず、まだスクワット・パーティなんかがある。
 少し遅れて午後6時頃開場についた。その日は目的がたくさんあった。まずはジェシー・ウェア。彼女を最初に見たのは5月にKOKOロンドンであったベンガのリリース・パーティだった。日本では考えられないが、ロンドンではダブ・ステップでモッシュが起る。DJも応酬してアオりにアオる。この日もそうだった。そんな、どちらかというと男くさい匂いが漂うパーティで、ジェシー・ウェアが登場すると変わった。たった1曲歌っただけなのに会場がしっとりとした雰囲気に包まれた。その後、ずっと気になっていたらジョーカーやSBTRKTと楽曲制作をしている歌手だと判った。ニュー・アルバムが発売される頃には、レコード屋のみならず駅の掲示板などにもポスターが貼られ、ちょっと盛上っていた。新作『DEVOTION』はイギリスのエレクトロニック・ミュージック・シーンを背景にしながら、しかし耳ざわりのよいソウル作品だ。ブロー・ステップのように過激/過剰に行きがちなシーンに淡々と距離をとっているとも言えるし、ただ自分の好きな音楽を黙々と追求しているだけにも見える。最近ではディスクロージャーと絡むなど趣味のよさ、立ち位置のうまさを印象づける。僕は新作をどう聞いたかと言うと、決して雰囲気がよいとは言えない不景気のロンドンで、ゆらぐことのないイギリスのアーティストとしての誇りのようなものを感じた。エイミー・ワインハウスは......あまりにもいまのイギリスの雰囲気を暴きだし過ぎている、と感じることもあるから。「DEVOTION=献身」が彼女を育んだミュージック・シーンに対するものであったら、それは素晴らしいことじゃないか。

 可愛い言葉づかいのジェシー・ウェア。肩の荷を下ろし一曲終わるたびに何やら語りだす。可愛い。歌いはじめると一気にオーラを身にまとう。特に凝った演出もなかったがその分、歌に集中できた。まだキャリアが始まったばかりのアーティストにありがちな衒ったところもなく純粋な歌がそこにあった。ジーンとする。
 続いてワイルド・ナッシング。80年代風、イギリスのギーター・ポップ・サウンドは日本人にとって聞きやすいがもはや"カルト"と評されている。ジャック・テイタム──実質、彼ひとりのバンドみたい──が、アメリカ人なのも共感できる。シンセも相俟ってキラキラしたギター・サウンドを、他国の過去の音に想いを馳せながら作っている感じ。わかる。新作『ノクターン』を愛聴していたのでライヴも楽しめた。なんだかんだいっても現代の解像度の高いサウンドとフェスの大音響の効果は心地よく、快感だった。

 ピッチフォーク・ミュージック・フェスティヴァルは個性派ぞろいのフェスティヴァルで、まったくノー・チェックでも意外なアーティストに巡り合う。例えばザ・トーレスト・マン・オン・アース。ボン・イーヴェルのツアーのフロント・アクトを務め知られるようになったというスウェーデンのアーティストだ。ボン・イーヴェルやベン・ハワードなんかの極楽系フォーク・サウンド。だけど、どこかボブ・ディランぽい。まとめると、現代スウェーデンのボブ・ディラン兼ボン・イーヴィル、その名もザ・トーレスト・マン・オン・アース。謎だが、謎めいた魅力があった。次に、初めて知ったけど欧米では結構知られているらしいロビンも強烈なシンガーだった。エレクトロニック・サウンドにのせ歌われるポップ・ソング。彼女独特のコケティッシュな魅力に溢れたステージ。どこか振り付けが80年代のアイドルっぽい。どうしても日本のアイドルを思い出してしまうステージをパリで、しかもピッチフォークのイベントで目撃するという倒錯感がすごかった。

 2日目のヘッド・ライナーはアニマル・コレクティヴ。新作『センティピード・ヘルツ』がこれまでの作品と一変していたので、ライヴはどうかと興味深く観た。新作の楽曲中心に進んでいく。リズムとサンプリングのおもちゃ箱をひっくり返したような躁状態が続く。サイケデリックなデコが虹色に怪しく明滅するステージのうえでたんたんと演奏したり機材をいじっている。変拍子や過剰なサウンド・エフェクトを駆使しながら不可思議な物語を感じるステージ。終盤は、これまでのアニコレのイメージどおりアシッドにフォークに展開し陶酔する。深夜2時近く、この日のパリの夜は時空が捩じれたまま深けていった。

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 さて3日目だ。またも遅い朝。昼食にパリに在住していたレゲエ・ライターの鈴木孝弥さんに教えてもらったアフリカ料理を食しに出向く。パリの南に位置する大通りブルヴァール・バルベス周辺はアフリカ人の街。その北側にあるセネガル料理屋シェ・アイダ。しかし...一向に見つからない。しばらく漂う。パリのアフリカ人街はヨーロッパ大陸に突然アフリカへの入口が出現したかのようで軽く混乱する。結局、見つからない。たぶん閉店したのだろう。何度か鈴木孝弥さんがこの店のメニューをお手本にして創った料理を東京で食して期待が膨らんでいたので、泣く。そのあと、ロンドンからの友人と落ち合い3日目のフェスティヴァル会場に向かう。

 この日、まずはプリティ・リングという4AD所属のユニットに度肝を抜かれる。声だけでなく佇まいもビヨークっぽいメガン・ジェームズと、均整のとれた体つきなのにラップトップに向かってひたすらヘッドバンギングするコリン・ロディックの男女二人組。クリック系のサウンドに浮遊感ただよう歌声。聴いているだけでひたすら気持ちいい。小さい体のメガンが時おりドラを打ち響かせるのでハッとし、ニヤっとする。
 3日目だけオール・ナイトだったのでお客さんも若く、オシャレ。ロンドナーだったら無造作にアーティストTシャツなんかで済ますところ、やっぱりパリッ子は違う。マフラーの巻き方や靴の合わせ方ひとつ違う。もしかして日本のクラバーに近いのかもしれないが、まあ、なんというか絵になる。パリッ子のファッションに憧れても、絶対に真似できない。さすが本場、なんて常套句を思わず心の中でつぶやく。ロンドナーよりも踊らないけれど、踊る姿が美しい。見惚れる。そして、この人たちのなかで踊っている自分はなんてオシャレなんだ、なんて自己満足。
 さて、このフェスティヴァルで一番楽しみにしていたグレズリー・ベアーだ。新作『シールズ』はバンド・サウンドの完成度と、楽曲としての先進性が同居する近年では希有な作品として聴いていた。これがいわゆるロックなのかどうかもはやわからないが、ロック編成の音楽の可能性みたいなものさえ感じていた。
 いたってクールに進んでいくステージ。サウンドに対して忠実でストイックな印象さえ受ける。しかし、だからこそ時おりサイケデリックに、またゴシックに展開するとき、音の渦に吸いこまれる。アンサンブルに酔い痴れ、コーラスワークの虜になる。
 しかしハイライトはグレズリー・ベアーではなかった。演奏が終わると、間断なくデェスクロージャーがはじまる。ピンとした空気が暴発して一気にパーティ・ムードへ。まだ20歳そこそこの兄弟のデュオ。"Tenderly"のようなUKガラージから、"Latch"のようなハウスまで気の利いたグルーヴが会場全体を覆う。うまい......と油断していたらジェシー・ウェア"ランニング"のリミックスが投下される。まるでドナ・サマーを初めてクラブで聴いたときみたいに、我知らず全身で踊っていた。

夜は長かった。トータル・エノーモス・エクスティンクト・ダイナソーズの変態的なエレクトロ・ポップに嵌ったと思ったら、グラスゴー出身のラスティーのDJセットにも終止引き込まれ、何度も雄叫びをあげる。このとき、客席前線の熱狂度はすごくて、オシャレなパリジェンヌが乱舞。なんというか、世界中どこにいっても変わらない。結局は、そういうことだ。

Chart JET SET 2012.11.27 - ele-king

Chart


1

三田格 / 野田努 - Techno Definitive 1963-2013 (P-vine)
およそ全250 ページ・カラー、テクノの名盤600枚以上のアートワークを掲載。各年代毎、最重要アルバムと最重要シングルを選びながら、エレクトロニック・ミュージックの歴史も読み取れます。

2

Atoms For Peace - Default (Xl)
Modeselektor率いる50weaponsからのデビュー12"は数分で完売。1st.アルバム『Amok』から、最前線Ukベースを消化した話題沸騰トラックが先行カットされました!!

3

Ame - Erkki (Rush Hour)
Kristian Beyer & Frank Wiedemannからなる"Innervisions"お馴染みの才人デュオAmeによる新作12"。"Running Back"主宰のGerd Jansonが監修したコンピ・アルバム『Music For Autobahns』の冒頭を飾る話題作が先行12"カットにて限定リリース!!

4

Juk Juk - When I Feel / Wars (Nommos)
Four Tetに見出され、主宰レーベルTextからデビューを飾った謎の新鋭Juk Juk。過去2作も爆裂ヒットした自主レーベルNommosからの第3弾12"が遂に登場しました!!

5

Poolside - Harvest Moon / When Am I Going To Make A Living (Poolside Music)
A面は『Pacific Standard Time』収録のNeil Young大傑作カヴァー。そしてB面はネット上で大人気を博していたSade名曲のメロウ・ディスコ・リエディット!!

6

Letherette - Featurette (Ninja Tune)
ご存じFloating Points率いるEgloのオフシュートHo_tepからデビューを飾ったUkベース・ディスコ人気デュオLetheretteが名門Ninja Tuneへと電撃移籍して放つハウスDjも直撃の1枚です!!

7

Slugabed - Wake Up (Ninja Tune)
お馴染みNinjaの天才Slugabed。名曲"Sex"を収めたアルバム『Time Team』に続いて、淡雪の如く舞う美麗シンセをまとったフィメール・ヴォーカル・ベース・ポップ歴史的傑作を完成です!!

8

Auntie Flo - Rituals (Mule Musiq)
チリアン・ミニマル新鋭Alejandro Pazのリリースでも注目を集めるHuntleys & Palmersの代表格Auntie Flo。傑作1st.『Future Rhythm Machine』に続く新作がなんとMule Musiqから登場です!!

9

Luciano - Rise Of Angels (Cadenza)
Mirko Loko Remixを収録、世界各地のフロアを盛り上げた"Rise Of Angels"が遂にシングル化!!

10

Miracles Club - U & Me / Ocean Song (Cutters)
エクスペリメンタル通過後のインディ・シンセ・ハウスの先駆者、Miracles Club。通算4枚目、Cut Copy主宰Cuttersからは2枚目となる12インチ!!

Photodisco - ele-king

聴いていて気持ちの良い、最近の楽曲を選びました。
よろしくお願いします。

■2012/11/12 CASSETTE TAPE - EP "BETA" Release!!!
https://diskunion.net/portal/ct/detail/IND11111

■Profile
https://p-vine.jp/artists/photodisco

■Photodisco Official Website
https://www.photodisco.net/

■YouTube
https://www.youtube.com/user/Photodisco

最近、よく聴いてる音楽10選


1
Madalyn Merkey - Scent - Siren

2
How To Dress Well - Total Loss - Ocean Floor For Everything

3
Teams - Dxys Xff - Stunts

4
Wishmountain - Tesco - Dairy Milk

5
Toro Y Moi - June 2009 - Talamak (First Version)

6
V.A. (100% SILK) - The SIlk Road

7
KINK GONG - XINJIANG

8
Southern Shores - New World - Sankasa

9
Piano Overlord - Aninha Mission - En Sveno

10
ICE CHOIR - AFAR - Teletrips

vol.42 oorutaichi @ Japan Society - ele-king

 11月16日に、オオルタイチくん(愛称を込めてこう呼ばせていただきます)のショーが、NYのジャパン・ソサエティで行われた。彼のライブは、2009年のアメリカ・ツアー以来観ていないので、彼の音楽がどのように変化したのか、アメリカ人のオーディエンスはどう感じるのか。訊きたいことはいっぱいあった。ショーを次の日に控えて準備が忙しいさなかだったが、インタヴューをさせていただいた。


会場のポスター

お忙しいところ、時間をとっていただきありがとうございます。まず、オオルタイチくんが、ジャパン・ソサエティでショーをすることになった経緯を教えてください。

オオルタイチ:今年の3月に、横浜で芸術見本市みたいな、海外のパフォーマンス・アートのディレクターが集まるイベントがあり、僕はそこに、ダンサーの康本雅子さんとコラボレートして出演しました。そこに、ジャパン・ソサエティの塩谷陽子さんがいらっしゃっていて、アメリカに来ることがあればぜひ連絡して、と名刺をいただいたんです。僕も、新しいアルバムをリリースしてから海外ツアーをしていなかったので、またNYにも行きたい、と思い連絡をしたところ、こういうかたちであれば、という提案をしていただき、今回の開催になりました。

今回は、「コズミック・ココとオオルタイチ」という名義ですが、いつものショーとは違うのでしょうか。

オオルタイチ:塩谷さんが提案してくださった「パーティー」な感じにしたい、というイメージからはじまっています。『コズミック・ココ』というのは、僕の最新アルバムの名前で、そこから塩谷さんが「宇宙」というイメージを引き出されたそうです。今回は、20分/40分で2部に分けてプレイするのですが、参加するお客さんにも、宇宙をイメージしたコスチュームで参加していただくように呼びかけました。

以前にもアメリカでショーをしていますが、そのときの経験は、今回のショーや、それ以後のタイチくんの活動に変化を与えましたか。

オオルタイチ:前のアメリカでのショーは、2009年の3月でした。曲は変わっていますが、基本的なやり方は同じです。今回のジャパン・ソサエティのショーは、デコレーションがあったり、もっと雰囲気が出ると思います。

タイチくんの音楽は、宇宙的で、浮遊感漂う、無国籍な雰囲気を持っていて、そこにきき慣れない言葉が乗っていますが、何語なのでしょうか。あえて、理解しづらい言葉を使うことで、言葉の意味よりは、音やリズム、ビートに注目して欲しいということなのでしょうか。また、それは、海外のオーディエンスを意識してのことなのでしょうか。

オオルタイチ:まず言語に関しては、意図はないです。僕が音楽を作るときは、単純に、まずトラックをババっと作って、そこに即興で歌を載せて、いいラインだな、と思ったらそれを選んでいきます。自分がいいな、と思うものが、こういう言葉、サウンドになりました。海外のオーディエンスは、意識したことはないです。

ライブでは、タイチくんのパフォーマンスや映像も重要です。パフォーマンスにおいて、視覚的なものはどれほど意識していますか。パフォーマンスで、言葉は通じなくても、視覚で自分が訴えたいことが、オーディエンスに伝えられていると感じますか。

オオルタイチ:VJは、いつもスフィンクスという人たちに任せています。感覚的なことだけで、とくに込み入った打ち合わせもしないのですが、たしかに、大きな会場では、映像があると自分の音楽がより広がるのを感じますし、オーディンスに伝えるのを助ける気がします。

アメリカやその他日本以外の国でプレイするときに、気をつけていることなどはありますか。また海外でプレイするときのお客さんの反応の違いはありますか。

オオルタイチ:海外のお客さんは反応がストレートですね。音楽が入ってくるところにフィルターがないというか、入ってきたらそのまま、体の動きやモーションで、反応がダイレクトに伝わってきます。日本のお客さんにも、ストレートな反応をする人はたくさんいますが、やっぱりフィルターみたいなものを感じます。海外のお客さんは、すごい速いBPMのテンポにも、ガンガンついてきてくれます(笑)。日本の人は、体が動いていなくても、楽しんでいる、と感じるときもあります。

オオルタイチくんは大阪出身ですが、いまは東京在住とお聞きしました。東京に移った理由を教えてください。また東京に住む良い点と悪い点を教えてください。

オオルタイチ:東京には住んでないです(笑)。行きたいとは思ったのですが。いまは、もうちょっと音楽が作りやすくて、ある程度音を出せる環境をと思い、京都に引っ越しました。活動は東京が多くなり、WWWやネストなどでプレイしていますが、東京は、生活するのにお金もかかるし、大変だと思います。大阪は地元なので、盛り上げてくれる友だちもたくさんいます。

地元の大阪と、いま住んでいる東京で、タイチくんが、共感するオススメのアーティストを紹介して下さい。

オオルタイチ:東京出身で面白いと思うのは、トクマルシューゴくん、彼ももちろん好きですが、彼のバンドでパーカッションをしている、シャンソンシゲルというアーティストです。大阪では、みんな面白いんですけど、半野田拓くんという、サンプラーなどを使って、インプロをやっているソロギタリストが好きです。僕もいっしょにデュオみたいな形でやることもあります。

今回のアメリカ滞在はどれぐらいですか。いる間にぜひやってみたいことを教えてください。

オオルタイチ:今回は、全部あわせて3週間ぐらいです。NYの後は、西海岸(サンフランシスコ、ロス)に行って、合計7本ぐらいのショーをやります。やってみたいことは、無理だと思いますが、インディアンのコミュニティーに行ってみたいですね。自然というか、町とは違うところに行ってみたいです。あとは、レコード屋です(笑)。

このショーが終わった後の活動予定と、個人的に興味があり、今後やってみたいことなどを聞かせてください。

オオルタイチ:12月に東京と大阪で自分のイベント(※)をやろうと思っています。ソロでいつもやっている音楽を、生楽器でやるバンドがあってその企画です。個人的な興味は、最近田舎の方に引っ越して、生活を見直すというか、そんなにシリアスじゃないんですけど、いまはそういう時期なのかな、と感じています。

※オオルタイチ企画 / イーヴンシュタイナー Vol.7 and 8
東京 : https://www-shibuya.jp/schedule/1212/003056.html
大阪 : https://conpass.jp/2702.html

ライヴ・レポート
――コズミック・ココとオオルタイチ@ジャパン・ソサエティ 11/16/2012


オオルタイチ

 ジャパン・ソサエティに一歩入ると、エイリアンが頭の上でゆらゆら揺れる仕掛けのヘアバンドをつけた受付嬢たちに迎えられる。
 会場全体は、緑や赤のエイリアンのカラフルな風船や、金、銀、紫のピカピカしたテープ/ダングラーズで埋め尽くされ、アルミホイルや、エイリアンのヘアバンド、グロウ・ブレスレットやライト・セーバーなどを身につけた人たちがたくさんいる。
 メイン会場は奥だが、手前のスペースからもパフォーマンスを見ることができる。ジャパン・ソサエティの水を用いた風情ある雰囲気と、宇宙的な雰囲気、パーティー感、異国情緒、などなどがミックスされた独特の空間=コズミック・ココがそこにあった。ローカルのDJ Akiが、オオルタイチの登場まで、会場を盛り上げている。

 ショーは2部に分かれ、1部は前振り的セット。タイチくんは黒のTシャツで登場した。バイクのエンジン音からスタートし、あちこちにヒュンヒュン飛ぶスペーシーなビートや、ジャングリングでエスニックなヴォーカルが、多方向に駆け抜け、お客さんのヴァイブも急上昇。ダンスフロアはいつの間にか満員になっていた。

 2部は、タイダイ柄のカラフルTシャツに衣装替えし、ダンシーで、エレクトリックなチューンを連発する。1部は控えめだったタイチくんのパフォーマンスもどんどん前に出て、お客さんを煽ったり、ダンスも激しくなる。VJのスフィンクス・チームが、音楽と映像をシンクさせ、ムードを出し、会場と一体になって盛り上げる。反復的、アディクト効果のある音楽と映像が、全身に吸収され、お客さんも最高潮で、身体がルースになっていくのを感じる。いちばん前で見るのと、離れて後ろから見るのでは、また違う印象で、お客さんの動きを見たり、映像の手元を見たりして存分に楽しめた。タイチくんの音世界は、彼の着ていたTシャツのように色(特にカラフル)がついていて、それをうまく表現していると思う。


VJのスフィンクス・チーム


DJ Aki

 お客さんは、アメリカ人の男子が大半(オタク風)。今回のショーについて、ランダムに反応を聞いてみた。

ジャパン・ソサエティのお客さんの反応

このショーをどのように知ったか。

マックス(男):友だちから聞いた。

スコット(男):10月にジャパン・ソサエティで開催された、ホソエ・レクチャーの際に聞いた。

今回のショーの感想は?

マックス:とてもすばらしかったし、挑戦的だと思う。

スコット:すばらしかったの一言!

ショーのどの部分が印象的でしたか?

マックス:すべてだけど、ヴォーカルがよかった。あれは、ジバーリッシュなのかな。
(注)ジバーリッシュ......英語のタームで、スピーチのように話すことを指す。内容に意味がないことが多い。

スコット:VJも音楽も完璧だったし、なんといってもエネルギーに感動した。

日本のバンドとアメリカのバンドで、違いを感じますか? そうであれば、どのように。

マックス:難しい質問だけど、違いは感じる。日本のバンドは、キチンとオーガナイズされてる。アメリカのバンドはもっと感覚的かな。僕の個人的意見だけど。

スコット:日本のバンドは、もっとエモーションを感じる。アメリカのバンドは、ベース(低音)だけだね。もっと複雑なんだけど、ここだけでは、語れないよ。

1ヶ月にどれくらいショーに行きますか? どこの会場へ?

マックス:1回ぐらいかな。あまりいかない。

スコット:2~8回ぐらい。グラスランズ、パブリック・アセンブリーなどブルックリンの会場がほとんど。

好きなバンドを教えてください。

マックス:クラフトワーク、ギャング・ギャング・ダンス。

スコット:ボアダムス!

オオルタイチくんにメッセージを。

マックス:とても難しい仕事をしたと思う。こんな経験をさせてくれてありがとう。

スコット:次の夏に会おう!

interview with Evade - ele-king

E王
Evade
Destroy & Dream

Kitchen

Review Amazon iTunes

 11月下旬に発売予定のレコード・カタログ、『テクノ・ディフィニティヴ 1963−2013』を野田努と共に書き進めていて、最後の章に設けられた「PRESENT」があと1枚書ければ終わりというところで僕は迷っていた。カナダのピュリティ・リングにするか、マカオのイーヴェイドにするか。香港が中国へと返還されたタイミングで法律が変わることを怖れた弁護士や医者はほとんどがヴァンクーヴァーに移住したという話は聞いたことがあるけれど(いまやホンクーヴァーと呼ばれている)、続いてポルトガルからマカオが返還された際にモントリオールに人が動いたという話は聞いたことがないから、カナダとマカオには何ひとつ接点はないだろうし、どちらもいわゆる4ADタイプのサウンドだという以外、共通点はない。この比較は難しい。強いていえばどちらがよりテクノかなーということを考えるだけである。どちらにしたかは...発売日を待て(なんて)。

 前号のエレキングに載せるつもりで『デストロイ&ドリーム』をリリースしたばかりのイーヴェイドにインタヴューを申し込み、さっそく質問を送った直後に尖閣問題が浮上。東京都民が4度に渡って選んだ男が中国との戦争も辞さずなどと快気炎を上げてしまったためか、中国での暴動は官製デモというやつだったらしいけれど、肝心のイーヴェイドからもまったく返事が来なくなってしまった。チン↑ポムに聞いたところでは上海ビエンナーレにも日本の芸術家はほとんどが欠席だったそうで(林くんは夜の街で大変なことに...!)、政治と芸術が絡み合う楽しい季節の到来かと思いきや、質問に対して真剣に考えていたら遅くなってしまったということで日中問題を超えて届けられたインタヴューを以下にお送りいたしましょう。ヴォーカルと歌詞を担当するソニア・カ・イアン・ラオ、ギターのブランドン・L、プログラム担当のフェイ・チョイの3人がそれぞれに答えてくれました。


ソニア

"インサイド/アウトサイド"は、自分たちの運命をコントロールできない人たちについて書きました。時々、私たちはなぜこの世界に存在しているのかわかなくなります。たくさんの疑問に取り囲まれていて、たくさんの状況が私たちの心や価値を苦しめます。

マカオではあなた方は突然変異? それとも同好の音楽仲間はけっこういるんですか? マカオの音楽状況も併せて教えてください。

ブランドン:マカオは人口50万の小さな都市なので、大きな音楽シーンはありません。ほとんどの人は広東のポップ・ミュージックを演奏していて、ほんのわずかな人たちがエレクトロニックやインディを演奏しています。でも、幸運な事に状況はここ数年良くなってきていて、たくさんの若者たちが音楽で新しい事に挑戦し、発展しているところです。将来は、より大きな音楽シーンができるだろうと信じています。

ソニア:私見ではマカオのミュージック・シーンは多様だといえます。しかし、それは音楽の砂漠ともいえます。多様な理由はたくさんのポップス、ロック、ポスト・ロック、メタルロック、ジャズなどのミュージシャンがいるからです。そして、音楽の砂漠という意味は、お金になる音楽しか作らなかったり演奏しないミュージシャンが多く、そのような人たちは政府の助成金を利用することが可能なのです(マカオの政府はアートのグループや、ミュージシャン、ドラマ制作などに助成金を出しています)。助成金のせいで自分の作品に自己満足してしまうアーティストたちがいて、私はそのような状況に不安を覚えます。

マカオが中国に返還されて13年。マカオでは日常的にポルトガル文化と中国文化がせめぎあったりしているんでしょうか? 可能ならあなたがたの文化的バックボーンを教えて下さい。

ソニア:過去、マカオはとても平和な場所で、マカオの人たちはとても純粋でした。現在、マカオにはたくさんのカジノが建ち、たくさんの観光客が毎日訪れていますが、そのことによって私たちは平穏を失ってしまいました。さらにマカオの人たちは物の考え方も変わってしまったようです。健康、家族、友情、愛とは対照的に、彼らはお金や地位がすべてに勝ると思っています。この社会が発展しているのか後退しているのか私にはわかりません。私は昔の平穏なマカオが好きでした。一方では、複雑になったマカオについて深く考えさせられることもたくさんあり、それは私の音楽にいろいろなアイデアを与えてくれます。もしマカオが昔のように平穏だったら、社会や世界の問題についておそらくはあまり考える事はなかったでしょう。

(注*外側から見ればマカオはいま、カジノができたりして様々なことが起きつつあり、「もっとも面白い街」といったようなことが言われているけれど、住んでいた人たちにとっては単に「面白い」では済まない変化だということが彼女の答えからは察せられる。東京都民が4度に渡って選んだ男が東京にカジノをつくろうとしているのは、彼が目の敵にしているパチンコ店を壊滅させ、ウソかホントか半島への送金を止めさせたいのが主な動機で、要するに人種差別が発想の根幹にはある。それは東京に「面白い」変化をもたらすだろうか)

8年前にイーヴェイドを結成したきっかけは? 〈4daz-le Records〉というのは、あなたたちのセルフ・レーベル?

ブランドン:最初はソニアと僕が同じバンドで演奏していました。2004年に僕らはダンス・ミュージックのパーティでフェイと出会い、お互いエレクトロニック・ミュージックを作りたかったので、イーヴェイドを結成しました。〈4daz-le Records〉はマカオのエレクトロニック・ミュージック・レーベルで、有名なマカオのミュージシャン(Lobo lp)のレーベルです。僕たちのファーストEPは2009年に〈4daz-le Records〉からリリースされました。

ソニア:私たち3人の相性はぴったりです。みんな音楽が大好きで、音楽を作るのも大好きです。自分たちのやりたい事ができることをとてもラッキーだと思います。

ファーストEPに収録された"シーサイド"では「会社にいて、窒息しそう(In the company,I can't breath)」、"インサイド/アウトサイド"では「外に出たくない(I don't go outside)」「先のことは考えたくない(I don't see the future)」と、追い詰められて死にそうな人たちに思えるのですが、辛い毎日を送っているのですか?

ソニア:私が両方の曲の歌詞を書きました。"シーサイド"は、毎日、オフィスで働いている女性がいつか海辺に行って休暇を取りたいと思っていることを書きました。でも、実際には思っているだけで仕事のせいで海辺に行くことができなかかったのです。"インサイド/アウトサイド"は、自分たちの運命をコントロールできない人たちについて書きました。時々、私たちはなぜこの世界に存在しているのかわかなくなります。たくさんの疑問に取り囲まれていて、たくさんの状況が私たちの心や価値を苦しめます。私たちは自分たちの人生を理解するために「外側」へは行けなくて、ただ漠然と「内側」に留まっているのです。私は本を読んで、人生、死、魂、運命、UFO、昔の宇宙人、神秘的なことなどを調べるのが好きです。自分が書いた曲のどれかがリスナーにちょっと重いと思わせるのは、たぶんそのせいだと思います。

フェイ:僕の意見では、"イエス"と言えます。人生は難しいし、この社会にはうんざりすることがあります。もしこの街で生き延びたいのなら、自分の人生を意味のない仕事や教育に費やす必要があるでしょう...。しかし、悲しいことにそれが高水準な生活をもたらすわけではないのです。たとえ一生懸命働いたとしても。なぜなら、僕たちの街ではすべての物価が狂ったように高いからです。この社会に僕たちはゆっくりと殺されていくでしょう。でも、他に選択がないのです...。

「回避する」というバンド名は逃避的な気分を表していますか?

ブランドン:バンド名は僕がつけました。実のところ、この名前には特別な意味はなく、聴く人の解釈に任せています。

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フェイ

僕たちのサウンドを統一したかったし、「世界の終わり」についての物語を僕たちの考えや文化で語りたかったからです。だから僕たちの母国語である広東語を用いる事がベストな方法でした。

E王
Evade
Destroy & Dream

Kitchen

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自分たちで音楽を始める前はどんな音楽をよく聞いていましたか?

ブランドン:アンビエント、UKベース、シューゲイズなどです。フェネス、スロウダイヴ、ウールリッヒ・シュナウス、ソロウ、ディスクロージャーみたいな(注*ソロウはおそらくネオ・フォークのバンド、ディスクロージャーはUKガラージ)

ソニア:コクトー・ツインズ、ニーサ、オータム・グレイ・ソレイス、ビヨーク、RF&リリ・デ・ラ・モラ、マーゴ・グリアン、レイト・ナイト・アラムナイ、ピアーナ、サマンサ・ジェイムズ、キンブラ、マジー・スター、ファニー・フィンク、キャロライン、ザ・ポストマークス、ケレン・アン、テレポムジークなど(注*ニーサはスペインのポップ・デュオ、オータム・グレイ・ソレイスはアメリカのシューゲイザー、RF&リリ・デ・ラ・モラはライアン・フランチェスコーニが一度だけ組んだジョイント・プロジェクト、マーゴ・グリアンはアメリカのSSW、レイト・ナイト・アラムナイはアメリカのハウス・ユニット、ピアーナはたぶん、盛岡のIDM、サマンサ・ジェイムズもハウス、キンブラはオーストレイリアのロック、キャロラインはたぶん、J‐ポップ、ポストマークスはUSインディ・ロック、ケレン・アンはシャンソン、テレポムジークもフランスのダウンテンポ)。

フェイ:ブロンド・レッドヘッド、デヴィッチ、エリージャン・フィールズ、アスピーディストラフライ、コールドカット、DJクラッシュ、マッシヴ・アタック、ザ・バグ、ゴス−トラッド、クリプティック・マインズ、ブレイケイジ、DJマッド、AM444、サウンドプルーフ、サブモーション・オーケストラ、エイジアン・ダブ・ファウンデイション、スミス&マイティ、ベリアルなど(注*デヴィッチはアメリカのポスト・ロック、エリージャン・フィールズはアメリカのポップ・バンド、アスピーディストラフライはシンガポールのフォークトロニカで、イーヴェイド『デストロイ&ドリーム』をリリースした〈キッチン〉の主宰者、クリプティック・マインズ以下はイギリスのダブステップ、AM444はオランダと上海を行き来するトリップ・ホップ、エミカもイギリスのダブステップ、サウンドプルーフはニュージーランドのハウスでユニトーン・ハイファイの別名義、サブモーション・オーケストラは広義のダブステップ)

ギター・ロックとダブステップを等価に扱い、共存させようとするスタイルは意識的につくりあげたのですか? それとも自然にこうなった?

ブランドン:このスタイルは自然にできてきました。僕たちが新しいトラックを作るとき、最初は自由に演奏してみて、それからトラックのテーマに合うようにアレンジしています。特に僕たちにはルールがないのです。たぶん、あるトラックはアンビエント、ある曲はアコースティック、ある曲はピュアなダブステップのスタイル、またはドリーム・ポップという形になりますが、僕らはただトラックのテーマを決めているだけで、どんな音楽のスタイルも受け入れようと思います。

フェイ:僕もこのスタイルは自然にできてきたと思います。なぜなら、最初、僕たちはどんな種類の音楽を作りたいか良くわかっていなかったからです。だから個人的なテイストやコンセプトをただ合わせてみようとしました。僕たちの中の誰かはドリーム・ポップが好きで、また他のメンバーはシューゲイズが好きで、また他のメンバーはダンス・ミュージックが好きで...。だから僕たちはこの感覚で何か新しいものを作り出そうとしました。そしてそれが最終的にはあなたが聴いている僕たちの音楽になっているのです。

ダブやレゲエの影響は否定できないと思いますけど、好きなダブ・アルバムを1枚だけあげるとしたら?

フェイ:ハイ・トーンかな? 『アンダーグラウンド・ウォッブル』。

ファーストEPが2009年のリリースですから、ジェームズ・ブレイクの影響はないと思いますけど、彼の音楽性に共感はありますか?

フェイ:はい、僕はジェームス・ブレイクのミニマルなスタイルが好きです。彼らのライヴ・パフォーマンスはシンプルだけど、とてもカッコよくて、僕たちのライブパフォーマンスをシンプルにするための良いお手本になっています。

ブランドン:ジェームス・ブレイクの音楽はスゴいですね。彼は、ポスト・ダブステップ、ソウル、エクルペリメンタルなどたくさんのクールなジャンルをミックスして、彼自身のユニークなサウンドを作り出しています。昨年のデビュー・アルバムのほかにも、2010年にリリースされた"CMYK"というトラックは素晴らしかったです。とくに僕たちはUKエレクトロニック・ダンス・ミュージックとエクスペリメンタル・ミュージックの要素に感化されています

広東語で歌ったり、英語で歌ったりするのは、なぜそうしようと?

フェイ:僕たちは最初のEPでは広東語と英語の両方を使っていました。最初は特に明確な方向性を持っていなくて、あれは僕たちのサウンドとテクニックのテストのようなものだったのです。しかし、『デストロイ&ドリーム』ではソニアは広東語だけで歌っています。僕たちのサウンドを統一したかったし、「世界の終わり」についての物語を僕たちの考えや文化で語りたかったからです。だから僕たちの母国語である広東語を用いる事がベストな方法でした。

『デストロイ&ドリーム』がシンガポールの〈キッチン〉から出ることになった経緯を教えてください。

ブランドン:すべては2009年に始まりました。その年の3月にアスピーディストラフライとフリカのアジア・ツアーがあって、僕たちはマカオでサポートをやりました。その縁で、アスピーディストラフライのリックス・アングにファーストEPのマスタリングを頼みました。2010年には〈キッチン〉が僕たちの新作に興味を持ってくれて、それからまたいろいろあって、ようやく今年に入ってリリースされたんです。〈キッチン〉のリックスとエイプリルにはとても感謝しています。

『Destroy & Dream』はいわゆる前作よりもスキル・アップした状態で、完成度の高さを感じます。方向性には初めから迷いがなかったんですね?

フェイ:ありがとうございます! このアルバムでは最初からとてもクリアな方向性を持っていました。昔やったことのあることではなく、なにか新しくてユニークなものを作りたかったのです。前のEPみたいに「テスト」ではもうなく、僕たちの心の中にあるコンセプトがゴールだということに気がつきました。僕たちは心の中に、世界がどのようなものなのかとか、どのように終わるのかを想像した絵コンテがありました。あなたや僕の目の前で世界が崩壊し、破壊されるとき、どんな気持ちになるかということをサウンドを使って描写しようとしたのです。何もできなかったり、何も変えられないときの落胆の気持ちや、ただ死を待つか自殺するしかないときの気持ちなど。このアルバムを作り始める前は、マイクを使って映画や録音からサンプリングをして、自分たちのサウンド・ライブラリーを構築しました。これがこのアルバムの「トーン」を作り出す鍵になっていると思います。

ソニア:歌詞の点から言うと、『デストロイ&ドリーム』は解体と再生について書きました。最初から私たちはみんなこの方向性で固まっていました。このアルバムを聴くオーディエンスたちに人生、世界、宇宙との関係について考えてもらえたらいいなと思っています。

ジョン・ケージを思わせる具体音を頻繁にミックスするなど、主旋律が表現していることとは正反対のイメージを1曲のなかで表現しようとするのはなぜですか? 情報量の多い音楽にしたいということ? それともその方がメロディが引き立つと考えている? フロイトの考え方を表すには適しているように思えましたが。

ソニア:最初に私たちはメロディと歌詞を合わせます。なぜならば、私はいつも曲と歌詞を最初に書くからです。それからフェイとブランドンに曲のコンセプトを話して、フェイがミックスとアレンジをします。

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ブランドン

僕たちはフルタイムのミュージシャンではなく、みんな働いていて、だから実際にこのアルバムを完成させるための時間はあまりありませんでした。でも僕たちがやりたかったことは、細部まで気を配った良質なアルバム作りでした。だから時間の問題に打ち勝たなければいけなかったのです。その唯一の方法は睡眠時間を削ることでした...zzzzzzz

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『デストロイ&ドリーム』を仕上げるまでに最も大変だったことは?

フェイ:僕にとって一番挑戦しなければいけなかったことは時間です。僕たちはフルタイムのミュージシャンではなく、みんな働いていて、だから実際にこのアルバムを完成させるための時間はあまりありませんでした。でも僕たちがやりたかったことは、細部まで気を配った良質なアルバム作りでした。だから時間の問題に打ち勝たなければいけなかったのです。その唯一の方法は睡眠時間を削ることでした...zzzzzzz

ブランドン:僕にとって一番難しかった挑戦は、トラックを何度も調整することでした。トラックができあがるたびに、もう数日、時間をかければこのトラックはもっと良くなるのではないかと思いました。だから、何度も何度も細かく調整していました。

ソニア:私に取って一番難しかった挑戦は解体と再生といったテーマの歌詞を広東語で書くことでした。広東語には9つの音の高低があるので。

韓国のグーゴルプレックスとカナダのピュリティ・リングでは、どっちが気になりますか?

ブランドン;カナダのピュリティ・リング。

ソニア:カナダのピュリティ・リングに興味があります。

フェイ:両方。

クアラルンプールやジャカルタにもいいミュージシャンはけっこういると思いますけど、なぜ、リミックスは3曲とも日本のミュージシャンに依頼したんでしょう? とくにフィヨーネ(Fjordne)のリミックスはフリージャズのセンスを大胆に持ち込んでいて、イーヴェイドにはない雰囲気を出しているのは面白い広がりでした。

ブランドン:マカオに「ピントムジカ(Pintomusica)」 というCDショップがあって、素晴らしい日本のアルバムをたくさん売っているんです。〈プログレッシヴ・フォーム〉や〈ノーブル〉、〈スコーレ〉、〈フラウ〉などの日本のレーベルのアルバムは簡単に見つかります。そういった日本の素晴らしいミュージシャンたちの音楽を僕たちはずっと聴いていたので、日本のミュージシャンにリミックスをしてもらおうと決めました。フィヨーネの『ザ・セッティング・サン』 は素晴らしいアルバムで、彼のジャズからの影響やアコースティック・ピアノ、それからユニークなサウンドスケープを僕たちの新しいアルバムに持ち込むのは面白いと思いました。同じくサーフ(Serph)やオカモトノリアキもリミックスに誘いました。僕たちは彼らのアルバム『ハートストリングス』や『テレスコープ』が大好きだからです。彼らがリミックスをやってくれてとても嬉しかったです。

ソニア:それからフィヨーネのフリージャズは私たちが作リ出すことができないものなので、この曲はイーヴェイドの違う面を表しています。彼にはとても感謝しています!

東京でやったライヴは映像だけ観ましたけれど、暗くてノイジーで様子がよくわかりませんでした。演奏の手応えはありましたか? ちなみにいままでで、どこでやったライヴが最もいい感触を得られましたか?

ソニア:あの時、私たちはまだ『デストロイ&ドリーム』の制作中でした。だから、このパフォーマンスは『デストロイ&ドリーム』スタイルの初期段階のようなパフォーマンスでした。実際に暗くてノイジーな感じを表現したかったのです。

ブランドン:これは僕たちの日本での初ライヴでした。すべての準備やスタッフの人たちもプロフェッショナルでした。ハルカ・ナカムラ、kadan、ミヤウチ・ユリ、Ngatariそして Luis Nanookみたいな素晴らしいミュージシャンたちと同じステージをシェアできて、とても光栄でした。

24時間以内にLAかベルリンのどちらかに移住しなければならないとしたら、どちらを選びますか?

ブランドン:ベルリン。

ソニア:ベルリン。

フェイ:ベルリン。

『デストロイ&ドリーム』は「関係性(relationship)」がテーマだと聞きましたが、なぜそれをテーマにしようと思ったのですか?

ソニア:2009年に黙示録やUFOといった神秘的なことに興味を持つようになりました。人間の魂や生命、死などに。それらについて曲を作りたいと思ったのです。

いわゆる中国からの移民は中国人同士でソサエティを築き上げ、他の人種と交流を持たないと聞きます。あなた方はこうした習慣には反対だと考えていいのですか?

ブランドン:私たちは長年、マカオに住んでいるので、移民の人たちの実際の気持ちについてははっきりとはわかりません。自分たちのここでの経験から言うと、世界には異なる人たちや異なる人種いて、ここではそういった異なる文化が受け入れられています。

アルジャジーラのメリッサ・チャンが国外に追い出された件について意見があれば教えてください。アルジャジーラ・イングリッシュの北京支局が閉鎖されたことにも。この質問はスルーでも可です。

ソニア: メリッサ・チャンさんは素晴らしいジャーナリストだと思います。彼女が中国政府のダークサイドをリポートしこことで、人びとは考えや疑問を持ちはじめました。マカオや香港は幸運で、世界中のニュースや情報にケーブルテレビやチャンネルによって簡単に素早くアクセスできます。一方、これはわたしの個人的な好みですが、電気を生み出すために石油や原子力を使う国々は資源のリサイクルをしないのかとか、なぜ政府はUFOの存在を隠すのかとか、なぜケムトレイルやハープ計画があるのかといった他の問題にも興味を持っています。

歌詞を書く上で制限を感じたことはありますか?

ソニア:私の問題はひとつの曲にたくさんのアイデアを持ち込み過ぎることです。だからそのことに気をつけないと。

いま、具体的に「デストロイ」したいことは?

フェイ:法律、政府、社会のシステム。僕たちが必要なのものは"真の"自由です。(了)

Alex from Tokyo - ele-king

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Alex from Tokyo timewarp ele-king chart 11/2012


1
Brawther-Sexy thing remix (My Love Is Underground) from paris underground trax vol.1

2
Deetron featuring Hercules & Love Affair - Crave (Music Man)

3
Land Of Light-Land of Light (ENESP) LP

4
Free Disco featuring Naive Sound Boogie Band-Ghost Boogie 1977 (curved)

5
Dj Kaos-Crosswindlanding (Jolly jams)

6
Henrik Schwarz-Take words in return (Watergate)

7
Jeff Mills-Sequence (Axis records) COMPILATION

8
Brisa-Stay Gold (aubele)

9
L.U.P.O.-Hell or Heaven (Gigolo records)

10
坂本慎太郎-死者より From the dead (zelone records)

TIMEWARP feat. BRAWTHER @eleven - ele-king

 ジョイ・オービソンやボディカ、あるいはジェイミーXXらUKベース・ミュージックの若手がハウス・ミュージックへとアプローチするなか、ラッシュ・アワーのような長年そのシーンをサポートしているレーベルが活気づいたり、シカゴの巨匠のひとり、シェ・ダミエが脚光を浴びたり、ブラック・ジャズ・コンソーティアムのセカンド・アルバムが時間をかけながらじわじわ広まったり、ディープ・ハウスらしく地味ながらも、ここ数年、ソウル/ジャズ・テイストのハウス・ミュージックが活気づいている(井上薫も新作を出したばかりですよね)。そんななかで、アレックス・フロム・トーキョー率いる「TIMEWARPクルー」がよりによって11月23日に夜にハウスの密会を企んでいる。
 今回は、ロンドンのパーティ・シーンを牽引し続ける「secretsundaze」をはじめ、各国のフェスティヴァルでオーディエンスを沸かせている期待の若き才能、ブラウザー(BRAWTHER)がゲストDJで初登場! 
 日本でのプレイは初となる彼ですが、盟友シェ・ダミエも認める古き良きディープ・ハウスをアップデイトさせたような作品、モダンかつトラディショナルなメロディを共存させたようなプレイから広がるサウンドスケープでオーディンスを魅了する。ファンキー&エクレクティックなアレックス・フロム・トーキョーによるロングセットもお聴き逃しなく!!
 VJもフロアに多数のスクリ-ンをセットし会場一面を異空間に彩ります。ラウンジも「TIMEWARP」フレンズのDJ陣に加え、JMCで活躍中のTomouyki YasudaとDJ Stockがグルーヴ感溢れる空間にエスコートしてくれることでしょう。ファンキーなアーバン・サウンド&ヴァイブスがParis・New York・ London・Tokyoを繋ぐ熱い一夜。ディープ&モダンなダンス・パーティにご期待下さい!

「TIMEWARP- feat. BRAWTHER -」
日時:2012年11月23日(金) 22:00~
会場:西麻布eleven
東京都港区西麻布1-10-11セソーラス西麻布B1/B2
https://go-to-eleven.com/
料金:3,500円 / 3,000円(w/f) /
1000円(first 50 people before 23:30)
★11月生まれの方は入場無料!
(※ドリンクチャージとして1000円頂戴します。
要写真付き身分証明書)

Guest DJ:
Brawther(The Secret Agency/Balance)

DJ:
Alex from Tokyo(Tokyo Black Star/Innervisions/Worldfamous NYC)
Ryo Watanabe(FACE/ESCAPE)
TR(:SYNTHESIZE)

VJ:
SATI. (HUEMM)、 KOCCI & VJ HAJIME

Lounge DJ:
CANA (MOON'S A BALLOON)
Alixkun(Konnekt)
T.B. Brothers
Tomoyuki Yasuda(JMC/WAVE MUSIC)
DJ Stock(WORLD SPIN/JMC)

Photo:
Kenjiro Abe

Food:
OSTERIA SCHUMACHER

https://go-to-eleven.com/schedule/detail/761/2012/11

Produced by :Synthesize inc.
https://www.synthesize-inc.com/

Supported by adidas originals
https://www.adidas.com/jp/originals/

BBH - ele-king

 膨大なレコードからざっくりスライスして、さくさくと展開するところはJディラの『ドーナッツ』を彷彿させるが、『ジ・アルバム』はソウルというよりも『サージェント・ペパー~』の側だ。ヒップホップというよりはカクテル・ラウンジとさえ呼べる。とくに前半は、洒落ている。つまり、フライング・ロータスの新作以上に、こちらのほうがジェントル・ピープルだ。
 そんなわけで、『ジ・アルバム』が『ファンタズマ』や砂原良徳の隣に並んでいても驚かない。アートワークのデザインの方向性次第では、このアルバムはウータン・クランよりもディック・ハイマンさもなければドリーム・ポップのコーナーに分類されていたかもしれない。

 BBHとは、Bushmind + starrBurst + dj Highschoolの3人組で、日本のアンダーグラウンドなヒップホップ・シーンの......もはやベテランと呼べるのだろうか。ブッシュマインドは昨年、通算2枚目となるソロ・アルバムを出している。そのアルバム『Good Days Comin'』では、ラッパーたちの協力のもと、ここではとても書けないある種の真実を描いているが、BBHはそのインストゥルメンタルな展開とも言えるかもしれない。
 彼らは本当にいろいろなところから音を持ってきている。イージー・リスニング、サントラ、レゲエ、パンク、ロービットの効果音......雑多な音のなかから彼らいうところの「サイケデリック」を表現している。ここには、厳しいストリートの生存競争や都会の感傷、お決まりのメッセージやリアリズムなどから遠く離れた、桃源郷的とも言える心地よさがある。たとえば20曲目の"THENEONLIGHTSGLITTERSANDCHANTSTHROUGHTHENIGHT"などは、ソニック・ブームのヒップホップ・ヴァージョンとも呼べるようなもっとも印象的曲のひとつだが、いきなり20曲目に飛ばして聴くよりは、最初から順番に聴いていったほうが良い感じのアルバムだ。

 オウル・ビーツやブン、ブダモンク、フラグメントイーライ・ウォークスなどなど、2010年はドイツのレーベルが、そして2012年はフランスのネット・レーベルが日本以上に日本のビートメイカーを評価しているかのようなコンピを発表、オリーヴ・オイル以降の......と呼ぶのが的確なのかどうかはさておき、ビート・シーンにはたくさんの才能がごろごろしているようだ。他方では、クロックワイズも再活動すると宣言しているし、女性ビートメイカーのクレプトマニアックにも他ジャンルからの注目が集まっている。メインストリームではDJフミヤが楽しいアルバムを発表したばかりだ。そういうなかにあって、BBHは、他の誰とも違った、温かくドリーミーなアプローチを見せている。やや幻覚気味のイージー・リスニングだと思う。ある意味、いままでブッシュマインドとは縁のなかったリスナーにこそ聴いてもらいたい。

DJ mew (恥骨粉砕) - ele-king

2012.12.15 恥骨粉砕@Star Pine's Cafe!!!!!
久々やります!皆様どうぞよろしくお願いします!
more info https://chikotsu-funsai.tumblr.com/
blog https://djmew.exblog.jp/

今秋のベストヒット 2012.11.07


1
Laid Back - Cosyland - Brother Music

2
Traxman - Itz Crack - PLANET MU

3
LV feat. Ruffest - Ultando Lwaka - Hyperdub

4
Junip - Howl - MUTE

5
blur - She's So High - EMI / PARLOPHONE

6
Jon Hassel - Toucan Ocean - Lovely Music

7
Coldplay - High Speed - EMI

8
DJ Krush - 蒼い雨 - Es.U.Es Corporation

9
Nick Cave & The Bad Seeds - Red Right Hand - Mute Records

10
DJ Rashad - Kush Ain't Loud - Lit City Trax

Chart Meditations 2012.11.12 - ele-king

Chart


1

Andrew Chalk - 狂詩曲の波間に浮かぶ四十九の風景 (Faraway Press)
英ドローンの重鎮Andrew Chalk待望の新作は、なんと49のランドスケープを49曲で表現した54分に渡る至福のラプソディー集。現実世界が薄らいでいく事間違いなしの紛うこと無き傑作です!

2

Bernard Gagnon - Musique Electronique (1975-1983) (Tenzier)
Xenakisに師事していたカナダの電子音楽家によるコンクレート集。どれもこれも鋭利な金属摩擦のようで完成度が凄まじい。間違いなく2012年の重要発掘作でしょう!

3

Cut Hands - Black Mamba (Very Friendly)
アフロノイズ・プロジェクトCut Hands待望の2nd。重い打撃の岩石パーカス、暗黒アフロな辺境リズム、髪が逆立つ鋭いノイズはここでも炸裂。アンビエント要素も増えて更に暗黒界を制覇してます!

4

Twinsistermoon - Bogyrealm Vessels (Handmade Birds)
世紀末ドローンと、男性の声とは思えない程にボーカルの甘さが際立つフォークを演奏する仏作家の新作。混沌と至福の境界線が曖昧になって深くなってます! ジャケも素晴らしい。

5

Sympathy Nervous - Plastic Love (Minimal Wave)
ここMWにより再評価が高まった国産シンセポップ・ユニットの編集盤第2弾。80sテクノポップにテクノの原型やインダストリアル、日本語詞と、電子音が跳ねまくる絶妙な格好良さです!

6

Bee Mask - Vaporware / Scanops (Room40)
奇跡の来日も記憶に新しい電子音楽家Bee Mask。長尺2曲構成にて、宇宙の漆黒や星々の光を巻き付けながら神秘的な電子音がグングンと上昇。抜群のSF世界を構築しています! 完成度高いです。

7

V.A. - Tomorrow's Achievements - Parry Music Library 1976 - 86 (Public Information)
カナダの電子音楽レーベルParry Musicの音源集。瑠璃色にの柔らかいアンビエンスや近未来/宇宙色なロマンスが備わった展開でどれも高品質。OPN以降のアンビエント時代にガッツリ食らいつく1枚です!

8

Discoverer - Tunnels (Digitalis Recordings)
カセット1本出したっきりだったシンセシストですが、これがどっこい人気のレーベルから好作を発表。出す音1つ1つから近未来の町並みが出来上がって行くようなロマンス、宇宙リゾートな日差しが広がる抜群の心地良さです!

9

V.A. - The Instructional Media Guide To Mindful Internet Exploration (Instructional Media)
南国ニューエイジな世界観で、一部のカセット狂に大きな爪痕を残したレーベルの第2作。レーベルの代表作家Mother Gangやそのうち大きなレーベルからデビューしそうなMagic Eyeなどなど。ここは装丁が良いです。

10

Diseno Corbusier - El Alma De La Estrella (ViNiLiSSSiMO)
スペインのニューウェーヴバンドの86年作が再発。脱力奇怪ボーカルと太いミニマルシンセが暴れる1曲目が素晴らし過ぎます。近年のこの手の再発の中でもかなりキレた1枚でしょう!
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