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Shifted - Colour Of The Fall - Mote Evolver |
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IORI - Moon - Phonica White |
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Morphosis - Silent Screamer - Delsin |
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DB1 - Vanguard - Hidden Hawaii |
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Demdike Stare - Demdike Stare Meets Shangaan Electro - Honest Jons |
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IORI - Spread - Phonica White |
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Magic Mountain High - Untitled - Workshop |
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MM/KM - 6 Track Mini - The Trilogy Tapes |
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Architectual - Looking Ahead - Semantica |
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Madteo - Very Sweaty Palms (Kassem Mosse Remix) - Meakusma |
日常における割り切り、葛藤、小さな喜び、ささやかな発見、あるいはベッドルームでのジレンマ、うんざりするようなナイーヴィティ、そしてダンス・フロアがもたらすキラキラの恍惚を詰め込んで......ポップ・ミュージックはやがて、マジックへと変貌する。これはその、社会的には何の役にも立たない魔法の一つである。さあ、何か新しいことをはじめよう。この眩しさが、誰かに終わらされてしまう前に――。
サイダーの泡がはじけとんだら
透き通る風が吹いた気がした
キャッキャはしゃいで廻る子の声が
蝉の音とぶつかり合う夏
"サマースペシャル"
エモーショナルなヴォコーダー・ソウル、"S.U.B.urban"で幕を開けるオノマトペ大臣(@onomatopedaijin)の『街の踊り』は、ウェブ・レーベル〈Maltine Records〉のカタログ・ナンバー「098」にラインナップされている。同レーベルの他のアップロードに、新世代によるフリー・フォームなビート・ミュージックが多いことを差っ引いても、一つのボーカル・ポップスとして、『街の踊り』はずば抜けて親密なヴァイブレーションを放っている。
すでにアンセムとしての雰囲気が漂うシティ・ポップ"サマースペシャル"は、個人的にも100回以上聴いたニュー・クラシックだが、この国のアーバン・クラシックを速めに回すエアリーなディスコ・ビート、バルーンを飛ばすようなキュートな電子音、そのスムースな展開に一味加える元ネタのブラス・サンプル、そしてさりげないドゥーワップ・コーラスが4分間のマジック・ポップを賑やかに彩っている。オノマトペの少年期と青年期の境界をうろつくようなフロウ/歌にマッチした、この何とも絶妙なゆるふわトラックは、クレジットによればDJ CAROLIECUT(@tnhrk)による大金星で、大げさではなく、音楽業界の氷河期に産み落とされたゼロ円音楽が、少なくともそのポップ・ミュージックに対する愛情の深度において、メジャー・レーベル・ミュージックになんら劣るものではないことを証明している。ちなみに、DJ CAROLIECUTによる"水星"のリミックスも彼のSound Cloudで聴ける。
一体何に誘われてここまで来たのか
随分遠くに来ちまった
だだっ広く 抜ける青空
目的地も知らずに進む道
"CITY SONG"
そして、次なる決め手は、こちらもやはり100回以上聴いた"CITY SONG"だ。軽快なハンズ・クラップ、重量感のあるベースと鍵盤のループが大胆にリズムを刻むメランコリックなトラックは、盟友・トーフビーツ(@tofubeats)が手掛けるもので、シャウト気味の発声になった途端、青年の中で助けを待つ失われた少年のような、エモーショナルな雰囲気を急に帯びるオノマトペの独特のヴォーカリゼーションとは流石の相性を見せている。そして、照れや戸惑いなどなしに、どこまでも感情に流れていく実直な詩作も、そよ風のような軽さを見せた"サマースペシャル"とはまた違った、ブリリアントな魅力を備えている。ほぼすべてがパンチ・ラインだが、平日/昼の仕事、そして夜/週末の解放という二重生活、あるいはなぜ私たちが凝りもせずに音楽という夢に魅せられ続けているのか、その謎に捧げられた言葉として、兼業音楽家が珍しくないいまにおいて、極めて同時代的な、瑞々しくもスタンダードな想いを叫んでいる。
さて、野田努が言うところの「歌詞マニア」、それをもう少し柔らかく「ヴォーカル・ポップの愛好家」と訳すのなら、そんな私を限りなく遠くまで連れ去るのは以上の2曲だが、しかし〈Maltine Records〉の総力は、むしろこの他の楽曲でこそ発揮されている。ラパン(Lapin)による、4/4ビートの上で激しい明滅を繰り返すような、エグいほどのエディットが利いた金属的なシンセ・ループが気持ちいい"FRIDAY NEW ONE"、そして、三毛猫ホームレスの柿本論理(@mochilon)がトラック・メイク/フィーチャリング・ヴォーカルも務めた、あらゆる楽観を頭から追い払うような悩ましいダウナー・ハウス"Sence of Wonder"と、23分というランニング・タイムながら、音は多様に遊びまわり、聴きごたえは十分だ。
末筆となったが、2011年にダウンロード・リリースされたこのEPは、来たる5月中旬、〈JET SET〉からヴァイナル・リリースされることがすでに発表されている。グッド・ニュースだが、それだけじゃない。トーフビーツ"水星"のバズを祝う〈suisei is high〉を、私はUSTREAMを通じてしか見られなかったが、それはラップトップ越しに見ても、馬鹿みたいに感動的な光景だった。このEPで描かれているような、どこか「ここじゃない場所」に行きたい、でもなんら明確な目的地を持たない、それでいてそこに苦しさを感じることなく、今いる場所で思いっきり笑うことができる、そんなコミュニティを持った男たちの素晴らしい夜に見えた。当たり前の話、終わっていく音楽もあれば、始まっていく音楽もある。それを自分の目で見定めるには、いまは決して悪くはない時代だ。あなたが今、何歳であって、どこでどんな暮らしをしているかは関係ない。無論、業界のせいでもない。私が決めることでも、ない。ポップ・ミュージックは終わったのか? 音楽の魔法はもはや昔話なのか? それはいつだって、あなたの耳だけが決める。
They wanna dance dance with dream.
Fly me,Fly you to the new moon.
"サマースペシャル"
「佐藤」と名乗るぶっきらぼうな佐藤 文:水越真紀
きのこ帝国渦になる DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT |
佐藤。......なんてぶっきらぼうな名前なんだ。しかもすばらしく反時代的だ。なにしろ検索できないじゃないか。これじゃフェイスブックにだって登録できない(たぶん)。ざまみろフェイスブック、ざまみろグーグル。と、他人のふんどしで罵ってみた。いかんせんフォロワーとストーカーとCCTVの違いがわからず、いまだ番外地に暮らす私なのだ。
それはともかく、きのこ帝国のソングライターでヴォーカリストでギタリストの佐藤だ。その声は「佐藤、なるほど」と頷かせられる素っ気ない、ユニセックスで透明な、同時に「これが(あのぶっきらぼうな)佐藤?」(あの、と言っても面識はないが)と言いたくなるようなウェットな声で、それが時折切なく歪み、聴いてる私の目の上辺りをぐさりと突き刺す。その声がメランコリックなメロディとナイーヴなつぶやきを連れて来る。
ところでまた話が逸れて心苦しいのだけれど、ちかごろ日本という「絶望の国」で若者たちは幸せなんだと言われている。ほんとなの? 「幸せ」と「お幸せ」は違うんだよなんて、私はフォローもフォロワーもいない虚空につぶやく。私が感じるところでは、私の属するこの世のなかでは寛容と不寛容が奇妙に入り組んで増大している。その寛容と不寛容がもたらす自由と不自由の数は結局のところ30年前と変わっていないのではないか? 寛容と不寛容は次第に馴れ合い、それぞれのパワーは減退している。セーフティネットと呼ばれる管理の網の目は細かくなり、寸止めの寛容と不寛容が真綿で首を絞めてくる。
佐藤のつぶやく、あるいは弾む、ときに小さく叫ばれる言葉は、距離感、というものを想起させる。それはストイックな距離感だ。
「許せない言葉もやるせない思いも/いずれは薄れて忘れてゆくだろう/でもたまに思い出し、お前に問いかける/憎しみより深い幸福はあるのかい」"退屈しのぎ"、「許されたいけど許せないから/誰も愛してくれない、君はそう言うだろう」"The SEA"、「復讐から始まって終わりはいったいなんだろう/償い切れない過去だって決して君を許さないよ/それでもやるしかないとか、それもエゴだって話」"夜が空けたら"と、収録された7曲にこんなに許す許さないって話が出て来る。いったい誰が誰を許さないのか? 誰のどんな行為が、許されないほどの罪なのか? あるいはこれは先鋭化した承認問題とも言えるのだろうか?
繰り返し現れる、どこか宗教性をかんじさせるこの観念が、宗教的であるが故に日本人が余り使えない、使いたがらないこの言葉が、佐藤を世のなか(ソーシャル)から浮き上がらせている。この不寛容がフォロワーあるいはCCTVが日々どこかで見せる待機型突発性不寛容(あるいはその裏腹にある過剰なまでの寛容)とは異質に見えるのは、直截的な言葉遣いだけでなく、それが向かう方向が、いつでも(経由を含め)自分自身に向かっているからだ。どこにも流れていくことのない観念が、渦巻くほどのエモーションの出口を求めて佐藤の視線を空へと向けさせる。埋められない、埋めたくない、埋めようとしない距離感を見失わせる渦、あるいは空を見る時に襲うめまいの感覚が、そのサウンドと相まって臨場感となっている。
「佐藤」と名乗るぶっきらぼうな佐藤の、つぶやきのようなヴォーカルから溢れてくる、捨てられないエモーションが、私を過去のさまざまな時間に引き戻す。「悩んで悔やんで迷って息して/生きる意味を探している/探してゆく」なんてね、ちょっと人前ではつぶやけないさまざまな時間に......。
文:水越真紀
[[SplitPage]]言葉を拾え、歌という夢を見よ 文:竹内正太郎
きのこ帝国渦になる DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT |
許せない言葉も やるせない思いも
いずれは薄れて忘れてゆくだろう
"退屈しのぎ"
強い歌声だ。ギターの壁をどれほど厚く、要塞のように築いても、その強い声は聴き手の耳をハッキリと捕まえる。ヴォーカルの佐藤は、無用な女性性を排したような透明の歌を、冷たく歌い込んでいる。あるいはとても無表情のようにも聴こえるが、単に絶望や達観とは言い切れない危うさ、声のうつろい、それを伝播する空気の揺れ、その微妙なニュアンスが生々しい。それは厳かでさえ、ある。触れては崩れてしまいそうなか細さを持つ一方で、それは何者をも寄せ付けない強い意志を示すかのようだ。アルバム冒頭、ポスト・ロックを通過した後のスマッシング・パンプキンズ・スタイルを確立する"WHIREPOOL"で、嵐のようなディストーション・ギターのなか、きのこ帝国はそのヴォーカリストの魅力を披露する。「いつか殺した感情が/渦になる/渦になる」"WHIREPOOL"
4人から成るバンドの演奏も、ヴォーカリストの迫力に見劣りしない力強さを湛えている。ナンバー・ガールを彷彿させるソリッドなギター・プロダクション、ポスト・ロックめいた静寂と喧騒の大胆なスイッチング、硬くて脆い、スローコア/サッドコアのガラス細工。また、残響するほどの轟音の中にも浮遊感が残るのは、シューゲイザーからの影響だろうか。彼らはたしかに、俯いている......が、その目は大きく、シリアスに開かれている。例えば、微睡むようなベッドルーム・ポップの羊水めいた甘さや、(何かしらの意図があるとしか思えない、その独特のネーミング・センスから比較するが)ゆらゆら帝国ないし坂本慎太郎のような笑い、諧謔の手さばきは、ここにはない。純文学の短編のようなタイトル・センスも、バンドの神経質な性格を表しているようだ。
最近は髪も爪も切らず 復讐もガソリン切れさ
なんにも食べたくないし ずっと考えてる
"夜が明けたら"
いくらポスト・モダンが徹底化されたと言っても、十代という季節に否応なく自意識を募らせてしまう人間が、ふと、生きることにはやはり意味などないのだということを受け入れるには、それなりの時間を要する。そして、その空虚さに対する初動的なリアクションが、仮に自嘲か/自虐か/自傷かに揺れるなら、彼らは間違いなく自傷に近い場所にいる。ダーク・ポップのメロディで歌われる、不安や罪の意識。それは赦しのない夜に、深く沈んでいく。だが、きのこ帝国は、そこで望みを絶つための表現ではない。虚しさに傷つきながら、自閉・自傷に傾いていく過敏性は、いわゆるポスト・ロックがゼロ年代の前期に求めた人工性、形式性に一定の共感を示しつつも、また言葉を拾い、歌(物語)という傷つきやすい夢を見ようとする。クライマックスとなる"夜が明けたら"、それは、虚しさを抱えながらも、許される限りの温かい場所を求めていく罪人の歌だ。
もっとも、サウンド・プロダクションが画期的に斬新かと問われれば、私の返答はいささか鈍るのもまた事実である。共同プロデュース/レコーディング/ミキシングに関わる益子樹が、角の立った音の塊を見事にトリートメントしているが、より直接的で個人的な世界を望む人には、青葉市子ともリンクするような佐藤の弾き語りプロジェクト、クガツハズカムも準備されている。真価を問うには、私は彼らをまだ知らなすぎるが......驚くべきことに、恐らくは筆者と同年代であろう彼女ら/彼らは、決して性愛を扱わないのだ。彼らが抱える原罪のような悲しみ、それは例えば、ラッドウィンプスのようなバンドが恋愛的に自己治癒した種類のものとは、ずいぶんと様子が違っている。彼らはある程度、その暗がりに親しみを持っているのだ。それでも、"足首"における浄化されるような清らかさを前に、私は思った。これはあくまでも予感のようなものに過ぎないし、馬鹿にしているのかとひんしゅくを買うかもしれないが、きのこ帝国はそう遠くない未来に、聴く者が震えるような最高のラヴ・ソングを生むだろう。
文:竹内正太郎
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CompumaSomething In The Air
Something About Format
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ニューエイジ......という言葉は、1970年代は、ポスト・ヒッピーの少々スピリチャルなタームで、お香、鉱物、古代神話......一歩間違えるとムーの世界に足を踏み入れてしまうというリスクもあるのだが、他方ではCRASSのストーンヘンジ・フェスティヴァルのような、ヒッピー・アナキストへも繋がっているように、実に幅広い意味を持っている。
ここ数年、"ニューエイジ"と呼ばれる音楽が広がっている。が、意味する内容は昔とは別物だ。今日言うところのニューエイジとは、アンビエント/ドローン/IDM/フィールド・レコーディングなど、新しい傾向のエレクトロニック・ミュージック全般に使われる。OPN、エメラルズ、プリンス・ラマ、ジェームズ・フェラーロ......までもがニューエイジだ。拡張された音楽性は、最近のインディ・シーンにおけるひとつの傾向で、先日のグルーパーのライヴでも感じたことだが、新時代のニューエイジ的な感性は日本でも顕在化しはじめている。
こうした新しいモードを鋭く捉えているのがコンピューマの『Something In The Air』だ。もうとにかく......今年に入ってから出たこのCDの評判ときたら......多く人たちから「聴いた?」と訊かれている。それはミックスCDというよりは、一種のカットアップ・ミュージックで(ザ・ケアテイカーのようでもある)、音源を使った音楽作品として成立している。アンビエント/ドローン、フィールド・レコーディング、現代音楽や古いジャズ、いろんな音楽が使われている......が、それらは『Something In The Air』というタイトルのように、音の粒子が大気中に舞っていくように感じられる。いま話題の男、コンピューマこと松永耕一にご登場願いましょう。
聴こえたり聴こえなかったり、聴くことを忘れてたり、でもいいというか、なるべく聴き疲れしないようなコンセプトというか......アンビエントや環境音楽的でもあり、まったくその逆とも言える。
■お元気っすか?
コンピューマ:おかげさまで元気にしてます。
■ふだんはレコード店の仕入れとかやってるんですよね?
コンピューマ:そうなんです。いろんな音楽にまつわる仕事をさせていただいている中で、大阪の〈Newtone Records〉で、いち部分をバイヤーとして担当させていただいてます。それと店番&コーヒーその他で、渋谷の〈Elsur Records〉でお世話になってます。
■いま出回っているCD、『Something In The Air』がいろんなところで評判になっていますね。会う人、会う人に、「あれ聴いた?」、「レヴューしないの?」と言われるんですが、ホントに良いですね、これ(笑)!
コンピューマ:ありがとうございます!
■家でよくかけていますよ。息子が宿題をしているときなんか、何気に音量を上げたりして(笑)。
コンピューマ:わー、いいですねー。うれしいです。ということは、息子さんの宿題の効果音楽にもなっていると(笑)。
■集中力が高まると言ってましたね。それはともかく、そもそもどんなコンセプトで作ったんですか?
コンピューマ:んー。なんというんですかね。タイトル通り、空気のような、空気の中に紛れ込みながらもどこかでその存在に気付くというか、音楽なんだけど音楽でなく、音というか、作り手としての意思は強くあるんですが、その存在に気付く人も入れば、気付かない人もいていいというか、なんとなく感じたり、ものすごく集中して強く感じたり、ときによっては、聴こえたり聴こえなかったり、聴くことを忘れてたり、でもいいというか、それと、なるべく聴き疲れしないようなコンセプトというか......アンビエントや環境音楽的でもあり、まったくその逆とも言えるし、いやー、言葉にすると難しいですね。とにかく、なんかわかりませんが、ミックスするときに、ものすごい集中力が出せたように思います。その上で今回は、あの収録時間が限度でした。
■ぶっちゃけ、ミックスというよりも、グランドマスター・フラッシュの「The Adventures Of Grandmaster Flash On The Wheels Of Steel」じゃないですけど、カットアップ・ミュージックっすよね。
コンピューマ:光栄すぎます。
■使っている曲は、新しいのから古いものまでいろいろ?
コンピューマ:そうですね。昔の音源から、いまのものまで使ってます。
■どちらかと言えば、古いものが多い?
コンピューマ:いや、半々くらいでしょうか。
■でも、最近のアンダーグラウンドな動きに触発された部分もあるでしょう? いまの感じをうまく捉えていると思った。
コンピューマ:それは嬉しいです。正直、個人的にはめちゃくちゃ触発されたということはあまりないのですが、仕事柄USやヨーロッパを中心としたアンダーグラウンドでの過剰なシンセサイザー音楽のブームといいますか、電子音楽、アンビエント、ニューエイジ再燃&カセットテープ・リリースの復活ブームや新旧の傑作のアナログを中心としたリイシューなどなどはチラリ横目で見ながら、90年代から2000年代はじめまで頃の、当時のWAVEや渋谷タワー5Fでのバイヤー時代をあらためて思い出して「へぇー。いまこんなことになってんだ。そうなんだ! なんか嬉しいな!」とか思ってました。そんななかで、いまだったら、今回リリースしたような内容のミックスも、あらたな提案というか、自分のなかでいろいろと経た流れの中で、あらためて今の時代の感覚で聞かれたり楽しまれたりするかも!? とかイメージしはじめたところはあるかもしれません。
■マーク・マグワイヤまでミキシングしているんですよね。エメラルズみたいな若い世代のアンビエントもチェックしている?
コンピューマ:2~3年前くらいでしょうか。マーク・マグワイヤの存在を知ったのは、実はエメラルズということを知らないで仕事上でのインフォメーションをあれこれチェックしてたらひっかかって、フォーキーながらマニュエル・ゲッチングみたいな浮遊感とミニマル感覚と、ソフトなサイケデリック感覚が面白いなと思ってて。そこからです。
■ここ数年、アメリカの若い世代から、やたらこの手の音が出てくるようになったじゃないですか。面白いですよねー。
コンピューマ:本当に多いですよねー。なんだか盛り上がってますよね。でも、不思議なのは、自分的には当時はなんというか、ニューエイジという言葉の響きにはものすごく抵抗があって、あまり好きでは無かったというか、あの独特の匂いを音で感じると拒絶するところがあったのですが、時代を経て時代もかわり、自分もかわり、まわりもかわり、世代もかわり、ニューエイジという捉え方もかわったように思います。
そういえば、こないだBINGさんこと、カジワラトシオさんともそんなような話をしたのですが、そのなかで、いわゆる現代においての癒し的なニューエイジの代表レーベルの〈ウィンダム・ヒル〉だって設立当時は、アメリカン・ルーツからの発展としてのあらたな音楽の探求というか、ジョン・フェイヒーやロビー・バショウの音楽をお手本にスタートしてたと思うんですよね。あのジョージ・ウィンストンのデビューもジョン・フェイヒーのレーベル〈tacoma〉のはずですし......。
■なるほど。たしかにこの動きは、ジョン・フェイヒーの再評価と重なってますよね。
コンピューマ:10年ほど前の新たなジョン・フェイヒーの再評価はある種、それとは真逆のところからの再評価だったというのも面白かったですよね。それを考えるとニューエイジという漠然としたジャンル(捉え方)というのは、作り手も、その時代ごとにその時代のニーズに合わせて変容していくことで、その時代時代の聴き手に楽しまれているのかな、とか思ったり、だから時代によってニューエイジの印象というのは変化していっているのかなとか勝手に思ったりしてます。とくに〈NOT NOT FUN〉などに代表されるいまの若い世代からのニューエイジ・ブームというのは、いわゆるレアグルーヴの再評価再注目のジャンルがニューエイジにまでたどり着いた果てなのかなとかとも思ってます。ニューエイジ的な精神性とかいうよりも単に面白がっているというか、ニューエイジというお題であれこれ遊んでいるようにも思います。あくまで個人的な想像の意見ですけど......(笑)。
■アメリカに行った友人がびっくりしてたんですが、サン・アローの人気がすごいと(笑)。あんな音楽がアメリカでリキッドクラスのハコでソールドアウトになってるってすごいよね。ほかに、とくに気になった作品やアーティスト、います?
コンピューマ:そうですね。〈DIGITALIS〉レーベルのいくつかの作品や、話題のワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(OPN)の『レプリカ』や、少々前ですが、エメラルズのジョン・エリオットのソロのアウター・スペース名義や、フェリックス・クビンの新作の電子粒の音の良さや、UKベース&テクノのレーベル〈SWAMP 81〉などなどのエレクトロを通過したいくつかの作品での音作りや立体音響的なミックスの進化と深化にいまを感じます。
[[SplitPage]]若い世代からのニューエイジ・ブームというのは、レアグルーヴの再評価再注目のジャンルがニューエイジにまでたどり着いた果てなのかなとかとも思ってます。ニューエイジ的な精神性とかいうよりも単に面白がっているというか。
CompumaSomething In The Air
Something About Format
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■ところで、『Something In The Air』を4つのパートに分けたのは、どんな理由がありますか? それぞれテーマがあるわけですよねえ?
コンピューマ:実は今回のこのミックスは、もともと分けるつもりはなくて、ひとつの作品として作ろうとしてました。なので録音も一気にラストまで一発録りでした。4つに分けたのは、単純に聴く人が、このくらいに分かれてたほうが聴きやすくなるだろうな。と思ったことくらいでして。最初はもう少し細かくサウンドイメージの変化する場所場所でポイントしようとも思ったりしたんですが、最終的にはこの4つのこのポイントくらいがちょうどいいように思って、この4つのパートに決定しました。
■『Something In The Air』というタイトルはどこから来たんですか?
コンピューマ:今回は自分なりに漠然とですが、何か、よりどこか普遍的なものを目指していたところがありました。去年のある時期、なんとなくダンス・ミュージックに疲れていた時期もあって、いろいろと好きな音楽のなかで、今回はダンス・ミュージックでない側面で何か形作れないかな~と考えてました。よりアダルトというか、オトナというか、自分もおっさん真っただなかなんで、そんなおじさんからの音楽の楽しみ方のひとつの提案というか、より世代やジャンルを超えていろいろな人に届けられたらなと思いまして......そんななかで、自分にとって伝えたい音や音楽のサウンド・イメージのひとつの形として、音と音楽、そして間とゆらぎ、音は空気の振動というか、聴こえるけど見えない。という、空気中の見えない何か、みたいなものをイメージしていくなかで、普段生活している、生かせていただいている環境で何げに呼吸して循環させている「空気」のことをあらためて考えてみて、空気の存在って? みたいなことをじんわり考えていたなかで、昔好きだったサンダークラップ・ニューマンの同タイトルの名曲を思い出したり、できあがった五木田智央さんの絵を見て、最終的に直球ではありますが、このタイトルに決定しました。ホント、過去の先人の方々がいろいろと使い続けている普遍的なクラシックな言葉ですしね。
■1曲目の最後なんか、フィールド・レコーディングの音がやたら入っていきますが......。
コンピューマ:そうですね、フィールド・レコーディングものは、あれこれずっと好きで、いままでいろいろと楽しませてもらった作品のなかで今回効果的だと思ったものを1曲目に限らず、いくつか使用させていただきました。
■松永君の人柄の良さがそのまま展開されているというか、ある種の平穏さを目指したってところはありますか?
コンピューマ:んんん。実のところは、平穏さを目指したところは余り無く、自分的にはいろいろな厳しさも含めたあれこれを経ていく流れというか、過程をありのまま出せればと思って、ただ、ラストにはある種の着地感というか、日本語という言葉を響かせたかったというのはあります。いやー、言葉にするのは難しいですねー(笑)。
実は、今回のこの「Something In The Air」にはパート2のミックスもあって、今年2月末に〈VINCENT RADIO〉に出演させていただいたときのライヴ・ミックスで、その音源をサウンドクラウドでフリーダウンロードという形で発表してみたんです(現在はダウンロードはできませんが、聴くことは可能です)。
内容は、パート1のミックスCDのなかに同封させていただいた1枚の絵。それはジャケットの絵とは違う、淡いピンク色を基調とした絵が印刷されていたのですが、この作品も五木田智央さんによるもので「Something In The Air」の音にインスパイアされて誕生したもうひとつの作品だったんです。それで、このパート2では、ミックスCDとは逆に、自分が、この五木田さんのもうひとつの絵からインスパイアされることによってあらたな音世界を作り出してみようと思いミックスしたものなんです。こちらの音源のほうがなんというか、より何も起らないといいますか、平穏的なイメージはあるかもしれませんね。
■へー、僕は、すごく気持ちよく聴いているんだけど......やっぱ渋谷のタワーレコード5階の伝説の松永コーナーっていうのは大きかったんですか?
コンピューマ:伝説ではないと思いますが、WAVEや渋谷タワーでの当時の経験は、そうですね。大きいですね。自分もそんな詳しいわけではありませんから、毎日毎日出会う音や音楽、そして人が新鮮でした。
■松永君にとってのドローンの魅力って何でしょうか?
コンピューマ:なんでしょう(笑)?
■クリス・ワトソンのソロが良かったって言ってましたが、具体的にはどんなところに感銘を受けたのでしょうか?
コンピューマ:存在はもちろん、フィールド・レコーディングものとしてのテーマ設定、聴こえてくる音の作品としての面白さ、オーディオ的音響としての素晴らしさはもちろんなんですが、最新作の『El Tren Fantasma』に関しては、コメントを寄せてたアンドリュー・ウェザオールと同感で、まさにこの電車の音にソウルやファンクを感じました。
■それにしても、スマーフ男組からこんな風な展開を見せるとは......、自分のなかで何か大きなきっかけでもあったのでしょうか?
コンピューマ:これはホントなんですが、実は自分のなかでは、ある時期からずーっと繋がっていたんです。大好きなヤン富田さんの影響もありますし、ADSやスマーフ男組をやってるときも、たまにこんなような表現をさせていただく機会もあったにはあったのですが、なかなか表には出る機会が少なかったといいますか。でもあの時代にひっそりとあれこれ模索していたことが、今回の作品に大きく繋がっていると個人的には思ってます。
■4曲目の最後に入る日本語の曲は?
コンピューマ:「ほい」の"咲雲"という曲です。元HOI VOO DOO。たしか2000年くらいに、ほい名義で唯一リリースした7インチなんです。リリース当時から大好きだった曲で、自分のなかで何年かに1回の大きな周期で聞き直し浸透させる自分のなかのスタンダードな曲なんです。制作するときに、今回ラストに入れたいと思っていた曲で、あの曲を最後にかけるため、あそこまでたどり着くまでにそれまでをミックスした、とも言っても過言ではない。というくらい重要な曲でした。あの曲の雰囲気、世界観や歌詞も含めて、インスピレーションというか、何かサムシングをいただきました。
■この境地は、自分の年齢や人生経験とどのような関係あると思いますか?
コンピューマ:んー。歳を経たんですかねー。もっと若かったり、歳をとっていたり、年齢違うときに、まったく同じ音素材を使ったとして同じミックス部分があったとしても、おそらく印象が違ってくるんでしょうね。きっと。おもしろいもんですねー。
■そもそもDJをはじめたきっかけは何だったんですか?
コンピューマ:時代を含めて、リスナーからの自然な発展でした。
■いつからやっているんですか?
コンピューマ:ちゃんとお金をいただいてお店でやらせてもらうようになったのは、たしか92、93年くらいじゃなかったかなー。西麻布の〈YELLOW〉の裏あたりにあった〈M(マティステ)〉ですね。当時の職場WAVEの福田さん(現kongtong)と井上くん(chari chari)に誘ってもらったのがはじまりです。
■エレクトロに入れ込んでいたのは、世代的なものでしょうか?
コンピューマ:もちろんです。ですが、いまだにその心意気は色褪せてないのが面白いです。
■いまでもヒップホップは聴いている?
コンピューマ:かなり偏っていると思うのですが、好きです。聴いてます。
■コンピューマという名前は、どこから来たのでしょう?
コンピューマ:言うなれば、「コンピューターの頭脳とピューマの俊敏さを兼ね備えた男」ということでしょうか(笑)。
■はははは。最近のDJはだいたいこんな感じなんですか?
コンピューマ:今回のCDをリリースしてからは、あの世界観をより発展させていきたい気持ちも強いので、ノンビートやアンビエント、ドローンにもこだわらずに模索してる最中です。
3月の終わりにリリース記念イヴェントということで、今回のミックスの世界観の映像含めた体験というテーマで、D.I.Y.なアイデア溢れる3人組VJチーム、onnacodomoさんとともに音と映像のセッションをして、会場の幡ヶ谷フォレストリミットさんの大きなスクリーンに映し出し&映画館ばりの音響で音で流したんですが、相当おもしろかったです。迫力でした。あの感じも、もっと、より多くの皆さんに体験していただけたらなー。とか思ってます。そしてつい先日、東高円寺の〈グラスルーツ〉で別ヴァージョンの発売記念イヴェントとして、この時はよりダンス・ミュージック的世界にも通じるような展開をイメージして、DJ ノブ君とBINGさんことカジワラトシオさんと共にトライしてみましたが、この日も新たな感じというか、1回だけで終わりでなく、ぜひこれからも続けていって、こんな音楽世界を知らせていきたくも思いました。
■ぜひ、お願いします!
コンピューマ:とはいえ、自分のなかでいろいろ他も楽しい音楽世界は広がっているので、呼んでいただけるパーティ、イヴェントによって、アレコレもっとワイワイ&ガヤガヤ、ニンマリ&ゴキゲンに、メロウにネチっとやらせていただいております。
■DJ って、人によっていろんな考えがあるじゃないですか。パーティを第一に考える人もいれば、音楽性を追求する人もいる。松永君にとってDJとは何でしょう?
コンピューマ:両方をうまく昇華してできたら最高にうれしいですねー。
[[SplitPage]]よりアダルトというか、オトナというか、自分もおっさん真っただなかなんで、そんなおじさんからの音楽の楽しみ方のひとつの提案というか、より世代やジャンルを超えていろいろな人に届けられたらなと思いまして。
■〈悪魔の沼〉って何なんですか?
コンピューマ:下北沢のMOREを中心にやらせていただいているパーティです。現在の沼クルー(沼人)は、DISCOSSESSIONのDr.NISHIMURAさんことDr.NISHI魔RA、そして2much crew周辺でナンシーの旦那AWANO君こと、A魔NO、そして自分、コンピュー魔の3人で、2008年に結成されました。当初は二見裕志さん(二魔裕志)もレギュラー沼人だったり、一時期は1DRINKこと石黒君(魔DRINK)も沼人だったのですが、現在は3人がメイン沼人となってます。テーマはかなりアバウトな「沼」がテーマで、ダンス・ミュージックの枠さえも少し超えて、それぞれが好きなように自分の思う「沼」を表現するという......
■ナハハハハ。
コンピューマ:そんなある種、特殊な趣きのイベヴェントとしてスタートしました。それから不定期ながら毎回様々な多彩なゲストの皆さんに出演していただきながら開催し、去年はDOMMUNEに出させていただいたり、ミックスCDまで出したり、という流れで沼巡りさせていただきました。
■しかし......なぜ、そんなおそろしい名義になったんですか?
コンピューマ:かなりテキトーな思いつきでした。その時期にたまたま家のなかを片付けていて、トビー・フーパーの映画『悪魔の沼』の映画の中身ではなくて、VHSのジャケの絵が最高な事をあらためて再確認していたタイミングだったからだけなんです。アワノ君からイベント名の相談受けたときに、その事を思い出しただけという......(笑)。その時アワノ君から「沼」というお題があったのかな? なかったのかな?あれ? スミマセン。忘れました。
■悪魔の沼としての展望は?
コンピューマ:んー......たまーに沼クルーで集まれたら嬉しいですねー。去年、3人で西日本を沼ツアーやらせていただいたんですが、そんときの3人の役割分担というか、何というか、プレイももちろんなんですけど、それ以外の時間も絶妙に塩梅が良かったんです(笑)。
■スマーフ男組の再結成はないのでしょうか?
コンピューマ:あれなんです。解散しているわけではないんです。が、事実上、無期限休止中ですよね。
■村松君、元気かな? 数年前に静岡のクラブでいちど会ったんだよね。
コンピューマ:去年、〈ラディシャン〉で呼んでもらった時に、遊び来てくれて久しぶりに会ったんです。実際には数年も経ってないのに、なんだかふたりともオッサンになったなー! って(笑)。
■そうそう、静岡の〈ラディシャン〉でもDJやったって話、やる気のないダメ人間たちから聞いてますよ! 地方でもけっこうやってるんですか?
コンピューマ:少しずつではありますが、呼んでいただくことも増えました。ありがたいです。日本全国で仲間が少しずつ増えてます。
■音楽以外の趣味ってある?
コンピューマ:街の市場めぐりに散歩。あとは居酒屋探訪でしょうか。
■ヒゴ・ヒロシさんなんかと下北沢の〈MORE〉でやったときがすごったと人づてに聞いてます。遊びにいったヤツが「魔法にかけられたようだった」と言ってました(笑)。
コンピューマ:あの日はおもしろかったです。大先輩達とご一緒させていただきました。いやー、スゴかったですね。あの日は。CDJも3台、ターンテーブルも2台ありましたしね。特殊空間でした。
■まだ先ですが、5月9日、代官山のユニットで、エレキング・プレゼンツでマーク・マグワイヤの来日公演をやることになって、そのサポートDJも引き受けていただきました。ありがとうございます。当日はとても楽しみにしています。
コンピューマ:こちらこそ、どうぞよろしくおねがいいたします。個人的にも生マグワイヤ非常に楽しみなんです。
■ちなみに松永君の夢って何ですか?
コンピューマ:これは近い将来の夢になりますが、最近『Something About』というプロジェクトを立ち上げました。今回のこのミックスCDもそこからのリリースなんです。音楽はもちろん、音楽の枠も超えて、サムシング・アバウトな心意気のあれこれをお届けできるように邁進したいと思っております。遅れ気味ではありますが、近々ホームページも立ち上げる予定です。少しずつではありますが、こちらも楽しみにしていただけましたら幸いです。
■最後にコンピューマのオールタイム・トップ・10をお願いします!
今日の気分ではありますが......
TROUBLE FUNK「Trouble Funk Express」
AFRIKA BAMBAATAA & THE SOUL SONIC FORCE「Planet Rock」
いとうせいこう・ヤン富田「Mess/Age」
KRAFTWERK「Man Machine」
OHIO PLAYERS「Funky Worm」
JUNGLE BROTHERS「J.Beez Wit The Remedy」
JUNGLE BROTHERS「Done By The Forces Of Nature」
DE LA SOUL「De La Soul Is Dead」
DIGITAL UNDERGROUND「Future Rhythm」
JONI MITCHELL「Court & Spark」
......です。ありがとうございました。
■こちらこそです。〈Pヴァイン〉から出るコンピレーションCDも楽しみです。
コンピューマ:そうなんです。はじめてコンピレーションを作らせていただきました。『Soup Stock Tokyo』の音楽というコンピレーションCDになります。駅のなかなどによくあるスープのお店「Soup Stock Tokyo」さんの、「家で聴く音楽」ということで、家庭での音楽の提案にもなったらということで......。
■えー、スープ屋さんのアンビエント(笑)!
コンピューマ:で、今回は〈P-ヴァイン〉さんのブラジルなどのワールド・ミュージックからソウルR&Bに、ポスト・ロック、日本語の曲も含めた幅広い音楽ジャンルの音源を中心に、音の国籍を問わずにそのイメージを自分なりに広げて入念に絞り込み全16曲を選ばせていただきました。音の旅と出会い。おそらく聴かれたり購入されるであろう方々には、おそらく音楽マニアでない方も多数いらっしゃると思われますから、聴き方、音楽との接し方も多様でしょうし、いろいろな聴き方に対応できるよう、居心地の良さが違和感なく途切れずに済むような心づもりで選んでみました。
■ほほぉ。
コンピューマ:さりげなく暮らしのなかに寄り添いながら、いい距離感で鳴っているイメージといいますか、そんななかでどこか琴線にふれるようなタイミングがあれば最高だな。と、そんなイメージで作ってみました。音の印象はまったく違いますが、聴き疲れしないように、そして音の空気感の粒を揃える、という意味ではミックスCD『Something In The Air』と同じ感覚です。5月末の発売予定です。こちらもよろしくおねがいいたします。
■それは楽しみですわ。こんど居酒屋探訪の成果を教えてください!
compuma a.k.a.松永耕一。熊本生まれ。ADS、スマーフ男組として活動後、SPACE MCEE'Z(ロボ宙&ZEN LA ROCK)とのセッション、2011春にはUmi No Yeah!!!のメンバーとして、フランス他5カ国でのヨーロッパ・ツアー等を経て現在へ至る。 DJとしては,日本全国の個性溢れるさまざまな場所、そしてそこでの仲間達と、日々フレッシュでユニークなファンク世界を探求中。各所で話題となっているサウンドスケープな最新ミックスCD『Something In The Air』をリリースしたばかり。5月末には初の選曲を監修したコンピレーションCD『Soup Stock Tokyoの音楽』も〈P-VINE〉より発売予定。さまざまな選曲や音提供に音相談、レコードショップのバイヤーなど、音と音楽にまつわる様々なシーンで幅広く活動中。NEWTONE RECORDS、EL SUR RECORDS所属。SOMETHING ABOUT代表。![]() 1 |
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Sei A - Frozen Flower(Youandewan Remix) - Turbo |
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Oak - Bedroom Community - Space Cadets |
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The 7th Plain - Shades Amaze(Album edit) - General Production |
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Hubble - Sand - Haknam |
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John Beltran - Soft Summer - Peacefrog |
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Dwig - You - Giegling |
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Gorje Hewek & Izhevski - Aureol - Pro-tez |
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James Ruskin - Lahaine(O/V/R Remix) - Tresor |
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Tar-Tar - All Alone - Dub Restaurant Communication |
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Roman Flugel - Sunny Side Up - Dial |
アマゾン出身の謎の覆面ミュージシャンという当初のコンセプトは、やっぱり覆面着けてライブするのは面倒だからという理由でいつの間にか何処へやら。ハイウルフ(High Wolf)ことマックス・プリモルトとは一昨年、昨年と(そしておそらく今年も......)何の因果か、ツアーの日々を共ともに過ごしているので、近年の彼のライヴ・パフォーマンスにおける成長は誰よりも近くで(近過ぎるよ)見てきた。2010年に彼が日本に訪れた際、サポート・バンドとして借りだたされ、多くのジャムを楽しんだものの、果たしてハイウルフはこれでいいのだろうかと疑問が残った。
2011年のアメリカ・ツアーを一緒にやったとき、ロスのランドスライドという高台にあるスケート・パークで僕らの前に彼が当時サン・アロー・バンドのメンバーであったバーレットとディープ・マジックのアレックスという同じような即席バンド・セットで演奏しているのを見て、その疑問は確信へと変わった。こりゃダメだ。演奏終了後に近隣住民からの騒音の苦情により駆けつけたロス市警により主催者が罰金を課せられたため、トリであった僕のバンドの演奏は中止、僕のやり場のない怒りはマックスへ向けられた。毎回、サポート・メンバーの演奏に振り回されているハイウルフは見るに耐えない、ハイウルフとしてのオリジナリティがまったく出ていないじゃないかと言う僕にマックスはしかめっ面していた。
〈NNF〉周辺の多くのベッドルーム・ミュージシャンはときにライヴ・パフォーマンスが得意ではない。かつてはヒップホップに傾倒していたマックスもトラックメイカーとしての優れたバックグラウンドを持つものの、ライヴではいまだ発展途上であることを自覚していたのか、このときの僕の八つ当たりを彼はシリアスに受け止めたようで、残りのスケジュールでのライブヴをすべてソロ・セットに変更した。僕はまったく意図していなかったが、これは吉と出て、それはなかなか素晴らしいものだった。もちろん、僕も新たな仲間とのセッションは格別である事は充分承知しているが、それがオーディエンスと共有できるとは限らない。本来それは優れたスキルと百戦錬磨の経験に裏打ちされるものであることが多い。
アナプルナ・イリュージョン(Annapurna illusion)はハイウルフの無国籍ハルモニア・ロックとは異なるマックスのダークサイドであり、彼が愛して止まない初期アース(Earth)等などの影響を受けたサウンドはアマゾンの密林で夜を過ごす探検家の悪夢だ。余談だが、ロスからテキサスまでの地獄のドライブ中、ジョイントはなくとも永遠変わらぬ砂漠の風景、トラッカーズ・ピルと不味いコーヒーで無理矢理覚醒状態にしている疲労困憊な僕の状態と最高のシチュエーションで一緒に聴いたアースの3rdはマジで危なかった(運転が)。
この音源のハイライトは、昨年のハイウルフのヨーロッパ・ツアーで彼がベルギーを訪れた際、僕らの共通の友人でもあるシルヴェスター・アンファングII(Sylvester Anfang II)としても活動するヘルヴェット(Hellvete)ことグレンとのコラボレーション、『アナプルナ・ヘルヴィジョン』だ。お気づきの方のいらっしゃるだろうが"ヘルヴェット"はメイヘムのユーロニモスが営んでいたデス・ライク・サイレンスの拠点であるレコード・ショップから拝借しているのだろう(本当はHelveteである)。同じくシルヴェスター・アンファングIIのウィリアムが、マーチテーブルでネクロ・ブラック・メタルだと勘違いして僕らの音源を買っていく連中が家に帰ってから失望するのを想像すると可笑しくって溜まらないと言っていたが、僕はそんな彼らの最高に捻くれたセンスが大好きだ。
ヘルヴェットは近年、よりミニマルなドローンに傾倒しているらしく、クラーク(KRAAK)よりリリースされていたレコードで聴ける彼の素晴らしいバンジョーがないのは少々残念でもあるが、そのラーガ調のドローンでマックスの描く悪夢をより禍々しいものに仕立てあげている。
マックスはあれ以来、ライヴはソロ・セットでこなしているようで、おそらくこの音源はレコーディングという大義名分をかざしグレンの家にしばらく転がり込んでいたのだろう。絶対マックスにたかられたであろうグレンには同情するよ。でも不思議に、マックスは何処か絶対憎めないキャラで、これこそが彼の本当の才能であり、ゆえにロクに金を持たずとも世界中を放浪出来るのである。より多くのツアーを経て成長した彼の演奏を見るのが楽しみだ。
以前、〈グループ・タイテナー(Group Tightener)〉からリリースされたアナプルナ・イリュージョン/ハイウルフのレコードのアートワークを手掛けた際に、これはどう考えてもスプリットじゃないだろう、両方お前じゃねーかという僕の意見に断固これはスプリットであると言い張っていた。マックス、お前マジで最高だよ。
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Onomono
Onomono_ep_0506
(onomono.jp /12inch) /
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MM/KM aka Mix Mup/Kassem Mosse
6 Track Mini LP
(The Trilogy Tapes/lp) /
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Vinalog
Lost Patterns
(Relative /12inch) /
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Infiniti aka Juan Atkins
The Remixes - Part 1
(Tresor /12inch) /
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BMG & Derek Plaslaiko
Is Your Mother Home?
(Interdimensional Transmissions /12inch) /
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Tom Trago
Use Me Again
(Rush Hour /12inch) /
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Idjut Boys
One For Kenny
(Smalltown Supersound /12inch) /
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Pepe Bradock
Imbroglios 1/4
(Atavisme /12inch) /
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V.A
I'M Starting To Feel Okay Vol. 5 Pt. 1
(Endless Flight /12inch) /
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Madteo / Shake Shakir
Kassem Mosse / Marcellus Pittman Rmx
(Meakusma /12inch) /
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