「S」と一致するもの

Declan McKenna - ele-king

あんたは携帯と髪の毛いじりに時間を取られる過ぎているんだよ。 “ヒュモンガス”

 年を食っちまった人間は、こういうときについつい、この青年の18という年齢のことを必要以上に考えてしまうのだろうか。実際のデクラン・マッケンナのキャリアは数年前からはじまっている。“ブラジル”という、ブラジル・ワールドカップ時のFIFA汚職事件を糾弾する曲が2年前。それは16歳の少年の作る歌の主題として……、イングランドに生まれながらワールドカップを醒めた目で見ているというだけでも非凡なのかもしれない。が、しかし、16歳の澄んだ目だからこそ狂騒に飲み込まれず、大人の堕落を見抜く観察眼を忘れない。

 アルバムの最初の3曲は、かなり良い。くだんの“ブラジル”も、歌詞を知らなくても充分に魅力的な曲で、“ヒュモンガス”も“ザ・キッズ・ドント・ワナ・カム・ホーム”も、ファーストの頃のプライマル・スクリームというか、90年代風というか、ある世代が聴いたら懐かしいことこのうえなく、丘の上を駆け上がるかのような高揚感の、フックのあるメロディを持ったUKインディ・ロックらしい曲だ。アルバムの多くの曲をプロデュースしているのはジェームス・フォード(シミアン・モバイル・ディスコ/ザ・ラスト・シャドウ・パペッツ)。

 しかしながら、ドレイクの新作を聴いていても感じることだが、USのR&B/ヒップホップ大人気のUKにおいて、自国のインディ・ロックの脈を全開する若者なんていうのは、いまとなっては少数派になるのではないだろうか……。

ぼくとは、(あなたが思っているようなぼく以外の)ほかの誰かみんなだ。 “アイ・アム・エヴリワン・エルス”

 ラップだけがユース・カルチャーを代弁しているわけではない。ハートフォードシャー生まれの18歳のシンガー・ソングライターは、彼の目を通して見える社会と、そして怒りや抗議,不満を歌う。言葉を持った音楽は、英語力のある方ならともかく、まあ、さすがにchavは訳注を入れるべきだと思うけれど、それでも歌詞対訳のついた日本盤がいい。デヴィッド・ボウイ的な挑発的だが曖昧な言い回しのなかに、それこそスリーフォード・モッズではないが緊縮と福祉、宗教、暴力、性、これら社会的トピックが彼の言葉で描かれているように思われるる。“イソンバード”でのリフレイン「歩けないなら走ればいいさ」は暴動を望んでいるかのようでもあり、「君のクイーンになりたい」も(これこそボウイを意識しているのかもしれないが)面白いし、『車についてどう思うか?』というアルバム・タイトルもリスナーに“考えること”を促しているわけだが、何にせよ、本作で歌われる力ある(生意気な)言葉もUKインディ・ロックの、言うなればお家芸である。

 デクラン・マッケンナはフェイクかリアルか? 

 数年前の「公営団地のボブ・ディラン」ではないが、マッケンナに関してメディアは「世代の声」といっているようだ。“ザ・キッズ・ドント・ワナ・カム・ホーム”における子どもたちの祝福的なコーラスを聴いていると、たしかに「世代」と言いたくはなる。が、それはひとつの演出だろう。「世代の声」とは、年を食っちまった人間の願望(フェイク)だ。

 デクラン・マッケンナはフェイクかリアルか? 

 『ホワット・ドゥ・ユー・シンク・アバウト・ザ・カー?』は、まだ手なずけられる前の、若者らしい自信と反抗心、そして疑いがあり、まとまりには欠けるが、言いたいことが詰まっている、若さゆえの輝きがある、素晴らしい10代の作品だ。ぼくはリアルだと思う。第一基準は満たしている。歴史は「NO」という人たちによって作られるのだから。

C.E - ele-king

 クラブ・カルチャーとリンクしまくりのスケシンさんデザインが人気のブランド、〈C.E〉。今回はニューヨークのロー・ハウスの拠点〈L.I.E.S 〉レーベルとのコラボで、Tシャツ+カセットテープ。カセット音源は、今年の初頭に破壊力あるエレクトロ・ファンクなアルバムを発表した、Beau Wanzerによるものです。実店舗のみの販売です。



価格:各6,000円(税抜き)
発売日:2017年8月3日(木)
発売店舗:C.E
〒107-0062 東京都港区南青山5-3-10 From 1st 201
03-6712-6688
www.cavempt.com

L.I.E.S.
https://liesrecords.com
(ライズ (ロングアイランド・エレクトリカル・システムズ))は、Ron Morelli(ロン・モレリ)がニューヨークの身近なトラックメーカーたちの楽曲をリリースするために、2010年に立ち上げた音楽レーベルです。テクノのパイオニア的存在であるAdam Xの別名義ADMX-71をはじめ、オランダのシンセマスターLegowelt、Black DiceのEric Copeland、アップスタートなハウスプロデューサーDelroy Edwards、そしてマイアミ出身のGreg Beatoなど、多種多様なアーティストの楽曲をリリースしています。

Between the Borders - ele-king

 8月20日日曜日午後14時から、下北沢の駅近く、ビルの一室と屋上を使った良い感じのパーティがあります。BUSHMIND企画なので、ゆるいダウンテンポからディープなハウス、テクノ、そしてヒップホップにサイケデリック・ロックなど、いろいろありそう。屋上もあるし、入場料も安いのも良いです。
 

Between the Borders
2017/8/20 (sun)
at下北沢レインボー倉庫 4F & 5F
open : 14:00 / 1st drink : 1000 yen

4F
KUBOTA,TAKESHI
OVERALL
HASSY THE WANTED
RYOSUKE
ETERNAL STRIFE
DJ PK
THE SNIGGLERS
BUSHMIND

5F
DJ SHOWER TIME
ICE DOGG
YOKOHAMA BAY
CHANG YUU
TEE-SHORT
THE TORCHES
BBH

SOUNDSYSTEM
SARUYAMA

Minimalista - ele-king

 個人的な話ですが、最近Gracyというメーカーのドラムセットを買った。60年代のジャパニーズ・ヴィンテージで、推測するにラディックやグレッチがまだ日本において高価で貴重だった時代に作られたコピーモデルである。悪い言い方をしたらパチモンだけど、やはり楽器が50年も経っていると何とも言えない音がする。ホンマモンヴィンテージのように、叩いた瞬間「これこれ」とか「レコードで聴いたことある音だ」という感じは薄いけど、「なんかいいね」といった感じ。当時の職人の顔が浮かぶような。
 ドラムセットとアルバムを比較するのもどうかと思うが、ミニマリスタことタレス・シルヴァのセカンド・アルバム『Banzo』には、何か過ぎない魅力がある。

 「that was the ideia, to mix old and new sounds」
 インタヴューとまでは言えないが、今作のプロデュースを手掛けているレオナルド・マルケスに下手な英語で「よかったよ」とメールをしてみたらこんな返事がきた。
 今作が録音されたベロオリゾンテから少し離れたところにあるらしいマルケス所有のスタジオ(www.ilhadocorvo.com)の写真を見ると、オープンリールやヴィンテージ楽器、マイクなどが目を引く。そして、もちろんDAWも写りこんでいる。サウンドを聴きながら、写真を眺めていると、ヴィンテージの質感だけに拘っているわけでもなく、音をいじりとおしているわけでもなく、マルケスの言葉通りの質感を得ていることが伝わってくる。なんていうか、素直。インディのよさが詰まっている。ルサンチマン以上に、僕たちから素直さを取ったら困るのは僕たち自身だろう。
 #1“O Peso (feat. Gui Amabis)”は、ブラジリアン・サイケらしいファズのリフから幕を開ける。うるさくないのは、ムタンチスやオス・ブラゾンェスの反省を内包していると言ったら言い過ぎだろうか(どちらも好きです……)。歌、ギター、チェロ、ドラムという編成は名前通りか。曲構成に合わせて最小限でのビルドアップもいいが、1:55で、すっと抑えるところが気持ちいい。#2“Fogo no Rabo”は、勝手な印象だが、パルチード・アルトぽいリズムを、インディ・フォーク風に、という趣がいい。リズムギターは、ドラムと呼応するようで、ドラマーは不必要にはハットを刻まなくてよくなる。#3“Grito Rouco (feat. Teago Oliveira)”は、アルバム中最高のアンサンブル。隙間を抜き合う楽器の上を、ドライでもなく熱くもない歌がいく。
 ここまで聴いただけでも、ブラジルらしさと、マルケス・プロデュースらしいインディ・フォークの潮流のミックスがいいのだが、そこには、よく知っているものはさりげなく、新しいものを取り入れるというよりはいいものはミックスする、というようなライトな奥ゆかしさみたいなものが通底していることに気付く。音にも、歌にも、リズムにも、効果音にも、編集にも。地味と言えばそうかもしれないが、そこがよくて、かっこいいとか、おしゃれとか、すごいとかいうことを、全然浮かばせないところにこの作品の魅力がある気がする。……「気持ちいい」はいいじゃないですか、ブラジルだし。

 余談になるが、今作のドラムの音もラディックとも少し違う味わいがあったので、聞いてみたら、Pinguimというブラジリアン・ヴィンテージのセットを使ったらしく、やはりそれもラディックのコピーモデルらしい(スネアはラディックを使用とのこと)。Gracyとまったく同じで少し嬉しくなった。購入した時、舞い上がってSNSに写真を載せたところ真っ先にコメントをくれたのは、マルケスだった。
 CDの作りが凝っているのもいいのだが、願わくはいつかアナログで聴きたい。そして、『クルビ・ダ・エスキーナ』を聴きたくなった。

Gladdy Unlimited - ele-king

 2015年に他界した、ジャマイカのレゲエ黄金時代を60年代から支えてきた天才ピアニスト/プロデューサーのグラッドストーン・アンダーソンを讃えるイベント「Gladdy Unlimited」が、10月6日渋谷クアトロにて開催される。出演は、KODAMA AND THE DUB STATION BANDとMatt Sounds。
 グラッドストーン・アンダーソンといえば、ハリー・ムンディの〈Moodisc〉からリリースしたちょっとメロウなインスト作品もいまだクラシックとして人気で、日本の先駆的レゲエ・レーベル〈Overheat〉からも素晴らしいオリジナル盤を何枚も残しています。同レーベルから出ている、1987年のミュート・ビートとのライヴを収録した『Gladdy meets Mute Beat 1987 February. 14』もその当時の熱気を伝える貴重な作品です。そこには、当時のミュート・ビートのすごさも記録されているわけですが、今回の「Gladdy Unlimited」では、バンド演奏でのこだま和文が見れるのも楽しみのひとつです。数々のレゲエ・リジェンドたちのバック演奏を務めてきたMatt Soundsの演奏にも期待しましょう。
 10月6日とまだまだ先の話ですが、いまのうちから予定を空けておきます。
 

 

OVERHEAT MUSIC Presents Gladdy Unlimited

出演:KODAMA AND THE DUB STATION BAND、Matt Sounds
Selector:Tommy Far East

会場:渋谷クラブクアトロ
公演日:2017年10月6日(金)
19:00 開場 20:00 開演
前売り 4,500円(ドリンク代別)
当日 5,000円(ドリンク代別)
チケット発売日:2017年8月19日(土)
主催:株式会社OVERHEAT MUSIC
問い合わせ::OVERHEAT MUSIC(03-­‐3406-­‐8970)
発売所:ぴあ、ローソン、e+

https://www.overheat.com/g_unlimited/


●Gladdy Unlimitedとは?
 50年代末にジャマイカで産まれた音楽が地球の裏側のここ日本でも幅広く認知されるようになり、ジャマイカン・テイストの音楽がポピュラリティを得た。それは多くの日本のセレクター、シンガー、バンドがその魅力に気づき、ジャマイカのクオリティを手に入れてパフォーマンスすることができたからだ。
 世界的に見てもこのジャマイカ音楽が持っているオリジナリティとクリエイティブなアイディアは偉大だ。
 この独自のジャマイカ音楽を創り上げてきた草創期(1960年代〜)に大きく貢献したのがピアニスト、シンガー、プロデューサーであったGladstone ”Gladdy” Andersonである。彼は2015年に他界したが、彼の功績を讃えようと16年からスタートしたイベントが「Gladdy Unlimited」。同年5月には、彼の残した曲を愛する人たちによって「Tribute to Gladdy」と言うイベントが代官山UNITで開催され大盛況であった。

 現在の東京でおそらく最も熱望されている2つのバンドが、この「Gladdy Unlimited」でGladdyへの想いをひとつに初共演。こだま和文(THE DUB STATION BAND)は過去にGladdyと共演、レコーディングの経験もあり、Matt SoundsはGladdyのデモ曲をライヴで演奏しレコーディングもした。

-Gladstone Anderson (1934〜2015)-
 ジャマイカのセント・アンドリューで生まれトレンチ・タウンに移り、50年代末期から伯父のオウブレイ・アダムスの手ほどきでピアノを習得しカリプソ、メント、R&R、R&Bなどをプレイし、愛称はGladdyと呼ばれた。彼の才能を見抜いたデューク・リードが主宰したトレジャー・アイル・レーベルを始めとして、コクソン・ドッドのスタジオ・ワン、レスリー・コングのビバリーズ、ソニア・ポテンジャーのゲイ・フィートなどで数えきれないほどのセッションをしたピアニスト、シンガー、プロデューサーである。盟友ストレンジャー・コールは「60年代のレコーディングの80%はグラディが参加していた」と言う。スカタライツやドラゴニアーズがツアーなどを始める前のオリジナル・メンバーでもあり、ドン・ドラモンド、トミー・マクック、ジャッキー・ミットゥ、ローランド・アルフォンソ、リン・テイト、ボブ・マーリィ、ジミー・クリフ達ともレコーディング、さらに70年代後期から80年代にレゲエの時代を作ったレボリューショナリーズ、ルーツ・ラディックスなどでも活躍。
文字通り″ジャマイカン・ミュージックの父″であり、ジャマイカ音楽の黎明期に絶大な貢献を果たした伝説のキーボーディスト。
 彼をメインにしたドキュメント映画『ラフン・タフ』(監督:石井志津男 1987年制作)がある。Mute Beatとはジョイント・ライヴ(DVD『Gladdy meets Mute Beat』)とレコーディング曲「Something Special」もある。来日は4回。
OVERHEAT Records発売アルバム:『Don’t Look Back』(1985),『Caribbean Sunset』(1987),『Caribbean Breeze』(1989),『Piano In Harmony』(1994),『Gladdy’s Double Score』(2010)

■出演アーティスト

KODAMA AND THE DUB STATION BAND
こだま和文は、80年代を駆け抜けたジャパニーズ・DUBバンド、MUTE BEATのリーダーとして活躍。その後ソロ・トランぺッターとしてアルバムをリリース、現在は精鋭THE DUB STATION BANDを率いて、唯一無二のライヴを行っている。最新12インチ・シングルは「ひまわり」。メンバーはHAKASE-SUN(Key)、森俊也(Dr)、コウチ(B)、AKIHIRO(G) 。

MATT SOUNDS

2014年のキース&テックスのバックから始まり、カールトン&ザ・シューズ、リロイ・シブルス、ストレンジャー・コール、クリストファー・エリス、BBシートンらのバックを努め、彼らから「こんないいバンドがあったのか?」と驚嘆されてきた。60年代ジャマイカ音楽の黄金期を再現できる世界でも稀なバンドがMatt Sounds。16年4月、故“Gladdy”Andersonのデモ曲「How Good And How Pleasant」をレコーディングし7インチ・デビュー。2017年4月待望のファースト・アルバム『Matt Sounds』をリリース。レコーディング、ミックス、マスタリング、プレスにまで拘ったアルバムは、多方面から高い評価を受けている。 アルバムに収録された黒澤明監督の映画「七人の侍」のテーマ曲のSKAカバーは、シングル・カットされ話題。森俊也、外池満広、小粥鐵人、秋廣真一郎を中心に小西英理、大和田BAKUに加えライヴではホーンセクション(西内徹、黄啓傑、永田直、大沢広一郎)も加わり10人になる。

Mark Templeton - ele-king

 カナダのサウンド・アーティスト、マーク・テンプルトンのソロ新作がリリースされた。彼は、コンテンポラリーダンス、映画、オーディオヴィジュアルなどの分野からも楽曲の委嘱を受けるなど幅広い活動を展開しているアーティストである。

 〈アンティサペイテト・レコーディングス(Anticipate Recordings)〉からリリースされたファースト・アルバム『スタンディング・オン・ア・ハミングバード』(2007)や、セカンド・アルバム『アイランド』(2009)などはポスト・フェネス的なセンチメンタル/ロマンティックなグリッチ・エレクトロニカといった印象があったものだが(ミッド/レイト・ゼロ年代ならではのエレクトロニカ/アンビエントの記憶……)、現在の作風はアナログ・テープによるテープ・ループをメインにした作風へと変貌を遂げている。その変化は、2011年に〈モール・オックス・ヴァーシュ〉のライヴ録音シリーズの一作としてリリースされた『モール・オックス・ヴァーシュ』をはさみ、2013年に〈アンダー・ザ・スパイア〉からリリースされた『ジェラス・ハート』あたりから表面化してきた。『ジェラス・ハート』からヴァイナル(とデータ)・リリースになったことも大きな変化として挙げられるだろう。まるで、デジタル・グリッチのセンチメンタリズムからアナログと記憶と電子音の領域を溶かすようにノスタルジックでロマンティックな音楽性/音響作品へと変貌したのである。人生の、記憶の、結晶のような音楽/音響。いわば映像的ノスタルジアな電子音楽/エレクトロニカ・アンビエント。

 『ジェラス・ハート』リリース以降は、2014年に、ジュゼッペ・イエラシの〈セヌフォ・エディションズ〉からのリリースでも知られるニコラ・ラッティとのコラボレーション・アルバム『リゾフォニック』を〈13〉から発表し、2015年に、自身が主宰するレーベル〈グラフィカル・レコーディングス〉から映像作家カイル・アームストロングとのコラボレーション作品『エクステンションズ』をリリースするなど、コンスタントに作品を送り出してはきたもののソロ作品は2013年以来、4年ぶりのこと。リリースは『エクステンションズ』同様に〈グラフィカル・レコーディングス〉からで、本作の映像作品もカイル・アームストロングによって制作されている。ちなみに新作『ジェントル・ハート』は、2011年のカセット作品『スコッチ・ハート』、2013年の『ジェラス・ハート』に続く「ハート・トリロジー」の3作めである。全11曲が収録されており、全曲が記憶を遡行するような物語のようなムードで展開している。
 
 1曲め“バーにング・ブラッシュ”から記憶の糸を手繰り寄せるようなテープ・ループの音響で幕を開ける。ノスタルジックな音楽の欠片の反復。古い映画の1シーンの音響のような質感。それらが重なり、滲み、記憶の中に染み入る。続く2曲め“レンジ・ロード”では、ループされつつも微妙にズレているビートを導入しており、コーネリアスの新譜との親近性を感じもする。3曲め“ポンド”は、壊れたテープ・マシンで再生した『エンドレス・サマー』といった感覚もある。以降、アルバムは記憶と音楽の層を溶かすかのように、もしくは記憶の色彩を音楽/音楽によってゆったりと滲ませていくように音楽は展開するだろう。その音響のゆらめきは穏やかな波のようであり、まるで16㎜フィルムに定着された海の映像のようでもある。その音の波は、やがて10曲め“ジェントル・ストーリー・パート1”と11曲め“ジェントル・ストーリー・パート2”にゆるやかに収斂していくだろう。

 本作のように霞んだテープ・ループを用いたアンビエントは、エレクトロニカ以降の新しい潮流でもある。イアン・ウィリアム・クレイグ、マーク・バロンなど何人かの音響作家が、即座に思い浮かぶ。作風はやや違うがヴァレリオ・トリコリなどもアナログのテープ・マシンを用いた録音・パフォーマンスでも知られている。デジタル以降の現代のレコーディング技術とアナログ・テープマシンのループよって生まれる霧のような音色の反復と持続と逸脱。本作もまた、そのような音響作品ならではの「穏やかな波」がゆったりと、しかし独自の音楽的方法論で生成し反復している。カイル・アームストロングによる本作のヴィデオを観れば、その「メロウ・ウェイブ」(!)感もより伝わると思う。

 そう、本作こそまさにフェネス以降=「00年代のデジタル・グリッチ以降のアンビエント/エレクトロニカ」のひとつの「進化」のカタチでもあり、ひとつの「成熟」のカタチなのだ。何かと騒がしい2010年代後半の「世界」にあって、まるでループホールのように、慎ましく存在している……、そんな貴重な作品である。

interview with Chihei Hatakeyama - ele-king

いまのアンビエントを俯瞰すると、正しくブライアン・イーノを継承しているのがテイラー・デュプリーで、そこを壊して進んでいるのがティム・ヘッカーで、大勢はその間に活路を見いだしているのかなとも思えますね。


Chihei Hatakeyama
Mirage

Room40

DroneShogazeAmbient

Amazon Tower HMV

 畠山地平の簡単なバイオは、デンシさんのレヴューに譲ろう。彼が主宰するレーベル〈White Paddy Mountain〉の怒濤のリリースはdiscogsにまかせておこう。彼のサッカー好きについては、紙ele-king vol.13を参照していただこう。
 ここでまず重要なことは、ぼくは深く考えずにアンビエント/ドローンという書き方をする。しからば、それは≠『アナザー・グリーン・ワールド』/“シスター・レイ”であり、まあ、たしかにこれは離れているようで同じ括りにできる。が、これをニューエイジ/シューゲイズと変換できることはできない。ということは……ジ・オーブ/マイブラはアリなわけで、ということはOPN/グルーパーもアリなのだ。
 何を言いたいのかといえば、アンビエント/ドローンといったときにその音楽的振れ幅はそれなりになり、アンビエント・ミュージシャンとして知られている畠山地平だが、しかし彼のそれには、シューゲイズ的感性がより多く入っている。言うなればティム・ヘッカーやグルーパーやローレンス・イングリッシュの側である。
 畠山地平は先日、そのローレンス・イングリッシュのレーベル〈Room40〉から新しいアルバム(ヴァイナルと配信のみ)を出したばかり。この機会に、精力的なリリースを続けるアンビエント/ドローンのプロデューサーを取材してみることにした。ゼロ年代のアンビエント/ドローンの流れを、掻い摘んで説明しながら、自らのコンセプトを語ってくれました。

もちろんグルーパーの個人的なテクニックや才能があるうえでの話なんでしょうけど、でもあのカセットテープ・レコーダーだけであんなのができちゃっているのを見て、作り手としてもう「俺らはなにをやっているんだろう」ってくらいの衝撃はありましたね。

作品のリリースが多くて、ものすごく精力的に活動されていますよね。

畠山:いまは制作意欲にも溢れていて、ライブやツアーも含めて精力的に動けてますね。

海外メディアでは、今年に入って〈White Paddy Mountain〉から3枚同時にリリースしたときはニュースになっていたもんね。

畠山:そうですね。やっぱり日本に比べるとカルチャーとして根付いているんでしょうね。あとはリスナーの数とか(笑)。

たぶんアンビエントの世界ってそれぞれの都市での数は少ないんだろうけど、世界でまとめてそれなりにいるというか、独特のネットワークを持っているでしょう?

畠山:そうなんですよね。他のジャンルに比べるとリスナーの連帯感みたいなものがあんまりないかもしれないですけど、現場に行って知り合うとかじゃなく、たぶんマニアな人が世界中に個人として確実に存在している、そういうイメージに近いのかなと。たしかに固定ファンは一定数いるんですよ(笑)。

サトミマガエさんのアルバムを聴いていて、彼女が演奏している場面を想像すると、10人くらいの小さいところでの親密なライヴ演奏というか。それと同じように畠山くんや伊達(伯欣)くんたち、あるいはhakobuneさんたちがいるようなアンビエントのシーンというのも、いろんな国のいろんな街の10人くらいのシーンがポツポツとあって、それが絶えずにリンクしているようなイメージがあるんだよね。そういう広がり方?

畠山:そうですよね。実際たしかにそうなのかもしれない。例えばいま名前を挙げてもらった伊達くんとかhakobumeくんとか……。

よく一緒にやっているフェデリコ(・デューランド)さんとか……。

畠山:フェデリコさんの場合はさらに面白いことにアルゼンチンのそれもブエノスアエルスに行くのにも1日かかる不便な山の方に住んでいるみたいですね。今年日本に来るのも家からカウントとすると4日旅して日本に来ると、それくらいの場所に住んでいるみたいです。
 いま挙げてもらった伊達くんとかhakobumeくんとかのアーティストに共通するものはエレクトロニック・ミュージックなんだけどいわゆるDTMじゃないというか。MIDIとかプラグインのソフトは使わずに、それこそクリックや小節数も関係なく作曲している。アンビエントなのにフィジカルで演奏しているという。わかりづらいんですけど(笑)。

なるほど! 言われてみればそうだよね。

畠山:だから今回の作品ではギターもあるし、モジュラー・シンセやアナログシンセも使っているんですけど、元々即興演奏したものを後で調整して形にする方法をベースにしています。最近ではアナログ卓で先にミックスして、ある程度アナログ環境で完成させてしまうので、DTM感はさらに薄まりましたね(笑)。MIDIキーボードも持っていないんですよね。

今回はローレンス・イングリッシュのオーストラリアのレーベル(<Room40>)からのリリースになるじゃないですか。彼なんかもそうなの? 海外もそう?

畠山:例えば……、グルーパーとか(笑)。

使わないですよね(笑)。

畠山:ティム・ヘッカーも演奏していますよね。

グルーパーで本当に驚いたのは、昔1000円くらいで売っていたソニーのラジカセを6台くらいミキサーにつなげて、その場で回転数を変えたりするじゃないですか(笑)。それでギター弾いて歌っているし。

畠山:グルーパーは野田さんも相当衝撃だったと思うんですけど。90年代からのラファエル・トラルやスターズ・オブ・ザ・リド等、先駆者たちの(アンビエント/ドローンが)きて、ゼロ年代でフェネスやテイラー・デュプリーなどのエレクトロニカがあって、そのあとにアンビエントみたいなものが復活して出てきたなという感じじゃないですか。そのフェネスとかの流れをグルーパーが2013年くらいに一度全部ひっくり返しちゃったような気がして(笑)。
 そこからまた流れていって、いまは2013年と比べるとアンビエントが多様化しているというか、ラファエル・トラルでいうと、その後純粋な電子音楽に行くのでわかりづらいんですけど、90年代はマイ ブラッディ ヴァレンタインをブライアン・イーノの手法で解釈するとどうなるかと、そこでギター・ドローンが生まれてきたという背景もあって、グルーパーもそうですけど、イーノとマイブラの影響は大きいのかなとは思いますね。ラファエル・トラルはインタヴューで興味深い事を言っていて彼はマイブラのケヴィン・シールズはエレクトリック・ギターの解放者だというんですね、それまでのジミ・ヘンドリックスを中心としたギター観だと、天才過ぎて真似できないと、でもケヴィン・シールズはテクニックはないので、真似しつつ先に進めると。少し話が逸れてしまいましたが、いまのアンビエントを俯瞰すると、正しくブライアン・イーノを継承しているのがテイラー・デュプリーで、そこを壊して進んでいるのがティム・ヘッカーで大勢はその間に活路を見いだしているのかなとも思えますね。

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アンビエントにはノイズがある。ノイズってものをどう定義するかにもよると思うんですけど。カセットテープのカスカスした音もノイズかもしれないし、もっと暴力的な音もノイズかもしれないし。曲のなかで突然ディストーションの音が入るとか、そういうものは意識して入れましたよね。

デジタルというものからどれだけ自由にいられるか、ということはテーマとしてあるなと思うんですよ。ぼくらの日常生活のなかでも、たとえば本来は自分たちの道具のはずのスマホに支配されているんじゃないかという感覚はあるでしょ。

畠山:そうなんですよ。道具や機材に使われる面はありますね。モジュラーシンセにもそういう面があって、たまにモジュラーシンセに使われている感覚になる事がありますね。ギター・エフェクターだとモジュラーほど何でもできるわけじゃないので、自分で工夫しないと何もできない。

電車に乗るとみんなスマホを見ているでしょう? 総じて、ぼーっとしている時間が昔よりも減っていると思いますよ。

畠山:そうなんですよ。俺もじつはiPhoneをやめて、Androidで一番安いやつにしたんですね。ある意味でiPhoneも機材だなということに気づいたんですよ。それで面白いケータイを探しに行こうと思って中古携帯屋に行って探していたら、ドコモがベトナムとかトルコとか開発途上国に作ったしょうもないスマホがあったんですよ。これを買ってみようと思って買ったら容量が3GBしかなくて、アプリも入れられないんですよ(笑)。なのですごく使い勝手は悪いんですけど、それで生活は変わりましたね。スマホに支配されるという生活から(抜け出せましたね)。

明らかにアディクトですよね。で、そういう意味で言うと、たしかにグルーパーは現代への批評にもなっていた。そこまでやっちゃっていいの? ってくらいのアナログ感だったよね(笑)。

畠山:しかもそれでできちゃうんだっていう(笑)。もちろんグルーパーの個人的なテクニックや才能があるうえでの話なんでしょうけど、でもあのカセットテープ・レコーダーだけであんなのができちゃっているのを見て、作り手としてもう「俺らはなにをやっているんだろう」ってくらいの衝撃はありましたね。

アンビエントは、そういう風にいつの間にか飼い慣らされていることへの抵抗でしょう?

畠山:そうですね、抵抗……たしかに正しく「抵抗」かもしれないですね。抵抗というのは対抗とは違うわけですよね。相手との力関係で言えば相手の方が上だと抗えないものや、状況に対して、か細い地味な個人的な抵抗といえるかも。なので、アナログ機材というものの存在とか使い方やノイズに焦点をあてているという面もあります。音楽制作がどんどん便利になっていく、パソコンで作ることが主流になっていくなかで、パソコンを使わずに曲を作るということに意味があるのかなと、MIDIやシーケンサーによる自動演奏で失われて行くもの、広い意味でのヒューマニズムなのかな。ただアンビエント・ミュージックというジャンルを音楽的に客観的に見ると飽和化しているのもたしかだと思うんですよね。そうそう安々と新しいものは出ないというか。じゅうぶん成熟はしているなというところです。

畠山くんがどこまで知っているかはわからないけど、いまニューエイジが流行っているのね。

畠山:先ほどの話ともかぶるのですが、音楽的には今回の『Mirage』は「ノイズ」というのがテーマの一部としてあって。ニューエイジにはノイズってものはないんですよね。

ニューエイジにノイズはないよ。ヒーリングだもん。

畠山:ただアンビエントにはノイズがある。ノイズってものをどう定義するかにもよると思うんですけど。カセットテープのカスカスした音もノイズかもしれないし、もっと暴力的な音もノイズかもしれないし。曲のなかで突然ディストーションの音が入るとか、そういうものは意識して入れましたよね。耽美的にならないようにというか。

ローレンス・イングリッシュが今年出したアルバム(https://www.ele-king.net/interviews/005609/)がものすごくポリティカルな作品だったでしょう?

畠山:ものすごくポリティカルでしたよね。

畠山くんの作品ってすごくペシミスティックなものが多いでしょう? 今回の1曲目は“Sad Ocean”。

畠山:そうですね、オプチミスティックではないですね、ただペシミスティックと言い切っていいものかどうかですね、“Sad Ocean“もメロディは希望が持てるような旋律なんですね、なのでそういう辛い状況のなかのひとすじの光のイメージですね。それとこの写真(アルバム・ジャケット)がテーマになっていて、これはトルコの写真なんですよ。

順番に話していくと今回はトルコに旅行に行って、そこで触発されたものを1枚にまとめたという話なんですよね。

畠山:行ったのは2010年だったんで、まだそこまでイスタンブールでテロが頻発していなかったんですよね。だから気楽には行けたんですけど、その後どんどんイスラム国の台頭とかで、いまはもう気楽に行けるところでもなくなってきたなという。“Sad Ocean”は隠喩的に「Ocean」にしましたけど本当の海ということではなくて、いまわれわれを取り巻いている状況という……、ところまでは考えたんですけど、そこまで解釈してもらわなくてもいいんですけどね。作り手としてはそういう意味もあって、このタイトルにしました。アルバムの完成には、5年かかりましたけどね。

5年間かかったんだ。

畠山:まず2010年にトルコに行って、2012年くらいには1回完成させたんです。それが第一段階ですね。で、ちょっと作り直して、その第二段階が終わったところで〈Room40〉のローレンスのところに送って出すことになった。その第二段階では、最終的には残る曲は半分くらいかな。第一段階の曲は1曲しか残っていなかったんです。
 で、最後にブラッシュアップし直して、何曲か差し替えたりして、最終的なものになった。機材も変わっていたんで、第二から第三段階への変化で、だいぶよくなりましたね。

ちょっと話が前後するんですが、そもそもなぜトルコに行こうと思ったの?

畠山:どうしてなんでしょうね、惹かれるところがあったんでしょうね、アジアでもヨーロッパでもなく、曖昧なところとか、イスラム圏で行き易そうな国っていうのもありますよね。

トルコのどんなところに衝撃を受けたの?

畠山:ひとつには、行かないと分かりづらいんですけど、もの凄く歴史が長い土地なんですよね。ヒッタイト文明とか、メソポタミア文明、そういう人類の文明発祥の地に近く、ギリジア文明にも近く、しかし中心ではないんですよね。いまはトルコ系の騎馬遊牧民の国なんですけど、それ以前には、全然違う人たちが住んでいたっていうのが、島国の日本人からすると衝撃的でしたね。なので、ものすごい文化の混濁具合というか、もう全然日本とも、ヨーロッパとも、アメリカとも、アジアとも違う、そこにイスラム教もあいまってカオス状態でしたね。偶像崇拝禁止なので、もの凄いキラビやかな、電球屋さんが秋葉原の倍くらいの広さであったりするんですよ。こういう世界もあるんだなと。身も蓋もない言い方なんですけど(笑)。

今回の作品で、トルコに行かなければ生まれなかった部分ってどういうところなんでしょう?

畠山:これまでの作品にだいたい共通していることなんですけど、なにかの出来事があってそれが自分のなかのフィルターを通ることによってイメージが湧くみたいなところがあるので、やっぱりメロディや音色や曲のすべてが受けたインスピレーションが自分のなかを入ってきて出てきたものなのである意味すべてと言えますね。旅からインスピレーションを受けたこれまでの作品はオピトープの『Hau』、ソロ作品『a long journey』なんですけど、今回の『Mirage』もその系統に入ります。なので、現地で録音したフィールドレコーディング素材が元にあって、そのフィールドレコーディング素材を加工し、音を重ねていくという手法で作った曲も入ってます。

トルコのなにを表現したいかということは考えなかった?

畠山:トルコの何かを表現したいという方向よりも、トルコで自分が受けたインスピレーションを音で再構成したいという方向に行きましたね。ただモスクとか、こっちには絶対にないような建築物とかそういうものを見て、音楽と建築というものの関係性みたいなことをちょっと考えて。やっぱり音楽も音の構造物として考えられると思うんですよね。だから組み立て方は自分のいままで思っていたものではないものが違うやり方でできるのか、とか思ったりしました。

しかし、それがなぜ結局は「蜃気楼」というタイトルになったんですか?

畠山:やっぱりポリティカルなところなのかな。なるべく限定的なことでなくて、どういう風にも解釈可能な言葉を探してみたんですね。ひとつの単語で何を表現できるのかという方向といまの世のなかがどうなっているのかなと考えたときに、蜃気楼みたいなものをみんな一生懸命追いかけているのかなと思ったということですね。何かこう歴史的な変換点にいるような気もするんだけど、そうじゃないような気もするし、なんでしょうかね。人間って観念的なものとか理想とかに動かされていくと思うのですがそういうものも、蜃気楼のようなものなのかもしれないとか、そう思ったんですね。

前に『Mist』(=霧)という作品を出しているじゃないですか。それと似たような感覚でしょうかね? わりとそれが畠山くんのテーマというか、強迫観念としてあるのかな(笑)。

畠山:はははは、なるほど、そうですね。ただ『Mist』の場合は自分が付けたタイトルではなくて、アクセサリーを作っている人がいて、その人のアクセサリーからインスピレーションを受けて作った作品なんですね、で、アルバムタイトルはその人が付けたと。感性が似ているんでしょうね。

でも(『Mirage』には)“Sad Ocean”とか“In The Quiet River”とか、やぱある種湿度を含んだものがタイトルになっているじゃないですか。

畠山:そうですね。そこまでは自覚はしてなかったですね(笑)。

出したらそういう風なものが多かったと?

畠山:そうですね。ただ湿度というか、水という存在は結構音楽を作る上で、気にしている根本的なテーマかもしれないですね。具体的には音色なのですが、水を触る感触、や透明なところとか。逆に考えると確かに乾いたものからはあまりインスピレーションは受けませんね。

ひとつたしかなのはアンビエントの歴史のなかでドローンがフロンティアであったことはたしかだと思うんですね、フィル・ニブロックやエリアーヌ・ラディーグは現代音楽ですからね、2000年代を通して、現代音楽をいかににアンビエントに取り入れていくかというテーマもあったような気もしますね。

畠山くんの音楽の特徴として、音がない箇所がないということがあると思うんですよね。ずっとロング・トーンで続くじゃない?

畠山:ああ、はいはい。たしかにそうですよね。間がない。

ローレンス・イングリッシュもそうだよね。ティム・ヘッカーもそういうところがあるよね。

畠山:ティム・ヘッカーもそうですね。グルーパーもけっこうそうかな。

ローレンス・イングリッシュやティム・ヘッカー、畠山地平の音楽にはなぜ間がないのだろう?

畠山:やっぱりそれはドローンというのがテーマにあるのかもしれないですね。もちろんフィル・ニブロックとか、昔のドローンの人ほどシンプルなドローンではないけれども、それをひとつの手法として取り入れているんでしょうね。
 ひとつたしかなのはアンビエントの歴史のなかでドローンがフロンティアであったことはたしかだと思うんですね、フィル・ニブロックやエリアーヌ・ラディーグは現代音楽ですからね、2000年代を通して、現代音楽をいかににアンビエントに取り入れていくかというテーマもあったような気もしますね。あとはジョン・ケージの逆影響かな、個人的には。4分33秒はやはりとてつもなく大きな存在で、それを超えてみたいってもうじゃないですか、それならば、逆をやるしかないと。音で埋めてみようかと……

ドローンに対するある種の執着というか(笑)。

畠山:それはありますよね。執着することによってひとつの形式みたいなものを作っているんだと思うんですよね。俳句だったら五・七・五があってその枠のなかで創作する、ということとちょっとだけ似ているというか。持続音のなかでいかにドローンのクリエイティヴィティを出せるか、みたいな(笑)。
 あともうひとつはライヴの問題もありますね。これだけパソコンでなんでも加工できてしまうと、どこまでも編集やミックスが可能なのですが、それを今度ライヴでひとりで再現しようとすると絶対に無理で、極端に言うとラップトップでトラックを流すか、アルバムとは違うことをやるしかなくなると。エレクトリックギターによるドローン演奏でどこまで行けるのかというのがテーマでもありました。最近はライヴで録音というのはあえてやめていて、その場で立ちあがる音、現場の音響設備や反響、雰囲気と相まって初めて体験できる音楽、そういう面でライヴ演奏を捉えています。なのでライヴはいつも完全に即興なんですね。じゃあ即興でなんでもやるのかというとそうでなくて、あるフレーム(形式)を用意しますと、それが自分の場合はドローンだったという面はあります。

人はなぜ持続音に向かうのか(笑)。やっぱり沈黙が好きじゃないのか、それとも沈黙というのは表現として違うのか。あるいはそれ以上にドローン/持続音に可能性を見出しているのか。

畠山:(可能性は)ありますよね。持続音の特性、音楽の3大要素。メロディ、和声、リズム、これがひとつもないのが、純粋なドローンですね、ただ音が永遠に鳴っている状態。しかし、何の変化もなく音がなっている作品というのはさすがになくて倍音構成、モジュレーション、音量、音色等、何かが少しずつ変化している。この少しの変化でどこまで行けるのかというところに可能性を感じているのかもしれません。極限のミニマリズムですよね。
 それと長く続く持続音は時間把握能力に変化を与えますね。今何分くらいたったのか、そういう時間認識能力に変化が起きて来るんですね。あとは長いドローン作品に限りますけど、5分くらいだと良さが分からない、10分くらい聞き続ける事によって初めて良さが分かって来るんですね。音の中に体が入って行く感覚というか、音に包まれる感じというか。自分がドローンに向かって行くきっかけとしては,音楽を始めた時はもちろんギター演奏から始めたんですけど、マックのラップトップで作曲を始めたときに「Max MSP」を使うようになって、それで持続音が出せるようになったんですよ。ギターを普通に弾くだけじゃ持続音は出せないんですよね。弾いたら(音が)消えていっちゃうじゃないですか。なので「Max MSP」は衝撃的で。「おお、これでずっと音が出せるぞ!」って(笑)。ですがいまは使ってないですね。

畠山くんが作曲する上で重要な要素はなんなの? 作るときの自分のモチベーションなのか、それともコンセプトなのか、あるいは作曲のアイディアなのか。

畠山:難しい質問ですね。……作りはじめたときからそうなんですが、1曲単位でアイデアが浮かぶという事はないんですね、アルバムのコンセプトが最初にあって、そのアルバムの構想から曲が生まれて来るというのが多いかな。ひとつの曲、あるいは音色単位で考えると”エラー”なのかなと最近思うようになってますね。最初の方の話とリンクしますが、演奏と録音は大事にしていて、例えばパンチインとかしないんですね。間違ったら最初から録音し直すようにするか、そもそも即興なので間違いがないと、でもそういういろいろな意味での揺らぎが面白いんですね。音色でもソフトシンセはほとんど使ってないんですけど、その理由としてピッチが正確すぎるんです。アナログ・シンセはもちろんそうですけど、YAMAHAの昔のデジタルシンセDX7ですら、ピッチがちょっと違うでもそこが味になっていていいんですよ。制作手法に関しては意識的に変えていて最初にスケッチみたいなものを作るんですよ。例えば1トラックはメロディで、そこに2つくらいアレンジを足した3トラックの5分くらいのループものを1日に3、4つくらい作るんですね。それを後で聴いて引っかかるものを作品にしていく、という感じで作っているんですね。
 いまはエディットよりもそのスケッチを作るほうがすごく面白いんですよ。自分でそのスケッチを書くのを意識化してやってみようと思って、いま部屋にギター用のエフェクターとモジュラー・シンセとアナログ・シンセ、あとは普通の楽器やマイクを置いていて、アナログ・ミキサーをいつも起ちあげておいて、ルーパーを使って自分とセッションが出来るようにエフェクター群を4つくらい用意しておくんですよ。そうするとひとつループを作って、それに対して別のループを重ねられるんで。そんなスケッチを作るのをやっていて、それは大体1時間半くらいでひとつのスケッチが出来るんですよね。そうすると調子がいい日は3~4つ作れる。そんな感じでやっておりますね。

なるほどね。じゃあ作品によって極端になにかが変わるということはない?

畠山:日々の営みと一体化しちゃったかな(笑)。

そういう感じはするね(笑)。

畠山:もう飯を食うのと一緒なんですよね(笑)。

アンビエントをやっている人たちにはそういう傾向があるのかね?

畠山:あるのかもしれないですね。やらない日はもう全然やらないんですけど、自分が作るということはかなり意識化をしていて。朝起きてからは他のことをしないとか。なにをやるかというのは前の日に考えておいて、朝起きたらすぐに取りかかる。そうしないと心に雑念が入っちゃうんですよね。雑念が入ると集中できないんです。

 やはりいま音楽も小説もジャズなのでしょうね。ちまたですっかり評判の、戦時下ドイツを舞台にジャズに夢中な不良少年たちを描いた佐藤亜紀の『スウィングしなけりゃ意味がない』。物語中に流れるジャズを実際に聴きながら、大谷能生が佐藤亜紀を迎えてトークします。8月19日(土)、SCHOOL。予約制なので、早めにヨロシク~。

https://scool.jp/event/20170819

Double Clapperz - ele-king

 ど迫力のベースとドラミングがあなたを襲う……東京のグライム・シーンのプロデューサー、Double Clapperzが2枚目となるLP『Get Mad』をリリースする。タイトル・トラックはUKのプロデューサー、Boylanとロンドンで制作したトラック。すでにRinse FMでMumdanceにプレイされるなど注目を集めている。また、ジャケットはUKのアーティスト Joshua Hughes-Gamesによるもの。
 

Double ClapperzのBandcamp等から予約開始中
予約 - https://doubleclapperz.bandcamp.com/merch/get-mad
視聴 - https://soundcloud.com/doubleclapperz/getmad-ep

 また、リリースを記念したリリースパーティの開催も決定している。

 8/14(月) 19:00- @CIRCUSTOKYO
 Double Clapperz - 『GET MAD』リリース・パーティ
 DJ:GUNHEAD、Hara、EGL、Sakana+ SPECIAL GUESTS



Double Clapperz - Get Mad [LP]
[IWR 002]
RELEASE DATE : 1st of October 2017
Pre-Order from 7th August

12inch - 400 copies
Normal Black Vinyl

A1. Get Mad
A2. Get Mad VIP
B1. Obscure

Download Code Bundled

Jlin - ele-king

 アフリカ大陸を想起させる土着的なパーカッションの音を多用し、シャーマニックな声が響き渡る。まるでエレクトリックな音も巧みに操る部族が密林の奥地でおこなう儀式の音楽のようだ。『Dark Energy』、2015年にリリースされた、それまでのジューク/フットワークとは一線を画す突然変異的フットワーク・アルバムのタイトルである。米国中西部インディアナ州ゲイリー出身のジェイリン(Jlin)ことJerrilynn Pattonは、このアルバムでキャリアをスタートさせた。そしていまから1年ほど前に昼間の製鉄工場での仕事を辞め、より制作に時間を割ける環境を得て、2年ぶりとなる2ndアルバム『Black Origami』をリリース。『Dark Energy』からいかに進化したのかを解き明かしたいと思います。

 A1、アルバムタイトル曲”Black Origami”。彼女の場合、基本的にBPM80/160を3の倍数で割ったフレーズ、リズムがベースとなっていて、非常に細かく速く刻まれ、音の定位も細かく変化を加えられていて、とにかく複雑。この曲の場合、様々な音色のパーカッションが様々な音程とリズムを同時に刻むため、パーカッションだけでほとんどメロディを奏でているような感じで、そこに彼女の声とシンプルな上音やフレーズが乗るのですが、そのアンサンブルの妙が本当に素晴らしく、上音はひとつか、被ってもふたつくらいのもので、無駄が一切無く、必要最低限の要素だけで構築されているような感じです。
 冒頭からエレクトリックな音色のシンコペーションフレーズではじまり、ベースラインが刻まれ、キックが入り、パーカッションが複雑なリズムを刻み始めます。笛や銅鑼の音も入っています。そしてとにかくリズム楽器の音色、音程の多彩さに圧倒されます。ソリッドにそぎ落とされながらも複雑という、非常に高度なトラックメイキングだと思います。本当にオリジナルだなと感嘆。
 2015年5月か6月頃にC3の“Nandi”が出来て、これはいままでに作ったものとは違うと感じ、いま思うとこれが“Black Origami”制作のスタートだったとFADERのインタヴューに答えていたジェイリン。このアルバムタイトルトラックは2番目に完成、これもいままでとは違うサウンドだと感じたという。何をJlinは見つけたのか。それは音のまばらな配置だと彼女は言います。“Dark Energy”でも似たような音使いはしている。でもパーカッションはより多彩に、より高速に、より複雑に、転がるような流麗さで刻まれ、音の粒立ちがよりはっきりし、音と音の間の空白が際立つようになった。以前より速く複雑になっているにも関わらず。おそらくこれが彼女が「これでもっと深いところにいける」と感じた要因ではないかと僕は思います。空白。無。そこには底無しの深淵が口を開く可能性が秘められているからでしょう。それをこのアルバムでは追求していったのだと思います。

 タイトルトラックの“Black Origami”が出来て何かを掴んだ頃、彼女は“Dark Energy”が大好きだと言うダンサーAvril Stormy Ungerと出会います。彼女が踊っているヴィデオを見て、「Oh my god,これだ」と感じたと。Jlinのトラックに合わせて踊る彼女の動きはその音楽のリズムと音にぴったり合っていて、彼女は以降Jlinの良き制作パートナーとなり、今年も多くの共同パフォーマンスの予定が控えていて、ジェイリンはオーガナイザーとしても忙しく動いているようです。

https://www.native-instruments.com/en/specials/jlin/

 Jlinの音楽にインスパイアされて踊る彼女に、今度は逆にJlinがインスパイアされて、A2“Enigma”、B3“Hatshepsut”、C2“Carbon 7(161)”の3曲が完成したという、とてもクリエイティヴな循環が生まれています。“Enigma”は多彩なパーカッション、シンバルにベルなどの打楽器と彼女の声だけでほぼ曲が出来上がっていて、そこに時折ビリンバウの音が入るだけ。打楽器と声でメロディとリズムを奏で、そこに唯一付け足す要素としてビリンバウの音を選ぶこと、そして極限まで削ぎ落とされたビリンバウをどの音程でどこで鳴らすか。そこに彼女の考え抜かれた楽曲構成の妙が感じられます。

 “Hatshepsut”もほぼ打楽器だけで構成されています。この曲では彼女の声の代わりに『Dark Energy』の頃から彼女が好んでよく使う、唸りを上げるように弧を描くACIDYな電子音が打楽器に絡み付き、要所要所で吹奏楽器であるホイッスルが吹き鳴らされ、後半の展開部分ではそこにギロの音色が加わります。ちなみにHatshepsutとは古代エジプトの女王、ファラオの名前で、戦争を嫌い平和外交によってエジプトを繁栄させたと言われています。また旧約聖書の出エジプト記でモーセをナイル川で拾って育てたのは彼女だという説もあるそうです。Jlinは彼女に敬意を表したかったと。

 “Carbon 7(161)”がAvrilにインスパイアされて最初に作った曲で、比較的ゆったりとしたフロウを感じさせるトラックです。BPMは同じですが。Avrilがゆったりと踊っている時の動きにインスパイアされたのでしょう。全体的に低い音が使われていて重心が低く、低音の持続音が多用されています。下降していくベースラインはドラムンベースを想起させてくれます。

 A3”Kyanite”は「House of Flying Daggers」という映画のあるシーンにインスパイアされたということで、実際に見てみました。youtubeで検索すると出てきます。The Echo Game Sceneというやつです。チャン・ツィイーが盲目の女性役で、ずらっと円形に並ぶ太鼓に囲まれています。彼女の前に、テーブルに座っている男がいて、そこから石を投げて、当たった太鼓を音だけを頼りにそれと同じものを身につけている長いスカーフで叩くというシーンです。この荒唐無稽なシーンからしっかりと制作に繋げることが出来るジェイリンの真摯な姿勢に心を打たれました。ぜひ見てみて下さい。チャン・ツィイーの動きからこの曲にたくさん入っているカラカラ鳴るカウベルの音を想起したとのことです。

 Jlinは件のインタヴューでこのアルバムのなかからとくに好きな曲を3つ挙げています。それはB1“Holy Child”、D1“1%”、ラストトラックの“Challenge(To Be Continued)”で、そのなかでもとくに好きなのが“Holy Child”だと。なぜならこの曲はラシャドに捧げた曲だからだそうです。同時にこの曲はこれまででもっとも挑戦的なトラックであり、ベースラインがシンコペーションしまくりで、ペースもリズムも唐突に変化する、ラシャドの“I Don’t Give A Fuck”に近い世界観だと思います。ジェイリン自身の幽玄な世界へといざなうような声が、あの世とこの世を繋ぐかのように響きます。そしてこの曲ではかの“the disintegration loops”で有名なWilliam Basinskiがコラボレーターとしてクレジットされています。おそらく機材関係のサポートをしてくれたようで、この冥界的ムードの現出にも貢献しているのかも知れません。

 B2“Nyakinyua Rise”は先行12”のB面にも収録されていて、versionは同じようです。途中から野太い男性の声が合いの手を入れたり、チャーチャッチャー、チャーチャッチャーと叫びまくっていてかっこいい。リズムセクションも重心は低いけれど軽やかさも有ってコントラストが効いている。打楽器とベースラインと声だけで構成されています。

 C1“Calcination”はすごく短いのですが、RabitのレーベルHalcyon Veilから“Death Is The Goddess”をリリースし、〈Planet Mu 〉20周年のコンピでも“Ankou Celeste”でジェイリンと共演していたFawkesがふたたびその声を響かせています。彼女の声もまた浮遊感の有る霊的な雰囲気を纏っていて、折り重なる声とシンプルでゆったりとしたパーカッションによって儀式的ムードを充満させたかと思うと、あっという間に終わってしまいます。もっと長く聴いていたい曲。

 これはPlanet Mu 20周年コンピに収録されている共作曲です。


 C3“Nandi”。この曲にこれまで作ったどの曲にもないサウンドを感じ、結果的にアルバム“Black Origami”のなかでいちばん最初にできたという曲。パーカッションと声とベースだけで構成されていて、パーカッションの細かく割り振られた音の定位と、隙間を活かした構成。これほどまばらな音の配置はいままでにやったことがなく、この手法を使えばもっと深いところまで行けるとJlinは進化の糸口を掴みます。
 いま『Dark Energy』を念入りに聴き直してみると、たしかにこのアルバムほど細かく音の位置を変化させてはおらず、声や上音フレーズなどはよく左右にパンさせていますが、パーカッションは多少の変化は加えられているものの、大体中央に定位しています。恥ずかしながらChartに寸評を書いたときにはそこまで理解できていませんでした。“Infrared(Bagua)”ではこのアルバムほど複雑でも速くもありませんが、この手法の萌芽が感じられます。

 D1“1%”はHolly Herndonとの共作で、アルバムの中でも異色な音色なのはHollyのカラーが出ているのでしょう。一番エレクトリックな印象。リズムの組み方はジェイリン色が強いけれど、普段の乾いた生々しいパーカッションの音はエレクトリックな音に置き換わっている。Hollyは私と同じでとても細部にまで気を配るアーティストだとジェイリンは言っています。僕も大好き。

 D2“Never Created,Never Destroyed”。Dope Saint Judeをゲストに迎え、トラップとミュータント・フットワークを配合させた異色作。引きずるようなベースラインがかっこいい。ラスト手前に新しい試みを収録して、最後の曲“Challenge(To Be Continued)”と題されているのがなんとも頼もしい。

 D3”Challenge(To Be Continued)”。勇ましい曲で、挑戦は続くと宣言しています。一層多彩なパーカッション群が華やかに打ち鳴らされ、ホイッスルが高らかに響き、ジャケットにもなっている象までもが鳴き声をあげ、さながらカーニバルのようです。そして駆け抜けるかのように一瞬で終わってしまいます。Challengeという言葉の余韻を残して。

 シンプルな1枚の何も書かれていない紙。そこからどれだけの可能性を引き出せるか。それが折り紙というアートフォーム。このアルバムの複雑ながらシンプルな音使いで畳み掛けるように流れていくリズムは、シンプルな一枚の紙を複雑に細かく折りたたむことを、音によって表現しているかのようです。

 パーカッションのサンプルの種類は非常に多彩になり、それを緻密に使いこなし、細かく複雑に音を配置することによって、左右だけでなく奥行きまでをも感じさせる事を可能にしたジェイリン。広がりのある音の配置によって、そこに空間があるかのように感じることができます。パーカッション以外の音は厳密に選択し、無駄を削ぎ落とし、空間を残す。シンプルにすることで、逆に力強さを引き出すことに成功しています。

 この時点ですでにかなり踏み込んだ領域に到達していると思われるが、しかし彼女はどんどん次へと向かっていくでしょう。次はどんな風に進化して帰ってくるのか。それを心待ちにしながら、自分も頑張らないとと尻を叩く日々です。Challenge!!!!!

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