「S」と一致するもの

Kahn - Commodo - Gantz - ele-king

 あのエイフェックス・ツインもお気に入りのガンツ、ブリストル新世代の筆頭のカーン、そしてロンドンを拠点にするヘヴィー・ウェイト・ミュージックのベテラン、コモド。この三者によるスペシャル・コラボ作品がマーラやゴス・トラッド、スウィンドルでお馴染みのダブステップ名門レーベルDEEP MEDiよりリリース!本国ではアナログとデジタルのみとなるリリースだが、日本限定での嬉しいCD 化!

 
 そしてなんと、カーン、コモド、ガンツによる約60分のショーケース的なスペシャル・ミックスが公開! UKのベース・ミュージックの最前線。これ、ぜひチェックして欲しい。

https://soundcloud.com/deep-medi-musik/heavy-artilary-mix-by-kahn-commodo-gantz/s-JXvz7

さらに10月28日にはDEEP MEDiクルーがBOILER ROOMを生放送でジャック !!
boilerroom.tv/session/deep-medi/
4am: Dubkasm
5am: Mala
6am: Gantz
7am: Gorgon Sound (Kahn and Neek)
(日本時間28日の早朝です)

Kahn - Commodo - Gantz
ヴォリューム1

DEEP MEDi / Pヴァイン

Amazon



Joanna Newsom - ele-king

 ポール・トーマス・アンダーソンの映画『インヒアレント・ヴァイス』に、ジョアンナ・ニューサムがナレーター/登場人物として現れたことはちょっとしたサプライズだった。同作は大雑把に言って近年大作志向だったP・T・アンダーソン監督がポップを、言い換えれば「俗」を久しぶりに取り戻した作品だと見なせるが、その案内役に必要だったのがニューサムの声(と、カンの“ヴァイタミンC”!)だったというのが興味深い。そこで求められたのは誰もが思い浮かべる『イース』(2006)のジャケットの超然とした佇まいではなくて、60年代の理想が潰えたそのあとの、退廃と幻惑のLAへの導入としてあの甘みがかった声が召喚されたのである。

 そしてその縁でP・T・アンダーソンが監督した先行シングル“サポカニカン”のヴィデオ・クリップはさらに驚くべき……いや、胸を掴まれるものだった。90年代終わりごろの監督作のファンはみな泣いてしまうのではないだろうか。なんてことのない、ブレる手持ちカメラでニューサムそのひとが歌う姿を映すオーソドックスなスタイルのヴィデオだが、そこでの彼女とカメラの親密な視線のやり取りにはたしかな熱がこめられている。舞台は森ではなく、街だ。悪戯っぽく跳ねるピアノと、ふくよかなブラス、そして3分のところで堰を切ったように押し寄せる切ないメロディの高まり……。彼女はそこでハープを持たず、「歌姫」でもなく、ただひとりの女性としてそこにたたずみ、微笑み、歌い、弾み、そして最後は夜の街に颯爽と去っていく。カメラはただその毅然とした背中を見送るばかりだ。

 そのシングルの、ヴァシュティ・バニヤンよりもローラ・ニーロを連想するアーバンな響きもそうだが、どこかアンタッチャブルな聖性を纏っていたこれまでの彼女のイメージを鮮やかに更新する一枚である。ハープは鳴っている。だがそれだけではない。“リーヴィング・ザ・シティ”ではメロトロン、“グース・エッグス”ではハモンド・オルガン、“ワルツ・オブ・ザ・101st・ライトボーン”ではアコーディオン……曲ごとに楽器とスタイルをアレンジを変えて――衣装を変えて、その幻惑的な声をじゅうぶんに響かせる。ニコ・ミューリーやダーティ・プロジェクターズのデイヴ・ロングストレスといった華やかなアレンジャーもここではあくまでニューサムの声の引き立て役だが、3枚組の大作だった前作『ハヴ・ワン・オン・ミー』よりコンパクトな分、楽曲のレンジは広いように感じられる。11曲52分という近作を思えばずいぶんオーソドックスなパッケージとも相まって、ポップ・シンガーとしての顔がずいぶん前に出ている。これほどくっきりと彼女の生身の表情が見えるアルバムは初めてではないだろうか。

 もちろん、そこはジョアンナ・ニューサムである、「ポップ・ソング」と気安く呼ぶにはアレンジは入り組み複雑で、何よりドラマティックな展開を見せる楽曲が多い。タイトル・ナンバー“ダイヴァーズ”は本作ではもっとも長尺の(それでも7分少しだが)、ハープとピアノが巻き起こすうねりで聞かせる一曲、そして終曲“タイム、アズ・ア・シンプトン”ではオーケストラと小鳥の鳴き声を従えてシンフォニックな飛翔を演出する。だがいっぽうで、トラッドのカヴァー“セイム・オールド・マン”やカントリー風味の“ワルツ・オブ・ザ・101st・ライトボーン”の素朴な愛らしさは、聴き手と彼女自身をごく近い地平へと導いてくれる。

 『イース』の頃の過剰にアイコニックな佇まいはいま思えば、戦時下における聖女の役割を負わされていた部分もあるのだろう。ジョアンナ・ニューサムのアルバムを聴くときの何とも言えない緊張感は、ここではずいぶん緩和されている。“サポカニカン”のヴィデオが胸を打つのは、そこでの彼女が10年前の「女王期」よりも確実に年を重ねた姿を晒しているからだ。フリー・フォークの歌姫だと……アメリカからのある種の逸脱を象徴する存在だと見なされていた時期も、少なからずあったのかもしれない。だがそれは忘れてしまおう。いま彼女は街に両足をつけ、ひとりの女として、歌うたいとして、そのなかに渦巻く感情のドラマツルギーでこそわたしたちを魅了する。

現在、NPRにて『ダイヴァーズ』のフル試聴を実施中。
日本時間10/23(金)22:00まで!



New Order - ele-king

 最新作『ミュージック・コンプリート』が絶好調(日本では過去、最高のリアクションらしい)のニュー・オーダー。彼らの帰還を讃えるかのように、ニュー・オーダーに多大な影響を受けた世界中のアーティストたちが作品を寄せるサイト、「シンギュラリティ」(Singularity)にて、『トレインスポッティング』や『アシッド・ハウス』で知られる小説家、アーヴィン・ウェルシュが寄稿した。そのニュー・オーダーへの愛を綴っている文章、ぜひ、読んでみて。

https://trafficjpn.com/news/neworder-singularity/

 なんといってもバカバカしい。そして謎の高クオリティ。何の見返りもなしに、いまの日本のどこにこんなことのできる余裕があろうというのか……? いや、敬意を込めて。

 1985年に第1作めが公開され、一大ブームを巻き起こした傑作SF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ。第2作となる『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』では、主人公マーティが30年後の未来──2015年10月21日を訪れる。そう、日本時間にして今日この日である。

 国内でも本シリーズに登場する車型のタイムマシン「デロリアン」の再現イベントなどが大きな話題となっているが、その『PART2』劇中にて“2015年”に上映されている『ジョーズ19』(歴史は異なる道をたどったが──)と、実際に存在している『ジョーズ4 復讐編』の間に存在するはずの『ジョーズ5~18』を勝手に製作するという、ちょっとどうでもいい作業にかまけている人々もいるようだ。

『JAWS 5 :NEW HOPE』~『JAWS 18:WORLD WAR JAWS』
アーカイヴ
https://jaws-complete.tumblr.com/



 禁断の多数決……どこかできいたことのある名前である。

 ご存知、スティーヴン・スピルバーグ監督の大ヒット映画シリーズ『ジョーズ』。平和なビーチを襲うホオジロザメの恐怖をサスペンス的に描くスリラー映画の傑作だが、禁断の多数決によって撮られた、架空の欠番を埋める第1作めの名は『JAWS 5 :NEW HOPE』。カッコ笑と付け加えたい出落ちタイトルだが、笑えないほどよく作られた笑える作品で、まずは発句として、サメによる凄惨な襲撃事件とその復讐劇というモチーフがなぞられている。
 そうした笑いやお色気、また、うす柔らかいサイケデリアの中に現実世界のチープさないしはフェイクさをぺらりと露出させるこのバンドの手つきそのままに描き出された、奇妙なパロディだ。『JAWS 9 :SUPER DUPER』などフェイクドキュメンタリーとバラエティ番組を適当に組み合わせたような作品も、『ジョーズ』その後のシュミレーションとして穿っている。

 そして音楽ももちろんすべて禁断の多数決。シンセポップの甘美なリヴァイヴァル期は過ぎ去ったが、なるほどモードとしてではなく、彼らは本質的にシンセポップが好きなのだということが了解できる。ただチープなのでも懐古的なのでもない、フェティッシュに選択されたその音色が意外に沁みる。

 しかし、なんというか、これをつくってどうするんですか? と優秀な就活生諸氏などはツッコむことだろう。売り物でも、なにかのプロモーションでも、また、この企画自体をとくに宣伝しようという感じでもない。これだけの気合いが入っていながら、ソロバンの音がきこえてこない。つまりは損得や「いいね!」欲しさなどではないのだ。彼らはアーティスト。本気で遊ぶことのできる人々である。大人が、いい歳をして、なぜに──と頭の片隅では思いながらも、実験もハッタリもある、作品としての居ずまいをキリっと放ったこの楽しい「駄菓子屋映画」、そして彼らのどこかしら突き抜けたハローならぬグッバイワーク・メンタリティに一票を投じたい。

 さて、そもそもの『BTTF』を忘れかけてしまいそうだが、2015年を祝い呪うこの無償の作品群/作品愛にリスペクトを表しつつ、気まぐれに再生してみるとしよう。いまがご帰宅途中ならば、乗り換えまでに1本観られるかもしれません。

追記:
禁断の多数決は、もともとシアトリカルなライヴを行ったり映画をアルバムのモチーフにしたりと、映像表現へのモチヴェーションを強く抱いたバンドだったが、最近は本当にヴィジュアル制作に熱を傾けているようだ。中心メンバーのひとりであるほうのきかずなりも、近々アンディ・ウォーホルの『Kiss』にインスパイアされたというエロティックで幻想的なアートフィルムをリリース予定で(https://crbn.jp/)、音楽はもちろん禁断の多数決。サウンドトラックへと関心が向いているのも興味深い。そちらは80分に及ぶ「本腰の」作品であるようで、扇情的なトレーラーにびびりながらも期待される。

Kiss me, Kiss me, Kiss me
監督:ほうのきかずなり
出演:北見えり、みほの、湊莉久、水野しず、御茶海マミ
音楽:禁断の多数決
挿入歌:hakobune、Masaki Batoh、Rippei
カバーイラスト:大島智子
デコレーション:OLEO

詳細 https://crbn.jp/

禁断の多数決『Kiss feat.あの (ゆるめるモ!)』MV


予告編『Kiss me, Kiss me, Kiss me』



Ninsennenmondai - ele-king

 カミソリのようにソリッドだが、マシュマロのような柔らかさもある。ミニマルなアンサンブルなのに、音の奔流に没入すると驚くほど豊穣な音響世界が蠢いている。陶酔的な音だが、同時に冷めてもいる。記号的で匿名的であっても、彼女たちにしかだせない音が鳴り響いている。さまざまな二極を自在に往復する交通的な魅力。そう、にせんねんもんだいのことである。
 ギターの高田正子、ベースの在川百合、ドラムの姫野さやかによる3ピースのバンド、にせんねんもんだいは結成から16年、アルバム・リリースにおいても10年以上のキャリアを持つがつねにフレッシュな活動を続けている。近年では2013年の『N』の衝撃を覚えている方も多いはず。この作品で彼女たちは演奏と音響と録音の可能性を拡張した。

 『N』の衝撃から2年。新作『#N/A』においても彼女たちは新たな交通性を導入している。エイドリアン・シャーウッドをプロデューサーに(当然ミックスも担当)、〈ダブプレート&マスタリング〉のラシャド・ベッカーをマスタリング・エンジニアに迎えたのだ。経緯を簡単にまとめる。本年4月のエイドリアン・シャーウッド来日時(彼のプロデュースワーク・アルバムのリリース・イヴェント)、彼は、同イヴェントの、にせんねんもんだいのライヴにおいてダブ・ミックスを行った(4月18日/代官山ユニット)。
 本作は、その公演直前(4月14日、4月15日/レッドブル・スタジオ・トーキョー)にレコーディングされた音源である。このときのレコーディング・エンジニアは内田直之。音源はUKに持ち帰られ、シャーウッドの〈On-Uサウンド〉でミックスされた後に、ベルリンのベッカーによってマスタリングが行われ、坂本慎太郎のアートワークをまとうことでアルバムとして完成する。日本とイギリスとドイツ。にせんねんもんだいとエイドリアン・シャーウッドとラシャド・ベッカーというトライアングル=交通によって、本作の最高のサウンドが生まれたというわけだ。

 カラカラと乾いた音がミニマルなリズムを刻む“#1”から耳が持っていかれる。ビートは分解され、キックとハイハットを中心にミニマルなグルーヴを生む。そこにノイジーなギターが介入し、ベースは一定の音をクールに刻む。まさに彼女たちの鉄壁のアンサンブルだが、そこにエイドリアン・シャーウッドならではのダブな音響処理が施されサウンドを快楽的に飛ばすのだ。聴いているわれわれの意識もトぶ。2曲め“#2”は、ミカ・ヴァイニオの音響をバンドで演奏したかのような静寂と緊張に満ちたサウンドで、そこに極めてシンプルに打たれるキックの音は心臓の鼓動のように響く。つづく“#3”、“#4”、“#5”も、にせんねんもんだい特有のアンサンブルのポテンシャルを最大限に生かしながら、エイドリアン・シャーウッドは特有の秘境的なミックスを聴かせる(しかも演奏の魅力を崩すことはないように細心の注意をはらっている)。その余白の美は北園克衛(1902-1978)のマテリアリズムな詩作を思わせる。
 そう、にせんねんもんだい=エイドリアン・シャーウッド=ラシャド・ベッカー、日本とイギリスとドイツのトライアングルによって生まれた本作には、マテリアルな音の魅惑が横溢しているのだ。モノ的なものに感じる官能性を刺激してくれる。

 あの坂本龍一の『B-2ユニット』は、1980年におけるポスト・パンク/ダブの潮流を咀嚼し、東京とロンドンの交錯と交通性の中で生まれた歴史的な作品であるが、『#N/A』もまた2015年現在の日本とイギリスの交通性の中で生まれたインターテクスチュアリーな作品といえないか。まさにテン年代の『B-2ユニット』?

にせんねんもんだい(N)とエイドリアン・シャーウッド(A)による国境と世代を越境する強烈にして柔軟なミニマルかつダブのハードコア。あなたの耳を虜にするサウンドとリズム、その快楽と刺激がここにある。

interview with Fever The Ghost - ele-king


Fever The Ghost
Zirconium Meconium

Indie RockPsychedelicGarage

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 テンションの高い、エキセントリックなサイケ・ポップはいま流行らないだろうか? しかし、まさにテームなドリーム・ポップ化を遂げてしまったテーム・インパラを多少歯がゆく感じている人などは、ぜひこのフィーバー・ザ・ゴーストにぶっ飛ばされてみてほしい(ドゥンエンの新譜もいいけれど)。テームなインパラがノンアルコール・ビールだとすれば、FTGはさしずめドクターペッパーか、ソーダ・フロートに花火の刺さったやつというところ。それは子どもが大好きな、目に悪い色をした、極端な味の、高カロリーの、悪趣味すれすれの、おいしい体験である。

 西海岸というサイケデリック・ロック揺籃の地から現れたサイケデリック・ロック・バンド、フィーバー・ザ・ゴースト。骨太なガレージ感、圧巻のグルーヴ、酩酊感も十分(このライヴが楽しい→https://www.youtube.com/watch?v=s97ZqaFv-O0)、ここでも答えてくれているようにキャプテン・ビーフハートあるいはラヴといった西海岸の先達の影響を奥底にしのばせながら、ホークウインド的なスペーシーなプログレ要素、あるいはグラム・ロックのカブいたポップ・センス、そしてフレーミング・リップスやオブ・モントリオールのエキセントリシティを放射する……とにかく派手なエネルギーを充溢させた4人組である。

 それでいてチャイルディッシュなヴォーカル・スタイルをはじめとして、PVから一連のアートワークにいたるまで、幼形成熟的で得体の知れないキュートさが大きな特徴になっている。彼らの奇矯さの象徴たるこのヴォーカル=キャスパーには、近年のロック・バンドにおける「コレクトな感じ」──グッド・ミュージック志向で行儀のいい、あるいはファッショナブルにヴィンテージ・ポップを奏でる器用さといったものから程遠い、ひとつの業のようなものも感じるだろう。リズム隊が年長でテクニカル、シンセ・マニアがいるのもいいバランスだ。ショーン・レノンによって発見され、ウェイン・コイン(フレーミング・リップス)が入れ込んだというエピソードにもうなずかされる。

 さて、今回取材したのはベースのメイソンだが、じつにマインド・エクスパンデッドな回答を戻してくれた。キャスパー(オバケのあれ)ばかりではない、みながそれぞれに大らかな世界観を持っているのだろう。フィーバー・ザ・ゴースト、そのアンチ・ビタミン・カラーのサイケデリアは、2015年というタイミングにおいてはとくに美味に感じられる。召されませ。

■Fever The Ghost / フィーヴァー・ザ・ゴースト
テンプルズを輩出した〈Heavenly Recordings〉と契約したロサンゼルス出身の4人組バンド。2014年にデビューEP『クラブ・イン・ハニー(Crab In Honey)』をリリース。これまでザ・フレーミング・リップス、ショーン・レノンやテンプルズとツアーを周り、2015年のレコード・ストア・デイには、テンプルズとお互いの楽曲をカヴァーするスプリット・シングルを発売。そして同年9月、デビュー・アルバム『ジルコニウム・メコニウム』の発売が決定した。ラインナップはキャスパー(vocal /guitar)、ボーナビン(synth)、ニコラス(drums)とメイソン(bass)。

僕らに影響を与えたものはたくさんあるんだ。拡張現実、テクノロジーの発達、森、YouTubeのフード・レヴュー……

結成はいつで、どのような経緯で集まったメンバーなのでしょう? 年齢はみなさん近いのですか?

メイソン(bass):結成は2年半くらい前で、もともとはヴォーカルのキャスパーがひとりでシングルをいくつかレコーディングしたところからはじまった。その後いくつかの幸運な偶然が続いて、キャスパーとキーボードのボビーがいっしょにリハーサルをしたり、ショウで演奏するようになって、その少しあとに、僕らのプロデューサーでありゴッドファーザーのルーター・ラッセルが、ベーシストの僕(メイソン)とドラマーのニックをキャスパーに紹介したんだ。ニックと僕はそれ以前にも他のバンドでいっしょに演奏していて、いっしょにロサンゼルスに移ってきた。年齢は僕らのうち2人が30歳で、もう2人が23歳だから、少し離れているね。

西海岸はサイケデリック・ロックの揺りかごともなった土地ですが、実際に生まれ育った場所として、そうした影響の残る土地だと思いますか? また、自分たちの音楽性を決定する上で影響があったと思いますか?

メイソン:たしかにそういう面はあるし、僕ら自身も間違いなく西海岸出身のミュージシャンからの影響は受けていると思うよ。キャプテン・ビーフハートやアーサー・リーのラヴとか。でも僕らがどこで生まれたかに関わらず、そういった音楽に惹かれていたと思うし、それらが僕らが影響を受けた唯一の音楽ってわけでもない。僕らに影響を与えたものはたくさんあるんだ。拡張現実、テクノロジーの発達、森、YouTubeのフード・レヴュー……

(通訳)フード・レヴュー?

メイソン:うん、とくに「ゲイリーズ・フード・レヴューズ(Gary’s Food Reviews)」。ゲイリーは僕らバンドにとってのヒーローみたいな存在だよ。食べ物が好きだから観るというよりもゲイリーのレヴューの仕方が好きだから観るような感じさ。

あなたがたは、エキセントリックな雰囲気があるのに、とてもスキルフルなバンドだと思います。曲作りをリードしているのはどなたですか?

メイソン:曲作りのプロセスは、まずキャスパーが曲を書いて、バンドの他の全員にそのヴィジョンを共有する。そして僕らそれぞれが自分のパートを作って、曲が発展していくんだ。

視覚的な表現においても、斬新でありながら、ある意味では正統的なサイケの伝統を引いていると思います(“バーベナ/Vervain (Dreams Of An Old Wooden Cage)”など)。MVやアートワークのディレクションは誰が行っているのですか? また、その際にとくにこだわる部分や哲学について教えてください。

僕らの美学は、「何であれナチュラルに感じることをする」ってことだよ。

メイソン:誰かひとりがディレクションをしているというよりも、バンド・メンバー全員と、バンドのまわりに不思議と現れた人たちとのコラボレーションだよ。オリバー・ハイバートと弟のスペンサー・ハイバートとは人からの紹介で知り合って、それ以来いろいろなことをいっしょにやることができた。それと同じようにキャスパーはゲーム・デザイナーのテイト・モセシアンを家族ぐるみで子どもの頃からよく知っているんだけど、僕らの新しいアルバムのジャケットのアートはテイトが作ってくれた。そういうふうに僕らのまわりにはたくさん興味深い人たちがいて、僕らはいつもそういうまわりの人たちからインスピレーションを受けたり、コラボレーションしているんだ。僕らの美学は、「何であれナチュラルに感じることをする」ってことだよ。僕らが作る音楽、アート、着る服まで、どれも自由さの産物で、僕らは自分たちをひとつのスタイルやジャンルに縛ったりはしないんだ。表現の自由が僕らの哲学だよ。

ライヴ・ヴィデオなどでは、録音環境もあるのでしょうが、非常にガレージ―でラフなプロダクションが目指されているように感じます。対して、アルバムの方はクリアに整えられていますね。今作のサウンド・プロダクションについて、何か目指すところがありましたら教えてください。

メイソン:目指していたのは、僕らが自信を持って出すことができて、自分たち自身で聴きたくなるようなレコードだった。サウンドについて、バンド内でとくにはっきり「こういうサウンドにするべきだ」みたいな会話をしたわけじゃなくて、僕らが使ったスタジオや、制作に費やすことのできた時間といったいろいろなファクターが組合わさって、自然と彫刻が彫り出されるように、結果的にこのアルバムができ上がったんだ。

とはいえ、“サーフズ・アップ! ネヴァーマインド(Surf's UP!...Nevermind.)”などは絶妙にワイルドですね。エンジニアはどんな方なのでしょう?

メイソン:エンジニアはクリス・ステフェンって名前で、〈セージ・アンド・サウンド〉ってスタジオで仕事をしている。彼はキャスパーの父親と長いこといっしょに仕事をしていて、キャスパーともレコーディングをしたことがあった。すごくいいヤツで、パイレートって名前のすごく可愛い犬を飼っていて、その犬がいつもいっしょにいるんだ。それとヴィクター・インドリッゾ(キャスパーの父)も僕らのガイドになってくれたよ。

(通訳)ヴィクターがプロデューサー?

メイソン:うん、というか、プロデュースは基本僕ら自分たちでやったんだけど、彼は僕らのカウンセラー、ガイダンス、グル、友人としていっしょにいてくれたんだ。

僕らみんなきゃりーぱみゅぱみゅや(初音)ミクの大ファンなんだ。サウンド面でも、ヴィジュアル面でもかなり影響を受けているよ。

このアルバムの制作の進め方についても教えてください。

メイソン:制作のプロセスは曲によってかなりちがっていたよ。いくつかの曲は実際のスタジオの中でキャスパーが作りはじめて、他のいくつかはAbleton Live上で作りはじめて、そのあとスタジオに持ち込んでバンドが加わって、さらに他の曲はバンドでライヴ・トラックとして生まれて、いったんそれを破棄して、それぞれのメンバーが別々に自分のパートを録音して作られた。それぞれの曲に必要な方法で形作っていったんだ。レコーディングのプロセスは全部で18ヶ月くらいにわたったよ。ときにはまったくレコーディングをしない時期があったり、逆に一週間毎日レコーディングを続けたり、スケジュールや時間が許すときに断続的にレコーディングを進めたんだ。

“1518”はドラムマシンを用いてダンス・ビートが敷かれていますね。ファンキーですが、曲調もくるくるとめまぐるしく表情を変えていきます。どんなプロセスででき上がった曲なのでしょう?

メイソン:“1518”にはドラムマシンも少し使っているけれど、大部分は生のドラムの録音なんだ。ニックのドラムに加えて、ヴィクター・インドリッゾの演奏するコンサート・タムもレコーディングに入っているよ──コンサート・タムを演奏できるとヴィクターはすごくハッピーになるから、少し彼に演奏する機会をあげる必要があったのさ。もともとキャスパーが以前に自分の部屋でレコーディングしたセッションからのステム・ファイルがあって、それを僕の家でドラマーのニックに聴かせたんだ。そのとき家の上階の住人からストラトキャスターを買って、僕らのヴァージョンのナイル・ロジャース・サウンドを作ろうとしたんだ。その後にそれを〈セージ・アンド・サウンド〉スタジオに持っていって、他のシンセサイザーのトラックや、ヴォーカルの大部分を加えていった。だから3つのちがったレコーディング環境の組み合わさった曲だと言える。

“イコール・ピデストリアン(Equal Pedestrian)”も非常に自由です。ヴォーカルにはオートチューンまでかかっていますね。とても意外な展開でもありましたし、あなたがたが柔軟なバンドだということもわかりました。少しJ-POP的であるとさえ思ったのですが……

メイソン:そう言ってくれてすごくうれしいよ! 僕らみんなきゃりーぱみゅぱみゅや(初音)ミクの大ファンなんだ。きゃりーぱみゅぱみゅはプロダクションも素晴らしいし、ミュージックビデオも最高で、サウンド面でも、ヴィジュアル面でもかなり影響を受けているよ。僕らのお気に入りのミュージックビデオのいくつかはきゃりーぱみゅぱみゅのビデオさ。

Massiveは複雑なシンセサイザーだから、たとえばキャスパーが「ボビー、フワフワのピンクのスパイダーがたくさん空から降ってきて、地上2フィートのところに着地して、その下を屈んで歩かなきゃいけない、みたいなサウンドが欲しいんだけど」とか言ったとしても、それに対応することができるんだ。

これにヴィデオをつけるとすれば、どんな作品にしますか?

メイソン:この曲のヴィデオはほぼ間違いなく実際作ることになると思うよ。できればきゃりーぱみゅぱみゅのMVの監督に作ってもらいたいな。もしもこのインタヴューを読んでいたら、ぜひお願いしたいね!

ムーグも非常に大きな役割を果たしていると思います。あなたはシンセにも好みがありますか?

メイソン:僕らのキーボーディストのボビーはムーグのLittle Phattyを使っていて、このアルバム中の曲にもかなり使われているよ。それとネイティヴ・インストゥルメンツのデジタル・シンセであるMassiveもかなり多用しているよ。ボビーはサウンドデザインのエキスパートで、MassiveはLittle Phattyよりずっと複雑なシンセサイザーだから、それを使って、たとえばキャスパーが「ボビー、フワフワのピンクのスパイダーがたくさん空から降ってきて、地上2フィートのところに着地して、その下を屈んで歩かなきゃいけない、みたいなサウンドが欲しいんだけど」とか言ったとしても、それに対応することができるんだ。

デヴィッド・ボウイとマーク・ボランだとどっちに共感しますか?

メイソン:うーん、たぶんデヴィッド・ボウイかな。彼の方がマーク・ボランより宇宙が好きだと思うから。

シド・バレットとジム・モリソンなら?

メイソン:間違いなくシド・バレット。彼の方が自転車に乗るのが好きだから。レザー・パンツを履いてちゃ自転車に乗れないもの。

(シド・バレットとジム・モリソンなら)間違いなくシド・バレット。彼の方が自転車に乗るのが好きだから。レザー・パンツを履いてちゃ自転車に乗れないもの。

(通訳)ジム・モリソンは何に乗ると思いますか?

メイソン:彼はたぶん虎から生えた女性の頭に乗るね。

ニンジャとサムライなら?

メイソン:ニンジャとサムライ? いいね、この質問。ニンジャかな、サムライはもっとタフガイっぽいっていうか、英語で言う「bro」って感じがするけど、ニンジャはシャイだと思うから。ニンジャはきっと感情面が発達していると思う。

アリエル・ピンクは好きですか?

メイソン:うん、アリエル・ピンクは好きだよ。ときどきフランク・ザッパの、まるで子どもみたいな性格を思い起こさせるところがあってさ。新しいアルバムはいつも聴くといい時間が過ごせるよ。

現実と非現実というふうに世界を分けるのは馬鹿げていると思いますか?

メイソン:現実と非現実を分けずに考えるのは不可能だと思うよ。現実っていうのはそれを認識する個々人や存在ごとに分裂していっているから、現実と非現実で世界を分けるのは自然な認識で、馬鹿げているとは思わないな。そしてテクノロジーの面について言えば、僕らの世界の上によりよい世界が構築されて、そこに行けるようになるといいなと思うよ。

マインド・エクスパンディングとは、いまの世界を生きていくのに有効な考え方だと思いますか?

メイソン:マインド・エクスパンションはいつでも有効な考え方だよ。必ずしも達成されなければいけないものだとは思わないけれど、マインドを発達させていくことこそが、人間のもっともよい資質のひとつだと思うし、それをやめてしまったら(人間)みんながストップしてしまうよ。いまの時代だけじゃなくて、これまでも、人類の進歩の途上から現在に至るまで、ずっと人間はマインドを成長させてきたと思う。いつか『スター・トレック』の世界が実現したらいいなと思うんだ。すべてが受け容れられて、すべてが与えられて、みなが芸術や科学や探求にフォーカスする世界。それがいちばん楽しいことだと思うし、人々はそういうことを十分していないと思うからさ。

マインド・エクスパンションはいつでも有効な考え方だよ。マインドを発達させていくことこそが、人間のもっともよい資質のひとつだと思うし、それをやめてしまったら(人間)みんながストップしてしまうよ。

アニメやゲームが好きなんですか? 好きな作品を挙げてもらえませんか?

メイソン:うん、アニメやゲームは僕らみんな好きだよ。『アドベンチャー・タイム』とか、『マインクラフト』なんかがお気に入りかな。

日本の作品で好きなものがあったら、ジャンルを問わず教えてほしいです。

メイソン:いろいろあるけど、さっきも言ったようにJ-POPは僕らみんな大好きだし、アニメだったら『(新世紀)エヴァンゲリオン』とかにはかなり影響を受けていると思う。

(通訳)『エヴァンゲリオン』はアメリカでも広く知られているんですか?

メイソン:うん、かなり有名だよ。もちろんメインストリームとしてのレベルで有名なわけではないけど、サブカルチャーとしては有名だと思う。

いまおもしろいなと思う同時代の音楽があれば教えてください。

メイソン:アワー・オブ・ザ・タイム・マジェスティ・トゥエルヴ(Hour Of The Time Majesty Twelve)っていって、略してHOTT MTっていうバンドがいるんだけど、彼らはクールだよ。あと、ヴァイナル・ウィリアムス(Vinyl Williams)も。彼はもうすぐアンノウン・モータル・オーケストラ(Unknown Mortal Orchestra)のサポートをすることになっているんだけど、アンノウン・モータル・オーケストラも好きだよ。HOTT MTとは、他の僕らの友だちのバンドも含めて12月にいっしょに大きなショウをしたいと思っているんだ。同じようなラインアップで日本にも行けたら最高だね!

休まず動悸する音と映像 - ele-king

 エレクトロニカ、IDM、ダブステップ以降のクラブ・ミュージックの交錯点において確実に新たな流れを予感させるアーティストの一人、アルビノ・サウンド。まさにいま世に問われようとしているデビュー・アルバム『Cloud Sports』から、新たなミュージック・ヴィデオが公開された。

Albino Sound - Restless

 廃墟の壁や天井のカットアップにはじまり、塀を越える少年が映し出される。彼が歩きはじめてから駆け出すまでの奇妙な緊迫感は、やがてさまざまな建造物の映写に重なりながら増幅し、主体の出発/前進/衝動もしくは脱出/逃亡/混乱をオブセッシヴに描き出す。モノクロームなサウンドと乾いたビートは、いつしか映像の心拍数にシンクロして、早鐘を打つようにその動悸を高めていく──気鋭の若手ディレクター石田悠介が監督する、日本人離れしたMVセンスも楽しみたい。

 また、来月にはリリース・パーティーも予定されているようだ。あわせてチェックされたし!

電子音楽界の新たな才能、デビューアルバム『Cloud Sports』が好評のAlbino Sound<アルビノ・サウンド>が新MV「Restless」を公開した。映像は短編映画「Holy Disaster」の監督:石田悠介がドイツのベルリンで撮影した映像で作られている。

MVはアルバムのリード曲であり、都会の夜に合うアーバンな世界を持ちつつも、チル効果もあり、反復するビートが非現実的な中毒性を持った楽曲となっている。

またAlbino Soundはデビューアルバム『Cloud Sports』のリリースパーティーを11/19(木)中目黒solfaで開催する。詳細は後日公開予定。

■Albino Soundプロフィール
Albino Soundはプロデューサー兼マルチ・プレイヤー梅谷裕貴(ウメタニ・ヒロタカ)のソロ名義。今までに世界の第一線で活躍するアーティストをその卒業生に名を連ねるレッドブル・ミュージック・アカデミーが世界中から集まった応募者たちの中から選び抜いた日本人アーティスト。その活動は多岐にわたり、TAICO CLUBやRAINBOW DISCO CLUBへの出演の他、ウェブサイトTheDayMag.jp の制作した短編ドキュメンタリー・シリーズのサウンドトラックなどの提供を行っている。デビューアルバム『Cloud Sports』を10月7日にリリース、ミックスは日本を代表するエレクトロニカ/テクノ・アーティストAOKI takamasaが担当。マスタリングは中村宗一郎、MVの映像は短編映画「Holy Disaster」で知られる気鋭の若手ディレクター石田悠介が監督している。

■イヴェント
Albino Sound 『Cloud Sports』 リリースパーティー
日程:11月19日(木)
会場:中目黒solfa
詳細:後日公開

■リリース情報

Albino Sound / Cloud Sports
品番: PCD-20362
発売日:2015年10月7日
価格:¥2,000+税
発売日: 10月7日

<Track list>
01 Airports 1
02 Cathedral
03 Culture,Over again
04 library
05 Restless
06 Jump Over
07 Escape
08 Airports 2


ILLA J - ele-king

「の弟」であることに向かいあう 小川充

 1967年にコルトレーンが亡くなってからのジャズ界は、長年に渡ってその亡霊に憑りつかれていた。彼の死後に台頭したテナー・サックス奏者の多くは、コルトレーンからの影響を引き合いに出され(サックス奏者に限らず、実際にその影響を受けたジャズ・ミュージシャンは多かった)、比較され、結局そのフォロワーというような位置づけをされた。ヒップホップの世界ではジェイ・ディラが似たような立場にある。その死から9年を経た現在、彼の影響力はいまだに色褪せていなし、一種の神格化された存在に近い。ただ、一方で多くのジェイ・ディラ・フォロワーを生み出し、右へ倣えといった状況も生み出した。本人が望む、望まないにかかわらず、「ジェイ・ディラ風」というレッテルを貼られるアーティストも少なくない。実弟であるイラ・ジェイとなれば、なおさらそうした視線にさらされるわけだ。

 イラ・ジェイのデビュー・アルバム『ヤンシー・ボーイズ』は、ミルトン・ナシメントの『ミナス』を模したジャケットで、2008年にリリースされるやいなや大きな反響を集めた。いまも高く評価されるアルバムだが、純粋な意味でイラ・ジェイ個人が反映されたものかというと、少々様子が異なる。というのも、1995年から98年にかけて生前のジェイ・ディラ(この頃はジェイ・ディーと名乗っていた)が残した未発表トラックを使用し、そこにイラ・ジェイのラップをのせた変則的な作品だったからだ。当時はジェイ・ディラ・トリビュート企画が次々と生まれ、そうした流れの中で評価をされてきた。その後のイラ・ジェイは、2010年にはかつてジェイ・ディラが参加したスラム・ヴィレッジの新しいアルバム『ヴィラ・マニフェスト』に客演し、2013年にはフランクン・ダンクのフランク・ニットとヤンシー・ボーイズの名義でアルバム『サンセット・ブルーヴァード』をリリースするが、これらもジェイ・ディラのビートを使用していた。つまり、よくも悪くもイラ・ジェイはジェイ・ディラの亡骸を後ろ盾にしていたのだ。

 そんなイラ・ジェイにとって、2014年にカナダのモントリオールへ移住したことは、大きな転機となったようだ。それによってモカ・オンリー、ポテトヘッド・ピープル、ケイトラナーダといった現地のアーティストたちと新しい交流が生まれた。そうしていままでとは異なる自分のサウンドを見つけようとしていることが、『ヤンシー・ボーイズ』以来7年ぶりとなるこのニュー・アルバム『イラ・ジェイ』から感じ取れる。本作はポテトヘッド・ピープルとの共同制作となるが、彼らはヒップホップだけでなくハウス、ニュー・ディスコ、ブロークンビーツなどの要素も加え、より多彩なビート・メイクをするユニット。本作でも“ユニヴァース”のようなメロウ・ブギーは、こうしたポテトヘッド・ピープルとのコラボがあればこそ生まれた楽曲で、それこそデイム・ファンクやオンラなどに近いものを感じさせる。女性シンガーのアリーを交えたフュージョン・ソウルの“サンフラワー”は、フォーリン・エクスチェンジとか4ヒーローあたりの作品といってもいいくらいだ。このあたりはポスト・ジェイ・ディラとは異なる世界を感じさせる代表で、ほかにもアルバム前半はモカ・オンリーをフィーチャーしたコズミックな質感の“シー・バーンド”、ジャジーなグルーヴに満ちた“キャノンボール”や“オール・グッド”にしても、デトロイトのヒップホップとは異なるトーンを感じさせる。モントリオールで新しいサウンドへ取り組もうとするイラ・ジェイの現在の姿を反映した楽曲群といえるだろう。

 一方、“ストリッパーズ”は比較的ジェイ・ディラ・マナーのヒップホップと言え、サー・ラー・クリエイティヴ・パートナーズやプラティナム・パイド・パイパーズなど、ジェイ・ディラのキャリアの中でも後期に関わったアーティストたちの音に近い。アルバムの後半は“オール・アイ・ニード”“フレンチ・キッス”“フー・ゴット・イット”“パーフェクト・ゲーム”と、こうした流れが続く。イラ・ジェイがジェイ・ディラの影響から訣別することはできない。偉大な兄だから当然だろう。影響を素直に消化し、遺志を継ぎ、その上で新しく発展させるという姿勢が、とくに“フー・ゴット・イット”“パーフェクト・ゲーム”というフューチャリスティックな匂いを漂わせる2曲に表れているのではないだろうか。そして、アルバム最後のメロウな浮遊感に彩られた“ネヴァー・レフト”は亡き兄に捧げた曲となっている。


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“ストリッパーズ”──よれたビート、浮遊するシンセ矢野利裕

 ジェイ・ディラの弟というイメージがついてまわらざるをえないイラ・ジェイ。とは言え、スラム・ヴィレッジに加入もする彼が、偉大な兄をリスペクトしているだろうことは間違いない。フランク・ニッティとのヤンシー・ボーイズも含め、ジェイ・ディラのビートのうえでラップを続けてきた経緯を考えても、イラ・ジェイは、ジェイ・ディラの影を真正面から引き受けてきた。しかし、イラ・ジェイは今回、次のステップを踏み出している。

 本作で注目すべきはやはり、新世代プロデューサー陣によるサウンドワークだろう。とくに、全編にわたって関わっているポテトヘッド・ピープルの活躍がめざましい。本作は確実に、イラ・ジェイとモカ・オンリー(本作でも多く関わっている)が客演したポテトヘッド・ピープル“エクスプローシヴ”の方向性で作られている。本作におけるポテトヘッド・ピープルのサウンドは、“ユニヴァース”のPVなどで早くに示されていた。電子音から始まる“ユニヴァース”は、そのメロウさとベースの強さに一瞬西海岸のギャングスタ・ラップを感じるが、イラ・ジェイのヴォーカルが入ると現代的なR&Bっぽいたたずまいになる。ラップのパートになると、シンセ・ベースとクラップ音のビートが、とてもグルーヴィーにラップに絡む。ラストの、ビートが抜けてシンセだけになる展開も気持ち良い。わかりやすい派手さがあるわけではないが、細部に聴きどころ満載の変則型シンセ・ブギーだ。あるいは、オープニングを飾る“シー・バーント・マイ・アート・ft・モカ・オンリー”は、タメのあるビートに、くぐもったベースと浮遊感のあるシンセ音が背後で薄く流れ続け、イラ・ジェイの変速的なフロウが映える。その他、挙げればキリがないが、ラストの“ネヴァー・レフト”なども、低音・中音・高音のシンセサイザーが絡まるように鳴らされていて、静謐なサウンドの印象とは裏腹の緊張感がある。同じように緊張感が抜群なのは“キャノンボール”だ。反復するキーボードのフレーズとスナップ音のフェイド・インからはじまり、その後、ピノ・パラディーノを彷彿とさせるベースが入ったところから、一気にグルーヴィーになっていく。と思ったら、今度は、ずっとくり返されていたフレーズが抜かれ、イラ・ジェイのラップのフロウが奔放になる。ラップやヴォーカルも含め、各レイヤーのサウンドが同じ曲のなかで奔放に振る舞っており、にもかかわらず、危ういながら統一感もあり、とてもスリリングだ。生楽器が入っているのが、いいアクセントになっている。同じように、ビートこそ4つ打ちだが、全体として生楽器のフィーリングを大事にしている“サンフラワー・ft・アリー”も、ビートがしっかりしているぶん、小節をまたいで鳴らされるギターが解放的に響く。このあたり、LAビートとジャズのフィーリングが融合したテイラー・マクファーリンなどを連想しながら聴いた。

 このように、イラ・ジェイのセカンド・アルバムが、ポテトヘッド・ピープルをはじめとするプロデューサー陣に支えられているのは間違いない。とくに、アルバム全体のそこかしこで聴くことのできる、浮遊感のあるシンセ音は、イラ・ジェイの新しい魅力を引き出して、曲全体に中毒性をもたらしているように感じる。“フレンチ・キス”の浮遊感など、とてもいい。このような現代的とも言えるシンセの使いかたは、たしかにジェイ・ディラのトラックには、あまり見られない。ジェイ・ディラに対して、90年代的なサンプリング・ヒップホップのイメージ――つまり、Jay Dee名義のころのイメージ――を持っているリスナーならば、なるほど本作は、宣伝文句にあるように「偉大すぎる兄の呪縛から解き放たれた」という面があるかもしれない。それはそれで事実だろう。しかしそれは、一面的な見方でしかないと思う。本作において同時に注目すべきは、そのビート感覚である。調子を少しずつズラされ、つんのめる感じのよれたビートこそ、一方で本作を特徴づけるものである。そして、もちろんそれこそは、ジェイ・ディラのビートの特徴にほかならない。クォンタイズ機能を使わずに打ち込んだ独特のビート、キックではなくスネアの響きを重視したドラム、その音響とゆらぎ――ジェイ・ディラの偉大さは、そうしたグルーヴ感の創出にこそあったはずだ。その点からすれば、本作もまた、ジェイ・ディラの偉大な影響下にある。さらに言えば、ジェイ・ディラ的ゆらぎを自身の作品に意欲的に取り込んだのがディ・アンジェロの『ヴードゥー』だが、たとえば“フー・ゴット・イット・ft・モカ・オンリー”のビート感と多重コーラスなどは、あきらかにネオ・ソウル以降のものとしてある。あるいは、すでに触れた“キャノンボール”も、コーラスから各楽器にいたるまで、ネオ・ソウルのフィーリングに溢れている。本作にとってコーラス・ワークというのはすごく重要で、イラ・ジェイとモカ・オンリーのコーラスこそが、ジェイ・ディラ的な抜けのいいビートに厚みを持たせている。モカ・オンリーと言えば、個人的には“ライヴ・フロム・リオ”におけるラップと歌の器用さが印象的だったのだが、そんなモカ・オンリーが本作に要請されるのは、したがって、納得と言えば納得である。多彩なヴォーカル技術は、ジェイ・ディラ以降の歌モノにおいて大事なのだ。その意味で、多彩なヴォーカルが飛び交う“オール・グッド・パート・2・ft・モカ・オンリー、アイヴァン・エイヴ”もまた、素晴らしい歌モノとして聴くことができる。ヒップホップともR&Bとも言えない/言える、美しいゆらぎとグルーヴに満ちた曲だ。

 本作はたしかに、イラ・ジェイの次なるステップだろう。現代的なシンセサイザーの音が、そのことを強く示しているようである。しかし、同時に本作は、ジェイ・ディラに端を発したクリエイティヴィティが詰まってもいる。だとすれば、中毒的で浮遊感のあるシンセサイザーが、よれたビートのうえで印象的に鳴らされる“ストリッパーズ”は、まぎれもなく本作のハイライトである。ところどころに入る多重コーラスによって演出されるネオ・ソウル感も聴き逃せない。というか、この楽曲自体、とても鮮烈なフィーリングを獲得していて、何度も聴き直したくなる。ケイトラナーダという新しい才能も関わった、とても素晴らしい曲だ。“ストリッパーズ”のような曲を聴く限り、「兄の呪縛」は解けたとも言えるし、とらわれたままだとも言える。まあ、なんだっていい。ジェイ・ディラがいたのは事実だし、時代が変わっていくのも事実だ。そして、“ストリッパーズ”が素晴らしい曲であることも、もちろん事実なのだから。イラ・ジェイは、それらすべての事実を真正面から引き受ける。

メロウ大王の帰還 - ele-king

 アイズレー・ブラザーズ(THE ISLEY BROTHERS)のメロウ大王、シルキー・ヴォイスのロナルド・アイズリー。最近は目立った動きがないが、74歳の高齢だけに、元気にしているだろうかと気にしていたところ、この夏、ケンドリック・ラマーのアルバム『To Pimp A Butterfly』の“How Much 2 Dollar Cost”にゲスト参加して、だいぶかすれたとはいえ相変わらず魅力的な美声を聴かせてくれた。これはそろそろ新作が期待できるのでは、と思っていた矢先のつい先日、ネット上で突然の訃報が飛び交って驚いたが、もちろんこれはデマ。すぐさまロナルドは元気だとオフィシャルの声明が出された。そしてそのニュースの流れで、ロナルドは新作を制作中で、来年にはワールド・ツアーを計画していることがわかった。
 同じく『To Pimp A Butterfly』に参加し、冒頭の“Wesley's Theory”で、迫力のある語りをガッツリ聴かせた同い年のジョージ・クリントンが、近年すっきりと体重を落としてどんどん健康になっていることを思えば、同い年のロナルドもまだまだ元気で歌い続けられるはずで、心配など余計なお世話だったか。

 オハイオ州シンシナティ出身のアイズレー・ブラザーズの出発点は、ご多分にもれずゴスペルのファミリー・ヴォーカル・グループだが、世俗音楽に照準を合わせ、57年にNYに拠点を移した。その形態は、大まかにいって、60年代を通しては兄弟3人のヴォーカル・グループ、70年代はそこにギターとベースの弟2人、キーボードの義弟1人が加わった6人組のファミリー・グループだ。ミュージシャンが時代とともにスタイルを変化させるのは当然のことだが、アイズレーズは変化してもその都度、大きなヒットを出し、とくに70年代の全盛期にはファンクとメロウという対照的なスタイルを並行して打ち出しながら、その両方で頂点を極めた。
 さらに90年代には、彼らのメロウの名曲“Footsteps In The Dark”をサンプリングしたアイス・キューブの“It Was A Good Day”、同じく“Between The Sheets”をサンプリングしたビギーの“Big Poppa”を筆頭に、再評価の風潮が高まる。ロナルド自身も若いアーティストの作品のゲストとして引く手あまたとなり、その勢いで00年代にはアイズレー・ブラザーズを再始動させ、ミリオン・セラーとなるアルバムを連発するなど、第二次黄金期を築き上げるに至った。
 ヒップホップのおかげで90年代に息を吹き返し、新作を出したりツアーを再開したりしたアーティストはたくさんいるが、その多くが懐メロの域を脱しなかったのに対し、ロナルドは時代に沿ったトレンディーなプロダクションとがっぷり組んで第一線に返り咲き、他に類を見ない破格の復活劇を繰り広げた。サンプリング・ネタとしての人気もすっかり定着し、先のケンドリック・ラマーも、“I”ではアイズレーズの73年の大ヒット曲“That Lady”をサンプリングしている。


The Isley Brothers
The RCA Victor & T-Neck Album Masters(1959-1983)

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 さて、先ごろそのアイズレー・ブラザーズの『The RCA Victor & T-Neck Album Masters(1959-1983)』という、23枚組のとんでもないボックスが発売された。タイトルからもわかるとおり、59〜83年にRCAとTネックから発表された全23枚(2枚組があるので全22作)を網羅したボックスで、50ページにおよぶカラー・ブックレットと、初回版には限定特典として解説の邦訳も付いている。RCAとTネックの間の60〜69年に発表されたアルバム、そして再評価で改めて人気が高まった90年代半ば以降を含め、Tネック後に出したアルバムは対象外なので、全盛期を含むTネック期69〜83年の全21作22枚に、RCAからの59年に出た『Shout!』が付いている、と言った方が実態に即しているだろうか。以下、本ボックスに収録されたアルバムを1枚ずつひもときながら、アイズレーズの足跡を辿ってみよう。

 まずは初アルバムの『Shout!』。これはRCAからのセカンド・シングルだったタイトル曲がヒットして、それを軸に組まれた59年のアルバムだ。兄弟3人の作となる“Shout!”は、チャート・アクションこそ地味だったがロング・ヒットとなって、最終的にはミリオン・セラーに達したらしい。ここでの彼らは、いくらか節度のあるコントゥアーズと言いたくなるくらい、実にエネルギッシュなドゥーワップ・グループで、それは3人が飛び跳ねるジャケットにもよく表れている。シンプルな作りの陽気なドゥーワップに交じって、トラディショナルの“When The Saints Go Marching In”、R&Rの“Rock Around The Clock”なども歌っており、街角からそのままやってきたような活きの良さだが、それもそのはず、この年、一番年長のオーケリーでも22歳、ロナルドはまだ18歳だ。

 だがヒットはこれ1曲にとどまって、この後は前記のとおり、本ボックスには収録されていない10年間が挟まり、アイズレーズはいくつものレーベルを渡り歩く。その過程で、ワンド在籍時の62年には“Twist & Shout”が大ヒットし、翌年にはビートルズがカヴァーするに至った。
 また64年には、友人の紹介で故郷シアトルから出てきたばかりのジミ・ヘンドリックスに出会い、自宅に居候させて活動を共にするようになる。この頃の録音は、当時、彼らが住んでいたニュージャージ州ティーネックに立ち上げたレーベルのTネック、そしてアトランティックから、シングル4枚がリリースされているが、全く話題にならなかった。
 ジミが65年にUKに渡ったため共演は短期に終わったが、アイズレーズは翌66年、当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったタムラ・モータウンとの契約を得て、最初のシングル“This Old Heart Of Mine”を大ヒットさせた。この曲を収録した66年の同名アルバムが手元にあるが、スプリームスの“Stop! In The Name Of Love”や“I Hear A Symphony”、マーサ&ザ・ヴァンデラスの“No Where To Run”などのカヴァーを含め、ここではホランド/ドジャー/ホランドによるモータウン・サウンドをバックに歌うアイズレーズという、彼らの歴史の中ではある種、異色な姿が確認できる。そしてよくも悪くも制作体制が完全にコントロールされたモータウンを3年ほどで離れると、アイズレーズはTネックを本格始動させて、すべてを自分たちで管理する活動形態に移行する。

 セルフ・プロデュース体制を手に入れたアイズレーズは、69年には勢い余って3作も発表している。スーツ着用が基本だったそれまでの面影が残って髪型はきちんとしているが、衣装はぐっとサイケに決めた姿がジャケットに収められた『It's Our Thing』には、モータウンの軽快なポップスとはひと味違う、深みのあるソウルが詰まっている。
 中でも実質的にタイトル曲であるファンキーな“It's Your Thing”はR&Bチャートで1位、ポップ・チャートでも2位の大ヒットとなった。これを受けて、ついこの間まで、モータウンのアーティストのカヴァーを歌わされていたアイズレーズの曲を、ジャクソン5やテンプテーションズがすかさずカヴァーするという逆転現象も起こり、アイズレーズにとってはさぞ痛快だったことだろう。
 またファンク色が一気に表面化しているのもこのアルバムの特徴だが、それはこの頃のJBのファンクやテンプテーションズのサイケなファンキー路線などを考えると腑に落ちる。とくに“Give The Women What They Want”は、JBの影響がストレートに表れたファンクだ。なお後にギターに転向する弟のアーニーが、このアルバムにはベースで参加している。

 続く『The Brothers: Isley』からは、“It's Your Thing”のテンポを落としてヘヴィーにしたような“I Turned On You”がヒット。全体的にも前作よりヘヴィーな感触を増すとともに、サイケ色も加わっており、この頃、デトロイトではファンカデリックがレコード・デビューしていたことに思いを馳せる。

 その一方では、ルドルフの真摯なリード・ヴォーカルに、ロナルドの激しいバック・アップ・ヴォーカルが絡むスロー“I Got To Get Myself Together”もあるし、ロナルドの“Get Down Off Of The Train”での男臭い熱唱や、“Holdin' On”での部分的なシルキー・ヴォイス使いも聴きものだ。そしてこのアルバムでは、アーニーはドラムスとベース、もうひとつ下の弟のマーヴィンがベースで参加した。

 69年の3作目は、アナログでは2枚組だったライヴ盤『The Isley Brothers Live At Yankee Stadium』。この年の6月、アイズレーズは「若くてクリエイティヴなアーティスト」を集めた大規模なコンサートを開催し、そのドキュメンタリー映画『It's Your Thing』を製作するという大仕事をやってのけた。本作はその音源版で、アイズレーズに加え、ゴスペルのエドウィン・ホーキンス・シンガーズにブルックリン・ブリッジ、Tネックで売り出し中だった女性シンガーのジュディ・ホワイト(本ボックスでもボーナス・トラックで何枚かのシングルを聴くことができる)、そしてファイヴ・ステアステップスらのパフォーマンスが収められている。アイズレーズの演目は“Shout!”と“It's Your Thing”を含む4曲だけだが、アーニーはドラムス、マーヴィンもベースで参加し、喉を枯らして熱唱するロナルドをはじめ、当時の若いエネルギーと熱気あふれるパフォーマンスの一端を垣間見ることができる。

 1年に3作発表しても、乗りに乗っているアイズレーズは休むことを知らず、翌70年には『Get Into Something』を発表。ここからはアーニー(ds, g)、マーヴィン(b)、義弟(ラドルフの妻の末の弟)のクリス・ジャスパー(p)が全面参加するようになる。ホーン・セクションもストリングスも使った壮大な長尺ファンク・ロックの冒頭の2曲が耳を引くが、前年にアイザック・ヘイズが『Hot Buttered Soul』を発表していることを考えると、この流れも順当だ。そしてこの2曲はバーナード・パーディーとアーニーによるツイン・ドラムも聴きもの。全体的にはギターの役割が大きくなってサイケ色を増したのに伴い、ロナルドの歌にもナスティかつダーティーな味わいが加わっている。なおラストの“Bless Your Heart”は、どこから見ても“It's Your Thing”の別ヴァージョンとしか思えない。

 次の『In The Beginning… The Isley Brothers & Jimi Hendrix』は、一旦、時系列から外れるが貴重なアルバムだ。前記したとおり、64〜65年に録音され、設立したばかりのTネックから1枚、アトランティックから3枚リリースされたシングルの両面全8曲入りのアルバムだが、そのうちの6曲に、当時21〜22歳のジミが参加しているのだ。アトランティックとの権利関係の契約が満了して、アイズレーズの手に権利が戻ったため、やっとリリースできたそうだが、ジミの死の翌71年の発表なので、彼らなりの追悼盤でもあったのだろう。まだワウワウもファズも使ってないが、すでにジミは唯一無二のスタイルを確立しているばかりか、後の十八番のひとつとなる夢の世界のように美しいスローの萌芽も現れている。ここにはジミが歌った曲はないが、1曲目の“Move Over And Let Me Dance”は、ロナルドが明らかにジミの唱法をまねて歌っており、ブーツィー・コリンズの歌が、ジミのものまねから生まれたことが思い出された。なお当時のジミとの生活が、まだ12〜13歳だったアーニーに及ぼした強烈な影響は、後のアーニーのギター・プレイにくっきりと表れることになる。

 本筋に戻ろう。この後は、R&Bチャートのトップ20ヒットとなったサイケでファンキーな“Warpath”のシングル発表を挟んで、71年に『Givin' It Back』(“Warpath”もボーナス収録されている)が発表された。前作では主にファンク・ロックの流れを突き進んでいたが、今回はカーティス・メイフィールドやマーヴィン・ゲイらによってもたらされたニュー・ソウルの流れを捉えて、ニール・ヤング、ジェイムズ・テイラー、ボブ・ディランなど、男性ミュージシャンのカヴァー集だ。3人揃ってアコースティック・ギターを抱えたジャケットからも想像できるようにアコースティックな作りで、多用されたパーカッションが耳を引く。そしてロナルドは激しいヴォーカルだけでなく、シルキー・ヴォイスで切々と歌う場面も多い。ここからはCSNYのカヴァー“Love The One You're With”がヒットした。

 そのヒットに気を良くしたか、続く72年の『Brother, Brother, Brother』も半分はカヴァーで、今度は女性シンガーに照準を合わせ、キャロル・キングのカヴァーが3曲もある。そのうちシングル・カットされた“It's Too Late”は、歌にも演奏にも原曲の名残がほとんどない10分半の長尺版。ロナルドの独自の解釈による歌も含め、すっかり自分たちの曲のような佇まいだ。だが人気が高かったのはオリジナル曲の方で、R&Bチャート3位になった“Pop That Thing”をはじめ3曲がヒットした。またジミの死に思うところがあったのか、アーニーのギター・ソロは堂々として進境著しい。加えてクラシカルの正式な教育を受けているクリスも、全体に華やかさや重厚さなど、様々な彩りをもたらし、その活躍には目を見張る。

 急速に頼もしさを増した弟たちとともに、その勢いをダイレクトに刻んだのが、73年発表の『The Isleys Live』だ。オリジナルはアナログ2枚組で、前2作の収録曲からのセレクトに“It's Your Thing”を加えた曲目は、やはりカヴァーとオリジナルが半々。衣装もすっかりサイケになったヴォーカルのオーケリー、ルドルフ、ロナルド、ギターとベースに弟のアーニーとマーヴィン、キーボードに義弟クリス、このラインナップにドラムスとパーカッションを加えたバンドはとてもまとまりがあり、間もなく始まる絶頂期を予感させる熱い演奏が繰り広げられている。特に“featuring Ernest Isley, Lead Guitar”というクレジットに恥じず、アーニーは各曲で燃え上がるようなソロを聴かせる。ブックレットには、まるでジミのようにバンダナを巻いた頭の後ろにギターを抱える姿が見られるし、すべての曲が終わった後の独演は、もはやジミそのものだ。

 この後、アイズレーズは年長の兄3人のヴォーカル隊に、弟と義弟の3人が正式に加わったバンド体制となり、73年の『3+3』は、ジャケットにも6人が揃って写った記念すべき第一弾アルバムだ。半分ほどはジェイムス・テイラー、ドゥービー・ブラザーズなどのカヴァーでフォーキーな路線を残すが、その中で、ヴォーカル・グループ時代の64年にシングル発売したオリジナル曲“Who's That Lady”の新装版“That Lady”は、パーカッションとアーニーの唸るギターが映える、ファンキーさとメロウさを兼ね備えた名曲で、R&B/ポップ両チャートのトップ10に入り、69年の“It's Your Thing”以来の大ヒットとなった。クラヴィネットを交えたクリスの演奏の鮮烈な彩りも加わって、アイズレーズは明らかにパワーアップしており、他にもスライ&ザ・ファミリー・ストーンのリズム・パターンを流用した“What It Comes Down To”、シールズ&クロフツの曲を極上のメロウにリメイクした“Summer Breeze”がヒットし、アルバムはR&B/ポップの両チャートで初めてトップ10入りを果たした。なお余談ながら、“If You Were There”は、シュガーベイブ/山下達郎の「ダウン・タウン」の下敷きになった曲だ。

 続く74年の『Live It Up』は、タイトル曲を筆頭とする激しいファンク、Tネック期では最後のカヴァー曲となるトッド・ラングレンの“Hello, It's Me”を含むメロウを二本柱とした方向性が示され、絶頂期の音楽性の基盤が固まった手応えが感じられる1枚だ。ファンクとメロウのいずれでも、アーニーとクリスが力強さ、美しさの両面を膨らませて強化し、大いに貢献しており、中でもクラヴィネット、モーグと、順次、新しい機材を導入してきたクリスが持ち込んだアープ・シンセの美しく繊細な音色は、以後のアイズレーズには欠かせないトレードマークのひとつとなる。

 そしてアーニーがドラムスを兼任し、名実ともに3+3の6人だけの録音体制となった翌75年の『The Heat Is On』は、弟たちが曲作りにも力を発揮してカヴァー曲を排し、ついにR&B/ポップの両アルバム・チャートを制覇した。後にパブリック・エネミーが同名曲を出す“Fight The Power”では、“Bullshit is going down”というストレートかつ強烈なメッセージを発信されているのに驚く。作詞をしたアーニーは“nonsense”と書いたのだが、それでは生易しいと感じたロナルドが、録音時に急遽“bullshit”に変えて歌ったとのことだ。初めてかどうかはわからないが、この時期に“bullshit”という言葉が歌詞で歌われるのは異例。そしてそのロナルドの本気がみなぎる歌を、クリスのクラヴィネットのバッキングが熱く盛り上げている。この曲を含めアナログ盤のA面にあたる前半はファンク、B面にあたる後半には、後年サンプリングで大人気となる“For The Love Of You”をはじめとするメロウが収録されており、クリスのアープ・シンセの格調高く甘い音色が加わったメロウは、とろけるような威力を身につけた。なおボーナス収録されている“Fight The Power”のラジオ・エディットでは、やはり“bullshit”にピー音がかぶせられている。

 翌76年の『Harvest For The World』は、クリスのピアノを軸とした壮大な前奏曲で始まる。前作と比べるとファンクの比重は抑え気味で、ヒットしたのも、アーニーのギターともどもスムースな疾走感で駆け抜ける“Who Loves You Better”と、フォーキーなメッセージ・ソングのタイトル曲だ。だがクリスのクラヴィネットによる同じフレーズの繰り返しのバッキングが高揚感を煽る“People Of The Today”や“You Still Feel The Need”など、ヘヴィーなファンクも健在で、この辺りはスティーヴィー・ワンダーの「迷信」や「回想」などの作風がベースになっていそうだ。そしてまどろみを誘う“(At Your Best) You Are Love”をはじめとするメロウともども、音の幅をどんどん広げるクリスの手腕が随所に活かされている。

 続く77年の『Go For Your Guns』ではファンクが盛り返す。ヒットした“The Pride”はEW&Fを意識したようなファンクで、マーヴィンが拙いスラップ・ベースで頑張っているのが愛おしい。もう1曲のファンク“Tell Me When You Need It Again”は、久々に外部のメンバーがアディショナル・キーボードとベースで参加しており、マーヴィンにはまだ無理そうなこなれたスラップなどを加味。またファンク・ロックの“Climbin' Up The Ladder”は、ファンカデリックの“Alice In My Fantasies”が下敷きになっているのは明らかで、アーニーのギター・ソロも、ジミとファンカデリックのエディ・ヘイゼルが混ざり合ったイメージだ。もっともエディもジミの大ファンだったので、3人のプレイにはもともと共通点が多いのだが。一方のメロウも名曲が揃い、特に“Footsteps In The Dark”と“Voyage To Atlantis”の2曲は、神秘的なメロウという新境地を切り開いた。今になって思うと、アイズレーズはドリーム・ポップの先駆者でもあったのかもしれない。

 再度6人体制に戻した78年の『Showdown』も、ファンクとメロウのバランスが取れたアルバムで、前者は“Take Me To The Next Phase”、後者は“Groove With You”という名曲を生んだ。この2曲を聴くだけでも、ロナルド、ひいてはアイズレーズの、ファンクでの力強さとメロウでの繊細さ、その対照的な両者を極めた高い表現力を実感できるだろう。また、多数のカヴァー曲に取り組んでいた頃から一貫して、他者のいいところを自分たちの流儀にあてはめて取り込むことに長けていたアイズレーズだが、この頃は、当時のファンク・バンドが当然のように使っていたホーン・セクションやストリングスを、何故か取り入れていない。アーニーが“Groove With You”のドラムスでハイハットを入れていないことに言及しながら、アイズレーズの場合は「あるものがないところが特徴」と語っているが、その言葉は核心をついている。歌3人、楽器3人でできることに敢えてこだわり、その結果、音数の少ない組み立てでオリジナリティが確立されているのだ。ただアーニーの言葉には、ひと言付け加えて、「あるものがないが、足りないものは何もない」とさせてもらいたい。

 こうしてアイズレーズは自分たちの流儀で、『Live It Up』からの5作を連続してR&Bのアルバム・チャート1位にし、そのうちの4作はポップ・チャートでもトップ10に送り込んだ。この勢いに乗って、79年の『Winner Takes All』は2枚組と大きく出た。1枚目はファンク主体、2枚目はメロウ主体で、細かいところでは、クリスがペンペンした特徴的な音のアレンビックのベースを弾くなどの新しい試みや、フレーズの幅を広げたアーニーのギターの成長といった部分的な変化はあるが、大筋ではこれまでのアルバムの拡大版だ。となると若干の冗長さを免れず、セールス的には後退。そうはいってもアルバムはR&Bチャートで3位、ポップ・チャートで14位だし、3曲のシングルのうち、ファンクの“I Wanna Be With You”はR&Bチャートで1位になっているので、セールスの後退の主な要因は2枚組の高価格だったのだろう。だがディスコの隆盛やエレクトロの発展によって、セルフ・コンテインド・バンドによるファンクの時代の終焉が徐々に近づいていた、という背景も、じわじわと影響を及ぼし始めていたのかもしれない。

 いずれにせよ次作、80年の『Go All The Way』は1枚組に戻し、ファンクとメロウをほぼ交互に収録。さらにこれまで先行シングルはファンクと決まっていたが、今回はメロウの“Don't Say Goodnight”を選択した。この曲が“It's Your Thing”以来のR&Bチャート連続4週1位となり、その人気に引っ張られて、アルバムもこれまでで最高のR&Bチャート連続5週1位を記録、前作でのつまづきを帳消しにした。メロウを前面に出した背景には、AORやクワイエット・ストーム人気の高まりがあるのだろうが、骨太のファンクも、とろけるようなメロウも、どちらも独自の流儀で超一流のレベルに高めていたアイズレーズだからこそのなせる業だ。

 このタイミングで、これまでのヒット曲をライヴ用のアレンジでスタジオ録音した擬似ライヴを2枚組で出したいと考え、アイズレーズはドラマーとパーカッション奏者を迎えて『Wild In Woodstock: The Isley Brothers Live At Bearsville Sound Studio 1980』をレコーディングした。しかしこのアルバムは配給元のCBSから発売を却下されてお蔵入りとなったため、これまでに5曲を除いてボーナス・トラックなどでバラけて発表されてきたが、完全な形で陽の目を見たのは今回が初めてだ。そもそも何故スタジオ録音の擬似ライヴを録りたかったかというと、実際のライヴでは機材の不調や故障、ノイズといった不測の事態が起こりがちだし、一概に悪いこととは言えないが、勢い余って演奏が荒れることもある。そうした可能性を排除した状態で、ベストの演奏を残したかったようだ。冒頭の“That Lady”を聴くだけでも、バンドの力量がオリジナル録音当時とは比べ物にならないほど上がっているのがわかるだけに、彼らがそうした思いを強く持ったことには何の不思議もない。余談ながら、Pファンクも77年のアース・ツアーのリハーサル風景を収めたアルバム『Mothership Connection Newberg Session』を95年に発表しているが、観客のいない空間で、ある程度の冷静さと緊張感を保ちながら、自分たちの演奏とインタラクションの力だけで熱くなるパフォーマンス特有の雰囲気が、私は結構好きだ。人前で披露するためではなく、自分たちで最高の演奏を目指して一丸となって楽しむ、そんな心持ちの演奏の魅力だろうか。だからこのアルバムも、私は大好きだ。

 お蔵入りでつまずいたか、純然たる新作としては2年ぶりとなった82年の『Glandslum』には、時代の変化が明確に感じ取れる。以前のアイレーズは、先行シングルをファンクにするだけでなく、アルバムの1曲目にはファンクを配するのが通例となっていたが、今回は静謐なハープの音で幕を開けるスローが冒頭に配されている。ここに至るまでの80、81年には何枚かのシングルを発売しており、80年末に出したファンクの“Who Said?”がR&Bチャートで20位どまりだったことも手伝って、メロウを主軸とする方針を定めたのだろう。実際にこのアルバムの中でゴリゴリのファンクは、この“Who Said?”のみで、それもアルバムの最後の曲としての収録になった。結局、本作から大きなヒットは出なかったが、そのわりにアルバムはR&Bチャートで3位と健闘している。

 その流れを引き継いで、同年、発表された『Inside You』からは、ジャケットこそ勇ましいが生粋のファンクは姿を消し、アップ・テンポはファンクというよりもディスコ寄りのダンス・チューンとなって、ロナルドもファルセットで歌う場面が多くなっている。そしてスローではクリスのアレンジによるストリングスが全面的に導入され、アルバム全体のイメージがメロウに大きくシフト。またクリスは“First Love”のコーラスをひとりで担うなど、歌にも意欲を見せて、より積極的に関わっている。統一感のある流麗なアルバムだが、ヒットはタイトル曲がR&Bチャート10位となったのが最高で、残念ながらセールスは思わしくなかった。

 そのためか翌82年の『The Real Deal』では、ファンクをエレクトロに衣替えして復活させ、以前のようにメロウとほぼ半々の構成となった。カジノを舞台にしたジャケットも、これまでになくアーバンぽさが漂っており、時代に沿ったイメージの演出に心を砕いた跡が見受けられる。繊細な情感をたたえて美しさを増したアーニーのギターと、ロナルドのシルキー・ヴォイスの饗宴“All In My Lover's Eye”、アーニーが遠慮無く弾きまくる渋いブルース“Under The Influence”などの名曲/名演もあるが、エレクトロ・ファンクのタイトル曲がそこそこヒットしたのみ。時代の変化の中で、ちょっとした不調の連鎖に苛まれるアイズレーズであった。

 そしてTネックからの最終作となる83年のアルバム『Between The Sheets』のジャケットは、真紅の薔薇に寄り添うようなサーモンピンクのシーツ。どちらかといえば無骨なメンバーの姿は裏ジャケットに隠された。音を聴くまでもなく、アーバン&メロウに照準を定めたことが察せられ、実際に本作からは、今でもメロウの名曲として聴き継がれるタイトル曲と、“Choosey Lover”の2曲がトップ10ヒットとなった。甘美な香りを放つサウンド・プロダクションにはクリスの貢献が大きく、ロナルドのシルキー・ヴォイスにはさらに磨きが掛かってトロトロである。そうした中にあって、胸を強烈に揺さぶるメッセージ・ソングの“Ballad For The Fallen Soldiers”は、決してメロウなだけではないアイズレーズの骨太の一面を表わした、面目躍如たる1曲だ。そしてアルバムは久々にR&Bチャートの1位となり、アイズレーズはTネックでの有終の美を飾った。

 本ボックスに収録されたアルバムはこれで全部だ。残念なことに、85年には、ヴォーカル隊の3人によるアイズレー・ブラザーズと、バンドの3人によるアイズレー=ジャスパー=アイズレーに分裂し、それぞれの道を歩み始めることになる。だが86年には長兄のオーケリーが他界、89年にはルドルフが引退して聖職に就いたため、前者で残ったのはロナルドひとり。後者もアルバムを2枚出して88年に解散し、クリスはソロとなり、アーニーも90年に唯一のソロ作『High Wire』を発表、残った4人はバラバラになってしまった。そんなところへやってきたのが先述した再評価の波だ。その波に乗って、ロナルド、アーニー、マーヴィンの3兄弟は再度、結束し、96年にアイズレー・ブラザーズとしての活動を再開。その直後にマーヴィンは持病の糖尿病の悪化で引退を余儀なくされるが、ロナルドとアーニーのふたりはアイズレー・ブラザーズ名義で活動を続けた。

 だが、いい時期は長く続かないのが常。ロナルドは脱税の罪で07年からの3年間、まさかの獄中生活を送ることになる。60代後半とそこそこ高齢だし、以前から腎臓を患っているという報道もあったので心配されたが、無事に刑期を務め上げて10年には釈放されたのがせめてもの救いだ。その直後、長い闘病の末、マーヴィンが他界するという不幸があったが、ロナルドは年内に初のソロ名義で新作『Mr. I』を発表。これまでずっと兄弟とともにアイズレー・ブラザーズを名乗ってきたが、デビューから50年以上のキャリアを経て、健在の兄弟も少なくなったところでの初ソロ名義作ということで、若干の寂しさを感じさせるものの、世界はロナルドの元気な復活に湧いた。続く13年の『This Song Is For You』が、現時点でのロナルドの最新作で、近況はこの記事の冒頭に書いたとおりだ。

 というわけで、このボックス、もし1枚も持っていなければ完全にお買い得だし、仮に半分近く持っていても一考の余地があるのでは。ライナー邦訳には知らないことがたくさん書いてあったし、時系列に添って1枚ずつ聴き進んでいくのは単純に楽しく、つい盛り上がってこんな長編記事を書いてしまったくらいだ。

HOUSE OF LIQUID - ele-king

 今週末金曜日、ハウス・ミュージックの魅力をとことんお伝えする、リキッドルーム主催の「ハウス・オブ・リキッド」。今回の出演者は、このパーティのレジデンツ、ムードマン、そしてフランスからはDJディープ(硬派とはこの人のことを言う)、そして我らが大先輩、高橋透──その復活の夜でもある。
 2015年といえば、キミはジェイミーXXやレヴォン・ヴィンセントに夢中になったかもしれない。だとしたら、自分の好奇心を信じて、もう一歩、階段を下りてみるのもいいだろう。このジャンルには、まだこんなにも面白いところがあったのかと、嬉しい発見が待っている。そして、ト・オ・ル……待ってました~。という黄色い歓声に包まれることだろう。

10月23日@恵比寿リキッドルーム
OPEN / 23:00~

ADV / DOOR
adv. 2,000yen / door 3,000yen(with flyer/HOUSE OF LIQUID MEMBERS/under 25:2,500yen)
LINE UP
feat.
DJ DEEP(Deeply Rooted)
TOHRU TAKAHASHI(GODFATHER)
MOODMAN(HOUSE OF LIQUID/GODFATHER/SLOWMOTION)
TICKET
チケットぴあ [277-115] ローソンチケット [76899] e+ LIQUIDROOM DISK UNIOIN(SHIBUYA CLUB MUSIC SHOP/SHINJUKU CLUB MUSIC SHOP/SHIMOKITAZAWA CLUB MUSIC SHOP/KICHIJOJI)、JET SET TOKYO、Lighthouse Records、LOS APSON?、TECHNIQUE、clubberia、RA
INFO
HOUSE OF LIQUID https://soundcloud.com/house-of-liquid https://www.mixcloud.com/house-of-liquid
LIQUIDROOM 03-5464-0800


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