「ZE」と一致するもの

interview with shotahirama - ele-king

「テクノ? 興味ない」って拒絶反応を起こすような人たちにもちゃんと聴いてほしくて。僕の作品で突破口を開くというか、「すごい難しそうだけど、めっちゃ“音楽”じゃん」と思ってほしい


shotahirama
Maybe Baby

SIGNAL DADA

GlitchNoiseDub

Amazon Tower HMV

 グリッチの栄華は永続しない。最初に耳に飛び込んでくるノイズと電子音は、数分を経た後に銃弾のような打撃音に取って代わられる。時を同じくして極小のダブの断片が侵入を開始し、間歇的かつ着実にその勢力を拡大していく。だがその奇襲は看破され、やがてキャッチーな和音がその場を支配するだろう。ベースが勇ましく前方へと躍り出し露骨なレゲエの調べを奏ではじめると、とぅわん、とぅわん、とぅわん、と謎めいた音声が上方からその進撃を支援する。背後には微細なノイズの粒子たち。気がつけば場面はダンスフロアへと転換しており、力強いビートが衆客の踵を弾ませている。たまりかねたスネアが乱入を図った直後、まるで警官が立ち入りでもしたかのように唐突に沈黙が訪れる。
 以上が、あなたの体験する物語である。時間にして15分。さまざまな音の断片が重ねられては引き剥がされ、シークエンスは次々と切り換えられていく。この15分を時間としてではなく空間として捉えるならば、それはほどよいサイズの無垢なキャンバスだと言えるだろう。その上にはじつに多様な「異物」――新聞や書類、イラスト、写真、布切れ、などなど――が貼り付けられている。コラージュである。
 コラージュそれ自体はいまや驚くべき技法でもなんでもない。なにせ100年の歴史を持っているのだから、もはや伝統的な、由緒正しい術式であるとさえ言える。とはいえコラージュの際に用いられる素材が、それがもともと所属していた文脈から引き離され、本来の意味を剥奪されるということの効果に関しては、いまでもじゅうぶん見るべき点がある。一ヶ所に集められた断片たちは、配置されたり重ねられたりすることによってそれぞれ新たな意味を獲得し、それら断片によって埋め尽くされたキャンバスは無数の意味を増殖させていく。
 shotahiramaの新作『Maybe Baby』では、その素材のひとつにダブが採用されている。このアルバムではダブがジャマイカやUKの文脈から切り離され、グリッチ/ノイズの前後左右に貼り付けられている。混沌としているようにも見えるが、『Maybe Baby』がおもしろいのは、その一見無秩序な空間をひとつの物語として成り立たせているところだ。コラージュやカットアップといった技法、あるいはグリッチやノイズといったジャンルはふつう、そういう物語性からもっとも遠いところにあるものであるはずだが、shotahiramaは巧みにそれらを両立させてみせる。そんなアクロバティックなことができてしまうのはきっと、彼の音楽的なルーツがロックにあり、そしていまでもそこに対する興味を失っていないからなんだと思う。
 以下のインタヴューにおいて彼は、じつにさまざまなロック・バンドの名を挙げている。彼は、グリッチ/ノイズの頼もしき担い手となったいまでも、自らのロック趣味を隠そうとはしない。「昔は好きだったけど、いまはもう興味ないっすね」などと虚勢を張ることもない。素直にストロークスが好きだと言えるグリッチ/ノイズの作り手がいったいどれだけいるだろうか。「硬派な人たちと比べたら、ぜんぜんミュージック・ラヴァーだから」と彼は笑う。shotahiramaの心は、きれいだ。
 歳を重ねたり、業界のなかで揉まれたり、レーベルを運営したりしながらも、彼がきれいなままであり続けられているのは、たぶん、彼が「ぼっち」だからなのだと思う。人はひとりであるとき、もっとも素直でいることができる。音楽のなかでもとりわけ尖鋭的な分野で活動を続けながら、その鋭さを失わずに精巧な物語まで紡いでみせることができるのは、きっとそういうきれいな「ぼっち」だけなのだ。

いいところだけギュッと集めたものを作りたいというか。普通だったらAメロ、Bメロみたいな展開になるところを、ぜんぶサビだけで作っちゃう。

ヒラマさんのこのサウンドが生み出されるに至った背景を探るべく、音楽遍歴から伺っていきたいと思っているんですが、ダーティ・プロジェクターズがお好きとのことで、まずはその話から始めようかなと(笑)。

shotahirama(以下、SH):僕は以前、ディスク・ユニオンで働いていたんです。個人的にオルタナばかり聴いていた時期で、もう「ギターしか聴きたくない」みたいな状況のときにユニオンに入ったんですね。で、そのあたりのロックはユニオンでは「新ロック」って呼ばれていて。「古ロック」と「新ロック」というくくりがあったんです(笑)。80's以降のロックが「新ロック」。僕は2000年以降のロックがリアルタイムだったんで、当然そこが得意分野だったんですけど、ユニオンみたいなところで働いていたら、まわりには旧譜ばっかり並んでいて。90、80年代とどんどん掘り下げていくと、いま聴いているものもその時代あってのものだよな、という発見がたくさんあって。そういうサイクルだったんですよね。その頃にダーティ・プロジェクターズが出てきて。00年代半ばくらい? 今回の新作は新鮮ですよね。あの感じは、別に僕がノイズを聴いているからどうとか関係なしに、単純に音楽としてワクワクする。いまは純粋にああいうものも、年代とかジャンルとか関係なく聴いていますね。ノイズをやっているからノイズしか聴いてない、みたいなことはまったくなくて。硬派な人たちと比べたら、ぜんぜんミュージック・ラヴァーだから(笑)。

なるほど(笑)。ディスク・ユニオンで働かれていたということは、そこに入る前からかなりの音楽好きだった、ということですよね?

SH:そうそう、音楽ファンで。学校行かずにレコ屋に行って買ってみたいな。

いまおいくつなんですか? 僕は今年で33歳になるんですが。

SH:84年生まれですか? 僕は84年の1月生まれなんで、学年で言うと今年34歳の世代ですけど、まだ33歳ですね。

同世代ですね。いつ頃から音楽に目覚めていったんでしょう? 小学生の頃からですか?

SH:いや、ぜんぜんそんなことはなくて。遅咲きで、高校生くらいからですね。最初はオシャレというかファッションというか、そんなノリでしたね。モテたかったというか。

音楽を聴いていたらカッコいいんじゃないか、と(笑)。

SH:そうそう。最初から洋楽で、「日本語とかちょっと無理!」みたいなスタンスで入っていきました(笑)。たぶんすごくチャラい入り方なんだけれども、ハマり込むとそれがすべてになっちゃうタイプなんですよね。

高校生の頃はどういった音楽を聴いていたのですか?

SH:もうがっつりストロークス。それまではレッチリとかレイジとか、うるさくてラップが入ったミクスチャーがすごくはやっていて。「それがモテるんだったら、それ聴いてるわ」みたいなときに、突然美容師さんみたいな格好した人たちが、スッカスカの音で登場してきて、「え、ちょっと待って」ってなって。

たしかに、スッカスカでしたよね。

(しばらく同世代トークで盛り上がる)

そこからどのようにいまの音楽スタイルに至ったのかお聞きしたいですね。

SH:『snoozer』をめっちゃ読んでいたんです。タナソーさんの文章がぜんぶ正しいと思って読んでいて(笑)。あれを読んでいればその手のものはひととおり学べるし。YouTubeはまだなかったし、当時はネットにも疎かったんで、雑誌を読むしかなくて。あるいはCDショップに行って、ポップを見て買うっていう。あと、友だち。だから、いまの子たちに比べたらだいぶゆっくりだったんだろうな。一気に幅広く聴くなんてことはできなかったから。それで、こんなにCDとかレコードを買っちゃってるし、そういう店で働いちゃえってことで、20歳のときにディスク・ユニオンに入って。そしたら、いきなり初日から「音楽圧力」みたいなものを受けた(笑)。

「おまえ、これも知らないのか」みたいな(笑)?

SH:そう。「なに聴いてんの?」って質問にちゃんと答えられない、あのはがゆい感じ(笑)。辛いんだって(笑)。それで「すげえ、俺の知らないことばっかじゃん」となって。で、たまたま仲良くしていた人がノイズ担当者だったんです。

いきなりいちばん大変なところに(笑)。

SH:いちばん面倒くさいところに引っかかって(笑)。それで頑なにノイズとか電子音楽とか、悪趣味な感じのものをガンガン聴くようになってしまった。でも、隠れてリバティーンズの新譜を聴いたり(笑)。

なるほど(笑)。そういう「隠れながら聴く」みたいなことは、グリッチ/ノイズをやっているいまでも継続しているんですね。

SH:そう。でも、いまは隠さず言えちゃう感じ。「多様化」みたいなことをわりかしポジティヴに受け入れられている状況なんで、そこはいいと思いますよ。ソランジュも、最近ビヨンセの妹だって知って興味を持って。小林さんのダーティのレヴューにも書いてあったから、なんなんだろうと思ったんですけど、あれは結局なんだったんですか?

「グシャッ」とか「チャキチャキ」っていう音を聴いて「あ、shotahiramaだ」というのをわかってもらえたら嬉しいですけどね。音色は共通項としてあります。たとえばギターが鳴って、「ああ、ジョニー・マーが弾いてるわ」とか、そういう感じ。

去年の秋に出たソランジュのアルバムにデイヴ・ロングストレスが何曲かプロデュースで参加していたんです。たぶんそのときの作業でインスピレイションを得て、ダープロの新作はああいう感じになったんじゃないのかなと。

SH:なるほど。たしかにR&Bが土壌になっている。ロックじゃダメなんだよ、みたいなところですよね。もうテクノでもなくて、エレクトロニカでもありきたりになっちゃう。それでR&Bというのはすごくしっくりきましたね。ダーティ・プロジェクターズの音源を聴いて、たしかにそうだなと。

そうなんですよね。逆にいまR&Bの側も、それこそソランジュがデイヴを招いたように、白人の音を入れて進化していこうとしていて。去年のビヨンセのアルバムもそうで、いい相互作用が起こっているのかなという感じはするんですよね。

SH:だから俺らの中学~高校の時代みたいに、本当はあれが好きなんだけど言えない、みたいな感じが、いまはたぶんなくて。「もっとあれもこれも聴きなよ」みたいな状況はすごくいいですよね。だから電子音楽/ノイズのようなジャンルも、もちろんある程度はお店やメディアが枠組みを作んなきゃいけないんでしょうけど、実際にはそのジャンル専門で追っかけてる人にだけ聴いてほしいわけじゃないし、ふだんはそういうものを聴いていない人でも「これはハマるかも」という人がいるかもしれない。

ヒラマさんは自分の作品をどういう人たちに届けたいですか? たとえばOPNやアルカのファンだとか、あるいは〈Kompakt〉あたりのミニマルをずっと追っている人に聴いてほしいとか。

SH:音楽好きに聴いてほしいですね。たしかに使っている機材はコンピュータだし、最近はあまりハードを使わなくてソフトばっかりで仕上げているので、生楽器感というのは皆無なんですが、「テクノ? 興味ない」って拒絶反応を起こすような人たちにもちゃんと聴いてほしくて。僕の作品で突破口を開くというか、「すごい難しそうだけど、めっちゃ“音楽”じゃん」と思ってほしいというか。今回はダブとかレゲエっぽいパートも入れているんですが、それも「あれ、なにこれ?」みたいなワクワクを感じてほしくて。僕自身のイメージでは、今作は、ストイックでキレッキレでノイズが鳴っているだけの感じじゃない仕上がりになっていると思う。すごいポップなものを意識したつもりなんですよね。

今回の“You Dub Me Crazy”は、最初はいわゆるノイズとIDMっぽい感じで始まって、2分50秒あたりから、「ダダダダダッ」という打撃音とともに、ダブの断片が入り込んできますよね。それも「はい、ここからダブです」みたいな感じではなくて、ちょっとずつ入ってくる。その後、その「ちょっと」の長さが少しずつ長くなっていって。

SH:「ダブといえばこうでしょ」っていうのを馬鹿正直にやってしまったら、それを本職にやっている人たちの作品と比べたときに、かなりクオリティの低いものになってしまうので。「あれもやりたいな。これもやりたいな」という自由な感じのなかで僕ができることをやるというか、このリズムのなかにダブやレゲエが混ざるのがおもしろい感じに聴こえたらいいなと思って。

あのダブの断片はサンプリングですか?

SH:そうですね。あの作品でサンプリングしているのはそのダブのパートと、後半の声っぽい音とかギターっぽい音が入っている部分ですね。僕は昔サンプラーだけで作っていたんで、あのコラージュ感がめっちゃ好きで、得意なんですよ。ネタは腐るほどあるし。それこそレコードが大好きだったから、いくらでも探し出せるんです。それが嫌だった時期もあったけど、今回は心境の変化というか、なんでもやっちゃえという。

6分10秒あたりからまたちょっと変わっていきますよね。ダブがちょっと潜んで、メロディアスになっていって、「ダダダダダッ」と鳴っていたドラムも変わって、リズミックな感じへと変化していく。

SH:ダウンテンポな感じになりますよね。

で、10分20秒あたりでその声のサンプリングが入って、レゲエのベースも入ってくる。

SH:あれもサンプリングですね。

そして終盤はダンサブルになりますよね。

SH:そうですね。めっちゃ速いやつ。

最後はスネアまで入ってきて、突然プツッという感じで曲が終わります。

SH:僕の作品はだいたいいつも、唐突に「もう無理!」って状況で終わりますね(笑)。15分くらいが僕のリスニング能力の限界というか、もうそれ以上は聴けないという。

これまでの作品もそうなんですけど、10分を超えるサイズの曲が多いですよね。この曲も途中でいろいろと変化していくので、それぞれを切り取って1トラックにする、みたいなこともできるのかなと思ったんですけど。

SH:いいところだけギュッと集めたものを作りたいというか。普通だったらAメロ、Bメロみたいな展開になるところを、ぜんぶサビだけで作っちゃう。でも(サビが)1パターンだと飽きてしまうので、ダブやダウンテンポやテクノという違う形で、それぞれのサビだけを抜き取って合成していったら結局15分になったという。ミックス(CD)っぽいですよね。

たしかにそういう印象は受けました。他方で、そういう風に移り変わっていく感じがサウンド・アートというか、コラージュっぽくもあり。レーベル名が〈SIGNAL DADA〉ですよね。「ダダイスムが好きだ」という発言を見たことがあります。

SH:僕の音楽はカットアップこそが命なんですよね。エディット、カットアップありきでぜんぶできている。ビートも繋がっているようにできていますが、あれはひとつひとつ配置していっているだけですからね。二度と同じ音は鳴らせないですよ。

なるほど、そうなんですね。そういう「配置感」というのは……

SH:「配置感」って言葉、いいですね。じつはあれ、0.1秒ずつ音を作っているんですけど、15分作るのに1年半かかるんですよ。それくらいかけないと、好きな音を「これ!」っていう満足度まで持っていけない。

マジですか!?

SH:だから60分作るとなったら何年もかかってしまうんです。あれを1テイクで実際に演奏していたら、たぶん何億回録ってもできないです。だったら最初から、時間はかかるけど0.1秒ずつ、ひとつずつ作ったほうがいいと思って。僕は「単音」って呼んでいるんですが、ひとつひとつすべてをちゃんと編集していますっていう。

[[SplitPage]]

ダブ自体が使い回しの音楽ですからね。僕はその「使い回し」という概念がすごく好きなんです。断片的に採ってくるという手法は、コラージュにも、(ミュジーク・)コンクレートにも、カットアップにも使えるテクニックだなと。


shotahirama
Maybe Baby

SIGNAL DADA

GlitchNoiseDub

Amazon Tower HMV

今回のアルバムとは違って、『Conceptual Crap』シリーズの方はもう少しビート寄りのサウンドになっていますよね。もしあるリスナーが、その両方に通じる「shotahirama性」みたいなものを感じているとしたら、それはどういうものだと思いますか?

SH:『post punk』というアルバム以降はすべて同じプログラムを使って作っているので、「グシャッ」とか「チャキチャキ」っていう音を聴いて「あ、shotahiramaだ」というのをわかってもらえたら嬉しいですけどね。音色は共通項としてあります。たとえばギターが鳴って、「ああ、ジョニー・マーが弾いてるわ」とか、そういう感じ。「あ、あの人が弾いてるギターだ」、みたいなことになったらいいかな。

『post punk』というアルバム・タイトルからパウウェルを連想したんですが、彼が昨年出したアルバムは、いまのテクノの音色のなかでポストパンクをやったような感じなんですよね。

SH:へえー、おもしろい。ストロークスの時代に、ポストパンクのリヴァイヴァルがありましたよね。ザ・ラプチャーとか。

ありました。〈DFA〉ですよね。

SH:あれをお店で流していると、上の世代の人が「こんなのポストパンクじゃないよ。もっと遡りなさい」って言ってきて。で、いわゆるホンモノを出してくれたという思い出があります。でも、なんでもいいんだと思います。僕がポストパンクだと思って作っても、聴いた人がどう思うかまではコントロールできないし。作ってる本人がそう思って楽しんでいるのであれば、あとちゃんと本気でやっているのであれば、解釈は自由なんですよね。どう思うかは自由だけど、僕は『post punk』をポストパンクだと思ってやっていました。

今回の『Maybe Baby』というアルバム・タイトルは、どういう経緯で思いついたんでしょう? 60年代あたりのポップスにありそうな感じのタイトルですが。

SH:銀杏BOYZの“BABY BABY”から採りました(笑)。今回のタイトルに関しては、そんなに深い意味はないですね(笑)。響き、で。

銀杏だったんですね(笑)。アルバム・タイトルは『Maybe Baby』ですが、収録曲のタイトルは“You Dub Me Crazy”ですよね。こういう1トラックのアルバムの場合って、たいていトラック名がそのままアルバム・タイトルになることが多いと思うんですが……

SH:先にアルバム・タイトルは『Maybe Baby』で行こうと決めていたんですが、曲を作っている過程で「ダブ」という言葉を入れたくなって。それで曲名が“You Dub Me Crazy”になりました。

“You Dub Me Crazy”というタイトルから、マッド・プロフェッサーを思い浮かべました。

SH:そうですね。UKっぽいですよね。

ダブはけっこう聴かれていたんですか?

SH:ユニオン時代によく俺の隣で一緒に働いていた人がレゲエ担当だったんですよね。そのとき勉強させてもらったし、いまだにずっと聴いてます。でもあんなのを掘り始めたらキリがないですよ。そもそも、ダブ自体が使い回しの音楽ですからね。僕はその「使い回し」という概念がすごく好きなんです。断片的に採ってくるという手法は、コラージュにも、(ミュジーク・)コンクレートにも、カットアップにも使えるテクニックだなと。ふだんからそこまで深く考えて聴いているわけではないですが、音質的な面ではすごく通ずるところがあるので、自分の曲を作るときに「ダブっぽいな」とは昔から思っていました。今回はそれがもっとわかりやすく出たというか、あからさまにレゲエの音が入ります。

ちなみにダブだとどのあたりがお好きなんですか? ダブでも、ジャマイカのたとえばキング・タビーが好きだとか、いろいろあると思うのですが。

SH:もうまさにそこですよ。タビーとか、その弟子である(キング・)ジャミーとか。あとはグレゴリー・アイザックスも大好きだし、デニス・ボーヴェルみたいなUKの音も好きだし。ジャミー以降、ちょっとエレクトロニックな音が入ったダブが主流になっていきますよね。やっすい機材でピョンピョン音が飛んでいるみたいな、ああいう感覚ってもしかしたら僕の音楽のなかにもあるんじゃないかな。

たしかに、言われてみるとそういう感じはしますね。

SH:オーガニックな土臭いダブも好きなんですけど、聴いている割合としてはジャミー以降のものが多い感じ。あとUKだと、〈On-U〉ってあんまり言いたくないんですけど、好きですね。ガッチガチに土臭いレゲエを知っている人からしたら異端な感じで、ハイプかもしれないんですが、でもカッコいいものはカッコいいし、「ダブかけてめっちゃ爆音で踊りたい」ってなったら〈On-U〉は無敵ですもんね。それと、〈ワッキーズ〉も好きですね。あれ、ニューヨークですよね。僕は生まれがニューヨークなんですよ。『African Roots Act』っていうシリーズはすごい好き。

最高ですよね。じつは僕も小学生の頃、ニュージャージーのわりとマンハッタン寄りのところに住んでいたことがあるんですよ(笑)。

SH:え! ウソでしょ!?  ヤオハンってわかります?

ヤオハンわかります(笑)。

SH:僕は生まれて6才までは向こうにいて。小学校に上がるタイミングで日本に引っ越して、小学6年くらいにまたニューヨークに引っ越しているんですよ。だからリアルタイムでは同じ地にはいなかったかもしれない。

(しばらくニューヨーク話で盛り上がる)

さきほど仰っていたように、そもそもダブが使い回しとか組み替えの音楽なんですが、この“You Dub Me Crazy”は、さらにそのダブ自体も組み替えているような感じがしました。

SH:既存のものから逸脱していく、というのが僕のテーマなんです。だから「ダブってこういうものだよね」ということじゃなくて、こういう(自分が作ったような)ものもあっていいんじゃないかなと。「オルタナティヴ」って「逸脱」という感じだと思うんです。だからオルタナとか、もしかしたらノイズだってそういう既存のものからはみ出ていく音楽かもしれない。「アウトサイダー」というふうに考えれば、メインストリートからズレていくルー・リード的な感じもする。でもそれも、突き詰めていったら自然とそうなっているというだけで、自分からすすんで裏道に入っていくタイプではないんです。そんな怖いところ、行きたくないし(笑)。だから突き詰めていくとそうなっているというだけ。気づいたらひとりぼっち(笑)。

己の信じるものを追求していったら、いつのまにかひとりぼっちに。

SH:誰も賛同してくれない(笑)。

既存のものから逸脱していく、というのが僕のテーマなんです。

「ぼっち」とのことですが、僕もヒラマさんの音を聴いていて、大枠としてはグリッチ/ノイズのジャンルに収まると思うのですが、なにかのシーンに位置づけるのがすごく難しい音楽だなと思いました。いい意味で一匹狼というか、「孤高の存在」のような印象を抱いたんですけれど、どこかのシーンとリンクしているというような意識はあるんですか?

SH:ないです。「孤高」って言ったら超カッコいいですけど(笑)。たぶん相手にされていないだけだと思います。

ライナーノーツを空間現代の野口順哉さんが書かれていますよね。どういう経緯で彼にお願いすることになったのですか?

SH:空間現代の音楽は、簡単に言うとバンバンと音が飛んでいって、まともに聴けない感じなんです。ビートが始まったと思ったら「これ絶対CD飛んでるでしょ」みたいな(笑)。僕の音楽にもそういった側面がありますよね。グリッチしたり、スキップしたり。昔ロックが好きだったりヒップホップが好きだったりしたのと同じように、そういうスキップな感じがすごく好きなんですね。で、それを彼らは人力でやってしまっている。これまで何度かイベントで共演してきましたが、ヤバいです。カッコいいんですよね。中原昌也さんの誕生日会でライヴをやったとき、空間現代とも一緒になって、その後も打ち上げで、今回ライナーを書いてくれた野口さんと一緒になったりしていて。そういう感じでけっこう近い場所でライヴもやっているのに、ちゃんと喋ったことがなかったんです。でも当然僕のことは知っているだろうし、じゃあ僕のことをどう思っているんだろうと。僕だけ片想いな感じだったので、いい加減告白してみようと。ちょっとライナーを書いてください、というのをダメもとで言ったら、「全然いいっすよ」と言ってくれて。けっこう現実的な内容で、すごくおもしろいライナーができあがりました。僕がこのインタヴューで喋っているふわふわな感じとは違う(笑)。かなりシリアスです。愛を受け取りました。

両想いになったということですね(笑)。

SH:「好きです」って言って、「ありがとう」って言われた感じ(笑)。今度ライヴでデートします(笑)。

なるほど(笑)。中原さんの名前が出ましが、Ametsub(アメツブ)さんもコメントを寄せていますよね。

SH:Ametsubさんもよくしていただいていて。いわゆるエレクトロニカの世界ではスーパースターですよね。

そうですよね。ヒラマさんは一見「孤高」なんですが、いくつかそういう他の方たちとの接点はありますよね。イクエ・モリさんとも一緒にツアーをされて。

SH:好きなアーティストと一緒にライヴをしたい、というのはありますよね。その気持ちが実ってそういうお話になっているというだけで、「繋がっていたい」なんて畏れ多いです。そもそも中原さんにしろ、イクエさんにしろ、Ametsubさんにしろ、空間現代にしろ、基本はそれぞれ個であって。でも、彼らも「どこかに属している」という感じはあまりないですよね。

そうなんですよね。ピンポイントで繋がる人はいるんだけども、みんなそれぞれが「孤高の存在」のような感じがしますね。オヴァルとも一緒にツアーを回っていましたよね?

SH:DOMMUNEもやって、京都でツアーもやって、寿司居酒屋みたいなところで一緒に飯食いましたね。彼もそんなにコミュニケーションがうまくないというか(笑)、人とワイワイやっている感じじゃないですよね。

ですね。マーク・フェルとも一緒にやっているんでしたっけ?

SH:大阪でツアーに参加させてもらったというだけで、直接的にはぜんぜん。その日僕は酔っぱらってたし、ちゃんとライヴも観られていないくらいだったと思います。

(NHK)コーヘイさんも出ていたイベントですよね?

SH:そうですね。あれはたぶんコーヘイさんとマーク・フェルのユニットなのかな? ぜんぜん覚えていないですけど。僕はそれに付随しただけです。

なるほど(笑)。でもこうしていろいろ名前を並べていくと、ますます「shotahiramaって誰?」という感じになっていくようなところがおもしろくもあり……やはり「孤高の存在」ですよ。

SH:それ絶対叩かれそう(笑)。ぼっち。「ひとりぼっちのなんとか」的なことを書いたら、銀杏っぽいんじゃないですか?(笑)

見事にタイトル回収ですね(笑)。

Burial - ele-king

 昨年11月末、リリース前のシングル「Young Death / Nightmarket」が予定よりも早く発売されてしまうというアクシデントに見舞われたブリアル。先月のレコード・ストア・デイではゴールディの限定シングルにリミックスで参加するなど、ジャングル・リヴァイヴァルとも同調する動きを見せていた彼が、また唐突に新たなトラックを発表した。5月19日にBandcampにて先行リリースされた「Subtemple」は、タイトル曲“Subtemple”と“Beachfires”の2曲入りで、10インチ・ヴァージョンが5月26日に発売される。レーベルは〈ハイパーダブ〉。どちらのトラックもビートレスで、ブリアル流ダーク・アンビエントが展開されている。ううむ、はたして彼はいま何を考えているのだろうか……



https://burial.bandcamp.com/album/subtemple

Kelly Lee Owens - ele-king

 セルフ・タイトル、そしてセルフ・ポートレイトとなるジャケットの色はグレー。このグレー、という感覚がケリー・リー・オーウェンスのエレクトロニック・ミュージックである。すでに「テクノの白昼夢」、あるいは「ドリーム・ポップとアンビエント・テクノのミックス」などと評されているが、彼女が作り出す夢はいろいろなものが混じり合いながら変幻していく。

 ケリー・リー・オーウェンスはウェールズ出身のプロデューサーで、かつてヒストリー・オブ・アップル・パイというインディ・バンドでベースを弾いていたが、のちにダニエル・エイヴリーのデビュー・アルバムにヴォーカルで参加するという少しばかり変わった経歴の持ち主だ。シンプルながらよくデザインされたアンビエント・テクノを収めたいくつかのシングルで注目を集め、そして何と言ってもジェニー・ヴァルの“Kingsize”のフロアライクなリミックスで話題となり、ノルウェーはオスロの〈スモールタウン・スーパーサウンド〉とサイン。本作がデビュー作だ。
 初期ビョークに比較する向きもあるようだが、それよりも近年活躍する女性プロデューサー陣とのリンクを連想させる部分が大きい。『エクスタシス』以前のジュリア・ホルター、ジュリアナ・バーウィック、あるいはローレル・ヘイロー……といった、自身の声や歌をどのように電子音楽に絡めるかという命題に非常に意識的な作家と同期しているように聞こえるのである。女声というのは楽曲のなかでよくも悪くもアイコニックに変換されがちで、エモーショナルに歌ってしまうといわゆる「ディーヴァ」のようにすぐに見なされてしまう。そうした罠から逃れるように、オーウェンスも先述のプロデューサー陣の慎重さに習うように自らの歌声にリヴァーブを施したり重ねてループさせたりすることによって声を音響化し、異化している。アーサー・ラッセルにオマージュを捧げるその名も“Arthur”はその最たる例で、まさにラッセルを連想させる水中のような音響のなかで断片化した彼女の声がこだまするアンビエント・テクノだ。だがいっぽうで、たとえばジュリアナ・バーウィック辺りの徹底ぶりに比べるとオーウェンスの場合は比較的輪郭を伴いながら「歌」の形を取っているトラックも多く、“S.O”、“Lucid”、“Throwing Lines”などはディーヴァ化を周到に避けながらも、聴き手の意識をメロディに預けることも許している。ジェニー・ヴァルを迎えた“Anxi.”がその方向性ではもっとも秀逸なトラックで、音響化された声と歌とが交互に立ち現れ、ミニマルな風景を柔らかく変貌させていく。やはりもっともあり方として共振しているのはジェニー・ヴァルなのだろう。

 対して硬質なビートとブリーピーなサウンドで聴かせる“Evolution”や“CBM”、フォークトロニカ期のフォー・テットを連想する簡素な反復とチャーミングな音色が特徴の“Bird”など、そもそも声の問題を度外視したトラックも興味深い。彼女自身の音のコア――それに一貫した態度――は、このアルバムではそれほど強調されていない。全編通してサイケデリックに心地いいのは違いないが、フワフワとsomewhere betweenという表現がずっと続いている感じなのだ。
 単音のベースとシンセが効果的に重なっていく“Keep Walking”は、タイトルと音で彼女の表現をよく言い表していると思う。白黒はっきりつけないある種の保留状態を保ったまま、とりあえず「歩き続ける」こと。ベッドルームとフロアの間のどこかでウロウロすること。彼女の音楽が優れて逃避的なのはたんに心地いいだけでなく、聴き手にグラデーションのなかで浮遊することを許しているからだ。このデビュー作だけではこの先どのような地点を目指していくのかはまだわからないが、その、未定であること自体の魅力を湛えた1枚である。

 昨秋〈Honest Jon's〉からリリースされたアルバム『Disclosure』は、ダンスの機能性と音響のフェティシズムとを兼ね備えた佳作で、作り手のセンスの良さが伝わってくる素敵なアルバムだった(これもレヴューを書く機を逃してしまった1枚)。
 カッセム・モッセことグンナー・ヴェンデルはライプツィヒのテクノ・プロデューサーで、これまで〈Workshop〉や〈The Trilogy Tapes〉といった尖ったレーベルから作品を発表してきている。なんでも、ウータン・クランとペイヴメントとURを同時に愛す変わり者だとか。この俊英の出演するオールナイトのクラブ・イベントが5月19日に開催される。会場は代官山ユニット/サルーン。他の出演者も豪華だし、いやこれは行きたいね。

Millennium People presents
KASSEM MOSSE, RESOM, DJ NOBU, KABUTO

アンダーグラウンド・ヒーロー KASSEM MOSSE (カッセム・モッセ)による2年振りとなる東京でのライヴ、DJ NOBU と KABUTO による一夜限りの B2B セット、カッセムの盟友 RESOM (レゾム)が出演する刺激的なクラブ・ナイト。

開催日:2017年5月19日(金)
開場/開演時間:open / start: 23:30
入場料金:early bird: 2,000yen | adv: 2,500yen | with flyer: 3,000yen | door: 3,500yen
出演者:Line Up /

KASSEM MOSSE [Live]
RESOM
DJ NOBU (Future Terror) B2B KABUTO (DAZE OF FAZE)

HARUKA
1-DRINK
S-LEE

https://www.m-people-agent.com/millennium-people-presents-kassem-mosse-resom-dj-nobu-kabuto/

東京・代官山の UNIT/Saloon にて “Millennium People presents KASSEM MOSSE, RESOM, DJ NOBU, KABUTO” が開催

UNIT Floor は、ハードウェアを駆使したリアルかつ生命感あふれるライヴでクラウドを魅了し続けるアンダーグラウンド・ヒーロー KASSEM MOSSE (カッセム・モッセ)と、KASSEM MOSSE の地元ライプツィヒ時代からの友人で、「反ナショナリズム/反差別主義」を掲げるベルリンのクラブ〈:// about bank〉のレジデントDJであり、オブスキュアでレフトフィールドな選曲によるストレンジなプレイに定評のあるフィメールDJ、RESOM (レゾム)のふたりをドイツから招聘。対するは〈Future Terror〉主宰 DJ NOBU と、元〈Future Terror〉、現〈DAZE OF PHAZE〉主宰の KABUTO による一夜限りの B2B セット。

Saloon Floor は、6月に初の欧州ギグを予定している〈Future Terror〉の Haruka、Disco / House / Techno / Bass の境界を彷徨いながら、最近は更にピッチダウンした Electro Funk から Digital Dancehall まで展開する DJ 1-DRINK、DJ NOBU の新パーティ GONG の第1回にも出演した〈Riddim Noir〉主宰、新星 S-LEE の3組。

シーンきっての異才たちが結集して織りなすファットなグルーヴとユニークなリズム、アヴァンギャルドなエレクトロニック・サウンドが交錯する刺激的な一夜となるだろう。


【出演者紹介】

■ Kassem Mosse (Workshop, Honest Jon's, Ominira)

〈workshop〉からのリリースによりブレイクしたライプツィヒが誇る若手プロデューサー、グナー・ヴェンデル aka カッセム・モッセは、いまドイツで最も熱い実力派アーティストのひとりである。オマー・S の〈FXHE〉、ドイツの〈Laid〉や〈Mikrodisko〉、UKの〈nonplus+〉などからもアヴァンギャルドながら、ファンキーな魅力も併せ持つエレクトロ~ディープ・ハウス~テクノの傑作トラックを多数発表、カルト的人気を得ているアンダーグラウンド・ヒーローだ。同郷の盟友 Mix Mup とのユニット、MM/KM として〈The Trilogy Tapes〉からのリリースも評判になっており、自身のレーベル〈Ominira〉からも多様なスタイルの作品を発表、昨年は名門〈Honest Jon’s〉から実験的なアルバムを出し話題になるなど、非常に精力的ながら独自のスタンスで活動を続けているユニークな存在。また、パフォーマンスにおいても一点に留まることがない。つねにセッティングや内容を変え、2回と同じことはしない、まさに「ライヴ」感満点なセットだ。特に Kassem Mosse 名義ではヒップホップにも通じるラフなビート感、自然と身体が動いてしまうグルーヴを備え、何度見ても新しさを発見させてくれる。

https://ominiraisfullofnoises.org
https://osresonance.net
https://www.facebook.com/kassemmosse
https://twitter.com/KareemMoser

■ Resom (:// about bank)

この1~2年で急に頭角を現してきたように見える(かもしれない) Resom (レゾム)は、ベルリンではよく知られた存在だ。反ナショナリズム、反差別主義を掲げる、ベルリンの中でも特にリベラルなスタンスのクラブ、〈:// about bank〉のレジデントDJを長年務め、ライプツィヒでの学生時代からの友人であるカッセム・モッセや Mix Mup (ミックス・マップ)らを陰で支えるブッキング・エージェントとしての顔も持ち、それ以外にもつねに様々なイベントのオーガナイズや、制作に関わってきた。音楽業界における女性の地位向上のためにも行動する、フェミニストでありアクティヴィストでもある。そのDJスタイルは一言では形容しがたい、非常に独特なもので、ジャンルで言えばアンビエントからエレクトロ、歌物からミニマルまで非常に幅広く縦横無尽にミックスしていくのだが、ただ色々かけているというのではなく、彼女の中で明確なイメージやテーマがあり、それをもっともオブスキュアでレフトフィールドな選曲によって紡ぎ出していくような、まったく予測不可能ながら、いつも彼女らしいちょっぴりストレンジな高揚感に到達させてくれるのである。Ben UFO や DJ NOBU も絶賛する彼女の個性を、ぜひ一度体験してみて欲しい。

https://www.residentadvisor.net/dj/resom
https://soundcloud.com/resi-resom
https://www.facebook.com/resom


【リリース情報】

アーティスト: Kassem Mosse / カッセム・モッセ
タイトル: Disclosure / ディスクロージャー
レーベル: Honest Jon's / Pヴァイン
品番: PCD-24562
発売日: 2016.10.19
価格: 2,400円+税
解説: Yusaku Shigeyasu

[Tracklist]
01. Stepping On Salt
02. Phoenicia Wireless
03. Drift Model
04. Galaxy Series 7
05. Collapsing Dual Core
06. Monomer
07. Galaxy Series 5
08. Aluminosilicate Mirrors
09. Long Term Evolution
10. Molecular Memories
11. Purple Graphene

https://p-vine.jp/music/pcd-24562


Mikako Brady × Tsutomu Noda - ele-king

 本日みすず書房より『子どもたちの階級闘争』を発売したばかりの、そして来週末には『いまモリッシーを聴くということ』の発売を控える、イギリスはブライトン在住の保育士にしてライ……って、ele-king読者に説明は不要ですよね。はい、ブレイディみかこが来日します。そして、なななんと、われらが編集長・野田努と対談しちゃいます。テーマは「UKは壊れたようで壊れていない――愛と幻想の雑談」。おお……。愛! と幻想! の雑談! だそうです。これはおもしろい話が聞けそうです。イベントは5月17日、MARUZEN & ジュンク堂書店 渋谷店にて開催。詳細は下記をご確認ください。

『いまモリッシーを聴くということ』『子どもたちの階級闘争』刊行記念

対談 ブレイディみかこ×野田努
「UKは壊れたようで壊れていない――愛と幻想の雑談」

5月17日(水)18:45-20:15 MARUZEN & ジュンク堂書店 渋谷店

待望の二著を上梓したばかりのブレイディみかこさんと、音楽ライターとしても『ele-king』誌の敏腕編集長としても長年多くの音楽ファンの信頼を集めている野田努さんに、おふたりがこれまで関心を持ってきたUKの音楽、文化的潮流など幅広い話題で“雑談”していただく夕べ。
ライターと編集者という関係でもお付き合いの長いおふたり。野田さんからはブレイディさんに、「なぜUKに住みはじめたのか」に始まり、影響を受けたものなど“現在のブレイディみかこ”に至るまでのすべてを語らせるという裏の目論見もあるとか。音楽について、人について、そしてもちろん、おふたりがご著書や雑誌で扱われたテーマについて、ディープなお話がいくつも飛び出しそうなトークに乞うご期待。

■会場  MARUZEN & ジュンク堂書店 渋谷店 7F 喫茶コーナー
■日時  5月17日(水)18:45-20:15(開場18:15)
* 対談終了後にサイン会あり
■入場料  1000円(1ドリンク付き)
* 当日、会場にてお支払いください
■お申し込み  ご予約が必要です。同店 7Fカウンター、もしくはお電話にて受付
* お問い合わせは、MARUZEN & ジュンク堂書店渋谷店(電話 03-5456-2111)へ

【出演者紹介】

●ブレイディみかこ(Mikako Brady)
保育士・ライター・コラムニスト。福岡県福岡市生まれ。1996年から英国・ブライトン在住。著書に、『子どもたちの階級闘争──ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(2017年、みすず書房)、『THIS IS JAPAN──英国保育士が見た日本』(2016年、太田出版)、『ヨーロッパ・コーリング──地べたからのポリティカル・レポート』(2016年、岩波書店)、『ザ・レフト──UK左翼セレブ列伝』(2014年)、『アナキズム・イン・ザ・UK──壊れた英国とパンク保育士奮闘記』(2013年)(以上、Pヴァイン)、『花の命はノー・フューチャー』(2005年、碧天舎。ちくま文庫より2017年改題復刊予定)。雑誌『図書』(岩波書店)に「女たちのテロル」を連載中。

●野田努(のだ・つとむ)
1963年静岡市生まれ。web版『ele-king』編集長。1995年に『ele-king』を創刊。2004年から2009年まで『remix』誌編集長。著書に、『もしもパンクがなかったら──2004-2010 SELECTED ARCHIVES A COLLECTION OF ESSAYS』(2010年、メディア総合研究所)、『ロッカーズ・ノーロッカーズ』(2004年)、『ジャンク・ファンク・パンク』(2003年)、『ブラックマシンミュージック──ディスコ、ハウス、デトロイトテクノ』(2001年)(以上、河出書房新社)。共著書に、『TECHNO defintive 1963-2013』(2012年、Pヴァイン)、『ゼロ年代の音楽──壊れた十年』(2010年)、『NO!!WAR』(2003年)(以上、河出書房新社)、『テクノボン』(1994年、JICC出版局)ほか多数。


『子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)はこちら
『いまモリッシーを聴くということ』(Pヴァイン)はこちら


行松陽介 - ele-king

ZONE UNKNOWN List

DJ予定
4/21(金) at COMPUFUNK with Kane Ikin
4/23(日) at 難波Bears “line in da utopia”
4/24(月) at 京都 外 with Kane Ikin
5/12(金) at 京都METRO “KYOTOGRAPHIE x CLUB LUV+ 2017”

soundcloud
https://soundcloud.com/yousukeyukimatsu

Ikonika - ele-king

 いや、まず名前がステキなんですよ、アイコニカ。響きが最高に心地よい。アイコニカ。シンプルだし、日本語とも妙にマッチしているし、何度も呟きたくなる名前です。アイコニカことサラ・アブデル=ハミドは〈ハイパーダブ〉に所属するプロデューサーで、ダブステップ~それ以降のサウンドを果敢に追求し続けているチャレンジャーです。その名前の由来については『Contact, Love, Want, Have』のレヴューを参照していただくとして、彼女が6月2日に新作をリリースします。ゲストにも興味深い名前が並んでいます。楽しみです。因習打破! 因習打破!

I K O N I K A

UKクラブ・カルチャーの真価を体現し続ける
型破りの天才女性プロデューサー、アイコニカ
待望の最新アルバム『Distractions』のリリースを発表!

コード9率いる〈Hyperdub〉の中核メンバーであり、UKクラブ・カルチャーの真価を体現し続ける才媛、アイコニカが4年ぶり3作目となる最新アルバム『Distractions』のリリースを発表! 先行シングル「Manual Decapitation」を公開!

Ikonika - Manual Decapitation
https://soundcloud.com/hyperdub/manual-decapitation?in=ikonika/sets/distractions-2017

2013年の前作『Aerotropolis』発表以降、ドーン・リチャードからチャーチズまで幾多の傑作リミックスを手掛け、世界中をDJツアーで回りながら制作されたという本作は、UKガラージ~ファンキーやハウスから彼女のヒップホップ~R&Bの骨格や構造美に対するフォーカスへとシフトした作品に仕上がっている。サイボトロンがグライムをカマしたかのようなミニマル・エレクトロが炸裂する先行シングル“Manual Decapitation”、アンドレア・ギャラクシーとの〈Night Slugs〉~〈Fade To Mind〉直系R&B“Noblest”やダブステップにヒップ・ハウスのドラムを配合したスロウジャム“Sacrifice”では爆発的な盛り上がりを見せるグライム新世代を担うMCジャムズを迎えるなどこれまで以上にコラボレーションにも意欲的なトラックが顔を揃えている。〈Night Slugs〉の新鋭スウェインJとの官能的なウェイトレスR&Bに同僚ジェシー・ランザのヴォーカルが悶えるエモーショナルな終曲“Hazefield”で幕を降ろすまで、金属のクランク・サウンドと鎮静ファンクのハイテクでミニマルなブレンドが絶妙すぎる2017年にしか生まれえないUKクラブ・カルチャーの真価を体現する傑作!

label: HYPERDUB
artist: IKONIKA ― アイコニカ
title: Distractions ― ディストラクションズ

release date: 2017.06.02 FRI ON SALE

輸入盤CD: HDBCD035 定価: OPEN
輸入盤2LP+DLコード: HDBLP035 定価: OPEN

[ご予約はこちら]
beatkart: https://shop.beatink.com/shopdetail/000000002160
iTunes Store: https://apple.co/2oQGj1x

[TRACKLISTING]
01. Girlfriend
02. Noblest ft Andrea Galaxy
03. Manual Decapitation
04. Lear
05. BGM
06. 435
07. Do I Watch It Like A Cricket Match?
08. Sacrifice ft Jammz
09. Love Games
10. Lossy
11. Not Actual Gameplay
12. Not
13. Hazefield ft Sweyn J & Jessy Lanza

DJ DIE - ele-king

 いや、ジャングル来てますな。先日のパウウェルのライヴもジャングル、昨年末のベリアルの12インチもジャングル、ゴールディーの「インナー・シティ・ライフ」がベリアルにリミックスされる、ロンドンでは地下鉄占拠で一区間のジャングル・パーティ──ジャングルですよ、レイヴですよ、ハードコアですよ、「もうやってられっか!」ということでしょうか、そして彼の地ででは、レイヴを知らない世代がいよいよレイヴをはじめているこのとき、ブリストル・ジャングルの先人、ダイが来日します。
 絶対に行ったほうがいいです。

■東京
2017/04/28 (FRI)
at 東京渋谷回遊

BS04GF -DJ DIE Japan Tour in Tokyo-

Venue 1 at Star lounge:
open: 24:30-5:00

DJ DIE from Bristol / UK (Gutterfunk / Digital Soundboy / XL Recordings)
L?K?O
Maidable
Soi Productions
Bim One Productions

P.A.:
eastaudio SOUNDSYSTEM

Shop:
Disc Shop Zero

Venue 2 at 虎子食堂:
open: 21:00~2:00

BS04GF - Tropical Disco Lounge

Selector:
G.RINA
1-DRINK
e-mura (Bim One Productions)
1TA (Bim One Productions)

入場料:
通常前売: 3000円+1D (500円)
特別前売: 3000円+1D (500円)
当日券: 4000/1D (500円)
当日虎子のみの入場: 2000円
当日虎子からスターラウンジ : +2500円w/1Dチケット(スターラウンジ)

Webサイト
https://www.bs0.club/

前売り
特別仕様前売り券 - https://www.bs0.club/#159223881093
e+ (イープラス) - https://bit.ly/2ousjKu
Livepocket - https://t.livepocket.jp/e/n8y_g
取り扱い店舗更新中! - https://www.facebook.com/events/172307596609899

*全公演日程

■4/28(Fri) 東京 at Star Lounge / 虎子食堂〈BS0〉
■4/29(Sat) 高知 at music cafe BEAT〈RESOUND ZERO〉
■5/2(Tue) 名古屋 at CLUB MAGO / Live & Lounge Vio〈PURE______ (pure blank)〉
■5/3(Wed) 高崎 at club WOAL Takasaki〈"re"place〉
■5/5(Fri) 大阪 at Compufunk Records〈DIRT〉
■5/6(Sat) 静岡 at Rajishan〈hypnotize〉


DJ DIE
DJ DIEは、ハードコア~ジャングル~ドラム&ベース・シーンのパイオニアであり、XL Recordings、Talkin' Loud、そしてもちろんFull Cycleといった影響力のあるレーベルからリリースをしてきたブリストルのアーティスト。
彼は革新者であり続け、彼が受けてきた広範な影響と未来への確固としたヴィジョンを通じ、ルールや伝統を無視した新たな錬金術を創造してきた。
DIEの情熱は、境界の無い新しい音楽を発見し創造することに向けられており、その情熱は、彼が運営するプロデューサー/DJ/アーティストが集まるレコード・レーベルであり創造的ハブでもあるGutterfunkに集中している。
彼の最近のコラボレーションやプロジェクトには、進行中のDismantleとのDieMantleや、Addison Grooveとの共同作業、そして現時点では秘密のプロジェクトがある。
2017はDJ DIEにとってエキサイティングな1年になるに違いない。

Basic Rhythm - ele-king

 Imaginary Forces としてドラムンベースの黎明期から活動を続けてきた Anthoney J Hart が、別名義 Basic Rhythm で突然USのレーベル〈Type〉からデビュー・アルバム『Raw Trax』をリリースしたのは昨年のことだ。『Raw Trax』は、ソリッドなドラムにベース、そして女性ヴォーカルのサンプリングが駆け抜ける。初期ジャングルの感覚を現代にアップデートし、140bpm に落とし込んだアルバムとも言えるだろう。
 リリース後はベルグハイン出演や初来日など、ツアーなどでも精力的に活動している。Radar Radio では Kwam や Darkos Strife といったグライムMCが参加する回もあれば、彼のダブプレートを含むジャングルを詰めた2時間もある。彼はUKの音物語(*)を自由自在に行き来しているように見える。

 ロンドンに帰ってきた彼から届けられた2枚目のアルバム『The Basics』は、BPMの幅を広げながら個性を存分に聴かせてくれた。

 前半の02.“E18”(東ロンドン郊外 Woodford 周辺を指す)ではグライムMCの声がサンプルされ、03.“Fake Thugs”では、Mobb Deep の口撃が使われ、MCのエネルギーが抽出される。04.“Silent Listener”、05.“Cool Breeze (Summer In Woodford Green)”では、サイン波の低音に混じってヒップホップ的なサンプリング・カットアップが織り込まれる。06.“Blood Klaat Kore”は、Basic Rhythm 版の攻撃的なグライム・トラック、そして最後のトラック08.“Night Moves”は、キックとベースと1発の効果音だけで4分攻め切る。

 来日時に彼と話したとき、もっとも衝撃を受けたのは「ドラムを組んで、ノイズを乗せて、それでよければ曲は完成だ」と話していたことだ。
 構造的にはけっして4×4ビートではないが、エレクトロニック・ダンス・ミュージックのダンスの機能性に忠実すぎるほどで、それがかえってアヴァンギャルドな作風を作り出している。女声ヴォーカルと男声MC、ドラムマシンとサイン波、一瞬の静寂。テクノ、グライム、ジャングル、Basic Rhythm はどの呼び名にもハマりきらない、モダンで荒いダンス・ミュージックを鳴らし続ける。

(*) Simon Reynolds による、UKの90年代の音楽に関する理論では、「UKハードコア連続体」の言葉で説明される。
The Wire 300: Simon Reynolds on the Hardcore Continuum: Introduction

Ulapton(CAT BOYS) - ele-king

なつかしの90年代HIP HOP

昨年リリースしたセカンドアルバムのカセットバージョンが3/24リリースされます。

CAT BOYS new7inch "LOVE SOMEBODY"
Release 0422

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151