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- ele-king
いま現在、私を完璧にトランスさせることのできる日本のバンドは、オウガ・ユー・アスホールであります。『homely』以降の彼らのライヴは、「ドリーミー」なんて生やさしいものではない、まさしく「サイケデリック」そのもの。「ロープ」という曲は、ヴァージョンによっては「ドープ」と呼ばれているけれど、私はライヴで演奏されるこの曲を世界中の人に推薦したいと思う。ライヴ会場で聴かなければ、この曲の真実は伝わらないし、そして、20分にもおよびであろうこの演奏を聴いたら、その日たとえどんなに嫌なことがあったとしても、1日のうちに2回以上も電車のダイヤルが乱れても、満天の星のなかをドライヴできる。初めての人は、日本にこんなバンドがいたことに驚きを覚えるでしょう。日本にもこんな、強いてたとえるなら、初期ピンク・フロイドとカンが混ざったようなバンドがいるのです。最新号の紙ele-kingの表紙も飾っています。
というわけで、12月28日恵比寿リキッドルーム。今年最後のフリークアウトを楽しみましょう!

ども、Eccyです。今年もあっという間に終わってしまいましたねー。
結局リリース出来ませんでした(泣)。が、しかし! 何か最近気合いも入ってきたしモチベーションも上がってきたので、来年はリリースすると思われます! いやします! しよう! する! 出来るかな? いやしなきゃ! するでごわす!するなっしー! するめいか! するーざふぁいやー! ちゃかかーん! ということで、2013年のベストアルバムトップ10を書きました。載せたいのもっといっぱいあったけど悩みに悩んで絞りました。ではわたくし、2014年はもっと頑張ります! みなさんよいお年を!(紅白あまちゃん特集楽しみっすね)
https://twitter.com/_Eccy_
https://soundcloud.com/eccyprodukt
https://yusukekiyono.tumblr.com/
10 Best Albums Of 2013
![]() 1 |
Oneohtrix Point Never - R Plus Seven (Warp) |
|---|---|
![]() 2 |
Jon Hopkins - Immunity (Domino) |
![]() 3 |
Bonobo - The North Borders (Ninja Tune) |
![]() 4 |
Danny Brown - Old (Fool's Gold) |
![]() 5 |
Atoms For Peace - AMOK (XL) |
![]() 6 |
相対性理論 - TOWN AGE (みらいレコーズ) |
![]() 7 |
Sky Ferreira - Night Time, My Time (Capitol) |
![]() 8 |
Zomby - With Love (4AD) |
![]() 9 |
Pusha T - My Name Is My Name (GOOD) |
![]() 10 |
Quasimoto - Yessir, Whatever (Stones Throw) |
「ルー・リードが死に場所として選んだところはやはり都市であったと誤解をさせて欲しかった」という三田格さんの文章を読みながら、わたしが思い出していたのはニコのことである。人間、一定の年齢になると死に方を夢想する瞬間もある。わたしにとっての理想形はニコだ。
イビサ島で自転車でこけて死んだ。なんて、ごっつくていい。過去16年間、夏になると行っているのでイビサをチャリキで疾走する感じはよくわかる。あそこでこけて頭を打って死ぬなんて、実に清々しい。その最期だけで、ニコはわたしの永遠のヒロインである。
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ウェールズのニコ。と呼ばれるケイト・ル・ボンについては、例えば『ピッチフォーク』なんかは、両者の欠伸しながら歌っているような歌唱法の相似について、「生まれながらにして両者ともそういう歌い方をする」と書いている。それが皮肉にしろ何にしろ、ケイト・ル・ボンはニコに影響を受けている。んでそれは、全然悪いことではない。
アデル→ダスティ・スプリングフィールド、リリー・アレン→ザ・スリッツのリリックス、というように、現代の女子アーティストは過去の女性アイコンのペルソナを借りなければアイデンティティ的に成立が難しいようなので、ニコまで出て来たというのは喜ばしい限りだ。
が、その彼女がロスに移住したというので、整形&増乳でもしてハリウッド系に変身するのかと不安になったが、彼女が彼の地で製作したのは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドに黙って言うことを聞かせているニコ。みたいなアルバムだった。フリーキー・フォークとか、サイケ・フォークとかいうカテゴリーに納められがちな彼女の新譜は、70年代もここまで行けば神々しい。トム・ヴァーラインの息遣いも聞こえる。後半のより実験的な曲群を聴いていると、ヴェルヴェッツのジョン・ケイルも思い出すのだが、そういえば彼もウェールズ出身のロス在住者だ。ひょっとすると、彼らはロスで会ったりしたのかしら。というようなことも夢想させるアルバムだ。
上記のキー・ワード(アデルとリリーは除く)で引っかかるものがある人は聴いてみて損はない。冬の暗い午後には(UKはもう4時には暗闇だ)じわじわ来るアルバムである。
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すっかり芸能界の重鎮&ご意見番になっているという点では、UKの和田アキコになった感のあるノエル・ギャラガーがこんなことを言っていた。
「レディー・ガガとかマイリー・サイラスとか、音楽以外のパフォーマンスで物議を醸すことがフェミニズムだと思っている女たちは、実は音楽界での女性アーティストの発展を5年ぐらい後退させている。本当に良い曲さえ作っていれば、そんな小細工は不要だろう。Sisters are not doing it for themselves.」
リリー・アレンは、ビッチという言葉について「他人の反応など気にせず、言いたいことを言う女」と定義している。が、アタシはこんなことまで言えるのよ。平気で炎上だってさせちゃうの。みたいな過激ちゃんたちは、実は他人の目が気になって仕方ないからこそ「もっと私を見て」コンペに参入するのである。
なんというか、ビッチ。はもういい。
過激ちゃんや奇抜ちゃんたちの妙な切羽詰り感というか、不安定なきーきー声は聴きたくない。メンヘル上のプロブレムとフェミニズムというのはまた別の問題である。
女であるということは、そんなに七転八倒するような大変なことではない。
女であるということに自分の存在価値や存在意義を見出そうとさえしなければ。
保育園の教室でわざと本棚の角に頭ぶつけて劇的に号泣する子や、ワンピースの裾をまくって裸体を晒しながらじっとり保育士を見ている子のような「私を叱って。そして抱いて」オーラを全開にしている女児が「ビッチ」タイプだとすれば、ケイト・ル・ボンは、いつも教室の片隅で黙々とお絵かきしているタイプだ。普段は何処にいるかわからないが、「え、これ、あなたが描いたの?」と思わず声をあげたくなるような絵を描いている女児である。こういう子が毎年クラスにひとりかふたりはいる。
彼女なんかはマグカップまで焼いているそうで、焼いているうちにいつの間にかアルバム・タイトルの『マグ・ミュージアム』と呼べるほどの数になったというから、本当に物を拵えるのが好きなんだろう。
男も女もない純然たる創造欲を感じさせる女子の音楽が、今年はやけに聴きたくなった。彼女たちは「女である」というどうでもいいようなファクトに拘泥して病んで気張って行き詰まっておらず、何よりもまず、創造することの楽しさを感じさせてくれるからだ。
ケイト・ル・ボンとヴァレリー・ジューンとサヴェージズがわたしの2013年トップ・アルバム10に入っているのはそのせいだ。彼女らには自転車でこけて死にそうな気配がある。
コンピレイションを3~4枚。
Various Artists - New German Ethnic Music Karaoke Kalk
エレクトロ・アコースティックならぬエレクトロニカ・アコースティック系の〈カラオケ・カルク〉が企画したのはドイツのフォークロアをマーガレット・ダイガスやウールリッヒ・シュナウスをはじめとするクラブ系のプロデューサーたちが電子化するというもので、1970年代にヘンリー・フリントがアメリカでブルースやカントリーをエレクトロニック化した「ニュー・アメリカン・エスニック・ミュージック」に習ったものだという。このところドイツでは過去の音楽に関心が集まっているらしく、移民たちがドイツに持ち込んだ音楽を浮き上がらせるためにリミックスという手法を選択したのだとか。なるほどトーマス・マフムードは北アフリカ起源のグナワをダブに変換し、グトルン・グットはクロアチアの無伴奏男性合唱、クラッパに重いベースをかませて高い声を引き立てている。マーク・エルネストゥスの興味はモザンビークに移ったようですw。
元の曲がわからないのでジャーマン・ネイティヴのようには楽しめないものの、基調となっている重苦しさはブルガリアン・ヴォイスを思わせるものが多く、オープニングのムラ・テペリはまったくそのまんま。言われてみれば明らかにトルコ系の名前だったカーン(エア・リキッド)はかつての出稼ぎ先だったギリシア音楽をゴシック風にアレンジしてみせる(古代を中世化させたわけですね)。奇しくも2013年はトルコ人9人を殺害したネオ・ナチで唯一自殺しなかった女性、ベアテ・チェーペの裁判がドイツ中の注目を集め続けた年だけにトルコ系のプロデューサーが健在だったというだけで嬉しい知らせといえる。ワールプール・プロダクションズのエリック・D・クラークがキューバ系だったということも初めて知った。
グルジアや南米からのエントリーもあって、2013年には相変わらずモンド気分な『ザ・ヴィジター』をリリースしたマティアス・アグアーヨと第2のジンバブエと化しているベネズエラのニオベはそれぞれヴェトナム・カン・ホーというフォーク・ソングとスペインのルネッサンス合唱を題材にレジデンツ風ラウンジ・ミュージックに仕上げている(そう、個人的には南米組、圧勝です)。つーか、トラック・リストは面倒くさいので以下を参照。
https://www.inpartmaint.com/shop/v-a-new-german-ethnic-music-immigrants-songs-from-germany-electronically-reworked/
Various Artists - Scope Samurai Horo
なんだか補完しあっているようだけど、同じドイツから〈サムライ・ホロ〉がコンパイルした『スコープ』は期せずして、フォークロアとはなんの関係もないのに、似たような重厚さにに支配され、フェリックス・Kのヒドゥン・ハワイと同じく、ベーシック・チャンネルを通過したストイックかつスタイリッシュなミニマル・ドラムンベースを聴かせる。イギリスからASCや最新シングルがまさかの〈トライ・アングル〉に移ったニュージーランドのフィスなど、集められたプロデューサーはドイツだけとは限らず、このところ頭角を現しつつあるサムKDCや2011年に『テスト・ドリーム』が話題となったコンシークエンスの名前もあるものの、まるでひとりの作品を通して聴いているような統一感があって、その意志の堅さには恐れ入る。こういった音楽をマイナー根性ではなくファッショナブルな感覚で聴いていただけたら。
Various Artists - We Make Colourful Music because We Dance in The Dark
Greco-Roman
大量に吐き出される音楽にはやはり無意識が強く反映され、日本のそれには奇妙な躁状態が表出しているように(なんで?)、ヨーロッパはいまだ深い闇に沈んでいるようである。2017年までにEUからの離脱を国民投票で決めるだなんだと騒がしくなってきたイギリスは、しかし、まったく雰囲気が違っていて、ディスクロージャーのシングルをリリースしてきたグレコ・ローマンがコンパイルした『ウイ・メイク・カラフル・ミュージック・ビコ-ズ・ウイ・ダンス・イン・サ・ダーク(僕たちは暗闇で踊るのだから、カラフルな音楽をつくるのさ)』は(思わずタイトルで買ってしまったけれど)、たどたどしさをなんとも思っていない勢いと若さに満ち満ちている。ディスクロージャーとデーモン・アルバーンのDRCミュージックに参加していたトータリー・イノーマス・イクスティンクト・ダイナソー以外はまったく知らないメンツだったけれど、バイオとテルザがとても耳を引き、調べてみたら前者はヴァンパイア・ウィークエンドのクリス・バイオで、それこそヴァンパイア・ウィークエンドのトラックを使い回したハウス・ヴァージョン。ハーバートがデビューさせたマイカチューのプロデュースによるテルザはゼロの飯島さんもお気に入りのようで、「踊ってんじゃなくて戦ってんのよ/輝いてんじゃなくて燃えてんのよ/触ってんじゃなくて感じてんのよ」という歌詞を気だるげに歌っています。
Various Artists - Young Turks 2013 Young Turks
この辺りのシーンの火付けは野田努が言うようにジ・XXなんだろう。同じくレーベル・コンピエイションとなる『ヤング・タークス2013』はジ・XX「リコンシダー」にサウンド・パトロールで紹介したFKAトゥィッグス「ウォーター・ミー」とまー、レア・シングルばりばりで、コアレスのニュー・プロジェクト、ショート・ストーリーズ「オン・ザ・ウェイ」まで入ってますよ。いやー、こんなに勢いがあったら、そらー、EUも飛び出しちゃうかも知れませんねー。とはいえ、ギリシャを見放さなかったことで、EUには現在、周辺から弱小国が相次いで加入を決め、入れてもらえないのはトルコだけという感じになっています。〈ヤング・タークス〉というのは若いトルコ人という意味だけどね。
〈巻頭インタヴュー〉オウガ・ユー・アスホール
〈第二特集〉ブリストル・ニュー・スクール
〈第三特集〉ポスト・ジャズ菊地成孔 他
※電子書籍版へのアクセスキーがついています
もういい歳こいてることは重々承知、僕は未だに自分の放浪癖を更正するすべを知らない。この原稿を書いている現在も、何の因果かヨーロッパを放浪している。これは、まあ、そのドリフト録とでも言うべきものだ。そもそもはふとした思いつきでLAに向かったことから始まるこの生活だが、今回の最終目的地もいちおうのところLA。僕の放浪はLAに始まりLAに終わるのだ。いや、終わればいいんだけれども。
といいつつ、この記録を書きはじめた10月には、ローブドア(Robedoor)のヨーロッパ・ツアーのコラボレーターとして暗雲立ち籠める最悪の欧州をドリフトしていた。しかし彼らとの出会いは僕が初めてLAに長期滞在していた2009年に遡る。当時はLAの〈エコー・パーク〉をヤサにしていて、ローカルたちが集うギャラリーや人ん家で夜な夜な催されるアホなパーティーを通じて親交を深め云々、そこからずっとつながる縁である。
■Oct14th
ローブドアのブリット(〈NNF〉主宰)とアレックスにベルリンにて久々の再会を果たし、昨年LAでの対バン以来初めて観る彼等のデュオ編成でのパフォーマンスに度肝を抜かしたのは言わずもがな、今回のツアーの前半戦をサポートしたスウェーデンからのナイスガイ、マーティンによる初めて見るサンド・サークルズ(Sand Circles)のライヴ・セットは素晴らしいものであった。〈NNF〉からの過去のテープはどちらもヴァイナルをプレスするにじゅうぶんなクオリティであるが、それを納得させるセットだ。
ショウ終了後、再会の感激冷めやらぬ我々はベルリンの寒さをものともせず、さらに寝床を提供してくれたお姉チャンの家が5階で勿論エレベーターが無いため全力で機材を持ち込むことによって全員熱気すら放ち、ヨーロッパの一般的ボロ・アパートの何たるかを忘れシャワーの順番を譲り、みなを起こさぬよう悲鳴を抑えながら3日ぶりのシャワーを冷水で浴びていた。

■Oct15th
翌朝ムニャムニャのままプラハに向け出発。国境を越え、チェコに入国した途端に濃霧に包まれるハイウェイ。ようこそ暗黒のチェコへと言わんばかりの歓迎にテンションも上がる。幻想的なプラハの町並みに感銘を受けながらダンジョン感全開のハコでのショウ。この日のローブドアのセットは素晴らしかった。勿論この土地で得た僕の心象風景とローブドアのサウンドが相乗効果をもたらしたのであろうが。僕が嗜好するような音楽シーンがこの土地に根づいているのかはわからないが少なくともこの日集まった多くのオーディエンスが熱烈にソレを求めているのがビンビンに伝わってきた。この日の主催者たちが運営する〈アムディスクス(AMDISCS)〉等のDIYレーベルが放つ多くのリリースからもそれをうかがい知ることができる。

そしてこの画のように野暮ったい。しかし野暮なオーディンスこそがリアル。ノー・ハイプ・シット。見よ前列のお姉ちゃんを。
寝床への道中、マシンガントークで町のあっちこっちの歴史を熱弁するこの日のプロモーターの一人(名前失念)は最高だった。僕らのために用意してくれた寝袋のひとつがテントだったのは意味わからんかったけども。
■Oct 16th
全員が早起きした。宿先の正面にそびえ立つ重そうな教会前(Church of the most sacred heart of our load)で朝市が催されており、僕らは大量の新鮮な果物とチーズを購入し……って、そう、チーズ。ローブドアのアレックスは食品輸入関係の仕事をこなしているためか、とにかくチーズに目がなく、僕らはツアー全日程を通してあらゆるチーズをつねに喰っていたため、車内はつねにチーズ臭で充満していたであろう。
この日のショウはウィーンのフラック(Fluc)で移動時間に余裕のある僕らは満場一致でクトナー・ホラのセドレツ納骨堂に寄ることにした。メタル系バンドのジャケで写真が濫用されているアレである。ノリでホトケをLEGOのごとく積み上げてみました的な実物に感銘を受けながら僕らは今回初めての観光らしい観光に充足した。

フラックで僕らを迎え入れてくれた〈ヴァーチャル・インスティテュート・ヴィエナ(VIV)〉を主催するステファンとシーラは間違いなくウィーンでもっともイケてるカップルだ。シーラは最高の手料理をふるまってくれ、サウンドチェック後に僕らはそれを堪能し、ステファンは自身のNHKヴァイヴなプロジェクトJung An Tagenでナイスなオープニング・アクトを務めてくれた。ハコのサウンドシステムもさることながら、この日はDJ陣が素晴らしかった。SKVLKRVSHと名乗るアンチャンは僕の今年度のヘヴィロテをほぼ網羅してくれたし(D.R.I.からピート・スワンソンのミックスとか最高過ぎる)、そして何故かジェノバ・ジャクジーが80'sゴス全開のDJを……。
どうやらヨーロッパ・ツアー中であったアリエル・ピンクス・ホーンテッド・グラフィティに参加していた彼女は、最高潮に達したメンバー間の不和によりツアー半ばにして脱退し、強引にソロ・ツアーを慣行していたらしい。アナーキー過ぎる……。

酔いどれアレックスとジャクジー。何でジャクジーなのよってツッコんだら超真顔で本名だからと仰っておりましたが……
■Oct 17th
お次はチューリッヒへ、ちなみに僕は今回のドリフトに際してビザも帰りの航空券も取得しておらず、EU加盟国でないスイスに入国するのを危惧していたが、問題なく国境を通過できた。高架下とスケート・パークに隣接するハコ〈Klubi〉は、どことなく新大久保〈アースドム〉を彷彿させる構造と音作りで、爆音での演奏を熟知しているようだ。プロモーションからアテンド、サウンドメイキングまで手掛けてくれたロジャーはソルト(Soult)としてホーラ・ハニーズ(Hola Honeys)のプロモーション・ツアーでNHKと共に来日もしている。ソリッドなDJを担当していたお姉ちゃんが用意してくれた豪勢な食事は、あまりのうまさに全員が無言でガッついていた。
満腹で弛緩しながらも、このあまりにも勿体ない待遇の何たるかを、僕にとって初めてのヨーロッパ・ツアーであるがゆえのカルチャー・ショックなのか、それとももしかしたらヨーロッパにおけるミュージシャンシップはゲストを快く迎え入れることがひとつのステイタスなのかしらんなどなど夢想しながら眠りについた。
無駄にドリフトは続く……
7incシングル"Painting in November" 絶賛発売中!
radloop.com
ackkyjournal.cx
最近観た映画で面白かった作品(DVDレンタルと成さん(bonobo)コレクション)
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LOVE STREAMS - JOHN CASSAVETES |
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THE MASTER - Paul Thomas Anderson |
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Spring Breakers - Harmony Korine |
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙 - Riner Werner Fassbinder |
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アメリカの友人 - Wim Wenders |
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DRIVE - Nicolas Winding Refn |
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十階のモスキート - 崔 洋一 |
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裏切りのサーカス - Tomas Alfredson |
![]() 9 |
人生はビギナーズ - Mike Mills |
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世界にひとつのプレイブック - David O Russell |
ウルトラマリンなんていったい誰が覚えているんだっていうの。誰も覚えていないよ。これだけ消費が速い世界で15年ぶりに新作を出したからといって、誰も騒ぐまい。誰もね。あの弱っちい清水エスパルスが試合で信じがたい逆転勝利を果たした次の週だったから、気分が良かったのだ。レコード店の新譜コーナーに面出しされている「Ultramarine」の文字に驚き、何も考えずに買って、そしてそのままだった……、それから後味の悪いリーグ最終戦の日に、家で聴かれないまま放置されているこのレコードに気がついて……で、わりと頻繁に聴いている。
実は、僕はいまでも覚えている。1993年6月26日(27日だっけ?)、昼間の1時かそのぐらいだ。グラストンベリーの、心地良い初夏の風を浴びながら、NMEステージの芝生に寝っ転がって、ウルトラマリンの演奏を聴いていた。なかば微睡みながら聴いていたので、どんな音だったのかは思い出せないが、その演奏が素晴らしかったことだけは覚えている。素晴らしかったというのは、その時代のその時間帯にもっとも相応しい音を出していたということだ。
ウルトラマリンとは、サマー・オブ・ラヴの余韻がまだ残る時代に、ハウスとダブとジャズとフォークとカンタベリー的な牧歌性とをかき回し、透明な音色と美しい旋律にろ過したバンドだった。いまとなっては90年代の音楽の秘密のひとつと呼べるかもしれない。ロバート・ワイヤットをゲストに招いたり、ケヴィン・エアーズの曲を歌ったり、後にカール・クレイグがリミックスを手がけていることからも、ウルトラマリンの音楽がどんな傾向のものだったのかお察しいただけると思う。ジャケに大きく「STAR」という文字の描かれた『Every Man And Woman Is A Star』(1991年)は忘れることのない名作だが、しかし同時に忘れたい作品でもある。あまりにも甘く、お茶目かつ無垢で、負けることにも慣れた大人が振り返るには気恥ずかしくもあるのだ。ウルトラマリンは、その後メジャーの〈Blanco Y Negro〉に移籍して、『United Kingdoms』(1993年)や『Bel Air』(1995年)など何枚かのアルバムをリリースしているのだが、当時、瞬間的だが多くのリスナーを惹きつけたウルトラマリンは、ゆっくりと忘却の彼方へと葬られていくのである。
しかし、橋元あたりが「ドリーミー」という言葉をやたら使う度に、ウルトラマリンも知らないクセに何言ってんだか……と思っていたのも事実だ。それでは久しぶりに聴いてみようじゃないか。そして、試しに『Every Man And Woman Is A Star』に針を落とすと、「あれ、こんなだっけ、こんなだっけかな?」と、自分のなかで虚妄と化したグラストンベリーの思い出との落差に居心地の悪さを覚え、結局のところ、音楽作品というよりもウルトラマリンそのものがタルホ的な郷愁となっていることを悟る。
が、『ディス・タイム・ラスト・イヤー』、衝動的だったとはいえ買ってしまった以上は、貧乏根性も手伝って、聴かなければと思って聴いていると、やはり良いナー、ウルトラマリン、こんなに良かったっけ……と感心する。本当に素晴らしい。尖っているわけではないが、むしろ尖っていないからこそ素晴らしい。彼ら自身も、15年ぶりに新作を出すからには、いまこの時代に自分たちの音楽の受け入れ先があることを感じているのだろう。音楽性の幅もあり、質の高い音響を作れるスキルを持っている連中だが、『ディス・タイム・ラスト・イヤー』は方向性も間違っていない。90年代の諸作と比較すると(もともと角が取れている連中だったが)さらにまた角が取れている。つまり、より平穏でアンビエントなテイストを注ぎながら、『Every Man And Woman Is A Star』の頃の淡い幻覚と切ない旋律も捨てることなく、ゆったりと展開する。その力の抜け具合が片足はクラブに浸かっていた昔よりも良い。ブラジリアンの混じった“ファインド・マイ・ウェイ”、フュージョン風の“アイコンタクト”、アシッド・ハウスのベースを透明なポスト・ロックにろ過した“デコイ・ポイント”、陶酔のアンビエント・ダブの“ウィズイン・リーチ”……いいぞいいぞ、完璧に現実逃避させてくれる。そして、聴き込んでいると、20年前の6月のサマセット州の農場で聴いた音はたしかにこんな感じだったと思えてくるのだ。……あのとき、「絶対にどんなことがあっても、自分はまたここに戻ってこよう」と29歳の自分は心に誓ったものだが、あれ以来行っていないし、残りの人生のなかでももう行かないんじゃないかと思う。いや、正確に言うなら、1993年6月のサマセット州は、もうあの場所にはないのだ。『Every Man And Woman Is A Star』は、2003年、〈ラフトレード〉によってリイシューされ、ボーナス盤には1993年のグラストンベリーでのライヴ演奏が1曲収録されている。僕はその1曲を聴くためだけに、いつかそのCDを買う可能性がないとは言えないが、極めてゼロに近い。
どうやら昨年頃からその兆候が見えていた90'sリヴァイヴァルは完全にトレンドとなってしまったようだ。
ときに野生の鹿を轢きかけるなどして肝を冷やしながら極寒の東海岸をドリフトしている昨今のわたくしですが、先日、ブルース・コントロールのふたりの運転で移動しながら連中が車内でフロント242(Front 242)をかけていたので、何でこんなん聴いてんのよと訊ねたところ、ラス曰く、だって安いじゃん。とまっとうな回答が返ってきた後、でもEBMはいま結構流行ってんだよとのこと。確かにここ数週間ブルックリンを徘徊していたかぎりそれは充分に感じられた。たしかに昨今のUSインディー・シーンにおけるキーワードはインダストリアルというよりはボディ・ミュージックなのかもしれない(三田先生は流石です)。
コールド・ケイヴに代表されるミニマル・ウェーヴ・リヴァイヴァルはボディ・ミュージック・リヴァイヴァルに完全に移行したと言っても過言ではあるまい。ユース・コード(Youth Code)はLAを拠点に活動する超スキニー・パピーな男女ユニットである。個人的にとてもアガッているおもな理由はこの男、ライアン・ジョージ。彼はかつて燻し銀のオールド・スクール・ハードコアを聴かせてくれたキャリー・オン(Carry On)のメンバーである(このあたりのバック・グラウンドも相当コールド・ケイヴと被ってるよね。だってウェスのアメリカン・ナイトメアも同時期に限りなく同じシーンで活動してたわけだし……)。
この手のサウンドにおける看板レーベルと言える(ジェネシス・P・オリッジの再発とかも精力的にやってますからね)〈ダイス・レコーズ(Dais Records)〉から発表された彼らの初のセルフ・タイトル・フルアルバムとなる本作は完全にボディ・ミュージックとしか形容できないビシバシ系のトラックにハードコアな男女ヴォーカルが畳み掛けるハイテンションな内容だ。またこのお姉ちゃんがブルータルなんですよ。Youtubeを見る限りパフォーマンスも相当テンション高めなんで近いうちに見たいなー……
でもヒップなDJたちにとっては良いトレンドではないでしょうか。だってEBM系のレコードはワゴン・セール出没率高いですからね。





