「P」と一致するもの

Washed Out - ele-king

 ジョージア州のペリーという小さな町の彼のベッドルームの夢想はリキッドルームをターンオンさせることができるのだろうか......。サンプリングとスクリューによるフラットしたまどろみは、モラトリウムのけだるいサウンドトラックは、本人が望んだこと以上の騒がれた方をしてしまったがゆえに矢面に立ち、そしていち部の大人たちから非難を浴びていることは読者のみなさんもご存じのはずである。
 開演直前に到着、カウンターでビールをもらって、ドアを開けると照明が落ちて、12インチ・シングル「余暇の人生」に収録された"ホールド・アウト"がはじまる。中央には黒いドレスを着たブレアがシンセの前に立っている。彼女こそ「余暇の人生」のアートワークで黄昏色の海に浮いている女性で、アーネスト・グリーンの奥さんだ。その左にはグランジ・バンドでもやっていそうなベーシストが立ち、右側にはアーネスト・グリーン、そして後方にはドラマーがいる。心配されていたことだが、アーネストの手元にはiPadがあった。それがわかった瞬間、「やばっ」と思った人は少なくなかったろうが、演奏は思ったよりもしっかりしていた。バンドとしての体をなしていたし、黒い髪を振り乱しながら歌うブレアはステージ映えしていた(ビーチ・ハウスのヴィクトリアを意識しているようにも思えた)。

 チルウェイヴに限らず、打ち込み音楽(エレクトロニック・ミュージック)においてライヴPAは20年前からのテーマである。バンドと違って地道な鍛えられ方をしていないし、それ以前の問題として作り手の多くはステージング(芸人根性)というものを知らない。プログラミングされたループを垂れ流し、ミキサーをいじるだけなら生演奏とは呼べないし、ライヴをやる意味がない。が、それでも大受けすることはままある。
 僕が昨年行った打ち込み音楽のライヴに関して言えば、ベストは迷わずANBBで、次点でハーバートURだ。ANBBに関しては、照明美術からブリクサのパフォーマンス、そして周波数の魔術師たるカールステン・ニコライの驚くべき"演奏"にいたるまで見事というほかなかった。残念だった点があるとしたら客があまりに少なかったことぐらいだ。ハーバートは彼の政治的主張のユーモラスな見せ方において、URはジャズ・ファンクの迫力ある演奏において、ライヴとしての醍醐味が十二分にあった。

 ウォッシュト・アウトは、とくにはしゃぐ様子もなく、慎重に演奏しながらそのけだるさを快楽へと変換した。ダンス・ミュージックの影響下にあるゆったりとしたグルーヴのなかには、チルウェイヴ特有の甘いメランコリーがある。ほとんどレコードに忠実に演奏されていたが、彼らの催眠ループで眠たくなることはなかった。おおよそ他の音でかき消されていたとはいえ、アーネストのヴォーカリゼーションとブレアのバック・コーラスも感じの良いものだった。ウォッシュト・アウトがオーディエンスを完璧に現実逃避させるにはもう少し時間がかかるかもしれないが、バンドには美しい調和があったし、気持ちのこもったショーだった。ヨーロッパ・ツアーやATPへの出演など、けっこう場数を踏んできた痕跡がある。
 なにせ過去2回の来日ライヴを見ている人間からは芳しい感想を聞いた試しがなかった。2回とも見ている友人によれば「いままでいちばん良かった」そうで、ウォッシュト・アウトにとって不幸だったのは、内気で密室的なこの音楽が、まだライヴ慣れしていないのに関わらず野外フェスに2回も呼ばれてしまったことかもしれない。今回が初来日だったら、もっと良い反応を得られたはずだ。ちょっと可哀想に思える。
 最後の"ユール・シー・イットで何人かのオーディエンスは両手を広げて踊っている。アンコールの2曲は"デディケーション"と"アイズ・ビー・クローズド"だった。わりとあっけなく終わったが、まあ、全13曲、ほとんどのオーディエンスを惹きつけていたように思う。風評というのは本当に恐ろしいモノで、ジェームズ・ブレイクを神々しく見えてしまう人もいれば、ウォッシュト・アウトをスルーしてしまう人もいる。おかげさまで快適な状態でこの音楽に浸ることができたわけだが。

Sao Paulo Underground - ele-king

 90年代のUSアンダーグラウンドにおいて重要なムーヴメントといえば、ポスト・ロックだ。その流れはキャレクシコにも、そしてボン・イヴェールにも繋がっている。今回紹介するサンパウロ・アンダーグラウンドのロバート・マズレクは、ポスト・ロックの第一世代であると同時にポスト・バップなるサブジャンルの開拓者でもある。なんでもかんでも"ポスト"と付けるのは我ながら芸がないと思うが、便利だ。ポスト・ロックならびにポスト・バップの起源はもちろんトータスである。

 ステレオラブのマネージャーのレーベルからリリースされたトータスの1995年の12インチ「ゲメラ」は当時、多くの場面において〈ワープ〉系のテクノのネクストとして聴かれているが、あのシングルに感謝しているのは、おかげでジェフ・パーカーの『ザ・リテラティヴス』にたどり着けたということだ。"ゲメラ"の冒頭のギターの煌めきはそれこそ『TNT』でもなじみ深いけれど、ポスト・ロックはそれをロックと呼ぶには無理があるほどジャズに寄っている。このムーヴメントにはジェフ・パーカーやチャド・テイラーのようなインプロヴェイザーをフックアップしてきた一面もあって、ロバート・マズレクは、アイソトープ217名義での諸作もさることながら、シカゴ・アンダーグラウンド・デュオ(ないしはシカゴ・アンダーグラウンド・アンサンブルほか)においても彼のジャズを展開している。それらはしかし、彼が敬愛するオーネット・コールマンやドン・チェリーの作品とくらべるまでもなく、90年代のIDMとの親和性の高さにおいてモダンで、そして洗練されている。アヴァンギャルドというにはこざっぱりしていたし、陶酔的だが潔癖性的で、ポスト・バップというサブジャンル名もあながち的はずれに思えない。

 『トレ・カベカス・ロークラス』はマズレクが活動の拠点をシカゴからサンパウロへ移してからブラジル人、マウリシオ・タカラと結成したグループで、本作は彼らにとって3枚目のアルバムとなる。
 このグループへの興味とは、ラテン・ジャズにおけるポスト・ロック的な展開とはどんなものなのかという点に尽きるわけだが、本作はそれこそ『TNT』のラテン・ヴァージョンとでも呼べそうな、緻密さと大胆さのバランスの取れた力作となっている。彼のフリー・ジャズ志向はこれまで以上に抑制されている。奇数拍子におけるミニマリズムも効果的だ。1曲目の"Jagoda's Dream"はポスト・ロックとトロピカリズモの鮮やかな調和で、ドリーミーなアナログ電子音、雄大なトランペット、そして突然降り注ぐ陽の光のようなサンバのあたたかさ......舌を巻く演奏が聴ける。たっぷりと情熱が込められたリズミカルな"Pigeon"、ジョアン・ドナートが宇宙でフリークアウトしたような"Carambola"、アイソトープ217の最初のアルバムにおけるなかば催眠的で上質な静けさを彷彿させる"Colibri"......それから心地よいそよ風のなか平和的なトランペットの調べが流れるような"Just Lovin'"、反復するマリンバやヴィブラフォンには微笑みが注がれている。
 このアルバムにおけるサンパウロ・アンダーグラウンドは、活気溢れる変拍子の"Six Six Eight"のように、ラテン、ジャズ、ポスト・ロック/ポスト・バップという領域の境界線など気にも止めず、魅力的なメロディとリズムを創出し、自由に飛び回っている。日の照りつけるサンパウロで彼らは自分たちの音楽をぞくぞくするようなものへと押し広げた。拍手しよう。(ちなみこれ、昨年の作品です)

いつもの駅前 いつもの通りいつものビルの隙間に特別な星
うんざりするほど変わらない景色も
本当に何時までも同じわけじゃない
煌めきは一瞬 だから美しい
しっかりと目に焼き付けろ すぐに
JUST ONE DAY いつか思い出すかな
こんな日々を 意味を 夏の抜け殻 やけのはら"I Remember Summer Days"(2010)

 あなたにとって、音楽が鳴る「現場」とは、どこだろうか。行きつけのライブ・ハウス? お目当てのあの娘が通っているクラブ? 愛聴するDJが選曲するFM? 年に一回のフェスティヴァル? それとも、フリー音源がくそみそに散乱するウェブ? 都会の喧騒をシャットアウトするために装着したi-Podの白いイヤホーン? あるいは、地方生活の退屈を埋めるためのスピーカー? 磯部涼は......そのどれをも否定しない。「音楽の"現場"について、ずっと考えてきた」、そう語り始める現在33歳の著者は、ライフ・スタイルの変化などによって「ゲンバ」から離れてしまった人たちの選んだ「現場」の一切を否定しない。「"現場"という概念は、ライブ・ハウスやクラブといった狭い枠を飛び越えて、ポップ・ミュージック・カルチャーそのものであると言うことも出来るはずだ」、それが2010年4月時点での著者の結論である。

 少しだけ、個人的な話をするのを許して欲しい。
 いまでこそ、ライターの端くれとして活動の場を与えてもらっている私だが、音楽との距離感において、長いあいだ、ある種のコンプレックスを抱えていた。私に向けられる批判はいつも均質で、顔のないウェブ上の人びとは口をそろえて言ったものだった。「お前の音楽にはゲンバが足りない、もっとゲンバを知れ、知れ、知れ、ゲンバを」......しかし私は、音楽の受容スタイルに卑賤があるとはどうしても思えなかったし、仮に音楽が、私たちのうんざりするような人生を少しでも豊かにするために存在するのだとしたら、人生に幸福を感じた瞬間に、いっそ音楽と縁を切ってもいいとさえ思っていた。それを誰が責められる? ある意味でどんなに軽薄な思いであれ、人が音楽を求めることを寛容な態度でもってほぼ全肯定する磯部涼は、そんなわけで、個人的にだが、いつからかもっとも信頼を置くライターとなっていった。

病んだ町ではないものねだりさ
昨日から 今日から 明日追われながら
時の長さよりも瞬間 幸せ宿るそんな気が
soulも音楽も自由気まま 形取らないコトに素晴らしさが
奇麗事ばかりほざく日常に 嘘ばかりの世の中の流れに
取り付かれた自分 取り付かれた町 乗りつかれたぜ
町の影と光
SEEDA"Just Another Day"(2007)

 とはいえ、著者は私の「現場」を否定こそしないだろうが、私のナイーヴな作品評に関しては評価してくれないだろう。そう、本書において、著者が各所で書き散らしてきた従来型のディスク・レヴューは、居心地が悪そうな顔で、各章の終わりに窮屈そうに並んでいるのみである。「音楽を聴くということは、言葉を失うということである」、「言葉が浮かんでくるようでは、まだまだ、音楽を聴いたとは言えない」、このあたりの痛烈な序文・序章を何度も読み返していたために、私はなかなかその先を読むことができなかった。議論好きの著者は、ときに好戦的な態度を隠さない。が、その後の380ページは、読者を道連れにした、ゼロ年代後期をスリリングに駆け抜ける親密で情熱的なレヴュー(評論)であり、エッセー(随筆)であり、ダイアリー(日記)であり、インタヴュー(面会)であり、ルポルタージュ(報告)であり、かつ、そのどれでもない。それは、従来の音楽評論が敷いてきた滑走路からは大きく踏み外れている。『音楽が終わって、人生が始まる』は、いわば著者の人生そのものである。

 著者は、ポップ・カルチャーの社会的ポテンシャルにまで食い込む大きな問題意識を根底に抱えながら、しかし、巨視的な物言いを振りかざすよりは、パンク・ロッカーや、ハスリング・ラッパーや、ストリート・シンガーと同じ(少なくとも、限りなく"近い")視点で、街を、夜を、人びとの暮らしを、意識的に見つめてきたのだと思う。そして、音楽を前にしてすっかり失ってしまった言葉を埋め合わせるために、著者はミュージシャンの自宅に遠慮なく乗り込み、熱心に話し合い、ときに議論をふっかっけ、いくつかの客観的な事実を鋭い洞察でもって持ち帰り、そこに対する忌憚のない感想、自らの問題意識との整合、あるいは齟齬とを丁寧にマッシュ・アップしながら、その先に見える風景を、並々ならぬ愛情でもって活写している(当然、それはときとして批判的な指摘を含むものだ)。それはまるで、450グラムの重みを持つ本書を手にした読者に対して、自らの生き様をさらけ出すとともに、それぞれがそれぞれに見つけた「現場」への愛情を試しているようだ。

 もちろん、物語の解体を好むポスト・モダニティ・ライフを不可避に生きざるを得なかった著者にとって、そうした小さな現場から物語を拾い上げていく地道な作業は、ある種の痛みを伴ったに違いない。例えばそう、ゼロ年代の終わりに、マイケル・ジャクソンの死を象徴的に回想してしまうくらいには。しかし、だからこそ、著者の批評的な回り道は、いまやこの場所にたくましく結実している。〈RAW LIFE〉で砂まみれになった夢や希望、アンダークラスから吐き出される痛みの作文、街を鳴らす路上のうた。著者が目撃した音楽の産声、そのどれもが生々しい。いうなれば、何十年も昔に終わっているポップ・カルチャーの共同体幻想、もっと言えば、その社会的なポテンシャルが冷却・解体されていくなかで、例えば著者と同世代である鈴木謙介(35歳、社会学者)がかつて述べたような、「なぜ私たちは夢から醒めることができないでいる、あるいは醒めようとしないでいるのか」(『カーニヴァル化する社会』、2005)と相似した疑問を、「体力の限界まで踊って、理由の分からない涙を流して」、著者はある側面において解明したのだと思う。

まっぴらだ
できればおまえを 忘れていたい けれど
あきらめたくない
傷とともに 生きてゆくしかない
しかないなんて
踊り明かす 夜通し めちゃくちゃに
坂本慎太郎"傷とともに踊る"(2011)

 そして......音楽は終わらず、夢を引き裂くように現れた3月の、寒気がするような後ろ姿を視界にとらえつつも、私たちの人生はどうやら相変わらず続いている。そう、すべては通り過ぎていく。が、著者は、3.11以降におけるミュージシャンらの反応をレジュメする終章において、その日常の慣性に対して警告を発している。私たちはいまだ、音楽を捨てられずにいるが、ちょっとした行き違いで、それは手のなかからするりと抜け落ちてしまうのだと。そう、『音楽が終わって、人生が始まる』は、終わらない音楽の話だ。終わらない夢を、それでも見続ける人間の話だ。その先に開く未来も、きっとある。とはいえ、「いつまでこんな暮らしを続けていくのだろうか」、私もときどきそう思う。が、立ち止まるにはまだ早い。いつかの身が焦げるような恋を、もうすっかり忘れてしまったように、私たちの、音楽を強く欲する衝動のような想いも、もしかしたら少しずつ失われていくのかもしれないが、それでも、いつか音楽から解き放たれた場所で、音楽に振り回され、悩まされ、それでもわけの分からない涙を流した、こんな日々を、愛と笑いの、その意味を、きっと思い出すだろう。

 No Music, but Life goes on....

#13:午前3時の過ごし方 - ele-king

 年が明けてしばらくすると、年下の友人Xからこんなメールをもらった。
 「『ガーディアン』のこの記事(https://www.guardian.co.uk/music/musicblog/...)が面白かったっすよ。この記事には、なぜチルウェイヴやウィークエンドなどに大いなる魅力を感じながらも距離をおかざるをえないのか――という自分と同じ問題意識がかなり的確に書かれています!」
 それでは以下、その記事、「音楽の作り手はなぜインターネットを切って、ベッドルームから出る必要があるのか。何気に憂鬱な新しい波、孤独な連中のためのウェブ・フレンドリーなその音楽には陽光とヴィタミンCが必要である」をざっくり紹介しよう。

 最近の年末のリストを見ていると、名前こそ変われど、どうにも既視感を抱いてしまう。ベテランで聖域にいるような人たち、形骸化したクロスオーヴァー、多くの白人の男の子のギター・バンド。相変わらずヒップな音とデュ・ジュール(オススメ)もあるが、最新モードのほとんどは、ありふれたジャンル名を否定する行商人に押しつけられた、批評家でさえ手に負えないタグ――チルウェイヴ、ポスト・ダブステップ、ウィッチ・ハウスだ。いずれにせよ批評家たちは、午前3時の孤独なベッドルームでラップトップ・スクリーンをじっと見つめているような、何気に悲しい音楽を支持している。ヒップホップ・プロデューサー(クラムス・カジノ、アラーブミュージック)からR&Bシンガー(ジ・ウィークエンド、フランク・オーシャン)、電子の似非ディレクター(ジェームズ・ブレイク、バラーム・アカブ)からラッパー(A$AP・ポッキー、ドレイク)......おおよそこれらの音が、賞賛までの重要なルートとなっている。
 それらを聴こうものなら、気の抜けた歌と作曲へのアプローチや気のないテンポを耳にするだろう。ぐったりしたシンセ、リヴァーブの残響音、もしくは擁護者が言うところの「電子のすすり泣き」そして「モノクロの地下道のヴィジョン」――それは我々の時代の美学だ。
 クリエイティヴな仕事に従事しているほとんどの人は、とんでもない時間に他人の膝の上にいて、眼前のスクリーンで何かがはじまるのを期待しているというような感覚を知っているだろう。その感覚は、社会生活に適合して、緊張をほぐすための道具一式でありオフィスであり、とくに真夜中に起こるものだ。その感覚にともなう精神状態もまた認識できるものである。それは、孤独ではあるが、妙に安らいだ精神状態である。目が痛み、皮膚はわずかに麻痺するだろう。ときには、疲労感から意識を失いそうになり、幻覚を見ることもある(控えめなたとえだが、スペース・キーを見下ろすときに感じるちょっとしためまいと似ている)。自分の考えから注意をそらすものが何もない状態。すなわち、暗くあるいは憂鬱な袋小路にさまよい込み、自分の考えが非常に深いものだと信じ込み易い状態である。だから、心休まるサウンドトラックが必要なのは不思議ではない。ぼんやりした異様さに影響を与えて脳にある奇妙なパターンを映し出すほどであるが、びっくりさせるようなことはしないと信頼できる音楽である。本質的には、食べるとホッとする料理と言える。
 スクリーンを見つめることは日課である。が、そこからは決して健康な感じは得られない(我々みんながそうした長く暗い魂の夜に傾いている。それが切ないノスタルジアとして、ベスト・コースト、フレンズ、ウォッシュト・アウトといったテレビ広告に利用されている音楽の感性を生んでいる)。ぐったりとした、なまぬるいこの現実逃避が音楽の将来であるならば、人類は巻き戻しをしたほうがいい。手遅れにならないうちにインターネットから出なさい......。

 まるで教育委員会が書いたようなこの記事を読んで僕がまず思ったのは――、おいおい、チルウェイヴやポスト・ダブステップやウィッチ・ハウスの作り手は、本来ならあんたら左翼新聞が擁護すべき無力な民衆なんだぜ(ウィークエンドやドレイクに関してはわからんがね)――ということである。こうした音楽を好んでいるのは、午前3時にラップトップに向かって朦朧としている人間ばかりではない。僕はこの時間寝ている。基本的に目的がなければラップトップは見ない。それはともかくこの記事がいただけないのは、ウェブ・フレンドリーな音楽なるものをねつ造している点、ネット依存と音楽との因果関係を都合良くまとめている点だ。ジャズやロックのリスナーだろうが、テクノやヒップホップのリスナーだろうが、あったり前の話、午前3時のラップトップに向かっているヤツは向かっている。スティーヴ・ジョブスが嫌いでiTunesでは音楽を聴かないヤツだっている。

 この手の言いがかり的な批判は、1970年代のディスコ批判と似ている。当初はディスコも、何の主張もない、政治的な意見もない、なまぬるい現実逃避ないしは自堕落な音楽とされた。そしていま、同じように現実逃避音楽でありながら、ミニマル・テクノではなく、なぜチルウェイヴ/ポスト・ダブステップ/ウィッチ・ハウスを目の敵にするのかと言えば、それだけ脅威に感じているからだろう(ちなみにこの記事の最後には、この手のぐったり系のシンセ・ポップでもっとも商業的な成功をしているウィークエンドについて書かれている)。さもなければこのライターが、毎晩のように午前3時にラップトップに向かって、そして朦朧としながら誰かの書き込みを読んで読んで読んで、たまに自分でも書き込んで、なかば中毒的にネットとウィークエンドに浸っているのかもしれない。だとしても、それでその人が癒されるのであれば、睡眠不足と視力低下(そしてある程度の自己嫌悪)は免れないだろうけれど、目くじらを立てることもあるまい。
 良くも悪くも......というか当然ながら、必ずしもレディオヘッドを聴いているリスナーが多国籍企業の商品の不買運動をしているわけではないし、ブライト・アイズのリスナーが反戦運動に参加しているわけではない。PJハーヴェイの新作に感動したリスナーが日本の近代史を勉強するわけでもなければ、オアシスのリスナーみんなが反権威主義というわけではないし、忌野清志郎のリスナーみんなが反原発を訴えているわけでもない。メッセージは重要だが、その絶対主義は抑圧にも変換されうる(アナーコ・パンクは1980年代にそれでいちど失敗している)。
 つまり、チルウェイヴ/ポスト・ダブステップ/ウィッチ・ハウスを聴いているリスナーのみんなが社会に無関心なわけでもなければ、陽光が嫌いなわけでもないし、夏の海に集まっている連中みんなが健康的なわけでもない。ボン・イヴェールに耽溺しているリスナーだって立派に現実逃避している。

 むしろ注目すべきはこれだけの不景気のなかで、それも音楽レジャー産業は経済的に衰えているというのにかかわらず、とくに9.11以降の合衆国の若者たちが迎合主義を顧みずユニークな音楽をDIYによって矢継ぎ早に量産しているという事実だ。まとまりはないが好き勝手にやっている。品質的にすべてが保証できるものではないが、ものすごい数のインディ・レーベルが生まれ、活動している。レディ・ガガのような表向きな派手さはないし、大それたことを言っているわけではないが、アンダーグラウンドは明らかに活気づいて見える。こんなこと過去にはなかった。ひと昔前のアメリカのインディ・ミュージックと言えば、汗くさくてやかましいハードコアと相場は決まっていた。USインディを研究している方に僕が教えて欲しいのはこのことである。いったい、いつから、どうして合衆国は、〈ノット・ノット・ファン〉やサン・アローやグルーパーやOPNやマーク・マッガイアやジェームズ・フェラーロやコラのような、失敗することへの恐れを感じさせない、因習打破的な音楽をかくも大量に生むようになったのだろう。

 ポスト・パンクを生きた我々の世代においては、実験的で精鋭的な音楽といえばUKをはじめとするヨーロッパのもので、インディ・ミュージックの本場と言えばUKだった。経済的な見返りよりも自分たちが好きなことをやってゆるく生きられればいいやという感覚は、それこそイギリスにありがちな愛すべ怠惰だ。ところがどうだ。いまではその立場が入れ替わってしまったかのようにさえ思えてくる。『ガーディアン』が提言するところの「巻き戻し」に関しても、USアンダーグラウンドはアナログ盤中心のリリース形態によって先陣を切って実践している。ライヴもやっているようだし、ラップトップに依存している印象は受けない。
 つい先日もこうしたUSアンダーグラウンドの盛り上がりに関して、三田格、そして〈ノット・ノット・ファン〉やサン・アローらとも交流を持つ、日本でもっともラジカルなカセットテープ・レーベル〈crooked tapes〉(https://crooked-tapes.com/)の主宰者、倉本諒くんと話したばかりだ。ゴッドスピード・ユー・ブラック・エンペラーの影響が(ハードコアからドローンへという展開においては)大きいのでは......というところまでは話が落ち着いた。まあ、あとはアニマル・コレクティヴだが、あんなバンドが影響力を発揮するような温床はどのようにして生まれたのだろう。

 ああ、そうだ。ひとつだけ『ガーディアン』の記事に共感した箇所がある。『ガーディアン』から見たら、チルウェイヴを批判している三田格が好きなウィッチ・ハウスやベスト・コーストも、田中宗一郎が好きなウィークエンドやドレイクも、そして当然ながらジェームズ・ブレイクも、要するにウォッシュト・アウトも、十把ひとからげ、大同小異、同じように聴こえているということである。近親憎悪とは自覚なしに抱くものなのである(笑)。
 サンキュー、X。君のおかげで原稿が一本書けた。

Chart by Newtone Records 2012.01.24 - ele-king

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CHRIS WATSON

CHRIS WATSON El Tren Fantasma-The Signal Man's Mix- TOUCH (UK) / 2012/01/18 »COMMENT GET MUSIC
リズムやビートこそ無いものの、イマジナリー広がる、まるでTRANS EUROPE EXPRESS的な魅惑の鉄道音フィールドレコーディング12インチ・アナログ盤。クリス・ワトソン爺によるメキシコが舞台のロードムーヴィー的ロマンも広がる幽霊鉄道列車サウンドスケープ。元キャバレー・ボルテール、元ハフラー・トリオ、BBCの音響技師であり、フィールドレコーディング作家の第一人者である信頼のクリス・ワトソンの2011年のソロ新作「El Tren Fantasma」からのまさかの12inchアナログ盤がカット。相変わらずのテーマ&セッティングの妙。さすがです。太平洋から大西洋、海岸から海岸へとゴースト・トレインでの国を横断。歴史を感じながらの音の旅。今作もサラウンドな高感度マイクによるダイナミックで繊細で立体的な音像もスバラシスギル。ミュージック・コンクレートの創始者ピエース・シェフェールにインスパイアされて制作された作品というのも納得の圧倒的な迫力の芸術的環境音。Andrew Weatherall絶賛も納得。ソウルまでも感じさせてくれる鉄道音。Ride the rhythm of the rails on board.

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CHRIS WATSON

CHRIS WATSON El Tren Fantasma TOUCH (UK) / 2012/01/18 »COMMENT GET MUSIC
これはCD。世界の車窓から。クリス・ワトソン爺によるメキシコLos MochisからVeracruzへとわたる幽霊鉄道列車の旅。ロード・ムーヴィー的ロマンを馳せるサウンドスケープ。フィールドレコーディングの逸品。元キャバレー・ボルテール、元ハフラー・トリオ、BBCの音響技師であり、フィールドレコーディング作家の第一人者である信頼のクリス・ワトソンの2011年のソロ新作です。相変わらずのテーマ&セッティングの妙。さすがです。太平洋から大西洋、海岸から海岸へとゴースト・トレインでの国を横断。歴史を感じながらの音の旅。今作もサラウンドな高感度マイクによるダイナミックで繊細で立体的な音像もスバラシスギル。ミュージック・コンクレートの創始者ピエース・シェフェールにインスパイアされて制作された作品というのも納得の芸術的環境音。10トラック65分。Andrew Weatherallも絶賛も納得。ソウルまでも感じさせてくれる。Ride the rhythm of the rails on board.

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MARK McGUIRE

MARK McGUIRE Solo Acoustic Volume Two VIN DU SELECT QUALITITE (US) / 2012/01/18 »COMMENT GET MUSIC
2009年にアナログのみ少数のリリースだったMARK McGUIREの、オハイオの自宅で録音されたアコースティックなソロ・ギター・バラードな作品集「VDSQ-Solo Acoustic Vol.2」が待望のリプレス。全5トラック。草原を駆け抜けるかのようなフォーキーで爽やかな作品から、ECM的な静謐な世界観から、さらには瞑想的でもある郷愁のアコースティックなギターの味わいをじっくりとお楽しみできます。特に12分間のアコースティック版E2-E4的な「Burning Leaves」のナチュラルなトリップ感覚にはおもわずとけそうになってしまいますのでご注意をくださいませ。

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ONEOHTRIX POINT NEVER

ONEOHTRIX POINT NEVER Replica SOFTWARE (US) / 2012/01/18 »COMMENT GET MUSIC
傑作。新しい音楽が登場しました。またまた進化したOneohtrix Point Never新作。重量感溢れるホワイト・ヴァイナルのアナログ盤。 Daniel LopatinことOneohtrix Point Neverの新作。ドローン、ミニマルなどエクスペリメンタルでエレクトロニクス・ミュージックながらクラブ・ミュージックを通過したドラマチックかつストーリーテリングな圧倒的センスで光り輝いている。エレクトロニクスとサンプリングのうっとりする音楽が奏でられている。今年の重要作のひとつであり、新時代のメディテーション・ニューエイジのひとつ。そしてサイケデリック。自身のSoftwareからのリリース。アナログ盤は高音質の重量盤で、1000枚限定ナンバリング入り。ホワイト・ヴァイナル。MP3データ・ダウンロードコード・カード付き。

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HARMONIOUS THELONIOUS

HARMONIOUS THELONIOUS Drums Of Steel EP ASAFA (GER) / 2012/01/18 »COMMENT GET MUSIC
クリック・ハウス以降のシーンで活躍したANTONELLI ELECTRやRHYTHM MAKER名義で知られるSTEFAN SCHWANDERのプロジェクト HARMONIOUS THELONIOUSの新作。アフリカのリズムとライヒらのミニマル・ミュージックに影響を受けているそうで、アフリカの民族楽器の音色を使っただけのアフリカ風のテクノではなく、打ち込みながらポリリズムを取り込んでいて不思議なリズム感覚。

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SATWA

SATWA Lula E Lailson MR BONGO (UK) / 2012/01/16 »COMMENT GET MUSIC
南米サイケの秘宝!弦楽器が描く、ブラジル70sのカルトな名盤がアナログでリマスター再発。先立って再発されているLULA CORTES & ZE RAMALHO「Perbiru」, MARCONI MOTAROのアルバムと並ぶLULA CORTES関連重要作。LULA CORTESによるシタール、 12弦ギターの Lailsonの二人による夢のような音世界。サイケデリックな桃源郷!

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MARSHALL MCLUHAN

MARSHALL MCLUHAN The Medium Is The Massage FIVE DAY WEEKEND (US) / 2012/1/6 »COMMENT GET MUSIC
マクラーハンの名著「メディアはメッセージである」を、マクラーハン自身が朗読、JOHN SIMONが音楽を担当しテープ・コラージュ、SOUND FXを駆使して作り上げた、ポップ・カルチャーにおける実験エディット・ミュージックの金字塔として愛され続けてきた名作!EDANやMR.CHOPをリリースしてきたFIVE DAY WEEKENDから再発。実験音楽フィールドで行われていたテープ編集の手法を導入しステレオフォニック・サウンドのトリック、サイケデリックな効果を実験したサウンドは今聴いてもめちゃフレッシュ!DJ SPOOKY(PAUL D. MILLER)とMICHAEL VASQUEZが主要ライナーノーツを手掛け、DJ FOOD,ジェロ・ビアフラ, STEINSKI、MC5の初代マネージャーにして詩人JOHN SINCLAIR、ウッディ・アレン,MATMOS等々が今回の再発にあたってコメントを寄せています。

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PEAKING LIGHTS

PEAKING LIGHTS Remixes WEIRD WORLD (UK) / 2011/12/21 »COMMENT GET MUSIC
Newtoneでもいまだロングセラーを続けるPEAKING LIGHTS「936」からのリミックス12inchついに入荷しました!収録されている4曲全てがアルバムに収録されている楽曲のリミックスで、オリジナルの持つロウファイダブサウンドをそれぞれに解体&構築!全然古臭くなっていないADRIAN SHERWOODに、シンセディスコとチープなリズムマシンがクールなDAM-FUNK!そして白眉はなななんとクラウドラップ台頭MAIN ATTRAKTIONZリミックス!一瞬参加に目を疑うまさかまさかのトビ!ブチアガってる我々を見て「ヨーヨー、こっちに来て一緒にKUSHどうだ?」な最新アンダーグラウンドコネクションに痺れざるを得ません。この事実は相当素敵だ。

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JUJU & JORDASH / MORPHOSIS

JUJU & JORDASH / MORPHOSIS Dekmantel Anniversary Series: Part 1 DEKMANTEL (HOL) / 2012/1/18 »COMMENT GET MUSIC
アムステルダムのクラブParadisoで行われているテクノ~アンダーグラウンド・ハウス、エレクトリック・ミュージックの重要パーティーDekmantel主宰のレーベル5周年記念のコンピレーションのシングルカット第1弾。SIDE-Aはレーベルの主要アーチスト、JUJU & JORDASH。B-SIDEはMORPHOSIS。両者ともに中東出身。JUJU & JORDASHの「Afircan Flower (Cosmic Dub)」は、コズミックなトーンのヴィブラフォンやシンセが織り成す美しい世界。極上です。MORPHOSISのオルガンの音色の鍵盤をフィーチャーしたストイックなテクノも注目。

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DESTO, CLOUDS & JIMI TENOR feat.CHA CHA

DESTO, CLOUDS & JIMI TENOR feat.CHA CHA The Bird ・Eightfold Path 502 (UK) / 2012/01/18 »COMMENT GET MUSIC
さすがJIMI TENOR。チーム参戦での新作登場です。テーマは中国。オリエンタルでエキゾチック&ミステリアス。北欧フィンランドと中国が繋がる秀逸で変態なミステリアスなエキゾチック・ソウルSIDE-A「The Bird」そして上海で録音されたという中国伝統楽器が摩訶不思議に妖しく淫美に導入された、DUBSTEP、BASS以降の新感覚のDEEP HOUSEであるSIDE-B「Eightfold Path」が切れ味鋭くシャープなリズムと圧倒的なオリエンタルな存在感で迫り絡みます。さすが。。。RwinaやRampからのリリースで知られるDESTOと、そしてDeep MediでおなじみCLOUDSとのトリオでのチーム参戦とはいえ、これは強力です。

Chart by STRADA RECORDS 2012.01.24 - ele-king

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DAVID GRAY/TRACY CHAPMAN

DAVID GRAY/TRACY CHAPMAN THE OTHER SIDE/CROSSROADS-NK RMX WHITE(JPN) »COMMENT GET MUSIC
【今回も限定プレス!】Dazzle Drumsによるリミックス・シリーズ待望の第2弾が入荷!UKの人気シンガー・ソングライターDavid Grayの大ヒット曲「The Other Side」と世界的フォーク・シンガーTracy Chapman「Crossroads」を見事ハウス・リミックス!どちらも極上なヴォーカルを最大限に生かしたパーカッシヴ&グルーヴィーな仕上がり!既にBody&SOULにてJoe ClaussellやDanny Krivitもプレイ!

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MENA KEYZ & MARLON D

MENA KEYZ & MARLON D SPARKS EP MK(US) »COMMENT GET MUSIC
MENA KEYS主宰の新レーベル第1弾!A1のジャジーな極上インスト・ハウスを筆頭に、ラテンやアフロ・キューバン等の様々な作品を収録!あらゆるシチュエーションで活躍する1枚で全曲オススメです!

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JERK HOUSE CONNECTION

JERK HOUSE CONNECTION VELVET TOUCH(feat.NILES THOMAS) STALWART (FR) »COMMENT GET MUSIC
過去にDefectedレーベル等でも仕事をしている3人組ユニットJerk House Connectionによる男性ヴォーカルもの!リミキサーにはナントMaster Kev & Tony LoretoコンビやRoccoらが参加!グルーヴィーに仕上げたMaster Kev & Tony Loreto、クールな質感が気持ち良いRocco、さらにディープなオリジナルもイイ!LOUIEVEGAやOSUNLADEがプレイ!

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MIGUEL MIGS

MIGUEL MIGS CLOSE YOUR EYES-OSUNLADE REMIX OM (US) »COMMENT GET MUSIC
MusicやNRK等からのリリースでお馴染みのMIGUEL MIGSによる女性ヴォーカルもの!オススメはOSUNLADEによるリミックスで、心地良いパーカッションに柔らかなシンセの上モノ、それに囁くようなヴォーカル(ナントMeshell Ndegeocello!)が加わり最高なディープ・ハウス・チューンとなっています!

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VA(JOE CLAUSSELL)

VA(JOE CLAUSSELL) UNOFFICIAL EDITS AND OVERDUBS KICK STARTER CD SAMPLER(CD-R) SACRED RHYTHM MUSIC (US) »COMMENT GET MUSIC
2CDでリリース予定なのですが、それに先駆けて収録内容が異なるリミテッド・プロモCD-Rが入荷!

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ARNOLD JARVIS

ARNOLD JARVIS DANCE-TIMMY REGISFORD & ADAM RIOS MIX TRIPPIN(UK) »COMMENT GET MUSIC
数々の作品にその歌声を残しているベテラン男性ヴォーカリストARNOLD JARVISによる3曲入りEP!3曲ともプロデュースを手掛けたのはTIMMY REGISFORD & ADAM RIOSコンビ(何気にARNOLDとTIMMYの組み合わせは初?)!マッシヴなSHELTER系ハウス・トラックにソウルフルなヴォーカルが渋い1枚です!

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BUCIE

BUCIE GET OVER IT FOLIAGE(FR) »COMMENT GET MUSIC
Black Coffeeの大ヒット曲「Superman」でヴォーカルを務めていたBucieのソロ作が人気レーベルFolliageから登場!リミキサーにはEzelが参加しており、メロディアスで洗練されたトラックにあの可憐な歌声が乗った極上な仕上がりとなっています!

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GOMMA ALL STARS

GOMMA ALL STARS CASABLANCA REWORKS(feat.PEACHES) GOMMA(GER) »COMMENT GET MUSIC
7、80年代に数多くの大ヒット作を生み出した名門レーベルCasablancaの名曲をカバーした注目作品登場!映画「フラッシュダンス」に使われたことでもお馴染みの80's大ヒット曲Michael Sembello「Maniac」を筆頭に、Donna Summer「Our Love」、Stephanie Mills「You Can't Run From My Love」、Skatt Bros.「Walk The Night」というセレクト!今っぽいNu Disco的サウンドでバンバンプレイできる仕上がりです!特に「Maniac」はウケるでしょう!

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ALEX AGORE

ALEX AGORE I GOT SOMETHING EP DEVELOPMENT MUSIC(UK) »COMMENT GET MUSIC
Quintessentialsや4 Luxといったレーベルからコンスタントに作品をリリースしているAlex Agoreによる4曲入りEP!90'sハウス・ブームの立役者でもある彼による極めつけの1枚で、全曲即戦力!というかどれを使うか迷う程の仕上がり!グルーヴィーでバウンシーなベースに踊らされる好盤です!

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CABIN FEVER

CABIN FEVER TRAX VOL.20 REKIDS (UK) »COMMENT GET MUSIC
Radio Slaveによる変名プロジェクトCabin Feverのシリーズ第20弾!Herbie Hancockによる名クラシック「Stars In Your Eyes」ネタのA面、Herbie Hancockの「You Bet Your Love」を使用したB面ともイイ感じのハウスに仕上がっています!

V.A. - ele-king

 冬だ。ホラー・アルバムを2作。

 1枚目はアンディ・ヴォーテルがインドのホラー・ムーヴィーからセレクトした『ボリウッド・ブラッドバス』。これは、しかし、1ミリも怖くない。ブックレットにはオリジナルとなる16作品のジャケットや概要も紹介されているんだけど、音楽を聴いている限りはどれも陽気なサスペンス映画としか思えない。ズンチャカ、ズンチャカ。インド人というのは、これがコワい音楽なんでしょうか?? 焦って『インドの時代』や『カルカッタ染色体』も読んでみたけれど、わからない~(M・K・シャルマ『喪失の国・日本』が一番面白かった~)。でも、このバカバカしさはいいですよ。2011年はタイのレア・グルーヴにかなり溝を空けられていたけれど、まだまだインドの山奥は出っ歯のハゲ頭でしょう(こんなこと書いて、サラーム海上さんに殴りかかられたらどうしよー。『セカンドバージン』の鈴木行のようには避けられないぞー)。

 続いては「1772 オカルト小説へのサウンドトラック」とサブ・タイトルが付けられたイメージ・アルバムで、18世紀に書かれたフランスの恐怖小説『ル・ディアブル・アモーレ(=『デヴィル・イン・ラヴ)』を素材に22組のミュージシャンがメランコリックな演奏を畳み掛けるもの。同小説は読んだことはないけれど、ライナーによるとヨーロッパ文学のなかではエソテリックなテーマを扱った先駆だそうで、さらには「プロト・クイアー・ノヴェル」として位置づけられるというから、もしかするとゲイ的な価値観のなかから生まれてきたコンピレイションなのかもしれない(エントリーにはギャビン・フライデーやスワンズからジャーボー、懐かしいところでは「ロックのエドガー・アラン・ポー」と呼ばれたポール・ローランドの名前も散見できる)。同作ではラクダの姿で現れた悪魔はコッカー・スパニエルに変身(?)し、最後は「ビューティフル・アンドロジニアス・ガール」の姿になるとあるので、もしかすると、時期的にこの企画は『ぼくのエリ』として映画化され、さらにはハリウッド・リメイクもされた『モールス』になんらかのリアクションを仕掛けた企画だという気がしないでもない(『モールス』の原作は、ちなみにモリッシーに捧げられている)。つまり、テーマといい、音楽性といい、あまりにもヨーロッパの深いところと結びついているので、どんな時代と結びつこうとも、訴えかけてくるものは何ひとつ変化のしようがないのではないかと(実際、〈チェリー・レッド〉のコンピレイションとして聴いていても、なんの違和感もない)。

 とはいえ、シャーロン・クラウスによる優美なアンビエント・ドローン、ジョン・ゾーンによるメランコリックな弦楽四重奏、アール・ゾイドはインダストリアル直球で、デーデンス・ラムンガーはどこかノイエ・ドイッチェ・ヴェレと、手法は多種多様で音楽的なヴァリエイションにはもちろん予想外の広がりがある。EUだけでなく、日本からもマナブ・ヒラモト(シンキロウ)とケイジ・ハイノが参加している(クール・ジャパンとは言わないけれど、いかにも和風のアプローチを見せる後者はかなり興味深い上に、なぜかひとりだけバイオグラフィが黒く塗りつぶされている)。

 冒頭では安直にホラーと記したけれど、『デヴィル・イン・ラヴ』は奇しくも紙エレキングVol.4で2011年のキーワードにあげた「ウィッチネス」とオーヴァーラップする部分が多い。ここでもゴシックというほどではなく、もう少し民族的な気質や風土に根ざした惰性ともいうべきものに依存した感覚といえばいいだろうか。少し前に公開された映画で、ブルガリアのカメン・カレフ監督『ソフィアの夜明け』には政治的な立場と音楽との結びつきが全体を通して暗示的に映し出されるという構造があり、「ウィッチネス」というタームがある種の軋轢のなかで果たす役割が肌で理解できる場面を観ることができた。基本的にはヨーロッパにおけるネオ・ナチの台頭を背景とした作品なので、そこには実際にセラピー効果のようなものが認められ、「必要性」さえ認識できたのである。これをヨーロッパの限界と見るか、それともセーフティ・ネットのようなものと考えるか(......インドの人はもちろん、わかりません~)。

Chart by JET SET 2012.01.23 - ele-king

Shop Chart


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POP & EYE

POP & EYE TOIL FOR OLIVE OYL EP »COMMENT GET MUSIC
Tiger & Woods作品で御馴染みの人気ミステリアス・レーベル"Editainment"から待望の新作第8弾が到着。過去作品同様に出音抜群のフロアライクな仕上がりで、ディープハウス~ディスコ・ブギー・ナンバーを4楽曲展開したマストチェック盤です!!

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BUCIE

BUCIE GET OVER IT »COMMENT GET MUSIC
Blackcoffeeをはじめ、ディープハウス作品への客演で知られるサウス・アフリカ出身のヴォーカリストBucie Nqwilisoによる待望のソロ新作。

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BEAT PHARMACY

BEAT PHARMACY INSIDE JOB EP »COMMENT GET MUSIC
ダブ・テック重鎮Brendon Moeller a.k.a. Beat Pharmacyによる新作EPがNYアンダーグラウンド・ハウス・レーベル"Throne Of Blood"からリリース!!

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TODD TERJE / SON OF SAM

TODD TERJE / SON OF SAM DIGITAL DUBPLATES »COMMENT GET MUSIC
Todd Terje「Snooze 4 Love」、Son Of Sam「Nature Makes A Mistake」。昨年"Running Back"からリリースされた人気2タイトルのニュー・テイクを10"リリース!!

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V.A.

V.A. LEE 'SCRATCH' PERRY PRESENTS NU SOUND & VERSION »COMMENT GET MUSIC
Adrian Sherwood、Dennis Bovel、Bullion、Roots Manuva、Kode 9など、錚々たる面子が参加したLee Perryのリミックス・アルバム!!

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GONJASUFI

GONJASUFI MU.ZZ.LE »COMMENT GET MUSIC
Flying LotusやGaslamp Killerから援護を受ける形でリリースされた1stが衝撃的でしたが、今回はボーカルを控えめに、更に音像の広がりを追求した驚異の全10曲! ゲートホールド・スリーブ仕様。

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HINT

HINT CRASH & BURN FEAT NATALIE STORM »COMMENT GET MUSIC
UKブレイクビーツ名門Tru Troughtsの看板クリエイターHintがやってくれました~。両サイドともにフィメール・ディージェイ/MCを迎えた強力盤です!!

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WOUTER HAMEL

WOUTER HAMEL LOHENGRIN »COMMENT GET MUSIC
ヒット作"Nobody'S Tune"以来、約3年ぶりとなるサード・アルバム。ブルー・アイド・ソウル~フォーキー・グルーヴ~70's・ロックと洒脱で心地よい肌触りの大傑作!!

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KING KRULE

KING KRULE S.T. »COMMENT GET MUSIC
xxとGirlsとPrefab Sproutが奇跡の出会いを果たした、と断言したい若き天才King Kruleの超号泣傑作盤!!2012年はここから始まります。

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ROBERTO BOSCO

ROBERTO BOSCO FIGURE SPC L »COMMENT GET MUSIC
Len Faki率いる"Fugure"のリミテッド・ラインからイタリアの気鋭、Roberto Bascoが再び登場!!

こだま和文 from DUB STATION - ele-king

 世界でもっとも悲観的で、自虐的で、感傷的なダブ・トランペッター、我らがこだま和文のバースデイ・ライブが2daysに渡って開催される。なんでも57歳だそうだ。57歳まで生きられればずいぶんご立派なものだが、『寒い男のDUB生活30周年、たんじょうび。べつにめでたくもなく』とは本人が付けたタイトルだそうである。場所はいつもの六本木通り沿いの「新世界」。乃木坂から歩いて10分弱。六本木ヒルズの筋迎え。20年前ならハウスやトランスが響いていた怪しげなエリア。いまではハウスのハの字もありゃせんが......。

 今回はターンテーブルにトランペットというレギュラーセットに加え、ゲストとしてSLEEP WALKERで活動中の実力派キーボディスト、吉澤はじめを招いてスぺシャル・セッションが実現!

こだま和文 from DUB STATION 『寒い男のDUB生活30周年、たんじょうび。べつにめでたくもなく』

1月28日(土)
開場19:00 開演20:00
こだま和文from DUBSTATION W/DJ GINZ-I(from名古屋)
ゲスト:吉澤はじめ(SLEEP WALKER)

1月29日(日)
開場18:00 開演19:00
こだま和文from DUBSTATION W/DJ-YABBY
ゲスト: 吉澤はじめ(SLEEP WALKER)

@西麻布「新世界」
https://shinsekai9.jp/
前売り予約:¥3,500(ドリンク別)/ 当日券:¥4,000(ドリンク別)

〔インフォ・チケット予約・お問い合わせ先〕
西麻布「新世界」
https://shinsekai9.jp/2012/01/28/kodama5/
TEL: 03-5772-6767 (15:00~19:00)
東京都港区西麻布1-8-4 三保谷硝子 B1F


こだま和文 from DUB STATIONプロフィール

1982年、ライブでダブを演奏する日本初のダブ・バンド「MUTE BEAT」結成。通算 7 枚のアルバムを発表。1990年からソロ活動を始める。ファーストソロアルバム「QUIET REGGAE 」から2003年発表の「A SILENT PRAYER 」まで、映画音楽やベスト盤を含め通算8 枚のアルバムを発表。プロデューサーとしての活動では、フィッシュマンズの1stアルバム「チャッピー・ドント・クライ」、チエコ・ビューティの「ビューティズ・ロック・ステディ」等で知られる。また、DJ KRUSH、UA 、エゴラッピン、LEE PERRY、RICO RODRIGUES等 、国内外のアーティストとの共演、共作曲も多い。

The Unity Sextet - ele-king

 マイルス・デイヴィスの作品では僕は、〈プレスティッジ〉から出ているアルバムが好きだ。1956年に録音された『ウォーキン』や『スティーミン』のような、その若さと情熱にまかせてセッションをやっている感じが好きなのだ。ジョン・コルトレーンやレッド・ガーランドの演奏も、若々しくリズミカルで、ときに軽やかで、美しい躍動感を持っている。レッド・ガーランドなどは当時はカクテル・ピアニストなどと誹謗されたそうだが、いま聴けばむしろお洒落で、実に格好良く決まっている。ザ・ユニティ・セクステットのデビュー・アルバムも若々しく、スタイリッシュで、洒落た作品である。

 これはマッドリブによるイエスタデーズ・ニュー・クィンテットのUKヴァージョンというか、つまり折衷主義で、彼らのレコード・コレクションを得意げに見せつけているようでもある。60年代のパリのサンジェルマンでホレス・シルヴァーとクルーダー&ドーフマインスターが共演したかと思えば、スウィンギング・ロンドンというか、まるで初期のピンク・フロイドがトリップホップをループさせながらジャズを演奏しているような汗ばむいち面も見せる。50年代のハード・バップへの回帰があるし、70年代のスピリチュアル・ジャズめいたいち面も見せる。激しいダンス・ナンバーもあるし、リラックスしたラウンジーな展開もある。よりグルーヴィーで、ダンスフロアの興奮がにおってくる。彼らの好みの範疇――モダン・ジャズからデヴィッド・ホームズまで――においてはやりたい放題のフリースタイルとも言える。
 この6人組のバンドを指揮(プロデュース)するのは、UKのエクセター出身のアダム・ギボンズ、Lack of Afro(アフロの欠落)という名義で作品を出している青年だ。ギボンズはその名義で昨年『This Time』というアルバムを出しているが、これがまたいかにも英国風なジャズの展開、すなわちモッズ的センス、要するにめかし屋の文化によって脚色されている。めかし屋の文化とは、服に金をかけることではない。着ることにおける快楽であり、たとえ「大量生産されたものを認める場合があるにしても、それを修正するなりして、その服のもっている本来の意味を取り去ってしまうなり、何か厳格な条件を主張する」(ジョージ・メリー)ことだ。

 ザ・ユニティ・セクステットにもそれがある。とくに真新しいわけではないが格好いい。洒落ている。そして、ジャズという音楽の複雑さを理解するだけではない。1950年代からイギリスの白人がジャズを演奏する場合につねに問題視されたところ、そう、バップへの忠誠心、誠実さ――この音楽を生んだ精神に対する誠実さに関しては疑う余地はないだろう。
 もちろん英国特有のドープなセンスも活かされている。先日、僕は『エリックを探して』について触れたが、あれを読んだ友人から「おまえ、あの映画で最高の場面は、カントナと主人公が何かとあれば一緒に吸うところだろ」と怒られた。まあねー。グローバリズムが言われて久しいが、実はグローバルにならない文化はたくさんある。それぞれの国にはそれぞれの良さがある。こうして英国風のめかし屋の音楽は、まだまだ我々を惹きつけるのである。

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