Shop Chart
![]() 1 |
![]() 2 |
||
|---|---|---|---|
![]() 3 |
![]() 4 |
||
![]() 5 |
![]() 6 |
||
![]() 7 |
![]() 8 |
||
![]() 9 |
![]() 10 |
![]() 1 |
![]() 2 |
||
|---|---|---|---|
![]() 3 |
![]() 4 |
||
![]() 5 |
![]() 6 |
||
![]() 7 |
![]() 8 |
||
![]() 9 |
![]() 10 |
ジャスティン・ライトによるスペース・ロック系ドローンの(Rを除けば)7作目(最近になって初期作『センター・オブ・ジー・アース』がアナログ化されているので8作目とも)。
ダブ処理を施したように聴こえる瞑想的なドローンにギターを被せたスタイルで、いってみればサン・アローから明確なリズム・パターンを取り除いたクラウトロック・リヴァイヴァル。もしくはアシッドからハッパに乗り換えたソニック・ブームか。本人のサイトではアシュ・ラ・テンペルやサンO)))の影響下にあるといったようなことが書いてあり、いずれにしろ09年に〈ベータ-ラクタム・リング〉からリリースした『ソニック・メッセンジャー』がさまざまな意味で試行錯誤を感じさせるものだったので、それ以前の「静」を基調とした方法論に回帰したものだと思われる。ミステリアスでときにゴシック・ムード、あるいは優雅でどっしりとしたサウンド・トリップが4パターン。そう、間違っても最近のバリアリック傾向に与するものではない。
このところ、クラウトロックが再受容されるプロセスには驚くべきものがあり、フジヤ&ミヤギやエンペラー・マシーン、あるいはタイム&スペース・マシーンにボディカクテル、マシアス・レイリングにフィル・マンリー......と、リヴァイヴァリストたちは後を絶たない。ヒップホップでも変り種といえるディムライトもサード・アルバム『プリズミック・トップス』では巧妙にクラウトロックを織り交ぜ、ステレオラブからレティシア・サディエのソロ・アルバムでもその片鱗は窺えた。これらはしかし、マーク・マッガイアー(エメラルズ)のギター・ワークに象徴される反重力的なセンスがほとんどで、タッセル~ジ・アルプスからアープのセカンド・ソロ『ザ・ソフト・ウェイヴ』などはその集大成ともいえる価値観に貫かれていた一方、70年代当時から指摘されていたジャーマン・プログレッシヴ・ロックに特有の「重さ」を受け継ぐミュージシャンはほとんど出て来ないともいえる。カンからPiLへと橋渡しされた「重さ」は80年代のアンダーグラウンドをほぼ支配したともいえるほど影響力があったにもかかわらず、この部分はカットしようというのが現在のリヴァイヴァルなのだろうか。
あるいは、そのようなヘヴィネスはドゥーム・メタルによって、むしろ先行していたと考えることは可能だろうか。ナジャやサンO)))がアモン・デュールやカンの役割を果たし、バーニング・スター・コアやKTLをその発展形とするなら、ブラック・トゥ・コミュやマスター・ミュージシャン・オブ・ブッカケがフリー・フォークとの接点を探し当てていったのとは違う道筋を経て、ドゥーム・メタルから「重さ」を取り除き、重々しさだけをアピールするドローンへと辿り着いたのがエキスポ70だったと考えるのは。実際、『ブラック・オームズ』(復刊エレキングP70)でも『ウェア・ダズ・ユア・マインド・ゴー?』はムードが重々しいというだけで、いわゆる重量感はなく、ものものしいなトリップ・ミュージックとして完成度が高いといった方がいい。それこそノイ!『75』のように......(エレクトロクラッシュでいえばブラック・ストロボやリワークと同じか?)。
ジャスティン・ライトにはこれまで固定的なサポート・メンバーにあたるミュージシャンは存在しなかったようだけれど、『ウェア・ダズ・ユア・マインド・ゴー?』には彼と同等の扱いでマット・ヒルの名がクレジットされている。ヒルも昨年末にノット・ノット・ファンからウンベルトの名義で初のソロ・アルバム『プロフェシー・オブ・ザ・ブラック・ウィドウ』をリリースし、ゴブリンを思わせるホラー・エレクトロがそこでは縦横に展開されている。ドゥーム・メタルが形骸化していけば、なるほど、このようなダンス・ミュージックに辿り着くのは必然かもしれない。
![]() 1 |
HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS
I WANT IT / NEXT TO YOU
INTERNATIONAL FEEL / URY / 2011/2/12
»COMMENT GET MUSIC
|
![]() 2 |
|||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() 3 |
![]() 4 |
||||||
![]() 5 |
DEEP SPACE ORCHESTRA
RIDING IN MY IMAGINARY JEEP
FOTO / UK / 2011/2/14
»COMMENT GET MUSIC
|
![]() 6 |
SHAWN LEE
WORLD OF FUNK
UBIQUITY / US / 2011/2/12
»COMMENT GET MUSIC
|
||||
![]() 7 |
![]() 8 |
||||||
![]() 9 |
![]() 10 |
EUGENE HARRINGTON
THE LIFE OF EUGENE HARRINGTON
NOECHO / UK / 2011/2/14
»COMMENT GET MUSIC
|
ゴールド・パンダのニュー・ヴィデオが完成しました。『ラッキー・シャイナー』収録曲「マリッジ」です。ロマンティックな映像です。
デビュー・アルバム『ラッキー・シャイナー』ですが、先頃『ガーディアン』の、2010年デビューのアーティストへ送られる新人賞、"Guardian First Album award(ガーディアン・ファースト・アルバム・アウォード)"を獲得しました!
そして実は、〈TempleATS〉よりデビュー・アルバム『12シーズナル・ミュージック』を発表したばかりの日本人のアーティスト、Yamaanのリミックスも手掛けました。これがまた良いんです。近いうちに発表しますね!
1 |
Yusef Lateef - Eastern Sounds - Prestige 西と東の絶妙なミックス感がたまりません。 |
|---|---|
![]() 2 |
Sun Ra - Lanquidity - Philly Jazz |
![]() 3 |
Mocky - Saskamodie - Crammed Discs 独特の新しくて懐かしい質感が大好き。 |
![]() 4 |
Monty Alexander - Cobilimbo - MPS Records ジャマイカのJAZZピアニスト、MONTY ALEXANDERのトロピカルなアルバム。 ピアノとアーネスト・ラングリンのギター、Steel Panがカリブのビートで踊る。 |
![]() 5 |
Joanna Newsom - Sprout and the Bean - Drag City ハープの弾き語りが深い世界に連れてってくれます。 |
![]() 6 |
Senor Coconut - El Baile Aleman - Nacional Records TECHNOとラテンは根っこが似てますね。 |
![]() 7 |
Carlos Nino - Carlos Nino's Ocean Swim Mix - Listen Up LAのプロデューサー、DJ、Ammoncontactのメンバー、CARLOS NINOの物語的ミックス。気持ちええです。 |
![]() 8 |
Ku Bo - Kaggua - Man Records STEROTYPの別プロジェクト。AFRO-ELECTRO。 |
![]() 9 |
Oorutaichi - Cosmic Coco, Singing for a Blllion lmu's Hearty Pi 今回の3/5のバンドのドラマー、千住宗臣くんはOORUTAICHI君のバンド「ウリチパン郡」のドラマーでもあります。 |
1 |
Scuba - Tracers (Deadbeat Remix) -Hotflush Recordings |
|---|---|
![]() 2 |
Soul Center - Dyr Bul Scyl -Shitkatapult) |
![]() 3 |
Clement Meyer - Piece By Piece (Maetrik Remix) - (Family N.A.M.E) |
![]() 4 |
Tim Xavier, Par Grindvik - Subtle Paradise (Original) - LIMITED 400 |
![]() 5 |
Steve Rachmad present's Ignacio - Virton Upgraded (Ben Klock Remix A) -Music Man Records |
![]() 6 |
Tbd - Okay, Cool - DFA |
![]() 7 |
Terence Fixmer - Phantoms (Niederflur Remix) - Electric Deluxe |
![]() 8 |
Juju & Jordash - Killing Raul With Acid -Uzuri |
![]() 9 |
Social Disco Club - Peaceful Warrior (Soft Rocks Jesus Convention Remix) - Is It Balearic? |
![]() 10 |
Aerea Negrot - Hair (tobias. Remix) - BPitch Control. |
昨年シングル「Wile Out」をUK TOP40に送り込み、ドラム&ベースのみならず、最先鋭のハイブリッドサウンド、クラック・ハウスでUKベース・ミュージック・シーンを揺るがせたDJ ZINC(昨年はDOMMUNEでもプレイしました)。そんなキング・オブ・ベースローラーが2011年3月、DBS15周年カウントダウンに帰ってくる!
対するはオリジナルUKダブステップ/グライム・シーンの重鎮、トップDJとして世界を席巻するPLASTICIAN。200%マッシヴのBIG BASS SESSIONSです!!!!
(当日は、お馴染みの田中哲司君やエクシーもまわします!)
2011. 03. 19 (SAT) @ UNIT
feat. DJ ZINC & PLASTICIAN
with: Eccy, DJ MASSIVE
mc: LUCID (from Toronto)
vj/laser: SO IN THE HOUSE
B3/SALOON: TETSUJI TANAKA, KOO1, DJ MIYU, ENDLESS
open/start 23:30
adv.¥3500 door ¥4000
info. 03.5459.8630 UNIT
https://www.unit-tokyo.com
DJ ZINC (BINGO BEATS, BINGO BASS, UK)
ハウス、ブレイクビーツの影響を受け、89年からDJ活動を開始。海賊放送やレイヴで活躍しつつハードコア~ジャングル/ドラム&ベースの制作を始める。95年にGanjaから"Super Sharp Shooter"、Frontlineから"6 Million Ways"の大ヒットを放ち、96年にはDJ HYPE、PASCALと共にレーベル、True Playazを設立、ファンキー・ビーツとバウンシーかつディープなベースラインで独自のスタイルを築く。00年の"138 Trek"は自己のレーベル、Bingo Beatsに発展、ブレイク・ステップの新領域を開き、2ステップ~グライムやブレイクス・シーンに多大な影響を与える。03年にはPolydor UKからブレイクビーツを自在に遊泳する1st.アルバム『FASTER』を発表し、絶賛を浴びる。Bingo
BeatsからはDYNAMITE MCをフィーチャーした"Creeper"を含む『DROP BEATS NOT BOMBS EP』を始め、数々のマッシヴ・チューンで衝撃を与え続け、07年には『IN BASS WE TRUST EP』、MIX CD『WATCH THE RIDE』(Harmless)を発表。ここ最近は"Crack House"と銘打ったZINC自身が提唱する新型サウンドを布教。"Crack House"はBasslineサウンドを主体として、エレクトロ、ダブステップ、フィジェットハウス、ブレイクス、ジャングル等をミクスチャーした最新鋭のエレクトロ・ダンスミュージック。まさにその集大成ともいえるオリジナルアルバム『Crack House E.P.』、『Crack House Vol.2』をこれまでに発表。またMS
DYNAMITEをフィーチャーしたシングル、"Wile Out"はUK TOP40にチャートインする等、UKのベースミュージックの最前線を驀進中!
https://djzinc.com/
https://www.myspace.com/bingozinc
https://twitter.com/djzinc
PLASTICIAN (TERRORHYTHM, Rinse FM, UK)
ダブステップ/グライム・シーンのトップ・プロデューサー/DJの一人、PLASTICiAN。かつてDJ DARKSTARの名前でガラージをスピンしていた彼は、03年にDJ SLIMZEEのレーベル、SlimzosからPLASTICMAN名義で"Venom/Shock Wave"をリリース以来、"Pump Up The Jam" (Soulja)、"Hard Graft"(Contagious)等がアンダーグラウンドでヒット、またRINSE FMでレギュラーを務め、初期ダブステップの礎となる。04年には"Pump up the jam"を含む4曲がRephlexにライセンスされ、コンピレーション『GRIME』でセンセーションを巻き起こす。また自己のレーベル、Terrorhythmを立ち上げ、"Cha"、"Value
Beats EP"を発表、またLUKE VIBERTの"Moog Acid"、M.I.A.の"U.R.A.Q.T"等のリミックスを手掛ける。その後、PLASTICIANと改名し、08年には1st.アルバム『BEG TO DIFFER』をリリース、SKEPTAをフィーチャーした"Intensive Snare"はSoul Jazzにライセンスされる。またMIX CD『Rinse:06』(Rinse)のリリースでDJとしても世界的な人気を集める。
https://royalartistclub.com/plastician
https://www.myspace.com/plastician
https://twitter.com/djplastician
Ticket outlets:
PIA (0570-02-9999/P-code: 130-543)、LAWSON (L-code: 75191)
e+ (UNIT携帯サイトから購入できます)
渋谷/disk union CLUB MUSIC SHOP (3476-2627)、
TECHNIQUE(5458-4143)、GANBAN(3477-5701)
代官山/Bonjour Records (5458-6020)
恵比寿/WE NOD(5458-6232)
下北沢/DISC SHOP ZERO (5432-6129)、JET SET TOKYO (5452-2262)、
warszawa(3467-1997)、disk union CLUB MUSIC SHOP(5738-2971)
新宿/disk union CLUB MUSIC SHOP (5919-2422)、
Dub Store Record Mart(3364-5251)
吉祥寺/Jar-Beat Record (0422-42-4877)、disk union (0422-20-8062)
町田/disk union (042-720-7240)
千葉/disk union (043-224-6372)
UNIT
Za HOUSE BLD. 1-34-17 EBISU-NISHI, SHIBUYA-KU, TOKYO
tel.03-5459-8630
www.unit-tokyo.com
![]() 1 |
![]() 2 |
||
|---|---|---|---|
![]() 3 |
![]() 4 |
|
|
![]() 5 |
![]() 6 |
||
![]() 7 |
![]() 8 |
||
![]() 9 |
![]() 10 |
ドーピングされた音楽。それがこのアルバムについて抱いた印象だ。麻薬やドラッグの影響があると言うのではない。一般にサイケデリックと呼びならわしているような幻覚的な音だと言うのでもない。それらは人の身体や脳に引き起こされる作用のことだ。そうではなくて、音楽そのものの細胞や機能を異常に膨らませたり麻痺させたりする何か、ミンクスの場合はメロディを用いて音楽をドーピングする。「ワーグナーは音楽を病気にした」とはニーチェの言葉だ。その十全な理解にいたるには筆者はあまりにも無知だが、「音楽を病気にするもの」というアイディアには刺激を受ける。ミンクスのメロディはやがて彼らの音自体を病にしてしまうだろう。あるいは過度のドーピングによってぼろぼろに疲弊してしまうに違いない。ファースト・シングルである"フューネラル・ソング"には、そうした危険さがある。
ブランク・ドッグス主宰にしてダム・ダム・ガールズやビーチ・フォッシルズ、またワイルド・ナッシングなどをリリースする新世代ローファイの震源地ブルックリンの〈キャプチャード・トラックス〉の新人、ミンクス。レーベル・カラーとも言えるリヴァービーなガレージ・ポップとは異なる傾向の男女デュオだ。ジョイ・ディヴィジョンやキュアーと比較され、また初期〈クリエイション〉のギター・ポップ色や〈4AD〉的な耽美性も感じさせるあたりはワイルド・ナッシング、そしてペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハートを思わせる。とくに後者と対で考えたい。
メロディに、非常に強いインパクトがある。良いメロディを持ったロック・バンドは数いるが、ふつうはリズムや音色との調和がとれているものだ。ロックには自分対世界(/社会)というモチーフがあり、いまを生きているということ、他ならぬこの自分がその音を鳴らしているということへの感動が表現の根本にある。それをめぐって音色がありリズムがあり、メロディがある。しかしミンクスやペインズはそうしたバランスを欠いているように思われる。「良いメロディ」と言うときにイメージされる音全体の有機性よりは、気持ちいいツボをピンポイントで刺激するマシンのようだ。ツマミを上げたところだけ突出する。そしてメロディのツマミだけが異常に上がっている。ポップ職人という言い方もはまらないだろう。職人としての意地や目的意識をとくに感じない。曲調はペインズが陽、ミンクスが陰だ。しかし同じひとつのものの両面である。
こうしたいびつな性質の音楽が支持を受けるのは、前回ダックテイルズのレヴューで述べたように、シーン全体に音の意味性ではなく音の機能性へのフォーカス・シフトがあることを象徴している。大きくとらえれば、2000年代後半を象徴する柔らかなサイケデリック・ムードやグローファイ的な潮流もそれに数えられるだろう。それが良いことか悪いかということは別の議論であるが、ペインズやミンクスはその流れの中で生まれてきた一種の異形、あるいはバイプロダクトであるというのが筆者の見解である。
とはいえ、サウンドにもそれなりのヴァリエーションがある。"フューネラル・ソング"のコーラスのたっぷりかかったギターや時代のついたペラペラのシンセ・リフは大きな特徴だが、この曲自体はアルバム中盤でやっとの登場となる。冒頭の"クスミ"など王道的な疾走シューゲイズや、続く"アウト・オブ・チューン"のピクシーズを思わせるオッドなドリーム・ポップ、リアル・エステイトやギャングリアンズのようなトロトロのギター・インスト・ナンバー"インディアン・オーシャン"などをはさみながら、ポスト・パンクに出会ったベル・アンド・セバスチャンといった雰囲気のギター・ポップ・チューン"セメタリー・レイン"などに突き抜ける。いずれも心地よく、適度に翳りがあって、うざくない程度にメランコリック。「聴きたかった音」が詰まっている。
整った顔立ちのふたりでもあり、やや厭世的に佇むヴィジュアル・イメージも申し分ない。ではマーケティングと資本の力で生み出された操り人形かといえばまったくそうではない。〈キャプチャード・トラックス〉周りのまったくのインディ・バンドだ。黒幕など存在せず、ふたりはやりたいことをやっているだけなのだろう。まるで擦りガラスのように、細かな傷でくもってしまったナイーヴなシューゲイズ・サウンドだが、ハードな現実に心が擦り切れてしまったというわけでもなさそうだ。ハードな現実にヴァーチャルに擦り切れるという感覚。わざとでも天然でもない。嘘でもほんとでもない。なるほど、こうした意味での不透明さが現代のシューゲイズ要素だと考えれば、非常に納得がいく。あるインタヴューで、取材者がミンクスについてこう表現している。「あなたの曲は過去と現在のあいだ、そして暗闇から明るみへの移り変わりのあいだに生まれる揺らぎを感じさせる。」(「デリシャス・スコーピトン」)
筆者が指摘したいのもこうした曖昧さに近い。インタヴューの締めとして訊ねられた「ミンクスを色か香りで例えると何になる?」という問いに、彼らはこう答えている。「ミンクスはいつも黒と白のコントラストだよ」
二元的なものの狭間で、メロディ要素を暴発させる危ういデュオ。この筆者の解釈をどのように思われるだろうか?
そう、たとえば、初期のLFOと石野卓球がいっしょにフランクフルトのスタジオに入ってヴィデオゲームに興じている姿を想像してみよう。そのロボティックなミニマリズムから察するにエレクトロニクスに対するフェティシュな感性をもった音楽のようだが、曲によってはジャーマン・トランスめいた哀愁も感じる。関東在住のミュートロンによるデビュー・アルバム『Stratum』は、恐ろしく一途な、言うなれば現代解釈されたオールドスクールなテクノ"トランス"アルバムである。
ミュートロンの活動は2001年にはじまっている。peechboy、CMT、KEIHINらと結成したDOEL SOUND FORCEがその最初だというが、DOELが解散する直前の2002年にはゾンビ・ネーションが主宰する〈デカスロン〉からデビューEP「Hsart ep」をリリースしている。2004年には〈デカスロン〉から2枚目のシングル「Hologramized Memories」もリリース。2006年には〈20001 IN SOUND〉のコンピレーション『ELECTRO DYNAMIC VOL.2』に収録されると、翌年は石野卓球による『Gathering Traxx Vol. 1』にも収録されている。そして2008年には自身のレーベル〈Codona〉を立ち上げている。また、ベロシマのリミックスを手掛けてそれがフランク・ムラーの〈ムラー〉からも出ていて、つまり、こうした彼の経歴からも、そしてもちろんサウンドからもジャーマン・トランス直系というか......1曲目の"Gate to The Gloom"のサンプリングはフィンガーズ・インクの"スターズ"かと思ってしまったけれど、2曲目"DISCOnect"の4/4キックドラムとキュートなミニマルが僕の頭を20年前のフランクフルトやアントワープに飛ばす。"Pulse Matrix"も〈WIRE〉そのものだが、DAFを思わせるリズム感とレトロでバウンシーな電子音との組み合わせに彼のセンスが出ている。昔ながらのビルドアップするスタイルのディープなトランス"Cold/Hot"があるいっぽうで、クワフトワーキッシュなシンセ・ポップ"iCasio"もある。ジェフ・ミルズ風のループに卓球風のリズムトラックがブレンドされたような"Insecr2010 RE-EDIT"、あるいはダークな"Crooked"などアルバムにはいろいろあるけれど、おおよそそのセンスはジャーマン・トランス的だ。たとえば声がループする"Meccha And Flying Saucer"を聴いていると、おじさんは90年代なかばのベルリンで聴いたマイティ・ダブ・キャッツ(ノーマン・クックのトランス・プロジェクト)を思い出してしまうわけです。
そういえば、昨年は〈トレゾア〉の音源が再発されたり、プラスティックマンのベスト盤がリリースされたり、今年に入ってからもアリル・ブリカのアルバムがイエスパー・ダールバックのマスタリングで再発されたりと、テクノ再評価の機運が地味ながらにある。ダブステップ世代が昔のアシッド・ハウスやデトロイト・テクノを再発見している真っ直中だという事情もあるのだろうけれど、が、しかしミュートロンの音は電気グルーヴに代表される日本の土着的なテクノ・シーンと強く結ばれているようだ。ま、まさか......いよいよジャーマン・トランス・リヴァイヴァルか!? まあ、もう20年経つのだからそれが起きても不思議ではない。だいたい20年前の東京のテクノ・シーンの起爆剤となったのは、デトロイトでもシカゴでもなく、ドイツのトランスだったのだ。
「テクノはいま盛りあがっている」とミュートロンは主張する。「DOMMUNEを見てもわかるとおり、多くのビューワーがいますし、インターネットを使って積極的に海外とやり取りをして、自分の音楽を広めている人が多く存在すると思います。クラブへ行けば、普段はテクノを聴かないような人たちまでが、大箱でテクノを聴いて踊っています。私がよく訪れる青山OATHでは、長いときは昼前くらいまでテクノに限らずですが、そういった趣向の音楽で盛り上がっています」