「S」と一致するもの

interview with Salyu + Keigo Oyamada - ele-king


salyu × salyu
s(o)un(d)beams

トイズファクトリー E王

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 変化を望む人が好むのは、変化を肯定する音楽である。停滞を否定し、動き続けることを良しとする音楽だ。salyu × salyu(サリュー・バイ・サリュー)によるアルバム『s(o)un(d)beams』は、そういう意味では変わっていくことを望んでいる、すなわちレフトフィールドなポップだ。小山田圭吾がプロデュースしたこの作品は、まずなによりも耳を楽しませてくれる。Salyuは彼女自身がいち台の有能なシンセサイザー(合成装置)であるかのように、彼女のさまざまな歌と声を絞り出し、それらを惜しみなくコーネリアスの実験台(スタジオ)のミキサーに送り込んでいる。コーネリアスの得意とするギミック(遊び心)はいたるところに効いているが、まあ、個々の楽曲がよくできている。
 彼女の(チョップされたような)複数の声がそれぞれの音程をキープして、ピアノとともにハーモニーを作っていく"ただのともだち"は、このアルバムの面白味を集約しているような曲である。"muse'ic"のような小山田圭吾の歌メロ作りの巧さが出ているような曲においても、彼女は声はただ歌うのではなく、空間をデザインする一要素のように機能している。声を機械に流し込み操作するという点ではブルックリンの才女、ジュリアンナ・バーウィックの新譜を思い出すが、緻密さ、ポップの度合いにおいては他に類を見ない......いや、コーネリアス以外に類を見ないユニークな音楽になっている。作曲はすべて小山田圭吾、作詞は七尾旅人、坂本慎太郎、いとうせいこう、国府達矢といった人たちの名前がクレジットされている。言葉と音楽が他人によるものであっても、歌と声だけでその作品の圧倒的な主役を演じられることをSalyuは主張している。まあ、これだけの個性派に囲まれながら、彼女は見事に声という音を発信しているわけです。

クロッシング・ハーモニーという、ハーモニーの構築という考え方に出会うんです。楽器で鳴らされる不協和音というものを声がやったときにまったく違ったものになる、そういう考えに出会ったときに、これならいっしょにできるんじゃないかと思ったんです。――Salyu

お世辞抜きで、良いアルバムですね。ある意味ではパーフェクトなポップ・アルバムだと思いました。

Salyu:嬉しいですね。

このアルバムの話は、最初はSalyuさんが持ちかけたんでしょ?

Salyu:はい。そうです。私からです。

ポップ・アルバムと言っても実験的なポップ・アルバムですよね。まずはとにかく実験をしたかったのか、あるいはコーネリアスといっしょにやりかったという気持ちが強かったのか、どっちなんでしょう?

Salyu:後者ですね。

後者。

Salyu:はい。もちろん実験的なことはやりかったんですけど、それをコーネリアスといっしょにやりたいという感じですね。

コーネリアスが大きかったんですね。

Salyu:優先順位で言えばそうですね。実験的なことをやりたいということもあったんですけど、小山田さんと音楽を作りたいという気持ちはずっとあった。

ずっとあったんですか。

Salyu:あったんです。でも、小山田さんも自分の音楽活動されているわけで、何か具体的にやりたいことがないとお願いもしにくいというか(笑)。

はははは。

Salyu:まあ、しにくいっていうこともないけど、具体的にこちらが「こういうことやりたい」っていう話があったうえでいっしょに取り組めればなぁというのがずっとあったんですね。そうしたら、クロッシング・ハーモニーという、ハーモニーの構築という考え方に出会うんです。

それは?

Salyu:楽器で鳴らされる不協和音というものを声がやったときにまったく違ったものになる、そういう考えに出会ったときに、これならいっしょにできるんじゃないかと思ったんです。

なるほど。ハーモニーね。

Salyu:これはもう、小山田さんと組んでやりたいと。

それまで面識はあったんですか?

小山田:ちょいちょい。

Salyu:ちょいちょいですね(笑)。小山田さんは私のことほとんど知らなかったんですけど(笑)。

小山田:いえいえ。うちのドラムのあらき(ゆうこ)さんとか、ベースの清水(ひろたか)くんとか、彼女のバンドにいたりして。

なるほど。

小山田:彼女のバンドでギター弾いている名越(由貴夫)さんとかも知ってるし。

名越くん、あー、俺も知ってますよ。ぜひ、宜しくお伝え下さい(笑)。

Salyu:わかりました(笑)。

小山田:だからバンドはみんな知り合いだったんですよね。で、ライヴ見に来てね。

Salyu:私が勝手に見に行ったんです。

小山田:あそっか。いっかい見に来てくれたんだ。

いつのライヴ?

小山田:『センシャス』の頃だよね。

Salyu:渋谷AXでやったときですね。あのとき初めて見て......。

あの完璧なライヴをね。

Salyu:完璧なライヴを、はい。

小山田:完璧じゃないけどね。

あれが完璧じゃないなら、何が完璧なのか(笑)。

Salyu:開場から開演まで、時間も完璧でしたね(笑)。

終演から客引きまで(笑)。

Salyu:そのとき私、パスをもらって。しかもロビーまでしか行けないパスを。そしたらドラムのゆうこさんが「会いたいでしょ。そのパスでは楽屋に入れないからおいでー」って言ってくれて(笑)。それで「うわー」って楽屋に入れてもらったんですよね。そのときに初めてお会いしたんです。話したと言っても2~30秒ですよ(笑)。どわーってゲストが並んでいるなかで(笑)。

小山田:だいたいライヴのときの楽屋はたくさん人がいるからね。

Salyu:まあ、そのときが初めてで。

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その合唱隊が、レヴェルが高い合唱隊だったんですよ。複雑なドビュッシーとかの器楽曲を声で再現しているんだよね。それがね、もうむちゃくちゃすごいんですよ。とにかく今回やっているのは彼女の原点に近いんですよ。シンガーやってるのはそのずっと後だから。――小山田圭吾


salyu × salyu
s(o)un(d)beams

トイズファクトリー E王

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僕も、たいへん失礼な話なんですけど、Salyuさんの音楽ってそれまで聴いたことがなかったんですね。

Salyu:いいんですよ(笑)。

す、すいません(汗)。逆に言えば、僕みたいなリスナーは今回の作品で知ることができたんですけどね。それで以前の作品も聴いてみたんです。そしたらぜんぜん違うことをやっていて驚いたんです。今回の音楽は、いままでやってきたことをさらに発展させるとか、いままでやってきた音楽に新たな方向性を与えるとか、多様性を持たせるとか、そんなものじゃないでしょう。だからすごくドラスティックな挑戦に思ったというか、大変身とういか、「よくここまでやられたなぁ」と思ったし、「いままで何でやらなかったんだろう?」とも思ったんですよね。

Salyu:ことの発端がハーモニーということへの興味だったんで、それを21世紀のポップスとしてどう落とし込むかということがあって、それで小山田さんの力を借りたかった。それで、なぜいままでこれをやらなかったのかとういと、小さい頃から合唱をやっていたんですね。それでハーモニーということが小さい頃から身近にあったんです。ずっとやっていたし、愛しているし......、だから、挑戦ではあるんですけど、私にとっては原点回帰に近いんですよね。ガラっと新しいことをやったというよりも、もともと持っていたモノなんです。

ああ、なるほどね。

Salyu:だから、Salyuとしてやっていることは、ポップスを歌う、ということを考えてやっているシンガーなんだけど、今回のsalyu×salyuというプロジェクトは、より幅広く引き出しをもっていて、小さい頃からやってきたこともそこに入っているという感じですね。幅広くやっているというか。

小山田:駆使している。

Salyu:そう、すごく駆使しているんです(笑)。

小山田:ライヴを見てもらえればよくわかると思いますよ。子供の頃にやっていた合唱隊の女の子、去年、結婚式で再会して、それでスカウトしてきて、いま4人組のコーラスグループ作って、このアルバムをぜんぶ再現するんだけど。

ああ、こんど(4/15)DOMMUNEで放映しますよね。それ、楽しみです。しかし、合唱隊というのが新鮮でいいですね!

小山田:その話にすごくピンと来たんで。

Salyu:合唱隊というと人を集めなければならないんですが、たまたま10代のときにいっしょにやっていた同級生に会えて、それで彼女たちといっしょにやればいいんだって。

小山田:しかもその合唱隊が、レヴェルが高い合唱隊だったんですよ。複雑なドビュッシーとかの器楽曲を声で再現しているんだよね。それがね、もうむちゃくちゃすごいんですよ。

Salyu:ハハハハ。

小山田:とにかく今回やっているのは彼女の原点に近いんですよ。シンガーやってるのはそのずっと後だから。

そうかー、その合唱隊という話を聴いてすべてがクリアになった気がしますよ、僕は。コーネリアスのポスト・パンク的な感性と合唱隊は合うだろうし、小山田くんがそういうのが好きなのもわかるし。あと、これは計らずとも、なんですけど、21世紀のポップで歌とエレクトロニクスというテーマはたしかにあって、ジェームス・ブレイクって知ってる?

小山田:ああ、チラリと。

ダブステップ系の人で、輸入盤だけで日本でも3000枚以上売ってるんですけど、彼の音楽を特徴づけているのがまさに歌を電子的に操作するってところなんですよね。サンプリングしたネタを思い切り変調させるだけじゃなく、それで和音を作るんですよね。salyu×salyuの目指していることと決して遠くはないですよね。

Salyu:へー。

コーネリアスの音楽の特徴にエレクトロニクスというのがあるじゃないですか。それはまた合唱以外の部分だと思うんですけど。

小山田:エレクトロニクスがいいとか、アコースティックがいいとか、あんまないですよね。

Salyu:なんでもアプローチしてみたいタイプなんですけど、今回とくにエレクトロニック・ミュージックをやりたいなということでもなかったね。

小山田:あくまで声が基本なんですよね。それがあれば、バックトラックはなにがあっても良いって感じだったんだよね。

Salyuさんがコーネリアスでとくに好きなアルバムってなんですか?

Salyu:『ポイント』、それから『センシャス』。人生のなかですごい大きな出会い。

どういう意味において大きかったんですか?

Salyu:えーとね、ちょっとロマンティックな言い方になるけど、私、1980年生まれなんですね。20歳になると世紀が変わると言われて育ってきたし、だから新しい世紀をすごく楽しみにしていたんですね。いろんなことが変わると子供の頃から思っているわけですよ。まあ、90年代後半からあまり変わらないんじゃないかなと思っていたんだけど、やっぱり期待があったんですね。でも、21世紀になってもあまり変わらないなというのがあって、「あまり変わらないな」と、「新しい世紀らしいこともあんまないな」と、そんななかで『ポイント』を聴いて、それが「変わった」と感じることができた最初の出来事だったんですよね。

なるほど! 未来を感じることができたと。

Salyu:新世紀という実感をもらった作品。

とくにどんなところにそれを感じたんですか?

Salyu:空間の広さ、空間のあり方の新しさというか。いろいろとあるんだけど、そういうことなんじゃないかな。

なるほど。

Salyu:ポップだってこととかさ。

ポップな曲はたくさんあるけど、コーネリアスのポップさは他と違うからね。

Salyu:そう。

ふーん。そういうことで、今回はもう、プロデュースは丸投げ、「任せましたー」って感じだったの?

Salyu:そうですね。

小山田:そこまで気持ちよく投げてもらえたから、気持ちよくやらせてもらいましたよ。

あと、コーネリアス的には、このところやってこなかった歌作りというか、ソングライティングというのもやっているよね。

小山田:そうですね。でも、それはもう、彼女に触発されてやった。自分ひとりではできないことだから。

もともと歌メロ作るのが上手い人だから。コーネリアスではそれをあんま出さなくなっちゃったから。

Salyu:そうそう、だから、すっごい楽しみだったんですよね。どういうメロディをもらえるんだろうって。

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私、1980年生まれなんですね。20歳になると世紀が変わると言われて育ってきたし、新しい世紀を楽しみにしていたんですね。でも、21世紀になってもあまり変わらないなというのがあって、そんななかで『ポイント』を聴いて、「変わった」と感じることができた最初の出来事だったんですよね。――Salyu


salyu × salyu
s(o)un(d)beams

トイズファクトリー E王

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歌詞に関しては複数の方が書いていますけど、それも小山田くんが決めたの?

小山田:いや、それは彼女と相談して。

ちなみに坂本慎太郎の"続きを"の歌詞は、震災のコメントとして彼がele-kingに寄せてくれたんですけど、ものっすごい反響があったんですよ。

小山田:ああ、DOMMUNEに出てたよね。それは僕らもびっくりしていたんだよね。

それが計らずとも最後の曲になっているんだね。

小山田:そうなんですよね。実は震災のあとにこの曲をあらためて聴いたんですよ。本当は、震災の後に別の曲を発表する予定だったんですけど、それを急遽、この曲にしようって、Salyuたちと演奏したやつをYouTubeにアップしたんだよね。そのときも歌詞に対する反応がすごかった。で、その曲をやる前に、坂本くんに連絡して「やるけどいい?」って言ったら、「実はそう思っていた」って。「歌詞をele-kingに上げるけどいい?」って。彼ももちろんこういう状況を想定して書いたわけじゃないんだけど、でも、その言葉が何かいまの気持ちを代弁してしまった。そういうことって、偶然にしろ、あるときにはあるからね。

salyu×salyuのこのアルバムを最初に聴いたときには、良い意味でエンターテイメントだと思っていたんだけどね。それがね......。

小山田:......うん。

Salyuさんは自分でも歌詞を書いてますよね。

Salyu:どっちかと言うと、あんま好きじゃない。

作詞はダメ?

Salyu:苦手なんですよ。

なんで(笑)?

Salyu:なんでかって言うと、もうすでにある曲を演奏するのが音楽だと思って育ってきているんです。

あー、そうか。

Salyu:合唱も、山のように譜面があって、人の作った曲を自分がどう演奏するのかってことが音楽だと思って育ってきている。だから、人からいただく(曲の)ほうがフィットしますね。

小山田:坂本くんに歌詞を書いてもらいたいといったのもSalyuだから。

そうなの。俺は疑いもなく、これはいかにも小山田くんかと思っていた。

小山田:僕ももちろん、思ってはいたんだけど、ゆらゆら解散したばっかりだったから、ちょっと言いづらくて。

Salyu:ハハハハ。

小山田:でもSalyuが言ったから、ちょっと言ってみようかなと(笑)。

Salyu:ねー。あれは感動的でしたよね。

いろんなタイプの曲をやっていると思うんですけど、かなり実験的な曲もやってますね。声がループしているヤツ。

小山田:"歌いましょう"かな。

そう、あれ。

小山田:あれは僕が適当に作った曲。Salyuが忙しいときに、彼女の仮歌を僕がチョップしたり編集したりして、それで作った。

あれは......ひと言で言ってしまうと、アニマル・コレクティヴというか。

小山田:そう、気持ち悪いですよね。

Salyu:ハハハハ。

あの曲だけブルックリンなんだよね(笑)。ジュリアナ・バーウィックという女性アーティストの作風とすごく近い。

Salyu:ライヴでは、ループ・マシーンを使って、いよいよというか......(笑)。

小山田:いや、あれ面白かったよ。

まあ、ホントにいろんなタイプの曲をやっているよね。

小山田:うん、可能性をいろいろ試している。そういうところはファースト・アルバムっぽいでしょ。

ということは、次作も考えている?

小山田:まだぜんぜんわかんない。お互いの活動もあるんで。ただ、このプロジェクトに関しては面白かったんで、またチャンスがあればやりたいですけどね。

小山田くんがここまで全面的にやっているのって、いままでないでしょ?

小山田:自分のアルバム以外ではないですね。まあ、自分のアルバムも4年ぐらい前なんで(笑)。

このあとライヴが控えてますけど、小山田くんは参加する?

小山田:参加できるときがあれば参加します。ライヴはすごく面白いですよ。

生でやるの?

小山田:9割生だよね。同期させる曲もちょっとあるけど、ほぼ生ですね。すごく面白い。

アルバム・タイトルの『s(o)un(d)beams』にはどんな意味があるんですか?

Salyu:音を視る、というか、光を聴くという感覚、そういうニュアンスを込めたタイトルですね。

小山田:歌詞ではっきりとアルバムでやりたかったことを言ってる曲なんで、それをアルバムのタイトルにもしようってね。

ちなみに、ふたりの共通する趣味っていうのはあるんですか?

小山田:なんだろうね。あ、トレーシー・ソーンは好きだよね?

Salyu:トレーシー・ソーンは好き(笑)。あとは......アントニー!

小山田:アントニーはいいよね。

やっぱ、歌唱力がある人が好きなんですね。

Salyu:好きですね。ああいう人たちの歌は身体に来ますね。


※なお、salyu × salyu のツアー情報はここ(https://www.salyu.jp/salyuxsalyu)をチェック!

[Electronic, House, Dubstep] #5 - ele-king

1.Pearson Sound - NSWL007 | Night Slugs

 ラマダンマンは、今後メインの名義をピアソン・サウンドにするそうで、たしかにM.I.A.のリミックスの名義も、ファブリックのミックスCDの名義も、〈ナイト・スラッグス〉からのリリースとなったこのシングル「NSWL007」の名義もピアソン・サウンドとなっている。
 それで「NSWL007」は、レーベルが〈ナイト・スラッグス〉だけあってその作風を大雑把に言えばUKガラージがブレンドでされたUKファンキー、とにかくフレッシュで、若々しく、痛快だ。アフロでヘヴィーなキック・ドラムが腰に響くA面は、ロッド・リーによるゲットー・ブレイクな"Let Me See What U Workin With"をネタにしたリフィックス(remixではなくrefix)で、フリップ・サイドは驚くなかれ......ルイ・ヴェガが1993年にプロデュースしたハードドライヴによる"Deep Inside"のリフィックスだという。およそ20年前に〈ストリクトリー・リズム〉から発表された音源がいまこうしてダブステップ経由で(著しく変形しているとはいえ)ファンキーに蘇っている。

2.Jacques Greene / Optimum - Night Slugs Allstars Sampler | Night Slugs


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 それにしてもピアソン・サウンドまでもが〈ナイト・スラッグス〉、訳せば〈夜のナメクジ〉から作品を出したという事実は興味深い。いまもっとも勢いのあるプロデューサーとレーベルとの出会いだから。早い話、このレーベルはそれがUKガラージであれテクノであれダブステップであれ、モダンなセンスを有したダンス・ミュージックでありさえすればいいのだろう。
 ジャッケス・グリーンとオプティウムによるスプリット・シングル「Night Slugs Allstars Sampler」は昨年末のコンピレーション・アルバムからのヴァイナル・カットで、ジャッケス・グリーンのほうはシカゴ・ハウス寄りに、オプティウムのほうはトランシーなテクノ寄りに向かっている。リリースは4ヶ月ぐらい前のものだが、ジャッケス・グリーンはこのデビュー作に端を発したかのように、今年に入ってグラスゴーの〈ラッキーミー〉から早速2枚のヴァイナルを切っている。レコード店で見かける度に買うかどうか迷ってまだ買っていない......が、こんど行ってあったら買おうかなー、リミキサーがジョイ・オービソンの〈ドルドラムス〉からデビューしたブライデンだというのが気になっているし......。

3.Eccy - Flavor of Vice | Slye


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 エクシーが自分の音楽の方向性をダブステップ以降のダンスに定めてからの最初のオリジナル作品がようやく、フィジカルとしてリリースされた。「Flaver of Vice」は7曲入りのCDシングルで、うち2曲はリミックス(〈プラネット・ミュー〉から作品を出しているロンドンのスビーナ、そしてフランスのサム・ティバ & マイド、どちらも注目株)が収録されている。最初に耳に残るのは〈ナイト・スラッグス〉的な雑食性の高いトラックで、"Flaver of Vice"は4/4のキック・ドラムにファンキー風のパーカッションとエレクトロ・タッチのシンセのフレーズが挿入される。
 "Old Snake Rapier"はおそらく本作でもっとも魅力的なトラックだ。シンプルなシンセの反復にチョップされた声が絡んでいく派手な展開だが、ベースとドラムのコンビネーションがスムーズで、彼が目指すところのダンスの熱狂がもっとも聞こえる。
 いっぽう作品の構成としては最初の2曲とは対をなすように、3曲目の"Solve The Fullmoon Sex"はダークなダブステップで、続く"Plastic Soul"もディープな展開を見せている。5曲目の"Dog Tooth"はドリアン・コンセプトの美しさとラスティの激しさあいだで鳴っているようなダウンテンポで、彼が何とか新しい第一歩に踏み出そうとしていることがよくわかる。
 日本のヒップホップにおけるトラックメイカーのほとんどは、せいぜいマッドリブやジェイディラ、MFドゥームで止まっている。それはもう、10年前の話だ。さあ、先に進もうぜと、かつてはシンゴ02とタッグを組んでいたこともあるこのビートメイカーの新しい作品は呼びかけているようだ。

4.Joy O - Wade In / Jels | Hotflush Recordings


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 ジョイ・オービソンあらためジョイ・O名義による最初のシングルはスキューバの〈ホットフラッシュ〉からのリリースとなった。スキューバの音楽はいまや立派に"テクノ"だけれど、オービソンはいまだダブステップのにおいを残している。
 A面の"Wade In"はアシッディなベースラインとトランシーなリフを兼ね備えた4/4ビートだが、ブリアル直系の亡霊のような声とダークなアンビエントの掛け合いがなんとも効果的で、テクノとダブステップとのあいだの領域のより深い場面へとリスナーを誘惑する。"Jels"も彼らしいマッシヴな4/4ビートで、こちらはミニマル・テクノが忘れてしまったダンスの熱さを実にスマートに展開している。彼らしい、気の効いたダンス・トラックである。

5.Joy Orbison - BB / Ladywell | Doldrums

 ジョイ・オービソンは、昨年末も彼自身のレーベル〈ドルドラムス〉からもシングルを出しているが、僕個人はこちらのほうが好みである。
 "BB"にはリズム・イズ・リズムのパーカッシヴなグルーヴがあり、シカゴ・ハウスのベースラインがある。"Ladywell"はロン・トレントを思わせる気品のあるメロウなディープ・ハウスで......というか、この人は絶対にハウスで踊っているだろ! 再プレスをしないことで知られるレーベルなので、まず無いとは思うが、奇跡的に見つけたときは迷わないこと。

6.Koreless - 4D / MTI | Pictures Music


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E王 グラスゴーで暮らす19歳の、この名義によるデビュー・シングルで、フォー・テットにも似た美しい音色を持った素晴らしい1枚。
 "4D"は流行の声ネタを使いながら、2ステップとディープ・ミニマルをシェイクして深夜のエレクトロニカを調合している。"MTI"は、ダブステップ世代によるディープ・ハウスで、ジェームス・ブレイクよりも彼の資質がロマンティックであることをほのめかしている。
 いずれにしてもダブステップの新しい静けさがここにある。素晴らしい新人の登場だ、ジャイルス・ピーターソンおじさんが騒ぐ前に聴け!

7.James Blake - The Wilhelm Scream | Atlas Recordings


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 B面には未発表曲が2曲。"What Was It You Said About Luck"は、言ってしまえばアルバム収録曲の同じ感覚の歌モノだが、アンビエント調の"Half Heat Full (Old Circular)"はなかなかすごい迫力。マッシヴ・アタックというよりも、コクトー・ツインズに近い。

8.Burial + Four Tet + Thom Yorke - Ego / Mirror | Text Records

 ブリアル、フォー・テット、そしてトム・ヨークによるコラボ・シングルで、ヴァイナルに関しては、おそらく日本全国のそれぞれのお店に到着してわずか数時間で売り切れている(万が一、見つけたら迷わず買え!)。トム・ヨークはヴォーカリストとしての参加だと思われるので、ブリアルがフォー・テットとの共同で彼の〈テキスト〉から作品を発表するのは2009年の「Moth / Wolf Cub」以来のことで、あのシングルを聴いている人なら犠牲を払ってでも手にしたい作品だったろうし、そしてこのシングルはそうした期待にある程度は応えている。そう、ある程度は......。というのも、トム・ヨークの歌が、まあ悪くはないのだけれど、必ずしも必要とも思えないからである。だいたいこのシングルを心待ちにしていたのは、レディオヘッドのファンではないだろう(UKの音楽シーンにとってはでかいだろうね。なにせトム・ヨークがロンドンのアンダーグラウンドにおける最良のパートに自らアプローチしているのだから)。
 A面の"Ego"では曲の後半にピアノのソロ演奏が入るのだけれど、そのエレガントな響きが素晴らしい効果を上げている。"Mirror"ではアトモスフェリックなアンビエントが艶めかしい闇のミニマリズムと見事に噛み合っている。ブリアルのファンの側から言えば、彼がミニマルにアプローチしているのがこのプロジェクトで、さすがに"Moth"ほどの衝撃はないにせよ、この艶めかしい陶酔はやはり代え難い。僕個人にはっきりと言えるのは、もしこの2曲がレディオヘッドの新作に収録されていたら、そのなかでもっとも好きな2曲になったであろう......ということである。

9.Burial - Street Halo | Hyperdub


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E王 いよいよ、6月にサード・アルバムのリリースが予定されているブリアルの新曲。ヴァイナルには、ミキサーのメーターがいきなりレッドゾーンに突入するすさまじい音圧が彫られている。"Street Halo"は、メランコリックなブリアル印だが、彼のなかでもとくにグルーヴィーな曲なひとつ。ジョイ・オービソンやピアソン・サウンド、アントールドたちと歩調を合わせるかのように、ゼロ年代の音楽を方向付けたダブステッパーはクラブのダンスフロアへと向かっているようだ。フリップ・サイドの"NYC"はメロウなダウンテンポで、"Stolen Dog"歪んだダブ。真打ち登場というか、どちらもエロティックなディストピア・サウンドで、アルバムへの期待が高まる。(←サード・アルバムが控えているというのは『Fact Mag』のエイプリルフールだったそうです!! 見事に騙されました!!)

10.Panda Bear - Surfers Hymn | Kompakt


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 3枚目のアルバムのリリースを控えたリスボン在住のアニマル・コレクティヴのメンバーは、すでに3枚の7インチ・シングルを〈ファットキャット〉〈ドミノ〉〈ポウ・トラックス〉の3レーベルから出していて、僕は〈ファットキャット〉からのシングルがいっとう好きだが、「Surfers Hymn」は〈コンパクト〉からリリースされて、このシングルのみがリミックス・ヴァージョン入りで、しかもそのリミキサーがアクトレスと言われれば買うでしょ。
 まあ、結論を言えば可もなく不可もなく......かな。アクトレスらしいスケベったらしい変わったミニマルで、と同時にこれがまた思いも寄らなかったダンス・トランスなんだけれど、だったら12インチでリリースすべきだった。

11.Dorian Concept - Her Tears Taste Like Pears | Ninja Tune


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 当時ほとんど無名のドリアン・コンセプトは2009年にオランダの〈キンドレッド・スピリッツ〉からデビュー・アルバム『When Planets Explode』を出したときから、彼はただその才能によってファンを唸らせていたものだが......、いまやフライング・ロータスのパートナーとして、あるいは彼のコズミック・サウンドのもっとも有力なネクストとして注目を集めている。
 このオーストリア人は、幼少期からクラシックを学び、ジャズに遊びながら、その反骨精神によって実験的なヒップホップに手を染めてきた人だという話だが、いまや彼のスキルとその方向性は時代の最先端に躍り出たというわけだ。〈ソナー・サウンド・トーキョー〉でも、サブステージとはいえ、ドリアン・コンセプトのDJのときは入れきれないほどの満員だった。今年〈ニンジャ・チューン〉からリリース予定の彼のセカンド・アルバムはけっこうな騒ぎになること必至......だろう。

Chart by JAPONICA 2011.03.28 - ele-king

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NABOWA

NABOWA SUN E.P. MOGIE / JPN / 2011/3/31 »COMMENT GET MUSIC
初となるシングル作「SUN」が遂にリリース!西日本最大級のミュージックフェスティバル「SUNSET LIVE 2010」のオフィシャルソングとして使用され、ライブでも人気急上昇中の痛快疾走ナンバー「SUN」!昨年時計ブランドCITIZEN"ATTESA" のPV に抜擢され、リリースが待ち望まれていた「tick tick away」を収録した話題作!※このCDの売り上げの一部を日本赤十字社を通し、東北地方太平洋沖地震の被災地の方々へ寄付いたします。

2

TERRAS

TERRAS TERRAS JAPONICA / JPN / 2011/3/23 »COMMENT GET MUSIC
90年代初頭ハードコア/ミクスチャー・バンドとして絶大な人気を誇ったRise >From the Deadのベーシストに10代で抜擢、その後、京都を代表するバンドSOFTにサックスで加入、イギリスへ渡りソロとして活動、Love Streams agnes b.プロダクションの映画『Elvis Pelvis』のサントラを手がけるなど多岐に渡り活動しているマルチ・リード奏者'Yang Bo'ことShoheiKawamotoが20年近く積み重ねてきた多彩な活動を経てたどり着いたニュープロジェクト。所謂ジャズ・バンドとは程遠い個性 派バンドで活躍するミュージシャンが奏でる「印象派ジャズ・ポエトリー」。

3

THEO PARRISH

THEO PARRISH FEEL FREE TO BE WHO YOU NEED TO BE SOUND SIGNATURE / US / 2011/3/27 »COMMENT GET MUSIC
アルバム・リリースを記しての来日公演でも各地を熱狂させ改めてその不動の人気っぷりをみせつけたデトロイトの至宝THEO PARRISH最新作アルバム「SKETCHES」より待望のセカンド・カット!ソリッドな鍵盤プレイにマッドな声ネタが入り混じるバウンシー・フロア・ トラック"FEEL FREE TO BE WHO YOU NEED TO BE"、そして盟友でもあるデトロイトのギタリストDUMMINIE DEPORRESを迎えたインプロ・ジャズ・ハウス"360@1:29ON696"、THEO PARRISHより「このアルバムにおいて最も重要な2曲」とのことです。

4

ナカムライタル

ナカムライタル LOST TAPES OUTPUT / JPN / 2011/3/27 »COMMENT GET MUSIC
京都が誇る最重要パーティー「OUTPUT」首謀者ナカムライタルが待望の初ミックス作品をリリース!マスタリングに盟友KND、アートワークは SHOJI GOTO、と「OUTPUT」所縁の面々と共に創り上げた渾身の一枚。

5

KUNIYUKI

KUNIYUKI RE:MOMENTOS KUNIYUKI RMX CROSSPOINT / JPN / 2011/4/1 »COMMENT GET MUSIC
昨年リリースの最新アルバム「RE:MOMENTOS MOVEMENTS」や絵本とのパッケージングで話題となった「SOFT meets PAN」も大好評、そのマルチな才能を存分に発揮するMOOCHYさんによる08年リリースのアルバム「RE:MOMENTOS MOEMOTIES」収録のタイトル曲"RE:MOMENTOS"が、この度札幌を拠点に世界基準のディープハウス・サウンドを発信し続ける日本の至宝 KUNIYUKIさんによるリミックスを搭載し限定12inchとしてリリース!

6

INSTANT HOUSE

INSTANT HOUSE DANCE TRAX "RAW" EP UNKNOWN / US / 2011/3/30 »COMMENT GET MUSIC
JOE CLAUSSELLのキャリア原点となる88年結成の伝説的ハウス・ユニットINSTANT HOUSEが90年代にリリースしたレアなプロモ作品が待望の再発!ある意味剥き出しな(?)この時代特有のパワフルで躍動的なハウス・グルーヴにシンプ ルでストレートなネタ使いが荒さを含みつつも、やぱりダンス・フロアにしっくりとハマってくる黒光なトラック群の数々。

7

QUANTIC AND HIS COMBO BARBARO

QUANTIC AND HIS COMBO BARBARO CALIVENTURA EP TRU THOUGHTS / UK / 2011/3/23 »COMMENT GET MUSIC
THEO PARRISHらをはじめとした著名DJ達がヘヴィ・プレイ、そして<CADENZA>のMICHEL CLEISが大胆にテックハウス化するなど、ほんとジャンルを越えクロスオーヴァーに大ヒットし、シングル・カットもされた人気ナンバー"UN CANTO A MI TIERRA"をCUT CHEMISTとJ-BOOGIEの両者がそれぞれ独特の趣でブレイクビーツ・リミックスしたB面に注目!

8

BIBIO

BIBIO MIND BOKEH WARP / UK / 2011/4/1 »COMMENT GET MUSIC
天才BIBIOの<WARP>移籍後3枚目となる待望のニュー・アルバム!ブレイクビーツ/エレクトロニカをベースにあらゆるビート・ミュージッ クを熟知した懐の深い、そして引き出しの多い柔軟なグルーヴを軸に、現行のエレクトリック感と生楽器によるアコースティック感を絶妙にミックスし た丸みのあるホンワカ・サウンド・デザインで郷愁感漂うフォークトロニカ、ポストロック、バレアリック、チルアウト・・と縦横にその形態を変化さ せながら駆け巡る全12トラック!

9

MOODYMANN

MOODYMANN I CAN'T KICK THIS FEELING (APPOINTMENT REMIX) DECKS REWORK / GER / 2011/3/27 »COMMENT GET MUSIC
ドイツのハイセンスな名作リイシュー・レーベル<DECKS CLASSIX>より新たにリエディット/リミックスを加えリイシューを敢行するニュー・ライン<DECKS REWORX>第1弾。MOODYMANNの初期傑作にしてオリジナルはレア盤で入手困難な<KDJ>6番"I CAN'T KICK THIS FEELING"のオリジナル・ヴァージョン収録に加え、ベルリンのアンダーグラウンド集団APPOINTMENTクルーによるドープ&ディープ なリミックスを2ヴァージョン収録。

10

MIMP:GIMP

MIMP:GIMP CALYPSO ALIEN / FULL FRONTAL ROBOTOMY CREATIVE USE / UK / 2011/3/24 »COMMENT GET MUSIC
間もなくリリースされるという<CREATIVE USE>コンピレーション・アルバムからの先行カットとなる本作。程よいミッドグルーヴのリムショット・ブレイク上でのスティールパンのメランコリックな 響きについつい和まされる絶品メロウ・エディット"CALYPSO ALIEN"!元ネタ不明ながらこの塩梅な仕上がりは最高スギ。そしてC/Wにはオールドスクールなエレクトロ・ファンク・エディットを収録でこちらもフ ロア・ライクな仕上がりで◎

ZETTAI-MU springup 2011 - ele-king

 震災の影響でライヴのための東京行きが全部キャンセルになってしまった僕にとって、ZETTAI-MUは久しぶりに出向くイヴェントだった。ele-kingでも告知していたし、関西の読者で足を運んだひとも多いことだろうと思う。震災の直接的な影響がなかった関西も、やはり以前よりは沈みがちだと感じることが多い。そんななか、東京の〈ソナー・サウンド・トーキョー〉と連動する形で開催された今回のZETTAI-MUは、ele-kingのニュースにもあったように久しぶりに関西の僕たちが爆発できるイヴェントとして楽しみにしていた。野田ボスに「金曜日はZETTAI-MUに行ってきます!」と張り切ってメールをしたら、どういうわけか「次の原稿の締め切りは土曜日かな」と返信が来て、僕は「あれ......」と思ったものの必死で原稿を仕上げて名村造船所跡地に向かったのだった。
 それにしても寒い。毎年この時期近所の桜はだいぶ咲いているように思うのだけど、今年はようやく蕾が膨らみ始めたくらいだった。寒がりの僕は上下ともヒートテックを着込んで、どうにか凌ぐしかない。黒木メイサはヒートテックを手に入れて苦手だった東京の冬が平気になったそうだが、僕はそれでも大阪の冬ですら苦手だ。

 toeには間に合うかなーと思って会場に入ったら、すでにステージからは人が溢れていて中に入れなかった。彼らの叙情的なアンサンブルが外に漏れてくる......のを聴きながら指を加えて突っ立っているしかない。しかし思っていたよりも大勢の音楽好きが集まっていて、toeはちゃんと観られなかったけれども僕は嬉しかった。やっぱり、みんなパーティに飢えていたのだ。それに大阪はいま、忌々しいクラブ摘発の問題もある。風営法の改正を求める署名を呼びかける告知が、会場にもいくつか貼ってあった。もちろん署名も現実的なひとつの手だとは思うのだけれど、いっぽうで大阪のオウテカが「アンチEP」を出したり、あるいは大阪の!!!が「ミー・アンド・ハシモト」を出したりしないかなー、と非現実的な空想を僕はしてしまうのだった。なんにせよ、よくわからないままクラブが閉まっているのがすごく嫌だ。遊び場が知らない間に減っている。

 よく聞かれるんだ、「ダンスのどこがそんなにすごいんだ?」って
 俺にわかるわけない
 ああ、理解することもできない
 でも音楽が流れると音楽がすべてを支配する !!!"ミー・アンド・ジュリアーニ・ダウン・バイ・ザ・スクール・ヤード(ア・トゥルー・ストーリー)"

 僕は会場をウロウロすることにした。みんな寒いなか、酒を飲んだり騒いだり、すでに楽しそうだ。名村造船所跡地はなかなかゴキゲンな場所で、その名の通り跡地なのでちょっと廃墟めいた雰囲気を醸しているパーティ会場だ。かつてのレイヴのウェアハウスもこんな雰囲気だったのかな......とまた僕は妄想する。
 ステージに向かって、クラムボンのミトによるdot i/oを観る。テノリオン2台を交互に使って、煌びやかで色彩感のあるエレクトロニカを奏でてクラウドをうっとりさせる......かと思うと、突如インダストリアル風のビートが暴れもするから油断できない。90年代のIDMの遺産の最良の部分はフォー・テットだけに引き継がれているわけではないことを実感する。奔放で茶目っ気もある、しかし独特の美とエモーションが感じられる演奏だった。
 フライング・ロータスはベースのサンダーキャットとシンセのドリアン・コンセプトを従えて、ドラゴンボールのコスプレで現れた。「カーメーハーメーハー!!!」とクラウドに叫ばせて満足げ。みんな、ちょっと苦笑い。だけれども、演奏は本当にカッコ良かった。僕がこれまで観たなかでもいちばん刺激的だった。毎回自曲と他のアーティストの曲を織り交ぜながら、意外にアッパーなビートで沸かせるのだけど、今回はベースとシンセの(たぶん)即興の絡みがあるからとにかく有機的で、ファンキー。テンポが上下しても一貫してグルーヴィー、すごくブラックな感触だ。サンダーキャット、歌うし。かなりレイヴィーな展開もあり、当然ヒップホップもあり。フライ・ローはライヴのとき、いつも機嫌良くクラウドを煽ってみせる。ああ、いいパーティの雰囲気ってこういうのやな......と僕はちょっと泣きそうになってしまったのだった。恒例のレディオヘッドの"イディオテック"使いもあくまでコズミックに、大胆にやってのける。歓声が上がる。僕はヒートテックが暑くてたまらなくなってしまった。

 フライング・ロータスの後、DJをやっている友だちに会って乾杯する。彼はタイラー・ザ・クリエイターが使われたことに大興奮していた。まわりはさらにひとが増えて、すっかり熱い空気が出来上がっていた。
 ステージに再び向かう。フライング・ロータスとバトルスに挟まれたオオルタイチも、そのノイジーで妙なダンスホールでダンスの勢いを止めさせていなかった。本人も、歌ったり踊ったり頑張っている。僕もニヤニヤしてしまう。近くにいた兄ちゃんが「変態やな」と褒めていた。
 バトルスは本当に大人気で、後ろからどんどん人が入ってきて前に押される。もうみんな知っているだろうが、タイヨンダイが抜けて初の日本でのライヴだ。正直心配していたが、これまでの曲はいっさいやらずに新曲だけに絞り、新たな体制でのアンサンブルを見せることに徹していたのは正解だったと思う。ハードコア譲りのハードなアンサンブルと、ファニーで奇天烈な上モノ。後者はほとんどタイヨンダイが担っていたと思っていたが、それはすでにバトルスのアイデンティティの一部になったということなのだろう。シングルになった"アイス・クリーム"がしっかりとピークを作っていた。まだ未消化な部分はかなりあるし、ヴォーカル曲がサンプリングになってしまうのは(やむを得ないとは言え)やや盛り上がりに欠けるが、3人でバトルスを続けていくという気概が感じられるライヴだった。3人での体制が完成するにはまだ時間がかかりそうだが、頑張ってほしい。

 すぐにもうひとつのステージに行くと、コード9を終わりのほうだけ少し観ることができた。ダブステップだけでなくジャングルやドラムンベース、2ステップなどをBPMをきっちり合わせず大胆に繋いでいく〈ハイパーダブ〉のボスのDJは、やっぱりクールで熱い。去年マーティンと来たときはブブゼラを吹きまくっていたが、アー写からはイメージできない陽気なおっさんぶりも僕は好きだ。マフィアと労働者の間のような、見た目も好きです。
 その後は復活したドライ&ヘヴィによる、パンツがビリビリするぶっといベースと脳味噌が麻痺するスネアの高音が奏でるダブでドロドロになり、そしてDUMMUNEにも出演していたKURANAKA1945の貫禄のダブにさらにドロドロになり、僕は結局朝まで踊り続けていた。

 ステージがふたつあったし、僕と違う過ごし方をした人も多かったと思うけれど、すれ違った人はみんな楽しそうにしていた。〈ソナー〉もきっと楽しかっただろうと思う。こんなときだからこそ......いや、パーティはいつだって必要だ。ヒートテックよりも。

■こだま和文(DUB STATION)
 3月11日、仙台へ向かっていた新幹線の中で立ち往生、真っ暗闇の車窓から見えた星空がきれいでした。 黒い雪降る空の下でも自分の活動続けます。

■松村正人
 私は学生時代、仙台に暮らした。あの街のあの街並みも浜辺も、古本屋もレコード屋もライヴハウスも喫茶店も、古い友人も昔の恋人もその親兄弟や親戚も被害を免れなかったと思うと胸を衝かれる。私にできるのは、彼らに想像を働かせ、風聞に惑わず、懸命に生活するだけである。本を読んだり、音楽を聴いたりもする。そういうと不謹慎だという人もいるだろう。被災者の心情をおもんぱかると音楽など聴いていられない、音楽では腹は膨れないとその人はいうかもしれない。しかし私の知る東北の友人たちは音楽を愛する人たちばかりだ。私は音楽は、彼らだけでなく、私たちのこの息苦しい非日常性を無化できる非日常性をもっていると思う。

■赤間マユリ
 この最大級の災害の中で、見事な団結力で乗り切ろうとしている日本を誇りに思います。地震大国、台風大国、自然の大災害と共に生きて来た中で、今迄培ってきた知恵、技術、そして日本の精神性の総大勢を発揮する時です。被災地でまだ救出されていない方、現地にいる被災者、救出、復旧作業にあたっている方たち、命を顧みずに原発の対応にあたっている方達の無事を祈るばかりです。被災に合わなかった私たちは、歯がゆいばかりですが、今は募金、節電、祈り、秩序を保ち、日常を元気に過ごす事により今後の経済活動に貢献するのが一番だと思います。この惨事が少し落ちついてから、また出来る事をそれぞれしていけば良いのだと思います。今は、皆さんそれぞれ自分の身の安全を第一に考えて、健康な身体は財産ですからそれをもって、今後役立てて頑張れば良いのだと思います。
 日本は、今回身を呈して原発の危険性を世界中に知らせました。今回の災害で、すでにドイツやスイスは原発廃止に向っています。日本のこの災害がある意味、他の国を救っていると言えます。ですから、ここは色々不便があっても頑張って乗り切りましょう。必ず乗り越えられますから。日本の底力を見せましょう! 頑張りましょうね!!

■ALEX FROM TOKYO
 日本の大切な友人や家族でもある皆さんへ、
 今回の大地震で、仙台、宮城と岩手の東北の皆さんをはじめ、心から日本の皆さんに強い思いと祈りをお届けします! 皆さんがまず無事であるように祈っています。
 今回の悲劇で、皆さんが、力強く、お互いに助け合って、冷静に、前向きに動いて一つ一つ対応していることがとても素晴らしく感じていて、本当に感動しています!
 遠くNYCから自分が力とヘルプ不足であることに対して非常にフラストレーションと怒りを感じています。こういったつらい時こそ、皆さんと一緒に居たいからです。皆さんが自分の心の奥にいつもいて、決して一人でいないことを実感してもらいたいです!
 ここ数日間はとても厳しい状況が続くと見られます。確実ではない原子力発電所と放射能の問題がとても危険で気になります。準備して下さい。愛している国である日本の状況に関してとても心配です。
 直ぐに大切な家族と友人と連絡を取り合って、一緒に集まって、頑張って、くれぐれも気を付けて下さい!
 そして、現在、海外と日本からまず具体的に出来ることは東北や被災した人達が一番必要とされる募金をすることです。
 東京のTiny VoiceProduction音楽スタジオが作成した多くの日本の音楽関係の人たちが寄付しているJustgivingでの募金グループをオススメします: https://justgiving.jp/c/1729
 どうぞ皆さんの周りで広めて下さい!
 何か僕の方で出来ることがありましたら、www.alexfromtokyo.comまでメールして下さい。
 皆さんに早く会えるの楽しみにしてます。
 頑張りましょう!

 I am YOUR japanese brother forever!
 All my love from NYC

■world's end girlfriend
 抵抗と祝福を。どんなに姿形を変えながらでもあなたの夢がいつかきっと叶いますように。

■Eccy
 気が滅入るようなニュースも多いけど、みんな負けずに、またいままでのようにPartyを楽しむことを考えましょう!!! 人を責めずにいま自分が出来ることをやろう。

■Q'HEY [MOON AGE / REBOOT]
 ボクはShin Nishimuraとともに「BPM Japan - Be Positive by Music Japan -」というプロジェクトを立ち上げ、チャリティー・コンピレーション・アルバムを作ることにしました。以下が暫定的な内容です。
・日本をはじめ、世界の有志のDJ/アーティストに楽曲を提供してもらい、コンパイルする。
・迅速かつ効果的に世界にアピールすると同時に、素早く売上を回収するために、Beatportからの発売とする(CDでは売上の回収に時間を要する)。
・レーベルが受け取る売上金は、全て東北地方太平洋沖地震の被災者への義援金として寄付する。
・寄付先は精査の上決定する。金額等は流れも透明になるよう公開する。
・Beatportにもバナー設置、メーリングリストでのピックアップ等の協力を仰ぐと共に、売上金の寄付もお願いする。
・また提供していただく曲は、アーティスト本人がコピーライトをコントロールできるものに限る。
・集まった曲数によっては、PART 2、PART 3といった形で分割でのリリースしていく。
 なお、現在までに参加を表明してくれているアーティストは以下の通りです。
※海外アーティスト
Hardfoor Planetary Assault Systems Marco Bailey Mijk van Dijk Tom Hades Loco & Jam Axel Karakasis Alex Bau Monika Kruse Toktok Thomas Schumacher Cristian Varela Redhead Dave DK Dominik Eulberg Joel Mull Jerome Sydenham Frank Muller Pascal FEOS Spektre Gabriel Ananda Steve Rachmad Housemeister DJ Hi-Shock Frank Lorber Mathew Jonson Oxia   
※日本人アーティスト
Ken Ishii A.Mochi Ko Kimura Sugiurumn OMB + Tomomi Ukumori Amiga Hideo Kobayashi Dr.Shingo Akiko Kiyama Salmon
・ダンス・ミュージックで日本を元気にしよう!

■Gold Panda
Just to say that the world is closely watching and we're all very worried here about you but sending you our love and wishes.

■三田 格
 ひと駅違いで計画停電のエリアに組み込まれ、朝になって電池を探しに行ったものの、もはやどこにも見当たらない。しばらく歩いてみたら、普段は使ったことがないスーパーマーケットがちょうど店を開け、沢山の人が詰めかけてきた。もしかして電池が......と思って僕もなかに入ってみると、人々が保存食を中心にありとあらゆるものを買い漁っている。ついでだと思って僕も少しばかり夕飯の買い物をする。そして、長蛇の列に並ぶ。僕の2人前にいたお婆さんは小さなパンとキャベツしか買っていない。それ以外のほとんどの人は商品を山のように盛り上げて列に並んでいる。この人たちはきっと自分も被災地にいるような気分にひたっているだけだろう。興奮が捻じ曲がっている。後から店に入ってきた人たちはその様子を見てパッと顔を輝かせる。興奮が興奮を呼んでいく。
 理路整然とした日本人の行動は各国から賞賛を浴びている。暴動もなければ店の打ち壊しもない。誰かをぶん殴りたい衝動にかられている人もいたかもしれないし、誘導などの不手際があれば怒りをぶつけたい人もいなかったとは思えない。しかし、メディアを見る限り、難民と化した人たちは感情さえ自由に発露させているとは思えない。耐えている。受け入れようとしている。あるいは泣き声を殺している。
 東京で食料品を買い込んでいる人たちは、それだけのことができる経済力を有している人たちなのだろう。彼らは暴動を起こしたわけではないけれど、お金に猛威を震わせることで似たようなことをしているとしか僕には見えなかった。買って、買って、買い倒していく。もう少し物資が少なければ誰かをぶん殴り、店員に怒りをぶつけだす人も出て来たに違いない。これを見て日本人の行動が各国から賞賛を浴びるとは思えない。それともレジには整然と並んでいたので、やはり賞賛されるのだろうか。彼らのなかには被災地に募金をしている人もいるだろう。心からの同情でそのようにした人もいるだろう。それとこれとは別なのだろう。多額の募金をすることも、沢山の食料品を買い込むことも、どちらも僕にはできない芸当だということでしかない。そのようなことができるように僕はいままで鍛錬を積んでこなかったと思うしかない。
 もしも自分には何もできないといって落ち込んでいる人がいたら、僕はこう言ってあげたい。何もできなくて当たり前だよと。できることがあるという人はそれだけで素晴らしいと思うけれど、何もできない人がやれることは「何もできない」と強く思うこと、そして、何もできなかった自分と生きていくことぐらい。仕方がないよ。何もできなかったことは自分だけの秘密にしておけばいいのさ。
(追記 でも、頭を使うことはできるよね。僕がひとつ考えたのは日本中の自動販売機を全部、使用禁止にすること。日本にある自動販売機をすべて動かすためには原子炉がちょうど一基分、必要だと聞いたことがあり、欧米にそれがほとんどないのは組合が労働力を守っているからだという。つまり、缶ジュースなどをすべて手売りにすることで雇用も増えるはずだし、外国で水などを買う時には何か会話をしないといけないように街中でのコミュニケーションが増えるという利点もついてくるのではないかと。考えなければいけないのはいままで自動販売機を製造していた工場などに仕事がなくなってしまうから、その人たちが代わりに何をつくったらいいかを考えること。それは次の人が考えて下さい......もう計画停電の時間になってしまうから......)

■QN from SIMI LAB
冷たさを知らなければ温かさを解らない。
痛さを知らなければ安らぎを味わえない。
悲しさを知らなければ喜びを感じられない。
この震災がたくさんの人に冷たさ、痛さ、悲しさを与えたのなら、
それ以上にたくさんの人がたくさんの温かさ、安らぎ、喜びを感じれる事を祈ります。

■Brendan A. (Eskmo)
To the people of Japan, all of you are in our thoughts over here in the US. Those of us who can help are sending money and constant prayers to the families effected by the recent events. The video of you working together, staying strong and looking to the future is very inspirational to us out here.
Blessings,

■DJ WADA
 震災で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 亡くなられた方のご冥福を深くお祈りします。
 今私たちは大変な時期を迎えています。
 みんなの愛で新しい復興のイメージを作っていきましょう。

■DE DE MOUSE
 きっと美しい花が咲きます。

■NOBU
 日本国民が助け合い苦しみを分かち合い新しい価値観で再出発する時がきたと思います。
 みんなの気持ちひとつひとつが本当に大切なものです。そして早くみんなが笑えるように!

■EYE
 こういう状況で待ってました! とばかりに踊りだすんが不安、恐怖の類い。勘違いして、そのパーティに行かへんように。常薄氷上、謙虚失即氷裂更広。人和謝。

■Jeff Mills
 I've been to Sendai many times; it is a beautiful place and it is sad to know this is happening there. Japan has been supporting me throughout my career and I like to offer my support in return in this difficult time.
My sincere prayers go out to all those that have suffered and are affected by this natural disaster. I'm are confident that Japan will rise above and surpass this crisis. Stay strong.
 「仙台には何度か(プレイしに)行ったことがあります。美しい街なのに、このような被害にあって残念です。日本の人たちは僕のキャリアを通してずっと僕を応援してくれています。今度はこの大変なときに僕ができるかぎりのサポートをお返ししたい。今回の震災で被害にあったすべての方たちに心からお見舞い申し上げます。日本はこの危機を乗り越えて復活していくと信じています。Stay Strong」

■PUNPEE
 今、日本中が不安の下で暮らしていると思います。でもそれでネガティヴになれば不安は大きくなるばかりです。自分に出来ることを考えて前向きに今、かんじてる気持ちは一生忘れずにポジティヴに。
 あと被災者の方々や周りの友達を心配におもうのはもちろんです。ですが自分のからだにもあまり無理はしないでくださいね。
 自分は音楽に人生を助けられてきました。なのでそれを使って不安な人を元気にさせられたらと思うっす。

■水越真紀
 3月11日の夜、あたしはひとりで都心を歩いていた。
 外国のメディアでは日本人の節度や道徳心やらが賞賛されていて、テレビや新聞は誇らしげにそれを紹介しているけれど、あの夜同じ道を歩いていた人たちからは、たくさんの外国語が聞こえていた。むしろ元気に話しながら歩いてる人達の言葉の多くは外国語だった。賞賛あるいは驚きは、「日本人」ではなくて、これだけたくさんのいろんな人達が暮らしていて、私も住んでいるこの社会に対してのものなのだと、街にいる人達は知ってる。新橋から本駒込まで。全然たいした距離を歩いたわけではなかったけれど、歩いている最中も歩き終わってからも、たくさんの職業的使命感や見知らぬ言葉で笑う声や人間的な思いやりに、心細く歩いていた私は助けてもらってた。
 翌日家についてから、「なにもできない」という思いがたくさん呟かれてるのを見た、聞いた。「なにもできない」「なにもできない」――助けてもらった私の中にも繰り返し渦巻いてた。そして繰り返すうち、「なにもできない」は「なにかをしたい」と同じ意味だって分かってくる。
 「なにもできない」から弾ける「なにかをしたい」があちこちで飛び跳ね始めてる。「したい」という欲望こそ生きる力だ。そして「できない」という苦しみはその卵たちだ。
 不安はたくさんあるけれど、みんなできっと生き残ろう。「できない」と「したい」を行ったり来たりしながら。きっと生き残って、助けてもらったことを誰かに話したいと思っている。

■Mad Mike 040 UR
In times of great trouble and despair when i need my spirit lifted i listen to Marvin Gaye & Tammi Terrel "Aint no Mountain high Enough" this music gives me the strength to carry on. Find your favorite song and ask it for the strength to carry on and realize the true power of music. It will when everything else cant.
also this is a quote from Electrifying Mojo that i use all the time for trouble times!! "When you feel you are nearing the end of your rope, dont slide off, just tie a knot and hang on. And remember aint nobody bad like you!!!" *wisdom for survival taken from "The Mental Machine" Electrifying Mojo
 とてつもない困難と絶望に直面する時、オレは自分を元気づけるために、マーヴィン・ゲイとタミー・テレルが唄う「エイン・ノー・マウンテン・ハイ・エナフ(越えられない山はない)」を聴く。この曲が、オレに、前を向いて進み続ける力をくれる。ぜひ、みんなも、自分自身を鼓舞してくれる音楽を見つけてください。そして、他の何物にも代え難い、音楽の素晴らしい力に気付いてください。
 そして、これは自分がつらいときに助けてもらっている一節、敬愛するエレクトリファイン・モジョの引用です。『キミを支えるロープの終わりが近くなってきた感じたときは、滑って手を離さなくてもいいように、小さくてもいいから結び目を作って、しっかり持ちこたえるんだ。そして、自分より悪い状況の奴なんかいないと(前向きに)思い出してがんばるんだ !!!』

■Chuck Gibson a.k.a Perception 041 UR/ Hitechfunk
To all my Japanese friends and families, my heart hurts with grief. Each person that has lost someone, mother, dad, son, daughter, uncle, auntie, gran, grandad etc, I'm thinking of you praying that you will find some comfort knowing that this our world is all behind you and your families. Loving prayers and healing energy to all in Japan. Words are simply not adequate enough. I will see you soon. Love.
 日本にいるすべての友人と家族のように親しく思う人々へ、今、僕の心は悲しみに溢れています。みんながそれぞれの大事な人、お母さん、お父さん、子供たち、おじさん、おばさん、おじいさん、おばあさんを亡くされたと思うといたたまれない。ただ、ただ、みんなが少しでも気持ちが安らぐように、この世界全体が、世界の人々みんなが、今、あなたたちのために祈っていることを知って欲しい。愛の祈りと、癒しの力を日本にいるみんなへ。言うのは簡単で、決して十分ではないのだろうけれど...。近く、みんなに会える日を楽しみにしています。

■ Lenny and Lawrence Burden / Octave One
To our friends and family in Japan, our love and thoughts are with you. We are hoping for better days for all of you. We shall return again to see you soon and we share our love with music again. Regards,
 日本にいる友達と家族へ、僕らの愛と心は、みんなと共ににあります。みんなに良き日々が、少しでも早く訪れますように。近い将来、きっと、みんなの元に駆けつけて、愛と音楽に溢れた時間を再び持てますように。

■Santiago Salazar / ICAN Productions.
to all the victims in Japan. My heart goes out to you. I hope and pray that  日本の被災者の皆さんへ、僕の心は、あなたたちと共にあります。皆さんの日常が、少しでも早く、元のように戻りますように。神のご加護を。

※Mad Mike 、Chuck Gibson、Octave One、Santiago Salazar からのメッセージはUnderground Galleryから転載させていただきまました。

■E-JIMA(DISC SHOP ZERO)
 みなさん、元気ですか?
 僕も不安は大きいですが、自分の子供たちに支えられながら(子供たちのなんと無邪気なことか!)、家族と日々を送っています。多くのレコード・ショップもそうでしょうが、僕のDISC SHOP ZERO(東京・下北沢)も、いくつかの商品は陳列棚から落ちたりはしたものの、大きな被害はありませんでした。現在、店はひとまず明るい時間帯はつとめて営業しようと考えています。(店頭だけでなく、通販のご注文でも)「店」という場所が、レコードを売るだけでなく、音楽を介して人と交流できる場所なんだなと、当たり前のことを強く実感して、逆に勇気づけられています。
 この週末に東京と大阪でギグをする予定だったSMITH & MIGHTYのROB SMITH a.k.a. RSDから、日本、そして東京・東北の皆さんにメッセージが届きました。彼は今、大阪にいます。 https://discshopzero.blog63.fc2.com/blog-entry-796.html
 ZEROは13時から、外が明るい時間帯は営業をしています(詳細はお問い合わせを)。もし、独りでいるのは不安だという人(僕もです)、無性に音楽を聴きたいという人はどうぞ店に足を運んでください。最新入荷は「スマイル(0円)」です。髭面の坊主のオッサンですが。
 keep Good Energy, then things Go In A Good Way....

■二木 信
 まったく言葉が浮かんでこない。なんと言えばいいのだろうか。不安と恐怖でうろたえている。どこかに逃げ出したい気持ちで、いても立ってもいられない瞬間がある。自分の弱さを痛感している。昨夜、地震が起きてからはじめて友だちと会って酒を飲んで、焼き鳥を食った(この自分が酒を飲むことすら忘れていたのだ!)。家に帰って来て、音楽を聴きながら、明け方までああでもない、こうでもないと語り明かした。久々に酔っぱらった。答えは出なかったけど、ああ、大丈夫だ、この感じだ。戻ってきた。やっと動き出せるぞ。

■長谷川賢司(gallery / 音楽実験室 新世界)
 被災された方々へ、心よりお見舞い申し上げます。

 今、ele-kingをご覧の皆様へ
 謹んでメッセージを送らせていただきます。

 音楽好きはみんなで力を合わせよう
 音楽好きが音楽からもらった
 果てしない力を伝えよう

 ライフ イズ ミュージック

 音を発し、音を感じ
 楽しい夢の続きを描いていきましょう。

 音楽があるから
 音楽とともに

■Jonny Nash (Discossession)
I am deeply shocked and saddened by recent events in Japan. My thoughts and prayers are with everyone in this difficult time.

■Chee (Discossession)
 とてつもない悲しみとやり場のない怒りで、今も頭の中はぐちゃぐ ちゃです。まともに音楽を聴く気にもならなかったけど、仕事がら 聴かないわけにもいかず。でも、いざ聴いてみると、いつもどおり 心に響いてきました。気持ちを落ち着かせてくれました。正直、今 の自分に何ができるのかよくわからないけど、自分が正しいと思っ たことをしたいと思います。被災された方々の一刻も早い救済と復 興を願っています。

■鴨田潤(イルリメ)
 被災にあわれた方々が今も被害や不安と向き合い頑張っている事や、被災地に行方不明者や家族、親戚、恋人や友人がいる人の辛さ、不安な情報ばかりが入ってきて暗くなってる人、周囲を監視する過敏な雰囲気に鬱屈している人、様々な人の心身を考えると頭がいっぱいになり悲しくなりますが、いやいや被害の少なかった自分がそんな事でどうするんだ、だからこそやらなきゃいけ無い事があるやろ、と奮いたたせながら今これを書いています。
 95年1月17日の阪神淡路大震災で被害にあった街が復興される過程や「がんばろう神戸」とスローガンを掲げて再び同じ場所で生活するんだと生きる姿に励まされた自分はこのカクバリズムのこれからと共に、被災地と長く向きあう事が出来れば思います。勿論個人で出来る事もしていこうと思ってるので皆さん頑張って下さい!
 ほとんど毎日聴いていた曲が今、聴けない事態になり、そういえばと探して聴くと改めていいじゃないかと思ってる曲「ウキウキWACHING」それがまた何時か、何時もの様に何時もの時間で皆が、当たり前の様、聴き流せる日常が来る時、それを再び取り戻せる様、頑張りましょう!
 きっと明日はいいトモロー。
https://www.kakubarhythm.com/ysigblog/archives/...

■Kihira Naoki
 みんなのエネルギーは地震や原発よりも強し! 未来はその無害なみんなのエネルギーで作ろう。

■Monika Kruse

■タケイ・グッドマン
 世田谷区砧公園付近に暮らしています。
 各地で震えてる人、希望を信じて 救助や復旧活動にあたって下さってる勇敢な方々、胸が張り裂けそうな思いでここ砧公園から応援していますよ!
 ここから見える東名高速道路を通っておそらく北上していく数百台(!!)もの緊急救急車両達の大行列が通るたび思わず家族全 員で精一杯 無事を祈って声援を送っています。
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 3/18_AM9:00
「ニコニコしながら街歩き運動」実施。
 さきほど早朝から ガラ縲怎骭€......となったここ世田谷/砧公園 をこの時期にあえて散歩。すれちがった近所の(別々の)お年寄り3人と世間話をしてきました。みなさんこのご時世話の種は尽きませんね。しかしさすが幾多の御苦難を乗り越えてきたご年配方しっかりしてらっしゃる。それぞれみなさんとても元気でした。でも普段はお互い会釈程度の朝の散歩ですがみんなやっぱ不安なのかな......しゃべるしゃべる。「江戸っ子の屁の突っ張り」っていうんですかね、東京の人のそういう「照れ隠し」みたいな感覚がチャーミングで好きです。安心させようとしたこっちが安心させられてしまった。
......こんな状況ならではのひとコマでした。
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 西日本に在住の方々へ
 あなたがたひとりひとりの最大限の救済の手や心がいたるところで必要とされています。今こそ日本中の人たちが無償の愛を実らせるときです。ひとつになれれば希望の光がより早くはっきり見えてくる事だけは 間違いありません。ひとつになれれば......。
 All Together Now!

■Steve Hillage & Miquette Giraudy - System 7
We love Japan and we love the Japanese people. You have been a great inspiration to us for many years and you are a great inspiration to us now in the way you are dealing with extraordinary crisis. We give you our maximum positivity and support 竏驤€ with special wishes to our Japanese friends and family. Please keep strong.

■G.RINA
 被災地で力を尽くしているひと、苦難に耐えているひと、かわらぬ日常を歩もうとしているひと。哀しみや無力感、それを克服しようとすること。この日々にもたのしみをみつけていこうとすること。すべての営みが良い未来へつながるよう祈っています。
 どんな困難なときも、つねにこの美しい厳しい自然とともに歩んできたわたしたちには、わたしたちにしか創造できない未来があると思うのです。元通りの絵にはなりようがない。自然に逆らうこともできない。でも経験に学ぶこと、より住み良い世界がどんなものであるか手を携えて想像し続けることが、生きているわたしたち全員に託された仕事だと感じています。

■Likkle Mai
 今回の震災で被災された方々に慎んでお見舞い申し上げます。
 私の故郷岩手県宮古市も壊滅的な被害を受けました。
 事の甚大さを痛感し胸が締め付けられる思いです。

 しかし下を向いてばかりではいられません。
 被災地から離れた私達はもはや被害の当事者です(放射能汚染の危惧、経済的被害など)。
 覚悟を決めて責任ある行動をとる必要があります。

 私はRoots Reggaeから生きる力を与えられ、この世の本質・真理を学んだ人間。
 このような状況にこそ、より響く音楽です。
 私もRoots Reggaeのシンガーとして1人でも多くの方を支え励ましたいと思います。
 Roots Reggaeの名の下に......「諦めるな、立ち上がろう!!」

■五所純子
 絶えることなく漏電しよう、自らの躊躇と無力と想像を。
 そうしてあなたもあたしも滅びることなく。
 うろたえよう、端然と。
 生き残ろう、堂々と。

■手塚るみ子(MusicRobita主宰/プランニングプロデューサー)
 まずは今回の震災で被害に遭われた方に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 あまりにショッキングな出来事が次々と起こり、その衝撃に翻弄され、心打ち砕かれ感受性と三半規管がおかしくなっています。けれどそれでも狂わずに心を強くもち、生きようとしている皆がいること。日本人であることが、何より「誇り」であり、大きな力を生み出していると思います。
 子供の頃から、父の漫画を読んで育った自分は、今あらためて『火の鳥』に描かれた人間へのメッセージを感じています。火の鳥は私たち人類の愚行を強く何度も断罪します。滅亡の果て、絶望の淵にある人間の前に現れ、さらに追い討ちをかけるように、別の次元で生きなければならない。また一歩を踏み出さねばならないことを強いるのです。「これでもまだ生きろというのか?!」と、打ちのめされた人類にとって、それは惨い仕打ちかもしれません。けれどたとえ人類が苦しもうとも、火の鳥はそうしてくり返し、新たな道へ進む機会を与えるのです。厳しいながらも、火の鳥は最後まで人類に希望をもっています。見捨てず、むしろ僅かでも期待をもっているのです。たったひとつの生命がある限り、世界は終わらない。いつの日か、やり直せることを願って、私たちを信じているのです。
 火の鳥は燃え盛る炎に身を投じて蘇ります。その身を一度焼いて、再び新たな活力に満ちた鳥となって蘇るのです。『火の鳥』の作中に、赤い炎のなかで、小さな赤い鳥が生きる悦びに溢れ、舞い踊る姿がありました。おそらく今、日本中の誰もが、心のなかに赤い小さな鳥をもち、再び目覚め踊り羽ばたく時を待っているんだと思います。そして今日は明日の為に、明日は未来の為に、くり返しくり返し、生きる。生きていきましょう。

■野田 努
 ここ数日で恐怖の対象は地震から原発へと変わった。福島原発から200キロも離れて、僕のように東京で暮らしている人でさえもその恐怖に晒されている。
 UKでは、ヒップホップ/R&Bのことをときとしてアーバン・ミュージックというタームで括る。アーバン(urban)の語源は、ラテン語のurbs(ウルブス)から来ている。ウルブスとは都城ないしは城郭都市を意味する。つまり何らかの政治的な力によって囲まれたエリア。すなわちアーバン・ミュージックとは、何らかの理由があってそこにとどまらざるをえない者たちが作る音楽。
 3月20日日曜日の夜、ele-king TV@DOMMUNEはアーバン・ミュージックを放映する予定。

■ECD
 生き残ったことへのうしろめたさに押しつぶされることのないように。

■tomad
 まだ状況は良くわからないし、把握できてない。
 だから不安になるのはしょうがない。
 けどそこから少しずつ進んでいくために
 僕らの少しの音楽が役に立つならば幸いです。

■Dave(2562)
When I saw the first images on the news last week I couldn't believe this was happening live, let alone in Japan where I had experienced another wonderful visit only two months ago, with nothing but positivity from so many sweet people I met. My thoughts are with you, I wish everyone in Japan who's going through rough times right now all strength and spirit needed to overcome this. Much love,
 先週のニュースでの映像を初めて見た時、僕はそこで起きていることを信じることが出来なかった。たった2か月前、たくさんの人と会って、みんなポジティブで素晴らしい滞在をしたばかりなのに......。いつも君たちのことを思っています。今つらい時を過ごしている日本のみんなに、この時を乗り越える力と魂を祈ります。

■Greg G(7even) & Yusaku Shigeyasu
 This earthquake brought incredible tragedy to a lot of people. Nothing compare to this but when we were in tragedy, we have been healed by power from people' gathering in great music. The more people gather, the more power. Now a lot of people are sending huge power to you. Everything is gonna be alright soon. /
 今回の地震は多くの人に信じられないほどの悲劇をもたらした。比較にもできないけど、つらい時、僕らは素晴らしい音楽を通じて集う人たちの力に何度も救われてきた。多くの人が集まれば、その力も強くなる。今、多くの人がみんなに力を送ってる。きっとすぐによくなる。

■Kuranaka 1945 (Zettai-Mu)
 昇らない太陽が無いように
 来ない春が無いように
 この雲の隙間から陽がさすのを
 踏まれても踏まれても
 上を向いて咲くタンポンポンの花のように
 待ちたいと思う

 人はそれぞれだから、全然、万人には当てはまらないけど
 今は、自分は、なるべく普段通りの生活をしようと思う

 そして、今後迎えるだろう変革の中
 既存の利権に纏わりつく奴らはこれ迄以上に必死になるだろう

 新たなギミックや巧妙な手法にも欺かれる事無く
 必要以上の欲を駆り立てられる事無く
 今抱える不満や怒りは薄れる事無く

 耳をすまし目を懲らして
 プライドを持って共存出来る
 未来を考え歩みたいと思う

 犠牲者の方々に心からの追悼の念と
 被災者の皆さまには心からのお見舞いを、
 救援救援に務められている方々の努力には深く敬意を
 京都より、心より、

■Charles/ Technasia
I am truly devastated by the event that occurred in the north east region of Japan. I shed many tears when watching those terrifying images rotating on every TV channels: desolation, chaos, which left the inhabitants of the affected areas in such emptiness and despair... My heart and thoughts go indeed first to the family and friends of the victims.

Japan has faced and overcome many tragedies throughout its history, and it will prevail over that one as well, because Japanese people are strong and stand together, and because in every tears lies hope.

■植本一子(フォトグラファー)
 私は今、子ども達と一緒に広島へ帰省している。「働けECD」には、実家に戻った事をすぐに書くべきか迷っていた。東京が混乱しているのは身をもって感じていたので、少なからず読む人に悪い影響があるのではないかと心配があった。もちろん、私達がどう思われるか不安も。帰省して次の日、石田さんがYouTubeに新曲を上げた。その曲に偽りは一つも無かった。自分が恥ずかしかった。改めて、この人とまだまだ一緒に生きていきたい、そう強く思った。

■坂井田裕紀(POPGROUP代表取締役)
 このたびは東北関東大震災により、被害に遭われた皆様には、心からお悔みならびにお見舞いを申し上げます。特に上手な文章をかける訳ではないのですが、僕/POPGROUPの思いを文章にしてみました。伝わりづらい所があるかも知れませんが、最後まで読んで頂ければ幸いです。

 3.11から色んな事を考えながらUSTREAMを見たりツイッターで最新の災害の動きを確認しながら、通常の業務をおこなっています。色々な意見/情報が飛び交う中、自分がどういう行動をとればいいのか、色んな考えがぐるぐると行ったり来たりを繰り返しています。
 とは言え、僕らは生活するのに何も問題なく元気です。食事も睡眠もしっかりとれる。そんな自分が何も行動しないのは、被災者の方々の事を何も考えていない、ただ怯えているだけだと思いました。僕は甘え過ぎ。
 過酷すぎる環境で、死を現実として覚悟する環境にいる人達の事を考えると、今僕らができる事は、音楽の力を信じて希望を持って、止まらず前に進む事しかないと思いました。

 "HOPE"
 希望を持つ事
 あきらめない事
 進む事
 止まらない事
 1人ではない事
 未来がある事
 助け合う事
 信じる事

 大変なのはこれからです。希望をもって少しづつでいいから前に進む事、決して止まらない事が微力だけど僕らのできる大切な事です。
 POPGROUPのリリースは、予定を変更する事なく下記のリリースを延期させる事なく進めます。
 3/23(水) DJ BAKU『POPGROUP Presents, KAIKOO "Human Being"』
 4/20(水) 環ROY『あっちとこっち』
 5/18(水) あらかじめ決められた恋人達へ 『CALLING』
 来週よりPOPGROUP × TOWER RECORDSの、KAIKOOの5周年を記念しての3ヶ月連続キャンペーンも開催します。こういう時にこそ、音楽の力を信じ、音楽で精神的にも経済的にも被災地の方々を助ける事ができればと思っています。
 売上げからの募金も考えております。音楽活動で生計を立てている僕らにとっても、CDのセールスの減少は避ける事のできない事実だと思っています。その為、小額の寄付にはなってしまう可能性はありますが、できる限り最大限の寄付をしようと思います。アーティスト達とも色々話しをしました。みんな前向きです。お互い助け合って止まらず進んでいく覚悟でいます。基本的にリリース日は変更しませんが、プレス業者/印刷業者/配送業者さんの被災の影響で、リリーススケジュールが遅れる可能性もあります。最新情報はオフィシャルサイトにアップしますのでご覧下さい。
 一歩一歩進めて行きましょう。出来る事からすこしづつ。続けましょう。

■坂本慎太郎
 コメント、難しいです。
 言葉にするとすべて何か違う気がして......。
 以下、昨年5月に作った歌詞ですが、今の自分の心境に一番近い気がするのでコメントの代わりに、転記させていただきます。

 「続きを」

 もう朝 夜は あっという間 あける
 さあ まだ まだ やってみよう
 今から おきる ありとあらゆる現実を
 全部見て 目に 焼き付けよう

 ただの空 ただの雲 ただの見慣れた町
 ただの路地 ただの角 すべてがなぜかまぶしい

 続きを あなたと
 続きを もっと見たい
 続きを 最後まで
 続きを 見とどけたい

 涙の 日々は たった今終わる
 さあ 来て 来て やってみよう
 今目の前の わけのわからぬ現実を
 全部そのまま 受け入れよう

 なぜか空 なぜか雲 なぜか見慣れた町
 なぜか路地 なぜか角 すべてが意味を持ち出す

 続きを あなたと
 続きを もっと見たい
 続きを 最後まで
 続きを 見とどけたい
 続きを たとえば
 続きを 悲劇でも
 続きを あ~
 続きを 目をそらさず

■ロベルト・カルロス・ラング(エプステイン/ヘラド・ネグロ)
Japan brothers and sisters. My heart goes out to you and im here if you need anything.

■七尾旅人
義援金募集のために配信サイト、
DIY HEARTSを立ち上げました。
https://www.tavito.net/
僕たち音楽家に何が出来るのか?
容易に答えは出ないでしょう。

音楽は無力です。
でも音楽は片時もここを離れません。
空気をふるわせ、存在し続けます。
一曲ごとに、一小節ごとに、一拍ごとに、一秒ごとに、
全ての皆さんへ、
絶え間ない幸運が、注ぎますように。

■Abdullah Qadim Haqq
In times of tragedy and despair, the best elements of humanity come out. Sympathy, mercy, grace and hope are all felt and shared among the people. Instead of spirits becoming dim and being blown out, they shine, becoming brighter than ever before.

May your spirit shine in the midst of this disaster.

I hope this is okay. Let me know what you think.
I hope you and your family are doing okay. Please let me know your situation.

Heiwa,

■三毛猫ホームレスから
失われたものも、我々も、生き続けるに決まってるじゃないか。此処か其処かの違いしかない。

■Hell
My heart is bleeding when i follow the news- every day.i hope that Japanese people will overcome this tragedy in the very near future.
Power to people from the land of the rising sun.
Love

■テツジ・タナカ
 とてつもない悲しみや苦労が渦巻いたこの二週間で、局面は原発と食品汚染へ。被災した福島の弟がさらに心配になる。日々、信じられない報道が繰り返されるなか、命懸けで救済している人たちに心から敬意を評します。失われたものは、もう帰ってこない。だが、祈り、希望を持ち、1日1日、今日よりも良くなる事を強く願っている。また東北にポジティヴな音楽の輪が広がるまで....。
 最後に、福島のLOUD HAILERクルーや東北のジャングリストたちへ 「JAPANESE JUNGLIST'S NEVER DIE !!!」

※disk union渋谷クラブ・ミュージック・ショップなど各店で東日本大震災の募金箱設置しております。ご来店の際は、義援金のご協力お願い申し上げます。

■掟ポルシェ
 先日、東京を離れるか家族と相談しました。自分が出した答えは、NOでした。嫁の実家の福岡は全くと言っていいほど被害がなく、我々を受け入れてくれると言ってくれています。お父さんお母さんもとても心配してくれています。でも、東京に住み続けようと決めました。何故なら、この土地を愛しているからです。生まれ育った北海道よりも長く住み続けたこの街はもう自分にとって故郷も同然で、捨て置くことなど考えられないのです。生まれ育った土地と同様に、もしかしたらそれ以上に、東京への郷土愛のようなものを持っていたことに、今回の震災で気付かされました。

 それは、今回の被災で住処を失った皆さんにとっても同じことだと思います。受けた被害が大きければ大きいほど、「この街が以前の姿を取り戻すまで離れるなんて出来ない」「この街が以前のように安全が保証されなくても住んでいたい」という気持ちになっているのではと思います。生まれ育った街が波に流され、瓦礫の山となってしまっても、捨てて出て行くことなんて出来ない。その心が意地でも復興させてやろうと人々を奮い立たせている。人間の意志の力の偉大さに涙が出ます。

 既に眼に見えない二次災害が襲ってきています。片時、いや、しばしの間、愛する土地を離れなければならないかもしれません。でも、生まれ育った町や村を愛する気持ちがあればきっとまた、戻ってくることが出来るはずです。避難生活を余儀なくされている方へ。きっとまた、戻ってこれます。人間には生き抜く力があります。きっと大丈夫です。

■湯山玲子(著述家、ディレクター)
 ツイッターを見る限り、本や映画で見知っていた、第二次世界大戦中の国民反応が、すべからく出揃ったのには驚いた。加えて、土地との抜き差しならぬ深い関係、村八分の恐怖、同調圧力など、そこを回避する生き方を選んだはずの個人も、この災害下には、それらに否応なく巻き込まれてしまうことに恐怖を感じた人も多かったのではないか。
 ひどく落ち込んだ時、悲惨な状況にあるときに、音楽が救いになる、というのは半分本当で半分は嘘。個人的にマックスだったときには、全く音楽を拒否していた耳も、今はもう普通に戻った。
 その端境期に何が心に浸みたかというと、お恥ずかしいがレゲエのロックステディとカウント・ベイシーのビッグバンド。前者はご存じあのジャンルのキモである、心臓の鼓動グルーヴの本気の効能、後者は、何というか、圧倒的に"光量"があって、「ええじゃないか、ええじゃないか」と、大音量のホーンアンサンブルに心を全身指圧されている気がしたものだった。(そして、ちょっと泣いた)
 今後の問題としては、言うまでもなく、原子力発電。
「日本は変わる」というスローガンを、観念的なものではなく、原子力発電からの離脱(すぐではなく順番でもいい)、という困難な具体でもって実現することはできないのか。経済損失を避けたいという経済評論家は、その損失の内容を示すべき。ユートピア発想やイデオロギーからではなく、もう、こっちはいろいろと体験中のリアルな問題なのだからさ。

■戸川純
 わたしは女優・歌手の戸川純という者です。
 この度の大震災における被災者の皆さん、東京にいて今のところ無事であるわたしにとって皆さんの悲しみ苦しみ不安は計り知れなく、またテレビで悪いほうへと刻々と変わり行くようなニュースを見ていると、自分がいかに非力であるかを思い知らされ、悔しいばかりです。右翼的発言と誤解されるのを恐れずに言えば、わたしは本来美しい海や森や山や畑などで彩られたこの国が大好きです。島国だから一丸になりやすいところもです。何年かかっても、またわたしの愛する、静寂も好む美しく平和なこの国は(本来、運動のような共同体意識は苦手だったのですが)一丸となって、必ずや復興を成し遂げると心から信じていますし、成し遂げなければならないと思っています。被災地の方々と被災地に対して、その他の都市部や地方の人が皆きっとそう思っていると思います。復興以前に、まずは今避難なさっている方々に、お悔やみとエールをお送りしたいです。わたしのような非力な個人でも、激しい危機感を持っています。今を乗り切ってどうか頑張ってください。わたしは、何の力もないくせにと自分が社会的なコメントをすることも、名前を出してのボランティア的なことをすることも、自分がなんだか偽善的で売名行為的なことをするようで避けてきたのですが、そんな人間でもこの度のことは「自分でも何かできないか」と思われるほど特別な重いことと受け止めているくらいだから、必ず日本中の人がなんとか力になりたいと思っているはずです。海外の各国の人たちも、今回のことでわたしたちにとてもやさしいですよ。将来的な利害関係のことを期待してとの見方もできますが、そういう意味であっても、世界にとってわたしたちの国は必要とされているのです。わたしは右翼的というより逆に、過去にこれほどインターナショナルな対象の国があっただろうかという驚きさえあるのです。被災地の皆さん、被害はこれからおさまっていくのか、今もこれからも被害がどうなっていくのか正直わたしにはさっぱりわからず、また正直わたしも地震と津波と原発についてはまだまだ不安ではあります。このように、かえって皆さんの不安を煽るようなことを言ってすみません。でもわたし自身注意を怠らないようにしているのです。皆さんもそうしていらっしゃると思いますが、体と心の健康を心よりお祈りしております。こういうコメントでよく外タレが使うわたしの苦手な締めくくりかたがあります。この度は本気と勇気を持って、その締めくくりかたをさせてください。押し付けがましく、うざかったらごめんなさい。ただの非力な個人ですが→愛してます。

■佐藤大(脚本家/ストーリーライダーズ)
 言葉をなくすというのは、こういうことなんだ。言葉で伝えられること、その無力さに打ちのめされた数週間でした。一瞬の圧倒的な力で失われた言葉。そんな時でも僕たちには音楽がありました。言葉で伝えることが難しい気持ちを音楽なら包み込んでくれる。そして物語として語るべき言葉は、まだまだずっと先にやってくるものだとも思います。そのときに力となるのは言葉。いま言葉は無力だけど、人が語ること知ること感じることでのちに大きな力となる。あの日、なくした言葉をいつの日か集めるため。言葉を使って声を出し歌うことや踊ることをあきらめないでいきたいと思います。何も遅すぎることはない。これからも日々の生活は続くのだから。

■DJ BAKU (POPGROUP)
 このたびは東北関東大震災により、被害に遭われた皆様には、心からお悔みならびにお見舞いを申し上げます。  僕は地震の1週間前に、はじめて福島のいわき市にDJで訪れました。地震発生から何日かして共演者の無事を確認しましたが、その時はいわきは避難の対象にはいっていなかったようなのですが、その後原発の避難範囲も広がり、今非常に心配です。仙台のお世話になったClub関係者、友人達とはmailですが安否を確認することができました。「みんな無事ですよ、家のないやつ続出!ですが友達の家で泊まったりしていますよー」なんていう内容ももらって思っていたよりも少し安心しました。今回の出来事は皆の人生を大きく変化させる重大な出来事だと思います。
 POPGROUPのWEBでも発表されましたが、3月中のDJ EVENT 5箇所は全てキャンセルとなりました、楽しみにしてくれていた方々には大変、申し訳ありません。EVENTの件で何人かから、連絡ももらいました、ごめんね、ありがとう数日、今何ができるのかを色々と考えましたが 僕は曲を作ることにしました。DJ KENTAROと共に様々なARTISTに声をかけているところです。完成はまだですが皆に届けばいいな、と思っています。
 様々な情報もいまだにとびかっているかと思いますが、もしも、たとえ、東京に放射能が広がっていったとしても東京で、頑張ろうと思います。気付くと、僕はあまりにも東京に思い入れがありすぎました。東京が好きだったことに気付きました。

■Dubfire (Ali Shirazinia)
My thoughts and prayers are with those who are suffering in the aftermath of the recent earthquake, tsunami and the alarming nuclear crisis which poses a potential long-term impact. The Japanese people deserve our support and financial aid so that they can begin to heal their people and rebuild their lives. They have shown such enormous hospitality on my every visit that I am compelled to return their kindness by pledging a donation, and I ask all of my peers to do what they can to help.

僕の思考と祈りは、潜在的に長きにわたり影響するであろう最近の地震、津波と切迫した核危機の余波で苦しんでいる人たちととにある。日本の人たちは、癒され、そして彼らの一生が立て直されるための援助を受けるに値する。彼らは僕が来日するたびによくしてくれたし、つねに歓迎してくれた。僕は彼らを援助し、そして彼らを助けるように僕の仲間すべてにお願いしている。

※なお、DOMMUNEでは義援金募集しています。→https://justgiving.jp/c/4443

(今後もコメントは、新しく届き次第、発表していきます)

The Strokes - ele-king

 ザ・ストロークス、中古市場を見渡せば、2001年8月にリリースされたデビュー・アルバム『イズ・ディス・イット』のUK(EU)オリジナル盤は、アナログ盤ならけっこうな高値で取引されている。CDにしたところで、定価の7掛けでも十分売れる。アナログの中古価格はゴーストのようなものだが、CDの値段というのは、そのアルバムの体力を測るにあたってなかなか有効な指標だ。CDの存在している作品のアナログ盤や、定価超えをしているようなものは、多くの場合コレクターズ・アイテムであるにすぎないとも言えるだろう。しかし中古CDがそれなりの値段で取引されているということは、単純に考えて、新たな層・新たな世代のリスナーを獲得し続けているということになる。しかも、リリース時にあれだけ売れた=市場に数多く出回ったにもかかわらず定価の7割をキープできているわけで、リスナーの期待や購買意欲が高いことまでが伝わってくる。アナログ盤が高額で、かつCDだと値のつかないものは、作品としてはいちど歴史的役割を終えたものだ。してみればザ・ストロークスの『イズ・ディス・イット』はまだまだ現役なのである。

 我々がこのバンドに期待しているものは何だろうか。ハイプというか、おぼっちゃんバンドとして揶揄されもしたのは、彼らが実際に富裕層が通う私立学校で出会ったという経緯があるからだが、それらを飄々とまたぎ越し、古風なロックンロールを洗練された手つきで鳴らしたことは、じつに鮮烈な登場の仕方であった。シャープで不敵でミニマルな、通称「尻ジャケ」には、有り余るような自信とクールさが表現されている。レイドバック志向の嫌味なやつら、という印象はなかった。むしろ「オルタナティヴ」という単語に実が伴わなくなり、ニュー・メタルやミクスチャーの飽和状態に象徴的に行き詰まりをみせていたロック・シーンに風穴を開け、あけすけにリセットをかけてしまった痛快なバンドとして、記憶にも歴史にも残ったのである。
 当時を知らなければ、想像してみていただきたい。日本で言うところの「中2病」的な懊悩や妄想を、メタリックなサウンドで煮詰めた音が主流を成していたシーンに、バンド名に「ザ」を冠してラフなガレージ・スタイルを持ち込んだ彼らの登場は、本当に鮮やかの一言に尽きる。後続するバンドたちが「ザ・リバティーンズ」だったり「ザ・クリブス」だったり「ザ・コーラル」だったりすることも史的に偶然ではあるまい。"ニュー・ヨーク・シティ・コップス"でみせた市警への挑発めいた批評は、この名曲がUS盤では収録されないという事態を招いたが、しかしこれが見事にニュー・ヨーク・シーンの復活を印象づけることにもなったし、アニマル・コレクティヴなどその後のニューヨークのシーンの隆盛に先鞭を付ける形で先の10年を伐り拓いたとも言えるだろう。何にもとらわれない態度やスマートな音楽を、デビュー作の記憶とともにずっと期待され続けている......その期待とともにサード・アルバムまですべて買ったという人も少なくないはずだ。

 だがこの4枚目はどうだろう。購入をためらわないだろうか。セカンド・アルバム以降が駄作とは言わないまでも、『イズ・ディス・イット』の信用で買っていた部分がある。このことは中古の相場にも如実に表れている。次に何をやるか、どう人びとの期待を裏切るか。図らずも課せられた大きすぎる課題にバンドが応えきれていたとは言いがたい。
 『ルーム・オン・ファイア』(2003年)の"レプティリア"などは支持の高い名曲だが、ジャケット・デザインを比べてみるだけでもファーストとはずいぶん違うのだ。思索的な調子を出しながらどこか焦点を欠いた、抽象的なイラストのセカンド・ジャケ。質の低下ではなく、迷走を予感させた。世間の期待するようなストロークス像を踏み越えよう、という意地のようなものを感じると同時に、それがうまく音に結びつかず、むしろジュリアン・カサブランカスという人の個人的な資質が膨張したようにも見えた。
 サード・アルバム『ファースト・インプレッションズ・オブ・アース』(2006年)ではさらにそうした傾向が深まり、なかが空洞なのに方法だけがプログレッシヴにマッスル化したような不思議な作品になった。ジャケットはもはや直線のみだ。そろそろ、このバンドに対する過剰な期待もやわらぐ頃合いである。

 私はしかし、これはバンドにとって良いことではないかと思う。ようやく本来のザ・ストロークスのサイズと向かい合う準備ができつつある。今作『エンジェル』は「それでも聴きたい」ファンが手にし、それなりに納得できる作品になっている。2曲めの"アンダー・カヴァー・オブ・ダークネス"などはデビュー作の感触に近く、ストロークス節が全開になったシャッフル・ナンバーだ。先行シングルでもあったこの曲だけを聴けば、腹を括って原点回帰したアルバムになっているのではないかと想像もするだろう。しかし全体としてはもうすこしぱらぱらとした、悪く言えば散漫な、良く言えばバリエーションのある作品になっている。
 "アンダー・カヴァー・オブ・ダークネス"に続く"トゥー・カインズ・オブ・ハピネス"のイントロなどは、まるで往事のMTVを眺めているかのようにゲートリヴァーブのきいたスネアが印象的で、曲自体もU2やヒューマン・リーグなどを彷彿させる80'Sマナー。さらにその次の"ユー・アー・ソー・ライト"はディーズ・ニュー・ピューリタンズとレディオヘッドのあいだをいくような、蟲惑的で呪術的なポスト・パンク・ナンバー。
 クレジットはすべて「ザ・ストロークス」となっているから、これまでのジュリアン主導の制作体制についてなんらかの見直しがあったのだろう。プロデューサーのガス・オバーグも、アルバート・ハモンドJr.のソロ作を手掛けた人物ではあるが、ストロークス自体は初であるはずだ。もちろんヴォーカルを執るのはジュリアンで、細かい節回しにいたってはパターンの少ないストロークスのことであるから、彼ららしさというのは十分に堪能できる。
 そう、ファンならば楽しめるし、1曲1曲のできも決して悪くないのだ。メンバーのソロ活動の中では、ファブリツィオ・モレッティのリトル・ジョイがなかなか渋いハワイアン・テイストを聴かせていて好きだったが、それぞれに音楽的趣向とそれを実現できるユニットがあることがはっきりしているいま、無理せずに取り組んで、気負いのない自然な作品が聴ければいちファンとしてはとくに文句はない。厳しめの評価が目立っているが、何度も再生して聴けるアルバムである。ゴールドやプラチナ・クラスのアーティスト、しかもいち時代を築いた存在として背負わされるプレッシャーを軽やかに無視してほしいものだ。そろそろ時間も経っている。
 相対的にいいストロークスなど聴きたくない、という人もいるかもしれない。しかしこのくらいのサイズで2、3年に1枚、瀟洒なアルバムを出してくれるのなら、往時のストロークスとのあいだに切断線を引きつつも、楽しみに購入しようと思う。「その後」のアルバムもきちんとフォローされる、めったにない器量を持ったバンドであることを証明していって欲しい。

Love Me Tender - ele-king

 ラヴ・ミー・テンダーは、喜ばしい発見のひとつだ。僕はある晩、夕方から飲みはじめ、そして3軒ハシゴした挙げ句、終電を逃し、渋谷から淡島通りを歩いていた。ポケットのなかにはいつの間にか1枚のCDが入っていた。そのCDがラヴ・ミー・テンダーのデビュー盤だが、それは円山町の小さなバーを飲み歩かなければ巡り会えなかったであろう作品だ。都会のなかの秘密の場所――それは残念ながら諸君がいくらネットで検索しても出てこない場所である――には、アウトサイダーたちのさまざまな人生が集まる。そこには濃密な言葉があり、感情がある。絶え間ない夢があり、ハウスからソウルまで、さまざまなグッド・ミュージックがある。

 ラヴ・ミー・テンダーは、スペース3のドラッギーなファンタジーとそのパロディ、あるいは地下に潜ったサマー・オブ・ラヴとドリーム・ポップとのあいだで鳴っている。『Fresh!』はつい最近リリースされた彼らのデビュー・ミニ・アルバムで、収録された5曲からこのバンドの音楽のいくつかの側面が聴ける。
 1曲目の"シャーマン青春サイケ"は、ストーン・ローゼズがトリップホップをやって〈メキシカン・サマー〉から発表したような曲で、揺らめくような美しいピアノとメロウなギターのアルペジオによって案内される虹色の空の下、ヴォーカルはまるで宙づりになったまま彼らのトリップを夢心地に歌う。「繰り返すヤミは深く/夢で逢う時は甘く/あふれ出す光の海/終わらない夜明けの旅」......ベースとドラムはあくまでもグルーヴィーで、曲は心地よく続いていく。
 ポスト・ロック調のインストゥルメンタル曲の"ヤブレターラブレター"はこのバンドの演奏のうまさを証明する曲でもある。6拍子のこの曲においてはとくにベースが魅力的だ。初期のスクリッティ・ポリッティのような気品があって、誰もが思わず遠い空を見上げてしまいそうな叙情性がある。僕はこの曲がもっとも好きだ。
 そして、「白いラインの前に立って/君が何かを決めたとき/世界は少し色を変えたよ」......こう歌う"円山町ラプソディ"は山下達郎のサイケデリック・ヴァージョンである。まあ、ある種の洒落なのだろう。アーバン・ソウルを嘲笑するかのように、エレピによる間奏が渋谷のホテル街を駆け抜けていくようだ。曲の後半では、昨年デビュー・アルバム『コンポジション』を発表しているDJのアッキーがサックスを吹いている。
 "花と盆"にもジョークが含まれている。それはこの曲名から、するどい人ならすぐにわかるでしょ。そして、ふざけた名前のこの曲にも彼らの最大の魅力であろうドリーミーな展開がある。最後の曲"マリフレ"はレゲエ調だが、バンドはサイケデリックの度合いを弱めることはない。つまりアシュ・ラ・テンペルがジャマイカへ旅行したような、いわばコズミック・レゲエである(そして声はひたすら"マリファナ"を繰り返す)。
 
 メンバーはドラムとヴォーカルにMAKI999、昨年素晴らしいデビュー・アルバムを発表したHBのひとりでもある。ギターにARATA、ベースにTEPPEI、鍵盤はSOTA TAKAGI、サックスはアッキー。お茶目な集団によるこの音楽が正当な評価を得るのに10年はかかるかもしれない。この国おいてサイケデリック・ロックとはアンダーグラウンドであることを強いられるからだ。しかしラヴ・ミー・テンダーは、そんな世間の評価よりも、もっと面白いパーティを求めているようだ。都内ならディスクユニオンやジェット・セットで売っている。わずか500円。この名盤がたったの500円で買えるのだ!

Stateless - ele-king

 よく買いに行くレコード店に話を訊くと思ったよりも売り上げが落ちずにいるそうで、放射能汚染との共存を強いられてしまったわれわれの運命も今後どうなるのかわからないとはいえ、やはり人間にとって娯楽は重要なのだろう。たとえ財布の中身がさびしくても千円ちょい払えば新しい体験を楽しめる音楽となれば手を付けやすい。
 UKはリーズのバンド、ステイトレスによる〈ニンジャ・チューン〉からの最初のアルバムもこの3月に発売され、レコード店の壁に並べられている。アルバムなので2千円以上するのだが、ここでぽんと惜しみなくお金を出せる人は根っからのトリップホップ好きというか......、ゼロ年代に〈ニンジャ・チューン〉が押し進めてきたシネマティック・オーケストラ、あるいはボノボといった大人びたダウンテンポの路線が好きな人である。本サイトのアンカーソングのロンドン・レポートを読むと、UKにおいてクラブ・カルチャーを背景に持つトリップホップがこの10年でミュージックホールの音楽へと展開している様子がわかるが、なるほどそれはそれでひとつの発展の仕方である。

 ステイトレスは、2007年にベルリンの〈スタジオ!K7〉からデビュー・アルバムを発表しているが、ヴォーカルのクリス・ジェイムスはその前年のDJシャドウの『ジ・アウトサイダー』でフィーチャーされていた人で、メンバーのキッドケイニヴィルは地元リーズでヒップホップ・レーベルを主宰しているようなターンテーブリストであるから、それなりにキャリアのあるヒップホップ・コミュニティから生まれたバンドなのだろう。クリス・ジェイムスはネリーとトム・ヨークを足して割ったような悲しく甘いR&Bを歌い、バンドもDJクラッシュとレディオヘッドを足して割ったような音を得意としている。ゆえにステイトレスは、トリップホップのインディ・ロック・ヴァージョンとも形容されているほどだ。実際のところアルバムは始終スローに、あるいはUKらしくメランコリックに、暗く沈んでいくような展開を持っている。それぞれの楽曲の完成度ないしは演奏レヴェルも高く、曲ごとのアイデアもあり、きっと〈ニンジャ・チューン〉からの本作『マチルダ』によってさらに広く注目されることになるのではないかと思う。

 バンドのビートはヒップホップから来ているが、しかしステイトレスの音楽を特徴づけているのはメロディである。ストリングスのアレンジに関しては新古典主義に影響されたという話で、そういう意味でも作品からはヨーロッパの哀愁が滲み出ている。チェロはワルツを奏で、小刻みに震える物憂げな電子ピアノ、気難しいジャズ・ギター、そして淡々としたパーカッションのうえを憂鬱なソウルが歌われる。〈ハイパーダブ〉のダークスターを彷彿させるその暗いスタイルは、冷えた心臓に共振する。アルバムのなかでももっとも美しい曲、ギターのアルペジオをバックに"アイム・オン・ファイアー"でクリス・ジェイムスはこう歌っている。「残りの世界が消えたとしても、僕は気にもしない」......深夜になると毎晩やっている東電の(控えめ言っても腹が立つ)会見を見たあとでこの歌を聴いていると、本当にいま自分はこういう世界にいるのだと感じる。

Chart by JET SET 2011.04.04 - ele-king

Shop Chart


1

WHO KNOWS?

WHO KNOWS? HUSTLERS CONVENTION EP »COMMENT GET MUSIC
遂にCrue-Lボスによる超絶リエディットが解禁!!これまでにもDommune、Horse Meat Discoを迎え撃った名古屋MAGOなどにて耳にしてきた方も多いはずのアレ、Danny Darrow"Doomsday"リエディットが遂にアナログ・リリース。ホワイト・カラー・ヴァイナルで当然ながら初回プレス・オンリー!!

2

KUNIYUKI

KUNIYUKI RE:MOMENTOS KUNIYUKI RMX »COMMENT GET MUSIC
LTD.500 ! 現在は廃盤となっている『Re-Momentos Memories』のリミックス盤が到着 !Crosspointの新作は、Juzu a.k.a. Moochyの音源を盟友Kuniyukiによる洗練されたリミックス・トラック2曲を収録した12インチ !

3

J ROCC

J ROCC SOME COLD ROCK STUF »COMMENT GET MUSIC
J Roccのフルアルバムが3LP + ポスター+ ステッカーシート封入の豪華仕様にてリリース!先日リリースされた"Play This Too"や、DVD"Secondhand Sureshot"内でのビートメイクにおけるセンスも素晴らしかったJ Roccですが、クリエイターとしての凄さを再確認できる1枚であることは間違いありません!

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DORIAN CONCEPT

DORIAN CONCEPT HER TEARS TASTE LIKE PEARS »COMMENT GET MUSIC
ご存知オーストリアの天才が遂にNinja Tuneデビューです!!Flying Lotusの作品及びライヴへの参加でもお馴染みのニュービーツ旗手Dorian Concept。新型UKベースを下敷きに作り上げた珠玉の4トラックスを収録です!!

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JAMES PANTS

JAMES PANTS CLOUDS OVER THE PACIFIC »COMMENT GET MUSIC
世界が注目するJames Pants待望の新作は4トラック収録の7'インチ!バルセロナをベースに活動しているコロンビアのアーティスト=Lucrecia Daltをフューチャーしたタイトル曲は、繊細ながらジワジワ世界観に引き込まれる秀逸の内容。全編独特な世界観を披露した傑作!

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CLAPZ II DOGZ

CLAPZ II DOGZ EP »COMMENT GET MUSIC
Catz 'N DogzとSoul Clapによるスプリット・リリース!!Soul Clapがねっとりとしたビートダウン・ハウスへと仕上げたIsley Brothers名作"Between The Sheets"リエディット(B-1)が極上です!!限定ピクチャー盤。

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EDDIE C

EDDIE C WE NEED WE »COMMENT GET MUSIC
1st.アルバム『Parts Unknown』からの2nd.カット!!昔からDJに人気だったファンキー・クラウトロック定番Ashra"Shuttle Cock"のハウス・ミックスA-2"Space Shuttle"を筆頭に、今回も間違いのない4トラックス。大推薦!!

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坂本渉太

坂本渉太 ピーマン #2 »COMMENT GET MUSIC
Altzmusica第4弾はAltz & Shinkichi Remix収録のドリーミー・ディスコ作品です!!Neco眠る、七尾旅人をはじめとした脱力なミュージック・ビデオなどを手掛ける鬼才アニメーション/映像作家、坂本渉太によるドリーミーなエレクトロ・ディスコ楽曲を収録したAltzmusica第4弾。

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TOMMY GUERRERO

TOMMY GUERRERO LIFEBOATS AND FOLLIES »COMMENT GET MUSIC
日本盤CD先行リリースされ話題を呼んだ最新アルバム。US盤アナログ・リリースです!!

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DINKY

DINKY TAKE ME / POLVO »COMMENT GET MUSIC
才色兼備な注目の女性クリエイターDinky新作!!N.YでMid 90'sを過ごしたチリ生まれの才女、Alejandra IglesiasことDinky嬢によるニュー・シングルはOstgut Tonから登場!!

Fleet Foxes - ele-king

 アメリカにおいて必然として9.11以降という言葉が使われるようになったように、日本においても今後3.11以降というタームが使われるようになるのだろうか。そのことを思うと、何だかいたたまれない気持ちになってくる。音楽の聴かれ方も変質していくのだろうけど......いまはまだ、それがうまく想像できない。

 フリート・フォクシーズは9.11以降の文脈で語られ、そして高く評価されたバンドだ。つまり、2000年代のブッシュ政権下の荒廃したアメリカで育った世代――それはレディオヘッドの『キッドA』を聴いて育った世代と言い換えられるかもしれない――の青年たちが鳴らした、高潔な純然たるフォーク・ロックである、と。ブッシュ政権が終わっていく2008年はまさに彼らの登場にふさわしいタイミングであったし、ビーチ・ボーイズ、ボブ・ディラン、グレイトフル・デッド、サイモン&ガーファンクル......などの遺産の輝きを集めるようにして作られた彼らの音楽は、イラク戦争でボロボロになっていたアメリカで称賛されるのに十分だった。「こういう音楽はもう持ってるよ」と取り合わなかったある程度年のいった評論家もいたが、フリート・フォクシーズの音楽は新世代のものであることには間違いがなかった。そのハーモニー=「調和」は、9.11以降の世界において混沌とした現実に対する批判ないしは抵抗として鳴っていた......というわけだ。
 21世紀のクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングであるフリート・フォクシーズの最大の魅力とは何か、と問われればやはりその完璧なコーラス・ワークということになる。ソングライターのロビン・ペックノールドの書く曲はアコギ1本で弾き語っても十分通用するだろうしっかりとした骨格を持っているが、彼はそれをポリフォニックなものとして鳴らすことにこだわっている。それは彼らバンドがひとつの共同体を体現していることの表れであるし、ある種の厳格さを伴った理想主義が反映されているということでもある。彼らの潔癖とも言えるコーラスとアンサンブルは、心地良くレイドバックしたものと言うよりは、研ぎ澄まされているためいくらかの緊張感を保ったものだ。その敬虔さ、高潔さが苦手だというひとがいるのもわかる。他の多くのインディ・バンドのような優しいドリーミーさは、ない。徹底して醒めている。
 そしてまた、彼らの美しいアンサンブルの底には不穏さやシュールな不気味さがあって、それを僕は見過ごすことができない。たとえば、バンドの代表曲である"ホワイト・ウィンター・ヒムナル"では輪唱を取り入れてその非凡なコーラス・ワークを遺憾なく発揮しながら、「マイケル 君は倒れてしまって 白い雪をまるで夏の苺みたいに真っ赤に染めた」と繰り返していた。あるいは、ブリューゲルの絵を使った、細部までよく見るとぞっとするような奇妙さに彩られたジャケット。それらは、音楽には完璧な調和を求める彼らが抱える不安や戸惑いを表現するものだったのかもしれない。

 そういうわけで、たった1枚のアルバムとEPで新世代の希望となったフリート・フォクシーズの待望のセカンド・アルバムが『ヘルプレスネス・ブルーズ』である。その期待を裏切ることなく、これまで評価された自分たちの長所を無理なく発展させ、洗練された1枚となっている。アンサンブルは抑揚のつけ方が巧みでさらにダイナミックになっており、生音の柔らかい響きを生かしたプロダクションは耳を喜ばせてくれる。もちろん、リッチなコーラス・ワークも健在だ。彼らはよりバンドとしての結束を強固なものとし、ここでも調和に満ちた共同体として存在している。
 抜本的な変化がない分、このセカンド・アルバムには先に挙げたような彼らの特徴がより色濃く出ているように思う。自然の描写が多かった前作に比べて、本作ではより内面の揺らぎのようなものを歌詞に反映させている。アルバムは目が覚めるように清廉なフォーク・ソング"モンテズマ"で幕を開けるが、そこで歌われているのはそれまでの自分の生き方に対する鈍い後悔と罪悪感である。前作の"ホワイト・ウィンター・ヒムナル"に当たるウォームな"バッテリー・キンジー"はこんな風にはじまる。「ある朝 目を覚ますと/自分の指が一本残らず腐っていて/僕は突然死の床にあった/回復の見込みはない」......死のイメージは彼らの歌詞にしばしば登場するものだ。そうした緊張感は"ザ・シュライン/アン・アーギュメント"で、音としてピークを迎える。ロビンは高音をなかば強引に振り絞り、曲のアウトロでは突如として管楽器のフリーキーなソロが整ったアンサンブルを切り裂くように挿入される。この曲は、彼らのアンビヴァレントな魅力を見事に表現した本作でのもっともスリリングな瞬間だと言えるだろう。

 フリート・フォクシーズの音楽に何らかの理想を求める態度というのは、アニマル・コレクティヴやグリズリー・ベアのようにブルックリン勢にも共通するものであるが、それをもっとも純化したものとして表現しようとしているのが彼らである。その分、現実に幻滅することも多いのだろう、このアルバムには無力感がところどころで顔を覗かせている。「つまり、君にとって僕は昔の話に過ぎないんだ」、「僕が何をしようと太陽の光は降り注ぐ」、「いつか死ぬだけなのになぜ人は生まれてくるんだろう?」......そしてその歌を、彼らは「ヘルプレスネス・ブルーズ」、すなわち無力のブルーズと名づけている。力強い歌が聴けるタイトル・トラックでロビンは「ヘルプレスネス・ブルーズを歌うことが、何かの役に立つんだろうか?」と自問している。もちろん、役立つことなどないと彼は知っているだろう。だが、それでも歌うのだ。
 無力さを噛み締めながら、役に立たない歌を、しかし理想を追い求めながら歌うこと。音楽のなかでしか達成されないハーモニー。フリート・フォクシーズはだから、過去の遺産への無邪気な憧憬ではなく、とても切実なものとしてこの21世紀に鳴らされている。そしてそれは......きっと、日本にいる僕たちにもいま説得力を持って響くことだろう。

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