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interview with Salyu + Keigo Oyamada

interview with Salyu + Keigo Oyamada

21世紀ポップ

――Salyu & 小山田圭吾、インタヴュー

野田 努    photos by Yasuhiro Ohara   Apr 09,2011 UP

salyu × salyu
s(o)un(d)beams

トイズファクトリー E王

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 変化を望む人が好むのは、変化を肯定する音楽である。停滞を否定し、動き続けることを良しとする音楽だ。salyu × salyu(サリュー・バイ・サリュー)によるアルバム『s(o)un(d)beams』は、そういう意味では変わっていくことを望んでいる、すなわちレフトフィールドなポップだ。小山田圭吾がプロデュースしたこの作品は、まずなによりも耳を楽しませてくれる。Salyuは彼女自身がいち台の有能なシンセサイザー(合成装置)であるかのように、彼女のさまざまな歌と声を絞り出し、それらを惜しみなくコーネリアスの実験台(スタジオ)のミキサーに送り込んでいる。コーネリアスの得意とするギミック(遊び心)はいたるところに効いているが、まあ、個々の楽曲がよくできている。
 彼女の(チョップされたような)複数の声がそれぞれの音程をキープして、ピアノとともにハーモニーを作っていく"ただのともだち"は、このアルバムの面白味を集約しているような曲である。"muse'ic"のような小山田圭吾の歌メロ作りの巧さが出ているような曲においても、彼女は声はただ歌うのではなく、空間をデザインする一要素のように機能している。声を機械に流し込み操作するという点ではブルックリンの才女、ジュリアンナ・バーウィックの新譜を思い出すが、緻密さ、ポップの度合いにおいては他に類を見ない......いや、コーネリアス以外に類を見ないユニークな音楽になっている。作曲はすべて小山田圭吾、作詞は七尾旅人、坂本慎太郎、いとうせいこう、国府達矢といった人たちの名前がクレジットされている。言葉と音楽が他人によるものであっても、歌と声だけでその作品の圧倒的な主役を演じられることをSalyuは主張している。まあ、これだけの個性派に囲まれながら、彼女は見事に声という音を発信しているわけです。

クロッシング・ハーモニーという、ハーモニーの構築という考え方に出会うんです。楽器で鳴らされる不協和音というものを声がやったときにまったく違ったものになる、そういう考えに出会ったときに、これならいっしょにできるんじゃないかと思ったんです。――Salyu

■お世辞抜きで、良いアルバムですね。ある意味ではパーフェクトなポップ・アルバムだと思いました。

Salyu:嬉しいですね。

■このアルバムの話は、最初はSalyuさんが持ちかけたんでしょ?

Salyu:はい。そうです。私からです。

■ポップ・アルバムと言っても実験的なポップ・アルバムですよね。まずはとにかく実験をしたかったのか、あるいはコーネリアスといっしょにやりかったという気持ちが強かったのか、どっちなんでしょう?

Salyu:後者ですね。

■後者。

Salyu:はい。もちろん実験的なことはやりかったんですけど、それをコーネリアスといっしょにやりたいという感じですね。

■コーネリアスが大きかったんですね。

Salyu:優先順位で言えばそうですね。実験的なことをやりたいということもあったんですけど、小山田さんと音楽を作りたいという気持ちはずっとあった。

■ずっとあったんですか。

Salyu:あったんです。でも、小山田さんも自分の音楽活動されているわけで、何か具体的にやりたいことがないとお願いもしにくいというか(笑)。

■はははは。

Salyu:まあ、しにくいっていうこともないけど、具体的にこちらが「こういうことやりたい」っていう話があったうえでいっしょに取り組めればなぁというのがずっとあったんですね。そうしたら、クロッシング・ハーモニーという、ハーモニーの構築という考え方に出会うんです。

■それは?

Salyu:楽器で鳴らされる不協和音というものを声がやったときにまったく違ったものになる、そういう考えに出会ったときに、これならいっしょにできるんじゃないかと思ったんです。

■なるほど。ハーモニーね。

Salyu:これはもう、小山田さんと組んでやりたいと。

■それまで面識はあったんですか?

小山田:ちょいちょい。

Salyu:ちょいちょいですね(笑)。小山田さんは私のことほとんど知らなかったんですけど(笑)。

小山田:いえいえ。うちのドラムのあらき(ゆうこ)さんとか、ベースの清水(ひろたか)くんとか、彼女のバンドにいたりして。

■なるほど。

小山田:彼女のバンドでギター弾いている名越(由貴夫)さんとかも知ってるし。

■名越くん、あー、俺も知ってますよ。ぜひ、宜しくお伝え下さい(笑)。

Salyu:わかりました(笑)。

小山田:だからバンドはみんな知り合いだったんですよね。で、ライヴ見に来てね。

Salyu:私が勝手に見に行ったんです。

小山田:あそっか。いっかい見に来てくれたんだ。

■いつのライヴ?

小山田:『センシャス』の頃だよね。

Salyu:渋谷AXでやったときですね。あのとき初めて見て......。

■あの完璧なライヴをね。

Salyu:完璧なライヴを、はい。

小山田:完璧じゃないけどね。

■あれが完璧じゃないなら、何が完璧なのか(笑)。

Salyu:開場から開演まで、時間も完璧でしたね(笑)。

■終演から客引きまで(笑)。

Salyu:そのとき私、パスをもらって。しかもロビーまでしか行けないパスを。そしたらドラムのゆうこさんが「会いたいでしょ。そのパスでは楽屋に入れないからおいでー」って言ってくれて(笑)。それで「うわー」って楽屋に入れてもらったんですよね。そのときに初めてお会いしたんです。話したと言っても2~30秒ですよ(笑)。どわーってゲストが並んでいるなかで(笑)。

小山田:だいたいライヴのときの楽屋はたくさん人がいるからね。

Salyu:まあ、そのときが初めてで。

取材:野田 努(2011年4月09日)

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