「Low」と一致するもの

interview with Sampha - ele-king


Sampha - Process
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 UKの新しい世代の男性シンガー・ソングライターのひとりであるサンファことサンファ・シセイ。詳しいバイオがなく(生年は1988年とも、1989年とも)、謎めいたところの多いアーティストであるが、ロンドン在住の彼は覆面アーティストとして知られるSBTRKT(サブトラクト)の作品にフィーチャーされたことで、2010年頃から注目を集めるようになった。ソロ・アーティストとしても作品をリリースする一方、ジェシー・ウェア、キャティB、FKAツイッグスなどの女性シンガーたち、ブリオン、コアレス、リル・シルヴァなどUKの気鋭のプロデューサーらと次々とコラボをおこなっていく。ドレイクはじめ北米のメジャー・アーティストとの共演もあり、2016年はカニエ・ウェスト、フランク・オーシャン、ソランジュのアルバムにも参加している。EPを出してはいるものの、アルバムは未発表であったそんなサンファが、遂に待望のファースト・アルバム『プロセス』を完成させた。今回はサンファに『プロセス』についてはもちろん、今までの音楽活動を振り返り、音楽を始めた経緯から、サブトラクトとの出会いなど、いろいろな方向から話を訊いた。インタヴューをしたのは2016年12月上旬で、ちょうどザ・エックス・エックスの公演に帯同して来日し、自身でもピアノ・ソロ・コンサートをおこなった後日のことだ。サンファにとってザ・エックス・エックスも、リミックスやカヴァーするなど昔から交流の深いアーティストなのだが、くしくも彼らの新作『アイ・シー・ユー』とともに、〈ヤング・タークス〉の2017年のスタートを切るのが『プロセス』である。ちなみにサンファは4度目の来日で、今まではサブトラクトとのツアーで来ていたのだが、今回がもっとも長く日本に滞在していたそうだ。



音楽とは自分のいた場所や経験した時間をドキュメントするものだと思うんだ。

サブトラクト、ジェシー・ウェア、ドレイクなどの作品にフィーチャーされたことで、あなたは2010年代の新たなシンガー・ソングライターとして注目されるようになりました。そもそも歌を始めたのは、どんなきっかけからですか?

サンファ・シセイ(Sampha Sisay、以下SS):記憶がある子供の頃からずっと、家の中で歌っていたね。小学校でも合唱団に入っていた。でも、ティーンエイジャーになるとトラック制作とかプロダクションのほうへ興味が移って、歌からは少し遠ざかってしまったんだ。トラックはMyspaceにアップしていたけど、当時はキッド・ノーヴァというコミックから名付けた名前でやっていた。まあ、アンダーグラウンドな覆面プロデューサー気取りで、そんなときにアップした曲をサブトラクトがたまたま見つけて、とても気に入ってくれたんだ。それで彼と連絡を取るようになり、一緒に曲を作り始めたというわけさ。そうして作った曲がラジオとかで流れて注目されるようになったけど、そこで僕は歌を歌っていたから、みなは僕のことをシンガーとして見ていたようだね。でも、そもそもはヴォーカリストを目指していたわけではなく、あくまでトラックメイカーとしてキャリアは始まっているんだ。それでプロダクションと歌を並行して進めていくようになり、今のスタイルに至っているよ。

あなたの歌にはスピリチュアルなムードを感じさせるものが多いです。合唱団にいたという話ですが、ゴスペル・クワイアや教会の聖歌隊などからの影響もあるのでしょうか?

SS:特別にゴスペルや教会音楽を意識したことはないけど、子供の頃からいろいろなことに疑問を持ち、親にもあれこれ質問するたちだった。「神様って本当にいるの?」とか言って困らせたり。そうして、その疑問に対する答えを見つけていく人生だったけど、そうした姿勢が僕の歌にも表われているんじゃないかと思う。そのあたりが君の言うスピリチュアルなムードに、ひょっとしたら繋がっているのかもしれないね。

ちなみに両親はアフリカのシエラレオネ出身だそうですが、あなたの生まれもシエラレオネですか?

SS:いや、僕の生まれたのはロンドンだよ。

神様についての話が出ましたが、宗教はアフリカの信仰だったりするのですか?

SS:神様がいるか、いないかの質問は5歳の頃で、宗教的なことというより、子供ながらの純粋な疑問だったね。僕の家庭はキリスト教だけれど、僕自身は特別に強い信者ではなく、どちらかと言えば特定の宗教に属しているわけではないんだ。いろいろな宗教には興味があって、それに関する本も読んでいるけれど、今も「神様とは?」「自分にとっての信仰とは?」と探し求めている途上にある。

スピリチュアルということにも繋がるかもしれませんが、あなたの作る曲、またあなたの歌声にはメランコリックなムードが通底していると感じます。それは何かあなたの人生体験からくるものなのでしょうか?

SS:確かにそれはあるね。音楽とは自分のいた場所や経験した時間をドキュメントするものだと思うんだ。たとえば、僕が17、8歳の頃に作った曲を聴き直してみると、とても光り輝いていたなと思うことがある。大人になりきれない、ナイーヴなところがある一方、ハッピーで多幸感に溢れている。やっぱり、その頃の自分の心の中を反映しているんだなと。その後、大人になっていろいろと経験をして……家を出て自立し、大学に通ったり……兄が大病を患って、母が癌になって亡くなったり……。人生における苦難や悲しみが、子供の頃とは違う、もっと現実的なものとなってきたんだけど、そうした経験が今の僕が作る曲には反映されていると思うよ。

ずっと音楽を作ってきて、最近は一般的なソウル・ミュージックだけに「ソウル」が存在しているわけではないことにも気づいたんだ。たとえば、ミニマルなテクノやハウス・ミュージックの中にも「ソウル」はあるんだなって。

あなたは歌と同時にピアノ演奏においても優れた才能を持っています。ピアノはどのように学んだのでしょう?

SS:中学の頃に3年ほどピアノのレッスンを受けたけど、あとは全て独学で学んだよ。僕が初めてコード・パターンを理解したのは、アル・グリーンの“レッツ・ステイ・トゥゲザー”を聴いたときだったな。

いまアル・グリーンの名前が出ましたが、ほかに影響を受けたシンガーや音楽家などはいますか?

SS:最初に影響を受けたのはマイケル・ジャクソンだね。それから7、8歳の頃はスティーヴィー・ワンダーやトレイシー・チャップマンをよく聴いていたよ。ティーンエイジャーになるとフランスのエールとかを聴くようになって、あとゼロ7やミニー・リパートンも好きだった。ほかにもトッド・エドワーズ、ダフト・パンク、ネプチューンズとか、いろいろだよ。その頃はグライムも聴き始めて、ラピッドとかはトラック制作の上でも影響を受けたな。

確かに、一昨日(2016年12月7日)に見たあなたのピアノ・ソロ・コンサートの雰囲気とかは、トレイシー・チャップマンを彷彿とさせるところがありましたね。でも、一方でグライムにハマっていたというのは意外ですが。

SS:うん、僕とグライムの結びつきが意外という意見は結構あるんだけれど、でも僕のiTunesには自作の曲もいろいろと入れてあって、実はその中にはグライムもいろいろとあるんだよ。それらはまだリリースしていないけれど、僕は13歳の頃からグライムを作っているんだ。今回のファースト・アルバム『プロセス』には、聴いてすぐそれとわかるグライムは入っていないけれど、たとえば“リヴァース・フォルツ”は最初グライムのイメージで作って、最終的にヒップホップ寄りのプロダクションに落ち着いたんだ。

それでは、いつかあなたの作ったグライムも聴けるかもしれないですね(笑)。ちなみに作曲はどのようにおこなっていますか? 多くの曲はピアノから生まれたメロディが軸となっているようですが。

SS:僕の場合、フリースタイルで作ることが多いね。歌いながらとか、ピアノを弾きながらとか。その場の思いつきで、自由にやるんだ。あと、ひとつの歌詞が思い浮かんだら、そこから広げて曲を作っていくこともある。でも、たいていは曖昧な状態の歌詞があって、その後にメロディをつけて、それをピアノで弾いてみるってことが多いかな。

あなたの曲のキーとなるものはソウルとエレクトロニック・サウンドです。このふたつの異なるルーツを持つ音楽は、あなたの中でどのように融合されていくのでしょうか? もちろん、過去にもスライやプリンスをはじめ、そうしたアプローチをおこなうアーティストはいますが、あなたの場合にはまた違った独自のアプローチがあるように思うのですが。

SS:先にも話したように、僕はもともとシンガーではなく、トラックメイカーだったわけだけど、多くの人の場合は逆のパターンが多いと思うんだ。歌うことから始まって曲作りをするようになるとか。そういった経緯があるから、僕は今もプロデュースという部分についてもとても楽しくやっていて、音をいろいろいじって遊ぶことが好きなんだ。自分にとって新鮮に響く音というものを、常に探し求めている。エレクトロニックなプロデューサー・ワークが、僕の中における音作りを支えていることは間違いない。君が言うソウルとエレクトロニック・サウンドの融合は、そうした背景が生み出しているんだろうね。でも、それはいつも意図的におこなわれるものでもなくて、試行錯誤を重ねていく中で偶然に生まれることもある。そうした実験の中から、いい音楽っていうのはできるんじゃないだろうか。サウンドをいろいろといじくって、トライ&エラーして、そうしてできたものに少し「ソウル」が足りないなと感じたら、ハーモニーやメロディをアレンジして、そうやって「ソウル」を加えていく。僕が思うところの「ソウル」とは感情ってことだけどね。でも、ずっと音楽を作ってきて、最近は一般的なソウル・ミュージックだけに「ソウル」が存在しているわけではないことにも気づいたんだ。たとえば、ミニマルなテクノやハウス・ミュージックの中にも「ソウル」はあるんだなって。今後はそうした方向性でも曲を作ることがあるかもしれないね。

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ある日、録音をそのままにして家を出て、帰ってきたら兄が「ごめん、パソコンのデータが全部消えちゃったよ」と謝ってきて、そんな具合に消えてしまった曲も多かったね(笑)。


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トラック制作からシンガーに進んだタイプとして、ジェイムス・ブレイクが思い浮かびます。ソウルや歌に対するアプローチについて、あなたとジェイムス・ブレイクには共通するところもあるように感じますが、どうでしょうか? ほかにもUKの同世代の男性シンガー、およびシンガー・ソングライターとして、サム・スミス、ジェイミー・ウーン、クウェズなどがいますが、彼らからは何か刺激を受けるところはありますか?

SS:ジェイムス・ブレイクもジェイミー・ウーンも、それからクウェズも、みな音楽はとても好きだよ。特にクウェズにはシンパシーを感じることが多くて、それは彼がマイスペースで最初に僕をフックアップしてくれたひとりでもあるからなんだ。2008、9年あたりだけど、クウェズとMyspaceで繋がって、その頃の彼が作っていたサウンドはとてもオリジナリティがあるものだった。当時はまだ面識がなかったので、実際に会ってそのサウンドと本人のキャラクターとのギャップに驚いたりもしたけれど、でも同じ黒人ということもあって親しくなった。彼は自分の繊細なところ、弱いところもさらけ出して曲を作るけれど、それはある種僕にも共通するところでもあり、そんなところで惹かれ合うんだろうね。彼と出会った頃、僕の周りにはラッパーとか、ハードな音楽を作っている人が多かったから、クウェズはその対極にあるようなタイプで、僕はとてもシンパシーを感じたし、自分のやろうとする方向性にも自信が持てたんだと思う。ジェイムス・ブレイクとは2010年に初めて会ったけど、彼と僕にも共通点は多くて、そうしたことについていろいろと語り合ったよ。僕たちのようなタイプのミュージシャンはあまり多くはないから、そうした点で共感できる存在だね。同じロンドンで育って、同じような音楽を聴いてきたという共通するバックボーンがあって、もちろんそれぞれ違うところもあるけれど、クウェズやジェイムス・ブレイクはじめ、君が挙げたアーティストたちからはシンパシーを感じ、影響を与え合う存在だと思っているよ。

サブトラクトとのコラボがあなたを飛躍させるきっかけになったと思いますが、彼との出会いについて改めて教えて下さい。

SS:うん、Myspaceを介してサブトラクトと出会ったわけだけど、その頃から彼はレーベルの〈ヤング・タークス〉に所属していて、そこに僕と共通の知り合いがいたんだ。その人を通じて実際に連絡を取り合うようになった。そして、サブトラクトが僕の音楽に興味を持ってくれて、一緒に音楽を作ろうよと言ってくれたんだ。その頃は既に僕もサブトラクトの音楽は知っていたし、とてもいい作品を作るプロデューサーだと思っていた。だから、一緒に曲作りができると聞いて、とてもワクワクしたね。実はサブトラクトのアパートは、僕が住んでる町から地下鉄で3駅先のところにあってすごく近かったから、その後お互いの家を行き来してよく一緒に曲作りをするようになった。もちろん音楽的にも気が合ったので、家でジャム・セッションを何時間でもやっていたよ。毎週火曜の午後を共同作業の日にして、その行きの電車の中で作曲をしたりしていたね。僕にとってあの時期は、アーティストとしての土台を形成する期間だったと思っている。彼との出会いからツアーにも出られるようになったし、世界のいろいろなヴェニューを見ることもできた。ラジオで僕たちの曲がオンエアされたりと、本当に実りの多い時期だった。

最初のEP「サンダンザ」(2010年)も、サブトラクトとのコラボを始めた頃の作品ですか?

SS:いや、あれはもっと前に作ったもので、17歳のときの作品だよ。大学受験の勉強をしなければいけない時期だったけれど、僕はそれが嫌だったから、ああやって曲を作っていたんだ(笑)。

今とは制作方法なども違っていたのでしょうね?

SS:当時は母親のWindows 2000を使っていて、そこに付いているウェブ・カメラのマイクで録音していたんだ。録音もWindowsのサウンド・レコーダーだったので、今とは比べものにならない低スペックのレコーディング環境だったよ。制作や録音のプロセスも違うけど、その頃はまだ本気で音楽をやろうとは思っていなかったから、バックアップもきちんと取っていなかったんだ。ある日、録音をそのままにして家を出て、帰ってきたら兄が「ごめん、パソコンのデータが全部消えちゃったよ」と謝ってきて、そんな具合に消えてしまった曲も多かったね(笑)。

2013年のEP「デュアル」はどのようにして生まれましたか? このEPは今回のあなたのファースト・アルバム『プロセス』へと至る原型のようなものだと思いますが。

SS:2012年にサブトラクトとツアーをしていて、その終わり頃にできた作品だよ。ツアーの合間に曲を作り貯めて、それらを最終的に自宅のスタジオで録音している。だから、そのツアーのリアクションだったり、その頃の心境などが反映されているね。

たとえばアフリカ音楽とインド音楽の共通点を見つけたり、アフリカ音楽と中国の音楽の類似点がわかったりとか、そうした発見があるから音楽って面白いんだ。

ファースト・アルバム『プロセス』について伺います。デビューから随分と時間が経ってのリリースとなりますが、それだけ長い時間をかけ、じっくりと準備して作り上げた作品ということでしょうか?

SS:EPを何枚か出したときは、そもそもアルバムを作ろうとは考えていなかったんだ。一般的にシンガーがEPやシングルをいくつか出すと、次はアルバムを期待されるだろ。僕は周りのシンガーがそうした状況に置かれ、プレッシャーを受ける場面をいろいろと見てきた。僕自身はまだその段階になくて、準備ができていないと思っていた。音楽的にもだけど、人間的にも未熟で、世界が見えていなかったと思う。でも、いろいろと経験を積んで、ようやくきちんとした作品が作れるかなと思うようになった。アルバムを出して、それをライヴで伝える術も身に付いたと思う。アルバムを出すと、それに対する批判を受けることがあるかもしれないけど、それをきちんと受け入れられるくらいに成熟したしね。

〈XLレコーディングス〉のロデイド・マクドナルドが共同プロデュースをしていますが、特に目立ったゲスト参加もなく、あなたひとりで集中して作ったアルバムのようです。それだけパーソナルな部分に向き合ったアルバムでしょうか? “ブラッド・オン・ミー”、“テイク・ミー・インサイド”、“ホワット・シュドゥント・アイ・ビー?”といった曲目にもそうした傾向は表れているように感じますが、何か個人的な体験などが反映されたところはありますか?

SS:“ホワット・シュドゥント・アイ・ビー?”はサブトラクトとのツアーの経験から生まれている。僕の人生で初めて家から離れ、ツアーに出かけるという体験だったけど、父親と離婚してシングル・マザーの母親を家に残して、自分の夢を追うために行ってしまっていいのかと、いろいろと悩んだ。この曲にはそうした自分の夢と母親への責任の間で葛藤する僕が表われている。“ブラッド・オン・ミー”にはヴィジュアル的なイメージがあって、「醒めない悪夢」とでも言おうか。自分を客観的に見たもので、それがインスピレーションとなっている。“テイク・ミー・インサイド”は人間関係、男女関係などにおいて、どれだけ自分の内面をさらけ出せるか、そうしたパーソナルな側面について歌った曲だよ。この3つの中で、もっとも個人的な体験に基づくのは“ホワット・シュドゥント・アイ・ビー?”だね。

“(ノー・ワン・ノウズ・ミー)ライク・ザ・ピアノ”もあなたの内面が映し出された曲で、あなたの歌声以上に美しいピアノの音色がそれを物語っています。ソロ・ライヴでもとても印象的に演奏していて、あなたのピュアなところが出た素晴らしい曲ですが、これはどのようにして生まれたのですか?

SS:母の家を出て、自立した生活を送るようになってから作った曲だけど、レコーディングの最中に母の癌が末期のステージに進行していることを聞かされた。それを知ってから、母の家に戻ってしばらく過ごしたんだけど、居間にあるピアノの前に座ったときに、ふとこの曲のタイトルが浮かんだんだ。ここで登場するピアノはほかのどんなピアノでもなく、母の家にある母のピアノ、僕が子供のときに弾いて一緒に育ったピアノなんだよ。その後、母は亡くなって、母はもうこの世にいないという事実、人生は無常であるという現実に僕も打ちのめされるけれど、そうした母がいたから、ピアノのある家があったから今の自分があると思い、この曲が生まれたんだ。

“コラ・シングス”はタイトルどおりコラの物悲しい響きが印象的です。“プラスティック 100℃”にもフィーチャーされていますが、アフリカの民族楽器であるコラを用いようと思ったアイデアはどこから生まれたのですか? あなたの両親の故郷であるシエラレオネに結び付いているのでしょうか?

SS:シエラレオネが直接結び付いているわけではないけど、ずっと昔に父がウオモサグリという西アフリカのアーティストのCDを買ってきてくれたことがあった。ウォラトンというマリの音楽の一種だけど、その影響が強いかな。そのアルバム自体はコラがそれほど使われてはいなかったけど、それがきっかけでアフリカの民族音楽をいろいろと調べるようになったんだ。アフリカ音楽には独特のリズムやメロディがあって、とても惹かれたんだ。そうした中でコラを知るようになって、YouTubeでいろいろと実演風景も見て研究したよ。実は“ホワット・シュドゥント・アイ・ビー?”のピアノ演奏もコラに影響を受けた部分があるんだ。ここではヤマハのDX-7というエレピを弾いているんだけど、コラに似せた音色となっているんだよ。僕はアフリカ音楽以外にも、世界のいろいろな民族音楽に興味があって調べているけれど、たとえばアフリカ音楽とインド音楽の共通点を見つけたり、アフリカ音楽と中国の音楽の類似点がわかったりとか、そうした発見があるから音楽って面白いんだ。

Slowly Rolling Camera - ele-king

 英国のバンドやミュージシャンの音楽性を形容するとき、折衷的という言葉が使われることがある。いろいろなジャンルの音楽、複数の音楽的傾向を取捨選択し、その融合の中から自身の個性を確立していくことが、英国の音楽には多い。ジャズ・ロックなどはその最たる例であるし、UKソウルやUKレゲエもそうした産物である。アシッド・ジャズからクラブ・ジャズに至る流れは、そうした英国の折衷主義が如実に表れたものである。スロウリー・ローリング・カメラというバンドは、こうした折衷主義という言葉が実によく似合う。まだマイナーなバンドだが、結成は2012年のカーディフに遡り、女性シンガーのディオンヌ・ベネット、キーボードのデイヴ・ステープルトン、ドラマーのエリオット・ベネット、サックスやトロンボーンのデリ・ロバーツから成る4人組である。メンバーはカーディフの音楽サークルの顔見知りで、それぞれ別のバンドでそれまで10年ほど活動しており、デイヴとエリオットはデイヴ・ステープルトン・カルテットで純粋なジャズもやっている。デイヴは〈エディション・レコーズ〉を2008年から運営し、自身の作品のほかにキース・ティペット、ノーマ・ウィンストンなど英国ジャズ界の大御所の作品もリリースしている。ほかにロバート・ミッチェルのパナセア、カイロス・カルテット、ガールズ・イン・エアポーツなど、英国コンテンポラリー・ジャズの最前線も紹介し、非常に意欲的なレーベルだ。

 スロウリー・ローリング・カメラがファースト・アルバムを発表したのは2013年。ジャズにソウルやファンク、ロックを融合したサウンドは、メンバーのほかにゲスト・プレイヤーたちの力を借りて作られた。デイヴはコズミックでフューチャリスティックなシンセからヴィンテージ感溢れるオルガンやローズまで多彩に操り、デリは管楽器意外にエレクトロニクスも担当。そして、ディオンヌの深くエモーショナルな歌声、生ドラムとプログラミングを併用し、ドラムンベースなどを咀嚼したエリオットのリズムといった構成で、重厚なダブル・ベースによるジャズを基調に、ギターなどに見られるロック的なテイスト、ヴァイオリンやチェロなどストリングスの導入による陰影に満ちて壮大なサウンドスケープを見せている。アシッド・ジャズ~クラブ・ジャズ的な要素とコンテンポラリー・ジャズ的な要素が一体となったサウンドで、リチャード・スペイヴンなどに共通するところもあるが、ディオンヌの歌が個性のひとつになっており、よりソウルフルな印象を与える。メランコリックでダークな色彩を帯びたテイストから、ダウンテンポ系ではマッシヴ・アタックやポーティスヘッドからジェイムズ・ブレイクなどを引き合いに出すUKのメディアもあったが、個人的にはシネマティック・オーケストラ、トゥ・バンクス・オブ・フォー、4ヒーローあたりを彷彿とさせる作品だった。

 それから3年ぶりに発表したセカンド・アルバムが『オール・シングス』である。ゲスト・ミュージシャンでは、ギターにシネマティック・オーケストラでも演奏し、リチャード・スペイヴンともコラボするスチュアート・マッカラムを招いている点が目に付く。基本的には前作の流れを引き継ぐ音楽性だが、全体的にエレクトロニックな要素がより強まった印象だ。“ザ・フィックス”や“ハイ・プレイズ”などがその代表で、クラブ・ミュージックとしてのエモーションやダイナミズムが前作に比べて濃厚だ。“ザ・ブリンク”のリズム・セクションとファンキーなディオンヌのヴォーカルは、明らかにクラブ・ジャズを意識したものだ。ビリンバウなどブラジル楽器も用いた“デルーシヴ”、オーケストラルなサウンドの“シニシレーション”あたりは、『トゥー・ペイジス』や『クリエイティング・パターンズ』の頃の4ヒーローが蘇る作品。ダークな味わいに富むコズミック・ジャズの“オビリヴィオン”は、シネマティック・オーケストラやトゥ・バンクス・オブ・フォーなどから受け継がれるUKクラブ・ジャズの神髄と言えるだろう。USのジャズとは全く異なる価値観や方法論を持つこのアルバムは、折衷精神が強い英国だからこそ生まれるものなのだ。

Laurel Halo × Hatsune Miku - ele-king

 昨年ベルリンのCTMフェスティヴァルで発表されたローレル・ヘイローの新しいプロジェクト、「スティル・ビー・ヒア(Still Be Here)」。これはクリプトン・フューチャー・メディアのソフトウェア「初音ミク」にインスパイアされたもので、Mari Matsutoya、Darren Johnston、LaTurbo Avedon、Martin Sulzerとの共同プロジェクトとなっている。そのスティル・ビー・ヒアが1月31日、“Until I Make U Smile”および“As You Wish”と題される2曲のMVを公開した。

 大きな文化現象となってしまったことで、かえってその勘所が見えづらくなってしまった感のある初音ミク~ボーカロイドだが、近年少しずつ音楽の文脈からそれを捉え直す流れが生まれてきているように思われる。かつてデトロイト・テクノにどっぷり浸かり、OPNことダニエル・ロパティンらと共同作業をおこない、〈ハイパーダブ〉から作品を発表してきたローレル・ヘイローのようなアーティストが、まさにいま初音ミクとがっつり向き合うというのは、何かひとつ大きな突破口になるような気がしてならない。今後の動きに注目である。

https://www.aft3r.us/still-be-here/

P Money - ele-king

「俺はここにいる」というメッセージ

 10年以上のキャリアでmixtapeやEP作品をハイペースで発表し続けているロンドンのMCピー・マニー(P Money)が、15曲収録のデビュー・フル・アルバム『Live + Direct』を〈Rinse〉からリリースした。これまで、ダブステップやドラムンベースのトラックで名前をご存じの方もいるかもしれないが、彼はキャリアの中で一貫してグライム・サウンドでラップしてきた。今作もトレンドであるトラップの影響を受けたグライム・チューンの上でマイクを握った曲が多く、USヒップホップから入った人でも聴きやすい。

 さて、オープニングトラックのIntroを聴いたとき、このアルバムが単なるヒット曲の寄せ集めではなく、ひとつの作品であることを確信した。シーケンスが重なり合っていく4分のトラックの上で、不在の父に対する報われることのない期待、義理の弟、彼のグライム・クルーとなるOGzとの出会い、トラブル、母への愛をラップする。そして、なぜアルバムを出すのか? という創作の原動力につながる、複雑な感情が表れている。

I had hate for my creator
Only used to see him in the paper
Mum tried to get me to stop stressing
Looking at the front door, wondering and guessing
Now there ain't a thing that could make me forgive him
Once upon a time my dad asked me how old I was on my birthday
Man I thought he was kidding

俺はお父さんを嫌ってた
彼は紙の上でしか見たことがなかった
ママは俺が父にこだわらないようにさせた
家の玄関を見て、考え、想像した
今でも彼を許すようなことはない
いつか、お父さんは誕生日に俺が何歳になったか聞いた
俺はからかわれてるかと思った
(“Intro”)

 15歳の時、濡れ衣で裁判所に呼び出されたP Moneyはそんな父に頼ろうとする。

I called my dad, sent him texts, left him voicemails
But the guy wouldn't pick up
And there's me thinking he would've fixed up
Then randomly out of the blue I got a text from him
Saying "it's gonna be alright, good luck"
Oh my days, what the fuck

お父さんに電話した、テキストを送ってボイスメールを残した
あの男は電話を取ろうとしなかった
俺はお父さんがこの問題を解決できたと思ったんだ。
そして、出し抜けにこんなメッセージが届いた
“きっと良くなるさ、グッドラック”
なんてこった !
(“Intro”)

 TR.02“Panasonic”では、Street Fighterのサンプルとともに、イギリスのグライムにおける自身の存在をボーストし、Stormzyを迎えたTR.04“Keepin' It Real”では、音楽に対する姿勢とフェイクとリアルの境目についてこだわる。OGzを率いて自身が運転するバンで周る彼が言うなら、それはとてもリアルな表現である。

 Terror Danjahの歌フックとP Moneyのスキルが冴える(複雑な)恋愛ソングTR.06“Contagious”、信頼に足る「Man」であるかをへらへら近寄ってくるクソ野郎に問うた“Don't Holla At Me”を挟み、TR.11“Gunfingers”へつながる。

 Skepta、Wiley、JMEをゲストに迎えたこの曲からは、アルバム・ジャケットでBorn & Bred フェスティヴァルのステージから、学生が集まる小さなクラブまで全てのショーをロックするP Moneyの姿が目に浮かんだ。そして、ラスト・ソングの“10/10”へ向かっていく。音が注意深く選ばれたSir Spyroのシリアスな雰囲気漂うトラックの上で、彼はイギリスのManchester、Bristol、Leedsなど各都市でショーを完全にロックする。フードを深くかぶった彼のライヴ映像が入るMVも素晴らしい。

 ラップは声なきものに声を与えると言われる。そして、P Moneyは「俺はここにいる」というメッセージを繰り返し発している。それは紙の上でしか知らない父に向けて、パーティでたまたま遊びに来たお客さんに向けて、ビックフェスのショーを観にくるファンに向けて、生で直接伝え続けることだ。ダブステップからグライムへとトレンドが移り変わっても、彼のラップはUKにあり続けるという宣言でもある。

Jesse Osborne-Lanthier - ele-king

 ジェシー・オズボーン・ランティエは、ベルリン/モントリオールを拠点とするサウンド・アーティストだ。彼はソロに加えて、バナルディーノ・フェミニエーリとのフェミニエーリ・ノワール、ホボ・キューブズとのザ・エイチ(The H)というユニット活動もおこなっており、2015年にはロバート・リッポックとの『タイムライン』を、2016年にはグリーシャ・リヒテンバーガーとの『C S L M』をリリースするなど、コラボレーションにも積極的。リリースは主にカセットとデータ(リヒテンバーガーとの作品はLP/データ)を中心におこなわれ、〈ホエア・トゥーナウ?〉や〈ハルシオン・ヴェール〉など、知る人ぞ知るレーベルから作品を送り出してきた。そのサウンドは、聴き手の知覚の磁場を不安定に拡張するかのように強烈である。

 そのジェシー・オズボーン・ランティエが、2016年に〈ハルシオン・ヴェール〉からリリースしたアルバムが、この『アズ・ザ・ロウ・ハンギング・フルーツ・ヴァルネラビリティーズ・アー・モア・ライクリー・トゥー・ハヴ・オールレディ・ターンド・アップ』である(以下、『ATLHFVAMLTHATU』)。私には、この『ATLHFVAMLTHATU』こそ、2010年代のインダストリアル/テクノの現在形を示すアルバムに思えた。ヒップホップやグライムをルーツに持っているように聴こえながらも、それらの要素は、ノイズの中に焼け焦げ、まるで残骸のようなノイズとして放出されていたからだ。融解ではなく、焼き尽くされた感覚。まさに、この不穏な時代を象徴するような感性である。その衝動の連鎖のごときサウンドは、メタリックで乾いた感覚をリスナーの耳に残す。まるで鉄屑の美学のように。彼のリズムは、自身の衝動的な律動そのものだ。やや古い映像だが、3年前のライヴ映像を観ても、それはわかる。

 肉体の衝動。そして光の衝撃。この強烈な暴発感覚は、本作『ATLHFVAMLTHATU』でも同様だ。衝動と鉄屑のように乾いたサウンドは、より緻密に、強靭になり、同時に、一種の(奇妙な)ノイズ・レイクエム的な終末感覚を醸し出していた。そう、2010年代のインダストリアル/テクノが、ある種の同時代性を持っていたとするならば、この「世界が終わっていくこと」の意識/無意識を、強く反映した音楽だったからではないか。じじつ、1曲め“ノース・フェイス・キラ”から、まるで「空爆」のような壊れたビート、爆発のようなノイズが炸裂する。まさに「世界の終わり」の感覚である(むろん、それが一種のフェイクであったとしても問題はない)。

 だからこそアルバムの終曲=終局である“ヴェロシティ、バイロケーション、パイロキネシス”は、どこか讃美歌のように響いているのだろう。爆風と瓦礫。その果てにあるハーモニー。なんという美しい構成か。まさに崩壊していく「世界」へのノイズ・レクイエム。そして、その終末感覚こそが、本作を含む2010年代的なインダストリアル/テクノ、最大のテーゼといえる。いわばダークで物語性の強いテクノ。「ダーク・テクノ」。

 しかし、である。2017年以降、それは一定の役割を終えることになるのではないか。ノイズだとか、ミュージック・コンクレートだとか、エクスペリメンタルだとか、アンビエント/ドローンだとか、それら言葉の記号性が有効性を持ちえた時代が終わったともいえるし、より内実を伴いつつ、現実的な応用の時代に入ったともいえるし、そもそも世界は、いったん清算すべき時の直前に来ているのが、いまや明確になったからだ。世界は終わる。ゆえに物語は終わった。では、世界の無意識を反映する先端的音楽に、どのような方向性があるのか。ひとつは、ヴァーグのように、この世界のダークを鏡のように映しだすブラック・メタル・ダーク・テクノへと進む道があるかもしれない。

 もうひとつは霧のようなアトモスフィアがさらに押し進まれていく傾向だ。これはウォルフガング・ヴォイトが2016年のタスク・フェティヴァルで披露したライヴ/映像が、そのモデルとなるのではないか。現象の生成。

 さらに、もうひとつは、より電子音の即物性や生々しさを追及するモードである。近年のモジュラーシンセ・ブームを経由したものだが、より電子音パルスの衝撃が聴覚と体を揺さぶるタイプのものだ。それはもはやモノのように、そこにある。その本年最初の重要な作品が、〈ラスター・ノートン〉からリリースされたジェシー・オズボーン・ランティエのEP『アナロイド、アンライセンスド、オール・ナイト!』になるのではないか、と思うのだ。

 『アナロイド、アンライセンスド、オール・ナイト!』は、パリでのライヴ・セットの2時間前に制作・録音されたものだという。そのせいか収録された全4トラックは、即物的かつ即興的電子音の運動感覚とジェシー・オズボーン・ランティエらしい前のめりのメタリック・リズム感が生々しく横溢しており、シンプルながら、まさにパルスの衝撃のような中毒性がある。このマテリアル・オブジェクト的なパルス感覚こそ、2010年代的なインダストリアル/テクノ「以降」を示す兆候に思えてならない。
 私はこのEPを聴きながら、イヴ・ド・メイがベルギーの〈アントラクト〉からリリースした『レイト・ナイト・パッチング 1』を思い出した(なんとなく名前も似ている)。『レイト・ナイト・パッチング 1』もまた、イヴ・ド・メイがモジュラーシンセを用いて一晩で作り上げた即興的音響テクノである。『レイト・ナイト・パッチング1』は、〈スペクトラム・スプールス〉からリリースされた『ドローン・ウィズ・シャドウ・ペンズ』(2016)のダークで緻密な音響空間と比べると、即物的な電子音の集積による楽曲であり、その評価は賛否両論であったが(たしかに『ドローン・ウィズ・シャドウ・ペンズ』以降の過渡期的音源であるのは事実だ)、しかし、私などは、そのマテリアリズム/テクノに、インダストリアル/テクノ「以降」の兆候を強く感じてしまった。これは『アナロイド、アンライセンスド、オール・ナイト!』にも繋がる感覚である。

 2010年代前半的なダークなインダストリアル/テクノの物語性(世界の終焉のような。つまり『ATLHFVAMLTHATU』的)から、2010年代後半的なマテリアリズム(人間以降のモノ世界。つまり『アナロイド、アンライセンスド、オール・ナイト!』的)への移行である。音楽から「物語性」が漂白された世界へ。つまりはマテリアル・テクノロジカルな電子音楽へと変化(ある意味では遡行、ある意味では進化)しつつあるのだろう。

Anohni - ele-king

 アノーニ、怒っています。昨年リリースされたアルバム『Hopelessness』でテロや死刑や環境破壊について激しくかつ流麗に歌い上げ、アメリカという国の希望のなさ=ホープレスネスをあぶり出してみせたアノーニですが、トランプの大統領就任を受け、女性こそが道を変えるというメッセージとともに新曲“Paradise”を公開しました。

 まさに「ホープレスネス」という言葉が何度も登場するこの新曲は、3月17日にリリースされる新作EP「Paradise」に収録されます。同EPはアルバムに引き続き、ハドソン・モホークおよびOPNとのコラボレイション作品となっています。

A N O H N I
ブリット・アウォード2017ノミネートも話題のアノーニが
3月リリースの最新EPより、新曲“PARADISE”を公開!

本年度のブリット・アウォード2017にて「ブリティッシュ女性ソロ・アーティスト」部門にノミネートされたアノーニが、最新アルバム『HOPELESSNESS』に続く、最新EP「PARADISE」を3月にリリースすることを発表し、タイトル・トラックを公開した。

ANOHNI: PARADISE

アルバム同様、〈Warp Records〉所属の気鋭プロデューサー、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーとハドソン・モホークのふたりとのコラボ作品となっている“PARADISE”には、電子音と政治的な歌詞の衝突を通して、活動家たちの発言をサポートし、ポピュラー音楽に対する既成概念を破壊しようとするアノーニの姿勢が表れている。

本作には、完全未公開の新曲やライヴでのみ披露されている楽曲など計6曲が収録される。

label: Rough Trade
artist: ANOHNI
title: Paradise

release date: 2017/03/17 FRI ON SALE

[TRACKLISTING]
1. In My Dreams
2. Paradise
3. Jesus Will Kill You
4. Enemy
5. Ricochet
6. She Doesn’t Mourn Her Loss

interview with The xx  part.2 - ele-king






E王


The XX

I See You (ボーナストラック2曲収録)


XL Recordings/ビート

PopHouseIndie Rock



Amazon

 ザ・エックス・エックスのコアは何かと考えたとき、これまでは“VCR”のミュージック・ヴィデオ(https://youtu.be/gI2eO_mNM88)にもっとも分かりやすい形で表れていたと僕は思う。モノクロームの映像のなか、廃墟のような場所でたったふたり親密な愛を交わす恋人たち。ふいに色づく映像と、誰にも知られることのないふたりだけの感情の昂ぶり。その密室性と緊密さこそがザ・エックス・エックスの「わたし」と「あなた」の物語だった。
 だが、予想外の成功を経て、バンドははっきりと変わった。いま、ザ・エックス・エックスを表現しているのは見事なポップ・シングル“オン・ホールド”のヴィデオにおける淡くも眩い光だろう。そこでは無邪気に笑うザ・エックス・エックスの3人がいて、そしてどこにでもいるような10代の男女が楽しそうに踊ったり、愛を交わしたりしている。ジェイミーが少し照れながらDJをして彼らを楽しませている。インティマシーはザ・エックス・エックスにとってもっとも重要なテーマだが、それはいまより多くの音と感情を手に入れて、ダンサブルに、そしてポップに開かれているのだ。

 それでは、先日女性との婚約を発表したばかりのロミー・マドリー・クロフトのインタヴューをお届けしよう。オリヴァー&ジェイミーといくつか同じ質問を投げながらも、より彼女らのラヴ・ソングが描いているテーマに踏み込んだ会話になったと思う。ロミーもまた、シャイな佇まいを残しながらも、気さくに誠実にひとつひとつ答えてくれた。3人の経験したささやかな喜びや切なさが、『アイ・シー・ユー』には変わらず高い純度で、しかしもっとも鮮やかに封じ込まれている。(木津)

わたしたちが考えていたのは、ただ新しいことに挑戦したいということ。それから姿勢としてよりオープンでいること、明かりを取りこんだような音にすること。だからルールも何も設けない、というのがわたしたちが最初に話し合ったことだったね。


発表前の新曲をプレイする気分はいかがでしたか?

ロミー:今回のツアーはとにかく新曲に集中していて。新曲にどんな反応が来るかわからなかったからすごく緊張していたし不安だったけれど、うまくいって良かったと思うな。

オーディエンスの反応を感じました?

ロミー:ええ、すごく良かったと思う。

観客側から見ていてもそう感じられました。

ロミー:そうだよね。新曲は“リップス”から演奏したんだけれど、すぐに頭を動かしたりしてくれるのが見えて、緊張感がほぐれたよね。

それから、ライヴの終盤の重要なポイントでジェイミーのソロ曲を演奏するのが印象的でした。そうしたことも含めて、今回の『アイ・シー・ユー』というアルバムはセカンドの『コエグジスト』の続きというよりは、ジェイミーのソロ・アルバムの続きなんだという認識が3人のなかで共有されていたのでしょうか?

ロミー:延長線上というよりは、ジェイミーのソロがあったから今回のアルバムがセカンドと全然違うものになったんだと思うな。

野田:ジェイミーのソロとザ・エックス・エックスの関係性についてもう少し説明してもらえますか?

ロミー:前回のアルバムだとライヴでプレイすることを意識しすぎたり、みんながどういうものが好きかを考えすぎたりしたんだけど、今回のアルバムは自分たちの好きなサウンドをエンジョイすることができたんだよね。ジェイミーのソロのサウンドもすごく好きだったから、自分たちの好きなものを音にするっていう意味ですごく大きい影響を受けたと思う。自分たちもあとからそのことに気づいたんだけど、それも意識してやったわけじゃなくて、自然とそういう曲の作り方になってたのね。ジェイミーがソロで自分の好きなサウンドを表現したように、ライヴでも曲作りでもこれまでの「バンドらしさ」に囚われずに自分たちの好きなことができたのが大きかったね。

なるほど。ロミーから見て、ジェイミーのソロ作の魅力って何ですか?

ロミー:ジェイミーってすごく想像力豊かだから、オーディエンスを旅に連れていくような曲を作り出すことができるんだよ。構成もおもしろいし、メロディもすごく魅力的だし、あとは遊び心が曲にあると思う。

なるほど、ではジェイミーのソロを経ての『アイ・シー・ユー』の話をしますね。サウンドにもテーマにも広がりが出て、見事な作品だと思いました。アルバムに取りかかる前に3人で共有していたゴールはありましたか?

ロミー:いいえ、何も考えてなかった(笑)。わたしたちが考えていたのは、ただ新しいことに挑戦したいということ。それから姿勢としてよりオープンでいること、明かりを取りこんだような音にすること。だからルールも何も設けない、というのがわたしたちが最初に話し合ったことだったね。

そうでしたか。では、制作しながら見えてきた曲同士で共通するテーマやモチーフはありましたか?

ロミー:コンセプトやテーマっていうのはあまりなくて、一曲一曲がすごく違う折衷的なアルバムになっていると思うんだけど、それがかえってわたしたちのテイストを表現してるんじゃないかな。どんな音楽に対してもオープンだし、ミニマル・テクノだけ聴くとかニューウェイヴだけが好きとか、そういうことはないからね。わたしたちはジャンルってものが好きじゃなくて……そういうわたしたちそのものが表現されたアルバムだと思う。

では、そのヴァラエティに富んだアルバムをまとめるものとして『アイ・シー・ユー』というタイトルを決めたのはあなたですか?

ロミー:ええ(笑)。

それはどういうところから出てきたアイデアだったのでしょうか?

ロミー:制作の本当に最後のほうだったんだけど、タイトルどうしようって考えすぎて頭がおかしくなりそうだった(笑)。タイトルってアルバムのトーン全体を決めるすごく重要なものだと思うからね。だから歌詞を何度も読み返したりしたんだけど、やっぱり作品を作るプロセス自体がすごく重要だったんだと思えて。そのプロセスのなかでは友情っていうのがすごく大きかったんだ。自分たちが成長するなかでより良い友情っていうものが築けるようになっているし、3人の関係性も以前よりいい状態になって、だからこそいい音楽を作ることができた。あともうひとつは、人間って誰しも「見られたい」っていう願望があると思う。見られることによって理解されていると感じることができるし、それを今回すごくお互いに感じることができたからね。だからそのことをタイトルにしたんだよ。

なるほど。

ロミー:もうひとつ付け加えるとすると、わたしたちはバラバラに過ごした時期っていうのもあったんだけど、このアルバムを制作することによってより近くなることができた。そのことも表現しているね。それから、ファンへのメッセージでもあって……自分たちが若いとき、たとえばジャック・ホワイトのライヴを観ているときなんかに「どうせ彼には自分たちなんか見えてないよ」と思ってたんだけど、いざ自分たちがパフォーマンスするようになると、本当にオーディエンスが「見える」んだよね。だから、ちゃんと見ているよ、っていうメッセージでもあるんだ。

それはすごく納得できるお話ですね。それから、『アイ・シー・ユー』という言葉は、親密なコミュニケーションを描いているという点で、すごくザ・エックス・エックスらしいなと思ったんですよ。歌詞でもつねに一対一の関係というモチーフにこだわっていますよね。

ロミー:ええ。

それはどうしてだと思いますか?

ロミー:自分でもどうしてかはわからないんだけど、愛とか、ひととひととの間に起こる感情を描くことに惹かれるんだよね。ミュージシャンによっては怒りや政治について描くひともいるけれど、それは自分にはあまり理解できなくて。自分が惹かれて、なおかつ描きたいのがそういうテーマなんだよ。


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前のアルバムを作ったときは22歳だったけど、今回は27歳だから、その間の成長ってすごく大きいんだと思うんだよね。それがダイレクトに表れたんじゃないかな。

ザ・エックス・エックスの歌詞で特徴的なのは、三人称がほとんど出てこなくて、かつあなたとオリヴァーでヴォーカルを取っているので、ジェンダーレスなラヴ・ソングになっていることだと思うんですね。それはバンドにとって重要なことなんでしょうか?

ロミー:ええ、ええ。それはすごく意識的にやってる。そうすることによって男性であっても女性であっても、年齢がいくつであっても、すべてのひとが音楽に繋がりを感じることができると思うから、歌の物語を決めつけずに、緩さを設けるようにしているんだよ。

なるほど。『アイ・シー・ユー』はそのなかで、これまで描いてきた感情とは異なるものを捉えようとしたのか、あるいは深めようとしたのか、どちらに近いと思いますか?

ロミー:つねにより良ものにしようとトライしているんだけど、より複雑な感情をよりシンプルな方法で表現しようとしているんだよね。今回もそのことを追求したね。

「シンプル」、という部分をもう少し説明していただけますか?

ロミー:言葉をダラダラと並べて表現するのではなくて、より少ない言葉を使うようにしているかな。シンプルで、美しい言葉だね。

なるほど。僕が今回『アイ・シー・ユー』の言葉に感じたのは、“デンジャラス”にしても“ブレイヴ・フォー・ユー”にしても、「勇敢さ」というモチーフが前に出てることだったんです。

ロミー:ええ、そのことに気づいてもらえて嬉しいな。年齢を重ねたことによって自信がついたということもあるし、そのことによっていい意味でリスクを冒すということに繋がっていくと思えるんだよね。自分たちが大人になっているということがそのまま表現されていると思う。今回、自分たちが心地よいと感じるところから抜け出しんだよね。レコーディングの環境を変えたこともそのひとつだしね。ロンドンはやっぱり自分たちにとって心地いいけれど、いろいろなところで曲を制作したし、ライヴでもさっき言ったみたいにルールを設けず、あまり考えずに組み立てていったし。あと歌詞も、メールじゃなくてオリヴァーと同じ部屋で作ったっていうのも新しいこと、リスクを冒すことのひとつだったね。

「勇敢さ」というモチーフに今回僕が惹かれたのは、これまでは儚さや脆さみたいなもののほうによりフォーカスされていたと思うからなんですよ。

ロミー:そうだね。

その変化って、ザ・エックス・エックスというバンドのキャリアとシンクロしているのかなと思って。たった3人ですごくビッグな存在になって、この間のライヴもそうでしたけど、そのプレッシャーをはねのけて前に進んでいるというか。

ロミー:ええ、わたしもそう思うな。

そのことを表現したいという想いはありましたか?

ロミー:それを敢えて表現しようとしたわけではないよね。もっと勇敢であろうとか、もっとオープンであろうとかいう風にね。それは時間とともに自然と起こった変化で、それがそのまま表現されていると思う。前のアルバムを作ったときは22歳だったけど、今回は27歳だから、その間の成長ってすごく大きいんだと思うんだよね。それがダイレクトに表れたんじゃないかな。

なるほど、すごくよく分かります。もうひとつザ・エックス・エックスらしさでいうと、“オン・ホールド”のヴィデオがすごくいいなと思ったんですよね。さっき「友情」って言葉も出ましたが、バンド3人の親密さがよく表れていて。あれはどうやって出来たものなんですか?

ロミー:ありがとう(笑)。まず、レコーディングした場所に戻って撮りたいっていうのがあって、テキサスのマーファっていう本当に小さい町に行ったんだけど。フォトグラファーのアラスデア・マクレランが監督してくれて、温かさや若さといったような、これまでのザ・エックス・エックスからは連想できないテーマを引き出してくれた。そうやってできたヴィデオだね。いままではミュージック・ヴィデオに関してもっと神経質になってたんだけど、今回は誰かに任せてしまおうと思って、自分たちの親密さと温かさ、光と若さ、それからマーファの地元のひとたちを取り入れてほしいということだけフォトグラファーにお願いして、あとは本当に彼に任せちゃったんだ。

“On Hold”

ただ、ヴィデオがいまおっしゃたように光や明るさが表現されているのに対して、“オン・ホールド”の曲そのものはビターなラヴ・ソングですよね。これは言葉と音のどちらが先でしたか?

ロミー:言葉が先だったね。あの曲に関してはすごくいろんなヴァージョンがあって……ありすぎるぐらい(笑)。なかなかしっくり来なかったんだけど、ジェイミーがサンプルを取り入れたことでムードがガラッと変わって、息を吹き込んでくれたんだよね。

ほんとそうですよね。“オン・ホールド”はシングルらしいダンサブルでポップな曲ですけど、切ないラヴ・ソングが明るい曲調になっていることでどのような効果があると思いますか?

ロミー:ポップ・ミュージックのいいところってまさにそこだと思う。クラブに行くとすごく踊れて楽しめるんだけど、ちょっと止まって集中して聴いてみると悲しい失恋の曲だったりするよね。その二面性を楽しめることができることが魅力だなと思う。

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ええ、大好き。わたしもオリヴァーもすごくよく聴くよ。ジェイミーはもちろんだけど(笑)。ポップスやダンス・ミュージックは本当大好きでずっと聴いてきたんだけど、今回のアルバムはリスナーにもわたしたちのそういう一面を感じてもらえるものだと思うな。

ロミーはクラブ・ミュージックってよく聴くほうですか?

ロミー:ええ、大好き。わたしもオリヴァーもすごくよく聴くよ。ジェイミーはもちろんだけど(笑)。ポップスやダンス・ミュージックは本当大好きでずっと聴いてきたんだけど、今回のアルバムはリスナーにもわたしたちのそういう一面を感じてもらえるものだと思うな。

とくにどんなダンス・ミュージックが好きですか?

ロミー:80年代のシンセっぽいサウンド……ニュー・オーダーだったりオーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークだったり、それからイタロ・ディスコ。うん、ディスコ・ミュージックだね。エモーショナルなシンセサイザーが感じられるダンス・ミュージックが好きだな(笑)。

“アイ・デア・ユー”はザ・エックス・エックスのなかでも、ダンスという意味も含めてもっともアップリフティングな曲ですよね。とくにコーラスの「singing…oh, oh, oh」っていう部分に僕はビックリしたんですよ。すぐにライヴでシンガロングになりそうだなって。

ロミー:ええ、わたしもすごく興奮してるんだ。まだ6公演しかやってないんだけど、みんな曲をまだ知らないのに曲に繋がりを感じてくれているようなリアクションなんだよね。だからこれからアルバムが出て、曲をもっと知ってくれたときにどうなるかなってすごく楽しみにしてるんだ。

ええ、きっとすぐ合唱になりますよね。ただ、あそこまで一体感のあるものっていままでのザ・エックス・エックスにはなかったんじゃないかなと。

ロミー:ええ、わたしもそう思う。さっきも言ったみたいに、ああいうところから自分たちはポップなものも好きなんだよっていう、新しい面を見せてられていると思うな。今回のツアーのはじめの3公演では“アイ・デア・ユー”からスタートしたんだ。するとすぐにコネクトすることができたね。“リップス”から始めたときは、ミステリアスなムードを残しつつ、だんだん熱をこめていくセットにできたと思うよ。わたしは“アイ・デア・ユー”から始めるほうが好きかな。すぐにオーディエンスとの繋がりを感じることができるからね。それに、それっていままでのザ・エックス・エックスにはなかったものだと思うから。

『コエグジスト』の“エンジェル”なんかもライヴの映像を観るとアウトロで大合唱になってますよね。

ロミー:ええ、すごいよね!

あれって、あなたたちにとってすごく驚きだったんじゃないかなと思って。

ロミー:ええ! ほんとに。感動したよね。日本もそうなんだけど、いろいろな国や場所でそうやって応えてくれるんだよね。それはやっぱり、すごく嬉しいことだね。

いっぽうで、ニューヨークで45人限定のライヴもされてますよね。そうした小さい会場と大きい会場での親密さや一体感の違いってどういうところにあると思いますか?

ロミー:ええ、あれは2、3回同じ日にショウをやったりとか。それが何日も続いて。それは大きい会場でプレイするのとはすべてが違うよね。それは大きさというよりは、ライヴそれぞれで違った親密さというものがあるんだと思う。ニューヨークでプレイしたときも、入ったらすぐに大きいスペースがあるんじゃなくて、サイド・エントランスからトンネルを通って入ってもらうと3人が真ん中にいて、みんなに角で見てもらうっていう状態にしたんだよね。それでみんなは小さい部屋にはじめいるんだけど、天井がどんどん上がっていって、そこで壁が倒れて……そこではじめて大きい部屋にいることがわかるっていう仕組みになってたんだ。

へえー、おもしろいですね!

ロミー:オーディエンスはそこでちょっと混乱しちゃうんだけど、そうやって旅につれて行きたかったんだよね。そこではオーディエンスとの壁が本当になくなっている。触りたければ触れるっていうぐらいね。それを一度やってみたかったんだ。

『アイ・シー・ユー』というアルバムには、そういう最小限の親密感と、大勢のオーディエンスとの一体感の両方が表現されているように思えますね。

ロミー:ええ、ええ。“パフォーマンス”っていう曲なんかにはそういう小さい会場で演奏した経験がすごく反映されているね。そういう静寂のなかで生まれる関係性に影響を受けて作った曲もあるね。そこからアルバムに適した形、ライヴに合った形をイメージして作っていった曲もこのアルバムには入ってるよ。

すごくよくわかります。ザ・エックス・エックスってすごく緊密なコミュニケーションを体現してきたバンドだと思うんですが、これだけビッグになっても、その親密さをより多くのひとに純度の高い状態で届けようとしているように見えるんです。それがすごくよく表れたアルバムではないかなと思いますね。

ロミー:ええ。わたしたち自身もこの変化にはすごく驚いていて(笑)。わたしはバンドにいることによってどんどん自信をつけることができるんだけど、それをすごく嬉しく思ってるな。

では、ザ・エックス・エックスのもっとも変わった部分と、もっとも変わらない部分はそれぞれどんなところだと思いますか?

ロミー:お互いがお互いをより理解するようになったのが一番大きな変化だと思う。自分たちが何をどう感じるかを理解しているし、そのコミュニケーションの取り方もより良いものになったと思うな。変わらないところは、友情そのものだね。それはまったく変わってないね。たとえば今日もみんなでプールに行ったんだけど、オリヴァーとジェイミーは子どもみたいにはしゃいでて(笑)。わたしが感じるオリヴァーとジェイミーとの特別な繋がりはいまだに変わらないね。

(笑)まさにそれがザ・エックス・エックスだな、と思いますね。

ロミー:ええ(笑)。

野田:最後にひとつだけ。さっき政治的なことを表現することに興味がないとおっしゃいましたけど、2016年はブレクジットであるとかトランプ勝利だったり、政治的不安定さが露呈した時代だったと思うんですね。そういう社会的な出来事というのは、ザ・エックス・エックスの音楽にまったく影響を与えないんでしょうか。

ロミー:もちろんわたしたちも大人になってはいるし、世界で何が起こっているかは把握してはいるよね。で、もしかするとそれが将来反映されることもあるかもしれない。ただ、社会でそういうことが起こっていながらも、バンドや自分にとって何が大事かを考えたときに、自分がリスナーとして音楽を聴くときは自分が抱えているものから逃避させてくれたり、あるいは逆に向き合わせてくれて乗り越えることを助けてくれたり勇気づけてくれたりするものを優先しているんだよね。自分にとって一番関係があって、作りたいと思える音楽はやっぱりそういうものだと思うな。

野田:なるほど。ではUKには偉大なバンドがたくさんいますが、たとえばザ・スミスみたいなバンドは好きですか?

ロミー:ええ、もちろん(笑)! こうやってUKを離れてみると、たくさんの国のひとがUKの音楽を好きだって本当に実感したんだよね。それでますます、いまは自分の国の音楽が好きになってるよ。

Underworld & Young Fathers - ele-king

 90年代のポップ・カルチャーを代表する映画、『トレインスポッティング』。かつて社会現象にまでなった同作の続編である『T2 トレインスポッティング』が、UKで1月27日から公開されます。監督はダニー・ボイル、脚本はジョン・ホッジ、出演はユアン・マクレガー、ジョニー・リー・ミラー、ロバート・カーライル、ユエン・ブレムナーと、前作を作り上げた面々が再びスタッフおよびキャストを務めています。
 で、『トレスポ』と言ったらやっぱり“Born Slippy”でしょう! というわけで、アンダーワールドが続編の公開を記念して限定12インチのリリースを発表しました。映画の公開日と同じ1月27日にリリースされる同シングルには、“Born Slippy NUXX”の最新ヴァージョンである“Long Slow Slippy”と、新曲“Eventually But”の2曲が収録されます。
 また、『T2 トレインスポッティング』のサウンドトラックに収録されているヤング・ファーザーズの新曲“Only God Knows”も公開されました。かっこいいです。あー、映画の公開が待ち遠しい! 『T2 トレインスポッティング』の日本での公開は4月8日から。

日本公開決定も話題の映画『T2 トレインスポッティング』関連情報!
アンダーワールドが超限定12インチのリリースを発表!
ヤング・ファーザーズがサウンドトラック収録の新曲を初公開!

昨年続編公開決定のニュースが大きな反響を呼び、ついに日本での公開も発表された『T2 トレインスポッティング(原題:T2: Trainspotting)』から、最新情報が到着!

T2 Trainspotting Official Trailer

アンダーワールドのメンバー、リック・スミスが映画全体の音楽を担当していることはすでに発表されているが、今回アンダーワールドは、映画公開を記念し、超限定12インチを公式サイトunderworldlive.comのみでリリースすることを発表した。収録内容は、前作のエンディングで起用され、アンダーワールドが一躍世界的アーティストへと飛躍するきっかけとなった名曲“Born Slippy NUXX”の最新ヴァージョンで、続編の中でも実際に使用されるという“Long Slow Slippy”、そして昨年リリースされたアルバム『Barbara Barbara, we face a shining future』以来の新曲となり、この12インチでしか聴くことのできない“Eventually But”の2曲入りとなる。

Underworld - Long Slow Slippy / Eventually But 12-Inch Vinyl
https://underworld.tmstor.es/cart/product.php?id=31223

さらに、オリジナル・サウンドトラックに3曲提供しているヤング・ファーザーズが、その中から初出しとなる新曲“Only God Knows ft. Leith Congregational Choir”を公開!

Soundcloud:https://youngfathers.lnk.to/only/soundcloud
Apple Music:https://itun.es/jp/8I6uhb?i=1196665106
Spotify:https://open.spotify.com/track/5iLRzSviAdN4IjOjiD0vtQ

ヤング・ファーザーズと映画の原作者であるアーヴィン・ウェルシュは、2015年にウェルシュが自身と彼らの地元であるエジンバラのクリエイターについて描いたドキュメンタリー番組をきっかけに出会い、今回の大抜擢につながった。『T2 トレインスポッティング』の中では、オリジナル・サウンドトラックに収録されている3曲を含め、計6曲が起用されている。

Labels: Smith Hyde Productions / Beat Records
artist: UNDERWORLD
title: Barbara Barbara, we face a shining future
アンダーワールド
『バーバラ・バーバラ・ウィ・フェイス・ア・シャイニング・フューチャー』
release date: NOW ON SALE
国内盤CD: ¥2,450+tax

商品情報はこちら:https://www.beatink.com/Labels/Underworld/BRC-500/


label: BIG DADA / BEAT RECORDS
artist: YOUNG FATHERS
title: White Men Are Black Men Too
ヤング・ファーザーズ
『ホワイト・メン・アー・ブラック・メン・トゥー』
release date: NOW ON SALE
国内盤CD: ¥2,000+tax
国内盤特典: ボーナストラック追加収録/解説書封入

商品情報はこちら:https://www.beatink.com/Labels/Big-Dada/Young-Fathers/BRC-463/

Gorillaz - ele-king

 やっぱりデーモン・アルバーンは大した男だ。昨年から少しずつニュー・アルバムの情報をドロップしていたゴリラズだが、ついに待望の新曲が公開された。それも、1月20日の大統領就任式にあわせて。しかも、タイトルが“Hallelujah Money”でヴォーカルを務めるのが元ホームレスのベンジャミン・クレメンタインなのだから、これは間違いなく諷刺だろう。さらに、新曲の公開を告知するにあたりツイッターのオフィシャル・アカウントは「暗い夜における真実(トゥルース)の稲妻」と呟いているが、これは「ポスト・トゥルース(真実)」を踏まえた表現だと考えることができる。やっぱりデーモン・アルバーンは大した男だ。この曲が新作に収録されるのかどうかは不明だが(いまのところどちらの情報もある)、なんにせよアルバムが待ち遠しいぜ。

Rob Smith & KURANAKA - ele-king

 モア・ロッカーズの『Dub Plate Selection Volume 1』はいまでもポップ・ミュージックの歴史にその名を残す名盤である。「ドラムンベースって何?」と訊かれたら、これを薦めておけば間違いない。その後スミス&マイティを経て、いまはRSD名義でブリストル・サウンドを更新し続けているロブ・スミスが来日する。
 彼を迎え撃つのは、日本のアンダーグラウンド・シーンを支えてきた異才クラナカと、今年で21年を迎えるロングラン・パーティ「Zettai-Mu」。1月21日の公演@梅田NOONにはD.J.Fulltono が、1月27日の公演@渋谷CIRCUSにはGOTH-TRADが出演することも決まっている。詳細は以下を。

日本中の真の新の進の震の深の神の心のミュージック・ラヴァー&ベース・ジャンキーたちがしんしんと集結する、日本唯一のロングラン・パーティ〈ZETTAI-MU〉。コアとなる点はブレることなく、音楽や文化が進化・成熟するたびに、ZETTAI-MUもアップデートを繰り返してきた。時代は移り変わろうとも、常にその最前線・最深部に存在し続けているパーティであり、国内外問わず、数々のレジェントを迎え、幾度となく最高の夜を(至福の朝を!)演出してきたパーティ。内臓が震えているのがわかるほどの重低音と、血湧き肉踊るリズム、生き方すら変えてしまうほどの強靭なメッセージ、そして“集まる”という大事さ。記憶に焼き付く、身体に染み付く、忘れえない体験がそこにはある。
昨年からのKURANAKA ASIA TOUR、China、Shanghai、Beijing、Sichuan、Philippines、Manila、Thailand、Taiwan、Vietnam & Japan行脚を経て、 22年目になる2017年スタートの、1/21 (SAT) @ NOON (Umeda. Osaka)、1/27 (FRI) @ Circus Tokyo (Shibuya ShinMinamiGuchi. Tokyo) は、Massive AttackやWILD BUNCHとともに、 数々のオリジナリティあふれる革新的な音楽を生み出し続ける世界の音楽の発信地ブリストル・ミュージックの代表格SMITH&MIGHTYより、Jungle、Drum&Bass、Dubstep、Abstract Beats etc. のトップ・クリエイター&DJとして世界中に広がるシーンのリヴィング・レジェンド! ROB SMITH a.k.a RSDが登壇!!

https://www.zettai-mu.net/news/1701/robsmith2017/

 

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2017.1.21 (SAT) OSAKA
ZETTAI-MU UMEDA NOON Again!!

日本で唯一シカゴ・ハウスからゲットー・テック、ジュークまでを通眼する存在。日本にJuke / Footworkシーンを根付かせた伝道師。Mr Booty Tuneこと、D.J.Fulltono! FatKidOnFire (UK)、Encrypted Audio (UK) などから作品をリリース。2016年にはKarnageとの共作を自主リリースするなど精力的に活動する、岡山在住、気鋭のDUBSTEPプロデューサーDAYZERO!! 深化し続けるNOONの裏名物パーティ“depth”主催、ハード機材を駆使した即興性の高いLIVE MIXを展開するRhy-s! 京都を拠点に活動し、UK TrapシーンのホープHUCCIを擁する「VEYRON ARCHE」に所属。着実に世界との扉を開く新鋭プロデューサーMADKO$MO$! 「ハードヒットレゲエ」を謳うパンクでダビーな音とレベルなルーツロックでジャンルを越えた夜をハードにヒットする。3ピースレゲエダブバンド、バンヤローズ! 日本の大衆文化/サブカルチャーを源に独自の視点で多角的な表現を試みるペインターBAKIBAKI (DOPPEL) によるDJ名義VakiX2! from ATTACK THA MOON中LAのライヴペイントに、BUGPARTY主催、NAGAやCOTYLEDON SOUND SYSTEMの2SHANTI、101、yuki pacificといった関西各地の面々も勢揃い!

:: LINE UP ::
ROB SMITH a.k.a RSD (SMITH&MIGHTY / UK.BRISTOL)
KURANAKA a.k.a 1945 (Zettai-Mu, Outlook jp)
D.J.Fulltono (Booty Tune/Somethinn)
Dayzero (FatKidOnFire / Encrypted Audio)
バンヤローズ
Rhy-s (depth/NOON)
MADKO$MO$ (Veyron Arche / #MADWANT )
VakiX2 a.k.a BAKIBAKI (Doppel / ARHBK)
NAGA (BUGPUMP)
2SHANTI (COTYLEDON SOUND SYSTEM)
101 (DIRT)
yuki pacific
and more...!!!
:: LIVE PAINT ::
中LA (ATTACK THA MOON)

 

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2017.1.27 (FRI) TOKYO
ZETTAI-MU

2016年には待望の新作アルバム『PSIONICS』をリリース! UK London MALA (Digital Mystikz) 率いる DEEP MEDi MUSIK所属、世界中で活躍し最も尊敬を集める日本人プロデューサーGoth-Trad!! 初ソロ名義アルバム『The Ja-ge George』をリリースした、東京発世界発信のレーベル/プロダクション「PART2STYLE」の看板アーティスト、オリジナル異型ラガマフィン・ディージェイ、Jage-GeorgeがMAL (PART2STYLE SOUND)とのセットで登場!! 90年代より東京のDrum&Bass / Jungleシーンを牽引するSoi productions DX with Osamu G.Gに加えて、DJ DON! そして新宿Duusraaのサポートによる2nd FloorにはThe Chopstick KillahzよりMars89、Min、HALU、maidable、SYNDROME、Ampsなどの若手も勢揃い!
Bass & Beats Music JunkiesにはマストなまさしくConcrete jungle Music Night!

:: 1st Floor ::
ROB SMITH a.k.a RSD (SMITH&MIGHTY / UK.BRISTOL)
KURANAKA a.k.a 1945 (Zettai-Mu, Outlook jp)
GOTH-TRAD (Deep Medi Musik.UK / Back To Chill.JP)
Ja-ge George + MAL from PART2STYLE
Soi Productions (DX&OSAM "GREEN GIANT")
DJ DON (新宿ドゥースラー)
and more...!!!

:: 2nd Floor ::
Mars89 (The Chopstick Killahz / 南蛮渡来)
Min (The Chopstick Killahz / 南蛮渡来)
HALU
maidable (Shoot Recordings / Rubik Records)
SYNDROME (SKETCH UP! Recordings)
Amps (Weekend Shuffle/TREKKIE TRAX)
and more...!!!

 

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ROB SMITH a.k.a RSD
(Smith & Mighty / More Rockes / Tectonic / Punch Drunk / Black Box / Moonshine / Zettai-Mu from Bristol. UK)

Massive AttackやWILD BUNCHとともに、数々のオリジナリティあふれる革新的な音楽を生み出し続ける世界の音楽の発信地、ブリストル・ミュージックのレジェンド、スミス&マイティ "ROB SMITH a.k.a RSD"!! 80年代前半より、レゲエ・バンドのレストリクションで活動を開始。その後、レイ・マイティとともに、ブリストル・ミュージックの代表格として君臨するスミス&マイティとしての活動をはじめ、マッシヴ・アタックのファースト・シングルをプロデュース。そしてバカラックの古典をブリストル流に解釈した「エニィワン」の大ヒットによって、マッシヴ・アタックと並ぶブリストルの顔としてメディアに大々的に取り上げられるようになる。これまでに「ベース・イズ・マターナル」「ビッグ・ワールド・スモール・ワールド」「ライ フ・イズ…」、2003年には初のベスト・アルバム「フロム・ベース・トゥ・ヴァイブレーション」を発表。また、ロブは、初期のマッシヴ・アタックにも参加していたピーターDとのドラムンベース・ユニット“モア・ロッカーズ”での活動も精力的におこなっており、2004年にはアルバム『セレクション3- トライド・アンド・テスティド』をリリース。DJ-Kicksより『Smith & Mighty』、ソロ・アルバム『アップ・オン・ザ・ダウンズ』を発表。09年には、ブリストルの〈パンチ・ドランク・レコード〉の記念すべき1枚目のアルバムとして『グッドエナジー』をリリースする。2009年スミス&マイティとして【METAMORPHOSE】に来日。現在進行形のブリストル・ミュージックで多くの日本のクラウドを沸かせた。そして、2011年には、ZETTAI-MUよりニュー・アルバム『GO IN A GOODWAY』をリリース、同年3月の "SMITH&MIGHTY" 公演は震災の影響により中止になったが、急遽DOMMUNEによる【WE PRAY FOR JAPAN】に出演、日本中を音楽の力で勇気づけた。近年はスミス&マイティの進化版とも言えるダブステップ名義 "RSD" で数々の傑作を生み出し【GRASTONBERY FESTIVAL】【OUTLOOK FESTIVAL】【Deep Space NYC】などオーディエンスを魅了しつづけている。2014年には、"Rebel Sound (Chase & Status + Rage, David Rodigan, Shy FX)" など世界中で話題になった【Red Bull Music Academy - Red Bull Culture Clash】Bristol大会において (Rsd + Pinch + SGT Pokes + Joker + Jakes + Chef + Riko Dan) "Subloaded Sound force" として、Winnerに輝いたのも記憶に新しい。レゲエ~ダブ~ジャングル~ドラムンベース~ダブステップのトップ・クリエーター/トップDJとして世界中に広がるこのシーンのリヴィング・レジェンド! 正真正銘、最新最核の現在進行形のブリストルサウンド!

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KURANAKA a.k.a 1945
(Zettai-Mu, Japan)

11の顔と1000の腕を駆使し日本中のアンダーグラウンドから革命の狼煙を上げ続ける絶滅危惧種の野生の日本人。開放的な上物と相まって叩き打つリズム、体中を行き来する超重量級ベース、フロアを狂喜乱舞させる獣の様なダブ・エフェクト!! 20年以上にわたって日本のダンス・クラブ・シーンの最前線で活動する。Dub、Jungle、Drum & Bass、Dubstepと呼ばれるUK Sound systemミュージック、そして日本のDeepサイド・ミュージックのパイオニア。
今年で21年を迎える日本唯一のロングラン・パーティ「Zettai-Mu」(大阪Bay Side Jenny、梅田Noon、難波Rockets、新宿/恵比寿Liquidroom、代官山Unit、Yellow、Eleven、代官山AIR、渋谷Asiaなど)をはじめ、近年盛り上がりを見せるBass music partyの最高峰「Outlook Festival Japan」そして13年にはAsia初となる「Sonar Music Festival」の国外サテライト・イベント「A Taste of SONAR」の主催者でもある彼は日本初の野外フェスティヴァル・レイヴ「Rainbow 2000」をはじめ、3度の「FUJI ROCK FESTIVAL」「朝霧JAM」「METAMORPHOSE」「Outlook Festival」「Saturn」「Earth Dance」「明宝 Reggae Festa」「渚音楽祭」「舞音楽祭」といった屋内外のフェスティヴァルにヘッドライナーとして出演。シーンの草分け「Drum & Bass Sessions」や 東京アンダーグラウンド・ビーツ最前線「Tight」などのレジテンツ、和太鼓チームとのコラボレーション、DRY & HEAVYのヴォーカルAO INOUEをフィーチャリングしたステージや、REBEL FAMILIA / DRY & HEAVYのベーシストAkimoto "Heavy" Takeshi、BOREDOMSのE-DA、アコーディオン奏者COBAとのセッション、古くはディジュリドゥ奏者GOMAをフィーチャリングして「Rainbow 2000」「FUJI ROCK FESTIVAL」「METAMORPHOSE」といったフェスティヴァルに出演、近年は日本のレゲエ・オリジネーターMUTE BEATのリーダー、こだま和文とのライヴ・セットでの活動や、Shing02との同期コンビでふたつの国際芸術祭(2014年ヨコハマトリエンナーレ、2015年KYOTO PARASOPHIA)1年にわたり繰り広げられたステージを飛び出し観客と深化させる問題作『日本国憲法』がリリースされるなどジャンルや時代の垣根を越え様々なシーンの最前線で活動する。「海底2万マイル ZETTAI-MU 丸腰でトライするエンタープライズ ゼロ足しても掛けてもゼロ」THA BLUE HERBのBOSS THE MCが歌っているように、シーンを底の底で牽引する日本のSUB CULTURE界のラスボス。
20年以上もの間、年間100本近いギグをおこない、これまでに日本・アジア・UK・ヨーロッパなど40回以上のツアー行脚を行っている彼は、LEE PERRYの来日ツアーをはじめ、JAH SHAKA、LKJ、DENNIS BOVELL、ADRIAN SHERWOOD、ABA SHANTIといったRoots Reggae / Dubの来日公演から、世界最大のサウンドクラッシュ「Red Bull Culture Clash」においてGrand Winnerに輝いたRebel SoundのSHY FXをはじめ、CONGO NATTY、RONI SIZE REPRAZENT、ANDY C、DEGO、The BUG、MALA (DMZ)などのJungle / Drum and Bass / Dubstepのアクト、グラミー賞5冠制覇のDAFTPUNKの初来日、UnderworldのDERREN EMERSON、近年にはJAMES BLAKEの初来日公演のACTも務める。またカリフォルニアのFLYING LOTUS、NY・ブルックリンの COMPANY FLOW、AESOP ROCK、NINJA TUNEといったHipHop / Beats系、国内では「HAPPERS ALL STARS (Audio Active. Dry & Heavy. Tha Blue herb. 1945)」での全国ツアーや、BOREDOMSのツアー、THA BLUE HERB、REBEL FAMILIA (GOTH-TRAD + HEAVY)、OKI DUB AINU BAND、O.N.O、QUIETSTORMなどとツアーをおこなっている。
初期のリリースはMOUという名義で (w/ NHK Koyxen) ドイツの名門〈MILLE PLATEAUX (ミルプラトー) 〉よりABSTRACT HIPHOPの先駆け『ELECTLIC LADY LAND』などにDJ SPOOKYやDJ VADIM、TECHNO ANIMAL (THE BUG) などと並びクレジットされている。またコンピレーション『響現』や〈CISCO Records〉よりDRY & HEAVYのベーシストAKIMOTO "HEAVY" TAKESHIをフィーチャリングした楽曲をリリースしている。1945名義では『TIGHT』シリーズのMIXを〈煙突レコーディングス〉よりリリース。リミキサーとしてもAudio ActiveのRemixを〈On-u sound〉よりリリース。REBEL FAMILIA、ORIGINAL LOVEなどの作品を解体~再構築し、ロンドンICAなどでのコンテンポラリー・アート・ショウや、アメリカはネバダ州Burning Manでのプロジェクトに楽曲を提供するなど活動は多岐にわたる。そしてJungle~D'N'B黎明期の片仮名「クラナカ」という名義ももちろん彼であり、世界中で愛用されているKORG「KAOSS PAD」Delay + Reverbe + Sirenが、彼のプレイからヒントを得て開発されたことはあまり知られていない。
強力なビートに乗るメッセージは、そのしっかり踏みしめた両足にのみ伝わる。繊細だが力強く感じ取れる「今まで」「今」そして「これから」へ、貴方が必要とする瞬間、一人ではたどり着けない場所に向かって、現代の太鼓打ちは今日も何処かで大きくバチを振る。

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