「IR」と一致するもの

Goth-Trad in Mexico - ele-king

チョルーラのレコード屋ディスコフレニアを訪れたGoth-Trad (Photo by Karenillo)
チョルーラのレコード屋
ディスコフレニアを訪れたGoth-Trad
(Photo by Karenillo)

 日本のDJ、プロデューサーのゴストラッドが、メキシコに来るというニュースを知ったのは、プエブラ州都プエブラの郊外の町、チョルーラのレコード屋、ディスコフレニアを経営するリカルド・グスマン(通称ニック)のフェイスブックの書き込みだった。何でも、ディスコフレニアの1周年記念と、彼が所属するプエブラのベース・ミュージック・コレクティヴ、アンダーベースのパーティで、ゴストラッドを呼ぶというのだ。
 ゴストラッドは2014年8月に初のラテンアメリカ・ツアーで、ブラジル(リオ・デ・ジャネイロ、サンパウロ)、アルゼンチン(コルドバ)、米国(デンバー)、メキシコ(カンクン、メリダ、グアナファト、メキシコシティ)をまわり、それを締めくくるのが、プエブラ州都プエブラとなったわけだ。
 私が住む首都メキシコシティの電子音楽シーンは、業界人のたまり場となるだけで盛り上がりに欠けるので、車で片道3時間かけても、ニックの仕切るプエブラのイヴェントへ行くと決めた。ニックはジャイアンのようなキャラで、突っ走り過ぎるのがタマにキズなのだが、その強引さと頼もしさでパーティを確実に成功させる。私はメキシコ在住8年目だが、記憶に残るほど楽しいイヴェントには、ニックが関わるものが多い。
 ところで、ゴストラッドとメキシコというのに違和感を覚える人もいるかもしれないが、メキシコとベースミュージックは相性がいいと思う。たとえば、メキシコでは1970年代から存在するゲットーの路上サウンドシステム=ソニデロの発展により、低音を効かせたメキシコ独自のクンビアが根強い人気を誇っている。若者の間ではルーツやダブのレゲエ・イヴェントも頻繁に行われているし、ドラムンベースやダブステップも好まれている。日本の某音響メーカーの人がメキシコで売れるスピーカーは、音質よりもとにかく低音が響くものだと言っていて、その確信を深めたものだ。

プエブラのイベント風景


 イヴェント当日の8月30日。メキシコ人の私の夫を運転手に、メキシコ人の友人たち3人と、日本人の友人1人を含める計6人が、無理矢理自家用車に乗り込んで、プエブラへ向かった。
 高速道路へ入るときに、メキシコ人たちは皆一斉に胸の前で十字を切って、道中の無事を祈る。かつてはその仕草に「大げさだな」と驚いたけど、カトリック教徒が人口の8割以上のメキシコでは一般的だ。物騒な話だが、メキシコの人びとは、いつ死んでもおかしくないと常に自覚している気がする。山間部では大雨でスリップして横転した車も見て、夫が再び十字を切った。
 プエブラに着いたのは夜11時ごろ。会場の「アコピオ・ブラボー」は、世界遺産に登録される華やかなプエブラ中心部から少し離れた住宅街に位置するが、今回のイベントが、なぜかロードレースのゴール地点となっていて、たくさんの自転車乗りたちが入り口にたむろっていたので、すぐにわかった。

 入場の際にガタイのいい警備員からボディチェックが入り、銃刀や、ドラッグ、酒を所持していないかチェックされる。だいたい、どの場所でもこのチェックは怠らないので、メキシコの夜遊びはハコに入ってしまえば意外と安全だ。
 中に入ると、そこはクラブではなく、民家の中庭のようだった。ステージは、コンクリートの土台に簡素なテーブルが置かれているだけ。照明やスモーク、音響などは完備し、頭上には雨よけの大きなシート屋根も張ってあった。ドリンクを売るスペースでは、カクテルも販売している。ちょっと村祭りっぽい雰囲気だ。
 すでにニックがDJをはじめていて、ルーツ・レゲエを中心にかけていた。音響もいい感じだ。続いてアンダーベースの代表のケインスターBが、ダブやダブステップをかける。ふたりともアナログを使っているのがいい。その後、地元のブレイクビーツのアーティスト、ルイドがライヴを披露する。彼は足下もおぼつかないほどラリっていたのだが、信じられないほど機敏に観客の反応を汲み取って、ラテン、レゲエ、ヒップホップ、ゲームミュージックを盛り込んだ演奏で楽しませてくれた。深夜1時をまわった頃には入場者数はさらに増えて、ゆうに500人は居る。

 そして、いよいよゴストラッドの登場だ。前半はダブステップでもかなりノリのいい曲をかけていた。10年ほど前にゴストラッドの演奏を日本で見たが、当時はインダストリアルな轟音を操る印象があったので、そのギャップにちょっと戸惑う。
 しかし、次第に、硬質な音が耳を刺激してきた。複雑なビートと、変化する太いベースで、みるみるうちに音像を作り上げる。この闇を求めていたんだ! と、私は心で叫んだ。数日前に行われたグアダラハラ公演の現地メディアのレポートでは、「骨や脳味噌をシャッフルする音響体験」と書かれていたほどの、ゴストラッドの奏でる強いうねりに合わせて、皆が身体を揺らしている。
 会場には、学生も、おっさんも、おばちゃんも、ヘルメットを被った自転車乗りたちも、外国人も、金持ちのボンボンやピンヒールでこけそうになってる女も、フラフープのダンサーも、火を操るヒッピーな曲芸師たちもいて、ありとあらゆる人たちがごちゃ混ぜになって踊っている。一緒に来た夫や友人たちも心から楽しんでいるようだ。ジャンルや嗜好はもはや関係なく、この空間に響く闇を共有する人たちがいた。

 会場内の写真を撮っていたら、スティーヴ青木みたいな男が、声をかけてきた。「ここの場所の名前知ってる? ここはアコピオ・ブラボー(日本語だと“歓喜の集積所”)っていって、いろんないいパーティやってるよ。へへ、実は俺ここに住んでるの。え? 取材しにきたの? 俺の家が日本のメディアに載るの? ヒャッホ〜!」......やっぱり、人の家だったのか。でも、メキシコシティのハイプなクラブより、確実に多くの人を満足させてるのだから、この民家パーティは凄い。

プエブラのイベント風景


Goth-Trad   (Photo by Miho Nagaya)
Goth-Trad
(Photo by Miho Nagaya)

 ゴストラッドの出演後には、米国のダブステップ・シーンを牽引するジョー・ナイスのDJがはじまり、フロア(というか庭)は歓喜の渦に包まれていた。ゴストラッドが、しばらくジョーのDJを楽しんでいたところを割り込んで申し訳なかったが、ラテンアメリカ・ツアーを終えての感想を語ってもらった。今回なぜツアーが決まったのだろうか?

 「ブラジルのサンパウロのオーガナイザーから最初にやりたいという声が上がって、それからアメリカのエージェントがラテンアメリカ周辺に声をかけて、10本公演が決まった。サンパウロでは、俺がやっているような、プログレッシヴなベースミュージックのシーンは小さいみたい。他の国と同様に、コマーシャル寄りなブロステップやトラップは人気がある。
ダブステップを7、8年やってきて、その集大成的なアルバム『New Epoch』を2年前に出したけど、現在は自分が昔やってたノイズやインダストリアル寄りの音を振り返っている。今日の後半でやったような、インダストリアルとエクストリームなベース・サウンドとをミックスした音は最近の傾向。このところ以前に比べて米国からの依頼が多くて、ここ3年間は、年に2回ツアーを回って来た。米国ってブロステップのイメージが強いかもしれないけど、アンダーグラウンドのお客さんは、より新しい音を求めていると感じる。実際、今アメリカには、TriangleやType、Ghostlyなど面白いレーベルもたくさんあるしね。しかし、ラテンアメリカは初めてだから、ダブステップのDJという印象を持たれているだろうし、実験的な方向性を露にするときは、大丈夫かなーと思うんだけどね。でも今日は盛り上がって嬉しかった! ブラジルでも実験的なことやると、なんだ? 面白い! って反応があったし、皆新しいものを求めている気がする」

 今回のツアーでは、メキシコでの公演が最も多く、計5都市を巡るものだった。

 「メキシコは、まずリゾート地のカンクンへ行って、オーガナイザーはダブステップに興味はあるけれど、普段野外でサイケトランスのパーティをやってる子たちで。そんな感じだったから少々不安ではあったし、全然ダメなサウンドシステムだったけど、やれることはやった。客層はサイケトランスのイベントに来ている子たちだったと思うけど、結果的に盛り上がって良かったな。
 メリダはアートギャラリーcvのクルーで、彼らは音楽に詳しくて、いわゆるベース・ミュージックだけじゃなく、日本のバンドやノイズ・シーン、GodfleshとかSunn O)))みたいなバンドの話でも盛り上がって、ダブステップ以外の新しいアプローチも受け入れられる。ただカンクン同様にシーンははじまったばかりで、サウンドシステムは不十分だったね。
 グアダラハラはメキシコで2番目の都市だから、木曜だったけど300人くらい集まった。会場は昨年できたハコで、サウンドシステムはイマイチだったけど、他の場所よりは良かった。  
 しかし、首都メキシコシティは、ハコのサウンドシステムがモニターも外の音も全くダメで、フロアは埋まってたけど、基本的に自分が楽しめなかった。音がクソだったとオーガナイザーに伝えたけどね。メキシコシティよりも、グアダラハラのほうが盛り上がったのには、音質の問題がある。いいプレイしても音がショボかったら何にもならない。
たとえば、リオ(ブラジル)は千人以上、コルドバ(アルゼンチン)は800人以上のお客さんが入ったけど、両方とも良いサウンドシステム(のクラブ)を使ってるから人が集まってると思うんだ。
 そこまでお金をかけれる事情もあるのかもしれないけど、音の設備は自分がやってるような音楽の要だから、ちゃんとしてほしい。
 今回に限ってってわけじゃないけど、イベントをオーガナイズしてくれたプロモーターに対して、こういうネガティヴなことは正直あんまり言いたくないんだよね。ただ、自分の音のためにも言わなきゃいけないし、何よりシーンの発達には一番重要なことだから、過去の自分の経験して感じたことは素直に伝えるようにしている。
 あとメキシコは、時間にとてもレイジー(苦笑)。アルゼンチン、ブラジル、デンバー(米国)はちゃんとしてた。でもメキシコは本当にユルい! メリダ、グアダラハラはしっかりしてたけど、メキシコシティはとくにひどくて、まず、約束時間から30分遅れそうって連絡がきた後に、そこから2時間近く待たされた。で、理由は『交通渋滞がすごくて』とか。それ言い訳にならないから(笑)。そういやカンクンの人たちも、メキシコ人の(あと5分)は30分の意味だから、って言ってたな(笑)。俺はそこでブチ切れたり、もうギグやらないとか言わないけど、なかには遅刻に厳しいアーティストだっているわけだしね」

 欧米や日本で活躍しているアーティストにとったら、やはりメキシコの全般的ないい加減さは、ハンパないのだろう。では、良かった面はあったのか?

 「お客さんの反応が良かった。とくにグアダラハラとメリダ 、そして今日のプエブラは本当に面白かった! しかし、この会場って、人の家らしいよね。なんか、それもよくわからないというか.....(笑)。今日のギグが良かったのは、後半の実験的な音の方で盛り上がったから。わかりやすいDJやるのは、パーティ的には無難でいいかもしれない。でも、その場所の音楽の偏差値を伺いながら、それに合わせてDJやるのは、見に来てる人たちに対して、すごく失礼だから。"GOTH-TRADがいわゆる「DUBSTEP」をプレーする"と期待されてるのは自分でもよくわかってるんだけど、やはり、自分が今一番新しくて最高だと感じるセットを、どんな場所でもやらなきゃ。今回のツアーでは、全部その姿勢でやりきった。新しい試みに対して受けがよかったり、反応がなかったりする場所もあったけど、今回10箇所ギグできて、強い手応えがあった。
 総括したら、メキシコは良かったよ。ダメだな〜嫌だな〜ってことも全部含めて、すごく楽しい経験だった。あと、実際に訪れたことで、ラテンアメリカの見方が変わったね。ラテンだから陽気っていうよりも、ラテンだからこそ暗い部分が結構あると気づいた。意外に意外にエクスペリメンタルでダークな音/アートが好きな層も多いし。ラテンアメリカがヨーロッパとは違うのは、やはり侵略された歴史があるからかもなと思う。本当にまた、ぜひ来たいね」

 今回のプエブラのイベントを仕切ったアンダーベースの代表のケインスターBと、ディスコフレニアのニックにも今日の感想をきいた。ゴストラッドの作品をリリースするUKのレーベル、〈ディープ・ミディ〉のことは好きだが、ゴストラッドのことはイベントをブッキングするまで知らなかったそうだ。プエブラは大学都市で、若者の熱気が常にある場所だ。音楽のイベントも頻繁に行われていて、レゲエやアフロビート、ベースミュージックのシーンもあり、ふたりはその中心にいる。
 「ゴストラッドが才能あるアーティストだと理解していたけど、メキシコで認知度の低いアーティストを呼ぶのは大きな課題だった。でも俺たちはよくやったと思ってる。彼は凄いよ。とてもエネルギーにあふれ、観客をカタルシスへ誘いながら、自由に実験する術も知っている」(ニック)
 「僕たちクルーは懸命に働いていたので、あまり楽しめなかったけど、ゴストラッドのセットは、素晴らしかったよ。皆を瞬発的にトランス状態へ導き、踊らせた。そのビートで魔法にかけたんだ。それが観客ひとりひとりの顔にも表れていたよ。ゴストラッドは最高の夜を作り上げていた」(ケインスターB)

 宴は続いていたが、私たちメキシコシティ組は長旅のために、プエブラを後にした。運転手である夫は、また高速道路に入る前に十字を切り、車をかっ飛ばした。メキシコシティに着いたら、台風の接近でバケツをひっくり返したような大雨が降っていた。にも関わらず、町は目を覚まし、活発に蠢いている。メキシコシティは東京と同様に町のスピードが速い(時間にかなりユルいが)。ふと、東京の空気を懐かしく感じた。友人たちを家へ送り届けた後に、私たちは自宅のあるダウンタウンへ着いた。奇しくもメキシコシティ国際マラソン大会の開催日で、無数のランナーたちが、どしゃ降りのなかスタートを切ったところだった。「朝早くから、ずぶ濡れになって無茶するよなあ」と言ったあとに、「うちらも楽しむために相当無茶したよな」と、夫と笑いあった。疲れた身体を引きずりながらも、こんな充足感に満ちた朝を迎えたのは久々だった。

Agradecimiento a: Acopio Bravo,Underbass (https://www.facebook.com/underbasspuebla)y Discofrenia(https://www.facebook.com/Discofrenia

メリダのギャラリーresonanteでのゴストラッドのDJ

RESONANT - GOTH TRAD from Resonant on Vimeo.

Aphex Twin - ele-king

 彼の前に道は無し、とは言わないが、彼のうしろに道ができたのは事実だろう。エイフェックス・ツインとは、ポップにおける重要な分岐点である。クラフトワークやNYのガラージ・ハウスは理解できたとしても、92年のコースティック・ウィンドウの諸作や160bpmのハードコア・アシッドの「Digeridoo」、青いレーベル面にTHE APHEX TWINというスタンプが押されただけの12インチに関してはさっぱりだった、という人は少なくなかった。いや、その前にそんなものチェックもしてないか。ディスコの文脈では到底聴けたものではなかったろうし、一種の権威たちから評価されなかったものの代表格が、シカゴのアシッド・ハウス、デトロイトのUR、UKのジャングル(あるいはガバ)、そしてエイフェックス・ツインなのである。
 ことAFXに関しては、公に聴かせる音質としては掟破りなまでに歪んだTR606とTB303、それまでの宅録文化の標準クオリティからすればありえない音質……この点に関しては初期シカゴ・ハウス/デトロイト・テクノが先だが、しかしAFXのそれは、退行的な、機械をいじりながらほくそ笑んでいる、ただの子供のいずらに感じられなくもなかった。
 が、しかし、ある世代以降になると、そしてある人たちにとっては、彼の荒削りなテクノ・サウンドは悦び以外の何ものでもなかった。それは来るべき時代のはじまりを意味したのだから(で、実際にそうなった)。
 AFXが、それ以前のUKテクノ(ハウス)──ア・ガイ・コールド・ジェラルドや808ステイト、ベイビー・フォードやLFO──とは異質の存在感をはなっていたことは、デビュー当時の彼が、メディアから天才児扱いされるいっぽうで、「bedroom bores(こもり系)」、「ゲームボーイ世代」などと揶揄されていたことからもうかがい知れる。彼からは、旧来のポップスター文化がよくは思っていなかったパーソナリティー──恋人を誘って外に出かけるようなことはなく、部屋にこもってマニュアル片手に機材をいじり続けるような、ある種のオタク性──が前面に匂ってはいたが、ウケ狙いのDJをすることはなかったし、人に媚びることもなかった。リチャード・D・ジェイムスには、人が求めるようなロックのイディオムというものがなかったし、話題のロック・バンドからのリミックス依頼に関しても「そんなバンド、知らないし」と言う始末だった。

 だからこそ彼は歴史の起点に、ポップに新たな流れをもたらす起爆剤になりえたのだ。彼はメディアから賞賛され、顔が売れてからも、匿名性を捨てず、基本ひとりで作り、作品それ自体においてはアンダーグラウンドな姿勢を崩さなかった(『 ...I Care Because You Do 』以降の露悪的自己パロディも反ポップスター的な性格のねじ曲がった表出とも言えなくはない)。
 彼は、初期アシッド・ハウスやURの過剰さ、アホらしいジャングル(ときにはガバ)とコネクトしながら、最高にいかれた曲を作り、最高にロマンティックな曲を作った。こと90年代前半のエイフェックス・ツイン名義の作品には、無邪気で、彼のドリーミーな気質が録音されているわけだが、僕が『サイロ』の1曲目の“Minipops 67”を最初に聴いて思ったのは、「これって“Analogue Bubblebath”(92)じゃん」、だった。

 冒頭のドラムに続いて入る太いシンセ音とメロディは、間違いなくあの頃の「サウンド」だ。目隠しで聴かされても誰の曲かわかる。録音の良さや緻密に変化する曲のディテールには20年以上の経験が反映されてはいるものの、その出だしが暗示するように、『サイロ』には誰もが思い抱いているであろうAFXテイストが通底している。驚きはないが、親しみやすい作品である。ユーモアはあっても、聴き手を困惑させるような意地悪さもない。「あ、AFXだ」と、20年ぶりにケレンミのない、まとまりの良いアルバムになったと言えるだろう。
 1曲目が“Analogue Bubblebath”なら、2曲目の“Xmas_Evet10”は、『Surfing On Sine Waves』(92)を彷彿させる曲で、当時の言葉で言えば「リスニング系テクノ」だ。美しいメロディは、ある世代にとってレイヴのオプティミズムがいっぱい詰まったあの時代の空気を思い出させるかもしれない。今回のスリーヴ・デザインに使用されているAマークも、『Chosen Lords』(06)のときよりもはるかに、1周まわったからなのか、新鮮に感じられる。リチャード・D・ジェイムスは、「On」(94)以前の、自由気ままに作っていた頃の自分に戻っているんじゃないだろうか……そう思わせなくもないし、実際それは少しあるだろう。

 20年以上前の、機材で埋め尽くされた彼のベッドルームは、クラブのダンスフロアと田舎の牧草地帯の両方に通じていたものだが、『サイロ』にもそのふたつの側面がある。リチャード・D・ジェイムスはエレクロニカ/IDMの起点にもなった人なので、年齢を考えても、そちら側に大きく振れるということも予測されたわけだが、結果、そうはならなかった。
 ひとつ驚きがあったとすれば、『サイロ』ではファンク、ダンス・ビート/ジャングルにこだわっているということである。“4 Bit 9d Api+e+6”なる曲は、アシッディなシンセのうねりとドレクシア直系のマシン・ファンクとの結合だ。ストリングスの入り方はAFXらしいドリーミーな響きを有しているが、ドライで硬質な質感は、クラウトロッカーのメビウス&プランクの一連の作品とも似てなくはない。
 相変わらずよくわからない曲名の“Circlont6a”や“Circlont14”は、コースティック・ウィンドウ名義で試みていたような、悪戯っぽく、コミカルなトラックで、『サイロ』が楽しみながら作られた作品であることをほのめかしている。とくに高速ブレイクビートの“Circlont14”には、リチャード坊(©三田格)の子供っぽさが、あまりにも真っ直ぐ出ている。曲の細部において暴れまわる電子音は、玩具を持ってドタバタ騒ぎまくる幼児そのもので、ふたりの子供がいながらも自身もここまで子供でいられるのは、ある意味すごいとしか言いようがない(笑)。紙エレキングのインタヴューでは、「自分は成熟することを拒否していると言えるだろう」「シニカルな大人になりたくないから」と答えているリチャード・D・ジェイムスだが、『サイロ』を3回目に聴いたとき、僕はこの音楽のあまりの無心さに涙したことを告白しよう。

 実を言えば、『サイロ』を聴きながら「そーいやー、リチャード・D・ジェイムスって、デビュー当時はURのファンだったよなー」と思い出したのは、“Syro U473t8+e”のリズムがURの“Moor Horseman On Bolarus 5“”に似ているからだ。もちろんAFXにあのような勇敢な突進力はない。その代わりに何があるのかは、もう繰り返して述べる必要もないだろうけれど、たとえば、クライマックスとして配置された2曲のドラムンベース、“Papat4”と“S950tx16wasr10”には、彼の「ガール/ボーイ」哲学、いわばシャルル・クロス的ナンセンスが猛スピードで炸裂している。
 ダンスを意識していたとしても、いかんせんガキなので、セクシーに踊っているのではない(やはり、どうがんばっても、グルーヴィーには踊れないだろう)。ただただ身体を動かし、ぎゃーすかと騒いでいる、風に感じられる。試しに、まず覚えられない曲名の“S950tx16wasr10”を僕は5歳の娘に聴かせることにした。反応は予想通りで、AFXの最高作のひとつ、“Girl/Boy Song”の系譜の小刻みなブレイクビートに合わせて彼女は身体をガタガタと震わせた。サブベースが部屋に響くなかで、「ヘンな音楽ー」と感想をもらしたが、良かった、そう言われなければAFXではないのである。

 とはいえ、オリジナル・アルバムでは最後の曲になる“Aisatsana”は、クラスター&イーノ/レデリアスのソロ作品並みにロマンティックな曲だ。彼にとっては異例とも言える、とても真っ当なピアノの独奏によるアンビエントで、13年ぶりの新作を締めるには充分なほど美しい曲である。

 ひとつ種明かしをすれば、あわててスペシャル・リクエストのアルバムをレヴューしたのも、音楽的に『サイロ』と重なるところが多々感じられたからである。『Selected Ambient Works 85-92』(92)がそうだったように『サイロ』も時代と切り離される作品ではない……なんて書きながらも、ここしばらくのあいだAFXばかり聴いていたのですっかり洗脳されてしまったですよ。まずいよなぁ……。

スローイング・スノーの時間を贈ります - ele-king

 スローイング・スノーことロス・トーンズ。90年代のブリストル・サウンドを今日的に蘇生させ、マッシヴ・アタックとジェイムス・ブレイクをつなぐUKの超大型ルーキーとして多くのメディアから注目されてきたその男が、来週末ついに秋冷の東京に降り立つ。
 ele-kingでは3名の方を会場にご招待。以下の応募方法に沿ってご連絡をいただき、ぜひその姿と音を目のあたりにしてほしい。

■応募方法
下記要領でメールにてご応募ください
ご当選の方にのみご連絡を差し上げました(9月25日16:00現在)。
たくさんのご応募ありがとうございました。

締切を9月24日(水)とさせていただきます

件名:Throwing Snowライヴ招待係
本文:お名前、電話番号(緊急ご連絡用)をお書きください
※メッセージ等はご不要です
アドレス:info●ele-king.net 宛て(●を@に変えてお送りください)


■UNIT / root & branch presents
- Special Showcase in Tokyo -
THROWING SNOW (Houndstooth)

Pitchfork, Guardian, Dazed, Fact, Resident Advisor, XLR8Rなど大手メディアが早くからその動きを追いかけ、マッシヴ・アタック~ビヨーク~ジェイムス・ブレイクといったイギリス音楽の系譜に続く超大型ルーキー、全世界が注目する逸材スローイング・スノーの初来日公演決定! これぞ新世代のトリップホップ!

Live: THROWING SNOW (Houndstooth)
Guest Live: agraph, mergrim (moph records, PROGRESSIVE FOrM, liquidnote), submerse (Project: Mooncircle)
DJ: Ametsub

2014.09.26 (FRI) @ 代官山 UNIT
Open/ Start 24:00 ¥3,000 (Advance), ¥3,500 (Door)

Information: 03-5459-8630 (UNIT) www.unit-tokyo.com
Supported by P-VINE RECORDS
You must be 20 and over with photo ID.

Ticket Outlets: ぴあ(P: 242-392), ローソン (L: 72714), e+ (eplus.jp), Clubberia (www.clubberia.com/ja/store/), diskunion Club Music Shop (渋谷, 新宿, 下北沢), diskunion 吉祥寺, TECHNIQUE, DISC SHOP ZERO, JET SET TOKYO and UNIT
*ローソン/e+(8.30 発売)、ぴあ(9.3 発売)

■THROWING SNOW (Houndstooth)
ロンドンを拠点にスローイング・スノーの名前で活動するロス・トーンズ。彼はダブステップ、UKガラージ、ハウスからフォーク、パンク、ハードコア、メタル、そしてレゲエなど様々な音楽を聞いて影響を受けてきた。彼の音楽には心地の良い温かさと、光沢感のある冷たさが共存している。2010年にHo Tepレーベルからデヴュー・シングルをリリースし、その後はゴールド・パンダなどのリミックスを手がけてきた。ジャイルス・ピーターソンやベンジBの強力なサポートもあり、多くのラジオ番組にも出演してきた。 2011年にはDominoやNinja Tuneのような大手レーベルからリミックスの依頼が来るようになった。リリースもSuperやSneaker Social Club、Local Actionなどから続けてきた。2012年には大手音楽サイトのXLR8Rにポッドキャスト用のDJミックスを提供。2013年にはニューヨークで開催されたRed Bull Music Academyへの参加も好評だった。インターネット上でDJのプレイを生中継する人気サイトBoiler Roomにも何度も出演を果たし、ボノボ、アトモス・フォー・ピース、ジョン・ホプキンスなどの前座を務めてきた。またレーベル・オーナーとしても他のアーティストのリリースに協力している。Left Blank(レフト・ブランク)とA Future Without(ア・フューチャー・ウィズアウト)の共同オーナーでもあり、Vessel, Wife, Visionist, Lorca, Memotone, Young Echoなどが駆け出しの頃のリリースを手掛けていた。ヴォーカリストAugustus Ghostとの別プロジェクト、Snow Ghostsもここからリリースもしている。2014年には待望のアルバム『モザイク』に先駆けて『Pathfinder EP』を先にリリース。イギリスの現代のミュージシャンの中で最もユニークなアーティストとの一人としてデヴュー・アルバム『モザイク』は数多くの大手メディアから大絶賛された。
www.facebook.com/throwingsnow www.throwingsnow.co.uk

■agraph
牛尾憲輔のソロ・ユニット。2003年からテクニカル・エンジニア、プロダクション・アシスタントとして電気グルーヴ、石野卓球をはじめ、様々なアーティストの制作、ライブをサポート。ソロ・アーティストとして、2007年に石野卓球のレーベル "PLATIK" よりリリースしたコンビレーション・アルバム『GATHERING TRAXX VOL.1』に参加。2008年12月にソロユニット "agraph" としてデビュー・アルバム『a day, phases』をリリース。石野卓球をして「デビュー作にしてマスターピース」と言わしめたほどクオリティの高いチルアウト・ミュージックとして各方面に評価を得る。2010年11月3日、前作で高く評価された静謐な響きそのままに、より深く緻密に進化したセカンド・アルバム『equal』をリリース。同年のUNDERWORLDの来日公演(10/7 Zepp Tokyo)でオープニング・アクトに抜擢され、翌2011年には国内最大の屋内テクノ・フェスティバル「WIRE11」、2013年には「SonarSound Tokyo 2013」にライブ・アクトとして出演を果たした。一方、2011年以降は "agraph" と並行して、ナカコー(iLL / ex. supercar)、フルカワミキ(ex. supercar)、田渕ひさ子(bloodthirsty butchers / toddle)との新バンド、LAMAのメンバーとしても活動。2014年4月よりスタートしたTVアニメ「ピンポン」では、劇伴を担当。その他、REMIX、アレンジワークをはじめ、CM音楽も多数手掛けるなど多岐にわたる活動を行っている。
www.agraph.jp

■Ametsub
東京を拠点に活動。昨年は山口の野田神社で、霧のインスタレーションを交えながら坂本龍一と即興セッション。TAICOCLUBの渋谷路上イベントにてパフォーマンス。Tim HeckerやBvdubといったアーティストの来日ツアーをサポート。夏にはFLUSSI(イタリア)、STROM(デンマーク)、MIND CAMP(オランダ)といった大型フェスへ招聘される。アルバム『The Nothings of The North』が世界中の幅広いリスナーから大きな評価を獲得し、坂本龍一「2009年のベストディスク」にも選出されるなど、現在のシーンに揺るぎない地位を決定付ける。スペインのL.E.V. Festivalに招かれ、Apparat, Johann Johannson, Jon Hopkinsらと共演し大きな話題を呼ぶ。最新作『All is Silence』は、新宿タワーレコードでSigur Rosやマイブラなどと並び、洋楽チャート5位に入り込むなど、大きなセールスを記録。FujiRock Festival '12への出演も果たし、ウクライナやベトナム、 バルセロナのMiRA FestivalへActressやLoneと共に出演。今年はTychoの新作をリミックス、Plaidと共にスペイン発、Lapsusのコンピに参加。秋にはArovaneやLoscilらの日本ツアーをサポート予定。北極圏など、極地への探究に尽きることのない愛情を注ぐバックパッカーでもある。

■mergrim (moph records, PROGRESSIVE FOrM, liquidnote)
兵庫県出身の音楽家、光森貴久によるソロ・プロジェクト。電子音楽レーベルmoph records主宰。これまでにアルバムをソロ/ユニット/ライブ・リミックス盤などで4枚リリース。downy、川本真琴、miaou、smoug等のリミックスの他、YMOのカバー集「YMOREWAKE」、またXperia™アプリ "Movie Creator" やGRAN TURISMO 6に楽曲提供。また、Sound & Recording MagazineにてCubase記事を短期連載やムック本への執筆なども行う。ライブも都内を中心に精力的に活動。SonarSound Tokyo, DOMMUNE, EMAF TOKYOなどにも出演。打楽器奏者Kazuya Matsumotoとのパフォーマンスは電子音楽の域を越えていると評判。海外ツアーも2011上海、北京、2012ベルリン、ロッテルダム、ミュンヘンなどを敢行。最新作はPROGRESSIVE FOrM x mophより ”Hyper Fleeting Vision” をリリース。7月にはそのリリース・パーティを13人の演奏家を迎え行い、成功を収めた。そこで出会った仲間とともに ”THE MERGRIM GROUP” を結成。更なる躍進へ望む。
www.mergrim.net www.mophrec.net

■submerse (Project: Mooncircle)
イギリス出身のsubmerseは超個人的な影響を独自のセンスで消化し、ビートミュージック、ヒップホップ、エレクトロニカを縦横無尽に横断するユニークなスタイルを持つDJ/ビートメーカーとして知られている。これまでにベルリンの老舗レーベルProject: Mooncircleなどから作品をリリースしSonarSound Tokyo 2013、Boiler Room、Low End Theoryなどに出演。また、英Tru Thoughtsや仏Cascade Recordsなどのヒップホップ・レーベルのリミックス・ワークも手がける。2014年には待望のデビュー・アルバム "Slow Waves" がProject: Mooncircleとflauよりリリースされる。また、Pitchfork, FACT Magazine, XLR8R, BBCといった影響力のあるメディアから高い評価を受ける。
twitter.com/submerse soundcloud.com/submerse facebook.com/submerse submerse.bandcamp.com YouTube.com/djsubmerse

https://www.unit-tokyo.com/schedule/2014/09/26/140926_throwing_snow.php

もっとも艶やかなアンダーグラウンド - ele-king

 グラフィックと音によって独自のカルチャーを作ってきた〈ナイト・スラッグス〉。UKファンキーとグライムをミックスしたサウンドと、ネット世代のデジタルな感覚によって表現された「ストリート」デザインは、UKを中心としながらも世界的な、そしてジャンル横断的なシンパシーを集めています。本誌でも、これまで〈ナイト・スラッグス〉周辺のアーティストのインタヴューや、その特異なグラフィックを取り上げてきました。

 そして2014年9月22日、とうとうレーベル首領のボク・ボクがL-Vis 1990とガール・ユニットを引き連れ日本にやってきます! 同レーベルのアーティストでは、先日東京で行なわれたヘリックスのプレイが記憶に新しいですが、今回も〈ナイト・スラッグス〉のイメージを更新する一夜になることでしょう!

■Red Bull Music Academy presents Night Slugs Label Showcase

日時:9月22日(月)
OPEN/START 23:00
会場:UNIT(代官山)
出演:
〈Night Slugs〉
Bok Bok, L-Vis 1990, Girl Unit
〈Support〉
A TAUT LINE (GREEEN LINEZ / DISKOTOPIA)
1-DRINK
ENDLESS (NEO TOKYO BASS)
FRUITY (SHINKARON/FLIGHT MUZIK)
PENPEN 922 (KOKO MIYAGI + KONIDA)
TOMAD (MALTINE RECORDS)
LICAXXX
BACON(VJ)


料金:前売 2,500円 (税込) / 当日 3,500円 (税込)

チケット情報(8月8日から発売中)
LAWSON[L-code 70667]/e+/DISK UNION[渋谷クラブミュージックショップ/新宿クラブミュージックショップ/下北沢クラブミュージックショップ]/TECHNIQUE/BEAMS RECORDS/JET SET TOKYO/UNIT
* 20歳未満の入場不可。要写真付身分証

〈Red Bull Music Academy〉
https://www.redbullmusicacademy.jp/jp/events/red-bull-music-academy-presents-night-slugs-label-showcase/

〈代官山UNIT〉
https://www.unit-tokyo.com/

■出演アーティスト紹介

Bok Bok(ボク・ボク)
ロンドンを拠点に活動するDJ/プロデューサー、またレーベル、Night Slugs(ナイト・スラッグス)のディレクターとしても知られるBok BokことAlex Sushon(アレックス・スション)。2009年にL-Vis 1990と共にリリースした"Night Slugs EP"にてデビュー。2011年5月には自身のレーベル、Night Slugsから"Southside" EPを発表し、収録曲"Silo Pass"がクラブヒットした。2013年にはLAの姉妹レーベルFade To Mind(フェイド・トゥ・マインド)より鮮烈なデビューを果たしたシンガー、Kelela(ケレラ)のミックステープ"Cut 4 Me"に楽曲を提供。2014年には三年ぶりのソロ作品"Your Charismatic Self"EPを発表し、Kelelaの歌声をフィーチャーしたシングル"Melba's Call"では、スタイリッシュなPVとともに、官能的かつ機械的なその独特の世界観が貫かれている。


L-Vis 1990 (エルヴィス1990)
Brighton出身のDJ/プロデューサー、L-Vis 1990ことJames Connolly (ジェームス・コノリー)。2008 年に"L-Vis 1990 EP"にてデビューし、同年Bok Bokと共にクラブイベント"Night Slugs"をスタートする。翌年にはMad Decent(マッド・ディセント)やSound Pellegrino(サウンド・ペレグリーノ)などの大御所レーベルからも作品をリリースする。2011年に発表したアルバム”Neon Dreams”ではシンセポップを、2013年にDance System名義で発表した"Dance System EP"ではクラシックなシカゴハウスのサウンドを鳴らすなど、レーベルの多岐にわたる音楽性を体現しているアーティストである。


Girl Unit(ガール・ユニット)
ロンドンを中心に活動するDJ/プロデューサー、Girl UnitことPhilip Gamble(フィリップ・ギャンブレ)。 2010年に"I.R.L" EPにてNight Slugs(ナイト・スラッグス)よりデビューし、同年同レーベルより発表したシングル"Wut"がクラブヒット。クラシックな808や909のリズムにラップやグライム、R&Bのトラックをミックスする彼の独創的なスタイルはUSクラブサウンドのポップネスとUKサウンドの伝統を兼ね備えている。2012年にはアナログ機材を使用して作られた6曲入りEP"Club Rez"を発表。2013年に、Hysterics(ヒステリックス)名義で発表した"Club Constructions Vol.5"ではインダストリアルで冷たいダンスビートを披露している。現在自身初のLP作品を製作中である。

interview with NEW HOUSE - ele-king


New House
Kaleidoscopic Anima

Second Royal Rec

Psychedelic RockAcousticExperimentalAnimal Collective

Tower HMV Amazon

 洋楽かぶれ──、僕もそのひとりだが彼らもかなりなもの。たくさん聴いたうえで作ることがメインストリームで奨励されることはないが、90年代初頭は邦楽を更新する活力剤にもなっている。
 もう5年以上も前の話だが、ニュー・ハウスの名前を知ったのは、やたらマニアックなインディ・ミュージックに特化したレコード店のスタッフに、「日本にアニコレみたいなバンドはいないの?」と訊いたときだった。乱暴な会話だが、これはひとつの喩えで、「たとえばアメリカにおけるアニマル・コレクティヴのような、おもしろいアイデアと因習打破の姿勢を持ったバンドはいないの?」という話である。それでもらった答えのひとつが「ニュー・ハウス」だった。
 とはいえ、僕が以下のインタヴューで使っている「アニコレ」は、半分冗談を込めながらも、アニマル・コレクティヴそのものを指している。率直に言って、似ていると思う。模倣だとは言わないが、そのサイケデリアとコーラスの感じが似ている。似てはいるが、ニュー・ハウスなりの発展をしているのが今作『カレイドスコピック・アニマ』である。
 60年代のサイケデリック・サウンドの引用、悪戯っぽい音響的な仕掛けと多彩なメロディ、ドゥーワップ、エスニック・サウンド……、シッド・バレット時代のピンク・フロイドが〈サブライム・フリーケンシー〉から出したような、アニマル・コレクティヴがソフト・ロックにアプローチしたような、要するに甘い幻惑を誘う、「面白いアイデアと因習打破の姿勢を持った」作品だ。昼間にコーヒーを飲みながらトリップしよう。

■NEW HOUSE / ニューハウス
2009年あたりに結成され、東京を拠点とするインディ・バンド。現在はYuta(Vo.Gt)、Seiya(Dr)、Punpun(Gt. Cho)、Moro(Ba)、Komuro(key)の5人体制で活動。結成同年の11月にファースト・ミニ・アルバム『Want Alone But Help Me』、2012年にファースト・フル・アルバム『Burning Ship Fractal』をリリース。BLACK LIPS、VIVIAN GIRLSなど海外バンドの日本公演をサポートし、USツアーの敢行、〈SXSW〉への出演も果たした。


流れでルーム・シェアすることになって。一軒家、ボヤ家があるんですけど(笑)、そこに住むようになって。(Yuta)

まず自己紹介からお願いします。

Punpun:こんにちは、ニュー・ハウスのギターを担当しておりますPunpunでございます。

Yuta:僕はヴォーカルとサンプラーとか、ギターを担当しておりますYutaです。

Moro:僕はベースとサンプラーをやっているMoroっていいます。

そもそもニュー・ハウスっていつ結成されたんですか?

Yuta:結成は2009年ぐらいに。

そこそこなキャリアですよね、もう。

Yuta:でもその2009年のときに文化祭の後夜祭? ……みたいなやつに出たいからやりたいっていうような、それで結成っていうよりは1回ライヴやって、そのあと普通に卒業して仕事したくねーなって感じだったよね。

じゃあメンバーみんな同じ大学なんだ?

Punpun:僕だけ違う大学で。

Yuta:僕がファッション専門学校で、そのときは別にギターがいたんですけど。

え、ごめんなさい、ちょっと話が前後しちゃうんだけど、みんな東京なんですか?

Moro:僕だけ神奈川です。

Yuta:他は東京ですね。

なるほど、レーベルの〈セカンド・ロイヤル〉が京都だから、京都のひとなのかなって。

Moro:むしろなんで俺らが京都のレーベルなのか、みたいな(笑)。

ずっと東京で活動してるんですね。

Yuta:はい、ずっと東京でやってますね。

それで学生時代にみんな知り合って。

Yuta:僕らは専門学校時代に知り合って、彼(Punpun)は僕の地元の友だちなんですよ。茨城なんですけど。

Punpun:高校生のときからライヴハウスでライヴをやったりとか。

Yuta:バンド友だちみたいな感じで。で、Punpunは大学生のとき出てきていて、僕はファッションの専門学校で出てきていて、流れでルーム・シェアすることになって。一軒家、ボヤ家があるんですけど(笑)、そこに住むようになって。

そこからニュー・ハウスって名前が来たとかじゃないの(笑)?

Yuta:いやあ(笑)、活動が新宿だったから当て字でただニュー・ハウスってしただけで、意味はまったくないです。ニュー・ホテルだとちょっとラブホすぎるなって(笑)。もう深い意味はまったくないです。

あまりにも新宿って匂いはしないバンドだよね(笑)。

Yuta:そうですか(笑)。たしかに新宿の闇覗いてないし(笑)。

Punpun:代々木側だったからね。歌舞伎町じゃなくて、南口寄りだったからね(笑)。

Yuta:ライト層です(笑)。

なるほどね。じゃあ2009年にはいまのメンバーがそろって。

Punpun:最初は違うギターでずっとやっていて、1枚めのEPのときは──

Yuta:まだその子がいたんですけど、リリースしてライヴが忙しくなった時期がありまして、で、俺はライヴやめるぞ、的な……(笑)。

Punpun:リリース・パーティはもう、アルバムに関わってなかった自分だったみたいな感じです。

Yuta:なんかもう、とりあえずギター助けてほしいって(笑)。で、彼はもうひとりで音楽を作っていて、できるのはわかってたんで、ちょっといいすかって(笑)。って言ったら快諾してくれて、芋づる式にこう(笑)、いまだに続いてるっていう。

Punpun:そうですね。

なるほどね。じゃあすっげー上手かったんだ、関わったときから。

Yuta:そうですね、ハイスタとかブラフマンはもうけっこう弾けてて。かなり。

(一同笑)

Punpun:そこの評価ポイントなんだ(笑)。

Yuta:だって俺うまく弾けないから、こいつ弾けるなってとことはやっぱありましたね。そこで俺の上手いっていう評価が(笑)。それを指標にしてました。これはマジだからね(笑)。

[[SplitPage]]

俺らは『フィールズ』とか、あそこらへんのライヴを観て。(Yuta)


New House
Kaleidoscopic Anima

Second Royal Rec

Psychedelic RockAcousticExperimentalAnimal Collective

Tower HMV Amazon

そんなハイスタとかブラフマンとかいうのは対岸にあるようなサウンドをやっているわけだから。だって、ニュー・ハウスといえば、やっぱアニマル・コレクティヴとかなわけでしょう?

Yuta:(笑)まあ、いろいろ聴いてますけど。

Punpun:ハイスタとかブラフマンっていうのは中学校のときよく聴いてて。当時はそこらへんが共通していて仲良くなって。

Yuta:最初の共通点はそこらへんだよね。

アニコレが好きで結成したわけじゃないんだ(笑)?

Yuta:全然そういうのじゃないです、はい(笑)。

Punpun:まあこっち来てからいろいろ音楽掘ったりしてて、そういう音楽も好きになったし。

そうか、2009年って――

Yuta:ちょうどニューウェイヴ・リヴァイヴァルもあったり、ダブステップとか。

ダブステップは一番ピークだったよね。

Yuta:そう、スクリームとかですね。懐かしくね? ブリアルとか。

僕はどっちかと言うとアニマル・コレクティヴとかに飽きてた頃で。

Yuta:はいはい。『ストロベリー・ジャム』が終わって『メリウェザー〜』が出てる頃ですね。

そうだね。あれが一番ヒットしたアルバムだけど、やっぱり好きだったの?

Yuta:わりとでも、俺らは『フィールズ』とか、あそこらへんのライヴを観て。

僕なんかオヤジだから、みんなとは入り方が違うと思うけど、みんなはどういうところからアニマル・コレクティヴとかブラック・ダイスって聴いたの?

Yuta:でもけっこうナチュラルだったよね。

まわりにハイスタとかブラフマンみたいなバンドがいるなかで、どうだったのかなと。たとえば俺がどういうふうに聴いたかというと、アニコレは『サング・トング』が好きで、あれが2004年だよね。

Yuta:タワレコでもまだニューエイジのコーナーにしか置かれてない頃ですね。たしかPVつきで流れてたのを見て、ああこれカッコいいなと思った記憶がある。


高校生ですね。だから地元にいて入ってくる情報って『ロッキング・オン』とか『スヌーザー』とかってぐらいで。(Punpun)

とにかくすごく衝撃を受けたんだけど、それはなぜかと言うと、〈ファット・キャット〉って元々テクノを出してたレーベルから出してるんだけど、テクノとかエレクトロニック・ミュージックがものすごく行き詰ってたときだったんだよね。だからギターの使い方とかヴォーカルの使い方とかも含めて、すごく新鮮に思えたんですよ。よくビーチ・ボーイズだとかサイモン&ガーファンクルだとか言われたんだけど、自分のなかではテクノ耳で聴いてたんだよね。っていうのが僕の文脈なんだけど。ニュー・ハウス的にはアニコレみたいなものってどこから知ったの?

Punpun:でもあの頃って、ラプチャーとかもあって。

ラプチャーはディスコっていうかさ。

Punpun:そこらへんが一回流行って──まあ俺が聴いたのが『フィールズ』からで、そこから『サング・トング』へさかのぼったんだけども。そのあたりのディスコとかエレクトロニック・ミュージックをカッコいいと思っても、その後出てきたのをおもしろくないと思ってたときに出会ったのがアニコレって感じなので、すごく求めてた感じのもので。

ちなみに2003、4年って何歳?

Punpun:高校生ですね。だから地元にいて入ってくる情報って『ロッキング・オン』とか『スヌーザー』とかってぐらいで。

Yuta:それぐらいだったね。ネットのブログもそこまで充実してなかったし。

Punpun:まだYouTubeもそこまでだったし。シガー・ロスとか聴いてて。

Yuta:(笑)そうだ。

だって僕もあれは〈ファット・キャット〉から出てたから買ったけど、もしUSのインディ・レーベルから出てたら、あの時点ではまず聴かなかったと思うんだよね。やっぱりニュー・ハウスって、ざっくり言ってしまえば、2000年代のブルックリンへの日本からのリアクションじゃないの?

Yuta:まあ系譜としてはぜんぜんあることだとは思います。

少なくともロンドンへの回答ではないでしょう(笑)?

ブルックリンは「アニコレ、カッコいいな、ブラック・ダイス、カッコいいな、ギャング・ギャング・ダンスいいな」とか、掘ってけば掘っていくほどおもしろかったから。(Punpun)

あのへんにハマるころには、僕らはもうニューウェイヴやクラウトロックも相当聴いていたので、それがまず根底にあったんじゃないのかな。(Yuta)

Punpun:(笑)高校生のときとかって、やっぱり僕レディオヘッドとかああいうのが好きで、もっと音楽を掘りたいって気持ちが強くなったときで。で、ロンドンっていうかイギリスの音楽を掘っていくんだけど「もう無理だ」ってなって、USに目を向けるとたぶんストロークスとかラプチャーとか出てきて、でも「なんかちょっと違うな」ってずっと思ってて。
 レディオヘッドみたいなオルタナティヴなものを探してたところで、アニコレとかブラック・ダイスみたいな存在はすごいビックリして。最初ちょっとどう受け入れていいかわからないけど、どんどんハマっていった。普通だったら掘っていくごとにどんどん薄まっていくところなんだけど、ブルックリンは「アニコレ、カッコいいな、ブラック・ダイス、カッコいいな、ギャング・ギャング・ダンスいいな」とか、掘ってけば掘っていくほどおもしろかったから。それでのめり込んでいきましたね

Yuta:でも、あのへんにハマるころには、僕らはもうニューウェイヴやクラウトロックも相当聴いていたので、それがまず根底にあったんじゃないのかな。だって90年代のテクノとかも少しは耳に入れてましたけど、ベタかもしれないけどキャバレー・ヴォルテールとか、スロッビング・グリッスルとかも聴いてたし、Pファンクとは別のベクトルの70年代ファンクも聴いたり。インクレディブル・ストリングス・バンドとか聴いてたじゃん、もう。

[[[SplitPage]]

〈サブライム・フリークエンシーズ〉があったりして……(Punpun)

ティアーズ・フォー・フィアーズとか80sポップスの影響もあると思います。エレクトロニクスに演歌っぽいメロディが乗る感じは。(Yuta)


New House
Kaleidoscopic Anima

Second Royal Rec

Psychedelic RockAcousticExperimentalAnimal Collective

Tower HMV Amazon

2000年代半ば頃までは僕もブルックリン系の音が好きで追ってたんですよ。で、日本からたくさんリアクションが出てくるかなって期待してたんですけど、気がついたら、ニュー・ハウス以外にあんまりいないよね。

Yuta:たぶんあんまりいないと思います。いかにも僕らみたいなのは。

ブラック・ダイスみたいなのが出てきたらいいのにね。

Yuta:出てきたら俺は感動して対バン申し込みますけどね(笑)。もうちょい地下とか行くとまた別になってくるんだろうね。

Punpun:たまたま僕らが出会ってないだけで、ほんとは探せばいるのかもしれないですよ。でも、僕らって歌ものでもあるから、アングラ・シーンに寄っていけない気持ちもあったし、でも聴いてる音楽はノイズ・ミュージックだったりとか。

Yuta:ごった煮していきたいっていうところはある。

でも……、これだけアニコレ、アニコレって言われたら抵抗あると思うんだけど(笑)、でもやっぱりヴォーカル・ラインはアニコレの影響が残ってると思うんだよね。とくにコーラスとか。

Punpun:これは自分でもわからないですけど、アニコレとかそこらへんの人たちもだけど、先に〈サブライム・フリークエンシーズ〉があったりして……ワルシャワってレコード屋が好きだったし、高円寺のスモール・ミュージックとか、変なワールド・ミュージックを掘り集めたりしてて。

ワールド・ミュージックとか〈サブライム・フリークエンシーズ〉の文脈とアニコレとは、別物だと思うんだけどね。

Punpun:メロディ・ラインとかで言うと、ああいう、何ていうか民謡チックなラインとかコード進行とかがやっぱり好きだったし。それをエレクトロニック・ミュージックでやるとなると、アニコレの影響もあったのかもしれないけど。

Yuta:僕はティアーズ・フォー・フィアーズとか80sポップスの影響もあると思います。エレクトロニクスに演歌っぽいメロディが乗る感じは。ソフト・セルとかああいうのもすごく好きだったし。

Punpun:ああいう節回しっていうのは、アニコレが好きだからそういうのが好きになったのか、最初からそうなのか、どっちかわからないですけどね。

Yuta:まあでも気持ちいいよね(笑)。言ってみればゴスペル・チャントみたいなものも聴いていくし。

あれは多重録音をしてるの?

Yuta:ものによってはPunpunに重ねてもらったり、僕が5回も6回もガーッて重ねてって。けっこうしんどかったです(笑)。

Punpun:僕は各国の民謡とかが普通に好きだから、ああいうのがいちばん気持ちいいなと思うんですけどね。でも今回はインスト2曲入れてますよ。

はじめにあった今回のテーマとしても、ギターをもっと聞かせたいっていうのがあってレコーディングがはじまったんで。(Yuta)

あれいい曲だよね。演奏の音の隙間は、ニュー・ハウスのほうがあると思うんだよね。アニコレってすごく詰まってるでしょ。あんまり空間的じゃない。今回2曲入ってるインスト、とくに最後から2曲はニュー・ハウスの新しい境地なのかな?

Punpun:前作って僕らが25とかのときなんですけど、まだブルックリン勢の勢いがあったときだったんですけど。あの頃のほうが、アニコレに限らず、あそこらへんのエクスペリメンタルでもポップだし、エレクトロニックだし、って音楽を聴いてたのはたしかです。でも、あの頃より、いまのほうがバンドの演奏を大事にしていると思います。

でも、ニュー・ハウスはロック的なイディオムを目指してるわけじゃないでしょ?

Yuta:たしかにロック的なものはまったくないですね。ただ、前作ではシーケンスが強まってたところがあったから。はじめにあった今回のテーマとしても、ギターをもっと聞かせたいっていうのがあってレコーディングがはじまったんで。そのバランスというか、揺らぎというか、比重が少しだけそっちにいったぐらいですけど。

完成度は高いと思いますよ。

Yuta:ほんとですか(笑)。

でもロックのリスナーって保守的な人が多いでしょう?

Yuta:数で言ったらそれはあると思いますね。

そういうなかで、対バンするバンドとかもいないでしょう。

Yuta:(笑)わかります? でも、僕らの周りは音楽的な共通点ではなくてアティチュード的な、共通する志で対バンはできてるなと思います。

ニュー・ハウスって、USツアーやったり、都内でもけっこうライヴやっているんですよね。

Yuta:ライヴ観てよかったと言ってくれる人も、そこにいるすべてではないけど、何人かはいられるので(笑)。やればやったで、数名は確実にいて。

[[SplitPage]]

「自分たちの目指すものは自分たちでしか完成させられないんだね」って、自分たちでやりましょう、ってはっきりと決めた。(Punpun)


New House
Kaleidoscopic Anima

Second Royal Rec

Psychedelic RockAcousticExperimentalAnimal Collective

Tower HMV Amazon

今作の曲作りのプロセスでは、何が重要な要素となえりましたか?

Punpun:やっぱりミックスまでを自分たちで完成させるって決めたことは大きかったですね。「自分たちの目指すものは自分たちでしか完成させられないんだね」って、自分たちでやりましょう、ってはっきりと決めた。それは絶対ありますね。

Yuta:“Blow Wind Blow”という、PVになってる曲があって、まあそれができて、2、3曲できてきたあたりから、これアルバムに向かっていってるなって意識が完全に出てきたよね。それが夏前だと思うんですよね。で、ラフ・ミックスしたものをシングルなんかで打診していく上で、さっき言ってたような「これ、人に頼むの無理なんじゃないの」っていう結論になりましたね。「俺たちでやっていったほうが絶対良くなる」っていう(笑)。

スタジオ録りした音源を全部バラして家でミキシングしたって感じなの?

Punpun:いや、ほとんど家で作って。

Yuta:素材録りはスタジオに行ったりとか。サンプリングとかも外に行ったりはしてるんですけど、RECした素材を集めてミックスしていったりするのは我が家でした(笑)。けっこう時間かかりました。

Punpun:1年ずっと──

Yuta:ミックスとかずっとやってて、けっこう。これじゃない、これじゃないって言って。次の週来たら俺がまた変えてたりね(笑)。「これどう?」っつって。ただ、結果としてみんなで聴いて共感できるサウンドにしようっていうのが最終目標だったんで、僕がミックスするにしても僕が満足するだけじゃなくて、みんながわかってくれるものにはしたいっていうのはあった。

さっき、Punpunくんが「民謡」ってキーワードを言ってたけど、今回のサウンドをクリエイトしていく過程をもうちょっと話してくれる?

Yuta:僕がまず最初にトラックを勝手に作って、じゃあ乗せますか、みたいな。

Punpun:僕はそこに演奏的な面とかアンサンブルの面とかで少しでもよくできればいいなって気持ちで、協力者のようなつもりです。その上で民謡的な旋律とか、共通する目標があるので。

Yuta:こういうニュアンスが、とか。

Punpun:コーラスがこういう風にあったらいんじゃない、とかそういう話をしていたぐらいで。

ライヴはもっと肉感的だよね。けっこう荒く歌うところもあるとは思います。高校時代からウワーって叫ぶ音楽をやってたから(笑)。(Yuta)

これって、多重録音しているから表現できているわけですよね?

Yuta:だから、ライヴはもっと肉感的だよね。けっこう荒く歌うところもあるとは思います。高校時代からウワーって叫ぶ音楽をやってたから(笑)。キッズな音楽をやってたんです。やっぱそういうのも実際残ってるから。

Punpun:それはあると思う。ハードコアから来てるのは絶対ある。

Yuta:俺もそれがすごく残ってて。ソフトなイメージで来るとちょっと違うとは思う。わりと音はガチッと出したいと思ってやってるから。

Punpun:逆にああいう、柔らかな民謡みたいなイメージは与えられてないのかなって。節回しはそういう感じなんですけど、聞こえるものとしてはもっとドロッとグチャッとしたものかもしれないですね。

Yuta:EPのときにはすでに実験的な音楽を作ってみたいとか、そういうところはありましたし、そこのあたりからじょじょにやってきたものがあって、内心次に何をやるかとか、すぐ決めるわけではないですけど、苦ではないというか。「次はもうちょっとこういうものやりたい」とかすぐ話すんですよ。もうちょっとバンドのここのニュアンスを強めたいとか。

彼(Punpun)がチカーノ・バットマンも持ってきて聴いたら、そのフィーリングがさらにアップデートされたというか。(Yuta)

もともとのテーマは何だったの?

Yuta:前作の反動がけっこうあって。前作はダークでジャム感があって、ギュンとした感じだったので(笑)、わりと今回ライトな、フォーク的なものとアンビエンスが混ざったサウンドで行こうというのはあった。

Punpun:前のアルバムを録り終えるぐらいのときから、なんかそういう話はもうしていて。今回入ってる中に“Natural Blessings”って曲があるんですけど、そのあとすぐできたものです。こういう、もっとフォーキーだけど、っていう曲を増やそうって。

Yuta:もっとフィジカル感があったり、響きがちょっとひねってあるというか、そういう風に聞こえればいいなとは思って。

Punpun:2年は経ってるけど最初からそういう話はしてたなと、いま思いました。

ここ2、3年でバンドのなかで話題になった音って何がありましたか?

Punpun:新しいのであえて出すとすれば、チカーノ・バットマンとか。

意外だね。そんなのまで聴いてるんだ!?

Punpun:あれはけっこう、このアルバム作ってるとき聴いてましたね。

じゃあほんとに〈サブライム・フリークエンシーズ〉とか好きで聴いてるんだねー。

Yuta:ちょうど僕がペルーとかの60sのものにハマっていて。ウィ・オール・トゥギャザーとか、トラフィック・サウンドみたいな。ああいうのを聴いてて、彼がチカーノ・バットマンも持ってきて聴いたら、そのフィーリングがさらにアップデートされたというか。そういうのもちょっといいねって、共有できたと思います。

Punpun:僕は演奏面とかそういう肉感的なものを求めてたので、あれがすごい良かったなと思うんですけどいかがですか(笑)。

家に行くとエンヤ聴きながらコーヒー淹れてるっていう。(Punpun)

Yuta:いや、俺もあれは借りてすごい良かったなと。

Punpun:ほかに何かないかなって。ぜんぜん違うの聴いてたから。

Yuta:エンヤも聴いたし――。

(一同笑)

Punpun:エンヤ聴かされた(笑)。

(笑)マジっすか。

Yuta:ぶっちゃけエンヤの影響がある。

Punpun:家に行くとエンヤ聴きながらコーヒー淹れてるっていう。

Yuta:(笑)俺ニューエイジ志向だったから。ヤソスとか、ドローンとか聴いたり、エンヤとか聴いたり。基本ラリー・ハードとか、アンビエンスがある打ち込みとか、そういうものは好きなので。

Punpun:だからチカーノ・バットマンとエンヤですね。

Yuta:ヒドいな(笑)。

それはヒドい(笑)。でも良かったね。エンヤ好きなひととチカーノ・バットマン好きなひとが同じバンドにいるってなかなかないもんね。

Punpun:いろいろありましたけど、いまとくにパッと浮かんだのがそのふたつ。

たぶんこのインタヴューを読んでもぜんぜんわかってもらえないね(笑)。音わからないけど逆に謎めいていていいかもしれない。

Punpun:(笑)でもほんとに南米の音楽とかですね。

[[SplitPage]]

デタラメな英語ではないつもりです。わりとしっかり書いてます(笑)。(Yuta)


New House
Kaleidoscopic Anima

Second Royal Rec

Psychedelic RockAcousticExperimentalAnimal Collective

Tower HMV Amazon

言われてみれば、アプローチは似ているのかもしれないね。UKの〈サウンドウェイ〉が出してるような感じというか、モダンな感覚が注入されたワールドっていうか、エスニック・タウンのエスニック・レストランというか。ニュー・ハウスって、そういう意味では新宿っぽくなってきたじゃないですか(笑)。

Yuta:やっと謎が紐解かれてきました(笑)。

そうだね(笑)。まさに多国籍的な。

Moro:でも、ダンス・ミュージックはすごく取り入れていて。

Yuta:モデル500とか──

それもぜんぜん感じないけど(笑)。

Yuta:俺めっちゃ好きなんだけど。サン・エレクトリックとか、そこらへん。

サン・エレクトリックはちょっとわかる。チルアウトな感じがちょっと似てるかもしれない。

Yuta:ガンガンにレイヤードしていく感じとかも影響受けてますし。

たくさん聴きすぎてるんじゃないの?

Yuta:たぶんそれもありますね。でもポップなものが好きだよね。聴いていて掴まれる感じが好き。

歌詞に意味はある?

Yuta:歌詞は散文的ではありますね。自分のなかのフィーリングが出るような言葉を書いている。デタラメな英語ではないつもりです。わりとしっかり書いてます(笑)。

日本語では歌わないんですか?

Yuta:お互いソロとか、個人的にやってるものは日本語で歌ったりしてるんで。

Moroくんは?

Moro:僕は制作はしてないんですけどDJをやってます。

担当はベースとサンプラーだよね。サンプラーはけっこうたくさん使ってる?

Yuta:けっこう使ってますね。ただ今回のアルバムに関しては減りました。減らしたって感じだよね。前ほどは絶対使わないと、って曲ではないので。

Punpun:ライヴでも1曲めなんかは一切使ってないよね。

Yuta:久々のバンド・サウンドが俺らにとっては新鮮だったりしてるし。

前回はスタジオでの録音だったけど、今回は自宅でのスタジオ・ワークだったり、アートワークも自分でやった。そのアットホームな感じというのは出ていると思う。(Yuta)

ジャケットにもうひとつ候補があるとしたらどんなジャケット?

Yuta:ジャケットに関しては全部俺がやってるんです。今回、こういうシンメトリーな模様にしたのは、サウンドとリンクするような、惹かれるものがあるからなんです。シンメトリーだったり対比的なものがあったり、複雑に組み合わさってるけど細かく同じようなものが並んでたりっていうのが僕のヴィジョンのなかにあって。でも、わりとシンプルなものを心がけたっていうところは絶対あると思います。

具象的なヴィジュアルな前作とは大きく違うところだね。

Yuta:今回自分たちでやったことがもっと多いよね。前回はスタジオでの録音だったけど、今回は自宅でのスタジオ・ワークだったり、アートワークも自分でやった。そのアットホームな感じというのは出ていると思う。

それは出てるよね。

Yuta:それは大事だったと思うし、やってよかったなって思う。

Punpun:僕らはもちろんライトに作ってるわけじゃないんですけれども、ライトに聴けるものをっていうテーマがあって、こんなふうに出来上がったのはほんとによかったなと思っていて。

ライトに聴けるものっていうのは、逆に言うと重たく捉えないでほしいっていう気持ちがあって?

Punpun:まさにそうだし――

Yuta:複合的にライトなものじゃない? 音楽性とかじゃない、もっと昼間とかの暖かいときにパッと聴いてほしい、バンド・サウンドだけど部屋でもぜんぜん聴いてほしいというか。

Punpun:しきりにライトにライトにって言ってた気がする(笑)。

Yuta:聴く場所を選ばないものにしたいっていうか。耳障りにはしたくないとか、そういう意味で。

僕らはもちろんライトに作ってるわけじゃないんですけれども、ライトに聴けるものをっていうテーマがあって、こんなふうに出来上がったのはほんとによかったなと思っていて。(Punpun)

ああ、なるほど。じゃあ最後に、これぜったい日本語のタイトルにしなければいけないって言われたら何ていうタイトルにしました?

一同:……(笑)。

Yuta:でもまあ、そんなにサブカル感も出ないと思うし、翻訳したものでもぜんぜん納得したとは思いますよ。「新しい家の万華鏡の命」とか「生命」とかでも、僕はぜんぜん納得いくかもしれませんね。ポルトガルのフォークとかもそういうタイトルが多いですし。そう書いてあったら僕が気になりますね。新しい家って。

ちょっとスピッてるな(笑)。

(一同笑)

Punpun:ちょっとじゃないかもしれない(笑)。

Yuta:こいつキテるなー(笑)ってなるかもしれない。

Yutaくん大丈夫(笑)?

Yuta:自主制作盤だろこれってなっちゃいますね。

[[SplitPage]]

「新しい家の万華鏡の命」とか「生命」とかでも、僕はぜんぜん納得いくかもしれませんね。(Yuta)

作ったのがだいたい真昼間で、大体週末だったんで、「休日」とか「昼下がり」とか。(Moro)


New House
Kaleidoscopic Anima

Second Royal Rec

Psychedelic RockAcousticExperimentalAnimal Collective

Tower HMV Amazon

そうだね。じゃあこのアルバムのイメージを日本語で一言で表すとしたら?

Yuta:「一年」じゃないですか?(笑)

Punpun:ええー。何だろうなー。

まあ2ワードぐらい使っていいよ(笑)。

Punpun:「環境」とか。

ええー!?

Punpun:作ってるときのことを思い出すから──いや、「環境」っていうのは、作ってるときの生活の感じがそのまま出たし、そういうものを作りたかったっていうのはあるし。ごめんなさい、パッと出るのはそんな感じですね。

Moro:作ったのがだいたい真昼間で、大体週末だったんで、「休日」とか「昼下がり」とか。

それは僕も感じる。その感じは出てるね。

Moro:制作の面ではこのふたりだったりしたんで、一歩引いた目で見てたから。「昼下がり」ぐらいの気持ちで聴けるように結果的にはなってるかなと。

Yuta:言うねー。

スピッてる感じはそんなしなかったねー(笑)。

Punpun:そういう意味で言うとやっぱ「環境」でいいんじゃない?

なんで?(笑)

Punpun:ライトに聴いてほしい、聴く場所を選ばない、とか。

Yuta:環境音楽好きだし(笑)。エリック・サティ大好きだし。家に置いていても違和感がない、そんなデザイン。

Punpun:いいの思いついた……「血肉」。いや、やめよう。

(一同笑)

フル試聴可!
https://secondroyal.bandcamp.com/album/kaleidoscopic-anima
https://secondroyal.bandcamp.com/album/burning-ship-fractal
https://secondroyal.bandcamp.com/album/want-alone-but-help-me

New House - Blow Wind Blow

■NEW HOUSEライヴ情報
2014.09.26(金)@下北沢 Daisy Bar
2014.09.27(土)@渋谷 Burrow
2014.11.23(日)@京都nano
2014.11.30(日)@渋谷HOME
https://www.newwwhouse.jp/

ニッポン辺境7インチ! (and more !) - ele-king

 個人的に最近は7インチを買うのが楽しい! ので、最近かっこよかった日本のバンドの新作7インチを紹介したい。

HOMMヨ / ライカ

 東京で活動する3人組ガールズ・バンドで、過去にスタジオ・アルバム3枚とライヴ・アルバム1枚をリリースしたのち初のアナログ・リリースとなるこの7インチ。これまでの音源と同様レーベルは〈Good Lovin' Production〉(山口富士夫の発掘音源などのリリースで知られる)。ちなみにその後もう一枚、最新アルバムを同レーベルからリリースしたのだがそっちはまだゲットしてないので後日じっくり紹介したい。シングルA面に収められたのは毎回ライヴの最後に披露されている曲で、これまで音源化されていないのが大変に惜しまれていた名曲である。

 タイトルのライカは犬の名前であり、「うーわんわん」というコーラスもあって古川日出男の『ベルカ、吠えないのか』なんかを想起させるとともに「Golden Years」「God knows I’m Good」といったデヴィッド・ボウイからの引用と思われる言葉が出てくるあたりは宇宙犬ライカを主人公とした『スペース・オディティ』のようなストーリーなのかもしれない。

Young Parisian / Last Time Boogie

 グラムロック研究家として執筆活動も盛んに行っているTsuneglam Sam率いるグラムロックバンドのこちらも初アナログ作品。ジャケットは新品ながら中古盤の風格のあるダメージ加工風のデザイン。
 ゲイリー・グリッター風の「ドッドタッタ」ドラムからはじまるT・レックス風のブギーという、これぞグラムロック! な必殺ナンバーを収録。録音はパブ・ロック・バンド、ザ・ニートビーツのPANが運営する〈Grand-Frog Studio〉自慢のアナログ機材を駆使して行われた堂々のヴィンテージ・サウンド。
 現在、欧米のアンダーグラウンド・パンク・シーンではグラムロックのテイストを取り入れたパワーポップ・バンドがけっこう出てきているのでちょこちょこチェックしているのだが、彼らのオリジナル・グラムロックに対する強いこだわりと探究心はちょっと群を抜いている。

The C-3’s / Wild Wind ep

 四日市で〈Vortex〉というパンク・スペース(1階がショップ、2階がライヴ・スペースになっている。インドネシアのMarjinalも日本ツアーの際に立ち寄るなど、中京地区のパンク・シーンでは重要な拠点)を運営するメンバーによる女性3人組。サウンド、歌詞ともにPoinson Girlsあたりの〈Crass Records〉周辺バンドを思わせる力強いポスト・パンク。

Boys Order / Tomorrow Dancing

 ガールズ・ガレージ/パワーポップ・バンドのPramathで知られる「関西パンク・クイーン」チヒロ・イサドラをフロントに擁するパワーポップ・バンド。2011年のデビューEPにつづく初7インチ。A面はジューシィフルーツなんかを思わせるダンサブルなニューウェーヴ・ポップ。B面はちょっとゴツゴツしたギターリフから煌びやかなシンセの乗ったBメロに展開したと思うと高速で畳み掛けるサビに突入、最後にガレージ/サーフ系のかっこいいリフが出て来たなと思うとバツっと終わるという目まぐるしくもキラキラしたパワーポップ。

碧衣スイミング

 ついでにおもしろいライヴ・アクトも合わせていくつか紹介しよう。まずは札幌で角煮という奇っ怪な女性ニューウェイヴ・バンドを経て現在は東京に拠点を移して活動する女性シンガーの碧衣スイミング。カシオトーンの弾き語りで「わたしは中腰でスパゲティを食べてみたい」(“中腰スパゲティ”)「告白されて、激怒したー」(“告白されて”などなど強烈に歌詞が耳に残り、一度聞いたらしばらく頭の中で鳴り止まない。個人的にはJON(犬)以来の衝撃である。
 ソロではこれまで3枚のCD-Rをリリースしているが、『クール・ポップ』『アンバランス上等』『誰も見てない舞台でオールナイト』といったタイトルからもそのパンク精神がうかがえるだろう。
 現在は半額という2人組シンセ・パンク・バンドでも活動しており、やはりCD-Rを1枚リリースしている。

その他の短編ズ

 もともとソロで弾き語りによる活動していた森脇ひとみと、別バンドRMでも活動する板村瞳の2人組。基本的にはアコースティック・ギターとキーボードを用いた囁くような弾き語りだが、演劇的な部分もあればB-Boyへの憧れを歌い上げたラップもある。
 後述するMCビル風の主宰するパーティ〈HOMEWORK〉に出演、対バンのERAなどを見に来たとおぼしき(想像ですけど)B-Boyたちのハートを鷲摑みにしてCD-Rが飛ぶように売れていたのが印象的。これまでに3枚のCD-Rアルバムを発表、最新作『3』は限定50枚だがbandcampでも購入可能。

https://kirigirisurecordings.bandcamp.com/album/3

MCビル風

 ロードサイド感あふれるリアルでしょぼくれた日常を描いたリリックと熱いライヴ・パフォーマンス、そしてちょっとほろっとくるような叙情性はイルリメに通じるものも感じさせる若手ラッパー(そんなに若くもないかも……)。
 南池袋〈ミュージックオルグ〉を拠点にオーセンティックなヒップホップとジャンクなオルタナティヴ・ミュージックを横断する意欲的な自主企画〈HOMEWORK〉を精力的に続けているのだが、これがまた毎回間違いない素晴らしい内容なので要注目。

Back To Chill 〜8th Anniversary〜 - ele-king

 ことダブステップのシーンにおいて、アニヴァーサリーはかなりブチ上がるものとされている。10月に来日するデジタル・ミスティックズの〈dmz〉では、ブリクストンにある会場前には長蛇の列ができ(チケットはいまだに5ポンドである!)、ヴィヴェックの〈システム・ミュージック〉もチケットと限定Tシャツがネットで即ソールド・アウトするという事態だ。アニヴァーサリーでしか体験できないセットとメンツのために、ひとびとが集まることはシーンが健全な証拠である。
 前回の〈バック・トゥ・チル〉100回記念も素晴らしかった。平日木曜だったにも関わらず、フロアには踊る人、揺れる人、叫ぶ人、じつに多彩なサポーターたちが集結。個人的にとても印象に残っているのが、中心人物のゴス・トラッドとパーティ開始時からのレジデントDJである100madoとのB2Bでのクラシック・セットである。あらためて過去の作品を聴くと発見が必ずある。曲の良さの再発見もそうなのだが、なんだかんだ、みんなローファー、ディスタンス、スクリームが大好きなのだ(終止叫んでライターを灯し、一番前で知らない人と肩を組んで踊っていたのは僕です)。
 さて、そんなバック・トゥ・チルだが今年はなんと記念パーティが2回もあり、きたる9月22日は8周年アニヴァーサリーだ。今回のプログラムもレジデントとゲストによるB2Bをメインに予定している! 今秋にはパーティ史上初のコンピレーション・アルバムの発売(噂によるとかなりのビッグ・ネームも参加予定!)と、それに伴いレーベル〈バック・トゥ・チル〉の始動も発表された。つまり、パーティのクルーたちは現在、ノリにノっている状態なのである。
 ゴス・トラッドは初の南米ツアーとクロアチアで開催された〈アウトルック・フェスティヴァル〉から戻ってきたばかりで、世界を通過したセットがどんなものなのか、身をもって体験することができるだろう。
 先日、本誌でもインタヴューを行なったエナはもうすぐ海外ツアーに旅立ってしまうので、9月に彼のプレイを見られるのは最後かもしれない。当日はなんとゴス・トラッドとエナのB2Bが披露される予定! セカンド・アルバム『バイノーラル』が10月27日に発売されるというし、先行EPも視聴できるので要チェックだ。

ENA - Dirt EP - Samurai Horo

 8年間〈バック・トゥ・チル〉を支えてきた100madoのプレイも見逃せない。最近、UKダブステップ界の最重要ホープとダブのやり取りがあったらしい。どんなセットをCITY1とのB2Bを披露するのか期待がふくらむ! 先月の〈バック・トゥ・チル〉での100madoのプレイ音源はここからダウンロードできるので、予習してくるのもいいでしょう。うれしいセット・リスト付き!(https://100mado.info/post/96455798464/2014-08-07-btc-100mado-djmix

https://100mado.com/audio/100mado_20140807_BTC.mp3
100mado - DJ mix - 100mado 2014.08.07 - BTC

 ほかにもダブトロとヘルクトラムのB2Bがあったり、D.J.フルトノが大坂から参戦したり、ゴス・トラッドとムロチンのユニットであるバーサーカーのライヴがあったりと、かなりユニークでスペシャルな内容になっている。サウンド・システムも最高ですよ! 祝日前! ガン・ファイヤー!

■Back To Chill -8th Anniversary-
2014年9月22日(月・祝日前)
23:00 開演
会場:club asia
入場料:
DOOR:3000yen WF:2000yen GIRLS:1000yen 
ADV(前売りチケット)2000yen

出演:
Main Floor:
GOTH-TRAD
D.J.Fulltono (Booty Tune)
BERSERKER [LIVE]
100MADO
ENA
DUBTRO
CITY1
Helktram
π

Visual :
DBKN

2nd floor:
"Hangover vs Topology"
----------------------------
[Hangover]
KEN
SHIGE
SATOSHI

[Topolozy]
H Shiratori
Tack
Lynne
----------------------------
メメ
yuitty

1F FLOOR:
dahama
もんだいがい
pripri
kurara
and more,,,

Back To Chill 公式サイト
https://backtochill.com/

club asia 公式サイト
https://www.clubasia.co.jp/


 スローイング・スノーがついに初来日公演を行う。

 スローイング・スノーことロス・トーンズ。90年代のブリストル・サウンドを今日的に蘇生させるにとどまらず、自らもレーベル運営を行ってその新しい価値観を提示し、他のフックアップにも余念ないこの男は、まさにいまUKのクラブ・カルチャーの突端を走ろうとしている才能のひとつだ。
 Pitchfork、Guardian、Dazed、Fact、Resident Advisor、XLR8Rなど大手メディアが早くからその動きを追いかけ、マッシヴ・アタックとジェイムス・ブレイクをつなぐUKの超大型ルーキーとして注目してきたその姿を、われわれはついに初来日公演でうかがうことができる。新世代のトリップホップが列島に木霊する瞬間を見逃すことなかれ!

■UNIT / root & branch presents
- Special Showcase in Tokyo -
THROWING SNOW (Houndstooth)

Pitchfork, Guardian, Dazed, Fact, Resident Advisor, XLR8Rなど大手メディアが早くからその動きを追いかけ、マッシヴ・アタック~ビヨーク~ジェイムス・ブレイクといったイギリス音楽の系譜に続く超大型ルーキー、全世界が注目する逸材スローイング・スノーの初来日公演決定! これぞ新世代のトリップホップ!

Live: THROWING SNOW (Houndstooth)
Guest Live: agraph, mergrim (moph records, PROGRESSIVE FOrM, liquidnote), submerse (Project: Mooncircle)
DJ: Ametsub

2014.09.26 (FRI) @ 代官山 UNIT
Open/ Start 24:00 ¥3,000 (Advance), ¥3,500 (Door)
Information: 03-5459-8630 (UNIT) www.unit-tokyo.com
Supported by P-VINE RECORDS
You must be 20 and over with photo ID.

Ticket Outlets: ぴあ(P: 242-392), ローソン (L: 72714), e+ (eplus.jp), Clubberia (www.clubberia.com/ja/store/), diskunion Club Music Shop (渋谷, 新宿, 下北沢), diskunion 吉祥寺, TECHNIQUE, DISC SHOP ZERO, JET SET TOKYO and UNIT
*ローソン/e+(8.30 発売)、ぴあ(9.3 発売)

■THROWING SNOW (Houndstooth)
ロンドンを拠点にスローイング・スノーの名前で活動するロス・トーンズ。彼はダブステップ、UKガラージ、ハウスからフォーク、パンク、ハードコア、メタル、そしてレゲエなど様々な音楽を聞いて影響を受けてきた。彼の音楽には心地の良い温かさと、光沢感のある冷たさが共存している。2010年にHo Tepレーベルからデヴュー・シングルをリリースし、その後はゴールド・パンダなどのリミックスを手がけてきた。ジャイルス・ピーターソンやベンジBの強力なサポートもあり、多くのラジオ番組にも出演してきた。 2011年にはDominoやNinja Tuneのような大手レーベルからリミックスの依頼が来るようになった。リリースもSuperやSneaker Social Club、Local Actionなどから続けてきた。2012年には大手音楽サイトのXLR8Rにポッドキャスト用のDJミックスを提供。2013年にはニューヨークで開催されたRed Bull Music Academyへの参加も好評だった。インターネット上でDJのプレイを生中継する人気サイトBoiler Roomにも何度も出演を果たし、ボノボ、アトモス・フォー・ピース、ジョン・ホプキンスなどの前座を務めてきた。またレーベル・オーナーとしても他のアーティストのリリースに協力している。Left Blank(レフト・ブランク)とA Future Without(ア・フューチャー・ウィズアウト)の共同オーナーでもあり、Vessel, Wife, Visionist, Lorca, Memotone, Young Echoなどが駆け出しの頃のリリースを手掛けていた。ヴォーカリストAugustus Ghostとの別プロジェクト、Snow Ghostsもここか
らリリースもしている。2014年には待望のアルバム『モザイク』に先駆けて『Pathfinder EP』を先にリリース。イギリスの現代のミュージシャンの中で最もユニークなアーティストとの一人としてデヴュー・アルバム『モザイク』は数多くの大手メディアから大絶賛された。
www.facebook.com/throwingsnow www.throwingsnow.co.uk

■agraph
牛尾憲輔のソロ・ユニット。2003年からテクニカル・エンジニア、プロダクション・アシスタントとして電気グルーヴ、石野卓球をはじめ、様々なアーティストの制作、ライブをサポート。ソロ・アーティストとして、2007年に石野卓球のレーベル "PLATIK" よりリリースしたコンビレーション・アルバム『GATHERING TRAXX VOL.1』に参加。2008年12月にソロユニット "agraph" としてデビュー・アルバム『a day, phases』をリリース。石野卓球をして「デビュー作にしてマスターピース」と言わしめたほどクオリティの高いチルアウト・ミュージックとして各方面に評価を得る。2010年11月3日、前作で高く評価された静謐な響きそのままに、より深く緻密に進化したセカンド・アルバム『equal』をリリース。同年のUNDERWORLDの来日公演(10/7 Zepp Tokyo)でオープニング・アクトに抜擢され、翌2011年には国内最大の屋内テクノ・フェスティバル「WIRE11」、2013年には「SonarSound Tokyo 2013」にライブ・アクトとして出演を果たした。一方、2011年以降は "agraph" と並行して、ナカコー(iLL / ex. supercar)、フルカワミキ(ex. supercar)、田渕ひさ子(bloodthirsty butchers / toddle)との新バンド、LAMAのメンバーとしても活動。2014年4月よりスタートしたTVアニメ「ピンポン」では、劇伴を担当。その他、REMIX、アレンジワークをはじめ、CM音楽も多数手掛けるなど多岐にわたる活動を行っている。
www.agraph.jp

■Ametsub
東京を拠点に活動。昨年は山口の野田神社で、霧のインスタレーションを交えながら坂本龍一と即興セッション。TAICOCLUBの渋谷路上イベントにてパフォーマンス。Tim HeckerやBvdubといったアーティストの来日ツアーをサポート。夏にはFLUSSI(イタリア)、STROM(デンマーク)、MIND CAMP(オランダ)といった大型フェスへ招聘される。アルバム『The Nothings of The North』が世界中の幅広いリスナーから大きな評価を獲得し、坂本龍一「2009年のベストディスク」にも選出されるなど、現在のシーンに揺るぎない地位を決定付ける。スペインのL.E.V. Festivalに招かれ、Apparat, Johann Johannson, Jon Hopkinsらと共演し大きな話題を呼ぶ。最新作『All is Silence』は、新宿タワーレコードでSigur Rosやマイブラなどと並び、洋楽チャート5位に入り込むなど、大きなセールスを記録。FujiRock Festival '12への出演も果たし、ウクライナやベトナム、 バルセロナのMiRA FestivalへActressやLoneと共に出演。今年はTychoの新作をリミックス、Plaidと共にスペイン発、Lapsusのコンピに参加。秋にはArovaneやLoscilらの日本ツアーをサポート予定。北極圏など、極地への探究に尽きることのない愛情を注ぐバックパッカーでもある。

■mergrim (moph records, PROGRESSIVE FOrM, liquidnote)
兵庫県出身の音楽家、光森貴久によるソロ・プロジェクト。電子音楽レーベルmoph records主宰。これまでにアルバムをソロ/ユニット/ライブ・リミックス盤などで4枚リリース。downy、川本真琴、miaou、smoug等のリミックスの他、YMOのカバー集「YMOREWAKE」、またXperia™アプリ "Movie Creator" やGRAN TURISMO 6に楽曲提供。また、Sound & Recording MagazineにてCubase記事を短期連載やムック本への執筆なども行う。ライブも都内を中心に精力的に活動。SonarSound Tokyo, DOMMUNE, EMAF TOKYOなどにも出演。打楽器奏者Kazuya Matsumotoとのパフォーマンスは電子音楽の域を越えていると評判。海外ツアーも2011上海、北京、2012ベルリン、ロッテルダム、ミュンヘンなどを敢行。最新作はPROGRESSIVE FOrM x mophより ”Hyper Fleeting Vision” をリリース。7月にはそのリリース・パーティを13人の演奏家を迎え行い、成功を収めた。そこで出会った仲間とともに ”THE MERGRIM GROUP” を結成。更なる躍進へ望む。
www.mergrim.net www.mophrec.net

■submerse (Project: Mooncircle)
イギリス出身のsubmerseは超個人的な影響を独自のセンスで消化し、ビートミュージック、ヒップホップ、エレクトロニカを縦横無尽に横断するユニークなスタイルを持つDJ/ビートメーカーとして知られている。これまでにベルリンの老舗レーベルProject: Mooncircleなどから作品をリリースしSonarSound Tokyo 2013、Boiler Room、Low End Theoryなどに出演。また、英Tru Thoughtsや仏Cascade Recordsなどのヒップホップ・レーベルのリミックス・ワークも手がける。2014年には待望のデビュー・アルバム "Slow Waves" がProject: Mooncircleとflauよりリリースされる。また、Pitchfork, FACT Magazine, XLR8R, BBCといった影響力のあるメディアから高い評価を受ける。
twitter.com/submerse soundcloud.com/submerse facebook.com/submerse submerse.bandcamp.com YouTube.com/djsubmerse

https://www.unit-tokyo.com/schedule/2014/09/26/140926_throwing_snow.php




TOMOKI A HE-ART - ele-king

MetroJuiceRecords、SoundChannel を経て、2014年、日本独自の突き抜けた才能を世界に発信していくレーベル、iro music を立ち上げた。国籍やジャンルの垣根を超えて、音楽を通してダイレクトに繋がることを目指し、オープンマインドにパーティ道を突き進んでいる。

TOMOKI A HE-ART classic chart 10


1
unless+w-moon / entry plug ep / MetroJuiceRecords

2
TOMOKI A HE-ART feat. V.A. / oneness ep / iro music

3
MODEL 500 / DEEP SPACE / R&S Records

4
massive attack / protection / circa records

5
jepte guillaume / voyage of dreams / Spiritual Life Music

6
moodyMANN / silentintroduction / planet e

7
A Guy Called Gerald / black secret technology / JUICE BOX

8
SADE / Lover's Rock

9
one dove / why don't you teke me

10
M / M4 / M

DJ歴 1994-2014 祝20周年!後半戦もがっつり攻めマス!!
>>DJ Schedule
[8月]
2014/08/30-31 "OVERDRIVE" @山梨 さがさわキャンプ場
[9月]
2014/09/08-15 "Transylvania Calling" @ルーマニア
2014/09/19(FRI) "Space Gathering" @広島 cafe Jamaica
2014/09/27(SAT) "IMAGINATION WORLD" @福岡 北九州 Othree Plus
[10月]
2014/10/04(SAT) "Airport Gathering 2014" @熊本 エアポートホテル熊本
2014/10/11(SAT) "amitAyus" -ノゲランズ the KANREKI 宇宙大宴会 博多編- @福岡 今泉 BlackOut
2014/10/10-13 "あそびのくに" @熊本 阿蘇山3合目坊中キャンプ場
2014/10/18-19 "Secret" @Secret
2014/10/25-26 JUNGLE FRESH MUSIC PRESENTS "GREAT HAPPINESS 2014" SUPPORTED BY ACTINGDIGITAL.LTD & BAR NICO @静岡 天子の森キャンプ場
Mixcloud : https://www.mixcloud.com/fumicronagashima/
Facebook : https://www.facebook.com/fumicro

毎日雨ばかりでモヤモヤだった2014夏。夏らしい事もあまり出来なかったフラストレーションを発散すべく10曲(順不同) (2014/08/27)


1
Age Of Broken Mind - Iso(Original Mix) - Muenchen

2
Vadz - Amphetamine(Anal Acid Mix) - Russian Techno

3
PROJECT AKC - Boing(A. Mochi Remix) - Octopus Records

4
AnGy KoRe - Acidume(Original Mix) - Spielstaub

5
SEBASTIAN MULLAERT - Chant De Paris(Original Mix) - Ovum Recordings

6
Jamez - Drum Spirit(Boshell & Cody Remix) - Repressure Recordings

7
Pascal FEOS, Frank Leicher - Bodygroove(Original Mix) - Level Non Zero Recordings

8
Hefty - Pain Relief (Original Mix) - Zenon Records

9
Brunno Santos - Get Me Higher (Original) - Muenchen

10
Alic - Supabugfix(Original Mix) - Soundmute Recordings
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369