「New Gen」と一致するもの

 アイスランドは、ビョークやシガー・ロスの出身地というぼんやりしたイメージしかなかったのだが、行った人誰に聞いても「最高!」と言われる。毎年10月末から11月にかけて首都レイキャヴィックでおこなわれる、新しい音楽の祭典、アイスランド・エアウェイヴスに初参加した。
 今年は10/31~11/3。過去には、シンズ、ラプチャー、TV・オン・ザ・レィディオ、ファットボーイ・スリム、クラクソンズなど、ヨーロッパやアメリカからバンドが参加している。
 NYからは約6時間。時差も5時間なので、西海岸に行くのと変わらない。15年前に初めてSXSWに行ったときと同じような新鮮な感情が生また。

 エアウェイヴスは、著者が知っているCMJやSXSWなどのアメリカのフェスティヴァルと違い、質が格段に良い。家族経営な感じが好印象で、まだ世の中に知られていない新しいバンドをいろんな所で発見できる。
 飛行機はアイスランド・エアを利用したのだが、音楽プレイリストに「エアウェイヴス」があり、スケジュールのフライヤーがもれなく乗客に配られる。パーティへのお誘いも、「どう、エアウェイヴス楽しんでる?」などの10年来の友達相手のような気さくな招待状。現地の人に聞くと、この期間は特別で、これでもか、というぐらいショーを見て、浴びるほどお酒を飲むらしい。
 空港に朝の6時に着き、水が飲みたいと思ったら、水の隣に普通にビールが売られ、周りを見ると、待っている人もビールを飲んでいる。エアウェイヴスが終わった次の日、レコード店に人を訪ねて行くと、「彼は今日飲み過ぎでお休み」と言われた。エアウェイヴス休暇は公認なのか?

 「朝の4時、5つのクラブに行き、10の良いバンドを見て、15人の新しい友だちを作り、20回恋に落ちた。自分は疲れ、おかしくなってる。家に帰るつもりが、アフターパーティを探してる。ここにいることが信じられないし、すでに来年また来る計画をしている。今日はまだフェスの一日目だというのに」(https://icelandairwaves.is/about/
 というエアウェイヴスの文句がそのまま当てはまる。マジックとしか思いようがない。
 レイキャビックという町は、NYのウィリアムスバーグぐらいの大きさしかなく、どこでも徒歩30分以内で歩け、フェスティヴァルにはもってこいの町である。イギリスの標準時を使い、人口は約32万人でその1/3がレイキャヴィックに住んでいるという。自然がとても美しく、着いた日に、山がピンク色に染まっていたり、寒そうな山肌を見たとき、新しい土地を意識した。

 まずはハーパというハブになっている会場でリストバンドをピックアップ。リストバンドと一緒にもらえるギフトバッグのなかには、ブルーラグーンのスキンケアグッズ、66northのニットキャップ、gullビール、reykaウォッカ、アイスランディック・チョコレート、オパル・キャンディなどのアイスランドの代表グッズが入っている。これだけでも十分アイスランド気分。

 エアウェイヴスは、公式のショーでなく「オフヴェニュー」と呼ばれる場所でのショーが昼間からあり(これだけでも十分好きなバンドが見れる)、この5日間は朝から晩まで、バンドは5~10のショーをし、DJともなると1時間おきに違う会場でプレイする強者もいた。
 シアトルのカレッジラジオKEXPはCMJやSXSW、スペインのプリマベラなどで、いつも良いメンツを集めてパーティをするので、今回もたくさん行ったが、ラインナップは地元アイスランド・バンドも含め極上だった。まったく違う会場で偶然発見したバンド、Kithkin(シアトル出身)も、後からKEXP関連だったこともわかる。

 エアウエイヴスは、時間厳守だ。時間になると、きっちり次のアクトがはじまるし、演奏時間も大体20~30分ぐらい。次のバンドまでも余裕があるので、セットチェンジの間にもうひとつ別のショー行って帰って来れる。会場がそれぞれ近いのもよい。

 以下ずらーっとレポート。カタカナ表記に直せない会場はそのままアルファベットで残し、バンドの後に表記のない物は地元のアイスランド・バンド。

11/1(fri)
5:30 pm
サマリス(Samaris)
@アイスランドエア@スリップバリン(icelandair at slippbarinn)

 最初に行った会場はスリップバリン。夕方5時だというのに外にラインが出来、ようやく入るも身動きが取れない。入口でウエルカムシャンパンを頂きステージ前へ。
 サマリスは、クラリネット(女)、ヴォーカル(女)、エレクトロニクス(男)という変わった編成。ダウンテンポ・エレクトロニカと大胆なパーカッションビートを取り入れ、ビョークのような深く唸るようなヴォーカルが乗る。その結果、古代的で現代的、非現実なサウンドにダークでエイリアンな雰囲気を醸し出す。時差ぼけも吹き飛び、ステージ前でかぶり付きで見た。ヴォーカルのJófríðurは、パスカル・ピモンというバンドを双子の妹と組んでいて、こちらはアイスランドのオルヴォワール・シモーヌという感じ。
https://icelandairwaves.is/artists/samaris/

6:00 pm
ハーミゲルヴィル(Hermigervill)
@アイスランドエア@スリップバリン(icelandair at slippbarinn)

 一緒に行った友だちが「この次のアクトもいいよ」というので残ることにする。アイスランド・エアの機内で配られたスケジュールのカヴァー/エアーウェイヴのWEB表紙の男の子、ハーミゲルヴィル。
 「ハイ、マイフレンド!」とテルミンを演奏しはじめ、そのままユニークなライブ・エレクトロサウンドへ。彼の前にずらーっと並んだ、エレクトロニカ機材を器用に操り、会場で一番楽しそうに踊っているのが彼。最高のダンスフロア! まだ6時! 聞くと彼もバーンドセンレトロ・ステフソンなどのアイスランドの著名バンドにも参加している。アイスランド、すでにヤバい。
https://icelandairwaves.is/artists/hermigervill/

8:00 pm
ムーム(Múm)
@Fríkirkjan

 教会でムームのショーがあると聞いて、行ってみると人数制限で入れない。教会の前には人だかり。周りをうろうろしてみると、ガラス張りの窓から少し中が見える。同じことをしている人と「見たいよね~」と話しながら、ステージのすぐ横の窓から覗くと、グランドピアノやアップタイトベースが見え、音も聞こえるので、ナイス! と思ったが、寒すぎて10分で退散。アイスランドでビョークと同じぐらい名前が知られている彼らは、エレクトロニック・グリッチ・ビートとエフェクト、伝統的、非伝統的な楽器を特徴とし、厳かな場所でのショーが似合うバンドだ。
https://icelandairwaves.is/artists/mum/

8:50 pm
ロウ・ロアー(Low roar, アイスランド/アメリカ)
@イドノ(Iðnó)

 ブルックリンの知り合いミュージシャンから紹介してもらったバンド。かなり大きな会場で、前に行くのに苦労するが、3人のミュージシャンが誰も手を付けないジャンルを開拓する。エレクトロポップ、美しいフォークソングのシンプルな定番アレンジに、ミニマルトーンやドローンにポストパンク要素を混ぜ合わせた、新古が出会うアイディア。
https://icelandairwaves.is/artists/low-roar-isus/

11:00 pm
オマー・ソウレイマン (Omar Souleyman, シリア)
@ハーパ・シルファバーグ(Harpa Silfurberg)

 シリアの伝説、オマーさん。CMJでも見逃したので、今回は是非見たかった。1994年にデビューし、最近まで海外では知られていなかった彼だが、すでに500以上のスタジオ・レコーディングとライヴ・カセット・アルバムがあリ、いまではボナルー、サマーステージ、グラストンベリー、ATPなどのフェスティヴァルの常連。定番のアラビック・ヴォーカル・スタイルとエレクトロをミックスし、世界中の人たちを踊らせている。ハーパ(会場)で一番列が出来ていたのも彼。アイスランドでタンクトップになれたのも、ここの観客のノリの良さが桁違いだからか。
https://icelandairwaves.is/artists/omar-souleyman-sy/

11:30 pm
ゴート(Goat, スウェーデン)
@ハーパ・ノルデュロス(Harpa Norðurljós)

 ハーパの隣の部屋へ移動し、スウェーデンの覆面バンドを見る。これも今年5月にプリマベラに行った友達から絶対見たほうが良い、とお墨付きを頂いていた。スウェーデンのコーポロンボロと言われる村出身で住民がブーズー教信者である。全員覆面で、クリスチャン服装で、目に痛いほどカラフルで、ステージプレゼンス、すべてすごいが、演奏のうまさと、フロントの女の子2人の、何か(ブーズー教呪い?)に取り付かれたようなダンスで、崇拝精神さえ芽生える。
https://icelandairwaves.is/artists/goat-se/


11/2 (sat)

4:00 pm
キスィキン (Kithkin, アメリカ)
@ヘルマー・スクエア(Hlemmur Square)

 たまたま、通りかかった会場で発見したバンドはシアトル出身。ハイパーなリズミック・シンセとトライバル・ドラム、カオティック・ギターに、前に前に出るシャウト・ヴォーカル。ベースとドラマーが一緒にスティックを持って、叩き合うパフォーマンスは、インテンスでエネルギッシュ。ベーシストはスピーカーの上に乗って飛び降りたりした。
https://icelandairwaves.is/artists/kithkin-us/

4:00 pm
シーシーアイ(Sisy ey)
@ ジョア(jor)
 と呼ばれる、3人女子はアン・ヴォーグのようなディスコ・エレクトロ・ヴォーカル・グループ。通りかかった洋服屋で、ウィスキーショットが振る舞われ、子供も一緒に踊っている。女性3人女子とDJ。彼女たちの美しい声と新しいジャンルをミックスし、世界でひとつしかない面白い才能を開拓している。アイスランドの女の子は、みんな声が深くて芯がしっかりしている。ビョークみたいなユニークな歌手は、ここには多数いるのだろう。
https://icelandairwaves.is/artists/sisy-ey/

5:00 pm
サミュエル・ジョン・サミェルソン・ビッグバンド(Samúel jón Samúelsson Big Band)
@ラッキーレコーズ(Lucky Records)

 KEXにムームを見に行ったのだが、多すぎて入れず。そのまま待つのもなんなので、近所のラッキー・レコーズに行くと、ちょうど彼らがプレイしていた。レイキャヴィックのアフロファンク・バンド、14人は、みんな思い思いの派手衣装(メインガイは、黄色と緑と青の幾何学模様)で、狭いレコード屋を占領(何せ大人14人!)。トニー・アレン、ジミ・テナーなど、国際的アーティストとコラボレートしている彼らのショーは、ホーンがメインでおもちゃ箱をひっくり返したような楽しさ。子供が一番喜んでたかな?
https://icelandairwaves.is/artists/samuel-jon-samuelsson-big-band/

6:30 pm
ロックロ(Rökkurró)
@KEX

 ムームは見れずだったが、1時間後に戻ってくると、KEXPがロックロを紹介しているところ。5年間このエアウェイヴスを中継し、たくさんの素晴らしいバンドに出演してもらえて嬉しいと。ヴォーカルのクリスティンはティアラをつけ、キーボードの女の子はガイコツの手を自分の手に付けちょっとハロウィン気分。メランコリックなセレナーデは、自国の寒く荒廃した景観を奮起させるが、壊れやすく滑らかなヴォーカルでユニークな暖かみも浸透させる。ムームやオラファー・アーナルド(見逃した!)ともツアーをともにし、2枚目のアルバムは日本盤もリリースされている。
https://icelandairwaves.is/artists/rokkurro/

7:10pm
キラ・キラ(Kira Kira)
@ハーパ・カルダロン(Harpa Kaldalón)

 おさげの女の子クリスティンがキラキラ。遊び心あるビーツやエクスペリメンタル・ポップが、ダーティ・メロディや、雷のようなベースラインを作る。彼女は、エレクトロ音楽やアートのエクスペリメンタル集団/レーベル、キッチン・モータースの設立メンバーでもある。今回のライヴは彼女と3人の男の子編成。トランペッター2人とトロンボーン。ドローンなエレクトロニックスとホーン隊の音は、サウンドトラックのようで、心地の良い映画館のようなソファーと会場の暖かさで夢の中へ。
https://icelandairwaves.is/artists/kira-kira/

8:00 pm
ユリア(Ylja)
@ハーパ・カルダロン(Harpa Kaldalón)

 アイスランドのジプシー・バンド? 女の子2人がアコースティックギターとヴォーカル。つま弾きギターにハーモニーの綺麗な子守唄が合わさり心地よすぎ。この会場は眠りたい人にもってこい。ギターの男の子は、英語が出来なくてごめんと謝り倒してたが、飛行機の中でも聞いたのを覚えていた。耳に優しいバンドで、エアウエイヴスは、良い物はどんなジャンルでもカヴァーしている、とまたひとつ勉強。
https://icelandairwaves.is/artists/ylja/

9:00 pm
マック・デマルコ (Mac Damrco, カナダ)
@ハーパ・シルフバーグ(Harpa Silfurberg)

 最近のキャプチャード・トラックスの5イヤーズ・フェスティヴァルにも出演していた、すきっ歯がかわいいカナダ出身の22歳。個人的には、エアウエイヴスで見たかったバンドの上位。彼のキャラが最高で、ヴィデオもCDもすぐに虜になる。ユリアが終わって会場がすぐ上なので移動が便利。歌いすぎて、声がガラガラしていたが、最上のロックンロールで、客とのコール・アンド・レスポンスも最高!最後には「サーフィンしていい?」と丁寧に断った上、ガツンと客にダイブ。ベースとギタリストのコミカルなぼけ突っ込みも受ける。
https://icelandairwaves.is/artists/mac-demarco-ca/

11:00 pm
ゴールドパンダ(Gold Panda,UK)
@レイキャヴィック・アート・ミュージアム(Reykjavik art museum)

 ゴールド・パンダ、たったひとりの男の子がこんなにも多くの人を踊らせるのは凄い。宇宙、サイケデリック、インド・テイストな映像も合わさり、ステージに彼がいるだけで、何か惹きつけるものがたしかにある。ブロック・パーティ、サミアン・モービル・ディスコなどからリミックスのリクエストが来るなど、国際的に活躍するエレクトロ・アーティスト。オマーさんの次に、一番長く列に並んだ(外だったので寒かった!)アーティスト。この時に、ビョークが後ろを歩いていくのを見る。地元なのだなと。
https://icelandairwaves.is/artists/gold-panda-uk/

0:10 am
サヴェージズ (savages, UK)
@レイキャヴィック・アート・ミュージアム(Reykjavik art museum)

 ここに入る時に、かなり列に並んだが、実はゴールド・パンダでなく、サヴェージズ狙いだったのかな。いままでで最前列に一番カメラマンが多く、後ろの人が見えないので、3~4曲後カメラ規制が入ったぐらい。CMJでも何でも彼女たちのハイプは凄い。エモーショナルなトラッシュ・ロックで、最後には客の上にダイブしたり、一番前の客の波にもまれながらそこに立って歌ってた。ワイルドで生々しく、顔をパンチされたような臨場感がある。
https://icelandairwaves.is/artists/savages-uk/

1:00 am
ゾラ・ジーザス(Zola Jesus,アメリカ)
@Gamla Bíó

 ドアの規制がとても厳しい会場で、水も持ち込めなかった。彼女もキャプチャード・トラックスからのお勧め。ファッション雑誌から出て来たような格好の彼女と、ヴァイオリン、ギター、ベース、ドラム。ロシアン・アメリカンシンガーのゾラ・ジーザスは声がとても深く地底の底まで響きそう(そして何かを呼びそう)。フィーバー・レイやエックス・エックスなどとツアーを共にしていると聞いて納得。ここも映画館のように椅子がありシート制。最後を締めるには、もってこいのパフォーマンスだった。
https://icelandairwaves.is/artists/zola-jesus-us/


11/3(sun)

4:00 pm
シャイニー・ダークリー(Shiny darkly, デンマーク)
@ラッキー・レコーズ (lucky records)

 またお気に入りのレコード屋に戻ってきた。デンマーク出身の22歳の男の子の4ピース。ニックケイヴやイアン・カーティスに影響を受けたダーク・ナルコティック・ロック。しかもルックスも良い。シアトルのKEXPやLAのKCRWなどが取り上げているのも納得。
https://icelandairwaves.is/artists/shiny-darkly-dk/

5:00 pm
キスィキン (Kithkin, アメリカ)
@ラッキー・レコーズ (lucky records)

 昨日偶然に見たシアトルのバンドが次だったので、そのまま居残る。昨日の方が印象は強かったが、すべてのセットが見れ、今回エアウエィブスで一番の収穫かもとニヤニヤする。ベースとドラム(立ちドラム)がヴォーカルで、このエネルギーはただ者ではない。

6:30 pm
ハーミゲルヴィル (Hermigervill)
@KEX

 一番最初に見たお気に入りDJをリピート。エアウエイヴスの顔だけあり、これぞアイスランドのDJ。「みんな、エアウエイヴス楽しんでる?僕はこれが最後のショーだよ」と客とのコミュニケートも最高。ラップトップでビートを作りながら、テルミンを操り、キーボードを弾き、一番忙しく、一番楽しそう。

11:00 pm
ティルバリー(Tilbury)
@ガンミリ・ガウクリン(Gamli Gaukurinn)

 一瞬ダウンしたが、またショーに戻ってくる。ドラマティックでダークでビタースイート、という文句のバンドなのだが、ラフなTシャツ、ボタンダウン姿、どこにでもいそうなお兄ちゃん5人組。60年代ギターと80年代のダークシンセと新しいエレクトロを足し、ディビット・リンチの映画に出てきそうな、と形容されるが、誇張しすぎかな。ショーの後、気さくにしゃべってくれた。
https://icelandairwaves.is/artists/tilbury/

0:00 am
モーセズ・ハイタワー(Moses hightower)
@ガンミリ・ガウクリン(Gamli Gaukurinn)

 エアウェイブス最後のバンドは地元のモーゼス・ハイタワー。大人な雰囲気を醸し出す70年代のブルー・アイド・ソウル。2008年に「レッツ・メイク・ベイビーズ」というシングルでアイスランド・リスナーの注意を引いたらしいが「みんなが親戚」というアイスランドなので、今回のフィナーレに相応しい。メンバー(ホーン隊)キャラかぶり過ぎで、ダン・ディーコンがメンバーに4人いるかと思った。
ショーが終わっても、もちろん誰も帰らない。そのままバー/DJパーティへと変わる。
https://icelandairwaves.is/artists/moses-hightower/

 他にもマムットマックなど、見たいバンドはたくさんあったがすべて見切れず、体がもう一体欲しかった。エアウェイヴスは、バンドを発見するだけでなく、レイキャビック、アイスランドの素晴らしさの発見でもあった。人が親切で、エアウェイヴスが終わった後にもうひとつライヴに行ったのだが、そこではシガーロスのメンバーが普通に飲んでいて(しかも著者は見れなかったクラフトワークのショーの帰り!)、一緒に朝まで遊んだりした。その後レイキャヴィックを出て地方に行く機会もあったが、広大な自然、アメリカでも日本でも見たことのない空の色は言葉で言い表せないほどだった。
 最後に、レコード店で発見したアイスランドのダブ・エレクトロバンドのオイバ・ラスタは、CDを聞いたらはまり、最近毎日聞いている。この寒いアイスランドで、なぜラスタ・バンドなのか。9人という大所帯のバンドは今回見れなくて残念だが大丈夫、すでに来年来る準備をしているから。

 すべてのラインナップはこちら。
https://icelandairwaves.is/line-up/

 こちらはキスィキンと一緒に旅をしたKEXPのレポート。良い写真がある。
https://www.cityartsonline.com/articles/iceland-airwaves-festival-frozen-fairytale-island

 ここからは七尾旅人NYショー

 七尾旅人さんの初のNYショーが10月29日~30日に行われた。 こちらがスケジュール
 10/29 (tue) at Pianos 7pm $8
 w/ Diane Coffee (Foxgen) and Deradoorian (ex Dirty Projectors)
 158 ludlow street
 New York, NY 10012
 212-505-3733
 https://www.ticketweb.com/

 10/30 (wed) @ Cake shop 8 pm $10
 w/ Greg Barris and The Forgiveness, Eartheater, Bodega Bay
 152 ludlow street
 New York, NY 10012
 212-253-0036
 https://facebook.com/events/401758796619436

 公式2日はどちらもローワーイースト・サイドの会場。クラブとインディ・ロックな別々の顔を持つ会場のピアノスケーキショップ。それぞれ違うセットと対バンで、2日連続で見る価値は十分。ショーの後、ブルックリンでのオファーを2つ頂いたので、結果的に良かったし、違うタイプの観客にもアピールできたと思う。

10/29 (火) @ ピアノス

 NYではかなり早い7時にはじまる。
 共演バンドは、フォクシジェンのドラマーのディアン・コーヒー、元ダーティ・プロジェクターズのメンバーだったエンジェルのデラドーリアン。
 https://www.pianosnyc.com/showroom/diane-coffee-10292013

 この日は旅人さんが希望していたドラマーのライアン・ソウヤーとの共演。

 ライアンはボアドラムでも日本に行ったり、リィス・チャザムの200ギターの唯一のドラマーとして参加したりしている。
 https://www.villagevoice.com/2009-08-04/voice-choices/rhys-chatham/
 前日に彼が参加する新しいバンド、ヒッギンス・ウォーター・プルーフ・ブラック・マジック・バンドを押し掛け、ぎりぎりで出演許可を頂いた。

 7時過ぎに登場し、英語の音声で本人の紹介。衣装は羽織に下駄。“星に願いを”、“オーモスト・ブルー”など2~3曲弾き語りの後は、ライアン・ソウヤーが登場。後は、めくるめく宇宙戦のようなインプロの嵐。旅人さんはエフェクトを駆使し、歌い、動き回りながら、ライアンとのプレイを心から楽しんでいるように見える。それに煽られ、オーディエンスの熱気も上昇し、演奏が終わった後は、拍手が鳴り止まなかった。リハーサルもないのに、この絡みは、はじめて会ったとは思えない。ライアンも終わった後は珍しく上機嫌で、「次もプレイする事があれば誘ってね、いやプレイできなくても見に行くよ。」と。次のデラドーリアンもディアン・コーヒーも、「今日は旅人とプレイできて嬉しい」とステージで賞賛していた。

10/30 (水) @ケーキショップ

 ハロウィンが次の日ということもあり、コスチュームな人もいる。出演は旅人さんを入れて4バンド。
 ボデガ・ベイはまだ結成して4ヶ月という新しいアート・ロック・バンド。ベースとドラマーの女の子が(ハーフ)日本人、ギター&ヴォーカルが白人、ギターがラテン系という、いかにもブルックリンなバンド。
 アース・イーターはガーディアン・エイリアンのアレックスのソロで、ガーディアン・エイリアンのファンである著者は楽しみだった。ロシア~東欧な雰囲気のコスチュームにゴス系メイク、黒リップ、バンジョー弾き語り。彼女自身がアート作品である。このショーの後、旅人さんは、3日後のガーディアン・エイリアンのショーに参加しないか、というオファーを頂く。
 https://eartheater.org

 グレッグ・バリスは、NYのコメディアンで、普段はハート・オブ・ダークネスというバンドを率いるが、今回はフォーギヴネス名義で登場。「ハローレディス・アンド・ジェントルマン、グレッグ・バリーーーース!!!」の声を合図に大暴走が続く。メンバー全員が一曲ずつヴォーカルを取り、コメディあり、客とのコール・アンド・レスポンスありで会場を盛り上げる。
 gregbarris.com

 11時に七尾旅人さんの登場。今日は完全にソロ。昨日来たお客さんもちらほら見えた。何日間か前に亡くなったNYの偉大なミュージシャン、ルーリードの「ウォーク・オン・ザ・ワイルド・サイド」の日本語カバーも披露し、1曲1曲拍手喝采を誘った。英語がしゃべれなくてごめん、と日本語でMCをしたり、予定時間をオーバーしても演奏が続き、旅人さんがNYで表現したかった物、思い、などが痛いほどオーディエンスに伝わってきた。
 ふたつのオフィシャル・ショーの後、会場とバンドからふたつのオファーがあり、ひとつはライアンと三味線奏者(!)のトリオ、ひとつはガーディアン・エイリアンのショーにヴォーカル参加した。
著者は残念ながら、参加できなかったので(アイスランドにいた)、本人の感想がその都度、ツイッターでつぶやかれているのでご参考に。
 https://twitter.com/tavito_net

 フライヤーをたくさん撒いたり、共演バンドとも、たくさん話をしたが、みんな旅人さんとプレイできたのは素晴らしい経験だったとのこと。何でも自分で行うDIYなアメリカなので、実際来てプレイしてみないとはじまらない。今回はよい例だと思う。ライアンやその他のミュージシャンと旅人さんのショーの前の告知
 https://www.brooklynvegan.com/archives/2013/10/japanese_artist.html

vol.55:素晴らしき新生ディアハンター - ele-king

 ディアハンターは、ジョージア州、アトランタのバンドなのだが、何かとニューヨークのイメージがある。ニューヨークでレコーディングしたり、レコード・レーベルがニューヨークだからだろうが、その第二の故郷で9月の半ば、3日連続ショー(全てソールドアウト)をおこなった。
 ジョージア州に縁のある著者なので、軽い気持ちで、1日目(ミュージック・ホール・オブ・ウィリアムスバーグ)を見にいったが、余りにも印象に残ったので、最終日(ウエブスター・ホールも見にいった。
 1日目はノイズ/エクスペリメンタル、最終日は歌もの中心で、最新アルバム「モノマニア」だけでなく昔のアルバム、EPからのヒット曲をミックスした。バンドの多様性がうかがえる。ブラッドフォード・コックスは、1日目はパンク少年、3日目はヒョウ柄のワンピース(黒髪ウイッグ付き)。以前は、ジョーイ・ラモーンの格好で登場したり、指に包帯を巻いたり、彼のコスプレも期待を裏切らない。
 ディアハンターから想像できるプレゼンテーション(ライトショー、ノイズフリーク)他に、驚いたのは超自然なバンド演奏。メンバー・チェンジを経て5人組になったのだが、レコードをそのまま演奏するのではなく、曲と曲との転換、繋がり、間、フェイドアウト/インなどで全ての曲に新しい命が吹き込まれていた。
 ほとんどMCはない。毎日セットは違うが、バンド演奏力のタイトさは極まっている。ブラッドフォードの、フリーキーなヴォーカルと対象に、ギタリストのロッケットがヴォーカルを取る"デザイヤー・ラインズ"では、バンドの温度を良い具合に下げ、"モノマニア"のノイズ・フリークが続いた後に来る"トワイライト・アット・カーボンレイク"のドラマチックな導入など、全体バランスも美しい。後半は、ブラッドフォードが観客にギターを渡し、ステージで居眠りしたり、被っていたウィッグをとってみたり(!)、ショーの間は、目と耳をフル回転させられっぱなしだった。
 ショーの終盤、ブラッドフォードは、ソールドアウトの会場を見回すと、故郷アトランタでは受け入れられなかったが、ニューヨークのみんながサポートしてくれたからいまがあると、観客ひとりひとりへ感謝を表し、拍手喝采を誘った。

photo via Brooklyn Vegan

 ブラッドフォードは、パンクだ、予測不可能だと言われる。自分たちを、インディ・バンドではないと言ったり、モリッシーへの感情をぶつけたり現在の社会経済状況への不満などを言及している。それでも、故郷のアトランタで、黙々と音楽を作る、彼のモンクな生活のほうが容易に想像出来てしまう。彼は究極にデリケートで、手助けが音楽だ。ショーのバックステージには、子供のような、はつらつとした彼の顔があった。「このアルバムで若返った」と言う、彼の言葉通りだった。

 知り合いが、ファーザー(元グレイトフル・デッドのメンバー)のショーを9日連続で、キャピタル・シアターに見にいくと興奮していたのを思い出した。彼らは9日間、1度も同じ曲を演奏しない。「9日も同じバンドを見に行くの?」と訝しがったが、今回のショーを見て、彼の言ってる意味がわかった気がする。裏切られたり、予想に反したりもするが、毎日でも見たいと思わせる中毒性を持っている。日本には12月に行くそうだ。新生ディアハンターに期待して良いと思う。





以下、3日間のセットリスト

Deerhunter at Music Hall of Williamsburg - 9/17/13 Setlist: (via)
Earthquake
Neon Junkyard
Don't Cry
Revival
Desire Lines
Blue Agent
The Missing
Hazel St.
Helicopter
T.H.M.
Nothing Ever Happened
Sleepwalking
Back to the Middle
Monomania
Encore:
Cover Me (Slowly)
Agoraphobia
Fluorescent Grey
--
Deerhuneter at Webster Hall - 9/18/13 Setlist: (via)
Sailing
Cryptograms
Lake Somerset
Desire Lines
Dream Captain
Never Stops
Little Kids
T.H.M.
The Missing
Spring Hall Convert
Saved By Old Times
Revival
Helicopter
Nothing Ever Happened
Encore:
Sleepwalking
Back to the Middle
Monomania
--
Deerhunter at Webster Hall - 9/19/13 Setlist:
Octet
Neon Junkyard
Don't Cry
Revival
Like New
Desire Lines
Hazel St.
T.H.M.
Rainwater Cassette Exchange
The Missing
Helicopter
Sleepwalking
Back to the Middle
Monomania
Twilight at Carbon Lake
Encore:
Cover Me (Slowly)
Agoraphobia
He Would Have Laughed


https://www.brooklynvegan.com/archives/2013/09/deerhunter_play_11.html

interview with Primal - ele-king

草食系代表でも遊ぼう本当は誰かと居たい男
欲をいえばGender Free だがなりたくないSex Machine
かなりイカれた本心矛盾を暴露してDis覚悟
女装して闊歩するなら悪と戦えクソハーコー
巷で言う正義は薄れ今まで信じたものは捨て
暴かれる勝手気ままのGame 俺はゲイなのに男ぶってる"性の容疑者"

コツコツ働いて有意義なものに投資をするぜ
負けたくねぇぜProletariat
中流階級とはバチバチのブス
後づけ管理職は似合わないPass
哀愁漂わせるが職人通 "Proletariat"

 9月8日、渋谷でプライマルのライヴを観た。MCバトル〈罵倒〉のショーケースだった。小一時間前にステージにいたのは、若きラップ・スター、KOHHとLIL KOHHとやんちゃな仲間たちだった。LIL KOHHはバットを持って登場した。KOHHは、豪奢なブランドに身を包み、腕のタトゥーをのぞかせ、人を食ったような身振りで、軽やかに何度もこうくり返した。「他人は気にしない生き方/適当な男♪」。僕はその刹那的な人生観、怖いもの知らずの態度に恐怖と不安と羨望を感じた。文句なしにスワッグだった。時代は変わった。歳もとった。プライマルは彼らと180度違うライヴをやった。迷いを振りはらうように、カラカラになった喉を酷使しながら、曲間も絶え間なく必死の形相でフリースタイルを続けた。その姿は、素晴らしくイルだった。


PRIMAL
プロレタリアート

Pヴァイン

Amazon (通常盤) Amazon (初回特典ミックスCD付き限定盤) iTunes Review

 プライマルの6年ぶりとなる最新作のタイトルは『Proletariat』だ。80年代の日本のパンクかオルタナ・ロックのプロテストを思わせる。ECDを連想する人もいるだろう。それはある意味で間違いではない。プライマルは性と家族と労働、憂国について赤裸々にラップしている。労働者の心情を歌っている。大胆で、勇敢な性の告白をしている。そして、頑強なニッポンの男性社会の矛盾を捨て身で暴露している。20代にワイルドサイドのど真ん中を闊歩し奔放に生きたラッパーは、いま30代中盤となり、どう生きるかを模索している。新たなワイルドサイドを歩くのか? ワイルドサイドとは別の道を探すのか? いくつもの問いがあふれ出しては、彷徨っている。そのことばの放浪が、プライマルのフロウの核心ではないかと思う。プライマルはアクセルとブレーキをせわしなく交互にかけ、ぐるりと迂回しながら、見えない目的地を目指して道なき道をガタガタと進んでいるようだ。停止と急発進をくり返し、たったいま自分が吐き出したことばを次のラインで否定し、さらにその次のラインで肯定してみせたりする。脳内で延々とループする矛盾と逡巡が、オン・ビートとオフ・ビートの狭間でグルーヴを生み出し、独特のリズムを前進させる。目的地を定めないがゆえのリズムのダイナミズムがある。MSCとして精力的に活動していた00年代前半から中盤、そして前作『眠る男』のころに比べれば、殺気立ったラップは鳴りを潜めているように思う。MSCのファースト・アルバムにして、歴史的傑作である『Matador』に、プライマルは"支離滅裂"という名曲を残しているが、いまだ彼は正気と狂気のど真ん中を歩いている。

 『Proletariat』には、多くのトラックメイカーやラッパーらが参加している。盟友のDJ BAKUをはじめ、T.TANAKA、O9、HIROnyc、OMSB、Rhythm Jones、MALIK、DJ TAIKI、DJ MARTIN、琥珀、SKE、The Anticipation Illicit Tsuboi、そして先日他界したMAKI THE MAGIC。スクラッチでOMORO、ビートボクサーの太華、MASTER、Sharleeもいる。ジャズ・ヒップホップ・バンド、WATASHIとの曲もある。PONY、MESS(メシア・ザ・フライ)、SATELLITE、そしてTABOO1と漢とRUMIとの"岐路"がラストを飾る。

 目の前に、純朴な佇まいをしたイルなラッパーがいる。プライマルは、いま何と闘っているのだろうか。一時間半じっくり語ってもらった。

いちばんの闘い、苦しみっていうのは、孤独感が芽生えたことですね。

アルバムを聴いて、プライマルさんがいま何と闘っているのかということに興味がわいたんです。今日は、そのあたりのことを訊きたいと思ってやってきました。

プライマル:そうですね。具体的な、目に見える敵っていうのはもう無数にあり過ぎて、否定できないですよね。で、自分のなかの悪っていうか、ダメなところをどう抹殺するかっていうよりも、ホスピスじゃないですけど、どう癌を良くするかっていう、ある意味そういう諦め的な部分もあるとは思うんですよね。

ファースト『眠る男』から6年経ったじゃないですか。病んだり、いろいろ道草もしたり、大変だったっていう話も聞いてて(笑)。

プライマル:ははははは。

どういう6年でした?

プライマル:うーん、まあ、1枚目のアルバムのときからずっと抱えてた自分の闇っていうんですかね、性癖とか。そういうものを清算できない自分が口惜しくて、そういうのを曝け出すことによって、外からの救いを求めてるのかもしれないですね。何か言ってもらいたいっていうのもある。いちばんの闘い、苦しみっていうのは、孤独感が芽生えたことですね。

でも、結婚もされて、お子さんも生まれたんですよね。

プライマル:そうですね。そういう部分ではやる気になるんですけど、でも、根本的なところで孤独っていうのを思い知らされましたね。

最近はMSCも再始動しそうな気配がありますけど、MSCとしてのグループの活動はここ5、6年は順風満帆とは言えなかったじゃないですか。そういうことも影響してますか?

プライマル:そういうのもありますよね。逆にそれを知ることによって、人との繋がりは大事なんだなと思い知らされました。だから、いまどん底ってわけではないですけど、どん底にいたほうが上がりやすいんじゃないかなって。

どん底を実感したのはどんなときですか?

プライマル:単純にお金とかでもありますし、ラッパーとしてスターダムというか、そういうのを目指してやってたのに、辞めるか辞めないかのところまで落ち込んだ辛さですよね。

MSCは00年代中盤までに一時代を築いたと思うんですよ。その後のラップ・シーンにも大きな影響を与えたし、実際MSCを聴いてラップを聴きはじめたとか、ラップをはじめたっていう人は本当に多いじゃないですか。アンダーグラウンドのヒップホップが、これからスターダムに上がって行く準備期間というか、そういう希望がまだ持てた時代だと思うんですよね。でも、いま、あの世代のラッパーで厳しい現実にぶち当たってる人が多いのも事実じゃないですか。

プライマル:うんうんうん、そうですね。

わかりやすい形での成り上がりはなかったというか、そういう現実があるじゃないですか。プライマルさんは、そのあたりについてどういう感想を持ってますか?

プライマル:新宿STREET LIFE』を作ってる時点でその未来はかなり見えてましたね。けっきょく自分たちで何かを作って行かなきゃいけないんですけど、あまりにもいろんな人が関わってきて、イニシアチブもすごいグジャグジャになったりして、ただの商品として扱われてるのがすごいイヤだった。だから、いずれネタが切れた瞬間に、使えない商品にされるんだろうなあっていうか、必然的にそうなったと思うんですよね。漢がソロ(『導―みちしるべ―』)を出した時点で、商品化されてなくなるな、みたいな感じはしたんですよね。でも、俺もあいつに影響受けてるんで、真似する感じで自分のソロを出して。でも、そこであまり金銭的に芳しくなかったりしました。

......ギャラがなかった?

プライマル:いや、なかったわけじゃないんですよ。それだけ最初にお金かけてくれて、面倒も見てくれたんで、一概にはそうは言いたくないんです。ただ、レーベルが自分の未来まで、俺を養ってくれるっていうのは幻想でしたよね。自分でやんなきゃいけない部分を疎かにしてたっていうことですよね。だから、いまゼロからはじめるために、漢だったら、鎖(鎖グループ。漢が主宰のインディ・レーベル)をやってるんじゃないですか。TABOO1は昔からブレないっていうか、自分のスタンスを維持しつつ、作品を作っていくっていう部分ではいちばんクレバーだと思うんですけどね。自分にとってゼロからやるっていうのが、今回のアルバムなんですよ。

MSCはとくに代表作の『Matador』と『新宿STREET LIFE』で、世の中や社会や内面のダークサイドをラップして、あれだけ売れて、評価されて、支持を得たことに、多くの音楽ファンが興奮したと思うんですよね。

プライマル:なるほどね。いまもそういうラップする人はたくさんいるし、どんどんがんばってくださいって思うんですよ。生き方は人それぞれだと思いますし。でも、自分はまあ、そういうラップに共感はありますけど、ちょっと生き方を変えなきゃいけないと思ってますね。真面目に......っていうか、前向きに働かなきゃいけない。

MSCのメンバーが『Matador』や『新宿STREET LIFE』を出したころのハードなライフスタイルやあの時期にやっていた表現を、30代、40代とリアルに続けていくのはなかなかシビアじゃないですか。

プライマル:そうですね。でも、できる人もいるんじゃないですか。俺はできなかったっていうだけの話ですね。そういう気合いはなかった。

今回のアルバムにはそのあたりの葛藤もかなり表現されてると感じたんですよね。

プライマル:うーん、葛藤はかなりあったと思いますね。自分が昔作った歌詞に対しての責任ってわけじゃないですけど、そういうのを全部捨てていく感じで作ってると思うんで。

昔書いた歌詞のリアリズムから自分が遠ざかっているというか、変わったという部分で、ということですか?

プライマル:そこはありますね。今回いっしょにやってるフィーチャリングのラッパーにもテーマがわかりづらいとかってけっこう反発されて。俺のイメージっていうのがあると思うんですけど、それと違くねーか、みたいに言われて。でも、ごまかすって言うか相手をだまして(笑)、いや、まぁ、こんな感じで、ってやってもらいましたね。

ははは。

プライマル:PONYとの曲があるじゃないですか。

"Proletariat"ですよね。プライマルさんとPONYはテーマをちゃんと共有して曲を作ってる感じがしましたよ。

プライマル:PONYに関しては受け入れてくれる感じだったんですよ。

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日本ではブルジョア的なイメージが好きな人は、頑張れば自然にブルジョアになっていくと思うんです。ただ、自分は人を使うこととかがやり辛かったりするという意味で、プロレタリアート気質だなって思うんです。それだったら、そのなかでの勝ち方を探さないと負けちゃうと思うんですよ。人間の尊厳も考えた上で勝ち方を探したい。

プロレタリアートは労働者って意味ですよね。このタイトルにしようと思ったのはなぜですか? むちゃくちゃ直球じゃないですか。

プライマル:はははは。言い方が難しいんですけど、日本にはもちろん貧富の差はあると思うんですけど、どちらかと言うと、"意識階級"なのかなって思うんですよ。

意識階級?

プライマル:日本ではブルジョア的なイメージが好きな人は、頑張れば自然にブルジョアになっていくと思うんです。ただ、自分は人を使うこととかがやり辛かったりするという意味で、プロレタリアート気質だなって思うんです。それだったら、そのなかでの勝ち方を探さないと負けちゃうと思うんですよ。人間の尊厳も考えた上で勝ち方を探したい。だから、その部分で自分はかなり共産的だと思いますね。

1曲目の"MY HOME"のフックで、いきなり「コミュニスト」というリリックが出てきますよね。

プライマル:そうですね。サビは、コミュニストになるのか、自分の家族を選ぶのかっていうことをラップしてるんですよ。その曲のなかでマイホーム主義って言葉も使ってるんですけど、家族との生活を優先させて、革命をできないやつという意味で自分はマイホーム主義者だと思うんですよ。

でもプライマルさんは、自分がラッパーとして成功したり、家族が幸せに暮らせるだけでは満足できないというか、社会の幸せやより良い理想の国や社会のあり方についてどうしても考えちゃう人だと思うんですよ。

プライマル:別に政治家になるとかではないんですけど、そういうのはありますね。逆にそういうトピックしかないから、つまんない人はつまんないと思う。まあ、バランスを取って、人が気になるようなところ探してやってる感じではあるんですけどね。ただ、どうなんすかね、ラップとしてはそういうのはやっぱり無いほうがいいと思うんですけどね。

でも、そこがプライマルさんの個性のひとつだと思うんですけど。

プライマル:ただ、(キエる)マキュウとかとやると、「そういうのはあんまり面白くない」ってクリ(CQ)さんがはっきり言ってきてくれたりもしたんで。

それこそMAKI THE MAGICさんは自分の政治思想を強く持っていた人だと思いますけど、音楽には反映させないというのを、信念にしていたところがありましたよね。

プライマル:そうですね。ラッパーとしてそういうところはすごい影響されてますね。でも、俺の場合、出ちゃってますけど。

MAKIさんとはどういう関係だったんですか? 前作の"SHADOW"と"My Way"はマキさんのトラックですし、今作でも"武闘宣言2.0"を作ってますよね。

プライマル:『新宿STREET LIFE』ではじめて仕事させてもらって、MAKIさんの作った"矛盾"っていう曲のヴァースを褒めてくれていたという話を人伝てに聞いて、嬉しかったですね。『新宿STREET LIFE』に関していえば、俺はプロデュースはまったくしていないアルバムなんですよ。漢と〈ライブラ〉の社長と目崎くん(『Proletariat』のデザイナーのDirty MezA)がコンセプト考えて、トラックを決めて、という感じで。だから、俺の政治的な部分は反映されていないですね。だから、二木くんは逆に良いんじゃないですか、ははははは。

いやいやいや、そんなことないですよ(笑)。プライマルさんのソロも僕は大好きですよ。MAKIさんとはけっこう密な関係だったんですか?

プライマル:そうですね。マキュウの飲み会とかイヴェントにちょくちょく顔出すようになって、「このトラック、どう?」みたいなことを言われるようになって。

けっこう飲んだりはしてたんですか?

プライマル:かなり飲んでましたね。ある時期は月イチぐらいのペースで飲んでましたね。ソロをちょこちょこ作りはじめるのと、同時進行で「SS」っていうグループもやろうぜ、みたいな話にもなってて。

「SS」って何ですか?

プライマル:「シークレット・サービス」ってことなんですけど(笑)。まあ、ナチスの親衛隊とか、は冗談ですがいろんな意味があったんです。

はははは。プライマルさんがMAKIさんと波長というか、ヴァイブスが合ったポイントはどこだったんですか?

プライマル:なんですかね、やっぱ優しかったですね。気さくっていうか、受け入れてくれるっていうか、フツーに楽しかったですね、MAKIさんといっしょにいるのが......。

MAKIさんは、上の世代で早い段階でMSCを評価して、トラックも提供した人でしたよね。

プライマル:そうですよね。もちろん、〈ライブラ〉の人たちと仲良いというのもあって、そういう流れもあったと思うんですけど、運命的に出会った感じですかね。

"子供とママと家庭"っていう曲がありますけど、家族ができたのはやっぱり大きいんじゃないですか?

プライマル:回帰した感じですよね。自分の家族は家によくいたんで、昔は家がイヤでしたね。でも、親父が10代の終わりごろに亡くなって、引きずってた部分はあったんですけど、20代は好き勝手に生きて。でも、自分が家庭を持ったことで、また家族を意識するようになったんじゃないですかね。

それにしても、"子供とママと家庭"というタイトルもまた直球ですね(笑)。

プライマル:へへへへへ。俺、歌謡曲とかフォークが好きなんで、そういう感じで行きたいっていうのはあったんですよね。歌謡曲やフォーク系の人のリリックってかっこいいじゃないですか。今回は誰にも文句言われないし(笑)。

フォーク系というと、たとえば岡林信康とか?

プライマル:あー、そこまで濃くないと思いますね。吉田拓郎とか。

泉谷しげるとかは?

プライマル:泉谷しげるとかも好きですね。でも、やっぱり、女々しいっていうか、昔のアイドルの曲も好きですね。松田聖子とか好きですね。

松田聖子!? へー、それはやっぱり歌詞の部分?

プライマル:歌詞も好きなんですけど、なんか共感がありますね。俺は昔からあまり男臭い歌詞が書けないんですよね。

"性の容疑者"のリリックの内容は衝撃的ですよね。

プライマル:そうですね。

これは実体験というか、ゲイになりきってラップしているということですか?

プライマル:いや、もう......俺はゲイだから、といったら勘違いされるので、バイみたいになっちゃって。

それはプライマルさん自身が?

プライマル:そうですね。

え!?

プライマル:はい。だけど、二丁目にいるようなゲイにもなりたくねぇなっていうのもあって。

自分がゲイっぽいって感じるときがあるんですか。

プライマル:「ゲイっぽいって感じる」っていうか、まあ、男遊びとかしちゃいましたよ(笑)。

マジっすか(笑)。それは書いてもいいですか?

プライマル:いいっすよ。だって、この曲はそういう歌詞ですから。

僕はこの曲はフィクションかメタファーだと思ってたんですよ。

プライマル:いや、フィクションは書かないすね。だから、この曲はディスられる覚悟で作ったんですけど。

最近はフランク・オーシャンがカミング・アウトしたり、アメリカでは変化もありますけど、とくにヒップホップはゲイに厳しい文化ですよね。この曲を発表するのには、迷いもかなりあったんじゃないですか?

プライマル:そうですね。だから、ちょっとどうなるかはわかりません。

漢さんはなんか言ってました?

プライマル:この曲に関してはわからないですけど、そういう話はしたりするんで、「しょうがねーヤツだなー」みたいな感じなんじゃないすか。

そのおおらかな感じがMC漢らしくてすごくいいですね(笑)

プライマル:いや、でも、そこまでは優しく言われてないですけど(笑)。

挑戦的というか、攻めの曲ですね。

プライマル:リスクはあるんですけど、やっぱり攻めないとダメだなというのはありますよね。

リスクも大きいですけど、得るものも大きいと思います。反響はありました?

プライマル:みんな、この曲に関しては訊きたがってますね。だけど、まあ遠慮して訊いてこない人もいるし。

じゃあ、もう少し詳しく訊いてもいいですか(笑)?

プライマル:ははは。まあ、たいしたことではないんですけど......小っちゃいころから自分が男臭い部分に向き合うのを避けてたんですよ。ぜんぜん大事にしてこなかったんですけど、突如、逃げてきたその部分に感情的に囚われて、自分が見知らぬ人っていうんですか、そういうところに行ってしまう感じがあって。

自分のなかの見知らぬ人という意味ですか?

プライマル:そうですね。それって要はビッチじゃないですか。

それは、男に対してビッチだってことですか?

プライマル:そうですね。そういうのを訂正しないと自分がダメになるなぁって思って。

「容疑者」と付けたのはなぜですか?

プライマル:人と俺が繋がってる世界のなかで違反者であるっていう意味ですね。同性愛は否定しないですけど、ただ、性に奔放だから、"性の容疑者"なんです。自分のその部分は完全には否定できないんですけど、避けられない弱さでもあると思うんですよ。その部分をあえて出したかった。この曲に対してのアンサー・ソングもじつは作ったんですよ。"M男の運命"っていう曲があったんです。

"M男の運命"がもし収録されたとしたら、プライマルさんの自分の性に対しての考えが、リスナーに対してもう少し明確にわかりやすく伝わりましたか?

プライマル:わかりやすいってわけじゃないですけど、「こいつは、そういうヤツなんだ」みたいのはもう少し伝わったと思います。まあ、でも、そこまでは言う必要はねぇかなと思いましたし、その曲を入れて自己肯定になってしまうのも逆に良くないと思ったんで、入れませんでしたね。まあ家庭もありますし、自分の子供が曲を聴いて食らって、「はぁ!?」とかなっちゃうのもあれなんで。"M男の運命"を入れなかったから、謎になっちゃったのかもしれないですね。

なるほどー。

プライマル:でも、"性の容疑者"はどうしても入れたかったですね。アルバムは、"血"と"性の容疑者"、"御江戸のエリア"とかが最初に完成して、そこから改善策を探っていくっていう感じで曲を作ってたんですよね。最低のライン、最低のヴァイブスです、っていうところから、ちょっと頑張ってみます、みたいな感じでアルバムを作っていったんですよ。

"性の容疑者"を作ったのは結婚する前ですか?

プライマル:結婚してましたね。

そう考えると、"性の容疑者"から"子供とママと家庭"、 "Proletariat"、それから最後の "岐路"まで一貫した流れがありますね。

プライマル:どうしようもないですけどね、ほんと。奥さん、子供には申し訳ない。

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漢が一時期いっつもライヴで言うセリフがあったんですよ。「勉強ができなくてもいいから普通でいてくれって親によく言われた」って。「俺に言ってんなぁ」ってその言葉がやけに響いちゃって。

闘いっていう意味ではほんとにいろんな側面の闘いがありますね。性、家族、労働、あと憂国もありますよね。

プライマル:"性の容疑者"の闘いがいちばん最大かもしれないですね。そこが起点で、どうバランス良く生きて行けるかっていう闘いがあるんで。働くことはできるようになった、だけど、なにかフツーじゃないぞ、みたいな。二丁目にいるような人たちを全否定するつもりはないんですよ。ただ、自分はそうはなりたいと思わなかったですね。

それはどうしてですか?

プライマル:もちろん二丁目だけじゃないと思うんですけど、人間愛で行けばそういう方向性も間違ってはいないと思うんですよ。ただ、政治や闘争っていう部分で、まったく意見ができなくなると思ったんですよ。そういう選択を迫られたときに、自分はそうじゃないようにやるしかないと考えましたね。もちろん、簡単に人を判断するのは良くないと思いますけど、自分はだから、そういう意味でもプロレタリアートなんだと思いましたね。

ああ、なるほど。それは男性社会のなかで闘いたいということですかね。

プライマル:いや、いまのはちょっとテキトーに言い過ぎたところもありますね。まあ、一般的な考えのところで頑張りたいって思ったんですよ。でも、それだけじゃ、やっぱり変わっていかない世界がすごく見えた6年でもありましたね。

「変えたい」というのは、個人的なものですか? それとも社会的なものですか? 両方ですか?

プライマル:すごい個人的なものですね、変わって行きたいっていうのは。社会はどこにでも存在しているし、けっきょくどこのコミュニティに入り込むかだと思うんですよ。それを自分で作るほど、自分はデカくないですし。最低限、家庭をなんとか成立させて、子供がでかくなれば、その後自由にやるんでもいいのかもしれないんですけどね。なにを言いたいのか、まったくわかんなくなってきましたね。ぐちゃぐちゃになってきました(笑)。

いや、大丈夫です。一貫してますよ。

プライマル:漢が一時期いっつもライヴで言うセリフがあったんですよ。「勉強ができなくてもいいから普通でいてくれって親によく言われた」って。「俺に言ってんなぁ」ってその言葉がやけに響いちゃって。そういう部分じゃないですかね。

MSCのなかでTABOO1さんは正統派のBボーイという感じがするんですけど、プライマルさん、漢さん、O2さんってかなりイルというか、変態的な側面が強いじゃないですか。変わり者って言ったらあれですけど、なんでそんなメンツが集まったんですかね。

プライマル:間違いないですね。でも、なんで集まっちゃったのかはまったくわからないですね(笑)。

はははは。

プライマル:でもイルは役立たないですよ、社会で。ほんとに(笑)。ただの自分勝手な人だと思うんすよね。

いやいや、でも、イルなラッパーが新しい価値とスタイルを生み出して、イルであってもいいんだって思えるラッパーとか人とか社会を作るんじゃないですか。

プライマル:ああ、なるほど。そういうのは、まあわかりますけど、あんまり自己肯定したくないすよね。でも、そう考える時点でけっこうイルですよね。

そうですね(笑)。

プライマル:ふふふふふ。あと、本読んだりするのも好きですけど、それだけだと不安になりますね。働けば、安いけど、お金をもらえる充実感があるじゃないですか。でも、そこで満足しちゃって安住しちゃうのがプロレタリアート的な考えですよね。自分はそういう気質だなって思って、タイトルにしたんですよ。でも、やっぱりそれだけじゃダメなんですよね。

ということは、労働者であるというところに100%プライドを持ちたいわけではないんですね?

プライマル:そうではないですね。働いて頑張ってる人には申し訳ないんですけど、その意味で軽く使ってしまっているかもしれないですね。

となると、プライマルさんはどうありたいと思いますか?

プライマル:世間が許さないかもしれないですけど、ラッパーとしていまのやり方で裾野を広げていって、お金も貯めて、表現者でありつつ、投資もできるようになりたいですね。やっぱり「脱プロ」は目指したいですね。

脱プロ?

プライマル:"Proletariat"のポニーのリリックで「脱プロレタリアート」ってあるじゃないですか。脱プロはやっぱ目指すべき道だとは思うんですよね。でも、ブルジョアになりたいのかと言ったら、それも違う気もする。そもそも日本でのブルジョアの概念は難しいと思うんですよね。別に社長だったら全員がブルジョアでもないわけですし。だから、自分自身まだまだ矛盾していて、思想が完成してないと思うんですよ。

ラップで経済的自立することは脱プロですか?

プライマル:それができたら、ひとつの脱プロだと思いますよ。そうはなりたいですよね。

じゃあ、僕はそこを少し勘違いしてました。労働者である自分に誇りを持つ、という側面もかなりあると思ってたので。

プライマル:ぶっちゃけそういうふうに言われると思いましたね。「また、プロレタリアートとかそういう言葉を軽く使ってんだ」って。

いやいやいや、そうは思ってないです。

プライマル:でも、学生運動やってた人は悲壮感が強いですよね。絶対に闘うっていう決意があるじゃないですか。プロレタリアートから抜け出すこともなく闘い続けるんだっていう。俺はそこまでは行ってませんっていうアンサー・ソングが1曲目の"MY HOME"なんです。

なるほど。ところで、MSCは、O2さんは沖縄にいていなかったですけど、先日恵比寿の〈KATA〉で久々にライヴをして、9月20日の〈KAIKOO〉でもライヴしますよね。再始動と考えていいんですか?

プライマル:まだ再始動っていうほどではないですね。完璧に決まってはいないですけど、けっきょくMSCの繋がりが深いんで。それだけ繋がりが強いから、ひとりでも欠けると崩れていったんでしょうし。でも、新宿でやってる以上、MSCをやらなきゃ意味ないっていうのはすごいありますよね。そのために新宿に住んでる。そこで家庭もできて、子供も生まれた。それで『眠る男』と今回のアルバムの違いっていうのも出てきたと思うんですよ。最近ネットで見たら、「プライマルのリリックから画が見えない」みたいなことは書かれちゃってましたけど(笑)。いちおう褒めてはくれてるんですけど、前よりは下がってるな、みたいなことを書かれて。

どの曲ですか?

プライマル:"大久保ストリート"って曲ですね。歌舞伎町にいるキャッチの方とか新宿の街にいるヘンなヤツのこととか、まぁそれは自分かもしれませんが、そういうのを描写して画が見えるっていうのはわかるんですけど、俺は別にいまそこには絡んでいないし希望していないんですよね。無機質な大久保通りが、いまの俺の現実なんで。通勤のためにチャリンコで、ただ通う道なんです。そういう現実をラップしてるから、「画が見えない」って書かれたのかなって、強引に考えてみましたね。

でも、その解釈は当たってると思います。MSCにセンセーショナルなラップを求めるリスナーは多いでしょうし、新宿の夜の街、危険な新宿を描くのがMSCというのは、みんなどうしても頭にありますから。

プライマル:そうですよね。でもいまはそっちよりも、どっちかって言うと、新宿区民としてやってますよって感じですね。

そういう形で新宿の地域に根づきはじめてるということですよね。

プライマル:結果的にそうなっていったらいいですけどね。でも、そのなかにもまた矛盾がありますよね。

Wake Up 仕事精出す Entertainerの夢を追うけど
その前に世間に演じてる俺をみな
"おむつがとれるまで"

ele-king presents PARAKEET Japan Tour 2013 - ele-king

 いよいよ9月5日(木)から初ジャパン・ツアーがスタートするパラキート(PARAKEET)! UK産ロック・バンド、ヤック(YUCK)のメンバーである日本人ベーシスト、マリコ・ドイと、同じくUKで活動し、今年リリースのデビュー・アルバムが絶賛を浴びている若手注目バンド、ザ・ヒストリー・オブ・アップル・パイ(THE HISTORY OF APPLE PIE)のジェームス・トーマスによって結成されたこのバンドは、ピクシーズ(PIXIES)からディアフーフ(DEERHOOF)、ポルヴォ(POLVO)などにも通じるミラクルでユニークなギター・サウンドがとってもス・テ・キ。ぜひこの目でこの肌でヒリヒリと感じ取って欲しいものです。
 そしてこのツアーにスペシャル・ゲストとしてお付き合いしていただくのがTHE GIRL!! シンプルでキッチュなガレージ・ロックンロール・テイストにニューウェイヴィーなポップ・アプローチが絡まって、これまた超ス・テ・キ。夢のドリーム・マッチですな! そんな二組から来日直前インタヴュー......っちゅーかアンケートに答えていただきました。さぁ、タッチ&ゴーしてそのまま会場にお越し下さい!



PARAKEET

■最初に買った(買ってもらった)レコード(CD)は?

PARAKEETジェームス:ニルヴァーナ(NIRVANA)の『ネヴァーマインド』。

THE GIRL:ザ・モンキーズ(THE MONKEES)のベスト。

■バンドをやろう! というきっかけになったアーティストは?

PARAKEETマリコ:単に音楽が好きだったから。13歳のときにギターを弾きはじめて洋楽への道がどかっと開かれました。それからバンドを組むようになって、そのままズルズルとイギリスまで来てしまいました。

PARAKEETジェームス:10歳のとき、ニルヴァーナの『MTVライヴ&ラウド』を見てから。

THE GIRL:特にこれといったアーティストは最初いなかったけど、ソニック・ユース(SONIC YOUTH)かな。

■最初に結成したバンドの名前は?

PARAKEETジェームス:ミラージュ(MIRAGE)というバンドを弟と、10歳、8歳のときに。父の親友がベースを弾きました。

THE GIRL(日暮愛葉):Seagull Screaming Kiss Her Kiss Her。

THE GIRL(おかもとなおこ):free alud

■それはどんなサウンドでした?

PARAKEETジェームス:最悪。TOTOのコピーを。

THE GIRL(日暮愛葉):いまで言うオルタナティヴ。

THE GIRL(おかもとなおこ):ファンク・ロック。

■初めて人前でライヴをやったときの思い出を。

PARAKEETジェームス:両親がハウス・パーティーをしたときに居間で演奏しました。両親の友だちが見ていて当然奇妙でした。そのときはレディオヘッド(RADIOHEAD)のコピーをしました。

THE GIRL(日暮愛葉):ギターウルフとジャッキー&ザ・セドリックスが対バンだったことです。

THE GIRL(おかもとなおこ):機材トラブルばかりだった。

■PARAKEET/THE GIRL結成のいきさつを。

PARAKEETマリコ:レヴェルロード(LEVELLOAD)というバンドをやっていて、アルバムを出してからその後解散しました。それでそのときドラムを叩いていたジェームスとツー・ピースでパラキートの原型ができあがって、曲を作りはじめたときにヤックへの参加のオファーがありました。ツー・ピースも面白かったんですが、ギター・バンドもやっぱり好きなので、浮気をした訳です。パラキートがはじまった頃はトランザム(TRANS AM)の赤ちゃんみたいな感じで、ベース・リフとドラムの絡みがタイトな楽曲ばっかりで、それが今回のEPの軸みたいになってます。
 いまの形になったのはBO NINGENのコウヘイ君と1枚目のシングルにギターを付けてもらうようになってから。他の曲はわたしがギターを弾いたりして、楽曲上スリー・ピースになりました。

THE GIRL:日暮はLOVES.を経て、おかもとも男性とばかり組んでいたのでガールズ・バンドをやってみたくなったのです。

■PARAKEET/THE GIRLをはじめるにあたりコンセプトなどありましたか?

PARAKEETジェームス:ふたりだけでとてもうるさい感じで......だったんですが、何か足りない、何か完成されてないと思い、BO NINGENのコウヘイとしばらくいっしょにやって、去年はジョンといっしょに、そしていまはトムがギターを弾くようになりました。

THE GIRL:特に無いけど、華奢な女の子が芯のあるソリッドな音を出すということをやりたかったかも?

■PARAKEET/THE GIRLの長所や武器みたいなものを教えてください。

PARAKEETジェームス:音を作ることにしても、その他すべてのことに関しても、自分たちでコントロールできるので、すごく満足している。そういうところです。

THE GIRL:かっこいいこと、信じてることをちゃんと表現できているところ。あと曲の短さです。

■逆に短所・マイナス点は?

PARAKEETジェームス:いまの段階でパラキートはサイド・プロジェクトと見られていて、そのためにあまりちゃんとしたバンドとは認識されていないところです。そして他の自分たちのバンドを優先しなくちゃいけなくって、自分たちが好きなだけ時間を費やせていないところです。次にアルバムをリリースするときにはその状況が変わっていればいいと思います。

THE GIRL:とくにありません。

■現在いいなぁ〜と思えるアーティスト/バンドはいますか?

PARAKEETマリコ:コロコロ変わります。最近はマック・デマルコ(Mac DeMarco)です。いまいちばん会いたくて、彼のセカンドをずっと聴いています。きっとそのうち会うと思いますが、そのとき何を話そうかぼんやり考えています。とりあえず彼の化粧をわたしがするという感じでいこうかな。しかしながら、自分のなかでずっとヒーローでいる人は作家の方が強いかもしれません。それを考えたら松本隆さんがヒーロー的な存在かもしれないです。バンド・マンとしても、あと詩人としても尊敬しています。いま、彼の本『風街詩人』を読んでいて、面白くて、たまりません。

PARAKEETジェームス:ロンドンに拠点を置いているバンドのなかでもザ・ホラーズ(THE HORRORS)は、素晴らしいレーベル(〈XL〉)に所属して、自分たちのスタジオも持っている。彼らはそこで自分たちの好きなように曲を書いてレコーディングしていて、そういう環境があるというのはいいなあと思います。

THE GIRL:バンドであることも大切だけれど、そのなかでどれだけ自由にオリジナルを表現できるかが重要だから、ソニック・ユースやザ・キルズ(THE KILLS)、ザ・ホワイト・ストライプス(THE WHITE STRIPES)、ドーター(DAUGHTER)などの秀逸なバンドが支えになってます。

■そうはなりたくないけど、アイドル的アーティストはいますか?

PARAKEETジェームス:たぶんほとんどのバンド......。

THE GIRL:マドンナ(なれるならなってみたいけど)。

■お互いの音楽性についてどのような点が魅力だと思いますか?

PARAKEETマリコ:シンプルで即効性のある楽曲と、脱力ボーカルがいいなと思いました。

PARAKEETジェームス:オンラインで聴いてみていいなと思いました。いっしょにツアーできることを楽しみにしています。

THE GIRL:COOL でありつづけているところです。

■それぞれの国で活動したいとは思いませんか? だとしたらその理由は?

PARAKEETマリコ:日本はやっぱり生まれ育った場所だし、なんでもかんでも直接自分に入ってくる。そのへんは創造性やらも掻き立てられるし、反面プレッシャーも倍に感じる。日本は何においてもやりやすいようにすべてが上手に整った国だと思うので、バンド活動もやりやすいかなと思います。

PARAKEETジェームス:日本大好きです。日本はイギリスよりもとってもリラックスしていて、友好的だと思います。

THE GIRL:いつでもどこの国でもやってみたいとは思ってます。

■それぞれの国で活動する際、注意すべき点、素敵だと思える点をお互いに教えてあげてください。

PARAKEETマリコ:イギリスは不便な面が多いぶん、人間がゆるいのです。だから平均や常識から外れないことをしろというプレッシャーがなく、個性が生かせる国ではないかと思います。日本に比べて、変わった人が多いというか、個人差があるのが歓迎されていると思います。ハコの環境やら質やら、そんなのは日本のハコの細やかさとかと比べると雲泥の差ですが、とりあえずみな遊び上手なので、お客さんも楽しんでいるということが日本に比べてわかりやすいかなと思います。

PARAKEETジェームス:あんまりいいところはないです。イギリス、特にロンドンはライヴをするには最悪なところです。一般的に待遇も悪いし、ギャラも低い。まあ例外もあって、UKには数カ所素晴らしいハコもありますが。しかし他のヨーロッパの国の方が断然いいです。

THE GIRL:素敵なことしか思いつかない。素敵なバンドとライヴすることです。

■このツアーでいちばん楽しみにしていることは何ですか?

PARAKEETマリコ:THE GIRLをはじめ、たくさんのバンドと共演することで、また新しい音楽や人間に会えることです。

PARAKEETジェームス:マリコと4年前に別のバンドでツアーをしたことがあって、そのときが自分にとって人生で最高の時間でした。だから今回も楽しみで待てないです。日本の文化も、人も食べ物も大好きです。そして日本のハコも最高です。機材もいいし、待遇もすごくいい。まったくイギリスとは逆です。

THE GIRL:パラキートをいろんな角度から見られることと、ツアーそのものが楽しみ。

■では心配していることは?

PARAKEETマリコ:楽しすぎて二日酔いですかね。

PARAKEETジェームス:Gejigeji(ゲジゲジ)。

THE GIRL:ホテルでよく眠れるか、パラキートのメンバーに日本食のおいしいところを紹介できるか。

■お互いに一言お願いします。

PARAKEETマリコ:飲みましょう!

PARAKEETジェームス:ハローーーー!!

THE GIRL:パラキートみたいなかっこいいバンドとツアーできることがほんとうに光栄です。パラキートにもTHE GIRLの良さを見てもらいたい、そしていっしょにおいしいものを食べて飲みたいです。

■最後にファンにひと言お願いします。

PARAKEETジェームス:ハローーーー!!

PARAKEETマリコ:飲みましょう!

THE GIRL:おかもとなおこと二人組になった新生THE GIRLとイギリスのパラキートとの初日本ツアーなのでスペシャルなライヴをお見せできると思います。ぜひ皆さん足を運んでいただいて楽しんでほしいです! 新生THE GIRLは新曲満載です! お楽しみに!


THE GIRL

ele-king presents
PARAKEET Japan Tour 2013
special guest : THE GIRL

詳細はこちらです!
https://www.ele-king.net/event/003112/

■9/5 (木) 渋谷O-nest (03-3462-4420)
PARAKEET / THE GIRL
special guest : uri gagarn
adv ¥3,800 door ¥4,300 (+1drink)
open 18:30 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:205-168)
ローソンチケット(Lコード:74729)
e+

■9/6 (金) 名古屋APOLLO THEATER (052-261-5308)
PARAKEET / THE GIRL
adv ¥3,800 door ¥4,300 (+1drink)
open 19:00 start 19:30
チケットぴあ(Pコード:205-387)
ローソンチケット(Lコード:42027)
e+

■9/7 (土) 心斎橋CONPASS (06-6243-1666)
PARAKEET / THE GIRL
adv ¥3,800 door ¥4,300 (+1drink)
open 18:30 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:205-168)
ローソンチケット(Lコード:56704)
e+

■9/8 (日)「BON VOYAGE ! 〜渡る渡船は音楽ばかり〜」
尾道JOHN burger & cafe(0848-25-2688)、 福本渡船渡場沖船上
PARAKEET / THE GIRL / NAGAN SERVER with 韻シスト BAND / ウサギバニーボーイ他
adv ¥3,500 door ¥4,000 (渡船1day pass付 / +1drink)
open / start 12:00
ローソンチケット(Lコード:66873)*7/6よりチケット発売
主催:二◯一四(にせんじゅうよん)
共催:Buono!Musica!実行委員会
後援:尾道市、世羅町、尾道観光協会、世羅町観光協会、ひろしまジン大学、三原テレビ放送、中国放送
協力:福本渡船、ユニオン音楽事務所
INFO : 二◯一四(にせんじゅうよん)080-4559-6880
www.bon-voyage.jp

【追加公演】
9/10 (火) 渋谷O-nest (03-3462-4420)
PARAKEET / toddle / TADZIO (この日のTHE GIRLの出演はございません)
adv ¥3,800 door ¥4,300 (+1drink)
open 18:30 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:209-089)
ローソンチケット(Lコード:71161)
e+

*尾道公演を除く各公演のチケット予約は希望公演前日までevent@ele-king.netでも受け付けております。お名前・電話番号・希望枚数をメールにてお知らせください。当日、会場受付にて予約(前売り)料金でのご精算/ご入場とさせていただきます。

主催・制作:ele-king / P-VINE RECORDS
協力:シブヤテレビジョン ジェイルハウス 二◯一四(にせんじゅうよん)
TOTAL INFO:ele-king 03-5766-1335
event@ele-king.net
www.ele-king.net


Ginji (SACRIFICE) - ele-king

奇数月第4金曜"SACRIFICE"@Orbit
毎月第1火曜「旅路」@SHeLTeR
偶数月第3月曜「一夜特濃」@天狗食堂

6月22日 "Life Force Alfrescorial" @Panorama Park Escorial 箱根
https://lifeforce.jp

世界観で選んだ新譜と準新譜  2013.6.12


1
Frieder Butzmann - Wie Zeit Vergeht - Pan
https://soundcloud.com/pan_recs/frieder-butzmann-wie-zeit

2
Dont - AR 005 - Atelier Records
https://dtno.net

3
Stellar OM Source - Image Over Image - No 'Label'
https://soundcloud.com/omsource/image-over-image-12

4
Yes Wizard - Crowdspacer Presents'Yes Wizard' - Crowdspacer
https://soundcloud.com/crwdspcr/sets/yes-wizard-generator2

5
Juanpablo - Lost series part 1 - Frigio Records
https://soundcloud.com/frigio-records/juanpablo-mick-wills-rmx-ft

6
Anstam - Stones And Woods - 50Weapons
https://www.youtube.com/watch?v=hXuGRvlhbXg

7
Ruff Cherry - The Section 31 E.P. - Elastic Dreams
https://soundcloud.com/elastic-dreams/ruff-cherry-the-empath

8
SH2000 - Good News - Ethereal Sound
https://soundcloud.com/ethereal-sound/sh2000-good-news-forthcoming

9
Laurel Halo - Hour Logic - Hippos In Tanks
https://soundcloud.com/hipposintanks/laurel-halo-aquifer

10
Scott Walker - Bish Bosch - 4AD
https://soundcloud.com/experimedia/scott-walker-bish-bosch-album

世界はまたノー・エイジ! - ele-king

 2000年代末のLAのD.I.Y.なアート・シーンに起こったことを知りたいなら、「シットゲイズ」と呼ばれた感性がこの時期のガレージ・サウンドをいかに輝かせたのか確かめたいなら(そう、ゴミが妙な価値転倒によってではなくただキラキラと光ってみえた)、ノー・エイジの『ノウンズ』(2008年)を聴くしかない。いったいどちらをニュースにすればよいものやら......『ノウンズ』再発か、それとも新譜リリースか、ノー・エイジがまた動き出す!

 彼らの活動拠点であるロサンゼルスのアート・スペース〈ザ・スメル〉や、ディーンが運営する〈ポスト・プレゼント・ミディアム〉は、当時のLAのアンダーグラウンドなシーンを支え、ブルックリンのアーティなインディ・シーンにまったく引けをとらなかった。エイヴ・ヴィゴーダやミカ・ミコやラッキー・ドラゴンズ、シルク・フラワーズやハイ・プレイシズ、〈ザ・スメル〉であればギャング・ギャング・ダンスやミランダ・ジュライまでを繋げる一大アンダー・グラウンド・サークルである。

 音ばかりでなくアートワークもわすれがたい。『ノウンズ』のパッケージは、グラミー賞にて「Best Recording Packaging」部門にノミネートされたものだし、前作の『エヴリシング・イン・ビトウィーン』は、フォールドアウトのミニポスターが貼り付けられた特殊な紙ジャケット仕様。今回ももちろん特殊仕様だから、ダウンロードするよりも実際にパッケージを買うことをおすすめしたい。

 多数のライヴをこなす彼らだが、全米各地のアート・ギャラリーで演奏することも多い。2009年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)でパフォーマンスを行っており、このことはラフでノイジーなガレージ・サウンドがアーティな佇まいを宿すことを端的に示している。

 さあ、今作は? 新曲"カモン・スティムング"(C'mon Stimmung)のストリーミングが開始された。フル・アルバムまで時間ありすぎ! 1曲じゃ我慢できないけど、聴いてみよう。



■新譜リリースだ!

オブジェクト
発売日: 8月7日(水) 日本先行発売(US:8/20)
定価: スペシャル・プライス 2,200円(税込) 
品番: TRCP-123
JAN: 4571260582132
特殊パッケージ仕様
ボーナス・トラック収録

トラックリスト:
1. No Ground
2. I Won't Be Your Generator
3. C'mon, Stimmung (リード・トラック)
4. Defected
5. An Impression
6. Lock Box
7. Running From A-Go-Go
8. My Hands, Birch and Steel
9. Circling With Dizzy
10. A Ceiling Dreams of A Floor
11. Commerce, Comment, Commence
+ボーナス・トラック収録

All songs written by No Age
All songs produced, recorded,and mixed by F. Bermudez
and No Age at Gaucho's Electronics.
Isaac Takeuchi plays cello on"An Impression"
Designed and packaged by Brian Roettinger with No Age

(p) & © 2013 Sub Pop Records

バイオグラフィー:
ロサンゼルスのインディー・ロックの聖地として現代版CBGBとも言えるユース・アート・スペース、ザ・スメル(The Smell)。そのThe Smellを拠点DIY精神に貫かれた活動を続けるバンドが、ディーン・スパント(ドラムス&ヴォーカル)とランディー・ランドール(ギター)によるノー・エイジである。英ファット・キャット・レコーズからリリースされ好評を博したシングル・コンピレーション・アルバム『Weirdo Rippers』に続くセカンド・アルバムである『Nouns』をサブ・ポップから2008年春に発表。米ピッチフォークでは9.2と破格の評価を獲得、同サイトの年間アルバム・チャート3位にも選出された。更にSPIN、ROLLING STONE、NMEなど有名主要メディアでも軒並み高評価を得て、2008年の "ロックの新しい音" を代表する1枚となった。レディオヘッドのメンバーやコーネリアスがノー・エイジのTシャツを着用するなど、話題に事欠かない。

彼らは、2005年に前身バンドのワイヴズで登場し、やがてノー・エイジとしての活動を始めると、LAのDIYなアート・パンク・シーンを守る存在として世界的に知られるようになった。その中心地点が、ザ・スメル(TheSmell)であることはいまや有名な話だが、それは、アートと生活もしくは音楽と生活がひとつになって、クリエイティヴな運動やアティチュードを喚起し、世界中の同じような考えを持ったパンク・ミュージシャンやアーティストの豊かな表現の場となったクラブハウスである。

彼らの2007年のデビュー・アルバム『ウィアード・リッパーズ』(FatCat Records)のリリースに始まり、サブ・ポップからの『ナウンズ』(2008年)、『エヴリシング・イン・ビトウィーン』(2010年)を経て今に至るまで、ノー・エイジは、ピッチフォークからザ・ニューヨーカー誌(2007年11月19日の記事「Let It Up」)まで、驚くほど幅広い筋から熱狂的な評価を得てきたし、グラミー賞にノミネートもされた(アルバム『ナウンズ』のアートワークに対して2008年の「Best Recording Packaging」部門)。
ノー・エイジは汗まみれの地下室でのライヴやアート・ギャラリーでのパフォーマンスから、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の壁を爆音で揺らしたり、地元や海外の別を問わず、型にはまらない様々な場所で演奏したりするようにまでなった。

https://www.subpop.com/artists/no_age
https://noagela.org/
https://trafficjpn.com


■2000年代のマスターピース 再発決定!

ノウンズ / Nouns
発売日: 8月7日 (水) 
スペシャル・プライス: 1,800円(税込) 
品番: TRCP-124
JAN: 4571260582163
ボーナス・トラック収録




 ぶっちゃけた話、ここ最近レコードをいっさい買っていない。もとい、買えていない。無理矢理トレードさせられたものや、勝手に送られてきて現金報酬をうやむやにされる物品が大半を占めているのだ。

 そもそも金がない。金がないのであればそれなりに働けばよいわけであるが、それなりに働くのはそれなりに大変であり、また僕の言うそれなりは世間一般のそれなりの基準値より遥かに下回っているわけでもあり、とは言え同じような自堕落な生活を続けていた以前はそれなりにレコードも購入していた筈だ。諸悪の根源はユーロラック・シンセサイザーにある。

 今思えば数年程前、M・ゲド・ジェングラス(Sun Araw M.Geddes Gengras & Congos, Akron Family)のヤサであったグリーン・マシーン・スタジオのポーチを寝床にしていたことが事の発端であった。常時2~3バンドを掛け持ちしながらレコーディング/マスタリング・エンジニアとして活動するゲドはLAローカル・シーンに最も愛されている男だ。愛されるがゆえにワケのわからない日本人に家の一角を占領されたり、愛車で事故られたりもする。(僕の生涯ただ一度の自動車事故は彼の車でカマを掘ったことである。幸い大事には至らなかったものの掘られた車から出てきたのが2m近いラティーノのオッチャンだったときは死ぬかと思ったけども)

ゲドの長きに渡る膨大なソロ・ワークの主たるプロジェクトはモジュラー・シンセジスの探求である。僕が出会ったころはすでにユーロラック・フォーマット(ドエプファーのA100シリーズに代表される最もコンパクトな3Uサイズ)に移行していたが、それ以前はフラックラック、MOTM(5U)等の異なる規格を渡り歩いてきたそうだ。日々ジョイントを燻らしながら(ときどきその他も)、延々とパッチングを続ける彼の熱は、ほどなくして僕に飛び火した。昨年ホーリー・マウンテン〈Holy Mountain〉からリリースされたアルバム、テスト・リード〈Test Lead〉は彼の近年のシンセジスにおける集大成と呼べる傑作だ。

 昨今のインディ・シーンにおけるギターからシンセへの大移動と電子工作家たちのユーロラックへのベンチャー・ビジネス大進出、どちらのムーヴメントが先行していたのかは定かではないが、相乗していることに間違いはない。

アイオワの伝説であるサイケデリック・フリークアウト・バンド、ラクーン〈Raccoo-oo-oon〉のメンバーであり、現在はドリップ・ハウス〈Drip House〉として活動するダレン・ホー〈Daren Ho〉がNYで営むシンセ屋兼レコ屋兼アート・スペース、〈コントロール(Control)〉は地元でちょっとした社会現象を起こすほどの盛況ぶりだ。何の番組だか知らないがNHKから「アナログシンセ」のテーマで取材されてりゃ(しかも同番組内でゼノ&オークランダーが機材愛を語っとる!)社会現象と呼んでもいいだろう。

先日、〈コントロール〉でおこなわれたシンセ・ワークショップの模様がアップされていたのを流し見していたところ、見覚えのある長髪長身の男が熱心にプレゼンテーションを聞いている。僕は早速ピート・スワンソン(Pete Swanson)に「お前、行っただろ」と問いただしたところ、「あ、行ったよ。何で知ってんの?」との返答があり、その晩は機材話を延々と繰り広げるハメになった。彼もまたユーロラック・モジュラーの犠牲者のひとりだ。

 なんでこんなナ~ドな内容の戯れ言を散らしているかというと、じつは来る6月30日にスー寺で〈東京モジュラーシンセフェスティバル2013〉なる試みが催される。手前味噌で大変申し訳ないが、僕も〈メイク・ノイズ(Make Noise)〉社のプレゼンやデモを手伝ったり手伝わなかったりする予定だ。ちなみに〈メイク・ノイズ〉は自社が提案する「シャアド・システム」でのみ制作されたトラックを7インチでリリースするというレーベル活動を開始したばかりだ。すでにリチャード・ディヴァインとアレッサンドロ・コルティーニ(ナインインチネイルズ)、そして昨年の〈タイプ(Type)〉からの良作が記憶に新しいロバート・アイキ・オーブリー・ロー(Robert Aiki Aubrey Lowe)が控えている。

まだまだ日本においては認知度の低いこの分野だが、ガジェットがもたらすインディ・ミュージックの新世界を覗いてみてはいかがだろうか?

(倉本諒)


■東京モジュラーシンセフェスティバル2013
■2013年06月30日 (日)
■開場 17:30 / 開演 17:30
■料金 予約2000円 / 当日3000円 (ドリンク別)
モジュラーシンセサイザーの祭典「東京モジュラーシンセフェスティバル2013」を開催!実力者達のパフォーマンスからメーカーブースごとの試奏、実演販売、モジュラーシンセスターターキット抽選会、ドキュメンタリービデオの上映までモジュラーシンセサイザーの魅力を堪能する一夜。アナログエレクトリックの有機的で深遠な音色の美しさを思う存分体感して下さい!

東京モジュラーシンセフェスティバル2013
オフィシャルサイト
https://tfom2013.tumblr.com/

■ライヴ
ROBERT PIOTROWICZ (ポーランド)
BRIAN O-REILLY (アメリカ/シンガポール) & NAOKI NOMOTO duo collaboration
坪口昌恭 (日本)
PNEUMOTHORAX (Scott Jaeger of The Harvestman) (アメリカ)
HATAKEN (日本)
千葉広樹 (日本)
DAVE SKIPPER (イギリス / 日本)
& ETHAN DROWN HURLBURT (アメリカ / 日本)

■デモ実演
PITTSBURGH MODULAR (アメリカ)
THE HARVESTMAN (アメリカ)
HEXINVERTER.NET (カナダ)

■その他
日本初のモジュラーシンセサイザーのメーカーブースごとの試奏、実演販売。
モジュラーシンセスターターキット抽選会(モジュラーシンセを組む為に必要となる電源、ケース、ビスなど。)
モジュラーシンセサイザーのドキュメンタリービデオの上映、音楽を流します。



BO NINGEN × COMANECHI - ele-king


BO NINGEN
Line The Wall(DVD付) [CD+DVD]

ソニー

Amazon iTunes


コマネチ
You Owe Me Nothing But Love

Knew Noise Recordings

Amazon iTunes

 グローバルな現代において、海外に音楽を届けること自体は簡単なことのかもしれない。ただ、実際に足を運び、さらに海外を拠点に活動をするとなると、そう簡単にはいかない。
 だからこそ、ボー・ニンゲンとコマネチがイギリスを拠点に活動し、『NME』からも評価され、ザ・ホラーズやザ・ドラムスなどからも認められているという事実に、僕たちはもっと注目すべきだろう。ボー・ニンゲンに関しては、新作『ライン・ザ・ウォール』の国内リリースが2月27日に決定しているので、今後、日本でもより幅広く注目されることになりそうだ。

 ロンドンを拠点に活動をしているアキコは、近年、ザ・ビッグ・ピンクを辞め、コマネチの活動に専念。2月14日には、セカンド・アルバム、『ユー・オゥ・ミー・ナッシング・バット・ラヴ』をリリースしている。グランジからの影響を強く感じさせ、ボディソニック・ビートとヘヴィなギターがいろんな角度から飛んでくる。ノイジーで、ハードで、パンキッシュだが、多くのリスナーがアプローチしやすい音楽でもある。
 スタイリッシュだが型にまったくはまらないクールさという点では、ボー・ニンゲンと似ているのかもしれない。

 去る2月、同時期に新作もリリースし、共通点も多いボー・ニンゲンとコマネチが日本でツアーした。これは、バンドでヴォーカルを務めるボー・ニンゲンのタイゲン、そしてコマネチのアキコとの対談。言いたい放題過ぎるふたりの対談、どうぞ、お楽しみください。

やっぱね、人生、リスク背負った方がええよ。理由つけて親があかんとかお金ないとかそんなんばっかり。たしかに現実問題で無理なんかも知らんけど、ほんまにそれくらい真剣に考えてんやったら、飛び出せっ!!!

イギリスを拠点に活動をする日本人、そしてリリースもほぼ同じタイミングということで共通点の多いおふた方ですが、せっかくの機会なので、今日はおふたりが普段あまり話せないことや、訊けないことを対談という形式でやれたらと思っていますので、どうぞよろしくお願い致します。早速なのですが、イギリスの嫌いな点を思いつくだけ挙げてください。

タイゲン:うわ、それたぶん100個くらい出てくる! だってコマネチのイギリス人のふたりが言ってたもんね(笑)。

アキコ:そう、だってドラムのチャーリーなんか日本に住める言うてたよ。

(笑)

タイゲン:とりあえず皆パッて言うのは、間違いなくご飯。

アキコ:ご飯! 例えば、今回帰って気づくんは、24時以降とか、お腹空いたらイギリスやとケバブかチップスしかないのよ。 お惣菜とかおにぎり一個食べたいなとかそういうのがないもん。

タイゲン:あとイギリスってライヴ後の打ち上げにご飯を食べにいくっていう文化がなくて、飲むだけみたいな。

アキコ:わかる!

タイゲン:そのくせにあんまり飲まないし。

アキコ:そうそう。 あれ疲れるよなぁ、結構。

タイゲン:あと単純にイギリス・ツアーしててもご飯の替えがない。どこ行っても同じっていうか。

アキコ:そう。 名古屋やったら、うなぎとか、手羽先とか、あるでしょ? 大阪やったら、たこ焼き、お好み焼きとかさ、そういうのないもん!

タイゲン:まったくないね。コマネチのイギリス人のふたりも、日本に着いてサービス・エリアの時点で感動してたからね(笑)。

アキコ:なんか、「なんでこんな美味しいの!」って、いままで朝ご飯っていったらベーコン・エッグしか知らんかったとか言うてたわ。

(笑)

タイゲン:食文化っていうのがまずあって、バンドで言うと僕はあれですね、イギリスって怠く演奏するのがかっこいいみたいなの多くない?

アキコ:たしかに。

タイゲン:日本のバンドはイギリスに比べるとまじめじゃん?

アキコ:それはある!

タイゲン:まじめすぎるのは良くないにしろ、テクニック、モチベーション、アティチュードにしろ、心持ちというか、音楽に対する向かい方というかさ、なんか惰性的な気がする......。

イギリスで活動をするということは、必然的に同業者はイギリス人が多いわけですよね。実際、日本人とイギリス人の相性みたいなものはどうなんですか?

タイゲン:意外と合う......かな? どっちもシャイだよね。

アキコ:うん。 シャイ。

長く滞在するうえで、人間関係などはあまり苦にならないのですか?

アキコ:いやでも、なんていうか......。

タイゲン:雑だよね。

アキコ:めっちゃ雑!!

タイゲン:時間ルーズだし、適当......。

では逆に、イギリスの良い点はなんでしょうか?

アキコ:え、ちょっと待って、あたしらまだ2個しか言うてないやん。

(笑)

アキコ:あとはね、汚い。

タイゲン:汚いねー(笑)。

アキコ:道も汚いし、バスも汚いし、食べたゴミとかポイ捨てするし、こっち帰って来たら、ゴミなんか絶対捨てたくないって思うもん!

タイゲン:紳士の国と言われていますが、紳士の割合は相当低い! あと教育が行き届いてないですね。

アキコ:マナーとか礼儀みたいな。

タイゲン:格差もある。親が金持ちでプライヴェート・スクールというか、それと公立とのね。

アキコ:食べ物も凄いよ。

タイゲン:また食べ物になっちゃうけど(笑)。

しかし、おふたりはそんなイギリスに拠点を置いて実際に生活しているわけであって(笑)、良いところももちろんありますよね?

タイゲン:うん(笑)。とりあえず音楽活動に関しては、凄いやりやすい。

アキコ:やりやすい! やりやすい!

具体的にどういったところがですか?

タイゲン:例えば、日本だとノルマというものがあって、えっと、ちなみにアキコちゃんは日本で活動してた?

アキコ:してない。 ちなみにノルマってどういう意味?

タイゲン:「ペイ・トュー・プレイ」。

アキコ:うそー!!! 自分らでお金払って演奏させて貰うの?!

タイゲン:というか、チケットが売れないと自分たちで払うの。

アキコ:えーーーーーー!!!!!  あ、でもイギリスにもそういうセコいプロモーターおるよね。

タイゲン:セックス・ピストルズがDJするからとか言って釣ってくる奴とかいるけど、でもだいたいはないじゃん? ちょっとはお金貰えるかもしれないし、赤にはならない気がする。

アキコ:たしかになー。

タイゲン:あと人がよく混ざってライヴに来るよね。ホラーズがぽつっと来たりさ、ファッションの人とか、アートの人とかが普通にお客さんとして観に来てくれて、それがコラボに繋がったりするし。

アキコ:日本やったら、上下関係みたいなのあるでしょ? そんなん関係ないもん、イギリス。日本だとあれがあるじゃん、えーっと、ほら、あれ、なんやったっけ?

タイゲン:ごますり?

アキコ:そうそう。

[[SplitPage]]

うちらがやってるようなアンダーグラウンドとメインストリームがちゃんと繋がってるよね、階段が架かってるというか。バンドのノルマとかもないから、最初は1回のライヴ20ポンドみたいなところからはじまって、だんだん50~100くらいに上がってって、っで、メジャーになっていくっていうかさ。

堅苦しくないという意味では、イギリスは良いと。

タイゲン:そうそう! 砕けてるっていうか、友だちみたいな感じでお客さんがライヴ後に話しかけてくれるし、そういうアーティストとお客さんの関係みたいなものは凄くいいなって思って。日本だと、物販で本人が手売りしてたけど、申し訳なくなって、家帰った後にアマゾンでCDポチった(購入)とかツイッターで書いてあったりして(笑)。

アキコ:あー! それ私も言われた。前回コマネチで日本ツアーした時に、なんか7インチのシングル買って、サインして貰いたいから会場に持ってきたのに恥ずかしくて頼まれへんかったって!

でもそれ凄いわかりますけどね(笑)。

タイゲン:あとイギリスの良い点でいうと、日本だとどうしてもアーティストとプロモーター、会社の人でも、イコールに成りづらいというか、上から見てくるか、下から見てくるかどっちかになっちゃうかなっていう感じがする。イギリスは結構そういった意味では対等っていうかさ。

アキコ:イギリスやとお客さんとアーティストが一緒みたいな感じやけど、こっちやったらファンの人が崇めてるような感じがあるもんね。

タイゲン:そこらへんに関しては凄く自然体だよね。あと音楽的にも、うちらがやってるようなアンダーグラウンドとメインストリームがちゃんと繋がってるよね、階段が架かってるというか。さっきも言ったけど、バンドのノルマとかもないから、最初は1回のライヴ20ポンドみたいなところからはじまって、だんだん50~100くらいに上がってって、っで、メジャーになっていくっていうかさ。

アキコ:そうそう! 繋がってる、繋がってる。

タイゲン:日本だとメジャーになるときに、凄いステップ・アップがあって、ノルマが無くなるまでがまず大変っていうか、めちゃくちゃジャンプしなくちゃダメで、しかもそこからギャラが出るまでがあって、ギャラがあってから食えるようになるまでがまたあって、凄い階段が一段一段デカいんだけど、イギリスだと逆に一段一段、じょじょに上がっていく感じというか。

アキコ:うん、わかる。

タイゲン:だからイギリスに関しては、まず音楽活動がやりやすいっていうのがあるかなーって僕は思うけどね。


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コマネチ
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先ほど、コラボまでの流れもイギリスだと自然だと仰っていましたが、例えば、ボー・ニンゲンの"Nichijyou"という曲ではサヴェイジズのヴォーカル、ジェニー・ベスがフューチャリングで参加しています。あのコラボはどういった成り立ちで生まれたものなのでしょうか?

タイゲン:もともと凄い前に、彼女が以前やってたプロジェクトで対バンしてて、うちのレーヴェルとも仲良かったからたまに話してて、っでゲスト・ヴォーカル探してる時に、彼女は? って言われて、いいかもねって。普通に友だちのノリで聞いてみて、じゃあやるよって。本当そんな感じ。

アキコ:そういうのよくあるよ。お金払うからリミックスしてくださいとかさ、そういう風に頼んでやるんじゃなくて、「レッツ!」 ていうかさ、一緒にやろう! みたいなね。

タイゲン:うんうん!

以前、たいげん君がエレキングのインタヴューで、海外(イギリス)を拠点に活動をする理由に対して、「日本にいないからこその日本人らしさや日本の良さをちゃんと見ることが出来るから」って言ってたのが凄く印象に残っているのですが、アキコさんにとっての海外を拠点に活動する理由ってなんですか?

アキコ:単純に世界に飛び出したいと思ったからかな。日本で活動してたら日本語で歌わなきゃとかやっぱり思うし、でもイギリスやったら、まあロックの発祥地やし、自由に音楽やりやすそうなイメージはあったし、さっきの話じゃないけど、もっと広がりやすいかなって、おっきく世界に。日本で活動するんもええんやけど、あたしはそれが嫌やった。

タイゲン君も、まず高校を卒業した時点で、日本という選択肢はなかったと言ってましたよね。

タイゲン:うん。

アキコ:あたしもそうやった。日本出たときに、帰らへんって思ってたから。そういう気持で行ったからね。例えば日本で売れて、おっきくなっても、あたしにとってそれは成功じゃないから、他の国の人、このバンド知ってんの? ってなるでしょ。

なるほど。では次に、逆に日本の良い点はなんだと思いますか? これも思いつくだけ挙げてください。

タイゲン:飯はもういろいろ話尽くしたから(笑)、音楽的にいったら、お客さん凄い観てくれるよね?

アキコ:うーん......、でもノリ悪くない?

タイゲン:まぁ、そういう場所もあるけど(笑)、いやでも場所次第だと思うよ。さっきの姿勢の話じゃないけど、日本の場合は全体的に、音楽をやることに対してのストイックさみたいなものは、イギリスにはなかなか無い点だと思う。ノルマ制度があるからこその敷居の高さみたいなものは実際ある気がするし、下手だったらライヴ・ハウスで演奏出来ないんじゃないか? みたいな、いい意味での争いがあるよね。

"海外に出ていない"と仮定するとしたら、現在どのように日本で活動しますか? そもそも、日本で活動しますか?

タイゲン:うーん......、してるとは願いたい(笑)。

アキコ:ねぇねぇ、あたし、たいげん君に質問したいねんけど?

あ、どうぞ!(笑)

アキコ:イギリス行ったときに、日本人のメンバー探してた?

タイゲン:ううん。

アキコ:じゃあ、なんで日本人だけのメンバーになったの?

タイゲン:僕、最初バンドを5個くらいやってたんだけど、ちなみに担当は全部ベースで、イギリス人やらフランス人やら、いろんな国の人と活動してた中で、ギターのこうへい君にまず出会って、外人とジャムってるうちに、ギターのゆうきに出会って、もんちゃんに出会って、っで気づいたらこの形になってたっていう(笑)。でも別に日本人を募集してたわけじゃないよ。イギリス人と一緒にやってたバンドとかも、引き続き活動はしてたんだけど、解散したり、国に帰ったり、そうこうしてるうちにボー・ニンゲンが忙しくなってった感じかな。

逆に、アキコさんはどうだったんですか?

アキコ:あたしは海外に出て、向こうの音楽やりたいってなったから、日本人と組む気はなかったね。って、なんかレイシストっぽいかな?(笑)。

タイゲン:いやいや(笑)、日本出てきたわけだから、それは普通じゃん?

[[SplitPage]]

日本出たときに、帰らへんって思ってたから。そういう気持で行ったからね。例えば日本で売れて、おっきくなっても、あたしにとってそれは成功じゃないから、他の国の人、このバンド知ってんの? ってなるでしょ。


BO NINGEN
Line The Wall(DVD付) [CD+DVD]

ソニー

Amazon iTunes


コマネチ
You Owe Me Nothing But Love

Knew Noise Recordings

Amazon iTunes

ちなみに、タイゲン君とアキコさんとの出会いはどのような感じだったんですか?

タイゲン:スタジオだ!!

アキコ:違う! 前から知っとったんやで。

タイゲン:うそ!

アキコ:スクリーミング・ティー・パーティが〈ストールン・レコーディングス〉で頑張ってたときに、コマネチで対バンしたのよ。っで仲良くなって、スクリーミング・ティー・パーティのマイスペース見たら、ボー・ニンゲンがトップ・フレンドに入っとって(笑)。

マイスペース懐かしいですね(笑)。

タイゲン:マイスペースっていい時代だったよね(笑)

アキコ:いい時代やった(笑)。そんでクリックしたら、もう一発で気に入って。

タイゲン:ああ、ありがとう(笑)。

アキコ:そんとき流れたのが、"人生一度きり"で、そんでこのバンドむっちゃええ! ってなって、まわりの友だちとかにも言っとった。あたしがビッグ・ピンクやってたときとかも、サポートはボー・ニンゲンがいいってお願いしてたもん。 実現せえへんかったけど。

タイゲン:でも最初に会ったのはスタジオだよね?

アキコ:うん、スタジオ(笑)。別のバンドやっとったときにスタジオで会って、あたし写真撮るの好きやから、写真撮らせて貰って

タイゲン:いきなり第一声にして、「あれやろ? "人生一度きり"やろ?」 って言われたの覚えてる(笑)。

アキコ:「歌詞もめっちゃいいし、わかるわ~!!!」言うて(笑)。

タイゲン:ははははははは!

(笑)

タイゲン:なんか、スタジオとかでもさ、日本だと同じスタジオで練習してるバンドとあんまり仲良くなったりしない気がするんだけど、だってスタジオの紹介でチャーリーもコマネチに入ったんでしょ?

アキコ:うん。なんかそういう場所での対抗意識はないよね!

タイゲン:うんうん! 友だちの紹介とか、スタジオで知り合ったとかさ、そういう人間関係がいい意味で軽いノリっていうか。

アキコ:軽いノリ。だから「バンドやんねん!」とかそういうことを深刻に考えるんじゃなくてね。あっ、そうそう、話が逸れるけど、この間ね、とある人があたしに、LAに住んでる日本人の友だちがバンドはじめたいって言ってんねんけど、どうしたらいいんかアキコちゃん、アドヴァイスしてあげてくれませんか? って、え? アドヴァイスするようなことちゃうやん! って、バンドやりたかったら普通に友だちとか、音楽好きな子らとかと話したりして、この子らこんな音が好きやねんなって、それでじゃあバンドやってみーへんってなるやん。

(笑)。

タイゲン:ギターのこうへい君と出会ったとき、まだギター歴2年とかだったし、こうへい君に出会えたのがイギリスだったっていうのは大きかったのかなってたまに思う。お互い。

おふたりは、ヤックのマリコさんともお知り合いなんですよね? 現地のシーンにも、日本人のコミュニティみたいなものがあるんでしょうか?

タイゲン:とくにはないかな。イギリス人、日本人関係なく、音楽とか人柄とかで共鳴しあってるだけだと思うし、たまたまそこが日本人だったっていうだけで、日本人だから連むっていうわけではないかな。

アキコ:まぁ、家が近いからっていうのもあるよね(笑)。でもそういうのはまったくないよ。気が合うから。

タイゲン:日本のシーンの良い点は、いわゆる、何々系って言われるくらい、イギリスと比べたら、実際めっちゃたくさんかっこいいシーンで溢れてる印象だけど、逆に閉鎖的な気もする。コマネチもボー・ニンゲンも、あとヤックとかもさ、音は違うけど、ちゃんと交流があるし、対バンもするじゃん。

アキコ:なんか、自分らのやってるジャンルじゃなくても、みんな他の音楽も気に入って観に行ったりするし、イギリスは観に行きやすいよね。安いし、いろんなところでライヴがあるし、皆、オープン!

コマネチで言えば、ザ・ドラムスとのツアーが記憶に新しいのですが、彼らとのツアーもまさにそういう感じで動き出したんですか?

アキコ:そうなんですよ。昔はあたしも閉鎖的で、聴く耳を持たないときもあってんねんけど、先入観というかね、でもビッグ・ピンクやってたときに、『NME』ツアーで仲良くなって、そんときも音が全然ちゃうし、最初ドラムスのことはそんなに良いとか思ってなかったんけど、聴くたんびに好きになって、ポップやなぁ~思て、コマネチでやるときも、ほんまに、ブッキング・エージェンシーなく、今度こっち来んねんてね! サポートしていい? って連絡したらすぐオーケー出て、ベス・ディットーのゴシップもそうやし。彼らは昔からツアーを頑張ってて、そんときからあたしよくライヴ観に行ったりしてて、コマネチでも小さい会場のときからサポートもしてたんけど、いまでも、イギリス帰って来たらコマネチでサポートしてって、どんなにおっきくなっても向こうから連絡来る。見捨てへん、うちらのこと。

タイゲン:地に足ついてるバンド多いよね。ホラーズも本当にそうだし、めっちゃ良い奴らだよね!

アキコ:なんかあたしいまレストランでバイトしてんねんけど、そこに毎日来るんですよ、ホラーズ(笑)。

ははははははははは

タイゲン:売れっ子のロック・スター感ゼロだよね! なんか初めてうちらのライヴ観に来てくれたときも、すげー良かったってベースのリースが言ってきてくれたんだけど、オレもバンドやってるんだって、最初から偉そうな感じじゃなくて、僕がどんなバンドやってんの? って聞いてから、ちゃんと、ホラーズって凄く丁寧に答えてくれて。

アキコ:電話番号も向こうからくれるし、それで今度お好み焼き作るから食べにおいでって言うたら、ほんまに来てん(笑)。

タイゲン:はははははははは

アキコ:うちに(笑)。

タイゲン:共鳴しあって、単純に何かやろうってときに、少なからずの壁みたいなものが無いからこその、やりやすさみたいなものはやっぱりあるかな。それはイギリスの良い点、だね。

イギリスとその他ヨーロッパの違いはどのように感じていますか?

タイゲン:国によって反応は違うけど

アキコ:違う! でも他のヨーロッパより、イギリスのほうが音楽を発信してるよね。

タイゲン:やっぱり、他のヨーロッパのバンドもイギリスに来たがってるし、逆にイギリスは来られ成れてるから、まぁホスピタリティーは最悪なんだけど(笑)、でもさっきも言ったけど、チャンスが多い環境があるからね、イギリスには。イギリスの音楽業界、僕は健康だと思うんだよね。

アキコ:うん。

現在のアメリカのシーンについてはどう思いますか?

タイゲン:最近ジュークっていうのが流行ってるでしょ、知ってる?

アキコ:知らん。

タイゲン:僕も知らなくて、それでツイッター見て、あれはアメリカだよね。

アキコ:ジュークって日本のあの......

タイゲン:違います! 違います! うちのドライヴァーと同じジョークを言わないでくれ(笑)!

(笑)

タイゲン:あとイー・ディー・エムとか。イギリスだとあんまり聞かないけどね。なんかでも影響的な部分で言ったら、アメリカが強くなってきてるのかなってちょっと感じるけどね。日本はとくに。

以前、イギリスのティースやザ・ビッチズなどのバンドは、イギリス・シーンの不満を吐露し、ティースに関しては実際にアメリカに拠点を移しました。現状としては、個人的に、僕もアメリカの方がシーンが活発な印象を受けているのですが、それに関してはどう思いますか?

タイゲン:残念だね、でもアメリカはまだ行ったことがないからなぁ~。なんとも言えないんだけど、コマネチは行ったことある?

アキコ:コマネチの前のバンドで行った!

タイゲン:どうだった?

アキコ:うーん......、シーンとかはよくわからんけど、活動をするうえでは大変やよ、辛い! なんかやりにくかったなぁ、アメリカはデカイから、移動が12時間やったり。

タイゲン:なるほどね。

では、海外のバンドとしっかりコンタクトを取りながらも、日本でのツアーもしっかりこなし、非常に上手いヴァランスで活動をされているおふた方ですが、これから海外に活動を展開しようと思っている日本のバンドやアーティストにメッセージを送るとしたら、どんな言葉を送りますか?

タイゲン:とりあえず、出て、やるしかない(笑)。

アキコ:それしかないやろ(笑)。やっぱね、人生、リスク背負った方がええよ。理由つけて親があかんとかお金ないとかそんなんばっかり。たしかに現実問題で無理なんかも知らんけど、ほんまにそれくらい真剣に考えてんやったら、飛び出せっ!!! 

Thee Oh Sees - ele-king

 ジ・オー・シーズは、USのライヴハウス・シーンではもっぱら愛され続けているバンドで、どのくらい愛されているかというのは、沢井陽子さんのレポートを読んでください
 ポジティヴな意味で、アメリカらしい足を使って、汗を流しているバンドである。東京公演には、ゲラーズ、そしてザ・ノーヴェンバーズも出るし、来週の月曜は渋谷〈O-nest〉、火曜日は名古屋〈KD JAPON 〉、そして、水曜日は大阪〈Conpass 〉で騒ごう。



[いいにおいのするThee Oh Sees JAPAN TOUR2013]

サンフランシスコ発世界中で大ブレイク中のアヴァンギャルドでpopなガレージ・サイケ・バンド、 Thee Oh Sees 、遂に日本に降臨!
なんと、大阪公演には、西宮の狂犬・KING BROTHERS(キングブラザーズ)が、東京公演には、トクマルシューゴ含むGellers、いまをときめくTHE NOVEMBERSが出演!

東京編 2/18@O-nest
Open/18:00 Start/19:00
adv/3.000 door/3,500
■Pコード:【191-065】,
■Lコード:【76462】,
e+
【出演】
Thee Oh Sees
Gellers
THE NOVEMBERS
Vampillia

名古屋編 2/19@KD JAPON
Open/18:00 Start/19:00
adv/2.500 door/3.000(+1drink )
■Pコード:【191-065】 ,
■Lコード:【46947】,
e+
【出演】
Thee Oh Sees
MILK
Nicfit
Vampillia

大阪編 2/20@Conpass
Open/18:00 Start/19:00
adv/3.000 door/3.500(+1drink )
■Pコード:191-314 ,
■Lコード:54081 ,
■e+
【出演】
Thee Oh Sees
KING BROTHERS
Vampillia


■Thee Oh Sees
Thee Oh Sees は、John Dwyer (Coachwhips, Pink and Brown, Landed, Yikes, Burmese, The Hospitals, Zeigenbock Kopf) の、インスト・エクスペリンタルな宅録作品をリリースするためのプロジェクトとして開始された。
その後、いくつかの作品を経て、フルバンドへと進化を遂げたのである。彼らのサイケデリックな作風は、一見するとレトロなものとして、とらえられるかもしれない。
だが、彼らは、数々の最先端のアレンジを細部に施すことで、サイケデリックでありながらもしつこさを感じさせない、スタイリッシュでキレの良い全く新しい音楽として、リスナーに強く印象づけているのである。
その作品群はPithforkをはじめとする数々のレビューサイト、音楽雑誌で軒並み高評価を獲得している。
だが、数々のメンバーたちと共に録音されたこれら作品群だけでなく、常軌を逸したエネルギッシュなライブパフォーマンスこそが、ライトニングボルトと同じベクトルにある彼らの本質ともいえる。

ツアー詳細:https://iinioi.com/news.html



My Bloody Fuckin' Valentine Mixtape - ele-king

 1937年にリチャード・ロジャース&ロレンツ・ハートが作曲した"マイ・ファニー・ヴァレンタイン"は、チェット・ベイカーやフランク・シナトラからエルヴィス・コステロにいたるまで、幅広く歌われています。また、ザ・ビートルズは「僕が64歳になってもヴァレンタインにチョコをくれる?」と歌いました。
 というわけで、ヴァレンタインに乗りましょう。好きな人に捧げたい、ヴァレンタイン用DJミックステープ! 読んでくださっているみなさんも、どうぞリストをお送りください!


■木津 毅

1 尾崎紀世彦 - ラブ・ミー・トゥナイト
2 Rhye - The Fall
3 Antony and the Johnsons - Crazy in Love
4 Kylie Minogue - The One
5 Pet Shop Boys - Love Comes Quickly
6 Matmos - Semen Song For James Bidgood
7 Gayngs - Cry
8 Perfume Genius - Hood
9 The National - Slow Show
10 Wilco - On and On and On

■斎藤辰也(パブリック娘。)

1 Taken By Trees - My Boy
2 トクマルシューゴ - Decorate
3 Emitt Rhodes - Fresh As A Daisy
4 Knock Note Alien - 雪をとかして
5 Hot Chip - We're Looking For A Lot Of Love
6 AJICO - メリーゴーランド
7 Enon - Kanon
8 About Group - Plastic Man
9 About Group - Married To The Sea (b)
10 Syreeta - Cause We've Ended As Lovers

シークレット
11 The Beach Boys - Time To Get Alone (Acapella)

■中里 友

1 Outkast - Happy Valentine's Day
2 R.Kelly - Step In The Name Of Love(Remix)
3 D'Angelo - Lady (Remix) feat. AZ
4 Drake - Best I Ever Had
5 Breakbot - Baby I'm Yours
6 Best Coast & Wavves - Got Something For You
7 clammbon - sweet swinging
8 s.l.a.c.k. - I Can Take It (Bitchになった気分だぜ)
9 前野健太 - 病 (Yah! My Blues)
10 奇妙礼太郎 - オー・シャンゼリゼ

■野田 努

1 Carl Craig - Goodbye World
2 Chet Baker - My Funny Valentine
3 Beach House - Zebra
4 Ramones - Needles And Pins
5 The Velvet Underground and Nico - I'll Be Your Mirror
6 Scritti Politti - The Sweetest Girl
7 Massive Attack - Protection
8 Marcia Griffiths - The First Time I Saw Your Love
9 The Simths - I Want The One I Can't Have
10 RCサクセション - よごれた顔でこんにちわ
11 The Stylistics - You Make Me Feel Brand New
12 Nina Simone - My Baby Just Cares For Me
13 The Beatles - Here There and Everywhere
14 The Righteous Brothers ? You've Lost That Lovin' Feelin'
15 The Slits- Love and Romance

■橋元優歩

1 Baths - Apologetic Shoulder Blades
2 Airiel - Sugar Crystals
3 Clap Your Hands Say Yeah ? Let the Cool Goddess Rust Away
4 Atlas Sound - Shelia
5 Daedelus - LA Nocturn
6 Grouper - Heavy Water / I'd Rather Be Sleeping
7 Evangelicals - Midnight Vignette
8 Cloud Nothings - Strummin Whadya Wanna Know
9 Me Succeeds - The Screws Holding It Together
10 Our Brother The Native - Well Bred
11 How To Dress Well - Date of Birth
12 Twinsistermoon - Ghost That Was Your Life
13 Rehanna - S & M
14 Sleep ∞ Over - Romantic Streams
15 Jesse Harris - Pixote
16 Candy Claws - In The Deep Time

■DJ MAAR

1 The xx - Sun set
2 Herbert - I miss you
3 Francis Harris - Plays I play
4 Jesse Ware - Swan song
5 Frank Ocean - Thinking about you
6 Lil' Louis - Do you love me
7 Stevie Wonder - As
8 Grace Jones - La vie en rose
9 Edith Piaf - Hymne a l'mour
10 Louis Armstrong - What a wonderful world

■松村正人

A面

1 Barry White's Love Unlimited Orchestra - Love's Theme
2 Dan Penn - The Dark End Of The Street
3 Kevin Ayers - When Your Parents Go To Sleep
4 Red Crayola With Art & Language - If She Loves You
5 Frank Zappa - Harder Than Your Husband
6 Mayo Thompson - Fortune
7 Frank Zappa - Keep It Greasy
8 ゆらゆら帝国 - 貫通

B面

1 The Bryan Ferry Orchestra - Slave To Love
2 林直人 & MA-BOU - Can't Help Falling In Love
3 ZZ Top - Over You
4 Aaron Neville - My True Story
5 勝新太郎 - ヒゲ
6 Serge Gainsbourg - 手切れ(Je suis venu te dire que je m'en vais)
7 割礼 - こめんね女の子
8 Leonard Cohen - Hallelujah
9 Prince - I Wish U Heaven

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