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Home >  News > ガジェットがもたらすインディ・ミュージックの新世界 - ――熱いぜ、〈東京モジュラーシンセフェスティバル2013〉

ガジェットがもたらすインディ・ミュージックの新世界

ガジェットがもたらすインディ・ミュージックの新世界

――熱いぜ、〈東京モジュラーシンセフェスティバル2013〉

Jun 07,2013 UP

 ぶっちゃけた話、ここ最近レコードをいっさい買っていない。もとい、買えていない。無理矢理トレードさせられたものや、勝手に送られてきて現金報酬をうやむやにされる物品が大半を占めているのだ。

 そもそも金がない。金がないのであればそれなりに働けばよいわけであるが、それなりに働くのはそれなりに大変であり、また僕の言うそれなりは世間一般のそれなりの基準値より遥かに下回っているわけでもあり、とは言え同じような自堕落な生活を続けていた以前はそれなりにレコードも購入していた筈だ。諸悪の根源はユーロラック・シンセサイザーにある。

 今思えば数年程前、M・ゲド・ジェングラス(Sun Araw M.Geddes Gengras & Congos, Akron Family)のヤサであったグリーン・マシーン・スタジオのポーチを寝床にしていたことが事の発端であった。常時2~3バンドを掛け持ちしながらレコーディング/マスタリング・エンジニアとして活動するゲドはLAローカル・シーンに最も愛されている男だ。愛されるがゆえにワケのわからない日本人に家の一角を占領されたり、愛車で事故られたりもする。(僕の生涯ただ一度の自動車事故は彼の車でカマを掘ったことである。幸い大事には至らなかったものの掘られた車から出てきたのが2m近いラティーノのオッチャンだったときは死ぬかと思ったけども)

ゲドの長きに渡る膨大なソロ・ワークの主たるプロジェクトはモジュラー・シンセジスの探求である。僕が出会ったころはすでにユーロラック・フォーマット(ドエプファーのA100シリーズに代表される最もコンパクトな3Uサイズ)に移行していたが、それ以前はフラックラック、MOTM(5U)等の異なる規格を渡り歩いてきたそうだ。日々ジョイントを燻らしながら(ときどきその他も)、延々とパッチングを続ける彼の熱は、ほどなくして僕に飛び火した。昨年ホーリー・マウンテン〈Holy Mountain〉からリリースされたアルバム、テスト・リード〈Test Lead〉は彼の近年のシンセジスにおける集大成と呼べる傑作だ。

 昨今のインディ・シーンにおけるギターからシンセへの大移動と電子工作家たちのユーロラックへのベンチャー・ビジネス大進出、どちらのムーヴメントが先行していたのかは定かではないが、相乗していることに間違いはない。

アイオワの伝説であるサイケデリック・フリークアウト・バンド、ラクーン〈Raccoo-oo-oon〉のメンバーであり、現在はドリップ・ハウス〈Drip House〉として活動するダレン・ホー〈Daren Ho〉がNYで営むシンセ屋兼レコ屋兼アート・スペース、〈コントロール(Control)〉は地元でちょっとした社会現象を起こすほどの盛況ぶりだ。何の番組だか知らないがNHKから「アナログシンセ」のテーマで取材されてりゃ(しかも同番組内でゼノ&オークランダーが機材愛を語っとる!)社会現象と呼んでもいいだろう。

先日、〈コントロール〉でおこなわれたシンセ・ワークショップの模様がアップされていたのを流し見していたところ、見覚えのある長髪長身の男が熱心にプレゼンテーションを聞いている。僕は早速ピート・スワンソン(Pete Swanson)に「お前、行っただろ」と問いただしたところ、「あ、行ったよ。何で知ってんの?」との返答があり、その晩は機材話を延々と繰り広げるハメになった。彼もまたユーロラック・モジュラーの犠牲者のひとりだ。

 なんでこんなナ~ドな内容の戯れ言を散らしているかというと、じつは来る6月30日にスー寺で〈東京モジュラーシンセフェスティバル2013〉なる試みが催される。手前味噌で大変申し訳ないが、僕も〈メイク・ノイズ(Make Noise)〉社のプレゼンやデモを手伝ったり手伝わなかったりする予定だ。ちなみに〈メイク・ノイズ〉は自社が提案する「シャアド・システム」でのみ制作されたトラックを7インチでリリースするというレーベル活動を開始したばかりだ。すでにリチャード・ディヴァインとアレッサンドロ・コルティーニ(ナインインチネイルズ)、そして昨年の〈タイプ(Type)〉からの良作が記憶に新しいロバート・アイキ・オーブリー・ロー(Robert Aiki Aubrey Lowe)が控えている。

まだまだ日本においては認知度の低いこの分野だが、ガジェットがもたらすインディ・ミュージックの新世界を覗いてみてはいかがだろうか?

(倉本諒)


■東京モジュラーシンセフェスティバル2013
■2013年06月30日 (日)
■開場 17:30 / 開演 17:30
■料金 予約2000円 / 当日3000円 (ドリンク別)
モジュラーシンセサイザーの祭典「東京モジュラーシンセフェスティバル2013」を開催!実力者達のパフォーマンスからメーカーブースごとの試奏、実演販売、モジュラーシンセスターターキット抽選会、ドキュメンタリービデオの上映までモジュラーシンセサイザーの魅力を堪能する一夜。アナログエレクトリックの有機的で深遠な音色の美しさを思う存分体感して下さい!

東京モジュラーシンセフェスティバル2013
オフィシャルサイト
https://tfom2013.tumblr.com/

■ライヴ
ROBERT PIOTROWICZ (ポーランド)
BRIAN O-REILLY (アメリカ/シンガポール) & NAOKI NOMOTO duo collaboration
坪口昌恭 (日本)
PNEUMOTHORAX (Scott Jaeger of The Harvestman) (アメリカ)
HATAKEN (日本)
千葉広樹 (日本)
DAVE SKIPPER (イギリス / 日本)
& ETHAN DROWN HURLBURT (アメリカ / 日本)

■デモ実演
PITTSBURGH MODULAR (アメリカ)
THE HARVESTMAN (アメリカ)
HEXINVERTER.NET (カナダ)

■その他
日本初のモジュラーシンセサイザーのメーカーブースごとの試奏、実演販売。
モジュラーシンセスターターキット抽選会(モジュラーシンセを組む為に必要となる電源、ケース、ビスなど。)
モジュラーシンセサイザーのドキュメンタリービデオの上映、音楽を流します。



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