「IR」と一致するもの

Harmonia & Eno '76 - ele-king

 1996年にクラスターが初めて来日したとき、――ハンス・ヨアヒム・ローデリウスは60半ばをまわっていたし、ディーター・メビウスも50を過ぎていた――、渋谷のオンエアー・ウェストのフロアには20代~30代初頭のテクノ世代か、リアルタイムで聴いていた40代のプログレ世代がパラパラといるだけのものだったが、伝え聞いたところによれば、2010年の代官山ユニットでの来日公演では、フロアは本当に満員だったという。ドイツのふたりのおじいちゃんによるアンビエント/ドローンを聴きに、1000人近くの人が集まるなんて90年代には考えられなかったことだ。しかもオーディエンスの多くが若い女性客だったという。きっとそのなかの何人かはグルーパーやローレル・ヘイローを聴いているに違いない。

 ハルモニアは、クラスターのふたり(ローデリウス+メビウス)とノイ!とは別の、アンビエントという当時まだ新しかったコンセプトに興味を抱いていたミヒャエル・ローターの3人によるプロジェクトで、1974年と1975年に1枚づつアルバムを発表している。どちらも名盤だが、僕はセカンド・アルバムにあたる『デラックス』をとりわけ好んでいる。黄金の太陽、そして裏ジャケットに見えるのは川縁でのびりとしたときを過ごしている3人......そのリラックスしまくっている佇まいに相応しく、『デラックス』は和やかだが、夢の続きのような居心地の良さがある。愛嬌のあるミニマルな展開、ロマンティックなメロディ......ポスト・サイケデリックとも言える生活のなかの満ち足りた感覚、「正直であること、愚かであることを恐れていない」――本作のライナーでスティーヴン・アイリフががそう書いているように、ハルモニアは、ジュリアン・コープが「これでもか」とあおってみせたクラウトロックの神話性ないしはミステリーとはまた少し違った趣を有している。はったりじみたところがないし、ドラッグ・カルチャーをこじらせてしまったようなところもない。まさにチルアウト(リラックス)している。こういうオジサンになりたいと、若い頃、僕は思ったものだった。
 
 本作は、早くからクラウトロックの先駆性を評価していたブライアン・イーノが、ドイツのフォルストという村で暮らしているクラスターを訪ねたときの記録である。1997年に未発表アルバムとして最初のヴァージョンがリリースされているが、これはそのさらにまた未発表曲3つを加えたヴァージョンで、日本盤にはスティーヴン・アイリフによる美しいライナーの訳が付けられている。2007年にハルモニアの未発表のライヴ音源『Live 1974 』をリリースしているロンドンの〈グロンド・レコーズ〉からの再リリース盤だ(UKリリースは2009年で、2010年にはシャックルトンも参加したリミックス盤も出ている)。
 
 未発表音源によるアルバムというのものは、なかにはいい加減なものもあるが、これはむしろ当時発表されなかったことが不思議なほどのA ランク・レヴェルの内容である。ローデリウスの叙情的なピアノとローターの美しいギアルペジオ、メビウスの電子音、それらが万華鏡のようにきらめく"Almost"、ハワイアン・ギターと愛らしいリズムボックスとの素晴らしい出会いによる"Weird Dream"......「この音楽をあらかじめ作曲しておくことはできない」、スティーヴン・アイリフはそう書いている。"Sometimes In Autumn "の悪戯っぽく反響する電子音と昆虫の声、未知の領域への誘い......「楽譜をしりぞけ、つねにインプロすることで、我々リスナーも創造という行動の共犯者であるという感覚」、それがハルモニアの魔法だとアイリフは言っているが、まったくその通りだと思う。クラスターのふたりに関しては、その後もイーノとの共作は、1977年の有名な『クラスター&イーノ』、1978年の『アフター・ザ・ヒート』との2枚がある。どちらも必聴盤。何年経とうが。

CHIDA (ene / FUNIKI ENE) - ele-king

【CHIDA's DJ SCHEDULE 】
6.15 (Fri) ENESP No.1 feat. ROOM FULL OF RECORDS KICK OFF PARTY@eleven
6.20.Wed. Aoyama Tunnel/Tokyo
6.29.Fri. G6 at Taipei

ene Europe Tour 2012
with THE BACKWOODS(aka DJ KENT/Force of Nature)
7.19.Thu. Guimaraes / Portugal
7.20.Fri. LUX Fragil / Lisbon / Portugal
7.21.Sat. Sunstream(Boat) / Lisbon / Portugal
7.27.Fri. Dalston Superstore / London / UK
7.28.Sat. City Music Hall / Newcastle / UK
8.3.Fri. TBA / Istanbul / Turkey
8.4.Sat. TBA / Helsinki / Finland
8.10.Fri. TBA / Moscow / Russia
8.11.Sat. Loftus Hall / Berlin / Germany

ボム10 NOW.


1
Cos/Mes - Sadistic EP♯2 - FUNIKI ENE

2
Hatchback - Main County EP - Adult Contemporary

3
Iori - NEXUS - Bitta(Album)

4
Kaoru Inoue - Ground Rhythm(The Backwoods Remix) - SEEDS AND GROUND

5
Phreek Plus One - La Spirale(Justin Vandervolgen Remix) - Internasjonal

6
Still Going - Work That Shit Party - Still Going Records

7
Soft Rocks - The Revenge of Soft Rocks - ESP Institute(Album)

8
The Backwoods - Flying Bugz(Kaoru Inoue Remix) - ene

9
The Backwoods - Cloud Nine(The Stallions Remix) - ENESP

10
Windsurf - Weird Energy(9dw Remix) - catune

LOW END THEORY JAPAN - ele-king

先日、下北沢のZEROに行ってしばらく飯島直樹さんと話し込んでいたら、いきなりズカズカとお店のなかに原雅明さんがこのフライヤーを置きにやって来て、僕を見るなり、「紹介してよ!」と、迫力満点のヴォーカリゼーションで言われたので紹介することになりました。今日のロサンジェルスの最重要拠点、ロー・エンド・セオリー・ジャパン再来です!
 倉本諒くんのように、ドゥーム・メタル/ノイズを追求していたらマシューデイヴィッド周辺と知り合って、それでロー・エンド・セオリーへと漂着しているインディ・キッズもいるんだよと、おそるおそる原さんに言ったら、「最近はそういう子、多いよ!」と、これまた迫力満点に言っておられました......。そうですよね、いろいろなジャンルの交流点になってますよね。昨年、タイムラインのライヴ会場でも、フライング・ロータスからデトロイト・テクノへと漂着した若者がおりました。一時期は島宇宙だとかタコツボ化などと揶揄されていましたが、実はリスナーは、ぜんぜん横断しているんですよねー。
 はっきり言って、メンツがかなり豪華です。原さん、ありがとう。僕も行ってみようかと思っています。
 
 以下、原さんから届いたメールです! 札幌と大阪でもありますよ!

 3月に大盛況で終わったLOW END THEORY JAPANが早くも再登場! 今回はダディ・ケヴとノーバディのレジデントの2トップに、ラス・Gという最強の布陣。さらに、プロデューサーたちがフレッシュな未発表ビートを紹介するLOW END THEORYの名物企画Beat Invitationalの日本版を開催。多数出演する日本のビートメイカー、DJ、ビートボクサーたちのパフォーマンスにも注目!

LOW END THEORY JAPAN [Summer 2012 Edition]
6.30 (土) @ 渋谷 WWW (03-5458-7685)
https://www-shibuya.jp/schedule/1206/001745.html
OPEN / START : 23:00
CHARGE : ADV.3,500yen / DOOR 4,000yen
※20歳未満の方のご入場はお断り致します。(要写真付き身分証)

Live&DJ
DADDY KEV / NOBODY / RAS G

Beat Invitational
(出演者は後述)

DJ
DJ KENSEI / DJ SAGARAXX / BUDAMUNK / BUGSEED & PIGEONDUST / YAGI & ILLSUGI / FUJIMOTO TETSURO / DJ FEBB

VJ
DBKN / KAZUYA ITO

RAS G | ラス・G
ダブやジャズも飲み込んだスモーキーなビートと、敬愛するSun Ra譲りのコズミックな世界観で、ユニークなサウンドを作り上げたラス・G。LAのシーンのキーとなるPooBahやBrainfeederにも関わり、 Dublab制作の『Secondhand Sureshots』など重要なプロジェクトにも参加している。最近はRas G & The Alkebulan Space Program名義で、よりディープなサウンドを追求している。 2009年のLOW END THEORY JAPAN以来の待望の再来日となる。 https://afrikanspaceprogram.com/

DADDY KEV | ダディ・ケヴ
LOW END THEORYの、またレーベルALPHA PUPの主宰者。アンダーグラウンド・ヒップホップ・シーンの伝説的プロデューサーであり、フリースタイル・フェローシップからフライング・ロータスまでさまざまなアーティストのマスタリ ング・エンジニアとしても有名。LOW END THEORYでは多くの若いアーティストをフックアップし、LAのみならず世界のビート・ミュージック・シーンの活性化に寄与し、多くのアーティストから リスペクトを集めている存在。 https://www.daddykev.com/

NOBODY | ノーバディ
ヒップホップ育ちのサイケ・ロッカーであり、マーズ・ヴォルタやプレフューズ73のツアー・メンバーとしても知られているノーバディは、サイケデリック・ロックとヒップホップを融合させた『Pacific Drift: Western Water Music Vol.1』で脚光を浴びた。ミスティック・コーズ・オブ・メモリー、ブランク・ ブルー名義でもアルバムをリリース。ネットラジオdublabの設立メン バーの一 人でもあり、常にLAの音楽シーンの中心で活動を続けている。 https://www.alphapuprecords.com/artistpage.php?ArtistID=93


Beat Invitational〈ビート・インヴィテーショナル〉は、ビートメイカー/ プロデューサーにスポット当ててきたLAのLOW END THEORYの人気企画。今回初めて日本人アーティストも多数交えて日本で開催される。

Beat Invitationalに出演するのは以下の9組の個性豊かな面々......

HAIR STYLISTICS a.k.a 中原昌也
小説やペインティング、映画批評でも知られる中原昌也の音楽ユニット。リリース作品多数あり。ヴィンテージのサンプラーやシンセサイザーなどハードウェアを基本にしたライヴの出音の良さも魅力の一つ。

BUN / FUMITAKE TAMURA
2011年、坂本龍一のレーベル「commmons」よりアルバム『BIRD』をリリース。ザラついた音の質感を綿密に構成し、様々なジャンルを横断していくアーティスト。先頃、LAに赴き、LOW END THEORYにライヴ出演したばかり。

QUARTA330
Hyperdub所属。Flying Lotusへのリミックスの提供をはじめ、Thom Yorke(RADIOHEAD)、Mouse On Mars、Ministry of Soundのミックスに収録される。2010年ハートキャッチプリキュア!との出会いを契機に【中略】 SonarSoundTokyo2011へ出演。

NEO TOKYO BASS
CRASH、ENDLESS、GYTO、SKYFISHから成るプロダクション&DJクルー。

櫻井響
ベーシストの父とシンガーの母の元、幼少からジャズに親しみつつ、DJの活動中にhuman beat boxを始め友達が増える。言葉以外の「音」でコミニュケートできることから、国内外、様々な人や楽器とのセッションも多い。音を模写した声をその場で LOOPさせ、曲を変えていくソロライブで活動の場を広げている。

CONFLICT
KABEYA & SHIROの2人によるビートメイカー・デュオ。5年振りの新作アルバム 『YELLOW BEAT』の評価も高く、DADDY KEVのAlpha Pupを通じてワールドワイド配信されている。

JEALOUSGUY
北海道を拠点に活動中。AKAIのMPD18というMIDIパッドを叩きながらリアルタイムでbeatやメロディーを構築している。ライブ感を重視したスタイル、つんのめったビートでフロアを盛り上げている。SonarSoundTokyo2011でも話題を呼んだ。

BUGSEED
サンプリングベースのHIPHOPビートメイカー。2010年Bandcampにて"Bohemian Beatnik LP"を発表後、海外から世界に発信しているオンラインメディアのコンピレーションアルバムやGuest Mixに多数参加するなど国内外を問わずアクティヴに活動している。

DJ MUTA
JUSWANNAへの楽曲提供や数々のミックスCDのリリースなど精力的に活動を続けるDJ&プロデューサー。3月のLOW END THEORY JAPANのDJがネットでも公開されて注目を集めている。https://www.mixcloud.com/LowEndTheoryJapan/...


+DADDY KEV、NOBODY、RAS GもBeat Invitationalに参加決定!

メインフロアを共に作り上げるDJはLOW END THEORY JAPANのレジデントとも言えるこの二人......

DJ KENSEI
DJの可能性を追求するDJとしてのレンジの広さもさることながらHIP HOP DJとして80年代後半から主に90年代にかけてその時代のDOPEなSOUNDをリアルタイムで数多くのCLUBの現場でプレイしてきたDJとして知られている。DADDY KEVによる INDOPEPSYCHICのリマスタリングも話題を呼んだ。

SAGARAXX
1990年代後半からDJを始める。山仁との1MC×1DJのライブアクトとしても活動を展開し、2007年からはDJ Kenseiとのプロジェクト、Coffee& Cigarettes Bandと して楽曲の制作やライヴ・セッションにも関わっている。


ラウンジDJには才能あふれるフレッシュなDJ&プロデューサーが多数参加。こちらも見逃せない......

YAGI & ILLSUGI
2012年にスプリットBeatTape『STONED BEAT TAPE』をCassetteTape,CDRで自主リリース、国内外のBeat系メディアでも紹介されるなど好評を得る。渋谷THE ROOMで行われているBeatパーティ"Trane."をDJ SAGARAXXやBugseedらと開催。

BUDAMUNK
ヒップホップのプロデューサー。96年にLAに渡米。MCのJoe StylesとOYGと"Keentokers"として活動開始。帰国後はAKAI主催のMPCバトルで優勝、Jazzy SportやDOGEAR RECORDSからリリースを重ねる。現在はSick Teamの一員として、全てのビートをプロデュース。また、mabanuaとのユニットGreen Butterでもリ リース。

BUGSEED
サンプリングベースのHIPHOPビートメイカー。2010年Bandcampにて"Bohemian Beatnik LP"を発表後、海外から世界に発信しているオンラインメディアのコン ピレーションアルバムやGuest Mixに多数参加するなど国内外を問わずアクティヴに活動中。

PIGEONDUST
90年代からトラック制作を始める。当時の音楽体験、辺境地レアグルーヴコレクター、ジャズ専門レコード店などの遍歴、尺度から現行するヒップ ホップ、ビート音楽を同世代とは一線引いたスタンスで咀嚼する。18歳で米mushへトラック提供、その後haiiro de rossiを始めとする日本人MCに楽曲を提供。

FUJIMOTO TETSURO
新しいクロスオーヴァーミュージックを追求するビートメーカー/DJ。Aroop Roy監修の『Absolute!!』に参加以降、数々のremixをこなし、COSMOPOLYPHONIC のコンピや、チャリティーコンピ『LA・JPN・LA』にも曲を提供。最近ではオリジナルEP「Reflections」をBagpakよりリリース。

FEBB
16才でAKAI主催のビートバトル "GOLD FINGER's KITCHEN"予選で優勝。ラッパー、トラックメイカー、DJとしての顔を持ち、SPERB of TETRAD THE GANG OF FOURらと共に"CRACKS BROTHERS" としても活動。東京の正統派ハードコア HIPHOPの未来を担う者として、また一人のアーティストとして、今後の動きが注目されている一人。

"LOW END THEORY JAPAN [Summer 2012 Edition]"ツアー、札幌、大阪公演の詳細

6.29(金) : 札幌 BESSIE HALL (011-221-6076)
https://bessiehall.jp/
Live&DJ
DADDY KEV/ NOBODY / RAS G
+
REBEL MUSICAL / jelousguy / DJ KEN / and more
VJ
SWEET SMOKE

7.01(日) : 大阪 TRIANGLE(06-6212-2264)
https://www.triangle-osaka.jp/
START 17:00 FINISH 1:00
Live&DJ
DADDY KEV / NOBODY / RAS G
+
KILLER BONG (BLACK SMORKER from Tokyo)
DJs
KAZUMA (phenoma / mo'wave) / QUESTA (beats gourmet band) / naguy
SPECIAL LIVE PAINT:
TOKIO AOYAMA
VJ
Colo GraPhonic(COSMIC LAB / BetaLand) / LPC
DANCER:
SUPREME GOODMAN
Another floor DJs:
鬼タモリ / MASH (ROOTDAWN RECORD) / Dj Tell (Buddha Smog) / Dj old Shella a.k.a NAGAN SERVER (MONO ADAPTER) / GREENWORKS (FACTORY NO.073)
DECO:
OLEO
SOUND
KABA-MIX

MORE INFO
corde inc. https://corde.co.jp/
Twitter: Alpha Pup Japan https://twitter.com/alphapup_jp
Facebook: https://www.facebook.com/events/314529778617248/

Gabby & Lopez - ele-king

 ギャビー&ロペスの音楽は、それ自体が多幸感に溢れているわけではないのだが、聴いている人をほんわかとした気持ちにさせる。間違ってもアッパーではないし、いまどきのドリーミーな感じでもないが、気持を楽にしてくれる。ポスト・ロックのアンビエンスのなかで、たとえば〈スリル・ジョッキー〉のような洗練されたアブストラクト・サウンドへと向かったとしても、他では代用が効かない、ギャビー&ロペスにしか出せない感覚がある。彼らの音楽には一種の慎ましさ、物静かであることの快楽がある。森俊二が〈メジャー・フォース〉という日本で最初のヒップホップのインディ・レーベル出身というのが嘘のようだ。

 ギャビー&ロペスは、森俊二と石井マサユキというふたりのベテラン・ギタリストによるプロジェクトで、本作『トワイライト・フォー・ナインス・ストリート』は、2006年の『ニッキーズ・ドリーム』以来6年振りにリリースされる3枚目のアルバムとなる。このアルバムには、はからずともマーク・マッガイアとの共通点を見出すことができる。ギター・サウンドの追求、波乗り好きなこと、ムードを醸し出すアンビエント的な音楽性、とくに"Reflection "のディレイ・サウンドなどは......しかし、ギャビー&ロペスには、日本の音楽に特有の繊細さがある。さざ波のようなかすかな揺れ動きにこそ、彼らは美しさを見出している。ギターのいち音いち音に細心の注意が払われ、エレクトロニクスの注ぎ方にも深い配慮がなされている。そして、2本のギターの交錯する響きこそが、このプロジェクトの肝にある。

 "Birdcall Lulu"や"She Likes Motor Cycle"はファンにとってはキラーな曲のひとつだ。ふたつのギターの音符は水飴のように溶け、静けさのなかで音が躍動している。ベースがうなる"Half Step Ahead "では、マニュエル・ゲッチング流のディレイに加え、ジェフ・パーカーのポスト・バップめいた質感を思い出す。
 アルバム・タイトルになった"Twilight For 9th Street"はアンビエントというよりも、彼ら流のバラードで、アルバムのなかでもっとも感傷的な曲だが、演奏される2本のギターの弦の振動が織りなす音響の美しさは将来への不安を一時期的にせよ、確実に取りのぞいでくれるだろう。すでにいろんな名カヴァーが存在するボブ・ディランの"Just Like A Woman"を彼らもカヴァーしている。

 『トワイライト・フォー・ナインス・ストリート』は、何か偉そうなことを言っているわけではないが、我々にとっては大切な音楽のひとつだ。過去の2枚と比較すると、ギターの演奏もほどよく抑制されている。ドラムパートは控えめに演奏され、2本のギターの音色の甘美さが前面に出ている。UMA UMAの叙情にも接近しているように思えた。いずれにせよ、間違いなく、彼らの最高作。

DBS presents - ele-king

 良くも悪くも、日本でもブローステップが幅を効かせるようになった現在、あるいはまた、ポスト・ダブステップが目立つようになったこのとき、カウンターな立場からそれら新しいメインストリームに食い込むかのように、ドラムンベースとダブステップが熱を帯びてきている。今回のDBSは、そのUKの興奮を伝えるべく、ドラムンベースの王様、ゴールディー、そしてダブステップのオリジナル世代のDJ、ヤングスタのふたりを呼ぶ。
 6月の梅雨のなか、ぶっ倒れるまで踊りたいヤツはここに来い!

2012. 06. 16 (SAT) @ UNIT
feat. GOLDIE
YOUNGSTA + MC TOAST
with: ENA, DJ TAKAKI
vj/laser: SO IN THE HOUSE
B3/SALOON: STITCH、TETSUJI TANAKA、DJ MIYU、DOPPELGENGER、DUBTRO、dj noa(Jar-Beat Record)
live painting: The Spilt Ink

open/start 23:30
adv.3,500yen door. 4,000yen

Supported by STUSSY

info. 03.5459.8630 UNIT
https://www.unit-tokyo.com

★ドラム&ベースの帝王、ゴールディーとUKダブステップNo.1DJ、ヤングスタが激突! ゴールディーは先頃、自ら主宰するMetalheadzより記念すべき通算100リリースに新曲"Freedom"を発表、壮大かつ破壊力を放つ"Freedom"は圧倒的な存在感を示す。そしてRINSE FM、FWDの重鎮にしてUK/DUBSTEP界No.1DJに選ばれたヤングスタがMCトーストを引き連れ3年振りに来日決定! UKリアル・アンダーグラウンドのサウンズ&ヴァイブスがここにある!

Ticket outlets:
PIA (0570-02-9999/P-code: 170-812 )、 LAWSON (L-code: 78429 )
e+ (UNIT携帯サイトから購入できます)
clubberia : https://www.clubberia.com/store/

渋谷/disk union CLUB MUSIC SHOP (3476-2627)、TECHNIQUE (5458-4143)、GANBAN (3477-5701)
代官山/UNIT(5459-8630)、Bonjour Records (5458-6020)
原宿/GLOCAL RECORDS (090-3807-2073)
下北沢/DISC SHOP ZERO (5432-6129)、JET SET TOKYO (5452-2262)、
disk union CLUB MUSIC SHOP(5738-2971)
新宿/disk union CLUB MUSIC SHOP (5919-2422)、Dub Store Record Mart (3364-5251)
吉祥寺/Jar-Beat Record (0422-42-4877)、disk union (0422-20-8062)
町田/disk union (042-720-7240)
千葉/disk union (043-224-6372)

UNIT
Za HOUSE BLD. 1-34-17 EBISU-NISHI, SHIBUYA-KU, TOKYO
tel.03-5459-8630
www.unit-tokyo.com


★GOLDIE JAPAN TOUR 2012
6/15(金) 広島SACRED SPIRITS CAFE JAMAICA (問)082-240-0505
6/17(日) 福岡Kieth Flack(問)092-762-7733

★YOUNGSTA + MC TOAST JAPAN TOUR 2012
6/15(金)大阪CIRCUS

GOLDIE (aka RUFIGE KRU, Metalheadz, UK)
"KING OF DRUM & BASS"、ゴールディー。80年代にUK屈指のグラフィティ・アーティストとして名を馳せ、92年にファビオ&グルーヴライダーのDJ MIXに触発され、4ヒーローのレーベル、ReinforcedからRUFIGE KRU名義でリリースを開始、ダークコアと呼ばれたハードコア・ブレイクビーツの新潮流を築く。94年にはレーベル、Metalheadzを始動、ドラム&ベース革命を遂行する。自身は95年にFFRRから1st.アルバム『TIMELESS』を発表、ドラム&ベースの金字塔となる。98年の2nd.アルバム『SATURNZ RETURN』はKRSワン、ノエル・ギャラガーらをゲストに迎え、ヒップホップ、ロックとのクロスオーヴァーを示す。その後はレーベル運営、DJ活動、俳優業に多忙を極め、リリースが遠のくが、07年、RUFIGE KRU名義による9年ぶりのオリジナル・アルバム『MALICE IN WONDERLAND』をMetalheadzから発表、シーンの最前線に復帰。以来ゴールディーの創作活動は加速し、08年に長年構想されてきた自伝的映画のサウンドトラックとなるアルバム『SINE TEMPUS』をMetalheadzのウェブ限定で発表。09年にはRUFIGE KRU名義のアルバム『MEMOIRS OF AN AFTERLIFE』をリリース、また音楽とシンクロして近年目覚ましい活動を示すアートの分野でも個展を開催する等、英国が生んだ現代希有のアーティストとして精力的な活動を続けている。音楽活動20周年となる2012年、Metalheadzの通算100リリースに新曲"Freedom"を発表、壮大かつ破壊力を放つ"Freedom"はMetalheadz、ゴールディー渾身の作品である。
https://www.goldie.co.uk/
https://www.metalheadz.co.uk/
https://www.facebook.com/Goldie
https://twitter.com/MRGOLDIE

YOUNGSTA (TEMPA, RinseFM,UK)
沸騰するダブステップ・シーンで"Master of the decks"の異名を持つDJ、ヤングスタ。12才からDJをはじめ、13才でロンドンのガラージ専門ラジオ局、Freak FMに出演し、若くしてアンダーグラウンド・シーンに頭角を現す。その後、ガラージからダブステップへのサウンドの変遷とともに歩み、DJハッチャとともにシーンのパイオニアDJとなる。'05年にはダブステップのトップ・レーベル、TEMPAからMIX CD『DUBSTEP ALLSTARS:VOL.2』をリリース、またDMZからローファーの"Twisup"のリミックスを発表。翌'06年には『DUBSTEP ALLSTARS:VOL.4』をハッチャとともに手掛け、まさにダブステップ台頭の起爆剤となる。'10年にはセヴン、SP:MC、クリプティック・マインズとのコラボレーションを発表、'11年には最新MIX CD『RINSE:14』を手掛ける。シーンを代表する放送局RINSE FM、パーティー、FWD>>にレギュラー出演し、'11年dubstep forumアワードでベストDJとベスト・ラジオショーの2冠に選ばれた。
https://www.tempa.co.uk/
https://www.facebook.com/Youngsta

Shop Chart


1

Ruf Kutz

Ruf Kutz Ruf Kutz #5 Ruf Kutz / UK / 2012/5/31 »COMMENT GET MUSIC
推薦盤!LTD.250pcs.!!絶好調<RUF KUTZ>第5弾!こちらシリーズ史上最高傑作なのでは・・

2

Kenny Dixon Jr

Kenny Dixon Jr Ultra Rare Jan Remixes & Edits 3 Unknown / FRA / 2012/5/30 »COMMENT GET MUSIC
入手困難なMOODYMANNレア・ワークスをコンパイルしたMOODYMANN公認と思われる「ULTRA RARE JAN REMIXES & EDITS」第3弾!今回も垂涎級の極上レア・トラックが並びます。謎の初アナログ化トラックも!?

3

Craig Huckaby

Craig Huckaby Black Music / Child Of The Sun Sound Signature / US / 2012/5/23 »COMMENT GET MUSIC
推薦盤!<SOUND SIGNATURE>新作はあのMIKE HUCKABYの実兄CRAIG HUCKABYにフォーカスした興味深い一枚。黒人音楽愛に満ちたその名も"BLACK MUSIC"の初アナログ化&PIRAHNAHEADとの共作"CHILDREN OF THE SUN"をカップリング!

4

J Dilla

J Dilla Jay Dee's Revenge / Birthright Ruff Draft / US / 2012/5/31 »COMMENT GET MUSIC
間もなくリリースされるJ DILLA未発表音源を集めたニューアルバム「REBIRTH OF DETROIT」から先行10"シングル!リミテッド・クリアヴァイナル!

5

Mental Remedy feat. Carlos Roberto

Mental Remedy feat. Carlos Roberto Children From Bahia The Remixes Sacred Rhythm Music / US / 2012/5/20 »COMMENT GET MUSIC
JOE CLAUSSELLバンド=MENTAL REMEDYによる極上ラテン・フュージョン・ハウス!アコースティックなオリジナルは勿論、密林アマゾンを駆け抜けるB面テイクも◎

6

V.A.

V.A. Deep Classics Amour / FRA / 2012/5/30 »COMMENT GET MUSIC
推薦盤!第1弾/2弾共に絶好調の注目新興レーベル<AMOUR>第3弾!"LOVE & HAPPINESS"使いのA-1を筆頭に5 KING'S a.k.a. MR. K ALEXI SHELBY、DJ AAKMAELらによる極上ハウス・トラック搭載。

7

Nick Sole

Nick Sole Flower Soil Mojuba / GER / 2012/5/30 »COMMENT GET MUSIC
<MOJUBA>看板NICK SOLE新作!ダビーな陶酔感に包まるメディテーショナル・スロー・トラック"MISSION OF LOVE"◎

8

Will Sessions

Will Sessions True Story / Dub Rock Funk Night / US / 2012/5/30 »COMMENT GET MUSIC
BLACK MILKインスト・カヴァーにて恐らくキャリア初(?)となるレゲエ/ダブ・アプローチの"DUB ROCK"!USのヒップホップ/生音ファンクなグッド・レーベル<FUNK NIGHT>から主軸WILL SESSIONS新曲カップリング7"。

9

Girls We Like / D Bo

Girls We Like / D Bo The Do-Over Vol.4 The Do-Over / US / 2012/5/17 »COMMENT GET MUSIC
推薦盤!上質ビートダウンをカップリングした話題作。LAのサンデーアフタヌーン・パーティー代表格「DO-OVER」より派生したアナログ・ レーベル第4弾!

10

Los Miticos Del Ritmo

Los Miticos Del Ritmo Los Miticos Del Ritmo Soundway / UK / 2012/5/11 »COMMENT GET MUSIC
QUANTIC指揮の元、現地凄腕ミュージシャンからなる"QUANTICと神話の打楽器隊"、待望のフル・アルバム!伝統的な演奏形態を踏襲し つつも豊潤な音楽観と洗練のアレンジでアップデートした2012年型ハイブリッド・クンビア極上盤◎

Chart by JET SET 2012.06.04 - ele-king

Shop Chart


1

Calm Presents K.F.

Calm Presents K.F. Dawn Ep (Music Conception) »COMMENT GET MUSIC
4月発売のCalm Presents K.F.名義でのアルバム『From Dusk Till Dawn』からシングル・カット第二弾。本作もハーフスピード・カッティングを施した珠玉の一品です。

2

Beck

Beck I Just Started Hating Some People Today (Third Man) »COMMENT GET MUSIC
Jack WhiteのThird Manからの限定7インチ!!

3

Pacific Horizons

Pacific Horizons Re-Illumination Series Volume 1 (Pacific Wizard Foundation) »COMMENT GET MUSIC
Laのニュー・バレアリック人気ユニット、Pacific Horizonsによる2011年リリースの最新オリジナル・トラック2作をDj Cosmo & Yam Who?、Split Secsがリミックス。

4

Still Going

Still Going Walk That Shit Party (Still Going) »COMMENT GET MUSIC
Eric Duncan(Rub N Tug) x Liv Spencer(House Of House)の最強コンビStill Goingが手掛ける注目のレーベル第2弾作品!

5

Keep Shelly In Athens

Keep Shelly In Athens In Love With Dusk / Our Own Dream (Forest Family) »COMMENT GET MUSIC
チルウェイヴ~エレクトロニカ~ダウンビートの枠を超えるサウンドで絶大な人気を博すギリシアの男女デュオ。2枚のレアEpがForest Familyから嬉しすぎる再登場!!

6

Sweatson Klank

Sweatson Klank Elevate Me (Project Mooncircle) »COMMENT GET MUSIC
L.a.名門Alpha Pupからのリリースでもお馴染みTakeによるダブステップ通過以降の新プロジェクトSweatson Klank第1弾。当店大人気Project Mooncircleからの超話題作です!!

7

King Midas Sound

King Midas Sound Without You (Hyperdub) »COMMENT GET MUSIC
レジェンドThe BugことKevin Martinと日本人女性ヴォーカルHitomiのBlack Chowコンビに詩人のRoger Robinsonを加えた人気トリオの楽曲を、これ以上ない豪華メンバーが仕立て直した超話題盤です!!

8

Ital / Magic Touch

Ital / Magic Touch Anywhere You Want Me / From A Dream (100% Silk) »COMMENT GET MUSIC
100% Silkを代表する2人がソロで初顔合わせ。それぞれのオリジナルとお互いのリミックスを披露。どちらも気合の入りまくったミュータント・ディスコです!!

9

Arsenal

Arsenal One Day At A Time Ep (Play Out!) »COMMENT GET MUSIC
Hendrik Willemyns & John Roanからなるブリュッセルの古株ユニット、Arsenalによる昨年リリースの4thアルバム『Lokemo』から豪華リミックス・カットが新着!!

10

Lord Of The Isles

Lord Of The Isles Unthank003 (Unthank) »COMMENT GET MUSIC
Eneからリリースされた"Pacific Affinity"でも話題となったスコティッシュ・プロデューサーLord Of The Islesによる新作10インチ。

DJ SHO (Luv&Dub Paradise) - ele-king

82年よりキャリアをスタート。
高橋透氏、曽根氏らが在籍した伝説のDISCO六本木「TSUBAKI BALL(玉椿)」時代に「ラリー・レヴァン&ガラージサウンド」に出会い感銘を受ける。当時レジデンツだった「TSUBAKI BALL」にて85年よりDJ SONEと共にハウスサウンドオンリーの1オフパーティ「HOUSENATION」を手がけその後のクラブのあり方を示す。「TSUBAKIBALL(玉椿)」閉店後は活躍の場を求め全国を渡り歩き90年に念願のニューヨークへ移住。高橋透氏、DJ NORI氏がNY時代在籍した事で知られる「FUJIYAMA MAMA」にて長年レジテントDJとして活躍。15年のNEW YORKでのDJプレーを経て2005年に帰国後は「Luv&Dub Paradise」@神宮前bonoboを始め、実に20年以上ぶりに「HOUSE NATION since 1985」を静岡CLUB fourにて再開。また故郷姫路では「彩音」にもスタッフとして参加し、地元のCLUBでもレギュラーパーティーをスタートさせる。その経験からくる文脈に囚われない選曲と確かな技術で各地方にファンを増幅させ続けている。

Ring Of Fire Eclipse & Music 2012.5.26


1
Will Azada - Easy Does It - Mystical Disco

2
Shackleton - Touched - Woe To The Septic Heart !

3
Manmade Science - Phase - Philpot

4
Fushiming/Mamazu - Ride Music EP - Hole and Holland Recordings

5
Pirupa - Party Non Stop(DJ QU Remix) - Desolat

6
IORI - Moon - Phonica White

7
Rhauder - Acid Jam - Polymorph

8
DEADBEAT - Lazy Jane - Blkrtz

9
Mind Fair Presents....No Stress Express - Reach The Stars - Rough Cat Sounds

10
Psychemagik - Valley Of Paradise(Toby Tobias Remix) - Psychemagik

Chart by JET SET 2012.05.28 - ele-king

Shop Chart


1

Beauty

Beauty Love In The Heart Of The World Shout (Crue-l) »COMMENT GET MUSIC
チルウェイヴ以降のシンセ・インディダンス、シューゲイズ、バレアリックをレイヤーに、4adのダーク&ゴシックな美意識をコーティングした圧倒的な世界観。先行12"の期待値を遥かに超える傑作です!

2

Dave Dub

Dave Dub Treatment (Stones Throw) »COMMENT GET MUSIC
PortisheadのGeoff Barrowによるプロジェクト"Quakers"にも参加していた、サンノゼ出身のベテランMc=Dave Dub。彼が8~17年前に制作した楽曲の数々が初バイナル化!

3

La Vampires By Octo Octa

La Vampires By Octo Octa Freedom 2k (100% Silk) »COMMENT GET MUSIC
ごぞんじ100% Silk主宰者Amanda Brownのソロ名義、La Vampires。Italとの超ヒット作に続くコラボ・シリーズ第4弾。

4

The Tortoise

The Tortoise The Puffing Tortoise (Third Strike Records) »COMMENT GET MUSIC
前作"Gonna Be"でも注目を集めたメルボルンを拠点に活動を繰り広げるTorquhil AndersonによるプロジェクトTortoiseによる約1年ぶりの注目作。"Rondenion Remix"収録!

5

Ta-ku

Ta-ku 50 Days For Dilla Vol.1 (Huh What & Where) »COMMENT GET MUSIC
Laの新興レーベルHuh What & Whereより、新鋭ビートメイカーTa-kuのソロ初ヴァイナルが限定リリース! 自身のアイドルJ Dillaへのトリビュートの念を込めた全25曲を収録。

6

House Shoes

House Shoes The Time Ep (Tres) »COMMENT GET MUSIC
P.B.W.にJ Dillaを紹介した事や、All Cityからのリリース/一連のリエディット作で知られるベテランHouse Shoesが、Big Tone、Danny Brownらを迎えた強力シングル!

7

Girls We Like / D-Bo

Girls We Like / D-Bo Do-Over vol.4 (Do-Over) »COMMENT GET MUSIC
La発の野外ミュージック・パーティー『Do-Over』。そこから派生したレーベルより待望のアナログ・リリース第4弾! ゲートフォールド・ジャケット仕様。

8

Oh No

Oh No Ohnomite (Fdwbrk1975) »COMMENT GET MUSIC
黒人コメディアンRudy Ray Mooreの楽曲をサンプリングしたコンセプト・アルバム!

9

Seconds

Seconds Another Day (Above Machine) »COMMENT GET MUSIC
Is It Balearic?などの良質バレアリック・レーベルからのリリースで人気を博すThe Project ClubのSteve Lee手掛ける新レーベル"Above Machine"第二弾。才人Markus EnochsonとJackpotメンバーのLuciano Leivaによる才人スウェディッシュ・コンビ、Secondsによる傑作デビューEp!!

10

Lemonade

Lemonade Diver (True Panther) »COMMENT GET MUSIC
「Big Weekend」~ファースト・アルバムから約4年、遂に2枚目のフル・アルバムが到着。Us/True Pantherからのダウンロード・コード付きアナログ!!

Beach House - ele-king

 歌はつねにパフォーマンスであり、歌の言葉はつねに声に出して発せられる――声を運ぶものなのだ。(略)歌は詩よりも劇に近い。(略)
 ポップ・ソングでは、明瞭さではなく不明瞭な発声が歓迎される。そしてポップ歌手の価値は、歌詞にではなく、サウンド――歌詞にまつわる雑音――にかかっている。日常生活では、もっとも直接的で強烈な感情の表現は、あえいだり、うめいたり、笑ったり、泣いたり、などなどの、たんなる雑音と関わっている。感情の深さや真正しさは、言葉を見つけられないことによって計られる。「怖い」とか、「愛している」のような言葉になった表現だけでは、説明しようとしている心の状態には不適切に思えるのだ。これこそが歌がうたわれる第一の理由だ。そして、日々の生活で人びとは、雄弁家、女たらし、政治家、セールスマンなど、多舌の才に恵まれた人に不信を抱く。詩的であることでなく、不明瞭さこそ、ポピュラー・ソングの作詞家の誠実さの徴なのだ。
      サイモン・フリス『サウンドの力』(細川周平、竹田賢一訳)


 ヴィクトリアの歌は、まさにそのパフォーマンス、その不明瞭さにおいて圧倒的な生命力を持っている。彼女の声は中性的で(二コやマリアンヌ・フェイスフルの系譜)、そして実にありふれた、たわいものない主題を、しかし力強い、何か特別なものに変換する能力を持っているのだ。
 重厚なストリングス・サウンドがその感情の起伏をうまくサポートする。『ティーン・ドリーム』が出た2010年の1月、個人的に人生の崖っぷちに立っていた時期でもあってので(まあ、つねにそうだとも言えるが)、僕は新幹線のなかで、流れる景色を追いながら初めてそのアルバムを聴いたときに、おそろしく深い感動を覚えたのである。ポップにおいては「何が歌われるかではなくいかに歌われるか」が重要だというサイモン・フリスの分析は、我々日本人が長いあいだ洋楽に親しんでいることの根拠でもある。だからといって、『ティーン・ドリーム』を『ラヴレス』と比較しようとは思わないけれど。

 とにかく、『ティーン・ドリーム』はドリーム・ポップの代名詞となった。『デヴォーション』の薄明かりの憂鬱は、"浜辺の家"というバンド名のちょっとした逆説の延長線上にあったに過ぎなかった......が、『ティーン・ドリーム』は海から遠く離れて、いわば夢のなかを自由に歩くソウルだった。自分の感情を抑えずに行動することが自由と呼べるのなら、ビーチ・ハウスの3枚目のアルバムにはそれを誘発する力がある。"ゼブラ"、そして"ウォーキング・イン・ザ・パーク"......これらある種凡庸な主題も、しかしヴィクトリアの歌とストリングスによって、不明瞭さのなか、何か別の意味をふくらませるのである。
 我々がラヴ・ソングを好むのは、動物的な本能から来る性愛もさることながら、愛の告白にマニュアルがないように、求愛という行為が創造的でなければならないからだ。優れたポップスはときとしてそうした生活のなかの創造を後押しするものだが、2010年において『ティーン・ドリーム』はその行為におけるエースだった。最強のカードであり、切り札だった。鳴っていたら耳に入ってくる音楽であり、大衆操作や商業的戦略に支配されたポップスを本来の無垢な姿に戻すという意味においても、それは正真正銘のドリーム・ポップだった。

 買ってからまだ10日ほどしか経っていない現時点で、『ブルーム』を批評するのは難しい。基本的には『ティーン・ドリーム』の方法論の焼き直しと言える。たしかに魅力的なドリーム・ポップではある。憂鬱やためらい、それら説明しづらい感覚は、"神話(Myth)"や"時間(The Hours)"といったビーチ・ハウス節と呼べる曲からズキズキと伝わってくる。"野生(Wild)"の気だるく甘美なメランコリーも自然と耳に、いまもなお、無垢に入ってくる。彼らは自分たちの良さをわかっているし、おそらく、ファンの期待にも応えているのだろう......が、完成度という点で前作を上回っているとは言い難い。
 『ブルーム』の重大な欠点をひとつ挙げるなら、センチメンタリズムの王道が少なからず混在していることだ。とくに"他人(Other People)"のような、テレビのコマーシャルにでも使われそうなほどのMORには違和感を覚える。いわゆる「前作以上にポップになった」というクリシェで説明されるのだろうが、たんなる迎合的なメロディにも思える。
 とはいえ、まあ、たとえば1枚のアルバムを買って、そのなかに3~4曲、胸がときめくようなポップスがあれば充分に満足できるのであれば、『ブルーム』は間違いなく良いアルバムだ。2曲であれば先に挙げた"神話"と"時間"。3曲であれば"アイリーン(Irene)"。俗事におけるささやかな夢が待っている。夜、街が静かになったときに再生しよう。

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