「IR」と一致するもの

Die Antwoord - ele-king

 ここ数年間ディ・アントウッドには腹が捩れるほど爆笑させられているのだが、不思議とこの新時代のポップ・アイコンについてはあまり日本国内の音楽メディアで語られていない。
 2009年にエンター・ザ・ニンジ、ビートボーイの鮮烈過ぎるユーチューブにあがったクリップとともにメディアに姿を表したニンジャ、ヨランディ・ヴィサー(Yo-Landi Vi$$er)、DJハイテック(DJ Hi-Tek)のレペゼン南アフリカ、自称ゼフ(Zef)、ラップ・レイヴ・クルーであるディ・アントウッドを初めて見た者は、これはCGなんじゃないかって思うほど無限のツッコミ所に腰が抜ける。僕は彼らの最初のふたつのクリップを見て悶絶し、またコラボレートしていたDJソラライズ(Solirize)ことレオン・ボッサというプロジェリアのアーティストの姿を見ながら、ディ・アントウッドの強烈なメッセージ性がギリギリのバランスを持って保たれていることに感動した。それはニンジャが10年の歳月を経て築き上げたいち部のスキもない緻密な計算に基づいたものなのだ。前身ユニットのマックス・ノーマル・TVなど、それまでポップ・アイコンとしてのラップ・ミュージックの実験性を模索して来た彼の素晴らしき最終回答がディ・アントウッドであり、ネクスト・レヴェルなのだ。

 南アフリカの訛りの英語という英語圏の人間がもっとも嫌う言葉遣いを全面にフィーチャーした爆笑リリック、ユーチューブの最高のセンスな自称DIYなクリップには(自称というのはおそらく最初のヴィデオにはディストリクト9の監督であるニール・ブロムキャンプの協力が噂される)世界中のポップ・ミュージックのアイコンのパロディを詰め込んだキャラクター、そして何より南アフリカの土着性と事実をユーモアを持ってアピールしている。
 先日「アルジャジーラ」で見たドキュメンタリーで、南アフリカにあるアルビノたちのコミュニティが恐れる、いまだに息づく土着のウィッカンにフォーカスしたものがあった。それは若いアルビノの体は幸運を運ぶ魔術のマテリアルになりうるとして、アルビノの死体が金銭対象となりしばしば襲われるケースを追ったものだった。
 そう言えば、ディ・アントウッドのイーヴル・ボーイのリリックで南アフリカでの伝説の淫獣トコロシを唄ったものがあり、彼らが地元でその魔術について取材したViceの番組があったっけ(そもそもあのクリップの衝撃はさらなる高みへ押し上げたであろう程の完成度だった)。まったくもって信じがたい話だが、この地球上で文化人類学的にこれほど良くも悪くもロマンチックな土地がまだ存在するんだろうか? この衝撃は、彼らを題材にしたショート・ムーヴィーがハーモニー・コリンに監督されたりと、音楽以外の文脈でのほうが広がりがあるようだ。オッド・フューチャーといい近年のユーチューブ・カルチャーにおいて最高のユーモアで切れ味のいいジョークを披露してくれる次世代を日本でももっと期待したい。片桐えりりかの素股ギターはアングラ・ミュージックの各方面からも話題だったが、僕はあれではモノ足りないのだ(僕はSUNN O)))のスティーヴンのブログで逆輸入的に知った)。

 〈インタースコープ〉との決別を経て、自身の合い言葉である〈Zef〉(南アフリカのスラングで呪いの言葉である)レコーズを立ち上げ、取り巻く巨額の金を管理し、新たにドロップした今作、よりダークに病んだヴィデオ・クリップ、よりスカスカのチャラーいトラックに乗るニンジャとヨランディ、そして(毎回異なるコラボレーターである)覆面DJハイテックの壮絶なスキルとリリック......、それは笑わせられながらもこちらの暴力衝動を掻き立てる魔力を秘めている。

■オブ・モントリオール @ウエブスター・ホール(3/30 & 3/3)

 オブ・モントリオールが3月末、2日連続でニューヨークの1000人規模の会場、〈ウエブスター・ホール〉に登場した。2日ともオープニングを変え(30日:ハード・ニップス、コンピュータ・マジック、31日:キシ・バシ、ロンリー・ディア)、セット・リストも少し変えた。両日行っても十分に価値のある演出だった。初日観て、翌日も行ってしまった人も少なくなかった。
 メンバーは、前回のツアーから比べてぐっと削ぎ落され、8人だった。演奏もタイトになっていた。新しいメンバーのサックスプレイヤー、パーカッション、ドラマー、バイオリンが、オブ・モントリオールの音をさらにフレッシュに、そしてセクシーに活気づけていた。
 フロントマンのケヴィンは、1日目はグレイのスーツに、下は赤のフリルシャツ、2日目は白のラインが入ったスカイ・ブルーのジャケット、下も青のシャツと鮮やかな色。目にはブルーのラメ・アイシャドーとファッションも抑えめながらいつも通りだ。他のメンバーも 多色使いのエスニック・パターンのポンチョ(BP:ギター)、白のAラインのワンピース(ドッティー:キーボード)、全身シルバーのラメのトップ(ザック:サックス)はなど、他のメンバーの個性的なファッションも全体のバランスを保っていた。
 ショーは、ニュー・アルバム『Paralytic Stalks』からの曲がほとんどで、1曲目はケヴィンがキーボードを弾きながらはじめた。今回のツアーでは、ケヴィンは、キーボード、ギター、ヴォーカル、そしてパーカッションなどさまざまな楽器も手がけていた。曲前半に白の風船を観客に向けて飛ばし、それがセット中いろんな所でふわふわしている演出で、スクリーンをそれぞれのメンバーの前において、サイケデリックなヴィジュアルと曲をシンクさせたり、いつものボディースーツのメンバーが所々に登場し、そして曲を盛り上げ、ケヴィンに絡んだり、奇天烈なパフォーマンスをぶちまけた。

 このアルバム『Paralytic Stalks』で、ケヴィンは自分の人生について突き詰めている。基本的に彼のアルバムはパーソナルなものだが、今回もさまざまな苦しみや、葛藤、精神的な危機、さらに「人間とは」というユニヴァーサルな域にも達している。楽器的にも、ペダス・スティール・ギター、ホンキー・トンク・ピアノ、チェロ、ホーン楽器など、いままでとは違う要素を取り入れ、いままでに使ったことのない手法で新しい曲を創造している。ケヴィンの表現がオーディエンスを引きつけて離さないのは、こうした深さがあるからだ。

 2時間ほどのパフォーマンスはいままで見たオブ・モントリオールのなかでも力強く、完成度も高かった 。ステージ全体をカレイドスコープのように使ったマジカルな音楽オーケストラはとてもリズミカルだった。私は1日目はいちばん前、2日目は2階席から見た。全体が見渡せる2階席からは、リズムをキープするバンドの姿、そして彼らが本当に楽しんで演奏している一面も見れた。スクリーンにはバックとフロントでは違う映像が映し出され、シンク感覚も興味深かった。スピリチャライズドをもう少しカラフルにした感じとでも言おうか、オブ・モントリオールをフジロックで見たら、曲といい、演出といい、場所とも自然とも、シンクロするのだろう。アンコールはアルバム『Skeletal Lamping』(2008)、『Hissing Fauna, Are You The Destroyer?』(2007)などからの往年のヒット曲を集めた物だった。バランスの取れた選曲の良さもショーをより価値のある物にしていた。

 観客は圧倒的に若者が多い。バンドをなかばアイドル化している感もある。ケヴィンやBPが少しでもステージ際に近づくと、みんな手を伸ばし、彼らに触れようとする。BPがアンコールで観客にダイヴしたときには、大騒ぎになり、後ろのほうまで流されていってしまった。

 ショーの後、ケヴィンといろいろ話した。彼は私と会うたびに、〈コンタクト・レコーズ〉がオーガナイズした最初の日本ツアーがどれだけ楽しかったのかを話する。日本の観客が熱く受け入れてくれたことに感動し、彼ら自身が心から楽しめたと語る。「あのときは日本のオーディエンス本当に僕らを好きだということがわかったんだ」と彼は言った。そのショーの最後の曲を演奏し終えると、ケヴィンは感極まってダイヴした後、そのままダンス・パーティに流れ込み、朝までみんなで踊った。「こんなことはほとんどない」と、彼は言う。商業的に成功したわけではなかった。贅沢なホテルに泊まれたり、ギアなども誰かが用意してくれるようなツアーでもなかった。それでもバンドにとって、最初の日本ツアーは最高の出来事だった。実はその後も彼は、何度か日本に戻っている。が、しかし、そのときはもう「日本の人はそこまで僕らのことを好きじゃないのかもね」と言っていた。


■ワイルド・フラッグ@ウエブスター・ホール(4/1)

 ......というわけで、私は3日続けてこの〈ウエブスター・ホール〉に来ている。今日はワイルド・フラッグのライヴだ。スリーター・キニーのキャリー、ジャネット、ヘリウムのメアリー、マインダーズのレベッカというガールズ・スーパー・バンドである。昨年10月のCMJで見て以来、私のなかでナンバーワン・ライヴに位置づけられている彼女たちのパフォーマンスを再び見に行った。チケットはもちろんソールドアウト。

 観客は、スリーター・キニーのファンだったに違いないある程度の年齢層(?)から最近の若者まで幅広かったが、昨日のオブ・モントリオールに比べると女の子が多かった。物販にはCD、レコード、Tシャツ、メンバーの顔Tシャツがあった。それらはショーの前から景気良く売れていた。
 オープニングはレーベル・メイト(マージ・レコーズ)であるホスピタリティ。彼女たちもCMJ(このときもワイルド・フラッグの前座)で見ているが、全体の印象的はまあ、......あどけないよちよち歩きの赤ちゃん。演奏はしっかりしているが、良くも悪くも若い。ナダ・サーフ(今週末4/6,7と2連夜でNYに戻ってくる!)のオープニングだったパロマーやラ・ラ・ライオットに音的にも姿的にも被るところがあった。

 さて、ステージにスモークが降り、ワイルド・フラッグが登場。メアリーは赤と黒の太めボーダー・シャツに黒のタイトパンツ、キャリーは黒のシャツ黒タイト・ジーンズ、ジャネットは幾何学模様のワンピース(自分用の扇風機持参)、レベッカはベージュのトップに黒のミニスカート......とメンバーの個性もばっちり。
 後ろからスポットライト、さらに電飾の色がめくるめく変わっていきステージに色を添える。オープニングはメアリーのヴォーカル曲でスタート。その後はキャリーと交互にヴォーカルをチェンジする。バンドのなかにヴォーカリストがふたり(メアリー、キャリー)、ギタリストがふたり(メアリー、キャリー)、ベースがなくて、キーボード(レベッカ)とドラム(ジャネット)。ふたつバンドができそうだ。

 今回はCMJで見たときとくらべ、がつんと来ることはなかった。別に演奏が悪かったわけではない。1回観ているため何となく読めてしまったのか、彼女たちが演奏を重ねて新鮮さが抜けてしまったのか......はわからない。観客を引きつけるパワー、ただならぬオーラーは相変わらずだが。
 私は写真を撮るために2階席にあがり、「1分だけ写真を撮らせてください」といちばん前にいた女性に頼み込んで写真を撮っていたら、本当に1分で「タイムアウト!」と後ろに返されてしまった。1分も見逃したくないほど好きなのだ。申し訳ない気分になった。
 ステージのいちばん前には男の子もかなり居て、一緒に歌など口ずさんでいる。メアリーとキャリーのギターの絡み、キャリーがバスドラの上に載って、ギターをかきならし続けるパフォーマンス(しかもハイヒールで!)などはワイルドフラッグの姿勢を表している。これこそ女の子がお手本にしたい、男に媚びないバンドの姿である。ラスト・ソングはシングル曲"ロマンス"で、シンガロングが会場に響き渡る。アンコールは、ビーチボーイズの"ドゥ・ユー・ウォナ・ダンス?"などのカヴァー・ソングを披露。

 今回ワイルド・フラッグを見に行った理由のひとつに、野田編集長から日本ではワイルド・フラッグはアメリカのように知られていないし、そこまで盛り上がっていないと聞いことがある。今回のオーディエンスはインディ・キッズからもっとゆるい音楽ファンまでいろいろだが、ショーに行くという行為はアメリカではお茶を飲みに行くのと同じぐらい日常的な行為だ。ライヴがはじまってもひたすら友だちとぺちゃくちゃお喋りして、飲み続けている人たちも少なくない(日本ではライヴ中に喋っていると怒る人がいるらしい!)。そもそもライヴとは、ビールを飲みにいったらバンドもやっていた、じゃあついでに見ていこうか、なんてのりだ。まあ、〈ウエブスター・ホール〉という場所がファンシーで、アンダーグラウンドではないのだけれど、ワイルド・フラッグはインディのなかでもより一般の人にも受け入れられている。音楽に使えるお金をそこそこ持っていて、前売りチケットを1週間前からオンラインで買う層である(byトッドP)。
 日本ではライヴを見に行くとなると、何かあまりにも特別な行為なのかもしれない。自分が楽しみたいというより、もっと緊張感のあるものなのだろうか。アメリカでライヴを観ることは、もっとリラックスしているし、テキトーだ。この考えの違いが日本でまだまだインディが受け入れられない理由なんだろうと思いつつ、ワイルド・フラッグの熱狂的なライヴを観ていた。日本とアメリカの温度差の違いもあるだろうし、言葉がわからないというハンデもある。しかし、ホントはシンプルに楽しめばいいだけのことなんだけど。

Chart by JET SET 2012.04.09 - ele-king

Shop Chart


1

SLUGABED

SLUGABED SEX »COMMENT GET MUSIC
300枚限定リリースされたリミックス・プロモ12"もヒット中、スクウィー勢との交流も盛んなカラフルUKベース人気者Slugabedが、淡く美しいシンセが舞う名曲を届けてくれました!!

2

CUT CHEMIST

CUT CHEMIST OUTRO (REVISITED) »COMMENT GET MUSIC
トラックメイカー/DJ/コレクターとして世界的に知れ渡るCut Chemistがおよそ2年ぶりとなる新作をリリース。盟友DJ Shadowにも見られたハードロック/ノイズへ接近したキラー・ブレイクビーツを展開!

3

MIND FAIR PRESENTS NO STRESS EXPRESS

MIND FAIR PRESENTS NO STRESS EXPRESS REACH THE STARS »COMMENT GET MUSIC
Theo Parrish & Legowelt Remix収録で話題を集めた"International Feel"17番「Kerry's Scene」にて堂々のユニット・デビューを飾った注目の敏腕ユニットによる注目の第二弾。

4

KURUSU

KURUSU LOCAL ANESTHECIA »COMMENT GET MUSIC
Black Smokerミックス・シリーズにKurusu(Future Terror)が登場!Future Terrorのカラーを十二分に反映させた、ハメ系ディープ・ミニマル・ミックスを収録!

5

ERIK OMEN

ERIK OMEN GRADE E / PAYPHONE »COMMENT GET MUSIC
Midnight JuggernautsのDanielが運営するSiberiaからのニュー・カマー、Erik Omen!!衝撃的に最高すぎるデビューEP、遂に入荷しました!!

6

QUANTIC & ALICE RUSSELL WITH THE COMBO BARBARO

QUANTIC & ALICE RUSSELL WITH THE COMBO BARBARO LOOK AROUND THE CORNER »COMMENT GET MUSIC
数々の名曲を産み出してきたQuanticとAlice Russellのコンビが、キューバン・プロジェクトCombo Barbaroと組んで作り上げた待望のニュー・アルバム!!

7

KINDNESS

KINDNESS WORLD, YOU NEED A CHANGE OF MIND »COMMENT GET MUSIC
あの「Swingin' Party」から3年。遂に届きました。めくるめく引用、揺れ動くグルーヴ、淡いファンクネス。これこそ最先端のインディ・アーバン・シンセ・サウンド!!

8

SAN PROPER

SAN PROPER ANIMAL (RICARDO VILLALOBOS REMIXES) »COMMENT GET MUSIC
鬼才San Properがリリースを控えるデビュー・アルバム『Animal』から、Ricardo Villalobosによる超強力作をカップリングした話題の先行リミックス・カットが到着。

9

UNKNOWN ARTIST

UNKNOWN ARTIST UNTITLED »COMMENT GET MUSIC
これは最高です。ニュー・ディスコのようでシンセ・ダンスのようでハウスのようで、そのどれでもない。ディープで爽やかなブリージン・シンセ・ディスコ・キラー!!

10

FEADZ & KITO

FEADZ & KITO ELECTRIC EMPIRE »COMMENT GET MUSIC
説明不要のフレンチ・エレクトロ天才Feadzと、Skreamに見出され、タッグ名義ではMad Decentデビューも飾ったオージー・ブロンド美女ダブステッパーKitoによる電撃コラボ盤が登場!!

Paul McCartney - ele-king

 野田努からある日突然メールがきた。彼からの連絡はいつも思いがけないタイミングで、思いがけない内容でやってくるものなのだ。しかも執筆を生業としてるのにメールはいつも素っ気なくて、最低限の文字数(そしてたいてい謎めいた)ことしか書いてない。
 で、今回やってきたのはポール・マッカートニーの新譜についてどう思うかということだった。彼はよく知ってるのだ。僕がジョン・レノンの話ばかりするくせに、実はポールを聴いてることのほうが多いってことを。
 野田氏と僕とのあいだには実は密かな取り決めがあって、それは毎年ジョン・レノンの命日の12月8日には、僕が彼の留守番電話に、その年いちばん、身近に感じるジョン・レノンの曲を残しておくというものだ。いったいどうしてそんなことをはじめたのかいまとなっては覚えていないけど、かれこれ10年ぐらい続いてるのではないだろうか。彼はほとんどの場合、そのメッセージについてコメントどころか返事もしないけど、実はちゃーんと聴いてくれていて、語らずともその 歌について思いを馳せ、そして僕同様ジョンのいる世界といない世界について考えていることはお見通しなのだ。

 とポールのことを書くのにジョンの話からはじめたのは、ポールを語るには、ジョンと比べるのが一番てっとり早いからでしかない。
 ジョン・レノンはいまや聖人とも言っていいぐらいのアイコンと化していて、彼の音楽や社会的な活動についてはもうあらためて語るまでもないのだけど、ビートルズ=ジョンというのは誤った考えだ。折よく、先日、われらが首相、野田総理大臣(野田努のことじゃなくて)がTPPへの参加を言い訳する際に、アメリカをジョン・レノンに日本をポールに例えたけれど、TPP問題参加の是非や野田総理の資質はさておき、そしてアメリカがジョン・レノンにあたるのかどう かもおいとくとして、ビートルズにおけるジョンとポールの立場と関係の理解という意味では間違っていない。
 ジョンはポール無くしてはジョン・レノンになれなかったし、ポールもジョンなくしてはポールになれなかった。ついでに言えば、ジョージとリンゴがいなくてもビートルズは成立しなかったけど。

 
 ジョンがビートルズを精神的な意味で牽引し、名曲をたくさん残していることは疑うまでもないことだけど、実際のところ、ビートルズにそれほど思い入れのない人でさえ知ってるような、誰にでも口ずさめるような曲を書いてるのはポールである。ファンなら誰でも知ってるように、ビートルズの楽曲でジョンかポールが作った曲は、デビュー契約時の取り決めで、たとえどちらかが一人で作った曲でもLennon/McCartney名義にすることになっていた(それがのちに揉める理由でもあるわけだ)。実際、初期のビートルズはふたりの共同作業で生まれた曲がほとんだが、中期以降はほぼそれぞれひとりで作曲するようになっていった。ひとりで書いた曲というのはそれぞれの個性が際立っているし、たいていの場合自分で書いた曲は自分で歌うから見分けるのもそれほど難しくない。当然、"イエスタデー"、"ヘイ・ジュード"、"レット・イット・ビー"などといったような往年のスタンダード・ナンバーはポールの手に よるものだ。ジョンも"オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ(愛こそはすべて)"とか、"ストロベリーフィールズ・フォーエヴァー"、"アクロス・ザ・ユニヴァース"などのスタンダード級の曲を書いてるけど、実は興味深いことに、ポールのスタンダードが、どんなアレンジでも原曲の良さをそれほど損なわないのに対して、ジョンのカヴァー・ソングというのは原曲の良さがまったく伝わらないものがほとんどだ。
 これはひとえに、作家性によるものだと思うけど、ジョン・レノンは人格や思想や生きざまが歌に直接投影されているがゆえに、そこにジョンの声が乗らないとそれが伝わってこないのだけどポールについて言えば、作家性は強くても、生理的なエモーションは別として精神的なあるいは思想的な(そもそもポールに思想と言えるものがあるとしてだが)背景が曲に投影されていないから誰の手にかかってもそれなりに聴こえるのだと思う。そしてその分、カヴァーする側にも自由に表現しやすくなるのだ。端的に言えば、楽曲、とくにメロディーがわかりやすい。奇をてらっていないのに独創的なポール節みたいのはアルバム『ヘルプ』のあたりには、もう完全に確立している。

Paul McCartney / Kissed On The Bottom ユニバーサル

Amazon iTunes

  さてさて前置きが長くなった。問題作といわれているらしい、ポールが影響を受けたお気に入りのジャズ・スタンダードを集めた『キス・オン・ザ・ボトム (Kissed On The Bottom)』だが、結論から先に言うと、ポールの作品を追い続けてきた一ファンを標ぼうしてやまない僕がまず思ったのは「こりゃひどい!」だった。
  天才ポール・マッカートニーといえど駄作はある。というか、良かったのは『フラワーズ・イン・ザ・ダート』までで、90年代に入ってからのポールはお手盛りの作品しか作らなくなっていったし、その手の作風は1980年発表の『マッカートニーll』までに書き尽くしてしまった感があるから、ファンのほうも 「ああ、これだったら○○のほうが良かった」、となってしまうのである。
 こうやっていちおう世のなかに向かってポールについて語る以上、もういちど駄作と思っていた作品も全部聴きなおしてみたが、評価は変わらないとしても、ポールの駄作というのはあのポールだから駄作なのであって、そこら辺のミュージシャンの作品ならそこそこ上出来なクオリティのものがほとんどなことは付け加えておかなければいけないだろう。

 しかし、今回の『キス・オン・ザ・ボトム』がひどいというのはちょっと意味が違う。
 そもそもポールが歌うスタンダード・ナンバーっていうところが矛盾していて、このアルバムで歌われてるどの曲より、ポールの作ってきたいくつかの曲のほうがずっとスタンダードになってるからだ。それはいいとしても、このアルバムを聴いていて気付いたのは、ポールは自分の作曲した歌しか歌えない人なのだということだ。もちろん聴くに堪えないとかそういう話ではない。でも最高にキメてるときのポールの曲のようにはポールは他人が作った歌を歌えないということである。ポールのスタイルが確立する以前のビートルズ初期のカヴァー・ソングは別としてだが。
 アマゾンでの『キス・オン・ザ・ボトム』のカスタマー・レヴューなんか読むと、僕よりもコアなポールのファンや、ジャズ・ヴォーカル愛好家たちのそれこそ真っ二つに分かれて賛否両論あるが、たしかにジャズの王道から外れているにしても、これがスティングあたりだったらこんなには叩かれないだろう。
 僕はポールの声がジャズ向きかどうかということにはあまり興味がない。むしろ気になったのは、せめて90年代のポールならこんな安易なアルバムは出さなかっただろうということだ。自分も含めて、それほどコアなファンたちはまだポールに期待しているのだ。
 たとえばポールは過去にジョンを意識してかオールディーズのロックナンバーのカヴァー・アルバムをリリースしている。このアルバムも良いとは言えないけど、まだ覇気はある。『キス・オン・ザ・ボトム』をダメにしてるのは安易な企画、眠気を誘う凡庸な演奏、そこは百歩譲るとしても、避けがたいのは、 ポールの声の老齢化だ。

 そう老齢化。じつはここがいちばん気になった点だった。考えてみれば、ポールももう齢70の峠を越しているのだ。
 ポールは作曲スタイル同様、いくつものヴォーカル・スタイルを持っていて、激しい曲を歌うときは"ヘルター・スケルター""ホワイ・ドント・ウィー・ドゥ・イット・イン・ザ・ロード"で聴けるようなひずんだ割れたような声、もちろん"イエスタデー"や"マイ・ラヴ"を歌うときのような切なく甘い声、前述のオールディーズなどを歌うときの軽快なノリ、"カミング・アップ"などのプラスティックでちょっと壊れちゃった人の感じの声、そして彼の好きなデキシーランド・ジャズやラグタイム調の曲を歌うときのどこかおどけていて気取った調子のスタイル。これらはほとんどがビートルズ時代に確立してしまったものだけれど、ピークに達したのはウィングスの最後のアルバムとなった『バック・トゥ・ジ・エッグ』だろう。"ゲッティング・クローサー"のあの軽快でポップな調子、"オールド・サイアム・サー"でのキー限界寸前の終始シャウト気味の声、"アロウ・スルー・ミー"でのようなまるでボズ・スキャッグスばりのAOR調。『バック・トゥ・ジ・エッグ』 には『キス・オン・ザ・ボトム』のボーナス・トラックにも含まれている"ベイビーズ・リクエスト"の気だるげなラグタイムも収録されている。1979年当時シングルのB面でしかなかったこの隠れた名曲のリメイクを期待して『キス・オン・ザ・ボトム』を買ったコアな日本のファンがどれだけがっかりしたかは想像に難くない。

 ホームラン・バッター並みにヒットを打ちまくる作曲家としての能力同様、シンガーとして変幻自在の球を投げる名ピッチャーでもある。いや、あったポールにいったい何が起こってしまったのか。

 それは間違いなく老齢化だと思う。まずは以前のような高いキーが歌えなくなってしまったこと。それと声が意図的ではなく老化のために終始鼻にかかっていて、音抜けがしなくなってしまったこと。そしてもちろんパワーもなくなってしまったことなどなど。そしてそれを誰よりも本人がよりもわかってるから、あえて口ずさむようなスタイルで歌えるスタンダード・ナンバーばかりを集めたのではないだろうか。


 ポールに何が起こったのか知りたいがために、ポールの作品をビートルズ解散直後の『マッカートニー』から時代順に現在に至るまで聴きなおしてみることにした。


 ポールは20世紀後半から21世紀前半まではワールド・ツアーをしまくっていた。したがって、その時期はライヴ・アルバムが中心で、ツアー中だからどうしても声が荒れてしまうのは仕方ない。そして、それらの時期を経て出されたオリジナル・アルバム『ドライヴィング・レイン』から、明らかに声質の老齢化が見られる。高い声が抜けなくなり、つねに鼻にかかったような声になっている。声が鼻にかかるのは、そこだけ取れば味はあるのだけど、どうしても表現にヴァリエーションが出てこない。ギター一本で歌う老ブルース・シンガーだったらそれもありだが、ポールのように多種多様な音楽を作れるアーティストにとってはかなり厳しいものがあると言わざるをえない。

 その傾向はその後に続くアルバムでもさらに顕著になり、今回の『キス・オン・ザ・ボトム』もポールの自作の曲よりも音域のレンジの狭いスタンダードナンバーを集めて歌ったとしか思えない。

 そうは言ってももっとも危惧していた、ミューズの女神が去ってポールの音楽の才能そのものがなくなってしまったというわけではなさそうだ。なぜなら、直前に元キリング・ジョークのユースとの覆面ユニット、ザ・ファイアーマン名義による『エレクトリック・アーギュメンツ』では、1曲目から"ヘルター・スケルター"以来と言っていいハード・ロック調の曲、"ナッシング・トゥー・マッチ・ジャスト・アウト・オブ・サイト"が聴けるからだ。ビートルズ時代に、"ヘルター・スケルター"があれほど物議をかもした曲なのを考えると、自分が知るかぎり、同様の曲調で作曲してこなかったことが不思議にも思える。"ナッシング・トゥー・マッチ・ジャスト・アウト・オブ・サイト"ではフル・ヴォイスのシャウトを惜しげもなく開陳している。
 ザ・ファイアーマン名義という匿名的なリリースをしてきたにも関わらず、ポールはこの作品では歌い、PVも制作し、制作風景まで公開している。顔出しすることになったのはいろんな事情があるだろうが、プロデューサーのユースがいくらアンダーグラウンドの傑物であってもポールがたどってきた世界とは商業的にも文化的にも社会的にも明らかにステージが違うそのふたりがスタジオのなかではまるで親同士のしがらみを気にしない近所の子供同士が戯れるように制作を楽しんでいた。
 ユースもポールの声質の変化に気づいたかもしれない。そしてそれはポールの声の問題を補填しようと思ったのかもしれない。『エレクトリック・アーギュメンツ』でユースは、メジャー・レコード会社からリリースされるポールのソロ名義のアルバムでは決してあり得ないだろうオーヴァー・プロデュースをしている。それが理由かどうかはわからないが、この作品はユニバーサルからは発売されず、インディーからのリリースとなった。それが逆に功を奏して、ポール・マッカートニーの近年のどの作品にもなかったような斬新な切り口を見せてもいる。ユースが関わってきた、たとえばジ・オーブのアレックス・パターソンと制作をしているときのような。

 もうひとつ気づいたことがある。ビートルズ解散以降、たまに傑作、あるいは傑作とはいえないまでも良質なソロ・アルバムを出した影には、いつも優れたプロデューサー、優れているだけではなくてポールの音楽の良き理解者がいることだ。ビートルズに音楽教育を施したと言ってもいいジョージ・マーティンはもちろんだが、ELOのジェフ・リン、エルヴィス・コステロもそうだ。彼らに共通してるのは、彼ら自身がポール・マッカートニーのファンでもあるということだ。
 それはジョン・レノンとフィル・スペクターの関係とも違う。フィルはもちろん伝説のプロデューサーだが、ジョンの音楽性そのものに影響を与えているようには思えない。あくまでもジョンの曲をテクニカルにサポートしているという印象だ。むしろジョンがフィルの世界観を利用したというべきか。
 いっぽうポールのほうは、その逆で良い演奏家が弾くと良く響く名器のように、プロデューサーがポール・マッカートニーという名器を演奏するイメージとでも言ったらいいだろうか。

  ポールが1971年にIRA問題を嘆いて"Give Ireland Back To The Irish(アイルランドに平和を )"をリリースした際に、出自は忘れたがどこかの英紙のレヴューが書いた辛辣な一言。「ポール、君は物を考えなくていい。音楽だけ作ってろ」を思い出す。

 残念なことだが、ポールの声が昔のように戻ることはないだろう。ヴォーカリストもアスリート同様、年齢による影響は免れようがない。加齢によって声帯は変化してしまうものである。自分の経験的な理解では、歌い続けていることを前提として、ヴォーカリストの声が円熟に達するのは、多少の差こそあれ20代後半から40代前半にかけてだと思う。つまり30代でピークに達するのだ。音域を保ちつつ、声帯も鍛えられ、パワーがありつつ安定もしているという状態だ。
 微妙な話なのだが、これは自分がどういうタイプの声が好きか嫌いかの話ではなく一般論として考えた話だ。これをさっき引き合いに出した楽器で例えると製造後何年経っていて、どのくらいの湿度で、どんな場所で奏でるかというような話。さらにポールの場合は 念がいっていて「誰が」演奏するかによってその響きがぜんぜん違うということだ。

 そう、それはポール・マッカートニーと呼ばれる名器なのだ。

 と、ここで終われば、「ポールは物を考えなくていい」という前述の記事に同調していることになってしまう。今回の『キス・オン・ザ・ボトム』がきっかけで過去の作品を聴きなおして思い至った前述の私見は考えた末の結論だが、かと言ってポールが自主性のない操り人形だと思っているわけではまったくない。
 むしろ言いたいのはポール・マッカートニーというアーティストはジョン・レノンとは対極的なアーティストであって、ジョンを思想家や活動家に例えるなら、ポールはマイスターであり発明家ある。思想や人生観を音楽に投影することはないが、ビートルズの中で音楽的な側面で時代を鋭敏に先取してきたのは常にポールであった。同時にビートルズで名声を勝ち得た後でさえ、現代音楽の作曲家ルイジ・ノーノに師事したことからも分かるように、歴史に対するアプローチもおろそかにしない。その結果として過去の文化を咀嚼しながら誰もが聴いたことのなかったものを、しかも大衆音楽という形で提示してきたのはポールである。それはビートルズ解散後のそれぞれの軌跡を追うことでより明確になる。ジョンが政治的な活動に没頭していく反面、音楽的な実験精神が薄れていくいっぽう、ポールは、好んでやまないデキシーランド・スタイルの音楽の源泉を探るためにアメリカ南部を訪れ、ウイングス時代の『ヴィーナス・アンド・マーズ』は、その直後に制作されている。そうして出来上がったものは、アメリカ南部をルーツとするフォーク・ミュージックとは似ても似つかないものだが、それこそがポールの偉大たる証拠なのだ。過去の文化を咀嚼しつつまったく違うものを作ってしまう。しかしそこには根深く歴史への敬意がこめられていることをひしひしと感じる。
 その姿勢は近年も変わらず、ポール・マッカートニーとしてメインストリームでの制作をする傍らも、前出のザ・ファイアーマンや、近年はトゥイン・フリークス名義で自身の曲を全部マッシュ・アップさせる(だからメジャーに睨まれるのかもしれないが)などアンダー・グラウンドへのアプローチも忘れない。かと思えば、『リヴァプール・オラトリオ』のような交響曲まで手がける。

 「無人島で一生暮らすとして持っていくものは?」みたいな質問をされるときは、僕はいつでも『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』と答えることにしている。理由は簡単で、そこにはビートルズに、つまりはポールに咀嚼された形での、有史以来の音楽の結晶があると思うからだ。そしてこのアルバムこそポールの作曲面での才能が完全に開花したときの作品なのである。

 ポールは「考える人」ではないかもしれないが、「感じる」人である。それは彼個人のパーソナルな「感覚」のように見えながら、その実、歴史に根を張り、時代の風をいっぱい受け、マイスターの手によって産み出されたものなのだ。弘法も筆をあやまる。むしろだからこそ、どんな時でも次作への期待を抱かせ続けてやまない。往年のファンがどこまでもついていくのもそれが故だと思う。
 ポール・マッカートニーという名の物語は、彼が生きている限り続くことを僕は信じたい。


ポール、あなたはスタンダードなんて歌わなくていい。スタンダードを作るのがあなたの仕事なんだから。

SXSW 2012 - ele-king

SXSW
@SXSW, Austin, Texsas,U.S.A.
Mar 13-18

 3月下旬、僕はアメリカはオースティンで開催されたSXSWに初めて行った。高校生の頃から注目してきたイヴェントだったので、念願の初参加だったわけだが、僕が当時勝手に期待していたものとは違っていた。SXSWに見ていた自由は、僕が憧れていたときよりもかなり薄れている気がして、不完全な感じで終わってしまった。
 SXSWは、海外の音楽関係者、音楽ファン(近年は映画/インタラクティヴアートもスタート)に向けてプロモーションをおこなう世界最大のコンベンション・フェスティヴァルとして知られているけれど、近年あまりにも規模が大きくなりすぎて、逆に自由な気風を損ねているように感じた。毎年参加してる日本人の方に話を伺ったときも、参加する必要性や需要が見えにくくなっているのことだ。早い話、関係者>ファン。この構図の差があまりにも開いている気がしたし、フェスティヴァルと謳っている以上、そのバランスの見極めって絶対大事だ(関係者が入り終わるまで一般の人は入れないというシステムなど)。旅行気分で参加するとたぶん損します!

 僕がやっているイヴェント(BATTLLE AnD ROMANCE)はもともとSXSWのような、いろんなジャンルのアーティストが集まり、音楽に留まらず、アートやカルチャー、ファッション、そしてオーディエンスの音楽観をもクロスオーヴァーさせる自由度の高いイヴェントを目指して、かつ活気のない日本の音楽シーンとリスナーの現状を少しでも変えたいと思い立ち上げたので、もちろん細かい部分にフォーカスすれば参加したことによって新しい発見や得たものもたくさんあったように思える。
 開催中、僕がとくに気になったのが、とにかくこっちは若い世代の参加者が多いことだ。その勢いの凄いこと(ヴェニューによってはパスを持ってなくても無料、しかもオールエイジで入れるところも数多くあった)。なかにはドラッグをやってただ騒いでるだけの連中も居たが、実際こんな時代に現実逃避したくないほうが希有だと思うし、日本のうじうじした若いリスナーよりは全然マシだと思った。
 これはSXSWではないのだが、SXSW終了後、SANT ANAにあるTHE OBSERVATORYというヴェニュー(日本でいうWWWをもっと大きくしたような会場)で開かれた、〈BURGER RECORDS〉主催のイヴェント、BURGERAMA(WAVVES、OFF!、STRANGE BOYS、FIDLARなど出演)に行ったときにも強く思ったことで、とにかくこっちはイヴェントによってリスナーがあまり分散されない。やはり若い世代のリスナー中心で、お洒落な子から、ヤンキー、オタク、家族連れ、すべてがうまい具合に会場に集まっている。その光景を見て、リスナーとイヴェントの相互距離感のバランスの良さみたいなものや、純粋にイヴェントの質がいいのか、単純に環境の違いなのかなど深く考えさせられた。
 僕のイヴェントは、とくに若い世代の子にたくさんライヴに来て欲しいという意図もある。音楽と同じで、若さにはそのときにしか出せない衝動や、そのときにしか許されない夢や希望がきっとある。そしてそのときに出会っておくべきもの、もちろん音楽がきっとあるし、僕のイヴェントがそういうひとつの方法や手段になればいいなーと勝手ながら思っている。
 中学生の頃、ザ・ヴァインズの"ゲット・フリー"を聴いて僕の人生は大きく変わった。"ゲット・フリー"は、クレイグ・ニコルズという幼気な青年が荒々しく、しかしとても繊細に自由を求め叫んでいる。ニリヴァーナでもザ・ビートルズでもない。僕が当時求めていたものがザ・ヴァインズには備わっていた。中学といういちばん多感な時期に、ロックミュージックに出会えたことによって、大げさかもしれないけど、僕には信じるものが出来て、自分の価値観に広がりが生まれた、人生が豊かになったし、とにかく聴いていて毎日が楽しかった。音楽にはそういうパワーがある。音源で聴くよりもライヴはそのさらに何倍も良かったりする。僕はロック独特のグルーヴ感だとか、多幸感に魅了されてどんどん音楽やロックにのめり込んでいって、いろんな音楽に出会った。ザ・ストロークスやザ・ホワイト・ストライプス、ザ・リバティーンズなどのロックンロールイヴァイヴァルと言われたバンドはほとんど聴いた。アークティック・モンキーズ以降のイギリスのバンド・ブーム時なんかは、暇さえあればmyspaceを開いて、フレンドリストから新しいバンドを探した。
 最近のロック・シーン、ことイギリスのロック・シーンに関しては活気がない状態が続いている。とても残念で仕方ない。SXSWの会場でイギリス出身のバンド、BITCHES(COMANECHI、BO NINGENなどを以前サポート)のギターのブレイクが僕との会話で言っていたのだけれど、「とにかくいまはイギリスから出たくて仕方ない、僕たちみたいなバンドに対するリアクションは酷いし、もうイギリスには何もないよ」と。
 今回僕がアメリカで見れたシーンなんてほんのいち部なので大きなことは言えないが、僕がSXSWとこの期間に見たライヴのなかでとくに良かったのは、ZZZ'S、GAGAKIRISE(ともに日本のバンド)、あとはGIRLS、FIDLARくらいで、ジャパンナイトでZZZ'Sが見せてくれたロックンロールや、GAGAKIRISEのライヴのあの熱量は日本の音楽シーンに差し込んだ光だ。これはポジティヴな出来事だ。
 日本のシーン全体を見渡せばもちろん不完全だけれど、それは逆に言えば当たり前のことで、TADZIOや、JESSE RUINS、THE EGGLEなど、ロックンロールを提示する側ではなく、むしろさせる場と環境がいまの日本にはもっと必要だ。そしてバンド(これはリスナーにも言えることなのだけれど)はひとつのコミュニティーに属さないでどんどん自分の敷居から外に出て行くべきだ。きっともっと面白いことが起こると思う。信じよう。先はたぶん明るい!

RAZIKA - ele-king

 イーライ・ウォークスの取材が終わって、渋谷へダッシュ。山手通りでタクシーを拾い、道玄坂上で渋滞しているのでタクシーを飛び降りて坂を下り、そのままホテル街へ、エレヴェイターに駆け込み、受付までさらにまた50mダッシュ。こう見えても僕は中学時代は陸上部だったので快速なのである......などと自慢している場合ではない。お金を払っていると、ちょうど"ユース"(アルバムの1曲目)のギターのリフとコーラスが聴こえる。螺旋階段を下りて扉をあけてハイネケンを手にしながら目を前方にやる。満員の会場の向こう側のステージにはノルウェーからやって来た4人のキュートな女性が演奏している。すでに会場の1/3は踊っている。「来て良かった!」と思った。
 そしてラジカは、最後まで幸せな気分にさせてくれた。決してうまい演奏ではないが、とくに目新しいことのないスカのビートで身体を揺らすことが、こんなにも気持ちが良いことだとあらためて感じた。なにせ彼女たちは見た目をきまっている。ツチャツチャツチャツチャと刻まれるギターとともにオーディエンスも大はしゃぎ。いいぞ、お姉さんビールをもう一杯! いや、すいません、「女を見たら女中と思うな」と叱らないでください。しかし、ラジカにはそんなことも許してくれそうな大らかさがあると、勝手に妄想する。まわりくどい説明はいらない。エクスキューズもいらない。男と女の痛々しいメロドラマもいらない。ビートがあって、コーラスがある。曲もこざっぱりしている。
 ラジカを聴いているとなにゆえこうも嬉しくなるのか言えば、僕の場合は、自分がどこから来たのかを再認識するからなんだろう。それとも、より普遍的な、いわゆる"原点回帰"としての悦びがここにあるからなのだろうか。
 しかし......いや、待てよ、一瞬、そう考えたところで戸惑いを感じる。ザ・スペシャルズの"必死さ"を思い出してしまう。彼女たちはたしかに素敵だが、この社会の醜悪さに敢然と立ち向かったポスト・パンク時代のスカ・バンドを思い出すと、ラジカからは反抗心といったものを感じない。これでいいのか......。まあまあまあ、いいじゃないですかと、写真家の小原になだめられる。これは娯楽なんですよ。まあ、たしかにそうだ。これは上等なポップ・ミュージックだ。いまはそれで充分。スカンジナヴィア半島のキュートな女性がカリブ海のリズムを刻んでいる、そして最後の最後には誰もが楽しそうに踊っている......。そうだ、難しいことは二木に任せておけばいいのだ。

 ラジカはラジカについて言う。「ラジカっていうのは、知合いのアフリカ系の女の子の名前。なので、ノルウェー語ではなくアフリカの言葉だと思うわ」
 メンバー4人はみんな幼なじみ?
 「バンドのメンバーとは6歳のころから知合い。同じ学校だった。家も近所よ。15歳のころに4人でバンドを結成。昔から楽器を演奏できたというわけではなく、みなこのときからスタートして、バンドやりながら少しずつ上達していった感じ」
 いまどきなぜバンドを?
 「単純にカッコいいと思ったから。結成して3か月で初めてのライヴをやった。それ以来ずっと4人でやっている。たまにバンドに加わりたいという人もいたけど、楽器がヴァイオリンだったりとか、自分たちにはマッチしなかったり、あとは4人があまり仲良過ぎて、他の人が入り込めなかったりとか。とにかく4人で、まるで兄弟のように仲がいい。ボブ・ディラン、ビートルズ......地元ベルゲンのバンドなどのコピーからスタートして、でもすぐにオリジナルを作りはじめたわ」
 ベルゲンの音楽シーンって?
 「ベルゲンは小さな町なの。端から端まで30分くらいで歩いていけるほどのね。たいがいのライヴハウスも歩いていける。シーンも小さいから、ジャンルを超えてみなが団結している感じ。ライヴァルという感じはない。それでもスカンジナヴィアでもっとも影響力のある音楽シーンがあるわよ」
 なんでスカを?
 「きっかけはボブ・マーリー、最初はレゲエにハマったの。〈スタジオ・ワン〉とか昔のレゲエやスカを聴きはじめて、で、ツートーン――スペシャルズ、マッドネス、あるいはエルヴィス・コステロなんかを掘っていった。あと大きな影響としてはノルウェーのベルゲンのプログラム81というニューウェイヴ・バンドがあるの。メンバーの自宅の地下室で練習していたとき、たまたまこのバンドのレコードを親のコレクションから発見して、聴いて、衝撃を受けた。アルバムのタイトルも彼らのバンド名からとったのよ。自分たち1991年生まれなのでミックスさせて『プログラム91』ね。んー、同世代ではとくに気になるバンドはいないけど、アイスエイジは好きよ!」


 ライヴが終わってからも、余韻に浸るため、しばらく飲んで(実はラジカのライヴの前にもそれなりに飲んできていたのだが)、そして帰り際にラジカのメンバーに「カラオケに行ったら"アナーキー・イン・ザ・UK"を歌ってくださいね」と言い残すと、小原と一緒に同じ通りにあるクラブ・エイジアの〈ブラック・テラー〉に行った。途中から記憶が曖昧となって、翌日気がついたときには家の床のうえで寝ていた......。やらかしちゃったようです。みなさん、すいませんでした!

Neil Landstrumm - ele-king

 この人が2006年あたりから〈プラネット・ミュー〉を通じてグライム/ダブステップに手を出しはじめたとき、「あー、ついに来たか」と思った人も少なくなかったでしょう。みんなまだ静観していました、90年代初期からやっているベテラン連中は。自分たちより15歳以上離れている新世代のやっているグライム/ダブステップとは果たしていかなるものかと。そんななかで、すばやくアプローチしたのがマイク・パラディナス、続いてUKテクノ第二世代を代表するひとり、ニール・ランドストラムだったんじゃないでしょうか。
 以下、4月5日にDommune、4月7日に渋谷AMRAXでプレイするランドストラムの来日直前インタヴューです。(ちなみに渋谷AMRAXでは、マユリちゃんとDJバクが共演)

久しぶりの来日ですね。

ニール:日本に来るのは大好きなんだ。招待されて一番嬉しい国だと思うよ。

いろいろな国を拠点にしてきた印象があるのですが。今までどこに住んでいましたか? 現在の拠点は?

ニール:プレイした僕の音楽キャリアのなかで住んできたのはたった2カ所しかないよ。エジンバラとニューヨーク。いままでいろんな国に行ったし、だからそういう印象があるのかな?僕の音楽活動が日本を含め、夢でしか行けないような国にも連れて行ってくれたんだ。

ニューヨークに住んだ理由は?

ニール:1990年に初めてニューヨークに行って、もっとここでいろんな経験をしたいと思わせてくれたところだから。住んだのはUKと往復しながら1996年から2002年くらいまでなんだけど、ただ町並み、あの場所の音や雰囲気が好きで、プラス音楽文化も豊富だったし、ヴィジュアル・アートを知るには最高のところだったんだ。

現在はどこに住んでいるんですか?

ニール:2002/2003年にニューヨークを離れることに決めてからはずっとエジンバラだよ。ここの建築は素晴らしいし、エジンバラのリラックスしたゆっくり目のライフスタイルが好きなんだ。大きな都市ではないけど、僕はアウトドアが好きだし、45分も運転すれば完璧な自然のなかにいられる。グラスゴーは1時間くらいだし、大都市にも簡単に行けるし最高の場所だと思っている。

エジンバラに住んでいて音楽的な影響などは......

ニール:エジンバラが音楽的にどんな風に僕に影響があるかはわからないけれど、大都市みたいに家賃や生活費が上がる事を心配しながらプロジェクトにとりかからなくて済むから、そういう意味では集中できるというのはあるかも。
音楽的にはエジンバラは空白の部分があるなぁ。ニューヨークみたいに色がない。でもエジンバラには僕が刺激されたダブのサウンドシステムがいくつかあったんだけど、残念な事に地元の自治体と不動産業者がひとつひとつクラブを潰しているんだ。だからこの素晴らしいダブのサウンドシステムもなくなってきている。

それは残念ですね......。ではあなたが音楽をはじめた90年代をいま見てどう思いますか? 何かインスピレーションがあるとか。

ニール:いや、インスピレーションという刺激や感化はないよ、すべえて過去。正直言ってまったくそこから離れているし、それはそれでいい思い出として残して何か違う事をやりたいからね。問題はたくさんの人があの時代にしがみついていてそこにはまった状態でいることなんだよね。僕にとっての音楽はいつも先へ先へと進んで行きたい。たとえ時々レトロなことをやったとしてもね。90年代にリリースしたほとんどの僕のレコードを誇りに思っているけど、いま、同じ事をしても同じスピリットや音ではないし......僕にとっての音楽はその時々の自分の感情をレコーディングしているみたいなもので、それをあとで聴いたらその場所と作ってる時の自分に連れて行ってくれるタイムマシンみたいなものなんだ。その音を聴いただけで自分が何を着ていたか、家の壁紙の柄まで思い出せる。笑 僕には写真のような記憶力があるんだよ。

音楽を始めるきっかけになったのはやはり初期レイヴ時代ですか?

ニール:1988~1991年の初期UKレイヴ時代は忘れられないし、あの頃の音楽はずっとインスピレーションになっている。もういちどあの時代に戻って同じように生きてみたいけど(笑)。ずっとイヴェントや人びとやいろんなことから影響を受けると思う。もちろん同じ事はやらないつもりだけどね。

私もそう思います。そのくらいのインパクトがありましたからね。その後、そういったインパクトは音楽的にありましたか? 影響を受けた音楽とか。

ニール:90年代終わりから2001年にかけてはもうテクノにうんざりしてたんだよね。だから音楽を休んでモーショングラフィックに専念していたこともあったんだけど......。2000年あたりからダーク・ガラージとかSublo soundsとかまた面白そうな音楽がロンドンではじまってきて、Jon E Cash Black Op's crew 、DMZ、More Fire Crew、ディジー・ラスカルなどなど。これらのサウンドはグライムとダブステップとかに分かれていったんだけど、これらの音楽がはじまり出したとき、また僕も音楽に興味を持ち出したんだ。でもやはり僕には初期のUKレイヴとブリープ・レコードがエレクトロミュージックに興味を持ったはじまりだな。

90年半ば頃ですよね? 「No Future」をはじめたのは。

ニール:「No Future」は90年代半ばにクリスチャン・ヴォーゲル、Emma SolaとMat Consumeによってはじめられた集団で、僕やTobias Schmidt、Dave Tarrida、 サイ・ベグそしてジェイミー・リデルなどのレコード・リリース、プロモーションやブッキングなどをしていた。僕たちのようなサウンドを〈モスキート〉や〈トレゾア〉でプッシュするためだったんだ。人数は多い方がいいしね。Matが僕らのレーベルと「トレゾア LP」のスリーブのアートワークをやってくれてた。あの頃のいい思い出がたくさんあるよ。ドイツでたくさんの「No Future」のイヴェントをやっていて、それは毎回楽しかったしはちゃめちゃだった。クリスチャンのスタジオにはよく行っていろんな音を録音したし、本当にいろんな事をクリスチャン から学んだんだ。僕にとっての「No Future」はポジティヴなパンク・ムーヴメントだったんだ。DIY ( Do it yourself) と他は気にせず突き進め、的な。

〈プラネット・ミュー〉との関わりはどうやってはじまったんですか?

ニール:僕のデモをマイク・パラディナスに送ったんだ。そうしたらマイクからリリースしたいと連絡がきて、2005年から彼と一緒に動き出したんだ。その後、年間LP作りに専念して、2007に『Restaurant of Assassins』をリーリスした。それが自然に『Lord for £39』と『Bambaataa Eats His Breakfast』のLP につながったんだよね。僕が『Restaurant of Assassins』と『Lord for £39』のスリーブをデザインしたんだよ。マイクはいつも先端をいっているし、僕は彼の耳とレーベルにとても敬意を払っているんだ。彼の素晴らしい未来を願っているし、この濁った音楽業界をいい方向に導き続けて欲しいと願っている。

あなたのレーベル〈スカンジナヴィア〉をはじめたのはいつですか? 音楽だけではなくデザイン・ワークもやっていますが。

ニール:〈スカンジナヴィア〉は1996年にレコード・レーベルとしてはじめた。僕がすべてをコントロールできて、僕や友人のもっとエクスペリメンタルなプロジェクトをリリースしたかったんだ。ニューヨークに移った頃、モーショングラフィックをはじめて、MTV、Rockstar Gamesのデザインをしたり、エフェクト・アニメーション・アーティスト、Jeremy Blakeのために僕がサウンドデザインをやったりした。そういえば〈プラネット・ミュー〉や〈トレゾア〉からリリースしたほとんどのレコードには〈スカンジナヴィア〉のロゴがどこかに入っている。僕の頭のなかではオフィシャルな〈スカンジナヴィア〉のリリースだと考えているよ。〈スカンジナヴィア〉のロゴは僕のアーティストとしてのサインなんだ。

ライヴ・セットに関してお聞きしたいのですが、毎回違う音楽スタイルのライブセットだと思うのですが、毎回スタイルに合わせてセットアップは変えているんですか?

ニール:だいたい同じ機材でのセットアップだよ。DJと同じで新しいものが出たら古いものをそれに変えたりしていまのセットアップになっている。いまはElektron Machinedrum、MonomachineとKorg ESX-1とAbletonを使っているけど、地元のギグではYamaha DX-200とKord Space Echoも使うんだ。90年代はRoland TB-303、 SH-101、Tr-808,Tr-909、Akai S900 、Atari St、Sequential Circuits 黴€Pro-OneとEmu Sp-1200なんか全て持ち出してたけど。笑 すごくいい音でできるけど壊れる確率が多くて......。だからいまは古いアナログでKorg ESX-1にRoland Jupiter 8 と 6 keyboardsをつなげたりして使っている。それでもあの昔のアナログの雰囲気を味わえるからね、他の機材を壊すリスク無しで。

機材が壊れたりしたことはあるんですか?

ニール:ツアーしている時に起こるときもあるよね。僕のスーツケースが飛行機の荷物を運ぶトラックに轢かれたことがあったんだ。そのあとロンドンでサブヘッドのイヴェエントでプレイしたんだけど、プレイ中に僕のTR-909が爆発したことがあったよ(笑)。

(笑)。それは大変でしたね。この6月までギグのスケジュールがはいっていると聞きましたが、そういうことが起こらないことを願いながらこれからの予定を教えてください。

ニール:これからどういう方向で行くのかまだ決まっていないんだ。今はスタジオから離れて、これからの自分のスタジオと将来の方向性を考えていこうと思っているんだ。6月まではいろんな国でのギグが入っているのでそのあいだに考えるつもり。

では、これからのリリースについて教えてください。

ニール:ちょうどベルリンの〈Killekill〉から「Night Train」という12インチをリリ-スしたばかりで、これにはサイ・ベグとコラボレーションしたトラックも入っているんだ。それからJerome Hillの〈Don't records〉からテクノ・ヴァージョンのベルトラムの「Energy Flash」とブレイク・バクスターの 「Sexuality」が4月日にリリースされるよ。それにオランダのレーベル〈Shipwrec〉からもMat Consumeとコラボレーションしたものと、今年の終わりにはJ D Twitch とともに新しいDoubleheartの12インチをリリースする予定なんだ。

ところで日本に初めて来たのはいつなんですか?

ニール:1995年にリキッドルームで初めてプレイしたんだけど、あれは僕のキャリアのなかでもいちばん思い出に残っているんだ。〈ピースフロッグ〉 のパーティでとても混んでいた。そういえばそのときのイヴェントのDATレコーディングを最近見つけたんだよ! どこかにアップしなきゃなぁ。

その後も来日していますよね? 

ニール:今まで何回か来ていてその度に日本が好きになる。ただ歩き回ってるだけでもすごいトリッピーな国だね(笑)。僕は和食が大好きだし、エレクトロニクスも文化も好きだな。あ、それに70年代から90年代のトヨタのランドクルーザーの40と60シリーズモデルの大ファンなんだよ。日本の技術は高品質で長持ちするようにつくられている。正直、僕は日本のデザインや技術で作られたものなしでは生きていけないと思うよ。

4月5日にDommune、4月7日に渋谷AMRAXで行われるFIERCESOUNDSでプレイしますが、どんなセットでいくんですか?!

ニール:もちろんLandstrummスタイルだよ。

日本のファンの皆さんに一言。

ニール:Ganbarimasu!  是非ギグに来て 声かけて欲しいな。



FIERCESOUNDS 5th ANNIVERSARY -
NEIL LANDSTRUMM

2012.04.07 (SAT) @ AMRAX
NEIL LANDSTRUMM、MAYURI、DJ BAKU、DJ DAIKI and more.
Open 22:00
Door ¥3500
Info.03.3486.6861 AMRAX

Neil Landstrumm
King of UK Bass Music。最先端、革新的なエレクトロニック・ミュージックのパイオニアとして知られる彼は、1995年に〈ピースフロッグ〉から「Brown By August」をリリースしてその華々しいキャリアをスタートさせる。これまで、〈ピースフロッグ〉を含む〈トレゾア〉、〈Sativae〉、〈ソニック・グルーヴ〉、〈モスキート〉、〈プラネット・ミュー〉など、世界的に影響力のあるテクノ/エレクトロニックレーベルから数々のレコードを実験的、斬新な音と共にリリースし、その新しい表現は世界中からの注目を浴びその独特のスタイルや世界観は彼のコピーアーティストを生むほどの影響力を持つ。
また、グラフィックアーティストとしても有名な彼は、音楽のみならずグラフィックデザインや洋服のデザインまでも手がける革新的なレーベル〈スカンジナヴィア〉を立ち上げ、これまでクリスチャン・ヴォーゲル、サイ・ベグ、Mike Fellows、Jeremy Blake、Bill Youngman、 Tobias Schmidtなどの世界的に著名なアーティストの作品をリリースし、レーベル・オーナーとしても成功を収めている。現在はUKエジンバラでWitness Rooms Studioを運営、最近ではゲームソフトの開発にまで着手し、音楽面ではDJシャドウの新しいプロジェクトのリミックスを手がける世界で唯一のアーティストとして選ばれるなど、天才とも言うべき彼の才能は留まるところを知らない。今年、2月にベルリンの〈Killekill Records〉からEP「called Night Train」をリリースした。
www.scandinavianyc.com

Crystal - ele-king

Emerald City FM presents "Dreamy Sunday Show" 収録曲

自分もミキサーとして参加するグループJintana & Emeraldsの7inch "Honey/Runaway" の特典オールディーズDJミックス収録曲紹介します。


1
Doopees - Love Songs (Love Is A Many-Razor Bladed Thing) - For Life
まずは、オールディーズ/ガールポップの傑作という側面も持つDoopees "Doopee Time"(95年)からこの曲を、イントロとしてプレイさせてもらいました。

2
The Exciters - Do-Wah-Diddy
エリー・グリニッチ&ジェフ・バリーのコンビのペンによるご機嫌な一曲。

3
The Shirelles - Baby It's You
ビートルズによるカバーも有名ですね。イントロのコーラス聴いた瞬間に、この曲の世界に飛び込めます。

4
Roy Orbison - Blue Angel
歌・コーラス・曲の展開、すべてが完璧で、何度でも聞き返せる最高曲。

5
Dion - Go Away Little Girl
大滝詠一師匠は、キャロル・キングのペンによる曲ではこれが一番好きとの事。ジェリー・ゴフィンの詞の展開に合わせ、堪えきれず溢れてしまう感情のような進行とメロディー、そして勿論ディオンによる歌唱も切ない。

6
Martha And The Vandellas - Love (Makes Me Do Foolish Things)
大大大好きなマーサ&ザ・ヴァンデラスからはこの曲。一家に一枚マーサ&ザ・ヴァンデラスです。

7
Irma Thomas - While The City Sleeps
ランディー・ニューマンのペンによる、洒落が効いた構成が心地よい一曲。

8
The Crystals - He's A Rebel
フィル・スペクター手がけるド定番曲ですが、やはりJintana & Emeralds的には外せません。何度聞いても熱くなるグルーヴが最高です。

9
The Four Tops - I Can't Help Myself (Sugar Pie Honey Bunch)
理屈抜きに、流れはじめた瞬間から何度でも心掴まれる、音楽の魔法つまってます。

10
The Basin Street Boys - Summertime Gal
最後の曲はこちら。夏を待ちわびて、アーリー・ドゥーワップから選曲。玉&乱です。

naminohana records,mole musicにて購入した10枚 (2012/03/26)


1
dos - dos y dos - Org Music

2
The Analogue Cops & Blawan - Cursory Ep - Vae Victis

3
The Analogue Cops , Blawan & Ryan Elliot - Big Family Ep - Restoration

4
Axel Boman - My Dirty Laundry - Studio Barnhus

5
Arttu - Soul Stream - 4 Lux

6
MRSK - Twirl / Pinkman - Skudge

7
Eats Everything - Entrance Song - La Musique Fait La Force

8
Eats Everything - Eats Everything Ep - Dirty Bird

9
Unknown Artist - Coat Of Arms , BrEaCh Remixes 2012 - Pets

10
Move D - AnneWill TheRemixes Pt.1 - LiebeDetail

Chart by Underground Gallery 2012.03.29 - ele-king

Shop Chart


1

BURIAL + FOUR TET

BURIAL + FOUR TET Nova (Text Records / 12Inch) »COMMENT GET MUSIC
FOUR TET率いる[Text]の新作は、ダブステップ界の大ボスBURIALと、レーベル主催、レフトフィールド・ミニマルの天才FOUR TETのコラボレーション! FOUR TETらしい、アコースティックなギター・リフで軽やかに展開していく、ディープ・テック・トラック!

2

ROCKET JUICE & THE MOON FEATURING ERYKAH BADU

ROCKET JUICE & THE MOON FEATURING ERYKAH BADU Manuela / Mark Ernestus Dub (Honest Jon'S / 12Inch) »COMMENT GET MUSIC
BLUR/GOZILLAZのDAMON ALBARN、RED HOT CHILI PEPERSのFLEA、FELA KUTI BANDの TONY ALLENという、とんでもない面子による、スペシャル・ユニット ROCKET JUICE & THE MOONが、間もなくリリースを予定している1stアルバムに先駆けたリミックス12インチ! 言わずと知れた歌姫、ERYKAH BADU嬢をフィーチャーし、アルバム未収録作品を、何と、ベルリンのダブマスター、BASIC CHANNEL / RHYTHM & SOUNDでお馴染みのMARK ERNESTUSがリミックス!屈指のロックミュージシャン2人と FELA KUTIと共にアフロ・ビートを作り上げたTONY ALLENをバックに従え、"Neo-Soul"の女王 ERYKAH嬢による悩ましげなヴォーカルがダビーに響き渡る、濃密なブラック・アフロ・ソウル作品!

3

BUBBLE CLUB

BUBBLE CLUB In Consequence Of A Wish (International Feel / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
ERIC DANCAN、BRENNAN GREEN、SOFT ROCKSらがリミックスで参加した 自身主宰レーベルも好調な、ロンドンのバレアリック・ディスコ・ユニット BUBBLE CLUBが、前作「The Goddess」以来、久々となる新作を、DJ HARVEYのプロジェクトなど、話題作連発な [International Feel]からリリース。 前作「The Goddess」に、スライド・ギターを加え、よりレフトフィールド/コズミック風ディスコへと昇華させた「In Consequence Of A Wish」、疾走感のあるリズムにライブ・パーカッションやバレアリックなシンセ類を散りばめた「Seven Hills」、BRIAN ENOの「Apollo」や、Daniel Lanois諸作品を思わせるような、ペダル・スチールでとろけるような甘いムードを演出したチル・アウト・チューン「Ex-Voto」の 3作を収録。今回もJOSE PADILLA周辺の"Ibiza~Big Chill"方面を中心に大きな話題を集める事は、まず間違いありません!

4

ANIMATION

ANIMATION Sanctuary (Sarcred Rhythm / 10inch) »COMMENT GET MUSIC
[Blue Note]等で活躍するアメリカのサックス奏者/コンポーザー、BOB BELDENによるANIMATION名義でのアルバム「Agemo」に収録されていた楽曲「Sanctuary」を、レーベル・オーナー JOE CLAUSSELLがリミックスした大注目の1枚。まず Side-Aでは、JOE CLAUSSELLらしい 空間を巧く活かした スモーキー & トリッピーなウワモノを響かせた 傑作ロービート・ダブ「Part.1」。Side-Bには、90年代後期の UK/クロスオーヴァー作品を彷彿とさせるような、疾走感のあるジャズ/ブレイクビーツ風のトラックに、鮮やかな高揚感を持って響く鍵盤やサイケ & ディープなストリングス/Saxリフなどを散りばめた、グルーヴィーなフロアートラック「Part.2」を収録。

5

KEVIN SAUNDERSON FEAT. INNER CITY

KEVIN SAUNDERSON FEAT. INNER CITY Future (Carl Craig / Kenny Larkin Remixes) (Defected / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
JUAN ATKINS / DERRICK MAYとともに、デトロイト・テクノを誕生させた、パイオニアの一人、KEVIN SAUNDERSONのメイン・プロジェクトINNER CITY、約11年振りとなる新作「Future」を、CARL CRAIG & KENNY LARKINがリミックス!

6

KRISP

KRISP Lovestomp (Sex Tags Ufo / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
ノルウェーのカルトレーベル[Sex Tags Mania]傘下[Sex Tags UFO]新作! 今回は、90年代初頭より活躍する 同地の巨匠 BJORN TORSKEによる変名 KRISPによる1枚で、何と言っても注目してもらいたいのがB面に収録された「Lovestomp」。 往年のディスコクラシックをサンプリングし、フィルター処理を交え、ファンキー & グルーヴィーに展開させた、BJORN TORSKE流のディスコ・ハウスを展開。MOODYMANN辺りのデトロイト勢縲怎Vカゴ系のファンキー。ハウス好きまで、多方面にオススメです!!さらにA面には、トビを効かせた、疾走感のあるオールドスクーリーなドラム・マシーン・リズムに、BJORN TORSKEらしい、妖しくダビーな上モノを配しながら展開させたハウス・チューン「Truckstomp」を収録。

7

MOOMIN

MOOMIN Sleep Tight ( Smallville / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
昨年秋にリリースされたフルアルバム『The Story About You』が、ここ日本でも高く評価され、一躍注目の的となったMOOMINが、待望の新作12インチをリリース! 傑作アルバム『The Story About You』の延長線上にある、アコースティック楽器を上手く取り入れた、極上のディープ・テックハウス作品。零れ落ちるような、エレガントなピアノ・フレーズと、哀愁を帯びたサックス・サンプルが交差するA面「Sleep Tight 」が最高の仕上がり!CHRISTOPHER RAUにも通じるような、オールドスクーリーなリズムマシーン+淡い空間シンセで構成されたフローティング・ハウスの「Humbling Love」、きらびやかなストリングス・フレーズはループする、ディープなディスコ・ハウスを展開した「Catch A Cold」も、隙の無いカッコ良さ!全曲◎!

8

DA SAMPLA (ANTHONY

DA SAMPLA (ANTHONY "SHAKE" SHAKIR) West Side Sessions (Wild Oats / 12inch+7inch) »COMMENT GET MUSIC
ANTHONY "SHAKE" SHAKIRのレアマテリアルが未発表曲を加えて再発!デトロイトの若手実力派、KYLE HALLが主催する[Wild Oats]レーベル新作は、ANTHONY "SHAKE" SHAKIR aka DA SAMPLAが、1997年に、デトロイトのレコードショップ "Record Time" が運営し、ALTON MILLERやRICK WADEがリリースした事でも知られる、カルト・レーベル[M3]からリリースした傑作「M3 Sessions」に、未発表トラックや、KYLE HALLとのコラボ作等を加えて、12インチ+7インチの2枚組にて再発!

9

UGANDAN METHODS

UGANDAN METHODS Beneath The Black Arch (Ancient Methods / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
インダストリアル・テクノ最高峰!REGIS+ANCIENT METHODS =UGANDAN METHODS! 限定盤!これは最強!過去作品の再発など、このところ高く再評価されている、UKのミニマリスト大ベテランREGISと、HARDWAXが流通するインダストリアル・テクノ・レーベルからのリリースでカルトな人気のANCIENT METHODSによる、新ユニットUGANDAN METHODS! 全3曲、凄まじい鳴りとグルーヴにお手上げです...。全てのモノをなぎ倒し巻き込みながら進んでいくような、重圧なビートと攻撃的なグルーヴ、手も足も出ない最強のインダストリアル・テクノが3トラック!プレス枚数が少ない限定盤ですので、ファンの方はお早めに!

10

STILL GOING

STILL GOING D117 (Still Going / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
しばらく前から世界中の著名DJ達の Twitter、Facebook、Blog、チャート、プレイリストなどに取り上げられ、ファンの間でリリースが待ち望まれていた、STILL GOING主宰レーベル、第1弾シングルが遂に解禁! LCD SOUNDSYSTEMのPAT MAHONEY、FISCHERSPOONERのLIZZY YODERがゲストで参加した今作は、不穏な雰囲気を漂わせた、スペーシーなテック・ディスコ風のトラックに、MANUEL GOTTSCHINGっぽい、サイケ・ギターを響かせた1曲。カップリングでは、そのギター・プレイをより全面に押し出した、別ヴァージョンを収録。STILL GOING自ら、「お気に入りのアーティスト、楽曲、さらには自らの作品は、今後、このレーベルを中心にリリースしていく」と力強く語っているこの新レーベル、来月には早くも第2弾シングルも控えているようですし、今後の動向からも目が離せません。ディスコ~ハウス・ファンの方は絶対に要チェックですよ!
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369