「AY」と一致するもの

Andrés - ele-king

 Andrés(アンドレス)、久しぶりの来日です。Moodymannのレーベル〈KDJ〉や〈Mahogani Music〉を中心にリリースを重ね、2023年には5作目のアルバム『Andrés V』をリリース。DJ Dez名義では、デトロイトのヒップホップ・シーンで活躍、Slum VillageのプロダクションやツアーDJとしても参加している。ハウス、ソウルやファンク、ジャズ、そしてキューバをルーツに持つ彼はサルサにも深い知識を持っている。この機会に、彼の深みのあるブラック/ラテンの世界を堪能しよう。

Andrés Japan Tour 2024

9.14(Sat))福島 @NEO Fukushima
K.I.S.S.#84 - 15th Anniversary Party -


Special Guest
Andrés aka DJ Dez

DJ
STILLMOMENT
MONKEY Sequence.19

Dance Session
Outside Elements

FOOD
バン才 - BANZAI -

Open 22:00
ADV 4,500yen with 1Drink
Door 4,500yen
U-23 3,500yen with 1Drink

Info: Club NEO www.neojpn.com
福島市本町5-1 パートナーズビルBF1 TEL 024-522-3125


9.15(Sun))東京 @DJ BAR Bridge Shibuya

DJ: Andrés aka DJ Dez, Kza, DJ MAS aka SENJU-FRESH!

Open 20:00
Door 2,000yen

Info: DJ BAR Bridge Shibuya https://djbar-bridge.com/shibuya/
東京都渋谷区渋谷1丁目25−6 渋谷パークサイド共同ビル10F Tel 03-6427-6568


9.20(Fri))大阪 @Club Joule

< 2F >
Andrés aka DJ Dez
HOOFIT (QUESTA, MASH, DY, KAZIKIYO)
STEW (TUFF DISCO)

VFX: catchpulse
Sound: Kabamix

< 4F >
IKEDA-IKERU
SHUNPURI
ORGTKD
NEGAN
PISAPPLE

THAT'S PIZZA
たこやきしんちゃん
Edenico

Open 22:00
ADV 3,000yen (e+ / Clubberia)
W/F 3,500yen
Door 4,000yen

Info: Club Joule www.club-joule.com
大阪市中央区西心斎橋2-11-7 南炭屋町ビル2F Tel 06-6214-1223


9.21(Sat)名古屋 @Club Mago

DJ: Andrés aka DJ Dez, Sonic Weapon

Open/Start 23:00
ADV 3,500yen
Door 4,500yen

Info: Club Mago http://club-mago.co.jp
名古屋市中区新栄2-1-9 雲竜フレックスビル西館B2F Tel 052-243-1818


最新アルバム『Andrés V』リンク
https://andres.bandcamp.com/album/andr-s-v


Andrés (aka DJ Dez / Mahogani Music, LA VIDA)from Detroit

 Andrés (アンドレス)はMoodymann主宰のレーベルKDJ Recordsから1997年デビュー。DJ Dezというアーティスト名でも活動し、デトロイトのHip HopチームSlum Villageのアルバム『Trinity』、『Dirty District』ではスクラッチを担当し、Slum VillageのツアーDJとしても活動歴あり。Underground Resistance傘下のレーベルHipnotechからも作品を発表しており、その才能は今だ未知数である。
 2012年、主宰レーベルLA VIDAを始動し、第1弾リリース『New For U』はResident Advisor Top 50 tracks of 2012の第1位に選ばれた。
2014年、DJ ButterとのアルバムDJ Dez & DJ Butter‎『A Piece Of The Action』をリリース。
 ラテンジャズパーカッショニストである父、Humberto ”Nengue” Hernandezからアフロ・キューバンリズムを継承し、アンドレス本人もパーカッショニストとしてAmp FiddlerやMoodymannのライヴや、Erykah Badu “Didn’t Cha Know” (produced by Jay Dee)の録音に参加している。地元デトロイトではミュージシャンを交えたジャムセッション・パーティーをSpot Lite Detroitで定期的に開催している。
 2023年、Andrésとして通算5枚目となるアルバム『Andrés V』をMahogani Musicよりリリースする。

Instagram
Facebook
Mahogani Music

Gastr del Sol - ele-king

 ジム・オルークは、かつて自身が‶音楽の中の時間の問題〟と呼ぶものについて語ったことがある。つまり、音楽は構造的には(映画や文学とちがって)本質的に直線状であるため、前のモチーフや形を参照することでしか時間を遡ることができないということだ。
 『We Have Dozens of Titles』は、ジム・オルークを完全に満足させるような形で時間の問題に注意を向けさせることはないかもしれないが、実はこの作品において、時間は演奏される楽器のひとつのように扱われている。これはある意味ではレアな作品、未発売のトラックとライヴ・レコーディングのコレクションだが、一方ではまったく新しいガスター・デル・ソルのアルバムのように感じられる。さらに言えば、これはバンドとリスナー共々、一緒に過ごしたあの落ち着きのない実験に特徴付けられる1990年代という時間に遡る旅なのだ。100分を超えるアルバムのなかで、馴染み深いもの、予期せぬもの、そして不気味なものが互いにこすれ合い、途切れることなくいつの間にかすり抜けるか、正面からぶつかり合う。

 このようなレンズを通してアルバムに目を向けると、冒頭が“The Seasons Reverse(季節が逆戻り)”のライヴ・ヴァージョンというのは、待ちきれない熱心なリスナーが彼らの考えを知ろうと過剰反応するための安易な餌を、バンド自身が与えてからかっているように感じられる。そしてそれは、いくつかの点において時間の問題を浮き彫りにする選択でもある。“The Seasons Reverse”のスタジオ・ヴァージョンは、ガスター・デル・ソルの1998年のアルバム『Camofleur』のオープニング・トラックであり、今回再びこの曲からはじめるというトリックを使うのは、逆転させることよりもこだまさせること、あるいは参照させる行為であって、聴き手に時間の再構築を促すよりもその瞬間を思い起こすように誘っている。だが、それがライヴ・ヴァージョンであることが、コトを少し複雑にする。本質的にライヴ・ヴァージョンを聴くというのは参照する行為であり、慣れ親しんだ時間を呼び起こしてそれを現在に再配置し、前に進む時にも一緒に携えていくものだ。そしてガスター・デル・ソルは常に動き続けるバンドであり、このヴァージョンではヴォーカル、パーカッション、トランペットの華やかさを剥ぎ取るかわりに、アコースティック・ギターとエレクトロニクスにリズムとスペースを見出している。それでもライヴ・ヴァージョンの録音は、このトラックをその瞬間に固定してより明確に過去に位置付けている。曲の最後で、オルークがフランス語を話す子どもたちとの会話に失敗するサンプルは、スタジオ・ヴァージョンの曲の締めくくりで使われたものと同一であることから、ある瞬間の‶エコーのエコーのエコー〟という山びこ現象を創り出している。

 このアルバムでも、時間はさほど混乱せず、解決しにくい方法で流れてはいる。当然ガスター・デル・ソルの7年ほどの活動の瞬間に触れる数々の楽曲は、非線形的ではあるものの、独自の響きと鏡に満ち溢れている。そして時計の針をさらに巻き戻してみると、以前のアーティストのレンズを通してガスター・デル・ソルの音楽を眺めることもできるのだ。

 ガスター・デル・ソルはそのルーツを、ジョン・マッケンタイアを通じてシカゴ・シーンの同世代バンドのトータスと、バンディ・K・ブラウンとは前身バンド、バストロのオリジナル・ラインナップとしての役割を通して共有している。そして彼らがたとえ、本質的には決してポスト・ロックであったことはなかったにしても、アコースティック、エレクトロニック、ミュージック・コンクレートの要素をコラージュのようにミックスしていることから、少なくとも同一の一般的な音楽的生態系には置かれている(マッケンタイアは自身のバンド名を、ガスター・デル・ソルの“The C in Cake”のタイトルにちなんで‶The Sea And Cake〟としたほどだ)。彼らはさらに1980年代のデイヴィッド・グラブスを通じてスリントと、そしてケンタッキーのパンク・バンド、スクイレル・ベイト のブライアン・マクマハンとブリット・ウォルフォードとも関係している。言うまでもなく、スリントと同世代のビッチ・マグネットのメンバーとしても短期間活動していたからだ。ガスター・デル・ソルの旅路は、明らかにこれらのバンドが演奏していたロックの領域を避けて通っていたかもしれないが、静けさから大音量へ、あるいはより深遠な音とテクスチュアの衝突へ、時には厳しく暴力的な変化を求める耳を持つという点で一致していた。

 これはまったく別のバンドであるかのように、それぞれの曲にアプローチをする彼らの折衷主義的な習慣に起因している部分もあるのだが、同時にこのような鋭い転換は、我々をガスター・デル・ソルの音楽における時間の問題に立ち返らせることになる。「The Japanese Room At La Pagode」(1995年のトニー・コンラッドとのスプリット・シングル)ではアンビエントなフィールド・レコーディングが激しい電子音に中断され、曲の始まりに登場したピアノとヴォーカルのモチーフが舞い戻って来る箇所がある。曲の序盤ではその逆の転換があり、全く異なる様相で曲の断片が止まると、背後で鳴るフィールド・レコーディングがまるでずっとそこにあって最初から聴こえていたかのように感じられる。
 これと同じようなことがより拡張された、やはり1995年の曲“The Harp Factory On Lake Street”でもみられ、ここでは静寂からクライマックスへと突然何の警告もなく豹変したり、シークエンスの途中で閉幕するかのような沈黙が訪れたりするが、これは異なるペルソナの間でチャンネル・サーフィンするバンドということではなく、作品自体が時間のなかを行ったり来たりしながら点滅しているようだ。このような伝統的な構造の断絶はアヴァンギャルド・ジャズとも多くの共通点があるが、シュトックハウゼンが提唱した、音楽の形式が伝統の直線的な進行やナラティヴからの脱却を試み、各パートが独自の永遠の‶今〟として捉えられる〝モメント形式〟とも似ている。

 時計の針を再び現在まで進めてみると、ジム・オルークは大部分の激しい転換モード、つまり聴衆にマシンの内部構造の仕組みを披露する喜びを捨て去っている。その代わり、彼はリスナーをある場所から別の場所へと気付かせることなく移動させる方法を探求することを好む。アルバムの18分に及ぶ最終トラック“Onion Orange”は、アルバムを現在へと繋ぐ結合組織の役割を担っており、表面上で繰り返されるグラブスのギター・モチーフをゆっくりと繊細に、だが決定的にリスナーをオルークの電子的な操作で表面下へと運ぶのだ。

 このアルバムに入っている音楽を作った当時のデイヴィッド・グラブスとジム・オルークは若くて、多くの点でいまよりも洗練されたミュージシャンではなかった。しかし、いま私たちが聴くことができるアルバムの完成版を編集し、プロデュースし、シークエンスしたのは、年齢を重ねたこの男たちだ。その意味では、現在が過去の状況を操作し続け、エコー(反響)やレファレンス(参照)という言語で機能しているのだ。
 これほど多様でそれぞれの異なる断片を繋ぎ合わせたものとしては、このアルバムは並外れて理路整然としているが、ガスター・デル・ソルの首尾一貫した一貫性のなさこそが本作の連続性というものを手助けしたに違いない。これはまた、過去の作品を巡る旅でもあり、音楽の中にある繋がりや潮流を探求することで突然の衝撃なしに曲から曲へと移り変われるのに加えて、現在からの導きの手が過去についての物語を一緒に紡いでくれている。
 けれども、過去もまた、『We Have Dozens of Titles』を生み出す交渉における積極的な参加者だった。おそらく、ライヴ録音がその性質上、音楽を過去に定着させると同時に慣れ親しんだ形から記憶を逸脱させるものであるからこそ、過去のライヴの瞬間がアルバム全体に散りばめられて現代のアーキテクト(計画立案者)たちを助け、時間を逆行する旅であるかのようにその手で断片を繋ぎ合わせると同時に、新鮮な創造的衝動とその場にとどまることのない意志を吹き込んだのだ。


by Ian F. Martin

Jim O’Rourke has spoken in the past about what he describes as “the problem of time in music”, meaning that, structurally, music (unlike cinema or literature) is essentially linear and can only travel backwards by referencing earlier motifs and shapes.

“We Have Dozens of Titles” might not address the problem of time in a way that could ever fully satisfy O’Rourke, but it’s a work in which time is very much one of the instruments being played. On one level, it’s a collection of rareties, unreleased tracks and live recordings; on another, it feels like a brand new Gastr del Sol album; on still another, it’s a backwards journey through time, returning both band and listener to the state of restless experimentation that characterised their time together in the 1990s: familiar, unexpected and eerie rubbing up against each other, slipping seamlessly by, or colliding head-on throughout the album’s 100+ minutes.

Looking at the album through this lens, the fact it opens with a live version of “The Seasons Reverse” feels almost too easy a bait not to snatch hungrily at, like the band are teasing the eager listener to make too much of the idea. And it’s a choice that highlights the problem of time in a few ways. The studio version of “The Seasons Reverse” is the song that opened Gastr del Sol’s 1998 album “Camofleur”, so repeating the trick here is an act of echo or reference rather than reversal, inviting the listener to recall the moment rather than restructuring time. Being a live version complicates that a little, though. The nature of a live version is to be an act of reference, calling back to a familiar time and relocating it in the present, bringing it along with you as you move forward. And Gastr del Sol were always a band on the move, the version of the song here stripping away the vocals, percussion and trumpet flourishes, finding its rhythm and space in the acoustic guitar and electronics. Nonetheless, a recording of a live version anchors the track in that moment in time, locating it more explicitly in the past. The sample of O’Rourke failing to communicate with some French speaking kids that closes the track is the same one that ends the studio version, creating an echo of an echo of an echo of a moment.

Time flows through the album in less confusing and irresolvable ways too. Of course through the way the tracks touch on moments throughout Gastr del Sol’s seven or so years of activity, albeit in a nonlinear way, full of its own echoes and mirrors. But wind the clock back even further and you can see Gastr del Sol’s music through the lens of earlier artists still.

Gastr del Sol share roots with Chicago scene contemporaries Tortoise through John McEntire and Bundy K. Brown’s role in the band’s original lineup and precursor band Bastro, and if they were never exactly post-rock per se, the collage-like mix of acoustic, electronic and musique concrète elements that they employ at least places them in the same general musical ecosystem (McEntire even named his band The Sea And Cake after Gastr del Sol’s song “The C in Cake”). They also share a connection with Slint through David Grubbs’ time in the 1980s alongside Brian McMahan and Britt Walford in Kentucky punk band Squirrel Bait, not to mention a brief period as a member of Slint contemporaries Bitch Magnet. Gastr del Sol’s journey may have skirted clear of the rock territory these bands played in, but they shared a similar ear for harsh, sometimes violent transitions, whether from quiet to loud or more esoteric collisions of sounds and textures.

Some of this comes down to the band’s eclectic habit of approaching each song as if they were a different band entirely, but these sorts of sharp transitions also bring us back to the matter of time in Gastr del Sol’s music. There’s a point in “The Japanese Room At La Pagode” (from a 1995 split with Tony Conrad) when a stretch of ambient field recording is interrupted by a harsh, electronic squeal that gives way to a return of the piano and vocal motif that began the track. Earlier in the song, the reverse transition occurs very differently, when the song fragment stops and it feels like the background field recording had always been there and was in fact what you’d always been listening to all along.

There are parallels with this in the more expansive “The Harp Factory On Lake Street”, also from 1995, where transitions from quiet to climactic moments happen suddenly and without warning, or closure-like silences fall midway through a sequence — not like a band channel surfing between different personas but as if the piece itself is blinking back and forth in time. This breakdown in traditional structure shares a lot with avant-garde jazz, but also with Stockhausen’s “moment form”, where the structure of the music tried to break free of traditional linear progression and narrative, rather seeing each part as its own eternal now.

Wind the clock forward again to the present and Jim O’Rourke has largely abandoned this mode of harsh transitions: this glee in showing the audience the inner workings of the machine. Instead, he prefers to explore ways of carrying you from one place into another without you even noticing the transition has occurred. The album’s 18-minute final track “Onion Orange” offers some connective tissue to this present in the way it takes Grubbs’ superficially repetitive guitar motif and slowly, subtly, but irrevocably transports the listener via O’Rourke’s electronic manipulations beneath the surface.

The David Grubbs and Jim O’Rourke who made the music on this album were younger and in many ways less sophisticated musicians than they are now, but it’s those older men who compiled, produced and sequenced the finished work we can now listen to. And in that sense, the present continues to pull the strings of the past, working in the language of echo or reference.

It’s a remarkably coherent album for something pieced together from such diverse fragments, though this sense of continuity was surely helped by how consistent in their inconsistency Gastr del Sol always were. It’s also a trip through pieces of the past that seeks out connections and currents within the music which allow songs to transition from one to another without sudden jolts: guiding hands from the present stringing a narrative about the past together.

However, the past is nonetheless an active participant in the negotiation that created “We Have Dozens of Titles”. Perhaps because of the way live recordings, by their nature, both anchor music in the past but also to deviate from a form memory has rendered familiar, these live moments from the past help the album’s present-day architects, spread throughout the album, their hands holding its pieces together as both a trip backwards through time and something infused with a fresh creative impulse and unwillingness to stay put.

DJ Ramon Sucesso - ele-king

 ラモンは私のレーダーに映った。何の前触れもなく、自然に。2トン爆弾が腰に突き刺さるかのように。ウェブ上に蔓延しているバイラル動画が、ドゥーム・スクロール中の私の注意を引いたのだ。各動画は、TikTokのバイラル・アテンション・スパンにぴったりな短いもので、何の変哲もない室内(おそらく彼の寝室)で撮影され、ラモンがパーソナル・デッキの前で最初からコントローラーを操作し、ヴォーカルと散らばったビートをその場で何段階にもミックスしている。コール・アンド・レスポンスのサウンドスケープは瞬く間に合体し、解決への疑念は消え去り、轟音とどよめきのベースビートが鳴り響くたびにカメラが激しく揺れ、404のエラー・イマジネーションは大きく損なわれる。
 ラモン(ブラジル人、21歳)は、リオデジャネイロにほど近いノバ・イグアスのパルハダで生まれ育った。ファベーラ・ファンクのカリオカに膝まで浸かり、ビート・ボーリャから発せられる火花を屈伸させながら、まるで金属鍋の上で熱々のベーコンをジュージューと焼くような揺れのひとつひとつにアフリカの伝統を見せつける。

 ラモンの動画のテイスト(味)は、緊急に冷やした夏のフルーツに似ている。ラモンは、ほとんど忘れられた一族の末裔だ。DJデッキのまわりで何気なく踊りながら、たまにミキサーのツマミに触れ、自分たちが魔法を生み出し、オーディエンスが天才を目撃していると錯覚させるようなUSBメモリ使いのDJたちとは一線を画しているのだ。いまや多くの場合、DJはAIプレイリスト・セレクターと何ら変わりなく、オリジナル・トラック制作者の手柄を横取りしている。それゆえ、DJのスペクタクルはテクニックや才能ではなく、いかにセクシーに見えるか、エキゾチックに見えるか、いかにイヴェントを楽しく見せるかにある。観客を魅了するDJソーダの魅惑的なポゴ 「ジャンプ 」を思い浮かべてほしい。

 ラモンは、おそらく知らず知らずのうちに、実際にDJをしていた本物のDJたちの弟子であり、エレクトロニック/ダンス・ミュージックを革新してきた黒人の長い系譜に連なる革新的な信念の持ち主だ。ジャマイカのサウンドシステム・ヤーマン・ヴァイヴスや初期のニューヨーク・ラップの黄金期に習得された数々のテクニックのエコーが、彼の若い手に反映されている。
 しかし、彼は使徒でもある。機材を使い、マッシュし、スマッシュし、ミックスし、サノスの存在から新しい何かを振動させる。ラモンはDJ機材を選曲マシーンではなく、楽器のように扱う。ラモンは決して動きを止めず、創作に対する彼の精神的な鋭敏な注意は、絶対的に明瞭で白黒はっきりしている。ネット上の動画はどれも短く、ミキシングはダンスフロアの脳をメルトダウンさせるために振り切れている。

 よって、ブラジル行きの飛行機に乗れない私たちの多くが知りたいのは、芝居がかった動画ではなく、彼の長く録音されたミックスがいったいどんなものなのか、ということ。新たなスターダムを知るにはいいタイミングだろう、私はレーベル〈Lugar Alto〉から2023年末の11月にリリースされたリリースを手に入れた。
 最初に言っておく。ベースが鳴っていない。多くの人が彼のミキシング・スペクトラムの幅広い使い方に慣れているいま、ミックスは期待するほどドラスティックではない。私たちは皆、自分のステレオやiPhoneがそれを扱えることを知っている。『Sexta dos Crias』はふたつの長いミックスで構成されている。完全に楽しめるし、彼のユニークなスキルから期待されるべきものだ。しかし、他のダンス・レコードの中で完全に際立っているわけでもない……トラック2の途中までは。
 “Distorcendo a Realidade"では、急にテンションが上がり、彼の動画にあったダーティな雰囲気にへと変化する。ここまで来るのに時間がかかるのはどうかと思うが、だからといってそれまでの数分間が無駄というわけではない。いや、彼の計り知れない才能を判断するには、別のメディア、別の創作形態、圧縮の幅が必要なだけだ。『Sexta dos Crias』の2曲は、ほとんどのミックスがそうであってほしいようなペースで進んでいく。しかも彼はこれをリアルタイムでやっているわけだ! 私がDJプレイにこれほど興奮したのは、ジェフ・ミルズを見て以来のことだ。踊りたい、興奮もしたいし、絶頂に達するほど刺激されたい。DJが実際にデッキでパフォーマンスするのを見ることで、私の注意を惹きつけてほしい。世界中のDJがこのことに注目し、ベッドルームに戻って自分の能力をスパイスアップすることを願う。DJラモンは他の追随を許さない。

---

Ramon came on my radar like any genuine sensation should. Spontaneously and without warning. Randomly and like a two ton bomb to the waist. Videos viral in their pervasiveness across the web caught my attention while doom scrolling. Short and perfect for TikTok viral attention span, each video was simply shot in one non-descript inside location ( possibly his bedroom?) with Ramon in front of his personal decks massaging the controllers from the get go, conjuring a multi level on-the-fly mix of vocals and scattered beats. The call and response soundscape quickly coalesces, all doubt of resolution is killed, and the 404 error imagination is severely damaged by the camera shaking violently with each thunderous, throbbing bass beat.
Ramon, Brazilian, 21 years old born and raised in Palhada, Nova Iguaçu, an area close to Rio de Janeiro, knee deep in favela funk carioca flexing the sparks emanating from beat bolha, shows his
African heritage with each tremor that sizzles hot bacon as if on a metal pan.

The taste of a Ramon video is similar to summer fruit chilled for immediate effect. Ramon follows in a line almost forgotten among 2024 USB stick carrying DJs who casually dance around dj decks only once in a blue moon touching the knobs of their mixers to make the dancing public falsely believe they are creating magic and they, the audience , witnessing genius. Often times djs are no different than AI playlist selectors taking the credit for the original track maker’s creation.
Hence the spectacle of Djing isn’t on technique or talent now but how sexy you look or exotic or how fun you make the event seem.
Ramon, most likely unknowingly, is a disciple of the OG DJs who actually DJed, a innovation believer in a long line of Black people innovating electronic / dance music. Echoes of the many techniques mastered before in Jamaican sound system yah-man vibes and the golden age of early NYC rap are reflected in his young hands.

But he is also an apostle. Using the equipment to mash, smash, mix and vibrate out of Thanos existence something new. Ramon treats DJ equipment like an instrument rather than a track selecting machine. Ramon never stops moving and his mental acute attention to creating is black and white with absolute clarity. Each video online is short and mixing is left in the red for dance floor brain meltdown.

So that brings one to wonder what would a longer recorded mix without the video theatrics sound like since most of us can’t grab a flight to Brazil. Just in time to capitalize on his new stardom, we have been graced with this first release put out in November at the tail end of 2023 by label Lugar Alto. I will disappoint you first. The bass ain’t bass-ing. The mix isn’t as drastic as one would hope especially as many people are now used to his wide use of the mixing spectrum. We all know that our stereos and iPhones can handle it. “Sexta dos Crias” comprises only 2 long mixes. Entirely enjoyable and what we should expect from his unique skills. But it also doesn`t stand out entirely from other dance records..... UNTIL mid way through track 2
“Distorcendo a Realidade” which suddenly turns waaaay up and gets grimy dirty resembling his videos. Too bad we have to wait so long but that doesn’t mean the preceding minutes are a waste. No, just a different medium, a different form of creation and compression range to judge his immense talent. The 2 tracks of “Sexta dos Crias” move at a pace that I wish most mixes moved at. Mind you he does this in real time! I haven’t been so excited about DJ work since I saw Jeff Mills. I want to dance but I want to also be excited and stimulated to the point of climax. I want the DJ to earn my attention in watching him actually perform on the decks. I hope all DJs worldwide take note and go back to their bedrooms to spice up their abilities. DJ Ramon is unmatched.

大好評につき3刷達成!
発売1週間にして重版決定!

ダブとは何か? それはどのように生まれ、いかにして広まり、拡張したのか?
そのすべてを俯瞰する!

ルーツからニューウェイヴ、ディスコ、テクノ、アンビエント、ベース・ミュージックまで
400枚以上の作品を紹介する、ダブ・ディスクガイドの決定版

監修・編集・執筆:河村祐介
執筆:野田努、三田格、鈴木孝弥、飯島直樹、猪股恭哉、草鹿立、大石始、宇都木景一、吉本秀純、Akie、八木皓平
featuring U‐ロイ、エイドリアン・シャーウッド、アンドリュー・ウェザオール、こだま和文、内田直之、1TA & Element、Sahara (Undefined)、Mars89

A5判オールカラー/224ページ

目次

イントロダクション

Chapter 1 ROOTS ダブのルーツ

サウンドシステムを巡るジャマイカ音楽史とダブの誕生譚
キング・タビーとはなにものなのか?(鈴木孝弥)
U-ROY・インタヴュー
人々を「アップセット」するための音響を──リー・ペリーのダブ
その他のジャマイカの重要ダブ・エンジニア/アーティスト
【disc】ROOTS OF DUB IN JAMAICA

Chapter 2 SPREAD 拡散

UKダブ史──いかにしてそれを自分たちの文化にしたのか(野田努)
【disc】UK REGGAE ┃ WACKIE'S
エイドリアン・シャーウッド・インタヴュー
【disc】ON-U SOUND
レゲエとパンクは似たもの同士ではない――UKでのDUB論の展開(野田努)
【disc】POST-PUNK / NEW WAVE ┃ DISCO
レゲエのデジタル化とダブ・アルバムの衰退(鈴木孝弥)
【disc】JAMAICA DIGITAL DANCEHALL DUB ┃ UK DIGITAL NEW ROOTS

Chapter 3 DANCE DJ カルチャーとダブ

UKレイヴ・カルチャーとダブ(三田格)
【disc】UK RAVE CULTURE IN DUB
アンドリュー・ウェザオール・インタヴュー
ブリストル・サウンドとはなにか?(飯島直樹)
【disc】BRISTOL SOUND ┃ DOWNTEMPO, TRIP HOP, TECHNO, JUNGLE ┃ BASIC CHANNEL

Chapter 4 FAR EAST 日本のダブ

こだま和文・インタヴュー
内田直之・インタヴュー
【disc】JAPANESE DUB

Chapter 5 EXPANTION 拡張

【disc】ELECTRONICA ┃ DUB TECHNO / MINIMAL DUB ┃ HOUSE / NEW DISCO ┃ LOCALIZED ┃ DUBSTEP / BASS MUSIC ┃ ROCK, ELECTRONICS, LEFTFIELD

Chapter 6 ADVENTURE モダン・ダブの冒険

国内外を結ぶ、注目の国内ダブ・レーベル主宰者に訊く、現在のダブ・シーン──1TA & Element(Riddim Chango)、Sahara(Newdubhall)、Mars89(Nocturnal Technology)
【disc】THE ADVENTURE OF MODERN DUB

索引
著者紹介

[監修]
河村祐介(かわむら・ゆうすけ)
OTOTOY編集長/ライター
1981年に幡ヶ谷で生まれてそのまま。石野卓球編纂の『テクノ専門学校Vol.3』収録のセイバーズ「Wilmot」でダブの虜仕掛けの明け暮れに。2004年~2009年『remix』編集部、LIQUIDROOM勤務やふらふらとフリーを経て、2013年より、OTOTOY編集部所属からの長。

オンラインにてお買い求めいただける店舗一覧
amazon
TSUTAYAオンライン
Rakuten ブックス
7net(セブンネットショッピング)
ヨドバシ・ドット・コム
Yahoo!ショッピング
HMV
TOWER RECORDS
disk union
紀伊國屋書店
e-hon
Honya Club

P-VINE OFFICIAL SHOP
SPECIAL DELIVERY

全国実店舗の在庫状況
紀伊國屋書店
三省堂書店
有隣堂
くまざわ書店
TSUTAYA
大垣書店
未来屋書店/アシーネ

STRUGGLE: Reggae meets Punk in the UK - ele-king

 写真家・音楽ライターの石田昌隆氏の新刊は、『STRUGGLE: Reggae meets Punk in the UK』。主にUKを舞台としたレゲエとパンクの出会いを中心に編集したもので、1982年から2023年までの作品が掲載されている。ザ・クラッシュのNYでのライヴにはじまり、レゲエの偉人たち、80年代UKのインディ・ロッカーたち、1884年のCNDとの共催によるグランストンベリー・フェスティヴァル、同年のノッティングヒル・カーニヴァル、レゲエ・スプラッシュ、それからクラブ・シーンも少々……と、時代のポップ・アイコンたちの合間に街の風景や無名の人たちの写真が入ってくるのが嬉しい。また、そのときどきの渡英についてのエッセイがそれぞれの年ごとに掲載されている。いくらの経費でどんな風に撮影したのかがわかるのも面白い。
 パンク以降のUKミュージックのファンはぜひ見て欲しいし、パンクとレゲエが好きな人にはキラーな内容だと言っておこう。なお、刊行を記念して、8月4日(日)15:00からタワーレコード渋谷店6Fにて、DJ HOLIDAY名義ではレゲエをかけまくる今里をゲストに迎え、トークがあります。こちらもヨロシク。


石田昌隆
STRUGGLE: Reggae meets Punk in the UK

Type Slowly
‎352ページ(発売は8/3)
※表紙デザインは、サイレント・ポエツの下田法晴

DMBQ - ele-king

 DMBQが主催する毎秋恒例のクアトロでの競演ライヴ・シリーズ。2024年も実施されることが決定している。今回招かれるアクトはサニーデイ・サービス(10/3@名古屋)、maya ongaku&MERZBOW(10/23@渋谷)、カネコアヤノ(10/29@梅田)。相変わらず豪華な面々だ。どんな一夜になるのか、その目でたしかめにいこう。

「毎秋恒例のDMBQキュレートによるクアトロ公演、今回はサニーデイ・サービス、カネコアヤノ、maya ongaku、MERZBOWと競演」

DMBQが毎年秋に東名阪クアトロにて行う自主公演が今年も決定した。今回は名古屋クアトロにてサニーデイ・サービスと、梅田クアトロはカネコアヤノと、そして渋谷クアトロはmaya ongakuとMERZBOWという豪華な競演ラインナップを迎えて行われる。
毎回DMBQがキュレートした独自の路線をひたすらに突き進む先鋭的アーティストとの競演が話題の本シリーズだが、今回もコアな音楽ファンに突き刺さるディープな組み合わせだ。
チケットはチケットぴあ、e+、ローソンチケット等で7月31日~8月5日まで先行発売。
一般発売は8月10日より開始。


「DMBQとサニーデイ・サービス」
名古屋クラブクアトロ
2024年10月3日(木)

チケットぴあ:Pコード:276-053
ローソンチケット:Lコード:43349
e+


「DMBQとmaya ongaku / MERZBOW」
渋谷クラブクアトロ
2024年10月23日(水)

チケットぴあ:Pコード:276-070
ローソンチケット:Lコード:73664
e+


「DMBQとカネコアヤノ」
梅田クラブクアトロ
2024年 10月 29日(火)

チケットぴあ:Pコード:276-132
ローソンチケット:Lコード:52890
e+

【共通】
開場/開演:18:45/19:30
料金/(前売)¥4,500/(当日)¥5,500
※入場時ドリンク代別途600円。
※整理番号あり。
※未就学児童入場不可、小学生以上要チケット/紙・電子両方取り扱い(ぴあは「MOALA」)/お一人様4枚まで
一般発売日:2024年8月10日(土)

・PG先行:7/31(水)正午~8/5(月)23:59
・QUATTRO WEB先行:7/31(水)正午~8/5(月)23:59
※クレカ決済のみ

Seerkesinternational - ele-king

 そう、時代はDUB。先日、すばらしいアルバム『KINTSUGI SOUL STEPPERS』をリリースしたseekersinternationalが来日。東京公演ではMars89がTemple Ov Subsonic Youth名義でのライヴも披露。さらに先日USの〈Digital Sting〉より強力なアルバムをリリースしたばかりのG Version III、イベントを主催する〈Riddim Chango〉の1TA、Elementも出演。ぜひ、現在進行形のダブを体験して欲しい。

2024.08.10 FRI
OPEN/START23:30
Over 20 only・Photo ID required
20未満入場不可・要顔写真付ID

Riddim Chango presents GHOST DANCE

LINE UP>>>
LIVE:
Papa Cool Breeze from Seerkesinternational
Temple Ov Subsonic Youth a.k.a. Mars89

DJ:
G Version III
Element
1TA

artwork: Boram Momo Lee

ADV./DOORU23 ¥2,500 / ADV ¥3,000 / DOOR ¥3,500
TICKET: https://t.livepocket.jp/e/20240810wwwb

詳細: https://www-shibuya.jp/schedule/018076.php

Riddim Chango
https://riddimchango.bandcamp.com/
https://www.youtube.com/@riddimchango


nmnhn sp vol.4
8月13日(火曜日)
場所 SOCORE FACTORY
開演 19:00~

出演者
Papa Cool Breeze from Seekersinternational
1729
Element
yudayajazz
Nakam

ADV 3,000 (1D)
DOOR 3,000 (+1D)

https://socorefactory.com/schedule/2024/08/13/nmnhn-sp-vol-4/

水谷:そろそろVGA(VINYL GOES AROUND)でコンピレーションでも作ろうという話になったのって去年(2023年)の秋くらいでしたね。

山崎:VGAはレアグルーヴのイメージが強いという事もあって、いろいろ案を出しあった結果、「アンビエント・ブームへのレアグルーヴからの回答」というコンセプトができて取りかからせて頂きました。

水谷:一概には言えないのですが直球の70年代ソウルが今の時代にフィットしないような感覚があり、また思った以上にスピリチュアル・ジャズが盛り上がっている背景もあったので、その辺にカテゴライズされているものを中心に静かな楽曲をアンビエント的な解釈でコンパイルするのは面白いかもねというのが当初の話でした。そもそもアンビエントの定義とは何なのでしょうか?

山崎:ブライアン・イーノが提唱した「環境に溶け込む、興味深くかつ無視できる音楽」というのが定説ですが、境界線は曖昧ですね。90年代に流行したヒップホップやR&B、アシッドジャズのルーツにはレアグルーヴ的なサウンドがあったのに対し、テクノやハウスのルーツにはアンビエントやニュー・ウェイヴ、プログレッシヴ・ロックがあって、当時のレコード店にはテクノと同じ棚にアンビエント系も並んだりしていました。僕はそのあたりからアンビエントに興味を持ち始めました。

水谷:近年のアンビエント・ブームはどのような経緯で生まれたのでしょうか?

山崎: 今の世界的なアンビエント・ブームは80年代の日本の環境音楽やニューエイジが中心となっています。日本ではハウス系の文脈からバレアリックやイタロ/コズミック系に流れた人たちが2010年以降に開拓していったように思いますが、しかし90年代は、クラブミュージック界隈では誰もこの辺に興味を持っていなかったように思います。時代とともに価値観が逆転した感じですね。

水谷:今回のコンピレーションはその流れとも少し外れているように思いましたが、具体的にはどのような意図で選曲をしていったのですか?

山崎:まずコンピレーションの意義みたいなものを考えてイメージを膨らませました。僕が20代の頃(80〜90年代)によく聴いていたのは主に70年代のソウルやファンク、ジャズのいわゆるレアグルーヴ系のコンピレーションで、当時は知らなかった曲の発見に加えて、収録曲の完成度が高くてリスニング体験がとても豊かでした。でも2000年代を過ぎたあたりから発掘ネタも出尽くしてきて、様々なコンピレーションが重箱の隅を突くようになりどんどんクオリティーも下がっていきました。

水谷:レアグルーヴの視点でいうと欧米の主要な楽曲の発掘は2000年代で枯渇したように思われます。2000年代中盤に差し掛かると収録ネタのターゲットは辺境系にいきました。購買層もどんどんマニアックな人たちになっていき、それはコア層にとっては新鮮でしたが、いま、2024年に振り返ってみても一般的なスタンダードにならなかった曲が多かった気がします。

山崎:一方、同時期にレアグルーヴ系以外でよく聴いていたコンピレーションは、1994年にリリースされた『Café Del Mar』や1996年にリリースされた『Ocean Of Sound』で、前者は当時、イビザ島のカフェをテーマにしていてそこでレギュラーDJをしていたホセ・パディーヤが選曲をしているもの。後者はブライアン・イーノが設立したレーベル、Obscureからもアルバムをリリースするアンビエント/エクスペリメンタル・シーンのパイオニア、 デヴィッド・トゥープによるものなのですが、どちらもジャンルの深掘りというよりは、ジャンルも年代も広い範囲で捉えられていて、テーマにそって演出された選曲が斬新でした。

 それで散々アンビエント系のコンピレーションが出ている今、若いアナログ購入者層に向けるべきなのは、レアな曲を中心にセレクトするのではなく、定番もおさえた上でサブスクのプレイリストでは感じることのできないアナログの体験ができるようなコンピレーションではないか思いまして、また80年代アンビエント発掘系のMUSIC FROM MEMORYや、LITAの『環境音楽』とも違った方向性にしたかったので、『Café Del Mar』や『Ocean Of Sound』を意識し、テーマを決めて様々なカテゴリーから選曲する方向へとシフトしました。テーマは夜の部屋から望む月です。

水谷:どうして月なのでしょうか?

山崎:単純な理由なのですが去年、たまたまストロベリー・ムーン(毎年6月に見られる赤い満月のこと)に遭遇したんですね。海の水平線上に、これまで見たことのないくらい赤くて異様な感じで妖艶な光を放っていました。その時に撮った写真をジャケットにしたいという思いがありまして、実際に使わせていただきました。

水谷:このジャケットは秀逸ですね。なんとも言えない存在感を感じます。それとこの三角の帯、『ORIGAMI』もいい感じになりましたね。

山崎:この帯は水谷さんと一緒に考案させていただきましたが、通常の縦の帯はジャケットのアートワークの大事な部分を隠してしまうこともある。この帯はそんな時にいいですね。

水谷:ただ日本盤の帯って良くできていて、縦にドーンっとカタカナが入っている感じは外国人も好きですし、あの存在感が購買意欲に直結する感じもあります。なので『ORIGAMI』は今後もケースバイケースで使っていきたいなと考えています。

山崎:では曲を追っていきたいと思います。

水谷:1曲目はP-VINEのアーティスト、yanacoですね。最近はマイアミのシンガーソングライター、カミラ・カベロにサンプリングされたり、配信サービスのチャート常連になっている新進気鋭の日本人アーティストです。

山崎:この「Arriving」は最初に聴いたとき、ピアノのフレーズが綺麗で心に染みる感じがアルバムの導入にふさわしいと思い、すぐに1曲目にさせてもらおうと決めました。

水谷:yanacoはデモテープをP-VINEに送ってきてくれたアーティストの一人なのですが、アンビエント作品のデモテープって今、とても多いんですよ。語弊を恐れずに言うとアンビエントっぽい曲って簡単に作れてしまう。そういう事情もあってなのか、たくさんアンビエントのデモが送られてくるのですが、yanacoには他のアーティストとは明らかな違いを感じたんです。その違い何だったのか明確にはわからないのですが、アンビエントって冷たい曲が多い中、yanacoには不思議な温かみを感じたのも理由の一つで、彼が唯一リリースに繋がったアーティストです。

山崎:直感に触れてくるような親しみのある感じはとても良いですね。適度な緊張感を保っているので自然体で聴けます。今回、ジャンル特有の難解さはあえて避けましたのでフィットしました。
続いて2曲目にはフランスの黒人ピアニスト、Chassolの「Wersailles (Planeur)」です。

水谷:ピアノの流れが続きますが、遠い景観をイメージするようなゆったりしたyanacoの曲から疾走感のあるこの曲への繋がりがまるで映画のシーンが変わるようですね。

山崎:実際、この曲は『わたしは最悪。』という2021年のフランス映画で使われていて、主人公の女性が明け方に街を彷徨するシーンにマッチしていました。この映画では他にもArmad JamalやCymandeが使用されていて監督に同世代感を感じました。調べたらそのヨアキム・トリアー監督は1974年生まれでした。

水谷:ピアノがエモくていいですね。情景が浮かびます。Chassolはどういうアーティストなのでしょうか?

山崎:2015年に恵比寿のリキッドルームでモントルー・ジャズ・フェスティバルが開催されてそこでLIVEを初めて観ました。映像を使ったライブをする人なのですが、鳥のさえずりや人の会話の映像に演奏をかぶせていき、ピアノやドラムと映像がどんどんシンクロしいていってそれが少しずつ音楽に変わっていく。今まで観たことがない貴重な体験でした。その後、すっかりChassolのファンになってレコードを買うようになりました。良い曲が多いので今回、候補曲を絞るのが難しかったです。
次の3曲目はBrian Bennett & Alan Hawkshaw の「Alto Glide」です。

水谷:これはUK老舗のKPMというライブラリー音源ですね。やっぱりヨーロッパな感じがします。いつもUSの真っ黒な曲ばっかり聴いていても疲れちゃいますから、たまにはこういう洒落た曲を聴きたくなるので、僕も昔はフランスのEditions Montparnasse 2000とかをよく集めました。この「Alto Glide」は跳ねた感じのビートと浮遊感のあるシンセサイザーが気持ち良いですね。片割れのBrian Bennett の『Voyage』というライブラリー・アルバムを知っていますが、そこに収録の「Solstice」も、 ドープでゆったりとしたシンセ・ファンクでいい曲です。

山崎:KPMのライブラリー音源はイタリア系よりも70年代臭すぎず洗練された曲が多いです。John Cameronの「Half Forgotten Daydreams」とかKeith Mansfield「Morning Broadway」などは有名なレア・グルーヴ・クラシックでもあります。

水谷:今回、100%アンビエントにこだわっていないとは思いますが、これはビートが強いのでアンビエントとは言えない感じですね。

山崎:すでに3曲目でアンビエント色から外れてしまうというのもどうかとは思いましたが、緩急をつけることで曲それぞれが生きてくる感じを前半から作りたかったです。そして次につなげる橋渡し的な役割でもありました。

水谷:で、次がSven WunderのLP未収録の7インチ・オンリーの曲「Harmonica and....」ですね。

山崎:Sven Wunderは近年、人気が急上昇しています。この曲は彼の楽曲の中でも人気の高い曲で、7インチは最近では2万円くらいまで上がっています。また先日も、タイラー・ザ・クリエイターのアパレル・ブランドle FLEURのPV挿入曲としても使われていました。今回のコンピレーションの中ではある意味いちばん華やかな曲ですね。

水谷:しっかりとした音ですよね。こういうビートに豪華なストリングスが入るとDavid Axelrodを思い出しますが、その現代版と言ってもいいかもしれません。

山崎:David Axelrodは当時の最高峰のレコーディング環境とスタジオ・ミュージシャンを使っていますからね。で、あのサウンドをあの時代にやっていた。僕らにとってはもう神のような存在ですが、Sven Wunderもそこに追走していてかなり頑張っていると思います。

水谷:次はテキサスのアンビエント作家、Dittoです。ここで初めて80年代ニューエイジ・サウンド的なシンセサイザーの音色がでてきました。

山崎:なぜテキサスでこういう音楽をやっていたのかが謎な人です。これはビートがしっかり入っているので選曲しました。僕はWally Badarouが昔から好きで、この人はアンビエント的な曲を手がける黒人キーボーディストなのですが、アフリカンなビートにDX-7などの80年代シンセサイザーが特徴で、クラブ・クラシックな曲が多くあります。このDittoの「Pop」はシンセの音色と変拍子のリズムがWally Badarouにも通じる感じがしました。でも本人は白人でイーノやクラスターに影響を受けているらしいです。

水谷:次の曲は日本人ですね。

山崎:新津章夫さんはまさに80年代の日本のニューエイジ音楽家です。最近、ギター中心の一人多重録音で作られたアルバム『I/O(イ・オ)』(1978)がアナログで再発されました。自宅の物置をスタジオに改造して音楽制作をされていたらしいですが、工夫を凝らした作風で評価が高いです。この曲は1981年に発表された曲ですが、ゆっくり弾いたギターの再生スピードを上げてメロディーを奏でているところが特徴的で、この手法はホルガー・シュウカイもペルシアン・ラヴで使っています。

水谷:確かにペルシアン・ラヴに通じる曲ですね。

山崎:このような職人気質なニューエイジ/環境音楽家が80年代の日本にはたくさんいて今、それが世界で再評価されています。この辺の作家はYMOの影響下にある人も少なくないと思います。YMOが海外での評価が高かったことから日本の環境音楽シーンも海外を視野に入れて制作をされていたのではないでしょうか。今、ここにきてそれが実を結んだというのはいいですね。

水谷:次はLemon Quartetの「Hyper for Love」ですね。ここでアンビエント系からジャズに戻りました。どういうグループなのですか?

山崎:オハイオの現行ジャズ・グループですね。アルバムを2020年代に2枚リリースしています。全体的にECMにも通じるような作風で、最近のアンビエント系のファンから人気が高いです。今、ECMの中古レコードって以前に比べて高くなっているんですよ。

水谷:そうなんですね。昔は1000円以内で買えるイメージでしたが。

山崎:ECMはアンビエントとは呼ばれないですが、設立当初(アンビエントという定義ができる前)から「The Most Beautiful Sound Next To Silence (沈黙の次に美しい音)」というサウンド・コンセプトを示してきたレーベルなので、今また評価が上がっているのはアンビエント人気の延長にあると思います。

水谷:これを聴いて思うのはやはりスピリチュアル・ジャズとは違ってピアノが軽いですよね。スピリチュアル・ジャズのピアノは美しさと同時に重みがある。これはジャズなのにアンビエントとしても聴けるのはこの軽さが理由だと思います。このサウンドは今の時代を表しているように感じますね。

山崎:今回のコンピレーションで示したかったのはアンビエントをテーマにしながらもアンビエントではないジャンルの横断なので、この曲の良い意味で軽めな表現はコンセプトに合いました。

水谷:続いてはGigi Masin の「Clouds」です。よくできた曲ですね。古くからサンプリング・ネタとしても多くの人から使われています。

山崎:この曲は2016年に我が社で12インチをカットしていますがその時の世の中の反響はどうだったのですか?

水谷:日本ではちょっとしたGigi Masinブームが起こっていましたね。レコードも売れましたし、舐達麻の「FLOATIN’」でもその後サンプリングもされました。

山崎:この曲は美しいピアノが印象的ですが、バックのシンセサイザーのループが秀逸ですね。

水谷:このループ感がサンプリングネタになりやすい所以だと思いますが、アンビエントでも僕らのようなジャンルの人が聴ける重要な部分はこのループ感という気がします。ここにグルーヴを見出すことができる。

山崎:おっしゃる通りですね。ビートが無くても感じられるグルーヴの一つに、同じフレーズの反復があると思います。今回の選曲はこのグルーヴ感を重視しています。これがレアグルーヴからの回答なのかなと。

水谷:次はJohanna Billingの「This Is How We Walk On The Moon」ですね。アーサー・ラッセルのカバー曲です。アーサー・ラッセルって僕が最初にアンビエントを意識した人ですね。アンビエントからディスコ/ガラージ系、ニュー・ウェーブなど多方面で活動されていましたが、いろいろな層から高い評価をされるクロスオーバーな人の象徴のようなイメージです。

山崎:90年代はアーサー・ラッセルからのサンプリングって、ハウスでは結構ありますが、調べるとヒップホップでもカニエ・ウエストが2016年にサンプリングしているのである意味レアグルーヴな人だと思います。

水谷:このJohanna Billingという方はどのようなアーティストなのでしょうか?

山崎:スウェーデンで活動する女性のメディア・アーティストで、映像で多くの作品を発表しています。この「This Is How We Walk On The Moon」も彼女が2007年に発表した同名のショート・ムーヴィー(邦題『私たちの月面の歩き方』)のサウンドトラックで、当時は恵比寿映像際というアート・フェスでも出展されていたみたいですね。この作品は観ていないですが、彼女は主に即興とドキュメンタリーを掛け合わせたような作風らしいです。

水谷:チェロの感じはアーサー・ラッセルっぽいですが、パーカッシヴなトラックとしばらく歌が出てこないアレンジがいいですね。

山崎:原曲がいい曲っていうのもあるかもしれませんが、アート系の作家による音楽にしてはすごく良くできているアレンジだと思います。あとこの曲は歌詞がいいんですよ。翻訳を見たらとてもポジティブな内容で感銘を受けました。それもあって本作のタイトルはここから引用させていただきました。

水谷:続いてはWeldon Irvineの「Morning Sunrise」です。今、めちゃくちゃ人気のある曲ですが、僕たちがこんなことを言ってはいけないですが、「え?なんで?」って感じもありますよね。

山崎:1998年リリースの未発表アルバムに収録されていました。このアルバムは僕もリアルタイムで買いましたが、どちらかというと失敗したなと思った買い物でしたね。当時の周囲の評判もすごく悪かった。それが後にこの曲が跳ねるとは思いもしなかったです。

水谷:これもサンプリングされて人気が上がった曲ですね。Weldon Irvineの歌モノの代表曲といえば僕らの時代は「I Love You」っていう印象が強いのですが、今はどちらかといえばこの「Morning Sunrise」の方が代表的になっている気がします。

山崎:コンピレーションの終盤に夜明けをテーマにした曲を持って来れたのはちょうど良かったですし、他にソウルフルな楽曲が無かったのでうまくバランスが取れました。またあらためて聴くとやっぱりいい曲だなとも思いました。

水谷:そしてLPの最後はセキトオ・シゲオさんの「The Word II」。これもマック・デマルコによる引用で今や大人気の楽曲ですね。

山崎:そうですね。さすがに有名曲すぎるとも思いましたが、僕たちの界隈を外れたところでは意外と知らない人も多いので収録させていただきました。このオリジナルのレコードはエレクトーンの教則的なシリーズですね。日本人でもなかなかディグしないであろう曲をカナダ人のマック・デマルコが引用するなんて最初はびっくりしましたが、ネットの力はすごいというか、YouTubeの出現によって日本の古い音楽が世界に広まった代表的な事例の一つではないでしょうか。

水谷:LP収録曲をひと通り説明いたしましたがCDには井上鑑さんの「湖のピアノ」が追加収録されています。

山崎:この曲が収録されていたアルバム、『カルサヴィーナ』はもともとカセット・ブックのシリーズでリリースされています。井上鑑さんは多作すぎてすべてを聴いているわけではないですが、アンビエントを手掛けている作品は珍しいと思います。

水谷:日本で高い人気を誇る作編曲家だけあって音が鋭く響きわたりますね。

山崎:背景に鳴っているフィールド・レコーディングのような音とピアノにかかっているエコーやリヴァーブも効果的で美しいです。

水谷:吉村弘さんを筆頭に今、流行っているアンビエントって先ほどのDittoのようなサウンドなのかなって思うのですが、井上鑑さんのこの曲はそれとは全く別の音楽に感じます。アンビエントの中でもカテゴリーの枝分かれってあるのですか?

山崎:Dittoはシンセサイザー・ミュージックだと思います。井上鑑さんのこの曲は現代音楽よりでしょうか。この辺をひっくるめてニューエイジ・ミュージックと言うのだと思いますが、ニューエイジって瞑想のための音楽や音楽療法に使われるものだったりする宗教的イメージが強いので、先にも書きましたが昔は一般的には人気のある音楽ではなかったです。ただ現代からあらためて振り返ると、80年代のこの辺のサウンドって90年代以降に生まれたIDM系やダウンテンポに近いサウンドをそれよりも先に具体化していたように思います。ここに因果関係があるのかどうかは全くわからないですが、再評価されているのはそういうことではないかと勝手に思っています。

水谷:あとは80年代ディグの延長ですよね。このムーブメントは80年代ディグの最終地点かもしれません。

山崎:たしかに巷ではそろそろ90年代ディグに入ってきてますからね。

水谷:さて、今回、あらためてこの『How We Walk On The Moon』を通して聴きましたが、バランスよく上手くまとまっているんじゃないでしょうか。

山崎:そう言って頂けて安心しました。最後に伝えたいのですが、今回のLPはとても音がいいです。プレスは我が社の『VINYL GOES AROUND PRESSING』(VGAP)なので、非常に手前味噌で恐縮ですが、選曲を考えている間ずっとデジタル音源でこれらの曲を聴いていたんですよ。それでテスト・プレスが上がってきて初めてレコードに針を落とした時に、久しぶりにアナログというものの素晴らしさを感じました。あの感動は忘れられないですね。暖かみがあって奥行きがあって、解像度はデジタルの方が良いはずなのですが、すぐそこで楽器を鳴らしているようなリアルさも感じまして。で、やっぱりレコードって良い音なんだなぁとあらためて思いました。

水谷:うちの宣伝になってしまうようで申し訳ないですが、実際にVGAPのプレスの音は外からの評判もとてもいいんですよ。非常にありがたいお話ですが。

山崎:一般受注も開始しましたし、国内のレコード生産が今まで以上に活発になるといいですね。

VINYL GOES AROUND Presents
V.A. / ハウ・ウィー・ウォーク・オン・ザ・ムーン
V.A. – How We Walk on the Moon

CD:発売中
LP : PLP-7443 / Release: 2024年8月7日

LP収録曲
SIDE A
1. yanaco - Arriving
2. Chassol - Wersailles (Planeur)
3. Brian Bennett & Alan Hawkshaw - Alto Glide
4. Sven Wunder - Harmonica and…
5. Ditto – Pop
6. 新津章夫 – リヨン

SIDE B
1. Lemon Quartet - Hyper for Love
2. Gigi Masin – Clouds
3. Johanna Billing - This Is How We Walk On The Moon (It's Clearing Up Again, Radio Edit)
4. Weldon Irvine - Morning Sunrise
5. Shigeo Sekito – The Word Ⅱ

https://vgap.jp

Brian Eno - ele-king

 観るたびに内容が変わる映画、二度とおなじ上映を体験することができない映画──ゲイリー・ハストウィット監督によるドキュメンタリー映画『ENO』にはブライアン・イーノのジェネレイティヴ思想が貫かれている。50年におよぶキャリアをたどる同作のサウンドトラックには、74年のセカンド『Taking Tiger Mountain』収録曲から22年の最新オリジナル・アルバム『FOREVERANDEVERNOMORE』収録曲まで、さまざまな時代の楽曲が収録されているのだけれど、注目しておきたい曲のひとつに “Stiff” がある。91年にリリース予定だったもののお蔵入りとなってしまった幻のアルバム『My Squelchy Life』(15年に公式発売)に収められていた、なんともポップで軽快な1曲だ。昨日、そのMVが初めて公開されている。ここに含まれるイーノの映像は90年代初頭に撮影されたもので、今回の映画制作の過程で発掘されたものだという。
 なお同サウンドトラックには弟ロジャーと演奏した “By This River” のライヴ音源など、未発表曲も収録されている。チェックしておこう。

BRIAN ENO
ブライアン・イーノのジェネレイティブ・ドキュメンタリー映画『ENO』
公式サウンドトラックから、未公開のビンテージ映像が使用された
新作ミュージック・ビデオ「Stiff」が本日公開。
公式サウンドトラックのレコード/CDも発売中!

本日、今まで世に出たことのないイーノの映像を盛り込んだ新しいミュージック・ビデオ「Stiff」が公開された。

Brian Eno - Stiff
https://youtu.be/z-dnmHpUdFw

「Stiff」はヴィンテージ版イーノだ。不遜な歌詞、ユーモア、そしてユニークなサウンドを持つこの曲は、元々は非常に捉えどころのないアルバム『My Squelchy Life』に収録されていた。1991年にリリースされる予定だったこのアルバムは、スケジュールの遅れなどでリリースされず、2015年にやっと日の目を見ることになる。なおこのビデオのディレクターは日本人ジュン・ハナモト・ハーンが手がけている。

『My Squelchy Life』に収録された音源の一部は最終的に『Nerve Net』に発展したが、何故か「Stiff」は収録されないことになった。ビデオに収録されているイーノの映像は、90年代初頭に撮影されたもので、ゲイリー・ハストウィットが『ENO』の映画制作でようやく再発見したものだ。この曲は映画と公式サウンドトラック・アルバムの両方に収録されている。

OSTには新曲「All I Remember」(LISTEN / WATCH) が収録されている。ドキュメンタリーのエンディング曲でもあるこの曲は、このために特別に書き下ろされたもので、イーノが初期に影響を受けたものや経験について言及した、瞑想的で内省的なヴォーカル・トラックである。この他、アルバムには2曲の未発表曲、「Lighthouse #429」(LISTEN / WATCH)と「By This River(Live at The Acropolis) (LISTEN / WATCH)」も収録されている。前者は、イーノがSonos Radioで公開しているラジオ番組「The Lighthouse」から抜粋。「By This River (Live at The Acropolis)」は、2021年8月にアテネのアクロポリスでブライアンと弟のロジャー・イーノによって演奏されたファンに人気の曲である。

どの時代においても明確なビジョンを提示してきたミュージシャン、アーティスト、そして活動家であるイーノについての決定的なドキュメンタリー『ENO』は、二度と同じ上映にならない、画期的なジェネレイティブ映画である。米英の各地にて先週金曜日から公開されていて、詳細のスケジュールはこちらで確認できる:https://www.hustwit.com/events

この画期的な映画と連携するOSTは、イーノの豊かなキャリアに触れる音の旅に連れ出してくれる。フィジカル・アルバムに収録されている17曲は、『Taking Tiger Mountain』のような初期のソロ作品から、デヴィッド・バーン、ジョン・ケイル、クラスター、そして最近ではフレッド・アゲイン.. とのコラボレーションから最新アルバム『FOREVERANDEVERNOMORE』までを収録。

過去50年にわたるイーノの作品を完全に網羅するには、アルバム長尺のアンビエント作品や様々なコラボレーション、〈All Saints〉、〈Warp〉、〈Opal〉の時代も含め、非常に大規模なボックス・セットが必要となる。このサウンドトラックは、そんなアーティストの並外れたキャリアを、タイムリーに思い出させてくれる役割を担っている。

2024年ゲイリー・ハストウィット監督によるジェネレイティブ映画『ENO』のオフィシャル・サウンドトラックは、Universal Music RecordingsからレコードとCDでリリース中。2LPのリサイクル・ブラック盤と2LPのピンク&ホワイト盤(d2cのみ)、そして73分のCDには、エレガントなポートレートのイラスト入り16ページ・ブックレットが付いている。

アルバムのDolby Atmos特別編集版はApple Music、Amazon Music でストリーミング中。
https://brianeno.lnk.to/EnoOSTAtmos

彼の作品がいかに機知に富み、色彩豊かであるかを物語っている ──THE TIMES ****

イーノによる50年のエッセンスを1枚のCD/2枚組LPに収めようという魅力的な試み ──RECORD COLLECTOR - *****

イーノは過去半世紀の音楽界で最も重要な人物の一人であり、彼の影響は今後何世紀にもわたって続くだろう。このアルバムは、長年にわたって作ってきた彼の素晴らしい音楽と、彼がなぜこれほどまでに重要な存在なのかを少しだけ教えてくれる ──SPILL MAGAZINE - 4.5 stars

ゲイリー・ハストウィットの同名ドキュメンタリーのサウンドトラックは、ブライアン・イーノの多才な才能を思い出させてくれる......長く多様なキャリアを一枚にまとめるのは当然不可能ではあるが、イーノの音楽的戦略を知る上で必要不可欠となる作品 ──Electronic Sound

Tracklist:
Brian Eno - All I Remember *Previously Unreleased*
Brian Eno with Daniel Lanois and Roger Eno - The Secret Place
Brian Eno & Fred Again - Cmon
Brian Eno & Cluster - Ho Renomo
Brian Eno - Sky Saw
Brian Eno & John Cale - Spinning Away
Brian Eno & Tom Rogerson - Motion In Field
Brian Eno - There Were Bells
Brian Eno - Third Uncle
Brian Eno & David Byrne - Everything That Happens
Brian Eno - Stiff
Brian Eno with Leo Abrahams and Jon Hopkins - Emerald & Lime
Brian Eno - Hardly Me
Brian Eno & David Byrne - Regiment
Brian Eno - Fractal Zoom
Brian Eno - Lighthouse #429 *Previously Unreleased*
Brian Eno & Roger Eno - By This River (Live At The Acropolis) *Previously Unreleased*

https://www.universal-music.co.jp/brian-eno/

Overmono - ele-king

 10月に来日公演が決定しているオーヴァーモノ。昨日、新曲 “Gem Lingo (ovr now)” がリリースされています。彼らが2月にフレッド・アゲイン‥&リル・ヨッティとともにNYのラジオ「The Lot Radio」に出演した際に初公開されていた曲で、相変わらずカッコいいです。これを聴きながら3か月後を楽しみに待っておきましょう。

OVERMONO
時代の寵児、オーヴァーモノ、待望の単独公演は10月!
来日への期待高まる中、新曲「Gem Lingo (ovr now)」を公開!

UKベースやブレイクビーツ、テクノの最前線に立つテセラことエド・ラッセルとトラスことトム・ラッセルの兄弟による時代の寵児、オーヴァーモノ。昨年待望のデビューアルバム『Good Lies』を〈XL Recordings〉よりリリースし、フジロックフェスティバル '23のレッドマーキー・ステージでのライブセットでも会場を最高潮に沸かせ、東京と大阪にて単独公演が決定したこのデュオ。今、最も勢いに乗っているアーティストと言っても過言ではない彼らが、〈Paul Institute〉をジェイ・ポールと創設したラスヴェン(Ruthven)をフィーチャーした新曲「Gem Lingo (ovr now) feat. Ruthven」をリリースした。

Overmono - Gem Lingo (ovr now) feat. Ruthven
配信リンク >>> https://overmono.x-l.co/gemlingo

フレッド・アゲイン...とリル・ヨッティとのコラボ・シングル「stayinit」のリリースを記念したオーヴァーモノの@TheLotRadioのセット@TheLotRadio setで初めてプレイされて以来、このニューシングル「Gem Lingo (ovr now) feat. Ruthven」はファンを虜にした。YouTubeや SoundCloudにアップされたこの曲の再生回数は30万回を超えた。オーヴァーモノはこの夏をアクティブに活動を続けている。先月のパリ・ファッション・ウィークでは、人気デザイナーのマシュー・ウィリアムズとともに、1017 ALYX 9SMのローンチをキュレーションし、昨年のGivenchyの秋冬ショー2023 Givenchy Fall/Winter show以来2度目のコラボレーションを果たした。

彼らは大阪、東京の他にも、ブルックリン、トロント、ロンドンで最大のヘッドライン公演を行う「2024 Pure Devotion World Tour」の一環として、Pure Devotion BristolとマンチェスターのWarehouse Projectという2つのオール・デイ・イベントを発表し、即完売させた。その一方で、世界中のトップ・フェスティバルでのパフォーマンスも続けている。大絶賛を浴びたデビュー・アルバム『Good Lies』から1年、オーヴァーモノは期待を打ち砕き続け、エレクトロニック・ミュージックの景観を再構築し続け、「UKの次なる大物ダンス・デュオ」という地位を確固たるものにしている。

【OVERMONO Japan Tour 2024】

2024.10.16 (WED)
梅田 CLUB QUATTRO
OPEN : 18:00 / START : 19:00
お問い合わせ:SMASH WEST (TEL:06-6535-5569)

2024.10.18 (FRI)
渋谷 Spotify O-EAST
OPEN : 18:00 / START : 19:00
お問い合わせ:SMASH (TEL:03-3444-6751)

【TICKETS】
前売 ¥7,800(税込/オールスタンディング) ※別途1ドリンク代 ※未就学児童入場不可
●イープラス [https://eplus.jp/overmono/]
●チケットぴあ [https://w.pia.jp/t/overmono/]
●ローソンチケット [https://l-tike.com/overmono/]

主催 SMASH
SMASH INFO:https://www.smash-jpn.com/

label: XL Recordings / Beat Records
artist: Overmono
title: Good Lies
release date: Now On Sale

https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13234

tracklist
01. Feelings Plain
02. Arla Fearn
03. Good Lies
04. Walk Thru Water
05. Cold Blooded
06. Skulled
07. Sugarrushhh
08. Calon
09. Is U
10. Vermonly
11. So U Kno
12. Calling Out
13. Dampha *Bonus Track For Japan

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377