〈ダウンワーズ〉総帥として、またブリティッシュ・マーダー・ボーイズ(BMB)としてサージョン(Surgeon)とともにハードテクノの一時代を築き上げ、ファンクション(Function)、サイレント・サーヴァント(Silent Servant)、フィメール(Female)らとのレーベル・コレクティヴ、サンドウェル・ディストリクト(Sandwell District)によってポストパンク/パワエレ/インダストリアルとテクノをノワールなイメージとミニマリズムで繋いだカール・オコナーことリージス。
暗黒電子音界最高峰プロデューサーとしての近年の秀逸な仕事をまとめたコンピレーション『マンバイト』が〈ブラッケスト・エヴァー・ブラック〉から発売された。アイク・ヤードやヴァチカン・シャドウ、ダルハウスにファミリー・セックス、レイムらのトラックを完全に我が物に扱い、ほぼオリジナルとして再構築される敏腕エディット術。凍りつくように美しいミニマリズムはリージスにしか出しえないのだ。え? ヴァージョン違いばっかりじゃなくって新たなオリジナル曲はどうしたの? という疑問を忘れるくらい、あらためて関心させられる。ま、ほぼ聴いた音源で被りまくることでお馴染みのBEBですから。
もちろん、本人としても近年はプロデュースとコラボレーション・ワークを中心に据えての活動を好んでいることに間違いはないが、誰もが彼の完全新録トラックを待ち望んでいるだろう。
ぜんぜん関係ないけど、最近ゴッドフレッシュとのライヴ・コラボレーションを披露するとかしたとか。そこまでもろなインダストリアル・メタルとの邂逅はなにげに初めての試みなんじゃないか?










Valentino Canzani aka French Fries のストーリーは、1975年に彼の両親が当時の独裁的な政治から逃れるためウルグアイよりアルゼンチンに亡命し、パリへ行き着いた場面から始まる。彼の父親である Pajaro Canzani はウルグアイのマルチ演奏者として、そして自身のグループ “Los Jaivas” のプロデューサーとしてスーパースター的な地位を築いていた。パリに辿り着くと、ドラムや様々な種類のパーカッションを備えたスタジオを再建したが、これがのちに Valentino や彼の妹のリズムセンス、レコーディング技術を幼い頃から習熟させるきっかけとなった。

