「!K7」と一致するもの

 第一回ではアンビエント・ミュージックの「在り方」が、人体における呼吸の「在り方」と同じであるという話をした。今回は「音」そのもののなかに呼吸的な音が含まれているという話をしたい。

 僕はとくに音楽の作品化のプロセスにおいて、いつも「耳で追う音」というものを意識して音楽を作っている。これは10年以上前に〈spekk〉のオーナー杉本直人さんから頂いた、いまも僕の音楽に多大な影響を及ぼしている言霊である。音楽における「耳で追う音」、それは瞑想における呼気の音の役割を持っている。

 瞑想やヨーガにおける最終的な到達点は、あらゆる雑念や苦悩の原因である思考を止滅することにある。平静、人間は「思考」が生み出す幻の中に生きている。すなわち過去を憂うことと未来を案じることという思考時間の長さが、自己の内部に苦悩という実在しない幻を作り出している。思考がなければ、人間は現在のみに生きることを実現し、あらゆる苦悩から解放され、ただただ「現在」の驚きと喜びのなかに生きることができる。瞑想や芸術、あるいは武道やスポーツなどの、種の保存とは無縁の「文化」と呼ばれるあらゆる活動において、思考の止滅は究極の集中状態として求められるべきものであると同時に、それを実現した瞬間に、人間は最大限の能力を発揮する。俗に言う「ゾーン」に入るというやつだ。

 しかし、僕のような未熟な輩は常にそんな状態にあることはできない。瞑想やヨーガといった東洋的な文化においては、思考を止滅した状態に至るための方法として、呼気の音に全ての意識を注ぐことで、あらゆる感覚や記憶の時間軸を「現在」という瞬間に収束させていくという方法論を用いることで思考の止滅を志すことが多い。こういった呼気の音のような音がアンビエント・ミュージックにはあり、僕はその音を、とくに作曲・編集の段階において、「耳で追う音」として意識し、どこにその音があるのかということに気を配っている。音楽に耳を傾け、すべての雑念から解放され、その音楽の世界に埋没するためには、瞑想の入り口としての呼気の音のような役割を担う音が重要なのだ。

 その音というのはどういう音で、どのような意味を持っているのか。

 呼吸という弛緩と収縮の反復行為は身体と精神をつなぐ生命活動でもある。とくに「吸気」は身体と、「呼気」は精神との関わりが深い。音楽においては、定常状態の音が変化することによって、それが認識される。それと同様に、呼吸という「生理現象」が「行為」として随意的に変換されることによって、心身に対する「呼吸」の機能や意味に新たなものが付与される。吸気においては腹式呼吸という物理的な拡張によって諸臓器の位置および機能の定常状態に変化がもたらされる。呼気においては吸気によってもたらされた受動的な空気の流れに随意的な気道収縮による制御を加えることによって、そこに音を生じさせる。そのことが、呼吸と精神を連結させるトリガーになっている。

 この呼気音は、刻々と変化する気道粘膜という特殊な生体環境のなかで、随意的な収縮が加わって起こるものであり、その音は精神と呼吸との密接な関係性を内包した複雑な「揺らぎ」を伴って変化し続ける。この揺らぎの存在によって、人間はその音に意識を向け続けることが可能になる。音楽における「耳で追う音」も、この呼気音のごとく、「揺らぎ」を携えて常に変化し続ける音でなければならない。自分自身で詳しく解析したことはないが、この揺らぎは「1/fゆらぎ」と呼ばれる自然界に多く観察される揺らぎと同じものだろうと思っている。興味深いことは手作りのものがこの「1/fゆらぎ」を内包していて、それを機械で裁断すればするほどそのゆらぎが失われていくということだ。

 東洋思想では陰陽のバランスで物事を考えるが、とくに「芸術」という概念が生まれ定着した時期と、産業革命による近代化の時期とが同期しているということは偶然なことではない。産業革命は人間と機械との共存の歴史の黎明であり、同時に「芸術」の黎明でもあった。無論のこと議会制との関連性もあるが、それ以上に「芸術」という概念が創出された背景には、多くの人びとが産業革命によって農業を捨て、二次産業、三次産業へと生活を変えたことに対するアンチテーゼとしての役割を芸術が担いはじめたと僕は考えている。

 機械化や産業化、大量生産というものは、それが進めば進むほど製造物もその売り場も街も、どんどんと均質化されていくという法則を持つ。近年はこの日本においても、同じ店、同じ服、同じ食べ物がどこへ行っても売られるようになってきている。このことは生物学的には実に危機的なことであり、「多様性」という生物にとってもっとも重要とされる「揺らぎ」が喪失されて来ているということなのだ。近代化以降、とくにある種の変性意識に捕われることなく創作をしてきた芸術家たちは、それが意識的であれ無意識的であれ、本能的にその危惧を抱き、行き過ぎた機械化によって失われつつある「揺らぎ」を作品の中に内包させることで、社会における陰陽のバランスを取り戻して来た。

 無論のこと僕は機械や文明を全て否定するような懐古主義者ではない。しかし、現代は身体や精神はおろか、地球環境までもが明らかな悲鳴をあげ始めている。

 文明による自然の摂理からの逸脱は、人間の生体リズムを調節する自律神経を乱す。アレルギー疾患も含め、現代病と呼ばれるほとんどの病は根本的には自律神経失調症であり、その病の治療にはそのほとんどが症状を取るだけの「対症療法」である西洋医学は無力に近い。現代病というものは人間の心身のリズムと、自然のリズムとのズレから生じるものであり、その根本治療には自然の力を用いる漢方薬や食事・芸術のような、自然のリズムを取り戻す医療にしかできないのだ。

 僕は医療においても音楽においても、人間が生活の中で美しさや美味しさを感じる能力というものを非常に重要視している。化学肥料を用いない有機栽培の野菜や、F1でない種子(在来種)から作られる野菜がおいしいと感じること、デジタル機器よりもアナログ機器の方が音が良いと感じるということはとても不思議なことであると共にとても重要なことだ。人類は化学肥料を使わないだけで何故おいしいのか。ということの意味をもっと真剣に考えなければならない時に来ている。

 欲求や快楽には良いものと悪いものがあり、それを識別するには「落ち着き」が重要であると多くの先人が語っているが、食べ物や芸術の背景に、機械や大量生産があることを感じ取る能力を人間は備えているのだ。もちろん、文明や機械は人間の生活に不可欠なのだが、その規模の問題は現在の人類が直面している最大の問題と言って良いだろう。人類は身体感覚や美意識を介して、それを考えていかなければならない。機械化をすればするほど、資本家の利益が増え、労働賃金が下がるというのが資本主義の悪い点でもある。その是正は消費者の身体感覚に根ざした能動的な選択以外に手段はない。

 ジョン・ケージがニューヨークの大通り沿いに住んでいて、「車の騒音も音楽のように楽しい」と言っていた話はよくされる話だが、果たしていまの車のエンジンの騒音を聴いてもそう感じるのかどうか。ということをいまは亡きジョン・ケージ先生に聞いてみたいと、ずっと思っている。少なくとも僕の耳には、いまの無機質なブレのないエンジン音は音楽には聴こえない。彼が音楽として聴いていたエンジン音は、いまのエンジンとは違う。エンジン技術の黎明期、エンジン音に宿る技術者たちの思いも違っただろうし、いまほど機械化されていなかったものには、より多くのブレ(揺らぎ)が潜在していた。僕が勤めていた病院の当直室にはふたつの新旧の換気扇があって、ひとつはボロくて止まったり動いたり変な音を立てたりするのだが、新しい方は常に一定で何か無味乾燥な音に聞こえるので、僕はいつも新しい換気扇を消して、古くてぼろい換気扇の変化を楽しんでいた。

 機械化や産業化の加速はその燃料を供給している消費者が変わらなければ止められない。農業自体が自然破壊のはじまりだが、後先を顧みずに、化学肥料を散蒔き、遺伝子を組み替え、いまや我々の多くは子孫を残せない均一化されたF1種子の作物を食べて生きている。行き過ぎた文明が作り出すものは、すでに人間の感覚や身体がはっきりと感じ取れるほどにまで変化してしまった。これはそれを作り出した企業の責任ではなく、それを消費している消費者に責任があるのだ。医療においても西洋医学と共に東洋医学という叡智が適正利用されるには、国や医者に何を訴えても徒労に終る。医療を利用する側の能動的な医療の選択があれば、医療は必然的に変わっていく。

 アンビエント・ミュージックにおける「呼気の音」は、そういった人間社会が失っていく「揺らぎ」を携えた音であればあるほどそのリアリティを増していく。古今東西、人間は芸術の中にリアリティを求めてきた。「呼気の音」は、その音楽世界に辿り着くための道しるべでありながら、芸術の使命を携えた音なのだ。そういった音が、ヒーリング・ミュージックにはない。バックグラウンドに流していていても気にならないことは同じなのだが、いざじっくり聴いても耳で追う「呼気の音」になりうる「揺らぎ」すなわちリアリティがないために、思考の時間軸を縮めることが実現出来ず、辿り着く世界が異なってくるのだ。もちろんそれは意識を注がずに背後で流れていても、音楽に宿るリアリティの違いを人間は本能的に感じることができる。そこが両者の決定的な違いであると僕は思っている。

ANDREAS DORAU JAPAN TOUR 2014 - ele-king

 アンドレアス・ドーラウといえば、「フレート・フォン・ユーピター」の大ヒットで知られる、ノイエ・ドイッチェ・ヴェレのファンはもとより、80年代エレポップ愛好家にとっては忘れられないティーンエイジ・ポップ・アーティストである。『クラウトロック大全』によれば、いまもしっかりと活動を続けていて、多作とは言えないが、アルバムも出している。一時期ドイツ国内ではアイドル並みの人気だったそうだが、本人は商業主義に迎合することなくポップを忘れずに、試行錯誤を繰り返しながら、現在に至っている。
 出演する日本人のミュージシャン/DJのメンツも面白い。なんと、DE DE MOUSE、JINTANA & EMERALDSのライヴもあるし、この機会に、ドイツの電気仕掛けのティーンエイジ・ポップを、ぜひ、体験して欲しい。

■12月19日(金) 新宿 LOFT open/start 23:30
LIVE:アンドレアス・ドーラウ / DE DE MOUSE(VJ:rokapenis) / CHERRYBOY FUNCTION
DJ:CMJK / peechboy
LOUNGE DJ:永田一直 / 梶本聡 / 37A / 李ペリー
ALIVE PAINTING:中山晃子

■12月20日(土)15:00~22:00
BASEMENT MONSTAR王子 / 東京都
LIVE:アンドレアス・ドーラウ / JINTANA & EMERALDS / BTB / Omodaka
DJ:COMPUMA / Sammie(SOUCHI MEGANE) / 来夢来人

■12月22日(月) 大阪 北堀江 club vijon open/start 17:30~22:00
北堀江CLUB vijon / 大阪府
LIVE:アンドレアス・ドーラウ / AUTORA / aSymMedley
set change BGM selection:shop MECANO
LOUNGE LIVE:909state
LOUNGE DJ:hitch / otooto22

オフィシャルサイト:https://otooto22.com/dorau
問い合わせ先:ichbinad@gmail.com


mus.hiba - ele-king

Mus.hibaのサウンドスケープ
──ヴァーチャルシンガーの「息」遣い佐々木渉

 当初、シンセサイザーの開発目的の中には、「この世にあるすべての音を写実的に表現することを目指して発展すること」があった。アナログ方式・FM方式とデジタル化される最中にあっても、もちろん、ヴァイオリンなどの生楽器も再現しようとしてきたのだが、その後、録音した音そのものを切り刻んで自由につなぎ合わせるサンプラーが発達すると、生楽器の再現にはほぼ完全にサンプリング音源に取って代わられる。昨今では、『ファイナルファンタジー』などの高級感が売りのゲーム音楽を初めとし、オーケストラ・アンサンブルの表現には高級サンプリング音源が使われているのが定番になっているのが象徴的だ。

 そんな、オーケストラをほぼフル再現したサンプリング技術が、いちばん手を焼いたのが「歌」である。

 声のデータを大量にサンプリングしてきたとして、それを歌のレベルに構成するには、膨大な数の子音/母音区間をタグ付けし、整合性をチューニングし、さまざまなパターンでピッチや倍音の流れを再構築するなど独特の難しい作業があり、リアルに鳴らそうとすればするほど、おびただしいシミュレーションが必要となり、それらをコントロールするためのたくさんの演算処理もハードウェアでは到底できなかったため、PCの進化をジッ……と待つこととなった。

 本作、ムシバ(mus.hiba)氏のアルバム『White Girl』のヴォーカルを務める、「雪歌ユフ」はそんな歌声「サンプリング」合成の歴史の中で、サンプル・ベースの歌声合成エンジンの一般化から産まれた「個人が制作した個性派音源の先駆け」であり、女の子のキャラクターを伴ったヴァーチャルシンガー(※)である。

※ヴァーチャルシンガー自体は、たくさんの種類と制作者が存在し、いま、この瞬間にも世界のあちらこちらで作られている。

 この「雪歌ユフ」はウィスパーヴォイスが特徴で独特の質感がある。“Darkness”や“Yuki”で聴かれるような、水面に写った歌のような揺らぎのある声質とイントネーションは、声の合成の不安定さを魅力的に昇華し、美しくまとまっている。さらに特筆すべきは、生身のシンガーから、感情的に歌いかけられているような「声の向こう側のプレッシャー」を感じないのが、鮮烈で、そもそも「歌が苦手」「日本語が苦手」というリスナーにも体験としてオススメできる。

 mus.hiba氏の楽曲構成も秀逸で、「雪歌ユフ」を音源として取り込んだ上で、サウンドバランスが整えられており、前半3曲の“Slow Snow”から“Ring”までの流れで「ユフ」の声の、歌唱の雰囲気をリスナーの耳に溶け込ませ(馴染ませ)、徐々に、歌を後退させながらダビーな音響で声そのものを浮き上がらせる“Magical Fizzy Drink”を仕込み、声をメタリックにシンセサイズした“まぼろし”などで「ユフ」の声の聞こえ方を多様化させながら作品は進んでいく、こういった中でリスナーの耳が開かれ、ほぼ歌詞のないインスト曲でも、リスナーは彼女の息遣いを耳で探したり、追ったりしてしまうのだからおもしろい。

 後半の“Moonlight”“ひとり”は、声をサウンドスケープとして扱い、リスナーの耳の中に声を溶かして、息を潜めていこうとする流れ……これは稀代のヴォイス・パフォーマー、ジュリアナ・バーウィックの諸作とも被るが、ここには自然な律動やオーガニックさは微塵もないのが対照的。

 アルバムの前半では「比較的楽しげに」歌っていた「ユフ」の声の印象が、後半では声の上澄みである「息」として、残像化され、デフォルメされて流れてくる。リスナーとして、さっきまで耳で捉えられていた女性像そのものが輪郭を失っていくおもしろさがありました。

 聴き終えた後、最初は歌だった気がしたが、その半分は「息そのもの」が奏でていた音楽だったのだなー、と感じた次第です。

PS.
このmus.hiba氏のアルバムを聴いて、「雪歌ユフ」やインディペンデントなヴァーチャルシンガーの歌声が気になった方は、エレクトロニカ寄りであれば「ナカノは4番」さん、インディ・ロック/ポストロックであれば「藍乃」さんあたりから聴きはじめるのが良いと思います。

※上記リンクで試聴するにはニコニコ動画のアカウントが必要です。

佐々木渉

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『ファンタズマ』『ポイント』、その後日談 三田格

 20年ぶりに歯医者に通っている。かつて泯比沙子は、♪歯医者のない街へ~と歌って歯医者嫌いに勇気を与えてくれ、ザ・スミスによる“世界万引き同盟(Shoplifters Of The World Unite)”のメンタリティに肉薄したけれど(してないか)、要はいい歯医者に当たるかどうかだったみたいで、結果、30年ぶりに右側でもモノが噛めるようになり、何か食べるたびに右肩の僧帽筋が筋肉痛になっている。そして、僧帽筋が徐々に鍛えられることによって中学生の頃からはじまった偏頭痛が少し和らいだような気もしている。ダンス・カルチャーで劇的に変化した身体性がここへ来て、また、大きく変わろうとしている。すべては歯だったのかもしれない……。


 ムシバのデビュー・アルバム。ムシバ(む太し陽ば)と名乗っている時点ですでに親近感を覚えてしまったけれど、フリーの歌声合成ソフト「UTAU」の音声ライブラリーから「雪歌ユフ」という「ボーカロイドのようなもの」を使用しているのだそうで、なるほど雪のように透き通ったウィスパー・ヴォイスの背景ではワールズ・エンド・ガールフレンドがゴッドスピード・ユー・ブラック・エンペラー!に染まらず、IDMからそのままチル・ウェイヴに大きく舵を切っていたらこうなるかなというサウンドが展開されている。橋元優歩の頭の中を何倍にも増幅させたようにドリーミングな仕上がりはハッパの吸い過ぎかと思うほどどこを取ってもシュワンシュワンで、最近だとマカオのイーヴェイド(Evade)やM・セージに近いものも。初音ミクにもミクゲイザーというジャンルはあったけれど、あのようなひと昔前の洋楽のトレースやJ・ポップの範囲にとどまっているものではまったくなく、レーベルの資料によればパンク・スピリットが高く評価されているヴェイパー系の〈ズーム・レンズ〉に所属しているというから立ち位置もおのずと明らかだろう(https://www.zoom-lens.org/)。

 いくつかの曲ではビートがあまり打たれず、場合によっては10cc“アイム・ノット・イン・ラヴ”の長いインタールードのようにドローン状のテクスチャーで聴かせているものの、リズム感は非常にしっかりとしていて、ヴェイパーウェイヴにありがちな勢いで聴かせる面も皆無。シカゴ・ハウスとJ・ポップがここまできれいに混ざり合うかと思った“まぼろし”やドビュッシーを坂本龍一が適度に俗っぽくしたような“Moonlight”など、だら~んとハンモックに揺られているような聴き心地が最後まで持続する。派手に開陳はしてないけれど、けっこう音楽の素養もあるのかもしれない。少なくとも以前、サウンドクラウドに挙げられていた音源よりは多彩になっている。



 かつてコーネリアスが『ファンタズマ』(1997)をリリースした頃、当時の情報環境が目まぐるしく詰め込まれたものだと評され、そこから差し引ける要素をあらかた取り去ったものが、続く『ポイント』(2001)だとされた。『ホワイト・ガール』に感じるのはその中間のような佇まいで、当然のことながら当時とはまったく異なった情報環境が彼(彼女?)を取り巻いていることがここからは窺い知れる(「1_WALL」のグランプリを取った寺本愛のアートワークにも)。コーネリアスの整理能力にはもちろんセンスがあり、そこに日本でしか生まれないものがあると考えられたことを思い出すと、『ホワイト・ガール』が意味しているものは「その後日談」だというのは言い過ぎだろうか。オウガ・ユー・アスホールのサウンドを構成する要素のひとつに「歌謡曲」があるとしたら、ここには確実に「J・ポップ」があるし、どちらも「新しいサウンド」だと感じられるとしたら、その対比も興味深い。とはいえ、その情報環境を探るべく、ツイートを見てみたら、こんなものがツイートされていた。つい、見ましたけどね……。

https://twitter.com/mus_hiba/status/525584831216766977

三田格

IPPI - ele-king

My インスピレーションスポット10選

パーティーを開催します!
最高の朝を迎えたい!

PYRAMID ROOTS
2014.12.12.FRI.
at BONOBO

▲PYRAMID ROOTS▼ HP
https://pyramidroots.tumblr.com/

▲bonobo▼ HP
https://bonobo.jp/schedule/2014/12/001575.php

僕のHPです!
https://www.ippi.jp

 

DRUNKEN STEIN (Some Song Teachers @ OATH) - ele-king

合法ダンス元年を迎えるにあたり抑えておきたい10のダンス 2014/11/25

丘ダンサーのドランケンです。
青山のOATHでSome Song Teachersってパーティーやってます。隔月第4土曜日です。
https://somesong.jp

RHYDA (VITAL) - ele-king

テーマ:よい気持ちに12/5

しわっす!
年末、12/30は吉祥寺のWARP,CHEEKY,BAOBAB共同開催の"弁天DANCE"
CHEEKYにLIVEで参加します!
あとEP作ってます!いい感じです!
2014食べ残すな!
more info https://vitality-blog.blogspot.jp/

Bob Dylan and the Band - ele-king

歌にしかできないことがある。東里夫『アメリカは歌う』(作品社)

 エレキング的に……というか、僕個人の音楽メディアでの仕事経歴という点でも、2014年の大きな出来事のひとつは、萩原健太『ボブ・ディランは何を歌ってきたのか』を出版したことだった。多くの人から「どうしてエレキングで?」というような質問をぶつけられた。「どうしてエレキングで?」……この疑問には何通りもの背景があるのだが、僕が自覚していることのひとつを言えば、ボブ・ディランは、ビートルズが『サージェント・ペパーズ~』を出した1967年には、もはやそっち側にはいなかったということだ。僕個人は、どう考えても『サージェント・ペパーズ~』の側をたっぷりと過ごしてきている。キまっている人間が偉いと思うほどアホではなかったが、サイケデリックというコンセプトをほとんど無抵抗に、ほとんど無反省に、よろしきものとして受け入れてきた人間のひとりである。

 そういう観点で言えば、ボブ・ディランが1967年にウッドストックのピンク色の家の地下室で、のちにザ・バンドと名乗るバンドと一緒に試みたアーシーなセッションの記録は、自分が長いあいだ遠ざけていたものとも言えよう。ちなみに、僕は今日、品川でフラング・ロータスのライヴを見てきたばかりなのだ。実にサイケデリックで、目が痛くなるほど派手なライティングのショーだった。そして、週末の電車のなかでくたくたに疲れながら家に着いて、その深夜に『ザ・ベースメント・テープス』を聴きながら、いまこうして文字を打っている。翌日大切なサッカーの試合があるので、緊張して眠れないというのもある。心の底から“アイ・シャル・ビー・リリースト”と言いたい心境だ。

 最初の公式の『ザ・ベースメント・テープス』は、海賊盤が出回った後、1975年にリリースされていている。Discogsでも1975年作となっているが、さすが萩原健太の『ボブ・ディランは何を歌ってきたのか』では、ちゃんと『ブロンド・オン・ブロンド』の次の、1967年の作品に位置づけられている。『ザ・ベースメント・テープス』は、「誰もがストーンすべきである」と彼が歌った翌年の録音物なのだ。

 ボブ・ディランは、サイケデリックで華やかな、そして効果音や電子音の時代に、アメリカの古い音楽(ルーツ・ミュージック)──ブルース、カントリー、フォーク、マウンテン・ミュージック等々──に向かった。シタールもなければミュージック・コンクレートもない。ブレイディみかこは、最新刊の『ザ・レフト』において、「誰もが度肝を抜かれるほど先鋭的なものを創造する鍵は、誰もが度外視している古臭いものの中に隠れていたりする。というのは、例えば、音楽の世界では常識だ」と書いているが、本当にその通りだ。ピカピカのニューウェイヴ時代にちんぴらモッズまる出しで登場したストーン・ローゼズ、プログレッシヴ・ロックの時代に50年代のロックンロールを引用したセックス・ピストルズ等々……、『ザ・ベースメント・テープス』が1967年に公式リリースされたわけではないが、これが「誰もが度外視している古臭いもの」であることに変わりはない。

 ピッチフォークによる坂本慎太郎『ナマで踊ろう』のレヴューの出だしには、「日本のミュージシャンには、ブルースやフォークへの忠誠心がないという利点がある」というようなことが表向きな褒め言葉(?)として書かれている。たしかにアメリカにとってのブルース、カントリー、フォーク、マウンテン・ミュージックには、日本人が「いいなー、この音楽」という以上の、なかばオブセッシヴなまでの、歴史的な深い意味があるのだろうけれど、しかし現実を言えば、アメリカ人だからといってみんがみんなそれら古いアメリカを知っているわけではないし、イギリス人でも日本人でもアメリカーナに強い思いを抱いている人はたくさんいる。

 むしろそれは忘れられたアメリカだ。たとえば歌のいくつかは、まだアメリカが(今日のようなグローバリゼーションの象徴ではなく)泥んこだった時代の、身体をはって危険な仕事を成し遂げてきた(ある意味では報われなかった)肉体労働者への敬慕や愛惜から来ている。ブルースやカントリーの歌詞に「トレイン」や「レイルロード」がよく出てくるのも、流浪の人びとの故郷への思いもさることながら、それらの歌がアメリカにとって鉄道がもっとも重要だった時代──19世紀から20世紀初頭──に生まれているからだ。そして歌は、人々によって伝承されている。「本や学問ではなし得なかった『ある思い』を伝える手段」(前掲同)として。
 たしかに「歌にしかできないこと」がある。忌野清志郎は、『日本の人』という題名のアルバムで“500マイル”の日本語カヴァーを歌った。東京から500マイル離れた日本の地方と言えば、北に行けば札幌、西に行けば広島あたりで、その旅路に日本人としての何か歴史的な「思い」があるわけではないけれど、その歌は『ある思い』を確実に伝えている。1967年のボブ・ディランが“900マイル”(“500マイル”と同根のフォークソング)に託した「思い」とは別のものだったとしても、それはあるのだ。

 先日リリースされた『ザ・ベースメント・テープス・ロウ:ブートレッグ・シリーズ第11集』は、『ザ・ベースメント・テープス』のコンプリートだ。完全盤『デラックス・エディション』には、なんとCD6枚組で138曲(ヴァージョン)が収録されている。新たに発掘されたテープもデジタル技術を使って修復されると、曲順は時系列順に並べられ、1967年の歴史的セッションは見事復元されるにいたった。38曲に厳選した2枚組『スタンダード・エディション』も同時リリースされている。僕のようなリスナーはこちらで充分満足できる。
 サイケデリックの仰々しさから離れることで時代の先をいった『ザ・ベースメント・テープス』のリラックスした演奏/録音は、音楽批評の世界ではもっとも素晴らしいアメリカの音楽だとか、人によってはローファイ・カントリー/オルタナ・カントリーの先駆だとか評されている。先見の明だったとも言えるこのセッションが、ポール・マッカートニーやジョージ・ハリソンらを田舎に向かわせ、ロックにひとつの道筋を与えたのだろうけれど、まあ、このあたりの影響は研究者のみなさんに委ねるとして、なにはともあれ『ザ・ベースメント・テープス』が熱心なディラン狂だけのものにするにはもったいないほど、ラフでありながら超越的で、涙腺がゆるむほど美しい作品集であることは間違いない。138曲を網羅する必要はないけれど、2枚組の『スタンダード・エディション』は、2014年のリイシューもの年間ベストの1位である。

 2014年は本当にたくさんのアーティストが日本にやってきましたが、最後にここ一番のビッグ・ネームがやってきます。年末にはUKダブの重鎮であり、数々のラヴァーズ・ロックのアンセムを世に送り込んで来たマッド・プロフェッサーが来日決定。今回の来日でマッド教授がプレイするのは今回だけなので、お見逃しなく。

 サウンド・スラッガーは2008年に代々木公演でスタートしたベース・カルチャーを体現したパーティで、「低音」をキーワードに、ダブ、ジャングル、ダブステップ、フットワークなどなど様々なジャンルを紹介してきたイベントです。数年前にスター・ラウンジに会場を移し、今回は代官山ユニットで開催です。

 当日はユニット内の3つの各フロアにサウンドシステムを追加し、日本からはPART2STYLE SOUND、1945 a.k.a KURANAKA、LEF!!!CREW!!といった日本のベース・カルチャーを語る上でかかせないメンツがマッド教授をお出迎え。

 もちろん、当日はアーティストのセッションやサウンド・クラッシュも開催決定。メイン・フロアで行なわれるEASS SPECIAL SESSIONでは、DJブースがなんとダンス・フロアに設置され、3組のDJたちはこの日のために用意された特製ヘッドフォンで現場に望みます。

 一体当日は何が起こるのか? 合い言葉は……
Let the bassline thump you in your chest (貴様の胸に低音をかませ)!!

SOUND SLUGGER feat. MAD PROFESSOR (LONDON, UK) 
日程 2014年12月26日
会場 代官山UNIT
開場 / 開演 23:00
料金 3.500円(advance)/ 4,000円(Door)
Information: 03-5459-8630 (UNIT)  www.unit-tokyo.com
イベント特設サイト  https://part2style.wix.com/ss1226

前売りチケット:
ぴあ (P: 249-779), ローソン (L: 73139), e+ (eplus.jp), disk union CLUB MUSIC SHOP (渋谷, 新宿, 下北沢), disk union (吉祥寺), TECHNIQUE, GLOCAL RECORDS, DISC SHOP ZERO, JET SET TOKYO, DUB STORE RECORD MART, 新宿ドゥースラー and UNIT

出演
Room1 @UNIT + EASTAUDIO SOUNDSYSTEM
MAD PROFESSOR (ARIWA UK)
PART2STYLE SOUND
1945 a.k.a KURANAKA
Reggaelation Independance
KEN2D SPECIAL feat. JA-GE&RUMI
LEF!!! CREW!!!
-EASS SPECIAL SESSION-
feat. BIM ONE PRODUCTION × HABANERO POSSE × SKYFISH

Room2 @UNICE + Nichi Soundsystem
Booty Tune
Broken Haze + Kan Takahiko
XLII (XXX$$$)
Nichi
SHINKARON
ExcaliBoys
Trekkie Trax
-JUNGLE Clash-
HAYATO 6GO vs JUNGLE ROCK vs TAKARADA MICHINOBU

Room3 @SALOON + STONEDVIBES SOUNDSYSTEM
DJ DRAGON (Dubway from BANGKOK)
SP the Stonedvibes
DX (Soi Productions)
DON (Duusraa)
VΔR$VS(GOODWEATHER)
MIDNIGHT ROCK vs Myojin Crew
Portal + JAQWA
International SOUND
-dub fi dub-
feat. MIDNIGHT ROCK × Myojin Crew × PART2STYLE SOUND  × SP THE STONEDVIBES and ???

Food 虎子食堂 / 新宿ドゥースラー

MAD PROFESSOR  (ARIWA SOUNDS, UK)  

 泣く子も黙るダブ・サイエンティスト、マッド・プロフェッサーは1979年にレーベル&スタジオ「アリワ」設立以来、UKレゲエ・ダブ・シーンの第一人者として、四半世紀以上に渡り最前線で活躍を続ける世界屈指のプロデューサー/アーティストである。彼の影響力は全てのダンス・ミュージックに及んでいると言っても過言ではない。その信者達は音楽ジャンルや国境を問わず、常にマッド教授の手腕を求め続けている。なかでもマッシヴ・アタックのセカンド・アルバムを全編ダブ・ミックスした『No Protection』は余りにも有名である。伝説のリズム・ユニット、スライ&ロビーとホーン・プレイヤー、ディーン・フレーザーをフィーチャーして制作された『The Dub Revolutionaries』は、2005年度グラミー賞にノミネイトされ話題となった。まだまだ快進撃中、止まることを知らないマッド教授である。ここ近年だけでも、伝説的なベテラン・シンガー、マックス・ロメオ、レゲエDJの始祖ユー・ロイ、レゲエ界の生き神様リー・ペリーに見出されたラヴァーズ・ロックの女王スーザン・カドガン、UKダンスホール・レゲエのベテラン・アーティスト、マッカBのニュー・アルバムをプロデュースしている。 自身のアルバムも『Bitter Sweet Dub』『Audio Illusions of Dub』『Roots of Dubstep』『Dubbing with Anansi』などをコンスタントにリリース。プロデュース作品は、リー・ペリーの手に依る金字塔アルバム『Heart of The Congos』で知られるThe CongosのCedric Mytonとのコラボ・アルバム『Cedric Congo meets Mad Professor』、カリスマ的ラスタ・シンガー LucianoとのDub Showcase『Deliverance』を制作、相変わらずのワーカホリックぶりを発揮している。最新テクノロジーと超絶ミキシング・テクニックを駆使して行われる、超重低音を轟かせる圧巻のダブ・ショーで存分にブッ飛ばされて下さい。

PART2STYLE SOUND

 日本人にしてヨーロッパのシーンをリードするベースミュージック・クルー!! PART2STYLE SOUND!!! ダンスホール・レゲエのサウンドシステム・スタイルを軸に、ジャングル、グライム、ダブステップ、トラップ等 ベース・ミュージック全般を幅広くプレイ。独自のセンスでチョイスし録られたスペシャル・ダブプレートや、エクスクルーシブな楽曲によるプレイも 特徴のひとつである。2011年より、海外のシーンを焦点にサウンドとしての活動を開始、ヨーロッパにおける数々の最重要ダンスはもちろん、世界最大のベース・ミュージック・フェス【OUTLOOK FESTIVAL】やヨーロッパのレゲエ・フェスで1位2位を争う【ROTOTOM SUNSPLASH】、【UPRISING REGGAE FESTIVAL】等ビッグ・フェスティバルでの活躍がきっかけとなり、ヨーロッパ・シーンで最も注目をあびる存在のひとつとなっている。【JAHTARI】、【MAFFI】、【DREAD SQUAD】等ヨーロッパ・レーベルからのリリースに続き、2012年秋に自身にて立ち上げた新レーベル”FUTURE RAGGA”の楽曲は、ヨーロッパ各地で話題沸騰、数々のビッグ・サウンドやラジオでヘビープレイされている。2013年には、日本初のGRIMEプロデューサー オンライン サウンド・クラッシュ【War Dub Japan Cup 2013】に、MaL × Nisi-p名義で参加。見事優勝を勝ち取り、国内においてもその存在感を示した。 毎月第1,3月曜20:00~21:00のPART2STYLE RADIO (BLOCK.FM)も必聴!!


D/P/I - ele-king

 「私は死にたいのに、命がせまってくる」とはマリリン・モンローの言だけれど、これでもかという不協和音の連続に「僕は耳をふさぎたいのに、音楽とは違う何かがせまってくる」という感じか。いや、というよりも、これは本当に不協和音なのだろうか。たとえば「ドミソ」は平均律が確立された17世紀には耳をふさぎたくなるような不協和音とされていたらしい(その前に教会は近世まで和音そのものを禁じていた)。言ってみれば、ある種の音の組み合わせが快か不快かはそれぞれの時代の集団的な思い込みでしかないということで、金本位制度が停止してからのマネーの信用度と同じく、「みんな」があると思わなければ、その制度は崩壊するのと同じといえば同じである。ということは21世紀よりも17世紀に近い18世紀のモーツァルトが現代と同じ感覚で人々の心に入り込むことはなかっただろうとも思えてくるし、メスメリズムで無意識を書き換えでもしなければ、モーツアルトが実際にはどんな聴かれ方をしていたかは現代人にはわからないということにもなる。あるいは、それを現代の先取りだったと言い換えて済ましてしまえば済むことでもあるし、実際に当時の人たちから熱烈に歓迎されることがなかったからモーツァルトは35歳で野垂れ死んでしまったわけだし(ちなみに12音技法で平均律を打破したと思ったシェーンベルクがむしろ観客に訴えられるというラン・オーヴァーも西洋音楽史は経験している)。

 ヴェイパーウェイヴとミュージック・コンクレートの境界を巧みに縫い合わせてきたアレックス・グレイによるアブストラクト・サイドの6作めにして初の正規CD作は、いままでの彼の試行錯誤を違う方向に振り向けはじめた意欲作に思える。それこそいままでの作品がヴェイパーウェイヴと捉えられてきたことに反発心でもあるのか、『MN.ロイ』は全体に硬い表情を貫き、DJパープル・イメージの出発点がアヘンで気持ちよくなっちゃった状態をそのまま投げ出したような『ヘッド・ティアー・オブ・ザ・ドランケン・サン』(2012)だったことを思うと、この変化は軸足をミュージック・コンクレートに移し、ピエール・アンリの現代版をつくりあげようという気迫の産物としか思えない。少なくともサンプリングの元ネタに食われてしまったというのか、スノビズムの泥沼にはまってしまったとしか思えないヴェイパーウェイヴとははっきりと距離を置くようなところがあり、そのようにして生まれたポピュラー・ミュージックとの距離感は初期の〈メゴ〉作品を想起させるところが多々ある。誤解を恐れずにいえば、OPNがフェネスならD/P/Iはピタといったところだろう。考えてみれば〈メゴ〉からミュージック・コンクレートの復活を告げた『ザ・マジック・サウンド・オブ・フェン・オ・バーグ』がリリースされてからまだ15年しか経っていない。ミュージック・コンクレートのアップデートはいまだ生成変化を繰り返す途上にあり、オーストリーよりはアメリカでガッツを見せていると。

 ミュージック・コンクレートを復活させたのは明らかにサンプラーの出現だった。しかし、そこで拾われる音源はかつて具体音とされたものからTVやインターネットといった電子メディアからの供給物へと様変わりし、オーソドックスな「楽器」から離れるという動機はあっさりと空無化している。あるいはそういったインプットの方法論に依拠するよりも、現在はネット上に音楽を流すというアウトプットの過程でそれぞれの文脈は捏造されるという環境に取り巻かれているため、等しくバンドキャンプで音が流されるにしても、差異化の欲望は、それらがさらにどこに向かって着地するかというコミュニケイションの質の部分に向かっていくことは必然だろう。ネット上で誰もが音源を流せるということは、単純に全体の質は低下するということでもあるから、サルヴェージの力学を相変わらずマスに置くか、コミュニティに委ねると仮定したチルウェイヴ、そうでなければ、そのようにして数を担保にすることから離れて批評言語の価値を上げることで(唯一性に基づいていた美術と同じように)作品ごとに新たな文脈を練り上げるしかない。そして、当然のことながら批評言語も数が増えれば全体の質は低下するしかないので、意地悪く言えば反知性主義の文脈で成立する音楽文化もあちこちで成立していることは想像にかたくない。そのひとつをヴェイパーウェイヴと呼ぶことに僕は抵抗をなくしてしまったけれど、そのような音楽観の存在の仕方はパンクにもあったし、レイヴにもあった。D/P/Iがこのような言葉のエンクロージャーから逃れるかどうかはわからないけれど、少なくとも彼はディレッタンティズムとは手を切りたいと願っているとしか思えない作品をここでは作り上げた(つーか、70年代のキャンプと同じ趣旨でディレッタンティズムを標榜しているのがヴェイパーウェイヴか)。ブルース・ハークやピエール・アンリがかつてテープ操作に持ち込んでいた無秩序な感性をラップ・トップに置き換えることができる才能だとしたら、この変化は必然だろう。


Kevin Reynolds × Bushmind - ele-king

 DJを見るっていうんじゃなくて、がっつり踊りたいので、本気でアンダーグラウンドなパーティに行きたいんだよなー。このところ、ずっとそう思っていたところに朗報。最近は、トーフビーツの12インチ「Tofu Recipes -tofubeats Remix Ep」のリミキサーに抜擢されたり、小島麻由美の7インチ「泡になった恋」のリミキサーに抜擢されたりと、J-POPを陶酔のビートに変換しているブッシュマインドが、デトロイトからケヴィン・レイノルズを招いてのイベントを開く。
 ケヴィン・レイノルズは、一時期はデリック・メイのトランスマットでも働いていたほど、古くからデトロイトのシーンに関わってきたひとり。ブッシュマインドも、おそらく、ディープ・ハウス&ファンキーなアシッド・ハウスでその晩を盛り上げてくれるでしょう!

■Information
 先日発売されたKAKU『Live at Detroit2000』も好評な中、デトロイトよりKAKUの盟友でもありプロデューサー/ライヴ・パフォーマー のKevin Reynoldsgが12月に初来日決定!!
 日程は、12/20(土)東京en-sof、12/22(月・翌祝日)千葉 sound bar mui、12/27(土)大阪 compufunkの3公演。
 過去にResident AdvisorからDetroit Electronic Music Festival Movementのハイライトとも賞された彼のパフォーマンスを、体験できる 貴重な一夜であり、パーティを共に作り上げるDJ陣もhimcastならではの組み合わせに。 レジデントであるBushmindを筆頭に、blacksheep×himcastでもフロアを熱狂させた1-DRINK、seminishukeiよりオールラウンダーの Overall、blacksheepより安定のDJプレイを魅せるJyotaroが東京公演を。千葉では、説明不要だが海外トップDJのサポートを経験もある RYOSUKE、千葉の次世代をリードするパーティspotseekよりWada YosukeとBushmind。大阪はBushmindと大阪在住のOoshima Shigeru による「2×4」。会場となるレコード店兼クラブの店長であるDJ COMPUFUNKと、千葉に続きRYOSUKEがサポートを務める。

■Kevin Reynolds (Todhchai, Transmat, NSYDE / Detroit, USA)  デトロイトのプロデューサー/ライヴ・パフォーマー、ケヴィン・レイノルズ。 アイルランド系の自動車工場労働者と公民権活動家の間に生まれる。大学在学中に電子音楽の制作を覚え、卒業後はDerrick Mayの Transmat Recordsて働き始める。当初はエンジニアとしての契約だったが、後にレーベルにおける音響面の製作全てを担うようになる。
 その後、自身のレーベルTodhchaiを創立。2006年、1stシングル「Afrik」をリリース。Gilles Peterson、Osundale、Jazzanova、DJ Karizma、Masters At Work等からの支持を受け、BBC Radio Oneは彼の音楽を「the new sound of Detroit.」と称している。
 2001年、 2004年、2009年とDetroit Electronic Music Festival Movementでライヴを行い、2009年のライヴはResident Advisorによりフェスティバルのハイライトと評される。
 去年、今年とMike Huckaby、Osunlade、Patrice Scott、Aril Brikha等とともにヨーロッパツアーを行い、ベルリンのPanorama BarではNsydeからリリースしたシングル曲「Liaisons」のパフォーマンスでクラウドを熱狂させている。

■東京公演
2014/12/20 (sat)
[himcast]
at EN-SOF TOKYO 23:00 start
charge 2500yen(w/1d ) w/f 2000yen(w/1d )
Live:Kevin Reynolds (Todhchai, Transmat, NSYDE / Detroit, USA )
DJ:1-DRINK
Overall (seminishukei )
Jyotaro (BLACKSHEEP / LOCUS) Bushmind (himcast / 2x4 / seminishukei )

■千葉公演
2014/12/22 (mon)
[Lobust]
at sound bar mui 23:00 start charge 2000yen
Live:Kevin Reynolds (Todhchai, Transmat, NSYDE / Detroit, USA)
DJ:Bushmind (himcast / 2x4 / seminishukei) RYOSUKE
Wada Yosuke

■大阪公演
2014/12/27(Sat)
[2×4]
at Compufunk Records Backroom Open/Start 23:00 fee/2500(w/ 1Drink)
Live:Kevin Reynolds (Todhchai, Transmat, NSYDE / Detroit, USA )
Guest DJ:RYOSUKE (lobust / so gut ) DJ COMPUFUNK
DJ:Bushmind (himcast / seminishukei) Ooshima Shigeru
SOUND:YORI
floor2
Young Animal (WASTELAND / DEUZEBRA) ECIV_TAKIZUMI (SPASH!)
hisa (Jimmy)
GLT (Jimmy)


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