「Nothing」と一致するもの

8月最初の週末を、電子音楽とともに - ele-king

 中原昌也、浅野忠信、FourColor、ダエン、そしてDJにMichitoki KTを迎える福岡の電子音楽フェス〈ex〉が8月2日に開催される。

 主催するのは、福岡を拠点に「アンビエントの自己解釈」というコセンプトでカセット主体のリリースを展開している〈ダエン〉。これまでに白石隆之、RIOWARAI、NYANTORA、MERZBOW、YOSHIMI(ボアダムズ)ら電子音楽家のカセット音源を手掛けてきた一方で、USB対応のポータブルのカセット・プレーヤー「CHILL OUT」をリリースするなど、オンライン時代のアナログ・メディアの楽しみ方を包括的にサポートしてくれるレーベルだ。

 電子音楽というジャンルに良質な音楽が存在することをひとりでも多くの人に知ってもらいたい――このイヴェントをはじめるきっかけは? との問いに、主宰のダエン氏が答えてくれた。

「ジャンルは違うんですが、〈山形国際ドキュメンタリー映画祭〉のような。ドキュメンタリー映画の聖地といえば"YAMAGATA"と認知されているように、電子音楽の聖地といえば"FUKUOKA"と認知されるように取り組んで行きたいです」

 なかなか大きく、そして夢のある目標だ。そしてこの目標とは一見矛盾するようだが、彼らは「大きくなる」ことを望んでいない。次に掲げるのは彼らのイヴェント運営理念だが、じつにいまらしく、クリティカルなポイントを突いている。

「ご来場いただいたお客様に対して、痒いところに手が届くようなきめ細かいサービスを目指しています......と書くと少し堅苦しいですが、ひとりでも多くのお客様に楽しんでいただくために次の事項を遂行します。

1. 出演アーティストは4組前後。今回は限定150人とかなり小規模なフェスです(出演者を厳選することで22:00過ぎにはイヴェントを終了させる予定です。終電前には帰宅できるので明日の学校や仕事に備えてください)

2. 1フロアで行うのでお客様がステージ間を移動することもありません。もちろんトイレ休憩有です(快適な状態で鑑賞なさってください)。

3. すべての時間を圧縮することで、短時間に濃縮された各アーティストのパフォーマンスを堪能できます(皆さまの大事な時間をいただき、拘束する以上、量より質を追求していきたいです)。」

 ここには、規模の拡大によって失われてしまうものへの、細かな配慮が働いている。かたちはまるで異なれど、〈月刊ウォンブ!〉とも通じる、現在形のイヴェント運営をめぐるリアリティと挑戦が見えてこないだろうか(https://www.ele-king.net/interviews/003001/)。

「このイヴェントに関して、少人数のスタッフで運営していくというスタンスは変えないつもりです。毎年動員数を右肩上がりに増やす方向ではなく動員数が常時200~300人の規模で、できるだけ長く続けていきたいと考えております」

 小規模で、質を守り、長く続ける。かくも明確に打ち出されたコンセプトには、先の10年を牽引してきた大規模イヴェントへの2013年からの回答とも呼ぶべき視点が感じられる。「帰宅」を保証することで、非日常ではなく日常と折り合うスタイルを模索するかのような姿勢にも、いまでこその批評性が働いていると言えるだろう。

「今回開催する〈アクロス福岡円形ホール〉という場所は、福岡市の公共施設で、"天神"という九州有数の繁華街のなかに位置します。会場の目の前には天神中央公園という市民の憩いの場があり、ちょっと歩くと遅くまで営業している屋台やラーメン屋なども見つかります。昼間でしたらアート系のギャラリーや、こだわりを持ったセレクト・ショップなども多数開いていますので、県外から来られた方は、これを機会にぜひ福岡の街も散策されてみてはいかがでしょうか」

 東京から気軽に参加というわけにはいかないが、未来の電子音楽の街"FUKUOKA"に期待したい。

「招聘したいアーティストが数多くいるので、来年以降は2日間にわたっての開催を検討しております。それには今回のイヴェントに皆さまご来場いただかないことには計画が計画で終わってしまいますので(笑)、ご来場を心よりお待ちしております! 今後このイヴェントが皆さまにとっての大事な行事になりますよう祈りつつ」


■日時 
2013.8.2 (fri) OPEN 18:30 START 19:00

■場所 
アクロス福岡円形ホール(福岡市中央区天神1-1-1)

■料金 ADV/3800 DAY/4300

■TICKET
e+

enduenn@gmail.com

*チケット購入希望の方は件名にex-fesと書いて住所・氏名・枚数をお教えください。

■公式サイト
https://exfes.tumblr.com/

■アーティスト情報

ASANO TADANOBU
73年生まれ、横浜出身。映画を中心に国内外問わず数多くの作品に出演し日本を代表する国際的俳優。同時に、溢れるイマジネーションを形にするアーティストでもある。監督作品に、DVD「TORI(トーリー)」の他、ドローイング・ペインティングの展示から作品集の出版等、ハードコアバンドsafariやPEACE PILLの活動、Tシャツ・デザイン、ソロアルバム"CRY&LAUGH"では10年以上前から書きためてきた曲から、21曲をアコースティックギターとマイク1本で収録する等、溢れるイマジネーションを自由に表現している。ここ数年はダンストラックを制作。コンパクトなシーケンサーをリアルタイムで操作し極限まで研ぎ澄まされたミニマルなテクノをフロアに響かせる。その唯一無二なパフォーマンスはクラブ、野外イベント、レセプションなど幅広い分野から絶賛・注目を集めている。

中原昌也
小説、映画評論など文筆活動の傍らで前世紀末より継続されている中原昌也による音楽プロジェクト。テーブル上にぎっしり並べられた夥しい量の機材(発振器、エフェクター、サンプラー、リズムマシン、アナログシンセetc)を同時にあやつる剛胆さと聴衆の前に提示されるその音の複雑さ/繊細さにより、行為としての即興演奏を更新し続けるヘア・スタイリスティックスのありかたは、ノイズ・ミュージックの文脈のみならず多分野からの注目を集め、熱心なリスナーを獲得している。boidからの月刊ヘアスタや自主制作100枚シリーズなど、Hair Stylisticsとしてのリリース作品はきわめて多数。

FourColor
FilFla、Vegpher、Minamoの名義でも活動するサウンドアーティスト/コンポーザー杉本佳一によるソロプロジェクト。調和不調和、曖昧と明瞭、デジタルとアナログ、必然と偶然、これら相反する物を同次元で扱う事でユニークな音楽を生み出す事を目指している。杉本の作品はニューヨークの「12k」をはじめ、ドイツ「TOMLAB」、日本の「HEADZ」など国内外の音楽レーベルから発表されており、英「THE WIRE」誌ベ スト・エレクトロニカ・アルバムに選出されるなど、海外での評価も非常に高い。また、数多くの映画/映像、演劇、エキシビジョンへの楽曲提供・制作や、CMをはじめとする広告音楽を手掛け、担当作品がカンヌ映画祭・監督週間「若い視点賞」、フランス・エクスアンプロヴァンス映画祭「オリジナル映画音楽部門賞」を受賞するなどの実績も残している。
最新作は2011年12kレーベルより発表した「As Pleat」。
https://www.frolicfon.com/
https://vimeo.com/27304187

ダエン
福岡を拠点に「アンビエントの自己解釈」というコセンプトでカセット主体のリリースを展開している「ダエンレーベル」主宰。これまでに白石隆之、RIOWARAI、koji nakamura a.k.a NYANTORA、MERZBOW、YOSHIMI(ボアダムズ)らのカセット音源のリリースを手掛ける。自身の制作及びLIVE演奏ではROLAND SP-404一台というミニマムな環境でどこまで表現できるかを追及している。エキソニモ主宰IDPW正会員。

Michitoki KT
道斎(みちとき)KT。実験ターンテーブリスト。数台のターンテーブルを楽器として用い、「音と空間のコラージュ」という自身の奏法を追究し続ける。2013年6月duenn labelよりリリースのsuzukiiiiiiiiii×youpy/dnn012にリミキサーとして参加(Canooooopy・NH-Trio+・Yaporigami)。

■主宰・問い合わせ
duennlabel (enduenn@gmail.com)

PS. exではイベントの趣旨に賛同頂き文化的な活動に関心及び既に取り組まれてる企業様や団体(個人でも可)様の協賛を常時募集しております。詳しくはenduenn@gmail.comまでご連絡下さい。宜しくお願い致します。

duennlabel



踊ってばかりの国 - ele-king

今週の木曜日、7月11日は、代官山ユニットへ行こう。踊ってばかりの国、新ベーシストの通称シド・ヴィシャス加入後の、公式では最初のワンマン・ライヴだ。会場に行って、歴史的なライヴを目撃したことを友だちに自慢しよう。日本にもストーン・ローゼズに負けないくらい最高のチンピラ・バンドがいるってことを知ろう。名曲「踊ってはいけない」で踊ろう。自慢の新曲「東京」がどれほどのものかしっかり聴こう。下津光史を大笑いしてあげよう。ステージでビールを飲ませるな。会場内で、ele-kingも物販やります! たのむから買ってください。

https://odottebakarinokuni.com

代官山Unit
OPEN : 18:30
START : 19:30
CHARGE : ADV 2,500yen (ドリンク代別)

 今月の24日、結成20周年を祝する編集盤『ReDiscoVer. Best, Re-recordings and Remixes of Buffalo Daughter』のリリースを控えたバッファロー・ドーター、アルバムのなかでもとくに注目曲のひとつ(というか、最大の注目曲)、KAKATO (環ROY×鎮座DOPENESS) のラップを加えた"New Rock"のセッション風景の動画がアップされました。格好いいですよ。
 なにせスタジオは、エンジニアを担当するzAkのホームスタジオ"ST-ROBO"、ドラマーはZAZEN BOYSのメンバーであり、長年バッファロー・ドーターのライヴ・サポートをつとめている松下敦。どうぞ!

「 KAKATO Freestyle 3 with Buffalo Daughter」

DJ Purple Image - ele-king

 疑う余地もなく今月もっともホットなLAからの2リリースが到着。

 会うたびにいろんな意味で目ツキがヤバくなっている気がしなくもないアレックス・グレイ(Alex Grey)はLAのアンビエント・ハウス(紙ele-king参照)の住人のなかでもっともお調子者キャラを炸裂させている。彼もプレイするサン・アロー・バンド(Sun Araw Band)でお馴染みのキャメロン・スタローンズ(Cameron Stallones)のニタニタ笑い、猫背、マシンガン・トークも強烈だがアレックスのヘラヘラ笑い、常時ハイテンション、マシンガン・トークも強烈である。サン・アローはサウンドのみならずクレイジーなバンドであると断言しよう。
 アレックスほど数々の名義で活動するアーティストも珍しい。三田氏が大絶賛する彼の最新プロジェクト、DJパープル・イメージはフィールド・レコーディング、サンプリング、ソフトウェア・シンセジスをコラージュする実験音楽だ。ディープ・マジック(Deep Magic)のオーガニック・アンビエント、ヒート・ウェーヴ(Heat Wave)での妙チクリンなヒップホップ・トラックにも共通する彼の作風、潔く迷いが無いシンプルな構成はDPIにおいてもっとも輝きを放っている気がしてならないのだ。
 同居人であるショーン・マッカンやマシュー・サリヴァンたちの影響によるミュージック・コンクレートへの傾倒がDPIの動機になったであろうことは明らかであり、ゆえに僕はクリエイティヴ・コミューンの素晴らしさを見いだしてしまうのだ。
 でもエスプレッソ・ディジタルって......。

 そもそもアレックスやキャメロンのサン・アロー、キャメロンとゲドのダピー・ガン、マシューデイヴィッドやディーバたちに強く結ばれる熱きLA愛は地元に広く受け入れられているようだ。〈ダブラブ〉と〈ロー・エンド〉、それからストーンズ・スローも巻き込み、拡大を続けている。僕には彼らの音楽遍歴において何度めかの大きな波が押し寄せていることを確信している。

 マシューデイヴィッドの、彼自身の〈リーヴィング〉からひさびさのリリースとなる(『Disk II』以来?)は43分の長編アンビエント。
 はっきり言おう。これは大作である。同じく完全なアンビエント作品であったエクヘインからのデスティンでのダークな世界観とは真逆の、終始多幸感に満ち満ちたメディカル・ウィード級ストーナビエント。ディーヴァ(元ポカホーンテッド)との昨年の素晴らしいセッションも収録。ビートメイカー、マシューとしても学生時代以来のラップを復活させネクスト・レヴェルに達したと同様、彼のアンビエント・サイドも新たな空間を得たようだ。木陰の下にハンモック、強烈なジョイントの煙の先にかくも遅く、美しい時間が流れてゆく......。

Daughn Gibson - ele-king

 今年の上半期のベスト映画を訊かれたら、迷うことなくタヴィアーニ兄弟による『塀の中のジュリアス・シーザー』 だと僕は答える。イタリアの刑務所で囚人たちによって実際に行われている演劇実習を映画化した作品だが、それをドキュメンタリーにしようなどという普通の発想を兄弟監督はしなかった。刑務所内のあらゆる場所で、役者たち=囚人たち(終身刑の者もいる)がシェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』を演じることで、刑務所がそのままローマ帝国となり、その舞台でこそ「物語」が進んでいく。彼らはそれぞれの訛りを使いながら、やがて、シェイクスピアの書いた人物たちの人生を生きていく......。つまり、「芸術はどこに存在するのか」という問いに対する、ひるむことのない回答である。
 あるいは、ジェームズ・マンゴールドによるジョニー・キャッシュの伝記映画『ウォーク・ザ・ライン/君に続く道』(2005)での冒頭、有名なフォルサム刑務所でのライヴ・シーン。そこにはたしかに、キャッシュの歌の物語を自分たちのものとして必要としている囚人たちがいる。「ある朝目覚めてうろついて、コカインをキメて女を撃った」......。

 ドーン・ギブソンは囚人でも元囚人でもない。ないが、まるで「彼ら」のようにカー・ラジオから聞こえるカントリーに心を奪われていたのではないか。なぜならギブソンは、アメリカの名もなきひとりの労働者......元トラック運転手だったからだ。ブルージーなロック・ミュージックに乗せて、おそろしく低い声でギブソンは歌う。「俺をおかしくしたのはあの一杯/この大麻は強烈だ("キッシン・オン・ザ・ブラックトップ")」......。男はカントリーのマナーに則って、社会が無視しようとする暗闇について語っていく。
 昨年ひっそりとリリースされたデビュー作『オール・ヘル』のジャケットで鏡に映る自分の髭面と胸毛を明らかに誇示していたギブソンは、一見すると昔ながらのアメリカのマッチョな男の像を結びそうである。肉体労働によって培われた屈強な肉体を持った歌い手......だが、『オール・ヘル』が興味深い作品となっていたのは、ホリー・アザーやデムダイク・ステア、ブリアル......といったダークなエレクトロニック・ミュージックの影響をもう一極で強く受けていた点である。『タイニー・ミックス・テープス』のレヴューにつけられたタグは「クラウド・カントリー」。ブリアルからジョニー・キャッシュまでを繋いでいくのがギブソンの音楽的なアイデンティティであり、そしてそれらを結びつけるのは、紛れもなく闇に埋もれた世界、その場景描写である。
 『ミー・モーン(俺の呻き)』は〈サブ・ポップ〉と契約した彼の2作目で、たとえば先んじて公開された収録曲"ユー・ドント・フェイド"などに彼らしさをまずは見出せるだろう。不穏なサンプリング・ヴォイスのループと重々しいビート、そして何よりも、イアン・カーティス風に官能的に響くパワフルなバリトン・ヴォイス。ただ、アルバム全体で言えば『オール・ヘル』ほどサンプリングが多用されているわけではなく、バンド・サウンドが軸となり、よりソングライター的な側面が前に出た印象だ。ソロ・アーティストのキャリアの重ね方としては順当なところだろう。だが同時に、よく聴けば生音の響きが肉感的になったサウンドのなかで、ムーディなシンセが今様のエレクトロニック・ミュージックの浮遊感を生んでいる。これはインターネット以降のアメリカのアンダーグラウンド・シーンの動きと無関係ではないだろう......カントリーに思い入れたトラック運転手がウィッチ・ハウスに出会っているのだから。その交配が生んだ、新たな姿のカントリー・ミュージックがここにはある。

 ギブソンが描く物語の多くはフィクショナルだが、しかしこれは彼がアメリカの長大な道路を行き来しながら実際に見聞きした世界とそう遠くないものだろう。ウィッチ・ハウスからの影響がたしかに感じられる"ファントム・ライダー"で歌われる悪夢的な光景や、穏やかなバラード"フランコ"で歌われる息子の自殺。ドラッグに退廃、貧困と悲哀、疲弊していく日々、先の見えない愛。「終わることのない俺の土曜日/もうどうでもいい、俺が過去に犯した失敗なんて/すべてが休日 "オール・マイ・デイズ・オフ"」、「幸運の反対側にある俺の人生/記憶の紐を解くなんて無理な気がする/酔って紛らわしたくはないけど、昨日の件はやり切れない "イントゥ・ザ・シー"」......。かつてのスプリングスティーン的な、ブルーカラーの美しいメロドラマすらここにはない。
 「俺の呻き」はギブソンそのひとのものというよりは、暗い日々を生きる顔のない人びとの口から漏れた吐息の集積であるだろう。光は簡単に感じられない。しかし......そう、『塀の中のジュリアス・シーザー』において終身刑の囚人が告白する、牢獄のなかで芸術を「知ってしまった」ことの苦しみは同時に彼の魂の解放を示しているように、ドーン・ギブソンの歌の世界では暗闇のなかでエルヴィス・プレスリーとブリアルとジョニー・キャッシュとホリー・アザーと......それからジョイ・ディヴィジョンが集まり、その埋もれた感情に生きる場所を与えていくようだ。そこでうめき声の主たちは、その重苦しい心が少しばかり解放されることだろう。

Tungsten fuse - ele-king

 1984年生まれの新進気鋭、三宅唱が監督した35ミリのモノクローム、映画『Playback』と、stillichimiyaのMMMが監督した田我流とEVISBEATSのメロウ・アンセム"ゆれる"のミュージック・ヴィデオが、いずれも2011年の6月ごろに、つまりあの震災の発生からそう間を置かないタイミングで撮影されているというのは、偶然とはいえ興味深い、そして重要な事実だと思う。
 当時、いまだ収まることを知らない余震が、非・被災圏に残された平穏を脅かしつつも、どうしたって心のどこかではその回復を覚悟するほかなかった、あの日常という怪物の足音を遠くに感じながら、しかし彼らは堂々と日常を、そしてその総和である「人生」を描いている。そう、震災のわずか数ヶ月後に。少なくとも、前もって計画されていたそれらの撮影を、彼らはそのまま決行した。あるいは、それを取り戻すために。
 MMMは、「何も起こらない一日」のなかで揺れるひとりのラッパーを。三宅唱は、「ありえたかもしれないもうひとつの人生」という深い溝に落ちたひとりの俳優を、撮った。ラッパーは「揺れる」という深く傷ついた言葉をあえて拾い、俳優は地震で砕かれたアスファルトの上でスケートボードを蹴る。そこには、他者の苦痛へのまなざしが挿入されながらも、いま引き受けなければならない己の人生への普遍的な問いがあった。

 では、2013年、僕らはどんな歌に、音楽に、映像に出会うのだろうか。

 タングステン・ヒューズは、あの震災になにか巨大な影響を受けたことを認めながら、しかし実際的にはなんら致死的な影響を被ることなく続く自らの人生に潜り、さらにはリスナーの人生に――それが言い過ぎなら、何かしらの決断の前のちょっとした感情の揺れに――少しでも音楽の、そして言葉の波紋を届けようとしているように思える(歌詞カードは言葉で溢れ返っている)。
 それがポップの普遍性なのか、はたまたある種の不感症なのかは、聴いた人がそれぞれ判断すればいい。だが例えば、バレアリックな美しい光沢のなかで夢の終わりを歌う"ストレリチア"のような曲が、ともすれば野暮ったくなりそうな過量の言葉を擁しつつも(それはラップとポエトリーリーディングの交差点から発せられる、とてもフラットなフロウで)、シンセを纏ったダンス・ビートがその光沢を失わないとすれば、そこにいま、人生を歌うことの後ろめたさが感じられるからだろう。
 彼ら自身も、おそらくは分かっているのだ。もっと大きな物事にコメントする選択だって、あり得るのだということを。そしてそれが、いま、絶好のフックになるということも。

 タングステン・ヒューズは、しかし、それでも内に向かう。社会の存在は言葉の枠外に留保されたまま。偽悪的に言うなら、随所に登場する「闇」や「光」といったごく一般的で、抽象的な語彙が、リスナーの内にめり込んでいくような暴力的なまでの重量を得ているかと言えば、そこに疑問符を付されるのを完全には免れないだろう。だが、震災そのものではなく、その何かしらの反映を人間のなかに見出そうとするような言葉の捜索は、自身らのキャリアに対する誠実さの賜物なのだと思う。
 ドラスティックな変化を施したのはむしろトラックの方で、これまでのノイジーなミニマル・ロックのプロダクションはほぼ全面的に撤回され、マシン・ビートと電子音で滑らかにシンセサイズドされている。それは何かを我慢するように、整然と鳴っている。(彼ら自身はポスト・ロックを標榜しているようだが、媒体によっては「ラウド/パンク」とか「ブレイクビーツ/テクノ」とか「アンビエント・パンク」などと称されており、すでにその枠は無効だろう。)
 僕は互いに喧嘩し合うような、どうにも相反する複数の立場が混在している表現が好きだが、藤原伸哉の作るトラックと西垣朗太の発する言葉がいい意味で掛け違いになっているところにこのデュオのポテンシャルがある気がする。前述の"ストレリチア"や、"100匹目の猿"といった曲の透明度の高いダンス・トラックは、それらのギャップをさらに広く取ることに成功していると思う。

 だが......いや、だからこそ、先に述べたような語彙の細かい選択が、個人的には惜しい。ストレリチアの花言葉は「輝かしい未来」らしいが、文学的なスペーシングよりは、リスナーの平常心とぶつかり合うような、一線を踏み越えた緊張度の高い言葉を聞きたかった。向光性の精神は頼もしいが、シリアスな物言いがメランコリックな雰囲気のなかで差し出されると、僕はやはり身構えてしまう。きっとこのデュオはもっと美しく壊れられる。

SGROOVE SMOOVE (SPECTA / FLOWER RECORDS) - ele-king

DJスケジュール
7月5日(金) URABANITE @ 頭バー
7月13日(土),音音(NEON) @ CREAM (熊本)
7月20日(土),NOUVEAU @ CLUB BALL
FACEBOOK
https://www.facebook.com/suguru.miyazaki.9

7月に聞きたい雑多な大人HOUSE10曲


1
The Secret Life Of Us - Feat Donna Gardier & Diane Charlemagne(Director's Cut Signature MIx) - The Sunburst Band

2
My Moody Life(Original Mix) - Kerri Chandler - Suss

3
Fantom Finger - Masanori Ikeda - Flower Records

4
Warm(Original Mix) - Loaded Dice - Defected

5
Choice(Original Full Version) - Specta - Flower Records

6
The Ride(Original Mix) - Lovebirds - Knee Deep Recordings

7
Sugar(Joey Negro Mix) - Roy Ayers - Rapster Records

8
Your Body(Louie Vega EOL Mix) - Josh Milan - Honeycomb Music

9
Talia Feat Stering Ensemble(Main Mix) - Sterling Ensemble,Aaron Ross - Restless Soul Music House

10
Love Love Love(Main12) - Those Guys - Basement Boys Records

DJ Yogurt (Upset Recordings) - ele-king

2013年前半に自分がクラブなどで頻繁にDJ PlayしたTechnoやTech House系の12inchレコード収録曲を10曲選びました。ダンスフロアを熱くした記憶が生々しい曲ばかり。毎週レコード店に行き、計100枚前後の新譜を数時間かけて聴き、その中から選んで購入しています。

HP : https://www.djyogurt.com/
Twitter : https://twitter.com/YOGURTFROMUPSET
Facebook : https://www.facebook.com/djyogurtofficial

DJ Schedule
7/5(Fri.) @中目黒・Solfa
7/6(Sat.) @福島・会津Birdland
7/14(Sun.) @渋谷・AMRAX
7/16(Tue.) @腰越海岸・KURA
7/19(Fri.) @渋谷・SECO
7/27(Sat.) @名古屋・VIO
7/28(Sun.) @岡崎・Ragslow

8/9(Fri.) @原宿・Bonobo
8/10(Sat.) @渋谷・AMRAX
8/13(Mon.) @千葉・中滝アートヴィレッジ
8/16(Fri.) @吉祥寺・Cheeky
8/17(Sat.) @青山・Oath
8/23(Fri.) @沖縄・コザ・音洞
8/24(Sat.) @沖縄・那覇・Loveball
8/31(Sat.) @山梨・野外・Sense Of Wonder

9/6(Fri.) @徳島・Barチャラパルタ
9/7(Sat.) @高知
9/14(Fri.) @松本・りんご音楽祭
9/22(Sun.) @長野・東御市・湯ノ丸高原スキー場
9/28(Sat.) @江の島
9/29(Sun.) @渋谷・カフェアプレミディ

2013/06


1
Par Grindvik - Biome - Stockholm:Limited
https://www.youtube.com/watch?v=RLFhA_i5uL8

2
Casbah 73 - Ain't No Sunshine (Casbah 73 Rework) - KAT
https://soundcloud.com/kat-records/casbah-73-edits-low-bit

3
Ben Sims - Love and Hurt (Gary Beck Remix) - Hardgroove

4
Yotam Avni - A Song For Danny (Orlando Voorn Remix) - Soul Research
https://youtu.be/E61YKdJzOw0

5
Sycorax - The Pond - New Jersey
https://youtu.be/JV8PBO1_HQw

6
Teersom - Orb - Keys of Life
https://youtu.be/IM-Q5IaLs0Y

7
Cab Drivers - Beatnight 77 - Cab Drivers

8
Mathy K. & The Funky Punch - Ohh. K! (Live In New York) - 2DIY
https://youtu.be/5sAX2o4i7xg

9
Italoboyz feat. Blind Minded - Sti Drumsy - Superfiction
https://youtu.be/5zvzc1v5dKc

10
YO&KO - Power To The People(126Bpm No Break Version) - Yo&Ko

Various Artists - ele-king

 リヴァイヴァリストたちの命は「ダサくなるまで」。なぜそれをいま参照するのか、という批評性にリヴァイヴァルの意義があるのだから、当然だ。シーンがおそらく周期的なものとしてエイティーズ再評価の機運に巡りあわせようとしていた2007年、〈イタリアンズ・ドゥー・イット・ベター〉が鮮やかに提示してみせたエイティーズ・レトロスペクティヴは、ヴィジュアルやコンセプトの徹底的なコントロールの下に成立したひとつのアートとして、際立った存在感を残した。コピーアート風にアレンジされたネオンやファーのスタイリッシュなイメージは、彼らのやりたい音を明確にガイドしたし、イタリア人がうまくやるというセクシャルな「ソレ」にイタロ・ディスコを掛けた秀逸なレーベル名も、彼らが蘇らせようとするヴィンテージなエレクトロ・ディスコをよく物語った。

しかし、だからこそ彼らの「ソレ」(=セックス=ディスコ)は、肉体のレベルではなくコンセプチュアルな次元においてより発揮される。その年リリースされたレーベル・コンピ『アフターダーク』は、一見リッチでグラマラスなボディを持ったダンス・アルバムであるようにみえて、その実スキニーな身体による知的なリスニング・アルバムだった。絶妙につめたく、絶対に間違えない。イタロ・ディスコのベタな模倣では、「ダサかっこいい」ネタ消費の対象として終わっていたことだろう。そして、彼らがあれから6年もの時をまたいでなお間違えないのは、リヴァイヴするものに対するしなやかにして強靭な、「細身」のコンセプトを持っていたことの証である。

......そう、なんと、『アフターダーク』のvol.2がリリースされた。世間はすでにディスコ・リヴァイヴァルな気分でもないというのに、彼らは何をやろうというのだろう、という意表を突くタイミングだったが、まったく危なげない。メンツも変わらず、やっていることも変わらず、ただ、さらに締まっている。パンクやニューウェーヴのスキニーさ、アート・ムーヴメントとしての側面が正しくなぞられているようにも思われた。2007年当初はキマリすぎで鼻持ちならないと敬遠された部分もあったかもしれないが、時間が経つことで等身サイズの評価が見えてくる。

 ミラージュが本当に相変わらずなヴォコーダー使いで展開する"レッツ・キス"はミディアム・スローなディスコ・ナンバー。これを前回と変わらぬ〈イタリアンズ~〉の基準として他を比較してみると、まずグラス・キャンディやクロマティックスからブラス・アンサンブルやファンキーなビートが姿を消していることに気づく。かわりにコズミックで瞑想性を上げた"ポゼスト"や"レッドヘッズ・フィール・モア・ペイン"などがこの第二弾コンピの特徴をかたち作っている。シンメトリーの"ハート・オブ・ダークネス"も硬質でタイト。インダストリアル・ミニマル的なニュアンスをわずかに感じさせ、ひたひたとナインティーズの波がくるぶしを濡らしているシーンの状況を反映するかに見える。ツイステッド・ワイヤーズも同様だ。エメラルズやジャム・シティ後に鳴るべき音として彼らなりに時代と向かい合った、好ましい変化を感じさせる。主宰のマイク・シモネッティはさすがというべきか、1曲だけでそうした今回のコンピのキャラを立てている。
 異色なのはファラー。前回から一貫して、どこかレインコーツなどポストパンクの女流の雰囲気を漂わせているが、今回の抑えめなトーンと機械的なサウンド構築がきれいにハマった。グラス・キャンディやクロマティックスその他にも関わるジョニー・ジュエルのプロデュースが、彼女をふくめた全体に統一感を与えていることを忘れてはならない。

interview with Savages - ele-king

目を覚ましたとき、男の顔が見えた
誰だかしらないけど、その人には目がなかった
彼の存在は心地の悪いものだった
彼の存在は、なんだか心地が悪かった
"ハズバンズ"


Savages
Silence Yourself

Matador/ホステス

Review Amazon iTunes

 取材した人に、「どんな話が盛り上がった?」と探りを入れたところ、「とにかくジョイ・ディヴィジョンについて訊いちゃダメ」と言われたが、さきほどgoogleに日本語で「サヴェージズ」と入れたら、「ジョイ・ディヴィジョンと比較される」という枕詞がだーーーーーと出てきた。
 サヴェージズに関しては、このreviewを読んで下さい。『サイレンス・ユアセルフ』が今年上半期のベストな1枚なのは間違いないし、以下の取材でも話題に出ている"ハズバンズ"は、最高のパンク・ソングの1曲。
 この勇ましい熱が日本にどこまで伝播するか楽しみだ。答えてくれたのはジェニー・ベス、バンドのヴォーカリストである。

年上の女性が年下の女性を支配しようとしているのよね。それが見ててとても印象的でね。そして"シャット・アップ"っていう曲でも新しい世代の誕生のことにういて歌っていたわけ。それは若い世代が知らず知らずいろんなことから制限されているっていうアイディアが埋め込まれているの。

サヴェージズはどのようにはじまったんですか? みなさんそれ以前から活動していますよね。

ジェニー・べス(JB):そうよ。このバンドを組む前からみんなミュージシャンだったの。私はジョニー・ホスタイルとジョン・アンド・ジェンっていうバンドをやっていたし、ジェマ(サヴェージズのギタリスト)もその頃一緒にプレイしてくれてた。ジェマとアイセ(ベース)はその前から一緒にバンドを組んでいたことがあったの。みんなロンドンでそれぞれのプロジェクトをやっていたってこと。ジェマはまたアイセとバンドをしたいと思っていて、サヴェージズのコンセプトを持っていたの。そこに私が入って、フェイ(ドラム)を見つけたの。すごく自然な感じだったわ。

音楽にのめり込んだ経緯について教えて下さい。最初に夢中になった音楽、バンドをやるきっかけになったようなこととか、音楽に何を感じて、見出して自分でも表現しようと思ったのかなど。

JB:私が真剣に音楽を作り始めたのはジョニー・ホスタイルに会ってから。だから7、8年前かな。その前はあまりシリアスには音楽を作っていなかったの。ジョン・アンド・ジェンをやりはじめていろいろ学んでいったんだと思う。本当にゼロから積み上げていったわ。ロンドンに引っ越して、良いライヴもクソみたいなライヴもやって、アルバムを2枚リリースしたのが私にとってとても貴重な経験になったの。

サヴェージズというバンド名は、ウィリアム・ゴールディングの小説『蝿の王』(Lord of the Flies)に出てくる蛮族(Savage)取ったと聞きました。アイロニカルで、ディストピックなネーミングを選んだのは何故でしょう?

JB:その本だけじゃなく、色んな文学から影響されたんだと思う。バンド名はジェマが思いついたの。あの頃彼女はJG・バラードやフィリップ・ K ・ディックのディストピック(暗黒郷的)なサイ・ファイ小説を読んでいたの。そこで『蝿の王』や、それ以外のさまざまな文学と出会ったんだと思うわ。彼女が求めていた意味合いは、人間はみんな進化を経ても、野蛮な面をいまだ持ち続けているということ。それはふとした瞬間に露になるもの──そういったアイディアを伝えていきかったの。サヴェージズのサウンドが生まれる前に、もう名前とそのコンセプトは生み出されていたわ。

女性だけでバンドを組むことは、サヴェージズにとって重要なコンセプトですか?

JB:もともとそういうアイディアがあったわけじゃなくてね。ガールズ・バンドを組もう、と言ってたわけじゃないの。ジェマははじめ、男のヴォーカルが頭にあったの。でも私がアイサとジェマと曲を書きはじめてから、女性ドラマーでバンド構成を完成させようと決めたんだ。

サウンド面でどんなところに気を遣っているのでしょう? 

JB:正しくは、「集中している」よ。えーと、次の質問。

アンディ・ストットやブラッケスト・エヴァー・ブラックには共感がありますか? "Dead Nature"のような曲からは似た感覚を感じたので。

JB:聴いたことないわ。聴いてみたいわ! その曲はスタジオにつるしてあったギターで書いた曲で、その様子は動画にも収めてあるの。けっこう面白いわよ。だからスタジオにつるしてあるギターがいろんなエフェクトやループをしててね。そしてメンバーがそれぞれ入ってきて、いろんな叩き方をしたりしてね。だから死んだ動物がスタジオにつるされていて、それが変な音を生み出しているイメージが湧いてきたの。だから"デッド・ネイチャー"って名付けたの。

デビュー曲の"Flying To Berlin"はベルリンのどんなことについて歌っているのですか?

JB:それは飛行機でベルリンへ向かっていたとき書いた曲なの。飛ぶことに対しての恐怖、死に対しての恐怖、そういったことについてかな。もし飛行機に乗っているとき何かあったら、即死するわ。最後に思うことは何?その瞬間何を思う? ベルリンに向かっていた時、そんなことを考えていた。ベルリンではもう何回か演奏していて、とても魅力的な場所だと思っているの。観客も最高だし、いつもプレイしにいくのが楽しみなの。

アルバムの冒頭の「How old are you?」という言葉が実に印象的ですが、この言葉からはじめた理由を教えて下さい。

JB:それはジョン・カサヴェテスが監督だした映画、『オープニング・ナイト』から引用したものなの。もともとジョニー・ホスタイルが考え付いたもので、ぴったりだったのね。ジョン・カサベテスには多大なる影響を受けているの。彼の作品はもちろんのこと、彼がハリウッドの端っこでインディペンデントに働き続ける意志を持っていたのはとても尊敬するわ。彼の自由奔放な取り組み方、そして彼の映画がとても意味深いものであることはそれが真実だから。どうでもいいことを言って、くだらないものを作っていないのよ。
 このシーンは特にいいの。年上の女性と年下の女性とのあいだの会話中のもので、年上の女性が年下の女性を支配しようとしているのよね。それが見ててとても印象的でね。そして"シャット・アップ"っていう曲でも新しい世代の誕生のことにういて歌っていたわけ。それは若い世代が知らず知らずいろんなことから制限されているっていうアイディアが埋め込まれているの。そこに繋がるのよね。だから彼女は"How old are you?(あなたはいくつ?)"と尋ねてるの。

『サイレンス・ユアセルフ』という題名が興味深いのですが、なぜ「Silence」という言葉が出てきたのでしょう。

JB:映画からとったセリフなの。タイトルの意味が知りたかったら、アルバムの冒頭にあるイントロダクションを読むことをおすすめするわ。そこに全部記されてるの。

日本の現在を言い当てているような、「街は女々しく可愛い愛でいっぱい(city's full of sissy pretty love)」という言葉は何を指しているんでしょう? 

JB:あまりはっきりとした説明はあげたくないの。個人の思いを持って聴いて欲しいし、そうすることが素敵だと思うから。だけど言うとすれば、自分のことを知ろうとせず、何が自分に合ってるか、自分が何に対して喜びを感じるか、自然に自分がそう感じられるものは何か、そしてそれらをちゃんと選べているか。とくに若い人はそれがわかっていない気がして、残念だわ。愛は簡単じゃないっていうことは残念なこと。

"No Face"で歌われているのは、インターネット社会にへの苛立ちでしょう?

JB:全然関係ないわ。だけどそのアイディアは好きよ。そういう意味合いは含んでいないけど、興味深いと思うわ(笑)。

"Husbands"のような曲を歌うと、やはり女性は喜ぶのでしょうか?

JB:そんなことないわ! 女性に限らずみんなに聴いてもらいたい! ロスで演奏したときに、ゲイのカップルふたりが前列にいて、"Husbands" のコーラスを顔を合わせながら一緒に歌っていて、キスしはじめたの。その瞬間気づいたの。彼らにはこの曲は意味があるものだってね。だって彼らはお互いの"Husband"なんだもの。だからとくに誰かにあてた曲じゃないし、私たちの曲はどれもとくに性別ごとにあてられてるものじゃない。それに意味を感じないから。それは違うでしょ(笑)。

同世代のバンドで共感しているバンドやシンガーがいたら、教えて下さい。

JB:ジョニー・ホスタイルが私たちの7月の米ツアーのサポート・アクトよ。あとは私たちのアルバムのギターを担当してくれたデューク・ガーウッド。彼はとても面白いアヴァンギャルド・ブルース・ミュージシャン。あとは日本のバンド、Bo-Ningen。私たち一緒に曲を書いたの。できれば日本で7月か、年の後半に披露しようと思うわ。曲名は"Words To The Blind"で、ドラマ―ふたり、ギター3人、ベースふたり、そしてヴォーカルふたりで演奏する予定よ。ダダイストのアイディアに基づいているもので、同時に語られる詩とバンド同士の戦いについて書いたの。私たちを成長させてくれた曲だったから、とても面白かったわ。

セックス・ピストルズでいちばん好きな曲はなんですか?

JB:セックス・ピストルズが好きかって? けっこうな歳よね? わからないわ。実はつい最近ジョン・ライドンの自伝を読んで、それは興味深いと思ったけどね。

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