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interview with Egyptian Hip Hop

interview with Egyptian Hip Hop

良い音楽は眠らない

──エジプシャン・ヒップホップ、インタヴュー

野田 努    Oct 05,2012 UP

正直言えば、DJの曲にも仕事にもとくに興味がないんだ。魅力もそんな感じないし。エレクトロミュージックは好きだけど、DJについては本当によくわからないんだ。

E王
Egyptian Hip Hop Good Don't Sleep
R&S Records/ビート

Amazon iTunes

■とてもユニークなバンド名だと思うのですが、エジプト人でもないし、ヒップホップでもないのに、なぜエジプシャン・ヒップホップなんですか? その名前はどこから取ったのでしょう?

AH:最近よく名前について考えることがあるんだ。自分たちでも気付かなかったけど、実はけっこう深い意味があるんじゃないかと思ってるんだ。もちろんつけたときは、とくに考えずに付けたんだけど。いま思うと普通のバンドと違う名前だよね。通常は誰かの名前とか、なんか単語でつけたりするんだけど思うし、みんなもそういうもんだと思ってると思うけどね。ジャンルによってなんとなくバンド名も予想できるしね。
 たしかに変な名前だと思うけど......最初に付けた時はただ面白いからつけただけなんだけどさ。このバンド名でみんな、音を聴いたら混乱するだろうなって思ったのもあるんだけどね(笑)。だって僕たちがEgyptian Hip Hopという名前で音楽をやっているんだから、何にだってなれると思ったんだ。だって僕たちの音楽を聴いて音を想像できないでしょ? だから僕たちの哲学としては名前に囚われないってことだね。

■2年前に〈Moshi Moshi〉と契約して、ハドソン・モホークをプロデューサーに迎えて1枚の12インチ・シングルを出しましたが、そのいきさつを教えてください。

AH:以前から僕たちはハドソンの作品をよく聴いていたし、すごく好きだったんだけど、僕たちのマネージャーが彼のマネージャーを知っていて、最初はREMIXを依頼したんだ。でも結局一緒に作ってみようって話になったんだけど。
 〈Moshi Moshi〉に関しては「一緒にやらないか?」と打診をもらってて、彼らの実績がすごくいいし、いろいろいいバンドの音源をリリースしてたからいいなって思って。ハドソンのスタジオは凄い設備でいい機材が揃ってて本当に有名なすスタジオなんだなって思ったし、そういうところでやるにもいい経験だったよ。

■ダウンロードで音楽を聴くことが常識であるあなたがた世代にとって、ああいう風にレコードを出すことは特別な意味があるのでしょうか?

AH:レコードを作ること自体とても重要なことだと思うんだ。クオリティの問題もあると思うけど、「盤」と言うこと自体が僕は重要だと思ってるんだ。たしかにインターネットだと誰でも手に取れるし、探すことができる。でもレコードやCDってそれ自体がアートだと思うんだよね。ジャケットとかもそうだけど、僕たちにとっても自分たちがどういう音楽をやりたいかっていうことを証明してくれる大事なものだと思ってるよ、インターネットで音楽を流すよりずっとね。それにレコードを持っていれば後で聴き返したりして聴き返すこともできて、音楽に感謝できる瞬間でもあると思うしね。

■最終的に〈R&S〉と契約したのはどうしてでしょうか?

AH:最初はユニバーサルと契約する予定だったんだ。でもいろいろあって話が流れて。〈R&S〉はいいアーティストをいっぱい抱えているし、僕たちがやりたいと思ったことを全部理解してくれて、僕たちにとっても〈R&S〉こそが僕たちが求めていたレコード会社なんじゃないかと思ったから契約したんだ。

■あの12インチ・シングルを出したあと、しばらく音沙汰がなかったのは何だったのでしょうか? 自分たちの納得するサウンドが完成するのに時間がかかったということなんですか? とても完成度の高いデビュー・アルバムだと思いました。

AH:正直僕たちもなんで2年になってしまったのかはよくわからないんだけど......最初のEPを作ったとき、有名なプロデューサーやエンジニア、すごいスタジオ、とにかく過度な期待のなかで作業をしなくちゃなんなくて、その上結構すぐにその環境に溶け込まなきゃいけなかったんだ。出来上がりはもちろんよかったけど、自分たちが想像していたものとはかなりちがう感じに仕上がったんだ。
 その後、前作よりクオリティが下がってもいいから「自分たちらしい音」にできないかってことをずっと考えていて。もっといろいろインスピレーションを受けたものを反映したりね。それにライヴで新しい曲もやりたいなって思ってたし、もっとアートっぽく、自分たちらしい音楽が詰まった1stアルバムにしたいと考えてて。
 だから急がずに自分たちがやりたいことをじっくりやりながら、自分たちらしさが詰まったアルバムを作ろうと思って、時間とかをあまり考えず作業をはじめたんだ。決して経済的には長期化するレコーディングはいいことではなかったけれど、いいものを作りたいと再度クオリティを重視する方向で作業していたんだ。だからこんなに長くかかってしまったっていうのはあるんだけどね。

■すごく独特の音の質感を持っていると思いました。独特の反響音、夢のなかにいるような質感、こうしたある種別世界的な音を創出することに関して、どのような考えをもってるのか、ちょっとコメント願います。

AH:いままで聴いてきたいろいろな音楽に影響されてできた音っていうことはあると思うんだ。何の音楽と比べてそういう質問をされているのわからないけど、いろんな音を研究してもっと音でスケールを広げられないかと試行錯誤してきたから、そういう特殊な音を出せるようになったのかもしれないけどね。独特のヴァイヴを出すこととかね。

■録音がとても良いですよね。ベースラインもドラムも綺麗に鳴っています。自分たちのサウンドを探求するのに時間がかかったんじゃないですか?

AH:そうだね、いろいろ試したりして時間はかかったかもしれないね。もちろんこれからたくさん変わっていくとは思うけれど、まずは自分たちらしい音を出すことが重要だと思ってたから、その音を探すまでにけっこう試行錯誤を重ねた部分があったかな。僕たちはどんどん変わっていきたいし、それってすごく重要なことだと思うしね。

■好きなDJがいたら教えてください。

AH:リミックス以外であんまりDJに興味がないんだ。エロル・アルカンは好きだけど、彼以外にとくに知らないっていうのが本音かな。正直言えば、DJの曲にも仕事にもとくに興味がないんだ。魅力もそんな感じないし。エレクトロミュージックは好きだけど、DJについては本当によくわからないんだ。

取材:野田 努(2012年10月05日)

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