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interview with Hotel Mexico

interview with Hotel Mexico

ロマンティックはいつ起こる?

――ホテル・メキシコ、インタヴュー

木津 毅    Feb 22,2013 UP

いまのシーンがどんなだっていうのは見てますけど、でも今回に関しては「いま」っていう意識ではそんなに作ってない。むしろ「何がいまなのかわからん」って話をしてたぐらいで(笑)。(伊東)

今回はギターが前より出てるなと思ったんですけど、そこに何かポイントはあったんですか?

菊池:単純に曲の作り方が変わったっていうか、前はシンセで作ってたのが多くて、今回ギターを中心に作るのが多くなって、そういうのが集まってきた感じですね。

ちょっと80年代のギター・サウンド的なニュアンスが目立つかなと思ったんですが。

石神:それはあると思いますね。

80s感で言えば、いまだったら、たとえばワイルド・ナッシングスとかどうですか?

石神:好きですね。

いまこの音になるのは「わかるぜ」って感じですか?

石神:ああー。共感できるところもあるけど、彼らは狙ってやってるから。自分たちが取り立てて80sをやるバンドっていう風に思ったりはしないですね。

ホテル・メキシコって同時代の音楽とすごくナチュラルにシンクロしていますよね。それは狙ってやっているんじゃなくて、自分たちのモードとしてやっているとそうなったって感じですか?

伊藤:いまのシーンがどんなだっていうのは見てますけど、でも今回に関しては「いま」っていう意識ではそんなに作ってない。

石神:ほとんど意識してない。

伊藤:むしろ「何がいまなのかわからん」って話をしてたぐらいで(笑)。

石神:たとえば80年代にやってたひとたちって、いまやっているひとたちに比べてハンデがあると思っていて。いまやっているひとたちっていうのは昔の音楽を参照してやれるけど、当時のひとたちは過去を知らずに作っていて。僕らもその感覚に通じているところがあるのかなと。そういう意味では素直に、あまり狙わずに作りましたね。

じゃあ、さっきおっしゃったプリファブ・スプラウト以外に何か参照点があったわけでもない?

石神:うーん。今回はこれを参考にして作ろう、みたいなものはあんまりなかったかなって感じですね。

なるほど。ちなみに前作では?

石神:うーん、前回もなかったかも。最初の入り口は「こういうものがやりたい」っていうのがあったんですけど、最終的に出来上がるときにはまったく違うことを考えながらやっているっていう。

じゃあ、ほんとにシーン的なものは気にしてないんですね。今回、AOR感もあって、それもいまっぽいなと思いましたけどね。

石神:最初、AOR感が欲しいって話をちょっとしたりはしましたけどね。それがたぶんちょっと入ってるんでしょうね。

日本の同世代で、共感するバンドやシーンはありますか?

石神:東京の〈コズ・ミー・ペイン〉というレーベルですね。

ああ、なるほど。それはどういったポイントで?

石神:まあ単純に好きなものがいっしょだったりとか、あと〈コズ・ミー・ペイン〉は海外に対する意識みたいなものが強いですね。そういうところも話していて楽しいし。

日本のインディ・シーンも盛り上がってる印象もあるんですけど、そのシーンの一部にいるっていう意識はありますか?

一同:ないです。

石神:僕はまったくないですね。

伊藤:(日本のインディは)まだ括れるほどはっきりしたものじゃないんじゃないかな、と思いますけどね。

なるほど。同時代のものとリンクしているって感じもあまりない?

伊藤:ないですね。いまは〈コズ・ミー・ペイン〉と仲良くやっていけてるし、お互い好きだし、それでいいやと思ってますけど。最初はいっしょにやるバンドがいなくて困ってたぐらいだし、リンクしている感覚はないですね。

ふむ。じゃあ、アルバムの話に戻ろうと思うんですけど。コード進行とか、音色がフェティッシュな感じがするんですよね。やっぱりすごく、甘いじゃないですか。1曲目の“スーサイド・オブ・ポップス”の最初のコードが聴こえてきたときに「これだ」って思うわけですけど、あれを1曲目にしたのはどうしてなんですか?


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石神:理由はね......ないです(笑)。

あ、そうなんですか?(笑)

石神:僕らアルバムの流れを意識してアルバムを作ってなくって。とくに曲順とか流れは考えていなくて。「これ一発目じゃないな」っていう消去法でいって、あれが残ったっていう感じが強いですね。

あの曲の最初のビートがLCDサウンドシステムの“ルージング・マイ・エッジ”のイントロと似てるじゃないですか。で、そこにあのチルウェイヴ以降を思わせる甘いコードが入ってくるっていうのが、リスナー遍歴を表しているのかな、って勝手に思ったんですけど(笑)。

石神:(笑)そういう風に聴くんだ。そういう想像するのが楽しいんだと思いますけどね(笑)。

そういうのも、自然に出ているんですね。

石神:そうですね。狙ってはなかったですね。

メンバーのバックグラウンドがバラバラななかでも、出るフィーリングっていうのは甘いポップスになるわけじゃないですか。バンドとしてそういう音をやるんだっていうメンバー間でこだわりっていうものがあるんですか?

一同:うーん......。

少なくとも、マッチョな感じはない音じゃないですか。シンセ・ポップ・リヴァイヴァルが出てきたときに、マッチョな音に対する違和感を表現しているって言われたりもしたんですけど。その感じにリンクするというか。根っこにはメタルもあるひとたちなのに(笑)、ホテル・メキシコっていうバンドでやるときに非マッチョな音になるのはどうしてでしょう?

石神:うーん、どうなんだろう。考えたことないな。

じゃあ、ホテル・メキシコっていうバンドは、ストーリーや場景っていう具体的なものよりも、曖昧なフィーリングを鳴らしているんでしょうか?

伊藤:フィーリングなんじゃないですかね。

石神:でもたとえば、こっちがストーリーを作ったとしても、聴いたひとがどういう解釈をしてくれても全然よくって。想像力を刺激できるような音だったり展開だったりっていうのには気を遣っているつもりですね。

取材:木津毅(2013年2月22日)

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Profile

木津 毅木津 毅/Tsuyoshi Kizu
ライター。1984年大阪生まれ。2011年web版ele-kingで執筆活動を始め、以降、各メディアに音楽、映画、ゲイ・カルチャーを中心に寄稿している。著書に『ニュー・ダッド あたらしい時代のあたらしいおっさん』(筑摩書房)、編書に田亀源五郎『ゲイ・カルチャーの未来へ』(ele-king books)がある。

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