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interview with Ana Tijoux

interview with Ana Tijoux

ラテン・ヒップホップの逆襲

──チリの女性MC、アナ・ティジュ、インタヴュー

長屋美保    Mar 12,2014 UP

ラテンアメリカは、自立のために絶え間ない闘いを繰り返し、非植民地化のために必死で生きている。私たちの微笑みを壊す、キャピタリズムの沈黙の支配を前にしながら。


Ana Tijoux (アナ・ティジュ)
Vengo(ベンゴ)

MUSIC CAMP

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 ラテン・ヒップホップといえばマイアミやニューヨーク、ロサンゼルスのラテン系ルーツを持つアーティストたちによるスペイン語のヒップホップを思い浮かべる人のほうが多いのではないだろうか。それも間違いではないが、すべてではない。ここでは、いままで大々的に語られることがなかった、反米運動やグローバリズムに抵抗するために確立されたラテンアメリカのアンダーグラウンド・ヒップホップついて説明したい。
 2000年代初頭、ブラック・パンサー思想を継承するキューバのフェスティヴァル、「ブラック・オーガスト」は、エリカ・バドゥ、ザ・ルーツ、モス・デフ、コモン、ファット・ジョーらを含む米国のアーティストたちとキューバやラテンアメリカのアーティストたちが参加し、国を越えたアーティスト同士の交流を目的にした、伝説的なイベントだった。その動きに触発され、2005年からラテンアメリカじゅうのアンダーグラウンド・ヒップホップのアーティストを集めた、サミット的フェスティヴァル、『クンブレ』がベネズエラで始動する。同国では前大統領のウーゴ・チャベス政権による、ゲットーでのヒップホップを媒介にした教育や社会活動が政策を行っており、クンブレもその一環だった。そして、ドミニカ共和国、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、チリ、プエルトリコなどラテンアメリカ全域に『ヒップホップ・レボルシオン(ヒップホップ革命)』と呼ばれる大きなムーヴメントが広がり、2010年ごろまで活発化していた。

元大統領チャベス政権のヒップホップ政策により生まれた、ベネズエラのオクマレ・デ・トゥイという村の少年たちによる、ヒップホップ・クルー、ムーチョクモの曲〈Nuestra Juramento(俺たちの誓い)〉。
ベネズエラでは、現大統領、ニコラス・マドゥロ政権への反体制デモが起こり、紛争状態と米系大手メディアは報道する。一刻も早く同国の混乱が治まることを願うばかりだが、そんな今でこそ、表向きに報道されていなかったチャベス政権の活動を伝えるこのビデオを紹介したい。

 そんなラテンアメリカ全域を巻き込んだムーヴメントの功績により、メッセージと高い音楽性を持つヒップホップ・アーティストが着実に増え、現在ではメジャーとアンダーグラウンドの垣根もなくなりつつある。
 プエルトリコのデュオ、カジェ13はヒップホップ、レゲトンを自在に操り、ポップ・シーンを股にかけるメジャー・アーティストの代表といえる。2013年末に発表されたミュージック・ビデオ、「Multi_Viral」は、ウイキ・リークスのジュリアン・アサンジとレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリスト、トム・モレロがゲスト参加した曲であり、パレスチナのベレンを舞台に、ビデオ撮影が行われた。もちろん、そこには反キャピタリズムのメッセージが込められている。

カジェ13「Multi_Viral」。カジェ13の戦闘的ラップと、ジュリアン・アサンジの朗読、トム・モレロのロックギターが炸裂。

 メジャーに君臨しながらも、プエルトリコの米国からの独立のために活動し、大胆なメッセージを放つ彼らは、ラテンアメリカのみならず、世界中に刺激を与えている。

 また、英国のDJジャイルズ・ピーターソンは、かねてからキューバの首都ハバナのアーティストたちと組んだプロジェクト「ハバナ・クルトゥラ」の活動を2009年から継続しているが、そこには、ヒップホップ・グループのロス・アルデアーノスやドブレ・フィロのビートメイカー、エドガロ・プロドゥクトー・エン・ヘフェら硬派なアーティストたちが参加している。

エドガロ・プロドゥクトール・エン・ヘフェ「VIDA」

文・長屋美保(2014年3月12日)

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Profile

長屋美保(ながやみほ)長屋美保(ながやみほ)
静岡県浜松市出身。ラテンアメリカ文化に魅せられ、2007年よりメキシコシティ在住のライター。
情報サイトAll Aboutのメキシコガイドも務める。
ブログ:http://mihonagaya.blog2. fc2.com/

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