「MAN ON MAN」と一致するもの

interview with Hokuto Asami - ele-king

 浅見北斗はいい男である。情熱的で、反抗的で、ファニーで、色気があり、自分が「かっこいい!」と感じたバンドやミュージシャン、音楽にすさまじい熱量の高さで対峙する。この、Have A Nice Day!というオルタナ・ロック・バンドのリーダーにして、〈SCUM PARK〉という東京のアンダーグラウンド・パーティの首謀者が、このインタヴューで「インディペンデント」「コミュニティ」「ムーヴメント」といった、これまでの人生で何百回目にし、耳にし、口にしてきたかわからない手垢のついた、ときとして空虚さをはらむことばを迷いなく発語するとき、それらのことばが瑞々しい生気を与えられ、キラキラと輝き出すように思えた。

 筆者は、〈SCUM PARK〉と、音楽クルー〈音楽前夜社〉の主宰者であり、そのクルーのメイン・バンド、GORO GOLOのリーダーであるスガナミユウが〈新宿ロフト〉で主催する入場無料パーティ〈歌舞伎町Forever Free!!!〉でHave A Nice Day!のライヴを何度か目撃している。ステージ上で汗だくの、意外にも筋肉隆々の浅見は、パンキッシュなニューウェーブ・サウンドに乗せて、「フォーエバーヤング!」という歌詞を、ダンスフロアで巻き起こるモッシュピットの渦にガソリンを注ぐようにくり返し放り込んでいた。

 パーティ全体のクラウドの熱狂とそれぞれの出演者の個性的なライヴの風景とともに、とくに筆者の脳裏に焼きついたのは、浅見の、クレイジーでありながらもクールなステージ・パフォーマンスだった。混沌とした集団のなかで、このヴォーカリストは静かに異彩を放ち、その姿は美しくもあった。そうか、あの踊りはゴリラステップというのか……。ともあれ、直感的に、「この男に話を訊いてみたい」と思い立ち、あるライヴ後、機会があればインタヴューをさせてほしいと依頼したのだった。筆者が、浅見が『FRESH EVIL DEAD』というコンピレーションの監修をしていると知ったのは、その数週間後である。


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Fresh Evil Dead

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 ここで紹介する『FRESH EVIL DEAD』は、〈SCUM PARK〉、〈歌舞伎町Forever Free!!!〉、そしてそのふたつのパーティの起源となっている、ジューク/フットワークのパーティ〈SHIN-JUKE〉周辺のバンド、トラックメイカー、DJ、ラッパー、パフォーマーらの楽曲を集めたものだ。監修者は浅見とスガナミユウと、〈SHIN-JUKE〉の主催者という顔の他に〈オモチレコード〉のCEO/新宿ロフトの副店主という顔を持つ望月慎之輔である。

 『FRESH EVIL DEAD』には、現在の東京で、局地的に異様な熱気を帯びているアンダーグラウンド・パーティ・シーンの記録としての意味合いも付与されているものの、すべての収録曲が楽曲そのものとしてユニークでおもしろい。その詳細については、浅見がインタヴューのなかで、凄まじい情報量とともに酔狂に語ってくれている(この男は酒を飲まないのだが、それもまた興味深い)。このコンピは、浅見の情熱の結晶のようなものなのだろう。リンクをあれこれと貼りたい衝動にも駆られたが、濃密さが薄れると判断して、あえて最小限におさえた。この記事を読むみなさんは、独自にディグる方たちだと思う。

 前半はコンピの楽曲について、そして後半は、〈SCUM PARK〉を通じて浅見が考えるパーティやインディペンデント、コミュニティやムーヴメントとは何なのか? ということが浮き彫りになってくるようなグルーヴィーなトークとなった。スガナミユウも同席しておこなった、浅見北斗のロング・インタヴューをお送りしよう。

これまでの〈SCUM PARK〉フライヤー・デザインには、2010年以降のインターネット・アンダーグラウンドと、まさに“SCUM PARK”としか呼びようのない彼らのパーティのリアリティが象徴的に表れている。


われわれのシーンはべつに新しくはないし、新しい音楽をやっているわけでもないんです。だから、“新鮮な死霊のはらわた”というタイトルは“腐敗している新鮮な状態”という意味合いを込めてつけた。

やはり最初は『FRESH EVIL DEAD』の中身の話から訊いていきたいと思うんですけど、まず、このタイトルにしたのはなぜですか?

浅見北斗(以下、浅見):最初はタイトルにすげぇ悩んだんですけど、『死霊のはらわた』から取ったんですよ。われわれのシーンはべつに新しくはないし、新しい音楽をやっているわけでもないんです。いわゆる最先端なことをやっているとかではない。ジュークの人たちともやっているけれど、〈SCUM PARK〉そのものは新しくはなくて、だから、“新鮮な死霊のはらわた”というタイトルは“腐敗している新鮮な状態”という意味合いを込めてつけた。すげぇ矛盾してるんだけどね。それと、あの映画は、サム・ライミがインディペンデントで撮った映画というのもあった。さらには〈SCUM PARK〉に集まるクラウドやフロアを指してるタイトルでもあります。オール・ピーク・タイムな不死身のフロア。〈SCUM PARK〉は出演者だけじゃなくてそこに集まるクラウドが作る強烈な雰囲気がめちゃくちゃ重要なパーティーなんで。
 最初はいまの東京のベース・ミュージックとかオルタナのいちばん新しいものって感じでまとめようとしたんだけど、そんなことをわれわれがやって意味があるのかな? っていうのも若干あって、コンピがうまくいくかさえ不安だったんですよ。そういうことをやってる人たちは他にいるだろうし。最終的に〈SCUM PARK〉をそのまま音源化した格好になりましたね。〈SCUM PARK〉で人気のある曲を選んだりしました。

たとえば、NATURE DANGER GANG(以下NDG)の“BIG BOOTY BITCH”とかですか?

浅見:あの曲を俺たちは“デカケツ”って呼んでるんですけど(笑)。あとは、ハバナイ(Have A Nice Day!)の“フォーエバーヤング”。

“フォーエバーヤング”は〈SCUM PARK〉のアンサムでしょ!

浅見:アンサムでしょ! って(笑)。あとはチミドロの“わんにゃんパーク”とか、実際にそんなにライヴでやったりはしないけど、Gnyonpixの“Dive to The Bass (remix) feat. Y.I.M & Have a Nice Day!”とかね。昨年、〈オモチレコード〉でGnyonpixがCDを出すときに、俺とGnyonpixでボーナス・トラックをつけようってなって、ラップのところだけY.I.Mにやってもらった。リリースしたとき、わりかし評判がよかったし。

ということは、既発曲がかなりある?

浅見:既発曲がかなり多い。新しく曲をちょうだいって言ってもらったのは、Glocal PussysとHarley&Quinかな。あとはRAP BRAINS。RAP BRAINSは彼らの大量にある未発表曲のなかから選んだ感じだけど。だから、〈SCUM PARK〉とか〈SHIN-JUKE〉に遊び来ていて、音源もチェックしている人は知ってる曲が多いと思う。Bandcampやフリーで落とせるヤツもたくさんあるから。チミドロの“わんにゃんパーク”はフリーで落とせるし、いくつかそういう曲がある。要するにマスターピースを集めたんですよ(キリッとした表情で)。

おおおぉ。

浅見:みんなが知っている「あの曲ね」っていう曲のなかでも、「俺がこの曲がほしい」って曲を集めてる。だから、みんなの印象はそれぞれ違うかもしれないけど、このコンピのトラックリストが出たときに、よく遊びに来ている人は、「これはわれわれのアンセムだ」って言ってくれたし、俺もそういうつもりで作った。

スガナミさんはコンピの制作に関して、ディレクションをしました?

スガナミユウ(以下、スガナミ):基本、浅見さんに一任しましたね。相談や微調整はしたけど、決めるのは浅見さん。監修者が3人いるんで、マインドはひとりが持っていないと力強さが出ないと思った。

このコンピでジュークがひとつの要になってますよね。異なるジャンルを結びつける重要な媒体になっているというか。

浅見:NDGの“Legacy Horns (JINNIKUMAN JUKE EDIT)”とかね。この曲はシカゴのDJ Torchのアルバム(『Legacy Horn EP』)を〈Booty Tune〉が出すときに、D.J.APRILがNDGにリミックスを依頼したんですよ。完成したのを聴いたら、ラップまで乗っかっていたというね(笑)。リミックスって普通、歌までは乗っけないでしょ! それをヤツらは勝手にラップまで乗っけてきたんだけど、DJ Torchのアルバムに入って無事にリリースされた。

よく遊びに来ている人は、「これはわれわれのアンセムだ」って言ってくれたし、俺もそういうつもりで作った。(浅見)

監修者が3人いるんで、マインドはひとりが持っていないと力強さが出ないと思った。(スガナミ)

すごいいい話じゃないですか。Have A Nice Day!(以下ハバナイ)の“Kill Me Tonight Remix (Feat. EQ Why)”もジュークですね。

浅見:そう!! これについてはぜひここで語りたい!!

思いっきり語ってください!

浅見:EQはシカゴのヤツで、トラックスマンの弟子かRP・ブーの弟子でさ。

『Bangs & Works vol.2』にも彼の曲が3曲収録されてますよね。

浅見:そう。そのときはたしかT-Whyって名義だった。ヤツはトラックスマンの次世代として期待されていたんだけど、TEKLIFEクルーのなかでいろいろあったらしく。よくわからないけど、なにか問題を起こして、鼻つまみ者になったらしいの。まあそれはいいんだけど、要はシカゴのローカルの若手みたいなヤツで、俺もEQの存在は知ってた。で、俺は去年の4月か5月に“Kill Me Tonight”の原曲をSoundCloudにアップしたんですよ。そうしたら、すんげぇ評判が悪かった。メンバーから、「ぜんぜんこの曲よくない」って言われて。みんなはいつも、俺が曲を作ると、だいたい持ち上げてくれるんだけど、そのときは誰も持ち上げてくれなくて。

それはショックだ。

浅見:そうしたら、EQが「この曲いいね! データちょうだい!」って、SoundCloud上でコンタクトしてきて。日本人が誰も反応してくれないのに、シカゴのヤツが反応してくれて、「マジかよ!」って、すげぇうれしくなって。それで、「データをあげるから、リミックスしてくれ」って頼んだら、最初は「リミックスすると金がかかるけど、大丈夫か?」って感じだったんだけど、なんやかんやで作ってくれた。タダで。

そのやり取りは、お互いを直接知らない状態で、誰かを介してとかでもなくおこなわれたんですか?

浅見:そう! だから、シカゴのフットワークと東京が邂逅したんだって、すっげぇ感動した。EQがなにに反応したのかはわからないけど……、「Kill Me Tonight」ってフレーズに反応したのかな。

これはなかなかキザなフレーズですねぇ。

浅見:「今夜、俺を殺せ!」ってことなんだけどね。

わかります(笑)。

浅見:アルファベッツに“今夜殺せ”って曲がありますけどね。「今夜殺せ/鳥の餌になれ」ってね。まあ、そこから来たわけではないけどね。

で、GORO GOLO の“SUMMER HITS Boogie Mann Remix” には、ジュークの日本独自のポップな展開というか、多様性を感じますよね。

浅見:この曲をリミックスした Boogie Mannは〈SHINKARON〉っていう横浜のジュークのレーベルのトラックメイカーで、〈SHINKARON〉にはFRUITYってヤツもいて、みんな若くて、お洒落で、生意気(笑)。FRUITYに“フォーエバーヤング”のリミックスを作ってもらったんだけど、ほら、リミックスって原曲を超えてなくて、「原曲のほうがいいじゃん」っていうのが多々あるけど、そのリミックスはちがった。FRUITYはバランス感覚が良くて、優秀なんですよ。〈SHINKARON〉ってみんな優秀なのよ。キャッチーなところを残して、ポップ・ミュージックとして楽しめるラインで上手いことできる。ジュークのなかの若い世代で、そういうことが自然にできる人たちだね。

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パーティのあとに、「髪が緑色の変なヤツがいたな」とか「いつもと違うヤツがいたね」とか「なんなんだろうね」ってみんなで話したりしてて。「なんかいい顔してるな」って(笑)。(浅見)


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なるほど。コンピの冒頭を飾るFat Fox Fanclub(以下FFF)の “Laugh Song (Laugh Gorge Laugh Song by Takaakirah Ishii with Gorge Clooney)”は、ダンサンブルで、パンキッシュですよね。

浅見:この曲は俺のなかで90年代みたいなイメージなんですよ。〈グランド・ロイヤル〉みたいなイメージなの。ジョン・スペンサーとかビースティー(・ボーイズ)とかチボ・マットって感じ。

ああ、なるほど。

浅見:この曲は〈Terminal Explosion〉ってレーベルがゴルジェ・リミックスでやってくれたんですよ。ゴルジェとFFFをつなげようという異種格闘技的な感じで。〈Terminal Explosion〉は、京都のインダストリアルとかゴルジェのレーベルなんですけど、ジュークの人ともつながってて、この曲はBandcampでリリースされてるコンピに入ってる。FFFは〈SCUM PARK〉にとってすげぇ重要で、彼女たちとNDGがいたから、〈SCUM PARK〉はここまで持続できたというのはある。これだけかっこいいバンドなのに、これだけ知られていないバンドが東京に存在するんだぞって。俺は、そういうヤツらがちゃんと評価されるフィールドでライヴをさせたいというモチヴェージョンがあったから。ヴォーカルのペリカンにはファンキーな感じがあって、しかもヒップホップの雰囲気を漂わせるロックンロールを女の子4人でちゃんと成立させてる。彼女たちみたいなバンドはいないよ。

いま、NATURE DANGER GANGの名前も出ましたけど、浅見さんのNDGへの熱い思いも聞きたいですね。

浅見:NDGのSEKIくんは、最初〈SHIN-JUKE vol.2〉に遊びに来てたんですよ。ジュークが好きで、ただの客として。そのときは彼と話さなかったんだけど、パーティのあとに、「髪が緑色の変なヤツがいたな」とか「いつもと違うヤツがいたね」とか「なんなんだろうね」ってみんなで話したりしてて。「なんかいい顔してるな」って(笑)。
 で、SEKIくんがまた別の日のイヴェントに遊びに来てくれて、いろいろ話したの。SEKIくんはそのときすでに、SoundCloudにたくさん曲をアップしてたから、たしかモチ(望月慎之輔)さんが「今度、イヴェントやるからDJやってよ」って頼んだんだと思う。そうしたら、「いや、バンドやります!」って話になって、そこではじめてNDGが発生したんですよ。というか、SEKIくんが、〈SHIN-JUKE vol.2〉でどついたるねんのライヴを観てて、「どついたるねんみたいなバンドをやります」って言ってはじめたのが、NDGだった。

そこからはじまったけど、どついたるねんとはまったく違う方向性の異色のバンドになっていくわけですね。

浅見:とんでもないのができたなって。俺はNDGに関しては、すごい考えることが多い。NDGは音楽じゃなくて、アートなんですよ。あれは音楽とかじゃない。NDGの歌詞ってまったく意味がないんです。無意味なんです。この前、チミドロのリーダーのナオくんと話していたのが、「NDGの歌詞はすごい」と。俺たちが歌詞を作るときは、意味のないことを考えてんだけど、どうしても意味を持たせちゃう。でも、NDGはまったく意味を持たせない。そのいちばん極端な例が、LEF!!! CREW!!!とNDGがいっしょにやった、アタリ・ティーンエイジ・ライオットの“スピード”のカヴァーなんです! このカヴァーはアタリの曲を空耳でカヴァーしてるんだけど、ほら、アタリってめちゃめちゃ政治的メッセージを持ったグループじゃないですか、その歌を空耳で、音だけで、表面的にカヴァーして中身がまったくない。
 じゃあ、NDGの中身にはなにがあるのか? そこには人間がいるんですよ。NDGの各メンバーの生き様があるんです。悪口でもなんでもなくて、NDGのメンバーでセンスが良いヤツはひとりもいないんです。センスが悪いヤツばっかりなの。そいつらが、NATURE DANGER GANGに入ったことによって、NATURE DANGER GANG化するんですよ。自分と自分の美意識のすべてをつめこんだ自分の形をライヴでぶつけるわけですよ。だから、われわれは人間の塊を観てるんです。共感するとかではなくて、暴走族とかヤンキーを観てるようなものなんです。そういうことに近い。
 だからNDGっていうのは、バンドよりはアイドルに近くて、つまり、偶像化されているんです。NDGのことがすごい好きな、オルタナ・シーンのライヴ・ジャンキーって言われる人たちがいて、そのなかのひとりが、「アイドルは理解できないけど、アイドルが好きな人の心持ちは、自分がNDGを好きな心持ちと近いのかもしれない」って言ってた。要するに成長を見守るってところが似てる。NDGはそういうことを狙ったわけじゃないけど、結果的にそういう形になってる。あれだけまったく意味がないことの理由が、そこにあるのかなって俺は考えてる。

うんうん。

NDGのメンバーでセンスが良いヤツはひとりもいないんです。そいつらが、NATURE DANGER GANGに入ったことによって、NATURE DANGER GANG化するんですよ。だから、われわれは人間の塊を観てるんです。(浅見)

浅見:で、次は、§✝§(サス)とmirrorball infernoとHarley&Quinについて語りたいんだけど、彼らはガチンコで〈SCUM PARK〉のシーンのものではないんですよ。§✝§のメンバーがやってたde!nialってバンドを〈SCUM PARK〉に1回呼んだことがあるし、§✝§はGnyonpixのレコ発のときに呼んで、ライヴもすごい盛りあがったけど、そこまでメンバーと仲が良かったり、つながりがあるわけではないんです。
 ウィッチハウスはアメリカ本国では廃れて、廃墟と化したムーヴメントになってるけど、いま流行ってるか否かとか関係なく、自分たちがやりたいことをやりたいときにやる§?§のスタンスが好きですね。§✝§は4人組で、中心人物のswaptvくんがけっこう前からやってるグループで、いまはセーラーかんな子ちゃんがヴォーカルをやってて、彼女が加入して、ある種アイドルじゃないけど、インターネットを偶像化したところが§✝§のすごいところなんですよ。インターネットは概念じゃないですか。でも、そのインターネットをひとつのグループにしたのがすごい。

そう考えると、『FRESH EVIL DEAD』は、リアルな〈SCAM PARK〉のパーティそのものの範疇を超えたところにあるコンピと言えますよね。

浅見:そうですね。Harley&Quinは4人組なんだけど、メンバーのラスベガスさんこそアンダーレイテッドな人だと俺は思ってますね。“J.E.F.F.”は新録で、ビートが日本刀で、編曲がラスベさんですね。

Harley&Quinのトラックはむっちゃファンキーなテクノですよね。

浅見:うん。Harley&Quinとmirrorball infernoは新宿の〈BE-WAVE〉で〈TECHNOPARTY〉っていうパーティを不定期にやってるんですよ。ちなみにラスベさんとmirrorball infernoは、〈Maltine〉からも作品をリリースしてますね。で、NDGのやってる〈ハイテンションパーティー〉にmirrorball infernoが出てて、かっこよかったから〈SCUM PARK〉にも出てもらった。mirrorball infernoの曲はライヴのいちばん最後のほうにやる曲で、俺のなかではアゲアゲのディスコ・ダブのイメージだったんだけど、本人たちいわくトランスなんだって。とにかく、mirrorball infernoは音楽的に俺のツボ!

その一方で、このコンピはヒップホップ色やラップ・ミュージックの要素も強いでしょ。RAP BRAINSみたいな大所帯のヒップホップ・グループもいますし。

浅見:RAP BRAINSは、〈SCUM PARK〉のメンツのなかではかなり初期からいて、NDG、FFF、RAP BRAINSぐらいの順番なんですよ。RAP BRAINSに関しては、MCひとりひとりのラップというよりは、ベース・ミュージック、ダンス・ミュージックとしておもしろいと思ってて。

オールドスクール・ヒップホップやエレクトロのノリもあるでしょ。

浅見:そうですね。最初のころは、イヴェントにうまくはまらないと思ったこともあったんだけど、去年の8月に新宿の〈LOFT〉でやった〈SCUM PARK〉のときにステージじゃなくて、フロアでやったんですよ。低音もかなり鳴ってて、人がいっぱい入り乱れて、ラッパーと観客の境がなくなって、誰がラップしてるのかさえわからないぐらいだった。そのときに、モッシュみたいなフィジカルな部分が出てくるのがおもしろくて、われわれオルタナのステージとか、パンクスのモッシュピットに近いものがあるって思った。RAP BRAINSは来年2月ぐらいに〈オモチレコード〉からCDを出すから、それまでにいまのノリをもっと拡張してほしいね!

ラップ・ミュージックとして聴いたときに、大所帯な、クルー感のあるRAP BRAINSと対照的なのが、ALchinBondとSOCCERBOYですよね。

浅見:ALchinは日本のジューク・コミュニティの人は全員知ってて、いわゆるヒップホップ・シーンの人には知られてないだろうけど、ジューク・コミュニティでは圧倒的に支持されてるんですよ。たとえば、九州の小倉とか佐世保でジュークをやってる人たちがいて、彼らのパーティではALchinの曲が一晩で2、3回ぐらいかかるらしいんですよ。それぐらい局地的にめちゃくちゃ支持されている。はじめてライヴを観たのが、RAP BRAINSの〈Brainspotting〉ってパーティだったんだけど、そのときのALchinのライヴがあまりによくてさ。背が高くて、手足も長いから見た目も映えるの。単純にラップがかっこいいし、1MC2DJでライヴするんだけど、ジュークのビートが間断なくかかる上で、フリースタイルなのか、既存の曲なのかわからない感じで進んでいくの。

イル・ボスティーノを彷彿させる重量感を感じますよね。

浅見:そう! リリシストなんだよね!

ビートはトリッキーなジュークだけど、ラップのフロウもリリックもどっしりしてて、そのギャップが個性的で、おもしろい。ライヴ、観たくなりますね。

浅見:ハードボイルドな感じがいいんですよ。ALchinはもっと大きなステージで活躍してもらいたい存在なんだけど、どうしてもライヴにむらがあって、ひどいライヴもあるし、お酒を飲んじゃうとヤバい(笑)。
 で、SOCCERBOYくんとは少し話したことがある程度で俺はそんなに詳しくないんだけど、モチさんが〈SHIN-JUKE〉に呼んでて、そのときのライヴがかっこよかったんですよ。いわゆるヒップホップ、ラップというのではなくて、キング牧師の演説みたいなところがある。

俺はLKJのダブ・ポエトリーを思い出した。

浅見:うんうん。DJ MAYAKUとやってる“DANCE WITH WOLVES”が好きだったから、その曲を入れたかったんだけど、今回収録した“Message in a Battle (DJ MAYAKU Remix)”もすごくかっこいい。MCの個の力で聴かせられるのが、ALchinとSOCCERBOYだと思う。

MCといえば、Glocal PussysのMC RyNのパーティMCとダンスフロアの煽り芸はリアルにプロ級なわけだけど、DJのAscalypsoがトラックを作って、MC RyNが歌う“Burning Up”は彼女たちにとっての初のオリジナル音源で、彼女たちらしいセクシーでワイルドな歌モノのベース・ミュージックですよね。

浅見:Glocalは俺が言うことがないほどかっこいい! 

語ってください!

浅見:うん。チミドロが〈ゲットー酒場〉っていうイヴェントを池袋の〈ミュージック・オルグ〉でやってるんだけど、それをシモキタの〈SHELTER〉で〈ゲットー墓場〉ってタイトルにしてやったんですよ。〈SCUM PARK〉とジューク、ベース・ミュージックがいっしょにやるってコンセプトで。そのときにGlocalをはじめて観て、すげぇかっこよかったの。Glocalはイロモノ的なフォーマットに乗っけられかねないけど、俺はGlocalこそかっこいいグループだと思ってる。

女性2人組のラップ・デュオ、Y.I.Mについてはどうですか?

浅見:Y.I.Mは去年の8月にはじめて〈SCUM PARK〉に出たんだけど、俺はもともと、ああいうバランス感覚がいいヤツらがそんなに好きじゃないんですよ(笑)。

身内ディスか!

浅見:いや、最初、鎮座DOPENESSがサポートで来てて、「こいつら、なんかむかつくな。有名人出せばいいのかよ」って思ったんだけど、よく聴いたらかっこいいんだ! ふたりはバカそうに見せて、じつはすごい頭がよくて、賢いんだよね。Y.I.Mは賢い!

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──ということは、トラックスマンの来日は超重要なんだ?
超重要でしょ! あそこには七尾旅人もいたし、デラシネの風間コレヒコもいたし、あの日はやっぱり重要ですよ。(浅見)


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浅見さんから『FRESH EVIL DEAD』の内容について聞いてると、やっぱり興味がわいてくるのが、どうやって浅見さんたち周辺の風変わりで、エネルギッシュなパーティ・シーンができあがってきたのかってことなんですよね。当然、単純な音楽ジャンル云々の話じゃないわけでしょ。自分は、〈SHIN-JUKE〉と〈SCUM PARK〉と〈歌舞伎町Forever Free!!!〉にまったく異なるルートでたまたま遊びに行っていて、あるとき、そこにシーンらしきものがあるんだってことを知ったんですよ。そもそも監修者である浅見さんとスガナミさんと望月さんはどうやって出会って、いっしょに活動するようになったんですか?

浅見:最初に俺がモチさんからイヴェントに誘われたんですよ。モチさんがブッキングするんじゃなくて、他の人にブッキングを頼むっていう、そういうコンセプトのイヴェントがあった。そのとき、内田るんちゃんといっしょに企画したんです。

るんちゃんと!

浅見:そう。内田るんちゃんがやっているバンドとうちら(Have A Nice Day!)がいっしょにイヴェントをやったことがあって。るんちゃんとはめっちゃ仲良いんですよ。なんで、二木くんはるんちゃん知ってるの?

高円寺の〈素人の乱〉で知り合ってるんですよ。ハバナイの名前を最初に教えてくれたのもるんちゃんだったし。

浅見:ああ、そうなんだ! まじか! 〈SCUM PARK〉をやるぜんぜん前にそういうイヴェントがあって、そのときにはじめてモチさんと会ったんですよ。

ちなみに何年ぐらいか憶えてますか?

スガナミ:震災後でしょ。

浅見:そうそうそう。

スガナミ:望月さんが〈ロフト〉に入るのが震災後なんで。

浅見:2011年12月ですね。そのイヴェントのあとに、映画の『アメリカン・ハードコア』の話をして、「すごいいいですよね」って盛り上がって。モチさんは、ハバナイのドラムがやってたマリリンモンローズってバンドの面倒を見てたんですよ。CDを作ったり、流通したり、ライヴのブッキングをしたり、手伝ってたんですよ。そのとき、モチさんは〈オモチレコード〉をすでにやってて、存在を知ってはいたけど、会ったことはなかった。その後、けっこう仲良くなったから、ハバナイのCDを一般流通したいから、面倒を見てもらったのが2012年の夏くらいかな。6曲入りのEP(『BLACK EMMANUELLE EP』)を〈オモチレコーズ〉からリリースしたんですよ。

ブログにいろんなレコード屋に委託販売を断られたって書いてた作品?

浅見:あ、それは、そのEPのひとつ前の作品。でも、じつはいまだにけっこう断られる(笑)。わりかしどこも置いてくれないんだよね。だから、モチさんとは最初はイヴェントっていうよりも〈オモチレコード〉を通しての付き合いで、イヴェントやパーティをやるのはレコ発ぐらいで、いまみたいにイヴェントをしょっちゅうやるなんて考えられなかった。〈新宿LOFT〉の平日の深夜がいつでも空いているから、「月に1回ぐらいはイヴェントやりたいね」みたいな話はしてたけど、「集客がね。いやいや、無理っしょ」って感じでやらなかった。
 ただ、『BLACK EMMANUELLE EP』を出して、ちょっと経ったころに、モチさんが〈SHIN-JUKE〉をはじめてるんですよ。トラックスマンの初来日が2012年10月だから、〈SHIN-JUKE〉の一発めは2012年なんです。そのころに〈十代暴動社〉の長州(ちから)くんとかと仲良くなりはじめて。だから、リリースがきっかけなんですよ、いろいろ。で、ライヴも増えてきて、最初の〈SHIN-JUKE〉の少しあとに〈SCUM PARK〉がはじまってるんです。2012年11月ですね。だから、時間軸で言うと、『BLACK EMMANUELLE EP』のリリース、トラックスマン初来日、〈SHIN-JUKE〉、〈SCUM PARK〉って感じですね。

ということは、トラックスマンの来日は超重要なんだ。

浅見:超重要でしょ! あそこには七尾旅人もいたし、デラシネの風間コレヒコもいたし、あの日はやっぱり重要ですよ。で、1回めの〈SCUM PARK〉は〈下北沢SHELTER〉が平日に空いてたから、「じゃあやろうか」ぐらいの感じでやったの。どついたるねん、ハバナイ、アンダーボーイズがライヴで、転換のDJをD.J.APRILにお願いしようと。そこではじめてD.J.APRILとちゃんと話して、トラックスマンを観に行ったって話をしたんだよね。

ほおお。スガナミさんとはまだ出会ってないんですか?

浅見:まだまだ! この1年後ぐらいにならないと登場しない!

俺はストレートですけど、惚れた男のためなら、みたいなところがあるんですよ。(スガナミ)

ははは。すいません、ちょっと話を飛ばしますけど、スガナミさんは〈SCUM PARK〉と〈SHIN-JUKE〉に触発されて、〈歌舞伎町Forever Free!!!〉をスタートさせたんですか?

スガナミ:いまの話を聞いていて思い出したのが、俺は毎月〈新宿LOFT〉で〈新宿ロフト飲み会〉ってイヴェントをやってるんですよ。新宿の〈LOFT〉はホールのほうの営業とバーのほうの営業で、ふたつ同時に公演を打つときがあるんです。進行も別々で。で、俺らが〈新宿ロフト飲み会〉をやってるときに、隣で〈SCUM PARK〉をやってたんですよ。

浅見:あったね! 2013年8月15日だ!

スガナミ:いや、憶えてないです……。

ははは。

スガナミ:それで、空いた時間に〈SCUM PARK〉を観に行ったんです。ハバナイの“ゾンビパーティー”って曲があるんですけど、そのときにその曲をやってて、お客さんがモッシュっていうよりは、ゴロゴロぶつかり合うみたいな感じだったんですよ(笑)。それがすげぇおもしろくて。あれはむちゃディスコティックな曲で……、いや、ディスコティックでもあるけど、ドドタッ、ドドタッみたいなパンキッシュなノリもあって、それが「ヤベェ! かっこいい」って思って。〈SCUM PARK〉の噂は聞いてはいたんですけど、こんなパーティがあるんだ! って感動して。その流れで、2013年末の〈SCUM PARK〉にGORO GOLOを呼んでもらったんですよ。

じゃあ、ふたりはここ最近、急接近なんですね。

浅見:そうだね、そうかもしれない。突然急接近しちゃって。

スガナミ:俺は自分がメインを張ることもやるんですけど、バディ役というか、バディ・タイプなところもあるんです。

裏方タイプでもあると。

浅見:スガナミくんのそこはすごい助かる。

スガナミ:モチさんもそういうタイプなんですよ。

浅見:そう。スガナミくんとモチさんはそのことに関してはめちゃくちゃ優秀だと思う。こいつらがいると、めっちゃ円滑に物事が進むわけ。ふたりみたいなつなぎ役がいないと、ほんとにただグダグダしちゃうし、下手したら他の人とケンカになっちゃうから。

スガナミ:俺はストレートですけど、惚れた男のためなら、みたいなところがあるんですよ。裏で自分のプロップスを上げてるって、いやらしいところもあるんですけどね。

スガナミさんは浅見さんのどこに男惚れしたんですか?

スガナミ:やっぱり浅見さんのブログなんですよ!

浅見:まじで! そうなんだ。

わかる。浅見さんの文章を読んでると、自分が忘れかけていた情熱が呼び覚まされる。

スガナミ:ざらざらしてて。

浅見:なんだ、俺、顔じゃないのか?!

スガナミ:30代になってから俺は完全にトゲがなくなっちゃったから、「この人はどこまでもこれで行くのかな!?」って超興味を持ったんです。

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そもそも俺のはじまりは25歳ぐらいだから、すげぇ遅いんだよね。だって、下手したら、みんなが大学卒業して、遊ぶのをやめてる年齢でしょ。(浅見)

ああ、それはすごいわかります。じつはそれは今日のインタヴューのテーマのひとつにもしたかったことで、〈SCUM PARK〉でハバナイのライヴやパーティのノリを体感して、最初俺はなにも知らなかったから、25歳ぐらいの人たちが中心のパーティかと思ったんですよ。浅見さんのその若さとエネルギーとパワーと反骨精神がどこから来てるのかってすごい知りたくなりましたよ。

スガナミ:そうですよね。

浅見:俺がイヴェントに行ったりしてたのは20代のはじめぐらいだから、そのころ遊んでたノリの感じを頭に持ったままずっといままできていて。だから、30代ぐらいの適齢のノリがよくわからないし、想定できない。

浅見さんは20代に〈RAW LIFE〉や〈less than TV〉のパーティやイヴェントに遊びに行ってたんですよね。それで、いま自分がオーガナイズできるパワーがついたってことですかね?

浅見:そう、そういうことですね。それが結局30代になっちゃったってことですね(笑)。だいぶ遅れちゃったってこと。そもそも俺のはじまりは25歳ぐらいだから、すげぇ遅いんだよね。だって、下手したら、みんなが大学卒業して、遊ぶのをやめてる年齢でしょ。

浅見さんの〈RAW LIFE〉のインパクトや思い出ってどういうものですか?

浅見:〈RAW LIFE〉と言えば、やっぱり君津の廃墟でやった〈RAW LIFE〉(2005年)ですよね。

スガナミ:あの日はすごかった。ロケーションもヤバかった。

浅見:あのとき、にせんねんもんだいをはじめて観たりして、こんなかっこいいバンドがいるんだって知ったし、BUTTHEAD SUNGLASSとかSTRUGGLE FOR PRIDEとかABRAHAM CROSSを観て、〈CHAOS PARK〉にも何度か行って。だから、〈CHAOS PARK〉と〈less than TV〉の〈HOLLYWOOD JUSTICE〉のインパクトがすげぇある。じつは〈SCUM PARK〉はそういうイメージなんですよね。

今年の7月4日のブログに、「スカムパークはモッシュピットを作ることが一つの目的ではあるんだけど、しかしそれはハードコアのモッシュピットのそれとは違って限りなくダンスに近い。それはバイオレンスや緊張感よりも快楽を優先するわれわれのアティチュードのせいだろう」って書いてるじゃないですか。〈SCUM PARK〉のパーティの個性を上手く書いているなと思って。

浅見:そうそう、ダンスに近いんですよ。でも、俺はハードコアのモッシュピットもすごい好きなんですよ。〈SCUM PARK〉は女性の出演者も多くて、Glocal Pussys、FFF、NDGだって半分近く女の人だし、RAP BRAINSもそうだし、GORO GOLOもはるかさんがいるし、ハバナイだってシンセのさわちゃんがいる。完全に男ばっかりのバンドってそんなにいなくて、そうなるといわゆるハードコアのモッシュピットって現実感がないというか、むしろそれを俺らがやるのは嘘じゃないかなって。

いわゆるパーティ・ピープルがワイワイしてるのもなんかちがうんじゃないかなって。純粋にロックにおけるモッシュピットをダンスとして機能させるというか。

 もうちょっとみんなダンスしたいというか、NDGしかりハバナイしかり、ダンス・ミュージックとして機能する音楽をやりたいんですね。ゲスバンドとか、でぶコーネリアスも出てるけど、彼らの音楽もダンス・ミュージックとして機能している。でも、すべての音楽はダンス・ミュージックとも言えますよね。ただ、われわれの〈SCUM PARK〉で、一般的なクラブ……って言い方がいいのかはわからないけれど、クラブみたいなノリも求められないと思うんですよ。ある種、オルタナのお客さんが多いから、オルタナのお客さんにそういうダンスって求められないと思うから。

つまり、ひとりで陶酔して踊りつづけるダンスとかですか。

浅見:うん。それとか、いわゆるパーティ・ピープルがワイワイしてるのもなんかちがうんじゃないかなって。そうなると、純粋にロックにおけるモッシュピットをダンスとして機能させるというか。

さっきのモッシュピットについて書いたのと同じブログのエントリーで、〈SCUM PARK〉は、『アメリカン・ハードコア』を観たことに端を発してるって書いてるじゃないですか。それで、2、3日前にはじめてあの映画を観て、自分も熱くなって、いろいろ考えさせられもしたんですけど、浅見さんはどういうところに触発されたんですか?

浅見:「ブラック・フラッグ、ヤベエな!」とか「バッド・ブレインズもヤバいな」って(笑)。まずはそこがありますよ。それから、大きなレコード・レーベルがついたりってことじゃなしにはじまった音楽が、ひとつのムーヴメントになっていく、その美しさ、おもしろさがあるでしょ。ギグが普通に家やガレージのなかであって、そこにモッシュピットがあって、エネルギーがあるじゃないですか。音楽を聴いて、単純にこの曲いいなあっていうのはほぼなくて。いま聴くとけっこうよい曲だなってのはあるけれど、はじめて観たときはどの曲も同じに聴こえると思ったから。やっぱりエネルギーですよね、人間の。それが渦巻いてる。

レーガン政権下のアメリカで不満を抱いていた若者たちが暴れはじめるって時代背景も興味深いけど、全米各地に急速な勢いでムーヴメントがアンダーグラウンドで波及していく、その広がり方というか、その過程や人間関係がすごいじゃない。

浅見:そうそう。あのネットワークが広がっていく感じね。しかも、あれだけでかかったムーヴメントが5、6年という短命で終わるじゃないですか。その、エネルギーだけでやって終わる刹那的な感じもわかるんです。流通のルートに乗っけることやプロモーションのための動きじゃなくて、ライヴをやって、遊びに来ている人たちが本当に楽しんで、ドワッとなることが目的で、それを形に残そうとかはあんまり考えてない。俺もそういうものがおもしろいんじゃねえかなって思うんですよね。

俺は、「たとえ3人しかいなくても、モッシュしろ!」ってクラウドに指示を出すから。「3人しかいないんだから、お前らが盛り上げなかったら誰が盛り上げんだ」ってやるよ。(浅見)

 でも、いまの日本のアンダーグラウンドで……、そう言っていいのかわからないんですけど……、いや、言っていいんだけど、シーンってものを考えている人間がわれわれの世代で何人いるのかと。単純に自分たちが有名になるためだけの行動パターンがあって、それこそバンドの紹介を書くときに、「誰々とライヴした」とか「誰々と曲を作った」とかさ、「お前の説明は誰々と共演したことしかねーじゃねーか!」って。そういうプロモーションのためだけの動きが非常に多いなって気がしていて、はたして「それがおもしろいの?」って。だから、〈SCUM PARK〉に関しては、その場のノリを求めてる。俺は、「たとえ3人しかいなくても、モッシュしろ!」ってクラウドに指示を出すから。「3人しかいないんだから、お前らが盛り上げなかったら誰が盛り上げんだ」ってやるよ。

いやあ、素晴らしい。

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音楽を流通させる側に男が多いから、女の人の音楽を流通させるときに、女性の音楽がフラットな視点で評価されてきてないんじゃないかなって思う。(浅見)

浅見:〈CHAOS PARK〉や〈less than TV〉、〈RAW LIFE〉にだって、そうやってシーンのことを考えている人はいたと思うんですよ。たまたまわれわれの世代にあまりいなかっただけで。とにかく、俺はそのときのエネルギーだけを求めて〈SCUM PARK〉をやってるんですよ。

〈SCUM PARK〉には女性の出演者が多いって話が出ましたけど、ふたりは数日前に、「シーンにおける女性の重要性とセクシャルマイノリティについて」ってテーマでユーストリームでトークをやってましたよね。浅見さんはこの点に関してどんな問題意識があるんですか?

浅見:トークはちょっとグダグダになっちゃったんだけどね。うーん、当たってるかはわからないけれど、音楽を流通させる側に男が多いから、女の人の音楽を流通させるときに、女性の音楽がフラットな視点で評価されてきてないんじゃないかなって思う。仮にFFFとかGlocal Pussysを流通させるときとかに、男性的なフォーマットでやると、どうしてもある種“女の子”みたいな感じになる。
 ちょっと上手く言えないけど……、なんだろう、そうじゃなくて、そもそも〈SCUM PARK〉って、俺とモチさんのむちゃくちゃ個人的な遊びなんですよ。こうやってコンピまで作っていただいて、ありがたい状況にはなりつつあるけど、主要なネットのニュース・サイトとかはこのコンピや〈SCUM PARK〉にまったく興味を示してないよ。だから、めちゃくちゃ個人的にやってるし、広げようって感覚もあんまりない。規模としては80人ぐらいがちょうどいいかなって思ってる。それ以上増えると、なんかねー、ちょっとねー、全体のユニティが薄れるねーって(笑)。

ははは。しかもかなり局地的ですしね。

浅見:そう。なんで俺らが下北沢の〈three〉とか〈SHELTER〉とか〈新宿LOFT〉でやるかって言うと、単純にそこが空くって情報が入ってくるから、「とりあえず、そこでよくないか」って感じなんです。価値基準がインディペンデントなんですよ。だから、わかりやすさとかいらないわけですよ。たとえば、“セクシーな女の子のグループ”とか、そういうわかりやすさをまったく必要としない。単純に俺らがかっこいいなって思ったグループを入れる。ただそれだけなんですよ。わかりやすい言葉で説明する必要なんてないんですよ。だからこそ、広がらないんだろうし、フラットなフォーマットを保てるんですよ。

価値基準がインディペンデントなんですよ。だから、わかりやすさとかいらないわけですよ。だからこそ、広がらないんだろうし、フラットなフォーマットを保てるんですよ。(浅見)

あと、浅見さんは、たとえば“むこう側のやつら”とか、そういう言い方で、特定の人というか、ある特定の考え方や価値観と自分たちのやってることにはっきりと線を引いてるところがあるじゃないですか。その、“むこう側のやつら”ってなんなのかなっていうのも興味があって。

浅見:ハバナイは、最初のころからノリを強要するみたいなところがあったし、50人ぐらいのお客さんのほとんどが静かに観てるなかで、前の5、6人がものすげぇ暴れてるみたいな状況があったんですよ。「こいつらのエネルギーはすげぇ!」って、やってる俺らが圧倒されるぐらいのお客さんがいたの。ただ、FFFが静かに観る客ばかりのライヴハウスでいきなり演奏したとして、音楽としてはかっこいいのに、正当に評価されないんじゃないかって疑問はあった。だから、いい感じのグループが正当に評価されるフォーマットを作ろうとは思ってた。

浅見さんがかっこいいと思うバンドが表現できる場を作りたかった?

浅見:あと、そういうコミュニティですよね。そういうのがなぜ皆無なんだろう? って、そこに関してはずっと不満だった。〈SCUM PARK〉をやるにあたって、そのことはすごい考えてましたね。いまだにそのことは考えてる。あのクソだけは絶対に呼ばないっていうヤツらもいますもん。「ああいうクソを呼ぶとまじで寒くなるからな~」って。あはははははっ!
 だから、そう、シーンっていうより、コミュニティって言ったほうがいいと思う。シーンっていうとちょっと規模が広くなり過ぎちゃう感じがあるけど、コミュニティだから、もう少し規模の小さいものなんだよね。だから、俺らがやってるのはコミュニティ・ミュージックなんですよ。ジュークもシーンっていうより、俺はコミュニティに感じちゃんですよ。ジュークが大好きな人たちがいて、コミュニティが存在してる。そういう人がどこに行っても、いつもいる。「こいつがいるとこっちも気合いが入っちゃうな。こいつをなんとかして盛り上げてーな」って人がいるんですよ。「今日はこいつを脱がせたいな」ぐらいの気持ちになる、ふははははっ!

だから、モッシュピットって、そういうコミュニティの熱量やノリや性格がぶわっと表に出てくる、コミュニティの反映なのかなってことを考えたりしましたね。

浅見:そう。だから、〈SCUM PARK〉や〈SHIN-JUKE〉は、その場に行ったことがない人はなんのことやらわからないんですよ。

ぶっちゃけ俺も実際に行くまではいろんな偏見があったし。

浅見:はははははっ。それはコミュニティの音楽だから、そういうもんだと思うんですよ。「もう少しそういうのを広げないと」って言われたりしますね。

〈SCUM PARK〉のコミュニティを広げたほうがいいという意見があるということ?

浅見:そう。ちょっとみんな急ぎ過ぎてるんじゃないかとは思うけど、〈SCUM PARK〉の間口をもうちょっと広げたのが、〈歌舞伎町Forever Free!!!〉なんですよね。まあ、そこがモチさんやスガナミくんがつなぎ役としてめちゃくちゃ優秀なところなんですよ。でも俺は最初、スガナミくんから「〈歌舞伎町Forever Free!!!〉を無料でやる」って聞いて、「それって意味あるのかな?」って疑問に思った。「それだったら、あんまり乗り気じゃないわ。なんで無料にしなきゃいけないの?」ぐらいだった(笑)。でも、実際にスガナミくんがやってくれて、すごい上手く行ったし、モチさんやスガナミくんが言いたい、「無料だったら、ふらっと立ち寄りたい人も観に来れるよ」ってのがわかったんです。
 じつは、〈SCUM PARK〉はチケットの値段を高く設定してるんですよ。当日だと3000円ぐらいするから、超高いの。なぜかというと、俺はちょっと顔を出すとか、そういうヤツはいらないと思ってるし、「ふらっと立ち寄ってるんじゃねえ!」って気持ちがある。ひとつ、ふたつのバンドのライヴに顔出しに来ましたとか、ちょっと挨拶しに来ました、みたいなヤツが俺は大っ嫌いなんで! そういうヤツは来なくていい! って思ってる。最初から最後までいないと、ちょっと高いなって値段設定にしてて、ほんとに来たいヤツしか来れない感じにしてるんですよ。だから、ほんとにスガナミくんは偉いんです!

一同:アハハハハハッ。

この閉鎖的な男(浅見)を、この閉鎖性のまま冷凍保存して世のなかにぶち当てたい。俺はいまの濃さのまま2千人規模でパーティをやりたいって考えてますね。(スガナミ)

スガナミさんは、〈SCUM PARK〉と浅見北斗の、ある種の閉鎖性って言ってもいいと思うんですけど……

浅見:うん、閉鎖性だと思うな。

そこをどうとらえてますか?

スガナミ:2013年は、自分の〈音楽前夜社〉での活動があって、〈SCUM PARK〉があって、イヴェントを乱発してる谷ぐち(順。〈less thanTV〉主宰)さんの〈less thanTV〉があって、〈Booty Tune〉のD.J.APRILさんがいて、それぞれ活発に活動してたと思うんですね。で、そういうパーティをやってるいくつかのクルーで一回いっしょにやってみましょうって話を持ちかけたんです。「今回は俺がケツをもつんでやりましょう」と。〈SCUM PARK〉に出ている人たちがやってる音楽は、フィジカル度の高い音楽だし、酒は出るなってずっと思ってたんですよ。

俺は5月26日の〈歌舞伎町Forever Free!!!〉に行きましたけど、たしか2千円飲み放題でしたよね。

スガナミ:2千円4時間飲み放題みたいなプランもぶち込んだりして、ライヴハウスの構造自体を変えたいという欲求もあるんです。まあ、その話は今日はいいんですけど、逆に言うと、〈SCUM PARK〉を使わせてもらってるんですよ(笑)。

浅見:上手いこと使われちゃったな! って感じですね。悪い意味じゃなくてね。

スガナミ:自分はこの1年で浅見北斗をバズらせるっていう目標を立てて、このコンピレーションは、そのひとつの柱なんです。この閉鎖的な男を、この閉鎖性のまま冷凍保存して世のなかにぶち当てたい。俺はいまの濃さのまま2千人規模でパーティをやりたいって考えてますね。

そう、だから、これまで〈SCUM PARK〉は閉じてたけど、この強力なコミュニティが別の強力なコミュニティとぶつかって、サヴァイブして、新たなビッグバンを起こす。

なるほど。やはりここまで来たら、いま浅見さんに訊いておきたいのは、〈SCUM PARK〉のこの先をどう考えてるか、ということになりますね。

浅見:俺たちが飽きたら止めればいいし、続けたければ続ければいいと思ってますね。すでに目標はいろんなところで達成してはいるんですよ。自分たちのパーティを開いて、クラウドを集めて、自分たちの音楽でモッシュを起こす。そういう、非常にシンプルな目標はある程度達成した。だから、これから同じペースで続けていくことに意味があるかはわからないし、同じメンツで続けていても意味はないかなと思う。身内だけで固まっていてもしょうがないからね。
 いままでだったら、ハバナイを知らない人もたくさんいたから、自分が何者かを説明しなければならなかったけど、いまは〈SCUM PARK〉に遊びに来る人たちはみんな俺たちのことを知っているし、いまから新しいなにかをやるとしてもやりやすい状況にはなってると思うんですよ。最近は、〈less than TV〉や〈Booty Tune〉とも新しいつながりができたし、〈SCUM PARK〉とは違ったことをやりたいという気持ちもある。それこそ3日後に〈ぐるぐる回る2014〉で〈less than TV〉といっしょにやるんですよね。われわれのコミュニティが、われわれがヒーローとしてきたコミュニティとぶつかるわけです。なにが起こるかわからないけど、自分たちは絶対負けたくないし、新しいなにかを起こしたいと思ってますね。
 そう、だから、これまで〈SCUM PARK〉は閉じてたけど、この強力なコミュニティが別の強力なコミュニティとぶつかって、サヴァイブして、新たなビッグバンを起こす。それぞれのコミュニティ・ミュージックがそうやって衝突して、新しいムーヴメントが生まれていけばおもしろいと俺は考えてますね。

Aphex Twin - ele-king

 彼の前に道は無し、とは言わないが、彼のうしろに道ができたのは事実だろう。エイフェックス・ツインとは、ポップにおける重要な分岐点である。クラフトワークやNYのガラージ・ハウスは理解できたとしても、92年のコースティック・ウィンドウの諸作や160bpmのハードコア・アシッドの「Digeridoo」、青いレーベル面にTHE APHEX TWINというスタンプが押されただけの12インチに関してはさっぱりだった、という人は少なくなかった。いや、その前にそんなものチェックもしてないか。ディスコの文脈では到底聴けたものではなかったろうし、一種の権威たちから評価されなかったものの代表格が、シカゴのアシッド・ハウス、デトロイトのUR、UKのジャングル(あるいはガバ)、そしてエイフェックス・ツインなのである。
 ことAFXに関しては、公に聴かせる音質としては掟破りなまでに歪んだTR606とTB303、それまでの宅録文化の標準クオリティからすればありえない音質……この点に関しては初期シカゴ・ハウス/デトロイト・テクノが先だが、しかしAFXのそれは、退行的な、機械をいじりながらほくそ笑んでいる、ただの子供のいずらに感じられなくもなかった。
 が、しかし、ある世代以降になると、そしてある人たちにとっては、彼の荒削りなテクノ・サウンドは悦び以外の何ものでもなかった。それは来るべき時代のはじまりを意味したのだから(で、実際にそうなった)。
 AFXが、それ以前のUKテクノ(ハウス)──ア・ガイ・コールド・ジェラルドや808ステイト、ベイビー・フォードやLFO──とは異質の存在感をはなっていたことは、デビュー当時の彼が、メディアから天才児扱いされるいっぽうで、「bedroom bores(こもり系)」、「ゲームボーイ世代」などと揶揄されていたことからもうかがい知れる。彼からは、旧来のポップスター文化がよくは思っていなかったパーソナリティー──恋人を誘って外に出かけるようなことはなく、部屋にこもってマニュアル片手に機材をいじり続けるような、ある種のオタク性──が前面に匂ってはいたが、ウケ狙いのDJをすることはなかったし、人に媚びることもなかった。リチャード・D・ジェイムスには、人が求めるようなロックのイディオムというものがなかったし、話題のロック・バンドからのリミックス依頼に関しても「そんなバンド、知らないし」と言う始末だった。

 だからこそ彼は歴史の起点に、ポップに新たな流れをもたらす起爆剤になりえたのだ。彼はメディアから賞賛され、顔が売れてからも、匿名性を捨てず、基本ひとりで作り、作品それ自体においてはアンダーグラウンドな姿勢を崩さなかった(『 ...I Care Because You Do 』以降の露悪的自己パロディも反ポップスター的な性格のねじ曲がった表出とも言えなくはない)。
 彼は、初期アシッド・ハウスやURの過剰さ、アホらしいジャングル(ときにはガバ)とコネクトしながら、最高にいかれた曲を作り、最高にロマンティックな曲を作った。こと90年代前半のエイフェックス・ツイン名義の作品には、無邪気で、彼のドリーミーな気質が録音されているわけだが、僕が『サイロ』の1曲目の“Minipops 67”を最初に聴いて思ったのは、「これって“Analogue Bubblebath”(92)じゃん」、だった。

 冒頭のドラムに続いて入る太いシンセ音とメロディは、間違いなくあの頃の「サウンド」だ。目隠しで聴かされても誰の曲かわかる。録音の良さや緻密に変化する曲のディテールには20年以上の経験が反映されてはいるものの、その出だしが暗示するように、『サイロ』には誰もが思い抱いているであろうAFXテイストが通底している。驚きはないが、親しみやすい作品である。ユーモアはあっても、聴き手を困惑させるような意地悪さもない。「あ、AFXだ」と、20年ぶりにケレンミのない、まとまりの良いアルバムになったと言えるだろう。
 1曲目が“Analogue Bubblebath”なら、2曲目の“Xmas_Evet10”は、『Surfing On Sine Waves』(92)を彷彿させる曲で、当時の言葉で言えば「リスニング系テクノ」だ。美しいメロディは、ある世代にとってレイヴのオプティミズムがいっぱい詰まったあの時代の空気を思い出させるかもしれない。今回のスリーヴ・デザインに使用されているAマークも、『Chosen Lords』(06)のときよりもはるかに、1周まわったからなのか、新鮮に感じられる。リチャード・D・ジェイムスは、「On」(94)以前の、自由気ままに作っていた頃の自分に戻っているんじゃないだろうか……そう思わせなくもないし、実際それは少しあるだろう。

 20年以上前の、機材で埋め尽くされた彼のベッドルームは、クラブのダンスフロアと田舎の牧草地帯の両方に通じていたものだが、『サイロ』にもそのふたつの側面がある。リチャード・D・ジェイムスはエレクロニカ/IDMの起点にもなった人なので、年齢を考えても、そちら側に大きく振れるということも予測されたわけだが、結果、そうはならなかった。
 ひとつ驚きがあったとすれば、『サイロ』ではファンク、ダンス・ビート/ジャングルにこだわっているということである。“4 Bit 9d Api+e+6”なる曲は、アシッディなシンセのうねりとドレクシア直系のマシン・ファンクとの結合だ。ストリングスの入り方はAFXらしいドリーミーな響きを有しているが、ドライで硬質な質感は、クラウトロッカーのメビウス&プランクの一連の作品とも似てなくはない。
 相変わらずよくわからない曲名の“Circlont6a”や“Circlont14”は、コースティック・ウィンドウ名義で試みていたような、悪戯っぽく、コミカルなトラックで、『サイロ』が楽しみながら作られた作品であることをほのめかしている。とくに高速ブレイクビートの“Circlont14”には、リチャード坊(©三田格)の子供っぽさが、あまりにも真っ直ぐ出ている。曲の細部において暴れまわる電子音は、玩具を持ってドタバタ騒ぎまくる幼児そのもので、ふたりの子供がいながらも自身もここまで子供でいられるのは、ある意味すごいとしか言いようがない(笑)。紙エレキングのインタヴューでは、「自分は成熟することを拒否していると言えるだろう」「シニカルな大人になりたくないから」と答えているリチャード・D・ジェイムスだが、『サイロ』を3回目に聴いたとき、僕はこの音楽のあまりの無心さに涙したことを告白しよう。

 実を言えば、『サイロ』を聴きながら「そーいやー、リチャード・D・ジェイムスって、デビュー当時はURのファンだったよなー」と思い出したのは、“Syro U473t8+e”のリズムがURの“Moor Horseman On Bolarus 5“”に似ているからだ。もちろんAFXにあのような勇敢な突進力はない。その代わりに何があるのかは、もう繰り返して述べる必要もないだろうけれど、たとえば、クライマックスとして配置された2曲のドラムンベース、“Papat4”と“S950tx16wasr10”には、彼の「ガール/ボーイ」哲学、いわばシャルル・クロス的ナンセンスが猛スピードで炸裂している。
 ダンスを意識していたとしても、いかんせんガキなので、セクシーに踊っているのではない(やはり、どうがんばっても、グルーヴィーには踊れないだろう)。ただただ身体を動かし、ぎゃーすかと騒いでいる、風に感じられる。試しに、まず覚えられない曲名の“S950tx16wasr10”を僕は5歳の娘に聴かせることにした。反応は予想通りで、AFXの最高作のひとつ、“Girl/Boy Song”の系譜の小刻みなブレイクビートに合わせて彼女は身体をガタガタと震わせた。サブベースが部屋に響くなかで、「ヘンな音楽ー」と感想をもらしたが、良かった、そう言われなければAFXではないのである。

 とはいえ、オリジナル・アルバムでは最後の曲になる“Aisatsana”は、クラスター&イーノ/レデリアスのソロ作品並みにロマンティックな曲だ。彼にとっては異例とも言える、とても真っ当なピアノの独奏によるアンビエントで、13年ぶりの新作を締めるには充分なほど美しい曲である。

 ひとつ種明かしをすれば、あわててスペシャル・リクエストのアルバムをレヴューしたのも、音楽的に『サイロ』と重なるところが多々感じられたからである。『Selected Ambient Works 85-92』(92)がそうだったように『サイロ』も時代と切り離される作品ではない……なんて書きながらも、ここしばらくのあいだAFXばかり聴いていたのですっかり洗脳されてしまったですよ。まずいよなぁ……。

LITTLE TEMPO - ele-king

 秋と言えば祭りの季節、祭といえば、カリブ海のリディムを中央線に衝突させて、得意な前向きさを創出したリトル・テンポだ。東京におけるポートベル・ロードと呼ばれる国立経由の、ご機嫌で、いかしたバンドだ。
 そのリトル・テンポがプロデュースする恒例のライブ企画、「ワイワイ祭り」と「レジェンドシリーズ」が合体!『ワイワイレジェンド祭り』と題して開催されることが決定した。リトテンが、親交のあるゲスト・ミュージシャンを招き、絶対ここでしか見ることができない、一夜限りのスペシャル・セッションを繰り広げる!
 
 今回のゲスト陣は、リトテンのリーダー土生"TICO"剛がハナレグミのアルバム「だれそかれそ」に参加したことが縁でハナレグミの出演が決定。
 また、そのハナレグミも参加したカヴァー・アルバム『青春レゲエ・パート2』を7月にリリースしたTico & icchieの市原"icchie"大資(exデタミネーションズ)も出演。レジェンドとして、80年代、伝説的なイベント「東京ソイソース」で活躍したexトマトスの松竹谷清も参加。
 さらにレゲエ Sax奏者、西内徹を迎えて、豪華3管編成のライブ・アレンジでお披露目する!
 まさに歌って踊って楽しい、純度100%の音楽祭りとなること請け合いだ。毎度々オーディエンスを、ノッティングヒル・カーニヴァル的享楽と金魚すくい、ええじゃないか的馬鹿騒ぎへとビッグバンさせる、その最高のグルーヴに包まれる至福の時を、是非この機会に体感してほしい!!

LITTLE TEMPO 『ワイワイレジェンド祭り』
"リトル・テンポのワイワイ祭りとレジェンドシリーズが合体! 消費増税反対!"

出演: LITTLE TEMPO 
https://www.littletempo.com/jp/top.html

ゲスト:
ハナレグミ (Vocal, Guitar) https://www.laughin.co.jp/hanare/
松竹谷清 (Vocal, Guitar) https://d.hatena.ne.jp/matsutakeya/
市原"icchie"大資 (Trombone) https://www.busrecords.net/icchie/i_top.html
西内徹 (Tenor Sax, Flute) https://ja-jp.facebook.com/techaaan.sax

渋谷クラブクアトロ https://www.club-quattro.com/shibuya/
9月18日(木)  開場:18:30 / 開演:19:30

料金:
前売り券:¥3,800 / 当日券:¥4,300
*整理番号付/ドリンク別

チケット販売中:
・チケットぴあ:Tel: 0570-02-9999 [Pコード:239-545]
・ローソンチケット:Tel: 0570-084-003 [Lコード:78462]
・e+(イープラス): https://eplus.jp

お問合せ:渋谷クラブクアトロ
・Tel: 03-3477-8750
https://www.club-quattro.com/shibuya/

企画制作:Sunshine Records
協力:P-Vine Records


■LITTLE TEMPO
スティールパンの光の音! 太陽の様なサウンド! 夏を呼び込むダブ・パラダイス! 
レゲエを軸に据え、ライブ現場で鍛えながら独自の音楽を営み続ける気さくで愛すべき9人の野郎共。スティールパン、ペダル・スティール・ギターのきらめくメロディ、絡むサックスと鍵盤はメロウかつフリーキーに、そして多幸感をエスカレートさせる重低音リディム・セクション、それらを四次元に実体化するダブワイズの炸裂! 最高のグルーヴでオーディエンスをええじゃないか的馬鹿騒ぎ大宴会へとビッグバンさせる事はもうご存じの通り。そんなフェスには欠かせないお馴染みのバンド、リトル・テンポ。
メンバー公認による初のベストアルバム3枚組『Golden Deluxe』が只今発売中!
https://www.littletempo.com/jp/top.html

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■ハナレグミ
永積 崇(1974年11月27日、東京生まれ)。

高校2年の頃よりアコースティック・ギターで弾き語りをはじめる。1997年、SUPER BUTTER DOG でメジャー・デビュー。
2002年5月、”永積タカシ”名義で、はっぴいえんどのトリビュート・アルバム『HAPPY END PARADE?tribute toはっぴいえんど?』に参加。同年、夏よりバンドと併行して、ハナレグミ名義でひっそりとソロ活動をスタート。同年10月、1stシングル『家族の風景』、11月には1stアルバム『音タイム』をリリース。 ギター片手に単身、全国のライヴ・ハウスを廻る。
2004年、2ndアルバム『日々のあわ』をリリース。全国ツアーはNHKホールを含む全公演がソールドアウト。
2005年、完全自宅録音による3rdアルバム『帰ってから、歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。』をリリース。夏にはSUPER BUTTER DOGの代表曲をタイトルにした竹中直人氏監督映画「サヨナラCOLOR」が公開となり、エンディング・テーマとして忌野清志郎氏とのデュエットも披露している他、サントラも担当する。 同年9月、初のベスト・アルバムをリリース。その10日後の9月24日に東京・小金井公園にてワンマン・フリー・ライヴ『hana-uta fes.』を開催。台風の影響による大雨から一時は開催自体が危ぶまれたものの、なんと2万人もの観衆が会場に集結。予想以上の大成功を納めた。
2009年、シングル「光と影」・アルバム『あいのわ』をリリース。4年半ぶりとなる全国ツアーでは12公演を遂行し、ファイナルの日本武道館では約1万人の観客を圧倒するステージを披露した。
2010年3月「TOUR あいのわ「タカシにはその器はないんじゃないかしら…」と母は言ったのであった。@日本武道館」をリリース。10月には全国Zeppツアーを遂行。
2011年は、FUJI ROCK FESTIVAL’11/GREEN STAGEをはじめ、RISING SUN ROCK FESTIVAL 2011 in EZOへは大トリとして出演、ARABAKI ROCK FEST.11では初日のトリとして多彩なゲストを迎えセッションを披露するなど各地の観衆を魅了した。9月に5thアルバム「オアシス」をリリース、2012年1月からは全国ツアー「TOUR オアシス」を開催。 現在、サントリー「角ハイボール」のCMソングとして、ハナレグミによる「ウイスキーが、お好きでしょ」がオンエア。
2013年5月には、時代を越えて歌い継がれる12の名曲を、多彩なゲストミュージシャンを迎えてレコーディングしたハナレグミにとって初となる待望のカバーアルバム『だれそかれそ』をリリース。
2014年1月29日には、茂木欣一(スカパラ/FISHMANS)、加藤隆志(スカパラ/LOSALIOS)、柏原譲(FISHMANS/Polaris/OTOUTA)の3人によるバンドSo many tearsと各地180分を超える熱演を繰り広げた伝説のツアーのライブ盤、ハナレグミ・So many tears『どこまでいくの実況録音145分』をリリース。
その深く温かい声と抜群の歌唱力を持って多くのファンから熱い支持を得ている。
https://www.laughin.co.jp/hanare/

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■松竹谷清 
1957年、北海道・札幌市生まれ。80年代から90年代初頭に掛けて”TOMATOS”のリーダーとして活躍。メンバーには、じゃがたらのNABE CHANG(Bass)、EBBY(Guitar)やミュート・ビートの松永孝義(Bass)、今井秀行(Drums)らが在籍。TOMATOSは、80年代にじゃがたら、ミュート・ビート、S-KENと共にTokyo Soy Souceというライブ・イベントを企画、シリーズ化して、それまでの日本のロックとはまた違った新たな音楽シーンを作った。彼らの活動がベースにあった上で、後にリトル・テンポやフィッシュマンズが生まれたといっても過言ではない。又88年には、スカの創始者ローランド・アルフォンの初来日公演 "Roland Alphonso meets Mute Beat"でサポート・ギタリストとして参加、後世に語り継がれる感動のライブとなった。その後、ローランド・アルフォンとは2枚のアルバム『ROLAND ALPHONSO meets GOOD BAITES with ピアニカ前田 at WACKIES NEW JERSEY』、『Summer Place』を一緒に作り、リリースした。
近年は、"吾妻光良&The Swinging Boppers"、“西内徹バンド”、“松永孝義”のアルバム等に参加。その天真爛漫な存在感、ブラック・ミュージックの粋なエッセンスを日本語に置き換えた唄は、キャリアと共により味わい深さを増している。
https://d.hatena.ne.jp/matsutakeya/

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■市原大資 (icchie)
1990年代から関西で音楽のキャリアをスタート。京都のFUNKバンド"UNIT-4"、大阪のオーセンティックSKAバンド "DETERMINATIONS"のトランペッター、DUBバンド"BUSH OF GHOSTS"のリーダーを経てソロ活動を開始。また、キーボード奏者YOSSYとのYOSSY LITTLE NOISE WEAVERも始動。RICO RODRIGUEZ、EDDIE TANTAN HORNTON、Cool Wise Man、U-ROY 、STRANGER COLE、LITTLE TEMPO、PRINCE BUSTER、DENNIS BOVEL、mama!milk、ハナレグミ、CARAVANなど多くの音楽家と共演、サポート。
https://www.busrecords.net/icchie/i_top.html

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■西内徹
レゲエのフィールドを中心に数多くのライブ、レコーディング・セッションに参加しているサキソフォン&フルート奏者。2012年リリースのファースト・アルバム「西内徹バンド」につづき、今年はそのダブ盤、「西内徹DUB」をリリース。合言葉は「やまんです!」
https://ja-jp.facebook.com/techaaan.sax

TOMOKI A HE-ART - ele-king

MetroJuiceRecords、SoundChannel を経て、2014年、日本独自の突き抜けた才能を世界に発信していくレーベル、iro music を立ち上げた。国籍やジャンルの垣根を超えて、音楽を通してダイレクトに繋がることを目指し、オープンマインドにパーティ道を突き進んでいる。

TOMOKI A HE-ART classic chart 10


1
unless+w-moon / entry plug ep / MetroJuiceRecords

2
TOMOKI A HE-ART feat. V.A. / oneness ep / iro music

3
MODEL 500 / DEEP SPACE / R&S Records

4
massive attack / protection / circa records

5
jepte guillaume / voyage of dreams / Spiritual Life Music

6
moodyMANN / silentintroduction / planet e

7
A Guy Called Gerald / black secret technology / JUICE BOX

8
SADE / Lover's Rock

9
one dove / why don't you teke me

10
M / M4 / M

OG from Militant B - ele-king

ヴァイナルゾンビでありながらお祭り男OG。レゲエのバイブスを放つボムを連チャンラクラク投下。Militant Bでの活動の他、現在はラッパーRUMIのライブDJとしてもその名を聞くことができる。

今回はR&R特集!ということで、スクランブルロッケンロール~...ではなく、"ラガマフィン"と"ラッパー"のコンビ曲を挙げてみました。REGGAEとHIP HOPの関係、歴史を歌で知れるヒビキラー氏とジブさんの"Culture 365"も先ずはオススメ。そしてランキング曲をチェックして少しでもレゲエを好きになってくれたら嬉しいです。みんな!踊ろう!パーティーしよう!

9/2 吉祥寺cheeky "FORMATION"
9/10 新宿open "PSYCHO RHYTHMIC"
9/12 渋谷虎子食堂 "虎子食堂5周年"
9/14 渋谷asia "IN TIME"
9/15 渋谷neo "AKA"
9/19 代官山unit
10/3 吉祥寺cheeky "MELLOW FELLOW"
10/7 吉祥寺cheeky "FORMATION"
10/12 青山蜂
10/18 渋谷asia "EL NINO"
10/25 吉祥寺warp "YougonnaPUFF?"

俺とお前とR&R (2014/08/26)


1
Juelz Santana feat. Cam'ron&Sizzla - Shottas - Def Jam
説明不要、サンタナ、キャム、シズラによるMilitant HIP HOPチューン。俺のアイドル的存在、そして青春の1ページ!ブーン!

2
Shyne feat. Barrington Levy - Bonnie&Shyne - Bad Boy ent
まずシャインの声が最高。そこに絡むバーリントン、疾走感が◎同コンビで送る別曲"Bad Boyz"はハードでこれもカッコいい!

3
Damian Marley feat. Stephen&Black Thought - Pimpa's Paradise - Tuff Gong
ボブの同名曲のリメイクで、息子2人とThe Rootsのブラックソートのコンビネーション。歌とは関係ないけど昔先輩のDJが「金髪パァラダイス~」と、唄ってたのが懐かしい思い出です。元気かな?

4
The Game feat. Junior Reid - It's Okay - Geffen
ハードなトラックにゲームの男気ラップ、Jr.リードの名曲One Bloodが見事に融合した一曲。悪そうな仲間たち大集合なPVも必見!

5
Shabba Ranks feat. Queen Latifah - What'cha Gonna Do?(Club Mix) - Epic
90年代、ジャマイカンでいち早くインターナショナルヒットした男シャバランキン。Mix違いで4曲収録してるけどこのバージョンはディスコっぽくてイイ。ダンス!

6
Rhymester feat. Boy-Ken - 隣の芝生にホール・イン・ワン - File
Love Punnany MAX!ライムス2人の物語にバイブス番長ケンさんのラガが見事にマッチ。今日もどこかでナイスショット!

7
Super Cat feat. Method Man - Scalp Dem(Wu Mix) - Columbia
94年RZAプロデュース。レゲエとヒップホップが密に関わってた時期。乾いたスネア、ベースライン、謎の上物オケに2人のトーストがバッチリはまってます

8
Foxy Brown feat. Spragga Benz - Oh Yeah - Def Jam
Toots&Maytals"54-46"、ボブの"Punky Reggae~"に"Africa Unite"もサンプリングしたレゲエ臭プンプンなトラック。ウォヨーイ

9
Sticky feat. Shiba-Yankee - お好きにどうぞ - Scars ent
男のSAGA全開な曲。女の子はドン引?でもクラブってそういうとこじゃん。駆け引き駆け引き。相手が本物か見極めろ!

10
Jamalski feat. Cool MB&Topcat - If The Clip Fits - Baraka Foundation
2001年ジャマルスキーのレーベルコンピから。今ランキング中、ラガとラッパーの掛け合いが一番タイトで大人ワルな曲。Cool MBって名前も!

 15年間NYに住んでいるが、今年ほど涼しいNYの夏はない。原稿を書いているのが8月20日だから、これから新たな熱波が来るのかもしれない。しかし、現時点で、野外コンサートに野外映画、ビーチ、BBQ、車で小旅行などしても「夏だー」という感じがない。地下鉄もオフィスも店もホテルも、冷房効き過ぎで、夏でも長袖が手放せないし、先週の今年最後のサマースクリーンは、スカーフをぐるぐる巻いたり、ブランケットを被ったりしている人が多数いた。

 サマー・スクリーンは、 ブルックリンのウィリアムスバーグ/グリーンポイントにある大きな公園、マッカレン・パークで開催される『L・マガジン』主催の野外映画である。過去にも何度もレポートしている

 映画の前には毎回、ショーペーパーがキュレートするバンドが演奏。彼らがピックするこれから来そうなバンドが、見れるので、毎年通っている。と言っても今年見たのは、ショーン・レノンのバンド、ザ・ゴースト・オフ・サバー・トゥース・タイガーだけだった。その他はこちら
 クリネックス・ガール・ワンダーは、インディ・ポップ世代には懐かしいが(90年代後期)、最近はNYポップ・フェストも復活し、エイラーズ・セットのアルバムが再リリースされるなど、インディ・ポップも盛り返している模様。ラットキングは去年も出演していたし、これから来るバンドと言うよりは、彼らの友だちのバンド(20代前半から40代中盤の中堅まで)を安全にブックしているように思えた。

 映画と謳っているが、野外ピクニックを楽しむ感じなので(公園内ではアルコールもOK)、映画自体は重要でないかもしれないが「あれ、この映画去年もやってなかった?」と言う回が何度かあった。

 ライセンスの問題なのかネタ切れなのか、オーディエンスは毎年変わっているからよいのか、などと思い何回か通った後、最後の回の盛り上がりが凄かった。毎年最後の週の映画はオーディエンスが投票で選ぶのだが、今年はスパイス・ガールズの映画『スパイス・ワールド』が選ばれた。いつもは映画がはじまってもおしゃべりが止まらない観客が、この映画がはじまると、「ひゅー!!! わー!!!」と言う大歓声。ただでさえ、映画の音が、後ろから前から横から立体的に聞こえるのだが、歌がはじまるともっとすごい。さらに3D、と思っていたら、なんとオーディエンスが一緒に歌っているのである、しかも大合唱。さらに映画のクライマックス、スパイス・ガールズがステージに駆けつけ、いざ、曲がはじまるシーンでは、座っていたオーディエンスが立って、歌いながら踊りはじめた! 先週、先々週見た映画『ヘザーズ』や『ビッグリボウスキー』でも、クライマックスや決めのシーンではヤジが飛んでいたが、実際に立って踊りだしたのは、サマースクリーン史上(著者の記憶では)この映画が初めて。映画の前にプレイしたバンド(今回は、ガーディアン・エイリアンのアレックスのソロ・プロジェクトのアース・イーターとDJドッグ・ディックと言うインディ通好み!)よりも何倍も盛り上がっていた。恐るべきスパイス・ガールズ世代。映画の前にはスパイス・ガールズ・コスチューム・コンテストまで行う気合の入れよう。オーガナイザーも観客も、スパイス・ガールズを聞いて育った世代なのね。


photos by Amanda Hatfield

 野外ライヴと言えば、前回レポートしたダム・ダム・ガールズと同じ場所、プロスペクト・パークで行われたセレブレイト・ブルックリンで、今年最後のショーを見た。最後を飾ったのは、アニー・クラークのプロジェクト、セント・ヴィンセント。元イーノンのトーコさんがバンドに参加しているということもあり、期待して見に行った。
https://www.brooklynvegan.com/archives/2014/08/st_vincent_clos.html

 公園内では、家族でBBQしている人や、ピクニックしている人などたくさんいるが、それを横目に見ながら、目的地のバンド・シェルへ(いつも通り)。最後ということと、天気が良かったこともあり、バンドシェル内はあっという間に人数制限超え。このショーにお昼の12時から並んでいる人もいたとか(ドア・オープンが6時のフリーショー)。非常口の柵に集まりぎゅうぎゅうになってみる人、公園の周りを走る一般道路からバンドを見る人など、シェルに入れない人続出。なかには見るのを諦め、道路に勝手にブランケットを引いて飲み会を始める輩もいた。

 ライヴは、ピンク色の3段の階段をステージのセンターに配置し、シルバーヘアに、白のトップに黒のタイト・ミニスカートにハイヒールのアニーと、バンドメンバー(キーボード2人とドラム)の合計4人。10センチはあると思われるハイヒールで飄々とステージを練り歩き、階段の上に登ってそこでプレイしたり、バンドメンバーと絡み、ヘビーメタル・ギターテク、ギクシャク動くロボテック・ダンスをみると、魂を乗っ取られた(もしくは乗っ取った)妖精に見えてくる。ダムダム・ガールズが感情を剥き出しにする「痛さ」だったら、セント・ヴィンセントは「超絶」だ。が、その仮面の下の本性はまだ見えない。人工的で、妖艶で何にでも化けそう。パフォーマンス は有無も言わさず圧倒的に素晴らしく、曲が終わる度に「オー!!!」と感嘆の嵐、思わず拍手せずにはいられない。新曲中心に、新旧ミックスしたセットで、アンコールにも悠々と答え、轟ギター・ノイズで最後を飾った後、時計を見ると10:28 pm。最終音出し時間10:30pmのところ、完璧主義でもこれは凄くない?

この日のセットリストは以下:
 Rattlesnake
 Digital Witness
 Cruel
 Marrow
 Every Tear Disappears
 I Prefer Your Love
 Actor Out Of Work
 Surgeon
 Cheerleader
 Prince Johnny
 Birth In Reverse
 Regret
 Huey Newton
 Bring Me Your Loves

 Strange Mercy
 Year Of The Tiger
 Your Lips Are Red




photos by Amanda Hatfield

 テクニックといいパフォーマンスといい、彼女の才能は際立っている。 「ソロアーティストの良いところは、いろんなミュージシャンとコラボレートできること」と言う彼女は、2012年にデヴィッド・バーンとの共演作品『ラブ・ディス・ジャイアント』をリリースし、ニルバーナが表彰されたロックン・ロール・ホール・オブ・フェイムでは、ジョーン・ジェット、キム・ゴードン、ロードらと一緒にヴォーカルを取り、セレブレイト・ブルックリンでプレイした次の週では、ポートランディアでお馴染みのフレッド・アーミセン率いる、レイト・ナイト・ウィズ・セス・メイヤーズのTVショーのハウス・バンド、8Gバンドでリーダーも務めるなど、さまざまなミュージシャンと積極的に共演している。

 最近このコラムは、女性ミュージシャンのレヴューが多いが、ブルックリンではTHE MEN,、HONEY、THE JOHNNYなど男性(混合)バンドも、新しくて面白いバンドがたくさんいる。彼らも機会があれば紹介していくつもりだ。

8/20/2014
Yoko Sawai

Takafumi Noda aka Mystica Tribe - ele-king

どうもこんにちは、MYSTICA TRIBEのノダです。
自分好みのダブを10曲選んでみました。
以下、近況報告。
先日レーベルを興しまして、その第一弾として自分の12インチ
「LIZARD EP」をリリースいたしました。どうぞ御贔屓に。
日本最強のラテンジャズバンド、OBATALA SEGUNDOの曲をリミックスしました。その音源は8月末に「LA DECISION NUEVE ALBUM SAMPLER & Mystica Tribe remix」としてFIRST CALL RECORDINGSよりアナログでリリースされます。限定100枚とのことなので、ひとつよろしくお願いいたします。

MYSTICA TRIBE HP https://mysticatribe.com/

Dub Chart(順不同)


Zion Train / Shining Light Steppers

Jah Warrior / Unity Dub

Alpha & Omega / It Hurts

Twilight Circus Dub Sound System / Salma

Dennis Bovell / Scientific

Augustus Pablo / Upfull Living

Israel Vibration - Licks and kicks

Black Uhuru / Ion Storm

Peech Boys / Don't Make Me Wait (Dub Mix)

Man Friday / Love Honey, Love Heartache (Instrumental)

Traxman - ele-king

 やっぱ、いいね~、このルーピング、このサンプリング、そしてこのグルーヴ。シカゴ・ハウスだわ~。
 週末に来日DJを披露するトラックスマンだが、インタヴューで彼自身が喋っているように、彼はCorky Strongという名義でハウス・プロジェクトも手がけている。今回の来日会場で、アルバムを先行発売することになった。タイトルは、シンプルに『Corky Srrong Show Vol.1』。ブラック・ミュージックの光沢をビシビシと感じます。
 週末は、ちょっと涼しくなるかもしれないし、どうせこの暑さでは頭がまわらないし、ジュークで爆発しましょうね。それがいいす。

SOMETHINN 6 - DA MIND OF TRAXMAN VOL.2 RELEASE TOUR -

■8.8 (FRI) @ Circus Osaka
OPEN / START 22:00 -
ADV ¥2,500 / Door ¥3,000
*別途1ドリンク代500円

Guest:
Traxman (Planet Mu / Lit City / Dance Mania / GETO DJ'Z / TEKLIFE / TEK DJ'Z)

DJs:
Kihira Naoki (Social Infection)
D.J.Fulltono (Booty Tune / SLIDE)
Metome
Keita Kawakami (Kool Switch Works)
DjKaoru Nakano
Hiroki Yamamura aka HRΔNY (Future Nova)

More Info: https://circus-osaka.com/events/traxman-release-tour/

TRAXMAN JAPAN TOUR 2014

■8.9 (SAT) @ Unit & Saloon Tokyo
OPEN / START 23:00 -
ADV ¥3,000 *150人限定 / Door ¥3,500

DJs:
Traxman (Planet Mu / Lit City / Dance Mania / GETO DJ'Z / TEKLIFE / TEK DJ'Z)

DJ Quietstorm
D.J.Fulltono (Booty Tune)
D.J.April (Booty Tune)

Live Acts:
CRZKNY
Technoman

Saloon:
JUKE 夏の甲子園 <日本全JUKE連> 開催!

DJs:
D.J.Kuroki Kouichi (Booty Tune, Tokyo)
Kent Alexander (PPP/Paislery Parks, Kanagawa)
naaaaaoooo (KOKLIFE, Fukuoka)

Live Acts:
Boogie Mann(Shinkaron, Tokyo)
Rap Brains (Tokyo)
隼人6号 (Booty Tune, Shizuoka)
Skip Club Orchestra (Dubriminal Bounce, Hiroshima)
Subsjorgren (Booty Tune, God Land)

More Info:
https://www.unit-tokyo.com/schedule/2014/08/09/140809_traxman.php 


 やれやれ、編集部に怪文書が届いてしまった。
 薄気味悪くもどこかやんちゃな頼もしさをのぞかせるこの謎文体の声明文(……告知……なのか?)を、仕方がないから全文掲載いたしましょう! 四の五のいわずにパーティに来い、盤を買え、俺たちのパーティは最高だと、つまりはそういうことが書かれているようだ。先日はついに七尾旅人まで登場し、「最高のパーティのかたち」を模索して展開をつづけているジューク・パーティ〈SHIN-JUKE〉、今秋には同イヴェントのコンピレーション・アルバムもリリースされるようだ。大人とメディアが褒めるのを彼らはいやがるだろうから、ちやほやは致しません! テニヲハは直しておいてやったぜ。

 RAW LIFEの熱狂から何年経つのだろうか。

 目つきの悪い細身の男は言った。
「ついに俺たちに挑戦権が回ってきたわけだ。派手に暴れてやろうぜ」

 恰幅のいい金髪の男は言った。
「いまの東京のバンドなんて100組中100組はクソだ」

 同じく恰幅のいいモジャ毛の男は言った。
「ライヴハウスは全部エントランス・フリー/チャージ・フリーにすればいい」

 目つきの悪い男がつけ加える。
「自作のゴリラステップというダンスを見てくれ」

──彼らこそは、今秋リリースされる、ある刺激的なオムニバス・アルバムの監修者である。

 恰幅のいい金髪の男は、新宿ロフトの副店主・望月慎之輔。
──東京のJUKE/BASSシーンを牽引するパーティー〈SHIN-JUKE〉を主催。

 恰幅のいいモジャ毛の男は、〈音楽前夜社〉主宰・スガナミユウ。
──新宿〈ロフト〉にて行っている完全無料のフリー・パーティー〈歌舞伎町Forever Free!!!〉の首謀者。

 そして目つきの悪い細身の男は、Have a nice day! のリーダー・浅見北斗。
──オルタナティヴとHIP HOP・BASSミュージックをつなぐ〈SCUM PARK〉というオルタナティヴ・パーティを主催。

 先達へのコンプレックスなんて捨てて、俺たちのモッシュピットの中に真実を見つけようぜ。そう誓い合った3人は、さるレコード・レーベルに話を持ちかけた。

 このコンピレーションには、ビッグネームも大金も、大人たちによる思惑は何も収められていないけれど、LIVE SCENE・CLUB SCENE・NET CULTUREの、まさに東京のいまの空気が閉じ込められている。

 いいパーティーの条件って何だろう?
話題のアーティストが出ていること? 人がいっぱい入っていること? ドリンクがいっぱい出ていること?
 ――そのどれもが正しいようで、本質は別にある。話題のアーティストがいなかろうが、人が入っていなかろうが、最高のパーティってあるよ。
 ヴェルヴェッツの初期のライヴには人が入らなかったみたいだけど、その場に居合わせた客のほとんどが音楽をはじめたというように、記録として残らないだけで、多くの歴史は毎夜いろんな場所で生まれている。
 最高にスカムでトラッシー、その一瞬のために駆ける星のごとく輝きを放ちながら、表舞台にいっさい出ることなく活動を終えるアーティストを俺たちは知っている。パーティの最中はいつだって夢中で、あとになってあの日は特別だったんだと気づかされることばかりだ。

 FRESH EVIL DEAD、
 新鮮な死霊のはらわた。
 新しい血を巡らそう、俺たちは生まれ変わった新鮮なゾンビラーさ。

 目つきの悪い細身の男は今日も言う、
「ついに挑戦権が回ってきたわけだ。俺たちのパーティーをはじめようぜ」



NATURE DANGER GANG、SOCCERBOY、§✝§(サス)などを収録した「テン年代の新しいミュージックシーン・パーティーのいま」を捉えるオムニバス、『FRESH EVIL DEAD』が9/17に発売。8/3には七尾旅人を迎えSHIN-JUKEを開催!

■アルバム情報

V.A.
『FRESH EVIL DEAD』
2014年9月17日発売
全21曲/2000円(税抜)
P-VINE RECORDS
PCD-20345

トラックリスト
1. Laugh Song (Laugh Gorge Laugh Song by Takaakirah Ishii with Gorge Clooney) / Fat Fox Fanclub

2. Legacy Horns (JINNIKUMAN JUKE EDIT) by Nature Danger Gang / DJ Torch

3. Dentapride / §✝§

4. super sale out (double price hihgtension remix) / mirrorball inferno

5. 聖リY音ND愛FEEる/ MMEEGG!!!

6. It's Hot to See Your Face / GORO GOLO

7. Sunctuary / RAP BRAINS

8. Dive to The Bass (remix) feat. Y.I.M & Have a Nice Day! / Gnyonpix

9. BIG BOOTY BITCH / NATURE DANGER GANG

10. J.E.F.F. / Harley&Quin

11. skit

12. わんにゃんパーク / チミドロ

13. CASCADE (pro.poivre) / ALchinBond

14. Message in a Battle (DJ MAYAKU Remix) / SOCCERBOY

15. Kill Me Tonight Remix (Feat. EQ Why) / Have A Nice Day!

16. Burning Up / Ascalypso & MC RyN (Glocal Pussys)

17. Big Hip (Dubb Parade mix) / Fat Fox Fanclub

18. 干す取り込む / Y.I.M

19. フォーエバーヤング / Have A Nice Day!

20. SUMMER HITS Boogie Mann Remix / GORO GOLO

21. outro


■LIVE情報

2014年8月25日(月)
『歌舞伎町Forever Free!!!』
新宿LOFT
19:00-24:00
完全無料!!!!!

Have a nice day!
GORO GOLO
NATURE DANGER GANG
脳性麻痺号
GLOCAL PUSSYS
Y.I.M
BOOL
D.J.APRIL
DJ ののの


interview with Traxman - ele-king


Traxman
Da Mind Of Traxman Vol.2

Planet Mu/Melting Bot

FootworkJukeGhetto

Amazon iTunes

 本当に暑い。夏の真っ直中だ。少しでも身体が動けば汗が噴き出る。え? フットワークだと? 
 人生に「たら」「れば」はないが、自分がいま20歳ぐらいだったら「シカゴのフットワーク以外に何を聴けばいい!?」ぐらいのことを言っていただろう。そして、DJラシャドが逝去したとき、本気でシーンの行く末を案じたに違いない。DJラシャドは、衝動的とも言えるこの音楽に多様な作品性を与えた重要なひとりだった。
 DJラシャドの他界の前には、シカゴ・ハウスのパイオニア、フランキー・ナックルズの悲報もあった。シカゴはふたりの大物を失った。
 で、しばらくするとトラックスマンの『Da Mind Of Traxman Vol.2』がリリースされた。
 以下のインタヴューで本人が言っているように、前作『Vol.1』と同じ時期に作られたものだそうだが、マイク・パラディナスの選曲だった『Vol.1』に対して、今作『Vol.2』は自身が手がけている。ヨーロッパからの眼差しをもってパッケージしたのが前作で、シカゴ好みが全面に出ているのが今作だと言えよう。どうりで……
 豪快な作品である。笑えるほどの大胆なサンプリング使いとユニークで力強いビートは、この音楽の勢いが衰えていないことの証左でもある。圧倒的なまでにファンキーだ。
 しかも……この猛暑のなか、トラックスマンは来日する。くれぐれも充分に水分を取ってから、ギグに向かおうじゃないか。

“ゲットー”は心理状態や人格だ。住んでいる場所や経済状況ではない。ゲットー・エリアに住んでいた奴がゲットーな街を出て行っても、そいつはゲットーなままだ。ネガティヴな意味で使われがちだけど、俺はポジティヴな意味で使う。ハングリーさとかそういうメンタリティを表しているからな。


海法:〈Juke Fest〉はどうでしたか? 今回は〈Booty Tune〉のD.J.AprilとD.J.Fulltono、あとダンサーのWeezy (SHINKARON) もいました。日本人がシカゴの現地のシーンへ訪問することをどう受け止めていますか?

トラックスマン:〈Juke Fest〉は最高だったよ。日本でジューク/フットワーク・シーンを広めてるDJやダンサーがジュークのメッカ、シカゴに来てくれた事は物凄く意義があったと感じている。シーンの現状を見せることが出来たし、彼らをシーンのパイオニアであるJammin' GeraldやDJ Deeon、X-Rayとか若手のSpinnやK.Locke、ダンサー集団のThe Eraに紹介することも出来たし、双方にとって素晴らしい機会になった。〈Dance Mania〉の本社にも連れて行ったよ。

DJラシャドの死についてまずはコメントをください。彼を失ったことはジューク/フットワークのシーンにおいて、どのような意味を持っているのだと思いますか?

トラックスマン:ラシャドの死についてコメントするのは本当に難しいな……。シカゴにはラシャドをDJとしてだけでなく、個人的に親しくしていた人もたくさんいたから彼の死はとても衝撃的だった。実際に会って話をして、彼を『DJ Rashad』ではなくひとりの人間として接すると、本当に素晴らしい人間だということがすぐにわかるし、そういう人たちにとってのショックは計り知れない。彼を失ったことは非常に残念だけど、彼がこの世を去った後もシカゴのプロデューサーやダンサーはかならずこのシーンをさらに世界中に広めようと心に誓っている。

少し前にフランキー・ナックルズが亡くなり、DJラシャドまで亡くなるというのは、シカゴ・ハウスの歴史を知るあなたにとって重い出来事だったと思います。

トラックスマン:そのふたりが亡くなったのは1か月も離れていないんだ。ラシャドとは17〜8年の付き合いだったので、本当の親友を失ったと感じているよ。フランキーの死に関しては、シカゴ全体がショックを受けたニュースだった。ハウス・シーンを最初期から見ている古い世代がもっともショックを受けていると思う。もちろんそれはシカゴに限ったことではなくて、世界中のハウス・ミュージック好きにショックを与えた出来事さ。いい出来事も、悪い出来事も、受け入れなくてはならない。

いまはジューク/フットワークのシーンは日本にも広がっているときだったので、彼の死はとても残念でした。とくにDJラシャドは音楽的な才能に恵まれた人だったし、あなたとはもう古い付き合いだったと思います。ぜひ、彼と出会った頃の話を聞かせてください。

トラックスマン:日本にジューク/フットワーク・シーンがここまで広まったのは本当に素晴らしいことだ。今度の来日も出来る事なら1ヶ月くらい滞在したいよ。
 ラシャドに出会ったのは、1997年か98年のことだな、あるパーティでRP Booに紹介されて初めて会った。その後しばらく会わない時期があったけれど、仲が悪かったわけでは決してなくて、DJでお互いの曲をプレイしていたりもした。2004年に再開して、そこからは完全に意気投合して、シカゴのウェストサイドで「K-Town 2 Da 100'z」というミックステープを俺とラシャド、スピンの3人でリリースしたりもした。その頃ラシャドとスピンはDJ Clentの〈Beat Down〉クルーに所属していたんだけど、それを抜けて俺を含めた3人で〈Ghettoteknitianz〉クルーを始動させた。そこから新しい時代が幕を開けたと言っても過言ではない。もちろん当時は俺らのやってる音楽がここまで大きなものになるなんて誰も予想すらしていなかったけどね。

あなたは子供の頃からディスコ、初期ハウス、ガラージ・ハウスを知っているし、そしてロン・ハーディのDJも知っています。そして、シカゴ・ハウスがミニマルでクレイジーな方向、ビート主体で、テンポも速いゲットー・ハウスへと展開していった過程も知っていますよね。先ほども言いましたが、シカゴの歴史を知っているひとりですが、まずはあなたにハウスを定義してもらいましょう。ハウスとは……何でしょう?

トラックスマン:ロン・ハーディをもの凄くリスペクトしているし、フランキー・ナックルズも尊敬してる。だが、彼らがシカゴのクラブでプレイしていた1983〜85年くらいの時期は、まだ俺は10歳くらいの子供で、クラブに行くことすら出来なかった。音楽の情報源はもっぱらラジオだった。ロンやフランキーのプレイを見ることが出来るようになったのはもう少し歳をとってからだ。
 これは本当に世に知られてないことだけど、俺らの世代のDJはみんなWBMXというラジオ局を聴いて、ハウス・ミュージックの洗礼を受けたのさ。俺は当時WBMXでDJをしていたKenny Jammin Jason、Scott Smokin Silz、そしてFarley Jackmaster Funkのプレイを聞いてハウスを学んだんだ。彼らのことは本当に死ぬほど愛しているし感謝しているよ。彼らラジオDJの存在がなければ、いまのシカゴにここまで多くのDJやプロデューサーがいる状況は生まれていなかっただろう。
 俺より上のロンやフランキーの時代にクラブに行ってた世代は、クラブで流れる曲に注目しただけで、DJのスキルやミックスのテクニックに注目はしていなかった。だがラジオDJは違った。例えば1曲かけるだけでも最初にインストゥルメンタルをかけて、じょじょにヴォーカル入りのヴァージョンにミックスして、そのあとダブミックスのブレイク部分をかけるなどして、ミキシングで展開を作った。俺らはそのスタイルにとても影響を受けている。
 ハウス・ミュージックの歴史に関しては、ラジオDJが後の世代にいかに大きな影響を与えたかなどの重要な情報は、シカゴの街から外に出ることは無かった。ハウス・ミュージックは70年代後半に生まれたと言う人もいるけど、現在も受け継がれているハウス・ミュージックのスタイルが誕生した本当のスタートは、1985年だ。その年にChip Eがリリースしたレコードに"House"(85年発表の「Itz House」)、そして"Jack"(同じく85年の「Time to Jack」)という言葉が初めて使われた。ちなみにChip Eは、十数年前に日本に引っ越して、いまも住んでいるよ。シカゴに戻りたくなくなったのかもね(笑)。
 俺にとってハウスは、キックとスネア、サンプルで構成されたとてもシンプルなもの。それのスタート、そして現在のハウスのスタイルの元となったものの誕生が1985年、とても重要な年だ。俺はハウス・ミュージックについての正しい知識と知識を広めるのが宿命だと思っている。そのためにCorky Strongという名義でも活動している。昔のことを知らないで、良い方向で未来に向かって行くことは難しいからね。
 シカゴは昔から、それこそアル・カポネの時代からとても閉鎖的で、隔離されていて、それでいて自分たちのテリトリーを重要視する街なんだ。ゲットー・ハウスもジュークもフットワークもシカゴではまったくリスペクトされていないのが実際のところで、地元で力のある多くのベテランDJやラジオ、テレビはまったくピックアップしない。インターネット上で盛り上がってるだけだ。これは本当に根深く大きな問題だ。自分たちの街で、自分たちに当てられるべきスポットライトが当たった試しがない。インターネットは比較的最近の媒体で、いまだに多くの人びとはラジオやテレビで新しい音楽と出会っている。なのにそれらのメディアが取り上げてくれないと広がりようがない。俺たちの作った音楽がいつの間にか海を渡って、日本やその他の国で愛されていることを知ったのもつい最近のことだ。いつも海外での評価の方が地元の評価より高いのさ、例えばジミ・ヘンドリクスがアメリカを出てヨーロッパで評価されるまでは、アメリカでまったくと言っていいほど評価されていなかった。それと似た感じだな。このあいだ日本のフットワーカーのWeezyがシカゴに来たとき、ゲットーのレストランでフットワークを披露したんだけど、地元の人間は本当に驚いた。フットワークのダンス・カルチャーが世界に広がってるなんて想像もしていないかったからね。


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俺より上のロンやフランキーの時代にクラブに行ってた世代は、クラブで流れる曲に注目しただけで、DJのスキルやミックスのテクニックに注目はしていなかった。だがラジオDJは違った。例えば1曲かけるだけでも最初にインストゥルメンタルをかけて、じょじょにヴォーカル入りのヴァージョンにミックスして、そのあとダブミックスのブレイク部分をかけるなどして、ミキシングで展開を作った。


あなたがハウスにハマった理由について教えて下さい。

トラックスマン:いい質問だな。最初にChip Eの「Itz House」を聞いたときは全然好きになれなかったんだ。いまは大好きだけどね。同時期にChip Eが発表した「Time to Jack」がハウスにハマった大きなきっかけのひとつだな。電子的なシーケンス・パターンに完全にやられたよ。
 その前年にJesse Saundersが「On and On」を発表して、リズムマシンを使ってファンクを表現するスタイルを確立した。初期のハウスはTR-808リズムマシンのサウンドが多く使われていたんだけど、808のドラム・サウンドに本当に虜になった。その後1987年にハウス・ミュージックのサウンドに変化が見えはじめた。TB-303を用いたアシッド・ハウスが登場して、そのサウンドにも夢中にさせられたね。当時ちょうどティーンネイジャーだった俺は、ロン・ハーディらがDJしていた〈ファクトリー〉に遊びに行きだした。いまでも仲がいいHouseboyって友人とよく一緒に遊びに行っていたよ。〈ファクトリー〉はシカゴのウエストサイドにあったティーンのクラブで、Jammin Geraldとかがプレイしていた。
 あるとき〈ファクトリー〉で遊んだ帰り、夜中の2時くらいにHouseboyが「サウスサイドのクラブに行ってみよう」と誘ってきて行ってみたんだ。そこではロン・ハーディがDJしていて、初めてドラッグ・クイーンとかゲイのパーティ・ピープルを見て衝撃受けた。ロン・ハーディーは選曲のセンスはパワフルで人を引き付ける物があった。だけどDJとしてのテクニックはいまひとつだと感じたのを覚えてる。そのサウスサイドのクラブで流れていたのは、メロディやハーモニーが重視されたキレイ目な楽曲が多かった。いっぽうウエストサイドではビート重視でリズムマシンが多用された電子的な、さっき出たChip Eの楽曲のようなスタイルが好まれた。同じハウス・ミュージックでも、サウスがハウス・クラウド(客)、ウエストがビート・クラウドという風に言われていて、同じ市内でもビート系とハウス系ではまったく違うシーンだったよ。俺はもちろんビート・クラウドさ。

どうしてあなたは、ゲットー・ハウスの流れの方に進んだのでしょうか? たとえばディープ・ハウスではなく、ゲットー・ハウスの側に惹かれた理由を教えて下さい。

トラックスマン:最大の要因はまわりの人間だな。俺がいまでも住んでいるウエストサイドの人間、みんなビート系ハウスの流れを組んだゲットー・ハウスが好きだった。もちろん自分でも好きだったけど、パーティに遊びにくる人たちも、まわりのDJもみんなゲットー・ハウス好きだった。まわりの人たちを喜ばせるためにもゲットー・ハウスに進んだのは自然な流れだったね。80年台後半から90年代初頭にはハウス・ミュージックはシカゴでは落ち着いてしまって、ヒップホップの時代に突入した。そのかわりハウスは、世界中に波及して、当時シカゴを盛り上げていた尊敬していた先輩DJはイギリスやヨーロッパの国々に行ってしまった。
 ヒップホップが勢いを増すなか、シカゴに残ったプロデューサー、Armando、Steve Poindexter、Robert Armani、Slugo、Deeon、そして俺なんかは、ラジオでもすっかりプレイされなくなってしまったハウス・ミュージックを作り続けていた。つまり、ハウスはストリートに戻ったってことさ。その頃は400〜500ドルくらいの少額な契約金でレコード契約を地元レーベルと結んでいた、何より作品を発表し続けたかったからね。その頃から考えるといまの現状は考えられないね。

Traxmanを名乗ったのも、〈TRAX〉ものが好きだったからですよね?

トラックスマン:良くわったね。その通りだよ。〈TRAX〉レーベルから出ていた楽曲は的を得ていたというか、何か俺に語りかけているような魅力があったんだ。DJをやりだした頃はDJ Corky Blastっていう名前で、そのあと90年頃からDJ Jazzyっていう名前だったな、Jazzy Jeffが好きだったからね。93年頃にTRAXMANと名乗りだしたんだ。93年ごろにPaul Johnsonと知り合った。彼は銃で背中を撃たれた直後で車いす生活を余儀なくされたばかりだった。同時期にTraxmenメンバーのEric Martinと親しくなり同じくTraxmenのメンバーとして活動していたGant-manを紹介された、当時まだ13〜4歳の子供だったよ。仲間が増えてきた矢先に、俺たちの活動の場だったウェストサイドの〈ファクトリー〉が火事で焼失してしまい、〈ファクトリー〉の歴史は急に終わってしまった。その直後からJammin Gerald、DJ FUNK、Paul Johnsonなどがレコードをリリースしはじめて、その流れに乗って俺もリリースをはじめた。
 同時期にサウスサイドのDJ/プロデューサーの噂が耳に入るようになってきた。DJ Deeon、Slugo、Miltonとかだ、サウンドを聞いたら彼らは最高にイケてたよ。ちょうどこの時期が85年以降のハウスのオリジネーターとゲットー・ハウス世代の世代交代の時期だったな。その頃はギャング抗争がもの凄く激しくて、ストリートはとても危険だった。俺たちは音楽に救われていた、音楽にハマっていなかったらギャング抗争に巻き込まれて、殺されていてもおかしくなかったからな。実際に殺されてしまった友人もたくさんいる。音楽が俺を救ってくれたから、いまシカゴでくだらない争いに巻き込まれている若いヤツらだって、音楽に救われることが出来るんだということを伝えていきたいと本気で思っている。

DJとして活動するのは何年からですか?

トラックスマン:1981年だね。

DJ以外の仕事はしたことがありますか?

トラックスマン:それもいい質問だ。むかし、1989年から1年ちょっとのあいだ地元のトイザラスで働いて、それ以外の仕事は全部音楽に携わる仕事さ。レコード屋で働いたり、〈Dance Mania〉のディストリビューションの手伝いをしたりしてた。

あなたが〈Dance Mania〉からデビュー・シングルを発表するのは、1996年ですが、自分でトラックを作るようになったきっかけは何だったのでしょうか?

トラックスマン:俺の原点ともいえる初期のハウス・ミュージックに大きく影響されている。アシッド・ハウスも好きだったけど、ビートやシーケンスが強調されたスタイルがやはり好きで、作曲に関してはそれにもっとも影響を受けているな。〈ファクトリー〉でJammin Geraldがプレイしていたり、ラジオで流れていたSleazy Dの“Lost Control"を聴いて、俺もトラックを作ってみようと決めた。Adonisの“No Way Back"っていう曲もかなり影響を受けたな。
 当時は近所にリズムマシンを持っている人が本当に少なくて、87年か88年ごろにSlick Rick Da Masterと知り合い、彼がチャック(=DJ FUNK)を紹介してくれた。リズムマシンを持っていたのは、そのふたりだった。Fast Eddieも割と近所に居たけど、彼はヒップ・ハウスが流行ってきて忙しくなってきた頃だから全然会えなかった。当時はレコードはたくさん持っていたけど、リズムマシンは持っていなかったんだ。DJ Raindeerっていう仲間がいたんだけど、そいつは逮捕されしまって今度はそいつの弟とよく遊ぶようになって、ある日「俺、実はリズムマシンもターンテーブルも持ってるよ」と言ってきたんだ。その頃、DJ FUNKも近所に越してきていて、俺のターンテーブルとFUNKのカシオRZ-1を交換した。ついに機材が揃ったから曲作りが出来るようになった。そこからは夢中になって、トラック制作に取り組んだね。DeeonとかGantmanとかサウスサイドの連中ともどんどん仲良くなって、ゲットー・ハウスシーンが広がっていった。

「Westside Boogie Traxs - Vol I」を出してから、「vol.2」はいつ出たんですか?

トラックスマン:Vol.2はフランスの〈Booty Call〉から2012年に発表したよ。1と3は〈Dance Mania〉だね。

90年代末から2000年代の最初の10年前、あなたはとくに目立った作品のリリースはしていませんが、それは何故でしょうか?

トラックスマン:コンスタントに曲は作っていたんだけど、〈Dance Mania〉も止まってしまい、発表の場が無くなった。デトロイトのDJ Godfatherがそのあいだの時期にシカゴのアーティストの作品をリリースしていたが、俺は彼とはあまり繋がっていなかったからな。それからじょじょにフランスの〈Moveltraxx〉みたいなレーベルから声がかかるようになって、自分の作品を発表する場が出来てきた。

ゲットー・ハウスがどんどん発展して、音楽的に独創的になり、ジュークが世界的に認知されるまでのあいだ、シカゴのシーンはどんな感じだったのでしょうか?

トラックスマン:シーンはあったんだけど、前後の時期ほど盛り上がってはいなかったね。なんとなく続いていた感じかな。

ちなみにシカゴでは、いつぐらいからヴァイナルではなくファイルへと変わっていったのでしょう?

トラックスマン:それは他の連中がPCでDJをはじめて時期と一緒くらいだよ。2000年代半ば頃から、ちらほら増えだしたな。俺は筋金入りのヴァイナル・フリークでターンテーブリストだけど、昔からテクノロジーも好きだから、いまはPCも使っているよ。PCDJを否定する連中もいるけど、彼らはテクノロジーをどこか恐れている部分がある気がする。


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初期のハウス・ミュージックに大きく影響されている。アシッド・ハウスも好きだったけど、ビートやシーケンスが強調されたスタイルがやはり好だ。Sleazy Dの“Lost Control"を聴いて、俺もトラックを作ってみようと決めた。Adonisの“No Way Back"にもかなり影響を受けたな。


Traxman
Da Mind Of Traxman Vol.2

Planet Mu/Melting Bot

FootworkJukeGhetto

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2012年の『Da Mind Of Traxman』以来のセカンド・アルバム、『Da Mind Of Traxman vol.2』は、相変わらず勢いのある作品で、ビートがさらにユニークになっているし、カットアップもより大胆になっているように感じました。

トラックスマン:実は『Vol.2』も『Vol.1』も収録楽曲はほぼ同時期に作られている。もちろん新しい曲も収録されているけどね。いちばんの違いは、前作は〈Planet Mu〉が楽曲をチョイスした楽曲しているが、今作のほとんどは俺が選曲したってことだ。もちろん前作も気に入っているけど、今作の方が実験的な曲を収録出来たし、気にっているよ。

ジャングルからの影響はありますか? 15曲目の“Your Just Movin”など聴くとそう思うのですが。

トラックスマン:言われてみればそう聞こえるかもな。良いところをついてくるな。とくにジャングルを意識して作ったわけではないよ。さっきも言ったように、今作は本当に実験的なアルバムだから、かなり珍しいサンプルとか、変わったネタ使いをしているというだけ。

ジューク/フットワークはダンスのための音楽なわけですが、あなたはアルバムというものをどのように考えていますか?

トラックスマン:アルバムは俺の子供みたいなものだ、1曲1曲に俺の好きなアイディアを詰め込んであるし、自分の子供たちを世に送り出すような感覚だね。

よりテンポを落として、ハウスやテクノとミックスしやすいようにしようとは考えませんか?

トラックスマン:それは別名義のCorky Storngでやっているよ。トラックスマンはジューク/フットワークの名義だ。それにDJをやるときは160BPMからはじめることはまずない。いきなり160から入ったら、あまりに窮屈だからね。最初は比較的ゆっくり、128BPMくらいからはじめて、じょじょに上げていくのが俺の基本スタイルかな。

クイーン、クラフトワークなど、大ネタを使っていますが、サンプリングのネタはどのようにして探しているのですか?

トラックスマン:サンプルは俺の家にある音源と親友のX-Rayのレコード・コレクションから選んでいる。X-Rayは本当に凄いコレクターで、彼のコレクションはまさに“Mind of Traxman"だよ。使うサンプルを探してるときはいろいろなレコードを聴いて、気に入るサンプルを見つけるまでひたすらアイディアを巡らせている。気に入った部分を見つけたら部分的に保存しておいて貯金するようにためておくんだ。

あなたにとって「getto」とは、どんな意味が込められていますか? 人はそれをネガティヴな意味で使いますが、あなたはこの言葉をなかば前向きに使っているように感じます。

トラックスマン:gettoは心理状態や人格だ。住んでいる場所とか経済状況ではない。ゲットー・エリアに住んでる奴がいるとして、そいつがゲットーな街から引っ越して出て行っても、そいつはゲットーなままだ。ネガティヴな意味で使われがちだけど、俺はポジティヴな意味で使う。ハングリーさとかそういうメンタリティを表している。ちなみに俺はG.E.T.O. DJzっていうDJクルーに入っているんだけどそれは"Greatest Enterprise Taking Over"(制圧する最高の企業)の略だ。

ゲットー・ハウスは、このままワイルドなスタイルを貫くのでしょうか? それとも音楽的に成熟する方向を目指すのでしょうか? あなたは未来についてどう考えていますか?

トラックスマン:俺たちシカゴの人間、そして世界中のゲットー・ハウス、ジューク/フットワークのプロューサーがいる限り、音楽のスタイルは変わらない。進化は続けるけれど本質が変わることはないよ。

海法:まもなく日本でのツアーが始まりますがその意気込みをきかせて下さい。

トラックスマン:日本にまた行けるのを本当に楽しみにしている! 嬉しくて、フットワークが踊れたらこの場で踊ってしまいたいくらいだ! 前回よりも絶対に最高の内容になるのは保障する! 是非見に来てくれ!



Da Mind Of Traxman Vol.2 Release Tour 2014 In Japan




数多くの逸話を残した衝撃の初来日から2年。80年代シカゴ・ハウス、90年代ゲットー・ハウス、そして00年代ジューク、シカゴ・ゲットーの歴史と共に30年以上のキャリアを誇るシカゴ・マスター、 Cornelius Ferguson (コーネリアス・ファーグソン)こと Traxman (トラックスマン) aka Corky Strong (コーキー ・ストロング)が最新アルバム『Da Mind Of Traxman Vol.2』を携えて待望の帰還!

ツアー会場先行 & 限定特価でTraxmanのハウス名義Corky Strongでの日本限定来日記念盤CDのリリースやオリジナルのTシャツの物販も要チェック!

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SOMETHINN 6 - DA MIND OF TRAXMAN VOL.2 RELEASE TOUR -
■8.8 (FRI) @ Circus Osaka
OPEN / START 22:00 - ADV ¥2,500 / Door ¥3,000 *別途1ドリンク代500円

Guest:
Traxman (Planet Mu / Lit City / Dance Mania / GETO DJ'Z / TEKLIFE / TEK DJ'Z)

DJs:
Kihira Naoki (Social Infection)
D.J.Fulltono (Booty Tune / SLIDE)
Metome
Keita Kawakami (Kool Switch Works)
DjKaoru Nakano
Hiroki Yamamura aka HRΔNY (Future Nova)

More Info: https://circus-osaka.com/events/traxman-release-tour/

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TRAXMAN JAPAN TOUR 2014
■8.9 (SAT) @ Unit & Saloon Tokyo
OPEN / START 23:00 - ADV ¥3,000 *150人限定 / Door ¥3,500

DJs:
Traxman (Planet Mu / Lit City / Dance Mania / GETO DJ'Z / TEKLIFE / TEK DJ'Z)

DJ Quietstorm
D.J.Fulltono (Booty Tune)
D.J.April (Booty Tune)

Live Acts:
CRZKNY
Technoman

Saloon:
JUKE 夏の甲子園 <日本全JUKE連> 開催!

DJs:
D.J.Kuroki Kouichi (Booty Tune, Tokyo)
Kent Alexander (PPP/Paislery Parks, Kanagawa)
naaaaaoooo (KOKLIFE, Fukuoka)

Live Acts:
Boogie Mann(Shinkaron, Tokyo)
Rap Brains (Tokyo)
隼人6号 (Booty Tune, Shizuoka)
Skip Club Orchestra (Dubriminal Bounce, Hiroshima)
Subsjorgren (Booty Tune, God Land)

More Info:
https://www.unit-tokyo.com/schedule/2014/08/09/140809_traxman.php

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