「PAN」と一致するもの

!!! (Chk Chk Chk) - ele-king

 あ、これはヤバいやつだ。公開された !!! (チック・チック・チック)の新曲“The One 2”を一聴して思った。頭で処理しようと思っても、まず先に身体が動いてしまう。ワン・トゥ、ワン・トゥ。かなりディスコ色が強まっている。でも彼ららしさは失われていない。これは素直に、アがる。
 チック・チック・チックが待望のニュー・アルバム『Shake The Shudder』を5月19日にリリースする。タイトルには「恐れを振り払え」というメッセージが込められているそう。かつてジュリアーニを批判する曲で脚光を浴びた彼らのことだ。いまこんなにもソウルフルかつダンサブルなサウンドを鳴らすのにはきっと彼らなりの理由があるのだろう。あー、はやく他の曲も聴きたいぜ。ワン・トゥ、ワン・トゥ。

!!!(チック・チック・チック)が新作とともに帰還!
最新アルバム『Shake The Shudder』完成&新曲公開!
数量限定Tシャツ付セットの販売も決定!

ニューヨークが生んだ最狂のディスコ・パンク・バンド、!!!(チック・チック・チック)が最新アルバム『Shake The Shudder』の完成を発表! アルバムのオープニングを飾る新曲“The One 2”のミュージック・ビデオを公開!

!!! - The One 2
https://www.youtube.com/watch?v=zPn_AnP9N9I

「恐れを振り払え!」というメッセージが込められた今作のタイトル『Shake The Shudder』は、彼らの座右の銘であり、そのキャリアを通して示してきた言葉である。彼らのDIYなパンク・スピリットが炸裂した今作では、ここ最近のお気に入りだというニコラス・ジャーやケイトラナダなどからの影響を反映した様々なエレクトロニック・ミュージックの要素に加え、自由な精神の象徴としてハウス・ミュージックを取り入れ、「ビートに乗ってりゃ何でもあり!」というオープンな姿勢から生まれた痛快なアルバムとなっている。

リスクが大きければ大きいほど、得るものも大きい。そして、究極に楽しい経験になる。改革は次の改革を導き、それが繰り返されるんだ。
- Nic Offer

バンドのホームタウンであるブルックリンでレコーディングされた今作には、UKのシンガー、リー・リー(Lea Lea)、シンガーソングライターで女優でもあるミーア・ペイス(Meah Pace)、グラッサー名義での活動も知られるキャメロン・メジロー(Cameron Mesirow)、チェロ奏者でシンガーでもあるモリー・シュニック(Molly Schnick)といった個性豊かな女性ヴォーカリストが多数参加している。

一貫して変わることのないパンクなアティテュードと、アルバムごとに進化を続け、シーンの変化とも巧みにリンクするサウンド。移り変わりの激しい景観の中、その状況を楽しむかのようにキャリアを重ねてきたチック・チック・チックの最新作は、そのキャリアの全てを反映させた集大成でありながら、歌詞とサウンドの両方にさらにエッジを効かせ、「この打ち砕かれたような状況から、何か美しいものが育ってほしい」という、混迷を極める世界に対するバンドの願いが込められた一撃でもある。

チック・チック・チックの7枚目のアルバムとなる本作『Shake The Shudder』は5月19日(金)に世界同時リリース! 国内盤にはボーナス・トラック“Anybody’s Guess”が追加収録され、歌詞対訳と解説書が封入される。またiTunesでアルバムを予約すると公開された“The One 2”がいちはやくダウンロードできる。またスペシャル・フォーマットとして数量限定のオリジナルTシャツ付セットの販売も決定!

label: Warp Records / Beat Records
artist: !!! ― チック・チック・チック
title: Shake The Shudder ― シェイク・ザ・シャダー

cat no.: BRC-545 / BRC-545T
release date: 2017/04/19 FRI ON SALE
国内盤CD: ¥2,200+税
国内盤2CD+Tシャツセット: ¥5,500+税
国内盤特典: ボーナス・トラック追加収録 / 解説書・歌詞対訳封入

Arto Lindsay - ele-king

 来ました! 1月にリリースされた13年ぶりの新作『Cuidado Madame』が好評のアート・リンゼイですが、なんと6月に来日します。昨年、晴れたら空に豆まいての10周年記念企画の一環として来日しているアート・リンゼイですが、今回は新作のレコーディング・メンバーを従えてのバンド・セットによるツアーです。東京、京都、大阪の3都市をまわります。オールスタンディングのライヴハウス公演としてはかなり久々の来日だそうで……アルバムのあのサウンドはいったいどんなふうに生まれ変わるのでしょう。必見です。

奇才アート・リンゼイ、超待望の来日ツアーが6月に決定!
13年ぶりの新作『Cuidado Madame』のレコーディング・メンバー
を率いた垂涎のバンド・セットです!

世界中に熱狂的なファンを生んできた真の奇才音楽家アート・リンゼイ、NO WAVE以来のパンク精神と近年のコスモポリタニズムが最高次元で融合した13年ぶりの新作『Cuidado Madame(邦題:ケアフル・マダム)』のレコーディング・メンバーを率いたバンド・セットでの来日公演が実現! オールスタンディングによるライヴハウス公演は、東京ではかなり久々となります! 新作のレコ発ツアーということで、あのサウンドがどのようにライヴで再現されるのか、絶対にお見逃しなく!!

【公演情報】
ARTO LINDSAY Japan Tour 2017

■ 東京 6月23日 (金) WWW X
OPEN 18:30 / START 19:30
TICKET オールスタンディング ¥8,000(税込/別途1ドリンク)
※未就学児入場不可
一般プレイガイド発売日:4/8 (土)
(問) クリエイティブマン 03-3499-6669

■ 京都 6月24日 (土) 京都メトロ
OPEN 17:00 / START 18:00
TICKET オールスタンディング ¥8,000(税込/別途1ドリンク)
※未就学児入場不可
一般プレイガイド発売日:4/8 (土)
(問) 京都メトロ 075-752-2787

■ 大阪 6月26日 (月) 梅田シャングリラ
OPEN 18:30 / START 19:30
TICKET オールスタンディング ¥8,000(税込/別途1ドリンク)
※未就学児入場不可
一般プレイガイド発売日:4/8 (土)
(問) キョードーインフォメーション 0570-200-888

企画・制作・招聘:クリエイティブマン https://www.creativeman.co.jp/
協力:P-VINE RECORDS


【作品情報】

アート・リンゼイ/ケアフル・マダム
Arto Lindsay / Cuidado Madame
in stores now
PCD-25212
定価:¥2,500+税
★日本先行発売
★日本盤ボーナス・トラック収録

まさに世界待望! 前作『Salt』以来およそ13年ぶりにリリースされた奇才アート・リンゼイのオリジナル・ニュー・アルバム! 盟友メルヴィン・ギブスの参加やマリーザ・モンチとの共作のみならず、ニューヨークの新世代ミュージシャンたちとの邂逅がもたらしたアート流「アヴァン・ポップ」のニュー・フェイズ。NO WAVE以来のパンク精神と近年のコスモポリタニズムが最高次元で融合したソロ・キャリア史上屈指の名作が誕生した!

『別冊ele-king アート・リンゼイ──実験と官能の使徒』
編集:松村正人

in stores now
ISBN: 978-4-907276-73-7
本体¥1,850+税
160ページ

ブラジル音楽の官能、ノーウェイヴの雑音、アヴァン・ポップの華麗なる試み──多岐にわたるアート・リンゼイの音楽の全貌をたどる必読の1冊。幼少期から現在までを語った本人ロング・インタヴューを皮切りに、カエターノ・ヴェローゾとの特別対談も掲載! 日本はおろか世界にも類をみないアート・リンゼイを総覧する試み。


【Arto Lindsayプロフィール】

1953年アメリカ生まれ。3歳で家族とともにブラジルに引っ越し、17歳までを過ごす。77年にNYでノイズ・パンク・バンド:DNAを結成。翌年、ブライアン・イーノのプロデュースによる歴史的コンピレーション『NO NEW YORK』にDNAとして参加する傍ら、ジョン・ルーリー率いるジャズ・コンボ:ラウンジ・リザーズにも参加。11本だけ弦を張った12弦ギターをノンチューニングで掻き鳴らす独自の奏法が衝撃を与え、“NO WAVE”シーンの中心的存在となる。80年代にはピーター・シェラーとアンビシャス・ラヴァーズを結成し、NYアンダーグラウンド音楽とポップ・ミュージックの融合を実践。80年代後半からはプロデューサーとしても活躍し、カエターノ・ヴェローゾ、ガル・コスタ、マリーザ・モンチ、ローリー・アンダーソン、デヴィッド・バーン、坂本龍一、大貫妙子、宮沢和史などを手掛ける。他にも三宅純や小山田圭吾、青葉市子など、日本人アーティストとは親交が深い。95年からはソロ名義でのリリースを開始し、04年にかけて1~2年に1枚のハイペースでアルバムを発表。14年のライヴ盤付きベスト・アルバム『Encyclopedia of Arto』を挟み、2017年1月、約13年ぶりとなるオリジナル・アルバム『Cuidado Madame』をリリースした。

La Femme - ele-king

 なんだかよくわからない。なんだかよくわからないが、強烈に惹きつけられる。3月21日、フランスでいま最も注目を集めるバンド、ラ・ファム(La Femme)が昨年リリースされた新作を引っさげて来日する。ジーン・ヴィンセントやヴェルヴェット・アンダーグラウンド、クラフトワークやステレオラブといった名前が引き合いに出されるかれらの音楽を一言で表わすと……ロカビリー? シンセ・ポップ? なんだかよくわからないが、かれらの音楽がエキサイティングであることは間違いない。ジャケも独特の雰囲気を醸し出しているし、何よりこのフランス語のヴォーカルは英米のポップ・ミュージックに慣れ切ってしまったわれわれの耳に新鮮に響く。とにもかくにも3月21日、原宿のAstro Hallへ足を運んでかれらの正体を突き止めよう。

ヴィンテージな雰囲気と尖ったサイケ感が混在する
ローファイ・サーフ・サウンドに世界が大注目!
フランスの異才サイケ・パンク・バンド、ラ・ファムが
待望の2ndアルバムをリリース! 来日も決定!

■フランス屈指のサーファーの聖地ビアリッツでサーフ・ミュージックとヴィンテージ・ロック好きのSacha Got(ギター)とMarlon Magnee(キーボード)が出会い結成、パリ移住後、Sam Lefevre(ベース)、Nunez Ritter(パーカッション)、Noé Delmas(ドラム)、そしてフランス・ギャルやフランソワーズ・アルディなど往年のフレンチ・ポップ・シンガーを彷彿させるClémence Quélennec 嬢が加わり今の布陣となったラ・ファム(フランス語で「女、女性」)。2013 年のデビュー・アルバム『Psycho Tropical Berlin』がフランスのデジタル・チャート1位に登りつめ、多くの雑誌の表紙を飾り、数々の有名フェスにも出演、CMに楽曲が使用されるなど、フランスでいま最も注目を集めるバンドのひとつとなった。
■セカンド・アルバム『Mystère』でもその音楽的多様性は健在だ。シンセ・ポップからサーフ・ロック、ステレオラブっぽいインディ・ロック、バロック調に近いギター・チューン、西部劇のサントラ風、そして牧歌的なサイケ・サウンドまでが溶け合う独特の音世界を作り上げている。セクシャルなキワドイ歌詞も刺激的、そのスタリッシュなレトロ調のヴィジュアル、エネルギッシュでトリッピーなライヴ・パフォーマンスも相まって、パリのインディ・シーンで絶大な人気を誇る彼ら。3月には新作を引っ提げてアジア・ツアーを敢行、ついに来日も実現!

『Mystère』は今年度ベスト・アルバムの1枚。最近のインディ・バンドでは滅多にないクールなヴァイブを本作で放っている。
—『The Guardian』誌

大胆で、想像力に富んだ、そして時には、とても楽しいほど奇妙だ。
— 『Uncut』誌

【来日公演】
■3月21日:東京:Astro Hall


ASIA TOUR 2017 - LA FEMME JAPAN DEBUT
(powered by Kaïguan Culture)

2017年3月21日
HARAJUKU 『ASTRO HALL』
https://www.astro-hall.com/
〒150-0001 
東京都渋谷区神宮前 4-32-12
ニューウェイブ原宿B1
https://www.astro-hall.com/schedule/6001/

18: 00 - Door open - DJ nAo12xu (†13th Moon†)
19:00 - 19:30 : Who the bitch
20:00 - La femme - Live start
ADVチケット: 6,000円 (数量限定) Include 1 DRINK
DOORチケット: 6,500円 Include 1 DRINK

チケット取扱店リスト:
https://la-femme-live-in-tokyo.peatix.com

https://www.lafemmemusic.com

アーティスト:LA FEMME
タイトル:Mystère
レーベル:Disque Pointu
フォーマット:CD / 2LP
品番:ZOD-006 (CD) / BB-086 (2LP)
バーコード:3700551781911 (CD) / 3521381539325 (2LP)

[TRACK LIST]
1. Sphynx
2. Le vide est ton nouveau prénom
3. Où va le monde
4. Septembre
5. Tatiana
6. Conversations nocturnes
7. S.S.D
8. Exorciseur
9. Elle ne t'aime pas
10. Mycose
11. Tueur de fleurs
12. Always In The Sun
13. Al Warda
14. Psyzook
15. Le chemin
16. Vagues

interview with Lawrence English - ele-king


Lawrence English
Cruel Optimism

Room40

AmbientDroneExperimental

Amazon Tower HMV iTunes

 昨年のニューエイジ・ブームが、その現実逃避性をもって2016年という年の混乱を象徴していたのだとすれば、それとはまた別の形で世界の歪みを映し出す音楽もある。ドローンがそれだ。シドニー、メルボルンに次ぐオーストラリア第3の都市・ブリスベンに暮らす音楽家ローレンス・イングリッシュは、ためらうことなく「音楽は政治的である」と言い切る。彼の最新作はシリアの情勢やブラック・ライヴズ・マター、あるいはブレグジットや大統領選挙などから刺戟された作品だそうで、なるほど、たしかに『Cruel Optimism』が響かせる漆黒の音の連なりは、今日の世界の不穏なムードを一身に引き受けているかのようだ。『残酷な楽観主義』というタイトルの訴求力も群を抜いている。

 かつてわれわれは紙の『ele-king vol.7』で「ノイズ/ドローンのニューエイジ!」という特集を組んでいるが、ローレンス・イングリッシュが頭角を現してきたのもまさにそのような文脈においてである。ローレンス本人が自らの代表作と見做している2008年の『Kiri No Oto』はいまでも根強い人気を誇っているし、2014年にリリースされた『Wilderness Of Mirrors』はその年の『FACT』誌のベスト・アルバム50に選出されて話題となった。一昨年はデヴィッド・リンチの写真展覧会のサウンドトラックを手がけるなど、彼はすでに海の向こうにおいて大物の地位を築いていると言っていい。またそういった音楽制作と並行して彼は、自身の主宰する〈Room40〉からさまざまなアーティストの作品を世に送り出してもいる。ベン・フロスト、オーレン・アンバーチ、テイラー・デュプリー、ティム・ヘッカー、リュック・フェラーリ、グルーパー、デヴィッド・トゥープ……これらの固有名詞を並べるだけで、いかに彼が卓越したキュレイターであるかが見てとれよう。他方で〈Room40〉はツジコノリコやテニスコーツ、畠山地平といったアーティストの作品も数多くリリースしており、ローレンスとここ日本とのつながりはことのほか深い(ちなみに畠山地平は『ele-king vol.14』でローレンスにインタヴューをおこなっている)。

 そんな彼のバックグラウンドをより深く掘り下げるべく、われわれはいくつかの質問をブリスベンへ向けて送信した。彼はそれらの問いに快く、丁寧に、真摯に答えてくれた。彼の鳴らす重厚なドローンはどのようにして生み出されたのか。なぜ彼は音楽が政治的であると考えているのか――。ローレンス・イングリッシュは、ひとりの人間が抱えるにはあまりにも大きすぎる希望を抱いている。その希望の片鱗を、あなた自身の目で確認してほしい。

私は、音と音楽の可能性はすべての人に届くと非常に強く信じています。要は、人びとがいかに良き文脈と機会を通じて、有意義に音楽とのつながりを持てるか、ということです。

日本ではまだローレンス・イングリッシュという音楽家/キュレイターの存在を知らない方も多いと思いますので、まずは基本的なことから伺わせてください。あなたが〈Room40〉をスタートさせたのは2000年です。また、あなた自身の最初の作品『map51f9』が世に出たのは2001年です。1976年生まれとのことですが、それまではどのように過ごされていたのですか?

ローレンス・イングリッシュ(Lawrence English、以下LE):私はクイーンズランドのブリスベンで育ちました。さまざまな意味で、私の成長過程の話はブリスベンという都市の成長の話と重なります。70年代後期から80年代初期、クイーンズランドは政府からの退行的な圧力に苦しんでいました。その後、その傷跡から回復の兆しを見せるまで、およそ10年の月日がかかりました。1990年に私は初のファンジンと、のちに最初のレーベル、そして〈Room40〉へと至る、小さなカセット・レーベルを始めます。同時期にインダストリアル・バンドでも演奏をしていましたが、1997年には収束し、1998年からソロ・ワークとして本格的に実験的な試みを始めました。この時期はとてもおもしろい時期で、ステージのセッティング時期とも言えるでしょう。

音楽をやっていこうと思うきっかけのようなものはあったのでしょうか?

LE:初めは音そのものに興味があり、その後音楽へと移行しました。子ども時代のあらゆる体験から音に興味を持ちましたが、やはり特にバードウォッチングからのものが大きいでしょう。ヨシキリという素晴らしい声を持つ、見つけにくい小さな鳥がいます。ある日、沼地に隠れるヨシキリを双眼鏡で探していたのですが、そのとき父が私に、目を閉じて鳥の声に耳を澄ますようにと言いました。耳で鳥の居場所を感知してから、その姿を探すようにと。結果、鳥を見つけることができました。私たちの耳が、この世界を知覚するツールとしてとても可能性に溢れている、ということに気づく体験でした。この頃から、音と音楽の世界が拓かれていくのを感じました。

あなたの音楽的なルーツはどこにあるのでしょう? 音楽家として、もっとも影響を受けたアーティストを教えてください。

LE:音楽でないものから影響を受けることが多いです。いつも読書をして、自分の思考を可能な限り押し広げるようにしています。たとえば最近は、「緩やかに消失する未来(slow cancellation of the future)」という挑発的な主張を持つ、フランコ・ベラルディ(ビフォ)(註:アウトノミアの運動で知られるイタリアの思想家)の作品を読んでいます。彼は、進歩と資本主義の成長に根ざした20世紀の政治的な願望として想像する未来は、もはや有効ではないと主張しています。こういった挑発的な思考が、私の作品制作にとって最も重要だと考えています。もちろん私は音楽を愛していますが、音楽がいつも作品制作に直接的に影響するとは考えていません。

〈Room40〉は、ツジコノリコやテニスコーツ、畠山地平やminamoなど、日本のアーティストの作品も多くリリースしています。あなたがプロデューサーを務めているアルバムもありますよね。ほかにもあなたは鈴木昭男とコラボしたり、最近では福岡のレーベル〈duenn〉のコンピレイションにも参加したりしていますが、日本の音楽に興味を持つきっかけとなるようなことがあったのでしょうか?

LE:オーストラリア人として、日本は最も近い近隣諸国のうちのひとつである、ということを強く感じます。東京までは9時間なので、比較的近いと言えます。私個人としては、日本には、鈴木昭男や灰野敬二、メルツバウ(Merzbow)に代表されるような、とても特殊で極端に個性的な音へのアプローチがあると感じます。それは人生を通じての実践への深い考察に根ざしていて、私の「人生において実践と芸術はどのように発展を遂げるのか」という、深い興味の対象に通じます。また、水琴窟や、鶯張り(城への敵の侵入者を知らせる仕組み)に代表されるような、日本に存在する歴史的な音へのアプローチに非常に惹かれます。武満(徹)の作品もしかり。特に彼の音に関する著述は、注目せずにはいられません。日本には素晴らしい多様性があり、吸収すべきものがあります。

あなたの日本とのつながりや、実験的なものからポップなものまで手がけるそのスタンスは、どこかジム・オルーク(Jim O'Rourke)の活動を想起させる部分があります。彼がBandcampで展開している『Steamroom』シリーズの第29作では、〈Room40〉の15周年記念フェスティヴァルのために作られたセクションが含まれているようですが、彼と交流はあるのでしょうか? 彼の音楽や活動についてはどう思っていますか?

LE:私はジムを最高にリスペクトしています。彼の同時代のミュージシャンのなかでも、最も重要な人物のひとりだと思います。驚くべきほど豊かな電子音楽を創り出し、ウィットに富んだ詩を書き、インスピレイションを与える、いわゆる本物のアーティストです。彼から仕事を委託されたことはとても光栄でしたし、彼の作品をストックホルムやシドニー、ブリスベンへ普及できたことはとても嬉しいことでした。素晴らしい機会でした。

あなた自身や〈Room40〉の作品、あるいはオーレン・アンバーチ(Oren Ambarchi)のような実験的な音楽は、オーストラリアではどういう位置づけなのでしょう? 日本では、ミュージック・ラヴァーを除く大多数の一般の人びとは、チャートに入っている音楽だけで満足してしまい、そこから幅を広げようとはしないのですが、それはオーストラリアでも同じなのでしょうか?

LE:おそらくそれはどこでも同じでしょう。私は、音と音楽の可能性はすべての人に届くと非常に強く信じています。要は、人びとがいかに良き文脈と機会を通じて、有意義に音楽とのつながりを持てるか、ということです。

『Airport Symphony』(2007年)はブライアン・イーノ(Brian Eno)の『Music For Airports』へのオマージュだそうですが、イーノについて、また彼が創始した「アンビエント」というコンセプトについてはどうお考えですか?

LE:私はブライアンに多くの敬意を抱いています。私は彼を、思想家でありミュージシャンであると考えています。他のアーティストと制作をする際に、皆を見事に親和させる彼の能力には畏敬の念を感じます。彼は、人びとの作品の多様な側面を解き明かし、サポートする方法を知っていて、私たちそれぞれにとってとても有益なことです。数年前に彼と一緒にランチをしましたが、彼はとてもオープンな姿勢を持っていて、そのことが人びとに、普段のアプローチとは違う方法で新たなものを発見するスペースを与えるのだろうと感じました。ボウイのレコードを聴くだけでも、その音から素晴らしいパートナーシップを感じることができます。「アンビエント」についてですが、音と音楽へのアプローチの仕方として、素晴らしい表現手法だったと思います。ハリー・ベルトイア(Harry Bertoia)の音響彫刻作品にも明らかにルーツを持つでしょう。ベルトイア、イーノのふたりとも、私たち自身を巻き込む、特殊な共鳴空間を創り出すことに関心を示しています。

他方であなたは『For / Not For John Cage』(2012年)という作品も発表しています。ケージについてはどうお考えなのでしょうか?

LE:ケージを忘れることはできません。彼は20世紀最初の偉大な音への挑戦者でした。彼の暖かい笑顔と、問い続ける姿勢、このふたつの印象は私の心に刻みつけられています。彼は疑いなく伝説的な存在であり、彼の精神は時を超えて残り続けるでしょう。

あなたは〈A Guide To Saints〉というカセットテープに特化したレーベルも運営されていますよね。カセットテープというフォーマットに対する何か特別な思い入れのようなものがあるのでしょうか?

LE:音楽との出会い方という意味で、メディアは非常に影響力のあるものだと感じます。物体としてのメディアは、音響だけではなく表意的な一連の意味合いを包み、音楽の物理的なインターフェイスは、私たちと音楽とのつながりを形作ります。私にとってカセットは、唯一の線状の音楽メディアでした。レコードやCDでは、実際に早送り機能を使うことはほとんどなく、スキップを使用しますが、テープではこれは不可能です。私はある種の音楽はテープで聴いた方がより良いと感じます。

ヴェイパーウェイヴというムーヴメントについてはどうお考えですか? ヴェイパーウェイヴの作品はカセットテープで発表されることが多く、形態の上では〈A Guide To Saints〉と同時代性があるように思えるのですが。

LE:いくつかのリリースは大好きです。とても興味深いムーヴメントです。

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差異のなかでひとつになること。私はこのアイデアを『Cruel Optimism』のライヴ・セットでさらに探求することに興味があります。


Lawrence English
Cruel Optimism

Room40

AmbientDroneExperimental

Amazon Tower HMV iTunes

このたびリリースされた新作『Cruel Optimism』には、『A Colour For Autumn』(2009年)にあったような穏やかさやぬくもりはありません。また、『Kiri No Oto』(2008年)の寂寥感・荒涼感とも異なる雰囲気を持っています。他方で『Wilderness Of Mirrors』(2014年)の重厚なノイズ/ドローンとは共通する部分があるように聴こえたのですが、本作を制作するにあたりレコーディングやプロダクションの面で最も力を入れたこと、または注意を払ったことは何でしょう?

LE:『Cruel Optimism』では、いままでのレコード制作の方法を覆したいと考えていました。今回私は多くの音をスタジオ録音し、また、変換やメッシングなど、全範囲におよぶ新たな音編集の方法を開発しました。構成においても、過去の録音で実験した密度と高調波の歪みを高めたいと考えていました。また、レミー(・キルミスター、Lemmy Kilmister)の引用句のヴァリエイションとして「他のすべてのものよりも密度の高いものすべて」ということを念頭に置いていました。もともとは「他のすべてのものよりもラウドなものすべて」です(註:モーターヘッドに『Everything Louder than Everyone Else』というタイトルのライヴ盤がある)。私が制作の過程で気づいたことは、密度(density)と大きさ(amplitude)に関係性をもたせる必要はないということです。非常に高密度で静かな音楽を創ることが可能であり、その一方で、非常に高密度で激しい音楽を創ることができます。これらの側面がどこまで拡張できるのかを試してみたのですが、この試みはとても実りあるものとなりました。

『Wilderness Of Mirrors』を制作しているときにスワンズ(Swans)の影響を受けたそうですが、この新作にはそのスワンズのノーマン・ウェストバーグ(Norman Westberg)やソー・ハリス(Thor Harris)が参加しています。またザ・ネックス(The Necks)のトニー・バック(Tony Buck)やクリス・アブラハム(Chris Abrahams)も関わっていると聞いています。かれらとはどのように出会ったのですか? また、かれらはこのアルバムでどのような役割を果たしているのでしょう?

LE:私がミュージシャンにアプローチするのは、彼らの音楽作品のなかに非常に特殊なクオリティを耳にしたからです。例えばクリス・アブラハムは、そのプレイのなかに素晴らしいハーモニーのセンスを感じさせます。それは、つねに探求し続けているかのような落ち着かないハーモニーでもあるのですが、その点でクリスの作品はとても魅力的です。同様にソー・ハリスも素晴らしいハーモニーのセンスを持っていますが、それは私のものとは完全に異なるものです。彼は、いままで私が聴いたことのない関連性を音楽に持ち込むマジシャンのようです。ヴァネッサ・トムリンソン(Vanessa Tomlinson)というコラボレイターは、今回のレコードで私にとって未開のゾーンを拓いてくれました。(打楽器の)皮を共鳴させる彼女の能力は、真に強力でとても個性的です。彼らそれぞれが創り出すものがとても個性的であること、それこそが彼らミュージシャンを結びつけるのだと私は考えます。彼らの決意とやる気に感服します。
 より幅広く、コラボレイションというものについてですが、つい先ほど、友人のデヴィッド・トゥープ(David Toop)の、コラボレイションにおける楽観的な感覚についてのポストを読んだところです。コラボレイションが刺戟的であるという彼の意見には同意します。私はつねに作品制作過程で驚きを得たいと感じていましたし、それはまさにコラボレイションがもたらすものです。ノーマン・ウェストバーグやクリス・アブラハムのような、挑戦やアイデアへ反応を示す人びととともに制作すると、率直に深いインスピレイションを得ることができます。

新作は、シカゴ大学の教授ローレン・バラント(Lauren Berlant)の著作からインスパイアされたものだそうですが、その本はどういったことについて書かれているのでしょう?

LE:ローレン・バラントの著書は北米で出版されているなかで最も重要な批判書でしょう。「残酷な楽観主義(Cruel Optimism)」というアイデアは、彼女が理論化したもので、私たちの周りの現象の元となる状況に問いを投げかけるひとつの手段です。バラントの目を通せば、ブレグジット、トランプ、それから地政学的展開の下敷きとなるものなど、あらゆるものを有意義に捉えることができます。私たちは、個人としてまた集合として、日々の満足感と直結しないファンタジーを放棄するのに苦労し続けているということについて、自問するタイミングを逃してきました。現実では、これらのファンタジーはたやすくバリケードとなり、満足感をみつけることを阻害します。

新作『Cruel Optimism』はシリアの情勢やブラック・ライヴズ・マター、UKのEU離脱やUSの大統領選挙などからも刺戟された作品だそうですが、バラントの著作からとられた『残酷な楽観主義』というタイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか?

LE:このレコードに関して言うと、私にとっては、バラントが感情、特にトラウマについて著述した部分が特に印象的でした。一節で、彼女はトラウマについて、「私たちはトラウマを所有できないことを知っていますが、私たち自身がトラウマに所有されているのです」と書いています。このレコードは、現状の永遠に不安定な状態、率直に言うと、私たちの周りの忌まわしい情勢を解き放つ意味があります。オーストラリア政府の難民や亡命希望者に対する扱いは完全に非人間的です。それは私たちが国家として大いに失敗したことを示しており、残念ながらこれらの人びとは政治力の道具として使われています。基本的に、私たちはこのような会話をする機会のたびに、人びとが私やあなたと同じように人間なのだということを思い出さなくてはいけません。彼らは夢を見、息をし、愛し、悲しみます。彼らを持ち物のように追い払うということに、私は反撥や失望を覚えずにはいられません。同じように、私たちは先住民に対する失策を見てきました。拘留中の黒人の死をはじめ、西オーストラリア州で殺されたMs Dhuの最近のビデオ資料にも例を見てとれます。これらは本当に悲惨です。現在、国際的にあまりにも多くの問題がありますが、ひとつ、シリア難民近辺のイメージについて話します。海岸に横たわるAlan Kurdiの遺体、アレッポから届く最近の画像、現在の困難な状況、それらが直接的にまた間接的に、今回のレコードの輪郭を描きました。私はこの永続的な苦痛とトラウマを操縦する術を見つけたかったのです。人びとや自分自身がどのようにこの状況を理解し処理するのかということを解読したかったのです。このレコードは、ナヴィゲイション・デヴァイスであると同時に解答でもあります。

私の希望は、新しい世紀を誕生させることです。それが多大なエネルギーと集中力を要求するとしても、私たちは未来の可能性を再評価し、活力と意志をもって前進しなくてはなりません。

社会や政治の出来事と音楽とは、どのように関わっているとお考えですか?

LE:私は、音楽は政治的だと考えます。聴取は政治的です。芸術は政治的です。緊迫した表現は作品の価値の中心です。音楽に関して言うと、その役割はふた通りあります。まず、私たちが夢中になる機会となることであり、その過程で、私たちが問いかけや諸問題に出会ったときに私たちの思考に異なるはたらきをさせる役割です。電車のなかや夜遅くに音に飲み込まれるような瞬間、そういう個人的な音の鑑賞の機会にあなたの心は開かれ、日常の習慣からあなたをあなた自身へと戻すささやかな時間となると言えるでしょう。私は、日々の習慣に気づくこと、そしてそれを破ることは、私たちのものの見方、経験の仕方を問う機会として、とても価値のあるものだと思います。新たな視点は新たな希望をもたらします。ふたつめは、会話が起こったり問いが練り上げられたりする、連鎖的なポイントとしての役割です。それは、物理的かつ仮想的な集会の場です。このことについて私は、コンサートのセッティングから大いに考えを深めてきました。コンサートができる政治的な環境というのを日に日に意識しています。音楽は、時間や場所、そして音を共有する人びとの集まりという機会を作り出します。音は皆を集合させひとつにしますが、同時に各メンバーに完全に個別の、心理的かつ生理的経験を与えます。これは、社会が集団的なものでありながら個人の経験と表現の臨界に価値を置くという形で機能していることへの、素晴らしい暗喩だと私は感じます。差異のなかでひとつになること。私はこのアイデアを『Cruel Optimism』のライヴ・セットでさらに探求することに興味があります。

ブレグジットや大統領選挙のとき、「善意」あるミュージシャンたち、良心的なアーティストたちが残留を訴えたりクリントンを支持したり、そういう主張をすればするほど逆に下層の人びと、貧しい人びとは反感を増していった、という話を聞いたことがあるのですが、それについてはどう思われますか?

LE:オーストラリア人としては、アメリカ政治への関わりや考えは一歩引いたものとなりますが、現在起きているこの状況は、20世紀から21世紀への重大な移行を象徴していると思います。とても複雑な問題ですが、ローレン・バラントの残酷な楽観主義にも深く関連するものです。未知の将来を前にすると私たちは、そうすることが悪い影響を及ぼすにもかかわらず、既存のものに執着しやすい傾向にあります。プレカリティ(労働や生活の不安定性)の増大、というのがこの問題に関する肝だと考えます。私たちは今後10年、あるいは20年、このプレカリティとともに歩むことになるでしょう。後期資本主義によって増殖したプレカリティと、残された新自由主義の課題は、今後さらに私たちに影響を与えるでしょう。この危機的な状況は全体的であり非常に複雑で、私たちにはとうてい手に負えないようにも感じられますが、私は以前にも増して、私たちが一体何に価値を置くべきなのか自問すること、さらに、私たちが何に価値を置きたいのか、どのようにして権力構造に対してその価値の提示をしていけるのか、という思考への必要性を強く感じています。
 自分の子どもたちを見るとき、私は彼らのなかに未来を見ます。彼ら、そして彼らの未来の子どもたちのために、地球が保持されることを願っています。彼らに耳を傾け、さらには彼らに周りを気にかけるよう促すような倫理機能をもった政治体制を私は望み、影響力のある社会的な場としてコミュニティの可能性を認識したいと思います。私の希望は、新しい世紀を誕生させることです。それが多大なエネルギーと集中力を要求するとしても、私たちは未来の可能性を再評価し、活力と意志をもって前進しなくてはなりません。

最後に、もっとも『Cruel Optimism』を聴いてほしいのは、どのような人びとですか?

LE:制作を終えた後は、この作品と人びとがどのように出会うかということは私の手中にはありません。この作品はすべての人に向けられたものです。この作品が人びとに出会い、影響を残すことを願います。音楽と記憶とには強い結びつきがあり、私はいつも、その関係性が自分の作品にどのように現れるのか、興味深く考えています。

cheers

Carl Craig - ele-king

 いまデトロイトはクラシックを志向しているのだろうか? 先日のジェフ・ミルズに続いて、なんとカール・クレイグまでもがオーケストラとのコラボ作をリリースする。4月28日に日本先行で発売される彼の新作『Versus』には、昨秋デリック・メイをフィーチャーしたアルバムを発表しているフランチェスコ・トリスターノのほか、「スピリチュアル・アドバイザー」なる名目でモーリッツ・フォン・オズワルドも参加している模様。カールとモーリッツのコンビといえば、大胆にカラヤンを解体して再構築してみせた『ReComposed』が思い出されるが、しかし「スピリチュアル・アドバイザー」って何? モーリッツってば、もしかしてスピってるの? これは買って確かめるしかない。

C A R L  C R A I G

クラシック・テクノからモダン・クラシックへ
テクノ史を塗り替えた名曲群がオーケストラで蘇る。
フランチェスコ・トリスターノも参加した
スペシャル・プロジェクトが待望のリリース決定!

 デリック・メイによって見出されデトロイト・テクノ第2世代としてシーンに登場し、様々な名義でテクノ史を塗り替える斬新な作品を世に送り出してきたプロデューサー、カール・クレイグが、オーケストラとコラボし、自身の名曲群を蘇らせたアルバム『Versus』のリリースを発表した。
 本プロジェクトには、新進気鋭の指揮者、フランソワ=グザヴィエ・ロト率いるレ・シエクル・オーケストラとフランチェスコ・トリスターノが参加しているほか、世界で最も長い歴史を持つクラシック・レーベル〈ドイツ・グラモフォン〉の『ReComposed』シリーズでも、カール・クレイグとの強力なタッグを見せたモーリッツ・フォン・オズワルドがスピリチュアル・アドバイザーとして名を連ねている。

 本作の発端となったのは、2008年にパリでおこなわれたコンサートである。カール・クレイグとレ・シエクル・オーケストラとのコラボレーションで、カール・クレイグの名曲“Desire”、“Dominas”、“At Les”、“Technology”、“Darkness”、“Sandstorms”、さらにはスティーヴ・ライヒの“City Life”やブルーノ・マントヴァーニ“Streets”がすべて交響曲として演奏され、2回のスタンディング・オベーションと4回のアンコールが起こるなど、賞賛を浴びた。

 クラブ・カルチャーと伝統音楽の融合は今では真新しいことではないだろう。しかし、これほどまでに見事にふたつが溶け合い、テクノの高揚感とオーケストラの壮大なサウンドスケープが相乗的なシナジーを生み出しているのは、カール・クレイグの秀でた音楽性を証明している。

 カール・クレイグのトラックをオーケストラ用に編曲したのは、クラシックとテクノの両シーンで活躍する天才ピアニスト、フランチェスコ・トリスターノである。トリスターノはこれまでにも、自身のアルバム『Not For Piano』でジェフ・ミルズやデリック・メイ、オウテカのピアノ・カバーを発表するなど、クラシックとダンス・ミュージックを繋ぐキーパーソンとして活躍し、アルバム『Idiosynkrasia』のプロデュースを依頼するなど、カール・クレイグとも親交が深い。本作では、編曲のほか、自身のオリジナル曲も2曲(“Barcelona Trist”、“The Melody”)提供している。また2008年のコンサートで、フランチェスコ・トリスターノとともにステージに加わったモーリッツ・フォン・オズワルドもスピリチュアル・アドバイザーの肩書きで本作に貢献している。

 『Versus』は、変形、再融合、再解釈のアプローチを通じて、カール・クレイグがまったく新しい表現方法を追求する意欲的なプロジェクトである。

重要なのはオーディエンスの概念を変えることや人々を驚かせることだけじゃなくて、音楽について、そして世界における音楽の位置づけとオーディエンスについての型通りの考えを吹き飛ばすことだ。煽動するんじゃなくて、新鮮で新しい議論によってね。
- Carl Craig

エレクトロニックとクラシックのコラボレーションは数多くあったが、これは本当の意味で、精神と精神の音楽的出会いだ。我々が目指したのはオーケストラのアレンジをエレクトロニックの派手さで装飾するのではなく、異なるジャンルの間で会話を生み出すことだった。
- Francois-Xavier Roth

音楽とは整理された音にすぎないということを、もうずっと前にジョン・ケージが教えてくれた。第一にピアノとは装置であり、音の源のひとつであり、ぼくがそれを使う方法はテクノの作曲方法に明らかな影響を受けている。
- Francesco Tristano

 カール・クレイグ注目の最新作『Versus』は、4月28日(金)日本先行リリース! iTunesでアルバムを予約すると収録曲“Sandstorms”がいちはやくダウンロードできる。

label: INFINÉ / PLANET E / BEAT RECORDS
artist: CARL CRAIG ― カール・クレイグ
title: Versus ― ヴァーサス
release date: 2017.04.28 FRI ON SALE

国内盤CD BRC-546 定価 ¥2,200(+税)
国内盤特典:ボーナストラック追加収録 / 解説付

special talk : Unknown Mortal Orchestra × Tempalay - ele-king


Unknown Mortal Orchestra
Multi-Love
Jagjaguwar / ホステス

Indie Rock

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Tempalay
5曲
Pヴァイン

Indie Rock

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 去る2月27日。US屈指のサイケデリック・ポップ・バンド、アンノウン・モータル・オーケストラの来日公演が開催されました。当日フロント・アクトを務めた若き日本のバンド、Tempalay(テンパレイ)は、まさにそのUMOに刺戟されてバンドをスタートさせたという経緯があります。となれば、これはもう対面していただくしかないでしょう! というわけで急遽、渋谷 duo MUSIC EXCHANGE の楽屋にて特別対談を敢行しました。以下がその記録です。夢の邂逅をどうぞお楽しみください。

僕たちはUMOを知ってから、3人でもこういうサイケみたいな音楽ができるってことに気がついて、やってみたいと思ったんです。 (竹内)

ルーバン・ニールソン(Ruban Nielson、以下RN):今回のイベンターが「Tempalayも前座に入れていい?」って連絡してきた時に、前座のバンド全部を聴いてみたけど、Tempalayがいちばん良かったよ。

Tempalay:うわー!!!

小原綾斗(ギター。以下、小原):センキュー! あははは(笑)。

RN:他のバンドとは明らかに違ったからね。

竹内祐也(ベース。以下、竹内):僕らはアンノウン・モータル・オーケストラ(以下、UMO)が好きでTempalayというバンドをはじめたんですけど、最初に作った曲(“Band The Flower”)を聴いてもらってもいいですか?

RN:オーケイ、もちろんいいよ。

小原:“FFunny FFrends”をパクってます。(と言いながらスマホで曲をかける)

RN:(流れた曲を聴きながら)うわあ! 2年前に俺の友だちが「日本人のバンドで“FFunny FFrends”みたいな曲を書いたヤツらがいるよ」と言って送ってきた曲を聴いていて、その時はTempalayの曲だってことを知らなかったけど、今初めて気づいたよ(笑)。

竹内:ウソだ(笑)! なんでなんで?

(一同笑)

小原:スゲえ……

RN:ニュージーランドの友だちはどうやって見つけたのかはわからないけど送ってきてくれて、すごくカッコいいと話していたんだ。教えてくれてありがとう(笑)。ドラムの音が素晴らしいね。これは2年前に作ったの?

竹内:そうそう。たぶん2年前ですね。

RN:いいね。クールだよ。これからまたアメリカに来る予定はある?

竹内:去年は行ったんですけど、これから先に行く予定は決まってないので、連れて行ってください(笑)。

RN:オーケイ、もちろん。本当にカッコいいよ。

竹内:僕たちはUMOを知ってから、3人でもこういうサイケみたいな音楽ができるってことに気がついて、やってみたいと思ったんです。ミント・チックス(The Mint Chicks)からUMOになった時に、3人でそういう音楽をやろうと思った理由はあるんですか?

RN:今のバンドはすごく長い期間をかけてどんどん形になっているような感じなんだ。これはよく知られていることかもしれないけど、最初は俺しか曲を書いていなくて、それをネットに上げたらいろんなブログが載せてくれたんだ。それで、当時は『ピッチフォーク』が「いろんなブログを見て、新しい音楽を見つけよう」という感じで、たまたま取り上げてくれたんだよね。そしたら一気にいろんな人たちやレーベルから連絡が来たんだ。その頃はジェイク(・ポートレイト)と俺の弟と一緒に仕事をしていたんだけど、パソコンで「『ピッチフォーク』に載っているこれ、俺なんだけど」って見せたら、「お前バンドやってるなんて言わなかったじゃん!」って言われて。「誰にも言ってないんだよ」と言ったら、「お前のバンドはあるの? ないなら組む?」という話になって、それがジェイクとバンドを組むきっかけだったんだ。そこからレーベルとも契約して、ライヴ・ツアーにたくさん行ったらどうなるか見てみようと思ってUMOを始めたんだよ。ジェイクはいまだに一緒にやっているけど、これだけツアーをやっているとドラマーがみんな疲れて辞めていっちゃうんだよね(笑)。アンバー(・ベイカー)という新しく加わったメンバーが5人目のメンバーかな。

藤本夏樹(ドラム。以下、藤本):えっ、あの女性の方ですか?

通訳:女性の方ですね。

Tempalay:へえー!

RN:今はキーボードのクインシー(・マクラリー)が加わって4人組なんだ。

藤本:ホイットニー(Whitney)のドラマーは?

通訳:ホイットニーのジュリアン(・エーリック)は(UMOの)最初のドラマーですね。

RN:できれば今の4人組が最終形態になればいいと思っているよ。ただ自分のバンドにいろいろな人が加わって、それぞれが別のバンドを組むというのも面白いと思うんだ。いま話したジュリアンがやっているホイットニーとは一緒にツアーを回ったし、前のドラマーのライリー(・ギア)はもう新しいバンドを始めているし、そういう流れも面白いと思うよ。

小原:“FFunny FFrends”が、最初に作ってSoundCloudに上げた曲ですか?

RN:そうだよ。

竹内:そうかー。じゃあ今の4人だったら、ルーバンがやりたいと思っていることが実現可能なのでしょうか?

RN:そうだね。多分実現できると思っているし、彼らと一緒にバンドをできていることは本当に恵まれていると思っているよ。俺は自分の曲をただ演奏してくれるだけのバック・バンドは嫌で、メンバーそれぞれが自分のアイデアを持ち込んだり、特にライヴの時に自分の特徴を出してくれたりするような人が欲しかったんだ。(今のメンバーは)それぞれそういうことをやってくれるし、普通のバンドよりメンバー間で音の交流をいつもやっているから、本当に恵まれていると思う。

小原:(ルーバンが着ているシャツを見て)ちなみに『ストレンジャー・シングス』(ネットフリックスで公開されているテレビドラマ)が好きなんですか?

RN:ああ、そうだね(笑)。自分を気持ちよくさせてくれるようなTシャツを着たいと思っているんだけど、『ストレンジャー・シングス』を観た後に興奮して、eBayで買ったよ(笑)。(小原の着ているTシャツを見て)君が着ているのはコミックの方の『キリング・ジョーク』のジャケットに似ているよね。

小原:『キリング・ジョーク』大好きです、はい(笑)。ところで、今まで聴いて育った音楽とか、影響された音楽についてお訊きしたいですね。

RN:俺の父親がジャズのミュージシャンだったから、小さい頃からジャズやラテンの音楽を聴いていたね。その父親の影響でマイルス・デイヴィスやスティーヴィー・ワンダーとかを聴くようになったんだ。若い頃はよく東海岸のヒップホップが好きで聴いていて、特にウータン・クランはすごく好きだったね。UMOはビートルズから影響を受けていると思われることが多いんだけど、19、20歳くらいまで(ビートルズを)聴いたことがなかったんだ。だから、どちらかと言うと(ビートルズは)自分としては「新しいバンド」という感覚で聴いているんだよね。あとは昔のパンクものでバズコックスとか、ポストパンクのワイヤー、ギャング・オブ・フォー、PiL、ラモーンズとか、あの辺りはぜんぶ聴いていたね。このバンドを始める時はその要素をごちゃまぜにしたような感覚でやっていたよ。

小原:逆に最近聴いている音楽はなんですか?

RN:最近はサンダーキャットが好きだね。

竹内:ああ、最高。サンダーキャットはヤバいですよね。

小原:“Tokyo”って曲があるじゃないですか。

RN:あるね! その新しい曲の歌詞のなかに、歯医者へ行ったら悟空の人形のおもちゃがあって、その悟空のせいで人生が狂った、みたいなことが書いてあったね(笑)。

小原:サンダーキャットさんとは繋がりがあるんですか?

RN:LAのケンドリック(・ラマー)とも繋がりがあるようなジャズ・ミュージシャンは好きなんだ。カマシ・ワシントンとサンダーキャットは、自分たちが出たフェスで俺らの演奏が終わった後に楽屋に来てくれて、そこにはフライング・ロータスもいて、それまで彼らとは会ったことがなかったけど彼らの音楽は大好きだったから、思わず興奮してしまったね(笑)。そこで一緒にハッパを吸って楽しんだんだけど(笑)、そこから仲良くなったんだ。もしかしたら俺たちがこれから作るアルバムで、サンダーキャットに1曲参加してもらえないか提案するかもしれないんだよね。

竹内:特ダネじゃないですか。

RN:俺は10代の頃から音楽オタク並みにいろんな音楽を追っていたんだけど、今は自分が音楽を作る側になったのと、常に音楽に囲まれた生活になっていることもあって、あえて新しい音楽を無視することもよくあるんだ。ひとりの人間が「新しい」と呼ばれているものを発見するまでって時間がかかると思うんだよね。だから自然と友だちのバンドの音楽を聴くことが多くなっている。テーム・インパラ、マック・デマルコ、コナン・モカシンといった自分と繋がっている人たちの音楽を聴くことのほうが多いかな。ただLAのサイケ・シーンとかヴァイナル・ウィリアムス、モーガン・デルト、あとはダーティ・プロジェクターズなんかも好きなんだけどね。発見するまで時間がかかるようになったね。

小原:モーガン・デルト大好きです。

RN:そうなんだ。年越し(ライヴ)を一緒にやったよ。

竹内:インディペンデント(サン・フランシスコのライヴ・ハウス)でですか?

RN:そうだね。

竹内:去年SXSWでTempalayのライヴをした時に、インディペンデントへ行きましたよ。

RN:本当? いいね。昔KING BROTHERSと一緒にツアーをしたときに「すげえ」って言葉を教えてもらったり、ギターウルフと4、5回一緒にやったりしたね(笑)。

小原:ところで、レコーディングはハッパを吸いながらやるという記事を読んだことがあるんですが……

RN:いや、食べるほうが多いね。そのほうがゆっくりキマるし。

(一同笑)

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オタク並みに色んな調整を追求していくのもいいんだけど、行き過ぎるのはあまり良くないってことだね。大切なのは正しく演奏するということで、それを忘れちゃいけないんだ。 (ルーバン)

小原:ひとつ発見したことがあるんですけど、UMOの“From The Sun”という曲は、逆再生しても同じように曲が流れますよね?

RN:え、本当? 気づかなかったよ(笑)! いいね、今度試してみたいな。

小原:これです。(“From The Sun”の逆再生ヴァージョンをかける)

RN:これが逆再生? ははは(笑)。戻ったら自分でもやってみるよ。どうして逆回転することになったのかわからないね(笑)。

小原:たまたまです(笑)。ところで僕はルーバンのギターの音が大好きなので、ルーバンのあのギターの音を出してみたいです。

RN:ありがとう! (小原持参のギターを指しながら)このギターはたぶん合うと思うよ。僕がよくやっているのは……(ギターを弾きながら)アドナインスコード、メジャーコードだね。あとはこんな感じでマイナーのコード。今のが俺の音のすべてだね(笑)! 君なら全部できるよ(笑)!

小原:センキュー! キマります(笑)。

RN:あとはこんな感じでネックとボディをプッシュして……

竹内:たしかに映像で見たことあります。プッシュするのはネック? ボディ?

RN:その両方だね。ネックとボディをプッシュするんだ。

小原:(弾きながら)これけっこう力いるな……

RN:俺は慣れちゃっているからわからないけど、そんなに力はいらないよ。立っているほうがやりやすいと思う。

小原:ギターがかわいそうなんですけど……

RN:俺はいつも半音下げのチューニングで弾いているんだけど、弦のテンションが下がっているからよりやりやすいんだと思う。ジミ・ヘンドリックスのチューニングだね。

小原:ああー。ジミ・ヘンドリックス大好きです。サンキュー。後でギターを見せてもらってもいいですか?

RN:もちろんいいよ。

小原:僕は以前ニューヨークで、まだ3人でやっている頃のUMOを見たんですよ。その時にエフェクター・ペダルをパチパチやっていて……

RN:今はちょっと入れ替わったものを使っているんだよね。

小原:自分で(エフェクターを)作っている?

RN:そうだね。

小原:(自作エフェクターを)ください(笑)。

RN:じゃあアメリカでツアーを一緒に回った時に、かな。(笑)

Tempalay:うおーい!!!

小原:スゲー、スゲー! センキュー!

RN:俺らを見たのはどこの会場か覚えている?

小原:ブルックリンのウィリアムズバーグ・ミュージックですね。でも対バンがいなくて、DJなどの出演者が多いイベントでした。

RN:自分でもあまり思い出せないな……

小原:3ピースでしたね。『II』のアコースティック・ヴァージョンみたいな青いジャケのEP(『ブルー・レコード』)があるんですけど、そのツアーの時でしたね。

RN:ああ、思い出したよ。

小原:僕は涙しました。

RN:本当に? 僕も泣いたよ。

Tempalay:ははは(笑)。

竹内:音源のローファイな質感をライヴでそのまま再現するのは難しいと思うんですけど、ライヴの時はどんな質感の音を出したいと思っていますか? ライヴだからダイナミクスをつけるとか、そういう意識はしているんですか?

RN:ライヴではなるべくライヴなりの音に変えようと思っていて、特にヴォーカルを歪ませるということをすごく意識している。ジェイクとオタク並みに話し込むことがよくあるんだけど、プリアンプを多めに使うことがあるね。プリアンプを通すことによってヴォーカルの歪みをもらってよりアナログ的な音にする、ということをやっているよ。(バンドを)長く続けていて機材にお金をつぎ込めるようになってきたから、プリアンプの量を増やしたりすることができるようになってきていて、今よく使っているのはJHS 500シリーズのニーヴ(Neve)・コンソールという種類のペダルで、それを通すことで独特の歪みを作っているんだ。

小原:メモりたい(笑)。

竹内:こんなに教えてくれるとは思わなかったね。ライヴではヴォーカルの音にいちばん気をつけているということですか?

RN:そうだね。でもヴォーカルだけじゃなくて、みんな音全体に気を使っている部分もあるし、自分もギターのペダルは時間をかけて調整しているよ。たとえば今回のツアーのシンセサイザーは、アルバムで実際に使ったものを持ってきているんだ。コルグの700とか、ローランドのRS-9とか昔のアナログ・シンセなんだけど、それを自分で少し改造して使っている。本当は昔のフェンダー・ローズなんかを持ち運べれば最高なんだけど、それはまだ現実的じゃないね。ジェイクもずっとベースの音を調整しているし、みんなそれぞれ音に気を使ってつねに改善しようとしているよ。ただ、ヴォーカルはアンプを通していないから、プリアンプを使うことで調整しやすいということがあるかな。

無意識で舞い降りてくるようなものがいちばんいいアイデアだったりするから、そういうところを解放してあげるといいんじゃないかな。意識的に何かをやろうとするとうまくいかないよね。 (ルーバン)

RN:初めてアンバーとライヴをやったのがカナダのフェスだったんだ。もちろん彼女は俺たちの作品を聴いていたけど、その直前に数時間しか練習する時間がなくてね。しかも会場に行ったら機材が全部届いていなくて、自分たちの機材がない状態だったんだ。それで、前の出番のバンドの(ドラム・)ペダルだけ変えたり、自分も人からギターを借りたり、全員知らない人たちの楽器を弾いたんだ。シンセも小さいデジタルのものだったし、その場でやらなくちゃいけなかったんだけど、そのライヴがすごく楽しかったんだよね。つまり言いたいのは、オタク並みに色んな調整を追求していくのもいいんだけど、行き過ぎるのはあまり良くないってことだね。大切なのは正しく演奏するということで、それを忘れちゃいけないんだ。

竹内:いいこと言うねえ。

小原:エフェクターの回路についてアドヴァイスが欲しいです。

RN:まずディストーションを最初に置いて、真ん中は空間系のリヴァーブとディレイ、モジュレーター系は最後のほうに持っていくのがいいかな。一般的にはそういった構成が多いよね。

小原:じゃあ意外とスタンダードなんですね。

RN:そうだね。

小原:サンキュー。曲作りのアドヴァイスもいただけたら嬉しいです。UMOの曲の作り方、知りたいです。

RN:そうだなあ。ある本を読んだんだけど、自分にとっていちばん大切なライヴで悪い演奏をしてしまって、誰もいないようなド田舎での10人くらいのライヴでいちばんベストなライヴができたという話が書いてあったんだ。ライヴでも曲作りでも、意識的に気にしないということがすごく大切なことだと思う。今まで学んできたことや培ってきたさまざまな技術があると思うんだけど、ある意味それに無関心でいるというか、それを気にしてしまって何かを表現しようとすると自分のエゴが出てきてしまうから、そういうような曲を書いていたら良いものは生まれないと思う。たぶん、無意識で舞い降りてくるようなものがいちばんいいアイデアだったりするから、そういうところを解放してあげるといいんじゃないかな。意識的に何かをやろうとするとうまくいかないよね。それは作曲においても当てはまるんじゃないかな。

竹内:いいこと言うなあ。

小原:お酒は好きですか?

RN:ああ、今もけっこう二日酔いだよ。

Tempalay:ははは(笑)。

RN:お酒はよく飲むんだ。でも、アンバーはまだ24歳でバンドでいちばん若いんだけど、彼女は他の誰よりも飲むんだよね。彼女の出身地のケンタッキー州はバーボン発祥の地だからね(笑)。自分たちもけっこう飲んだくれだと思っていたんだけど、彼女はもっとタフなんだ(笑)。ちなみに昨日の夜はロボットレストランに行ってきたよ。

竹内:おおー。2年くらい前にも行っていたよね?

RN:2年前はロボットレストラン自体には入っていなくて、その近くまで行って写真を撮ったんだ。実際には行かなかったんだよね。それを想像で曲にしたんだ(笑)。今回行ったのが初めてだったね。

小原:想像なんだ(笑)。

RN:でも今回は楽しかったよ。

小原:じゃあライヴの後に乾杯しましょう。

RN:おお、いいね!

小原:センキュー! 最後にサインを貰ってもいいですか?

RN:たぶん来年の後半にツアーをするから、もし本当に一緒に回るならちゃんと話したほうがいいよね。

竹内:本当?

RN:ああ、本気だよ。

小原:センキュー!

RN:いい出会いだね。(ペンを渡されて)ギターに書こうか(笑)?

竹内:それ、めっちゃ嬉しいじゃん。

小原:好きなところに書いてください。たくさん絵を描いて!

竹内:イタリアの古いビザール・ギターなんだよね。

RN:クールだね。これ好きだよ。

竹内:ルーバンはライヴ前に飲まないんですか?

RN:俺はいつもステージで(酒を)飲んでいるよ。感覚を忘れないようにね(笑)。

Tempalay:ははは(笑)。

RN:(ギターを渡して)これでいいかな?

小原:センキュー! やったぜ。

【イベント情報】

●3/18 (土) 東京 渋谷WWW
Tempalay『5曲』リリース・パーティ & Jerry Paper来日東京公演
OPEN 18:00 / START 18:30
TICKET: adv. ¥3,500 (D別) / door. ¥4,000 (D別)
LIVE: Tempalay / Jerry Paper (from LA) / ドミコ (OA)

※各プレイガイドにてチケット発売開始

●3/26 (日) 大阪 アメリカ村CLAPPER
Tempalay『5曲』リリース・パーティ & not forget pleasure4
OPEN 17:00 / START 17:30
TICKET: adv. ¥2,500 (D別) / door. ¥3,500 (D別)
LIVE: Tempalay / オオサカズ / Klan Aileen / DIALUCK

※各プレイガイドにてチケット発売開始

【リリース情報】

Tempalay
New EP 『5曲』
Release: 2017.02.15
PCD-4549
¥1,500+税
https://p-vine.jp/music/pcd-4549

[Track list]
1. New York City
2. Austin Town
3. ZOMBIE-SONG feat. REATMO
4. CHICAGO in the BED
5. San Francisco


Unknown Mortal Orchestra
Multi-Love
Jagjaguwar / ホステス

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Tempalay
5曲
Pヴァイン

Indie Rock

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Coldcut × On-U Sound - ele-king

 これは事件です。サンプリング・ミュージックのパイオニアにして〈Ninja Tune〉の設立者であるコールドカットと、UKダブの巨匠にして〈On-U Sound〉の創始者であるエイドリアン・シャーウッドがコラボしました。これは昂奮します。夢の共演とはまさにこのこと。もはや説明不要のこの二組は、Coldcut x ON-U Sound という名義で5月19日にアルバム『Outside The Echo Chamber』をリリース。現在、リー・ペリーやジュニア・リードをフィーチャーしたトラック“Divide And Rule”が先行公開されています。これは昂奮します。


Coldcut x On-U Sound

ヒップホップとレゲエのスピリットをUKに持ち込み
その後の音楽シーンを一変させた先駆者がまさかのコラボ!
歴史的アルバム『Outside The Echo Chamber』から
リー・スクラッチ・ペリー参加曲“Divide and Rule”を公開!

コールドカットのマッシュアップは〈ON-U〉からヒントを得たんだ。
〈ON-U〉がなければ〈Ninja Tune〉も存在していなかったよ。
- Matt Black (Coldcut)

サンプリング・カルチャーのパイオニアにして〈Ninja Tune〉を主宰するコールドカットと、UKにおけるダブ/ポストパンク勃興の象徴にして、〈ON-U Sound〉を主宰するエイドリアン・シャーウッドが、驚きのコラボ・アルバム『Outside The Echo Chamber』を発表し、リー・スクラッチ・ペリー、ジュニア・リード、エラン・アティアスが参加した新曲“Divide and Rule”を公開した。

Coldcut x On-U Sound - 'Divide and Rule feat. Lee ‘Scratch’ Perry, Junior Reid and Elan'
https://www.youtube.com/watch?v=t1HtUqJ4zSk

10曲のオリジナル楽曲に加え(国内盤にはさらに1曲を追加収録)、6曲のダブ・ヴァージョンを収録した今作には、リー・スクラッチ・ペリー、ジュニア・リードのほか、ルーツ・マヌーヴァやチェジデック、セシル、メジャー・レイザーのメンバーとしても活躍したスウィッチの新たなプロデューサー・コレクティヴであるウィズ・ユー、トドラT、など、グローバルなミュージシャンやヴォーカリストが集結し、ロンドン、ラムズゲート、ジャマイカ、ロサンゼルスでレコーディングされている。

ジャマイカ移民が持ち込んだサウンドシステム・カルチャーによって、1960年代から徐々にUKに根付き始めたレゲエ・ミュージックは、ザ・クラッシュのジョー・ストラマーやセックス・ピストルズのジョン・ライドンらパンクスたちの心を掴んだことによって、70年代後半以降の音楽シーンに大きな影響を及ぼしたことはよく知られている。当時の社会情勢に対する反抗的な姿勢ともリンクした大きなうねりの中で、その象徴的存在だったのが、エイドリアン・シャーウッドが1981年に立ち上げた〈ON-U Sound〉だった。エイドリアンは、その輝かしいキャリアの中で、ザ・スリッツのアリ・アップやポップ・グループを率いるマーク・スチュワート、PiLのキース・レヴィンらが集結したニュー・エイジ・ステッパーズをプロデュースするなど、当時のパンク/ポストパンク・バンドとジャマイカの伝説的アーティストを繋ぐ重要なキーマンとしての役割を果たしている。このムーヴメントはいっときのトレンドでその役目を終えることなく、マッシヴ・アタックの登場をはじめ、その後の音楽シーンに様々な痕跡を残している。

この重要な時代の節目を肌で感じながら、エイドリアン・シャーウッドとはまた違う歩みを辿り、UKシーンのその後の発展に多大な影響を及ぼしたのが、コールドカットである。ターンテーブルのみで制作した87年リリースのデビュー曲“Say Kids, What Time Is It?”はその画期的なサンプリング手法が世界に衝撃を与え、同年リリースされたエリックB&ラキムのリミックス“Paid in Full (Seven Minutes Of Madsnes - Coldcut Remix)”によって、一気にその名を轟かせる。彼らはラップをレイヴァーたちに紹介し、またヒップホップとアシッド・ハウスを融合し、エレクトロニカやブレイクビーツといったより多様性のある分野で先駆的存在となった。90年代には〈Ninja Tune〉を設立し、〈Mo’ Wax〉主宰のジェームス・ラヴェルや、DJシャドウらとともにトリップ・ホップやアブストラクト・ヒップホップと名付けられたムーヴメントの礎を築いていく。

ダブ、ロック、レゲエ、ダンス・ミュージックを独自のアプローチで融合させ、革新的なサウンドを追求していたエイドリアン・シャーウッドは、80年代中盤に入ると〈Tommy Boy Records〉と親交を深める中で、メリー・メルやKRS-1が活躍し、絶頂期にあった当時のNYブロンクスのヒップホップ・シーンを目の当たりにする。その時期に出会ったタックヘッドのスキップ・マクドナルドとダグ・ウィンビッシュは、ヒップホップ・レーベル〈Sugar Hill〉のハウスバンドのメンバーであり、グランドマスター・フラッシュの“The Message”や“White Lines”といったヒップホップの金字塔のリズム・セクションを担当しており、〈ON-U Sound〉の長年のコラボレーターとなった。

レゲエとヒップホップのスピリットをUKに持ち込み、それぞれが独自のキャリアを重ねるなか、型破りな姿勢で繋がっているこの両者のコラボレートは、その気になればいつでも実現する可能性があった。しかしコールドカットが今年デビュー30周年を、〈ON-U Sound〉が昨年35周年を迎え、混乱の政治情勢が続くこの2017年は、彼らがコラボレートし、音楽史にまた新たな歴史を刻むにはこれ以上ないタイミングとも言えるだろう。

コールドカットが〈Ninja Tune〉設立以前に立ち上げたレーベル〈Ahead Of Our Time〉からリリースされるコールドカットと〈ON-U Sound〉のスペシャル・コラボ・アルバム『Outside The Echo Chamber』は、5月19日(金)世界同時リリース! 国内盤にはボーナス・トラック“Beat Your Chest feat. Roots Manuva”を追加収録し、国内盤限定のスリーヴケースとコールドカットのジョン・モア、マット・ブラック、そしてエイドリアン・シャーウッドの3人が、彼らの出会いや、パンク、ポストパンク、レゲエ、ヒップホップなどそれぞれの音楽的背景を語ったスペシャル・インタヴューを掲載したスペシャル・ブックレットが封入される。iTunesでアルバムを予約すると公開された“Divide and Rule feat. Lee ‘Scratch’ Perry, Junior Reid and Elan”がいちはやくダウンロードできる。

label: Ahead Of Our Time / Beat Records
artist: Coldcut x ON-U Sound
title: Outside The Echo Chamber

cat no.: BRC-548
release date: 2017/05/19 FRI ON SALE
国内盤CD: スリーヴケース+スペシャル・ブックレット付き
ボーナス・トラック追加収録 / 解説書封入
定価: ¥2,400+税

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beatkart: https://shop.beatink.com/shopdetail/000000002154
iTunes Store: https://apple.co/2mHpzbZ

[TRACKLISTING]
01. Vitals feat. Roots Manuva
02. Metro
03. Everyday Another Sanction feat. Chezidek
04. Make Up Your Mind feat. Ce’Cile
05. Aztec Riddim
06. Kajra Mohobbat Wala feat. Hamsika Iyer
07. Divide and Rule feat. Lee ‘Scratch’ Perry, Junior Reid and Elan
08. Make Up Your Mind feat. Elan
09. Robbery feat. Rholin X
10. Livid Hip Hop
11. Beat Your Chest feat. Roots Manuva *Bonus Track for Japan
12. Vitals feat. Roots Manuva (Dub)
13. Everyday Another Sanction feat. Chezidek (Dub)
14. Make Up Your Mind feat. Ce’Cile (Dub)
15. Kajra Mohobbat Wala feat. Hamsika Iyer (Dub)
16. Divide and Rule feat. Lee ‘Scratch’ Perry, Junior Reid and Elan (Dub)
17. Robbery feat. Rholin X (Dub)

 アンダーグラウンド・ミュージックとテクノが好きで、ネットからは見えない世界がどれだけ豊穣かを知りたくて、東京に住んでいながらbonoboに行ったことのない人はこの機会にどうぞ。2017年3月18日土曜日、同所にて第4次ヒロポンFEVERが開催されます。
 レーベルacting pressをベルリンで主催するPLO Man、韓国拠点のミステリアスなトラックメーカ−、S.O.N.S.、KO SAITO、MARI SAKURAIらが出演。
 bonobo名物、畳ラウンジ、そして、アンビエントスペースのなかではdiscogs市場のおかしさ、資本主義の無益性、などを話し合うそうです。
 真夜中、酒をがばがば飲みながらdiscogsを見ていて、翌日目が醒めたらPAYPALで何枚も買ってしまっていた……という苦い経験はレコードファンならありますよね。もう止めようもう止めようと思いながら、見覚えのないレコードが海外から到着したときの恐怖……ホント、どこまで金を吸い取られるんでしょうか。勘弁して欲しいです。

 2月某日、筆者自宅には僕を筆頭にいつものダメな3人が集っていた。しかしこの日は悪巧みではなく、エンドンの新譜、『スルー・ザ・ミラー』のプロモーションを意図したインタヴュー、という名目であった。リリックを書かないヴォーカリストでありながらスポークスマンとしてバンドとシーンを引率する那倉太一(兄)、楽器を演奏しないプレイヤーでありながら文筆家としてバンドの言語を伝える那倉悦生(弟)。僕にとってこの兄弟がエンドンというバンドの特異性、異常性を象徴しているからこそ、今回のインタヴューに相応しいと呼び出したわけだ。

 というのはあくまでも言い訳に過ぎず、以下のお喋りは極度に繊細ないい歳こいた男子の戯言である。エンドンは都内を拠点としながら、ヨーロッパでのルフ・フェスティヴァルへの出演や、幾度となく行うアメリカ・ツアーなど、グローバルに活動する非常にうるっさいバンドである。フリージャズの即興性と瞬発力を骨組みとしながら構築されたメンバーの高い技術力と経験から生み出される“情報過多”なロックンロールは現在の東京、もとい日本の究極体現音楽である。彼らの最新作、『スルー・ザ・ミラー』は言語化するのも馬鹿馬鹿しいほど(仕事放棄)素晴らしい。病的に過剰な密度で構成されながらも、罪深いほどにわかりやすいレコードである。以下は人生においてクソの役にも立たないプライドや拘りに葛藤し、それでもなにかを生み出そうとするクズ男子の女子会である。


兄がセンターで弟が左端。

俺:エンドンの音楽、とくに今回の『スルー・ザ・ミラー』は顕著な気がするけど、感傷的であるほど真価が聴ける気がするよね。

兄:感傷的になって自分たちの曲聴いたことないからわかんないけど、幻想だとしてもそういうことはあるかもね。

俺:いや100%幻想なんだけど。

兄:やっぱりそういう偏りがある人間がやったり聴いたりするっていうバイアスは当然あるよね。

俺:歳食ってくなかでなるべく音楽への幻想を捨てようって思いが強くなるんだけど結局あきらめきれない。でも今回のアルバムがいいなって思うのは、幻想を抱かずとも正当に評価できるものに仕上がってるからかな。

兄:同じ幻想向けるんでも、アイドルに流れていってるっていう感じはするんだよね。結局は演者が醜くない形をしてることっていうのはすごい強い作用があると。黒いメタルのシャツきた臭くて太った俺たちが好きな曲を自分たちみたいな醜いヤツがやってるか、少女がやってるかでオーディエンスでいるときの自分たちの気持ちは全然違うでしょ。アイドルにそういった中二病的なものを投影するっていうのは結構みんなやってるっていうか。可愛いだけじゃないってのはあるよね。バンド辞めた人たちがそういうのですごいモッシュするとかっていう現場もあるんじゃない?

俺:アイドルわかんないんだけど例えば?

弟:怪我をしてるとかね。包帯巻いてるみたいな。

兄:衣装としてそういうのもあるんだけども、曲としてもね。だからメタルとかも本当そうだと思うよ。メタルのキメを楽しむ現場でいちばん機能してるのはアイドルなんだと思う。

弟:アイドルは商品だから、バカになって恥ずかしげもなくキメを楽しめる。

兄:商品って言い方ももちろん可能だけど、実際アイドルっていまいちばん同一視しやすい勇者だと思うんだよね。圧倒的に男も女も女の子が頑張る姿の方が同一視しやすいと思うんだよね。

俺:キメって具体的に?

兄:メタルのアレンジのなかでの決まりごとだよ。そういうのってみんなマトモだったりお洒落な大人になろうとしたら置いていくものじゃん? 中二病的なそれを誰かが代行してくれる。エージェンシーだよね。それを少女に代わりにやってもらうというのは最高なんじゃないかな。

俺:それは的を得てる気がする……

兄:うちの曲で、“パリサイド・エージェント・サーヴィス(PARRICIDE AGENT SERVICE)”、『親殺し代行業』っていうタイトルなんだけど、音楽性としてもキャラクターとしても「代わりにやってくれてる」って思われるような。手が汚れてて、ガキで、不必要にウルサイ音楽を代わりにやってくれるひとに思われたかったというか。

俺:そういうバンドは一杯いて、エンドンは違う気が。

兄:いるけど狭いじゃない? 共振作用が。

俺:エンドンの共振作用の広さってのは、単純に音楽的背景の違いかな。

兄:曲がいいって言えよ(笑)。

俺:GodCity Studio(コンヴァージ/Convergeのギタリスト、カート・バルーのスタジオ)で録ったってことがこのアルバムにはかなり作用してるよね。

兄:そりゃもう(苦笑)。結局のところ、ハードコア化させてもらえたかもしれないよね(笑)。

弟:時間がなかったのもあるかもしれないけど、ノイズの位置が定位されてて、アツオさんにやってもらったみたいに(前作『MAMA』はボリスのアツオ氏によるプロデュース)音量をボコボコさせたり、右行ったり左行ったりしてなくて。今回は編集の段階でノー・エフェクトだし、俺のノイズなんか定位でずっと鳴ってて。ノイズの勝手に暴れてくれる制御不能性の古き良き“手に負えない”ノイズじゃなくて、楽器としてアレンジの地図の中にポンと置けているってことはポイントだと思う。

俺:ギミックがないわけだ。

兄:全くない。カートは仕事の特性としても自己完結させないタイプだし、プロデューサーがいないことの効果があるね。でもいわゆるボストン・ハードコアの音っていうか、DCハードコアの音のテイストは感じるよね。

俺:めちゃめちゃ感じる。

兄:で、その相性の良さを調整したのは、ギターという楽器を扱う人間達なんだと思った。スキルというか、コウキ(ギタリスト)がカートと対等にやれる人間だってのはスタジオで見ててすごく思った。カートもギターを録ってるとき楽しそうでよかった。

俺:表現行為は無が有となる変換行為だと思ってて、その変換行為中だけは自意識から解放されるっていうか、忘我だよね。『スルー・ザ・ミラー』じゃないけど鏡に映る自分を消滅させたい欲望みたいなもの? が表現行為に繋がるのかなって思ったんだけど。

兄:そこに関しては俺はスパっとあきらめがあって、もう全ては自己愛っていう立場。だから『スルー・ザ・ミラー』っていうのは現実には起こり得ないこと。鏡の向こう側はあるけど行けない、「現実そのもの」なんじゃないかな。

弟:鏡に映ってるのは自分の像で、その像は死んでて、自分じゃないものに自分が投影されてるから自分が盗まれてるっていう気分になって、それで、あれも私、これも私、でも全部私じゃないっていう気分になってしまって、それを解決するのが法としての言葉ってことになってるんだけど。『スルー・ザ・ミラー』だとメタ的な解決の法は現れない。

兄:『スルー・ザ・ミラー』ってタイトルを俺は「自己愛を超えるというフィクション」、ありえない、起こり得ないことという意味で使ってる。
昔のミッキーで「スルー・ザ・ミラー」ってタイトルのがあって、家具があって鏡があって、なんか粘着質の鏡の中にズバーって入るの、で、そのまま左右反転した奥行きのある世界があっち側に拡がってるんだけど、あっち側では全ての無生物が生きてる。ソファに座ろうとするとソファに拒絶される。結局夢オチなんだけど。無生物だと思ってたものが生きてて、拒まれたり、踊ったりするっていうのは統合失調症的だけれど、人間が人間として成立する条件から解放されるっていう楽園的な感覚として描かれてるように受け取ったわけ。

俺:それは自己愛からの解放にも捉えられるけどな。

兄:イメージとしてはね。自己愛でしか語れないということから解放されたいという願いを込めたタイトルではある。こんな見栄えだけどやっぱり街中で鏡に映る自分を見てしまうわけよ。地獄だよね。自己像からの解放はパラダイスよ。他人の音も無生物じゃなくて、自分じゃないものと共に生きて、一筆書きの曲をやるっていうことだよね。だから自分じゃない。団体芸としての美しさをそのまま受け入れるっていう自己愛からの解放がある。ある種の正しさ、健康への方略、というものを今回は信じてやってる。

弟:自分が失くなるっていう意味が、自分も他者も失くなるってことじゃなくて、群れになれるときがある。

俺:内と外の輪郭が消失する瞬間だ。

兄:デュオニュソス的な熱狂とも言えるね。いま人間関係の倫理で言うと、バウンダリーが優先されているわけじゃない? つまり境界線、私は私、あなたはあなたってのがいちばん倫理的なことで、やっぱりいま世の中をまともに生きてくってルールは知性も含めて、それはそれ、これはこれ、って言えるってこと。そういったものに対するデュオニュソス的なものの勢力範囲を拡げたいという意識はある。俺はデュオニュソス芸術ってのは例えばクラブのなかに閉じ込めておくものではないっていう意識があって、デュオニュソス芸術やってる人が喋る機会が少ないのは寂しい。

弟:プレーヤーが喋るってこと?

兄:プレーヤーが喋るっていうか、最近はむしろインタヴューの場に出てきてしまったらそういうものを司ってる人間として出てくるんじゃなくて、喋る用のアポロン的な知性を持ってでてくる。デュオニュソス的なものとアポロン的なものがミックスされた状態で人前で喋るのは、女の人の方がいまは長けていて、自然な言葉で、自分と他人との間を厳密に線をひかずに理性的な状態で出てこれる。それこそコムアイなんかその代表格。基礎教養という重力と、なおかつ踊りで重力に抗えることの美しさ。でもそれをできるのが女の人ばかりなのが寂しい。俺なんかが、ガキだった頃に女性のメンヘラ芸能を享受したという記憶は強いんだけども、いまや女の人のメンヘラ芸能の時代はとうに終わっているわけよね。

俺:今回は言葉を使わないヴォーカリスト、楽器を弾かない演奏者である君らがある種エンドンの象徴だと思って声をかけたんだけど。

兄:関係性がそうさせてる。俺がこういうことやってるのはエッくんがいるからだし。エッくんがいなかったら恥ずかしげもなく歌詞書いてたかもね。

俺:え〜(笑)。

兄:いや、そりゃそうだよ。身内のなかで俺は文章書くのいちばんじゃない。いちばんのことだけを結晶化させたい。俺の取り柄は興奮すること、要はエモーション、情動的であることと音楽の関係にまつわる何かのほんの少しを体現したいだけ。だから言葉とは遠いもの、むしろ反対のものかもしれない。

弟:言語=法、形式だとすると、(たいちゃんの言う)情動とか興奮を形式が殺すのか、あるいはそれらを助長する武器なのか、それが個人的なテーマかな。形式を共有しないと他人とは通じ合えないけど、単なる情報のやり取りならバンドやイカれた文章を使う必要はないよね。でも、靄のような、「神秘的な隠された真実」とかはどうでもいいっていうかキモい。裏に崇高な真実が隠れてるんじゃなくて、即時的、即自的に、表面化する効果がエモいかどうか。それは形式の後に現れる自然だね。退行の対象の、もともとあった自然とは違う。やっぱり天然の天才が無垢な気持ちで自己実現するアートっていうのは、俺らには無理だし、つまらないものだと思う。そうじゃなくて、コードやリズム、音色っていう選択可能な意匠=形式を使って、この”新しい自然”を表現できるかどうかだと思う。それが新しい形式を生産することになるというか、更新するというか。

俺:既存の形式を昇華する楽しみはある。そこからは絶対に逃れられない。バンドだろうと一人だろうと常に表現を考える上で立ち上がる問題じゃない? 非音楽的な部分への挑戦っていう欲求が最優先だけど、所謂伝統的なルールを踏襲した時に自分の中に湧き上がる高揚感は絶対に否定できない。だからリスナーとしての感覚は引きずるよね。

兄:引きずるけどもただただ受け手として演る側にいるわけにはいかない。お客さんがバンドやってるってことになっちゃうから。エモい音楽を聴いてエモくなってる自分たちのことをエモとか激情って標榜するのはお客さんがライブやってるように見えるんだよね。

弟:リョウくんが言ってるような、0が1になる変換行為中に価値が表出するっていうこと、それは新しい形式から情動が生稀るっていうことだと思う。エモコアがやってんのは既存の形式をそのまま飼い殺しにして、抑圧された昔の記憶を解放するとか、そもそも存在してた自然に退行するとか、そういう暗〜い後ろ向きな欲望。自然と合一するのは無理だし、退行だから。そんな状態、あった試しはないんだしね。そもそも。現状に満足できない感傷的なのに不感症な連中が、過去に遡行して妄想してるだけの「お噺」。

兄:その「お噺」があるとされることがフィクションだし、いま風に言うとポストトゥルースじゃない? でもある意味本当の自然との合一はあると思うよ。それは退行なんじゃなくて、今でしょ。今この瞬間と合一してれば、それが自然との合一。だって過去に退行して、人間が自然だと思うものへの合一ってある種保守じゃない。今の現実と、時間的なものを超えてこの瞬間と合一するってのが自然との一体化なんじゃないかな。森とか木とか水のことじゃないから、自然って。そういう発想自体が保守だよ。

俺:でもそれもエモと繋がるんじゃない? だってエモって大地讃頌的なリリックのバンド多いじゃん(笑)。

兄:人間の感情自体をそういうものに措定してるってのが保守的だよね。
超基本的過ぎて、昔はくだらないと思ってたけどヒア&ナウみたいな感覚から今の日本は離れてるよね。

俺:具体的には?

兄:保守的になってるってことじゃない? ある種の正嫡性? 過去から続くものの良さとかさ、そういったことを口にしがちだよね。そもそも身体性に正しさを担保すること自体が保守なわけよ。

俺:極論キタ。

兄:極論大事。ブルース・リーが言うじゃない、考えるな、感じろって。あれって良いことのように言うけど保守の原則だから。だからあれは俺の超嫌いな言葉。俺は感じるな、考えろ、お前らバカなんだからって思うよ。感じたら、相手も自分ってことになっちゃうから。一個いい話があるよ。ロフトプラスワンで石田さん(ECD)が観客から「在特会がどういう人間だと思いますか?」って質問されて「分析しない」って答えたの。この発想は大事で保守ではない。間違ってるから切るだけの父性による切断だよ。石田さんは在特会のなかに自分がいる可能性があることをわかってて言ったんだよ。だから分析しないと。それはある種の『スルー・ザ・ミラー』、ルールそのものの正しさ。だから母性と父性って対にはなってるよ。1枚目が『MAMA』で今回が父性で、ある種の切断があって、ノイズがもう全能感もなければ、夢も見れない、そして曲が曲らしくなって。俺もエログロナンセンスのサブカル青春を送ってきて、弱者がぶん殴られたり殺される映画のシーン観て、横にいる彼女にコレいいね! とか言っちゃってきたわけじゃない(笑)? そこは、あんまり言いたくないけど、ゾーニングのソフト入れたみたいな感覚があって。成長って言葉は使いたくない、ルールを知る=成長じゃないでしょ? 父性だよ。父性を知るってことは男子だと成長って言葉で言われがちだけど、父性を知るか、母性を知るか、単にそれだけでいい。成長も成熟もどうでもいい、頭が良くなるか、良くならない。だから、エッくんがよく使う言葉としてアンチ・ビルディングス・ロマンていうのがあるじゃない?

弟:そうだね。

俺:アンチ・ビルディングス・ロマンってのはこういった音楽の最大のテーマではあるよね。

兄:俺たちはそれを真っ向から取り組んでいるつもりです(笑)。成熟っていう命令とか、成長物語を生きなきゃいけないことに対してアンチがある。

俺:(年齢に関係するような話が出てきたから言うけど)世代論的な話はしたかったんだ。でもそれは友達の関係になる以前に直感したことが俺の中であって。エッくんが出してくる文章しかり、それからヴィジュアル・イメージ、君たち自身が作ってないものもあるけどさ……

兄:ほとんど作ってないよ。

俺:初めてエンドンの顔のステッカー見たときに……

兄:あ、あれは唯一俺で。平野くん(ドッツマーク代表)が並べてくれた。

俺:あれ見たときにシリアルキラーが描く絵だって思ったの。そこに狂気を感じたわけじゃないけど、やっぱり少年Aとか、僕らと同世代の猟奇的な事件のイメージとオーヴァーラップしたんだよね。これ描いた奴は絶対ヤバいなって、サイコパスだって(笑)。

兄:あれはペルー人のモンタージュなんだよ。

弟:少年Aの絵はお手製の神様を作るってことだったよね?

兄:エンドンっていうのもお手製の神様の名前だよね。

俺:エンドンって仏教用語かなんかの円頓じゃないの?

兄:それは天台宗の円頓だよね。完璧で超早いって意味だよね。確かあの世とこの世の間の魂を移動させるものっていう意味もあるし、エンドンは色々あるよ。折り紙用語で……

俺:折り紙用語(笑)!?

兄:別に折り紙用語ってわけじゃないけど、紙の右端と左端あるでしょ? それを相手の前でこうする(実際に紙を折って)のを「END ON」ていう。

俺:マジかよ(笑)

兄:最高でしょ?

弟:コンヴァージと一緒だよね?

兄:違う。あれは遠近法的な収束、消失点のことでしょ。だから「END ON」はもっと雑だよ。右翼の端っこと左翼の端っこを折ってその隣接線を相手の前にセンターとして見せて「これブルータルじゃない?」ってくらい雑(笑)。あとはベケットの『マーフィー』のなかで主人公マーフィーのチェスの相手をする統合失調症の患者もエンドン。まあいいやとくに意味ないよ(笑)

俺:世代論に戻ろう。

兄:少年Aとバスジャックのネオむぎ茶と秋葉原通り魔事件の加藤は全部同い年だよね、昭和57年、1982年生まれだから。少年Aのああいうある種のすごい強烈なキャッチーさとわかりやすさってことに対して、禁欲を強いてきたわけじゃない? それをやっぱり分散させてみんながちょっとづつ昇華させてるってのは思うんだよね。最近でた彼の本は退屈で汚らしい印象を受けたけどね。

俺:昇華させてる人は少ないんじゃない?

兄:あの事件にまつわることを昇華してるわけではないけど、一部のヴィジュアル系はすごくそういうセンスがあって、加害欲求みたいなモチーフに拘るバンドもいたよね。今はその辺りをすごく禁欲的にならざるを得ない。例えば黒夢なんかは生きていた中絶児……とかそういうタイトルじゃん? あとはやっぱり好きな子を殺しちゃう、なんで好きな子殺しちゃうの!? 俺らがガキの頃のそれ系の歌詞ってやっぱ基本的に好きな子殺しちゃうからさ(笑)

一同:(笑)

兄:で、今回のツアー・タイトルをサディスティック・ロマンスというタイトルにした。自分で自分をモヤモヤさせることを選んだわけ。世のなかの構成要素は多ければ多い方がいいと思ってるから、人を傷つけたいって気持ちは世のなかにない方がいいかって言ったら、俺はあった方がいいと思う。実際に表現されてしまうと別の問題になるという考え方。あくまでゾーニングってこと。人をブン殴って回るツアーでもないし、各地をレイプして回るツアーではないけど、今回のツアーは世代論的にもタイトルをサディスティック・ロマンスにしたかった。やっぱりある種の「問題」を扱っていきたいという意識がある。

俺:エンドンがエクストリーム・ミュージックであることの必然性ってそこにあるよね。

兄:あるある。ある種の加害性なんだろうね。私とあなたは違うんです……とかっていうような意識からくる加害性とか、出生を恨むとまでは言わないけど、そういうものとの折り合いのつけ方をただの抑圧にしない。

俺:ぶっちゃけいまのエクストリーム・ミュージックのシーンがどうとかは俺はどうでもよくて、単に音楽以外の文脈を音楽にこれだけふんだんに盛り込んでる日本のバンドってエンドン以外にそんな知らない。しかも盛り込まれてる文脈が一方向的なメッセージじゃなくて拾った人が好きに膨らませられるような投げかけになってるのが重要かなと。

兄:情報量を多くしようとはしてる。ある種の「ノイズ」 っていうか。ノイズの意味性=不可能性ってのはもうどうやってもそれこそが不可能だから。過剰性なんじゃないかな。たくさんの情報が乗り入れまくってる、そういう意味でのノイズ。何かにとって整合性のあるものは、別の何かにとってはノイズ(雑音)になってしまうという関係性を整理しないでそのまま置いてあるというか。だからまぁ本当はノイズなんて言葉使う必要ないんだけど、やっぱりエッくんが小説も発表すれば、ギターソロもあるし……

俺:そこに最高のギターソロがちゃんと入ってるってところに海外に輸出して文脈を理解されなくても音楽的な強度で勝負できるってことだよね。

兄:それはあるね。

俺:……でやっぱり改めて俺が思うのは俺はハイドラヘッド・レコーズ(元アイシス/のアーロン・ターナーのレーベル)のおかげでグローバルな視点で活動できるようになったし、俺の世代が影響を受けてきた、そういった音楽以外の文献をふんだんに持ち込んだ音楽を提供してくれて視野を広げてくれたエクストリーム・ミュージックってハイドラヘッドだし、君たちがそこからリリースするってことに必然性を感じる。

兄:ハイドラヘッドのインテリジェンスって、俺が19くらいの頃だけど、憶えてるよね。ギリシャ神話を使うとか、フーコーとか。それでいまインタヴュー録ってるお前がハイドラヘッドと関係が深いってのもあるし、不思議なもんだよね。でもまさか、こういった形の階段を登るのが俺たちだっていうのは当時は思いもしなかったよ。もっと暗くてアヴァンギャルドで前衛的なことをやってる未来を考えてた。こういうロック・バンドをやるとは思ってなかった。だけどずっと学んできたことってすごくシンプルなロックの歴史を正当に評価するってことだから。例えばT・レックスを特権的に思うのは親から貰ったものなのかもしれないけど、あるとないとでは全然違って、バンドやるってことが友だち同士の音源の貸し借りからはじまった話じゃないっていうか。白人が黒人のパワーに触れて、ブルースと衝突してってところから自分たちの親の文化もはじまってて、それと同じとこから自分らのロックへの考え方もはじまってるというのはすごく重要なことじゃない? コウキと俺がストーンズとツェッペリンを偏愛してることは、むしろこのアルバムでは如実に表れてるんじゃない? 時代的に身の回りにブラック・サバスみたいなバンドが多すぎたってことへの反動もあるけども。

俺:この後アルバムが海外でハイドラヘッドからリリースされて、ロック・バンドとしての正当な評価は得られると思うんだ。だけどそれに+してエンドンが内包する膨大な文脈みたいなものがちゃんとインターナショナルに変換されたら君たちはまだ誰も到達してないステージに上がれるんじゃないかな? メタル・マーケットとかってアメリカやヨーロッパには日本の比じゃないほど大きなものがあって、そこでも充分やってけるんだけど、少なくとも君らはそれじゃ満足しない気がする。

兄:しないしない。メタルの延命措置に躍起になってはいるけど、メタル・シーンなんて端的にダサっとしか思ってないもん。膨大な文脈と言えば、映像とテキストと絡む作品をもっと作りたいんだよね。引用の化け物になりたいのよ。俺はやっぱりニヒリストだからさ、自分なんかどうでもいいわけよ、ゴミだから。

俺:アメリカンな発想だな……

兄:そうね。消費の化け物でもあるしね。俺たちがやってることってやっぱりメイド・イン・オキュパイド・ジャパンってことじゃないですか、完全に。照り焼きバーガーみたいなグローカルメニューしか作れませんみたいな。だからひとまずは引用の化け物になりたいなって思うんだよね、文章もそうだし、映像もそうだし、例えば映像のカットアップ、コラージュにナレーションで他人の文献も、自分たちのテキストも、人の音楽も自分たちの音楽もブチ込んだ4時間くらいのDVDを作りたい(笑)。

弟:俺ら、っていうかこういうジャンルのプレイヤーって、すげぇアメリカナイズドされてるから、反米っていう主張をするときに、じゃあオリエンタルな意匠で対峙しようっていうのは無理なんだよ。アメリカの消費文化をコラージュするのがいちばんいいかなっていうか、それしかできない。固有のアジア的身体性、精神性、それももともとあったはずの偽装された自然だね、そういうものに退行したらテロリズムになっちゃう。じゃなくて、内戦。内側から、外に出る。

兄:DVDとCDが結構な枚数で入ってるような箱物ができたらいいよね。膨大な情報量で攻めるってのを本当にいつかやってみたい。

弟:質って稀なものだよね。

兄:質って全部固有のものだから、量に還元した時に批判されるだけで、それとはやっぱり別の話で圧倒的な量の引用の塊で、幽霊が中に大量にいるようなスクラップの塊みたいな、ヒプノシスがやったアンスラックスのストンプ442のジャケットのアレみたいな化け物を作るってのはやっぱ野望だよね。

俺:次の作品じゃないですか。

兄:いや次の次の次くらいで……

俺:いやだめでしょ。トリロジーだから。3が物すごく重要。


ENDON / THROUGH THE MIRROR (Daymare Recordings)

ENDON "SADISTIC ROMANCE TOUR 2017"
w/DJ 行松陽介

3/11(土)東京: 新大久保Earthdom (ワンマン)
3/18(土)名古屋: 今池Huck Finn
3/19(日)大阪: 東心斎橋Conpass

Shobaleader One - ele-king

 本日3月8日、スクエアプッシャー率いる覆面バンド、ショバリーダー・ワンのアルバム『Elektrac』が日本先行でリリースされました。それにあわせて、ショート映像「Scream Elektrac 1」が公開されています。

 そしてこのタイミングで、かれらからele-king編集部宛てに新たなインタヴューが届けられました。前々回前回に続いて3度目でございます。どうやら編集部はいまショバリーダー・ワンに付け狙われているようです。相変わらず興味深い内容のインタヴューになっています。以下よりご覧ください。


SHOBALEADER ONE
STROBE NAZARD / SQUAREPUSHER / COMPANY LASER / ARG NUTION

東京公演即日完売の来日ツアーも話題!
スクエアプッシャー率いる超絶技巧バンド、ショバリーダー・ワン
待望のデビュー・アルバム『Elektrac』がついに本日リリース!
ショート映像「Scream Elektrac 1」が公開!
iTunesではジャンル別チャート初登場洋楽1位を記録!

Shobaleader One - Scream Elektrac 1

ライヴ・バンドのコンセプトを根底から改革すべく、スクエアプッシャーが招集した、凄腕ミュージシャンたち:STROBE NAZARD(キーボード)、COMPANY LASER(ドラム)、ARG NUTION(ギター)。結成された超絶技巧バンド、ショバリーダー・ワンは、スクエアプッシャーの初期作品を中心に、ジャズ~フュージョン~ドラムンベース~エレクトロニカを横断する超刺激的なライヴを世界中で展開する。昨年公開された“Squarepusher Theme”と“Coopers World”のライヴ映像が話題を呼び、アルバム発表時にも公開されたファン垂涎の名曲“Journey To Reedham”が公開されるや、同時に発表された来日ツアーには、規定枚数を大幅に超える予約が殺到!

Shobaleader One performing “Squarepusher Theme”

Shobaleader One performing “Coopers World”

Shobaleader One - Journey To Reedham (Live Edit)

東京公演が即日完売となるなど、大きな注目を集めるジャパン・ツアーを来月に控える中、すべてのファンが熱望し、ファンならずとも想像を超える演奏力に度肝を抜かれるであろう衝撃作の全貌が明らかに!

タイトなキメを多用しながら饒舌なソロがつばぜりあいを繰り広げる展開は、エレクトロニック時代のマイルス・デイヴィスやウェザー・リポートの影はもちろん、ジョン・マクラフリンのソロやジミ・ヘンドリクスのエクスペリエンスなども脳裏をよぎる。
- Music Magazine

破天荒な打ち込みを再現するばかばかしいまでの志の高さと技術
- CD Journal

2016年末に公開されるやいなや瞬く間にバズったそのライヴ動画を見てうかつな輩は「ベースの人、うまい」などと頓珍漢なコメントを寄せたのだった。うまいに決まってるだろ。弾いてるのスクエアプッシャーだぞ。
- WIRED Japan

Shobaleader One - Elektrac
01 The Swifty
- from Feed Me Weird Things
02 Coopers World
- from Hard Normal Daddy
03 Don’t Go Plastic
- from Music Is Rotted One Note
04 Iambic 5 Poetry
- from Budakhan Mindphone
05 Squarepusher Theme
- from Feed Me Weird Things
06 E8 Boogie
- from Hard Normal Daddy
07 Deep Fried Pizza
- from Feed Me Weird Things
08 Megazine
- from Shobaleader One: d’Demonstrator
09 Delta-V
- from Just a Souvenir
10 Anstromm Feck 4
- from Do You Know Squarepusher
11 Journey To Reedham
- from Big Loada

スクエアプッシャー率いる超絶技巧バンド、ショバリーダー・ワン待望のデビュー・アルバム『Elektrac』は、本日いよいよ日本先行リリース! 国内盤2枚組CD(ブックレット付の特殊パッケージ)には、オリジナルのシースルー・ステッカーが封入される。またスペシャル・フォーマットとして数量限定のTシャツ付セットも販売中。

label: Warp Records / Beat Records
artist: Shobaleader One ― ショバリーダー・ワン
title: Elektrac ― エレクトラック

cat no.: BRC-540
release date: 2017/03/8 WED ON SALE(日本先行発売)
初回生産特殊パッケージ
国内盤2CD(¥2,500+税):オリジナル・シースルー・ステッカー/解説書 封入
国内盤2CD+Tシャツセット(¥6,000+税)

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