「PAN」と一致するもの

 これ、ぜひ見に来て欲しいです! ラップとロックとユーモア......21世紀の東京に忽然と現れた現代版ポップ・ウィル・イート・イットセルフ、トラブル・ファンクの隠し子、またの名をカタコト。ele-king presents 「ANTI GEEK HEROES vol.2」は、ゲストにSeihoとLUVRAW & BTBを迎え、10月27日(日曜日)下北沢スリーにて開催です!! 何気に良いメンツでしょう。
 カタコトのTシャツ、前回は1時間ぐらいで売れ切れたので、来る人は早めに来て下さいね。セイホーのDJも聴けるからね。7時からのデイ・イベントなので、ふだんクラブに入れない未成年の方でも入れますよ。では待ってマース。

ele-king presents "ANTI GEEK HEROES vol.2 -CASUALS UTOPIA-"
10.27 (sun) 下北沢 THREE
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV 2,300 yen / DOOR 2,800 yen (+ drink fee)
LIVE: Seiho / LUVRAW & BTB / カタコト
*公演の前売りチケット予約は希望公演前日までevent@ele-king.netでも受け付けております。お名前・電話番号・希望枚数をお知らせください。当日、会場受付にてご精算/ご入場とさせていただきます。
INFO: THREE 03-5486-8804 https://www.toos.co.jp/3

■Seiho
1987年生。ビートメイカー、DJ、VJ と音楽や映像など媒体の垣根を越え表現をし続けるマルチアーティスト。既に各地で話題となっている注目の新レーベル〈Day Tripper Records〉を立ち上げ、1st album「MERCURY」を発表。最先端電子音楽を発信するネットレーベル「+MUS」からもEPを発表するなど活動は現場、ネットに限らない。

天才的な楽曲センスでHip Hopからポスト・ダブステップ、チル、音響系等あらゆるビートを駆使しながら畳み掛ける彼のLIVEは必見。日本人では初となるSonar Sound Tokyo2012,2013へ2年連続出演、Gold Panda /Matthewdavid /Star Slingerなど世界的アーティストとの共演、MTV2013年注目の若手プロデューサー7人に選ばれるなど "今"の音を刻む数少ないアーティストの1人。

HP: https://daytripperrecords.com/
Twitter: https://twitter.com/seiho777


■LUVRAW & BTB (Pan Pacific Playa)
フロム・ヨコハマの特殊プレイヤー集団、パンパシフィックプレイヤ(通称PPP)所属。アーバンメロウ、ペイサイドディスコ感覚のサウンドを基調としたツイントークボックスデュオの決定版。チューブを咥えた二体のロボ声ハーモニー。バックDJのMr.MELODY、司会のヒューヒューBOY、たまにギターのKashif、ダンサーのTANiSHQと共に、全国各地、時間場所を選ばずナイスなパーティーやホットなイベントで、チョットおとなのライブを展開中。(レイドバックした素敵な夜にドハマリ!)イナたいながらも何処かスムースなハデさがありますので、大物ゲストの前座にもまぁまぁ適しております。(So Sweet Breaze!でございます)

これから貴方が訪れる全ての海岸や、お気に入りの夜の風景、そして誰かと過ごすサンセットタイム。そこでL&Bのトラックが貴方の心に触れること、、そんな妄想をヌルりと詰め込んだ音楽CD/Vinyl/mp3を製作して発売中。全作品のジャケットは菱沼彩子氏が担当。最高のコピー -夏はやっぱりチューブでしょ?- の1stアルバム「ヨコハマシティブリーズ/2010」は初期クラシック集に、冷やし中華風の、-夏のおもいで はじめました-がムーディーさを誘う2ndアルバム「HOTEL PACIFICA/2011」を中心に、様々なアーティストの客演/楽曲提供/REMIX作品等も好評頂いております。

近作では「seiho+LUVRAW&BTB / Lady are you Lady」(free download )、

「サイプレス上野とロベルト吉野/ヨコハマシカfeatOZROSAURUS」、「七尾旅人/サーカスナイト(Seaside Magic of L&B REMIX)」、一十三十一のアルバム「SurfbankSocialClub」への参加 etc...

PPP主催のパーティーやWebにて突如発表される音源集、メンバーそれぞれの多岐にわたる活動等も諸々活発に行っておりますので、最新情報はコチラへCheck淫☆

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いつも愛の一点張りで、もしかしてエンドレス?な、レイドバック前戯(おイタ)をどうぞお試しあ〜れ〜〜◎

そして今夜も、、、甘く切なくやるせない。


■カタコト
メンバーは、 RESQUE D(MC)、MARUCOM(Guitar)、YANOSHIT(MC)、K.K.C(Bass)、FISH EYE(Drum)という謎の5人。蟹と犬が大好きで、動物とは大体仲が良い。野田努曰く、「トラブル・ファンクとPWEIの隠し子でありビースティー・ボーイズの『チェック・ユア・ヘッド』」「日本のブラテストホープ、ナンバー・ワンであることは間違いない!」等など。ラップあり、ローファイ・ロックあり、ファンクあり、パンクあり、弾き語りあり、涙も笑いもなんでもあり!
HP: https://www.katakoto.info/
Twitter: https://twitter.com/katakoto5



ele-king presents
AKRON/FAMILY Japan Tour 2013
- ele-king

【 AKRON FAMILY】

 
「この雑食動物たちは人食い族である。この50年間のポップ/ロック音楽を挽肉器でミンチにして、電解液とハチミツを加えて発酵させたような......。彼らがこれほど貪欲な獣と化すとは、誰が想像し得ただろう。」マイケル・ジラ(スワンズ)

 2002年にニューヨークでの共同生活から現れたアクロン/ファミリー。いまやメンバーはポートランド、ロスアンジェルス、ツーソン......とバラバラに生活しているけれど、この距離感がさらなる奇跡を生み出したのか、3人が集まったときの激烈マジックと言ったら! そんな奇跡に溢れた最新作『サブ・ヴァ―シズ』は、とにかくヴォリュームがハンパなかった。もうお腹一杯なのに、さらに食べさせられ、そしてコッチもまだまだガンガン食べられちゃう......そんなモーレツな作品に仕上がっていたのです。
そして今作のプロデュースはSunn O)))、Earth、Boris、Wolves In The Throne Roomなどを手掛けていた大注目のRandall Dunn。ジャケット・デザインはSunn O)))の御大Stephen O' Malley。そんなわけで最新型アクロン/ファミリーは、ドゥーム〜ハードコア〜エクスペリメンタル・エッセンスがバリバリの強靭轟音モードに。ノイズやらメタルやらインダストリアルやら雄叫びやらが大爆発し、ジャズ、プログレ、サイケ、アフロ、ファンク、エスノ、ジャム......と目まぐるしく大展開。しかしそんな刺激的なサウンドに乗っかるメロディー、ハーモニー、唄心の美しさがこれまた別次元であり、それらは彼等最大の武器でもあります。ソウル、ゴスペル、ブルースの魂も確実にアクロン/ファミリーには存在しているのです。
 過去二度にわたるジャパン・ツアーでその圧倒的パフォーマンスもお墨付き。イルカ風船が舞い、花火をして怒られた1回め。灰野敬二と怒濤のセッションを繰り広げ、呆れられた2回め。ともに年間ベスト・ライヴに挙げられたほど、彼等のライヴは凄まじく、そして心底楽しい。共演者との合体タイム、お客さんをステージに上がらせてのドンチャン・コーナー。怒濤のノイズコアで発狂したかと思えば、激メロ&ハーモニーでしっとり優しく......ああ! アクロン/ファミリーのライヴは本当に本当に素晴らしい! ぜひぜひご一緒に叫び、踊り、笑顔で涙しようではありませんか!!



【Boris】代官山UNIT公演出演!

 92年より活動開始、96年にTakeshi、Wata、Atsuoという現在のメンバー編制へ。活動当初よりワールドワイドなスタンスを志し、96年からはじめた海外ツアーも03年以降はほぼ毎年行い、繊細かつ流麗な静寂パートから、眼球を揺らすような、まさに"体感"の轟音パートまで、おそるべきダイナミクスをもって類のないライヴを展開。ナイン・インチ・ネイルズのUSアリーナ・ツアー・サポートを含み全100本のショウを披露したワールド・ツアー(08)、映画『リミッツ・オブ・コントロール』『告白』への楽曲提供(09/10)、ATPフェスへの日本人最多出演、といった大掛かりな話題にも事欠かないが、話題先行に終わらないのは、長きに渡り世界中で数々のレーベルと交流を持ち無数の作品を発表し、真摯にライヴを続けてきた音楽的な探究心があればこそ。その姿勢と成果は『Pink』(05)、『Smile』(08)、サン O)))との共作『Altar』(07)といった作品への全世界での評価とセールス面で証明されている。2011年3月に日本ではメジャーからの初リリースとなる『New Album』を、5月には日本を含む全世界で『Attention Please』『Heavy Rocks』を同時リリース、内容とコンセプトが全く異なる3枚のアルバムを発表することに。その3作品を携え、約2年間にわたりワールド・ツアーを続けた。2013年に入り約7年振りとなる小文字boris名義で『präparat』『目をそらした瞬間 -クロニクル-』『vein』の3作品を連続リリース。4月から5月に掛けてのUSヘッドライン・ツアー中に7大都市(ワシントンDC/ボストン/ニューヨーク/シカゴ/シアトル/サンフランシスコ/ロサンゼルス)で、また6月に東京でレジデンシー・ショウ(同一都市で2日間連続公演を行うにあたり日ごとに違う演目を披露)を行った。


【Moan a.k.a Shinji Masuko】名古屋APOLLO THEATER、大阪CONPASS公演出演!

 日本を代表するサイケデリック・ロック・バンドDMBQのギター/ヴォーカルとして、また世界随一のエクスペリメンタル・ミュージック・バンド、BOREDOMSではギタリストとしてのみならず、特殊多弦楽器セブンナーⅠ&Ⅱの製作/オペレート、トラック制作、システム構築の他、ボアダムス公演用に組織した総勢16名からなるギター・オーケストレーション・ユニット、The Floating Guitar Borchestraの作・編曲、総指揮等も担当。また、N'夙川BOYSや木村カエラ等のプロデュース/エンジニアリング等ポップ・フィールドにおいても幅広く活動している。2011年4月、米国の名門レーベル〈Jagjaguwar/Brah〉よりShinji Masukoソロ名義の作品『Woven Music』を発表、Pitchfork, The Phoenix, New York Taper, New York Times等数多くのメディアで取り上げられ、重層的な弦楽器によるドローンを用いた独自の音世界を高く評価された。また、Chicagoの〈Thrill Jockey〉から発表された震災復興支援作品『Benefit for The Recovery Japan』へも参加、曲提供のみならずアドバイザリー・スタッフとしてもクレジットされるなど、 単にアーティストとしてのみでは収まりきらない活動を続けている。 2011年10月には、米ニュージャージーでPortisheadキュレートのもと、Mogwai, The Battles, The Pop Group等を迎えて行われた〈All Tomorrow's Parties〉へThe Ocropolisのギター要員として参加後、米国ツアーへ。2012年のOOIOOとの国内ツアーより、ユニット名義を『Moan』とし、Water Faiマキコとの2人ユニットとなる。2013年11月に、米〈Revolver〉内Akron/Familyのレーベル〈Lightning Records〉よりアルバム『Think About Forgotten Days』を発表。またPhiladelphiaを拠点とする先鋭的な電子音楽レーベル〈Data Garden Records〉よりPlantable Music Seriesの植物種子入り紙による作品『Bookshelf Sanctuary』をリリース予定。日本はもとより海外でも幅広く活動を続けている。


【skillkills】浜松G-SIDE公演出演!

skillkills [スグルスキル(bass),リズムキルス(drums),マナブスギル(Vo,Gt),ヒカルレンズ(key)] 2011年1月に突如として現れ,ライブごとに各地で衝撃を与えつづける。完全にネクスト・レヴェルのビートによって、凄まじき世界観を叩きだす4人組。アヴァン・ヒップホップ・レーベル〈BLACK SMOKER〉が誇る黒い突然変異体。


【のいず】浜松G-SIDE公演出演!

 エレクトロ・ゴシック・ガールズ・バンド「のいず」。おもしろおかしい奇妙な曲の展開にドッキドキ! 私たち、はずかしガリーなんですっ! 照






ele-king presents AKRON/FAMILY Japan Tour 2013


■12/4(水) 代官山UNIT (03-5459-8630)
AKRON/FAMILY / Boris
adv 5,000yen door 5,500yen (without drink)
open 18:00 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:213-844)
ローソンチケット(Lコード:77662)
e+
(チケット発売10/5〜)

■12/5(木) 名古屋APOLLO THEATER (052-261-5308)
AKRON/FAMILY / Moan a.k.a Shinji Masuko(Boredoms,DMBQ)
adv 5,000yen door 5,500yen (without drink)
open 19:00 start 19:30
チケットぴあ(Pコード:214-017)
ローソンチケット(Lコード:43376)
e+
(チケット発売10/5〜)

■12/6(金) 大阪CONPASS (06-6243-1666)
AKRON/FAMILY / Moan a.k.a Shinji Masuko(Boredoms,DMBQ)
adv 5,000yen door 5,500yen (without drink)
open 18:00 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:213-846)
ローソンチケット(Lコード:59288)
e+
(チケット発売10/5〜)

■12/7(土) 浜松G-SIDE (053-541-5067)
sone records & Super Go!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! presents
// FLASH NIGHT SPECIAL vol.5 /
AKRON/FAMILY / skillkills / のいず / DJ:BlaqCZA
adv 3,500yen door 4,000yen(without drink) ※限定100名
open/DJ start 18:00
前売りチケットはメール予約のみとなります。
(10/14(祝・月)PM1:00より前売り予約受付開始)
info@sonerecords.com までメールタイトルを「AKRON/FAMILY」としていただき、 お名前、人数、連絡先を明記のうえ、送信してください。
こちらから予約確認の返信メールを送信させていただきます。
その時点で予約完了となります。
予定数(限定100名)に達し次第受付終了となりますので、確実に見たい方は御予約をよろしくお願いいたします。
浜松公演INFO :
sone records
https://www.sonerecords.com
tel:053-453-8852

*追加公演決定!!!!!!

■12/8(日) 渋谷O-nest (03-3462-4420)
AKRON/FAMILY
adv 5,000yen door 5,500yen (without drink)
open 18:00 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:213-980)
ローソンチケット(Lコード:77661)
e+
(チケット発売11/23〜)


*浜松公演を除く各公演のチケット予約は希望公演前日までevent@ele-king.netでも受け付けております。お名前・電話番号・希望枚数をメールにてお知らせください。当日、会場受付にて予約(前売り)料金でのご精算/ご入場とさせていただきます。

主催・制作:ele-king / P-VINE RECORDS
協力:シブヤテレビジョン / sone records / Super Go 
TOTAL INFO:ele-king / P-VINE RECORDS 03-5784-1256
event@ele-king.net
www.ele-king.net

アクロン/ファミリー
『サブ・ヴァ―シズ』

PCD-93697
定価2,415yen
解説:福田教雄
Amazon





1. No-Room
2. Way Up
3. Until The Morning
4. Sand Talk
5. Sometimes I
6. Holy Boredom
7. Sand Time
8. Whole World is Watching
9. When I Was Young
10. Samurai


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Miles Cooper Seaton(AKRON/FAMILY)Solo Tour 2013


12/10(火)
『Miles Cooper Seaton(AKRON/FAMILY) IN NAGOYA』
supported by THISIS(NOT)MAGAZINE
出演:Miles Cooper Seaton (AKRON/FAMILY) / 旅行気分(名古屋)/ DJ Thrushez a.k.a. kamitani (ex.サージェリーアフロ)/ DJ のうしんとう
会場:名古屋KAKUOZAN LARDER https://tabelog.com/aichi/A2301/A230107/23048923/
OPEN/START:20:00
料金:前売予約1500円+1ドリンク 当日2000円+1ドリンク *限定30名!
INFO:THISIS(NOT)MAGAZINE  tkbcdef@gmail.com
https://www.facebook.com/events/229454407221588/?source=1


12/12(木)
『感染ライブ』
出演:Miles Cooper Seaton (AKRON/FAMILY) / THE OBSERVATOR(from singapore) / Llama / 魚雷魚 / and more
会場:京都メトロ  https://www.metro.ne.jp/
OPEN:18:30
料金:980円(ドリンク代はかかりません)
INFO:京都メトロ 075-752-4765
https://www.metro.ne.jp/


12/13(金)
『Miles Cooper Seaton(AKRON/FAMILY) IN KYOTO』
出演:Miles Cooper Seaton (AKRON/FAMILY) / 丸尾丸子
会場:もしも屋 音楽室   https://moshimo-ya.com/
OPEN:18:30 START:19:00
料金:前売予約2000円+1ドリンク  当日2500円+1ドリンク
   ①お名前②人数③連絡先を明記の上、mail@moshimo-ya.com までお申し込みください。
   ※25名様限定。申し込み先着順となります。
INFO:もしも屋 音楽室 075-748-1181
https://moshimo-ya.com/ 


12/14(土)
『SuperGo!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
出演:Miles Cooper Seaton (AKRON/FAMILY) / NObLUE(K'DLOKK) / ryohadano
会場:浜松 中区 田町 creative lab AmaZing
OPEN:18:30 START:19:00
料金:前売予約2500円 当日3000円
(限定50名)
※前売りチケット予約はメールのみとなります。 supergo1214@gmail.com 宛へ「件名」に「予約」としていただき、「本文」にお名前、枚数、連絡先を明記の上、送信下さい。
こちらからの返信をもって予約完了とさせて頂きます。
INFO:SuperGo supergo1214@gmail.com


12/15(日)
『逆まわりの音楽 その10~アーリントン・デ・ディオニソの24時間ドローイング・パフォーマンスのグランド・フィナーレ篇』
出演:アーリントン・デ・ディオニソ、マイルス・クーパー・シートン(アクロン/ファミリー)、一樂誉志幸(FRATENN)、nan!ka?(shibata+マコハセガワ)
会場:立川・砂川七番 ギャラリー・セプチマ https://galleryseptimablog.blogspot.jp/
OPEN:17:00 START:17:30
料金:2000円(予約/当日とも)
チケット予約及びお問い合わせ:
・スウィート・ドリームス・プレス(www.sweetdreamspress.com
・安永哲郎事務室(www.jimushitsu.com
・ギャラリー・セプチマ(https://galleryseptimablog.blogspot.jp/

Detroit Report - ele-king

 UR/タイムラインのメンバー、ジョン・ディクソンのインタヴューはサブマージでおこなわれた。ソファーに座り、出されたコーヒーを飲みながら展示物の書籍や機材を眺めていると、エントランスの扉が閉開する音が幾度となく聞こえてくる。アーティストやその家族などさまざまな人が出入りしている。この日も上映されていた"Protecting My Hiv"のPVに混じって、子供のはしゃぐ声が聞こえてきた。
 サブマージの内部は小さな博物館のようになっている。そこにはデトロイト・テクノの歴史が展示されている(そのなかには、『ele-king』と『ブラック・マシン・ミュージック』も!)。マイク・バンクスは日本から来た私に片っ端から話してくれた。エレクトリック・ファイン・モジョにはじまり、ケン・コリアーのDJがデラーノ・スミス、ジェフ・ミルズやデリック・メイに与えた影響がどれほどのものだったのか。建物のなかには、URが深い影響を与えたインディアンのジェロニモやとブルー・スリーの写真もある。マイク・バンクスが資金集めのためやっていた路上カーレースの写真、TR-808、TR-909などの機材なども飾られている。
 マイク・バンクスはガラスの向こうにある、レコードのカッティング・マシンの前で立ち止まり、故「ロン・マーフィー」について説明する。周知のように、デトロイト・テクノにおけるカッティング技師だ。マーフィーは、2001年の『デトロイト・メトロ・タイムズ』で、「カッティングっていうのは音楽というよりも、レコードへの愛だよ」とその想いを語っている。マーフィーが自身で改造を繰り返し使用していたこのマシンは、彼以外誰も扱うことができない。主人を亡くした寂しげなグルーヴ・マシンはまた溝を刻める日を待ちわびているようだった。

 タイムラインは7年前にリリースした「Return of the Dragons」を最後に、当時のライムライトを残しつつ息を潜めていた。しかし、2011年にメンバーも入れ変わり、新生タイムラインとして「The Greystone Ballroom」をリリース。4曲収録されたそのEPではジャズやフュージョン、エレクトロなどの要素が交ざり合い、次のステージのはじまりを予感させてくれる。それから約2年の時を経て、この秋に新しいEPがリリースされる。
 わたしが知る限り、デトロイトのアーティストは「怒って」いた。世の中にだったり、音楽業界にだったり、理由はそれぞれだが、感情が剥き出しの自身と合わせ鏡のようなそのサウンドは、言葉よりも強烈に問いかけてきた。そんななかでジョン・ディクソンは、まるで清流のようだった。ただただ音楽を楽しんでいる。前作ではタイムラインfeat.ジョン・ディクソン&デシャーン・ジョーンズとなっていたが、今作はそんな若手ふたりが中心メンバーとなっている。新しい世代の彼らは、これからどんな時間の軸を紡いでいくのだろうか。

 今回「デトロイト・レポート」として、ジェイ・ダニエル、バックパック・ミュージック・フェスティヴァルのオーガナイザー、ジョン・ディクソンへのインタヴューをおこなったが、共通して言えこと事は、彼らが意識的に次の世代への繋がりをつくっているということだ。この業界の年齢層が全体的に上がってきているいま、この先も音楽を楽しみたいなら、こうした行動を「意識的」にやることは、無意識に自分を助けることになるのかもしれない。

 この日、ジョン・ディクソンとデシャーン・ジョーンズは、平日のランチタイムに音楽を聞こうというコンセプトの元、Campus Martius Parkで開かれたライヴに出演して、サブマージに戻ってきたところだった。

マイク・バンクスから電話がきて、「世界中を廻って音楽をしたいなら、月曜の16時に来い。もしその気がないなら他をあたるけど、どうする?」って言われたんだ。「月曜16時に訪ねるよ」って答えたんだ。約束の日にマイク・バンクスを訪ねていくと、キーボードの前に座らせられて「なんか弾いてみろ」って言われてキーボードを弾いた。

生まれはデトロイトですか?

ジョン・ディクソン(JD):生まれも育ちもデトロイトだよ。デトロイト西部、シティ空港の近くで育ったんだ。現在はプライヴェート機用の空港になっているところだね。学校もデトロイトだったよ。

あなたの音楽のルーツは何ですか? 

JD:音楽の影響というのが、どれほど凄いものか多くの人が理解しきれていないと思うほど、僕のルーツにとって、いままで体験してきた音楽の影響が重要なものだと考えてるんだ。僕の両親はどちらも楽器を演奏しているし、彼らの膨大なレコードのコレクションは最高なんだ。いろんな音楽が詰まっていて、ジャズ、ハービー・ハンコックからマーヴィン・ゲイら多くのヴォーカリスト、モータウンなどを持ってた。僕が生まれる前からすでに音楽の影響を受けてたんだと思う。他にもいろんなジャンルを聴いて、自分が音楽をはじめるずっと前から、いつも周りに音楽が溢れている環境で育った。すべてがいまの僕の音楽の土台になってると思う。

昔からテクノは好きでしたか?

JD:昔はあまりテクノのことは知らなかったんだ。テクノと出会ったのは1996~1997年の中学校の時代だね。毎週金曜にラジオでよくデトロイト・テクノが流れてて、その頃自分の持ってた小さなラジオとテープレコーダーでラジオを録音しては自分のミックステープを作ってたりしたんだ。他には、「Detroit Jit」って番組があって、それを録音しては翌日友だちとお互いのミックステープを聴かせ合ったりしてたよ。テクノに出会ったのはその時期だね。当時はよくローラースケートもしてたね。ホアン・アトキンスやサイボトロンを聴いて、その流れを感じながらローラースケートしてたんだ。自分にとってのテクノ・ミュージックとの出会いのなかでも大きな存在だった。

初めてテクノを聴いたときの印象はどうでしたか?

JD:とっても気分がよかったんだ。サウンドはさらに良かった。心地が良くて、いいサウンドのパーフェクトなコンビネーションで、最高の気分でローラースケートをしてたのを覚えてるよ。デトロイト出身のミュージシャンはたくさんいるんだけど、彼らの音楽のサウンドの良さと、彼らがサウンドに込めるエモーションで、聴いている僕らの気分も最高にしてくれる。

あなたは子供の頃から楽器を弾いていたのでしょうか?

JD:4歳から弾いてたよ。初めてのキーボードを持ったのが4歳のとき。父親は仕事に出ていて、家では母親が洗濯、家事をしているときにレコードをかけてたんだ。キーボードをレコードの側でよく弾いてたよ。レコードにあわせて弾こうとしたりね。それを見ていた父親がヤマハのキーボードを買ってくれたんだ。それからはドラム、トランペットも弾いてたころもあるよ。いろんな楽器を弾いてたね。

どうやってURに出会ったのでしょうか?

JD:サックスのデシャーン・ジョーンズとは兄弟みないた仲なんだ。彼がある日ダウンタウンのジャズ・クラブでサックスを演奏するのを観に行ったことがあった。その日、URのコーネリアス・ハリスがデシャーン・ジョーンズに、あるバンドで演奏しないかってアプローチしてきて。そのときはそのバンドの詳細はあまり聞かなかったらしくて、デシャーン・ジョーンズが僕に「おまえ、アンダーグラウンド・レジスタンスって知ってるか? ギャラクシー2ギャラクシーって知ってるか?」って尋ねてきたんだ。僕もそのときはバンドのことを知らなくて。デシャーン・ジョーンズが言うには、そのバンドが公演を前にキーボード奏者も探していると。それで、じゃあ僕に連絡をとるように彼に話したんだ。
 そうしたら翌日マイク・バンクスから電話がきて、「世界中を廻って音楽をしたいなら、月曜の16時に来い。もしその気がないなら他をあたるけど、どうする?」って言われたんだ。「月曜16時に訪ねるよ」って答えたんだ。約束の日にマイク・バンクスを訪ねていくと、キーボードの前に座らせられて「なんか弾いてみろ」って言われてキーボードを弾いた。それでマイクが「マネジャーに、おまえのパスポート申請するように言っといた」って返事をもらって。2週間後にはスイスのモントルーにバンドと一緒にいたね。人生が変わった瞬間だったよ 2007年のことだったね。

サックスのデシャーン・ジョーンズとは同世代?

JD:デシャーン・ジョーンズは僕より4歳年下なんだ。僕はいま29歳、彼は25歳だね。とても気が合うんだ。彼との出会いは2003年。僕の友人が「ラスベガスから新しい子が街に来たらしいんだけど、高校生でサックス吹いてて、すごい上手いんだよ。絶対彼のサックスを聴きにいかなきゃ!」って話してたんだ。「高校生のサックスを聴きにいくのか?」って最初思ってたんだけど、彼の演奏をきいて、すぐに彼の才能を感じとったよ。彼のポテンシャルはとても大きいものだったけど、彼には彼の先生となる存在がいなかった。才能を開花させ、導びいてくれる人がいなかったんだ。だからその後僕らは──彼が高校、僕が大学だったんだけど、学校が終わったら、僕の家で何時間も演奏した。音楽のアイディアを交換し合ったり、音楽へのアプローチ、とにかくいろいろ語りあったんだ。こうしてお互い築いた関係から、一緒に演奏するときは彼が演奏をはじめれば、彼が何をしようとしてるのか、求めてるのか、言われなくても想像がつくようになった。僕らの相性、言葉を交わさなくてもお互いのことが感じ取れる仲になった。ライヴ中も言葉を交わさずにお互いの音が引き合ってひとつのものになってくのをオーディエンスは感じ取れると思うよ。僕にとっては弟みたいな存在なんだ。

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いまはタイムラインに集中しているよ。新しいEPもリリースするから。それともうひとつは、自分自身のレーベル〈Forever Forward〉。このレーベルはジャズやエレクトロニックミュージックが主なんだけど、それと同時に僕自身の音楽的なものが凄く表れていると思うよ。

URとタイムラインではキーボードを担当していますが、他の楽器を演奏したりもしますか?

JD:演奏するよ。タイムラインの体制は僕自身がまずキーボード、デシャーン・ジョーンズがサックスとイーウィと小さいキーボード、マイク・バンクスもキーボード、DJ CONSPIRACY、彼はDJとサンプリングも担当している。僕らのタイムラインのライヴは回ごとに違うんだ。デシャーン・ジョーンズと僕のバックグラウンドの音、ジャズやフュージョンの生音を取り込んだり、マイクも生演奏するからその音を取込んでDJのプレイとひとつのものを作り上げてくんだ。DJプレイだけではなくてライヴを体感してもらえるようなセットだ。即興的なものも多くて、金曜のライヴと、次の日の土曜のライヴとは全く違うものになってるんだ。それはオーディエンスのエナジーが僕らのライブの一要素だからふたつと同じものにならない。東京のオーディエンスからのエナジーをもらったライヴと、神戸のオーディエンスのエナジーでのライヴが違うものになるようにね。ひとつひとつの演奏がユニークなんだ。

学生相手に音楽の授業をしていたと思うのですが、あれは大学生相手でしょうか?

JD:そう、授業をしてたよ。最年少は9歳の子供たちから最年長は86歳。自分のスタジオで、プライヴェート・レッスンもしている。一学期に50人から60人の生徒に教えてるよ。クラシックからジャズ、R&B、ブルース、エレクトロニック・ミュージックを制作している生徒は自分の曲を持ってきて、僕がそのアプローチや、僕の意見などを話したりするんだ。ハープを演奏する生徒もいるんだ。彼女はいろんなアプローチを学びたくてレッスンを受けにきているよ。

なぜ音楽を教えているの?

JD:その質問をきいてもらえて嬉しいよ。僕自身の先生となる人はマークとマイク。双方から言われたのは、学んだことを教えることのできる存在になれと。音楽を通して出会うことできる喜びや発見した道を、今度は他の人たち(生徒)に標してあげるんだと。こうして自分が音楽のなかに見つけた人生の喜びを生徒に教えることがとても嬉しい。毎学期、生徒は音楽のなかにいろんなものを発見して、喜びを感じるといってくるんだ。音楽をはじめるには年齢は関係ないと思うんだ。もうはじめるのには遅いなんでことは決して無いと思うんだよ。マイクがデシャーン・ジョーンズや僕らを導いてくれたように、次世代を僕らが導く、この繰り返しが続いていくんだ。デトロイトはメンターシップがとても強いんだ。次世代に教えるため、多くの人が自分の経験や学んだことを惜しまずにすべて与えようとする精神がとても強い場所なんだ。

音楽の授業ってベーシックな授業しかないから、さまざまなジャンルに触れ合える授業があればいいのになと思っていました。

JD:ここデトロイトは、ミュージシャンも人びとも音楽に対して寛容なんだ。将来僕がやりたいのはもっとワークショップを開くこと。もっと若者がエレクトロニック・ミュージックに出会える機会を増やすこと。マイク・ハッカビーがある機関のワークショップで音楽制作を教えていた。カイル・ホールも生徒のひとりだった。マイクがカイル・ホールの先生でもあるんだよ。カイル・ホールは僕の気が合う友人のひとりで、僕も彼に教えていたこともあるんだ。こうして音楽に対しておのおの道を拓いていって、また次世代に教える。こうしてデトロイトでは引き継がれてゆくんだ。生徒たちが音楽に対して寛容で、さまざまなことを受け入れて感じ取れる視野を身につけてゆく。身につけた広い視野で、さらに新しい発見をしたり学んだりしていくんだ。

学生にはどのジャンルの音楽が人気なのでしょうか?

JD:デトロイトは、とっても音楽が溢れてる街だ。僕自身もそのときの気分でジャズを聴いたり、テクノを聴いたりする。ブルースを聴いたり、ロックを聴いたり、ヒップホップを聴いたり。デトロイトの魅力のひとつにひとつのジャンルだけではなく、どのジャンルもとってもいいものが生まれてるということ。新しい〈Forever Forward〉というHi-Tech Jazzのレーベルも近年立ち上げる。自分のジャズのルーツにエレクトロニック・ミュージックを融合させていこうと思っているんだ。

あなたの目から見て、デトロイトの子供たちの音楽に対する状況はどうですか?

JD:現状は決していいものとは言えないね。公立の学校では音楽の授業が廃止になって音楽に接する機会がなくなったり。だけど、校外で受けられる音楽のクラスがデトロイトにあるのはとてもデトロイトにとってポジティヴなものだとおもう。学校で授業がなくても、こうして音楽のプログラムに参加する生徒が毎年増えているんだ。音楽がどれだけデトロイトでは大きな存在なのかを再認識させられたよ。子供たちが音楽をもっと学びたいときに学べる環境を与えられるようになってほしい。

子供たちにテクノは人気なの?

JD:正直にいうと、、それはどうかなと思う。でも将来は人気になる可能性はあるよ。いろいろな学校で音楽を教えてるし、僕とデシャーン・ジョーンズなんかはワークショップをするときに自分たちの自己紹介をするんだけど、僕たちの起源はジャズにあって、そこからはじまっていまURで試みていることとか、ホアン・アトキンスやデリック・メイなんかが成し得たことなんかも話したりしているしね。

URやタイムラインのライヴで演奏するとき、大切にしていることがあれば教えてください。

JD:まず第一には、僕たちはみんなに踊ってもらうことをとても大切に考えてるよ。ときどきそのことを忘れちゃうこともあるけど、基本はみんなが踊って楽しめるダンス・ミュージックだってことをいちばんに考えてるね。そしてふたつめは、僕たち自身がステージの上で楽しむこと。みんなが踊り続けて、僕たちも楽しみながら演奏する。そして、僕たちはそこに何か新しいアイデアを盛り込んでいけるようにする。毎回毎回が新しく新鮮であるように、いろいろな方法を試したり、何か違うことにトライしている。キーターを使ったり、ライヴがもっともっとよくなってみんなに楽しんでもらえるように、これからも新しいことに挑戦し続けていきたいね。

今後自分の曲をリリースしたりすることも考えている? 他にもこれからやりたいこととか目標とかあれば聞かせてください。

JD:いまはタイムラインに集中しているよ。新しいEPもリリースするから。それともうひとつは、自分自身のレーベル〈Forever Forward〉。このレーベルはジャズやエレクトロニックミュージックが主なんだけど、それと同時に僕自身の音楽的なものが凄く表れていると思うよ。時が進むなかで僕の感じたことだったり、振り返ったり、前をみたり、現在僕のなかで起こってるいろいろなことを含んでいる気がするね。あとはやっぱり、若い子に限らずだけど、デトロイトで音楽がもっとみんなに身近なものになってほしいと思う。もちろんデトロイトには多くのネガティヴな問題があるけど、それでも音楽のシーンは絶対に死なないと僕は思う。いまでも力強くたくさんの才能ある人たちがデトロイトから生まれてきているし、これからも僕は年齢問わず多くの人に音楽を教えて、みんなにきっかけを与えていけたらと思っている。マークやマイクが僕にそうしてくれたようにね。間違った道に進みそうなとき、「君なら出来るって」、そんなふうに少しでもいい方向へ道しるべが出来たらなって思う。これからもUR、タイムラインとしていい音楽を世界中に発信していくのはもちろんだけど、こういった活動もずっと続けていきたいね。

新しく出るEPについて詳細を教えていただけますか?

JD:次に出るEPは3曲収録される予定なんだけど、メインは"new step forward"って曲だね。今回はとりわけ僕とデシャーン・ジョーンズが多くの責任を与えられて取り組んだんだけど、エレクロニック・ミュージックのネクストレベルっていうか、全体を通して、何か新しい次の段階っていうのを意識しているかな。"High Tech Jazz" の未来形って表現するとわかりやすいと思うんだけど、他とは異なった、先の考えみたいなものを表現したいと思っている。今回は僕にとってのタイムラインとしての二番目のEPになるんだけど、前回とはまた少し違った作品に仕上がってるんじゃないかな。
 日本のみんなはいつも本当にすばらしくて、音楽に対してもとても寛容でいてくれてる気がする。僕に限らずデトロイトのアーティストはみんな本当に日本が大好きで、僕もまた早く日本でライヴをしたいと思っているよ。とっても日本が恋しいね。次のEPもみんなが楽しんでくれることを願っているよ。

interview with SHO (Plasticzooms) - ele-king


PLASTICZOOMS
CRITICAL FACTOR

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 プラスティックズームスのフロントマン、SHOには大きな借りがある。出会いは2010年。大学を中退したばかりの僕は、気分を晴らすためにますます音楽に没頭していた。失ったものの穴を埋めるために必死だったし、いろんなライヴハウスに通った。しかし、やりたいことは定まらず、時間だけが過ぎていった。ライヴハウスに知り合いはいなかったし、常に不安で、孤独だった。
 そんなときに唯一話しかけてくれたのがプラスティックズームスのSHOだった。スタイル・バンド・トーキョーのイヴェントでDJを終えた彼に、僕は自分がライヴ・イヴェントをやりたいことや音楽に関わりたい気持ちなどを素直に話した。彼は純粋な笑顔で、僕に「絶対に出来るよ。なんでも力になるし、僕でよければ手伝うからさ」と言ってくれた。
 あれから3年が経った。僕は去年、初めて自分のイヴェントを開いた。少しずつだが音楽の現場に関わる機会も増えてきた。そして今回は、取材という形で、SHOへの感謝を伝える機会も得た
 3枚目のニュー・アルバム、『クリティカル・ファクター』がリリースされる。レーベルは七尾旅人や前野健太、やけのはらや快速東京などのリリースで知られる〈フェリシティ〉。
 プラスティックズームスのダークウェイブを参照したスタイリッシュでアグレッシヴなサウンドは、ボー・ニンゲンやサヴェージズとも通じるところがある。いまっぽい音なのだ。が、とはいえ、このバンドにはロマン主義があって、それは、1枚目のアルバム『チャーム』の頃から、SHOの優しさのように変わらない。

 高校時代、僕は教師にどうして髮を染めてはいけないのかきちんと説明して欲しいと詰め寄ったことがある。教師は「それが決りだから」とだけ言い残して、教室から出て行った......そして僕はジョイ・ディヴィジョンの『アンノウン・プレジャー』をTシャツを着るようになった。
 ゴシックは、たとえば19世紀末、西欧が近代化を果たしたときに盛り上がっている。電気と機械が生活のなかで普及し、店の照明や街灯によって夜でも世界は明るくなった。そうした変化に違和感を覚えた人は、暗闇や不合理な世界のほうを向いた。ゴシックは、新しい技術や明るさの氾濫のなかで息詰まる人たちの逃げ場だった。ポストパンク時代にゴシックが流行ったことも、インターネットと明るさに翻弄されている現代にゴスの妖しい炎が燃えることも理解しがたい話ではない。ファッショは、マルコム・マクラレンが言うように、つまはじき者たちが変身するための術なのだ。真っ黒な服装に身を包んで、取材場所にもばっちりメイクをして登場したSHOに、彼のゴシック精神について訊いた。

いやもうボコボコだし、ヤンキーのバイクに敷かれたりしましたね(笑)。そういうのは余裕でありました。自分が好きなファッションをしたりパンクを聴くっていうのはある種自分を守ることでもあったんです。

えー、なぜいまゴスなのかっていうところからお話を伺いたいんですけども。

SHO:なるほど、そこですか。

野田:僕なんかはゴス、リアル・タイムだったんだけど、かれこれ30年も昔の話で、だからなんでいまゴスなの? 僕もそこがすごく気になるんですよね。

SHO:はじまりはゴスじゃなくって70's パンクだったんですけどね。中学のときに70's パンクに触れて、80'sハード・コアだったり、ニューウェイヴにハマってゴシックにたどり着きました。でもいまはゴシックも通り越したと僕は思ってます。
 ファッションに関してはそのトータルが黒に繋がったっていう感じです。実際その質問よくされるんですけど、ゴシックのあの雰囲気が自分の性格に合うんです。ファッションにしてもデザイン性が高いし、そういう繊細な部分が自分にフィットするんですよね。

どういうきっかけで70's パンクに出会ったんですか?

SHO:これに関しては親ですね。僕の親がレコードで、ビートルズとかキンクスとかプレスリーなど、いわゆるオールディーズと呼ばれるものもよく家で流れていたんです。他にもクラシックだったりジャズだったり。その反発でもないんですけど、小学生のときにバスケットボールをやってた影響で80~90年代のヒップホップを聴きはじめたんです。で、それのまた反発でパンクに目覚めました(笑)。

一同:(笑)。

野田:でも、オッド・フューチャーとかも、ちょっとゴスっぽいしな。

ちなみにヒップ・ホップってなにを聴かれてたんですか?

SHO:なんでも聴いてましたよ。ランDMCも聴いたし、ビースティー・ボーイズとか。バスケットボールの選手とかがラップをやってたりもしたんで、シャキール・オニールとか。

サウンドもスタイルも全然違うじゃないですか?

SHO:全っ然違う。

パンクに関してはどこにいちばん魅力を感じましたか? サウンドですか? スタイルですか?

SHO:どっちもですね。

野田:いちばん好きなバンドってなんですか?

SHO:うーん、いちばん好きなのか......

野田:じゃあ3つで(笑)。

SHO:えっと、バズコックス、あとは......、たくさんいるんだよなー(笑)

野田:バズコックスはどの時代が好き? ピート・シェリー? それともハワード・デヴォード?

SHO:『シングルズ・ゴーイング・ステディ』が好きで。ピート・シェリーも好きなんですけど、"テレフォン・オペレーター"が特別好きって感じです。ネオン・ハーツとかザ・マッドとかも好きですね。ザ・マッドはスクリーミンング・マッド・ジョージっていうニューヨークで特殊メイクやってる人がやってたバンドなんですけど。でも、音楽とファッションを一緒に考えるきっかけを与えてくれたのはセックス・ピストルズ。マルコム・マクラレンの仕掛けかたとか。ヤバいなと思いました。

野田:ピストルズっていろんなものが詰め込まれていたからね......。彼らのなかで、いちばんピンときたファッションってなに?

SHO:デストロイのガーゼ・シャツですね。基本的に76年のセディショナリーズが好きです。

それって何年の話ですか?

SHO:何年だろ? 中1だから......

野田:完全に変な人だよね。

SHO:僕それで町追い出されたんですよ。

野田:それは追い出す町が間違ってるよ。

SHO:町で問題になってるって母親から聞かされたときはびっくりしましたね。子供に悪影響だからって理由で追い出されたんですよ。

野田:どこですか?

SHO:水戸の下のほうの町です。中学のときはずっとそういう格好をしてましたね。でも高校は転入して通信行ってたので服装も自由だったんでやりたい放題やってました。安全ピンたくさんつけたり、メイクもして。キャット・ウーマンの髪型したり。西暦でいったら2000年の頃とかですかね。

友だちはいました?

SHO:中学の頃はほぼいないです。ひとり暮らしをはじめてからは水戸のパンク軍団と知り合いましたけれど。でもそんな友だちのこと考えたことないです。実際、つい2~3年まえまで誰も信用してませんでしたからね。
 自分は独りで死んでいくんだって思ってました。作るっていう作業を死ぬ準備だと思ってましたね。やっぱり作品を作っていくと同時にいろんな人が集まってくるじゃないですか、自分を必要としてくれる人だったり。でも僕は必要としてくれるっていうところに意識がなかなかいかなくて、むしろそこに偽善みたいなものを見いだしてしまっていたんですけど、今回のアルバムは初めてそこがクリアになった状態で作れた作品なんです。

野田:音楽性なんかは全然違うけど、アウサイダーっていう点では、君は下津君(踊ってばかりの国)のゴシック・ヴァージョンだね!

SHO:ああ!

野田:そんなの格好で地元を歩いてたらオラオラ系とかヤンキーに絡まれたでしょ?

SHO:いやもうボコボコだし、ヤンキーのバイクに敷かれたりしましたね(笑)。そういうのは余裕でありました。

でもそんなことされて、なおさらそこにとどまることって難しいですよね?

SHO:自分が好きなファッションをしたりパンクを聴くっていうのはある種自分を守ることでもあったんです。僕、自分にジンクスを作る癖があったんですよ。とにかくこうじゃないとダメとか、自分はこれじゃないと自分じゃないみたいなものを作りやすい人間だったんで、たぶんそれが自分を変えない理由で、ここまでこういう風にきた理由なんだと思います。でもひとりで追求するのが好きだったんで、レコード掘ったり、画を描いたりしてました。でもそれはいまも変わらないかな。

ずっと洋楽を聴かれていたんですか?

SHO:ずっと洋楽なんですよね。スーパーとかでかかってたJ-POPとかは自然に耳に入って来てしまいますけれど(笑)。

日本でいま自分たちと似てるなぁと思ったり、なにかしらシンパシーを感じるバンドっていますか?

SHO:ザ・ノーヴェンバーズとリリーズ・アンド・リメインズですね。あとはもう解散してしまったんですけどサイサリアサイサリスサイケとか。あとパープル。サイサリアサイサリスサイケのトオル君とかはいまでも注目してます。あとボー・ニンゲン。ボー・ニンゲンのメンバーもかっこいいなと思います。それこそさっき名前が出た踊ってばかりの国の下津君だったりとかね。

いま挙げてくださった人たちのどういう部分にいちばん惹かれますか?

SHO:まっすぐなところ。そこでしかないです。自分もそうでしかないと思っているし、見ためというよりはその人の目、ですね。僕絶対に人の目を見るようにしてるんですけど、実際ファッションってごまかせるじゃないですか、でもファッショに見合う目をしてたらそれは本物だと思うし、それに似合う音楽をやって、トータルでバランスをとれてる人に魅力を感じるし、僕はそういう人が好きです。いま挙げた人たちは全員そういう人たちだと思います。日本人にはあんまりいないなって思いますけどね。僕そういう意味で安全地帯とかすごい好きですけどね(笑)。

野田:いまのは聞かなかったことにしとこう(笑)。

一同:(笑)

SHO:初めて聴いたときとか超ニューウェイヴじゃん! って思いましたけどね。あとウィンクとか、カイリー・ミノーグのカヴァーですし。リリーズのケント君とそういう会話良くします。

野田:日本の音楽が聴けないんじゃなくて、日本の文化のある部分がすごい嫌で遠ざけてしまうみたいな感じはわかるけどね。自分もそうだったから。

SHO:いまは理解していますよ。プラスティックズームスが英詞な理由なんかも日本人のコンプレックスとかじゃなくて、ただ自分が作った曲に合うのが英語だっただけで、とくにそこに理由なんてないんです。

これから作っていく曲で、日本語に合うサウンドが出来たら詞は日本語っていう場合もありますか?

SHO:かもしれないですね。僕やっぱりほとんどのJ-POPはかっこいいと思えないし、かっこいいと思えるもの以外はやらないですけどね。

野田:だけど、白い人たちの多くはこういうことを言うのね、「黄色い人がロックな服装で英語で歌うのだけはやめてくれ」って。俺らが歌舞伎をやってたらお前らもおかしいと思うだろ? って。そういうことを言われても英語で歌う?

SHO:歌う。僕の価値観でいうと、逆に外人が歌舞伎やってたら美しいと思うもん。

野田:それはいい見解だね(笑)。

SHO:僕は黒人が歌舞伎やってても美しいと思いますけどね。それがたとえ下手でも、その人が好きな気持ちを表現したいものであれば美しいと思います。まぁでもそれをお金とか汚い誘惑のためにやったらダメですけどね。

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実は僕ビーナス・エキセントリックっていうブランドを持ってるんですけど、テーマがブリクサなんですよ。僕、ニック・ケイヴも好きだし、バースデイ・パーティのギターのローランド・S・ハワードも大好きです。スージー・スーとかはファッション的にも影響受けてますね。


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プラスティックズームスとしては、リスナーにどんなことを提示したいですか?

SHO:これは最近ようやく人と交わるなかで見つけたことなんですけど、とにかく自分を持って欲しいなって思います。自分が良いって思えばそれでいいじゃんっていう。日本人は流されやすすぎると思うんです。

流されるっていうのは具体的にどういうことですか?

SHO:誰かがやったからやる、だったり、誰かが良いって言ってたから良い、みたいな。自分で確認はしたの? っていう。そこを明確に生きて欲しいですけどね。僕はプラスティックズームスをパイオニアだと思ってて、音楽とファッションを同列で捉えてこんなことやってる人って実際いないから。まぁでも実際ものすごく孤独ですけどね(笑)。

SHOさんにとってのファッションっていうものを言葉で説明するとしたらそれはなんですか?

SHO:僕です(笑)。

一同:(笑)。

野田:電車とか乗ってたらみんなから見られるでしょ?

SHO:もうすごいですよ。だからいつもサングラスしてるんです。絡まれるので。実はこの下にもメイクしてるんですけどね(サングラスを外してメイクを見せる)

野田:ああ、本当だ!

SHO:出かけるときは必ずメイクしますね。

野田:70年代や80年代って、いまだったら白い目で見られるようなファッション、みんな平気でしていたけど、最近は、バンドやってる子も当たり障りのないファッションをしてるからね。目立っちゃいけないみたいなね。その点、ゴスやコスプレとか、がんばってるよ(笑)。めちゃくちゃ気合いの入ったB-BOYとかね。

SHO:かっこいいし、すごいって思いますよね。それこそボー・ニンゲンのメンバー全員を見たときに「マジでかっこいいな!!」って思いましたからね!

ハハハハ。

SHO:だって普通じゃ考えられない髮の長さじゃないですか。 だから逆にヴィジュアル系とかって言われると本当に嫌ですけどね。そう見えてしまう意味がわからない。最悪な気分です。

野田:ヴィジュアル系もあの姿のままで街を歩いてるんだったらかっこいいと思うんんだけどな。

SHO:でも基本的に違いますよ(笑)。普段ギャル男みたいな人多いじゃないですか。

野田:SHO君はゴスだったら何がいちばん好き?

SHO:実は僕ビーナス・エキセントリックっていうブランドを持ってるんですけど、テーマがブリクサなんですよ(アイテムを見せる)。

野田:ブリクサって、若い頃、ほとんどアイドルだったんだよ。女の子が「キャー! ブリクサ!」みたいな感じで。

SHO:イケメンすぎますよね。僕、ニック・ケイヴも好きだし、バースデイ・パーティのギターのローランド・S・ハワードも大好きです。スージー・スーとかはファッション的にも影響受けてますね。

最近ではサヴェージズも好きなんですよね?

SHO:大好き! 7インチが出たときすぐにファイル・アンダー(名古屋のレコード・ショップ)に連絡しましたもん! それ、ちなみにいま額に入れて部屋に飾ってます(笑)。IPSO FACTOと並べて。

最近聴いたバンドのなかでいちばんのお気に入りってなんですか?

SHO:なんだろうなぁ~......。

野田:遮ってごめん。ねぇマリリン・マンソンはどう?

SHO:嫌い。

野田:なんで?

SHO:嘘くさい。

野田:『シザー・ハンズ』は好きでしょ?

SHO:大好き! 観ると絶対泣いちゃいます。

野田:あれは誰でも泣くよ(笑)。

SHO:最初のシーンからやばいですもん!

野田:ウィノナ・ライダーが『ビートル・ジュース』で黒い服で出てくるじゃない? あれなんかまさにゴスだよね。

SHO:僕あれに憧れて女優帽被ってます。『キス』っていう漫画知ってます?

野田:ごめん、それは知らないな。

SHO:楠本まきさんっていう漫画家さんが描いてらっしゃる漫画なんですけど、男の子がストロベリー・スウィッチブレイドみたいな格好してるし(漫画をみせる)、キュアーとかが漫画のなかでかかってるんですよ。このあいだこの漫画のヴィデオを手に入れたんですけど、割礼とかさかなが音楽を担当してたり本当にすごいんですよ!

野田:ホントにストロベリー・スウィッチブレイドだ(笑)!

SHO:この漫画に出てくるバンドの名前でこのまえイヴェントを開いたんですが、そしたら作家の楠本まきさんとコンタクトがとれて。感動です。

今日、SHOさんの話を聞いていろんな経験をされてることを初めて知りました。このインタヴューを読む人のなかに、同じとまでは言いませんが、似たような境遇のなかを生きてる人もいるかもしれません。そんな人にこの場を借りて言いたいことなどがあれば是非お願いします。

SHO:生きてるってことは独りじゃないってことですね。あと自分から外に出ること、それと......

野田:...... ねぇ、また遮ってしまって申し訳ないんだけど、ボーイ・ジョージは好き?

SHO:あ、はい(笑)

野田:キュアーは?

SHO:大好き。

野田:ゴスじゃないんだけど、アソシエイツは?

SHO:それは知りません。

野田:聴いたほうがいい。

SHO:帰ったらすぐ聴きます!

野田:えっとごめん、続きをどうぞ(笑)。

SHO:はい(笑)。これは自分への言葉でもあるんですけど、逃げちゃだめで、とにかく自分の道を自分で切り開く勇気を持つことですね。勇気を持つには努力が必要ですよね。努力を惜しまないことが重要だと思います。絶対逃げちゃ駄目です。

新しいアルバム『クリティカル・ファクター』のサウンドにも、SHOさんの堅固な"ブレない姿勢"みたいなものを感じたのですが、実際に、今作はどんなところにいちばんフォーカスしましたか?

SHO:感情的っていうところをとにかく意識しました。ありのままの自分を音に落とし込んだり、それはリリックもそうなんですけど、実際、こんなに感情的になった作品はないです。理性よりも本能で作りました。

5曲めの"SAKURA"と、7曲めの"AV△W"が所謂インストですが、それはそうした曲作りからの影響だったりしますか?

SHO:僕は歌だと思って出来上がりをレーベルに持ってたんですけど、インストですか? って言われて、そこではじめて気がつきました(笑)。このふたつはいろんなバランスを考えて入れましたね。全部言葉だと疲れちゃうんで。

もちろん全部の曲に思い入れがあると思いますが、今作における、SHOさんが思う重要な曲をひとつだけ選ぶとしたらそれはなんですか?

SHO:"PARADE"ですかね。

それはどうしてですか?

SHO:PLASTICZOOMSの今後に繋がる曲だからです。作ったときの達成感もコレ迄でいちばん大きかったです。あともうひとつ、"CRACK"っていう曲もかな。これは自分で抱えてたジンクスみたいなものを全て取っ払えた曲なので。無になれたというか、この曲が出来てすべてがクリアになった気がします。

アルバムのタイトルにはどんな意味を込めましたか?

SHO:喜怒哀楽ですかね。それがもっとも重要な要素です。

今後試してみたいサウンドとか、やってみたいことって具体的にありますか?

SHO:サウンドはいまも今後も自分を越えて進化していくと思います。音楽の他には画を描いたり、映像を撮ったりとかいろいろですね。実は"PARADE""CRACK"のMVは僕が編集したんです。

SHOさんにとって音楽はひとつの表現で、他との差みたいなものってありますか?

SHO:ありませんね。全部同じ。僕はとにかく頭のなかにあるものを外に出して表現したいんです。自分が出来ることすべてで自分が生きてるってことを表現したいですね。

野田:普通の仕事とかってしたことあります?

SHO:高校生の頃は早朝のファミレスで働いてました。あとお花屋さん。理由は髮の色を明るくてもよかったからと店の前にレコード屋さんがあったから(笑)。東京に来てからは専門学校に入ったり、バンドをはじめたりでやってないんですけど。そもそもプラスティックズームスを結成したきっかけが、ANNA SUIが学校に来て、「自分がいちばん得意なことを仕事にしろ」って話たんです。その言葉に感銘を受けましたね。

バンドを続けるのも大変じゃないですか?

SHO:大変です。バンドは大変なんだなってつくづく思いました(笑)。

野田:昔の自分みたいな子たちがライヴに集まってきたりしますか?

SHO:ライヴに来た子で僕を見てバンドをはじめたって子がいたんです。凄く嬉しかったです。ファッションに関しては、女の子が真似てくれているのかなって感じはします。自分にもそういうアイコンがいたんで素直に嬉しいですよね。ジョニー・ロットンとかスージー・スーとか。

野田:SHO君に集まってくる子とかけっこうな異端児でしょう?

SHO:だと思います。だからなんか似てると思うし、繋がりみたいなものをすごく感じますけどね。メンバーもスタッフも。

野田:80年代は流行だったからみんな黒かったけど、いまは違うからね。黒い人は珍しいじゃない。

SHO:もう宿命ですよね。体験したかったですけどね、80年代!

野田:いや、そんな良いものでもないよ(笑)。だいたい、いまゴスやってるほうがよほど勇気いるでしょう。がんばってね。

SHO:はい、サブカルで終わらせないようにがんばります。

野田:ハハハハ。

(このあたりで、菊地、SHOとの間の思い出が蘇り、感極まって、涙腺ゆるんでしまう)

SHO:大丈夫?

......は、はい......

野田:なんか、いろいろ思い出しちゃったんだね。

昔、すごく励まされたことがあって......この場をお借りしてSHO君にあのときのお礼を言いたいんです。あのときSHO君が声を掛けてくれて僕本当に救われました。今日こうしてお会い出来たことが本当に嬉しいです...。

SHO:僕も嬉しいよ。インタヴュアーが決まったとき「やった!」って思ったし、あのとき話したこととかちゃんと覚えてるよ。お互いとにかく必死だったもんね。こういう瞬間はさっきの話じゃないけど、生きててよかったって思える。今日は本当にありがとうね。

こちらこそありがとうございました......

野田:なんか、いろいろあったんだね。

SHO:そうなんですよね......

なんか急にすいませんでした。では、最後に、SHOさんの最大の目標をお聞かせください。

SHO:自分がやってることを世界に発信して、とにかくそれを受け入れてくれる人を増やすってことですね。だからこそまずは日本から。僕は日本で暮らしているので。

ele-king presents
of Montreal Japan Tour 2014
- ele-king

【of Montreal】

 〈TAICOCLUB'13〉での圧倒的パフォーマンスに続き、待望の5年ぶり単独来日公演が決定! 1996年にジョージア州アセンズにて結成され、その後作品を発表するごとにミラクルを連発。いまやチャートにも食い込む人気バンドに成長したof Montreal(オブモン!)ですが、まだまだ彼等のポップ道は続くわけでして! 最新アルバム『ロウジー・ウィズ・シルヴィアンブライアー』では、2週間メンバーと寝食をともにしながら生まれた心身燃えたぎるピチピチの音魂が爆発! それはまるでオブモンの原点に戻ったかのような究極のバンド・サウンドで、無邪気な子ども心とユーモアの奥に、しっかりとアーティスティックで辛辣なメッセージが抱えこまれています。全世界の空に向けて放たれるこのメロディー、このハーモニーは、どこまでもいつまでも私たちに笑顔と感動を与えてくれる! そして定評あるそのライヴ・パフォーマンスは、まさに完璧なエンターテイメント・ショー! 本国アメリカではアイドルのコンサートに通じる黄色い奇声が飛び交っているとか。はてさてどんな衣装で出てくるのか? 衣装替えはあるのか? 裸になるのか? メイクは? 風船は? 紙吹雪は? 水とかクリームのぶちまけは勘弁してほしい。馬は絶対ムリ!! ......なにやら準備がかなり大変そうですが、その爆笑&感涙のポップ・ワールドにぜひぜひご期待下さい!



ライヴとの連動シリーズ、「Beckon You !!」スタート!!!!
作品を購入→ライヴに行ったら会場でキャッシュ・バックしちゃいます!!


注目の新世代アーティストを中心に作品とライヴを連動させちゃうのがこの「Beckon You !!(来て来て〜おいでおいで〜の意)」シリーズ。
10/2リリース、オブ・モントリオール『ロウジー・ウィズ・シルヴィアンブライアー』貼付のステッカーを公演当日にお持ちください。その場で500円をキャッシュバック致します。もちろん前売り券でも当日券でもオッケーです!


ele-king presents
of Montreal Japan Tour 2014

1/28(火) 渋谷TSUTAYA O-WEST (03-5784-7088)
of Montreal / ELEKIBASS
adv 5,000yen door 5,500yen (without drink)
open 18:00 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:P:213-275)
ローソンチケット(Lコード:77039)
e+

ELEKIBASS

2013年秋に7度目のアメリカツアーを、USインディーを代表するレーベル〈K〉所属のバンド、LAKEのソングライター/マルチプレイヤーのAshley Erikssonと行い、そのツアー会場限定のシングルでもあったアメリカのエレファント6/アップルズ・イン・ステレオのロバートシュナイダー提供曲「Garden Party」が収録されたニューミニアルバム「Home Party Garden Party」が2014年1月22日に発売された、60年代後半のブリティッシュロック、ブルース調のリズム、ミュージックホールメロディー、そして風変わりなサイケデリックさの要素をあわせ持つバンド、ELEKIBASS。

1/29(水) 東心斎橋CONPASS (06-6243-1666)
of Montreal / Foodie
adv 5,000yen door 5,500yen (without drink)
open 18:00 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:213-331)
ローソンチケット(Lコード:58283)
e+

Foodie

マキ ; Vo, B, Gt, Track (ex mummy the peepshow, Sentinels)
サーヤ ; Gt, Syn, Cho (ex リトルフジコ, サンキュー)
ハルロヲ ; Gt, Sampler, Cho (manchester school≡, BRONxxx)

2012年1月結成。大阪を拠点に活動中のポップバンド。同年9月、ネットレーベル"ano(t)raks"が発表したコンピレーションアルバム"Soon V.A."に参加。2013年2月配信の"Upwards And Onwards V.A."、11月配信の"B.D.V.A."にも参加している。
https://anotraks.bandcamp.com/
2013年9月、アメリカ西海岸ツアーを敢行。ロサンゼルスとサンフランシスコでライブを行う。同年11月、ロサンゼルスのLolipop Recordsより1st EP"Chopstick Chick"がカセットにてリリースされた。
https://lolipoprecords.com/


1/30(木) 名古屋APOLLO BASE (052-261-5308)
of Montreal / tigerMos
adv 5,000yen door 5,500yen (without drink)
open 19:00 start 19:30
チケットぴあ(Pコード:213-270)
ローソンチケット(Lコード:43272)
e+

tigerMos

2012年名古屋にて結成。
Yusuke Ikeda(ex.LEGO WORKS)荒木正比呂(レミ街/fredricson)を中心としたユニット。
2013年より本格的にライブ開始。バンド編成にてフェス、エレクトロ、アコースティック等数多くのイベントに出演、話題を呼ぶ。それぞれの共通ルーツであるフォーク、エレクトロニックミュージックを抜群のセンスでブレンドした食欲旺盛なサウンドを作りだしている。
https://tigermos.tumblr.com

*追加公演決定!!!!!!

1/31(金) 渋谷TSUTAYA O-nest (03-3462-4420)
of Montreal / flight egg
adv 5,000yen door 5,500yen (without drink)
open 18:00 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:213-279)
ローソンチケット(Lコード:77043)
e+
(チケット発売12/28〜)

flight egg

2005年、高校入学の年の夏に同級生同士で結成。
2008年、現在の編成(2gt,ba&vo,dr)になる。
東京を中心に活動中。
https://flightegg.com/

*各公演のチケット予約は希望公演前日までevent@ele-king.netでも受け付けております。お名前・電話番号・希望枚数をメールにてお知らせください。当日、会場受付にて予約(前売り)料金でのご精算/ご入場とさせていただきます。


主催・制作:ele-king / P-VINE RECORDS
協力:シブヤテレビジョン ジェイルハウス スペースシャワーネットワーク 
TOTAL INFO:ele-king / P-VINE RECORDS 03-5784-1256
event@ele-king.net
www.ele-king.net


オブ・モントリオール
『ロウジー・ウィズ・シルヴィアンブライアー』


PCD-93758
定価2,415yen
Release:2013.10.2
解説:清水祐也

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1. Fugitive Air
2. Obsidian Currents
3. Belle Glade Missionaries
4. Sirens of Your Toxic Spirit
5. Colossus
6. Triumph of Disintegration
7. Amphidian Days
8. She Ain't Speakin' Now
9. Hegira Émigré
10. Raindrop in My Skull
11. Imbecile Rages
12. Jigsaw Puzzle (Bonus Track)

interview with Austra - ele-king

 ケイティとマヤ。アウストラにおいてはふたりの女性が曲作りとバンド自体のコアを成している。男女比1:2で6人の男女が絡まるアーティスト写真には艶っぽい魅力があるが、もともとギャラクシーというライオットガール・バンドに在籍していたという彼女らは、どちらかといえば硬派、ゴリゴリの女系グループである("ホーム"のMVにおいては、ライアン・ウォンシアクが女装させられている)。そのことは、彼女たちの音楽を理解する上で大事な要素のひとつだ。バンド名も「光の女神」に由来しているくらいである。


Austra
Olympia

Domino / ホステス

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 先月セカンド・アルバムを発表したエレクトロポップ・バンド、アウストラは、トロントで結成され、そもそもはケイティとマヤがベースにドリアンを迎えるかたちの3人組としてスタートしている。2011年のデビュー・アルバム『フィール・イット・ブレイク』で脚光を浴び、活動の幅をワールド・ワイドに広げた。
 折しも同郷のグライムスがブレイクするタイミングであり、クラシック・ミュージックの高度な専門教育をバックボーンに持つような女性トラック・メイカーたちが、奔放に斬新にポップ・ソングをデザインし、どんどんと存在感を増していった時期だ。ジュリア・ホルターやジュリアナ・バーウィックのようにハイカルチャーへと突き抜けるような個性もあれば、ゾラ・ジーザスなどのようにゴシックな世界観やオペラ的な方法を展開するウイッチたち、マリア・ミネルヴァやローレル・ヘイローなど秀才型のIDM、そしてグライムスやグラッサーなどウィスパリングなドリーム・ポップなどなどが競い咲くシーンのなかで、アウストラのデビュー作はゾラ・ジーザス寄りのグライムスとでもいうべき象限に浮上してきた作品だった。ダークウェイヴのムードにも合流し、サイケデリックなジャケットのイメージも相俟って、わりととんがった女性ユニット/バンドとして存在感を放っていたように記憶している。

 セカンド・アルバムは装いも新たにリリースされた。ファーストの性格を良く言って「実験的」、悪く言って「生硬」だとするならば、今作は両者がするっと取れたグラマラスなポップ・アルバムになっている。これは、バンドにとって歓迎すべき変化ではないかと思う。エイティーズ・マナーなディスコ・ナンバーを中心にプロダクションも格段に洗練され、愛聴できる曲が増えた。バック・コーラスとキーボードを加えた6人編成となったことで安定感とダイナミズムも生まれている。確実にステージを上げ、良質なポップスとしてキリっとした輪郭が備わったと言えるだろう。それに、総じてのびのびと制作されているように見える。『フィール・イット・ブレイク』において奇妙なピアノやヴォーカリゼーションとなってポップスの枠を逸脱していこうとするケイティの情熱。その勢いを削ぐことなく、かつ曲の理性として働いているマヤのドラミング。それらがやっとしっくりと自らを収めるべきフォームに収まったという印象だ。この変化はジャケットのアートワークにも象徴的に表れている。

 一方で彼女たちのストレートでこそあれスマートではない表現欲求も減速していない。「彼女をあたためる代わりに/わたしたちは火を起こす/火そのものになる」("ファイア")......聴く者に効率よく快楽を与えるよりは、自らが快となり楽となること自体に意義を見出す、そう読み替えたくなるような熱源の思考が、彼女の風変わりなフレージングによく表れている。その熱はたとえばミューズに捧げられ("アニー(オー・ミューズ、ユー)")、あるいはアウストラ――光の女神へと捧げられているのだろう。思いは過剰にあふれて楽曲に凹凸を作ってしまう。ジョルジオ・モロダーからシカゴ・ハウスまで意識されているようだが、どこかそうした凹凸のためにダンス・ミュージックとしてはビートがおぼこくなるのが感じられるだろう。それが彼女たちの音楽の特質であり愛すべきところでもある。
 また、エレクトロ・ポップ・アルバムという性格を持ちつつも、トム・エルムハースト(ファックト・アップなど)をプロデューサーに起用したり、何かといえば生楽器とバンド編成にこだわるところなどは、彼女たちのロック・バンドとして出自やそれへの矜持とともに、火や光へ寄せる彼女ら独特の敬意の示し方を表しているのかもしれない。

 今回メール・インタヴューに応じてくれたのはマヤ・ポステップスキー。当初ケイティに宛てた質問だったこともあり回答を得られなかった質問が多いのは少し悔やまれる。

ティーンエイジャーのときはスパイス・ガールズにハマっていたの。それがわたしのポップ・カルチャーにおけるいちばんの冒険だったかも。でもすぐに飽きちゃった。あ、あとアンジェリーナ・ジョリーが大好きだったわ。

子どものころはポップスにあまり興味がなかったのですか?

マヤ:あったわよ、毎日ウォークマンで聴いてたわ。当時のわたしの持ち物のなかでいちばん重要な財産だったわ。いまでも持ってるけど少し壊れちゃった。わたしのお気に入りの音楽は、両親がディナー・パーティーを開くときにお父さんが作ってたミックス・テープで、ティナ・ターナー、ブライアン・フェリー、デヴィッド・ボウイ、クイーン、グレース・ジョーンズ、レッド・ツェッペリン、ロキシー・ミュージックとか入ってたわ。未だにどのアーティストも大好きだし、わたしの音楽性は彼らから強く影響されているわ。

テレビやポップ・カルチャー全般への興味はどうでしょう?

マヤ:小さいころ長時間テレビを観ることを禁止されてたの。でもピングーにかなりハマっていたわ。いまでも朝食の時間にたまに見るのよ。ティーンエイジャーのときはスパイス・ガールズにハマっていたの。それがわたしのポップ・カルチャーにおけるいちばんの冒険だったかも。でもすぐに飽きちゃった。あ、あとアンジェリーナ・ジョリーが大好きだったわ。

学校で専門に音楽教育を受けておられるのですか? 学校ではどのような分野を修められたのか、どのような学校生活を送られたのか、教えてください。

マヤ:小さいころからずっと音楽を演奏していたわ。4歳からピアノをはじめて、ずっと勉強しながらテストを受けたりコンペに出てたわ。
パーカッションと出会ったのは9歳のときで、美術学校に通っていて専攻を決めなきゃいけなかったの。ダンスも演劇もアートも好きじゃなかったから、そのときはまったくパーカッションがなんなのかわからないまま消去法で選んだの。けれど、自分のドラム・スティックをもらった瞬間に完全に心を奪われたわ。それからオーケストラでパーカッションを演奏したいと真剣に思いはじめてきて、すごい勉強してトロント大学に入ったの。そこでパーカッションの学士をとったのよ。
学校ではクラシック・パーカッションを学んだわ、それでオーケストラに入りたかったの。でも他にも世界のパーカッションを勉強したわ、バリのガムランや和太鼓、ガーナのドラムやダンスもね。とくに和太鼓がいちばんわたしに影響を与えたわ。いまだに好きだし、ドラムの演奏の仕方やドラムの音についての考え方が本当に変わったの。

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フェミニストだからとか必ずしも政治的であるからという理由では音楽はつくらないけど、そういう考えはいつでもわたしたちのなかにあるし、内面の深いところの一部なのよ。

クラシックの素養があり、先鋭的なエレクトロニック・ミュージックを制作する宅録型の女性アーティストがとても活躍していますね。 ジュリア・ホルターやマリア・ミネルヴァ、ゾラ・ジーザス、ジュリアナ・バーウィックなどのアーティストをどう思いますか?

マヤ:彼女たちがいてくれて本当に幸せに思うわ! とても大切で美しい音楽を作っているに違いないわ。ジャンルやスタイルをミックスすることに興味を持っていて、かつ才能に溢れている若いアーティストがたくさんいて本当にすばらしいことだと思うわ。そのほうがおもしろいでしょ!

『オリンピア』は前作に比べてもかなり明確にダンス・アルバムとして仕上がっていると思います。ダンス・ミュージックとの出会いは、いつごろ何を通してだったのでしょう? また、参照点としてはジョルジオ・モロダーが体現したようなディスコ・ミュージックが挙げられるかと思いますが、そのように一種のレイドバックに向かうのはなぜなのでしょうか?

マヤ:小さいときからずっとディスコ、ダンス・ミュージックが聴いてきたわ。完全にハマってて、毎週末新譜を自分のためにご褒美で買ってた。毎回エレクトロニックのセクションにいて、そこのお店のお兄さんが、10歳くらいのわたしがプロディジーやケミカル・ブラザーズを買ってるのを見てクールだと思ってたらしいのよね。変な音や激しいドラム音が大好きだったの。友だちの家でテレビゲームしているときに爆音で流すのが最高だったわ。

あなたはギャラクシーというライオットガール・バンドにいたそうですが、クラシック音楽とライオットガール文化という振れ幅に驚きました。「運命」という言葉や戦いの象徴があなたの曲ではよく使われていたり、「たくましく前に進む」というような雰囲気があなたの曲にはありますが、これは一貫性のあるテーマなのですか?

マヤ:わたしたちは長い間音楽をつくることに飢えていたんだと思う。わたしたちの音楽を作ることに対するエネルギーや興奮は尽きないように感じるの。すべての曲やプロジェクトがわたしにとってはエネルギーの爆発のようだし、よりたくさんの作品を作ることに夢中なのよ。ライオットガールの戦う精神はいつでもわたしたちのやることの一部だし、わたしたちってフェミニストなの。フェミニストだからとか必ずしも政治的であるからという理由では音楽はつくらないけど、そういう考えはいつでもわたしたちのなかにあるし、内面の深いところの一部なのよ。

前作『フィール・イット・ブレイク』には"ザ・ビースト"などじっくりとピアノを聴かせる弾き語りが収録されていたりとかなり個性的で、あなたの音楽遍歴をよりダイレクトに表すものだったかと思います。前作と今作とでは人々の反応も少し違うのではないかと思いますが、いかがでしょう?

マヤ:わたしが思うに、みんなまだそれに慣れようとしているところなんじゃないかしら。『オリンピア』はヒット曲満載っていうレコードではないの。より瞑想的だし、たくさんの感情や音が混在しているのよ。ソングライティングや音楽的美学の成長を聴いてもらうためにみんながこのアルバムを何回も聴く忍耐力を持っていてくれればいいんだけど。わたしたちはアルバムが厳選された質のよいものになるように、できるだけたくさんのアナログでアコースティックな楽器を使って、すべての音をおもいやりがあって特別なものにするようにしたのよ。

あなたはご自身について、よりどちらの性質が強いと捉えていますか? ヴォーカリスト? トラックメイカー? それとも?

マヤ:このバンドでは、わたしは自分のことをどちらかというとプロデューサーやビートメイカ―だと捉えてる。ケイティはすばらしいソングライターだし、わたしとドリアンに楽器のチョイスを通してこのバンドの美学を作り上げさせてくれるの。わたしはキーボードのパートを書いて曲のアレンジを形づくる手伝いもするけど、リズム・セクションを請け負って、それぞれの曲に命や魂を吹き込むのが楽しいのよ。

interview with Primal - ele-king

草食系代表でも遊ぼう本当は誰かと居たい男
欲をいえばGender Free だがなりたくないSex Machine
かなりイカれた本心矛盾を暴露してDis覚悟
女装して闊歩するなら悪と戦えクソハーコー
巷で言う正義は薄れ今まで信じたものは捨て
暴かれる勝手気ままのGame 俺はゲイなのに男ぶってる"性の容疑者"

コツコツ働いて有意義なものに投資をするぜ
負けたくねぇぜProletariat
中流階級とはバチバチのブス
後づけ管理職は似合わないPass
哀愁漂わせるが職人通 "Proletariat"

 9月8日、渋谷でプライマルのライヴを観た。MCバトル〈罵倒〉のショーケースだった。小一時間前にステージにいたのは、若きラップ・スター、KOHHとLIL KOHHとやんちゃな仲間たちだった。LIL KOHHはバットを持って登場した。KOHHは、豪奢なブランドに身を包み、腕のタトゥーをのぞかせ、人を食ったような身振りで、軽やかに何度もこうくり返した。「他人は気にしない生き方/適当な男♪」。僕はその刹那的な人生観、怖いもの知らずの態度に恐怖と不安と羨望を感じた。文句なしにスワッグだった。時代は変わった。歳もとった。プライマルは彼らと180度違うライヴをやった。迷いを振りはらうように、カラカラになった喉を酷使しながら、曲間も絶え間なく必死の形相でフリースタイルを続けた。その姿は、素晴らしくイルだった。


PRIMAL
プロレタリアート

Pヴァイン

Amazon (通常盤) Amazon (初回特典ミックスCD付き限定盤) iTunes Review

 プライマルの6年ぶりとなる最新作のタイトルは『Proletariat』だ。80年代の日本のパンクかオルタナ・ロックのプロテストを思わせる。ECDを連想する人もいるだろう。それはある意味で間違いではない。プライマルは性と家族と労働、憂国について赤裸々にラップしている。労働者の心情を歌っている。大胆で、勇敢な性の告白をしている。そして、頑強なニッポンの男性社会の矛盾を捨て身で暴露している。20代にワイルドサイドのど真ん中を闊歩し奔放に生きたラッパーは、いま30代中盤となり、どう生きるかを模索している。新たなワイルドサイドを歩くのか? ワイルドサイドとは別の道を探すのか? いくつもの問いがあふれ出しては、彷徨っている。そのことばの放浪が、プライマルのフロウの核心ではないかと思う。プライマルはアクセルとブレーキをせわしなく交互にかけ、ぐるりと迂回しながら、見えない目的地を目指して道なき道をガタガタと進んでいるようだ。停止と急発進をくり返し、たったいま自分が吐き出したことばを次のラインで否定し、さらにその次のラインで肯定してみせたりする。脳内で延々とループする矛盾と逡巡が、オン・ビートとオフ・ビートの狭間でグルーヴを生み出し、独特のリズムを前進させる。目的地を定めないがゆえのリズムのダイナミズムがある。MSCとして精力的に活動していた00年代前半から中盤、そして前作『眠る男』のころに比べれば、殺気立ったラップは鳴りを潜めているように思う。MSCのファースト・アルバムにして、歴史的傑作である『Matador』に、プライマルは"支離滅裂"という名曲を残しているが、いまだ彼は正気と狂気のど真ん中を歩いている。

 『Proletariat』には、多くのトラックメイカーやラッパーらが参加している。盟友のDJ BAKUをはじめ、T.TANAKA、O9、HIROnyc、OMSB、Rhythm Jones、MALIK、DJ TAIKI、DJ MARTIN、琥珀、SKE、The Anticipation Illicit Tsuboi、そして先日他界したMAKI THE MAGIC。スクラッチでOMORO、ビートボクサーの太華、MASTER、Sharleeもいる。ジャズ・ヒップホップ・バンド、WATASHIとの曲もある。PONY、MESS(メシア・ザ・フライ)、SATELLITE、そしてTABOO1と漢とRUMIとの"岐路"がラストを飾る。

 目の前に、純朴な佇まいをしたイルなラッパーがいる。プライマルは、いま何と闘っているのだろうか。一時間半じっくり語ってもらった。

いちばんの闘い、苦しみっていうのは、孤独感が芽生えたことですね。

アルバムを聴いて、プライマルさんがいま何と闘っているのかということに興味がわいたんです。今日は、そのあたりのことを訊きたいと思ってやってきました。

プライマル:そうですね。具体的な、目に見える敵っていうのはもう無数にあり過ぎて、否定できないですよね。で、自分のなかの悪っていうか、ダメなところをどう抹殺するかっていうよりも、ホスピスじゃないですけど、どう癌を良くするかっていう、ある意味そういう諦め的な部分もあるとは思うんですよね。

ファースト『眠る男』から6年経ったじゃないですか。病んだり、いろいろ道草もしたり、大変だったっていう話も聞いてて(笑)。

プライマル:ははははは。

どういう6年でした?

プライマル:うーん、まあ、1枚目のアルバムのときからずっと抱えてた自分の闇っていうんですかね、性癖とか。そういうものを清算できない自分が口惜しくて、そういうのを曝け出すことによって、外からの救いを求めてるのかもしれないですね。何か言ってもらいたいっていうのもある。いちばんの闘い、苦しみっていうのは、孤独感が芽生えたことですね。

でも、結婚もされて、お子さんも生まれたんですよね。

プライマル:そうですね。そういう部分ではやる気になるんですけど、でも、根本的なところで孤独っていうのを思い知らされましたね。

最近はMSCも再始動しそうな気配がありますけど、MSCとしてのグループの活動はここ5、6年は順風満帆とは言えなかったじゃないですか。そういうことも影響してますか?

プライマル:そういうのもありますよね。逆にそれを知ることによって、人との繋がりは大事なんだなと思い知らされました。だから、いまどん底ってわけではないですけど、どん底にいたほうが上がりやすいんじゃないかなって。

どん底を実感したのはどんなときですか?

プライマル:単純にお金とかでもありますし、ラッパーとしてスターダムというか、そういうのを目指してやってたのに、辞めるか辞めないかのところまで落ち込んだ辛さですよね。

MSCは00年代中盤までに一時代を築いたと思うんですよ。その後のラップ・シーンにも大きな影響を与えたし、実際MSCを聴いてラップを聴きはじめたとか、ラップをはじめたっていう人は本当に多いじゃないですか。アンダーグラウンドのヒップホップが、これからスターダムに上がって行く準備期間というか、そういう希望がまだ持てた時代だと思うんですよね。でも、いま、あの世代のラッパーで厳しい現実にぶち当たってる人が多いのも事実じゃないですか。

プライマル:うんうんうん、そうですね。

わかりやすい形での成り上がりはなかったというか、そういう現実があるじゃないですか。プライマルさんは、そのあたりについてどういう感想を持ってますか?

プライマル:新宿STREET LIFE』を作ってる時点でその未来はかなり見えてましたね。けっきょく自分たちで何かを作って行かなきゃいけないんですけど、あまりにもいろんな人が関わってきて、イニシアチブもすごいグジャグジャになったりして、ただの商品として扱われてるのがすごいイヤだった。だから、いずれネタが切れた瞬間に、使えない商品にされるんだろうなあっていうか、必然的にそうなったと思うんですよね。漢がソロ(『導―みちしるべ―』)を出した時点で、商品化されてなくなるな、みたいな感じはしたんですよね。でも、俺もあいつに影響受けてるんで、真似する感じで自分のソロを出して。でも、そこであまり金銭的に芳しくなかったりしました。

......ギャラがなかった?

プライマル:いや、なかったわけじゃないんですよ。それだけ最初にお金かけてくれて、面倒も見てくれたんで、一概にはそうは言いたくないんです。ただ、レーベルが自分の未来まで、俺を養ってくれるっていうのは幻想でしたよね。自分でやんなきゃいけない部分を疎かにしてたっていうことですよね。だから、いまゼロからはじめるために、漢だったら、鎖(鎖グループ。漢が主宰のインディ・レーベル)をやってるんじゃないですか。TABOO1は昔からブレないっていうか、自分のスタンスを維持しつつ、作品を作っていくっていう部分ではいちばんクレバーだと思うんですけどね。自分にとってゼロからやるっていうのが、今回のアルバムなんですよ。

MSCはとくに代表作の『Matador』と『新宿STREET LIFE』で、世の中や社会や内面のダークサイドをラップして、あれだけ売れて、評価されて、支持を得たことに、多くの音楽ファンが興奮したと思うんですよね。

プライマル:なるほどね。いまもそういうラップする人はたくさんいるし、どんどんがんばってくださいって思うんですよ。生き方は人それぞれだと思いますし。でも、自分はまあ、そういうラップに共感はありますけど、ちょっと生き方を変えなきゃいけないと思ってますね。真面目に......っていうか、前向きに働かなきゃいけない。

MSCのメンバーが『Matador』や『新宿STREET LIFE』を出したころのハードなライフスタイルやあの時期にやっていた表現を、30代、40代とリアルに続けていくのはなかなかシビアじゃないですか。

プライマル:そうですね。でも、できる人もいるんじゃないですか。俺はできなかったっていうだけの話ですね。そういう気合いはなかった。

今回のアルバムにはそのあたりの葛藤もかなり表現されてると感じたんですよね。

プライマル:うーん、葛藤はかなりあったと思いますね。自分が昔作った歌詞に対しての責任ってわけじゃないですけど、そういうのを全部捨てていく感じで作ってると思うんで。

昔書いた歌詞のリアリズムから自分が遠ざかっているというか、変わったという部分で、ということですか?

プライマル:そこはありますね。今回いっしょにやってるフィーチャリングのラッパーにもテーマがわかりづらいとかってけっこう反発されて。俺のイメージっていうのがあると思うんですけど、それと違くねーか、みたいに言われて。でも、ごまかすって言うか相手をだまして(笑)、いや、まぁ、こんな感じで、ってやってもらいましたね。

ははは。

プライマル:PONYとの曲があるじゃないですか。

"Proletariat"ですよね。プライマルさんとPONYはテーマをちゃんと共有して曲を作ってる感じがしましたよ。

プライマル:PONYに関しては受け入れてくれる感じだったんですよ。

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日本ではブルジョア的なイメージが好きな人は、頑張れば自然にブルジョアになっていくと思うんです。ただ、自分は人を使うこととかがやり辛かったりするという意味で、プロレタリアート気質だなって思うんです。それだったら、そのなかでの勝ち方を探さないと負けちゃうと思うんですよ。人間の尊厳も考えた上で勝ち方を探したい。

プロレタリアートは労働者って意味ですよね。このタイトルにしようと思ったのはなぜですか? むちゃくちゃ直球じゃないですか。

プライマル:はははは。言い方が難しいんですけど、日本にはもちろん貧富の差はあると思うんですけど、どちらかと言うと、"意識階級"なのかなって思うんですよ。

意識階級?

プライマル:日本ではブルジョア的なイメージが好きな人は、頑張れば自然にブルジョアになっていくと思うんです。ただ、自分は人を使うこととかがやり辛かったりするという意味で、プロレタリアート気質だなって思うんです。それだったら、そのなかでの勝ち方を探さないと負けちゃうと思うんですよ。人間の尊厳も考えた上で勝ち方を探したい。だから、その部分で自分はかなり共産的だと思いますね。

1曲目の"MY HOME"のフックで、いきなり「コミュニスト」というリリックが出てきますよね。

プライマル:そうですね。サビは、コミュニストになるのか、自分の家族を選ぶのかっていうことをラップしてるんですよ。その曲のなかでマイホーム主義って言葉も使ってるんですけど、家族との生活を優先させて、革命をできないやつという意味で自分はマイホーム主義者だと思うんですよ。

でもプライマルさんは、自分がラッパーとして成功したり、家族が幸せに暮らせるだけでは満足できないというか、社会の幸せやより良い理想の国や社会のあり方についてどうしても考えちゃう人だと思うんですよ。

プライマル:別に政治家になるとかではないんですけど、そういうのはありますね。逆にそういうトピックしかないから、つまんない人はつまんないと思う。まあ、バランスを取って、人が気になるようなところ探してやってる感じではあるんですけどね。ただ、どうなんすかね、ラップとしてはそういうのはやっぱり無いほうがいいと思うんですけどね。

でも、そこがプライマルさんの個性のひとつだと思うんですけど。

プライマル:ただ、(キエる)マキュウとかとやると、「そういうのはあんまり面白くない」ってクリ(CQ)さんがはっきり言ってきてくれたりもしたんで。

それこそMAKI THE MAGICさんは自分の政治思想を強く持っていた人だと思いますけど、音楽には反映させないというのを、信念にしていたところがありましたよね。

プライマル:そうですね。ラッパーとしてそういうところはすごい影響されてますね。でも、俺の場合、出ちゃってますけど。

MAKIさんとはどういう関係だったんですか? 前作の"SHADOW"と"My Way"はマキさんのトラックですし、今作でも"武闘宣言2.0"を作ってますよね。

プライマル:『新宿STREET LIFE』ではじめて仕事させてもらって、MAKIさんの作った"矛盾"っていう曲のヴァースを褒めてくれていたという話を人伝てに聞いて、嬉しかったですね。『新宿STREET LIFE』に関していえば、俺はプロデュースはまったくしていないアルバムなんですよ。漢と〈ライブラ〉の社長と目崎くん(『Proletariat』のデザイナーのDirty MezA)がコンセプト考えて、トラックを決めて、という感じで。だから、俺の政治的な部分は反映されていないですね。だから、二木くんは逆に良いんじゃないですか、ははははは。

いやいやいや、そんなことないですよ(笑)。プライマルさんのソロも僕は大好きですよ。MAKIさんとはけっこう密な関係だったんですか?

プライマル:そうですね。マキュウの飲み会とかイヴェントにちょくちょく顔出すようになって、「このトラック、どう?」みたいなことを言われるようになって。

けっこう飲んだりはしてたんですか?

プライマル:かなり飲んでましたね。ある時期は月イチぐらいのペースで飲んでましたね。ソロをちょこちょこ作りはじめるのと、同時進行で「SS」っていうグループもやろうぜ、みたいな話にもなってて。

「SS」って何ですか?

プライマル:「シークレット・サービス」ってことなんですけど(笑)。まあ、ナチスの親衛隊とか、は冗談ですがいろんな意味があったんです。

はははは。プライマルさんがMAKIさんと波長というか、ヴァイブスが合ったポイントはどこだったんですか?

プライマル:なんですかね、やっぱ優しかったですね。気さくっていうか、受け入れてくれるっていうか、フツーに楽しかったですね、MAKIさんといっしょにいるのが......。

MAKIさんは、上の世代で早い段階でMSCを評価して、トラックも提供した人でしたよね。

プライマル:そうですよね。もちろん、〈ライブラ〉の人たちと仲良いというのもあって、そういう流れもあったと思うんですけど、運命的に出会った感じですかね。

"子供とママと家庭"っていう曲がありますけど、家族ができたのはやっぱり大きいんじゃないですか?

プライマル:回帰した感じですよね。自分の家族は家によくいたんで、昔は家がイヤでしたね。でも、親父が10代の終わりごろに亡くなって、引きずってた部分はあったんですけど、20代は好き勝手に生きて。でも、自分が家庭を持ったことで、また家族を意識するようになったんじゃないですかね。

それにしても、"子供とママと家庭"というタイトルもまた直球ですね(笑)。

プライマル:へへへへへ。俺、歌謡曲とかフォークが好きなんで、そういう感じで行きたいっていうのはあったんですよね。歌謡曲やフォーク系の人のリリックってかっこいいじゃないですか。今回は誰にも文句言われないし(笑)。

フォーク系というと、たとえば岡林信康とか?

プライマル:あー、そこまで濃くないと思いますね。吉田拓郎とか。

泉谷しげるとかは?

プライマル:泉谷しげるとかも好きですね。でも、やっぱり、女々しいっていうか、昔のアイドルの曲も好きですね。松田聖子とか好きですね。

松田聖子!? へー、それはやっぱり歌詞の部分?

プライマル:歌詞も好きなんですけど、なんか共感がありますね。俺は昔からあまり男臭い歌詞が書けないんですよね。

"性の容疑者"のリリックの内容は衝撃的ですよね。

プライマル:そうですね。

これは実体験というか、ゲイになりきってラップしているということですか?

プライマル:いや、もう......俺はゲイだから、といったら勘違いされるので、バイみたいになっちゃって。

それはプライマルさん自身が?

プライマル:そうですね。

え!?

プライマル:はい。だけど、二丁目にいるようなゲイにもなりたくねぇなっていうのもあって。

自分がゲイっぽいって感じるときがあるんですか。

プライマル:「ゲイっぽいって感じる」っていうか、まあ、男遊びとかしちゃいましたよ(笑)。

マジっすか(笑)。それは書いてもいいですか?

プライマル:いいっすよ。だって、この曲はそういう歌詞ですから。

僕はこの曲はフィクションかメタファーだと思ってたんですよ。

プライマル:いや、フィクションは書かないすね。だから、この曲はディスられる覚悟で作ったんですけど。

最近はフランク・オーシャンがカミング・アウトしたり、アメリカでは変化もありますけど、とくにヒップホップはゲイに厳しい文化ですよね。この曲を発表するのには、迷いもかなりあったんじゃないですか?

プライマル:そうですね。だから、ちょっとどうなるかはわかりません。

漢さんはなんか言ってました?

プライマル:この曲に関してはわからないですけど、そういう話はしたりするんで、「しょうがねーヤツだなー」みたいな感じなんじゃないすか。

そのおおらかな感じがMC漢らしくてすごくいいですね(笑)

プライマル:いや、でも、そこまでは優しく言われてないですけど(笑)。

挑戦的というか、攻めの曲ですね。

プライマル:リスクはあるんですけど、やっぱり攻めないとダメだなというのはありますよね。

リスクも大きいですけど、得るものも大きいと思います。反響はありました?

プライマル:みんな、この曲に関しては訊きたがってますね。だけど、まあ遠慮して訊いてこない人もいるし。

じゃあ、もう少し詳しく訊いてもいいですか(笑)?

プライマル:ははは。まあ、たいしたことではないんですけど......小っちゃいころから自分が男臭い部分に向き合うのを避けてたんですよ。ぜんぜん大事にしてこなかったんですけど、突如、逃げてきたその部分に感情的に囚われて、自分が見知らぬ人っていうんですか、そういうところに行ってしまう感じがあって。

自分のなかの見知らぬ人という意味ですか?

プライマル:そうですね。それって要はビッチじゃないですか。

それは、男に対してビッチだってことですか?

プライマル:そうですね。そういうのを訂正しないと自分がダメになるなぁって思って。

「容疑者」と付けたのはなぜですか?

プライマル:人と俺が繋がってる世界のなかで違反者であるっていう意味ですね。同性愛は否定しないですけど、ただ、性に奔放だから、"性の容疑者"なんです。自分のその部分は完全には否定できないんですけど、避けられない弱さでもあると思うんですよ。その部分をあえて出したかった。この曲に対してのアンサー・ソングもじつは作ったんですよ。"M男の運命"っていう曲があったんです。

"M男の運命"がもし収録されたとしたら、プライマルさんの自分の性に対しての考えが、リスナーに対してもう少し明確にわかりやすく伝わりましたか?

プライマル:わかりやすいってわけじゃないですけど、「こいつは、そういうヤツなんだ」みたいのはもう少し伝わったと思います。まあ、でも、そこまでは言う必要はねぇかなと思いましたし、その曲を入れて自己肯定になってしまうのも逆に良くないと思ったんで、入れませんでしたね。まあ家庭もありますし、自分の子供が曲を聴いて食らって、「はぁ!?」とかなっちゃうのもあれなんで。"M男の運命"を入れなかったから、謎になっちゃったのかもしれないですね。

なるほどー。

プライマル:でも、"性の容疑者"はどうしても入れたかったですね。アルバムは、"血"と"性の容疑者"、"御江戸のエリア"とかが最初に完成して、そこから改善策を探っていくっていう感じで曲を作ってたんですよね。最低のライン、最低のヴァイブスです、っていうところから、ちょっと頑張ってみます、みたいな感じでアルバムを作っていったんですよ。

"性の容疑者"を作ったのは結婚する前ですか?

プライマル:結婚してましたね。

そう考えると、"性の容疑者"から"子供とママと家庭"、 "Proletariat"、それから最後の "岐路"まで一貫した流れがありますね。

プライマル:どうしようもないですけどね、ほんと。奥さん、子供には申し訳ない。

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漢が一時期いっつもライヴで言うセリフがあったんですよ。「勉強ができなくてもいいから普通でいてくれって親によく言われた」って。「俺に言ってんなぁ」ってその言葉がやけに響いちゃって。

闘いっていう意味ではほんとにいろんな側面の闘いがありますね。性、家族、労働、あと憂国もありますよね。

プライマル:"性の容疑者"の闘いがいちばん最大かもしれないですね。そこが起点で、どうバランス良く生きて行けるかっていう闘いがあるんで。働くことはできるようになった、だけど、なにかフツーじゃないぞ、みたいな。二丁目にいるような人たちを全否定するつもりはないんですよ。ただ、自分はそうはなりたいと思わなかったですね。

それはどうしてですか?

プライマル:もちろん二丁目だけじゃないと思うんですけど、人間愛で行けばそういう方向性も間違ってはいないと思うんですよ。ただ、政治や闘争っていう部分で、まったく意見ができなくなると思ったんですよ。そういう選択を迫られたときに、自分はそうじゃないようにやるしかないと考えましたね。もちろん、簡単に人を判断するのは良くないと思いますけど、自分はだから、そういう意味でもプロレタリアートなんだと思いましたね。

ああ、なるほど。それは男性社会のなかで闘いたいということですかね。

プライマル:いや、いまのはちょっとテキトーに言い過ぎたところもありますね。まあ、一般的な考えのところで頑張りたいって思ったんですよ。でも、それだけじゃ、やっぱり変わっていかない世界がすごく見えた6年でもありましたね。

「変えたい」というのは、個人的なものですか? それとも社会的なものですか? 両方ですか?

プライマル:すごい個人的なものですね、変わって行きたいっていうのは。社会はどこにでも存在しているし、けっきょくどこのコミュニティに入り込むかだと思うんですよ。それを自分で作るほど、自分はデカくないですし。最低限、家庭をなんとか成立させて、子供がでかくなれば、その後自由にやるんでもいいのかもしれないんですけどね。なにを言いたいのか、まったくわかんなくなってきましたね。ぐちゃぐちゃになってきました(笑)。

いや、大丈夫です。一貫してますよ。

プライマル:漢が一時期いっつもライヴで言うセリフがあったんですよ。「勉強ができなくてもいいから普通でいてくれって親によく言われた」って。「俺に言ってんなぁ」ってその言葉がやけに響いちゃって。そういう部分じゃないですかね。

MSCのなかでTABOO1さんは正統派のBボーイという感じがするんですけど、プライマルさん、漢さん、O2さんってかなりイルというか、変態的な側面が強いじゃないですか。変わり者って言ったらあれですけど、なんでそんなメンツが集まったんですかね。

プライマル:間違いないですね。でも、なんで集まっちゃったのかはまったくわからないですね(笑)。

はははは。

プライマル:でもイルは役立たないですよ、社会で。ほんとに(笑)。ただの自分勝手な人だと思うんすよね。

いやいや、でも、イルなラッパーが新しい価値とスタイルを生み出して、イルであってもいいんだって思えるラッパーとか人とか社会を作るんじゃないですか。

プライマル:ああ、なるほど。そういうのは、まあわかりますけど、あんまり自己肯定したくないすよね。でも、そう考える時点でけっこうイルですよね。

そうですね(笑)。

プライマル:ふふふふふ。あと、本読んだりするのも好きですけど、それだけだと不安になりますね。働けば、安いけど、お金をもらえる充実感があるじゃないですか。でも、そこで満足しちゃって安住しちゃうのがプロレタリアート的な考えですよね。自分はそういう気質だなって思って、タイトルにしたんですよ。でも、やっぱりそれだけじゃダメなんですよね。

ということは、労働者であるというところに100%プライドを持ちたいわけではないんですね?

プライマル:そうではないですね。働いて頑張ってる人には申し訳ないんですけど、その意味で軽く使ってしまっているかもしれないですね。

となると、プライマルさんはどうありたいと思いますか?

プライマル:世間が許さないかもしれないですけど、ラッパーとしていまのやり方で裾野を広げていって、お金も貯めて、表現者でありつつ、投資もできるようになりたいですね。やっぱり「脱プロ」は目指したいですね。

脱プロ?

プライマル:"Proletariat"のポニーのリリックで「脱プロレタリアート」ってあるじゃないですか。脱プロはやっぱ目指すべき道だとは思うんですよね。でも、ブルジョアになりたいのかと言ったら、それも違う気もする。そもそも日本でのブルジョアの概念は難しいと思うんですよね。別に社長だったら全員がブルジョアでもないわけですし。だから、自分自身まだまだ矛盾していて、思想が完成してないと思うんですよ。

ラップで経済的自立することは脱プロですか?

プライマル:それができたら、ひとつの脱プロだと思いますよ。そうはなりたいですよね。

じゃあ、僕はそこを少し勘違いしてました。労働者である自分に誇りを持つ、という側面もかなりあると思ってたので。

プライマル:ぶっちゃけそういうふうに言われると思いましたね。「また、プロレタリアートとかそういう言葉を軽く使ってんだ」って。

いやいやいや、そうは思ってないです。

プライマル:でも、学生運動やってた人は悲壮感が強いですよね。絶対に闘うっていう決意があるじゃないですか。プロレタリアートから抜け出すこともなく闘い続けるんだっていう。俺はそこまでは行ってませんっていうアンサー・ソングが1曲目の"MY HOME"なんです。

なるほど。ところで、MSCは、O2さんは沖縄にいていなかったですけど、先日恵比寿の〈KATA〉で久々にライヴをして、9月20日の〈KAIKOO〉でもライヴしますよね。再始動と考えていいんですか?

プライマル:まだ再始動っていうほどではないですね。完璧に決まってはいないですけど、けっきょくMSCの繋がりが深いんで。それだけ繋がりが強いから、ひとりでも欠けると崩れていったんでしょうし。でも、新宿でやってる以上、MSCをやらなきゃ意味ないっていうのはすごいありますよね。そのために新宿に住んでる。そこで家庭もできて、子供も生まれた。それで『眠る男』と今回のアルバムの違いっていうのも出てきたと思うんですよ。最近ネットで見たら、「プライマルのリリックから画が見えない」みたいなことは書かれちゃってましたけど(笑)。いちおう褒めてはくれてるんですけど、前よりは下がってるな、みたいなことを書かれて。

どの曲ですか?

プライマル:"大久保ストリート"って曲ですね。歌舞伎町にいるキャッチの方とか新宿の街にいるヘンなヤツのこととか、まぁそれは自分かもしれませんが、そういうのを描写して画が見えるっていうのはわかるんですけど、俺は別にいまそこには絡んでいないし希望していないんですよね。無機質な大久保通りが、いまの俺の現実なんで。通勤のためにチャリンコで、ただ通う道なんです。そういう現実をラップしてるから、「画が見えない」って書かれたのかなって、強引に考えてみましたね。

でも、その解釈は当たってると思います。MSCにセンセーショナルなラップを求めるリスナーは多いでしょうし、新宿の夜の街、危険な新宿を描くのがMSCというのは、みんなどうしても頭にありますから。

プライマル:そうですよね。でもいまはそっちよりも、どっちかって言うと、新宿区民としてやってますよって感じですね。

そういう形で新宿の地域に根づきはじめてるということですよね。

プライマル:結果的にそうなっていったらいいですけどね。でも、そのなかにもまた矛盾がありますよね。

Wake Up 仕事精出す Entertainerの夢を追うけど
その前に世間に演じてる俺をみな
"おむつがとれるまで"

禁断の多数決
アラビアの禁断の多数決

AWDR/LR2

Amazon

 ○○の禁断の多数決......おもしろい。場所ごとに毎度リセットされるバンド/音楽です、というふうにもとれるし、○○という場所で行われる多数決(しかも禁断の)、というふうに奇妙に政治性あるいは物語性を帯びてくるようにも感じられる。はたして「アラビアの」禁断の多数決とは何なのか、どういうことなのか。
 00年代USインディ・ロックの記憶を煮凝らせた素晴らしいデビュー作『はじめにアイがあった』から1年。禁断の多数決セカンド・アルバム『アラビアの禁断の多数決』の情報が解禁されたが、トレイラーを見ても謎は深まるばかりなのだった。さあ、あなたは何を感じたでしょう......何を感じるよう誘導されたのでしょう......それともアラビアの魔法の向こうにはもしかして何もないのでしょうか。

「禁断の多数決」のセカンド・アルバム『アラビアの禁断の多数決』。
国内初ライヴ。そして『アラビアの禁断の多数決』のトレイラーが公開。



■禁断の多数決 『アラビアの禁断の多数決』

DDCB-12062
Released by AWDR/LR2
2013.11.20 on sale
2,500 Yen (Tax in)

1.魔法に呼ばれて
2.トゥナイト、トゥナイト
3.真夏のボーイフレンド
4.今夜はブギウギナイト
5.リング・ア・ベル
6.ココアムステルダム
7.くるくるスピン大会
8.踊れや踊れ
9.勝手にマハラジャ
10.Crazy
11.フライデイ・ナッツ
12.渚をスローモーションで走るも夢の中
13.バンクーバー
14.アイヌランド

■「禁断の多数決」のセカンド・シーズン。

デビュー・アルバム『はじめにアイがあった』が話題になった「禁断の多数決」待望のセカンド・アルバムが遂に登場。
膨大な情報量が詰まったメンバーそれぞれの脳内ハードディスクから無限に生まれるアイデア。それをベースに試行錯誤を繰り返し、ようやく形になりつつあるものを初のスタジオ録音、豪華サポート陣にもお手伝いしてもらいながら、(前作よりも)環境を大幅にパワーアップさせ、バンドの持つ理想のサウンドに近づけることに成功した。
弦楽四重奏やホーン隊まで取り入れた壮大なオープニング曲"魔法に呼ばれて"。代表曲"透明感"の延長線上にありつつも確かな進化を感じさせるニュー・アンセム"トゥナイト、トゥナイト""真夏のボーイフレンド"。中央フリーウェイを走っているようなシティ・ポップ風の"リング・ア・ベル"。ミニマルな和太鼓のリズムを導入したお祭りとインディ・サイケのメランコリィな出会い"踊れや踊れ"。フィドルやティンホイッスルを導入した禁断風アイリッシュ・ダンス・サウンド"アイヌランド"。50曲を超えるデモの中から選りすぐられた全14曲。無邪気なほどポップなサウンドの中にも奇天烈な遊び心や霧のかかったサイケデリックが多分に含まれている。
たぐい稀な才能を持ち合わせた「禁断の多数決」2013年作の金字塔『アラビアの禁断の多数決』。

※2013年12月12日渋谷WWWにて日本国内初となるライブ『宇田川の禁断の多数決』も決定。

■『宇田川の禁断の多数決』詳細

タイトル: 宇田川の禁断の多数決
日程: 2013年12月12日(木)
会場: 渋谷WWW
時間: OPEN 18:30 / START 19:30
出演: 禁断の多数決 <https://kindan.tumblr.com
料金: 前売¥2,500 / 当日¥3,000(ドリンク代別)
前売: 【オフィシャル先行】
受付日時: 9/25(水)19:00~29(日) 23:59 <先着先行>
先行詳細: https://kindan.tumblr.com
【一般】
ぴあ[P:211-587] / ローソンチケット[L:74605] / e+ にて10/12(土)より発売
お問合せ:WWW 03-5458-7685

■禁断の多数決 プロフィール

尾苗愛、ローラーガール、シノザキサトシ、はましたまさし、ほうのきかずなり、処女ブラジルの6人組。
2011年より動画サイトにて自作のミュージックビデオやグラフィックなどを次々に公開。
2012年10月にデビュー・アルバム『はじめにアイがあった』を発売。
2013年11月にセカンド・アルバム『アラビアの禁断の多数決』を発売予定。
2013年12月12日に日本国内初ライヴを予定。
https://kindan.tumblr.com/


Detroit Report - ele-king

 わたしにとって幼少期に聞いた「音楽」という記憶は「ポンキッキーズ」のことだ。まだ柔らかい心の芯に毎日刷り込まれたあのポップ・ミュージックは、いまでも簡単に口ずさめてしまう。デトロイトではそんなポンキッキーズな年齢の子供たちが、テクノやハウス・ミュージックを楽しめるイヴェントが存在している。気になっていたこのイヴェントにやっと今年行くことができたので、レポートしようと思います。

 デトロイトのミュージック・フェスティヴァルといえば、5月に開催される〈ムーヴメント〉がある。これは世界的にも有名なミュージック・フェスティヴァルだが、毎年夏に同じくデトロイトで〈バックパック・ミュージック・フェスティヴァル〉というものがひっそりと開催されている。今年は8月3日に開催され、8回目を迎えた。このミュージック・フェスティヴァルは「成功するための基礎がない上では、子供の成功はない」という考えのもとスタートした、親子で一緒に楽しむことができる音楽イヴェントだ。
 イヴェントの中心にいるのは子供たち。その子供たちの成長の手助けをするために、来場者は入場料として20ドル程の募金をするか、子供用バックパック(日本でいう、リュックサック)を寄付として持ってくる。つまり、このイヴェントの最終目的は、集めた募金なども使用し、学習環境が整っていない子供たちにバックパックや学用品などをいき渡らせること。
 もちろんアーティストもボランティアでの出演で、今年のラインナップは、ホアン・アトキンス、エディ・フォークス、テレンス・パーカー、アルトン・ミュラー、ジェイ・ダニエル、そして、デトロイト・テクノ・ミリティア。昨年は、デリック・メイやギャラクシー2ギャラクシー、タイムライン、リック・ウィルハイトなども出演、そこにローカルDJも加わって現地ならではの豪華な内容だった。

 開催場所のデトロイトのBelle Isle Parkは自然博物館や湖もある外周を車で20分程の島、会場となっていた広場の横の川でも居合わせた釣り人は終日退屈そうに揺れる波紋を見つめていた。
 エントランスにて日本で購入してきたバックパックを渡し会場内に入ると、オープン直後だったのでまだ客は20名程しかいない???。ブースはふたつに別れている。それぞれのタイムテーブルを見ながらどういった行動にしようか考えていると、オープニングアクトのDJ Headはいきなり子供抱いて登場(!)。左手に子供、右手でEQと、まだ眠気も覚めない朝10時の豪快な姿にこれが本当のデトロイト・アンダーグラウンドなのか......と思いながら芝生に座り、無料で配られていた朝ご飯のパンケーキをかじった。
 1時間づつ約総勢30名程のアーティストが出演し、音楽以外にも子供が楽しめるように、大きなトランポリンやお絵描き教室、フェイス・ペインティングなどのアクティビティが多数用意されている。早い時間帯はやはり家族連れが多く、父親のDJプレイを聞いたり芝生を駆け回ったり、夢に身を委ねているかのようなただただ穏やかな時間が流れていた。
 歴代のデトロイトテクノのアートワークを担当しているHAQQもこの日は子供と一緒に来場、DJブースから少し離れた、涼やかな風が抜ける木の下でライヴ・ペインティングを行っていた。キャンバスに、HAQQの娘がバックパックを背負っている絵が描かれていく。わたしはその横で、向こうに響くベースラインに耳を傾けながら、HAQQの子供ふたりを相手にキャッチボールをするというなんとも平和的な時間を過ごした。毎年まとまった休みも取れず、たいした夏の記憶もないわたしは、この絵に描いたような「夏休み」に、ここ数年の空費した夏を取り返した気になった。

 客層は幅広く、なかには傘寿のお祝いを迎えているであろうおばあちゃんもいらっしゃっていた。毎年、自ら車を運転をして会場まで遊びにきているというそのおばあちゃんは、ステッカーだらけの車イスに乗り、まるで赤子と優しく会話をしているかのように音楽を聞いている。そしてムーディーマンの"Shades of Jae"がかかった途端、車いすから立ち上がって拳を振り上げた! その瞬間、オーディエンスは一体となり、嬉々たる空気に満たされた。こうゆう瞬間があるから、わたしはクラブ・ミュージックが好きでたまらない。
 とくに楽しみにしていたアーティストはジェイ・ダニエル、そして自らのレーベルからレコードもリリースしているデトロイト・テクノ・ミリシア。ジェフ・ミルズに影響を受けたという彼らは一昨年の〈ムーヴメント〉では5人で5台のターンテーブルを使用していたが、この日はふたりで4台ターンテーブルを駆使し、次から次へとミックスされる率直なハード・テクノでオーディエンスを魅了した。
 だんだんと空に紫色のグラデーションかかり、湿度が上がって子供たちはいなくなった頃、大人たちはシカゴの女性DJ、CZ Boogieの野性的なプレイに歓声を上げ、ダン・ハートマンの"Relight My Fire"で合唱。そして、このブースのトリのテレンス・パーカーに後ろ髪をひかれつつ、わたしはホアン・アトキンスに向かった。ホアン・アトキンスはクラシックなシカゴ・ハウスを連発しイヴェントは幕を閉じた。

 このイヴェントにはドラッグはもちろんだが、アルコールの販売すらない(水すら売っていないというのには少々驚いたが)。運営自体も各自のサポートとDIY精神によりどうにか成り立っている感じだ。それでも、この街で生まれた音楽を愛し、こうやって子供たちのためにたくさんのアーティストが集まり、そこに純粋に音楽を求めて良質なオーディエンスが集まる。とてもシンプルなことだけれど、ナチュラルにできてしまうデトロイトのシーンに羨望した1日だった。

 以下はこのイヴェントのオーガナイザー、Judy Sheltonのインタヴューです。このイヴェントについていろいろお話を伺いました。どうぞ!

バックパックを持たずにペンや本などを手に持っていたり、スーパーの袋に入れて持ち歩いて登校している子供たちを見かけたことが全てのはじまりでした。それを見て、私自身も何ができるだろうと考えはじめて、このイヴェントのアイディアが浮かびました。はじめにデリック・メイにこの話をしたら、彼は快諾しこのイヴェントの第一人目のスポンサーとなってくれました。

開催目的を詳しく教えていただきますか?

Judy Shelton(JS):私たちが実施している、学校の子供たちを観察するプログラムで、バックパックを持たずにペンや本などを手に持っていたり、スーパーの袋に入れて持ち歩いて登校している子供たちを見かけたことが全てのはじまりでした。それを見て、私自身も何ができるだろうと考えはじめて、このイヴェントのアイディアが浮かびました。はじめにデリック・メイにこの話をしたら、彼は快諾しこのイヴェントの第一人目のスポンサーとなってくれました。当初のイヴェントは〈デトロイト・ハウス・ミュージック・ピクニック〉という名前の通り、「バックパックや学用品などを持ち寄ってピクニックに来て音楽を楽しもう」というような、とても親しみやすい内容のもので、ゲストを招きいれる形でスタートしました。
 それから1年のあいだにデトロイトの経済はさらに悪化して、多くの人が失業してしまいました。以前イヴェントに学用品などを寄付してくれていた人たちが、いまは助けを必要とする側になっているんです。昨年、2012年は、いままでにないかたちで次のステージへとイヴェントを前進させ、URと協力して〈バックパック・ミュージック・フェスティヴァル〉の開催を迎えました。ここにたどり着くまでの長年のあいだ、つねにデリック・メイ、ケヴィン・サンダーソン、ジェフ・ミルズらともさまざまなことに取り組んできました。彼らは活動資金を募る架け橋としても協力をしてくれて、確実に子供たちにバックパックや学用品にいき届くようにしたのです。私たちは8つの機関と提携していてるのですが、そのうちのひとつのミシガン大学がおこなっているキッズキャンプにいるのは、身寄りのない子供や何らかの問題を抱えている子供たちです。彼らにもバックパック、学用品など必要なものがいき届くように取り組んでいます。 

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デトロイトでは、子供たちがアートに触れる機会がなくなってしまっているのが現状です。子供たちにテクノやハウスが好きになってもらえるような機会をつくっています。ヒップホップ色が強いものは、デトロイト・ヒップホップという感じで。シカゴ・ハウスも子供たちに好かれています。

通常の音楽イヴェントのように大人だけの入場にして、募金を集めたりするにするなどさまざまな方法があったと思いますが、子供も一緒に楽しめるようにしたのはなぜなのでしょうか?

JS:子供たちが親とイヴェントに遊びにきて楽しい時間を過ごし、そしてその中で募金を募り、学用品などが必要としてる子供たちの元に届くというものにしたかったのです。
 このイヴェントの一番の目的は、わたしたちの子供たちの未来に目を向けることです。毎年、イヴェントの主旨は変わっていませんが、今年は更に子供たちとイヴェントがより深く関わることができるようにすることが目標でした。そこで今年は〈サンライズ・ブレックファースト〉を開き、子供たちは朝8時~10時のあいだ、無料で朝食を食べれるようにし、その代わりに親たちにはイヴェントに10ドルの募金をしてもらうという形にしました。
 その他、より楽しめるようにアトラクションを多く盛り込みました。大きなトランポリン、フェイス・ペインティング、3Dピクチャー、子供たち向けのアートセラピー、他にはミュージックタイムという子供たちが音楽をつくる広場も設けたりもしました。

デトロイトにはテクノの他にもたくさんの素晴らしい音楽文化がありますが、 なぜテクノやハウスのアーティストがメインのイヴェントにしようとしたのでしょうか?

JS:私が育った背景と深く関係しているんですが、デリック・メイとは私が13~14歳からの交友関係で、当時〈KS〉というクラブがあったのですが、そこで長年プロモーターとして多くのパーティを一緒に開催していました。私にとって音楽は自分自身の大切な一部で、それは昔もいまも変わっていません。その自分が大切にしてきた音楽、子供たちへの愛、長年友好関係を築いてきた仲間たち──全てを合わせたときに、自然な流れでいまの活動のかたちができていったのです。

デトロイトの子供たちを取り巻く現在の状況で、感じていることがあれば教えてください。

JS:Eメールやフェイスブックを通して、デトロイトの経済破綻がどのようにイヴェントへの影響するかと懸念するメッセージがいろいろな人から届きました。そこで私自身もイヴェントにどのような影響があるかと考えてみたのですが、「イヴェントには影響するかしら? いや、何も影響しないんじゃないか」と思ったんです。出た答えとして、「デトロイトの経済が降下していく」=「デトロイトの子供たちが降下していく」ということではないということです。
 私たちにはコミュニティがあって、その支え合って生きている人びとの集まりが子供たちにはついていることを知っています。経済が破綻して現状は決していいものではありません。しかし、どんなときでも、立ち直る過程の前には、厳しい状況に直面することは避けられません。いまデトロイトは厳しい状況に直面していますが、デトロイトには素晴らしい人びとがいます。多くの才能を持った人たちを輩出しています。音楽面でもモータウン、テクノが生まれた場所なのです。自分らの大切なものが何かを見つめて、自分たちがもつこのコミュニティで何ができるかと問いかけながら前向きに進んで行けば、未来は必ず良い方向に向かうと確信しています。

デトロイトの子供たちは音楽が好きだと感じますか?

JS:ええ、もちろん! デトロイトの子供たちは音楽が大好きです。子供たちにテクノやハウスが好きになってもらえるような機会をつくっています。ヒップホップ色が強いものは、デトロイト・ヒップホップという感じで。シカゴ・ハウスも子供たちに好かれています。デトロイトでは、子供たちがアートに触れる機会がなくなってしまっているのが現状です。学校では音楽や絵を描ける、そんな普通の授業もなくなっています。なので、私たちは、アートセラピーを設けたりして、子供たちにアートと繋がる機会をつくってあげています。なかにはカール・クレイグの財団が音楽を教えているもの、マイク・ハッカビーが音楽制作を教えるなどさまざまな活動があります。

募金を集めていますが、集めた募金は具体的に何に使用されるのでしょうか?

JS:バッグパックの購入やペンや紙、クレヨン、のり、などの学用品です。私たちの活動は、幼稚園から高校までのあいだの子供たちが対象ですが、家のない子供たちや身寄りのない子供たちはもっと高い年齢の場合もあります。その子供たちのためにも必要な物を購入するのに使用します。他には、活動のなかで実施している読み書きのプログラムのために使用しています。子供たちが読書する機会が減っていることから、このプログラムを今年スタートさせました。必ずしも学校で読んでいるような本だけを購入して読ませるのではなく、彼らが読みたいと思った本から読みはじめてもらっています。これに関しては、イヴェントに来る人びとにも寄付してもらえる本を持ち寄ってもらったりもしています。

これだけデトロイトのアーティストが集まると、アーティスト同士の交流の場所にもなりそうですね。

JS:出演するアーティストはボランティアで彼らの時間を提供していて、ひとつのコミュニティとして私たちの子供たちのために、アートのためにみんなが協力してイヴェントが成り立っています。これらがこのイヴェントを特別なものにしているのです。こんなにアーティストが集まって、しかも無償でプレイするなんて不思議だ! と驚く声をききますが、自分たちのコミュニティをサポートするという目的のもとアーティストたちが集まって参加しているのです。ケニー・ラーキン、ジョン・ディクソン、テレンス・パーカーなどたくさんのアーティストがイヴェントに参加してプレイしています。世界をツアーしているアーティストも、こうしてホームタウンのデトロイトに戻ってきて参加してくれているのです。アーティスト同士も知り合いで、昨年はシカゴからウェイン・ウィリアムズもイヴェントに参加してくれました。

今後どのようなイヴェントにしていきたいと考えていますか?

JS:私たちの今年のゴールはバックパックを3000人分、学用品を5000人分にのばすこと、私たちが取り組んでいるプログラムの子供たちに必要な学用品が行き届き、さらに他の子供たちへもいき届くようにすることです。

mixCD"swim in"発売中
https://tmblr.co/ZnHH9xWlBSX7

2013/09/21(SAT) D&D@CASA
Chinma , Tomoharu , MKID , MATSUHARA , BlackShadow

2013/10/04(FRI) SilentService@CREME
RobArt , Mine , MKID , Tomoharu

schedule→ https://tomoharu-ss.tumblr.com/

2013.09 CHART


1
Copacabannark - Minidisc EP - Minibar

2
V.A. - La Compilacion Parte 3 - Movid

3
Rayo & Pan Sancho - Sara - Bodyparts

4
Edward - Remixes on Conny Plank - White

5
Hubble - Not So Secret Diary 02 - Not So Secret Diary

6
V.A. - Studio R 01 - Studio R

7
Anton Zap - Water - Apollo

8
Patrice Scott - Nostalgia - Sistrum

9
Cloudface - MH001 - Mood Hut

10
Pheek - Primavera Edit - Climat
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